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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023050708
(43)【公開日】2023-04-11
(54)【発明の名称】ランプ装置用殻割り工具
(51)【国際特許分類】
   B25B 27/14 20060101AFI20230404BHJP
【FI】
B25B27/14 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021160957
(22)【出願日】2021-09-30
(71)【出願人】
【識別番号】000161909
【氏名又は名称】京都機械工具株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001427
【氏名又は名称】弁理士法人前田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】西村 朋也
(72)【発明者】
【氏名】寺谷 大樹
【テーマコード(参考)】
3C031
【Fターム(参考)】
3C031AA00
3C031EE62
(57)【要約】
【課題】ヘッドランプ等のランプ装置の殻割り作業を行う際に用いるランプ装置用殻割り工具において、ハウジング本体等とプライヤーの刃先との間の滑りを防いで、ハウジング本体とレンズの分離作業(ランプ装置の殻割り作業)を確実に行うことができるランプ装置用殻割り工具を提供する。
【解決手段】ハウジング本体W1とレンズW2の合わせ面Yの間に、一対のクロウ部材14,24を差し込み、ハウジング本体W1とレンズW2の間の間隙sを拡張するプライヤー部材T1を備え、一対のクロウ部材14,24は、一方が略I字形の当接拡張部を備えた第1クロウ部材14と、他方が略Y字状の当接拡張部を備えた第2クロウ部材24とで構成されており、第1クロウ部材14と第2クロウ部材24との最先端には、ハウジング本体W1とレンズW2に係合するカエリ部が設けられている。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジング本体とレンズとを接着して構成したランプ装置の殻割りを行うランプ装置用殻割り工具であって、
前記ハウジング本体と前記レンズの合わせ面の間に、一対の先端部を差し込み、該ハウジング本体と該レンズの間の間隙を拡張するプライヤー部材を備え、
前記一対の先端部は、一方が平板プレート状のI字形爪部と、他方が二又プレート状のY字形爪部とで構成されており、
前記I字形爪部と前記Y字形爪部との最先端には、前記ハウジング本体と前記レンズに係合するカエリ部が設けられた
ことを特徴とするランプ装置用殻割り工具。
【請求項2】
前記プライヤー部材によって前記ハウジング本体と前記レンズの間の拡張させた間隙に先端部を差し込んで、該隙間の間隔を維持するクサビ部材を備え、
該クサビ部材の前記ハウジング本体と前記レンズとの当接面に、該クサビ部材の抜けを防止するカエリ部を設けた
ことを特徴とする請求項1記載のランプ装置用殻割り工具。
【請求項3】
前記クサビ部材は、先端側から基端側かけて徐々に厚みが増加するクサビ形状で形成されており、
前記カエリ部が、該先端側から基端側に向かって複数設けられた
ことを特徴とする請求項2記載のランプ装置用殻割り工具。
【請求項4】
前記クサビ部材は、横断面形状が長方形形状で構成されており、
前記カエリ部が、前記長方形形状の長尺側の面と短尺側の面にそれぞれ形成されており、ランプ装置の殻割り作業初期では、長尺側の面のカエリ部でクサビ部材の抜けを防止して、ランプ装置の殻割り作業後期では、短尺側の面のカエリ部でクサビ部材の抜けを防止するように構成した
ことを特徴とする請求項2又は請求項3記載のランプ装置用殻割り工具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車等のヘッドランプ装置やテールランプ装置等のランプ装置のいわゆる殻割り作業を行う際に用いるランプ装置用殻割り工具に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、自動車等のヘッドランプ装置やテールランプ装置においては、デザイン上の要求で特殊な形状で形成されて、またLEDランプや、予防安全システムのためのセンサー等をヘッドランプ装置内に設置するもの等も普及してきたため、ヘッドランプ装置自体が高額化している。一方で、LEDランプは半永久的に使用でき、交換も原則不要であることや、ヘッドランプ装置内のリフレクターの損傷により配光特性が変化してセンサー動作に影響を及ぼすことを防止するため、ライト発光部分(ハウジング本体部分)と透明樹脂部分(レンズ部分)とを分離できないように接着剤等で一体化しているものが増加している。
