(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023050772
(43)【公開日】2023-04-11
(54)【発明の名称】パネル設置構造
(51)【国際特許分類】
E04B 9/00 20060101AFI20230404BHJP
【FI】
E04B9/00 H
E04B9/00 K
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021161049
(22)【出願日】2021-09-30
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002686
【氏名又は名称】協明国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】田中 恒也
(72)【発明者】
【氏名】田村 剛一
(72)【発明者】
【氏名】細田 雄司
(72)【発明者】
【氏名】村井 香織
(72)【発明者】
【氏名】金子 司
(72)【発明者】
【氏名】大野 宗一郎
(72)【発明者】
【氏名】松崎 大樹
(57)【要約】
【課題】見栄えを向上し得るパネル設置構造を提供する。
【解決手段】吊部材2に吊下保持された天井下地7,20に天井パネル9及び第1方向に長尺な設備機器取付用パネル10が設置されたパネル設置構造であって、前記設備機器取付用パネルは、前記天井パネルよりも上方側に位置するように設置され、該設備機器取付用パネルの第1方向に直交する第2方向両側の前記天井パネルは、該設備機器取付用パネルの第2方向の各端部12,12の室内側を覆うように設置されている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
吊部材に吊下保持された天井下地に天井パネル及び第1方向に長尺な設備機器取付用パネルが設置されたパネル設置構造であって、
前記設備機器取付用パネルは、前記天井パネルよりも上方側に位置するように設置され、該設備機器取付用パネルの第1方向に直交する第2方向両側の前記天井パネルは、該設備機器取付用パネルの第2方向の各端部の室内側を覆うように設置されていることを特徴とするパネル設置構造。
【請求項2】
請求項1において、
前記設備機器取付用パネルは、前記天井下地を構成し第1方向に延びるフレームに保持されており、該フレームには、室内側に延出し、第2方向両側の前記天井パネルの端面に対向する延出片が設けられていることを特徴とするパネル設置構造。
【請求項3】
請求項2において、
第1方向外側に前記天井パネルが隣接する前記設備機器取付用パネル及び第2方向両側の前記延出片の第1方向の端部の端面を含み、これら第2方向両側の前記延出片間を覆う端面カバーが設けられていることを特徴とするパネル設置構造。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか1項において、
前記設備機器取付用パネルの第2方向の各端部は、第2方向に間隔を空けて配され、前記天井下地を構成し第1方向に延びる一対のフレームのそれぞれに固定されていることを特徴とするパネル設置構造。
【請求項5】
請求項2乃至4のいずれか1項において、
前記フレームは、前記設備機器取付用パネルの第2方向の端面に対向し該設備機器取付用パネルを固定する固着具が貫通する固定片部と、該設備機器取付用パネルの第2方向の端部が載置された載置片部と、を備えていることを特徴とするパネル設置構造。
【請求項6】
請求項2乃至5のいずれか1項において、
前記設備機器取付用パネルの第2方向両側の前記天井パネルは、前記フレームと平行状に配された野縁受に支持されて前記天井下地を構成し第2方向に延びる野縁に保持されていることを特徴とするパネル設置構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パネル設置構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、天井には、照明機器や火災感知器、音響機器等の種々の設備機器が設置される。
例えば、下記特許文献1には、設備機器や空調機器を組み込んだ設備ラインの間に天井パネルを配設した天井システムが開示されている。この天井システムは、吊りボルトに支持金具を介して取り付けられる吊持金具にて吊持される天井バーの下端の両側に設備プレート及び天井パネルを係合させて配設した構成とされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1に記載された天井システムでは、天井バーの下端の両側に設備プレート及び天井パネルがそれぞれ支持される。そのため、設備プレートに設置される設備機器が天井面を構成する天井パネルよりも室内側に突出する場合に、その突出量が大きくなる傾向があり、また、設備プレートと天井パネルとの間の天井バーが目立ち易くなり、更なる改善が望まれる。
【0005】
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、見栄えを向上し得るパネル設置構造を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明に係るパネル設置構造は、吊部材に吊下保持された天井下地に天井パネル及び第1方向に長尺な設備機器取付用パネルが設置されたパネル設置構造であって、前記設備機器取付用パネルは、前記天井パネルよりも上方側に位置するように設置され、該設備機器取付用パネルの第1方向に直交する第2方向両側の前記天井パネルは、該設備機器取付用パネルの第2方向の各端部の室内側を覆うように設置されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明に係るパネル設置構造は、上述のような構成としたことで、見栄えを向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の一実施形態に係るパネル設置構造の一例を模式的に示す一部破断概略斜視図である。
【
図3】同パネル設置構造の一部破断概略分解斜視図である。
【
図4】(a)、(b)は、同パネル設置構造の一部破断概略縦断面図である。
【
図5】同パネル設置構造の概略分解縦断面図である。
【
図6】(a)、(b)は、同パネル設置構造の施工手順の一例を模式的に示し、(a)は、概略分解縦断面図、(b)は、一部破断概略斜視図である。
【
図7】(a)、(b)は、同施工手順の概略分解縦断面図である。
【
図8】(a)は、同パネル設置構造の一部破断概略平面図、(b)は、同パネル設置構造の一部破断概略側面図、(c)は、同パネル設置構造の一部破断概略底面図である。
【
図9】(a)、(b)は、同パネル設置構造の一部破断概略斜視図である。
【
図10】(a)、(b)は、同パネル設置構造の一部破断概略分解斜視図である。
【
図11】(a)は、同パネル設置構造の一部破断概略底面図、(b)は、同パネル設置構造の一部破断概略側面図である。
【
図12】(a)は、同パネル設置構造の一変形例を模式的に示す一部破断概略縦断面図、(b)は、同パネル設置構造の概略分解縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に本発明の実施の形態について、図面に基づいて説明する。
一部の図では、他図に付している詳細な符号の一部を省略している。
以下の実施形態では、本実施形態に係るパネル設置構造の一例に用いられるパネル装置の一例を施工した状態を基準として上下方向等の方向を説明する。
図1~
図12は、本実施形態に係るパネル設置構造の一例及び変形例並びに同パネル設置構造に用いられるパネル装置の一例及び変形例を模式的に示す図である。
【0010】
本実施形態に係るパネル設置構造は、
図1及び
図2に示すように、吊部材2に吊下保持された天井下地(7,20)に天井パネル9及び第1方向に長尺な設備機器取付用パネル10が設置されている。このパネル設置構造においては、
図4(a)、(b)に示すように、設備機器取付用パネル10は、天井パネル9よりも上方側に位置するように設置されている。このような構成とすれば、設備機器取付用パネル10に設備機器8が室内側に向けて突出するように設置される場合にも、天井パネル9からの設備機器8の突出量を小さくすることができ、見栄えを向上させることができる。このパネル設置構造においては、設備機器取付用パネル10の第1方向に直交する第2方向両側の天井パネル9は、設備機器取付用パネル10の第2方向の各端部12,12の室内側を覆うように設置されている。このような構成とすれば、第2方向両側の天井パネル9,9によって設備機器取付用パネル10の第2方向の各端部12,12が覆われるので、これらの間に天井バーが大きく露出するようなものと比べて、見栄えを向上させることができる。
