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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023050987
(43)【公開日】2023-04-11
(54)【発明の名称】間仕切り
(51)【国際特許分類】
   E04B 2/74 20060101AFI20230404BHJP
   E05D 15/00 20060101ALI20230404BHJP
   E05D 15/06 20060101ALI20230404BHJP
   E05F 5/02 20060101ALI20230404BHJP
【FI】
E04B2/74 561A
E05D15/00 G
E05D15/00 B
E05D15/00 D
E05D15/06 119
E05F5/02 K
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021161396
(22)【出願日】2021-09-30
(71)【出願人】
【識別番号】000250672
【氏名又は名称】立川ブラインド工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】地引 えりか
【テーマコード(参考)】
2E034
【Fターム(参考)】
2E034CA04
(57)【要約】
【課題】パネル部材と対向壁面との間に隙間を少なくし気密性の低下を抑える間仕切りを提供する。
【解決手段】一対の縦框13,14と一対の横框とを有するパネル部材が上部レール部材に沿って移動するランナから吊下げ支持された間仕切りであって、前記縦框は、突き当てられる壁面と当たりを緩和するクッション部材が31上下方向に延びており、クッション部材31は、壁面との当たりを緩和するクッション部32と、縦框13,14に対する取付部33と、パネル部材と対向する対向壁面5に向って延びる隙間隠し片34と、を備える。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一対の縦框と一対の横框とを有するパネル部材が上部レール部材に沿って移動するランナから吊下げ支持された間仕切りであって、
前記縦框は、クッション部材が上下方向に延びており、
前記クッション部材は、クッション部と、前記縦框に対する取付部と、前記パネル部材と対向する対向壁面に向って延びる隙間隠し片と、を備える
間仕切り。
【請求項2】
前記上部レール部材は、前記対向壁面に固定され、
前記隙間隠し片は、前記隙間隠し片の前記対向壁面に向って延びる方向の長さ調整が可能である
請求項1に記載の間仕切り。
【請求項3】
前記隙間隠し片は、前記上下方向に延びる切断案内部を備え、前記上下方向に切断可能である
請求項1または2に記載の間仕切り。
【請求項4】
前記切断案内部は、前記隙間隠し片の前記対向壁面に向って延びる方向に、互いに平行に複数設けられている
請求項3に記載の間仕切り。
【請求項5】
前記切断案内部は、溝である
請求項3または4に記載の間仕切り。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、間仕切りに関する。
【背景技術】
【0002】
住宅などの建築物において、内外装を改装するリフォームが行われることがある。リフォームでは、住宅内の間取りを変更したり、住宅設備の取り換えや補修が行われる。この際、部屋と部屋や部屋と廊下を仕切る戸や襖を新たな間仕切りに取り換えることもある。
【0003】
間仕切りは、正面付けにより設置されている。すなわち、間仕切りは、床面に対して垂直な取付壁面に対して上部レールが固定され、上部レールを走行するランナを介して吊下げられる(特許文献1参照)。
【0004】
部屋と部屋とを繋ぐ開口部分や部屋と廊下を繋ぐ開口部分は、開口縁に沿って三方枠などの枠が設けられている。このような枠は、パネル部材と対向する対向壁面に対して数mmから数cm程度、開口部分周辺の対向壁面に対して突出している。したがって、天井付けの間仕切りは、この枠とパネル部材が接触しないように取り付ける必要がある。したがって、間仕切りは、パネル部材が開口部分周辺の対向壁面に対して離間して位置することになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2013-249588号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
枠外において、枠と接触しないように間仕切りを取り付けたときには、パネル部材と対向壁面との間に隙間が間仕切りの取付壁面からの持ち出した距離の分だけ大きく形成されてしまう。このため、各部屋の密閉性を低下させることになり、冷暖房効率の更なる向上が難しい。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するための間仕切りは、一対の縦框と一対の横框とを有するパネル部材が上部レール部材に沿って移動するランナから吊下げ支持された間仕切りであって、前記縦框は、クッション部材が上下方向に延びており、前記クッション部材は、クッション部と、前記縦框に対する取付部と、前記パネル部材と対向する対向壁面に向って延びる隙間隠し片と、を備える。
【0008】
