(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023050684
(43)【公開日】2023-04-11
(54)【発明の名称】測量装置
(51)【国際特許分類】
G01C 15/00 20060101AFI20230404BHJP
【FI】
G01C15/00 103A
G01C15/00 103D
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021160913
(22)【出願日】2021-09-30
(71)【出願人】
【識別番号】000220343
【氏名又は名称】株式会社トプコン
(74)【代理人】
【識別番号】100083563
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 祥二
(72)【発明者】
【氏名】湯浅 太一
(57)【要約】 (修正有)
【課題】測距光のビームプロファイルを均一化し、測距結果の誤差の低減を図る測量装置を提供する。
【解決手段】測定対象物に測距光を射出する発光部と、前記測距光を1次元方向に拡散させる1次元拡散光学部材とを有する測距光射出部と、前記測定対象物からの反射測距光を受光する受光素子を有する測距光受光部と、前記発光部を制御し、前記受光素子に対する前記反射測距光の受光結果に基づき前記測定対象物迄の距離を演算する演算制御部17とを具備し、前記発光部は1方向に積層された少なくとも2つの発光素子を有し、前記1次元拡散光学部材は前記発光素子の積層方向と直交する方向に延出するスリットを有する様構成された。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
測定対象物に測距光を射出する発光部と、前記測距光を1次元方向に拡散させる1次元拡散光学部材とを有する測距光射出部と、前記測定対象物からの反射測距光を受光する受光素子を有する測距光受光部と、前記発光部を制御し、前記受光素子に対する前記反射測距光の受光結果に基づき前記測定対象物迄の距離を演算する演算制御部とを具備し、前記発光部は1方向に積層された少なくとも2つの発光素子を有し、前記1次元拡散光学部材は前記発光素子の積層方向と直交する方向に延出するスリットを有する様構成された測量装置。
【請求項2】
前記測定対象物は、再帰反射性を有するコーナキューブであり、前記1次元拡散光学部材により拡散された前記測距光は、各発光素子から発せられた光が全て重複する重複部分が形成され、該重複部分で前記コーナキューブを測距する様に構成された請求項1に記載の測量装置。
【請求項3】
水平回転モータにより水平回転軸を中心に水平回転する托架部と、該托架部に設けられ鉛直回転モータにより鉛直回転軸を中心に鉛直回転し、前記測距光を前記コーナキューブに照射すると共に、該コーナキューブからの前記反射測距光を受光する走査ミラーと、前記托架部の水平角を検出する水平角エンコーダと、前記走査ミラーの鉛直角を検出する鉛直角エンコーダを更に具備し、前記演算制御部は、前記コーナキューブを前記測距光で走査した際の前記反射測距光の受光光量と水平角と鉛直角とに基づき、前記コーナキューブの重心位置を演算し、該重心位置に基づき前記コーナキューブの測角を行う様構成された請求項2に記載の測量装置。
【請求項4】
前記演算制御部は、前記反射測距光の受光光量に基づき、前記コーナキューブが前記重複部分で測距されたかどうかを判断し、該重複部分で測距されなかったと判断された測距結果を破棄する様に構成された請求項2又は請求項3に記載の測量装置。
【請求項5】
前記演算制御部は、前記コーナキューブを前記測距光で走査した際に得られた光量分布に基づき前記コーナキューブの重心位置を演算し、該重心位置から予め設定した閾値の範囲内に位置するかどうかで前記コーナキューブが前記重複部分で測距されたかどうかを判断し、該重複部分で測距されなかったと判断された測距結果を破棄する様に構成された請求項3に記載の測量装置。
【請求項6】
前記測距光射出部は駆動機構を更に具備し、該駆動機構は前記1次元拡散光学素子を前記測距光の光軸に対して挿脱する様構成された請求項1~請求項5のうちのいずれか1項に記載の測量装置。
【請求項7】
前記1次元拡散光学部材は、1つのスリット孔を有するスリット板である請求項1~請求項6のうちのいずれか1項に記載の測量装置。
【請求項8】
前記1次元拡散光学部材は、複数のスリット孔を有するスリット板である請求項1~請求項6のうちのいずれか1項に記載の測量装置。
【請求項9】
前記スリット孔は、前記発光素子の積層方向に開口幅を変更可能であり、前記演算制御部は、前記発光素子の積層方向に前記スリット孔の開口幅を変更可能に構成された請求項7に記載の測量装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、測定対象物の3次元座標を取得可能な測量装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
