(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023050926
(43)【公開日】2023-04-11
(54)【発明の名称】加工装置、及び加工品の製造方法
(51)【国際特許分類】
H01L 21/677 20060101AFI20230404BHJP
H01L 21/301 20060101ALI20230404BHJP
【FI】
H01L21/68 A
H01L21/78 Q
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021161296
(22)【出願日】2021-09-30
(71)【出願人】
【識別番号】390002473
【氏名又は名称】TOWA株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121441
【弁理士】
【氏名又は名称】西村 竜平
(74)【代理人】
【識別番号】100154704
【弁理士】
【氏名又は名称】齊藤 真大
(74)【代理人】
【識別番号】100206151
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 惇志
(74)【代理人】
【識別番号】100218187
【弁理士】
【氏名又は名称】前田 治子
(72)【発明者】
【氏名】深井 元樹
(72)【発明者】
【氏名】今井 一郎
(72)【発明者】
【氏名】大西 将馬
(72)【発明者】
【氏名】山本 裕子
【テーマコード(参考)】
5F063
5F131
【Fターム(参考)】
5F063AA09
5F063AA36
5F063AA40
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5F131EA05
5F131EA22
5F131EB02
5F131GB01
5F131GB12
5F131GB22
5F131GB28
(57)【要約】
【課題】加工対象物を保持するための保持用プレートを自動的に交換する。
【解決手段】加工用テーブル2A、2Bに封止済基板Wを保持し、加工用テーブル2A、2Bを移動させながら、加工機構4により封止済基板Wを加工する加工装置100であって、封止済基板Wを保持するための保持用プレートM1を収容するプレート収容部24と、保持用プレートM1が着脱可能に取り付けられ、保持用プレートM1を用いて封止済基板Wを保持する保持ベース部M2と、保持用プレートM1をプレート収容部24及び保持ベース部M2の間で搬送するプレート搬送機構25とを備え、プレート搬送機構25は、保持ベース部M2から取り外された保持用プレートM1をプレート収容部24に搬送し、プレート収容部24にある保持用プレートM1を保持ベース部M2に搬送する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
加工用テーブルに加工対象物を保持し、当該加工用テーブルを移動させながら、加工機構により前記加工対象物を加工する加工装置であって、
前記加工対象物を保持するための保持用プレートを収容するプレート収容部と、
前記保持用プレートが着脱可能に取り付けられ、前記保持用プレートを用いて前記加工対象物を保持する保持ベース部と、
前記保持用プレートを前記プレート収容部及び前記保持ベース部の間で搬送するプレート搬送機構とを備え、
前記プレート搬送機構は、前記保持ベース部から取り外された前記保持用プレートを前記プレート収容部に搬送し、前記プレート収容部にある前記保持用プレートを前記保持ベース部に搬送する、加工装置。
【請求項2】
前記プレート搬送機構は、前記保持用プレートを上昇させて搬送する、請求項1に記載の加工装置。
【請求項3】
前記プレート搬送機構は、
前記加工用テーブルの保持用プレート、
前記加工後の前記加工対象物を乾燥するための乾燥用テーブルの保持用プレート、
前記加工後の前記加工対象物を検査するための検査用テーブルの保持用プレート、
前記加工後の前記加工対象物が収容前に載置される移載テーブルの保持用プレート、又は、
前記加工後の前記加工対象物を搬送するために保持する搬送用保持機構の保持用プレートの少なくとも1つを搬送する、請求項1又は2に記載の加工装置。
【請求項4】
前記プレート搬送機構は、前記加工後の前記加工対象物を搬送することができる、請求項1乃至3の何れか一項に記載の加工装置。
【請求項5】
前記加工対象物を前記加工用テーブルに搬送するために前記加工対象物を保持する第1保持機構と、
前記加工後の前記加工対象物を前記加工用テーブルから搬送するために前記加工後の前記加工対象物を保持する第2保持機構と、
前記第1保持機構及び前記第2保持機構を移動させる搬送用移動機構とをさらに備え、
前記プレート搬送機構は、前記第2保持機構及び前記搬送用移動機構を用いて構成されている、請求項1乃至4の何れか一項に記載の加工装置。
【請求項6】
前記加工後の前記加工対象物が収容前に載置される移載テーブルと、
前記移載テーブルを移動させる移載用移動機構とをさらに備え、
前記プレート搬送機構は、前記移載テーブル及び前記移載用移動機構を用いて構成されている、請求項1乃至5の何れか一項に記載の加工装置。
【請求項7】
前記プレート搬送機構は、前記保持用プレートを前記プレート収容部及び前記移載テーブルの間で搬送するプレート出入機構をさらに有する、請求項6に記載の加工装置。
【請求項8】
前記加工機構により個片化された前記加工対象物が仕分けされるトレイを搬送するトレイ搬送機構をさらに備え、
前記個片化された前記加工対象物を前記トレイに収容する、請求項1乃至7の何れか一項に記載の加工装置。
【請求項9】
前記加工機構により個片化された前記加工対象物が貼り付けられる粘着面を有する貼付部材が載置される載置テーブルをさらに備え、
前記個片化された前記加工対象物を前記貼付部材に貼り付けて収容する、請求項1乃至7の何れか一項に記載の加工装置。
【請求項10】
前記加工機構により個片化された前記加工対象物を一端開口部から収容する筒状容器が設置される容器設置部をさらに備え、
前記個片化された前記加工対象物を前記筒状容器に収容する、請求項1乃至7の何れか一項に記載の加工装置。
【請求項11】
前記加工機構により個片化された前記加工対象物が落下して収容される収容ボックスをさらに備え、
前記個片化された前記加工対象部を前記収容ボックスに収容する、請求項1乃至7の何れか一項に記載の加工装置。
【請求項12】
前記保持ベース部に対する前記保持用プレートの取り付け状態を検査する検査機構をさらに備える、請求項1乃至11の何れか一項に記載の加工装置。
【請求項13】
前記検査機構は、
前記保持用プレートが搭載される搭載面に開口する検査用流路と、
前記検査用流路に設けられ、前記開口からの流体の漏れを検知する検知センサとを有する、請求項12に記載の加工装置。
【請求項14】
前記保持ベース部は、前記保持用プレートに形成された固定用挿入孔に挿入される固定用シリンダ部を有しており、
前記固定用シリンダ部は、前記固定用挿入孔に挿入されるシリンダ本体と、当該シリンダ本体の外側周面から突出した位置及び没入した位置で移動可能に設けられた可動子と、当該可動子を前記シリンダ本体に対して突出した位置となるように力を付与する弾性体とを有し、
前記固定用シリンダ部が前記固定用挿入孔に挿入された状態で、前記可動子が突出した状態となることにより、前記保持ベース部に対して前記保持用プレートが固定される、請求項1乃至13の何れか一項に記載の加工装置。
【請求項15】
前記プレート搬送機構は、前記保持用プレートに形成された搬送用保持孔に挿入される搬送用シリンダ部を有しており、
前記搬送用シリンダ部は、前記搬送用保持孔に挿入されるシリンダ本体と、当該シリンダ本体の外側周面から突出した位置及び没入した位置で移動可能に設けられた可動子と、当該可動子を前記シリンダ本体に対して突出した位置となるように力を付与する弾性体とを有し、
前記搬送用シリンダ部が搬送用挿入孔に挿入された状態で、前記可動子が突出した状態となることにより、前記プレート搬送機構に前記保持用プレートが保持される、請求項1乃至14の何れか一項に記載の加工装置。
【請求項16】
請求項1乃至15の何れか一項に記載の加工装置を用いて加工品を製造する加工品の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、加工装置、及び加工品の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、特許文献1に示すように、被切断物を切断して個片化された複数の製品を製造する切断装置において、切断用テーブルに対して吸着治具を着脱可能に構成したものが考えられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【0004】
