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  • 特開-シート貼付装置およびシート貼付方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023050671
(43)【公開日】2023-04-11
(54)【発明の名称】シート貼付装置およびシート貼付方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/683 20060101AFI20230404BHJP
   B65C 9/26 20060101ALI20230404BHJP
【FI】
H01L21/68 N
B65C9/26
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021160892
(22)【出願日】2021-09-30
(71)【出願人】
【識別番号】000102980
【氏名又は名称】リンテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100120592
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 崇裕
(74)【代理人】
【識別番号】100184712
【弁理士】
【氏名又は名称】扇原 梢伸
(74)【代理人】
【識別番号】100192223
【弁理士】
【氏名又は名称】加久田 典子
(72)【発明者】
【氏名】上道 厚史
【テーマコード(参考)】
3E095
5F131
【Fターム(参考)】
3E095AA01
3E095BA03
3E095CA01
3E095DA03
3E095DA24
3E095DA32
3E095DA42
3E095DA54
3E095EA02
3E095EA14
3E095EA22
3E095EA40
3E095FA13
5F131AA02
5F131AA03
5F131AA11
5F131AA12
5F131AA21
5F131AA22
5F131AA23
5F131BA53
5F131CA09
5F131CA32
5F131DA12
5F131DA13
5F131DA14
5F131DA16
5F131DA33
5F131DA42
5F131DB52
5F131DC23
5F131EA07
5F131EA14
5F131EA15
5F131EA22
5F131EA24
5F131EB01
5F131EB11
5F131EB31
5F131EB42
5F131EB46
5F131EB56
5F131EB63
5F131EB78
5F131EB79
5F131EB81
5F131EC32
5F131EC33
5F131EC34
5F131EC35
5F131EC42
5F131EC43
5F131EC44
5F131EC55
5F131EC62
5F131EC63
5F131EC64
5F131EC66
5F131EC68
5F131EC69
5F131EC72
(57)【要約】      (修正有)
【課題】所定の平面形状に変形させて被着体に貼付した接着シートに貼付不良が発生することを極力防止するシート貼付装置及びシート貼付方法を提供する。
【解決手段】シート貼付装置EAは、所定のエネルギーによって変形可能な接着シートASを供給する供給手段10と、当該接着シートASを保持するシート保持手段20と、接着シートASを被着体WKに押圧する押圧手段30と、接着シートASに所定のエネルギーを付与するエネルギー付与手段40と、を備える。シート保持手段20は、当該接着シートASを保持するシート保持面22Bと、シート保持部材22を有する。エネルギー付与手段40は、当該はみ出し領域ASHをシート押し付け面22C方向に反らせ、反らせたはみ出し領域ASHを所定の平面形状に変形させて被着体WKに貼付する貼付面AS3を形成する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定のエネルギーによって変形可能な接着シートを供給する供給手段と、
前記供給手段で供給された前記接着シートの接着面の反対側である反接着面側に当接し、当該接着シートを保持するシート保持手段と、
