(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023050908
(43)【公開日】2023-04-11
(54)【発明の名称】検査装置、及び、検査方法
(51)【国際特許分類】
G01M 11/02 20060101AFI20230404BHJP
【FI】
G01M11/02 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021161264
(22)【出願日】2021-09-30
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109210
【弁理士】
【氏名又は名称】新居 広守
(74)【代理人】
【識別番号】100137235
【弁理士】
【氏名又は名称】寺谷 英作
(74)【代理人】
【識別番号】100131417
【弁理士】
【氏名又は名称】道坂 伸一
(72)【発明者】
【氏名】宮本 智明
【テーマコード(参考)】
2G086
【Fターム(参考)】
2G086HH05
2G086HH06
(57)【要約】
【課題】大型化を抑制できる検査装置等を提供する。
【解決手段】検査装置100は、レンズ210と、校正用チャート400と、レンズ210を介して校正用チャート400を撮像する撮像部220と、撮像部220の撮像結果に基づいて、像表示システム600によって表示される像を検査する検査部520と、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
レンズと、
校正用チャートと、
前記レンズを介して前記校正用チャートを撮像する撮像部と、
前記撮像部の撮像結果に基づいて、像表示システムによって表示される像を検査する検査部と、を備える
検査装置。
【請求項2】
前記撮像部の撮像結果に基づいて、前記検査部が前記像表示システムによって表示される像を検査する際に用いる対応情報を校正する校正部を備え、
前記検査部は、前記校正部によって校正された前記対応情報に基づいて、前記像表示システムによって表示される像を検査する
請求項1に記載の検査装置。
【請求項3】
前記対応情報は、前記レンズにより形成される前記校正用チャートの像から前記撮像部までの距離と、前記撮像部のパラメータとの対応関係を示す情報を含む
請求項2に記載の検査装置。
【請求項4】
前記撮像部は、フォーカスレンズを有し、
前記撮像部のパラメータは、前記フォーカスレンズの位置を示す情報であり、
前記校正部は、前記撮像部が前記校正用チャートを撮像する際におけるピントが調整された前記フォーカスレンズの位置と、前記レンズにより形成される前記校正用チャートの像から前記撮像部までの距離とに基づいて、前記対応情報を校正し、
前記検査部は、前記撮像部が前記像表示システムによって表示される像を撮像する際におけるピントが調整された前記フォーカスレンズの位置と、前記対応情報とに基づいて、前記像表示システムによって表示される像と前記撮像部との距離を検査する
請求項3に記載の検査装置。
【請求項5】
前記対応情報は、前記校正用チャートのサイズと、前記撮像部が前記校正用チャートを撮像することで生成された画像における前記校正用チャートを示す画素数との対応関係を示す情報を含む
請求項2~4のいずれか1項に記載の検査装置。
【請求項6】
前記校正部は、前記校正用チャートのサイズと、前記撮像部が前記校正用チャートを撮像することで生成された画像における前記校正用チャートを示す画素数とに基づいて、前記対応情報を校正し、
前記検査部は、前記撮像部が前記像表示システムによって表示される像を撮像することで生成された画像における、前記像表示システムによって表示される像を示す画素数と、前記対応情報とに基づいて、前記像表示システムによって表示される像のサイズを検査する
請求項5に記載の検査装置。
【請求項7】
前記撮像部は、前記像表示システムによって表示される像を、前記レンズを介さずに撮像し、
前記検査部は、前記撮像部による前記校正用チャートの撮像結果と、前記撮像部による前記像表示システムによって表示される像の撮像結果とに基づいて、前記像表示システムによって表示される像を検査する
請求項1~6のいずれか1項に記載の検査装置。
【請求項8】
前記レンズと前記撮像部との距離を変更せず、且つ、前記レンズと前記校正用チャートとの距離を変更可能に、前記レンズ及び前記撮像部を支持する支持部を備える
請求項1~7のいずれか1項に記載の検査装置。
【請求項9】
前記レンズは、正のパワーを有する
請求項1~8のいずれか1項に記載の検査装置。
【請求項10】
前記校正用チャートは、前記レンズの焦点位置、又は、前記レンズの焦点位置より前記レンズに近い位置に配置される
請求項1~9のいずれか1項に記載の検査装置。
【請求項11】
前記レンズは、2枚以上のレンズで構成されたアクロマティックレンズである
請求項1~10のいずれか1項に記載の検査装置。
【請求項12】
レンズを介して校正用チャートを撮像し、
撮像結果に基づいて、像表示システムによって表示される像を検査する
検査方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、像表示システムによって表示される像を検査する検査装置及び検査方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、HUD(Head Up Display)等の像(より具体的には、虚像)を表示する像表示システムがある。また、従来、このような像表示システムによって表示される像を検査する検査システムがある。
【0003】
特許文献1に開示されている検査システムでは、像表示システムによって表示される像の視差を検査する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
像表示システムにおいては、AR(Augmented Reality)等の技術の発展に伴い、長視距離化することが考えられる。従来、視距離の検査では、実際の視距離にマスタースクリーン(校正用チャートともいう)が配置して行われる。そのため、長視距離化すると、検査装置が大型化してしまう問題がある。
【0006】
本開示は、大型化を抑制できる検査装置等を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一態様に係る検査装置は、レンズと、校正用チャートと、前記レンズを介して前記校正用チャートを撮像する撮像部と、前記撮像部の撮像結果に基づいて、像表示システムによって表示される像を検査する検査部と、を備える。
【0008】
また、本開示の一態様に係る検査方法は、レンズを介して校正用チャートを撮像し、撮像結果に基づいて、像表示システムによって表示される像を検査する。
【0009】
なお、これらの包括的又は具体的な態様は、システム、方法、集積回路、コンピュータプログラム又はコンピュータ読み取り可能なCD-ROM等の非一時的な記録媒体で実現されてもよく、システム、方法、集積回路、コンピュータプログラム及び非一時的な記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。
【発明の効果】
【0010】
本開示の一態様に係る検査装置等によれば、大型化を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】
図1は、実施の形態に係る検査装置の構成を示すブロック図である。
【
図2】
図2は、実施の形態に係るレンズによって形成される、校正用チャートの像を説明するための図である。
【
図3】
図3は、実施の形態に係る校正用チャートの被撮像面を示す図である。
【
図4】
図4は、実施の形態に係る撮像部による撮像結果から算出される算出結果の一例を示す図である。
【
図5】
図5は、実施の形態に係る像表示システムの構成の具体例を示す図である。
【
図6】
図6は、実施の形態に係る検査装置の処理手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
(本開示の概要)
本開示の一態様に係る検査装置は、レンズと、校正用チャートと、前記レンズを介して前記校正用チャートを撮像する撮像部と、前記撮像部の撮像結果に基づいて、像表示システムによって表示される像を検査する検査部と、を備える。
【0013】
