(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023005124
(43)【公開日】2023-01-18
(54)【発明の名称】電力管理装置、電力管理システム及び電力管理方法
(51)【国際特許分類】
H02J 3/00 20060101AFI20230111BHJP
H02J 3/38 20060101ALI20230111BHJP
H02J 3/32 20060101ALI20230111BHJP
H02J 13/00 20060101ALI20230111BHJP
【FI】
H02J3/00 170
H02J3/38 130
H02J3/38 170
H02J3/32
H02J3/00 130
H02J13/00 301B
H02J13/00 311R
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021106845
(22)【出願日】2021-06-28
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ZIGBEE
(71)【出願人】
【識別番号】000006633
【氏名又は名称】京セラ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】木下 健太
【テーマコード(参考)】
5G064
5G066
【Fターム(参考)】
5G064AC09
5G064CB08
5G064CB12
5G064DA02
5G066AA02
5G066AA03
5G066HB06
5G066HB07
5G066HB09
5G066JB03
(57)【要約】 (修正有)
【課題】稼働計画を適切に収集するとともに、需要電力に関する基準値を適切に算出することを可能とする電力管理装置、電力管理システム及び電力管理方法を提供する。
【解決手段】電力系統に接続される複数の施設と、電力管理サーバと、電力会社とが、ネットワークで接続されている電力管理システムにおいて、電力管理装置である電力管理サーバ200は、電力系統に接続された分散電源を含む施設を管理する管理部210と、第1期間における施設の需要電力の実績情報に基づいて、第1期間よりも後の第2期間で参照される施設の需要電力の予測誤差を特定し、予測誤差が閾値よりも大きい場合に、第2期間において施設の需要電力の計画を特定するための稼働計画を施設側に要求する制御部230と、を備える。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電力系統に接続された分散電源を含む施設を管理する管理部と、
第1期間における前記施設の需要電力の実績情報に基づいて、前記第1期間よりも後の第2期間で参照される前記施設の需要電力の予測誤差を特定し、前記予測誤差が閾値よりも大きい場合に、前記第2期間において前記施設の需要電力の計画を特定するための稼働計画を前記施設側に要求する制御部と、を備える、電力管理装置。
【請求項2】
前記閾値は、前記分散電源によって調整可能な電力に応じて定められる、請求項1に記載の電力管理装置。
【請求項3】
前記第2期間は、前記電力系統の電力需給バランスを調整する期間である、請求項1又は請求項2に記載の電力管理装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記予測誤差に関する情報要素を前記施設側に提示し、
前記予測誤差に関する情報要素は、前記稼働計画を用いずに前記予測誤差を特定するケースの情報要素及び前記稼働計画を用いて前記予測誤差を特定するケースの情報要素の少なくともいずれか1つを含む、請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の電力管理装置。
【請求項5】
前記閾値は、第1閾値と、前記第1閾値よりも大きな第2閾値と、を含み
前記制御部は、前記予測誤差が前記第1閾値よりも大きい場合に、第1レベルのデータ粒度を有する第1稼働計画を要求し、前記予測誤差が前記第2閾値よりも大きい場合に、第1レベルよりも細かい第2レベルのデータ粒度を有する第2稼働計画を要求する、請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の電力管理装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記予測誤差に関する情報要素を前記施設側に提示し、
前記予測誤差に関する情報要素は、前記第1稼働計画を用いて前記予測誤差を特定するケースの情報要素及び前記第2稼働計画を用いて前記予測誤差を特定するケースの情報要素の少なくともいずれか1つを含む、請求項5に記載の電力管理装置。
【請求項7】
前記稼働計画は、前記施設の需要電力の計画そのものを含む、請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の電力管理装置。
【請求項8】
前記稼働計画は、前記施設が有する負荷機器の稼働計画を含む、請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載の電力管理装置。
【請求項9】
前記稼働計画は、前記分散電源の稼働計画を含む、請求項1乃至請求項8のいずれか1項に記載の電力管理装置。
【請求項10】
電力系統に接続された分散電源を含む施設を管理する管理部と、
第1期間における前記施設の需要電力の実績情報に基づいて、前記第1期間よりも後の第2期間で参照される前記施設の需要電力の予測誤差を特定し、前記予測誤差が閾値よりも大きい場合に、前記第2期間において前記施設の需要電力の計画を特定するための稼働計画を前記施設側に要求する制御部と、を備える、電力管理システム。