【0011】
設備機器取付用パネル10は、天井下地を構成し第1方向に延びるフレーム20に保持されている。このような構成とすれば、第1方向に長尺な設備機器取付用パネル10を第1方向に延びるフレーム20によって安定的に保持することができる。
この設備機器取付用パネル10の第2方向の各端部12,12は、第2方向に間隔を空けて配され、天井下地を構成し第1方向に延びる一対のフレーム20,20のそれぞれに固定されている。このような構成とすれば、吊部材2に吊下保持された一対のフレーム20,20に設備機器取付用パネル10の第2方向の各端部12,12が固定されてこれらが一体化されるので設備機器取付用パネル10を安定的に設置することができる。
このパネル設置構造は、住居やオフィス等の比較的に小型の建物の天井として施工されてもよく、体育館やホール、ショッピングモール、工場、学校等の比較的に大型の各種の建物の天井として施工されてもよい。
【0012】
このパネル設置構造に用いられるパネル装置1は、第1方向に長尺で第2方向に間隔を空けた位置に配される天井下地を構成するフレーム20を備えている。設備機器取付用パネル10は、フレーム20に第2方向の端部12が保持されるパネルを構成する。フレーム20は、吊部材2に吊下保持される。フレーム20は、
図3に示すように、第1方向に長尺で第2方向に間隔を空けて配され、設備機器取付用パネル10の第2方向の各端部12,12を保持する一対のパネル保持部25,25を備えている。フレーム20は、これらパネル保持部25,25のそれぞれに連なるように設けられ、吊部材2の引掛片4aが挿通される挿通孔24が第1方向に間隔を空けて複数箇所に設けられた一対の被吊下部21,21を備えている。このような構成とすれば、これら被吊下部21,21の挿通孔24,24に吊部材2,2の引掛片4a,4aを挿通することで設備機器取付用パネル10を保持するパネル保持部25,25を吊下げることができ、施工性を向上させることができる。
【0013】
パネル装置1は、これら被吊下部21,21及びパネル保持部25,25をそれぞれに有し、第2方向に間隔を空けて配される一対の天井下地を構成するフレーム20,20を備えている。このような構成とすれば、設備機器取付用パネル10を保持する一対のパネル保持部25,25及び一対の被吊下部21,21が、例えば、コ字状の連結部を介して一体的に設けられた構成と比べて、個別に吊下位置を微調整して各フレーム20,20を吊下げることができる。これら一対のフレーム20,20は、互いに同様の構成であるので、以下では、具体的構成の一例について、一方のフレーム20を例にとって説明する。
パネル装置1は、設備機器取付用パネル10の第2方向両側に配される天井パネル9,9を備えている。このような構成とすれば、種々の設備機器8が取り付けられる設備機器取付用パネル10と天井パネル9とによって天井を構成することができる。
【0014】
パネル装置1は、設備機器取付用パネル10の第2方向両側において第1方向に間隔を空けて、かつ第2方向に延びるように配され、天井パネル9,9を保持する野縁7,7を備えている。パネル装置1は、パネル保持部25及び被吊下部21と平行状に配され、野縁7を保持する野縁受6を備えている。このパネル装置1を用いたパネル設置構造は、設備機器取付用パネル10の第2方向両側の天井パネル9,9が、フレーム20と平行状に配された野縁受6に支持されて天井下地を構成し第2方向に延びる野縁7に保持されている。このような構成とすれば、設備機器取付用パネル10を保持するパネル保持部25(フレーム20)が天井パネル9を保持する野縁7やこれを保持する野縁受6に干渉するようなことがない。また、天井パネル9及び設備機器取付用パネル10のそれぞれを、別の天井下地(野縁7及びパネル保持部25(フレーム20))に保持させることができる。つまり、天井パネル9を吊下げる野縁7及び野縁受6と設備機器取付用パネル10を吊下げるフレーム20とは、相互に依存することなく、言わば別吊りで設置される。つまりは、設備機器取付用パネル10の荷重が天井パネル9を吊下げる野縁7及び野縁受6に掛からない構成とされている。これにより、例えば、設備機器取付用パネル10を吊下げるフレーム20側のみに耐震補強を施すようなことも可能となる。
【0015】
パネル装置1は、
図1に示すように、第1方向及び第2方向に間隔を空けて複数箇所に配され、野縁受6及び被吊下部21をそれぞれに保持する吊部材2を備えている。このような構成とすれば、野縁受6を保持する一般的な吊部材2によって設備機器取付用パネル10を保持する被吊下部21を保持させることができる。つまりは、天井パネル9を保持する吊部材2と設備機器取付用パネル10を保持する吊部材2とを共通部品とすることができる。
吊部材2は、吊元となる上層のスラブや鉄骨等の躯体に第1方向及び第2方向に間隔を空けて複数箇所に設けられたインサート等の雌ねじ部材にねじ合わされ、第1方向及び第2方向に直交する上下方向に延びるように配される吊ボルト3を備えている。吊部材2は、この吊ボルト3に対して上下位置調整可能に保持されるハンガー4を備えている。
【0016】
ハンガー4は、
図5に示すように、吊ボルト3が挿通される挿通孔が設けられた被保持片部と、この被保持片部から垂れ下がるように設けられた垂下片部と、を備えている。引掛片4aは、この垂下片部の下端部に設けられた底片部から上方側に向けて屈曲するように設けられている。このハンガー4は、第1方向に見て、上向き開口の略U字状(略コ字状)とされている。図例では、引掛片4aの上端側部位には、開口を狭めるように屈曲された部位が設けられ、その内側に抜止突起が設けられている。引掛片4aの上端部は、開口を拡開させる傾斜形状とされている。このハンガー4は、被保持片部の上下に設けられ、吊ボルト3にねじ合わされたナットによって挟み込まれるようにして吊ボルト3に対して固定される。
図1及び
図3に示すように、複数のハンガー4のうちのいくつかには、図示省略のブレースの下端が取り付けられるブレース取付具5が取り付けられている。
このハンガー4を含む吊部材2としては、上記のような構成に限られず、吊天井の天井下地の吊部材として用いられる公知の吊部材でもよく、その他、種々の構成とされていてもよい。
【0017】
野縁受6は、第1方向に長尺で第2方向に間隔を空けて複数箇所に配され、鋼製天井下地(軽天下地)を構成する。この野縁受6は、横向きに開口する溝形鋼状(チャンネル状)とされていてもよい。この野縁受6は、引掛片4aの弾性変形を伴ってハンガー4の上方開口を介して差し込まれるようにしてハンガー4に取り付けられ、ねじ等の固着具によって固定されてもよい。上記したハンガー4の底片部から抜止突起までの上下方向に沿う寸法は、野縁受6の同方向に沿う寸法と略同寸法とされている。ハンガー4の垂下片部と引掛片4aの下端側部位との間の第2方向に沿う寸法は、野縁受6の同方向に沿う寸法と略同寸法とされている。鋼製天井下地は、第1方向に隣接する野縁受6,6同士を接合する野縁受ジョイントを備えていてもよい。
【0018】
野縁7は、第2方向に長尺で第1方向に間隔を空けて複数箇所に配され、鋼製天井下地(軽天下地)を構成する。野縁7は、設備機器取付用パネル10が施工される箇所を囲むように、設備機器取付用パネル10が施工される箇所の第2方向両側及び必要に応じて第1方向両側のうちの少なくとも一方側に配される。換言すれば、設備機器取付用パネル10は、野縁7が配されない箇所に、野縁7に代えて配されるフレーム20に保持される。この野縁7は、上向きに開口する溝形鋼状(チャンネル状)とされていてもよく、また、両側壁上端に折り返されるように形成されたリップ部を設けた構成とされていてもよい。この野縁7は、適宜、公知のクリップを介して野縁受6に保持されてもよい。鋼製天井下地は、第2方向に隣接する野縁7,7同士を接合する野縁ジョイントを備えていてもよい。天井パネル9を保持する天井下地としては、このような野縁7に代えて、下端に天井パネル9の端部が載置される鍔部を有したいわゆるTバーでもよい。
【0019】
天井パネル9は、平面視して(厚さ方向に見て)、略方形状とされている。図例では、天井パネル9は、第1方向がパネル幅方向とされ、第2方向がパネル長手方向とされている。