これによれば、撮像部がレンズを介して校正用チャートを撮像するため、校正用チャートが実際に配置されている位置から撮像部までの距離よりも、撮像部によって撮像される校正用チャートの像(例えば、虚像)から撮像部までの距離を見かけ上遠い距離にできる。つまり、撮像部には、校正用チャートが実際に配置されている位置よりも撮像部から離れた位置に位置する校正用チャートの像が投影される。これにより、校正用チャートと撮像部との距離を広げなくても、レンズの焦点距離等が適切に変更されることで、撮像部によって撮像される校正用チャートの像から撮像部までの距離を簡単に広げることができる。そのため、検査装置の大型化(つまり、校正用チャートと撮像部との距離が広がりすぎること)を抑制できる。
【0014】
また、例えば、前記撮像部の撮像結果に基づいて、前記検査部が前記像表示システムによって表示される像を検査する際に用いる対応情報を校正する校正部を備え、前記検査部は、前記校正部によって校正された前記対応情報に基づいて、前記像表示システムによって表示される像を検査する。
【0015】
これによれば、校正部は、像表示システムによって表示される像を検査するために用いられる対応情報を、校正用チャートと撮像部との距離を広げなくても適切に校正することができる。
【0016】
また、例えば、前記対応情報は、前記レンズにより形成される前記校正用チャートの像から前記撮像部までの距離と、前記撮像部のパラメータとの対応関係を示す情報を含む。
【0017】
これによれば、校正部は、対応情報に含まれる距離に関する情報を、校正用チャートと撮像部との距離を広げなくても適切に校正することができる。
【0018】
また、例えば、前記撮像部は、フォーカスレンズを有し、前記撮像部のパラメータは、前記フォーカスレンズの位置を示す情報であり、前記校正部は、前記撮像部が前記校正用チャートを撮像する際におけるピントが調整された前記フォーカスレンズの位置と、前記レンズにより形成される前記校正用チャートの像から前記撮像部までの距離とに基づいて、前記対応情報を校正し、前記検査部は、前記撮像部が前記像表示システムによって表示される像を撮像する際におけるピントが調整された前記フォーカスレンズの位置と、前記対応情報とに基づいて、前記像表示システムによって表示される像と前記撮像部との距離を検査する。
【0019】
これによれば、検査部は、校正部によって適切に校正された対応情報に基づいて像表示システムによって表示される像と撮像部との距離を検査できるため、当該距離を精度よく検査できる。
【0020】
また、例えば、前記対応情報は、前記校正用チャートのサイズと、前記撮像部が前記校正用チャートを撮像することで生成された画像における前記校正用チャートを示す画素数との対応関係を示す情報を含む。
【0021】
これによれば、校正部は、対応情報に含まれる、像のサイズに関する情報を適切に校正することができる。
【0022】
また、例えば、前記校正部は、前記校正用チャートのサイズと、前記撮像部が前記校正用チャートを撮像することで生成された画像における前記校正用チャートを示す画素数とに基づいて、前記対応情報を校正し、前記検査部は、前記撮像部が前記像表示システムによって表示される像を撮像することで生成された画像における、前記像表示システムによって表示される像を示す画素数と、前記対応情報とに基づいて、前記像表示システムによって表示される像のサイズを検査する。
【0023】
これによれば、検査部は、校正部によって適切に校正された対応情報に基づいて像表示システムによって表示される像のサイズを検査できるため、当該サイズを精度よく検査できる。
【0024】
また、例えば、前記撮像部は、前記像表示システムによって表示される像を、前記レンズを介さずに撮像し、前記検査部は、前記撮像部による前記校正用チャートの撮像結果と、前記撮像部による前記像表示システムによって表示される像の撮像結果とに基づいて、前記像表示システムによって表示される像を検査する。
【0025】
これによれば、検査部は、レンズによる影響を考慮することなく、像表示システムによって表示される像を簡単に検査できる。
【0026】
また、例えば、前記レンズと前記撮像部との距離を変更せず、且つ、前記レンズと前記校正用チャートとの距離を変更可能に、前記レンズ及び前記撮像部を支持する支持部を備える。
【0027】
これによれば、校正用チャートの像から撮像部までの距離を変更する際に、レンズと撮像部との距離を変更することなく校正用チャートの位置を変更できる。校正用チャートの像から撮像部までの距離を変更する際に、レンズと撮像部との距離を変更すると、撮像部がレンズを介して校正用チャートの像の全体を適切に撮像できなくなる可能性が高くなりやすくなる。そうすると、校正用チャートの像から撮像部までの距離を変更してもレンズを変更せずに撮像部に撮像させるためには、レンズのサイズを大きくしておく必要がある。そこで、支持部によってレンズと撮像部との距離が固定されるようにしておくことで、校正用チャートの像から撮像部までの距離を変更した際に、撮像部がレンズを介して校正用チャートの像の全体を適切に撮像できなくなる可能性が高くなりやすくなることを抑制できる。また、これによれば、レンズと撮像部とを適切な位置に配置することでレンズの大型化することなく、撮像部は、レンズを介して校正用チャートの像を適切に撮像できる。また、レンズを大きくしなくてもよくなるため、適切なレンズをより安価に製造できる。
【0028】
また、例えば、前記レンズは、正のパワーを有する。
【0029】
これによれば、検査装置の大型化を抑制できる。
【0030】
また、例えば、前記校正用チャートは、前記レンズの焦点位置、又は、前記レンズの焦点位置より前記レンズに近い位置に配置される。
【0031】
これによれば、撮像部は、校正用チャートの虚像を適切に撮像できる。
【0032】
また、例えば、前記レンズは、2枚以上のレンズで構成されたアクロマティックレンズである。
【0033】
これによれば、色収差により視距離に誤差が生じることを抑制できる。
【0034】
また、本開示の一態様に係る検査方法は、レンズを介して校正用チャートを撮像し、撮像結果に基づいて、像表示システムによって表示される像を検査する。
【0035】
これによれば、上記検査装置と同様の効果を奏する。
【0036】
なお、これらの包括的又は具体的な態様は、システム、方法、集積回路、コンピュータプログラム又はコンピュータ読み取り可能なCD-ROM等の記録媒体で実現されてもよく、システム、方法、集積回路、コンピュータプログラム又は記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。
【0037】
以下、実施の形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。
【0038】
なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的又は具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、ステップ、ステップの順序等は、一例であり、本開示を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
【0039】
また、各図は模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。したがって、例えば、各図において縮尺等は必ずしも一致しない。また、各図において、実質的に同一の構成に対しては同一の符号を付し、重複する説明は省略又は簡略化される場合がある。
【0040】
(実施の形態)
[構成]
図1は、実施の形態に係る検査装置100の構成を示すブロック図である。
【0041】
検査装置100は、像表示システム600によって表示される像(より具体的には、虚像)を検査する装置である。具体的には、検査装置100は、像表示システム600によって表示される像の、位置(具体的には、当該像から撮像部220までの距離、より具体的には、視距離)、非点較差、像面湾曲、サイズ、歪み(歪曲)等を検査する。視距離とは、例えば、ユーザが所定の位置から像表示システム600によって表示される像を見た場合に当該ユーザによって目視されたときの当該ユーザと当該像との距離(例えば、後述する