レーザスキャナやトータルステーション等の測量装置は、測定対象物として再帰反射性を有するプリズムを用いたプリズム測距、反射プリズムを用いないノンプリズム測距により測定対象物迄の距離を検出する光波距離測定装置を有している。
【0003】
測量装置の光源として、複数の発光素子、例えばレーザダイオードを積層(スタック)させて同時に発光させるマルチスタックレーザを用いるものがある。マルチスタックレーザは、複数の発光素子の光を合算することで測距光の光量を増大させ、測距を可能とする距離の増大を図っている。
【0004】
然し乍ら、各発光素子が同時に発光する様制御したとしても、製作誤差等により発光のタイミングにズレが生じる場合がある。又、このズレに起因して、各発光素子毎に例えば±10mm程度測距値に差異が生じる場合がある。
【0005】
一方で、再帰反射性を有する反射プリズム等を測定対象物とするプリズム測距の場合、測距光のビームプロファイル(強度分布)を維持した状態で測距光が反射されることとなる。従って、マルチスタックレーザを光源としてプリズム測定を行う場合、測距光のどの部分を反射するか、即ちどの発光素子の光を反射するかによって、測距結果に誤差を生じる虞があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2021-25993号公報
【特許文献2】特開2018-91764号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、測距光のビームプロファイルを均一化し、測距結果の誤差の低減を図る測量装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、測定対象物に測距光を射出する発光部と、前記測距光を1次元方向に拡散させる1次元拡散光学部材とを有する測距光射出部と、前記測定対象物からの反射測距光を受光する受光素子を有する測距光受光部と、前記発光部を制御し、前記受光素子に対する前記反射測距光の受光結果に基づき前記測定対象物迄の距離を演算する演算制御部とを具備し、前記発光部は1方向に積層された少なくとも2つの発光素子を有し、前記1次元拡散光学部材は前記発光素子の積層方向と直交する方向に延出するスリットを有する様構成された測量装置に係るものである。
【0009】
又本発明は、前記測定対象物は、再帰反射性を有するコーナキューブであり、前記1次元拡散光学部材により拡散された前記測距光は、各発光素子から発せられた光が全て重複する重複部分が形成され、該重複部分で前記コーナキューブを測距する様に構成された測量装置に係るものである。
【0010】
又本発明は、水平回転モータにより水平回転軸を中心に水平回転する托架部と、該托架部に設けられ鉛直回転モータにより鉛直回転軸を中心に鉛直回転し、前記測距光を前記コーナキューブに照射すると共に、該コーナキューブからの前記反射測距光を受光する走査ミラーと、前記托架部の水平角を検出する水平角エンコーダと、前記走査ミラーの鉛直角を検出する鉛直角エンコーダを更に具備し、前記演算制御部は、前記コーナキューブを前記測距光で走査した際の前記反射測距光の受光光量と水平角と鉛直角とに基づき、前記コーナキューブの重心位置を演算し、該重心位置に基づき前記コーナキューブの測角を行う様構成された測量装置に係るものである。
【0011】
又本発明は、前記演算制御部は、前記反射測距光の受光光量に基づき、前記コーナキューブが前記重複部分で測距されたかどうかを判断し、該重複部分で測距されなかったと判断された測距結果を破棄する様に構成された測量装置に係るものである。
【0012】
又本発明は、前記演算制御部は、前記コーナキューブを前記測距光で走査した際に得られた光量分布に基づき前記コーナキューブの重心位置を演算し、該重心位置から予め設定した閾値の範囲内に位置するかどうかで前記コーナキューブが前記重複部分で測距されたかどうかを判断し、該重複部分で測距されなかったと判断された測距結果を破棄する様に構成された測量装置に係るものである。
【0013】
又本発明は、前記測距光射出部は駆動機構を更に具備し、該駆動機構は前記1次元拡散光学素子を前記測距光の光軸に対して挿脱する様構成された測量装置に係るものである。
【0014】
又本発明は、前記1次元拡散光学部材は、1つのスリット孔を有するスリット板である測量装置に係るものである。
【0015】
又本発明は、前記1次元拡散光学部材は、複数のスリット孔を有するスリット板である測量装置に係るものである。
【0016】
