(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023005109
(43)【公開日】2023-01-18
(54)【発明の名称】給水装置
(51)【国際特許分類】
F04D 15/00 20060101AFI20230111BHJP
G01F 1/06 20060101ALI20230111BHJP
【FI】
F04D15/00 D
G01F1/06 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021106822
(22)【出願日】2021-06-28
(71)【出願人】
【識別番号】000148209
【氏名又は名称】株式会社川本製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110000578
【氏名又は名称】名古屋国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】坂谷 哲則
(72)【発明者】
【氏名】渡邉 章太
【テーマコード(参考)】
2F030
3H020
【Fターム(参考)】
2F030CA01
2F030CA03
2F030CA04
2F030CC02
2F030CF07
3H020AA05
3H020BA04
3H020BA06
3H020CA01
3H020CA04
3H020DA04
3H020DA22
3H020EA02
3H020EA03
3H020EA12
3H020EA14
(57)【要約】
【課題】 、第1電動ポンプのインペラの回転速度と第2電動ポンプのインペラの回転速度とが同一である場合に、第1流量センサが検出した検出値と第2流量センサが検出した検出値とが大きく異なることを抑制する。
【解決手段】 センサ補正部7Bは、第1電動ポンプ3の作動状態と第2電動ポンプ5の作動状態とが同一となる場合において、第1流量センサFs1により検出された検出値と第2流量センサFs2により検出された検出値とが同一となるような補正を実行可能であることである。これにより、当該給水装置1に係るポンプ制御部7Aは、第1電動ポンプ3にて給水を行う場合と第2電動ポンプ5にて給水を行う場合とで異なる制御を実行する必要がない。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
給水用の第1電動ポンプ及び第2電動ポンプと、
前記第1電動ポンプから吐き出される流量を連続的に検出可能な第1流量センサと、
前記第2電動ポンプから吐き出される流量を連続的に検出可能な第2流量センサと、
前記第1流量センサにより検出された検出値、及び前記第2流量センサにより検出された検出値を利用して前記第1電動ポンプ及び前記第2電動ポンプの作動を制御可能なポンプ制御部と、
前記検出値を補正可能なセンサ補正部とを備え、
前記センサ補正部は、前記第1電動ポンプの作動状態と前記第2電動ポンプの作動状態とが同一となる場合において、前記第1流量センサにより検出された検出値と前記第2流量センサにより検出された検出値とが同一となるような補正を実行可能である給水装置。
【請求項2】
前記ポンプ制御部は、給水量が予め決められた流量(以下、停止流量という。)以下となったときに、稼働中の電動ポンプを停止させる小水量停止制御が実行可能であり、
前記ポンプ制御部は、前記センサ補正部にて補正されていない検出値が予め決められた値(以下、停止値という。)以下となったときに、給水量が前記停止流量以下となったとみなして前記小水量停止制御を実行する請求項1に記載の給水装置。
【請求項3】
前記ポンプ制御部には、前記停止値として、前記第1電動ポンプの前記小水量停止制御に用いられる値、及び前記第2電動ポンプの前記小水量停止制御に用いられる値が予め記憶されている請求項2に記載の給水装置。
【請求項4】
給水圧を検出する圧力センサを備え、
前記ポンプ制御部は、給水圧が目標とする圧力(以下、目標圧力という。)となるように稼働中の電動ポンプを制御する目標圧力制御、及び給水量を利用して前記目標圧力を決定する目標圧力決定制御が実行可能であり、