【0003】
ところで、事故等でヘッドランプ装置等の一部が破損した際や、経年変化によってレンズの透明色が変化した際など、レンズのみを交換したい場合があるが、前述のようにヘッドランプ装置等が接着剤等で一体化しているため、ランプ装置全体を交換する必要があった。
【0004】
そこで、下記非特許文献1に記載されているように、ランプ装置を一旦ドライヤー等で温めてから、車室内トリム等を固定する樹脂製クリップを取り外すための専用工具である「クリッププライヤー」を使って、ハウジング本体とレンズを分離することが知られている、こうした分離作業は、作業者等の間では「ヘッドランプ装置の殻割り作業」と言われており、その他、インターネット上にもいくつかの作業動画等がアップロードされている。
【0005】
このように、本来、樹脂製クリップを取り外すための専用工具である「クリッププライヤー」を、このヘッドランプ装置の殻割り作業に用いることで、このヘッドランプ装置の殻割り作業を、比較的容易に行うことが知られている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】1.著作者「めたば」2.表題「めたばのうむ」3.関連箇所「ヘッドライトの殻割りをやってみる(RAV4 50系)」4.媒体タイプ「online」5.掲載年月日「2020年9月1日」6.検索日「2021年8月26日」7.URL「https://www.metabanium.com/car/headlight-karawari/」
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
もっとも、ランプ装置は、密閉性を高めるために、ハウジング本体とレンズが強力な接着力で接着されている。この接着方法としては、超音波溶着やシーリング材を使用した接着方法などが知られており、シーリング材ではブチルゴム等の粘性物質が用いられている。
【0008】
このため、ランプ装置の殻割り作業の際には、この強力な接着力に抗って、ハウジング本体とレンズを分離する必要があるが、この接着力が強力であるため、クリッププライヤーを使ってハウジング本体とレンズの間の一部分を分離させたとしても、直ぐに接着状態に戻ってしまうという問題がある。
【0009】
特に、クリッププライヤーの刃先は、もともと樹脂クリップと内装材との間に差し込むために、薄くクサビ状に形成されているため、ハウジング本体とレンズとの間から、クリッププライヤーが弾き出されてしまい、上手くハウジング本体とレンズを分離できない形状になっている。
【0010】
また、このクリッププライヤーの片方の刃先には、樹脂クリップの軸部を挿通させるためのU字状の切欠きを設けているため、刃先の接触面積を十分に確保できず、摺動抵抗が得られず、クリッププライヤーが滑ってしまい、ランプ装置の殻割りが上手くできないという問題もあった。
【0011】
本発明は、斯かる点に鑑みてなされたもので、その目的は、ヘッドランプ等のランプ装置の殻割り作業を行う際に用いるランプ装置用殻割り工具において、ハウジング本体等とプライヤーの刃先との間の滑りを防いで、ハウジング本体とレンズの分離作業(ランプ装置の殻割り作業)を確実に行うことができるランプ装置用殻割り工具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
その目的を達成するために、この発明では、ランプ装置のハウジング本体とレンズとを分離することでランプ装置の殻割りを行うランプ装置用殻割り工具であって、該工具の先端の刃先を平板状の摺動部として形成し、該摺動部の先端にカエリ部を設けたことを特徴とするものである。
【0013】
具体的に、第1の発明では、ハウジング本体とレンズとを接着して構成したランプ装置の殻割りを行うランプ装置用殻割り工具であって、前記ハウジング本体と前記レンズの合わせ面の間に、一対の先端部を差し込み、該ハウジング本体と該レンズの間の間隙を拡張するプライヤー部材を備え、前記一対の先端部は、一方が平板プレート状のI字形爪部と、他方が二又プレート状のY字形爪部とで構成されており、前記I字形爪部と前記Y字形爪部との最先端には、前記ハウジング本体と前記レンズに係合するカエリ部が設けられたことを特徴とするものである。
【0014】
この構成によれば、プライヤー部材の一対の先端部が、平板プレート状のI字形爪部と二又プレート状のY字形爪部とで構成されることにより、プライヤー部材の一対の先端部の接触面積を十分に確保することができる。また、I字形爪部とY字形爪部との最先端にカエリ部を設けたことで、一旦、プライヤー部材の一対の先端部がランプ装置のハウジング本体とレンズとの間に差し込まれると、プライヤー部材が抜け落ちることを防ぐことができる。
【0015】