【請求項11】
電力系統に接続された分散電源を含む施設を管理するステップと、
第1期間における前記施設の需要電力の実績情報に基づいて、前記第1期間よりも後の第2期間で参照される前記施設の需要電力の予測誤差を特定し、前記予測誤差が閾値よりも大きい場合に、前記第2期間において前記施設の需要電力の計画を特定するための稼働計画を前記施設側に要求するステップと、を備える、電力管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電力管理装置、電力管理システム及び電力管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電力系統の電力需給バランスを調整する仕組みとして、電力管理装置から施設に対して電力削減を要請する仕組み(以下、DR; Demand Response)も知られている(例えば、特許文献1)。DRは、要請電力に相当する電力を基準電力(以下、基準値)から削減する仕組みであり、基準値を正確に推定(算出)することが重要である。基準値は、ベースライン電力と称されてもよい。
【0003】
例えば、基準値は、施設の需要電力の実績情報、気象情報、カレンダー情報(季節、月、曜日等)などに基づいて算出することが考えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、基準値の算出において、施設の需要電力の計画を特定するための稼働計画を施設側の端末から提供してもらい、稼働計画に基づいて基準値を算出することによって、基準値の算出精度の向上が見込まれる。
【0006】
しかしながら、施設側にとって、稼働計画の提供は煩雑であり、稼働計画の詳細情報を常に収集することが困難であることが想定される。
【0007】
そこで、本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、稼働計画を適切に収集するとともに、需要電力に関する基準値を適切に算出することを可能とする電力管理装置、電力管理システム及び電力管理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
開示に係る電力管理装置は、電力系統に接続された分散電源を含む施設を管理する管理部と、第1期間における前記施設の需要電力の実績情報に基づいて、前記第1期間よりも後の第2期間で参照される前記施設の需要電力の予測誤差を特定し、前記予測誤差が閾値よりも大きい場合に、前記第2期間において前記施設の需要電力の計画を特定するための稼働計画を前記施設側に要求する制御部と、を備える。
【0009】
開示に係る電力管理システムは、電力系統に接続された分散電源を含む施設を管理する管理部と、第1期間における前記施設の需要電力の実績情報に基づいて、前記第1期間よりも後の第2期間で参照される前記施設の需要電力の予測誤差を特定し、前記予測誤差が閾値よりも大きい場合に、前記第2期間において前記施設の需要電力の計画を特定するための稼働計画を前記施設側に要求する制御部と、を備える。
【0010】
開示に係る電力管理方法は、電力系統に接続された分散電源を含む施設を管理するステップと、第1期間における前記施設の需要電力の実績情報に基づいて、前記第1期間よりも後の第2期間で参照される前記施設の需要電力の予測誤差を特定し、前記予測誤差が閾値よりも大きい場合に、前記第2期間において前記施設の需要電力の計画を特定するための稼働計画を前記施設側に要求するステップと、を備える。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、稼働計画を適切に収集するとともに、需要電力に関する基準値を適切に算出することを可能とする電力管理装置、電力管理システム及び電力管理方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】
図1は、実施形態に係る電力管理システム100を示す図である。
【
図2】
図2は、実施形態に係る施設300を示す図である。
【
図3】
図3は、実施形態に係る電力管理サーバ200を示す図である。
【
図4】
図4は、実施形態に係るローカル制御装置360を示す図である。
【
図5】
図5は、実施形態に係る表示画像の一例を示す図である。
【
図6】
図6は、実施形態に係る電力管理方法を示す図である。
【
図7】
図7は、実施形態に係る電力管理方法を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下において、実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には、同一又は類似の符号を付している。但し、図面は模式的なものである。
【0014】
[実施形態]
(電力管理システム)
以下において、電力管理システムについて説明する。
【0015】
図1に示すように、電力管理システム100は、電力管理サーバ200と、施設300と、電力会社400と、を有する。
図1では、施設300として、施設300A~施設300Cが例示されている。
【0016】
各施設300は、電力系統110に接続される。以下において、電力系統110から施設300への電力の流れを潮流と称し、施設300から電力系統110への電力の流れを逆潮流と称する。
【0017】
電力管理サーバ200、施設300及び電力会社400は、ネットワーク120に接続されている。ネットワーク120は、これらのエンティティ間の回線を提供すればよい。例えば、ネットワーク120は、インターネットである。ネットワーク120は、VPN(Virtual Private Network)などの専用回線を含んでもよい。
