(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023051002
(43)【公開日】2023-04-11
(54)【発明の名称】理美容用人頭模型
(51)【国際特許分類】
A45D 44/14 20060101AFI20230404BHJP
【FI】
A45D44/14 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021161417
(22)【出願日】2021-09-30
(71)【出願人】
【識別番号】521428756
【氏名又は名称】株式会社アップセットカンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100130580
【弁理士】
【氏名又は名称】小山 靖
(72)【発明者】
【氏名】曽我部 篤
(57)【要約】
【課題】コスト及び廃棄物を低減しながら、人の頭皮から生えた毛髪と同様の感覚で違和感なくヘアーカット及びカール等を練習することが可能な理美容用人頭模型を提供する。
【解決手段】人体の顔部分、頭部分及び首部分をモデルする人頭本体部2と、人頭本体部2を支持する基台部4と、頭部分をモデルする人頭本体部2の頭部に着脱自在に被覆する毛髪体部3とを少なくとも備え、毛髪体部3は、毛髪が貫通した状態で植設される基材32と、基材32の裏面に設けられており、基材32を貫通する毛髪を基材32に固定する接着剤層33と、接着剤層33に於いて、基材32に接着する面とは反対側の面に設けられた弾性層34と、周縁部に於いて基材32の周縁部と固着しており、これにより接着剤層33及び弾性層34を基材32と共に封止する封止層35とを少なくとも有する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
人体の顔部分、頭部分及び首部分をモデルする人頭本体部と、
前記人頭本体部を支持する基台部と、
前記頭部分をモデルする前記人頭本体部の頭部に着脱自在に被覆する毛髪体部と、
を少なくとも備え、
前記毛髪体部は、
毛髪と、
前記毛髪が貫通した状態で植設される基材と、
前記基材の裏面に設けられており、前記基材を貫通する前記毛髪を前記基材に固定する接着剤層と、
前記接着剤層に於いて、前記基材に接着する面とは反対側の面に設けられた弾性層と、
周縁部に於いて前記基材の周縁部と固着しており、これにより前記接着剤層及び前記弾性層を前記基材と共に封止する封止層と、
を少なくとも有する理美容用人頭模型。
【請求項2】
前記人頭本体部の前記頭部に於ける、前記毛髪体部が設けられる領域には、前記毛髪体部を収容するための凹部が設けられており、
前記頭部の周縁部の少なくとも一部には、前記毛髪体部から張り出した前記基材が固着されている請求項1に記載の理美容用人頭模型。
【請求項3】
前記人頭本体部は、
前記人頭本体部の頭頂部及び左右の側頭部を含む面を分割面としたときに形成される、前記人体の顔部分をモデルする顔部を含む人頭前方部と、それ以外の人頭後方部とからなり、
前記人頭前方部、前記人頭後方部及び前記基台部は、前記人頭前方部と前記人頭後方部とが組み合わされて前記人頭本体部を構成した状態で、前記人頭本体部を支持可能に構成された支持機構を備える請求項1又は2に記載の理美容用人頭模型。
【請求項4】
前記弾性層は、前記接着剤層に於ける凹凸を埋入することにより前記基材表面を略平坦化させる平坦化層である請求項1~3の何れか1項に記載の理美容用人頭模型。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、理容師及び美容師の養成に於けるヘアカット及びカール等の技能習得のための理美容用人頭模型に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、理容師及び美容師の養成に於いては、ヘアカット及びカール等の技能を修得するため、原寸大の人頭模型に人毛又は人工毛髪を植設した理美容用人頭模型(以下、「人頭模型」という。)が用いられている。ここで、従来の人頭模型は、頭部と植毛体とが一体化されているため、ヘアカット等の練習のために毛髪を使い切ると、再利用されずに廃棄されている。そのため、技能習得のための練習で費用が増大するほか、ゴミの増大による環境への悪影響が問題となっている。