前記シート保持手段で保持された前記接着シートを被着体に押圧する押圧手段と、
前記接着シートに前記所定のエネルギーを付与するエネルギー付与手段とを備えたシート貼付装置において、
前記シート保持手段は、前記接着シートの一部に当接して当該接着シートを保持するシート保持面と、前記押圧手段による押圧の際、前記接着シートを前記被着体に押し付けるシート押し付け面とを備えたシート保持部材を有し、
前記エネルギー付与手段は、前記シート保持面で保持されていない前記接着シートのはみ出し領域に前記所定のエネルギーを付与して変形させることで、当該はみ出し領域を前記シート押し付け面方向に反らせ、反らせた前記はみ出し領域を所定の平面形状に変形させて前記被着体に貼付する貼付面を形成することを特徴とするシート貼付装置。
【請求項2】
前記供給手段と前記シート保持手段との間に位置する前記接着シートに所定の張力を付与する張力付与手段を備えていることを特徴とする請求項1に記載のシート貼付装置。
【請求項3】
前記シート保持手段は、前記接着シートを環状にした状態で保持することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のシート貼付装置。
【請求項4】
所定のエネルギーによって変形可能な接着シートを供給する供給工程と、
前記供給工程で供給された前記接着シートの接着面の反対側である反接着面側に当接し、当該接着シートを保持するシート保持工程と、
前記シート保持工程で保持された前記接着シートを被着体に押圧する押圧工程と、
前記接着シートに前記所定のエネルギーを付与するエネルギー付与工程とを実施するシート貼付方法において、
前記シート保持工程では、前記接着シートの一部に当接して当該接着シートを保持するシート保持面と、前記押圧工程での押圧の際、前記接着シートを前記被着体に押し付けるシート押し付け面とを備えたシート保持部材を使用し、
前記エネルギー付与工程では、前記シート保持面で保持されていない前記接着シートのはみ出し領域に前記所定のエネルギーを付与して変形させることで、前記はみ出し領域を前記シート押し付け面方向に反らせ、反らせた前記はみ出し領域を所定の平面形状に変形させて前記被着体に貼付する貼付面を形成することを特徴とするシート貼付方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シート貼付装置およびシート貼付方法に関する。
【背景技術】
【0002】
接着シートを所定の平面形状に変形させて被着体に貼付するシート貼付装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2012-84578号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載されたシート貼付装置1(シート貼付装置)では、両面接着テープS(接着シート)の平面形状を円弧状に変形させてウェハW(被着体)に貼付するので、円弧内側の長さと円弧外側の長さとの差によって、被着体に貼付された接着シートの円弧内側に皺が発生したり気泡が形成されたりする貼付不良を発生する場合がある。
【0005】
本発明の目的は、所定の平面形状に変形させて被着体に貼付した接着シートに貼付不良が発生することを極力防止することができるシート貼付装置およびシート貼付方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、請求項に記載した構成を採用した。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、シート保持部材で保持した接着シートのはみ出し領域に所定のエネルギーを付与して変形させることで、当該はみ出し領域を所定の平面形状に変形させて貼付面を形成するので、所定の平面形状に変形させて被着体に貼付した接着シートに貼付不良が発生することを極力防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の一実施形態に係るシート貼付装置の説明図および同装置の動作説明図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