【0018】
電力管理サーバ200は、発電事業者、送配電事業者或いは小売事業者、リソースアグリゲータなどの事業者によって管理されるサーバである。リソースアグリゲータは、VPP(Virtual Power Plant)において、電力系統110の電力需給バランスを調整する電力事業者であってもよい。電力需給バランスの調整は、電力系統110から施設300に供給される潮流電力(施設300の需要電力とも称する)の削減電力を価値と交換する取引(以下、ネガワット取引)を含んでもよい。電力需給バランスの調整は、施設300から電力系統110に供給される逆潮流電力の増大電力を価値と交換する取引を含んでもよい。以下において、電力需給バランスの調整要請は節電要請と称されてもよい。リソースアグリゲータは、VPPにおいて、発電事業者、送配電事業者及び小売事業者などに逆潮流電力を提供する電力事業者であってもよい。
【0019】
電力管理サーバ200は、施設300に設けられるローカル制御装置360に対して、施設300に設けられる分散電源(例えば、太陽電池装置310、蓄電装置320又は燃料電池装置330)に対する制御を指示する制御メッセージを送信する。例えば、電力管理サーバ200は、潮流電力の制御を要求する潮流制御メッセージ(例えば、DR; Demand Response)を送信してもよく、逆潮流電力の制御を要求する逆潮流制御メッセージを送信してもよい。さらに、電力管理サーバ200は、分散電源の動作状態を制御する電源制御メッセージを送信してもよい。潮流電力又は逆潮流電力の制御度合いは、絶対値(例えば、○○kW)で表されてもよく、相対値(例えば、○○%)で表されてもよい。或いは、潮流電力又は逆潮流電力の制御度合いは、2以上のレベルで表されてもよい。潮流電力又は逆潮流電力の制御度合いは、現在の電力需給バランスによって定められる電力料金(RTP; Real Time Pricing)によって表されてもよく、過去の電力需給バランスによって定められる電力料金(TOU; Time Of Use)によって表されてもよい。
【0020】
施設300は、
図2に示すように、太陽電池装置310と、蓄電装置320と、燃料電池装置330と、負荷機器340と、ローカル制御装置360と、電力計380と、電力計390と、を有する。
【0021】
太陽電池装置310は、太陽光などの光に応じて発電を行う分散電源である。太陽電池装置310は、逆潮流が許容される分散電源の一例であってもよい。太陽電池装置310は、固定買取価格(FIT; Feed-in Tariff)が適用され得る分散電源の一例であってもよい。太陽電池装置310は、固定買取価格の適用期間が満了した分散電源であってもよい。例えば、太陽電池装置310は、PCS(Power Conditioning System)及び太陽光パネルによって構成される。
【0022】
ここで、太陽電池装置310から出力される電力は、太陽光などの光の受光量によって変動し得る。従って、太陽電池装置310の発電効率を考慮した場合には、太陽電池装置310から出力される電力は、太陽光パネルの受光量によって変動し得る可変電力である。
【0023】
蓄電装置320は、電力の充電及び電力の放電を行う分散電源である。蓄電装置320は、逆潮流が許容されない分散電源の一例であってもよい。蓄電装置320は、固定買取価格が適用され得ない分散電源の一例であってもよい。例えば、蓄電装置320は、PCS及び蓄電セルによって構成される。
【0024】
燃料電池装置330は、燃料を用いて発電を行う分散電源である。燃料電池装置330は、逆潮流が許容されない分散電源の一例であってもよい。燃料電池装置330は、固定買取価格が適用されない分散電源の一例であってもよい。例えば、燃料電池装置330は、PCS及び燃料電池セルによって構成される。
【0025】
例えば、燃料電池装置330は、固体酸化物型燃料電池(SOFC; Solid Oxide Fuel Cell)であってもよく、固体高分子型燃料電池(PEFC; Polymer Electrolyte Fuel Cell)であってもよく、リン酸型燃料電池(PAFC; Phosphoric Acid Fuel Cell)であってもよく、溶融炭酸塩型燃料電池(MCFC; Molten Carbonate Fuel Cell)であってもよい。
【0026】
実施形態において、太陽電池装置310、蓄電装置320及び燃料電池装置330は、VPPに用いられる調整電源であってもよい。調整電源は、施設300に設けられる分散電源の中でVPPに寄与する電源である。
【0027】
負荷機器340は、電力を消費する機器である。例えば、負荷機器340は、空調機器、照明機器、AV(Audio Visual)機器などである。
【0028】
ローカル制御装置360は、施設300の電力を管理する装置(EMS; Energy Management System)である。ローカル制御装置360は、太陽電池装置310の動作状態を制御してもよく、施設300に設けられる蓄電装置320の動作状態を制御してもよく、施設300に設けられる燃料電池装置330の動作状態を制御してもよい。ローカル制御装置360の詳細については後述する(
図4を参照)。
【0029】