しかしながら、上記の切断装置では、単に切断用テーブルに対して吸着治具を着脱可能にしただけであり、実際に吸着治具を交換する際には作業者が作業を行う必要がある。そのため、作業者の人件費がかかるだけでなく、取り付け状態にばらつきが出てしまうという問題がある。また、交換作業に時間がかかってしまい、切断装置の生産性が低下してしまう。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで本発明は、上記問題点を解決すべくなされたものであり、加工対象物を保持するための保持用プレートを自動的に交換することをその主たる課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
すなわち本発明に係る加工装置は、加工用テーブルに加工対象物を保持し、当該加工用テーブルを移動させながら、加工機構により前記加工対象物を加工する加工装置であって、前記加工対象物を保持するための保持用プレートを収容するプレート収容部と、前記保持用プレートが着脱可能に取り付けられ、前記保持用プレートを用いて前記加工対象物を保持する保持ベース部と、前記保持用プレートを前記プレート収容部及び前記保持ベース部の間で搬送するプレート搬送機構とを備え、前記プレート搬送機構は、前記保持ベース部から取り外された前記保持用プレートを前記プレート収容部に搬送し、前記プレート収容部にある前記保持用プレートを前記保持ベース部に搬送することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
このように構成した本発明によれば、加工対象物を保持するための保持用プレートを自動的に交換することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の一実施形態に係る切断装置(トレイ収容)の構成を模式的に示す図である。
【
図2】同実施形態の切断装置の動作を示す模式図である。
【
図3】同実施形態の保持用プレート及び保持ベース部の構成を示す模式図である。
【
図4】同実施形態のプレート搬送機構(プレート出入機構)及びプレート収容部を示す斜視図である。
【
図5】同実施形態の固定機構の構成を模式的に示す断面図である。
【
図6】同実施形態の第2保持機構の保持ベース部を示す斜視図である。
【
図7】同実施形態の保持用プレートの交換動作を示す図である。
【
図8】同実施形態の保持用プレートの交換動作を示す図である。
【
図9】変形実施形態に係る切断装置の構成を模式的に示す図である。
【
図10】変形実施形態に係る切断装置(リング収容)の構成を模式的に示す図である。
【
図11】貼付部材の構成を模式的に示す(a)平面図、(b)断面図、及び(c)部分拡大断面図である。
【
図12】変形実施形態に係る切断装置(チューブ収容)の構成を模式的に示す図である。
【
図13】筒状容器の構成を模式的に示す(a)斜視図、及び(b)断面図である。
【
図14】変形実施形態に係る切断装置(バルク収容)の構成を模式的に示す図である。
【
図15】同実施形態の保持用プレートの交換動作を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
次に、本発明について、例を挙げてさらに詳細に説明する。ただし、本発明は、以下の説明により限定されない。
【0010】
本発明の加工装置は、前述のとおり、加工用テーブルに加工対象物を保持し、当該加工用テーブルを移動させながら、加工機構により前記加工対象物を加工する加工装置であって、前記加工対象物を保持するための保持用プレートを収容するプレート収容部と、前記保持用プレートが着脱可能に取り付けられ、前記保持用プレートを用いて前記加工対象物を保持する保持ベース部と、前記保持用プレートを前記プレート収容部及び前記保持ベース部の間で搬送するプレート搬送機構とを備え、前記プレート搬送機構は、前記保持ベース部から取り外された前記保持用プレートを前記プレート収容部に搬送し、前記プレート収容部にある前記保持用プレートを前記保持ベース部に搬送することを特徴とする。
この加工装置であれば、保持ベース部から取り外された保持用プレートをプレート収容部に搬送し、プレート収容部にある保持用プレートを保持ベース部に搬送するプレート搬送機構を有するので、保持ベース部に対して保持用プレートを自動的に交換することができる。その結果、保持用プレートを交換するための人件費を削減することができる。また、保持用プレートを自動的に交換するので、保持ベース部に対する保持用プレートの取り付け状態のばらつきを低減することができる。さらに、保持用プレートを自動的に交換するので、保持用プレートの交換時間を短縮することができ、加工装置の生産性を向上することができる。
【0011】
前記プレート搬送機構は、前記保持用プレートを上昇させて搬送することが望ましい。
この構成であれば、保持用プレートを搬送する際に、保持用プレートと他の部材との干渉を回避して、保持用プレートを容易に搬送することができる。
【0012】
前記プレート搬送機構は、前記加工用テーブルの保持用プレート、前記加工後の前記加工対象物を乾燥するための乾燥用テーブルの保持用プレート、前記加工後の前記加工対象物を検査するための検査用テーブルの保持用プレート、前記加工後の前記加工対象物が収容前に載置される移載テーブルの保持用プレート、又は、前記加工後の前記加工対象物を搬送するために保持する搬送用保持機構の保持用プレートの少なくとも1つを搬送することが望ましい。
この構成であれば、加工用テーブル、検査用テーブル、移載テーブル及び搬送用保持機構それぞれの保持用プレートを自動的に交換することができる。
【0013】
本発明の加工装置は、前記加工対象物を搬送する加工対象物搬送機構をさらに備えている。
この構成において保持用プレートの自動的な交換を可能にしながらも装置構成を簡素化しつつ装置コストを削減するためには、前記プレート搬送機構は、前記加工対象物搬送機構を用いて構成されていることが望ましい。つまり、プレート搬送機構が、加工後の加工対象物を搬送する機能を有する構成となる。
【0014】
装置構成の簡素化するための具体的な実施の態様としては、本発明の加工装置は、前記加工対象物を前記加工用テーブルに搬送するために前記加工対象物を保持する第1保持機構と、前記加工後の前記加工対象物を前記加工用テーブルから搬送するために前記加工後の前記加工対象物を保持する第2保持機構と、前記第1保持機構及び前記第2保持機構を移動させる搬送用移動機構とをさらに備えていることが望ましい。
この構成において、保持用プレートの自動的な交換を可能にしながらも装置構成を簡素化しつつ装置コストを削減するためには、前記プレート搬送機構は、前記第2保持機構及び前記搬送用移動機構を用いて構成されていることが望ましい。
【0015】
また、本発明の加工装置は、前記加工後の前記加工対象物が収容前に載置される移載テーブルと、前記移載テーブルを移動させる移載用移動機構とをさらに備えているものが考えられる。
この構成において、保持用プレートの自動的な交換を可能にしながらも装置構成を簡素化しつつ装置コストを削減するためには、前記プレート搬送機構は、前記移載テーブル及び前記移載用移動機構を用いて構成されていることが望ましい。
【0016】
移載テーブル及び移載用移動機構を用いてプレート搬送機構を構成した場合には、前記プレート搬送機構は、前記保持用プレートを前記プレート収容部及び前記移載テーブルの間で搬送するプレート出入機構をさらに有することが望ましい。
【0017】
本発明の加工装置は、加工後の前記加工対象物を、トレイに収容(「トレイ収容」とも呼ばれる。)できる構成とすることができる。この加工装置は、前記加工機構により個片化された前記加工対象物が仕分けされるトレイを搬送するトレイ搬送機構をさらに備え、前記個片化された前記加工対象物を前記トレイに収容する。
本発明では、このようにトレイ収容する加工装置において、加工対象物を保持するための保持用プレートを自動的に交換することができる。
【0018】
また、本発明の加工装置は、個片化された加工対象物を、粘着面を有する貼付部材に貼り付けて収容(「リング収容」とも呼ばれる。)できる構成とすることができる。この加工装置は、前記加工機構により個片化された前記加工対象物が貼り付けられる粘着面を有する貼付部材が載置される載置テーブルをさらに備え、前記個片化された前記加工対象物を前記貼付部材に貼り付けて収容する。
本発明では、このようにリング収容する加工装置において、加工対象物を保持するための保持用プレートを自動的に交換することができる。
【0019】
さらに、本発明の加工装置は、個片化された加工対象物を筒状容器に収容(「チューブ収容」とも呼ばれる。)できる構成とすることができる。なお、筒状容器は、チューブ、マガジンスティック、スティックマガジン、スティックなどと呼ばれることがある。この加工装置は、前記加工機構により個片化された前記加工対象物を一端開口部から収容する筒状容器が設置される容器設置部をさらに備え、前記個片化された前記加工対象物を前記筒状容器に収容する。
本発明では、このようにチューブ収容する加工装置において、加工対象物を保持するための保持用プレートを自動的に交換することができる。
【0020】