このため、プライヤー部材の一対の先端部の摺動抵抗を確実に得ることができ、また、プライヤー部材が抜け落ちることを防止することができるため、ランプ装置のハウジング本体等とプライヤー部材との間の滑りを確実に防ぐことができる。
【0016】
第2の発明では、前記プライヤー部材によって前記ハウジング本体と前記レンズの間の拡張させた間隙に先端部を差し込んで、該拡張した間隔を維持するクサビ部材を備え、該クサビ部材の前記ハウジング本体と前記レンズとの当接面に、該クサビ部材の抜けを防止するカエリ部を設けたことを特徴とするものである。
【0017】
この構成によれば、プライヤー部材で、拡張させたハウジング本体とレンズの間の隙間に、クサビ部材の先端部を差し込むことで、その隙間の間隔を維持することができ、そのクサビ部材にカエリ部を設けたことで、ハウジング本体とレンズとの間からのクサビ部材の抜け落ちを防止することができる。
【0018】
このため、プライヤー部材で拡張させたハウジング本体とレンズの間の隙間が、プライヤー部材を抜き取っても狭まることがないため、ハウジング本体とレンズが強力な接着力で接着状態に戻ろうとしても、その隙間を維持することができる。これにより、プライヤー部材を次のハウジング本体とレンズの合わせ面に差し込んで、そのプライヤー部材によってそのハウジング本体とレンズの隙間の間隔を拡張することができる。
【0019】
よって、プライヤー部材とクサビ部材とを使って、ハウジング本体とレンズの間の隙間を、ランプ装置の全周にわたって徐々に広げていき、ランプ装置の殻割り作業を確実に行うことができる。
【0020】
第3の発明では、前記クサビ部材は、先端側から基端側かけて徐々に厚みが増加するクサビ形状で形成されており、前記カエリ部が、該先端側から基端側に向かって複数設けられたことを特徴とするものである。
【0021】
この構成によれば、クサビ部材のカエリ部が、徐々に厚みが増加する複数の箇所に設けられるため、クサビ部材に奥に差し込むことによって、拡張された隙間の間隔をより広くすることができる。
【0022】
このため、クサビ部材は、拡張された隙間の間隔を維持するだけでなく、隙間の間隔を広げる機能も持つことになる。
【0023】
よって、プライヤー部材だけでなく、クサビ部材によっても、ランプ装置のハウジング本体とレンズとの隙間を拡張することができ、より迅速にランプ装置の殻割り作業を行うことができる。
【0024】
第4の発明では、前記クサビ部材は、横断面形状が長方形形状で構成されており、前記カエリ部が、前記長方形形状の長尺側の面と短尺側の面にそれぞれ形成されており、ランプ装置の殻割り作業初期では、長尺側の面のカエリ部でクサビ部材の抜けを防止して、ランプ装置の殻割り作業後期では、短尺側の面のカエリ部でクサビ部材の抜けを防止するように構成したことを特徴とするものである。
【0025】
この構成によれば、ランプ装置の殻割り作業初期に、クサビ部材の長尺側の面のカエリ部を利用して、ランプ装置の殻割り作業後期には、クサビ部材の短尺側の面のカエリ部を利用して、クサビ部材の抜けを防止することで、ランプ装置の殻割り作業の全期間、1つのクサビ部材で、ハウジング本体とレンズの間の間隙を維持することになる。
【0026】
このため、1つのクサビ部材だけで、ランプ装置のハウジング本体とレンズの隙間の間隔を広範囲で維持することができる。
【0027】
よって、ランプ装置の殻割り作業の際に、強力な接着力が、長期間に亘って作用する場合でも、クサビ部材が確実にランプ装置のハウジング本体とレンズの隙間の間隔を維持できるため、より確実にランプ装置の殻割り作業を行うことができる。
【発明の効果】
【0028】
以上、説明したように、本発明によれば、プライヤー部材の一対の先端部の摺動抵抗を確実に得ることができ、プライヤー部材が抜け落ちることを防止することができるため、ランプ装置のハウジング本体等とプライヤー部材との間の滑りを確実に防ぐことができる。
【0029】
よって、ヘッドランプ等のランプ装置の殻割り作業を行う際に用いるランプ装置用殻割り工具において、ハウジング本体等とプライヤーの刃先との間の滑りを防いで、ハウジング本体とレンズの分離作業を確実に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1】本発明の実施形態1に係るランプ装置用殻割り工具の全体斜視図で、上から、プライヤー部材、クサビ部材、ヘラ部材である。
図2】ランプ装置用殻割り工具のプライヤー部材の(a)平面図、(b)側面図である。
図3図2のプライヤー部材の第1クロウ部材の(a)平面図、(b)側面図である。
図4図2のプライヤー部材の第2クロウ部材の(a)平面図、(b)側面図である。
図5】ランプ装置用殻割り工具のクサビ部材の(a)平面図、(b)X-X線の縦断面図である。
図6】ヘッドランプ装置の分解状態の斜視図である。
図7】ヘッドランプ装置の殻割り作業の第一工程の図である。
図8】ヘッドランプ装置の殻割り作業の第二工程の図である。
