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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023050918
(43)【公開日】2023-04-11
(54)【発明の名称】照明装置
(51)【国際特許分類】
   F21S 8/02 20060101AFI20230404BHJP
   F21V 23/00 20150101ALI20230404BHJP
   F21V 29/503 20150101ALI20230404BHJP
   F21V 29/508 20150101ALI20230404BHJP
   F21V 29/70 20150101ALI20230404BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20230404BHJP
【FI】
F21S8/02 430
F21V23/00 120
F21V23/00 170
F21V29/503
F21V29/508
F21V29/508 100
F21V29/70
F21V23/00 150
F21Y115:10
【審査請求】未請求
【請求項の数】17
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021161278
(22)【出願日】2021-09-30
(71)【出願人】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】390014546
【氏名又は名称】三菱電機照明株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001461
【氏名又は名称】弁理士法人きさ特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】森本 喬太
(72)【発明者】
【氏名】田辺 快全
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼月 努
【テーマコード(参考)】
3K014
【Fターム(参考)】
3K014AA01
3K014DA08
(57)【要約】      (修正有)
【課題】放熱性能を確保しつつ小型軽量化を実現する照明装置を提供する。
【解決手段】照明装置100は、発光素子が配置された基板12aを有する光源部12と、第1面11aに光源部12が固定された基台11と、第1面11aの裏側に位置する第2面11bに立設された放熱片20と、外部から電力が供給され発光素子を点灯させる電力を生成する電源部50と、を備え、電源部50は、実装面に電源回路部品を有する電源基板51aと、電源基板51aの周囲を覆いかつ電源基板51aを支持する電源ボックスと、を備え、放熱片20は、基台11の第2面11bに固定される放熱片20の一方の端部である固定部21と、固定部21から第2面11bに対し交差する方向に延びる板状部22と、電源部50が固定される電源固定部23と、を備え、電源ボックスは、基台11の第2面11b、放熱片20の固定部21及び板状部22との間に隙間を持って配置される。
【選択図】図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
発光素子が配置された基板を有する光源部と、
第1面に前記光源部が固定された基台と、
前記基台の前記第1面の裏側に位置する第2面に立設された放熱片と、
外部から電力が供給され前記発光素子を点灯させる電力を生成する電源部と、を備え、
前記電源部は、
実装面に電源回路部品を有する電源基板と、
前記電源基板の周囲を覆いかつ前記電源基板を支持する電源ボックスと、を備え、
前記放熱片は、
前記基台の前記第2面に固定される前記放熱片の一方の端部である固定部と、
前記固定部から前記第2面に対し交差する方向に延びる板状部と、
前記電源部が固定される電源固定部と、を備え、
前記電源ボックスは、
前記基台の前記第2面、前記放熱片の前記固定部及び前記板状部との間に隙間を持って配置されている、照明装置。
【請求項2】
前記電源固定部は、
前記放熱片の他方の端部である前記板状部の先端に設けられている、請求項1に記載の照明装置。
【請求項3】
前記電源部は、
外部から供給される電力を中継する端子台を備え、
前記電源ボックスは、
前記端子台が固定されている端子台プレート及び前記電源基板が固定されている電源基板支持部の少なくとも2つの部材を接続して形成されている、請求項1又は2に記載の照明装置。
【請求項4】
前記電源基板支持部は、
前記端子台プレートのみに固定され、
前記端子台プレートは、
前記放熱片に設けられた前記電源固定部に固定されている、請求項3に記載の照明装置。
【請求項5】
前記端子台プレートは、