この天井パネル9は、第1方向の各端部が第1方向に間隔を空けて設けられた野縁7,7に保持される。天井パネル9は、第1方向の各端部が直接的に野縁7,7に対してねじ等の固着具によって固定されてもよく、第1方向の各端部に取り付けられた固定部材や引掛部材等を介して野縁7,7に固定されてもよい。この天井パネル9の第1方向に沿う寸法、つまり、幅寸法は、野縁7,7のピッチに応じた寸法であってもよく、例えば、300mm~1200mm程度であってもよい。この天井パネル9の第2方向に沿う寸法、つまり、長さ寸法は、600mm~2000mm程度であってもよい。天井パネル9の厚さ寸法は、例えば、3.0mm~20.0mm程度であってもよい。
この天井パネル9は、石膏ボードやけい酸カルシウム板、ロックウールボード等の公知の天井材でもよく、発泡樹脂系または繊維系の基材を含み、難燃層や繊維強化樹脂層等の補強層が積層された構成でもよい。この天井パネル9及び鋼製天井下地を含む天井構造体の単位面積(1m2)当たりの質量が2.0kg以下となるように天井パネル9及び鋼製天井下地を適宜の質量としてもよい。
【0020】
フレーム20は、第2方向に互いに間隔を空けて対向するように配される野縁7,7の間に位置するように、かつ長手方向が野縁7の長手方向に直交するように配される。このフレーム20は、全長に亘って概ね一様な形状とされている。このフレーム20の挿通孔24は、
図3に示すように、引掛片4aの引掛位置を第1方向に調整可能なように第1方向に延びる長孔である。このような構成とすれば、吊部材2の引掛片4aの引掛位置を第1方向に位置調整して被吊下部21を吊下げることができる。この挿通孔24の第2方向に沿う短径は、第2方向が厚さ方向となる引掛片4aの厚さ寸法に応じた寸法とされている。この挿通孔24の短径は、引掛片4aに設けられた抜止突起の部分の挿通が可能なように適宜の寸法とされている。この挿通孔24の長径は、引掛片4aの引掛位置の第1方向への必要な調整代に応じて、また強度上の観点等から適宜の寸法としてもよい。この挿通孔24の長径は、例えば、引掛片4aの第1方向に沿う幅寸法の1.5倍~5倍程度であってもよい。
【0021】
フレーム20は、
図4(a)、(b)に示すように、設備機器取付用パネル10の第2方向の端部12が載置される載置部を構成する載置片部27を備えている。このような構成とすれば、設備機器取付用パネル10の第2方向の端部12を載置片部27に載置して保持(仮保持)させることができるので、作業者に掛かる負荷を軽減することができる。この載置片部27は、厚さ方向が上下方向となるように配される略帯板状とされている。この載置片部27の厚さ寸法は、強度上の観点や軽量化を図る観点等から適宜の寸法としてもよい。この載置片部27の第2方向に沿う幅寸法は、設備機器取付用パネル10の第2方向の端部12の載置が可能なように適宜の寸法としてもよい。
【0022】
フレーム20は、第1方向に隣接するフレーム20と連結された状態で、互いの載置片部27,27同士が当接し、かつ互いの載置片部27,27よりも上方側部位同士の間に隙間が形成されるように、上方側部位よりも載置片部27,27が第1方向に突出している。このような構成とすれば、
図8(c)に示すように、第1方向に隣接するフレーム20,20同士が連結された際に室内側において目立ち易くなる傾向がある載置片部27,27同士を効果的に当接させることができ、見栄えを向上させることができる。つまり、加工誤差等が生じた場合にも、上方側部位よりも載置片部27,27が第1方向に突出しているので、これら載置片部27,27よりも上方側となる上方側部位同士が当接して載置片部27,27間に隙間が形成されるようなことを抑制することができる。
【0023】
本実施形態では、パネル設置構造は、第1方向に隣接するフレーム20,20同士の連結部と、これらフレーム20,20に保持される第1方向に隣接する設備機器取付用パネル10,10同士の突き合わせ部と、が第1方向で異なる位置となるように設置されている。このような構成とすれば、第1方向に隣接するフレーム20,20同士の連結部と第1方向に隣接する設備機器取付用パネル10,10同士の突き合わせ部とが第1方向で同じ位置になる構造と比べて、真直性を確保することができる。これにより、載置片部27,27間の隙間をより効果的に生じ難くすることができる。つまり、フレーム20,20及び設備機器取付用パネル10,10のうちのいずれか一方によって他方の真直性を確保することができ、連結部及び突き合わせ部において隙間が生じるようなことを抑制することができる。同パネル設置構造においては、第2方向両側における第1方向に隣接するフレーム20,20同士の連結部は、第1方向で互いに一致した位置となるように設けられている。同パネル設置構造においては、長さ寸法が設備機器取付用パネル10の長さ寸法の整数倍とされたフレーム20,20同士の連結部が設備機器取付用パネル10の長手方向略中央部に位置するように設置してもよい。例えば、設備機器取付用パネル10の長さ寸法とフレーム20の長さ寸法とを略同寸法としてもよい。この場合、フレーム20の長手方向中央部に、第1方向に隣接する設備機器取付用パネル10,10の突き合わせ部の目印となる目印部が設けられていてもよい。
【0024】
フレーム20は、載置片部27から立ち上がるように設けられ、設備機器取付用パネル10の第2方向の端部12の端面に対向するように配される立上片部26を備えている。この立上片部26は、設備機器取付用パネル10の第2方向の端部12の端面に対向し設備機器取付用パネル10を固定する固着具が貫通する固定片部を構成する。このような構成とすれば、設備機器取付用パネル10を、固着具を介してフレーム20に固定することができる。この立上片部26及び載置片部27は、パネル保持部25を構成する。
この立上片部26は、載置片部27の第2方向外側(設備機器取付用パネル10の第2方向外側)縁部から立ち上がるように設けられ、厚さ方向が第2方向となるように配される略帯板状とされている。換言すれば、第2方向に間隔を空けて配される一対のフレーム20,20の各立上片部26,26の下端縁部から互いに向き合う方向に向けて突出するように載置片部27,27が設けられている。
【0025】
この立上片部26の厚さ寸法は、強度上の観点や軽量化を図る観点等から適宜の寸法としてもよく、載置片部27と同厚さでもよい。この立上片部26の上下方向に沿う幅寸法は、設備機器取付用パネル10を固定する固着具の貫通が可能なように適宜の寸法としてもよく、設備機器取付用パネル10の厚さ寸法よりも大としてもよい。
この立上片部26は、載置片部27よりも上方側となる上方側部位を構成する。つまり、立上片部26は、
図8(b)に示すように、第1方向に隣接するフレーム20,20の載置片部27,27同士が当接した状態で、第1方向に隣接する立上片部26との間に隙間が形成されるように配される。換言すれば、立上片部26は、その第1方向の各端部が載置片部27の第1方向の各端部よりも第1方向内側に位置するように形成されている。この立上片部26よりも第1方向に突出する載置片部27の突出寸法は、加工誤差等によって第1方向に隣接する立上片部26,26同士が当接しないように適宜の寸法としてもよい。
【0026】
フレーム20の被吊下部21には、この立上片部26の上端部から第2方向外側に延出し挿通孔24が設けられた被引掛片部23が設けられている。このような構成とすれば、この被引掛片部23、立上片部26及び載置片部27によって少なくともZ字状となり、例えば、L字状の構成と比べて、パネル保持部25及び被吊下部21の強度を向上させることができる。
被引掛片部23は、厚さ方向が上下方向となるように配される略帯板状とされている。挿通孔24は、被引掛片部23を厚さ方向に貫通して形成されている。この被引掛片部23の第2方向に沿う幅寸法は、挿通孔24の形成が可能なように、また、軽量化を図る観点等から適宜の寸法としてもよい。
被吊下部21には、この被引掛片部23の第2方向外側縁部から立ち上がるように設けられ、ハンガー4に固定される固定片部22が設けられている。この固定片部22は、厚さ方向が第2方向となるように配される略帯板状とされている。この固定片部22の上端部には、第2方向対向側(設備機器取付用パネル10の第2方向中心側、第2方向内側)に向けて突出する上端片部が設けられている。この上端片部は、厚さ方向が上下方向となるように配される略帯板状とされている。この上端片部、固定片部22及び被引掛片部23の厚さ寸法は、強度上の観点や軽量化を図る観点等から適宜の寸法としてもよく、立上片部26と同厚さでもよい。
【0027】