【0003】
この様な問題に対し、例えば特許文献1では、頭髪のない原寸大の人頭模型本体と、基材に毛髪を植設してなる毛髪体とを有し、該毛髪体の基材を人頭模型本体に対して着脱自在としたヘアカット練習用具が提案されている。そして、この特許文献1によれば、毛髪体を人頭模型本体に対して着脱自在としたことにより、人頭模型本体を繰り返し使用することが可能となり、練習に要するコストの低減、及び効率の良い技能の習得が可能であるとされている。
【0004】
しかし、特許文献1のヘアカット練習用具では、単に毛髪体が植設されているだけであるため、人の頭皮から生えた毛髪と同様の感覚で違和感なくヘアーカット及びカール等の練習を実施することは困難である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は前記問題点に鑑みなされたものであり、その目的は、コスト及び廃棄物を低減しながら、人の頭皮から生えた毛髪と同様の感覚で違和感なくヘアーカット及びカール等を練習することが可能な理美容用人頭模型を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る理美容用人頭模型は、前記の課題を解決するために、人体の顔部分、頭部分及び首部分をモデルする人頭本体部と、前記人頭本体部を支持する基台部と、前記頭部分をモデルする前記人頭本体部の頭部に着脱自在に被覆する毛髪体部と、を少なくとも備え、前記毛髪体部は、前記毛髪が貫通した状態で植設される基材と、前記基材の裏面に設けられており、前記基材を貫通する前記毛髪を前記基材に固定する接着剤層と、前記接着剤層に於いて、前記基材に接着する面とは反対側の面に設けられた弾性層と、周縁部に於いて前記基材の周縁部と固着しており、これにより前記接着剤層及び前記弾性層を前記基材と共に封止する封止層と、を少なくとも有することを特徴とする。
【0008】
前記の構成によれば、毛髪体部に於いては毛髪が基材に貫通した状態で植設されており、この毛髪は基材の裏面側から接着剤層により接着することで固定されている。また、接着剤層には、基材に接着する面とは反対側の面に、さらに弾性層が設けられている。この様な構造であると、例えば、毛髪を引っ張った際、弾性層にもその応力が接着剤層を介して加えられる。そのため、弾性層は元の形状に復元しようとして、その復元力を、接着剤層を介して毛髪に作用させるので、使用者に対し、人の頭皮から生えた毛髪と同様の感触を付与することができる。その結果、使用者は違和感なくヘアーカット及びカール等の練習を実施することが可能になる。
【0009】
また、前記構成の毛髪体部は人頭本体部に対し着脱自在であるため、使用後に於いては毛髪体部のみを廃棄し、新しい毛髪体部に交換することで人頭本体部を繰り返し使用することができる。その結果、前記構成に於いては、コスト及び廃棄物の低減が可能になる。
【0010】
前記の構成に於いて、前記人頭本体部の前記頭部に於ける、前記毛髪体部が設けられる領域には、前記毛髪体部を収容するための凹部が設けられており、前記頭部の周縁部の少なくとも一部には、前記毛髪体部から張り出した前記基材が固着されていることが好ましい。
【0011】
前記の構成によれば、毛髪体部は、人頭本体部の頭部に設けられた凹部に収容された状態で人頭本体部に設けられる。これにより、毛髪体部の基材表面の高さ位置と、人頭本体部の表面の高さ位置との段差を低減することができる。また前記構成では、基材が毛髪体部から張り出した部分に於いて、凹部の周縁部と固着されることにより、毛髪体部が人頭本体部に固着される。従って、例えば、毛髪体部の封止層に於いてマジックテープ(登録商標)等を介して人頭本体部の頭部と固定させる場合と比較して、毛髪が植設された領域に於いて基材表面に凹凸が生じるのを防止することができる。
【0012】