なお、本実施形態におけるX軸、Y軸、Z軸は、それぞれが直交する関係にあり、X軸およびY軸は、所定平面内の軸とし、Z軸は、前記所定平面に直交する軸とする。さらに、本実施形態では、Y軸と平行な図1中手前方向から観た場合を基準とし、図を指定することなく方向を示した場合、「上」がZ軸の矢印方向で「下」がその逆方向、「左」がX軸の矢印方向で「右」がその逆方向、「前」がY軸と平行な図1中手前方向で「後」がその逆方向とする。なお、図1(C)~(I)は、図1(B)と同じ方向から観た図なので方向を示す矢印を省略。
【0010】
本発明のシート貼付装置EAは、所定のエネルギーとしての熱によって変形可能な接着シートASを供給する供給工程を実施する供給手段10と、供給手段10で供給された接着シートASの接着面AS1の反対側である反接着面AS2側に当接し、当該接着シートASを保持するシート保持工程を実施するシート保持手段20と、シート保持手段20で保持された接着シートASを被着体WKに押圧する押圧工程を実施する押圧手段30と、接着シートASに熱を付与するエネルギー付与工程を実施するエネルギー付与手段40と、供給手段10とシート保持手段20との間に位置する接着シートASに所定の張力を付与する張力付与工程を実施する張力付与手段50とを備え、被着体WKを支持する被着体支持工程を実施する被着体支持手段60と、貼付面AS3の幅を調整する幅調整工程を実施する幅調整手段70との近傍に配置されている。
なお、本実施形態の接着シートASは、熱によって収縮を伴って変形するものが採用されている。また、本実施形態の被着体WKは、基準位置WKRを中心とする円形形状となっている。
【0011】
供給手段10は、駆動機器としての回動モータ11の出力軸11Aに支持され、当該供給手段10を構成する各部材を直接的または間接的に支持するベース部材12と、接着シートASが剥離シートRLに仮着された原反RSを支持する支持ローラ13と、原反RSを案内するガイドローラ14と、剥離縁15Aで剥離シートRLを折り返し、当該剥離シートRLから接着シートASを剥離する剥離手段としての剥離板15と、駆動機器としての回動モータ16Aの図示しない出力軸に支持され、ピンチローラ16Bとで剥離シートRLを挟み込む駆動ローラ16と、図示しない駆動機器の出力軸に支持され、シート貼付装置EAの自動運転が行われている間、ピンチローラ16Bとの間に存在する剥離シートRLに常に所定の張力を付与し、当該剥離シートRLを回収する回収手段としての回収ローラ17と、被着体WKに貼付する接着シートASの長さを調整する切断手段としての長さ調整手段18とを備えている。
長さ手段18は、駆動機器としてのエアシリンダ18Aと、その出力軸18Bに支持されたカッター刃18Cとを備えている。
なお、本実施形態では、長さ調整手段18で切断された接着シートASの平面形状は、長方形となる。
【0012】
シート保持手段20は、駆動機器としての回動モータ21と、その出力軸21Aに支持された円錐台形状のシート保持部材22と、シート保持部材22に支持された駆動機器としての直動モータ23と、その出力軸23Aに支持され、シート保持部材22に形成された凹部22A内に入り込んで接着シートASを把持する把持部材24(保持手段)とを備えている。なお、把持部材24における凹部22Aと対向する面には、フッ素樹脂やシリコン等が積層された不接着処理が施されている。
シート保持部材22は、接着シートASの一部に当接して当該接着シートASを保持するシート保持面22Bと、押圧手段30による押圧の際、接着シートASを被着体WKに押し付けるシート押し付け面22Cとを備えている。
本実施形態では、シート保持手段20は、接着シートASを環状(本実施形態では円環形状)にした状態(接着シートASの繰出方向先端部と繰出方向後端部とが繋がった状態)で保持するようになっている。
なお、シート押し付け面22Cおよび把持部材24の下面は、ゴムや樹脂等の弾性変形が可能な部材で構成され、シート押し付け面22Cおよび把持部材24の下面の各円弧の中心は、回動モータ21の出力軸21Aの回転中心および、シート保持部材22の回転中心を通る保持部材中心軸22Lと一致している。また、シート押し付け面22Cは、減圧ポンプや真空エジェクタ等の図示しない減圧手段(保持手段)によって吸着保持が可能となっている。
【0013】