上記間仕切りにおいて、前記上部レール部材は、前記対向壁面に固定され、前記隙間隠し片の前記対向壁面に向って延びる方向の長さ調整が可能である構成してもよい。
上記間仕切りにおいて、前記隙間隠し片は、前記上下方向に延びる切断案内部を備え、前記上下方向に切断可能であるように構成してもよい。
【0009】
上記間仕切りにおいて、前記切断案内部は、前記隙間隠し片の前記対向壁面に向って延びる方向に、互いに平行に複数設けられているように構成してもよい。
上記間仕切りにおいて、前記切断案内部は、溝で構成してもよい。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、パネル部材と対向壁面との間に隙間を少なくし気密性の低下を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】(a)は、間仕切りの正面図、(b)は、間仕切りの側面図、(c)は、間仕切りの平面図である。
図2】上部レール部材の一部切り欠き要部正面図である。
図3】(a)は、縦框およびクッション部材の要部平面図、(b)は、隙間隠し片の拡大平面図である。
図4】上部レール部材の分解側面図である。
図5】ベースレールの正面図である。
図6】ベースレールの要部斜視図である。
図7】ベースレールに対して本体レールを取り付ける状態を示す側面図である。
図8】ベースレールに対して本体レールを取り付けた状態を示す側面図である。
図9】ベースレールの凹部に閉塞部材を取り付ける状態を示す側面図である。
図10】本体レールにパネル部材を取り付ける状態を示す要部斜視図である。
図11】本体レールにパネル部材が取り付けられた状態を示す要部側面図である。
図12】クッション部材の隙間隠し片と取付壁面との関係を示す要部平面図である。
図13】ランナストッパを本体レールに取り付ける状態を示す要部斜視図である。
図14】ランナとランナストッパとの関係を示す要部正面図である。
図15】正面カバーの取付溝に対して取付補助部材を取り付ける状態を示す要部分解斜視図である。
図16】正面カバーと取付補助部材との位置関係を示す要部背面図である。
図17】本体レールに対して正面カバーを取り付ける状態を示す要部側面図である。
図18】本体レールに対して正面カバーが取り付けられた状態を示す要部側面図である。
図19】本体レールの端面とキャップとの取付関係を示す要部斜視図である。
図20】クッション部材の変形例であって、(a)は、縦框およびクッション部材の要部平面図、(b)は、隙間隠し片の拡大平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明が適用された間仕切りについて図面を参照して説明する。
〔全体構成〕
図1(a)~(c)に示すように、本発明が適用された間仕切り1は、パネル部材2と、上部レール部材3と、を備えている。間仕切り1は、一例として、部屋と部屋とを仕切る仕切り壁や部屋と廊下戸を仕切る仕切り壁などに設けられる開口部4を開閉するために設置される。通常、開口部4の周囲は、左右に枠を備えた二方枠、上と左右に枠を備えた三方枠、上下左右に枠を備えた四方枠などの枠が設置されている。一例として、三方枠は、開口部4の上縁に配置される上枠4aと、開口部4の一対の縦側縁に配置される一対の縦枠と、を備えている。三方枠は、床面が平坦となるので、通行を円滑に行うことができ、また、物の移動も容易となる。三方枠は、壁面に対して数mmから数cm程度、開口部4の周辺の取付壁面5に対して突出している。取付壁面5は、上部レール部材3が取り付けられる壁面である。また、取付壁面5は、パネル部材2と平行な対向壁面である。
【0013】
ところで、住宅などの建築物において、内外装を改装するリフォームが行われることがある。リフォームでは、住宅内の間取りを変更したり、住宅設備の取り換えや補修が行われる。この際、部屋と部屋や部屋と廊下とを仕切るスライド式の戸や襖を、新たな間仕切り1に取り換えることもある。また、ヒンジで回動可能に支持されたドアを、新たな間仕切り1に取り換えることもある。戸や襖やドアなどが設けられている開口部4にも、三方枠などの枠が設けられている。この間仕切り1は、上部レール部材3を天井に取り付ける天井付けの他、取付壁面5に取り付ける正面付けを可能としている。一例として、上部レール部材3は、三方枠の上枠4aの上側に、取付壁面5から三方枠の高さ分離間させるように取り付けられる。これにより、パネル部材2は、三方枠と接触することなく、開口部4の開閉が可能となる。
【0014】
〔パネル部材〕
間仕切り1に用いられるパネル部材2は、パネル要素10と、上下一対の横框11,12と、左右一対の縦框13,14と、を備えている。さらに、一対の横框11,12の間に、複数の横桟15を備えている。横框11,12、縦框13,14、および、横桟15は、アルミなどの金属形材であり、中空部材である。框11~14の各々は、パネル要素10の各側縁を支持し、さらに、横桟15も、縦框13,14の間に掛け渡されることで、パネル要素10を支持する。
【0015】
パネル要素10は、一例として、デザインが施された生地や意匠シートを2枚の透光板で挟み込んで構成されている。意匠シートは、各面に、様々な模様が印刷によって形成され意匠が施されている。また、意匠シートは、一方の面、または、両面が無地であってもよい。支持シートは、光透過性を有するシートである。光透過性を有する場合、支持シートは、透明であってもよいし、半透明であってもよい。これにより、支持シートは、意匠シートを挟み込んだとき、外方から看者が意匠シートの柄を視認できる。支持シートは、柄などが印刷されていてもよい。パネル要素10は、框11~14および横桟15に支持されることから、全体として自立可能な程度に剛性を有するパネルであってもよいし、可撓性を有していてもよい。
