(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023051114
(43)【公開日】2023-04-11
(54)【発明の名称】釣用ブレード及び釣具
(51)【国際特許分類】
A01K 85/00 20060101AFI20230404BHJP
【FI】
A01K85/00 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021161600
(22)【出願日】2021-09-30
(71)【出願人】
【識別番号】515316595
【氏名又は名称】株式会社津田商会
(74)【代理人】
【識別番号】100085291
【弁理士】
【氏名又は名称】鳥巣 実
(74)【代理人】
【識別番号】100117798
【弁理士】
【氏名又は名称】中嶋 慎一
(74)【代理人】
【識別番号】100166899
【弁理士】
【氏名又は名称】鳥巣 慶太
(74)【代理人】
【識別番号】100221006
【弁理士】
【氏名又は名称】金澤 一磨
(72)【発明者】
【氏名】中西 良一
(72)【発明者】
【氏名】松永 昂士
【テーマコード(参考)】
2B307
【Fターム(参考)】
2B307BA34
2B307BA38
2B307BA69
(57)【要約】
【課題】 ブレードを簡単に付け替えることが可能であり、またブレードを付け替える際に、釣糸を新たに付け替えるブレードに結び直す必要がなく、釣用ルアーに動きを与え、高い集魚効果を得ることが可能な釣用ブレード及び釣具を提供する。
【解決手段】 本発明の一の態様にかかる釣具100は、釣用ブレード2と釣用ルアー1とを備える。釣用ブレード2は、第1ブレード部材21と、第1ブレード部材21に着脱可能な第2ブレード部材22とを有する。第1ブレード部材21は、ベース部23に、釣用ルアー1の取付金具31やスナップ50などを取り付けるための第1貫通孔25と、さらに、スナップ50などを取り付けるための第2貫通孔26a,26bとを備える。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
釣用ルアーに用いる釣用ブレードであり、
前記釣用ブレードは、第1ブレード部材と、第1ブレード部材に着脱可能な第2ブレード部材とを有する、釣用ブレード。
【請求項2】
前記第1ブレード部材は、ベース部と該ベース部からのびる係止片とを備え、
前記第2ブレード部材は、前記第1ブレードの係止片が通過する係合部が設けられている、
請求項1記載の釣用ブレード。
【請求項3】
前記第1ブレード部材の前記係止片は、取付貫通孔を備え、
前記第2ブレード部材は、取付凸部が設けられており、
第1ブレード部材と第2ブレード部材とを接合した時に、前記取付貫通孔と前記取付凸部が嵌合する、
請求項2記載の釣用ブレード。
【請求項4】
前記第1ブレード部材は、前記係止片を複数備え、
複数の前記係止片は、それぞれ取付貫通孔を備え、
前記第2ブレード部材は、取付凸部が複数設けられており、
第1ブレード部材と第2ブレード部材とを接合した時に、複数の前記取付貫通孔と複数の前記取付凸部がそれぞれ嵌合する、
請求項2記載の釣用ブレード。
【請求項5】
前記第1ブレード部材は、前記係止片を3つ備え、
第1係止片の両側に、第2係止片、第3係止片がそれぞれ配され、
前記第1係止片が、前記第2係止片及び第3係止片よりも長く構成されていて、
前記係止片は、それぞれ取付貫通孔を備え、
前記第2ブレード部材は、取付凸部が複数設けられており、
第1ブレード部材と第2ブレード部材とを接合した時に、複数の前記取付貫通孔と複数の前記取付凸部がそれぞれ嵌合する、
請求項2記載の釣用ブレード。
【請求項6】
前記第2ブレード部材の前記係合部は、
前記第1ブレード部材の前記第1係止片が通過するものである、
請求項5記載の釣用ブレード。
【請求項7】
前記第1ブレード部材は、
前記ベース部に、釣用ルアーの取付金具やスナップなどを取り付けるための第1貫通孔と、