押圧手段30は、出力軸31Aで回動モータ21を支持する駆動機器としての直動モータ31を備えている。
【0014】
エネルギー付与手段40は、駆動機器としての直動モータ41と、その出力軸41Aに支持されたコイルヒータやヒートパイプの加熱側等の加熱機器42とを備え、シート保持面22Bで保持されていない接着シートASのはみ出し領域ASHに熱を付与して変形させることで、当該はみ出し領域ASHをシート押し付け面22C方向に反らせ、反らせたはみ出し領域ASHを所定の平面形状としての円環形状に変形させて被着体WKに貼付する貼付面AS3を形成するようになっている。
【0015】
張力付与手段50は、ベース部材12に支持されたトルク制御が可能な駆動機器としての回動モータ51と、その図示しない出力軸に支持された駆動ローラ52と、駆動ローラ52とで原反RSを挟み込むピンチローラ53とを備えている。
【0016】
被着体支持手段60は、駆動機器としてのリニアモータ61のスライダ61Aに支持され、減圧ポンプや真空エジェクタ等の図示しない減圧手段(保持手段)によって吸着保持が可能な保持面62Aを有する支持テーブル62を備えている。
なお、支持テーブル62には、保持面62Aに開口した円環形状の凹溝62Bが形成されており、当該保持面62Aは、図示しない減圧手段によって、凹溝62Bの内側である中央部と、当該凹溝62Bの外側である外側部との2系統による個別の吸着保持が可能となっている。
【0017】
幅調整手段70は、支持テーブル62の凹溝62B内に配置された駆動機器としての直動モータ71と、その出力軸71Aに支持された切断手段としての円環形状の切断刃72とを備えている。なお、凹溝62Bおよび切断刃72の中心は、支持テーブル62の中心を通るテーブル中心軸62Lと一致している。
【0018】
以上のシート貼付装置EAの動作を説明する。
先ず、図1(A)、(B)中実線で示す初期位置に各部材が配置されたシート貼付装置EAに対し、当該シート貼付装置EAの使用者(以下、単に「使用者」という)が同図のように原反RSをセットした後、操作パネルやパーソナルコンピュータ等の図示しない操作手段を介して自動運転開始の信号を入力する。すると、供給手段10および張力付与手段50が回動モータ16A、51を駆動し、原反RSを繰り出して接着シートASの繰出方向先端部が、図1(A)中実線で示すように、剥離板15の剥離縁15Aで所定長さ剥離されると、回動モータ16A、51の駆動を停止する。次いで、使用者または多関節ロボットやベルトコンベア等の図示しない搬送手段が、支持テープSTを介してフレーム部材RFで被着体WKを支持した一体物UPを支持面62A上に載置すると、被着体支持手段60が図示しない減圧手段を駆動し、支持面62Aの中央部および外側部での吸着保持を開始する。この際、使用者または図示しない搬送手段は、テーブル中心軸62Lと被着体WKの基準位置WKRとが一致するように、一体物UPを支持テーブル62上に載置する。
【0019】
その後、供給手段10および張力付与手段50が回動モータ16A、51を駆動し、原反RSを繰り出して図1(A)中二点鎖線で示すように、接着シートASの繰出方向先端部が凹部22Aと把持部材24との間に位置すると、回動モータ16A、51の駆動を停止する。次に、シート保持手段20が直動モータ23を駆動し、図1(C)に示すように、凹部22Aと把持部材24とで接着シートASの繰出方向先端部を挟み込んだ後、供給手段10が回動モータ11を駆動し、図1(D)に示すように、接着シートASの下方がシート押し付け面22Cに近付く方向にベース部材12を傾ける。そして、供給手段10、シート保持手段20および張力付与手段50が回動モータ16A、21、51を駆動し、接着シートASを供給しつつ、上方から見下ろした上面視で時計回転方向にシート保持部材22を回転させ、当該シート保持部材22に接着シートASを巻き付ける。これにより、接着シートASの一部がシート保持面22Bに当接して当該接着シートASがシート保持部材22に保持され、シート保持面22Bで保持されていない接着シートAS部分がはみ出し領域ASHとなる。この際、張力付与手段50は、駆動ローラ52を介して接着シートASから加わるトルクを検知し、当該トルクが常に所定の値となるようにしながら接着シートASを供給することで、接着シートASに対して供給方向SDに沿う方向の張力を付与する。