図2に示す距離L3)である。非点較差とは、例えば、像の上下方向の視距離と像の左右方向の視距離とのずれ量である。像面湾曲とは、例えば、像の中心と周辺との視距離のずれ量である。つまり、像面湾曲とは、像(画像)の中のピントのずれであって、画像中心のピントの位置に対する画像周辺のピントの位置のずれである。歪曲とは、像の見た目の歪み方である。検査装置100は、当該所定の位置に撮像部220が配置されて当該像を撮像部220が撮像した撮像結果に基づいて、当該像を検査する。
【0042】
検査装置100は、光学部200と、支持部300と、校正用チャート400と、処理部500と、を備える。
【0043】
光学部200は、校正用チャート400を撮像し、且つ、像表示システム600によって表示される像を撮像するシステムである。
【0044】
光学部200は、レンズ210と、撮像部220と、を備える。
【0045】
レンズ210は、校正用チャート400側から撮像部220に向かう光を制御するレンズである。具体的には、レンズ210は、撮像部220から像表示システム600によって表示される像までの距離の算出に用いられる情報(対応情報560)を校正するために用いられる。レンズ210は、撮像部220が校正用チャート400を撮像する際には、校正用チャート400と撮像部220との間に配置される。
【0046】
例えば、レンズ210は、正のパワーを有する(つまり、集光する)。本実施の形態では、レンズ210は、両面が凸状のレンズである。
【0047】
なお、レンズ210は、正のパワーを有していればよく、両凸レンズでなくてもよい。
【0048】
また、例えば、レンズ210は、2枚以上のレンズで構成された色消しレンズ、いわゆるアクロマティックレンズであることが望ましい。
【0049】
なお、レンズ210は、複数のレンズによって構成される場合、当該複数のレンズが組み合わされた状態で正のパワーを有していればよい。
【0050】
また、レンズ210は、正のパワーを有する反射鏡などであっても良い。
【0051】
撮像部220は、レンズ210を介して校正用チャート400(具体的には、レンズ210によって形成される校正用チャート400の像を撮像するカメラである。撮像部220は、例えば、像表示システム600によって表示された像(例えば、虚像)を観察する観察位置に配置される。レンズ210は、撮像部220と、像表示システム600によって表示された像との間に配置される。また、撮像部220は、像表示システム600によって表示される像を、レンズ210を介さずに撮像する。つまり、撮像部220が校正用チャート400を撮像する場合には、撮像部220と校正用チャート400との間にレンズ210が配置され、撮像部220が像表示システム600を撮像する場合には、撮像部220と像表示システム600との間にレンズ210が配置されない。例えば、撮像部220は、校正用チャート400を撮像する場合と像表示システム600を撮像する場合とで同じ位置に配置される。
【0052】
撮像部220は、フォーカスレンズ221と、撮像素子222と、ピント調整部223と、制御部224と、を備える。
【0053】
フォーカスレンズ221は、撮像素子222に入射される光を制御するレンズである。フォーカスレンズ221は、レンズ210と撮像素子222との間、又は、像表示システム600と撮像素子222との間に配置される。
【0054】
また、フォーカスレンズ221は、ピント調整部223によってピントの調節が可能なように移動可能に撮像部220の外郭筐体等に支持されている。
【0055】
撮像素子222は、校正用チャート400又は像表示システム600によって表示される像を撮像することで校正用チャート400又は像表示システム600の画像を生成する素子である。撮像素子222は、例えば、マトリクス状に配置された複数の画素を含んで構成され、CCD(Charge Coupled Device)又はCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等により実現される。
【0056】
ピント調整部223は、フォーカスレンズ221のピントを調整(調節)する機構である。ピント調整部223は、例えば、フォーカスレンズ221を移動させるためのガイド、モータ等の駆動機構により実現される。また、ピント調整部223は、例えば、フォーカスレンズ221の位置を測定するためのセンサを備えてもよい。
【0057】
制御部224は、撮像部220が実行する各種処理を行う処理部である。制御部224は、例えば、プログラムが格納された不揮発性メモリ、プログラムを実行するための一時的な記憶領域である揮発性メモリ、信号の送受信をするための入出力ポート、プログラムを実行するプロセッサ等を備えるコンピュータとして実現される。
【0058】
例えば、制御部224は、ピント調整部223を制御することでフォーカスレンズ221のピントの調整を行い、撮像素子222に校正用チャート400又は像表示システム600によって表示される像を撮像させる。また、例えば、制御部224は、撮像素子222で撮像された撮像結果を処理部500に出力する。ピントは、例えば、校正用チャート400を撮像した場合にコントラストが最も大きくなる(コントラストピークとなる)位置に調整される。言い換えると、ピントが調整されたフォーカスレンズ221の位置は、撮像時に画像のコントラストが最も大きくなる場合のフォーカスレンズ221の位置である。
【0059】
支持部300は、レンズ210と撮像部220との距離を変更せず、且つ、レンズ210と校正用チャート400との距離を変更可能に、レンズ210及び撮像部220(つまり、光学部200)を支持する支持部材である。例えば、支持部300は、レンズ210と撮像部220の外郭筐体とを相対的な位置関係を固定させて支持する。これにより、視距離が変更される際には、レンズ210と撮像部220とは、相対位置が変更されることなくセットで移動され得る。
【0060】
また、例えば、支持部300は、レンズ210を着脱可能に、及び/又は、移動可能に支持する。
【0061】
また、例えば、支持部300は、校正用チャート400を着脱可能に、及び/又は、移動可能に支持する。
【0062】
支持部300は、例えば、可動なステージ等により実現される。
【0063】
校正用チャート400は、撮像部220に撮像される被写体である。具体的には、レンズ210によって形成される校正用チャート400の像が撮像部220によって撮像される。
【0064】
図2は、実施の形態に係るレンズ210によって形成される、校正用チャート400の像(虚像410)を説明するための図である。なお、
図2に示す一点鎖線は、レンズ210の光軸Aである。また、
図2においては、支持部300を破線で模式的に示している。支持部300は、例えば、レンズ210と撮像部220との相対的な位置関係を固定しながら移動可能に設けられている。また、校正用チャート400は、移動可能に設けられている。レンズ210を介して校正用チャート400を見た場合、例えば、レンズ210によって形成される校正用チャート400の虚像410は、校正用チャート400の移動に合わせて移動される。
【0065】
校正用チャート400とレンズ210と撮像部220とは、例えば、この順に並んで配置される。例えば、校正用チャート400は、レンズ210の焦点位置(
図2に示す焦点Fの位置)、又は、レンズ210の焦点位置よりレンズ210に近い位置に配置される。
図2に示す例では、校正用チャート400は、レンズ210の焦点位置よりレンズ210に近い位置に配置される。これにより、撮像部220では、校正用チャート400の虚像410が撮像される。
【0066】
したがって、このような配置によれば、撮像部220の撮像結果(撮像部220が生成する画像)には、校正用チャート400と撮像部220との実際の距離(撮像部220とレンズ210との距離L1と、レンズ210と校正用チャート400との距離L2との和)ではなく、校正用チャート400の虚像410と撮像部220との距離(Virtual Image Distance/VID)である距離L3が反映された画像が生成される。つまり、このような配置によれば、撮像部220は、視距離が見かけ上距離L3である校正用チャート400を撮像できる。
【0067】
なお、上記した距離の測定に用いられる撮像部220の位置は、例えば、像表示システム600によって表示される像をユーザ(例えば、像表示システム600がHUDの場合には、ドライバ)が見ることを想定した場合に、ユーザの瞳(目の虹彩絞り)の位置である。撮像部220は、例えば、このように想定されたユーザの瞳の位置と撮像部220の入射瞳位置とが一致するように配置される。本実施の形態では、撮像部220の位置は、例えば、フォーカスレンズ221の位置である。