これら上端片部、固定片部22及び被引掛片部23を備えた被吊下部21は、横向きに開口する溝形鋼状(チャンネル状)とされている。この被吊下部21の上下方向に沿う寸法は、野縁受6の上下方向に沿う寸法と略同寸法とされている。被引掛片部23の固定片部22から挿通孔24までの第2方向に沿う寸法及び上端片部の同方向に沿う寸法は、野縁受6の下端片部及び上端片部の同方向に沿う寸法と略同寸法とされている。つまりは、野縁受6と共通の吊部材2によって吊下可能なように、被吊下部21の上端片部、固定片部22及び被引掛片部23の挿通孔24までの部位は、野縁受6と略同寸同形状とされている。
この被吊下部21は、載置片部27よりも上方側となる上方側部位を構成する。つまり、被吊下部21は、
図8(a)~(c)に示すように、第1方向に隣接するフレーム20,20の載置片部27,27同士が当接した状態で、第1方向に隣接する被吊下部21との間に隙間が形成されるように配される。換言すれば、被吊下部21は、その第1方向の各端部が載置片部27の第1方向の各端部よりも第1方向内側に位置するように形成されている。
【0028】
図例では、被引掛片部23の第1方向の各端部には、立上片部26側部位よりも固定片部22側部位が第1方向内側となるように切欠状の凹段部が形成されている。被引掛片部23の立上片部26側部位の第1方向の各端部は、立上片部26の第1方向の各端部と第1方向で一致するように形成されている。被引掛片部23の固定片部22側部位の第1方向の各端部は、固定片部22の第1方向の各端部と第1方向で一致するように形成されている。換言すれば、第1方向に隣接する被引掛片部23,23の固定片部22側部位同士、固定片部22,22同士及び上端片部同士の隙間は、第1方向に隣接する立上片部26,26同士及び被引掛片部23,23の立上片部26側部位同士の隙間よりも大とされている。第1方向に隣接するフレーム20,20の載置片部27,27同士が当接され、かつ互いの載置片部27,27よりも上方側部位同士の間に隙間が形成される構成としては、このような構成に限られず、その他、種々の変形が可能である。
【0029】
フレーム20には、
図4(a)、(b)に示すように、室内側に延出し、第2方向両側の天井パネル9の端面9aに対向する延出片29が設けられている。このような構成とすれば、設備機器取付用パネル10の第2方向両側に配される天井パネル9,9の端面9a,9aを各フレーム20,20の延出片29,29によって目立ち難くすることができる。
この延出片29は、載置片部27の第2方向対向側縁部から垂れ下がるように設けられ、厚さ方向が第2方向となるように配される略帯板状とされている。天井パネル9の延出片29側の端部は、載置片部27の下方側に位置するように配される。
この延出片29の厚さ寸法は、強度上の観点や軽量化を図る観点等から適宜の寸法としてもよく、載置片部27と同厚さでもよい。この延出片29の上下方向に沿う幅寸法は、対向する天井パネル9の端面9aが目立ち難くなるように、また、軽量化を図る観点等から適宜の寸法としてもよい。この延出片29の上下方向に沿う幅寸法は、延出片29の下端が天井パネル9の下面(室内側面)と略同高さまたはそれよりも下方側に位置するように適宜の寸法としてもよい。この延出片29は、載置片部27の全長に亘って設けられている。つまり、
図8(b)に示すように、第1方向に隣接するフレーム20,20の載置片部27,27同士が当接した状態で、それぞれの延出片29,29同士も当接する構成とされている。
フレーム20は、野縁7や野縁受6と同様、種々の金属系材料から形成された鋼製であってもよい。
【0030】
設備機器取付用パネル10は、第1方向に長尺な略方形平板状とされている。この設備機器取付用パネル10の第1方向に沿う長さ寸法は、例えば、600mm~2000mm程度であってもよい。図例では、設備機器取付用パネル10の第1方向に沿う長さ寸法は、天井パネル9の第1方向に沿う幅寸法の約2倍の寸法とされている(
図1及び
図2参照)。この設備機器取付用パネル10の第2方向に沿う幅寸法は、下面側に種々の設備機器8が設置される場合には、設備機器8の寸法に応じた寸法であってもよく、例えば、150mm~600mm程度であってもよい。この設備機器取付用パネル10の厚さ寸法は、天井パネル9の厚さ寸法と同程度であってもよい。
設備機器取付用パネル10は、
図3及び
図5に示すように、パネル本体13と、このパネル本体13の第2方向の各端部15,15の端面及び上面を覆うようにパネル本体13に取り付けられた端部保護部材16,16と、を備えている。このような構成とすれば、これら第2方向両側の端部保護部材16,16によってパネル本体13の第2方向の各端部15,15を保護することができる。
【0031】
パネル装置1は、これら第2方向両側の端部保護部材16,16の上面側において跨るように設けられ、第2方向の各端部が一対のフレーム20,20のそれぞれに固定される浮上防止部材30を備えている。このような構成とすれば、設備機器取付用パネル10の第2方向の各端部12,12を保持する一対のフレーム20,20を、浮上防止部材30によって連結することができ、一対のフレーム20,20が離間するようなことを抑制することができる。浮上防止部材30によって設備機器取付用パネル10の浮き上がりを防止することができ、また、浮上防止部材30が端部保護部材16,16に当接されるので、パネル本体13が脆弱な場合にもパネル本体13の損傷を抑制することができる。つまり、浮上防止部材30に、一対のフレーム20,20同士の連結機能と設備機器取付用パネル10の浮上防止機能とを兼ね備えさせることができ、部品点数を削減することもできる。浮上防止部材30によって設備機器取付用パネル10の浮き上がりが防止されるので、設備機器取付用パネル10の設置後にパネル本体13に設備機器8を取り付けたり、孔加工を施したりする際における作業性を向上させることができる。浮上防止部材30の具体的構成の一例については後述する。
【0032】
パネル本体13は、第1方向に長尺な方形平板状とされている。このパネル本体13は、一般的に天井ボードとして用いられるボードであってもよい。このパネル本体13は、上記した天井パネル9と同様のパネル材から形成されていてもよく、または異なるパネル材から形成されていてもよい。このパネル本体13は、設備機器8の配設や配線等のために施工現場において容易に孔加工が可能なように、例えば、比較的に脆弱な石膏ボードやけい酸カルシウム板、発泡樹脂系ボード等であってもよい。このパネル本体13に設置される設備機器8としては、図例のような火災感知器に限られず、照明器具や音響機器、送風機、物干装置、収納装置等でもよく、その他、種々の設備機器でもよい。
【0033】
端部保護部材16は、フレーム20の載置片部27に載置される設備機器取付用パネル10の端部12を構成する。載置片部27及び端部保護部材16のうちの一方には、他方に設けられた係合突部28が差し込まれる係合凹部18が設けられている。このような構成とすれば、係合凹部18に係合突部28を差し込むことで、それぞれに吊部材2,2に吊下保持された一対のフレーム20,20の離間する方向への移動を設備機器取付用パネル10によって抑制することができる。このように移動が抑制された状態で、浮上防止部材30を固定することができるので、作業性を向上させることができる。また、載置片部27,27に載置して仮保持させた設備機器取付用パネル10が意図せずに落下するようなことを抑制することができる。本実施形態では、端部保護部材16に係合凹部18が設けられ、載置片部27に係合突部28が設けられている。載置片部27の係合突部28は、
図5に示すように、載置片部27の第2方向途中部位の上面から上方側に向けて突出するように設けられている。この係合突部28は、
図3に示すように、フレーム20の長手方向に間隔を空けて複数箇所に設けられている。この係合突部28は、厚さ方向が第2方向となるように配される略平板状とされ、フレーム20の長手方向となる第1方向に延びるように設けられている。図例では、係合突部28は、載置片部27に切り起こし状に設けられている。
【0034】
端部保護部材16は、
図3に示すように、第1方向に長尺状とされ、設備機器取付用パネル10の略全長に亘って設けられている。第2方向両側の端部保護部材16,16は、互いに同様の構成とされているので、以下では、具体的構成の一例について、一方の端部保護部材16を例にとって説明する。
端部保護部材16は、全長に亘って一様な形状とされている。この端部保護部材16には、