前記ポンプ制御部は、前記目標圧力決定制御の実行時には、前記センサ補正部にて補正された検出値を利用して前記目標圧力を決定する請求項2又は3に記載の給水装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、複数の電動ポンプを備える給水装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1に記載の給水装置では、複数の電動ポンプそれぞれの吐出し側に流量センサが配置されている。各流量センサは、流量を連続的に検出可能な流量センサである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ポンプ制御部は、各流量センサが検出した検出値を利用して対応する電動ポンプの作動を制御する。このため、複数の電動ポンプの作動状態が同一であるときに、対応する流量センサの検出値が異なると、ポンプ制御部は、適切に各電動ポンプの作動を制御することができない。
【0005】
具体的には、第1の電動ポンプのインペラの回転速度と第2の電動ポンプのインペラの回転速度とが同一である場合に、第1の流量センサが検出した検出値と第2の流量センサが検出した検出値とが異なると、ポンプ制御部は、例えば、第1の電動ポンプにて送水を行う場合と第2の電動ポンプにて送水を行う場合とで異なる制御を実行する必要がある。
【0006】
本開示は、上記点に鑑みたポンプ装置の一例を開示する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
給水装置は、例えば、以下の構成要件のうち少なくとも1つを備えることが望ましい。
【0008】
すなわち、当該構成要件は、給水用の第1電動ポンプ(3)及び第2電動ポンプ(5)と、第1電動ポンプ(3)から吐き出される流量を連続的に検出可能な第1流量センサ(Fs1)と、第2電動ポンプ(5)から吐き出される流量を連続的に検出可能な第2流量センサ(Fs2)と、第1流量センサ(Fs1)により検出された検出値、及び第2流量センサ(Fs2)により検出された検出値を利用して第1電動ポンプ(3)及び第2電動ポンプ(5)の作動を制御可能なポンプ制御部(7A)と、検出値を補正可能なセンサ補正部(7B)とを備え、センサ補正部(7B)は、第1電動ポンプ(3)の作動状態と第2電動ポンプ(5)の作動状態とが同一となる場合において、第1流量センサ(Fs1)により検出された検出値と第2流量センサ(Fs2)により検出された検出値とが同一となるような補正を実行可能であることである。
【0009】
これにより、当該給水装置に係るポンプ制御部(7A)は、第1電動ポンプ(3)にて給水を行う場合と第2電動ポンプ(5)にて給水を行う場合とで異なる制御を実行する必要がない。なお、第1電動ポンプ(3)と第2電動ポンプ(5)とは、ポンプ特性が同一なポンプである。
【0010】
因みに、上記各括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的構成等との対応関係を示す一例であり、本開示は上記括弧内の符号に示された具体的構成等に限定されない。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】第1実施形態に係る給水装置の概要を示す図である。
【
図2】第1実施形態に係る給水装置の正面図である。
【
図3】第1実施形態に係る給水装置の上面図である。
【
図4】パルス周波数と流量との関係を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下の「発明の実施形態」は、本開示の技術的範囲に属する実施形態の一例を示すものである。つまり、特許請求の範囲に記載された発明特定事項等は、下記の実施形態に示された具体的構成や構造等に限定されない。
【0013】
少なくとも符号が付されて説明された部材又は部位は、「1つの」等の断りがされた場合を除き、少なくとも1つ設けられている。つまり、「1つの」等の断りがない場合には、当該部材は2以上設けられていてもよい。本開示に示された給水装置は、少なくとも符号が付されて説明された部材又は部位等の構成要素、並びに図示された構造部位を備える。
【0014】
(第1実施形態)
<1.給水装置の概要>
本実施形態は、受水槽方式の給水装置に本開示に係る給水装置の一例が適用されたものである。当該給水装置1は、
図1に示されるように、第1電動ポンプ3、第2電動ポンプ5、制御装置7、電動ポンプと同数の流量センサFs1、Fs2及び吐出し圧センサPs等を少なくとも備えている。
【0015】
第1電動ポンプ3及び第2電動ポンプ5は、建物等の給水対象に設けられた給水配管に水を送水する電動式のポンプである。なお、第1電動ポンプ3及び第2電動ポンプ5それぞれは、
図3に示されるように、ポンプ部3A、5A及び電動モータ3B、5Bにより構成されている。
【0016】
第1電動ポンプ3と第2電動ポンプ5とは、ポンプ特性が同一のポンプである。つまり、吐出し側の負荷、インペラ3C、5C(