板状の部材であり、一方の面を前記基台の前記第2面に対向させて配置されている、請求項4に記載の照明装置。
【請求項6】
前記電源基板支持部は、
一方が開口部となっている箱状に形成された構造部材を備え、
前記構造部材は、
前記開口部に対向する底面部と、
前記底面部の縁部から立設された側壁と、を備え、
前記電源基板の前記基板は、
前記構造部材の対向する側壁にそれぞれ設けられた係止片と前記底面部との間に固定されている、請求項4又は5に記載の照明装置。
【請求項7】
前記電源基板支持部は、
前記電源基板と接触して配置される伝熱シートを更に備え、
前記構造部材の前記底面部は、
前記基板の前記実装面の反対側の面である副実装面と対向し、
前記伝熱シートは、
前記電源基板の前記副実装面と前記底面部との間に挟まれて配置されている、請求項6に記載の照明装置。
【請求項8】
前記伝熱シートは、
絶縁材料で構成される、請求項7に記載の照明装置。
【請求項9】
前記構造部材の前記側壁の面は、
前記放熱片の前記板状部の面に対し交差する方向に向けて配置され、
前記放熱片の前記板状部は、
前記電源基板支持部の前記開口部を覆うように配置されている、請求項6~8の何れか1項に記載の照明装置。
【請求項10】
前記端子台プレートは、
前記基台の前記第2面に対向する様に配置された前記端子台が固定される面を備える、請求項4~9の何れか1項に記載の照明装置。
【請求項11】
前記電源基板は、
前記基板の前記実装面を前記基台の前記第2面と交差する方向に向けて配置されている、請求項1~10の何れか1項に記載の照明装置。
【請求項12】
前記電源基板は、
前記基板の副実装面を前記第2面に対向させて配置されている、請求項1~5の何れか1項に記載の照明装置。
【請求項13】
前記電源基板は、
前記基板の前記実装面を前記基台の前記第2面に対向させて配置されている、請求項1~5の何れか1項に記載の照明装置。
【請求項14】
前記放熱片は、
板金を折り曲げて形成され、
前記固定部は、
面が前記基台の前記第2面に沿って配置された平板状の部分であり、
前記板状部は、
前記固定部の端縁から前記第2面に交差する方向に延びる平板状の部分である、請求項1~13の何れか1項に記載の照明装置。
【請求項15】
前記板状部は、
複数の板状部を含み、
前記電源部は、
前記複数の板状部の間に挟まれて配置される、請求項14に記載の照明装置。
【請求項16】
前記基台の前記第2面から立設された第2放熱片を更に備え、
前記第2放熱片は、
前記第2面に沿った面である固定部と、
前記固定部の端縁から前記第2面に交差する方向に延びる板状部と、を備える、請求項14又は15に記載の照明装置。
【請求項17】
前記第2放熱片の前記板状部と前記放熱片の前記板状部とは、並列して配置されている、請求項16に記載の照明装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、照明装置の放熱構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば天井などの設置面に埋め込まれて使用される照明装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に開示されている照明装置は、アルミニウムの一体成形品である本体主部と天板とから構成される装置本体を備える。装置本体は、底壁から上部に環状側壁と、放熱フィンとを備えており、底壁から下部に下部環状側壁を備える。そして、下部環状側壁と底壁とにより光源収容部が区画され、光源収容部には光源基板が底壁の下面に面接触させて配置されている。また、環状側壁は、底壁から上向きに起立しており、底壁と共に上端が開放された基板収容部を形成している。基板収容部には電源装置が収容され、電源装置は、L形金具を介して天板に吊り下げるようにして支持されている。また、環状側壁の外面には放熱フィンが設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010-16003号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1に開示された照明装置は、装置本体がアルミニウム等の金属製品をダイカスト成形法又は鍛造成形法により一体成形されており、放熱フィンも一体に形成されている。したがって、放熱フィンを薄くすることが困難であり、放熱性能を確保するために表面積を確保しようとすると装置本体が重量化してしまうという課題があった。また、光源基板及び電源装置からの放熱経路を確保するため、電源収容部と光源収容部とが一体に成形され、電源収容部を構成する環状側壁と光源収容部を構成する底壁に一体に放熱フィンが形成されている。これにより、電源収容部及び底壁も薄くすることが難しいため、放熱フィンを設置する領域も限られ、設置できる放熱フィンの数にも制約があり、放熱性能を確保するためには装置本体が大型化してしまうという課題があった。