【0068】
また、レンズ210及びフォーカスレンズ221のサイズ、形状、有効径及び焦点距離等の条件、撮像素子222の素子サイズ及び画素数、撮像部220の視野角、距離L1等は、任意に設定されてよい。例えば、レンズ210の焦点距離が1524.7mmであり、フォーカスレンズ221の焦点距離が35mmであり、撮像部220の視野角が13.8×11.5deg.(degree)であり、距離L1が147.8mmのように、各条件は、任意に設定される。また、レンズ210は、有効径の30%以下が用いられるように配置されるとよい。これにより、収差が良好となり且つ視距離誤差が抑制される。
【0069】
距離L1、L2は、レンズ210の主点からの各距離である。具体的には、距離L1は、レンズ210の主点から撮像部220の入射瞳までの距離である。また、距離L2は、校正用チャート400からレンズ210の主点までの距離である。
【0070】
図3は、実施の形態に係る校正用チャート400の被撮像面を示す図である。
【0071】
校正用チャート400は、例えば、ドットチャート部420と、ストライプチャート部430、440と、を含む。
【0072】
ドットチャート部420は、1以上のドットを含むドット柄の模様である。ドットチャート部420に含まれるドットの数、サイズ、及び、形状は、任意に設定されてよい。
【0073】
ストライプチャート部430、440は、2色以上の異なる色又は同色の濃淡を用いて複数の線(例えば、互いに平行な線)で描写されたストライプ柄の模様である。ストライプチャート部430、440に含まれる複数の線の長さ、線間の幅、及び、線の色は、それぞれ、任意に設定されてよい。
【0074】
これらの模様のように、校正用チャート400は、像表示システム600によって表示される像の位置におけるドット間の距離(ミリ)を撮像素子222の画素(pixel)に変換するための丸及び/又は四角等のドットチャートを含む。或いは、例えば、校正用チャート400は、像表示システム600によって表示される像の位置を撮像部220によって生成される画像におけるコントラストピークの位置から測定するためのストライプ柄を含む。
【0075】
なお、校正用チャート400の模様は、ドットチャート部420、ストライプチャート部430、及び、ストライプチャート部440の少なくともいずれかでもよいし、他の模様でもよいし、なくてもよい。また、校正用チャート400の形状は、任意でよい。また、ドットチャート部420のみを含む校正用チャートと、ストライプチャート部430のみを含む校正用チャートと、ストライプチャート部440のみを含む校正用チャートとが、任意に切り替え可能な構成でもよい。
【0076】
図4は、実施の形態に係る撮像部220による撮像結果から算出される算出結果の一例を示す図である。
【0077】
図4に示すように、例えば、処理部500によって、撮像部220の撮像結果(例えば、画像)に基づいて、校正用チャート400のドットチャート部420のサイズ(HL及びVL)とドットチャート部420を撮像するために必要な視野角(Hθ及びVθ)とを算出する。
【0078】
HLは、例えば、撮像部220が生成した画像におけるドットチャート部420の横幅である。例えば、HLは、
図3に示すドットチャート部420の紙面左右方向の長さ(一番左のドットから一番右のドットまでの幅)である。
【0079】
VLは、例えば、撮像部220が生成した画像におけるドットチャート部420の縦幅である。例えば、VLは、
図3に示すドットチャート部420の紙面上下方向の長さ(一番上のドットから一番下のドットまでの幅)である。
【0080】
Hθは、撮像部220からみたドットチャート部420の横幅の見かけ上のサイズである。
【0081】
Vθは、撮像部220からみたドットチャート部420の縦幅の見かけ上のサイズである。
【0082】
例えば、距離L3は、近軸計算(近軸近似を用いた計算)で、レンズ210の焦点距離をf、レンズ210の焦点から校正用チャート400までの距離tとすると、(1/距離L3)=t/f2で算出される。なお、撮像部220と被写体との間にレンズ210を配置した場合における見かけ上の視距離と、実視距離(つまり、撮像部220と被写体との間にレンズ210を配置しない場合における視距離)とは、一致する。そのため、距離L3は、撮像部220の位置をフォーカスレンズ221の位置とすると、例えば、レンズ210の焦点距離とピントが調整されたフォーカスレンズ221の位置とから算出され得る。
【0083】
このような情報があれば、例えば、校正用チャート400(より具体的には、校正用チャート400の模様)の実際のサイズ、校正用チャート400の画像におけるサイズ(例えば、画素数)、及び、距離L3等を示す情報(対応情報560)に基づいて、画像における像表示システム600によって表示される像のサイズ(例えば、画素数)を算出することで、像表示システム600によって表示される像の視距離、サイズ等が検査され得る。
【0084】
なお、視度(単位:diop.(diopter))とは、目から像(例えば、虚像)までの距離(例えば、メートル)の逆数(つまり、1/m)で表現される値である。
【0085】
例えば、レンズ210の焦点距離は、より長く(例えば、400mm以上等)設定されるとよい。レンズ210の焦点距離を長くすることで、虚像410を1diop.移動させるのに必要なレンズ210の移動量を大きくできる。言い換えると、レンズ210の移動量に対して虚像410の移動量を小さくできる。そのため、レンズ210の位置合わせ、つまり、虚像410の位置合わせ、つまり、所望の値に距離L3を設定することが簡単になる。言い換えると、レンズ210と校正用チャート400との相対配置精度をラフにできる。
【0086】
例えば、レンズ210の焦点距離がfmmの場合、1diop.当たりの移動量はf2/1000となる。例えば、レンズ210と校正用チャート400との位置合わせの際には、0.01diop.の精度でレンズ210と校正用チャート400との位置精度が要求される。そこで、例えば、f=400とすると、0.01diop.当たりの移動量は1.6mmとなるため、fが400mm以上であれば、所望の値に距離L3を設定(つまり、レンズ210と校正用チャート400との位置合わせ)をしやすくできる。
【0087】
また、レンズ210の焦点距離を長くする(つまり、長焦点とする)ことで、レンズ210の屈折力(パワー)が小さくなる。そのため、レンズ210の配置誤差感度を低減でき、レンズ210配置が所望の位置からずれた場合においても、良好な結像性能(例えば、歪みの小さな虚像410)が得られる。
【0088】
また、レンズ210の焦点距離を長くすることで、レンズ210で発生する、虚像410周辺(外側)の像面湾曲に代表される収差を小さくできる。一方、焦点距離を長くしすぎると、撮像部220から校正用チャート400までの距離が伸びてしまい、検査装置100が大型化してしまう。そのため、焦点距離は、例えば、3000mm以下等に設定されるとよい。
【0089】
再び
図1を参照し、処理部500は、検査装置100が備える各構成要素を制御したり、撮像部220の撮像結果を取得して処理する処理部である。処理部500は、例えば、プログラムが格納された不揮発性メモリ、プログラムを実行するための一時的な記憶領域である揮発性メモリ、信号の送受信をするための入出力ポート、プログラムを実行するプロセッサ等を備えるコンピュータとして実現される。
【0090】
処理部500は、通信部510と、検査部520と、校正部530と、入出力部540と、記憶部550と、を備える。
【0091】
通信部510は、撮像部220と通信することで、撮像部220の撮像結果(具体的には、撮像結果を示す情報)を取得するための通信インターフェースである。なお、通信部510は、撮像部220と有線通信可能に接続されていてもよいし、無線通信可能に接続されていてもよい。通信部510は、例えば、撮像部220と有線通信可能に接続される場合には、通信線が接続されるアダプタ等により実現される。また、例えば、通信部510は、撮像部220と無線通信可能に接続される場合には、アンテナ及び無線通信回路等により実現される。
【0092】