加えて、本発明の加工装置は、個片化された加工対象物をばらばらの状態で収容(「バルク収容」とも呼ばれる。)できる構成とすることができる。この加工装置は、前記加工機構により個片化された前記加工対象物が落下して収容される収容ボックスをさらに備え、前記個片化された前記加工対象部を前記収容ボックスに収容する。
このようにバルク収容する加工装置において、加工対象物を保持するための保持用プレートを自動的に交換することができる。
【0021】
保持用プレートの固定が正確に行われているかを自動的に検査するためには、本発明の加工装置は、前記保持ベース部に対する前記保持用プレートの取り付け状態を検査する検査機構をさらに備えることが望ましい。
【0022】
検査機構の具体的な実施の態様としては、前記検査機構は、前記保持用プレートが搭載される搭載面に開口する検査用流路と、前記検査用流路に設けられ、前記開口からの流体の漏れを検知する検知センサとを有することが望ましい。ここで検知センサは、流体の圧力又は流量を測定することによって前記開口からの流体の漏れを検知する。
【0023】
保持ベース部に対する保持用プレートの固定構造を簡単にするためには、前記保持ベース部は、前記保持用プレートに形成された固定用挿入孔に挿入される固定用シリンダ部を有しており、前記固定用シリンダ部は、前記固定用挿入孔に挿入されるシリンダ本体と、当該シリンダ本体の外側周面から突出した位置及び没入した位置で移動可能に設けられた可動子と、当該可動子を前記シリンダ本体に対して突出した位置となるように力を付与する弾性体とを有し、前記固定用シリンダ部が前記固定用挿入孔に挿入された状態で、前記可動子が突出した位置となることにより、前記保持ベース部に対して前記保持用プレートが固定されることが望ましい。
【0024】
また、プレート搬送機構に対する保持用プレートの着脱構造を簡単にするためには、前記プレート搬送機構は、前記保持用プレートに形成された搬送用保持孔に挿入される搬送用シリンダ部を有しており、前記搬送用シリンダ部は、前記搬送用保持孔に挿入されるシリンダ本体と、当該シリンダ本体の外側周面から突出した位置及び没入した位置で移動可能に設けられた可動子と、当該可動子を前記シリンダ本体に対して突出した位置となるように力を付与する弾性体とを有し、前記搬送用シリンダ部が搬送用挿入孔に挿入された状態で、前記可動子が突出した位置となることにより、前記プレート搬送機構に前記保持用プレートが保持されることが望ましい。
【0025】
また、上記の加工装置を用いて加工品を製造する加工品の製造方法も本発明の一態様である。
【0026】
<本発明の各実施形態>
以下に、本発明に係る加工装置の各実施形態について、図面を参照して説明する。なお、以下に示すいずれの図についても、わかりやすくするために、適宜省略し又は誇張して模式的に描かれている。同一の構成要素については、同一の符号を付して説明を適宜省略する。
【0027】
<加工装置の全体構成>
本実施形態の加工装置100は、加工対象物である封止済基板Wを切断することによって、複数の加工品である製品Pに個片化する切断装置である。
【0028】
ここで、封止済基板Wとは、半導体チップ、抵抗素子、キャパシタ素子等の電子素子が接続された基板に対して、少なくとも電子素子を樹脂封止するように樹脂成形したものである。封止済基板Wを構成する基板としては、リードフレーム、プリント配線板を用いることができ、これら以外にも、半導体製基板(シリコンウェーハ等の半導体ウェーハを含む)、金属製基板、セラミック製基板、ガラス製基板、樹脂製基板等を用いることができる。また、封止済基板Wを構成する基板には、配線が施されていても施されていなくてもよい。
【0029】
また、本実施形態の封止済基板W及び製品Pは、一方の面が後に実装される実装面となる。本実施形態の説明では、後に実装される一方の面を「実装面」と記載し、その反対側の面を「マーク面」と記載する。
【0030】
具体的に切断装置100は、
図1に示すように、封止済基板Wを保持する2つの切断用テーブル(加工用テーブル)2A、2Bと、封止済基板Wを切断用テーブル2A、2Bに搬送するために封止済基板Wを保持する第1保持機構3と、切断用テーブル2A、2Bに保持された封止済基板Wを切断する切断機構(加工機構)4と、複数の製品Pが移される移載テーブル5と、複数の製品Pを切断用テーブル2A、2Bから移載テーブル5に搬送するために複数の製品Pを保持する第2保持機構6と、第1保持機構3及び第2保持機構6を移動させる搬送用移動機構7とを備えている。なお、第1保持機構3及び搬送用移動機構7により封止済基板Wを搬送する搬送機構(ローダ)が構成され、第2保持機構6及び搬送用移動機構7により複数の製品Pを搬送する搬送機構(アンローダ)が構成される。
【0031】
以下の説明において、切断用テーブル2A、2Bの上面に沿った平面(水平面)内で互いに直交する方向をそれぞれX方向及びY方向、X方向及びY方向に直交する鉛直方向をZ方向とする。具体的には、
図1の左右方向をX方向とし、上下方向をY方向とする。
【0032】
2つの切断用テーブル2A、2Bは、封止済基板Wを吸着して保持するものであり、少なくともY方向に移動可能に設けられている。切断用テーブル2Aは、切断用移動機構8AによってY方向に移動可能であり、かつ、回転機構9Aによってθ方向に回動可能である。切断用テーブル2Bは、切断用移動機構8BによってY方向に移動可能であり、かつ、回転機構9Bによってθ方向に回動可能である。
【0033】
第1保持機構3は、
図1に示すように、封止済基板Wを基板供給機構10から切断用テーブル2A、2Bに搬送するために封止済基板Wを保持するものである。この第1保持機構3は、封止済基板Wを吸着保持するための複数の吸着部(不図示)を有している。そして、第1保持機構3が、後述する搬送用移動機構7などにより所望の位置に移動されることにより、封止済基板Wを基板供給機構10から切断用テーブル2A、2Bに搬送する。
【0034】
基板供給機構10は、
図1に示すように、複数の封止済基板Wが外部から収容される基板収容部10aと、当該基板収容部10aに収容された封止済基板Wを第1保持機構3により吸着保持される保持位置RPに移動させる基板供給部10bとを有している。
【0035】
切断機構4は、
図1に示すように、ブレード41A、41B及び2つのスピンドル部42A、42Bからなる2つの回転工具40を有するものである。2つのスピンドル部42A、42Bは、それらの回転軸がX方向に沿うように設けられており、それらに取り付けられるブレード41A、41Bが互いに対向するように配置される(
図1参照)。また、2つのスピンドル部42A、42Bは、スピンドル移動機構11によってX方向及びZ方向に互いに独立して移動可能に構成されている。さらに、切断機構4には、位置合わせ用の撮像カメラ12、27が設けられており、これらの撮像カメラ12、27によって切断前の封止済基板Wの位置合わせと、縦横いずれか一方向が切断された後の封止済基板Wが回転機構9Bによって回転した後の位置合わせが行われる。
【0036】
そして、切断用テーブル2Aでの切断は、当該切断用テーブル2Aと2個のスピンドル部42A、42Bとを相対的に移動させることによって、封止済基板Wを切断して個片化する。また、切断用テーブル2Bでの切断は、当該切断用テーブル2Bと、2個のスピンドル部42A、42Bとを相対的に移動させることによって、封止済基板Wを切断して個片化する。スピンドル部42Aのブレード41A及びスピンドル部42Bのブレード41Bは、Y方向とZ方向とを含む面内において回転することによって各テーブル2A、2Bに保持された封止済基板Wを切断する。なお、切断用テーブル2Aでの切断処理と、切断用テーブル2Bでの切断処置は、交互に行うことができる。
【0037】
また、スピンドル移動機構11には、切断用テーブル2A、2Bに保持された複数の製品Pの上面側(実装面)をクリーニングする第1クリーニング機構13が設けられている。この第1クリーニング機構13は、スピンドル移動機構11においてスピンドル部42A、42Bを支持するX方向に延びる支持体11aに設けられている。また、第1クリーニング機構13は、切断用テーブル2A、2Bに保持された複数の製品Pの上面に洗浄液及び/又は圧縮空気を噴射して、製品Pの上面側(実装面)をクリーニングするものである。なお、第1クリーニング機構13はブラシを用いたものであっても良い。
【0038】
本実施形態の移載テーブル5は、
図1に示すように、後述する検査部14により検査された複数の製品Pが移されるテーブルである。この移載テーブル5は、いわゆるインデックステーブルといわれるものであり、複数の製品Pを各種トレイ21に仕分けして収容する前に、複数の製品Pが一時的に載置される。さらに、移載テーブル5は、Y方向に沿って前後に移動可能に設けられている。そして、移載テーブル5は、移載用移動機構15によって、第2保持機構6により複数の製品Pが載置される移載位置X1と、仕分け機構20により複数の製品Pが搬送される取り出し位置X2との間で移動する。なお、移載用移動機構15は、移載テーブルをY方向に沿ってガイドするガイドレール15aと、当該ガイドレール15a上で移載テーブルを移動させる駆動部(不図示)とを有している。