【0016】
〔横框〕
図2に示すように、上側に位置する上側横框11は、パネル要素10の上側縁を支持する。上側横框11は、パネル部材2を吊下げ支持するためのランナ22から垂下された軸部材21が接続される。軸部材21は、上側横框11と接続するための固定プレート21aに回転不能に保持されたナット部21bと接続されている。つまり、軸部材21が回転することによって、ランナ22と上側横框11との間隔が微調整される。ランナ22は、4輪のローラ23を備えている。軸部材21は、前輪側の一対のローラ23と後輪側の一対のローラ23との間に接続されている。軸部材21は、パネル部材2の高さ調整部を備えている。
【0017】
高さ調整部は、軸部材21を回転するための操作部材となる高さ調整部材24である。高さ調整部材24は、軸部材21と一体的なナット形状を有した回転操作部である。高さ調整部材24は、一方向に回転されると同方向に軸部材21を回転させて、ランナ22に対してパネル部材2を降下させることができる。また、高さ調整部材24は、他方向に回転されると軸部材21を同方向に回転させて、ランナ22に対してパネル部材2を上昇させることができる。少なくとも、高さ調整部材24は、上側横框11と上部レール部材3との間から外部に臨み、パネル部材2が上部レール部材3から吊下げられている状態で、パネル部材2の高さ調整を行うことができるようにしている。
【0018】
上側横框11の上端は、前後を覆う覆い部材25を備えている(図1(b)参照)。覆い部材25は、一例として、ゴム材などの弾性材料による成形体である。前後の覆い部材25は、横框11の前壁および後壁から上方に延びるように配置される。前後の覆い部材25は、軸部材21を挟むように配置されることで、上側横框11と上部レール部材3との間の隙間を覆い、軸部材21などを隠すようにしている。覆い部材25は、基端部が上側横框11の上端に設けられた取付溝に係合されることによって取り付けられる。
【0019】
下側に位置する下側横框12は、パネル要素10の下側縁を支持する。下側横框12は、下部案内部材26を備えている。下部案内部材26は、パネル部材2の移動方向に一対備え、開口部4の床面に設置された下部レール部材27に係合される。下側横框12にも、下部案内部材26を隠すように、覆い部材25を備えている。
【0020】
〔クッション部材〕
左右一対の縦框13,14は、パネル要素10の縦側縁を支持する。一対の縦框13,14は、パネル要素10を支持する面とは反対側の外面に、上下方向である縦方向に沿ってクッション部材31が取り付けられている。図3(a)および(b)に示すように、クッション部材31は、開口部4を構成する縦側縁に配置された枠壁面6に突き当てられた際の衝撃を緩和する(図1(a)参照)。枠壁面6は、例えば三方枠を構成する上枠4aに対して垂直な縦枠の壁面であり、開口部4を閉じたときに突き当たる壁面である。クッション部材31は、クッション部32と、縦框13,14に取り付けるための取付部33と、隙間隠し片34と、を備えている。クッション部材31は、ゴム材などの弾性材料による成形体である。
【0021】
クッション部32は、中空構造であって、弾性変形することで枠壁面6に突き当てられた際の衝撃を緩和する。また、手や他の物が当たったときの衝撃を緩和する。取付部33は、クッション部32の裏面に設けられた脚部であって、一対の取付片33aで構成されている。一対の取付片33aは、先端部に抜け止め突起を備えている。
【0022】
一対の縦框13,14において、外面には、縦方向に沿って取付溝35を備えている。取付溝35の開口幅は、一対の取付片33aの幅より狭幅である。取付溝35には、取付片33aの抜け止め突起が内側から係止される。これにより、クッション部材31は、取付溝35からの脱落が抑制される。
【0023】
隙間隠し片34は、クッション部32に対して壁面の方向に連続して突出して設けられた弾性片である。この間仕切り1は、三方枠と干渉しないように、三方枠の枠外となる上枠4aの上側に上部レール部材3が正面付けされている。したがって、上部レール部材3は、取付壁面5に対して数mmから数cm程度離れており、その位置からパネル部材2が垂下されている。パネル部材2も取付壁面5に対して数mmから数cm程度離れることになる。このため、パネル部材2と取付壁面5との間に隙間37が形成されてしまう。この隙間37は、各部屋の密閉性を低下させることになり、冷暖房効率を低下させてしまう。隙間隠し片34は、この隙間37を塞ぐ、またはできるだけ狭くすべく設けられている。
【0024】
隙間隠し片34は、クッション部32の基端から先端までが例えば20mm程度である。隙間隠し片34の先端は、取付壁面5と常に接触して、隙間37が完全に塞がれていることが好ましい。一方で、常時、隙間隠し片34の先端が接触していると、隙間隠し片34の先端が、繰り返し取付壁面5に対して擦れることで、取付壁面5を汚損してしまうおそれがある。したがって、隙間隠し片34の先端は、取付壁面5に対して、できる限り近いが、接触しない程度には離れていることが好ましい。