更に又本発明は、前記スリット孔は、前記発光素子の積層方向に開口幅を変更可能であり、前記演算制御部は、前記発光素子の積層方向に前記スリット孔の開口幅を変更可能に構成された測量装置に係るものである。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、測定対象物に測距光を射出する発光部と、前記測距光を1次元方向に拡散させる1次元拡散光学部材とを有する測距光射出部と、前記測定対象物からの反射測距光を受光する受光素子を有する測距光受光部と、前記発光部を制御し、前記受光素子に対する前記反射測距光の受光結果に基づき前記測定対象物迄の距離を演算する演算制御部とを具備し、前記発光部は1方向に積層された少なくとも2つの発光素子を有し、前記1次元拡散光学部材は前記発光素子の積層方向と直交する方向に延出するスリットを有する様構成されたので、各測距光を互いに重ね合せ、該測距光のビームプロファイルを均一化することができ、前記発光素子の積層個数に拘らず均一な測距結果を得ることができるという優れた効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本発明の実施例に係る測量装置を示す正断面図である。
【
図2】(A)は、本発明の実施例に係る距離測定部を示す構成図であり、(B)は(A)のA矢視図である。
【
図3】本発明の実施例に係る距離測定部を示す構成図である。
【
図4】(A)は1次元拡散光学素子を用いない場合の測距光のビームプロファイルであり、(B)は1次元拡散光学素子を用いた場合の測距光のビームプロファイルであり、(C)は線Bに於ける各測距光のプロファイル断面強度である。
【
図5】(A)は1次元拡散光学素子を用いない場合の測距光とコーナキューブとの関係を示す説明図であり、(B)は1次元拡散光学素子を用いた場合の測距光とコーナキューブとの関係を示す説明図である。
【
図6】(A)は1次元拡散光学素子を用いない場合の測距光でコーナキューブを走査した場合を示す説明図であり、(B)はこの時の角度と受光光量との関係を示す分布図である。
【
図7】(A)は1次元拡散光学素子を用いた場合の測距光でコーナキューブを走査した場合を示す説明図であり、(B)はこの時の角度と受光光量との関係を示す分布図である。
【
図8】本発明の実施例の変形例に係る距離測定部を示す構成図である。
【
図9】(A)~(C)は、本発明の実施例に係る1次元拡散光学部材の変形例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面を参照しつつ本発明の実施例を説明する。
【0020】
先ず、
図1に於いて、本発明の第1の実施例に係る測量装置について説明する。
【0021】
測量装置1は、例えばレーザスキャナであり、三脚(図示せず)に取付けられる整準部2と、該整準部2に取付けられた測量装置本体3とから構成される。
【0022】
前記整準部2は整準ネジ10を有し、該整準ネジ10により前記測量装置本体3の整準を行う。
【0023】
該測量装置本体3は、固定部4と、托架部5と、水平回転軸6と、水平回転軸受7と、水平回転駆動部としての水平回転モータ8と、水平角検出部としての水平角エンコーダ9と、鉛直回転軸11と、鉛直回転軸受12と、鉛直回転駆動部としての鉛直回転モータ13と、鉛直角検出部としての鉛直角エンコーダ14と、鉛直回転部である走査ミラー15と、操作部と表示部とを兼用する操作パネル16と、演算制御部17と、記憶部18と、距離測定部19等を具備している。尚、前記演算制御部17としては、本装置に特化したCPU、或は汎用CPUが用いられる。
【0024】
前記水平回転軸受7は前記固定部4に固定される。前記水平回転軸6は鉛直な軸心6aを有し、前記水平回転軸6は前記水平回転軸受7に回転自在に支持される。又、前記托架部5は前記水平回転軸6に支持され、前記托架部5は水平方向に前記水平回転軸6と一体に回転する様になっている。
【0025】
前記水平回転軸受7と前記托架部5との間には前記水平回転モータ8が設けられ、該水平回転モータ8は前記演算制御部17により制御される。該演算制御部17は、前記水平回転モータ8により、前記托架部5を前記軸心6aを中心に回転させる。
【0026】
前記托架部5の前記固定部4に対する相対回転角は、前記水平角エンコーダ9によって検出される。該水平角エンコーダ9からの検出信号は前記演算制御部17に入力され、該演算制御部17により水平角データが演算される。該演算制御部17は、前記水平角データに基づき、前記水平回転モータ8に対するフィードバック制御を行う。
【0027】
又、前記托架部5には、水平な軸心11aを有する前記鉛直回転軸11が設けられている。該鉛直回転軸11は、前記鉛直回転軸受12を介して回転自在となっている。尚、前記軸心6aと前記軸心11aの交点が、測距光の射出位置であり、前記測量装置本体3の座標系の原点となっている。
【0028】
前記托架部5には、凹部22が形成されている。前記鉛直回転軸11は、一端部が前記凹部22内に延出し、前記一端部に前記走査ミラー15が固着され、該走査ミラー15は前記凹部22に収納されている。又、前記鉛直回転軸11の他端部には、前記鉛直角エンコーダ14が設けられている。
【0029】