実施形態において、電力管理サーバ200とローカル制御装置360との間の通信は、第1プロトコルに従って行われる。一方で、ローカル制御装置360と分散電源との間の通信は、第1プロトコルとは異なる第2プロトコルに従って行われる。例えば、第1プロトコルとしては、Open ADR(Automated Demand Response)に準拠するプロトコル、或いは、独自の専用プロトコルを用いることができる。例えば、第2プロトコルは、ECHONET Lite(登録商標)に準拠するプロトコル、SEP(Smart Energy Profile)2.0、KNX、或いは、独自の専用プロトコルを用いることができる。なお、第1プロトコルと第2プロトコルは異なっていればよく、例えば、両方が独自の専用プロトコルであっても異なる規則で作られたプロトコルであればよい。但し、第1プロトコル及び第2プロトコルは同一の規則で作られたプロトコルであってもよい。
【0030】
電力計380は、電力系統110から施設300への潮流電力及び施設300から電力系統110への逆潮流電力を測定する基幹電力計の一例である。例えば、電力計380は、電力会社400に帰属するスマートメータである。
【0031】
ここで、電力計380は、単位時間(例えば、30分)毎に、単位時間における潮流電力又は逆潮流電力の積算値を示す情報要素を含むメッセージをローカル制御装置360に送信する。電力計380は、自律的にメッセージを送信してもよく、ローカル制御装置360の要求に応じてメッセージを送信してもよい。電力計380は、単位時間毎に、単位時間における潮流電力又は逆潮流電力を示す情報要素を含むメッセージを電力管理サーバ200に送信してもよい。
【0032】
電力計390は、各分散電源の電力を測定する個別電力計の一例である。電力計390は、分散電源のPCSの出力端に設けられてもよく、分散電源の一部であると考えてもよい。
図2では、電力計390として、電力計391と、電力計392と、電力計393と、が設けられる。電力計391は、太陽電池装置310の出力電力を測定する。電力計392は、蓄電装置320の放電電力を測定する。電力計392は、蓄電装置320の充電電力を測定してもよい。電力計393は、燃料電池装置330の個別出力電力を測定する。
【0033】
ここで、電力計390は、単位時間よりも短い間隔(例えば、1分)で、分散電源の電力を示す情報要素を含むメッセージをローカル制御装置360に送信してもよい。分散電源の個別出力電力は、瞬時値によって表されてもよく、積算値によって表されてもよい。電力計390は、自律的にメッセージを送信してもよく、ローカル制御装置360の要求に応じてメッセージを送信してもよい。
【0034】
図1に戻って、電力会社400は、電力系統110などのインフラストラクチャーを提供するエンティティであり、例えば、発電事業者又は送配電事業者である。電力会社400は、電力管理サーバ200を管理するエンティティに対して、各種の業務を委託してもよい。電力会社400は、電力系統110の電力需給バランスの調整を要請する要請メッセージを電力管理サーバ200に送信してもよい。
【0035】
(電力管理サーバ)
以下において、電力管理サーバについて説明する。
図3に示すように、電力管理サーバ200は、管理部210と、通信部220と、制御部230と、を有する。電力管理サーバ200は、VTN(Virtual Top Node)の一例であってもよい。実施形態では、電力管理サーバ200は、電力管理装置の一例である。
【0036】
管理部210は、不揮発性メモリ又は/及びHDDなどの記憶媒体によって構成されており、施設300に関する情報を管理する。例えば、施設300に関する情報は、施設300に設けられる分散電源の種別、施設300に設けられる分散電源のスペックなどである。スペックは、太陽電池装置310の定格発電電力、蓄電装置320の定格充電電力、蓄電装置320の定格充電電力、燃料電池装置330の定格出力電力を含んでもよい。スペックは、蓄電装置320の定格容量、最大充放電電力などを含んでもよい。
【0037】
実施形態では、管理部210は、電力系統110に接続された分散電源を含む施設300を管理する管理部を構成する。
【0038】
通信部220は、通信モジュールによって構成されており、ネットワーク120を介してローカル制御装置360と通信を行う。通信モジュールは、IEEE802.11a/b/g/n、ZigBee、Wi-SUN、LTE、5G、6Gなどの規格に準拠する無線通信モジュールであってもよく、IEEE802.3などの規格に準拠する有線通信モジュールであってもよい。
【0039】
上述したように、通信部220は、第1プロトコルに従って通信を行う。例えば、通信部220は、第1プロトコルに従って第1メッセージをローカル制御装置360に送信する。通信部220は、第1プロトコルに従って第1メッセージ応答をローカル制御装置360から受信する。
【0040】
実施形態では、通信部220は、施設300の需要電力の実績情報を施設300から受信する受信部を構成してもよい。通信部220は、太陽電池装置310の発電電力の実績情報を施設300から受信してもよい。通信部220は、蓄電装置320の充放電電力の実績情報を施設300から受信してもよい。通信部220は、燃料電池装置330の出力電力の実績情報を施設300から受信してもよい。通信部220は、負荷機器340の消費電力の実績情報を施設300から受信してもよい。
【0041】
施設300の需要電力の実績情報は、電力計380によって測定される潮流電力の実績情報であってもよい。実績情報は、電力計380から受信されてもよく、ローカル制御装置360から受信されてもよい。
【0042】
制御部230は、少なくとも1つのプロセッサを含んでもよい。少なくとも1つのプロセッサは、単一の集積回路(IC)によって構成されてもよく、通信可能に接続された複数の回路(集積回路及び又はディスクリート回路(discrete circuits)など)によって構成されてもよい。
【0043】