【0025】
そこで、隙間隠し片34は、突出方向に対して直交する縦方向である上下方向に延びる直線形状の切断案内部36が設けられている。本実施形態において、切断案内部36は、複数本が互いに平行に設けられている。そして、複数本の切断案内部36は、取付壁面5の方向に等間隔に設けられている。各切断案内部36は、例えばV溝で構成され、切断し易く構成されている。そして、残存した切断案内部36は、隙間隠し片34を撓み易くして、取付壁面5に接触してしまった場合の折触圧を小さくすることができる。
【0026】
隙間隠し片34の先端とパネル部材2と取付壁面5との間隔は、間仕切り1の設置場所に応じて異なる。隙間隠し片34は、先端が取付壁面5に対してできる限り近いが、接触しない程度には離れて位置となる適当な位置の切断案内部36で切断される。この切断は、特殊工具を使わず、はさみやカッターなど一般的な切断工具で行われる。これにより、隙間隠し片34は、取付壁面5の方向に延びる長さを調整することができる。
【0027】
〔上部レール部材〕
図4に示すように、上部レール部材3は、取付壁面5に正面付けするための構成を備えている。具体的に、上部レール部材3は、ベースレール41と、本体レール42と、正面カバー43とを備え、何れの部材も、アルミなどの金属材料の押出成形部材である。
【0028】
〔ベースレール〕
図4に示すように、ベースレール41は、取付壁51と、底壁52と、補助壁53と、を備えている。
【0029】
取付壁51は、矩形平板形状を有し、長手方向がパネル部材2の移動方向である。取付壁51は、上端に段差部51aを備えている。段差部51aは、取付壁面5に対して接する外面が内側に凹む凹部であり、上側が開放されている。段差部51aには、本体レール42の上側後方コーナ部に構成された固定突起63aが係合される。取付壁51の下端は、底壁52が立設されている。底壁52は、取付壁面5に取り付けられた際、取付壁面5に対して垂直に延びる片である。
【0030】
底壁52には、補助壁53が取付壁51と平行に立設されている。補助壁53の先端は、底壁52と平行であって、かつ、底壁52の先端と同じ方向に折曲されている。これにより、底壁52および補助壁53は、取付壁51と離間した位置に、凹部54を構成している。底壁52および補助壁53は、凹部54を挟む互いに向き合う面に係合凹部54aを備えている。
【0031】
図5に示すように、取付壁51は、上下方向を長軸とした縦長孔56aと、長手方向を長軸とした横長孔56bと、を備えている。縦長孔56aおよび横長孔56bは、補助壁53の上側である凹部54よりも広い空間に設けられている。縦長孔56aも横長孔56bも、取付壁面5にビスなどの固定部材57を打ち込みベースレール41を固定するための固定孔である。縦長孔56aは、取付壁51の長手方向における両側の各端部領域に設けられている。
【0032】
横長孔56bは、端部領域の間の中間領域において、補助壁53の上側に、長手方向に並んで複数設けられている。また、横長孔56bは、上下方向に複数列設けられている。長手方向に並ぶ上下各列の横長孔56bは、長手方向に若干ずれながらも、等間隔に設けられている。補助壁53における凹部54の底面となる位置にも横長孔56c設けられている。
【0033】
上部レール部材3は、上枠4aの上側において、所定の高さに水平に取り付けることが求められる。ベースレール41を取付壁面5に取り付けるにあたって、先ず、高さと水平を調整しながら長手方向における両側の縦長孔56aに固定部材57を打ち付ける。縦長孔56aの上端位置と下端位置において、固定部材57が2本打ち付けられる。これにより、ベースレール41は、高さと水平が位置決めされ仮止めされる。その後、横長孔56bには、固定部材57が打ち付けられ本固定される。
【0034】
凹部54の底面にも横長孔56cが設けられ、本体レール42の固定片64aを固定するため固定部材58が締め付けられる。凹部54には、閉塞部材55によって閉塞される。閉塞部材55は、ベースレール41よりも軟質な樹脂成形品であって、閉塞部55aと、一対の弾性係合片55bと、を備えている。閉塞部55aは、凹部54の開口端を閉塞する閉塞板であって、裏面から一対の弾性係合片55bが突設されている。弾性係合片55bは、係合凹部54aに係合される。凹部54の前方の空間部は、パネル部材2が上部レール部材3に取り付けられると、上側横框11や覆い部材25が近傍に位置する。閉塞部材55は、アルミ成形により形成された底壁52の先端および補助壁53の先端に直接当たり、上側横框11や覆い部材25を汚損しないようにする。すなわち、閉塞部材55は、緩衝材として機能する。
【0035】
〔本体レール〕
図4に示すように、本体レール42は、レール部61と、前壁62と、上壁63と、後壁64と、を備えている。レール部61は、レール前壁61aと、レール後壁61bと、レール上片61cと、第1レール上開口61dと、レール下片61eと、レール下開口61fと、を備えている。レール下片61eは、レール前壁61aおよびレール後壁61bの下端から内側に向って延びる一対の片であり、レール下片61eの先端の間には、レール下開口61fが構成されている。レール下片61eは、その内側の面をランナ22のローラ23が転動する。レール下開口61fは、軸部材21が移動する。
【0036】