図5に示すように、パネル本体13の第2方向の端部15を受け入れる受入溝17が設けられている。この受入溝17は、パネル本体13の第2方向中央側に向けて開口し、端部保護部材16の全長に亘って延びるように設けられている。この受入溝17の上下方向に沿う溝幅寸法は、端部保護部材16をパネル本体13の端部15に固定する接着層の確保が可能なように、パネル本体13の厚さ寸法よりも大きい寸法でもよい。この受入溝17の第2方向に沿う溝深さ寸法は、パネル本体13の端部15の保持が可能なように、また、端部15を補強する観点や軽量化を図る観点等から適宜の寸法としてもよい。端部保護部材16には、受入溝17の溝幅方向一方側を区画しパネル本体13の端部15の上面を覆う上片部16bと、受入溝17の溝幅方向他方側を区画し端部15の下面を覆う下片部16cと、受入溝17の溝底を区画し端部15の端面を覆う側片部16dと、が設けられている。図例では、上片部16bの第2方向に沿う幅寸法を、下片部16cの第2方向に沿う幅寸法よりも大とした例を示しているが、このような例に限られない。
【0035】
この端部保護部材16の係合凹部18は、受入溝17の第2方向外側に位置するように設けられている。この係合凹部18は、下方側に向けて開口し、端部保護部材16の全長に亘って延びるように溝状に形成されている。この係合凹部18の上下方向に沿う溝深さ寸法及び第2方向に沿う溝幅寸法は、上記した係合突部28の受け入れが可能なように適宜の寸法とされている。この係合凹部18の溝幅方向一方側は、端部保護部材16の側片部16dによって区画されている。係合凹部18の溝底は、側片部16dの上下方向途中部位から第2方向外側に延出する底片部によって区画されている。係合凹部18の溝幅方向他方側は、底片部の延出方向先端部から垂れ下がる外側片部によって区画されている。図例では、この外側片部の下端部から第2方向外側に向けて突出する下端突片部が設けられた例を示している。この下端突片部は、その下面(室内側面)が受入溝17を区画する下片部の下面(室内側面)と略同一平面状となるように設けられている。係合凹部18としては、上記のような構成に限られず、その他、種々の構成とされていてもよい。
【0036】
端部保護部材16には、立上片部26を貫通する固着具の軸部を受け入れる受入凹所19が設けられている(
図7(a)、(b)も参照)。この受入凹所19は、第2方向外側(立上片部26側)に向けて開口し、端部保護部材16の全長に亘って延びるように溝状に形成されている。この受入凹所19の第2方向に沿う溝深さ寸法及び上下方向に沿う溝幅寸法は、立上片部26を貫通する固着具の軸部の受け入れが可能なように適宜の寸法とされている。この受入凹所19の溝幅方向一方側は、係合凹部18の溝底を区画する底片部によって区画されている。受入凹所19の溝底は、受入溝17の溝底を区画する側片部16d及びこれに連なるように上方側に向けて延出する延出側片部16eによって区画されている。受入凹所19の溝幅方向他方側は、延出側片部16eの延出方向先端部となる上端部から第2方向外側に向けて突出する上端突片部16fによって区画されている。図例では、延出側片部16eの上端部から第2方向内側に向けて突出する内側突片部16gが設けられた例を示している。この内側突片部16g及び上端突片部16fの上面が端部保護部材16の上面を構成する。
【0037】
この端部保護部材16は、適宜の固着具や接着剤、粘着材等によってパネル本体13の端部15に取り付けられていてもよい。または、端部保護部材16は、パネル本体13の端部15が受入溝17に嵌め込まれて(圧入されて)端部15に取り付けられていてもよい。このような固定態様に応じて、受入溝17の上下方向に沿う溝幅寸法は、パネル本体13の厚さ寸法と同寸法でもよく、パネル本体13の厚さ寸法よりも僅かに小さい寸法でもよい。この端部保護部材16は、金属系材料や硬質の合成樹脂系材料から形成された押出成形品でもよい。端部保護部材16としては、上記したような形状に限られず、その他、種々の形状とされていてもよく、少なくともパネル本体13の端部15の端面及び上面を覆う部位を有した形状とされていてもよい。
【0038】
浮上防止部材30は、
図4(a)及び
図5に示すように、第2方向両側のフレーム20,20を連結するように第2方向に長尺状とされている。この浮上防止部材30における平面視して略方形平板状とされた本体部の第2方向の各端部の下面が設備機器取付用パネル10の第2方向両側の端部保護部材16,16の上面に当接される。この浮上防止部材30の本体部の上面は、フレーム20の被引掛片部23の上面よりも下方側に位置するように配される。
この浮上防止部材30の第2方向の各端部には、第2方向両側の端部保護部材16,16のそれぞれの第2方向外側において垂れ下がるように配される垂下片32,32が設けられている。このような構成とすれば、浮上防止部材30を固定する際に浮上防止部材30に対して設備機器取付用パネル10が第2方向に移動するようなことを抑制することができる。上記したフレーム20の立上片部26は、この垂下片32の第2方向外側に位置するように配され、垂下片32に止着される固着具が貫通される固定片部を構成する。このような構成とすれば、立上片部26を貫通させて浮上防止部材30の垂下片32に固着具を止着して浮上防止部材30をフレーム20に固定することができる。
【0039】
これら垂下片32,32は、
図4(a)に示すように、厚さ方向が第2方向となるように配される略平板状とされている。これら垂下片32,32は、第2方向両側のフレーム20,20の立上片部26,26の第2方向内側に沿うように配される。浮上防止部材30は、これら垂下片32,32に立上片部26,26の第2方向外側からこれらを貫通させた固着具が止着されてフレーム20,20に固定される。上記した端部保護部材16の受入凹所19は、この固着具の軸部の受け入れが可能なように設けられている。これら垂下片32,32は、それぞれの下端が端部保護部材16,16の下端突片部に近接するように配される。
これら垂下片32,32は、浮上防止部材30の本体部の第1方向の全体に亘って設けられている。これら垂下片32,32及び浮上防止部材30の本体部の第1方向に沿う寸法は、設備機器取付用パネル10の浮き上がりを防止する観点や軽量化を図る観点等から適宜の寸法としてもよい。
【0040】
この浮上防止部材30には、
図6(b)に示すように、第2方向両側の端部保護部材16,16の第1方向の各端面16a,16aに当接される当接片31が設けられている。このような構成とすれば、浮上防止部材30の当接片31によって設備機器取付用パネル10の第1方向への移動を防止することができる。つまり、浮上防止部材30は、設備機器取付用パネル10の第1方向の端部の浮き上がりを防止するように設けられる。
図3に示すように、設備機器取付用パネル10の第1方向両端部のそれぞれの浮き上がりを防止するように、一対の浮上防止部材30,30が設けられる。これら一対の浮上防止部材30,30を介して設備機器取付用パネル10がフレーム20に対して固定される。
上記した第2方向両側の端部保護部材16,16は、パネル本体13の第1方向の端面14が当接片31よりも第1方向外側に位置するようにパネル本体13に取り付けられている。このような構成とすれば、当接片31によって第1方向への移動の防止が可能でありながらも、第1方向に隣接する設備機器取付用パネル10,10のパネル本体13,13の端面14,14同士を当接させることができる。
【0041】
つまり、端部保護部材16,16の第1方向に沿う長さ寸法よりもパネル本体13の同方向に沿う長さ寸法が大とされている。また、パネル本体13の第1方向両側の各端面14,14が端部保護部材16,16の第1方向両側の各端面16a,16a,16a,16aよりも第1方向外側に位置するように設けられている。端部保護部材16,16の各端面16a,16a,16a,16aからパネル本体13の各端面14,14までの第1方向に沿う寸法は、当接片31の厚さ寸法よりも僅かに大とされていてもよい。
当接片31は、浮上防止部材30の本体部の第1方向外側縁部から垂れ下がるように設けられている。この当接片31は、厚さ方向が第1方向となるように配される略平板状とされている。この当接片31は、浮上防止部材30の本体部の第2方向の略全体に亘って設けられている。この当接片31は、下端がパネル本体13の上面に近接するように配される。この当接片31の第2方向の各端部が端部保護部材16,16の各端面16a,16aに当接される。図例では、端部保護部材16,16の内側突片部16g、上端突片部16f、延出側片部16e及び上片部16bの各端面16a,16aに当接片31の第2方向の各端部が当接される例を示している(
図5も参照)。この浮上防止部材30は、適宜の金属系材料から形成されていてもよい。浮上防止部材30としては、上記したような構成に限られず、その他、種々の構成とされていてもよい。
【0042】
パネル装置1は、
図3~