【0020】
次いで、シート保持部材22の回転が続行され、接着シートASの繰出方向先端部の接着面AS1に同接着シートASの後方部の反接着面AS2が接着すると、供給手段10がエアシリンダ18Aを駆動し、切断刃18Cを進退させて接着シートASを切断する。その後、この切断によって新たに形成された接着シートASの繰出方向先端部が、剥離板15の剥離縁15Aで所定長さ剥離されると、供給手段10、シート保持手段20および張力付与手段50が回動モータ16A、21、51の駆動を停止する。これにより、接着シートASは、はみ出し部ASHがシート保持部材22の下部から垂れ下がり、当該シート保持部材22に保持された状態となる。
【0021】
次に、エネルギー付与手段40が直動モータ41を駆動し、図1(A)中二点鎖線で示すように、接着シートASのはみ出し領域ASHの下方に加熱機器42を配置した後、当該加熱機器42を駆動し、はみ出し領域ASHの加熱を開始する。そして、シート保持手段20が回動モータ21を駆動し、シート保持部材22を回転させると、加熱機器42の上方を通過したはみ出し領域ASHは、加熱機器42が発する熱によって収縮を伴って変形し、図1(E)に示すように、はみ出し領域ASHがシート押し付け面22C方向に反り返り、反り返ったはみ出し領域ASHから円環形状の貼付面AS3が形成されていく。次いで、はみ出し領域ASH全体が折れ曲がり貼付面AS3が形成されると、エネルギー付与手段40が加熱機器42の駆動を停止した後直動モータ41を駆動し、加熱機器42を初期位置に復帰させ、シート保持手段20が回動モータ21の駆動を停止する。これにより、接着シートASは、図1(F)に示すように、貼付面AS3がシート押し付け面22Cの下方に位置し、シート保持部材22に保持された状態となる。この際、貼付面AS3における円弧内側には、弛みが形成されることはない。
【0022】
その後、被着体支持手段60がリニアモータ61を駆動し、支持テーブル62を右方へ移動させ、テーブル中心軸62L(被着体WKの基準位置WKR)と保持部材中心軸22Lとが一致すると、リニアモータ61の駆動を停止する。次に、押圧手段30が直動モータ31を駆動し、シート保持部材22を下降させ、図1(G)に示すように、当該シート保持部材22で保持している接着シートASの貼付面AS3を被着体WKおよび支持テープSTに押圧して貼付した後、幅調整手段70が直動モータ71を駆動し、図1(H)に示すように、切断刃72を昇降させて支持テープSTおよび接着シートASを切断する。そして、シート保持手段20が図示しない減圧手段および直動モータ23を駆動し、シート押し付け面22Cでの吸着保持を開始した後、把持部材24を初期位置に復帰させると、被着体支持手段60が図示しない減圧手段の駆動を停止し、支持面62Aの中央部での吸着保持を解除する。
【0023】
次いで、押圧手段30が直動モータ31を駆動し、図1(I)に示すように、シート保持部材22を初期位置に復帰させ、被着体WKの下面に支持テープSTの一部が貼付され、上面に接着シートASの貼付面AS3が貼付された被着体一体物WK1を支持面62A上から離間させる。その後、シート保持手段20が図示しない減圧手段の駆動を停止し、シート押し付け面22Cでの吸着保持を解除して被着体一体物WK1を使用者または図示しない搬送手段に受け渡すと、被着体支持手段60が図示しない減圧手段の駆動を停止し、支持面62Aの外側部での吸着保持を解除する。次に、支持面62A上に取り残された一体物UPの残存部が使用者または図示しない搬送手段によって取り除かれると、供給手段10および被着体支持手段60が回動モータ11およびリニアモータ61を駆動し、ベース部材12および支持テーブル62を初期位置に復帰させ、以降上記同様の動作が繰り返される。
【0024】
以上のような実施形態によれば、シート保持部材22で保持した接着シートASのはみ出し領域ASHに熱を付与して変形させることで、当該はみ出し領域ASHを円環形状に変形させて貼付面AS3を形成するので、所定の平面形状に変形させて被着体WKに貼付した接着シートASに貼付不良が発生することを極力防止することができる。
【0025】