また前記の構成に於いて、前記人頭本体部は、前記人頭本体部の頭頂部及び左右の側頭部を含む面を分割面としたときに形成される、前記人体の顔部分をモデルする顔部を含む人頭前方部と、それ以外の人頭後方部とからなり、前記人頭前方部、前記人頭後方部及び前記基台部は、前記人頭前方部と前記人頭後方部とが組み合わされて前記人頭本体部を構成した状態で、前記人頭本体部を支持可能に構成された支持機構を備えることが好ましい。
【0013】
前記の構成によれば、人頭本体部を人頭前方部と人頭後方部とに分離できるので、保管の際の省スペース化が図れる。
【0014】
前記の構成に於いて、前記弾性層は、前記接着剤層に於ける凹凸を埋入することにより前記基材表面を略平坦化させる平坦化層であってもよい。
【0015】
前記の構成によれば、接着剤層に於いて毛髪が貫通した部分が凸状になる場合でも、弾性層が凸状の部分を埋入することにより、基材表面に凹凸が生じるのを極力防止することができる。すなわち、弾性層が平坦化層として機能する結果、基材表面の略平坦化を可能にする。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、コスト及び廃棄物を低減しながら、人の頭皮から生えた毛髪と同様の感覚で違和感なくヘアーカット及びカール等を練習することができ、ヘアーカット等の技能習得に優れた理美容用人頭模型を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本実施の形態に係る理美容用人頭模型を模式的に表す右側面図である。
【
図2】本実施の形態に係る理美容用人頭模型の人頭本体部を模式的に表す右側面図である。
【
図3】本実施の形態に係る理美容用人頭模型に於ける毛髪体部を模式的に表す右側面図である。
【
図4】本実施の形態に係る理美容用人頭模型の毛髪体部に於ける周縁部を模式的に表す部分断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の実施の一形態について、
図1~
図4を参照しながら以下に説明する。但し、説明に不要な部分は省略し、また説明を容易にする為に拡大又は縮小等して図示した部分がある。
図1は、本実施の形態に係る理美容用人頭模型を模式的に表す右側面図である。
図2は、理美容用人頭模型に於ける人頭本体部を模式的に表す右側面図である。
図3は、理美容用人頭模型に於ける毛髪体部を模式的に表す右側面図である。
図4は、理美容用人頭模型の毛髪体部に於ける周縁部を模式的に表す部分断面図である。
【0019】
本実施の形態に係る理美容用人頭模型(以下、「人頭模型」という。)1は、
図1に示すように、人頭本体部2、毛髪体部3及び基台部4を少なくとも備える。
【0020】
人頭本体部2は、
図2(a)に示すように、人体の顔部分をモデルする顔部21と、人体の頭部分をモデルする頭部22と、人体の首部分をモデルする首部23とを有する。また本実施の形態において、人頭本体部2は、
図2(b)に示すように、頭頂部及び左右の側頭部を含む面を分割面として、顔部21を含む人頭前方部24とそれ以外の人頭後方部25とに分離される構造となっている。これにより、人頭模型1を使用せずに保管する場合には、省スペース化が図れる。
【0021】
人頭本体部2の頭部22は、毛髪体部3を収容して設けることを可能にする凹部からなる。これにより、頭部22の高さ位置は、顔部21等の高さ位置よりも低くなる様に設けられている。頭部22の深さは特に限定されず、毛髪体部3の厚さに応じて適宜設定することができる。尚、本実施の形態に於いて、頭部22は凹部からなるが、本発明はこの態様に限定されるものではない。凹部は、少なくとも毛髪体部3が設けられる領域に設けられていればよい。
【0022】
人頭本体部2の首部23の底部に於ける外周面には、螺旋状のネジ山を有する雄ネジ部26が設けられている。これにより、人頭本体部2は、首部23に於いて基台部4との螺合が可能な構造となっている(詳細については後述する。)。
【0023】
人頭本体部2の内部は中空であってもよく、又は発泡ウレタン樹脂等が充填されていてもよい。後者の場合、発泡ウレタン樹脂等は人頭前方部24と人頭後方部25のそれぞれに充填されるのが好ましい。
【0024】