図9】ヘッドランプ装置の殻割り作業の第三工程の図である。
図10】ヘッドランプ装置の殻割り作業の第四工程の図である。
図11】ヘッドランプ装置の殻割り作業の第五工程の図である。
図12】ヘッドランプ装置の殻割り作業の第六工程の図である。
図13】ヘッドランプ装置の殻割り作業の第七工程の図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、本発明の実施形態を、図面に基づいて詳細に説明する。以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物、或いはその用途を制限することを意図するものではない。
【0032】
(実施形態1)
まず、図1を使ってランプ装置用殻割り工具Tについて説明する。このランプ装置用殻割り工具はT、3つの部材で構成される。上から、プライヤー部材T1、クサビ部材T2、ヘラ部材T3である。このうち、プライヤー部材T1とクサビ部材T2とを使って、ヘッドランプ装置W(図6参照)の殻割り作業を行い、ヘラ部材T3を使って、殻割り作業を行った後のハウジング本体W1(図6参照)に新しい接着剤であるシーリング材W3を取り付ける。
【0033】
まず、前述のプライヤー部材T1について、図2等も使って説明する。
【0034】
このプライヤー部材T1は、第1本体パーツ1と第2本体パーツ2の2つのパーツを中央の回転軸3を介して回動自在に連結することで構成している。具体的には、第1本体パーツ1と第2本体パーツ2の基端側にハンドル部11,21を設けて、第1本体パーツ1と第2本体パーツ2の先端側に先端部12,22を設けて、これらの間の中間部に回転軸3を設けている。
【0035】
このようにプライヤー部材T1を構成することで、第1本体パーツ1と第2本体パーツ2のハンドル部11,21を、作業者が握って挟持すると、回転軸3による反転作用により、第1本体パーツ1と第2本体パーツ2の先端部12、22の間隔が外側に広がるように構成されている。
【0036】
なお、前記ハンドル部11,21は、それぞれがゴム製のカバー部材13,23で被覆されており、作業者がハンドル部11,21を握った際に滑らないように構成されている。また、2つのハンドル部11,21の間の回転軸3近接には、コイルスプリング4(図2参照)を介装しており、このコイルスプリング4で、2つのハンドル部11,21が拡張方向へ移動するように、また先端部12,22が閉じる方向へ移動するように、それぞれ付勢されている。
【0037】
また、前記2つの先端部12,22には、取付ネジ5、5を介して、取り付ける別体のクロウ部材14,24を設けている。なお、これらクロウ部材14,24を第1本体パーツ1や第2本体パーツ2と一体に構成しても良い。
【0038】
前記クロウ部材14,24は、図3の第1クロウ部材14と、図4の第2クロウ部材24とで構成されている。
【0039】
図3の第1クロウ部材14は、先端側に側面視略Y字状の当接拡張部14aを設けて、基端側に棒状の差込固定ピン部14bを設けている。当接拡張部14aは、平板状の2つの受面部14c,14cと二又状のベース部14dを備え、これらの受面部14c,14cとベース部14dの間には段部14e,14eを形成している。そして、受面部14c,14cの最先端には外側に凸設したカエリ部14gを設けている。
【0040】
また、差込固定ピン部14bの側面には切欠き面14fが形成されて、この切欠き面14fを利用して取付ネジ5(図1参照)によって第1本体パーツ1の先端部12に固定されるように構成している。
【0041】
図4の第2クロウ部材24は、先端側に側面視略I字状の当接拡張部24aを設けて、基端側に棒状の差込固定ピン部24bを設けている。この第2クロウ部材24の当接拡張部24aは、平板状の1つの受面部24cと肉厚のベース部24dを備え、この受面部24cとベース部24dの間にも段部24eを形成している。そして、この受面部24cの最先端にも外側に凸設したカエリ部24gを設けている。
【0042】
また、この第2クロウ部材24の差込固定ピン部24bの側面にも切欠き面24fが形成されて、この切欠き面24fを利用して取付ネジ5(図1参照)によって第2本体パーツ2の先端部22に固定されるように構成している。
【0043】
このように、第1クロウ部材14の当接拡張部14aを略Y字状にし、第2クロウ部材24の当接拡張部24aを略I字状にすることで、この2つのクロウ部材14,24を重ね合わせると、略Y字状の当接拡張部14aの間に略I字状の当接拡張部24aが位置して、2つの当接拡張部14a,24aの先端がほぼ一直線状に並ぶことになる。このため、後述するようにヘッドランプ装置Wのハウジング本体W1とレンズW2の合わせ面Y(図7参照)に対して、この2つの当接拡張部14a,24aを容易に差し込むことができる。
【0044】
