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  • 特開-浴室用機器システム 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023051078
(43)【公開日】2023-04-11
(54)【発明の名称】浴室用機器システム
(51)【国際特許分類】
   B08B 3/02 20060101AFI20230404BHJP
   A47K 17/00 20060101ALI20230404BHJP
   E03D 9/00 20060101ALI20230404BHJP
【FI】
B08B3/02 F
A47K17/00
E03D9/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021161538
(22)【出願日】2021-09-30
(71)【出願人】
【識別番号】000010087
【氏名又は名称】TOTO株式会社
(72)【発明者】
【氏名】矢野 剛広
【テーマコード(参考)】
2D037
2D038
3B201
【Fターム(参考)】
2D037EB00
2D038KA02
2D038KA07
3B201AA46
3B201AB53
3B201BB21
3B201CB01
3B201CD42
3B201CD43
(57)【要約】
【課題】 浴室ドアの開閉を検知するドアセンサによって制御される吐水機器が一つの浴室内に複数設置する場合に好適な制御システムを提供する。
【解決手段】 浴室の内部に設けられた複数の吐水機器と、浴室に設けられたドアの開閉状況を検知するドアセンサと、複数の吐水機器に供給する電力を制御する電力制御部と、複数の吐水機器のそれぞれに付設されて、各吐水機器の動作を制御する制御部と、を備えた浴室用機器システムにおいて、ドアセンサの信号は、電力制御部を介して制御部に送信させ、制御部は、ドアセンサによりドアの開放を検知すると吐水機器の吐水を停止するように制御し、電力制御部は、ドアセンサが異常だと判断した場合、複数の吐水機器に供給する電力を遮断するように制御する。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
浴室の内部に設けられた複数の吐水機器と、
前記浴室に設けられたドアの開閉状況を検知するドアセンサと、
前記複数の吐水機器に供給する電力を制御する電力制御部と、
前記複数の吐水機器のそれぞれに付設されて、各吐水機器の動作を制御する制御部と、
を備えた浴室用機器システムにおいて、
前記ドアセンサの信号は、前記電力制御部を介して前記制御部に送信させ、
前記制御部は、前記ドアセンサによりドアの開放を検知すると前記吐水機器の吐水を停止するように制御し、
前記電力制御部は、前記ドアセンサが異常だと判断した場合、前記複数の吐水機器に供給する電力を遮断するように制御することを特徴とする浴室用機器システム。
【請求項2】
前記複数の吐水機器のうちの一つは、前記浴室に洗浄水を噴射して浴室を洗浄する浴室洗浄装置であることを特徴とする請求項1記載の浴室用機器システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、浴室に設置された吐水機器を制御することが可能な浴室用機器システムに関する。
【背景技術】
【0002】
浴室には、浴室に洗浄水を噴射して浴室の洗い場などを洗浄する浴室洗浄機器、シャワーの吐水を電子制御する電子シャワー機器、など、吐水を電気的に制御する吐水機器が据え付けられることが増えている。これらの吐水機器を使用しているときに浴室のドアが開くと水が浴室外に飛び出す可能性がある。
そこで、浴室のドアにドアセンサを設置して、浴室のドアが開くと吐水機器の吐水を停止する制御を行うことが考えられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第3339351号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、一つの浴室に複数の吐水機器を設置する場合、それら複数の吐水機器のそれぞれに対して専用のドアセンサを配置すると、費用が増大する上に製品管理上も好ましくない。
そこで、本発明は、浴室ドアの開閉を検知するドアセンサによって制御される吐水機器が一つの浴室内に複数設置する場合に好適な制御システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記した課題を解決するために、本発明は、
浴室の内部に設けられた複数の吐水機器と、
前記浴室に設けられたドアの開閉状況を検知するドアセンサと、
前記複数の吐水機器に供給する電力を制御する電力制御部と、
前記複数の吐水機器のそれぞれに付設されて、各吐水機器の動作を制御する制御部と、
を備えた浴室用機器システムにおいて、
前記ドアセンサの信号は、前記電力制御部を介して前記制御部に送信させ、
前記制御部は、前記ドアセンサによりドアの開放を検知すると前記吐水機器の吐水を停止するように制御し、
前記電力制御部は、前記ドアセンサが異常だと判断した場合、前記複数の吐水機器に供給する電力を遮断するように制御することを特徴とする。
【0006】
これによれば、複数の吐水機器に対してドアセンサを供用することができるので、費用面、管理面で好適な制御システムを提供することが可能となる。
また、吐水機器の使用中にドアが開くと吐水機器への電力の供給を絶つので、吐水機器からの水の噴射はドア開後速やかに停止される。よって、吐水機器の動作を制御する制御部によって電気制御的に吐水を停止するのに比べても早いタイミングで吐水を停止できる。そのため、ドアが開いたときの浴室外への水の飛散をいち早く防止することができる。
【0007】
また、前記複数の吐水機器は、前記浴室に洗浄水を噴射して浴室を洗浄する浴室洗浄装置であることを特徴とする。
【0008】