前記鉛直回転軸11に前記鉛直回転モータ13が設けられ、該鉛直回転モータ13は前記演算制御部17に制御される。該演算制御部17は、前記鉛直回転モータ13により前記鉛直回転軸11を回転させ、前記走査ミラー15は前記軸心11aを中心に回転される。
【0030】
前記走査ミラー15の回転角は、前記鉛直角エンコーダ14によって検出され、検出信号は前記演算制御部17に入力される。該演算制御部17は、検出信号に基づき前記走査ミラー15の鉛直角データを演算し、該鉛直角データに基づき前記鉛直回転モータ13に対するフィードバック制御を行う。
【0031】
又、前記演算制御部17で演算された水平角データ、鉛直角データや測定結果は、前記記憶部18に保存される。該記憶部18としては、磁気記憶装置としてのHDD、光記憶装置としてのCD、DVD、半導体記憶装置としてのメモリカード、USBメモリ等種々の記憶手段が用いられる。該記憶部18は、前記托架部5に対して着脱可能であってもよく、或は図示しない通信手段を介して外部記憶装置や外部データ処理装置にデータを送出可能としてもよい。
【0032】
前記記憶部18には、後述する発光部の発光素子の駆動を制御する制御プログラム、測距作動を制御するシーケンスプログラム、測距作動により距離を演算する演算プログラム、水平角データ及び鉛直角データに基づき角度を演算する演算プログラム、距離と角度に基づき所望の測定点の3次元座標を演算するプログラム、測定結果に基づき測定対象物の重心を演算する為の演算プログラム、反射測距光の受光光量に基づき誤差を有する測距結果を破棄する為の制御プログラム等の各種プログラムが格納される。又、前記演算制御部17により各種プログラムが実行されることで、各種処理が実行される。
【0033】
前記操作パネル16は、例えばタッチパネルであり、測距の指示や測定条件、例えば測定点間隔の変更等を行う操作部と、測距結果や画像等を表示する表示部とを兼用している。
【0034】
次に、
図2(A)、
図2(B)、
図3を参照して、前記距離測定部19について説明する。
【0035】
該距離測定部19は、測距光射出部23と測距光受光部24とを有している。尚、前記測距光射出部23と前記測距光受光部24とにより測距部が構成される。
【0036】
前記測距光射出部23は測距光軸38を有している。又、前記測距光射出部23は、前記測距光軸38上に設けられた発光部25と、コリメータレンズ26と、前記ビーム成形光学素子27と、該ビーム成形光学素子27の反射光軸上に設けられた1次元拡散光学部材としてのスリット板28と、偏向部材としての反射プリズム29と、該反射プリズム29を固定する為の固定部材31とを有している。又、前記反射プリズム29で反射された前記測距光軸38上に前記走査ミラー15が設けられている。前記固定部材31は、例えばガラス板等の透明材料により形成されている。又、前記走査ミラー15の反射光軸上には、透明材料で形成され、前記走査ミラー15と一体に回転する窓部32が設けられている。
【0037】
尚、前記コリメータレンズ26、前記ビーム成形光学素子27、前記スリット板28、前記反射プリズム29等は、投光光学系33を構成する。又、本実施例では、前記測距光軸38と、前記ビーム成形光学素子27で反射された前記測距光軸38と、前記反射プリズム29で反射された前記測距光軸38とを総称して該測距光軸38としている。
【0038】
又、測距光受光部24は、受光光軸39を有している。前記測距光受光部24は、受光光軸39上に設けられた受光素子34と、受光プリズム35を有すると共に、該受光プリズム35で反射された受光光軸39軸上に設けられ所定のNAを有する受光レンズ36を有している。尚、前記受光プリズム35と前記受光レンズ36とで受光光学系37を構成する。又、本実施例では、前記受光光軸39と、前記受光プリズム35で反射された反射光軸とを総称して受光光軸39としている。
【0039】
前記発光部25は、複数の発光素子、例えばレーザダイオード(LD)を積層させたマルチスタックレーザ光源となっている。前記発光部25は、例えば積層(スタック)された3つの発光素子から構成されており、各発光素子からレーザ光線が同時にパルス発光され、合成されたパルス光を測距光41(後述)として射出する様に制御されている。3つの発光素子が同時に発光され、合成された前記測距光41を発することで、前記発光部25から発せられる前記測距光41の光量を確保し、前記測量装置1による遠距離測定を可能としている。
【0040】
尚、前記発光部25を構成する発光素子は、2つであってもよいし、4つ或いは5つであってもよい。前記発光素子迄の距離は、想定される測定対象物迄の距離に応じて適宜設定される。
【0041】
前記ビーム成形光学素子27は、例えば反射型、或いは透過型のアナモルフィックプリズムである。前記発光部25より射出され、前記コリメータレンズ26により平行光束とされた前記測距光41は、ビーム形状が楕円形となっており、前記ビーム成形光学素子27は楕円形状の測距光を円形状へと補正しつつ、直角に偏向する様に構成されている。