また、当接拡張部14a,24aの先端を薄い平板状の受面部14c,24cで形成しているため、ハウジング本体W1とレンズW2の合わせ面Y(図7参照)の隙間sに対して、奥側(内側)まで容易に差し込むことができる。また、これら平板状の受面部14c,24cのうち、特に第2クロウ部材24の受面部24cが略I字状であるため、一般的なクリッププライヤーのU字状切欠きを設けた刃先部分に比較して、接触面積を多く確保でき、ハウジング本体W1又はレンズW2に対する摺動抵抗を高めることができる。
【0045】
また、当接拡張部14a,24aの最先端にはそれぞれカエリ部14g,24gを設けているため、一度ハウジング本体W1とレンズW2の合わせ面Yの隙間sに差し込まれると、このカエリ部14g,24gによって抜け落ちが防止できるため、当接拡張部14a,24aが、ハウジング本体W1とレンズW2の合わせ面Yの隙間sから弾き出されることがない。こうしたことから、プライヤー部材T1によるハウジング本体W1とレンズW2の分離作業(ヘッドランプ装置Wの殻割り作業)を容易に行うことができる。
【0046】
なお、当接拡張部14a,24aに、段部14e,24eを設けて先端側を平板状に形成しているのは、ハウジング本体W1とレンズW2の合わせ面Yの隙間sに平板状の受面部14c,24cを差し込む際の差し込み状態を、作業者が目視で確認できるようにするためである。
【0047】
次に、前述のクサビ部材T2について、図1図5を使って説明する。
【0048】
クサビ部材T2は、硬質樹脂、例えばPP(ポリプロピレン)で成形された略ホコ型部材で構成されている。このクサビ部材T2は、先端側に設けた差込係合部6と、基端側に設けた把持部7と、差込係合部6と把持部7の間に設けた首部8とで構成されている。
【0049】
前述の差込係合部6は、横断面が横長の略矩形形状で形成されて、先端側から基端側に向けて徐々に太くなるように構成されている。また、その途中には節状に複数のカエリ部61,62,63が形成されている。このカエリ部61,62,63は、先端側から差込係合部6の全周に亘って形成されている第1カエリ部61と、第2カエリ部62と順に形成されて、さらに、差込係合部6の側面だけに形成される第3カエリ部63が形成されている。なお、差込係合部6の上下面には滑り止めとして洗濯板状の凹凸部64を設けている。
【0050】
前述の把持部7は、中央に貫通孔70を設けた横長の略長方形形状で構成している。このように横長に構成することで、作業者が差込係合部6をハウジング本体W1とレンズW2の合わせ面Yの隙間sに差し込む際に押し込みやすくしている。
【0051】
前述の首部8は、差込係合部6や把持部7よりも細く形成しており、また中央には、凹部81を設けている。
【0052】
前述のヘラ部材T3は、図1に示すように、硬質樹脂、例えばPP(ポリプロピレン)で成形された略ホコ型形状で構成されている。このヘラ部材T3も前述のクサビ部材T2と同様に刃先形状部9Aと把持部9Bと首部9Cとで構成されている。
【0053】
もっとも、ヘラ部材T3は、前述したように、殻割り作業を行った後のハウジング本体W1に新しいシーリング材W3を充填するために用いるため、カエリ部などは設けられられていない。一方、刃先形状部9Aの先端にはシリコン材料で形成した先端部10を設けている。このようにヘラ部材T3の先端に先端部10を設けていることで、シーリング材W3である、例えばブチルゴムが先端部10に引っ付きにくくなり、ヘラ部材T3によるハウジング本体W1へのシーリング材W3の充填が容易になる。なお、本実施例において先端部10はシリコン材料を用いたが、剥離効果のあるその他の材料を使用しても構わない。
【0054】
次に、ヘッドランプ装置Wのハウジング本体W1とレンズW2の分離作業(ヘッドランプ装置Wの殻割り作業)について説明する。
【0055】
図6は、ヘッドランプ装置Wのハウジング本体W1とレンズW2の分離状態を示した図である。
【0056】
ヘッドランプ装置Wは、内部にライト発光部分を備える樹脂製のハウジング本体W1と、透明な樹脂で成形されたカバー状のレンズW2と、ハウジング本体W1とレンズW2との間に介装されるブチルゴム等で構成されるシーリング材W3と、で構成されている。
【0057】
ヘッドランプ装置Wは、通常時には、レンズW2が一点鎖線の仮想線で示すように、ハウジング本体W1の前方位置に嵌合状態で接着固定されており、ハウジング本体W1、レンズW2、シーリング材W3が一体でユニット化されている。このため、例えば、レンズW2の一部が破損したような場合、従来は、ヘッドランプ装置W全部を交換する必要があった。そこで、レンズW2だけを交換できるように、ハウジング本体W1とレンズW2との分離作業(ヘッドランプ装置Wの殻割り作業)を、行うことが求められる。
【0058】