【0039】
移載テーブル5に載置された複数の製品Pは、検査部14による検査結果(良品、不良品など)に応じて、仕分け機構20によって各種トレイ21に仕分けされる。各種トレイ21は、トレイ移動機構22によりトレイ収容部23から所望の取り出し位置X2に搬送され、仕分け機構20によって仕分けられる製品Pが載置される。仕分けされた後に各種トレイ21は、トレイ移動機構22によりトレイ収容部23に収容される。本実施形態では、トレイ収容部23に、例えば製品Pを収容する前のトレイ21、良品の製品Pを収容したトレイ21、リワークが必要な不良品の製品Pを収容したトレイ21といった3種類のトレイを収容するように構成されている。なお、トレイ移動機構22は、トレイ21が載置されるトレイ載置部22aと、当該トレイ載置部22aをY方向に沿ってガイドするガイドレール22bと、各種トレイ21をX方向に移動する移動機構(不図示)と、各種トレイ21毎に設けられた、各種トレイ21をZ方向に移動する移動機構(不図示)と、これらを駆動してトレイ載置部22aを移動させる駆動部(不図示)とを有している。
【0040】
ここで、検査部14は、
図1に示すように、切断用テーブル2A、2Bと移載テーブル5との間に設けられ、第2保持機構6に保持された複数の製品Pを検査するものである。本実施形態の検査部14は、製品Pのマーク面を検査する第1検査部141と、製品Pの実装面を検査する第2検査部142とを有している。第1検査部141は、マーク面を検査するための光学系を有する撮像カメラであり、第2検査部142は、実装面を検査するための光学系を有する撮像カメラである。なお、第1検査部141及び第2検査部142を共通としても良い。
【0041】
また、検査部14により複数の製品Pの両面を検査可能にするために、複数の製品Pを反転させる反転機構16が設けられている(
図1参照)。この反転機構16は、複数の製品Pを保持する保持テーブル161と、当該保持テーブル161を表裏逆となるように反転させるモータなどの反転部162とを有している。さらに、反転機構16は、反転機構16をX方向に移動させる反転用移動機構17によって移載テーブル5まで移動可能とされている。なお、反転用移動機構17は、反転機構16をX方向に沿ってガイドするガイドレール17aと、当該ガイドレール17a上で反転機構16を移動させる駆動部(不図示)とを有している。
【0042】
第2保持機構6が切断用テーブル2A、2Bから複数の製品Pを保持した際には、製品Pのマーク面が下側を向いている。この状態で、切断用テーブル2A、2Bから反転機構16に複数の製品Pを搬送する途中で、第1検査部141により製品Pのマーク面が検査される。その後、第2保持機構6に保持された複数の製品Pが反転機構16により反転されて、その後、反転機構16が反転用移動機構17によって移載テーブル5の位置まで移動する。この移動の間に、第2検査部142により下側を向いている製品Pの実装面が検査される。その後、製品Pが移載テーブル5に受け渡される。
【0043】
第2保持機構6は、
図1に示すように、複数の製品Pを切断用テーブル2A、2Bから反転機構16に搬送するために複数の製品Pを保持するものである。この第2保持機構6は、複数の製品Pを吸着保持するための複数の吸着部(不図示)を有している。そして、第2保持機構6が、後述する搬送用移動機構7などにより所望の位置に移動されることにより、複数の製品Pを切断用テーブル2A、2Bから保持テーブル161に搬送する。
【0044】
搬送用移動機構7は、
図1に示すように、第1保持機構3を少なくとも基板供給機構10と切断用テーブル2A、2Bとの間で移動させるとともに、第2保持機構6を少なくとも切断用テーブル2A、2Bと保持テーブル161との間で移動させるものである。
【0045】
そして、搬送用移動機構7は、
図1に示すように、2つの切断用テーブル2A、2B及び移載テーブル5の配列方向(X方向)に沿って一直線に延び、第1保持機構3及び第2保持機構6を移動させるための共通のトランスファ軸71を有している。このトランスファ軸71は、第1保持機構3が基板供給機構10の基板供給部10bの上方に移動できるとともに、第2保持機構6が保持テーブル161の上方に移動できる範囲で設けられている(
図1参照)。なお、トランスファ軸71は、第1保持機構3及び第2保持機構6それぞれに個別に設けられたものであっても良い。
【0046】
さらに搬送用移動機構7は、第1保持機構3及び第2保持機構6をトランスファ軸71に対して、X方向及びZ方向それぞれに移動可能に構成されている。各方向への移動機構は、例えば、ラックアンドピニオン機構を用いたものであっても良いし、ボールねじ機構を用いたものであっても良いし、エアシリンダを用いたものであっても良いし、リニアモータを用いたものであっても良い。
【0047】
その他、本発明の切断装置100は、
図1に示すように、第2保持機構6に保持された複数の製品Pの下面側(マーク面)をクリーニングする第2クリーニング機構18をさらに備えている。この第2クリーニング機構18は、切断用テーブル2Bと検査部14との間に設けられており、第2保持機構6に保持された複数の製品Pの下面に洗浄液及び/又は圧縮空気を噴射することによって、製品Pの下面側(マーク面)をクリーニングする。つまり、第2保持機構6がトランスファ軸71に沿って移動される途中において、第2クリーニング機構18は製品Pの下面側(マーク面)をクリーニングする。なお、第2クリーニング機構18はブラシを用いたものであっても良い。
【0048】
<切断装置100の動作の一例>
次に、切断装置100の動作の一例を説明する。
図2には、切断装置100の動作における第1保持機構3の移動経路、及び、第2保持機構6の移動経路を示している。なお、本実施形態においては、切断装置100の動作、例えば封止済基板Wの搬送、封止済基板Wの切断、製品Pの検査、後述する保持用プレートM1の交換など、すべての動作や制御は制御部CTL(
図1参照)により行われる。
【0049】
基板供給機構10の基板供給部10bは、第1保持機構3により保持される保持位置RPに向けて、基板収容部10aに収容された封止済基板Wを移動させる。
【0050】
次に、搬送用移動機構7は第1保持機構3を保持位置RPに移動させ、第1保持機構3は封止済基板Wを吸着保持する。その後、搬送用移動機構7は、封止済基板Wを保持した第1保持機構3を切断用テーブル2A、2Bに移動させて、第1保持機構3は吸着保持を解除して、封止済基板Wを切断用テーブル2A、2Bに載置する。そして、切断用テーブル2A、2Bは、封止済基板Wを吸着保持する。
【0051】
この状態で、切断用移動機構8A、8Bは、切断用テーブル2A、2Bを所定の切断位置(トランスファ軸71の奥側)に移動させる。この切断位置100で、切断用移動機構8A、8B及びスピンドル移動機構11によって切断用テーブル2A、2B及び2個のスピンドル部42A、42BをX方向及びY方向に相対的に移動させるとともに、回転機構9A、9Bによって切断用テーブル2A、2Bを回転させることによって、封止済基板Wを格子状に切断して個片化する。
【0052】
切断後に、第1クリーニング機構13によって、切断用テーブル2A、2Bに保持されている複数の製品Pの上面側(実装面)をクリーニングする。このクリーニングの後、切断用移動機構8A、8Bは、切断用テーブル2A、2Bを所定の搬送位置(トランスファ軸71の手前側)に移動させる。
【0053】
次に、搬送用移動機構7は第2保持機構6を切断後の切断用テーブル2A、2Bに移動させ、第2保持機構6は複数の製品Pを吸着保持する。その後、搬送用移動機構7は、複数の製品Pを保持した第2保持機構6を第2クリーニング機構18に移動させる。これにより、第2クリーニング機構18が、第2保持機構6に保持されている複数の製品Pの下面側(マーク面)をクリーニングする。
【0054】
クリーニングの後、第2保持機構6に保持された複数の製品Pは、検査部141で下面側(マーク面)の検査が行われ、その後、反転機構16に受け渡され、反転機構16によりマーク面が吸着保持された後、反転される。反転後、反転機構16が反転用移動機構17により移動し、検査部142で製品Pの実装面が検査される。このように両面検査がされた後、製品Pは反転機構16から移載テーブル5に受け渡される。製品Pが載置された移載テーブル5は、移載用移動機構15によって取り出し位置に移動する。そして、移載テーブル5に載置された複数の製品Pは、検査部14による検査結果(良品、不良品など)に応じて、仕分け機構20によって各種トレイ21に仕分けされる。
【0055】
<保持用プレートM1の自動交換機能>
さらに本実施形態の切断装置100は、封止済基板W又は製品Pを保持するための保持用プレートM1を自動的に交換できる機能を有している。
【0056】
本実施形態では、