【0005】
本開示は、上述の課題を解決するためになされたもので、放熱性能を確保しつつ小型軽量化を実現する照明装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係る照明装置は、発光素子が配置された基板を有する光源部と、第1面に前記光源部が固定された基台と、前記基台の前記第1面の裏側に位置する第2面に立設された放熱片と、外部から電力が供給され前記発光素子を点灯させる電力を生成する電源部と、を備え、前記電源部は、実装面に電源回路部品を有する電源基板と、前記電源基板の周囲を覆いかつ前記電源基板を支持する電源ボックスと、を備え、前記放熱片は、前記基台の前記第2面に固定される前記放熱片の一方の端部である固定部と、前記固定部から前記第2面に対し交差する方向に延びる板状部と、前記電源部が固定される電源固定部と、を備え、前記電源ボックスは、前記基台の前記第2面、前記放熱片の前記固定部及び前記板状部との間に隙間を持って配置されている。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、照明装置は、基台に放熱片を固定し、放熱片に電源部を固定し、電源部を基台の第2面及び板状部に対し隙間をもって配置する構造であるため、放熱面積を確保しつつ、小型軽量化を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施の形態1に係る照明装置100の斜視図である。
図2図1に示す照明装置100を上方向から見た斜視図である。
図3図2の分解図である。
図4】実施の形態1に係る灯具10の斜視図である。
図5】実施の形態1に係る灯具10の斜視図である。
図6】灯具10の三面図である。
図7】実施の形態1に係る灯具10の分解斜視図である。
図8】実施の形態1に係る照明装置100の断面図である。
図9】実施の形態1に係る光源13を基台11に固定する構造の説明図である。
図10】電源基板支持部52の分解斜視図である。
図11】実施の形態2に係る照明装置200の斜視図である。
図12図11に示す照明装置200を上方向から見た斜視図である。
図13図12の分解図である。
図14】実施の形態2に係る灯具210の斜視図である。
図15】実施の形態2に係る灯具210の斜視図である。
図16】実施の形態2に係る照明装置200の三面図である。
図17】実施の形態2に係る灯具210の部分的な分解斜視図である。
図18】実施の形態2に係る照明装置200の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して、本開示の実施の形態について説明する。なお、各図中、同一又は相当する部分には、同一符号を付して、その説明を適宜省略又は簡略化する。また、各図に記載の構成について、その形状、大きさ、及び配置等は、適宜変更することができる。
【0010】
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係る照明装置100の斜視図である。図2は、図1に示す照明装置100を上方向から見た斜視図である。図3は、図2の分解図である。本開示の照明装置100は、例えば天井面などの設置面に埋め込まれて設置され、取付部30及び透光性カバー14を設置面に露出させて設置されるものである。照明装置100は、ダウンライト器具又はダウンライトとも称されるものである。
【0011】
図3に示すように、照明装置100は、電源部50及び光源部12(図7参照)を有する灯具10と、灯具10を保持し設置面に取り付けるための取付金具32を備える取付部30と、を備える。灯具10は、例えばねじなどの固定部材を用いて取付部30に固定される。具体的には、基台11の第1面11aを支持台35の上面に当接させて固定される。
【0012】
取付部30は、一方の面が設置面に設けられた設置孔から露出される意匠部分である。取付部30の他方の面は、設置孔の内部を向いており、灯具10及び取付金具32が設置されている。取付金具32は、例えば照明装置100の外側に突出して設けられた板バネであり、弾性変形させて設置孔に挿入された後に復元して、設置面の裏側にある内部構造に係合するものである。取付部30の外周部は、鍔状に枠部31が形成されており、枠部31の裏面、すなわち設置孔の内部を向いた面31aと、取付金具32との間に設置孔の端縁及び内部構造を挟みこみ照明装置100を設置面に固定する。なお、実施の形態1において取付金具32は、照明装置100の中心、すなわち光源部12の中心から外周側に向かって三方に突出されているが、照明装置100を設置面に取り付けられれば配置数及び配置箇所は適宜変更しても良い。
【0013】
図1に示す様に、取付部30の意匠部分である一方の面は、光源部12からの光を透過する透光性カバー14が露出する孔34の周囲に反射面33を備え、反射面33の外周側に枠部31が形成されている。