検査部520は、撮像部220の撮像結果に基づいて、像表示システム600によって表示される像を検査する処理部である。具体的には、検査部520は、撮像部220による校正用チャート400の撮像結果に基づいて、撮像部220に撮像された、像表示システム600によって表示される像を検査する。つまり、検査部520は、撮像部220による校正用チャート400の撮像結果(第1撮像結果)と、撮像部220による像表示システム600によって表示される像の撮像結果(第2撮像結果)とに基づいて、像表示システム600によって表示される像を検査する。
【0093】
なお、上記した通り、撮像部220は、レンズ210を介して校正用チャート400を撮像し、且つ、レンズ210を介さずに像表示システム600によって表示される像を撮像する。
【0094】
なお、検査装置100は、校正用チャート400、像表示システム600、レンズ210、撮像部220、支持部300等を移動させるためのガイド及びモータ等によって構成される駆動部を備えてもよい。処理部500(例えば、校正部530)は、例えば、対応情報560を校正する処理を実行する場合には、当該駆動部を制御することで、校正用チャート400を撮像部220と対向するように配置し、且つ、レンズ210を校正用チャート400と撮像部220との間に配置してもよい。また、処理部500(例えば、検査部520)は、例えば、像表示システム600によって表示される像を検査する処理を実行する場合には、当該駆動部を制御することで、像表示システム600によって表示される像が撮像部220に映されるように像表示システム600に配置し、且つ、レンズ210を像表示システム600と撮像部220との間に位置しないように移動してもよい。
【0095】
校正部530は、撮像部220の撮像結果に基づいて、検査部520が像表示システム600によって表示される像を検査する際に用いる対応情報560を校正する処理部である。具体的には、校正部530は、撮像部220による校正用チャート400の撮像結果に基づいて、検査部520が像表示システム600によって表示される像を検査する際に用いる対応情報560を校正する。対応情報560は、例えば、記憶部550に予め記憶されている。校正部530は、記憶部550に記憶された対応情報560を校正する。
【0096】
検査部520は、例えば、校正部530によって校正された対応情報560に基づいて、像表示システム600によって表示される像を検査する。
【0097】
対応情報560は、像表示システム600によって表示された像を検査部520が検査する際に用いられる情報である。対応情報560は、例えば、撮像部220が校正用チャート400を撮像することで得られる情報を含む。例えば、対応情報560は、撮像部220が校正用チャート400を撮像することで得られる、像のサイズ(例えば、画像におけるサイズ)を示す情報、フォーカスレンズ221のピント位置を示す情報、視距離を示す情報等を含み、且つ、これらの情報が関連付けられて含まれている。
【0098】
対応情報560は、例えば、レンズ210により形成される校正用チャート400の像から撮像部220までの距離(例えば、
図2に示す距離L3)と、撮像部220のパラメータとの対応関係を示す情報を含む。
【0099】
撮像部220のパラメータは、例えば、フォーカスレンズ221の位置(ピント位置)を示す情報である。つまり、例えば、対応情報560は、ピント位置と視距離との対応関係を示す情報を含む。
【0100】
校正部530は、例えば、撮像部220が校正用チャート400を撮像する際におけるピントが調整されたフォーカスレンズ221の位置と、レンズ210により形成される校正用チャート400の像から撮像部220までの距離とに基づいて、対応情報560を校正する。ピントは、上記した通り、例えば、校正用チャート400を撮像した場合にコントラストが最も大きくなる位置に調整される。制御部224は、例えば、画像におけるストライプチャート部430のコントラストが最も大きくなるようにフォーカスレンズ221の位置を調整する。
【0101】
撮像部220は、例えば、校正用チャート400を撮像する際に、フォーカスレンズ221のピントを調整する。校正部530は、例えば、撮像部220から、通信部510を介してフォーカスレンズ221のピント位置を示す情報を取得する。また、校正部530は、例えば、図示しないキーボード等のユーザインターフェースと接続される入出力部540を介してユーザから距離L3を示す情報を取得する。校正部530は、これらの情報から、対応情報560に含まれる、ピント位置を示す情報と距離L3を示す情報との対応関係を校正する。
【0102】
なお、検査装置100は、距離L3を測定するための測距センサを備えてもよい。この場合、例えば、校正部530は、当該測距センサの測定結果とレンズ210の焦点距離等の性能を示す情報とに基づいて、距離L3を算出してもよい。
【0103】
検査部520は、例えば、撮像部220が像表示システム600によって表示される像を撮像する際におけるピントが調整されたフォーカスレンズ221の位置と、対応情報560とに基づいて、像表示システム600によって表示される像と撮像部220との距離を検査する。
【0104】
検査部520は、例えば、撮像部220が像表示システム600によって校正用チャート400と同様の縦線のストライプチャートが表示される像を撮像する際における、ピントが調整されたフォーカスレンズ221の位置と、校正用チャート400と同様の横線のストライプチャートが表示される像を撮像する際における、ピントが調整されたフォーカスレンズ221の位置と、対応情報560とに基づいて、像表示システム600によって表示される像を検査する。例えば、検査部520は、これらの情報に基づいて、像表示システム600によって表示される像の非点較差及び像面湾曲を検査する。例えば、対応情報560は、ストライプチャート部430、440の縦線及び横線それぞれのピントピークの中間を位置と撮像部220との視距離と、ストライプチャート部430、440それぞれのピント位置(ピントが調整された際のフォーカスレンズ221の位置)との対応関係を示す情報を含む。校正部530は、例えば、撮像部220によるストライプチャート部430、440の撮像結果に基づいて、対応情報560に含まれる、ストライプチャート部430、440の縦線及び横線それぞれのピントピークの中間を位置と撮像部220との視距離と、ストライプチャート部430、440それぞれのピント位置との対応関係を示す情報を校正する。検査部520は、例えば、像表示システム600によって表示される像の中心付近に配置されたストライプチャートの縦線及び横線それぞれのピントピークの中間の位置と、それに対応する撮像部220との視距離と、像表示システム600によって表示される像の周辺に配置されたストライプチャートの縦線と横線とのピント位置のずれ量と、対応情報560とに基づいて、像表示システム600によって表示される像と撮像部220との視距離のずれ量(例えば、メートル又はdiop.)を像面湾曲量として計測することで、像表示システム600によって表示される像の像面湾曲を検査する。
【0105】
或いは、検査部520は、例えば、撮像部220が像表示システム600によって校正用チャート400と同様のドットチャートが表示される像を撮像する際における、ピントが調整されたフォーカスレンズ221の位置と、対応情報560とに基づいて、像表示システム600によって表示される像の歪曲を検査する。例えば、対応情報560は、ドットチャート部420における各点の位置とピント位置(ピントが調整された際のフォーカスレンズ221の位置)との対応関係を示す情報を含む。校正部530は、例えば、撮像部220によるドットチャート部420の撮像結果に基づいて、対応情報560に含まれる、ドットチャート部420における各点の位置とピント位置との対応関係を示す情報を校正する。検査部520は、例えば、像表示システム600によって表示される像に含まれるドットチャートにおける各点の位置と、対応情報560とに基づいて、像表示システム600によって表示される像の歪曲を検査する。
【0106】
検査装置100は、距離L3を測定するために、ステレオカメラ等を備え、当該ステレオカメラ等を用いて距離を計測しても良い。例えば、校正部530は、ステレオカメラで計測される視差情報に基づいて、距離L3を算出しても良い。
【0107】