さらに、前記スナップなどを取り付けるための第2貫通孔と、を備える、
請求項1乃至6のいずれか1項記載の釣用ブレード。
【請求項8】
前記第1ブレード部材は、
前記ベース部に、前記第2貫通孔を2つ備える、
請求項7記載の釣用ブレード。
【請求項9】
前記第1ブレード部材のベース部の形状が台形である、
請求項1乃至8のいずれか1項記載の釣用ブレード。
【請求項10】
前記第1ブレード部材のベース部の形状が半円形、半楕円形、三角形、長方形のいずれかである、
請求項1乃至8のいずれか1項記載の釣用ブレード。
【請求項11】
前記第1ブレード部材及び第2ブレード部材が平板状である、
請求項1乃至10のいずれか1項記載の釣用ブレード。
【請求項12】
請求項1乃至11のいずれか1項記載の釣用ブレードと、釣用ルアーとを備える釣具。
【請求項13】
前記釣用ルアーは、ヘッドとフックを備え、
前記ヘッドは、前記取付金具を介して前記釣用ブレードに連結されており、
前記取付金具が、前記釣用ブレードの前記第1貫通孔に遊挿されることにより、前記ヘッドが前記釣用ブレードに対して左右及び前後に揺動可能に連結される、
請求項12記載の釣具。
【請求項14】
前記ヘッドは、樹脂製、金属製及び木材製から選ばれる少なくとも1の硬質材料である、
請求項13記載の釣具。
【請求項15】
前記釣用ルアーは、前記ヘッドに巻き付けられるスカートをさらに備える、
請求項13又は14記載の釣具。
【請求項16】
前記フックは、シングルフック、ダブルフック、又はトリプルフックである、
請求項13乃至15のいずれか1項記載の釣具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ルアーに用いる釣用ブレード及び釣具に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、ルアーは淡水魚であるブラックバス等の種々の肉食魚を釣るために使用され、海釣りにおいても種々の肉食魚を釣るために使用されている。ルアーを使用したルアーフィッシングは、釣り人に人気があり、幅広い世代にわたって盛んに行われている。釣りの捕獲対象魚の種類や場所、状況等によって種々のルアーが使用されている。
【0003】
その中でも、水の抵抗によって、ブレードとルアーの先端部とが干渉し合い、イレギュラーな動きや、細かい振動を生じさせ、魚のような動きを演出することで、釣果を大幅にあげることができるルアーが注目されている。このようなルアーは、ブレードがルアーの先端の接続部に取り付けられており、ブレードジグ、チャターベイトと呼ばれている。ブレードの形状や素材、色、取り付け位置等によって、水中でのアクションが微妙に異なることから、ルアーフィッシングをする上で、ブレードを付け替えたり、アレンジしたりして、独自のルアーを作製することが、一般的となっている。
【0004】
特許文献1には、水の抵抗により、ブレードが揺動するルアーとして、スプリットリングに金属線環状体を介してブレードが取り付けられた釣具が開示されており、ルアーの先端部のスプリットリングとブレードの二つの孔にループ状の金属線を通し、ループの環を閉じて金属線環状体とし、ブレードを前後方向及びルアーの進行方向に対して任意の角度に遊動可能に取り付けた釣用ブレード付きルアーが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、特許文献1のルアーは、ブレードの付け替えが可能であるが、ブレードの付け替えが複雑であり、ブレードを付け替える際に、釣糸を新たに付け替えるブレードに結び直す必要があり手間と時間がかかるという課題があった。
【0007】