【0014】
また、図2及び図3に示す様に、取付部30の意匠部分の裏側には、灯具10が固定される支持台35が突出している。また、意匠部分の裏側において、孔34の周囲には透光性カバー14と対向する透光カバー保持面36が形成されている。
【0015】
図4及び図5は、実施の形態1に係る灯具10の斜視図である。図4は、設置孔の内部側から見た斜視図であり、図5は、意匠部分側から見た斜視図である。図6は、灯具10の三面図である。図6(a)は上面図、図6(b)は正面図、図6(c)は底面図である。図7は、実施の形態1に係る灯具10の分解斜視図である。図8は、実施の形態1に係る照明装置100の断面図である。図8は、照明装置100の光軸を含む断面を示している。図7及び図8に示す様に、灯具10は、基台11の意匠部分側を向いた第1面11aに光源部12が取り付けられ、第1面11aの裏側である第2面11bに放熱片20が取り付けられている。
【0016】
光源部12は、保持部15と基台11との間に挟まれて固定される。保持部15は、基台にねじ93により固定される。
【0017】
光源部12は、光源基板12aの表面に光源13を実装している。光源13は、例えばLED素子などの発光素子である。光源13を覆うように配置される透光性カバー14は、保持部15に形成された孔15aに係止片14aが挿入され、保持部15に係合される。
【0018】
図9は、実施の形態1に係る光源13を基台11に固定する構造の説明図である。図9(a)は、灯具10の底面の拡大図である。図9(b)は、灯具10の光源13を固定する構造の断面図であり、A-A部の断面を示している。保持部15は、光源13を露出させる孔15cの外側に押圧部15bを備える。押圧部15bは、保持部15の一部を基台11側に突出させたものである。押圧部15bは、保持部15を構成する材料の弾性力により、光源基板12aを基台11に押し付ける。保持部15は、絶縁材料で構成されていることが望ましい。押圧部15bにより光源基板12aは、裏面を基台11に接触した状態で保持される。
【0019】
実施の形態1において、押圧部15bは、孔15cの周囲に設けられた開口部15dの縁の一部から延び、光源基板12a側に突出させた板バネである。押圧部15bは、保持部15の一部分に一体成形されたものである。押圧部15bは、保持部15が基台11にねじ93で固定されると、光源基板12aに当接してたわみ、弾性により光源基板12aを基台11側に押し付ける。これにより、光源基板12aは、基台11の第1面11aに当接した状態が保持される。また、押圧部15bは、弾性により光源基板12aを抑えるため、厚さが異なる光源基板12aであっても保持できるように構成されている。また、光源基板12aが反って変形している場合であっても、押圧部15bが押さえつけることにより光源基板12aを矯正し基台11の第1面11aに密着させることができる。これにより、光源基板12aの平面度を必要以上に管理しなくとも、光源基板12aから基台11への放熱性を確保できる。
【0020】
また、基台11は、平板であり、若干の反りを有する場合があるが、実施の形態1においては保持部15にねじ93を用いて締結固定されているため、反りを矯正できる。また、上記のように、照明装置100は、光源基板12aが基台11の第1面11aに押し付けられる構造を有するため、光源基板12aから基台11への放熱経路をより確実に確保できる。
【0021】
図7及び図8に示す様に、基台11の第2面11bには、放熱片20が固定される。放熱片20は、薄い金属板をコ字形に折り曲げたものであり、基台11の第2面11bに沿った平板状の部分である固定部21と、固定部21の端から第2面11bと交差する方向に延びる板状部22とを備える。実施の形態1において、固定部21は、略長方形の部分であり、その略長方形の対向している辺から板状部22が延びる。また、板状部22は、第2面11bに対し垂直に延びているが、傾斜していても良い。
【0022】
図7に示すように、固定部21は、光源基板12aの裏側に固定されている。固定部21は、ねじを用いて基台11に固定される。このように構成されることにより、光源基板12aの熱は、基台11を介して放熱片20に伝達する。
【0023】
基台11は、一枚の金属製の平板であり、例えば板金を所定の形に打ち抜いて成形されたものである。このように構成されることにより、基台11は、製造が容易になり、形状の自由度が増す。例えば、基台11を拡大して光源部12からの放熱面積を増加させることもできる。なお、基台11の第2面11bからも光源部12からの熱が放熱される。
【0024】
板状部22の先端、すなわち固定部21とは反対側の板状部22の端部には、電源固定部23が形成されている。電源部50は、電源固定部23にねじ90により固定される。図8に示すように、電源部50は、放熱片20の板状部22及び基台11側の固定部21との間に隙間をもって配置される。つまり、電源部50と放熱片20の板状部22及び固定部21との間には空気層が介在している。