図2参照)の回転速度、及び吸い込み側に作用する押し込み圧力が同一の場合には、各電動ポンプの吐出し流量は、同一となる。
【0017】
第1電動ポンプ3と第2電動ポンプ5とは、
図1に示されるように、給水流れに対して互いに並列に配置されている。第1電動ポンプ3の吐出し口及び第2電動ポンプ5の吐出し口は、合流管9を介して建物の給水配管側に接続される。
【0018】
すなわち、合流管9は、
図3に示されるように、略T字状の三方継ぎ手である。当該合流管9の第1の流入口は、
図2に示されるように、逆止弁11A及びエルボ13Aを介して第1電動ポンプ3の吐出し口に接続されている。
【0019】
合流管9の第2の流入口は、逆止弁11B及びエルボ13Bを介して第2電動ポンプ5の吐出し口に接続されている。つまり、第1電動ポンプ3及び第2電動ポンプ5の吐出し口と合流管9との間には、逆止弁11A、11Bが配置されている。
【0020】
制御装置7は、
図1に示されるように、ポンプ制御部7A及びセンサ補正部7B等を有して構成されている。ポンプ制御部7Aは、第1流量センサFs1により検出された検出値、及び第2流量センサFs2により検出された検出値を利用して第1電動ポンプ3及び第2電動ポンプ5の作動を制御可能である。
【0021】
第1流量センサFs1は、第1電動ポンプ3から吐き出される流量を連続的に検出するための流量検出器である。第2流量センサFs2は、第2電動ポンプ5から吐き出される流量を連続的に検出するための流量検出器である。
【0022】
本実施形態に係る第1流量センサFs1及び第2流量センサFs2は、左右対称である点を除き、同一仕様の流量検出器である。具体的には、各流量センサFs1、Fs2は、羽根車及び回転速検出部(図示せず。)等を有して構成されている。
【0023】
羽根車は、水流の動圧を受けて回転する水車である。回転速検出部は、羽根車の回転速を検出する。なお、本実施形態に係る回転速検出部は、検出した流量に比例したパルス数(パルス周波数)を出力する。
【0024】
そして、第1流量センサFs1の羽根車は、
図2に示されるように、エルボ13Aの出口側であって、逆止弁14Aの上流側に配置されている。同様に、第2流量センサFs2の羽根車は、エルボ13Bの出口側であって、逆止弁14Bの上流側に配置されている。
【0025】
センサ補正部7B(
図1参照)は、第1流量センサFs1の検出値及び第2流量センサFs2の検出値(以下、2つの検出値を総称する際には、単に「検出値」と記す。)を予め決められたルールに従って補正可能である。
【0026】
このため、各流量センサFs1、Fs2の検出値は、センサ補正部7Bに入力されている。そして、センサ補正部7Bにて補正された各検出値は、
図1に示されるように、ポンプ制御部7Aに入力される。ポンプ制御部7Aは、その補正後の検出値を利用した電動ポンプの制御が可能である。
【0027】
圧力センサPsは、給水圧、つまり送水配管に送水される水の圧力を検出する。なお、給水装置1は蓄圧器15も備える。蓄圧器15は、第1電動ポンプ3及び第2電動ポンプ5の停止時に給水圧を保持する。
【0028】
本実施形態に係る制御装置7は、CPU、ROM及びRAM等を有するマイクロコンピュータにて構成されている。そして、本実施形態に係るポンプ制御部7A及びセンサ補正部7Bは、制御装置7にてソフトウェアが実行されることにより実現されている。
【0029】
<2.制御装置の制御作動>
<2.1 センサ補正部の作動>
センサ補正部7Bは、第1電動ポンプ3の作動状態と第2電動ポンプ5の作動状態とが同一となる場合において、第1流量センサFs1により検出された検出値(以下、第1検出値という。)と第2流量センサFs2により検出された検出値(以下、第2検出値という。)とが同一となるような補正をする。
【0030】
なお、「第1電動ポンプ3の作動状態と第2電動ポンプ5の作動状態とが同一となる場合」とは、例えば、各電動ポンプ3、5の吐出し側の負荷、インペラ3C、5Cの回転速度、及び各電動ポンプ3、5の吸い込み側に作用する押し込み圧力が同一の場合をいう。
【0031】
上記の作動状態が同一となる場合とは、例えば、給水需要及び電動モータ3B、5Bの回転速度が同一の場合等である。因みに、受水槽方式や直結給水方式の給水装置では、押し込み圧力は略一定である。
【0032】
「上記の作動状態が同一となる場合において、第1検出値と第2検出値とが同一となるような補正をする」とは、例えば、第1流量センサFs1から出力された補正前の第1検出値と第2流量センサFs2から出力された補正前の第2検出値とが異なる場合に、補正後の第1検出値と補正後の第2検出値となる同じとなるように補正することをいう。