本発明における手段および工程は、それら手段および工程について説明した動作、機能または工程を果たすことができる限りなんら限定されることはなく、まして、前記実施形態で示した単なる一実施形態の構成物や工程に全く限定されることはない。例えば、供給手段は、所定のエネルギーによって変形可能な接着シートを供給できるものであればどんなものでもよく、出願当初の技術常識に照らし合わせてその技術範囲内のものであればなんら限定されることはない(その他の手段および工程も同じ)。
【0026】
供給手段10は、帯状の剥離シートRLに仮着された帯状の接着シート基材に閉ループ状または短寸幅方向全体の切込が形成されることで、その切込で仕切られた所定の領域が接着シートASとされた原反RSから当該接着シートASを剥離して供給してもよいし、帯状の剥離シートRLに帯状の接着シート基材が仮着された帯状接着シート原反を採用し、当該帯状接着シート原反を繰り出す途中で、接着シート基材に閉ループ状または短寸幅方向全体の切込を切断手段としての切断刃で形成し、その切込で仕切られた所定の領域が接着シートASとされた原反RSから当該接着シートASを剥離して供給してもよいし、帯状の剥離シートRLに帯状の接着シートASが仮着された原反RSから当該帯状の接着シートASを剥離して供給してもよいし、巻回されることなく、例えばファンフォールド折りにされた原反RSから接着シートASを剥離して供給してもよいし、巻回することなく、例えばファンフォールド折りにしたり、シュレッダ等で切り刻んだり、無造作に集積したりして剥離シートRLを回収する回収手段を採用してもよいし、回収手段を採用しなくてもよいし、剥離シートRLに仮着されていない接着シートASを繰り出して供給してもよいし、回動モータ11がなくてもよいし、接着シートASをシート保持部材22に巻き付ける際、接着シートASの下方がシート押し付け面22Cに近付くようにベース部材12を傾けなくてもよいし、長さ調整手段18で切断された接着シートASの平面形状は、カッター刃18Cの形状や接着シートASの繰出方向の辺の形状等によって、三角形や五角形以上の多角形でもよいし、円形、楕円形、その他の形状等どのような形状でもよいし、予め所定長さとされた接着シートASが採用された場合や、帯状接着シート原反を繰り出す途中で所定長さの接着シートASを形成する場合等において、長さ調整手段18は、あってもよいし、なくてもよい。
【0027】
シート保持手段20は、シート保持部材22を回転させることなくまたは、回転させつつ、供給手段10を移動させ、当該シート保持部材22に接着シートASを巻き付けてもよいし、角錐台形状、円柱形状、楕円柱形状、三角形や四角形等の多角柱形状、平板形状、球形状、半球形状またはその他の形状のシート保持部材22が採用されてもよいし、シート押し付け面22Cの外縁形状が、例えば、楕円形、三角形や四角形等の多角形またはその他の形状となっていてもよいし、接着シートASの繰出方向先端部と繰出方向後端部とが繋がっていない非環状の状態で当該接着シートを保持してもよいし、シート押し付け面22Cおよび把持部材24の下面のうち少なくとも一方は、金属や陶器等の弾性変形が不能な部材で構成されていてもよいし、シート押し付け面22Cで吸着保持ができなくてもよいし、凹部22Aと把持部材24とで接着シートASを把持する保持手段に代えてまたは併用して、例えば、シート保持面22Bに形成した吸引孔を介して減圧ポンプや真空エジェクタ等の減圧手段によって接着シートASを保持する保持手段が採用されてもよい。
【0028】
押圧手段30は、接着シートASを移動させることなくまたは、接着シートASを移動させつつ、被着体WKを移動させて当該被着体WKに接着シートASを押圧してもよいし、支持テーブル62の移動を停止させることなく、シート保持部材22を下降させて接着シートASを被着体WKに押圧してもよい。
【0029】