【0025】
電源部50は、電源基板51aとそれが固定されている電源ボックス51とから構成される。電源ボックス51は、電源基板51aを包囲する電源基板支持部52と、電源基板支持部52の上面に固定され端子台59が固定される端子台プレート53と、を備える。
【0026】
図10は、電源基板支持部52の分解斜視図である。電源基板支持部52は、電源基板51aの基板51bが係合固定される構造部材52aと、電源基板51aの周囲を包囲する包囲片56及び57と、基板51bと構造部材52aの底面部52bとの間に挟まれて配置される伝熱シート58と、を備える。
【0027】
電源基板支持部52の構造部材52aは、板金を折り曲げて一方が開放された箱状に形成されている。箱状の構造部材52aの底面部52bは、基板51bの副実装面が対向する部分である。なお、実施の形態1において、基板51bは、一方の面を実装面とし、他方の面を副実装面としており、両面に部品が実装されている両面基板であっても、実装面のみに部品が実装され、副実装面が非実装面となっている片面基板であっても良い。基板51bが両面基板である場合、基板51bは、両面に電気部品が実装されるが、副実装面に搭載される部品の背の高さが実装面に搭載される部品の背の高さよりも低く設定されている。また、副実装面は、部分的に部品が実装されていない非実装面を含んでいても良い。また、側壁52c、52g、52h及び52iは、底面部52bの縁部から立設され、電源基板51aの四方を覆っている。構造部材52aは、底面部52bに対向する部分が開放されているが、放熱片20の板状部22により覆われるため、電源基板51aが照明装置100において外部に露出することがない。このため、例えば、照明装置100の施工作業を行う際に、作業者が誤って充電部である電源基板51aに接触するおそれがなく、安全に作業を行うことができる。また、万が一、基板51bがショートし発火した場合に端子台側へ炎が噴き出すのを抑制できる。なお、側壁52c、52g、52h及び52iは、一部省略することもでき、基台11、端子台プレート53、放熱片20及び構造部材52aにより電源基板51aの周囲を覆うように構成されていれば適宜変更することができる。
【0028】
構造部材52aの一方の側壁52cは、灯具10において基台11の第2面11bに平行に配置され、端子台プレート53が固定される部分である。側壁52cは、基板51bに係合する係止片52dが形成されており、基板51bを保持する。基板51bは、係止片52dにより伝熱シート58及び底面部52bへ押し付けられ、係止片52dと伝熱シート58との間に保持される。これにより、構造部材52aと電源基板51aとは、一体に組み合わされ、電源基板51aからの放熱経路も確保される。
【0029】
包囲片56は、電源基板51aと構造部材52aの側壁52c、52g、52h及び52iとの間に入る絶縁シートである。また、包囲片57は、基板51bの実装面側を覆う絶縁シートである。電源基板51aは、包囲片56により構造部材52aの側壁52c、52g、52h及び52iとの絶縁距離を確保している。また、電源基板51aは、包囲片57により放熱片20の板状部22との絶縁距離を、伝熱シート58により構造部材52aの底面部52bとの絶縁距離を確保している。
【0030】
図6及び図7に示す様に、端子台プレート53は、電源基板支持部52に固定される。端子台プレート53は、基台11の第2面11bに一方の面を対向させて配置され、上面視(図6(a))において基台11からはみ出して配置された部分53aに端子台59が固定されている。端子台プレート53のうち基台11の第2面11bと対向している部分53bは、電源基板支持部52が固定される。端子台プレート53は、部分53bにねじ穴53cと下方に突出した係止片53dとを備え、電源基板支持部52の側壁52cに形成された舌片に設けられたねじ穴52e及び係止部52fを用いて、係合及びねじ締結により互いに固定される。端子台プレート53と電源基板支持部52とは、このように固定されることによって互いに電気的に接続され、例えば、両者を同じアース電位に固定することもできる。
【0031】
電源部50の端子台プレート53に形成された固定片54は、放熱片20の先端に形成された電源固定部23に、ねじ90により固定される。このとき、電源部50は固定片54のみが放熱片20に当接し、電源基板支持部52は放熱片20の板状部22及び固定部21とは隙間をもって配置されている。電源部50は、放熱片20の板状部22に挟まれて配置されているため、照明装置100の外形を大きくすることなく、省スペース化が図れると共に、放熱性能も確保できる。
【0032】
(照明装置100の放熱について)