【0042】
前記スリット板28は、
図2(B)に示される様に、例えば中央にスリット孔43が形成された円板である。前記ビーム成形光学素子27で偏向された前記測距光41が前記スリット孔43を通過することで、前記測距光41が回折し、該測距光41が所定の方向(1次元方向)に拡散する様に構成されている。本実施例では、前記スリット孔43は前記発光部25の各発光素子の積層方向(スタック方向)に対して直交する方向に延出するスリットとなっており、前記測距光41の拡散方向は各発光素子の積層方向となっている。
【0043】
尚、前記スリット孔43の開口サイズは、0.05×5mm~1×20mmの間から、測定対象物迄の距離等に応じて適宜設定されるものであり、例えば0.4×10mmに設定される。
【0044】
前記距離測定部19は、前記演算制御部17により制御される。発光部25から前記測距光軸38上にパルス状の前記測距光41が射出されると、該測距光41は前記コリメータレンズ26で平行光束とされ、前記ビーム成形光学素子27によりビーム形状を補正されつつ直角に偏向される。該ビーム成形光学素子27で反射された前記測距光41は、前記スリット板28の前記スリット孔43により発光素子の積層方向に拡散された後、前記反射プリズム29で直角に反射される。該反射プリズム29から前記固定部材31を介して射出される前記測距光41の前記測距光軸38は、前記軸心11aと合致しており、前記測距光41は前記走査ミラー15によって直角に偏向され、前記窓部32を介して測定対象物に照射される。前記走査ミラー15が前記軸心11aを中心に回転することで、前記測距光41は前記軸心11aと直交し、且つ前記軸心6aを含む平面内で回転(走査)される。
【0045】
尚、前記窓部32は、該窓部32で反射された前記測距光41が前記受光素子34に入射しない様、前記測距光軸38の光軸に対して所定角度傾斜して設けられている。
【0046】
測定対象物で反射された前記測距光41(以下、反射測距光42)は、前記走査ミラー15で直角に反射され、前記受光光学系37を経て前記受光素子34で受光される。該受光素子34は、例えばアバランシェフォトダイオード(APD)、或は同等の光電変換素子となっている。
【0047】
前記演算制御部17は、前記発光部25の発光タイミングと、前記受光素子34の受光タイミングの時間差(即ち、パルス光の往復時間)と光速に基づき、前記測距光41の1パルス毎に測距を実行する(Time Of Flight)。尚、前記発光部25の発光のタイミング、即ちパルス間隔は、前記操作パネル16を介して変更可能となっている。
【0048】
尚、前記距離測定部19には内部参照光光学系(後述)が設けられ、該内部参照光光学系から受光した内部参照光(後述)と反射測距光の受光タイミングの時間差と光速に基づき測距を行うことで、より高精度な測距が可能となる。
【0049】
前記托架部5と前記走査ミラー15とがそれぞれ定速で回転し、該走査ミラー15の鉛直方向の回転と、前記托架部5の水平方向の回転との協動により、前記測距光41が2次元に走査される。又、各パルス光毎に前記鉛直角エンコーダ14、前記水平角エンコーダ9により鉛直角、水平角を検出することで、鉛直角データ、水平角データが取得できる。鉛直角データ、水平角データ、測距データとにより、測定対象物の3次元座標及び測定対象物に対応する3次元の点群データが取得できる。
【0050】
次に、前記受光光学系37について説明する。尚、
図2(A)、
図3中では、前記測距光41の主光線(前記測距光軸38)及び前記反射測距光42の主光線(前記受光光軸39)のみを記載している。
【0051】
前記受光プリズム35は、所定の屈折率を有する4角形のプリズムであり、前記受光レンズ36を透過した前記反射測距光42が入射する第1面35a、該第1面35aの表面を透過した前記反射測距光42が反射する第2面35b、該第2面35bと前記第1面35aで反射された前記反射測距光42が入射する第3面35c、該第3面35cで反射された前記反射測距光42が透過する透過面としての第4面35dとを有している。該第4面35dを透過した前記反射測距光42は、前記受光素子34に入射する。
【0052】
又、前記走査ミラー15の下方には、再帰反射性を有するリファレンスプリズム44が設けられている。前記走査ミラー15を介して前記測距光41を回転照射する過程で、該測距光41の一部が前記リファレンスプリズム44に入射する。該リファレンスプリズム44により再帰反射された前記測距光41は、前記走査ミラー15を介して前記受光光学系37に入射し、前記受光素子34に受光される様に構成される。
【0053】
ここで、前記発光部25から前記リファレンスプリズム44迄の光路長、該リファレンスプリズム44から前記受光素子34迄の光路長は既知である。従って、前記リファレンスプリズム44で反射された前記測距光41を内部参照光45として利用することができる。前記走査ミラー15と前記リファレンスプリズム44とにより内部参照光光学系46が構成される。