図5に示すように、第2方向両側の一対のフレーム20,20間に架け渡されるように配され、第2方向の各端部が一対のフレーム20,20のそれぞれに固定される連結部材37を備えている。この連結部材37は、上記した浮上防止部材30の上方側に位置するように配される。このような構成とすれば、浮上防止部材30と連結部材37とによって一対のフレーム20,20をより強固に連結することができ、また、各フレーム20,20が第1方向に沿う軸回りに回転する方向に変位するようなことを抑制することができる。
この連結部材37は、第2方向に長尺状とされている。この連結部材37における平面視して略方形平板状とされた本体部の第2方向の各端部の下面が各フレーム20,20の被吊下部21,21の上端片部の上面に当接される。
【0043】
この連結部材37の第2方向の各端部には、各フレーム20,20の固定片部22,22の第2方向外側において垂れ下がるように配される垂下片39,39が設けられている。これら垂下片39,39は、厚さ方向が第2方向となるように配される略平板状とされている。これら垂下片39,39は、各フレーム20,20の固定片部22,22の第2方向外側面に沿うように配される。これら垂下片39,39を貫通させた固着具が各フレーム20,20の固定片部22,22に止着されて連結部材37がフレーム20,20に固定される。
この連結部材37は、その本体部の第1方向一方側縁部から垂れ下がるように設けられた規制片部38を備えている。この規制片部38は、その第2方向の各端部とその両側の垂下片39,39との間に被吊下部21,21の上端部を受け入れる空間が形成されるように、本体部の第2方向の概ね全体に亘って設けられている。この規制片部38の第2方向の各端部に各フレーム20,20の上端片部の先端面が近接される。この連結部材37は、適宜の金属系材料から形成されていてもよい。なお、このような連結部材37を設けていない構成としてもよい。
【0044】
パネル装置1は、
図8(a)、(b)に示すように、第1方向に隣接するフレーム20,20の載置片部27,27同士が当接された状態で立上片部26,26同士の間に形成される隙間を跨ぐように配される接続部材33を備えている。この接続部材33は、これら立上片部26,26のそれぞれに固着具によって固定される。このような構成とすれば、第1方向に隣接するフレーム20,20の載置片部27,27同士を当接させた状態で、接続部材33によって第1方向に隣接するフレーム20,20の立上片部26,26同士を連結することができる。
【0045】
この接続部材33は、
図7(a)、(b)に示すように、設備機器取付用パネル10の第2方向の端部12の端面とフレーム20の立上片部26との間に配され、立上片部26に固定される固定片部34を備えている。この接続部材33は、この固定片部34の上端部から第2方向に突出し、設備機器取付用パネル10の上面に当接される当接片部35を備えている。このような構成とすれば、立上片部26に固定される接続部材33の当接片部35によって設備機器取付用パネル10の浮き上がりを防止することができる。つまり、接続部材33に、第1方向に隣接するフレーム20,20同士の連結機能と設備機器取付用パネル10の浮上防止機能とを兼ね備えさせることができ、部品点数を削減することもできる。接続部材33によって設備機器取付用パネル10の浮き上がりが防止されるので、設備機器取付用パネル10の設置後に設備機器8を取り付けたり、孔加工を施したりする際における作業性を向上させることができる。
【0046】
この接続部材33は、第2方向両側における第1方向に隣接するフレーム20,20同士の連結部のそれぞれに位置するように配される。つまり、図例では、設備機器取付用パネル10の第1方向の各端部の浮き上がりが浮上防止部材30,30によって防止され、設備機器取付用パネル10の第1方向中央部の浮き上がりが第2方向両側の接続部材33,33によって防止される(
図3参照)。第2方向両側に配される接続部材33,33は、互いに同様の構成とされているので、以下では、具体的構成の一例について、一方の接続部材33を例にとって説明する。
この接続部材33の固定片部34は、厚さ方向が第2方向となる略平板状とされている。この固定片部34は、フレーム20の立上片部26の第2方向内側に沿うように配され、立上片部26の第2方向外側からこれを貫通させた固着具が止着されて立上片部26に固定される(
図8(b)も参照)。上記した端部保護部材16の受入凹所19は、この固着具の軸部の受け入れが可能なように設けられている。この固定片部34は、下端が端部保護部材16の下端突片部に近接するように配される。
【0047】
接続部材33の当接片部35は、固定片部34の上端部から第2方向内側に向けて突出するように設けられている。この当接片部35は、厚さ方向が上下方向となる略平板状とされている。この当接片部35は、設備機器取付用パネル10の端部12の上面を構成する端部保護部材16の上面に当接される。このような構成とすれば、当接片部35がパネル本体13ではなく端部保護部材16に当接されるので、パネル本体13が脆弱な場合にもパネル本体13の損傷を抑制することができる。この当接片部35の第2方向に沿う寸法は、設備機器取付用パネル10の端部12の浮き上がりを防止する観点や軽量化を図る観点等から適宜の寸法としてもよい。この当接片部35は、固定片部34の第1方向の全体に亘って設けられている。この接続部材33の第1方向に沿う寸法は、第1方向に隣接する立上片部26,26に固定片部34の固定が可能なように、また、当接片部35によって設備機器取付用パネル10の端部12の浮き上がりの防止が可能なように、適宜の寸法としてもよい。この接続部材33は、適宜の金属系材料から形成されていてもよい。接続部材33としては、上記したような構成に限られず、その他、種々の構成とされていてもよい。
【0048】
パネル装置1は、
図3及び
図8に示すように、第1方向に隣接するフレーム20,20を仮接続する仮接続部材36を備えている。このような構成とすれば、第1方向に隣接するフレーム20,20同士を仮接続部材36によって仮接続した状態で、上記した接続部材33によって接続することができる。
この仮接続部材36は、
図8に示すように、第1方向に隣接するフレーム20,20の被吊下部21,21のそれぞれに係合するように取り付けられる。この仮接続部材36には、被吊下部21,21の固定片部22,22の第2方向内側に沿うように配される内側部36aと、固定片部22,22の第2方向外側に沿うように配される外側部36bと、を備えている。
【0049】
内側部36aは、
図5に示すように、上端片部、固定片部22及び被引掛片部23によって横向きに開口する溝形鋼状(チャンネル状)とされた被吊下部21の内面に沿うように横向きに開口する溝形鋼状(チャンネル状)とされている。
外側部36bは、
図8(a)に示すように、仮接続部材36の第1方向中央部から第1方向外側に向かうに従い内側部36aに近接するように設けられ、第1方向外側端部に第2方向外側に向けて屈曲する屈曲部を設けた構成とされている。
この仮接続部材36は、内側部36aの第1方向両側端部を、第1方向に隣接するフレーム20,20の被吊下部21の内側に差し込んで取り付けるようにしてもよい。この際、第1方向両側の外側部36bの弾性変形を伴ってこれらを固定片部22,22の第2方向外側面に弾接させるようにしてもよい。この仮接続部材36は、金属系材料や硬質の合成樹脂系材料から形成されていてもよい。なお、このような仮接続部材36を設けていない構成としてもよい。
【0050】
パネル装置1は、第1方向外側に天井パネル9が隣接する設備機器取付用パネル10及び第2方向両側の延出片29,29の第1方向の端部の端面11,29a,29aを含み、これら第2方向両側の延出片29,29間を覆う端面カバー40を備えている。このような構成とすれば、第2方向両側の延出片29,29間を介して設備機器取付用パネル10の第1方向外側に隣接する天井パネル9の天井裏側が見えるようなことを端面カバー40によって抑制することができる。
端面カバー40は、
図9及び
図10に示すように、設備機器取付用パネル10の第1方向の端部の端部保護部材16,16の上面側に跨るように設けられ、第2方向の各端部がフレーム20,20に固定される。第1方向外側に天井パネル9が隣接する設備機器取付用パネル10の天井パネル9側の端部には、上記した浮上防止部材30に代えて、この端面カバー40が設けられる。つまり、この端面カバー40は、設備機器取付用パネル10の天井パネル9側(第1方向外側)の端部の浮き上がりを防止し、かつ第2方向両側の一対のフレーム20,20同士を連結する浮上防止部材としても機能する。この端面カバー40は、第1方向に直列状に互いに突き合わせられて設けられる複数枚の設備機器取付用パネル10のうちの第1方向両外側に位置する設備機器取付用パネル10,10の第1方向外側に隣接する天井パネル9側の端部に設けられてもよい。