電源基板51aは、照明装置100の使用中に発熱する。電源基板51aで発生した熱は、基板51bから伝熱シート58及び構造部材52aの係止片52dを介して構造部材52aに伝達する。構造部材52aに伝達された熱の一部は、端子台プレート53に伝達され空気中に放熱される。なお、端子台プレート53に伝達された熱のうち一部は、電源固定部23から放熱片20に伝達し得るが、電源固定部23との接触面は小さく、電源基板51aからの熱は放熱片20には伝達することが抑制されている。なお、電源基板51aの熱は、構造部材52a及び端子台プレート53に伝達する過程においても空気中に放熱されている。
【0033】
一方、照明装置100の使用中においては光源13においても発熱する。光源13で発生した熱は、光源基板12aから基台11に伝達され、基台11から放熱片20の固定部21、そして板状部22へと伝達される。放熱片20と基台11とは、固定部21の下面が全体にわたって基台11の第2面11bに当接しており、伝熱しやすくなっている。放熱片20の板状部22へ伝達された熱は、空気中に放熱される。放熱片20の熱は、板状部22の先端に設けられた電源固定部23から端子台プレート53に伝達し得るが、接触面積が小さい。そのため、光源13の熱は、電源部50側への伝達が抑制される。
【0034】
以上のように、照明装置100は、光源部12からの放熱経路と電源基板51aからの放熱経路とが離れているため、放熱の効率が高い。具体的には、電源部50は、放熱片20の固定部21及び板状部22との間に隙間を持って配置されているため、電源部50から固定部21又は板状部22への直接の伝熱が抑制される。また、光源部12からの熱も、電源部50への直接の伝熱が抑制される。これにより、照明装置100は、電源部50が光源部12の熱影響を受けにくく、長期にわたり動作品質及び安全性が維持される。
【0035】
また、照明装置100は、基台11及び放熱片20が板状の金属を曲げ成形して形成されたものであり、重量に対し表面積を大きくとることができるため、放熱性能が向上すると共に製造も容易であるという利点がある。また、放熱片20と電源基板支持部52とはそれぞれ独立した構造になっているため、何れか一方の形状及び寸法を変更し易く、他機種と共通利用をし易いという利点もある。
【0036】
(変形例)
実施の形態1に係る電源部50において、電源基板51aは、電源回路を構成する電気部品が実装されている主実装面及びその裏面である副実装面を放熱片20の板状部22の面に対向させるように配置されている。しかし、電源基板51aは、例えば主実装面を電源部50の端子台プレート53の面に対向させて配置されていても良いし、主実装面を基台11に対向させるように配置しても良い。この場合においても、電源部50は、放熱片20の先端に固定される。
【0037】
実施の形態2.
実施の形態2に係る照明装置200について説明する。実施の形態2に係る照明装置200は、実施の形態1に係る照明装置100に対し、放熱片20に並列する第2放熱片40を更に追加したものである。実施の形態2においては実施の形態1からの変更点を中心に説明する。
【0038】
図11は、実施の形態2に係る照明装置200の斜視図である。図12は、図11に示す照明装置200を上方向から見た斜視図である。図13は、図12の分解図である。図14及び図15は、実施の形態2に係る灯具210の斜視図である。図16は、実施の形態2に係る照明装置200の三面図である。図16(a)は上面図、図16(b)は正面図、図16(c)は底面図である。実施の形態2に係る照明装置200は、灯具210と取付部30とを組み合わせて構成されている。灯具210は、実施の形態1に係る灯具10に更に第2放熱片40を追加したものである。第2放熱片40は、基台11の第2面11bに放熱片20と面を並列させて設置されている。
【0039】
図17は、実施の形態2に係る灯具210の部分的な分解斜視図である。図17は、基台11と放熱片20及び第2放熱片40とに着目した図であり、光源部12及び電源部50は省略されている。図18は、実施の形態2に係る照明装置200の断面図である。第2放熱片40は、複数の放熱片41及び42を有する。放熱片41及び42は、所定の形状に成形された板金を折り曲げて形成されている。
【0040】
放熱片41は、板金をコ字形又はU字形に折り曲げ、基台11にねじ94により固定される固定部41aと、固定部41aから基台11の第2面11bに交差する方向に延びる板状部41b及び41cと、を備える。固定部41aは、基台11の第2面11bの大きさに合わせて、なるべく大きく設けられており、基台11から熱が伝達し易いように構成されている。また、板状部41b及び41cは、図16(a)に示されるように、基台11の外形からはみ出ない範囲でなるべく大きく寸法が設定されている。板状部41cは、板状部41bよりも外側に位置しており、板状部41bよりも水平方向の幅が小さく設定されている。