また、例えば、対応情報560は、校正用チャート400のサイズ(実際のサイズ)と、撮像部220が校正用チャート400を撮像することで生成された画像における校正用チャート400を示す画素数(つまり、画像におけるサイズ)との対応関係を示す情報を含む。上記した例では、校正用チャート400のサイズは、例えば、ドットチャート部420の最外周に位置するドットを線で結んだ場合に形成される矩形のサイズ(面積及び/又は縦横の長さ)である。このように、レンズ210は、例えば、像表示システム600によって表示される像のサイズを撮像素子222での画素数(つまり、撮像素子222によって生成される画像の画素数)に対応させるための情報を含む対応情報560を校正するために用いられる。
【0108】
校正部530は、校正用チャート400のサイズと、撮像部220が校正用チャート400を撮像することで生成された画像における校正用チャート400を示す画素数とに基づいて、対応情報560を校正する。校正部530は、例えば、撮像部220から、通信部510を介して校正用チャート400を撮像することで生成した画像を取得する。また、校正部530は、例えば、図示しないキーボード等のユーザインターフェースと接続される入出力部540を介してユーザから校正用チャート400のサイズを示す情報を取得する。校正部530は、これらの情報から、対応情報560に含まれる、画像におけるサイズ(画素数)と、実際のサイズとの対応関係を校正する。
【0109】
検査部520は、例えば、撮像部220が像表示システム600によって表示される像を撮像することで生成された画像における、像表示システム600によって表示される像を示す画素数と、対応情報560とに基づいて、像表示システム600によって表示される像のサイズを検査する。つまり、検査部520は、例えば、撮像部220が像表示システム600によって表示される像を撮像することで生成された画像のサイズ(画素数)を算出した算出結果と対応情報560とに基づいて、当該像がユーザに実際に視認される際のサイズ、像の歪曲、像面湾曲等を検査する。
【0110】
なお、校正部530は、対応情報560が記憶部550に記憶されていない場合、撮像部220による校正用チャート400撮像結果に基づいて、対応情報560を生成してもよい。この場合、例えば、検査部520は、校正部530が生成した対応情報560に基づいて、像表示システム600によって表示された像を検査する。
【0111】
また、検査部520は、対応情報560を用いて、撮像部220とは異なる撮像部による像表示システム600によって表示された像の撮像結果に基づいて、当該像を検査してもよい。
【0112】
入出力部540は、タッチパネル、キーボード等のユーザの入力を受け付けるユーザインターフェース等からの入力を受け付けたり、対応情報560、及び/又は、検査部520による像表示システム600によって表示される像の検査結果(より具体的には、検査結果を示す情報)をディスプレイ等の機器に出力するインターフェースである。入出力部540は、例えば、キーボード、ディスプレイ等の装置と接続されるアダプタ等により実現される。入出力部540は、キーボード等、ディスプレイ等を有していてもよい。
【0113】
記憶部550は、対応情報560、並びに、検査部520及び校正部530が実行する制御プログラムを記憶する記憶装置である。記憶部550は、例えば、フラッシュメモリ、HDD(Hard Disk Drive)等の記憶装置により実現される。
【0114】
像表示システム600は、像を表示するシステムである。本実施の形態では、像表示システム600は、虚像を表示するHUDである。
【0115】
図5は、実施の形態に係る像表示システム600の構成の具体例を示す図である。
【0116】
図5に示す像表示システム600は、画像を像表示光学系620によって投影することで画像に基づく虚像を表示する。像表示システム600は、像表示部610と、像表示光学系620と、反射鏡630と、制御部640と、ハウジング650と、を備える。
【0117】
像表示部610は、虚像を形成するための画像を表示するための光を出力する表示装置である。像表示部610は、例えば、液晶ディスプレイ、又は、有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ等の表示装置を備える。
【0118】
像表示光学系620は、像表示部610から出射された光(像)を拡大するための光学系である。像表示光学系620は、例えば、1以上のミラーにより構成される。
【0119】
反射鏡630は、像表示光学系620から出射された光を撮像部220に向けて出射する光学素子である。反射鏡630は、例えば、透光性を有し、コンバイナとして機能する。
【0120】
制御部640は、像表示部610を制御する処理部である。制御部640は、例えば、プログラムが格納された不揮発性メモリ、プログラムを実行するための一時的な記憶領域である揮発性メモリ、信号の送受信をするための入出力ポート、プログラムを実行するプロセッサ等を備えるコンピュータとして実現される。
【0121】
ハウジング650は、像表示部610、像表示光学系620、及び、制御部640を収容する筐体である。ハウジング650は、例えば、合成樹脂により箱状に形成されている。
【0122】
なお、像表示システム600は、上記した通り、例えば、HUDであるが、HMD(Head Mount Display)又はビューファインダ等でもよい。また、像表示システム600によって表示される像は、例えば、虚像であるが、実像でもよい。
【0123】
[処理手順]
図6は、実施の形態に係る検査装置100の処理手順を示すフローチャートである。
【0124】
まず、撮像部220は、レンズ210を介して校正用チャート400を撮像する(S101)。
【0125】
次に、校正部530は、通信部510を介して撮像部220から校正用チャート400の撮像結果(第1撮像結果)を取得し、取得した撮像結果に基づいて対応情報560を校正する(S102)。
【0126】
検査装置100は、例えば、校正用チャート400の位置を変えて、ステップS101とステップS102とを繰り返し実行する。例えば、検査装置100は、校正用チャート400の位置を変え、且つ、フォーカスレンズ221のピントの調整をして繰り返し撮像する。また、例えば、検査装置100は、入出力部540を介してレンズ210によって形成される校正用チャート400の像から撮像部220までの距離を示す情報を取得する。検査装置100は、校正用チャート400のそれぞれの位置での第1撮像結果(例えば、フォーカスレンズ221の位置を示す情報)と、レンズ210によって形成される校正用チャート400の像から撮像部220までの距離を示す情報とに基づいて、対応情報560を校正(更新)する。
【0127】
或いは、検査装置100は、例えば、校正用チャート400のサイズ(例えば、校正用チャート400のドットチャート部420等の外接矩形の面積)を変えて、ステップS101とステップS102とを繰り返し実行する。例えば、検査装置100は、校正用チャート400のサイズを変えて繰り返し撮像し、画像に含まれる校正用チャート400の画素数を算出する。また、例えば、検査装置100は、入出力部540を介して校正用チャート400のサイズ(実寸)を示す情報を取得する。検査装置100は、校正用チャート400のそれぞれのサイズでの第1撮像結果(例えば、画像における校正用チャート400の画素数を示す情報)と、校正用チャート400のサイズを示す情報とに基づいて、対応情報560を校正する。
【0128】
次に、撮像部220は、レンズ210を介さずに像表示システム600によって表示される像を撮像する(S103)。校正用チャート400、レンズ210、及び/又は、像表示システム600の位置の移動は、これらを移動可能に支持する駆動機構が処理部500等によって制御されることで行われてもよい。
【0129】
次に、検査部520は、通信部510を介して撮像部220から像表示システム600によって表示される像の撮像結果(第2撮像結果)を取得し、取得した撮像結果及び対応情報560に基づいて像表示システム600によって表示される像を検査する(S104)。
【0130】
次に、入出力部540は、検査部520の検査結果を出力する(S105)。入出力部540は、例えば、ディスプレイ等の表示装置に検査結果を画像で出力してもよい。或いは、入出力部540は、USB(Universal Serial Bus)メモリ等の外部メモリに検査結果を出力してもよい。
【0131】
なお、検査部520は、検査結果を記憶部550に記憶させてもよい。
【0132】