レール前壁61aと前壁62とは、前連結片65により連結されている。レール後壁61bと後壁64とは、後連結片66により連結されている。レール上片61cの上側は、上中間片68を備えている。レール上片61cと上中間片68とは、第1縦連結片68aによって連結されている。第1レール上開口61dの上側は、第1レール上開口61dと平行な第2レール上開口68bが構成されている。上中間片68は、第2縦連結片68cによって上壁63と連結されている。レール部61の上側であって、かつ、レール上片61cと上中間片68と一対の第1縦連結片68aとに囲まれた空間は、第1上空間69aである。さらに、第1上空間69aであって、かつ、上壁63と一対の第2縦連結片68cと上中間片68とで囲まれる空間は、第2上空間69bである。
【0037】
前壁62の前面は、正面カバー43が取り付けられるところ、前壁62の下端は、内側に向って折曲された取付突起62aが構成されている。また、前壁62と上壁63で構成されるコーナ部に、支持凹部62bが設けられている。支持凹部62bは、正面カバー43の上端に設けられた支持突起71cが係合され、取付突起62aは、正面カバー43の裏面に取り付けられた取付補助部材74が取り付けられる。
【0038】
上壁63は、後壁64よりも後方まで延びており、後端が折曲され、固定突起63aを構成している。固定突起63aは、ベースレール41の段差部51aに係合される。後壁64の下端は、上下逆L字形状の固定片64aを備えている。固定片64aは、下方に延びる部分がベースレール41の補助壁53の内側の面(取付壁51との対向面)に圧接されるように設けられている。固定片64aには、図示しないが、補助壁53の横長孔56cと重なるねじ孔が形成されている。
【0039】
固定突起63aおよび固定片64aは、ベースレール41に固定するための取付部を構成する。本体レール42は、レール部61と取付部とが前後方向に並ぶことで、レール部61の上側に取付部を設けた場合よりも、低背化を実現している。
【0040】
〔正面カバー〕
正面カバー43は、本体レール42の長手方向の寸法とほぼ同じであり、縦方向である上下方向の寸法は、本体レール42の上下方向の寸法より大きく、ベースレール41の上下方向の寸法とほぼ同じである。正面カバー43は、カバー前壁71aと、カバー上壁71bと、を備えている。カバー前壁71aの表面は、化粧面を構成するため装飾シート72が貼り付けられる。カバー上壁71bは、カバー前壁71aに対して直角に折曲されている。さらにカバー上壁71bの先端は、下方に折り返され、支持突起71cを構成している。支持突起71cは、本体レール42の支持凹部62bに係合される。カバー前壁71aの下端は、緩やかに後方に折曲され折曲部71dを構成している。折曲部71dは、利用者が下側から上部レール部材3を見上げたとき板金の端面を見えにくくする。
【0041】
カバー上壁71b、カバー前壁71aおよび折曲部71dの表面は、装飾シート72によって被覆されている。装飾シート72は、シール部材であって、1つまたは複数の色が印刷によって施され、また、木目などの模様が印刷などによって施されている。折曲部71dにおいて、装飾シート72は、表面から裏面に折り返され、折曲部71dの先端の端面を覆っている。これにより、折曲部71dの端面、すなわち板金の端面は、装飾シート72で覆われ、利用者が下側から上部レール部材3を見上げたときにも見栄えが悪くならないようにしている。
【0042】
折曲部71dの端面における装飾シート72の折り返し代は、取付溝73を構成するL字形状の片の基端と折曲部71dの基端との間の長さLの半分以上の長さである。これにより、装飾シート72は、カバー前壁71aの裏面に確実に接着固定されることで、剥がれにくくなる。
【0043】
カバー前壁71aの裏面は、上下方向における中央より下端側の位置に、長手方向に延びる取付溝73を備えている。取付溝73は、上側が開放されたL字形状の片であって、先端には、係止突起73aを備えている。取付溝73には、正面カバー43を本体レール42に取り付けるための取付補助部材74が挿入される。
【0044】
取付補助部材74は、ベースレール41、本体レール42、および、正面カバー43がアルミなどの金属材料の押出成形部材であるのに対して、これらの部材より軟質の樹脂成形体である。取付補助部材74は、主板74aと、挿入部74bと、取付片74cと、を備えている。
【0045】
主板74aは、カバー前壁71aの裏面に沿うように構成された平板である。主板74aの下端は、挿入部74bを備えている。取付片74cは、主板74aに対して垂直に延びた片であって、先端は、本体レール42のレール前壁61aの下端に構成された取付突起62aに係止される係止部74dを備えている。挿入部74bは、取付片74cよりも下側の部分であり、取付溝73に挿入される部分である。挿入部74bの下端は、突起部を備えている。取付補助部材74は、取付溝73に主板74aの下端である挿入部74bが挿入されると、取付溝73の係止突起73aに突起部が係止され、取付溝73から脱落しにくい状態とされる。取付補助部材74は、一例として、複数が順次取付溝73に取り付けられ、取付溝73に沿って移動させることで、等間隔に、取付溝73に配置される。
【0046】