【0054】
次に、
図4~
図7を参照し、前記距離測定部19を有する前記測量装置1により測定を行う場合について説明する。前記距離測定部19の各種動作は、前記演算制御部17が各種プログラムを実行することでなされる。尚、以下では、プリズム測定が行われる場合について説明している。
【0055】
前記発光部25の各発光素子から発せられた前記測距光41は、前記コリメータレンズ26、前記ビーム成形光学素子27、前記スリット板28、前記反射プリズム29、前記固定部材31前記走査ミラー15を介して測定対象物、例えばコーナキューブ47に照射される。該コーナキューブ47で反射され、前記走査ミラー15を介して前記受光光学系37に入射した前記反射測距光42は、前記受光レンズ36及び前記第1面35aを透過する過程で屈折される。又、前記反射測距光42は、前記受光プリズム35の内部で前記第2面35b、前記第1面35a、前記第3面35cで順次反射され、前記第4面35dを透過し、前記受光素子34に受光される。
【0056】
前記演算制御部17は、前記距離測定部19の測距結果、前記水平角エンコーダ9及び前記鉛直角エンコーダ14の検出結果に基づき、前記コーナキューブ47の3次元座標を演算する。
【0057】
尚、前記コーナキューブ47の測定は、全周或は該コーナキューブ47の周辺を前記測距光41で走査し、前記反射測距光42を受光した位置を前記コーナキューブ47の位置として測定してもよい。
【0058】
ここで、
図4(A)は、前記スリット板28を用いなかった場合の前記測距光41のビームプロファイルを示し、
図4(B)は、前記スリット板28を用いた場合の前記測距光41のビームプロファイルを示している。又、
図4(C)は、線Bの位置に於ける各測距光41のビームプロファイル断面強度を比較したものであり、実線が前記スリット板28を用いた場合、波線が前記スリット板28を用いなかった場合を示している。
【0059】
図4(A)~
図4(C)に示される様に、前記スリット板28を用いなかった場合には、各発光素子の前記測距光41が形状を維持した状態で独立して射出されている。又、この時のビームプロファイル断面強度も各発光素子の前記測距光41毎に独立した状態で検出されるので、該測距光41のビーム断面のビーム強度の分布は大きくばらついている。
【0060】
一方で、前記スリット板28を用いた場合には、各発光素子の前記測距光41が1次元方向、例えば発光素子の積層方向(スタック方向)に拡大され、各発光素子の前記測距光41が重なり合い平均化されて射出される。又、この時のプロファイル断面強度も各発光素子の前記測距光41が重なり合い平均化された状態で検出されるので、該測距光41のビーム断面のビーム強度は略一定となる。
【0061】
又、
図5(A)、
図5(B)は、前記スリット板28を用いた場合と用いなかった場合に於ける、前記測距光41のビームプロファイルと前記コーナキューブ47の位置の関係を示している。尚、
図5(A)、
図5(B)中、48は前記受光素子34の受光範囲を示している。
【0062】
図5(A)に示される様に、前記測距光41は3つの発光素子からパルス発光された測距光41a~41cが合成されたものである。一方で、製作誤差等に基づく各発光素子の発光タイミングの誤差等に起因して、測距光41a~41cに基づく測距結果は誤差を生じる。
【0063】
従って、前記コーナキューブ47が前記測距光41aを反射した場合(コーナキューブ47a)と、前記コーナキューブ47が前記測距光41cを反射した場合(コーナキューブ47c)とでは、前記コーナキューブ47が前記測距光41bを反射した場合(コーナキューブ47b)に対して±5mm程度の誤差を生じる。
【0064】
一方で、
図5(B)に示される様に、前記スリット板28の前記スリット孔43を介して発光素子の積層方向(1方向)のみに拡散された前記測距光41a~41cは、互いに重なり合って合成され、均一化される。又、前記測距光41a~41cが全て重なり合い重複する重複部分41dが前記受光範囲48内に受光される様になっている。
【0065】
前記重複部分41dの前記測距光41を反射するのであれば、どの位置の前記コーナキューブ47(コーナキューブ47d~47i)で反射されたとしても、
図4(C)に示される様に、前記測距光41のビームプロファイルが略均一化されている為、測距結果に誤差を生じない。
【0066】
一方で、前記托架部5及び前記走査ミラー15の協動により、前記測距光41を走査しつつ前記コーナキューブ47を測定する場合、コーナキューブ47k,47jの様に、前記測距光41a~41cのうちのいずれか1つ、或は前記測距光41a~41cのうちのいずれか2つが重なり合った部分の前記測距光41を前記コーナキューブ47が反射する場合がある。
【0067】