図3に示すように、封止済基板Wを切断するための切断用テーブル2A、2B、製品Pを検査するための検査用テーブル(保持テーブル161)、製品Pが仕分け前(収容前)に載置される移載テーブル5、及び、製品Pを搬送するために保持する搬送用保持機構(第2保持機構6)が、交換可能な保持用プレートM1と、保持用プレートM1が着脱可能に取り付けられ、保持用プレートM1を用いて封止済基板W又は製品Pを保持する保持ベース部M2とを有している。なお、
図3では、切断用テーブル2A、2Bの保持用プレートM1及び保持ベース部M2を代表して示しているが、保持テーブル161、移載テーブル5及び第2保持機構6も、保持用プレートM1及び保持ベース部M2を有する構成は同じである。
【0057】
具体的に切断装置100は、
図1及び
図4に示すように、保持用プレートM1を収容するプレート収容部24と、保持用プレートM1をプレート収容部24及び保持ベース部M2の間で搬送するプレート搬送機構25とを備えている。
【0058】
保持用プレートM1は、封止済基板W又は製品Pを吸着するための図示しない吸着部(吸着孔)が形成されており、保持ベース部M2に取り付けられることによって、当該保持ベース部M2に設けられた吸着流路M21を介して封止済基板W又は製品Pを吸着する(
図3参照)。また、保持用プレートM1は、切断用テーブル2A、2Bに用いられるもの、保持テーブル161に用いられるもの、移載テーブル5に用いられるもの、及び、第2保持機構6に用いられるもので、形状又は吸着部の構成などが異なっている。なお、保持用プレートM1は、切断用テーブル2A、2Bに用いられるもの、保持テーブル161に用いられるもの、移載テーブル5に用いられるもの、及び、第2保持機構6に用いられるもので、形状又は吸着部の構成などが共通化して同じにしてもよい。さらに、各種保持用プレートM1は、封止済基板W又は製品Pごとに形状又は吸着部の構成などが異なり、封止済基板W又は製品Pに合わせて選択される。
【0059】
また、切断装置100は、
図3に示すように、保持ベース部M2に対して保持用プレートM1を着脱可能に構成するための固定機構26が設けられている。具体的に固定機構26は、保持用プレートM1に形成された固定用挿入孔261と、保持ベース部M2に設けられ、保持用プレートM1に形成された固定用挿入孔261に挿入される固定用シリンダ部262を有している。
【0060】
固定用シリンダ部262は、いわゆるチャックシリンダと呼ばれるものであり、
図5に示すように、固定用挿入孔261に挿入されるシリンダ本体262aと、シリンダ本体262aの外側周面から突出した位置及び没入した位置で移動可能に設けられた球状の可動子262bと、当該可動子262bをシリンダ本体262aに対して突出した位置となるように力を付与する弾性体262cとを有し、圧縮空気を供給することによって、可動子262bが突出した位置(
図5(a))と没入した位置(
図5(b))とで切り替えられるように構成されている。
【0061】
さらに、固定用シリンダ部262は、ピストン部262dを有する。このピストン部262dは、シリンダ本体262aの内部において、可動子262b及び弾性体262cの間に介在され、圧縮空気によりシリンダ本体262aの内部を移動することによって、可動子262bを突出した位置及び没入した位置の間で切り替える。このピストン部262dは、圧縮空気の供給が開始されると、弾性体262cから受ける力に対抗してシリンダ本体262aの内部を移動し、可動子262bを没入した位置に移動させ(
図5(b))、圧縮空気の供給が停止されると、弾性体262cから受ける力によってシリンダ本体262aの内部を移動し、可動子262bを突出した位置に移動させる(
図5(a))。
【0062】
また、保持用プレートM1に形成された固定用挿入孔261は、
図5に示すように、固定用シリンダ部262が挿入された状態において、可動子262bが突出した位置となったときに、当該可動子262bが引っ掛かり、固定用シリンダ部262が抜けないようにする凸部261aを有している。この凸部261aは、突出した位置にある可動子262bが引っ掛かり、没入した位置にある可動子262bは引っ掛からない。このため、固定用シリンダ部262が固定用挿入孔261に挿入された状態で、可動子262bが突出した位置とすることにより、保持ベース部M2に対して保持用プレートM1が固定される(
図5(a)参照)。一方、固定用シリンダ部262が固定用挿入孔261に挿入された状態で、可動子262bが没入した位置とすることにより、保持ベース部M2に対する保持用プレートM1の固定が解除される(
図5(b)参照)。
【0063】
プレート収容部24は、交換前後(使用前後)の保持用プレートM1を収容するものであり、本実施形態では、トランスファ軸71の奥側であり、取り出し位置X2にある移載テーブル5よりも奥側に設けられている。また、プレート収容部24は、後述するプレート出入機構25dによる保持用プレートM1の出し入れを容易にするために、昇降移動機構240によって、昇降移動可能に設けられている(
図1参照)。このプレート収容部24は、
図4に示すように、各保持用プレートM1が載置されるスライド棚部241を有している。本実施形態では、上側複数段のスライド棚部241を交換前の新しい保持用プレートM1を収容するものとし、下側複数段のスライド棚部241を交換後の古い保持用プレートM1を収容するものとしている。このプレート収容部24は、例えばプレート搬送機構25により対象となるスライド棚部241が前方にスライドされることにより、当該スライド棚部241に使用後の古い保持用プレートM1が載置される、又は、使用前の新しい保持用プレートM1が取り出される。なお、スライド棚部241の前辺部には引っ掛け部241aが設けられており、当該引っ掛け部241aを用いて引き出される。
【0064】
<プレート搬送機構25>
プレート搬送機構25は、保持ベース部M2から取り外された保持用プレートM1をプレート収容部24に搬送し、プレート収容部24にある保持用プレートM1を保持ベース部M2に搬送するものである。
【0065】
具体的にプレート搬送機構25は、
図1及び
図4に示すように、第2保持機構6及び搬送用移動機構7を用いて構成された第1搬送機構25aと、反転機構16及び反転用移動機構17を用いて構成された第2搬送機構25bと、移載テーブル5及び移載用移動機構15を用いて構成された第3搬送機構25cと、保持用プレートM1をプレート収容部24及び移載テーブル5の間で搬送するプレート出入機構25dとを有している。
【0066】
第1搬送機構25aは、第2保持機構6及び搬送用移動機構7を用いて構成されており、切断用テーブル2A、2B又は保持テーブル161の保持ベース部M2と反転機構16の保持テーブル161との間で保持用プレートM1を搬送するものである。
【0067】
第1搬送機構25aとなる第2保持機構6は、
図6に示すように、保持用プレートM1に形成された搬送用保持孔281(
図3参照)に挿入される搬送用シリンダ部282を有している。本実施形態では、第2保持機構6の保持ベース部M2の固定用シリンダ部262を用いて搬送用シリンダ部282を構成している。搬送用保持孔281は、上述した固定機構26の固定用挿入孔261と同様の構成である。なお、搬送用保持孔281と固定用挿入孔261とは、上下逆の構成である。なお、第2保持機構6は、搬送用シリンダ部282の代わりに、保持用プレートM1の縁部に引っ掛けて保持する保持爪を用いても良い。第2保持機構6は、保持用プレートM1を保持する部分を昇降可能に構成され、保持用プレートM1を保持した部分を上昇させて上昇位置とした状態で、保持用プレートM1を搬送することができる。ここで、「上昇位置」とは、交換する対象の保持ベース部M2に取り付けられた保持用プレートM1の位置又は搬送中に取り得る最も低い保持用プレートM1の位置より、保持用プレートM1を上昇させた高さの位置を意味する。
【0068】
第2搬送機構25bは、反転機構16及び反転用移動機構17を用いて構成されており、第2保持機構6と移載テーブル5との間で保持用プレートM1を搬送するものである。なお、第2搬送機構25bにより保持用プレートM1を搬送する際には、移載テーブル5は、製品Pが受け渡される移載位置X1にある。
【0069】
第3搬送機構25cは、移載テーブル5及び移載用移動機構15を用いて構成されており、保持用プレートM1を後述するプレート出入機構25dによって出し入れされる位置に移動させるものである。具体的に第3搬送機構25cを構成する移載用移動機構15は、移載テーブル5の保持ベース部M2を移載位置X1と出し入れ位置X3との間で移動させる。なお、出し入れ位置X3は、上述した取り出し位置X2と同じ位置であっても良いし、異なる位置であっても良い。
【0070】
プレート出入機構25dは、出し入れ位置X3にある移載テーブル5の保持ベース部M2とプレート収容部24との間で保持用プレートM1を搬送するものである。プレート出入機構25dは、保持用プレートM1を保持するプレート保持機構251と、当該プレート保持機構251を移動させる出入用移動機構252とを有している。プレート保持機構251は、保持用プレートM1に形成された搬送用保持孔281(