人頭本体部2の構成材料としては特に限定されず、例えば、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)樹脂、ポリエチレン(PE)樹脂等が挙げられる。
【0025】
毛髪体部3は、人頭本体部2の頭部22に着脱自在に被覆する。毛髪体部3は、より詳細には、
図3及び
図4に示すように、毛髪31、基材32、接着剤層33、弾性層34及び封止層35を少なくとも備えた構造を有している。
【0026】
毛髪31は、基材32に貫通した状態で植設されている。毛髪31の長さは特に限定されず、適宜必要に応じて設定することができる。また、毛髪31に於ける基材32を貫通する部分の長さについても特に限定されないが、毛髪31が基材32から脱落しない程度の長さであることが好ましい。さらに、毛髪31が基材32に植設される量についても特に限定されない。
【0027】
基材32の裏面には、基材32の周縁部32aを除き、その全面に接着剤層33が設けられている。これにより、接着剤層33は、毛髪31に於いて基材32を貫通する部分を、基材32の裏面側から接着固定している。接着剤層33の厚さは特に限定されないが、基材32を貫通する毛髪31を少なくとも埋入する程度の厚さであることが好ましい。そのため、毛髪31に於いて基材32を貫通する部分では、
図4(a)に示すように、接着剤層33は弾性層34に対し凸状となる。他方、
図4(b)に示すように、毛髪31に於いて基材32を貫通する部分を接着剤層33の面内に対し平行となる様に屈曲させてもよい。この場合、接着剤層33は弾性層34に対し略平坦状にすることができる。
【0028】
尚、毛髪31としては特に限定されず、例えば、人毛、タンパク質ファイバー等の人工毛髪(擬毛)、ヤク毛、及びこれらの混合毛髪等が挙げられる。また、基材32の構成材料としては特に限定されず、例えば、塩化ビニル樹脂等が挙げられる。さらに、接着剤層33の構成材料としては特に限定されず、例えば、変性シリコーン樹脂等が挙げられる。
【0029】
弾性層34は、接着剤層33に於いて、基材32と接着する面とは反対側の全面に設けられている。弾性層34は接着剤層33に接着されている。また弾性層34は、応力を加えられた際、その形状が変形する性質を有している。従って、例えば、毛髪31が引っ張られた場合、その応力が、基材32の裏面側から接着固定する接着剤層33を介して、弾性層34にも加えられ変形する。ここで、弾性層34は元の形状に復元しようとする結果、その復元力が接着剤層33を介して毛髪31にも作用する。これにより、使用者は人の頭皮から生えた毛髪と同様の弾力を感じることができ、違和感なくヘアーカット及びカール等の練習を実施することが可能になる。
【0030】
また本実施の形態の弾性層34は、基材32表面を略平坦化させる平坦化層としての機能を備えていてもよい。すなわち、
図4(a)に示す接着剤層33に於いては、毛髪31が貫通する部分に於いて凸状となっている。しかし、弾性層34は、応力を加えられることによりその形状を変形させる性質を有するため、接着剤層33に於ける凸状となった部分に於いては、これを埋入する様に変形することができる。その結果、基材32の表面に凹凸が生じるのを防止又は低減し、略平坦化を可能にする。
【0031】
弾性層34の厚さは特に限定されないが、弾性層34の復元力が接着剤層33を介して毛髪31に良好に作用する程度であることが好ましい。また、基材32の表面に凹凸が生じず、良好な略平坦化を可能にする程度であることが好ましい。
【0032】
弾性層34の構成材料としては弾性を付与するものであれば特に限定されず、例えば、シリコーン樹脂、エラストマー樹脂等が挙げられる。
【0033】
封止層35は、その周縁部に於いて基材32の周縁部と固着している。これにより、毛髪体部3に於いては、接着剤層33及び弾性層34が、基材32と封止層35とにより封止された構造となっている。封止層35の周縁部と基材32の周縁部との固着方法しては特に限定されず、例えば、接着剤による接着や、ヒートシーリングによる溶着等が挙げられる。
【0034】
封止層35の厚さは特に限定されないが、接着剤層33及び弾性層34を封止できる程度の機械的強度が保持される厚さであることが好ましい。
【0035】