【0051】
この端面カバー40の第2方向の各端部には、浮上防止部材30の垂下片32,32と概ね同様な垂下片41,41が設けられている。これら垂下片41,41は、第2方向両側のフレーム20,20の立上片部26,26の第2方向内側に沿うように配される。端面カバー40は、これら垂下片41,41に立上片部26,26の第2方向外側からこれらを貫通させた固着具が止着されてフレーム20,20に固定される。
端面カバー40は、端部保護部材16,16の上面側に跨る部位の第1方向外側縁部から垂れ下がるように設けられたカバー本体42を備えている。このカバー本体42は、設備機器取付用パネル10の端面11、延出片29,29の端面29a,29a及び延出片29,29間に加えて載置片部27,27及び立上片部26,26の第1方向の端部の端面を覆うように設けられている。このカバー本体42は、設備機器取付用パネル10の端面11、延出片29,29の端面29a,29a並びに載置片部27,27及び立上片部26,26の端面に当接するように配される。この端面カバー40は、適宜の金属系材料から形成されていてもよい。端面カバー40としては、上記したような構成に限られず、その他、種々の構成とされていてもよい。なお、このような端面カバー40を設けていない構成としてもよい。
【0052】
パネル装置1は、
図9及び
図10に示すように、設備機器取付用パネル10の第1方向外側において隙間を空けて対向するように配され第2方向に長尺な天井下地を構成する野縁7と設備機器取付用パネル10との隙間を覆うように配されるカバー43を備えている。このような構成とすれば、設備機器取付用パネル10の第1方向の端部とこれに対向する天井パネル9や壁との間に隙間が形成される場合にもこの隙間をカバー43によって覆うことができ、設備機器取付用パネル10の第1方向外側を見栄え良く納めることができる。このカバー43は、第1方向に直列状に互いに突き合わせられて設けられる複数枚の設備機器取付用パネル10のうちの第1方向両外側に位置する設備機器取付用パネル10,10の第1方向外側に隣接する野縁7側の端部に設けられてもよい。
カバー43は、第2方向両側の延出片29,29の下端及びこれらの間を覆うように配される底板部45を備えている。カバー43は、底板部45の第2方向両側縁部から立ち上がるように設けられ、第2方向両側の延出片29,29の第2方向外側に沿うように配される側板部46,46を備えている。このような構成とすれば、設備機器取付用パネル10の第2方向の各端部12,12を保持するフレーム20,20の延出片29,29の第1方向の端部を含んで設備機器取付用パネル10の第1方向外側をカバー43によって覆うことができる。
【0053】
底板部45及び側板部46,46は、野縁7と設備機器取付用パネル10との隙間を覆うカバー本体44を構成する。
図11(a)に示すように、このカバー本体44の第2方向両側に近接するように天井パネル9,9が配され、このカバー本体44の第1方向外側となる野縁7側に近接するように天井パネル9,9が配される。
底板部45は、平面視して略方形平板状とされ、
図11(a)、(b)に示すように、カバー本体44に対向する野縁7の対向側面から設備機器取付用パネル10の野縁7側の端部の下面及び延出片29,29の野縁7側の端部の下端を覆うように配される。この底板部45は、その上面が延出片29,29の野縁7側の端部の下端及び上記した端面カバー40のカバー本体42の下端に近接するように配される。この底板部45の第1方向に沿う寸法は、野縁7と設備機器取付用パネル10との所定の許容隙間に応じた寸法となるように適宜の寸法としてもよい。また、カバー本体44の第1方向内側(設備機器取付用パネル10側)部位が隙間に応じて寸法調整可能なように切断可能とされていてもよい。
側板部46,46は、厚さ方向が第2方向となるように配される略平板状とされている。これら側板部46,46は、底板部45の第1方向の全体に亘って設けられている。これら側板部46,46は、第2方向内側となる互いに対向する対向面が第2方向両側の延出片29,29の第2方向外側面に近接するように配される。これら側板部46,46の上下方向に沿う幅寸法は、延出片29,29の上下方向に沿う幅寸法よりも小さい寸法とされている。図例では、これら側板部46,46の幅寸法を、延出片29,29の幅寸法の約1/2程度とした例を示しているが、このような例に限られない。
【0054】
このカバー43は、カバー本体44から第2方向両側に突出するように設けられ、カバー本体44に対向する野縁7の対向側面に沿うように固着具によって固定される固定部48,48を備えている。このような構成とすれば、カバー本体44の第2方向両側において露出する固定部48,48に固着具を貫通させてカバー43を野縁7に容易に固定することができる。これら固定部48,48は、野縁7の対向側面に沿うように固定されるので、
図11(a)に示すように、野縁7に保持される天井パネル9,9によって覆われることとなり、見栄えを向上させることができる。
これら固定部48,48は、側板部46,46の野縁7側の端部から上方側に向けて延出するように設けられた延出片部からそれぞれ第2方向外側に向けて突出するように設けられている。これら固定部48,48は、厚さ方向が第1方向となる略平板状とされている。これら固定部48,48の上下方向に沿う寸法は、野縁7の下面側に固定される天井パネル9に干渉しないように適宜の寸法としてもよい。図例では、これら固定部48,48の上下方向に沿う寸法を野縁7の上下方向に沿う寸法と略同寸法とした例を示しているが、このような例に限られない。
【0055】
これら固定部48,48には、野縁7の上面側に引っ掛けられる引掛部49,49が設けられている。このような構成とすれば、第2方向両側の引掛部49,49を野縁7の上面側に引っ掛けて仮保持させた状態で、野縁7に対してカバー43を容易に固定することができる。
第2方向両側の引掛部49,49は、
図9(a)及び
図10(a)に示すように、各固定部48,48の上端部から野縁7の上面に沿って延出するように設けられている。図例では、各固定部48,48に、第2方向に間隔を空けて複数(図例では、3つ)の引掛部49,49を設けた例を示している。これら引掛部49,49は、
図11(b)に示すように、上向き開口形状とされた野縁7の一方の側壁の内側に沿わせられるように折り曲げ可能とされている。このような構成とすれば、これら引掛部49,49によってカバー43をより強固に野縁7に仮保持させることができる。これら引掛部49,49の折曲前の第1方向に沿う寸法は、折り曲げる際に野縁7の他方の側壁に干渉しないように適宜の寸法としてもよい。引掛部49,49としては、このような折り曲げ可能とされた構成に限られず、フック状とされていてもよく、その他、種々の構成とされていてもよい。さらには、このような引掛部49,49を設けていない構成としてもよい。
【0056】
上記したカバー本体44には、野縁7の下面に沿わせられる当接片部47が設けられている。このような構成とすれば、上記した引掛部49,49と当接片部47とによって野縁7を挟むようにして野縁7に係合させることができ、カバー43の野縁7に対する仮保持性を向上させることができる。この当接片部47は、底板部45の野縁7側の端部から立ち上がるように設けられた立上片部の上端部から第1方向外側に向けて延出するように設けられている。この当接片部47の第1方向に沿う寸法は、野縁7の第1方向に沿う幅寸法以下としてもよい。このカバー43は、適宜の金属系材料から形成されていてもよい。カバー43としては、上記したような構成に限られず、その他、種々の構成とされていてもよい。
【0057】
上記構成とされたパネル装置1を施工する際には、設備機器取付用パネル10の施工箇所に設けられた吊部材2のハンガー4の引掛片4aをフレーム20の挿通孔24に挿通してフレーム20をハンガー4に取り付ける(
図3及び
図6(a)参照)。この際、第1方向に隣接するフレーム20,20同士を仮接続部材36によって仮接続するようにしてもよい(
図8参照)。また、この際、必要に応じて適宜のハンガー4にブレース取付具5を取り付けるようにしてもよい。そして、第2方向両側において第1方向に延びるように設けられた一対のフレーム20,20の高さを調整する。この際、設備機器取付用パネル10の施工箇所の周囲に施工される天井パネル9の天井下地となる野縁7を保持する野縁受6とフレーム20との高低差が適宜の寸法となるように、野縁受6の高さも調整するようにしてもよい。