図3参照)に挿入される搬送用シリンダ部を有する構成としても良いし、保持用プレートM1の縁部に引っ掛けて保持する保持爪を有する構成としても良いし、保持用プレートM1を吸着保持する吸着部を有する構成としても良い。
【0071】
また、出入用移動機構252は、
図4に示すように、プレート保持機構251をY方向に移動させるY方向移動部252aと、プレート保持機構251をZ方向に移動させるZ方向移動部252bとを備えている。なお、出入用移動機構252は、プレート保持機構251をX方向に移動させるX方向移動部を有していても良い。各移動部252a、252bは、例えば、例えば、ラックアンドピニオン機構を用いたものであっても良いし、ボールねじ機構を用いたものであっても良いし、エアシリンダを用いたものであっても良いし、リニアモータを用いたものであっても良い。
【0072】
<保持用プレートM1の検査機構29>
本実施形態の切断装置100は、
図3及び
図6に示すように、保持ベース部M2に対する保持用プレートM1の取り付け状態を検査する検査機構29をさらに備えている。
【0073】
この検査機構29は、保持用プレートM1が搭載される搭載面M22に開口する検査用流路29aと、検査用流路29aに設けられ、開口からの流体の漏れを検知する検知センサ(不図示)とを有している。検査用流路29aは、保持ベース部M2の搭載面M22に形成された開口を有しており、圧縮空気が供給されるものである。また、検知センサは、検査用流路29aを流れる圧縮空気の圧力又は流量を検出することによって、開口からの圧縮空気の漏れを検知するものである。この検査機構29により、保持ベース部M2の搭載面M22に保持用プレートM1が密着して固定されているか否かがわかる。検査機構29により保持ベース部M2の搭載面M22に保持用プレートM1が密着していない場合には、固定機構26により固定を解除して、再度保持用プレートM1を取り付け直すことができる。
【0074】
<保持用プレートM1の交換動作>
次に本実施形態のプレート搬送機構25による保持用プレートM1の交換動作について、
図7及び
図8を参照して説明する。
【0075】
なお、以下の交換動作において、プレート収容部24から保持用プレートM1を取り出す際の保持用プレートM1の判別は、保持用プレートM1に設けられたRFIDなどの識別子を、プレート搬送機構25(プレート出入機構25d)に設けられた識別子リーダ(不図示)により読み取ることにより行う。
【0076】
(1)移載テーブル5の保持用プレートM1の交換動作(
図7(a)参照)
【0077】
移載位置X1にある移載テーブル5が、移載用移動機構15により、出し入れ位置X3に移動する。そして、移載テーブル5の保持用プレートM1を取り外す。なお、移載テーブル5の保持用プレートM1を取り外す際には、固定用シリンダ部262に圧縮空気を供給して可動子262bを没入した位置にして固定機構26の固定を解除する。
【0078】
プレート出入機構25dは、出し入れ位置X3にある移載テーブル5から移載テーブル5の保持用プレートM1を受け取り、プレート収容部24のスライド棚部241に保持用プレートM1を載置して収容する。
【0079】
次に、プレート出入機構25dが、プレート収容部24から新しい保持用プレートM1を取り出して移載テーブル5の保持ベース部M2に搬送し、保持用プレートM1を下降させて載置する。この状態で、固定用シリンダ部262に圧縮空気を供給して可動子262bを没入した位置にすると、保持用プレートM1が下降して固定用シリンダ部262が保持用プレートM1の固定用挿入孔261に入り、その後、圧縮空気の供給を停止すると、可動子262bが突出した位置となり、移載テーブル5の保持ベース部M2に対して保持用プレートM1が固定される。
【0080】
(2)保持テーブル161の保持用プレートM1の交換動作(
図7(b)参照)
保持テーブル161の保持用プレートM1を交換する場合には、移載テーブル5の保持用プレートM1を予め取り外しておく。
【0081】
保持テーブル161が、反転用移動機構17により、移載位置X1にある移載テーブル5に移動する。そして、保持テーブル161の保持用プレートM1を取り外し、移載テーブル5に保持用プレートM1を受け渡す。なお、保持テーブル161の保持用プレートM1を取り外す際には、固定用シリンダ部262に圧縮空気を供給して可動子262bを没入した位置にして固定機構26の固定を解除する。
【0082】
次に、保持テーブル161の保持用プレートM1が受け渡された移載テーブル5は、移載用移動機構15により、移載位置X1から出し入れ位置X3に移動する。そして、プレート出入機構25dは、出し入れ位置X3にある移載テーブル5から保持テーブル161の保持用プレートM1を受け取り、プレート収容部24のスライド棚部241に保持用プレートM1を載置して収容する。
【0083】
次に、プレート出入機構25dが、プレート収容部24から新しい保持用プレートM1を取り出して移載テーブル5に搬送し、保持用プレートM1を下降させて載置する。保持用プレートM1が載置された移載テーブル5は、移載用移動機構15により、出し入れ位置X3から移載位置X1に移動する。
【0084】
そして、保持テーブル161の保持ベース部M2が、反転用移動機構17により、移載位置X1にある移載テーブル5に移動する。そして、保持テーブル161の保持ベース部M2が、移載テーブル5から保持用プレートM1を受け取る。ここで、固定用シリンダ部262に圧縮空気を供給して可動子262bを没入した位置にすると、固定用シリンダ部262が保持用プレートM1の固定用挿入孔261に入り、その後、圧縮空気の供給を停止すると、可動子262bが突出した位置となり、保持テーブル161の保持ベース部M2に対して保持用プレートM1が固定される。
【0085】
(3)第2保持機構6の保持用プレートM1の交換動作(
図8(a)参照)
第2保持機構6の保持用プレートM1を交換する場合には、移載テーブル5の保持用プレートM1、及び、保持テーブル161の保持用プレートM1を予め取り外しておく。
【0086】
搬送用移動機構7により第2保持機構6を保持テーブル161に移動させるとともに、保持用プレートM1を下降させて取り外し、保持テーブル161に保持用プレートM1を載置する。なお、第2保持機構6の保持用プレートM1を取り外す際には、固定用シリンダ部262に圧縮空気を供給して可動子262bを没入した位置にして固定機構26の固定を解除する。
【0087】
第2保持機構6の保持用プレートM1が載置された保持テーブル161は、反転用移動機構17により、移載位置X1にある移載テーブル5に移動し、移載テーブル5に保持用プレートを受け渡す。
【0088】
次に、第2保持機構6の保持用プレートM1が受け渡された移載テーブル5は、移載用移動機構15により、移載位置X1から出し入れ位置X3に移動する。そして、プレート出入機構25dは、出し入れ位置X3にある移載テーブル5から第2保持機構6の保持用プレートM1を受け取り、プレート収容部24のスライド棚部241に保持用プレートM1を載置して収容する。
【0089】
次に、プレート出入機構25dが、プレート収容部24から新しい保持用プレートM1を取り出して移載テーブル5に搬送し、保持用プレートM1を下降させて載置する。保持用プレートM1が載置された移載テーブル5は、移載用移動機構15により、出し入れ位置X3から移載位置X1に移動する。
【0090】
そして、保持テーブル161の保持ベース部M2が、反転用移動機構17により、移載位置X1にある移載テーブル5に移動する。そして、保持テーブル161が、移載テーブル5から新しい保持用プレートM1を受け取り、第2保持機構6に受け渡す位置に移動する。
【0091】
その後、搬送用移動機構7により第2保持機構6を保持テーブル161に移動させ、保持ベース部M2を下降させて、保持テーブル161に載置された新しい保持用プレートM1が取り付けられる。ここでは、搬送用移動機構7により第2保持機構6の保持ベース部M2に設けられた固定用シリンダ部262が保持用プレートM1に形成された固定用挿入孔261に差し込まれる。この状態で、固定用シリンダ部262に圧縮空気を供給して可動子262bを没入した位置にすると、固定用シリンダ部262が保持用プレートM1の固定用挿入孔261に入り、その後、圧縮空気の供給を停止すると、可動子262bが突出した位置となり、第2保持機構6の保持ベース部M2に対して保持用プレートM1が固定される。
【0092】
なお、第2保持機構6の保持用プレートM1の交換動作は、保持テーブル161を用いること無く、搬送用移動機構7により第2保持機構6を移載テーブル5に直接移動させることにより行うこともできる。
【0093】
(4)切断用テーブル2A、2Bの保持用プレートM1の交換動作(
図8(b)参照)
切断用テーブル2A、2Bの保持用プレートM1を交換する場合には、移載テーブル5の保持用プレートM1、保持テーブル161の保持用プレートM1、及び、第2保持機構6の保持用プレートM1を予め取り外しおく。