また、校正のための処理(S101及びS102)は、検査のための処理(S103~S105)の前に必ずしも毎回行われなくてもよい。例えば、ステップS103~ステップS105が1日に何度も繰り返し行われるような場合には、ステップS101~ステップS102は、多くても1日1回行われればよい。例えば、検査装置100による検査対象(例えば、像表示システム600)が変更された場合に、ステップS101~ステップS102が実行されてもよい。
【0133】
[効果等]
以上説明したように、実施の形態に係る検査装置100は、レンズ210と、校正用チャート400と、レンズ210を介して校正用チャート400を撮像する撮像部220と、撮像部220の撮像結果に基づいて、像表示システム600によって表示される像を検査する検査部520と、を備える。
【0134】
従来、例えば、像表示システム600の視距離の検査では、実際の視距離に校正用チャート400が配置されて行われる。そのため、例えば、視距離10mの像表示システム600を検査しようとすると、校正用チャート400を撮像部220から10m離すことのできる空間及び設備が必要となる。そのため、設備が大型化する。そこで、検査装置100によれば、撮像部220がレンズ210を介して校正用チャート400を撮像するため、校正用チャート400が実際に配置されている位置から撮像部220までの距離よりも、撮像部220によって撮像される校正用チャート400の像(例えば、虚像)から撮像部220までの距離を見かけ上遠い距離にできる。つまり、撮像部220には、校正用チャート400が実際に配置されている位置よりも撮像部220から離れた位置に位置する校正用チャート400の像が投影される。これにより、校正用チャート400と撮像部220との距離を広げなくても、レンズ210の焦点距離等が適切に変更されることで、撮像部220によって撮像される校正用チャート400の像から撮像部220までの距離を簡単に広げることができる。そのため、検査装置100の大型化(つまり、校正用チャート400と撮像部220との距離が広がりすぎること)を抑制できる。
【0135】
また、例えば、撮像部220の撮像結果に基づいて、検査部520が像表示システム600によって表示される像を検査する際に用いる対応情報560を校正する校正部530を備える。この場合、例えば、検査部520は、校正部530によって校正された対応情報560に基づいて、像表示システム600によって表示される像を検査する。
【0136】
これによれば、校正部530は、像表示システム600によって表示される像を検査するために用いられる対応情報560を、校正用チャート400と撮像部220との距離を広げなくても適切に校正することができる。
【0137】
また、例えば、対応情報560は、レンズ210により形成される校正用チャート400の像から撮像部220までの距離と、撮像部220のパラメータとの対応関係を示す情報(第1情報)を含む。
【0138】
これによれば、校正部530は、対応情報560に含まれる距離に関する情報を、校正用チャート400と撮像部220との距離を広げなくても適切に校正することができる。
【0139】
また、例えば、撮像部220は、フォーカスレンズ221を有する。この場合、例えば、撮像部220のパラメータは、フォーカスレンズ221の位置を示す情報である。また、この場合、例えば、校正部530は、撮像部220が校正用チャート400を撮像する際におけるピントが調整されたフォーカスレンズ221の位置と、レンズ210により形成される校正用チャート400の像から撮像部220までの距離とに基づいて、対応情報560を校正する。また、この場合、例えば、検査部520は、撮像部220が像表示システム600によって表示される像を撮像する際におけるピントが調整されたフォーカスレンズ221の位置と、対応情報560とに基づいて、像表示システム600によって表示される像と撮像部220との距離を検査する。
【0140】
これによれば、検査部520は、校正部530によって適切に校正された対応情報560に基づいて像表示システム600によって表示される像と撮像部220との距離を検査できるため、当該距離を精度よく検査できる。
【0141】
また、例えば、対応情報560は、校正用チャート400のサイズと、撮像部220が校正用チャート400を撮像することで生成された画像における校正用チャート400を示す画素数との対応関係を示す情報(第2情報)を含む。
【0142】
これによれば、校正部530は、対応情報560に含まれる、像のサイズに関する情報を適切に校正することができる。
【0143】
また、例えば、校正部530は、校正用チャート400のサイズと、撮像部220が校正用チャート400を撮像することで生成された画像における校正用チャート400を示す画素数とに基づいて、対応情報560を校正する。この場合、例えば、検査部520は、撮像部220が像表示システム600によって表示される像を撮像することで生成された画像における、像表示システム600によって表示される像を示す画素数と、対応情報560とに基づいて、像表示システム600によって表示される像のサイズを検査する。
【0144】
これによれば、検査部520は、校正部530によって適切に校正された対応情報560に基づいて像表示システム600によって表示される像のサイズを検査できるため、当該サイズを精度よく検査できる。
【0145】
なお、例えば、検査部520は、撮像部220が像表示システム600によって表示される像を撮像することで生成された画像における、像表示システム600によって表示される像を示す画素数(画素の位置)と、対応情報560とに基づいて、像表示システム600によって表示される像の歪みを検査してもよい。
【0146】
これによれば、検査部520は、像表示システム600によって表示される像の歪みを精度よく検査できる。
【0147】
或いは、例えば、検査部520は、撮像部220が像表示システム600によって表示される像を撮像することで生成された画像における、像表示システム600によって表示される像の複数箇所(例えば、像を撮像した際における画像の中心及びその周囲)における各ピントの位置のずれ量と、対応情報560とに基づいて、像表示システム600によって表示される像の像面湾曲を検査してもよい。
【0148】
これによれば、検査部520は、像表示システム600によって表示される像の像面湾曲を精度よく検査できる。
【0149】
また、例えば、撮像部220は、像表示システム600によって表示される像を、レンズ210を介さずに撮像する。また、例えば、検査部520は、撮像部220による校正用チャート400の撮像結果と、撮像部220による像表示システム600によって表示される像の撮像結果とに基づいて、像表示システム600によって表示される像を検査する。
【0150】
これによれば、検査部520は、レンズ210による影響を考慮することなく、像表示システム600によって表示される像を簡単に検査できる。
【0151】
また、例えば、レンズ210と撮像部220との距離を変更せず、且つ、レンズ210と校正用チャート400との距離を変更可能に、レンズ210及び撮像部220を支持する支持部300を備える。
【0152】
これによれば、校正用チャート400の像から撮像部220までの距離を変更する際に、レンズ210と撮像部220との距離を変更することなく校正用チャート400の位置を変更できる。校正用チャート400の像から撮像部220までの距離を変更する際に、レンズ210と撮像部220との距離を変更すると、撮像部220がレンズ210を介して校正用チャート400の像の全体を適切に撮像できなくなる可能性が高くなりやすくなる。例えば、校正用チャート400の像から撮像部220までの距離を変更する際、校正用チャート400の位置を固定し、撮像部220の位置を固定し、且つ、レンズ210を移動させるとすると、光線(校正用チャート400からレンズ210に向かう光)がレンズ210の外側を通ってしまう。そうすると、校正用チャート400の像から撮像部220までの距離を変更してもレンズ210を変更せずに撮像部220に撮像させるためには、レンズ210のサイズを大きくしておく必要がある。そうすると、検査装置100が大型化し、且つ、検査装置100の製造コストが上がる。そこで、支持部300によってレンズ210と撮像部220との距離が固定されるようにしておくことで、校正用チャート400の像から撮像部220までの距離を変更した際に、撮像部220がレンズ210を介して校正用チャート400の像の全体を適切に撮像できなくなる可能性が高くなりやすくなることを抑制できる。また、これによれば、レンズ210と撮像部220とを適切な位置に配置することでレンズ210の大型化することなく、撮像部220は、レンズ210を介して校正用チャート400の像を適切に撮像できる。また、レンズ210を大きくしなくてもよくなるため、適切なレンズ210をより安価に製造できる。