本発明の発明者らは、上記課題に鑑みて本発明に至ったものである。すなわち、簡単に付け替えが可能なブレードであり、またブレードを付け替える際に、釣糸を新たに付け替えるブレードに結び直す必要がなく、釣用ルアーに動きを与え、高い集魚効果を得ることが可能な釣用ブレード及び釣具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一の態様にかかる釣用ブレードは、釣用ルアーに用いる釣用ブレードであり、前記釣用ブレードは、第1ブレード部材と、第1ブレード部材に着脱可能な第2ブレード部材とを有することを特徴とする。
【0009】
この構成によれば、釣用ルアーに用いる釣用ブレードは、第1ブレード部材と、第1ブレード部材に着脱可能な第2ブレード部材からなるので、サイズや重さの異なる第2ブレード部材を第1ブレード部材に付け替えることで、使用者の目的に応じた釣用ブレードのアレンジをすることができる。すなわち、従来のブレードのように、釣糸などで結び直して付け替える必要がなく、簡単に所望のブレードとすることができる。
【0010】
また、この釣用ブレードは、前記第1ブレード部材が、ベース部と該ベース部からのびる係止片とを備え、前記第2ブレード部材は、前記第1ブレードの係止片が通過する係合部が設けられていることを特徴とする。
【0011】
この構成によれば、第1ブレード部材はベース部からのびる係止片を備え、第2ブレード部材に設けられた係合部を係止片が通過するので、第1ブレード部材と第2ブレード部材を確実に接合することができ、確実に位置決めされる。
【0012】
また、この釣用ブレードは、前記第1ブレード部材の前記係止片は、取付貫通孔を備え、前記第2ブレード部材は、取付凸部が設けられており、第1ブレード部材と第2ブレード部材とを接合した時に、前記取付貫通孔と前記取付凸部が嵌合することを特徴とする。
【0013】
この構成によれば、第2ブレード部材に設けられた取付凸部が第1ブレード部材の係止片に備わる取付貫通孔に差し込まれる。これにより、所定の位置で第1ブレード部材と第2ブレード部材の接合がより確実に固定され、確実に位置決めされる。また、第1ブレード部材と第2ブレード部材の接合をするための部材も不要のため、釣用ブレードの構造を簡素化できる。
【0014】
また、この釣用ブレードは、前記第1ブレード部材が、前記係止片を複数備え、複数の前記係止片は、それぞれ取付貫通孔を備え、前記第2ブレード部材は、取付凸部が複数設けられており、第1ブレード部材と第2ブレード部材とを接合した時に、複数の前記取付貫通孔と複数の前記取付凸部がそれぞれ嵌合することを特徴とする。
【0015】
この構成によれば、第1ブレード部材と第2ブレード部材を接合する時に、取付貫通孔と取付凸部の嵌合する箇所が複数となり、より確実に第1ブレード部材と第2ブレード部材を接合することができる。
【0016】
また、この釣用ブレードは、前記第1ブレード部材が、前記係止片を3つ備え、第1係止片の両側に、第2係止片、第3係止片がそれぞれ配され、前記第1係止片が、前記第2係止片及び第3係止片よりも長く構成されていて、前記係止片は、それぞれ取付貫通孔を備え、前記第2ブレード部材は、取付凸部が複数設けられており、第1ブレード部材と第2ブレード部材とを接合した時に、複数の前記取付貫通孔と複数の前記取付凸部がそれぞれ嵌合することを特徴とする。
【0017】
この構成によれば、取付貫通孔と取付凸部が嵌合する箇所が3つとなり、複数の箇所で取付貫通孔と取付凸部を嵌合させ、第1ブレード部材と第2ブレード部材とを接合することとなる。
【0018】
また、この釣用ブレードは、前記第2ブレード部材の前記係合部が、前記第1ブレード部材の前記第1係止片が通過するものであることを特徴とする。この構成によれば、第2ブレード部材の係合部を通過する係止片が、第2係止片と第3係止片の間に配された第1係止片であるので、第1ブレード部材と第2ブレード部材の接合が安定したものとなる。
【0019】
また、この釣用ブレードは、前記第1ブレード部材が、前記ベース部に、釣用ルアーの取付金具やスナップなどを取り付けるための第1貫通孔と、さらに、前記スナップなどを取り付けるための第2貫通孔と、を備えることを特徴とする。
【0020】