正面カバー43は、裏面に取付補助部材74が取り付けられると、次いで、支持突起71cが本体レール42の支持凹部62bに係合される。この後、取付片74cの係止部74dは、本体レール42のレール前壁61aの下端に構成された取付突起62aに係止される。これにより、正面カバー43は、本体レール42に対してがたつくことなく確実に取り付けられる。また、正面カバー43は、取付片74cが弾性を有することで、本体レール42に対して着脱可能である。
【0047】
〔間仕切りの設置方法〕
先ず、取付壁面5に対してベースレール41を設置する方法を説明する。
図6に示すように、ベースレール41は、上枠4aの上側の所定の高さ位置に水平に取り付ける必要がある。そこで、先ず、水平器などを使って高さと水平が調整された後、ベースレール41の両端部領域の縦長孔56aに固定部材57が打ち付けられる。具体的に、固定部材57は、2本であって、1本は、縦長孔56aの上端位置に打ち付けられ、他の1本は、下端位置に打ち付けられる。これにより、ベースレール41の設置位置が決められ、そこに仮固定される。この後、横長孔56bには、固定部材57が打ち付けられる。これにより、上部レール部材3の設置位置に固定される。
【0048】
次いで、図7および図8に示すように、ベースレール41には、本体レール42が取り付けられる。具体的に、本体レール42の固定突起63aは、ベースレール41の段差部51aに係合される。これと共に、本体レール42の固定片64aは、下方に延びる部分がベースレール41の補助壁53の内側の面(取付壁51との対向面)に圧接される。
【0049】
図9に示すように、固定片64aと補助壁53の重なった部分において、補助壁53の横長孔56cと固定片64aのねじ孔とが一致され、ここに、固定部材58が締め付けられる。これにより、固定片64aと補助壁53とは一体化される。この後、凹部54は、閉塞部材55が取り付けられ、閉塞される。固定部材58の頭部は、凹部54内に収まり、閉塞部材55によって隠される。
【0050】
図10に示すように、この後、本体レール42には、パネル部材2の上側の横框11に取り付けられたランナ22がレール部61に挿入される。具体的に、図11に示すように、レール部61の端部からは、ローラ23がレール下片61eの上に位置させ、軸部材21がレール下開口61fに位置するように挿入される。
【0051】
次いで、図12に示すように、隙間隠し片34が適当な切断案内部36に沿って切断される。これにより、切断案内部36の先端は、先端が取付壁面5に対してできる限り近いが、接触しない程度には離れた適当な位置となる。
【0052】
次いで、図13に示すように、上部レール部材3には、ランナ22の移動範囲を決めるランナストッパ46が取り付けられる。具体的には、上部レール部材3の端部近傍に取り付けられる。ランナストッパ46は、固定片46aと、延長片46bと、ストッパ片46cと、を備え、板金などを折曲して構成されている。固定片46aは、矩形板であり、レール部61の上側に位置する第1上空間69aに挿入される。固定片46aは、第1レール上開口61dと第2レール上開口68bに相当する位置に第1固定孔46dを備えている。第1固定孔46dは、一例として、2つであり、一方は、長孔で、他方は、真円孔である。第2上空間69bには、2つの固定金具47が挿入される。2つの固定金具47は、一方の第1固定孔46dに対応するものと、他方の第1固定孔46dに対応するものであり、各固定金具47は、1つ第2固定孔47aを備えている。
【0053】
延長片46bは、固定片46aから斜めに延びる片であって、その先端は、第1レール上開口61dを通じてレール部61内に進入している。延長片46bの先端には、ストッパ片46cが設けられている。
【0054】
ランナストッパ46は、固定片46aが第1上空間69aに挿入され、固定金具47が第2上空間69bに挿入され、上中間片68を挟み込むようにボルトなどの固定部材49が締め付けることで固定される。ランナストッパ46は、第1上空間69a内を移動させることで適宜調整可能である。図14に示すように、ストッパ片46cと延長片46bの一部は、レール部61内に配置されることで、ランナ22の端面が当接する。これにより、ランナ22がレール部61の端部から脱落しないようにできる。ランナストッパ46は、上部レール部材3の両端部に設けられることで、ランナ22の移動範囲を規定する。
【0055】
次いで、本体レール42には、正面カバー43が取り付けられる。正面カバー43は、予め装飾シート72が貼り付けられている。図15に示すように、正面カバー43には、取付補助部材74が取付溝73に取り付けられる。図16に示すように、複数の取付補助部材74は、順次取付溝73に取り付けられ、取付溝73を移動させることで、等間隔となるように配置される。この後、図17に示すように、支持突起71cが本体レール42の支持凹部62bに係合される。この後、支持突起71cと支持凹部62bとの係合部分を支点として、正面カバー43は、本体レール42に近づけるように回動される。そして、取付片74cの係止部74dは、本体レール42のレール前壁61aの下端に構成された取付突起62aに係止される。これにより、図18に示すように、正面カバー43は、本体レール42に対してがたつくことなく確実に取り付けられる。
【0056】
なお、本体レール42の設置位置が天井面に対して極めて近い場合であっても、支持突起71cを支持凹部62bに係合させるための隙間さえあれば、正面カバー43は、本体レール42に対して取付可能である。すなわち、正面カバー43は、本体レール42に近づけるように回動させなくても、本体レール42に取付可能である。