エネルギー付与手段40は、シート保持部材22に接着シートASを巻き付けながらはみ出し領域ASHに熱を付与し、当該はみ出し領域ASHをシート押し付け面22C方向に反らせて貼付面AS3を形成してもよいし、はみ出し領域ASHをシート押し付け面22C方向に反らせ、はみ出し領域ASHをシート押し付け面22Cに当接させて貼付面AS3を形成してもよいし、はみ出し領域ASHをシート押し付け面22Cに当接させることなく貼付面AS3を形成してもよいし、所定のエネルギーとしての紫外線、赤外線、可視光線、音波、X線またはガンマ線等の電磁波を付与するものや、熱湯、熱風、冷水、冷風等を付与するものでもよく、接着シートASの特性、特質、性質、材質、組成および構成等を考慮して任意に決定することができるし、接着シートASの特性、特質、性質、材質、組成、構成、形状、寸法および重量や、雰囲気の条件、その他の要因等の諸条件を考慮して当該着シートASに付与する所定のエネルギーの量や強さ等を任意に変更することができるし、加熱機器42が駆動機器に支持されていなくてもよいし、はみ出し部ASH全体に一括で所定のエネルギーを付与してもよいし、例えば、シート保持部材22の内部に配置されてもよい。
エネルギー付与手段40によって形成される貼付面AS3の形状は、例えば、楕円環形状、三角環形状や四角環形状等の多角環形状または、その他の環状形状でもよいし、接着シートASの繰出方向先端部と繰出方向後端部とが繋がっていない非環状でもよいし、楕円形、三角形や四角形等の多角形またはその他の形状でもよい。
【0030】
張力付与手段50は、ベース部材12に支持されることなく、例えば、駆動機器としての多関節ロボットや他の支持部材に支持されていてもよいし、例えば、供給手段10およびシート保持手段20のうち少なくとも一方を相手方から遠ざけたり、接着シートASを摺動可能に把持したりすることで、供給手段10とシート保持手段20との間に位置する接着シートASに張力を付与してもよし、接着シートASに張力を付与しなくてもよし、本発明のシート貼付装置EAに備わっていてもよいし、備わっていなくてもよい。
【0031】
被着体支持手段60は、保持面62Aの中央部および外側部の少なくとも一方で吸着保持が可能な支持テーブル62が採用されてもよいし、中央部および外側部の2系統だけではなく、3系統以上による個別の吸着保持が可能な保持面62Aを有する支持テーブル62が採用されてもよいし、1系統のみによる吸着保持が可能な保持面62Aを有する支持テーブル62が採用されてもよいし、保持面62Aでの吸着保持ができない支持テーブル62が採用されてもよいし、本発明のシート貼付装置EAに備わっていてもよいし、備わっていなくてもよい。
【0032】
幅調整手段70は、支持テーブル62に支持されることなく、例えば、駆動機器としての多関節ロボットやその他の部材に支持されていてもよいし、円環形状でなく直線状の切断刃を有する切断手段を円軌道やその他形状の軌道に沿って移動させ、貼付面AS3の幅を調整するものでもよいし、被着体WKに貼付する前にシート保持部材22に支持された状態で貼付面AS3の幅を調整してもよいし、被着体WKに接着シートASを貼付して貼付面AS3上からシート保持部材22を離間させた後、当該貼付面AS3の幅を調整してもよいし、接着シートASの接着面AS1側から切断手段で貼付面AS3の幅を調整してもよいし、接着シートASの反接着面AS2側から切断手段で貼付面AS3の幅を調整してもよいし、本発明のシート貼付装置EAに備わっていてもよいし、備わっていなくてもよい。
【0033】
シート貼付装置EAは、被着体WKを移動させることなくまたは、被着体WKを移動させつつシート保持部材22を移動させ、被着体WKと接着シートASとの位置合わせを行ってもよい。
【0034】
接着シートASは、はみ出し領域ASH全体が貼付面AS3となってもよいし、はみ出し領域ASHの一部が貼付面AS3となってもよいし、紫外線、赤外線、可視光線、音波、X線またはガンマ線等の電磁波や、熱湯、熱風、冷水、冷風等の熱を所定のエネルギーとして変形可能なものでもよいし、所定のエネルギーによって収縮を伴って変形を起こすものでもよいし、膨張を伴って変形を起こすものでもよいし、収縮も膨張も伴うことなく変形を起こすものでもよい。
被着体WKは、フレーム部材RFに支持されていなくてもよいし、支持テープSTが貼付されていなくてもよいし、例えば、一方の面および他方の面の少なくとも一方に別の接着シートが貼付されていてもよいし、金属、ガラス、樹脂等の被着体支持部材に支持されていてもよいし、何にも支持されていなくてもよいし、何も貼付されていなくてもよい。
フレーム部材は、円形、楕円形、三角形や四角形以上の多角形の環状でもよいし、環状でなく(閉ループ状でなく)てもよく、どのような形状でもよいし、なくてもよい。