浴室洗浄装置の使用中は浴室内に人がいないため、照明も点灯しておらず、洗浄中であることを忘れて思わずドアを開いてしまうことが考えられる。しかし、本発明によれば、ドアが開くと浴室洗浄装置に供給される電力を瞬時に遮断するので、浴室洗浄装置による浴室外への水の飛散を防止することができる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、浴室ドアの開閉を検知するドアセンサによって制御される吐水機器が一つの浴室内に複数設置する場合に好適な制御システムを提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の実施形態にかかる浴室用機器システムを示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態について説明する。
【0012】
浴室に設置された複数の吐水機器の吐水制御にドアセンサを関連づけるには、各吐水機器のそれぞれに専用のドアセンサを設置することが考えられる。しかし、この場合、吐水機器の増大に伴いドアセンサも増大するので部品費用、施工費用の面、また、商品管理上の製品番号が増大することによる管理の手間も増えてしまう。
【0013】
そこで、共通のドアセンサの信号を一つのセンサ用制御ボックスに送信して、そのセンサ用制御ボックスから各吐水機器の制御部に信号を送信することが考えられる。このようにすることで浴室に吐水機器を複数設置した場合であっても、ドアセンサの数を増やすことなく、ドアセンサと吐水機器とを連動制御させて、浴室のドアが開くと複数の吐水機器が同時に吐水していてもそれらの吐水を一気に停止させることができる。
しかし、これだけではドアセンサが故障した場合にはドアを開いてもドアセンサから信号が送信されず、吐水を停止することができない。
【0014】
そこで、電源制御部に、ドアセンサの異常を判断する判断部を設け、ドアセンサが故障などによってドアの開閉とは異なる信号を送信したり、あるいは信号を送信しなくなったりした場合においては、電源制御部が吐水機器の吐水を停止させるように制御することが考えられる。
【0015】
以下、図面を参照しつつ説明する。
図1は、この浴室用機器システムを示すブロック図である。
住宅内に設置される浴室100には、吐水機器として浴室洗浄装置200、浴槽洗浄装置300、電子制御式シャワー400が据え付けられている。浴室洗浄装置200、浴槽洗浄装置300、電子制御式シャワー400には、それぞれ各機器の吐水を制御するための制御部210、310、410が付設されている。また、これらの吐水機器の吐水のオンオフを制御する電磁弁は、電力供給が遮断されると自動的に流路を閉止するタイプであることが望ましい。
【0016】
また、浴室100には、浴室ドアの開閉状態を検知するドアセンサ500が設置されている。
【0017】
また、住宅内には、センサ用制御部600が設置されている。このセンサ用制御部600は、ドアセンサ500からの信号が入力されて、浴室ドアの開閉状態を判断する検出回路610、ドアセンサ500からの信号に基づいてドアセンサ500が異常であると判断する判断部620、判断部620がドアセンサ500の異常を判断すると各吐水機器への電力供給を遮断するスイッチ630、家庭内電源700から供給された電力が異常に増大すると電源供給を遮断する保護回路640が備えられている。このセンサ用制御部600は、各吐水機器に供給する電力を制御することから、電力制御部の側面も有する。
【0018】
また、浴室100の外には、浴室洗浄装置200、浴槽洗浄装置300の運転開始、運転停止等の制御を行うリモコン800が設置されている。
【0019】
なお、浴室洗浄装置200、浴槽洗浄装置300は、このリモコン800以外にも、携帯端末に導入したアプリあるいは住宅内にセットしたスマートスピーカーによってこれらの装置の始動を制御することも可能である。
【0020】
図1に示した浴室用機器システムにおいては、ドアセンサ500が故障などにより異常となったときには、ドアセンサ500から送信される信号に基づいてセンサ用制御部600の判断部620がドアセンサ500の異常を判断する。すると、センサ用制御部600のスイッチ630が各吐水機器への電力供給を直ちに停止するので、各吐水機器は動作を開始することができないため、浴室ドアの開閉を検知できなくても、各吐水機器からの吐水が開いた浴室ドアから浴室外に漏れ出ることを防止することが可能となる。
ここで、吐水を停止させるには、センサ用制御部600がドアセンサ異常信号を各吐水機器の制御部210,310、410に送信して、各制御部210、310、410が吐水を停止するように制御することも可能である。しかし、各制御部210、310、410にドアセンサ異常信号を送信して各制御部210、310、410が吐水停止を実行するよりも、センサ用制御部600自体が各吐水機器への電源供給を遮断する方が早く吐水を停止できる。
【0021】
このようにすることで、ドアセンサ500が異常であると判断された場合には、速やかに吐水機器の吐水を停止することが可能となる。
【0022】
次に、センサ用制御部がドアセンサの異常を判断する方法について説明する。
異常を判断するために、ドアセンサ500を2個設置して、それぞれを排他制御する。2個のドアセンサ500が同時に故障する可能性はきわめてまれであるから、排他制御とされたドアセンサ500は、正常なドアセンサ500と故障したドアセンサ500とで出力する信号が異なるものとなる。センサ用制御部600の判断部620が、2個のドアセンサ500からの信号が異なることをもってドアセンサ500が異常であると判断する。
また、排他制御に代えて、2個のドアセンサ500からの信号が異なることが数回続いた場合に、ドアセンサ500が異常であると判断するようにすることも可能である。
【0023】
上記に説明した実施形態は、発明の効果を損ねない限り様々な変形を行うことができる。
たとえば、保護回路の設置先はセンサ用制御部に限らず、他に設置することも可能である。
【符号の説明】
【0024】
100 浴室
200 浴室制御装置(吐水機器)
210 制御部
300 浴槽制御装置(吐水機器)
310 制御部
400 電子制御式シャワー(吐水機器)
410 制御部
500 ドアセンサ
600 センサ用制御部(電力制御部)
図1