【0057】
最後に、図19に示すように、上部レール部材3の各端部には、キャップ81が取り付けられる。キャップ81は、側面視において、ベースレール41の端面、本体レール42の端面、および、正面カバー43の端面を覆うように、矩形板形状を有している。キャップ81の外面は、化粧面であり、正面カバー43の装飾シート72と統一感を有するデザインが施されている。一例として、装飾シート72が貼り付けられていてもよい。正面カバー43の裏面は、ベースレール41の端面、本体レール42の端面、および、正面カバー43の端面と対向する面である。
【0058】
正面カバー43の裏面は、挿入片82と、挿入片82の両側に設けられる上下一対の挟持片83と、を備えている。挿入片82は、レール部61内に挿入される片であり、その幅がほぼレール前壁61aとレール後壁61bの間隔に一致している。挿入片82は、挿入方向に延びる両端に、レール前壁61aとレール後壁61bに沿う案内壁82bを備えている。挿入片82は、さらに、取付孔82aを備えている。
【0059】
挟持片83は、互いに近接した上下一対の片で構成されている。挿入片82の一方の側に設けられる挟持片83は、前連結片65を挟み込む。前連結片65を挟み込む上下の各挟持片83は、挿入方向に延びる両端に、前壁62とレール前壁61aに沿う案内壁83aを備えている。挿入片82の他方の側に設けられる挟持片83は、後連結片66を挟み込む。後連結片66を挟み込む上下の各挟持片83は、挿入方向に延びる両端に、後壁64とレール後壁61bに沿う案内壁83aを備えている。このようなキャップ81は、上下に線対称な形状を有している。
【0060】
キャップ81は、固定金具84によって固定される。固定金具84は、第1上空間69aに挿入される。固定金具84は、固定孔84aを備えている。
キャップ81は、一方の端部に対して、固定金具84を第2上空間69bに挿入するとともに、挿入片82をレール部61内に挿入する。この際、挟持片83は、前連結片65および後連結片66を挟み込む。この後、ボルトなどの固定部材85を取付孔82aに挿入するとともに、固定孔84aに締め付ける。これにより、キャップ81は、上部レール部材3の一方の端部に固定される。上部レール部材3の他方の端部に対しては、キャップ81を上下反転させた状態とする。そして、キャップ81は、上部レール部材3の一方の端部に取り付けた場合と同様な方法で、他方の端部に固定される。
【0061】
以上のように、間仕切り1が取付壁面5に設置された後、パネル部材2の高さの微調整を行うことができる。この場合、先ず、本体レール42から正面カバー43を取り外す。具体的に、取付補助部材74の係止部74dと本体レール42の取付突起62aとの係止状態が解除される。この後、本体レール42の支持凹部62bから正面カバー43の支持突起71cが外される。これにより、本体レール42の前面には、レール部61と上側の横框11との連結部分が露出する。そして、覆い部材25を撓ませる、または、一部取り外すことで、軸部材21が露出される。そして、高さ調整部材24を操作することで、パネル部材2の高さの微調整を行うことができる。パネル部材2の高さの微調整の作業が完了すると、覆い部材25を元の状態に戻し、さらに、本体レール42に正面カバー43を取り付ける。
【0062】
以上のような間仕切り1は、以下のように列挙する効果を得ることができる。
(1)クッション部材31において、隙間隠し片34は、取付壁面5との間に生じる隙間37を狭くすることができる。冷暖房効率の低下を抑えることができる。
【0063】
(2)切断案内部36に沿って隙間隠し片34を切断することで、隙間隠し片34におけるクッション部32の基端から先端まで長さを容易に調整することができる。
(3)隙間隠し片34におけるクッション部32の基端から先端まで長さを調整するにあたって、複数の切断案内部36の中から1つの切断案内部36を選んで切断することができる。
【0064】
(4)切断案内部36は、溝で構成されているので、特殊工具を使わず、はさみやカッターなど一般的な切断工具を使って容易に切断することができる。また、溝によって、撓み易くもなる。これにより、取付壁面5に接触してしまった場合の折触圧を小さくすることができる。
【0065】
(5)ベースレール41を用いることで、取付壁面5に正面付けすることができる。
なお、間仕切り1は、さらに、以下のように適宜変更して実施することもできる。
・パネル部材2のクッション部材31は、図20(a)および(b)のように構成することもできる。このクッション部材91は、クッション部92と、縦框13,14に取り付けるための取付部93と、隙間隠し片94と、を備えている。
【0066】
クッション部92は、中空構造であって、弾性変形することで枠壁面6に突き当てられた際の衝撃を緩和する。クッション部92の中空構造は、上述のクッション部32の中空構造よりも大容量であり、より大きく重量のあるパネル部材2にも対応可能に構成されている。取付部93は、クッション部92お裏面に設けられた脚部であって、逆T字形状を有している。すなわち、取付部93は、縦部93aと横部93bと、を備えている。
【0067】