制御部230は、電力管理サーバ200に設けられる各構成を制御する。例えば、制御部230は、制御メッセージの送信によって、施設300に設けられるローカル制御装置360に対して、施設300に設けられる分散電源に対する制御を指示する。制御メッセージは、上述したように、潮流制御メッセージであってもよく、逆潮流制御メッセージであってもよく、電源制御メッセージであってもよい。
【0044】
実施形態では、制御部230は、第1期間における施設300の需要電力の実績情報に基づいて、第1期間よりも後の第2期間で参照される施設300の需要電力の予測誤差を特定し、予測誤差が閾値よりも大きい場合に、第2期間において施設300の需要電力の計画を特定するための稼働計画を施設300側に要求する制御部を構成する。
【0045】
第2期間は、電力系統110の電力需給バランスを調整する期間である。例えば、第2期間は、潮流電力(需要電力)の抑制が要請されるDR期間であってもよく、逆潮流電力(出力電力)の抑制が要請される出力抑制期間であってもよい。
【0046】
第2期間で参照される施設300の需要電力は、電力系統110の電力需給バランスを調整する際に参照される基準電力(以下、基準値)の算出に用いられる。以下において、第2期間で参照される施設300の需要電力を基準値と称してもよい。電力管理サーバ200は、要請メッセージで要請された要請電力に相当する電力を基準値から削減する必要がある。基準値は、ベースライン電力と称されてもよい。ベースライン電力は、DR期間前の一定期間の需要電力の平均値であってもよい。一定期間は、ネガワット取引の実体に応じて定められてもよく、電力会社400によって定められてもよい。
【0047】
例えば、制御部230は、第1期間における施設300の需要電力を学習することによって生成された予測モデルを用いて、第2期間で参照される施設300の需要電力(基準値)の予測誤差を特定してもよい。
【0048】
予測モデルは、需要電力の実績情報及び需要電力に影響する学習パラメータの学習によって生成されてもよい。学習パラメータと対応する入力パラメータを予測モデルに入力することによって、予測モデルから需要電力(基準値)の予測値及び予測誤差が出力されてもよい。学習パラメータは、少なくとも時間を特定するパラメータを含んでもよい。学習パラメータは、曜日、月、季節、天候、気温、湿度などを特定するパラメータを含んでもよい。
【0049】
予測モデルは、太陽電池装置310の発電電力の実績情報及び発電電力に影響する学習パラメータの学習によって生成されてもよい。学習パラメータは、太陽電池装置310の発電電力に影響する天候、気温、湿度、日射量などを特定するパラメータを含んでもよい。
【0050】
予測モデルは、施設300(例えば、負荷機器340)の消費電力の実績情報及び消費電力に影響する学習パラメータの学習によって生成されてもよい。学習パラメータは、少なくとも時間を特定するパラメータを含んでもよい。学習パラメータは、曜日、月、季節、天候、気温、湿度などを特定するパラメータを含んでもよい。
【0051】
予測モデルは、蓄電装置320に関するパラメータを学習パラメータの一つとして学習してもよい。蓄電装置320に関するパラメータは、蓄電装置320のスペック(例えば、定格容量、最大充放電電力など)を示すパラメータを含んでもよい。蓄電装置320に関するパラメータは、蓄電装置320の蓄電残量を示すパラメータを含んでもよい。
【0052】
施設300側に要求される稼働計画は、施設300の需要電力の計画そのものを含んでもよい。稼働計画は、蓄電装置320の稼働計画(充放電計画)を含んでもよい。稼働計画は、燃料電池装置330の稼働計画を含んでもよい。稼働計画は、負荷機器340の稼働計画(消費電力)の計画を含んでもよい。このようなケースにおいて、稼働計画は、消費電力が閾値よりも大きいと想定される負荷機器340の稼働計画(消費電力)の計画を含んでもよい。
【0053】
特に限定されるものではないが、稼働計画は、施設300のユーザによって入力されてもよい。稼働計画は、ファイル形式で入力されてもよい。
【0054】
このような前提下において、閾値は、分散電源(以下、蓄電装置320)によって調整可能な電力に応じて定められてもよい。蓄電装置320によって調整可能な電力は、蓄電装置320の定格容量及び蓄電装置320の蓄電残量の少なくともいずれか1つに基づいて特定されてもよい。閾値は、第1閾値と、第1閾値よりも大きな第2閾値と、を含んでもよい。
【0055】
ここで、制御部230は、予測誤差に関する情報要素を施設300側に提示してもよい。予測誤差に関する情報要素は、予測誤差そのものを示す情報要素であってもよく、第2期間において蓄電装置320の制御によって電力需給バランスの調整に成功する成功確率を含んでもよい。予測誤差は、第2期間で参照される基準値の予測誤差であり、成功確率と極めて相関が高いため、予測誤差に基づいて成功確率を特定することが可能である。予測誤差に関する情報要素は、予測誤差のレベルを表す情報要素(例えば、大、中、小など)であってもよく、成功確率のレベルを表す情報要素(例えば、低、中、高など)であってもよい。
【0056】
予測誤差に関する情報要素は、稼働計画を用いずに予測誤差を特定するケースの情報要素(以下、情報要素(稼働計画なし))及び稼働計画を用いて予測誤差を特定するケースの情報要素(以下、情報要素(稼働計画あり))の少なくともいずれか1つを含んでもよい。予測誤差に関する情報要素は、情報要素(稼働計画なし)及び情報要素(稼働計画あり)の双方を含んでもよい。このような構成によれば、稼働計画の提供によって成功確率が上昇することを施設300のユーザが把握することができ、稼働計画を提供するモチベーションを向上することができる。
【0057】