この構成によれば、第1ブレード部材のベース部に第2貫通孔を備えているので、釣用ブレードの大きさや重さを変えるために第2ブレード部材を付け替える際に、第2貫通孔に取り付けたスナップに結びつけられた釣糸を付け替える必要がなくなるため、釣糸を新たな釣用ブレードに付け替える手間と時間を省くことができる。
【0021】
また、この釣用ブレードは、前記第1ブレード部材が、前記ベース部に、前記第2貫通孔を2つ備える構成としてもよい。
【0022】
また、この釣用ブレードは、前記第2貫通孔の直径が、前記第1貫通孔の直径の1.0倍より大きく2.0倍以下である構成としてもよい。この構成によれば、釣糸を取り付けるためのスナップを通すための第2貫通孔の直径が、第1貫通孔の直径の1.0倍より大きく2.0倍以下であることにより、ブレードとヘッドとが干渉しあうのを妨害しないサイズのスナップを使用することができる。
【0023】
また、この釣用ブレードは、前記第2貫通孔の直径は、前記スナップを構成する金属線の太さの2倍以上である構成としてもよい。この構成によれば、第2貫通孔の直径がスナップを構成する金属線の太さの2倍以上なので、釣用ルアー本体の直進泳動を妨げつつかつルアーに不規則で変幻自在な動きを与えることができる。
【0024】
また、この釣用ブレードは、前記第1貫通孔と2つの前記第2貫通孔とは、略一直線上に配置され、前記第1貫通孔の中心部をxとし、2つの前記第2貫通孔のうち、前記第1貫通孔に近い位置に配置された第2貫通孔の中心部をyとし、前記第1貫通孔から遠い位置に配置された第2貫通孔の中心部をzとしたときに、yz間の距離がxy間の距離の0.4~1.0倍である構成としてもよい。
【0025】
この構成によれば、yz間の距離が、xy間の距離の0.4~ 1.0倍であることにより、第2貫通孔に適度な大きさのスナップを取り付けることができるため、水中において、釣糸とスナップとにかかる負担を軽減しつつも、ブレードとヘッドとが干渉しあうのを妨害しないサイズのスナップを使用することができる。
【0026】
また、この釣用ブレードは、前記第1ブレード部材のベース部の形状が、台形であることを特徴とする。この構成によれば、第1ブレード部材のベース部の形状を台形とすることで、より釣用ルアーに不規則で変幻自在な動きを与えることができる。
【0027】
また、この釣用ブレードは、前記第1ブレード部材のベース部の形状が、半円形、半楕円形、三角形、長方形のいずれかの構成とすることもできる。これらの構成により、台形状とは別の動きとなる。
【0028】
また、この釣用ブレードは、前記第1ブレード部材及び第2ブレード部材が、平板状であることを特徴とする。この構成によれば、第1ブレード部材及び第2ブレード部材は、平板状であるので小刻みで高音のクラックサウンドを発生しやすくなる。
【0029】
また、この釣用ブレードは、前記第1ブレード部材及び第2ブレード部材が金属プレートである構成としてもよい。この構成によれば、第1ブレード部材及び第2ブレード部材が金属プレートなので、ヘッドとの接触音の発生により、漁獲効果の向上が期待できる。
【0030】
本発明の一の態様にかかる釣具は、上記した釣用ブレードと、釣用ルアーとを備える。
【0031】
また、この釣具は、前記釣用ルアーが、ヘッドとフックを備え、前記ヘッドは、前記取付金具を介して前記釣用ブレードに連結されており、前記取付金具が、前記釣用ブレードの前記第1貫通孔に遊挿されることにより、前記ヘッドが前記釣用ブレードに対して左右及び前後に揺動可能に連結されることを特徴とする。
【0032】
この構成によれば、ヘッドが、取付金具を介してブレードに連結され、取付金具は、ブレードの第1貫通孔に遊挿されることにより、ヘッドを釣用ブレードに対して左右及び前後に揺動可能に連結しているので、釣用ブレードが水による抵抗の変動を受けると、ブレードに連結されたヘッド及びフックが、左右及び前後に大きく且つ不規則に揺動し易くなる。
【0033】