このヘッドランプ装置Wの殻割り作業は、ハウジング本体W1とレンズW2の合わせ面Yに対して、例えば、○印で示したコーナー角部Zから徐々に行い、合わせ面Yの全周に広がるようにして行う。
【0059】
このヘッドランプ装置Wの殻割り作業の具体的な作業工程について、以下の図7図13によって説明する。
【0060】
まず初めに、図7に示すように、プライヤー部材T1を使って、ハウジング本体W1とレンズW2の合わせ面Yに対してアプローチする。プライヤー部材T1の先端の第1クロウ部材14と第2クロウ部材24を閉じた状態で、ハウジング本体W1とレンズW2の合わせ面Y(図7等参照)に差し込む。なお、図示はしないが、シーリング材W3を軟化させるために、事前に合わせ面Yに熱を与えておくのが望ましい。
【0061】
具体的には、ハウジング本体W1の端部には、凹状の受け部W11が形成されて、その凹状の受け部W11の内部にシーリング材W3であるブチルゴムが埋設されて、このシーリング材W3にレンズW2の端部の差込片W21が差し込まれることで、ハウジング本体W1に、レンズW2が接着固定されている。このレンズW2の端部には当接片W22が設けられており、この当接片W22が、ハウジング本体W1の受け部W11の外側壁W12に当接することで、ハウジング本体W1とレンズW2の合わせ面Yが構成される。
【0062】
この合わせ面Yに対して、第1クロウ部材14と第2クロウ部材24の先端を差し込むことで、ハウジング本体W1とレンズW2の間に僅かな隙間sが形成されて、第1クロウ部材14と第2クロウ部材24の先端を、レンズW2の差込片W21に当接するまでプライヤー部材T1を奥に押し込む。
【0063】
次に、図8に示すように、プライヤー部材Tのハンドル部11,12を作業者が挟持することで、第1クロウ部材14の第2クロウ部材24の先端の間隔が広がる。そうすると、ハウジング本体W1とレンズW2の合わせ面Yの隙間sが広がる。このように合わせ面Yの隙間sが広がると、レンズW2の端部の差込片W21に引き上げられてシーリング材W3が伸びる。そして、図示はしないものの、最終的にレンズW2の差込片W21とシーリング材W3との接着状態が外れて、この部分でレンズW2とハウジング本体W1が分離する。
【0064】
もっとも、このシーリング材W3の接着力が強力なので、プライヤー部材T1のハンドル部11,12の挟持を緩めると、この部分のレンズW2とハウジング部材W1の接着状態が回復する。
【0065】
そこで、本実施形態では、次の図9図13に示すように、クサビ部材T2を使って、レンズW2とハウジング本体W1の分離状態を維持するように構成している。
【0066】
まず、図9に示すように、クサビ部材T2を横向き(略長方形形状の短尺側で隙間に挟まり、長尺側の面で当接するよう)にしてハウジング本体W1とレンズW2の合わせ面Yの隙間sに差し込むようにしている。このクサビ部材T2の差し込み位置は、プライヤー部材T1を差し込んだ位置に隣接した位置にしている。こうすることで、クサビ部材T2を差し込み易くしている。
【0067】
そして、クサビ部材T2の第1カエリ部61を、ハウジング本体Wの受け部W11の外側壁W12の内側に引っ掛けるようにすることで、このクサビ部材T2で、プライヤー部材T1で広げた合わせ面Yの隙間sを維持するようにしている。
【0068】
こうして、クサビ部材T2で、プライヤー部材T1によって広げた合わせ面Yの隙間sを維持することで、プライヤー部材T1を一旦、そのレンズW2とハウジング本体W1の合わせ面Yから取り外して、別の合わせ面(図示せず)に移行させることができる。
【0069】
別の合わせ面に移行したプライヤー部材T1は、前述した図7図8に示した工程をその合わせ面の場所でも行って、その合わせ面の隙間を広げる。
【0070】
こうして、プライヤー部材T1によって、別の合わせ面でも隙間を広げると、クサビ部材T2を差し込んだ合わせ面Yでも、隙間sをさらに広げることができるため、図10に示すように、クサビ部材T2を内側に差し込んで、その広がった隙間sを維持するようにしている。
【0071】
すなわち、クサビ部材T2を内側に差し込んで、第2カエリ部62をハウジング本体W1の受け部W11の外側壁W12の内側に引っ掛けるようにすることで、クサビ部材T2でさらに広がった合わせ面Yの隙間sを維持するようにしているのである。
【0072】
なお、このように、クサビ部材T2で隙間Yの間隔sを徐々に広げるのは、レンズW2とハウジング本体W1が、シーリング材W3の強い接着力で強固に接着されているため、一気に隙間sの間隔を広げると、レンズW2やハウジング本体W1が破損する可能性があるからである。
【0073】
その後、プライヤー部材T1を、その別の合わせ面から取り外して、さらに別の合わせ面(図示せず)に移行させる。そして、その別の合わせ面でも、プライヤー部材T1で、図7図8に示した工程を経て、その別の合わせ面の隙間を広げる。