【0153】
また、例えば、レンズ210は、正のパワーを有する。
【0154】
これによれば、検査装置100の大型化を抑制できる。
【0155】
また、例えば、校正用チャート400は、レンズ210の焦点位置、又は、レンズ210の焦点位置よりレンズ210に近い位置に配置される。
【0156】
これによれば、撮像部220は、校正用チャート400の虚像を適切に撮像できる。このような構成の検査装置100によれば、例えば、校正用チャート400をレンズ210の焦点距離以下(つまり、レンズ210の焦点距離又は焦点距離よりもレンズ210に近い位置)に配置することで、数cm(レンズ210の厚み)から無限遠までの校正が可能となる。例えば、レンズ210の焦点Fに校正用チャート400を配置すると、視距離が無限遠となる。
【0157】
また、例えば、レンズ210は、2枚以上のレンズで構成されたアクロマティックレンズである。
【0158】
これによれば、色収差により視距離に誤差が生じることを抑制できる。
【0159】
また、本開示の一態様に係る検査方法は、レンズ210を介して校正用チャート400を撮像し(S101)、撮像結果に基づいて、像表示システム600によって表示される像を検査する(S104)。
【0160】
これによれば、検査装置100と同様の効果を奏する。
【0161】
なお、これらの包括的又は具体的な態様は、システム、方法、集積回路、コンピュータプログラム又はコンピュータ読み取り可能なCD-ROM等の非一時的な記録媒体で実現されてもよく、システム、方法、集積回路、コンピュータプログラム及び非一時的な記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。
【0162】
(その他の実施の形態)
以上、一つ又は複数の態様に係る検査装置等について、上記実施の形態に基づいて説明したが、本開示は、上記実施の形態に限定されるものではない。本開示の趣旨を逸脱しない限り、当業者が思いつく各種変形を上記実施の形態に施したものも、本開示の範囲内に含まれてもよい。
【0163】
例えば、本開示は、検査装置100と、像表示システム600とを備える検査システムとして実現されてもよい。
【0164】
また、例えば、検査装置100と制御部640とは、通信可能に接続されていてもよい。つまり、検査装置100は、像表示部610を制御可能に構成されていてもよい。
【0165】
また、例えば、対応情報560は、第1情報及び第2情報等の上記した情報を複数含む情報でもよい。これによれば、検査部520は、対応情報560に基づいて、像表示システム600によって表示される像の視距離及びサイズ等の複数の検査を実行できる。
【0166】
また、例えば、上記実施の形態では、処理部500は、単一の装置として実現されたが、複数の装置によって実現されてもよい。処理部500が複数の装置によって実現される場合、上記実施の形態で説明された処理部500が備える構成要素は、複数の装置にどのように振り分けられてもよい。
【0167】
また、処理部500と制御部224、640とは、1つのプロセッサ等のよって実現されてもよい。
【0168】
また、上記実施の形態において、特定の処理部が実行する処理を別の処理部が実行してもよい。また、複数の処理の順序が変更されてもよいし、複数の処理が並行して実行されてもよい。
【0169】
また、例えば、上記実施の形態において、処理部500の各構成要素は、専用のハードウェアで構成されるか、各構成要素に適したソフトウェアプログラムを実行することによって実現されてもよい。各構成要素は、CPU(Central Processing Unit)又はプロセッサ等のプログラム実行部が、ハードディスク又は半導体メモリ等の記録媒体に記録されたソフトウェアプログラムを読み出して実行することによって実現されてもよい。ここで、上記実施の形態の各装置等を実現するプログラムは、例えば、
図2に示すフローチャートの各ステップをコンピュータに実行させる。
【0170】
なお、以下のような場合も本開示に含まれる。
【0171】
(1)上記の少なくとも1つの装置は、具体的には、マイクロプロセッサ、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、ハードディスクユニット、ディスプレイユニット、キーボード、マウス等から構成されるコンピュータシステムである。そのRAM又はハードディスクユニットには、コンピュータプログラムが記憶されている。マイクロプロセッサが、コンピュータプログラムにしたがって動作することにより、上記の少なくとも1つの装置は、その機能を達成する。ここでコンピュータプログラムは、所定の機能を達成するために、コンピュータに対する指令を示す命令コードが複数個組み合わされて構成されたものである。
【0172】
(2)上記の少なくとも1つの装置を構成する構成要素の一部又は全部は、1個のシステムLSI(Large Scale Integration:大規模集積回路)から構成されているとしてもよい。システムLSIは、複数の構成部を1個のチップ上に集積して製造された超多機能LSIであり、具体的には、マイクロプロセッサ、ROM、RAM等を含んで構成されるコンピュータシステムである。上記RAMには、コンピュータプログラムが記憶されている。マイクロプロセッサが、コンピュータプログラムにしたがって動作することにより、システムLSIは、その機能を達成する。
【0173】
(3)上記の少なくとも1つの装置を構成する構成要素の一部又は全部は、その装置に脱着可能なICカード又は単体のモジュールから構成されているとしてもよい。ICカード又はモジュールは、マイクロプロセッサ、ROM、RAM等から構成されるコンピュータシステムである。ICカード又はモジュールは、上記の超多機能LSIを含むとしてもよい。マイクロプロセッサが、コンピュータプログラムにしたがって動作することにより、ICカード又はモジュールは、その機能を達成する。このICカード又はこのモジュールは、耐タンパ性を有するとしてもよい。
【0174】
(4)本開示は、上記に示す方法であるとしてもよい。また、これらの方法をコンピュータにより実現するコンピュータプログラムであるとしてもよいし、コンピュータプログラムからなるデジタル信号であるとしてもよい。
【0175】
また、本開示は、コンピュータプログラム又はデジタル信号をコンピュータ読み取り可能な非一時的な記録媒体、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、CD(Compact Disc)-ROM、DVD、DVD-ROM、DVD-RAM、BD(Blu-ray(登録商標) Disc)、半導体メモリ等に記録したものとしてもよい。また、これらの記録媒体に記録されているデジタル信号であるとしてもよい。
【0176】
また、本開示は、コンピュータプログラム又はデジタル信号を、電気通信回線、無線又は有線通信回線、インターネットを代表とするネットワーク、データ放送等を経由して伝送するものとしてもよい。
【0177】
また、プログラム又はデジタル信号を記録媒体に記録して移送することにより、又はプログラム又はデジタル信号をネットワーク等を経由して移送することにより、独立した他のコンピュータシステムにより実施するとしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0178】
本開示は、例えば、HUDによって表示される虚像を検査する装置に利用可能である。
【符号の説明】
【0179】
100 検査装置
200 光学部
210 レンズ
220 撮像部
221 フォーカスレンズ
222 撮像素子
223 ピント調整部
224、640 制御部
300 支持部
400 校正用チャート
410 虚像
420 ドットチャート部
430、440 ストライプチャート部
500 処理部
510 通信部
520 検査部
530 校正部
540 入出力部
550 記憶部
560 対応情報
600 像表示システム
610 像表示部
620 像表示光学系
630 反射鏡
650 ハウジング
A 光軸
F 焦点
L1、L2、L3 距離