また、この釣具は、前記ヘッドが、樹脂製、金属製及び木材製から選ばれる少なくとも1の硬質材料であることを特徴とする。この構成によれば、ヘッドが硬質材料であるので、釣用ブレードと接触した際に高音の接触音を発生させることができ、魚に対して刺激を与え、集魚効果を高めることができる。
【0034】
また、この釣具は、前記釣用ルアーが、前記ヘッドに巻き付けられるスカートをさらに備えることを特徴とする。この構成によれば、ヘッドとフックとが、大きく且つ不規則に揺動すると、これに伴ってスカートも大きく且つ不規則に揺動するので、集魚効果を高めることができる。
【0035】
また、この釣具は、前記フックが、シングルフック、ダブルフック、又はトリプルフックであることを特徴とする。シングルフックである場合、針のサイズを大きくでき大型の魚を対象とすることができ、ダブルフックである場合、根掛かりが少なくすることができ、トリプルフックである場合、魚が任意の方向から釣用ルアーに食い付いてもフックを魚の口に刺すことができる。
【発明の効果】
【0036】
本発明の釣用ブレード及び釣具によれば、釣用ブレードを付け替える際に、釣糸を新たに付け替える釣用ブレードに結び直す必要がなく、容易に付け替え可能な釣用ブレードとできる。そのため、容易に形状の異なるブレードとでき、魚や環境に応じた釣用ブレードを容易に選択することができ、釣用ルアーに動きを与え、高い集魚効果を得ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【
図1】本発明の実施形態にかかる釣具の全体斜視図である。
【
図2】本発明の実施形態にかかる第2ブレード部材を取り付ける前の状態の釣具の全体斜視図である。
【
図3】本発明の実施形態にかかる釣具に使用する釣用ブレードの正面図である。
【
図4】本発明の実施形態にかかる釣具に使用する釣用ブレードの背面図である。
【
図5】実施形態の変形例にかかる釣具に使用する釣用ブレードの背面図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
以下、本発明の一実施形態にかかる釣用ブレード及び釣具について詳細に説明する。なお、この実施形態により本発明が限定されるものではない。また、下記実施形態における構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、あるいは実質的に同一のものが含まれる。さらに、以下に記載した構成は、適宜組み合わせることも可能である。また、本発明の要旨を逸脱しない範囲で構成の種々の省略、置換または変更を行うことができる。
【0039】
(釣具及び釣用ブレードの構成)
図1及び
図2は、実施形態1にかかる釣具100の全体斜視図である。
図1は第2ブレード部材22を取り付けた状態であり、
図2は第2ブレード部材22を取り外した状態である。本実施形態の釣具100は、釣用ブレード2とヘッド30とフック40から構成され、釣用ブレード2は、第1ブレード部材21と第1ブレード部材21に着脱可能な第2ブレード部材22とを有する。また釣用ブレード2の第1ブレード部材21のベース部23にはスナップ50が取り付けられており、ヘッド30に釣用ブレード2を取り付けるための取付金具31が設けられている。
【0040】
図1に示すように、釣用ブレード2は、第1ブレード部材21と、第1ブレード部材21に着脱可能な第2ブレード部材22とを有する。第1ブレード部材21と第2ブレード部材22は厚さが0.1~1.0mmで、釣用ブレード2の面積は100~900mm
2の範囲であることが好ましい。前記の範囲であれば、釣具100の直進泳動を妨げかつルアーに不規則で変幻自在な動きを与えるのにより効果的である。また、釣用ブレード2の重さは、0.5~3gであることが好ましい。
【0041】
第1ブレード部材21のベース部23の形状は、台形、半円形、半楕円形、三角形、長方形等任意の形状とすることができる。特に台形であることが好ましい。台形はブレード2が左右及び前後に大きく且つ不規則に揺動し易くなるので好ましい。第2ブレード部材22の形状は、半円となっているが、任意の形状とすることができる。