【0074】
そして、この別の合わせ面でも隙間が広がると、クサビ部材T2を差し込んだ合わせ面Yの隙間sの間隔もさらに広がるため、図11に示すようにして、クサビ部材T2によって隙間sの間隔をさらに広げる。
【0075】
この図11では、クサビ部材T2を、縦向き(略長方形形状の長尺側で隙間に挟まり、短尺側の面で当接するよう)にしてハウジング本体W1とレンズW2の合わせ面Yの隙間sに差し込むようにしている。このように、クサビ部材T2を縦向きにすることで、ハウジング本体W1とレンズW2の隙間sがさらに広がった状態でも、クサビ部材T1を利用して、ハウジング本体W1とレンズW2の隙間sを維持することができる。
【0076】
そして、この状態でも、クサビ部材T2の側面の第1カエリ部61(61b)を、ハウジング本体W1の受け部W11の外側壁W12の内側に引っ掛けるようにすることで、クサビ部材T2で、さらに大きく広がった合わせ面Yの隙間sを、維持することができる。
【0077】
その後、さらに、ハウジング本体W1とレンズW2の合わせ面Yの隙間sが広がった場合には、図12図13に示すような状態で、クサビ部材T2を縦向きにして、ハウジング本体W1とレンズW2の合わせ面Yの隙間sの間に差し込むようにしている。
【0078】
具体的には、図12に示すように、クサビ部材T2を、図11よりもさらに内側に差し込んで、クサビ部材T2の側面の第2カエリ部62(62b)を、ハウジング本体W1の受け部W11の外側壁W12の内側に引っ掛けるようにして、ハウジング本体W1とレンズW2の合わせ面Yの隙間sの間隔を維持するようにしている。
【0079】
またさらに、図13に示すように、クサビ部材T2を、図12よりもさらに内側に差し込んで、クサビ部材T2の第3カエリ部63を、ハウジング本体W1の受け部W11の外側壁W12の内側に引っ掛けるようにして、ハウジング本体W1とレンズW2の合わせ面Yの隙間sの間隔を維持するようにしている。
【0080】
このように、クサビ部材T2の差し込み位置を切り換えることで、ヘッドランプ装置Wの殻割り作業工程中に徐々に変化していく、ハウジング本体W1とレンズW2の隙間sの間隔に、クサビ部材T2を対応させることができる。
【0081】
こうして、ヘッドランプ装置Wの殻割り作業を、プライヤー部材T1とクサビ部材T2を利用して、ヘッドランプ装置Wの合わせ面Yの全周の隙間を徐々に広げると、ハウジング本体W1とレンズW2を綺麗に分離させることができる。こうしてハウジング本体W1とレンズW2が分離すると、破損したレンズW2だけを新しいものと交換することができる。
【0082】
こうして、レンズW2を新しいものに交換した後は、ヘラ部材T3を使って、ハウジング本体W1の受け部W11の内部に、新しいシーリング材W3であるブチルゴムを充填して、ハウジング本体W1とレンズW2を接合する。このようにして、ヘッドランプ装置Wの殻割り作業が終了する。
【0083】
以上のように、本実施形態では、ハウジング本体W1とレンズW2とを接着して構成したヘッドランプ装置Wの殻割りを行うランプ装置用殻割り工具Tであって、ハウジング本体W1とレンズW2の合わせ面Yの間に、一対のクロウ部材14,24を差し込み、ハウジング本体W1とレンズW2の間の間隙sを拡張するプライヤー部材T1を備え、前記一対のクロウ部材14,24は、一方が略I字形の当接拡張部14aを備えた第1クロウ部材14と、他方が略Y字状の当接拡張部24aを備えた第2クロウ部材24とで構成されており、第1クロウ部材14と第2クロウ部材24との最先端には、ハウジング本体W1とレンズW2に係合するカエリ部14g,24gが設けられている。
【0084】
これにより、プライヤー部材T1の一対の当接拡張部14a,24aの接触面積を十分に確保することができる。また、第1クロウ部材14と第2クロウ部材24との最先端にカエリ部14g,24gを設けたことで、一旦、プライヤー部材T1の一対の当接拡張部14a,24aがヘッドランプ装置Wのハウジング本体W1とレンズW2との間に差し込まれると、プライヤー部材T2が抜け落ちることを防ぐことができる。
【0085】
このため、プライヤー部材T2の一対の先端部の摺動抵抗を確実に得ることができ、プライヤー部材T2が抜け落ちることを防止することができるため、ヘッドランプ装置Wのハウジング本体W1等とプライヤー部材T1との間の滑りを確実に防ぐことができる。
【0086】
よって、ヘッドランプ等のランプ装置の殻割り作業を行う際に用いるランプ装置用殻割り工具Tにおいて、ハウジング本体W1等とプライヤー部材T1の刃先との間の滑りを防いで、ハウジング本体W1とレンズW2の分離作業を確実に行うことができる。
【0087】
また、本実施形態では、プライヤー部材T1によってハウジング本体W1とレンズW2の間の拡張させた間隙sに差込係合部6を差し込んで、その拡張した間隔sを維持するクサビ部材T2を備え、そのクサビ部材T2のハウジング本体W1とレンズW2と当接する面に、クサビ部材Tの抜けを防止するカエリ部61,62,63を設けている。