この場合、前記コーナキューブ47が前記重複部分41dの前記測距光41を反射した場合と比べて測距結果に誤差を生じる。一方で、前記受光素子34が前記反射測距光42を受光した際の受光光量に差異を生じる。従って、前記演算制御部17は、前記反射測距光42の受光光量の差異に基づき、前記コーナキューブ47により前記重複部分41dの前記測距光41が反射されたかどうかを判断することができる。又、前記演算制御部17は、前記重複部分41d以外の前記測距光41で測距されたと判断した測距結果を、誤った測距結果として破棄することができる。
【0068】
或は、前記測距光41で前記コーナキューブ47を走査した際の光量分布に基づき、前記コーナキューブ47が前記重複部分41dの前記測距光41により測距されたかどうかを判断してもよい。この場合、光量分布が得られた各点の各水平角及び鉛直角に基づき前記コーナキューブ47の重心位置の水平角及び鉛直角を演算し、該重心位置を中心とした所定角度範囲内(予め設定された閾値の範囲内)に位置するかどうかで、前記重複部分41dの前記測距光41で前記コーナキューブ47を測距したかどうかを判断することができる。
【0069】
前記演算制御部17は、光量分布が得られた各点の水平角及び鉛直角に基づき前記コーナキューブ47の重心位置を演算し、予め設定された角度の閾値に基づき、各測距結果が前記コーナキューブ47の重心位置から閾値の範囲に位置するかどうかを判断し、閾値の範囲外と判断された測距結果を誤った測距結果として破棄することができる。
【0070】
図6(A)、
図6(B)は、前記スリット板28を用いずに前記測距光41を走査しつつ前記コーナキューブ47を測定する場合の、前記托架部5の水平角、前記走査ミラー15の鉛直角と前記反射測距光42の受光光量との関係を示したグラフである。又、
図7(A)、
図7(B)は、前記スリット板28を設けて前記測距光41を走査しつつ前記コーナキューブ47を測定する場合の、前記托架部5の水平角、前記走査ミラー15の鉛直角と前記反射測距光42の受光光量との関係を示したグラフである。
【0071】
尚、
図6(B)、
図7(B)中、三角のプロット49はV軸方向(鉛直方向)に於ける受光光量を示し、バツのプロット51はH軸方向(水平方向)に於ける受光光量を示している。
【0072】
図6(B)に示される様に、前記スリット板28を設けない場合、受光信号を離散サンプリングすると、H軸方向の受光光量は連続的な分布となるが、V軸方向の受光光量、即ち発光素子の積層方向の受光光量は、非連続な分布となる。従って、前記コーナキューブ47の重心位置を演算する際の誤差が大きくなり、前記コーナキューブ47の測角結果にも誤差を生じる。
【0073】
一方、
図7(B)に示される様に、前記スリット板28を設けた場合、受光信号を離散サンプリングすると、V軸方向、H軸方向の受光光量は共に連続した分布となる。従って、前記コーナキューブ47の重心位置を演算する際の誤差を防止することができ、前記コーナキューブ47の測角結果の誤差も防止することができる。
【0074】
上述の様に、本実施例では、前記発光部25として複数の発光素子を1方向に積層させ、各発光素子を同時に発光させるマルチスタックレーザ光源を用いている。従って、各発光素子から射出され、前記受光素子34に各反射測距光42が受光された際の受光信号を合算することで、実質的に発光素子の個数倍程度に受光光量を増加させることができる。これにより、前記測距光41の到達距離を伸すことができ、測距可能な距離を伸すことができる。
【0075】
又、前記投光光学系33に前記測距光41を前記発光素子の積層方向(1方向)にのみ拡散させる前記スリット板28を用いているので、各発光素子から発せられた前記測距光41a~41cが全て重ね合され、ビームプロファイルが均一化された前記重複部分41dを形成することができる。
【0076】
従って、該重複部分41dの前記測距光41であれば、いずれの部分で前記コーナキューブ47を測定したとしても、発光素子の積層個数に拘らず均一な測距結果を得ることができ、測距精度を向上させることができる。
【0077】
又、前記測距光41を走査して前記コーナキューブ47を測定する場合であっても、V軸方向、H軸方向共に連続した受光光量の分布を得ることができるので、前記コーナキューブ47の正確な重心位置を演算することができ、該コーナキューブ47の測角精度を向上させることができる。而して、前記スリット板28の前記スリット孔43により測距精度、測角精度を向上させることができるので、前記測量装置1の測定精度を向上させることができる。
【0078】
又、前記重複部分41d以外の前記測距光41により前記コーナキューブ47を測定した場合には、前記重複部分41dの前記測距光41により前記コーナキューブ47を測定した場合と比べて前記反射測距光42の受光光量に差異が生じる。
【0079】