制御部230は、予測誤差が第1閾値よりも大きい場合に、第1レベルのデータ粒度を有する第1稼働計画を要求し、予測誤差が第2閾値よりも大きい場合に、第1レベルよりも細かい第2レベルのデータ粒度を有する第2稼働計画を要求してもよい。
【0058】
ここで、データ粒度は、稼働計画の時間的な単位によって定義されてもよい。特に限定されるものではないが、第1レベルのデータ粒度は、1日単位のデータ粒度であり、第2レベルのデータ粒度は、1時間単位のデータ粒度であってもよい。データ粒度は、稼働計画の項目の数によって定義されてもよい。特に限定されるものではないが、第1レベルのデータ粒度は、施設300の需要電力の項目を含むデータ粒度であり、第2レベルのデータ粒度は、施設300の需要電力及び蓄電装置320の稼働計画の項目を含むデータ粒度であってもよい。
【0059】
予測誤差に関する情報要素は、第1稼働計画を用いて予測誤差を特定するケースの情報要素(以下、情報要素(第1稼働計画))及び第2稼働計画を用いて予測誤差を特定するケースの情報要素(以下、情報要素(第2稼働計画))の少なくともいずれか1つを含んでもよい。予測誤差に関する情報要素は、情報要素(第1稼働計画)及び情報要素(第2稼働計画)の双方を含んでもよい。より細かいデータ粒度の第2稼働計画の提供によって成功確率が上昇することを施設300のユーザが把握することができ、より細かいデータ粒度の第2稼働計画を提供するモチベーションを向上することができる。
【0060】
制御部230は、稼働計画を施設300側に要求するための表示データ(画像)を生成し、表示データ(画像)を施設300のユーザに属する端末(以下、ユーザ端末)に送信するように通信部220を制御してもよい。通信部220は、表示データ(画像)をユーザ端末に直接的に送信してもよく、ローカル制御装置360などを介して表示データ(画像)をユーザ端末に直接的に送信してもよい。
【0061】
同様に、制御部230は、予測誤差に関する情報要素に関する表示データ(画像)を生成し、表示データ(画像)をユーザ端末に送信するように通信部220を制御してもよい。通信部220は、表示データ(画像)をユーザ端末に直接的に送信してもよく、ローカル制御装置360などを介して表示データ(画像)をユーザ端末に直接的に送信してもよい。
【0062】
なお、予測誤差に関する情報要素に関する表示データ(画像)は、稼働計画を施設300側に要求するための表示データ(画像)とともに送信されてもよい。
【0063】
(ローカル制御装置)
以下において、ローカル制御装置について説明する。
図4に示すように、ローカル制御装置360は、第1通信部361と、第2通信部362と、制御部363とを有する。ローカル制御装置360は、VEN(Virtual End Node)の一例であってもよい。
【0064】
第1通信部361は、通信モジュールによって構成されており、ネットワーク120を介して電力管理サーバ200と通信を行う。通信モジュールは、IEEE802.11a/b/g/n、ZigBee、Wi-SUN、LTE、5G、6Gなどの規格に準拠する無線通信モジュールであってもよく、IEEE802.3などの規格に準拠する有線通信モジュールであってもよい。
【0065】
上述したように、第1通信部361は、第1プロトコルに従って通信を行う。例えば、第1通信部361は、第1プロトコルに従って第1メッセージを電力管理サーバ200から受信する。第1通信部361は、第1プロトコルに従って第1メッセージ応答を電力管理サーバ200に送信する。
【0066】
第2通信部362は、通信モジュールによって構成されており、分散電源と通信を行う。通信モジュールは、IEEE802.11a/b/g/n、ZigBee、Wi-SUN、LTE、5G、6Gなどの規格に準拠する無線通信モジュールであってもよく、IEEE802.3又は独自の専用プロトコルなどの規格に準拠する有線通信モジュールであってもよい。
【0067】
上述したように、第2通信部362は、第2プロトコルに従って通信を行う。例えば、第2通信部362は、第2プロトコルに従って第2メッセージを分散電源に送信する。第2通信部362は、第2プロトコルに従って第2メッセージ応答を分散電源から受信する。
【0068】
制御部363は、少なくとも1つのプロセッサを含んでもよい。少なくとも1つのプロセッサは、単一の集積回路(IC)によって構成されてもよく、通信可能に接続された複数の回路(集積回路及び又はディスクリート回路(discrete circuits)など)によって構成されてもよい。
【0069】
制御部363は、ローカル制御装置360に設けられる各構成を制御する。具体的には、制御部363は、施設300の電力を制御するために、第2メッセージの送信及び第2メッセージ応答の受信によって、分散電源の動作状態の設定を機器に指示する。制御部363は、施設300の電力を管理するために、第2メッセージの送信及び第2メッセージ応答の受信によって分散電源の情報の報告を分散電源に指示してもよい。
【0070】
(表示画像)
以下において、表示画像について説明する。ここでは、表示画像が、予測誤差に関する情報要素に関する表示画像及び稼働計画を施設300側に要求するための表示画像を含み得るケースについて例示する。さらに、閾値が、第1閾値及び第2閾値(>第1閾値)を含むケースについて例示する。予測誤差に関する情報要素は、成功確率のレベル(
図5では、成功期待度)によって表される。
【0071】
第1に、予測誤差が第1閾値よりも小さいケースについて、
図5の上段を参照しながら説明する。このようなケースにおいて、稼働計画は施設300側に要求されなくてもよい。
【0072】
図5の上段に示すように、表示画像は、予測誤差に関する情報要素に関する表示画像(