【0088】
これにより、プライヤー部材T1で、拡張させたハウジング本体W1とレンズW2の間の隙間sに、クサビ部材T2の差込係合部6を差し込むことで、その隙間sの間隔を維持することができ、そのクサビ部材T2にカエリ部61,62,63を設けたことで、ハウジング本体W1とレンズW2との間からのクサビ部材T2の抜け落ちを防止することができる。
【0089】
このため、プライヤー部材T1で拡張させたハウジング本体W1とレンズW2の間の隙間sが、プライヤー部材T1を抜き取っても狭まることがないため、ハウジング本体W1とレンズW2が強力な接着力で接着状態に戻ろうとしても、その隙間sを維持することができる。これにより、プライヤー部材T1を次のハウジング本体W1とレンズW2の合わせ面Yに差し込んで、そのプライヤー部材T1によってそのハウジング本体W1とレンズW2の隙間sの間隔を拡張することができる。
【0090】
よって、プライヤー部材T1とクサビ部材T2とを使って、ハウジング本体W1とレンズW2の間の隙間sを、ヘッドランプ装置Wの全周にわたって徐々に広げていき、ヘッドランプ装置Wの殻割り作業を確実に行うことができる。
【0091】
また、本実施形態では、クサビ部材T2は、先端側から基端側かけて徐々に厚みが増加するクサビ形状で形成されており、カエリ部が、先端側から基端側に向かって複数(61,62,63)、設けられている。
【0092】
この構成によれば、クサビ部材T2のカエリ部61,62,63が、徐々に厚みが増加する複数の箇所に設けられるため、クサビ部材に内側(奥側)に差し込むことによって、拡張された隙間sの間隔をより広くすることができる。
【0093】
このため、クサビ部材T2は、拡張された隙間sの間隔を維持するだけでなく、隙間sの間隔を広げる機能も持つことになる。
【0094】
よって、プライヤー部材T1だけでなく、クサビ部材T2によっても、ヘッドランプ装置Wのハウジング本体W1とレンズW2との隙間sを拡張することができ、より迅速にヘッドランプ装置Wの殻割り作業を行うことができる。
【0095】
また、本実施形態では、クサビ部材T2は、横断面形状が長方形形状で構成されており、カエリ部61,62が、前記長方形形状の長尺側の面(61a,62a)と短尺側の面(61b,62b)にそれぞれ形成されており、ヘッドランプ装置Wの殻割り作業初期では、長尺側の面のカエリ部61a、62aでクサビ部材T2の抜けを防止して、ヘッドランプ装置Wの殻割り作業後期では、短尺側の面のカエリ部61b,62bでクサビ部材T2の抜けを防止するように構成したものである。
【0096】
これにより、ヘッドランプ装置Wの殻割り作業の全期間、1つのクサビ部材T2で、ハウジング本体W1とレンズW2の間の間隙sを維持することになる。
【0097】
このため、1つのクサビ部材T2だけで、ヘッドランプ装置Wのハウジング本体W1とレンズW2の隙間sの間隔を広範囲で維持することができる。
【0098】
よって、ヘッドランプ装置Wの殻割り作業の際に、強力な接着力が、長期間に亘って作用する場合でも、クサビ部材T2が確実にヘッドランプ装置Wのハウジング本体W1とレンズW2の隙間sの間隔を維持できるため、より確実にヘッドランプ装置Wの殻割り作業を行うことができる。
【0099】
(その他の実施形態)
次に、その他の実施形態について説明する。
【0100】
実施形態1では、ヘッドランプ装置の殻割り作業で説明したが、本発明はこれに限定されず、例えば、テールランプ装置やウィンカー装置等のランプ装置の殻割り作業で用いても良い。
【0101】
また、プライヤー部材の構造については、例えば、第1クロウ部材と第2クロウ部材を、圧入固定で構成するようにしても良い。また、第1クロウ部材と第2クロウ部材の当接拡張部の当接表面に、摺動抵抗を増加させるように、滑り止め加工を施しても良い。
【0102】
さらに、クサビ部材の構造についても、合わせ面Yの隙間sの間隔を位置できる形状であれば、例えば、当接表面の滑りを抑制するような形状や材料で構成しても良い。
【産業上の利用可能性】
【0103】
以上説明したように、本発明は、ヘッドランプ等のランプ装置を殻割り作業を行う際に用いるランプ装置用殻割り工具において有用である。
【符号の説明】
【0104】
T…ランプ装置用殻割り工具
T1…プライヤー部材
T2…クサビ部材
W…ヘッドランプ装置
W1…ハウジング本体
W2…ランプ
14…第1クロウ部材
14a…当接拡張部
14c…受面部
14g…カエリ部
24…第2クロウ部材
24a…当接拡張部
24c…受面部
24g…カエリ部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13