【0042】
第1ブレード部材21及び第2ブレード部材22は、平板状、末広がり状、湾曲等任意の形状とすることができる。特に平板状であることが好ましい。平板状は小刻みで高音のクラックサウンドを発生しやすいことから好ましい。
【0043】
第1ブレード部材21及び第2ブレード部材22の素材は、金属、プラスチック等を使用することができる。金属としては、アルミニウム、マグネシウム、ジュラルミン、銅、ステンレスなどの比重の軽いものが好ましい。プラスチックとしては、ABS樹脂、アクリル樹脂、ポリアセタール樹脂、ナイロン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂・ポリプロピレン樹脂・PVC等の樹脂が好ましい。
【0044】
金属プレートであればヘッド30と接触したときに高音の接触音を発生しやすい。金属音の発生により、漁獲効果の向上が期待できる。水中でのアクションや、耐久性の観点から、ステンレスを使用することがより好ましい。第1ブレード部材21及び第2ブレード部材22の表面には、光を乱反射するように、多数の凹凸が形成されていてもよい。
【0045】
本実施形態に係る第1ブレード部材21は、ベース部23と該ベース部23からのびる3つの係止片24を備え、第1係止片24aの両側に、第2係止片24b、第3係止片24cがそれぞれ配されている。
図3及び
図4に示すように、第2ブレード部材22には、係合部29が設けられていて、第1ブレード部材21の第1係止片24aが通過する。これにより、第1ブレード部材21と第2ブレード部材22を確実に接合することができる。なお、本実施例において、係合部29は1つであるが、複数設けられてもよい。
【0046】
第1ブレード部材21は、係止片24を3つ備え、第1係止片24aの両側に、第2係止片24b、第3係止片24cがそれぞれ配されている。第1係止片24aが、第2係止片24b及び第3係止片24cよりも長く構成されていて、それぞれ取付貫通孔27を備えている。
図3及び
図4に示すように、第2ブレード部材22に設けられた3つの取付凸部28が第1ブレード部材21の係止片24に備わる取付貫通孔27にそれぞれ差し込まれる。これにより、所定の位置で第1ブレード部材21と第2ブレード部材22の接合が確実に固定される。
【0047】
また、第1ブレード部材と第2ブレード部材の接合をするための部材は不要となるので、釣用ブレードの構造を簡素化できる。なお、本実施例においては、係止片24、取付貫通孔27、取付凸部をそれぞれ3つ備えるが、数は本実施形態に限定されず、また位置、大きさ、形状も本実施形態に限定されない。
【0048】
第1ブレード部材21は、ベース部23に、釣用ルアー1の取付金具31やスナップ50などを取り付けるための第1貫通孔25と、さらに、スナップ50などを取り付けるための2つの第2貫通孔26a,26bとを備える。
【0049】
第1貫通孔25の直径は、2.0~5.0mmであることが好ましい。第1貫通孔25の直径が2.0mmより小さいと、取付金具31の径との差が小さく、釣用ブレード2が水の抵抗を受けた時に、揺動しにくくなるため、水中でのイレギュラーな動きや、細かい振動を生じさせることができなくなるおそれがある。
【0050】
また、第1貫通孔25の直径が5.0mmを超えると、水の抵抗を受ける釣用ブレード2の表面積が小さくなり、釣用ブレード2がヘッド30に接触する頻度が少なくなるため、細かい振動を生じさせることができなくなるおそれがある。
【0051】
また、第2貫通孔26a,26bの直径は、第1貫通孔25の直径の1.0倍よりも大きく2.0倍以下としている。1.0倍以下であると、釣糸を取り付けるためのスナップ50が第2貫通孔26a,26bに通りにくくなるおそれがある。一方で、2.0倍よりも大きくなると、水の抵抗を受ける釣用ブレード2の表面積が小さくなるため、釣用ブレード2がヘッド30に当たる頻度が少なくなり、細かい振動を生じさせることができなくなるおそれがある。