【0033】
具体的には、
図4に示されるように、第1電動ポンプ3から吐き出される流量と第2電動ポンプ5から吐き出される流量とが同じであっても、本実施形態に係る給水装置1では、補正前の第1検出値(パルス周波数)と補正前の第2検出値(パルス周波数)とが異なる。
【0034】
そこで、センサ補正部7Bは、第1電動ポンプ3から吐き出される流量と第2電動ポンプ5から吐き出される流量とが同じ場合には、ポンプ制御部7Aに入力される第1検出値と第2検出値とが同じとなるように、補正前の第1検出値及び補正前の第2検出値を補正する。
【0035】
なお、本実施形態に係るセンサ補正部7Bは、補正前の検出値を定義域とし、補正後の検出値を値域とする関数を用いて補正前の検出値を補正した後、値域である補正後の検出値をポンプ制御部7Aに入力する。
【0036】
したがって、センサ補正部7Bには、第1流量センサFs1用の関数(以下、第1関数という。)、及び第2流量センサFs2用の関数(以下、第2関数という。)が予め記憶されている。なお、第1関数及び第2関数は、例えば、n次式の多項式であって、予め試験等にて決定されたものある。
【0037】
そして、第1流量センサFs1から出力された検出値は、第1関数にて補正された後、ポンプ制御部7Aに入力される。第2流量センサFs2から出力された検出値は、第2関数にて補正された後、ポンプ制御部7Aに入力される。
【0038】
因みに、本実施形態では、補正前の検出値はパルス周波数であり、補正後の検出値は、流量に換算した値である。したがって、ポンプ制御部7Aは、センサ補正部7Bから流量を示す検出値を受け取る。
【0039】
<2.2 ポンプ制御部の作動>
ポンプ制御部7Aは、目標圧力制御、目標圧力決定制御、小水量停止制御及び起動制御等が実行可能である。目標圧力制御は、圧力センサPsの検出圧力(以下、給水圧という。)が目標とする圧力となるように稼働中の電動ポンプを制御する。
【0040】
具体的には、給水圧が目標圧力より低い場合には、稼働中の電動ポンプ(インペラ)の回転速度を増大させる。給水圧が目標圧力より高い場合には、稼働中の電動ポンプ(インペラ)の回転速度を減少させる。
【0041】
なお、例えば、第1電動ポンプ3のみにて給水を実行している際に、第1電動ポンプ3が上限回転速度に到達した場合、ポンプ制御部7Aは、第2電動ポンプ5を起動させて第1電動ポンプ3及び第2電動ポンプ5にて給水を継続する。
【0042】
そして、2台の電動ポンプ3、5にて給水を実行している際に、給水量が予め決められた流量以下まで低下した場合には、ポンプ制御部7Aは、いずれかの電動ポンプを停止させ、1台の電動ポンプにて給水を継続する。
【0043】
目標圧力決定制御は、センサ補正部7Bから出力された補正後の検出値、つまり給水量を利用して目標圧力を決定する制御である。なお、本実施形態に係る目標圧力決定制御では、給水量の二次関数として目標圧力が決定される。
【0044】
小水量停止制御は、電動ポンプの稼働中に給水配管に供給される給水量が予め決められた流量(以下、停止流量)以下となったときに、稼働中の電動ポンプを停止させる制御である。
【0045】
そして、本実施形態に係るポンプ制御部7Aは、補正前の検出値が予め決められた値(以下、停止値という。)以下となったときに、給水量が停止流量以下となったとみなして小水量停止制御を実行する。停止値は、停止流量に相当する値(本実施形態では、パルス周波数を示す値)である。
【0046】
このため、ポンプ制御部7Aには、停止値として、第1電動ポンプ3の小水量停止制御に用いられる第1停止値、及び第2電動ポンプ5の小水量停止制御に用いられる第2停止値が予め記憶されている。
【0047】
なお、本実施形態では、同一の給水量に対する補正前の第1検出値と補正前の第2検出値とが異なる値となるため、第1停止値と第2停止値とは異なる値である。このため、第1停止値及び第2停止値は、停止流量に相当する値として試験にて決定された値である。
【0048】
起動制御は、第1電動ポンプ3及び第2電動ポンプ5が停止しているときに、給水圧が予め決められた圧力以下まで低下したときに、第1電動ポンプ3及び第2電動ポンプ5のうちいずれか一方の電動ポンプを起動させる制御である。
【0049】
<3.本実施形態に係る給水装置の特徴>
本実施形態に係る給水装置1に係るポンプ制御部7Aでは、センサ補正部7Bにて補正された検出流量を用いるので、第1電動ポンプ3にて送水を行う場合と第2電動ポンプ5にて送水を行う場合とで異なる制御を実行する必要がない。
【0050】