【0041】
放熱片42は、板金をL字形に折り曲げて、基台11にねじ94により固定される固定部42aと、固定部42aから基台11の第2面11bに交差する方向に延びる板状部42bと、を備える。放熱片42は、図16(a)に示すように基台11の外形からはみ出ない範囲でなるべく大きく寸法が設定されている。放熱片42は、放熱片41よりも外側に配置されているため、放熱片41の板状部41b及び41cよりも板状部42bの幅方向寸法が小さく設定されている。
【0042】
放熱片41及び42の形状は、図11~17に示す形状に限定されず、例えば全て板金をL字形に折り曲げたものであっても良いし、全てコ字形に折り曲げたものであっても良い。また、第2放熱片40を構成する放熱片41及び42は、更に多くの放熱片から構成されていても良い。
【0043】
放熱片42の先端には放熱片41の側に折り曲げられた舌状片43が形成されている。舌状片43は、その先端が放熱片41の平面に向けられている。このため、例えば、照明装置100の施工作業を行う際に、作業者が放熱片42を外側から挟むように掴んだ場合でも、舌状片43の先端が放熱片41の平面に当接し、放熱片42が放熱片41の側に傾くことがなく放熱片41と42との間隔は維持される。このため、第2放熱片40は放熱性能が損なわれることがない。また、舌状片43は、放熱片41に形成されても良く、放熱片41と42、板状部41bと41c、放熱片41と板状部22の互いの間隔を維持させることができる。また、舌状片43は、放熱片40の一部を切り起こすことによって形成されるものであってもよい。つまり、舌状片43は、放熱片40の先端に限定されず、板面の中央部において放熱片40の一部を切り起こして形成されていても良い。
【0044】
なお、図示は省略するが、第2放熱片40の先端が覆われるように端子台プレート53を形成し、端子台プレート53の周縁部を基台11の側に向かって折り曲げたり、或いは、端子台プレート53の一部を放熱片40の隙間に向かって切り起こしたりして形成される起立片によって、放熱片40が傾かないように支持してもよい。この際、端子台プレート53には、放熱を妨げないように、例えばスリット状の開孔が設けられることが望ましい。
【0045】
放熱片41及び42は、アルミダイカストで形成された放熱片に置換することもできる。この場合、固定部41a及び42aが厚くなり、板状部41b、41c及び42bも厚くなるため、照明装置200が重くなる一方、放熱片41及び42の熱容量が増え、表面に凹凸を設ける等により表面積を増加させ、放熱性能を向上させることもできる。
【0046】
放熱片41及び42は、基台11に直接固定され、その他の照明装置200を構成する部材と接続されていないため、光源部12からの放熱にのみ利用されるものである。したがって、電源部50などの他の発熱部の影響を受けることなく、光源部12の放熱を効率的に行える。
【0047】
実施の形態2に係る照明装置200においては、第2放熱片40を設置することにより、実施の形態1と比較して放熱性能を向上させることができる。第2放熱片40の形状、配置及び数量は、必要な放熱量に応じて適宜変更することができる。
【0048】
以上のように、本開示の実施の形態1及び2を説明したが、実施の形態1及び2は、照明装置100、200の一例であり、別の公知の技術と組み合わせることもできる。また、各実施の形態を組み合わせることもできる。つまり、照明装置100及び200は、本開示の要旨を逸脱しない範囲で、構成の一部を省略変更することもできる。
【符号の説明】
【0049】
10 灯具、11 基台、11a 第1面、11b 第2面、12 光源部、12a 光源基板、13 光源、14 透光性カバー、14a 係止片、15 保持部、15a 孔、15b 押圧部、15c 孔、15d 開口部、20 放熱片、21 固定部、22 板状部、23 電源固定部、30 取付部、31 枠部、31a 面、32 取付金具、33 反射面、34 孔、35 支持台、36 透光カバー保持面、40 第2放熱片、41 放熱片、41a 固定部、41b 板状部、41c 板状部、42 放熱片、42a 固定部、42b 板状部、50 電源部、51 電源ボックス、51a 電源基板、51b 基板、52 電源基板支持部、52a 構造部材、52b 底面部、52c 側壁、52d 係止片、52e ねじ穴、52f 係止部、52g 側壁、52h 側壁、53 端子台プレート、53a 部分、53b 部分、53c ねじ穴、53d 係止片、54 固定片、56 包囲片、57 包囲片、58 伝熱シート、59 端子台、90 ねじ、91 ねじ、93 ねじ、94 ねじ、100 照明装置、200 照明装置、210 灯具。
図1
図2
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