【0058】
そして、
図6(a)に示すように、設備機器取付用パネル10の第2方向の各端部12,12を、第2方向両側の各フレーム20,20の載置片部27,27に載置する。この際、設備機器取付用パネル10の各端部12,12の係合凹部18,18に、各載置片部27,27の係合突部28,28を受け入れさせるようにしてもよい。また、この際、フレーム20の長手方向中央部に設けられた目印部に設備機器取付用パネル10の第1方向の端部の端面11を位置合わせして設備機器取付用パネル10を載置するようにしてもよい。また、互いの第1方向の端部の端面11,11を突き合わせて所定枚数の設備機器取付用パネル10を第2方向両側のフレーム20,20に保持させるようにしてもよい。
次いで、
図6(a)、(b)及び
図7(a)に示すように、1枚目の設備機器取付用パネル10の第1方向の一方の端部を浮上防止部材30によってフレーム20,20に固定する。そして、この設備機器取付用パネル10の第1方向中央部の第2方向の各端部12,12を、第2方向両側の接続部材33,33によってフレーム20,20に固定する。次いで、この設備機器取付用パネル10の第1方向の他方の端部を浮上防止部材30によってフレーム20,20に固定する。
【0059】
そして、上記のように固定された固定済み設備機器取付用パネル10の第1方向に隣接する2枚目の設備機器取付用パネル10の固定済み設備機器取付用パネル10側とは異なる側の第1方向の端部を浮上防止部材30によってフレーム20,20に固定する。そして、上記同様、この2枚目の設備機器取付用パネル10の第1方向中央部の第2方向の各端部12,12を、第2方向両側の接続部材33,33によってフレーム20,20に固定する。次いで、この2枚目の設備機器取付用パネル10の固定済み設備機器取付用パネル10側の端部を浮上防止部材30によってフレーム20,20に固定する。以下、同様にして所定枚数の設備機器取付用パネル10をフレーム20,20に固定するようにしてもよい。また、
図3及び
図7(b)に示すように、第2方向両側のフレーム20,20間に架け渡すようにして連結部材37を第2方向両側のフレーム20,20に固定するようにしてもよい。
【0060】
次いで、
図9及び
図10に示すように、設置された所定枚数の設備機器取付用パネル10のうちの第1方向両外側に位置する設備機器取付用パネル10,10の第1方向外側に隣接する天井パネル9側の端部を端面カバー40,40によって覆うようにしてもよい。また、
図9~
図11に示すように、所定枚数の設備機器取付用パネル10のうちの第1方向両外側に位置する設備機器取付用パネル10,10の第1方向外側に隣接する野縁7側の端部と野縁7との隙間をカバー43,43によって覆うようにしてもよい。また、最終高さ確認後、ハンガー4及びブレース取付具5をねじ等の固着具によってフレーム20に固定し、また、適宜、必要に応じてブレースを取り付けるようにしてもよい。また、所定枚数の設備機器取付用パネル10の周囲を囲むように天井パネル9を施工するようにしてもよい。また、適宜の設備機器8を設備機器取付用パネル10に取り付けるようにしてもよい。上記したパネル装置1の施工手順は、一例に過ぎず、その他、種々の変形が可能である。
【0061】
次に、上記した設備機器取付用パネル10に代えて、または加えてパネル装置1に備えられる設備機器取付用パネル10Aの一例について
図12を参照して説明する。
本例の設備機器取付用パネル10Aには、
図12(a)、(b)に示すように、第1方向に長尺な設備機器8Aを受け入れる機器受入溝14Aが設けられている。このような設備機器8Aとしては、例えば、照明器具を長手方向にスライド自在に保持し、かつ照明器具に給電可能な配線ダクトレールでもよく、その他、種々の設備機器でもよい。
機器受入溝14Aは、設備機器取付用パネル10Aの第2方向中央部において下方側に向けて開口し、全体に亘って延びるように設けられている。この機器受入溝14Aに差し込まれる設備機器8Aは、ねじ等の固着具や適宜の固定具によって設備機器取付用パネル10Aに固定されてもよい。
本例では、設備機器取付用パネル10Aは、上記したようなパネル本体13及び端部保護部材16,16を備えておらず、金属板状とされている。このような構成とすれば、軽量化を図ることができる。つまり、機器受入溝14Aは、適宜の折り曲げやプレス加工等によって形成されている。
【0062】
この設備機器取付用パネル10Aの第2方向の各端部12A,12Aには、上記したフレーム20,20の載置部27,27に設けられた係合突部28,28に係合する係合凹部が設けられていてもよい。本例では、各端部12A,12Aに、貫通孔状や切欠状の係合凹部が設けられていてもよい。
本例では、設備機器取付用パネル10Aの第2方向の各端部12A,12Aには、フレーム20,20に固定される固定片部13A,13Aが設けられている。これら固定片部13A,13Aは、上方側に向けて突出するように設けられ、フレーム20,20の立上片部26,26の第2方向内側に沿うように配される。この設備機器取付用パネル10Aは、これら固定片部13A,13Aに立上片部26,26の第2方向外側からこれらを貫通させた固着具が止着されてフレーム20,20に固定される。つまり、本例では、設備機器取付用パネル10Aは、上記した設備機器取付用パネル10のように浮上防止部材30や接続部材33等を介して言わば間接的にフレーム20,20に固定される態様に代えて、固着具によって直接的にフレーム20,20に固定される。
【0063】
パネル装置1に備えられる設備機器取付用パネル10,10Aとしては、上記したような構成に限られず、その他、種々の構成とされていてもよい。
上記した例では、設備機器取付用パネル10をフレーム20,20に間接的に固定する浮上防止部材30及び接続部材33を設けた例を示しているが、これらのうちの一方または両方を設けていない構成としてもよい。この場合は、設備機器取付用パネル10の第2方向の各端部12,12が固着具によって直接的にフレーム20,20に固定されてもよい。
上記した例では、フレーム20の載置片部27に係合突部28を設け、設備機器取付用パネル10,10Aに係合凹部18を設けた例を示しているが、これらを逆側に設けた構成としてもよい。つまり、フレーム20の載置片部27に係合凹部を設け、設備機器取付用パネル10,10Aに係合突部を設けた構成としてもよい。さらには、このような係合突部や係合凹部を設けていない構成としてもよい。
【0064】
上記した例では、第1方向に隣接するフレーム20,20同士が連結された状態で、互いの載置片部27,27同士が当接する一方、互いの上方側部位(21,26,21,26)同士の間に隙間が形成される構成とした例を示しているが、このような例に限られない。
上記した例では、フレーム20の被吊下部21に、野縁受6を吊下げる吊部材2と共通部品となる吊部材2の引掛片4aが挿通される挿通孔24を設けた例を示しているが、このような例に限られない。フレーム20専用に構成されたハンガー4によってフレーム20を吊下げる構成としてもよい。
上記した例では、フレーム20に、固定片部22、被引掛片部23、立上片部26、載置片部27及び延出片29を設けた例を示しているが、これらのうちのいずれかを設けていない構成としてもよい。
【0065】
上記した例では、第2方向両側の一対のフレーム20,20を設けた例を示しているが、このような例に代えて、設備機器取付用パネル10,10Aの第2方向両側の各端部12,12を保持する天井下地が一体的に設けられた構成でもよい。設備機器取付用パネル10,10Aの天井下地としては、その他、種々の構成とされていてもよく、設備機器取付用パネル10,10A専用の天井下地を設けた構成に代えて、天井パネル9の天井下地を利用してもよい。
上記した例では、野縁7と設備機器取付用パネル10との隙間を覆うように配されるカバー43を設けた例を示しているが、このようなカバー43を設けていない構成としてもよい。
パネル装置1を構成する各部材としては、上記したような構成に限られず、その他、種々の変形が可能である。
【符号の説明】
【0066】
2 吊部材
6 野縁受
7 野縁(天井下地)
9 天井パネル
9a 端面
10,10A 設備機器取付用パネル
11 端面(第1方向の端面)
12,12A 端部(第2方向の端部)
20 フレーム(天井下地)
26 立上片部(固定片部)
27 載置片部
29 延出片
29a 端面(第1方向の端面)
40 端面カバー