【0052】
第2貫通孔26a,26bの直径は、スナップ50を構成する金属線の太さの2倍以上であることが好ましい。前記の大きさであれば、釣具100本体の直進泳動を妨げかつ釣具100に不規則で変幻自在な動きを与えるのにより効果的である。
【0053】
第1ブレード部材21には、第1貫通孔25と、2つの第2貫通孔26a,26bとが略一直線上に配置されている。第1貫通孔25の中心部をxとし、2つの第2貫通孔26a,26bのうち、第1貫通孔25に近い位置に配置されたスナップ貫通孔26aの中心部をyとし、第1貫通孔から遠い位置に配置された第2貫通孔26bの中心部をzとしたときに、yz間の距離は、xy間の距離の0.4~1.0倍としている。
【0054】
0.4倍より小さいと、釣糸を取り付けるためのスナップ50のサイズを小さくしなければならず、釣糸とスナップ50にかかる負担が大きくなり、魚がヒットしたり、根がかりしたりして、強い力が加わったとき、釣糸が切れるおそれがある。1.0倍より大きいと、使用するスナップ50のサイズが大きくなり、釣用ブレード2とヘッド30との干渉を妨害し、小刻みな揺動が得られず、釣果が得られないおそれがある。
【0055】
第1ブレード部材21のベース部23には、第2貫通孔26a,26bが備わり、この中にスナップ50の金属線を通してスナップ50が取り付けられている。スナップ50の先端部を釣糸接続部51とし、ここに釣糸を接続するものである。第2貫通孔26a,26bに金属線を通しループ状の環として、環のいずれかの部分で環を閉じる。52は環を閉じた部分である。これにより、ブレード2と釣糸の動きを抑制することができる。
【0056】
また、釣具100は、釣用ブレード2と釣用ルアー1とを備える。釣用ルアー1は、ヘッド30とフック40を備えており、ヘッド30には、その前部に取付金具31と、ヘッド30の後部へ突出するフック40が、成形時にヘッド30に一体に取り付けられている。
【0057】
ヘッド30が、取付金具31を介して釣用ブレード2に連結されている。そして、取付金具31は、釣用ブレード2の第1ブレード部材21に形成された第1貫通孔25に遊挿されることにより、ヘッド30を釣用ブレード2に対して左右及び前後に揺動可能に連結している。このような形態の釣具100では、釣用ブレード2が水による抵抗の変動を受けると、釣用ブレード2に連結されたヘッド30及びフック40が、左右及び前後に(特に左右に)大きく且つ不規則に揺動し易いので、好ましい。
【0058】
ヘッド30は、樹脂製、金属製及び木材製から選ばれる少なくとも1の硬質材料であることが好ましい。硬質材料であれば、ブレード2と接触して高音の接触音を発生しやすい。金属プレート製ブレード2と硬質材料製ヘッド30の組み合わせの場合は最も高音を発生しやすく、魚に対して刺激を与え、集魚効果を高めることができるので好ましい。成形のしやすさにおいては、熱可塑性樹脂、鉛を使用することが好ましい。また、ヘッド30には塗料や金属メッキを施してもよい。取付金具31は、金属製であることが好ましく、ステンレス等の錆びにくい素材を使用することがより好ましい。
【0059】
フック40は、1本のフックから成るシングルフックである。シングルフック以外に2本のフックから成るダブルフック、又は3本のフックを接合して構成されたトリプルフックをフック40として用いることができる。フック40は、金属製であることが好ましく、ステンレス等の錆びにくい素材を使用することがより好ましい。
【0060】
釣具100は、釣用ルアー1が、ヘッド30に巻き付けられフック40を覆うスカート60を備える。スカート60は、水中で自在に変形する柔軟性のある耐水性の合成樹脂の多数の細い紐状をなし、例えばシリコンゴム材で形成されてもよい。
【0061】