【0035】
本発明における接着シートAS、支持テープST、別の接着シート、被着体WK、被着体支持部材およびフレーム部材RFの材質、種別、形状等は、特に限定されることはない。例えば、接着シートAS、支持テープST、別の接着シート、被着体WK、被着体支持部材およびフレーム部材RFは、円形、楕円形、三角形や四角形等の多角形、その他の形状であってもよいし、接着シートAS、支持テープSTおよび別の接着シートは、感圧接着性、感熱接着性等の接着形態のものであってもよく、感熱接着性の接着シートAS、支持テープSTおよび別の接着シートが採用された場合は、それらを加熱する適宜なコイルヒータやヒートパイプの加熱側等の加熱手段を設けるといった適宜な方法で接着されればよい。また、このような接着シートAS、支持テープSTおよび別の接着シートは、例えば、接着剤層だけの単層のもの、基材と接着剤層とが積層された2層のもの、基材と接着剤層との間に1または複数の中間層が積層された3層または3層以上のもの、基材の上面に1または複数のカバー層が積層された3層または3層以上のもの、基材、中間層またはカバー層が剥離可能に設けられたもの、接着剤層のみからなる単層の両面接着シート、1または複数の中間層の両最外面に接着剤層が積層された両面接着シート等、どのようなものでもよい。さらに、被着体WKや被着体支持部材としては、例えば、食品、樹脂容器、シリコン半導体ウエハや化合物半導体ウエハ等の半導体ウエハ、回路基板、光ディスク等の情報記録基板、ガラス板、鋼板、陶器、木板または樹脂等の単体物であってもよいし、それら2つ以上で形成された複合物であってもよく、任意の形態の部材や物品なども対象とすることができる。なお、接着シートAS、支持テープおよび別の接着シートは、機能的、用途的な読み方に換え、例えば、情報記載用ラベル、装飾用ラベル、保護シート、ダイシングテープ、ダイアタッチフィルム、ダイボンディングテープ、記録層形成樹脂シート等の任意のシート、フィルム、テープ等でもよい。
【0036】
前記実施形態における駆動機器は、回動モータ、直動モータ、リニアモータ、単軸ロボット、2軸または3軸以上の関節を備えた多関節ロボット等の電動機器、エアシリンダ、油圧シリンダ、ロッドレスシリンダおよびロータリシリンダ等のアクチュエータ等を採用することができる上、それらを直接的又は間接的に組み合せたものを採用することもできる。
前記実施形態において、ローラ等の回転部材が採用されている場合、当該回転部材を回転駆動させる駆動機器を備えてもよいし、回転部材の表面や回転部材自体をゴムや樹脂等の変形可能な部材で構成してもよいし、回転部材の表面や回転部材自体を変形しない部材で構成してもよいし、ローラの代わりに回転するまたは回転しないシャフトやブレード等の他の部材を採用してもよいし、剥離板や剥離ローラ等の剥離手段や剥離部材といった被剥離物を剥離するものが採用されている場合、上記で例示したものに代えてまたは併用して、板状部材、丸棒、ローラ等の部材を採用してもよいし、剥離するものをゴムや樹脂等の変形可能な部材で構成してもよいし、変形しない部材で構成してもよいし、支持(保持)手段や支持(保持)部材等の被支持部材(被保持部材)を支持(保持)するものが採用されている場合、メカチャックやチャックシリンダ等の把持手段、クーロン力、接着剤(接着シート、接着テープ)、粘着剤(粘着シート、粘着テープ)、磁力、ベルヌーイ吸着、吸引吸着、駆動機器等で被支持部材を支持(保持)する構成を採用してもよいし、切断手段や切断部材等の被切断部材を切断または、被切断部材に切込や切断線を形成するものが採用されている場合、上記で例示したものに代えてまたは併用して、カッター刃、レーザカッタ、イオンビーム、火力、熱、水圧、電熱線、気体や液体等の吹付け等で切断するものを採用したり、適宜な駆動機器を組み合わせたもので切断するものを移動させて切断するようにしたりしてもよい。
【符号の説明】
【0037】
EA…シート貼付装置
10…供給手段
20…シート保持手段
22…シート保持部材
22B…シート保持面
22C…シート押し付け面
30…押圧手段
40…エネルギー付与手段
50…張力付与手段
AS…接着シート
ASH…はみ出し領域
AS1…接着面
AS2…反接着面
AS3…貼付面
WK…被着体
図1