封止層35の構成材料としては特に限定されず、例えば、塩化ビニル樹脂等が挙げられる。また、封止層35の構成材料は基材32と同様であってもよく異なっていてもよい。
【0036】
以上の構造を有する毛髪体部3は、凹部となっている頭部22に密着して収容される様に設けられている。これにより、基材32表面の高さ位置と、人頭本体部2の表面の高さ位置との間の段差を低減することができる。また、毛髪体部3から張り出している基材32の周縁部32aは、接着剤36を介して頭部22の周縁部に接着(固着)されている。これにより、毛髪体部3が人頭本体部2から脱落するのを防止しつつ、着脱可能に設けられている。ここで接着剤36としては特に限定されず、例えば、公知の感圧接着剤(粘着剤)、より具体的には、両面粘着テープ等が挙げられる。
【0037】
尚、基材32の周縁部32aと頭部22の周縁部との固着は、接着剤36による接着以外の方法であってもよい。例えば、マジックテープ(登録商標)を介して両者を固着してもよい。
【0038】
基台部4は、全体形状が円筒状であり、人頭本体部2を支持する機能を有する。基台部4は、人頭本体部2の底部と嵌め合わせ可能な構造となっている。また、基台部4の内周面には雌ネジ部41が設けられており、この雌ネジ部41には人頭本体部2の首部23に於ける雄ネジ部26との螺合が可能な様に、螺旋状にネジ山が設けられている。これにより本実施の形態では、人頭前方部24と人頭後方部25とを組み合わせた状態の人頭本体部2を、基台部4で支持することが可能な支持機構を実現している。
【0039】
基台部4の構成材料としては特に限定されず、例えば、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)樹脂、ポリエチレン(PE)樹脂等が挙げられる。
【0040】
以上の通り、本実施の形態に係る人頭模型1では、人の頭皮から生えた毛髪と同様の感覚で違和感なくヘアーカット及びカール等を練習することが可能である。また、毛髪体部3が着脱自在であるため、ヘアーカット等の練習後は、当該毛髪体部3のみを取り外し廃棄すればよい。これにより、人頭本体部2及び基台部4の再利用が可能なため、コスト及び廃棄物の低減が可能になり経済的である。さらに、毛髪の種類等が異なるなど種々の毛髪体部に対しても着脱自在にできるため、人頭本体部2及び基台部4を、練習用や国家試験用など様々な用途に適合した毛髪体部の共通部材として用いることができる。また、人頭模型1を保管する際には、毛髪体部3及び基台部4を分離できる他、人頭本体部2に於いても人頭前方部24と人頭後方部25に分離できるため、省スペース化を図ることができる。
【0041】
(その他の事項)
以上の説明に於いては、本発明の最も好適な実施の態様について説明した。しかし、本発明は当該実施態様に限定されるものではなく、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一の範囲で種々の変更が可能である。
【0042】
例えば、本実施の形態では、人頭本体部2が頭頂部及び左右の側頭部を含む面を分割面として、顔部21を含む人頭前方部24とそれ以外の人頭後方部25とに分離される構造の場合を例にして説明した。しかし、本発明はこの態様に限定されるものではない。例えば、人頭本体部は、顔部が左右に対称となる様に分離される構造のものであってもよい。さらに、人頭本体部は、複数の部材に分割されない一体構造のものであってもよい。
【0043】
また本実施の形態では、人頭本体部2を基台部4で支持することが可能な支持機構として、人頭本体部2の底部と基台部4とが螺合構造を有する場合を例にして説明した。しかし、本発明はこの態様に限定されるものではない。例えば、本発明は、人頭本体部の底部を基台部に挿入させた嵌合構造であってもよい。この様な構造であって、人頭本体部を基台部により支持することが可能である。
【符号の説明】
【0044】
1 人頭模型
2 人頭本体部
3 毛髪体部
4 基台部
21 顔部
22 頭部
23 首部
24 人頭前方部
25 人頭後方部
26 雄ネジ部
31 毛髪
32 基材
32a 周縁部
33 接着剤層
34 弾性層
35 封止層
36 接着剤