図5の上段では、デマンドレスポンス 成功期待度:高)を含んでもよい。表示画像は、稼働計画を施設300側に要求するための表示画像を含まなくてもよい。
【0073】
第2に、予測誤差が第1閾値よりも大きいケースについて、
図5の中段を参照しながら説明する。このようなケースにおいて、第1レベルのデータ粒度を有する第1稼働計画が要求されてもよい。
【0074】
図5の中段に示すように、表示画像は、予測誤差に関する情報要素に関する表示画像(
図5の中段では、デマンドレスポンス 成功期待度:中)を含んでもよい。表示画像は、第1稼働計画を施設300側に要求するための表示画像(
図5の中段では、1日単位の稼働情報を入力して下さい)を含んでもよい。
【0075】
第3に、予測誤差が第2閾値よりも大きいケースについて、
図5の下段を参照しながら説明する。このようなケースにおいて、第1レベルよりも細かい第2レベルのデータ粒度を有する第2稼働計画が要求されてもよい。
【0076】
図5の下段に示すように、表示画像は、予測誤差に関する情報要素に関する表示画像(
図5の下段では、デマンドレスポンス 成功期待度:低)を含んでもよい。表示画像は、第2稼働計画を施設300側に要求するための表示画像(
図5の下段では、1時間単位の稼働情報を入力して下さい)を含んでもよい。
【0077】
特に限定されるものではないが、表示画像は、蓄電装置320の蓄電残量(SOC; State Of Charge[%])及び稼働計画(Discharge[kW])を可視化する画像を含んでもよい。なお、
図5では、Dischargeが0kWで一定であり、SOCも一定であるケースが例示されている。また、Dischargeが正の値である場合には、Dischargeは、蓄電装置320の放電電力を表し、Dischargeが負の値である場合には、Dischargeは、蓄電装置320の充電電力を表す。
【0078】
(電力管理方法)
以下において、電力管理方法について説明する。以下においては、第2期間がDR期間であるケースについて例示する。
【0079】
第1に、予測モデルの生成について、
図6を参照しながら説明する。予測モデルの生成は、DR期間よりも前の第1期間に実行される。
【0080】
図6に示すように、ステップS10において、電力管理サーバ200は、各種情報を収集する。特に限定されるものではないが、電力管理サーバ200は、気象を管理する外部サーバなどから各種情報を収集してもよい。
【0081】
収集される情報は、施設300の需要電力に影響する学習パラメータを含んでもよい。収集される情報は、太陽電池装置310の発電電力に影響する学習パラメータを含んでもよい。収集される情報は、負荷機器340の消費電力に影響する学習パラメータを含んでもよい。
【0082】
さらに、収集される情報は、施設300に関する情報を含んでもよい。施設300に関する情報は、施設300に設けられる分散電源の種別、施設300に設けられる分散電源のスペックなどである。
【0083】
ステップS11において、電力管理サーバ200は、実績情報を施設300から受信する。実績情報は、施設300の需要電力の実績情報を含んでもよい。実績情報は、太陽電池装置310の発電電力の実績情報を含んでもよい。実績情報は、負荷機器340の消費電力の実績情報を含んでもよい。
【0084】
ステップS12において、電力管理サーバ200は、ステップS10で収集された情報及びステップS11で受信した情報に基づいて予測モデルを生成する。
【0085】
第2に、DR期間で参照される基準値の予測誤差に関する処理について、
図7を参照しながら説明する。
【0086】
図7に示すように、ステップS20において、電力管理サーバ200は、各種情報を収集する。特に限定されるものではないが、電力管理サーバ200は、気象を管理する外部サーバなどから各種情報を収集してもよい。
【0087】
収集される情報は、予測モデルに入力される入力パラメータであり、入力パラメータは、学習パラメータと対応するパラメータである。従って、収集される情報は、施設300の需要電力に影響する学習パラメータを含んでもよい。収集される情報は、太陽電池装置310の発電電力に影響する学習パラメータを含んでもよい。収集される情報は、負荷機器340の消費電力に影響する学習パラメータを含んでもよい。
【0088】
ステップS21において、電力管理サーバ200は、入力パラメータを予測モデルに入力することによって、予測モデルから需要電力(基準値)の予測値及び予測誤差を取得する。
【0089】
ステップS22において、電力管理サーバ200は、予測誤差が閾値よりも大きい場合に、DR期間において施設300の需要電力の計画を特定するための稼働計画の入力を要求するメッセージ(
図7では、入力要求)を施設300に送信する。
【0090】
このようなケースにおいて、電力管理サーバ200は、稼働計画の要求とともに、予測誤差に関する情報要素を施設300側に提示してもよい。例えば、電力管理サーバ200は、予測誤差に関する情報要素に関する表示画像及び稼働計画を施設300側に要求するための表示画像を含み得る表示画像(
図5を参照)の表示データを入力要求として施設300に送信してもよい。
【0091】
ステップS23において、各施設300は、電力管理サーバ200から受信する表示データに基づいて、表示画像(
図5を参照)を表示する。説明の簡略化のために、各施設300が表示画像を表示するケースが例示されているが、上述したように、表示画像はユーザ端末によって表示されてもよい。
【0092】
ステップS24において、電力管理サーバ200は、入力要求に対する応答メッセージ(
図7では、入力応答)を各施設300から受信する。入力応答は、DR期間において施設300の需要電力の計画を特定するための稼働計画を含んでもよい。