【0094】
切断用テーブル2A、2Bの保持用プレートM1を取り外し、第1搬送機構25a(搬送用移動機構7及び第2保持機構6)により保持用プレートM1を上昇させて上昇位置とした状態で保持テーブル161に搬送し、保持用プレートM1を下降させて載置する。なお、切断用テーブル2A、2Bの保持用プレートM1を取り外す際には、固定用シリンダ部262に圧縮空気を供給して可動子262bを没入した位置にして固定機構26の固定を解除する。
【0095】
切断用テーブル2A、2Bの保持用プレートM1が載置された保持テーブル161は、反転用移動機構17により、移載位置X1にある移載テーブル5に移動し、移載テーブル5に保持用プレートM1を受け渡す。
【0096】
次に、切断用テーブル2A、2Bの保持用プレートM1が受け渡された移載テーブル5は、移載用移動機構15により、移載位置X1から出し入れ位置X3に移動する。そして、プレート出入機構25dは、出し入れ位置X3にある移載テーブル5から切断用テーブル2A、2Bの保持用プレートM1を受け取り、プレート収容部24のスライド棚部241に保持用プレートM1を載置して収容する。
【0097】
次に、プレート出入機構25dが、プレート収容部24から新しい保持用プレートM1を取り出して移載テーブル5に搬送し、保持用プレートM1を下降させて載置する。保持用プレートM1が載置された移載テーブル5は、移載用移動機構15により、出し入れ位置X3から移載位置X1に移動する。
【0098】
そして、保持テーブル161の保持ベース部M2が、反転用移動機構17により、移載位置X1にある移載テーブル5に移動する。そして、保持テーブル161が、移載テーブル5から新しい保持用プレートM1を受け取り、第2保持機構6に受け渡す位置に移動する。
【0099】
その後、第2搬送機構25b(搬送用移動機構7及び第2保持機構6)が、保持用プレートM1を切断用テーブル2A、2Bの保持ベース部M2に上昇位置とした状態で搬送し、保持用プレートM1を下降させて載置する。この状態で、固定用シリンダ部262に圧縮空気を供給して可動子262bを没入した位置にすると、固定用シリンダ部262が保持用プレートM1の固定用挿入孔261に入り、その後、圧縮空気の供給を停止すると、可動子262bが突出した位置となり、切断用テーブル2A、2Bの保持ベース部M2に対して保持用プレートM1が固定される。
【0100】
なお、切断用テーブル2A、2Bの保持用プレートM1の交換動作は、保持テーブル161を用いること無く、搬送用移動機構7により第2保持機構6を移載テーブル5に直接移動させることにより行うこともできる。
【0101】
さらに、移載テーブル5、保持テーブル161、切断用テーブル2A、2B及び第2保持機構6の保持用プレートM1の交換を一連の動作としても行ってもよい。例えば、移載テーブル5、保持テーブル161、第2保持機構6及び切断用テーブル2A、2Bの保持用プレートM1をこの順に取り外し、その後、切断用テーブル2A、2B、第2保持機構6、保持テーブル161及び移載テーブル5の保持用プレートM1をこの順で取り付けることが考えられる。
【0102】
<本実施形態の効果>
本実施形態の切断装置100によれば、保持ベース部M2から取り外された保持用プレートM1をプレート収容部24に搬送し、プレート収容部24にある保持用プレートM1を保持ベース部M2に搬送するプレート搬送機構25を有するので、保持ベース部M2に対して保持用プレートM1を自動的に交換することができる。その結果、保持用プレートM1を交換するための人件費を削減することができる。また、保持用プレートM1を自動的に交換するので、保持用プレートM1の交換時間を短縮することができ、切断装置100の生産性を向上することができる。さらに、保持ベース部M2に対する保持用プレートM1の取り付け状態のばらつきを低減することができる。
【0103】
<本発明の変形実施形態>
例えば、前記第1実施形態では、切断用テーブル2A、2B、検査用テーブル(保持テーブル161)、移載テーブル5、及び、搬送用保持機構(第2保持機構6)それぞれの保持用プレートM1を自動的に交換する構成であったが、切断用テーブル2A、2B、検査用テーブル(保持テーブル161)、移載テーブル5、及び、搬送用保持機構(第2保持機構6)の少なくとも1つを自動的に交換する構成としても良い。
【0104】
前記実施形態のプレート搬送機構25は、第2保持機構6及び搬送用移動機構7を用いない構成としても良いし、移載テーブル5及び移載用移動機構15を用いない構成としても良いし、反転機構16及び反転用移動機構17を用いない構成としても良い。
【0105】
例えば移載テーブル5及び移載用移動機構15を用いない構成、又は、反転機構16及び反転用移動機構17を用いない構成を用いない構成とする場合、プレート収容部24を第2保持機構6がアクセス可能な位置(例えば反転機構16と移載テーブル5との間)に配置することによって、プレート搬送機構25を移載テーブル5及び移載用移動機構15、又は、反転機構16及び反転用移動機構17を用いること無く、第2保持機構6及び搬送用移動機構7により構成することができる。
【0106】
また、
図9に示すように、トレイ収容部23をトランスファ軸71の手前側に配置するとともに、トランスファ軸71を第2保持機構6がトレイ収容部23に移動できる位置まで延ばした構成としても良い。この構成であれば、第2保持機構6及び搬送用移動機構7を用いてプレート搬送機構25を構成することができる。この構成の場合には、プレート収容部24の下方にトレイ移動機構22のガイドレール22bを設けることにより、プレート収容部24とトレイ移動機構22が干渉しない構成とする。
【0107】
また、前記第1実施形態のプレート収容部24は、切断用テーブル2A、2B、検査用テーブル(保持テーブル161)、移載テーブル5、及び、搬送用保持機構(第2保持機構6)それぞれの保持用プレートM1を収容するものであったが、保持用プレートM1の種類に応じて専用のプレート収容部24を複数設ける構成としても良い。
【0108】
前記実施形態のプレート収容部24及びプレート出入機構25dをユニット化しても良い。このようにプレート収容部24及びプレート出入機構25dをユニット化することによって、既存の切断装置に外付けすることができる。
【0109】
前記実施形態はトレイ収容する切断装置であったが、トレイ収容に限られず、以下の収容を行うものであっても良い。
【0110】
例えば、
図10に示すように、切断装置100は、複数の製品Pを粘着面101xを有する貼付部材101に貼り付けて収容(「リング収容」とも呼ばれる。)するものであっても良い。このリング収容する切断装置100における保持用プレートM1の自動交換機能は、前記実施形態と同じである。
【0111】
具体的に貼付部材は、
図11に示すように、例えば円環状又は矩形状をなす枠状部材101aと、当該枠状部材101aの内側に配置された粘着面101xを有する樹脂シート101bとを備えている。枠状部材101aは、例えばステンレス等の金属製のものである。また、樹脂シート101bは、例えば、樹脂製のシート状基材101b1と、当該シート状基材101b1の上面に塗布された接着剤からなる接着層(粘着層)101b2とを備えている。なお、接着層(粘着層)101b2の上面が粘着面101xとなる。
【0112】
この場合、移載テーブル5は、複数の製品Pを貼付部材101に貼り付ける前に、複数の製品Pが一時的に載置されるものとなる。そして、移載テーブル5は、移載用移動機構15によって、第2保持機構6により複数の製品Pが載置される移載位置X1と、貼付用搬送機構102により複数の製品Pが搬送される取り出し位置X2との間で移動する。
【0113】
移載テーブル5に載置された複数の製品Pは、検査部14による検査結果(良品、不良品など)に応じて、貼付用搬送機構102によって貼付部材101に貼り付けられる。貼付部材101は、載置テーブル103に載置されている。載置テーブル103は、
図10に示すように、Y方向に沿って移動可能に設けられている。そして、載置テーブル103は、載置用移動機構104によって、貼付部材搬送機構105により貼付部材101が搬送される貼付部材搬送位置X4と、貼付用搬送機構102により複数の製品Pが搬送される貼り付け位置X5との間で移動する。なお、載置用移動機構104は、載置テーブル103をY方向に沿ってガイドするガイドレール104aと、当該ガイドレール104a上で載置テーブル103を移動させる駆動部(不図示)とを有している。また、貼付部材搬送機構105は、貼付部材101を、貼付部材搬送位置X4にある載置テーブル103と貼付部材101を収容する貼付部材収容部106との間で搬送するものである。この貼付部材搬送機構105は、貼付部材101の枠状部材101aを吸着して保持する。
【0114】
また、