一対の縦框13,14において、外面には、縦方向に沿って取付溝96を備えている。取付溝96の開口幅は、縦部93aが挿通可能な幅であり、裏側において、横部93bが係止される。これにより、クッション部材91は、取付溝96からの脱落が抑制される。なお、隙間隠し片94の構成は、隙間隠し片34の構成と同じため詳細は省略するが、隙間隠し片94も切断案内部36と同様な切断案内部95を備えている。
【0068】
・閉塞部材55の構成は、閉塞部55aと弾性係合片55bを備えた構成に限定されるものではない。例えば、凹部54の開口端に、発泡体などの弾性を有する細長いシールを凹部54の開口端を塞ぐように添着する構成であってもよい。また、閉塞部材55は、省略してもよい。
【0069】
・パネル部材2の高さを調整する高さ調整部材24は、上側横框11に隠れていてもよい。この場合、パネル部材2は、上部レール部材3から取り外して、高さ調整部を操作することになる。また、間仕切り1において、高さ調整部は省略されていてもよい。
【0070】
・正面カバー43は、本体レール42の前壁62の下側まで延びる長さを有していなくてもよい。例えば、正面カバー43の下端は、ベースレール41の底壁52の高さまで延びていることが好ましいが、それより短くてもよい。
【0071】
・正面カバー43の下端は、折曲部71dを備えていなくてもよい。この場合、カバー前壁71aの下端は、装飾シート72が折り返されることで下端に覆われる。
・レール部61の上側に、ベースレール41に取り付けるための取付部を設けるようにしてもよい。
【0072】
・縦長孔56aおよび横長孔56bの何れか一方の孔は、真円孔であってもよい。また、縦長孔56aは、ベースレール41の端部領域だけでなく長手方向における中央領域に設けられていてもよい。
【0073】
・ベースレール41の各端部領域において、複数の縦長孔56aが設けられていてもよい。
・取付補助部材74は、正面カバー43の長手方向に延びる取付溝35を省略し、正面カバー43の裏面に直接接着剤などで固定してもよい。また、取付溝35は、正面カバー43の裏面に、長手方向に延びる連続溝ではなく、取付補助部材74の取付が必要となる位置だけに設けられていてもよい。
【0074】
・取付補助部材74を省略してもよい。例えば、本体レール42および正面カバー43が軟質の樹脂成形品であれば、本体レール42に対して正面カバー43を直接的に係合関係によって取り付けることが可能である。このような場合、一例として、取付補助部材74の取付片74cに相当する部分が正面カバー43の裏面に一体成形されていればよい。
【0075】
・クッション部材31,91において、隙間隠し片34,94に設けられる切断案内部36,95は、省略してもよい。切断案内部36,95を省略した場合は、カッターなどの切断工具で先端が取付壁面5に対してできる限り近いが、接触しない程度には離れて位置となる適当な位置で隙間隠し片34,94を切断すればよい。
【0076】
・切断案内部36,95は、少なくとも切断位置の切断案内機能を有していればよい。したがって、直線を印刷して構成してもよいし、V溝の他に、ミシン目で構成してもよい。
【0077】
・切断案内部36,95は、等間隔に設けられていなくてもよい。例えば、切断案内部36,95は、切断案内部36,95の先端に向うほど、間隔を狭めるようにしたり、広げるようにしてもよい。さらに、切断案内部36,95は、縦方向に切断可能であり、取付壁面5の方向に延びる長さの調整が可能であれば、省略してもよい。
【0078】
・取付壁面5には、三方枠などの枠が設けられていなくてもよい。また、縦枠は、パネル部材2が開口部4を塞ぐとき、縦框13,14の何れかが突き当たる位置にだけ設けられていてもよい(図1参照)。
【0079】
・間仕切り1は、正面付けではなく天井付けを可能としてもよい。間仕切り1を正面付けするにも天井付けするにも、三方枠などの枠があれば、パネル部材2と枠とが干渉しないように、枠の前にパネル部材2を位置させることになる。したがって、パネル部材2と開口部周辺の取付壁面5との間には隙間が形成される。そして、この隙間を塞ぐためには、隙間隠し片34,94が必要となるからである。
【0080】
・本体レール42は、パネル部材2が枠壁面6に突き当たる直前で移動速度を下げるソフトクローズ機構を設けるようにしてもよい。この場合、一例として、ランナ22と弾性体とを接続し、枠壁面6の直前で弾性力を利用してランナ22の移動速度を落とすようにすればよい。
【符号の説明】
【0081】
2…パネル部材
3…上部レール部材
4…開口部
4a…上枠
5…取付壁面
10…パネル要素
11,12…上側横框
13,14…縦框
21…軸部材
22…ランナ
24…高さ調整部材
31…クッション部材
32…クッション部
33…取付部
33a…取付片
34…隙間隠し片
35…取付溝
36…切断案内部
37…隙間
41…ベースレール
42…本体レール
43…正面カバー
47,48,49,57,58…固定金具
51…取付壁
51a…段差部
54…凹部
55…閉塞部材
56a…縦長孔
56b,56c…横長孔
61…レール部
62a…取付突起
62b…支持凹部
63a…固定突起
64a…固定片
69a…第1上空間
69b…第2上空間
71c…支持突起
72…装飾シート
73…取付溝
74…取付補助部材
81…キャップ
82…挿入片
83…挟持片
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20