【0093】
ステップS30において、電力管理サーバ200は、要請メッセージを受信する。要請メッセージは、電力会社400から受信されてもよい。
【0094】
ステップS31において、電力管理サーバ200は、予測モデルから需要電力(基準値)の予測値及び予測誤差に基づいて、蓄電装置320に対する制御内容を決定し、制御内容に対応する制御指示を各施設300に送信する。電力管理サーバ200は、蓄電装置320の定格容量及び蓄電残量に基づいて、蓄電装置320に対する制御内容を決定してもよい。
【0095】
(作用及び効果)
実施形態では、電力管理サーバ200は、第1期間における施設300の需要電力の実績情報に基づいて、第1期間よりも後の第2期間で参照される施設300の需要電力の予測誤差を特定し、予測誤差が閾値以上である場合に、第2期間において施設300の需要電力の計画を特定するための稼働計画を施設300側に要求する。このような構成によれば、予測誤差が閾値以上である場合に、稼働計画が要求されるため、施設300のユーザに対して稼働計画の入力を常に要求するケースと比べて、施設300のユーザの工数を削減しながらも、稼働計画を適切に収集することができる。稼働計画の適切な収集によって、需要電力に関する基準値を適切に算出することができる。
【0096】
実施形態では、電力管理サーバ200は、稼働計画を要求する際に、予測誤差に関する情報要素を施設300側に提示してもよい。このような構成によれば、稼働計画を入力するモチベーションを向上することができる。
【0097】
実施形態では、電力管理サーバ200は、予測誤差が第1閾値よりも大きい場合に、第1レベルのデータ粒度を有する第1稼働計画を要求し、予測誤差が第2閾値よりも大きい場合に、第1レベルよりも細かい第2レベルのデータ粒度を有する第2稼働計画を要求してもよい。このような構成によれば、施設300のユーザの工数の増大を抑制しながら、稼働計画を適切に収集することができる。
【0098】
さらに、電力管理サーバ200は、稼働計画を収集しやすくなるため、基準値の予測精度の向上に寄与するデータを稼働計画によって特定することができ、基準値の予測に用いるデータの分析に要する手間及び時間を削減することができる。基準値の予測精度の向上に寄与するデータは、施設300の需要電力のタイプ、施設300に設けられる分散電源の種類、施設300に設けられる負荷機器340の種類などである。なお、基準値の予測精度の向上に寄与するデータは、新たな施設300の基準値の予測に流用することができる。
【0099】
[その他の実施形態]
本発明は上述した実施形態によって説明したが、この開示の一部をなす論述及び図面は、この発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。
【0100】
上述した開示では、電力管理サーバ200が予測モデルを生成するが、上述した開示はこれに限定されるものではない。予測モデルは、電力管理サーバ200以外の第三者によって生成されてもよい。
【0101】
上述した開示では、電力管理サーバ200は、蓄電装置320を制御するが、上述した開示は、これに限定されるものではない。電力管理サーバ200は、第2期間で参照される需要電力(基準値)の予測誤差に基づいて、第2期間において施設300の需要電力の計画を特定するための稼働計画を要求する機能を有していればよい。従って、電力管理サーバ200は、蓄電装置320を実際に制御する機能を有していなくてよい。このようなケースにおいて、電力管理サーバ200は、データ提供装置と読み替えられてもよく、データ要求装置と読み替えられてもよい。
【0102】
上述した開示では、電力管理サーバ200によって制御される分散電源(調整電源)として、蓄電装置320について主として例示した。しかしながら、上述した開示はこれに限定されるものではない。電力管理サーバ200によって制御される分散電源は、燃料電池装置330を含んでもよい。
【0103】
上述した開示では、逆潮流が許容される分散電源として太陽電池装置310を例示した。しかしながら、上述した開示はこれに限定されるものではない。逆潮流が許容される分散電源は、再生可能エネルギーを利用して電力を出力する分散電源を含んでもよい。このような分散電源は、風力発電装置、水力発電装置、地熱発電装置及びバイオマス発電装置の中から選択された1以上の分散電源を含んでもよい。なお、蓄電装置320の放電電力の逆潮流が許容されてもよく、燃料電池装置330の出力電力の逆潮流が許容されてもよい。
【0104】
上述した開示では特に触れていないが、蓄電装置320は、定置型の蓄電装置を含んでもよく、電気自動車に搭載される蓄電装置を含んでもよい。
【0105】
上述した開示では、ローカル制御装置360が施設300に設けられるケースについて例示した。しかしながら、上述した開示はこれに限定されるものではない。ローカル制御装置360は、ネットワーク120上に設けられるサーバなどによって実現されるクラウドサービスによって提供されてもよい。
【0106】
上述した開示では特に触れていないが、電力とは、瞬時値(kW)であってもよく、単位時間の積算値(kWh)であってもよい。
【符号の説明】
【0107】
100…電力管理システム、110…電力系統、120…ネットワーク、200…電力管理サーバ、210…管理部、220…通信部、230…制御部、300…施設、310…太陽電池装置、320…蓄電装置、330…燃料電池装置、340…負荷機器、360…ローカル制御装置、361…第1通信部、362…第2通信部、363…制御部、380…電力計、390…電力計、電力計、392…電力計、393…電力計、400…電力会社