1つの好ましい実施形態として、取付金具31の直径が1~1.2mm、スナップ50の金属線直径が0.5~0.8mm、第1ブレード部材21と第2ブレード部材22の厚さが0.4mm、第1貫通孔25の直径が2mm、第2貫通孔26a,26bの直径が3mm、取付貫通孔27の直径が1.3~1.5mm、取付凸部28の直径が1.4~1.5mm、第1貫通孔25の中心部xと、2つの第2貫通孔のうち第1貫通孔25に近い位置に配置された第2貫通孔26aの中心部yの距離が4mm、第1貫通孔25に近い位置に配置された第2貫通孔26aの中心部yと第1貫通孔から遠い位置に配置された第2貫通孔26bの中心部zの距離が4mm、ヘッドの重量は約8g(無塗装・針付き)である。
【0062】
また、第1ブレード部材21の第1貫通孔25に取付金具31を挿通するのではなく、スナップ50の釣糸接続部51の反対側に取付金具31を取り付けられる形態でもよい。
この取り付けによって、釣用ブレード2は取付金具31に対して揺動可能となる。
【0063】
(変形例)
また、上記した実施形態の釣用ブレード2は、
図5(a)に示すような構成としてもよい。
図5(a)に示す、釣用ブレード120と、上記の釣用ブレード2との主な違いは、第1ブレード部材と第2ブレード部材の取付構造である。以下、釣用ブレード120について、上記の釣用ブレード2との相違点を中心に説明する。
【0064】
釣用ブレード120は、第1ブレード部材121と第2ブレード部材122を備える。第1ブレード部材121は、ベース部123と該ベース部123からのびる係止片124が配されている。係止片124は、ベース部123から細長の長方形状にのび、その先端がそれよりも広い台形状に形成されている。
【0065】
第2ブレード部材122には、係合部129が設けられていて、第1ブレード部材121の係止片124が通過する。また、係止片124の先端の台形状の部分は、係合部129よりも幅広になっていて、第1ブレード部材121と第2ブレード部材122の接合後に外れにくく構成されている。これにより、第1ブレード部材121と第2ブレード部材122を確実に接合することができる。なお、この釣用ブレード120は、係止片124と係合部129は1つであるが、複数設けられた構成としてもよい(
図5(b)参照)。
【0066】
また、この第1ブレード部材121と第2ブレード部材122は、平板状で軟質の樹脂製である。なお、樹脂製以外にゴム製としてもよい。また、第1ブレード部材121の係止片124のみ軟質の樹脂製として、それ以外の部分及び第2ブレード部材122を硬質の樹脂製やゴム製としてもよく、また金属製としてもよい。
【0067】
(その他の実施形態)
以上の通り、本発明の好適な実施形態を説明したが、本発明は上述した各実施形態に限定されないことは勿論であり、上述のように、本発明はヘッドに取付金具を介してブレードを取り付ける釣具であるが、釣糸を取り付けるスナップにブレードが取り付けられ、このスナップをヘッドの取付金具に取り付ける形態でもよい。
【0068】
また、第1ブレード部材の形状は台形状に限られず、半円形、半楕円形、三角形、長方形などであってもよく、また第2ブレード部材の形状も半円形に限られず、台形状、半楕円形、三角形、長方形などであってもよい。また、各種寸法も実施の一例であり、これらの寸法に限定されない。したがって、そのようなものも本発明の範囲に含まれる。また、その他、特許請求の範囲に記載された範疇における各種の変更例又は修正例についても、本発明の技術的範囲に属するものである。
【符号の説明】
【0069】
1 釣用ルアー
2 釣用ブレード
21 第1ブレード部材
22 第2ブレード部材
23 ベース部
24a 第1係止片
24b 第2係止片
24c 第3係止片
25 第1貫通孔
26a 第2貫通孔
26b 第2貫通孔
27 取付貫通孔
28 取付凸部
29 係合部
30 ヘッド
31 取付金具
40 フック
50 スナップ
51 釣糸接続部
52 環を閉じた部分
60 スカート
100 釣具
120 釣用ブレード
121 第1ブレード部材
122 第2ブレード部材
123 ベース部
124 係止片
129 係合部