従って、前記反射測距光42の受光光量の差異に基づき、前記重複部分41d以外の前記測距光41で測定された前記コーナキューブ47の測定結果を破棄することで、誤差を有する測定結果を除去することができ、測定精度の向上を図ることができる。
【0080】
又、前記スリット板28は1方向のみに前記測距光41を拡散させる1次元拡散光学部材であり、前記測距光41を2方向に拡散させる2次元拡散光学部材よりも前記測距光41のビーム径を小さくすることができる。
【0081】
従って、前記反射測距光42の受光光量を大きくすることができ、測距可能距離を伸すことができる。
【0082】
又、前記受光光学系37として前記受光プリズム35を用い、前記反射測距光42を前記受光プリズム35内で複数回内部反射させている。これにより、前記反射測距光42の光路を屈曲させ、前記受光レンズ36の焦点距離分の光路長を確保している。
【0083】
従って、前記受光光学系37の光軸方向の長さを短くすることができるので、前記距離測定部19の光学系の小型化が図れると共に、測量装置全体の小型化を図ることができる。
【0084】
尚、本実施例では、前記発光部25として、3つの発光素子を積層させたマルチスタックレーザ光源としている。一方で、前記発光部25は、2つの発光素子を積層させたマルチスタックレーザ光源としてもよいし、4つ或は5つの発光素子を積層させたマルチスタックレーザ光源としてもよい。
【0085】
又、本実施例では、前記スリット板28が前記測距光軸38上に設けられているが、ソレノイド等の駆動機構により、前記スリット板28を前記測距光軸38に対して挿脱可能としてもよい。前記スリット板28を挿脱可能とすることで、プリズム測定を行う場合は前記スリット板28を前記測距光軸38上に挿入し、ノンプリズム測定を行う場合は前記スリット板28を前記測距光軸38上から乗り除くことができる等、測定対象物に応じて前記測距光41のビームプロファイルを使い分けることができ、作業性を向上させることができる。
【0086】
又、本実施例では、前記測量装置1をレーザスキャナとしているが、トータルステーションの場合であっても、本実施例の構成が適用可能であることは言う迄もない。
【0087】
本実施例では、前記スリット板28が前記ビーム成形光学素子27と前記反射プリズム29との間に配置されているが、前記スリット板28は別の位置に設けてもよい。例えば、
図8に示される様に、前記コリメータレンズ26と前記ビーム成形光学素子27との間に前記スリット板28を配置してもよい。
【0088】
又、前記測量装置1の用途をプリズム測定のみに限定するならば、即ち前記スリット板28を前記測距光軸38に対して固定とするならば、前記スリット板28は前記固定部材31と前記走査ミラー15との間に配置してもよいし、該走査ミラー15と前記窓部32との間に配置してもよい。更に、前記スリット板28に代えて、スリット部が形成された薄膜を前記反射プリズム29上、前記固定部材31上、前記走査ミラー15上、前記窓部32上に形成してもよい。前記薄膜は、例えばスリット部以外の部分を前記測距光41が透過しない様に形成される。
【0089】
又、本実施例では、1次元拡散光学部材として、前記スリット孔43が形成された前記スリット板28を使用しているが、1次元拡散光学部材は前記スリット板28に限られるものではない。
【0090】
例えば、
図9(A)に示される様に、円板に複数のスリット孔52を形成したスリット板53を用いてもよい。該スリット板53を用いることで、各発光素子から発せられた前記測距光41a~41cが前記スリット孔52を通過する際に回折し、合成されて前記重複部分41dを含む前記測距光41とすることができる。尚、
図9(A)中では、5つの前記スリット孔52が前記スリット板53に形成されているが、前記スリット孔52の数は5つに限られるものではない。
【0091】
又、前記スリット板28や前記スリット板53の様に、円板にスリット孔を形成するのではなく、エッチング処理によりスリットを形成した平行平面形状のガラス板を用いてもよい。
【0092】
更に、
図9(B)、
図9(C)に示される様に、各発光素子の積層方向にスリット孔54の開口幅を変更可能としたスリット板55を用いてもよい。前記スリット孔54の開閉は、例えば前記演算制御部17によりモータ制御される。前記スリット孔54の開口幅を変更可能とすることで、前記測距光41の拡散角を変更することができ、プリズム測定の際の前記コーナキューブ47で反射可能な前記測距光41の範囲(前記重複部分41dの大きさ)を変更することができる。
【符号の説明】
【0093】
1 測量装置
3 測量装置本体
5 托架部
8 水平回転モータ
9 水平角エンコーダ
13 鉛直回転モータ
14 鉛直角エンコーダ
15 走査ミラー
17 演算制御部
19 距離測定部
23 測距光射出部
24 測距光受光部
25 発光部
28 スリット板
41 測距光
42 反射測距光
43 スリット孔
47 コーナキューブ
52 スリット孔
53 スリット板
54 スリット孔
55 スリット板