図12に示すように、切断装置100は、複数の製品Pを筒状容器107に収容(「チューブ収容」とも呼ばれる。)できるように構成されている。なお、筒状容器107は、チューブ、マガジンスティック、スティックマガジン、スティックなどと呼ばれることがある。このチューブ収容する切断装置100における保持用プレートM1の自動交換機能は、前記実施形態と同じである。
【0115】
具体的に筒状容器107は、
図13に示すように、複数の製品Pを列状に整列した状態で収容するものである。具体的に筒状容器107は、直線状に延びる形状を有しており、内部に製品Pを収容する空間を有している。また、筒状容器107の長手方向に直交する断面形状は、製品Pの断面形状に対応した形状である。製品Pは、筒状容器107の一端開口部107xから搬送収容機構108によって挿入される。なお、
図13に示す筒状容器107は、長手方向に沿って延びる側周壁の一部が空いている構成であるが、前記側周壁が閉じた構成であっても良い。また、筒状容器107は、複数の製品Pを一列に整列した状態で収容する構成の他に、複数の製品Pを複数列に整列した状態で収容する構成のものであっても良い。さらに、筒状容器107は、樹脂製のものであっても良いし、金属製のものであっても良い。また、
図13には製品Pとしてリードがある形態を示しているが、QFN等のノンリードタイプであっても良い。
【0116】
この場合、移載テーブル5は、複数の製品Pを筒状容器107に収容する前に、複数の製品Pが一時的に載置されるものとなる。そして、移載テーブル5は、移載用移動機構15によって、第2保持機構6により複数の製品Pが載置される移載位置X1と、搬送収容機構108により複数の製品Pが搬送される取り出し位置X2との間で移動する。
【0117】
移載テーブル5に載置された複数の製品Pは、検査部14による検査結果(良品、不良品など)に応じて、搬送収容機構108によって筒状容器107に収容される。筒状容器107は、容器設置部109に載置されている。なお、
図13の容器設置部109は、空の筒状容器109を収容する部分と、製品Pを一端開口部109xから挿入する空の筒状容器109を配置する部分と、製品Pが満載となった又は所望の個数が収容された収容済の筒状容器109を収容する部分とを備えている。また、搬送収容機構108は、複数の製品Pを取り出し位置X2にある移載テーブル5から中間テーブル108aに搬送し、当該中間テーブル108aから筒状容器107に製品Pを搬送して収容するものである。
【0118】
また、
図14に示すように、切断装置100は、複数の製品Pをばらばらの状態で収容ボックスに収容(「バルク収容」とも呼ばれる。)するものであっても良い。
【0119】
この切断装置100は、前記実施形態とは異なり、移載テーブル5、仕分け機構20、及び検査部14等の代わりに、乾燥用テーブル110及び収容ボックス111を備えており、トランスファ軸71は、第2保持機構6が収容ボックス111の上方に移動できる範囲で設けられている。そして、第2保持機構6が搬送用移動機構7により、複数の製品Pを切断用テーブル2A、2Bから乾燥用テーブル110に搬送し、乾燥用テーブル110から収容ボックス111に搬送する。乾燥用テーブル110は、第2クリーニング機構18によりクリーニングされた複数の製品Pをさらに乾燥するためのものである。乾燥用テーブル110は、第2保持機構6及び搬送用移動機構7により複数の製品Pが搬送されて載置されるものである。この乾燥用テーブル110は、複数の製品Pを吸着して保持する。この乾燥用テーブル110には、乾燥用テーブル110に載置された複数の製品Pを乾燥する乾燥機構(不図示)を備えている。なお、乾燥機構は、乾燥用テーブル110の上方から気体である圧縮空気を噴射して、乾燥用テーブル110に吸着保持された複数の製品Pを乾燥するものである。
【0120】
収容ボックス111は、複数の製品Pをばらばらの状態で収容するものであり、第2保持機構6から複数の製品Pを掻き落とす例えば樹脂製の掻き落とし部材112を備えている。そして、掻き落とし部材112に対して第2保持機構6をX方向に移動させることにより、製品Pが掻き落とされて落下して収容ボックス111に収容される。なお、掻き落とし部材112を設けずに、第2保持機構6により吸着保持を解除した後に、第2保持機構6からガスを噴射することによって、複数の製品Pを落下させる構成にすることもできる。また、掻き落とし部材112を収容ボックス111に固定する構成の他、他の部材に固定しても良いし、又は、掻き落とし部材112を移動可能に構成して、第2保持機構6に対して掻き落とし部材112が移動することにより、複数の製品Pを掻き落とす構成としても良い。
【0121】
そして、バルク収容の切断装置100におけるプレート搬送機構25は、前記各実施形態とは異なり、第2保持機構6及び搬送用移動機構7を用いて構成されている。ここで、プレート搬送機構25を構成する第2保持機構6は、第1実施形態と同様に、保持用プレートM1に形成された搬送用保持孔281(
図3参照)に挿入される搬送用シリンダ部282を有している(
図6参照)。
【0122】
このプレート搬送機構25(第2保持機構6及び搬送用移動機構7)により、
図15に示すように、第2保持機構6の保持用プレートM1、乾燥用テーブル110の保持用プレートM1、及び、切断用テーブル2A、2Bの保持用プレートM1の交換動作を行う。
【0123】
ここで、切断用テーブル2A、2Bの保持用プレートM1の交換動作、及び、乾燥用テーブル110の保持用プレートM1の交換動作を行う場合には、プレート搬送機構25を構成する第2保持機構6の保持用プレートM1を予め取り外しおく。また、切断用テーブル2A、2Bの保持用プレートM1の交換動作と、乾燥用テーブル110の保持用プレートM1の交換動作とはどちらを先に行っても構わない。また、切断用テーブル2A、2B及び乾燥用テーブル110の保持ベース部M2から保持用プレートM1を取り外し、その後、切断用テーブル2A、2B及び乾燥用テーブル110の保持ベース部M2に新しい保持用プレートM1を取り付けることもできる。
【0124】
さらに、第2保持機構6、切断用テーブル2A、2B及び乾燥用テーブル110の保持用プレートM1の交換を一連の動作としても良いし、第2保持機構6、切断用テーブル2A、2B又は乾燥用テーブル110の少なくとも1つにおける保持用プレートM1の交換を個別に行うようにしても良い。このとき、切断用テーブル2A、2B又は乾燥用テーブル110の保持用プレートM1を交換する際には、プレート搬送機構25を構成する第2保持機構6の保持用プレートM1を予め取り外しておく。
【0125】
前記各実施形態では、ツインカットテーブル方式であって、ツインスピンドル構成の切断装置を説明したが、これに限らず、シングルカットテーブル方式であって、シングルスピンドル構成の切断装置や、シングルカットテーブル方式であって、ツインスピンドル構成の切断装置などであってもよい。
【0126】
また、切断装置(加工装置)100を、第2クリーニング機構18と検査部14又は乾燥用テーブル110との間で分離及び連結可能(着脱可能)なモジュール構成とすることができる。この場合、例えば、第2クリーニング機構18側のモジュールと、検査部14側のモジュール又は乾燥用テーブル110側のモジュールとの間に、検査部14での検査とは異なる種類の検査を行うモジュールを追加することができる。なお、ここに例示した構成以外にも、切断装置(加工装置)100をどこで分離及び連結可能(着脱可能)なモジュール構成としてもよく、追加するモジュールを検査以外の様々な機能のモジュールとしてもよい。
【0127】
また、本発明の加工装置は、切断以外の加工を行うものであってもよく、例えば切削や研削などのその他の機械加工を行うものであってもよい。
【0128】
その他、本発明は前記実施形態に限られず、その趣旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能であるのは言うまでもない。
【符号の説明】
【0129】
100・・・切断装置(加工装置)
W・・・封止済基板(加工対象物)
P・・・製品(加工品)
2A、2B・・・切断用テーブル(加工用テーブル)
4・・・切断機構(加工機構)
5・・・移載テーブル(プレート搬送機構)
6・・・第2保持機構(搬送用保持機構、プレート搬送機構)
7・・・搬送用移動機構(プレート搬送機構)
15・・・移載用移動機構(プレート搬送機構)
161・・・保持テーブル(検査用テーブル)
M2・・・保持ベース部
M1・・・保持用プレート
21・・・トレイ
22・・・トレイ移動機構
24・・・プレート収容部
25・・・プレート搬送機構
25d・・・プレート出入機構
261・・・固定用挿入孔
262・・・固定用シリンダ部
262a・・・シリンダ本体
262b・・・可動子
262c・・・弾性体
281・・・搬送用保持孔
282・・・搬送用シリンダ部
29・・・検査機構
29a・・・検査用流路
101・・・貼付部材
101x・・粘着面
103・・・載置テーブル
107・・・筒状容器
107x・・・一端開口部
109・・・容器設置部
111・・・収容ボックス