因みに、本実施形態に係る給水装置1において、補正前の第1検出値及び補正前の第2検出値が異なる理由は、以下の通りである。
【0051】
すなわち、本実施形態に係る電動ポンプ3、5のインペラ3C、5Cは、
図2に示されるように、左向きに回転している。このため、各電動ポンプ3、5から吐き出される流水の速度ベクトルには、紙面左向きの成分が大きな割合を占める。
【0052】
そして、第1電動ポンプ3に接続されたエルボ13Aは、紙面上向きに吐き出される流水を紙面左向きに転向させる。一方、第2電動ポンプ5に接続されたエルボ13Aは、紙面上向きに吐き出される流水を紙面右向きに転向させる。
【0053】
つまり、インペラの回転の向きにより流水に発生する速度成分とエルボにより転向させられる流水の転向方向とが第1電動ポンプ3と第2電動ポンプ5とで異なるため、第1流量センサFs1に流れ込む流水の速度分布と第2流量センサFs2に流れ込む流水の速度分布とが大きく相違してしまう。
【0054】
したがって、第1流量センサFs1の羽根車の回転速度と第2流量センサFs2の羽根車の回転速度とが大きく相違してしまい、補正前の第1検出値と補正前の第2検出値とが大きく相違してしまう。
【0055】
ポンプ制御部7Aは、補正前の検出値が停止値以下となったときに、給水量が前記停止流量以下となったとみなして小水量停止制御を実行する。これにより、補正に用いる関数にて適切に補正することができない場合であっても、ポンプ制御部7Aは、適切に小水量停止制御を実行できる。
【0056】
(その他の実施形態)
上述の実施形態に係るセンサ補正部7Bは、ポンプ制御部7Aにて給水量を示す情報が必要であるか否かを問わず、常に、検出値を補正し、補正後の検出値をポンプ制御部7Aに向けて出力する構成であった。
【0057】
しかし、本開示はこれに限定されない。すなわち、当該開示は、例えば、ポンプ制御部7Aにて給水量を示す情報が必要なときに限り、稼働中の電動ポンプに関する補正後の検出値が出力される構成であってもよい。
【0058】
上述の実施形態では、小水量停止制御時には、補正前の検出値を用いた。しかし、本開示はこれに限定されない。すなわち、当該開示は、例えば、小水量停止制御時にも補正後の検出値を利用する構成であってもよい。
【0059】
上述の実施形態では、受水槽方式の給水装置に本開示に係る給水装置を適用した例であった。しかし、本開示はこれに限定されない。すなわち、当該開示は、例えば、直結給水方式の給水装置にも適用可能である。
【0060】
上述の実施形態に係る給水装置は、2台の電動ポンプを備える構成であった。しかし、本開示はこれに限定されない。すなわち、当該開示は、例えば、3台の電動ポンプを備える給水装置にも適用可能であった。
【0061】
上述の実施形態では、検出値の補正に用いる関数は、試験等により予め決められた補正式であった。しかし、本開示はこれに限定されない。
【0062】
すなわち、当該開示は、例えば、給水装置の据え付け完了後において、作動状態が同一となる状態で試験運転が実行されたときに、第1検出値と第2検出値との差に基づいて、自動的に補正用の関数又は係数を演算する機能を備える構成であってもよい。
【0063】
上述の実施形態に係る流量センサは、羽根車方式の流量センサであった。しかし、本開示はこれに限定されない。すなわち、当該開示は、例えば、差圧式、電磁式、超音波式、熱式、コリオリ式、渦式、容積式、タービン式又はピトー管式等であってよい。
【0064】
上述の実施形態は、第1流量センサFs1に流れ込む流水の速度分布と第2流量センサFs2に流れ込む流水の速度分布とが大きく相違すること起因したものである。したがって、上述の実施形態に整流部材を設けた構成であってよい。
【0065】
上述の実施形態に係るポンプ制御部7A及びセンサ補正部7Bは、制御装置7にてソフトウェアが実行されることにより実現されていた。しかし、本開示はこれに限定されない。すなわち、当該開示は、例えば、ポンプ制御部7A及びセンサ補正部7Bが専用のハードウェアにて構成されていてもよい。
【0066】
さらに、本開示は、上述の実施形態に記載された開示の趣旨に合致するものであればよく、上述の実施形態に限定されない。したがって、上述した複数の実施形態のうち少なくとも2つの実施形態が組み合わせられた構成、又は上述の実施形態において、図示された構成要件もしくは符号を付して説明された構成要件のうちいずれかが廃止された構成であってもよい。
【符号の説明】
【0067】
1… 給水装置
3… 第1電動ポンプ
5… 第2電動ポンプ
7… 制御装置
7A… ポンプ制御部
7B… センサ補正部
Fs1… 第1流量センサ
Fs2… 第2流量センサ