(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023051310
(43)【公開日】2023-04-11
(54)【発明の名称】判定装置及びプレス機
(51)【国際特許分類】
B30B 15/28 20060101AFI20230404BHJP
【FI】
B30B15/28 N
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021161891
(22)【出願日】2021-09-30
(71)【出願人】
【識別番号】000107147
【氏名又は名称】日本電産シンポ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100168583
【弁理士】
【氏名又は名称】前井 宏之
(72)【発明者】
【氏名】草野 智司
(72)【発明者】
【氏名】澤田 貴之
【テーマコード(参考)】
4E089
【Fターム(参考)】
4E089GA01
4E089GB10
4E089GC10
(57)【要約】 (修正有)
【課題】簡易な構成で、プレス機に供給される潤滑油の動的粘度を検出し、潤滑油の交換時期を判定することが可能な判定装置及びプレス機を提供する。
【解決手段】判定装置は、測定部と、取得部と、変換部と、判定部とを有する。測定部は、プレス機に供給される潤滑油の静的粘度を測定する。取得部は、測定部によって測定された静的粘度を取得する。変換部は、静的粘度を動的粘度に変換する。判定部は、動的粘度に基づいて、潤滑油が交換時期に達しているか否かを判定する。プレス機は、潤滑油を循環させる循環経路を有する。静的粘度は、潤滑油の静止状態における粘度を示す。動的粘度は、潤滑油が循環経路を循環する際の粘度を示す。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プレス機に供給される潤滑油の静的粘度を測定する測定部と、
前記測定部によって測定された前記静的粘度を取得する取得部と、
前記静的粘度を動的粘度に変換する変換部と、
前記動的粘度に基づいて、前記潤滑油が交換時期に達しているか否かを判定する判定部と
を有し、
前記プレス機は、前記潤滑油を循環させる循環経路を有し、
前記静的粘度は、前記潤滑油の静止状態における粘度を示し、
前記動的粘度は、前記潤滑油が前記循環経路を循環する際の粘度を示す、判定装置。
【請求項2】
前記プレス機は、互いに摺動する第1部品及び第2部品を有し、
前記循環経路は、前記第1部品及び前記第2部品が互いに摺動する領域を示す摺動部を有する、請求項1に記載の判定装置。
【請求項3】
前記測定部は、前記潤滑油の温度を更に測定し、
前記変換部は、前記測定部によって測定された前記潤滑油の温度と、前記潤滑油の密度と、前記静的粘度とに基づいて前記動的粘度を算出する、請求項1又は請求項2に記載の判定装置。
【請求項4】
前記測定部は、時系列に沿って前記静的粘度を複数回測定し、
前記変換部は、前記静的粘度をそれぞれ前記動的粘度に変換して時系列に沿った複数の動的粘度を取得し、
前記判定部は、前記複数の動的粘度に基づいて、前記潤滑油の交換時期を算出する、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の判定装置。
【請求項5】
前記判定部は、前記複数の動的粘度を線形近似して前記交換時期を算出する、請求項4に記載の判定装置。
【請求項6】
前記測定部は、前記プレス機によるクランクプレスが実行されない待機状態において、前記静的粘度を測定する、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の判定装置。
【請求項7】
前記測定部は、前記クランクプレスの実行前に、前記静的粘度を測定する、請求項6に記載の判定装置。
【請求項8】
潤滑油を循環させる循環経路と、
前記潤滑油の静的粘度を測定する測定部と、
前記測定部によって測定された前記静的粘度を取得する取得部と、
前記静的粘度を動的粘度に変換する変換部と、
前記動的粘度に基づいて、前記潤滑油が交換時期に達しているか否かを判定する判定部と
を有し、
前記静的粘度は、前記潤滑油の静止状態における粘度を示し、
前記動的粘度は、前記潤滑油が前記循環経路を循環する際の粘度を示す、プレス機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、判定装置及びプレス機に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1の作業機械の診断システムは、オイル性状を検出する1以上のセンサから入力された1以上のセンサ情報と、センサ情報ごとの判定値とに基づいて、オイルの異常度合いの程度を判別する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
プレス装置において、例えば摺動部の焼き付きを防止するため、潤滑油が供給されている。潤滑油の動的粘度に基づいて、潤滑油の劣化を判定すると、より正確に潤滑油の劣化を判定できる。しかしながら、特許文献1の作業機械の診断システムでは、動的粘度を検出できない。また、動的粘度の検出には、大規模な専用装置を要する。
【0005】
本開示は上記課題に鑑みてなされた。本開示の目的は、簡易な構成で、プレス機に供給される潤滑油の動的粘度を検出し、潤滑油の交換時期を判定することが可能な判定装置及びプレス機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の例示的な判定装置は、測定部と、取得部と、変換部と、判定部とを有する。前記測定部は、プレス機に供給される潤滑油の静的粘度を測定する。前記取得部は、前記測定部によって測定された前記静的粘度を取得する。前記変換部は、前記静的粘度を動的粘度に変換する。前記判定部は、前記動的粘度に基づいて、前記潤滑油が交換時期に達しているか否かを判定する。前記プレス機は、前記潤滑油を循環させる循環経路を有する。前記静的粘度は、前記潤滑油の静止状態における粘度を示す。前記動的粘度は、前記潤滑油が前記循環経路を循環する際の粘度を示す。
【0007】
本開示の例示的なプレス機は、循環経路と、測定部と、取得部と、変換部と、判定部とを有する。前記循環経路は、潤滑油を循環させる。前記測定部は、前記潤滑油の静的粘度を測定する。前記取得部は、前記測定部によって測定された前記静的粘度を取得する。前記変換部は、前記静的粘度を動的粘度に変換する。前記判定部は、前記動的粘度に基づいて、前記潤滑油が交換時期に達しているか否かを判定する。前記静的粘度は、前記潤滑油の静止状態における粘度を示す。前記動的粘度は、前記潤滑油が前記循環経路を循環する際の粘度を示す。
【発明の効果】
【0008】
例示的な本発明によれば、簡易な構成で、プレス機に供給される潤滑油の動的粘度を検出し、潤滑油の交換時期を判定することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、例示的な実施形態のプレス機を有するプレス装置の斜視図である。
【
図2】
図2は、例示的な実施形態のプレス機を示す模式図である。
【
図4】
図4は、摺動部の一部を詳細に示す図である。
【
図5】
図5は、例示的な実施形態の制御装置の機能ブロック図である。
【
図6】
図6は、例示的な実施形態の制御装置において用いられる温度情報の一例を示す図である。
【
図7】
図7は、動的粘度の経時変化を示すグラフである。
【
図8】
図8は、例示的な実施形態のプレス機において用いられる潤滑油の交換時期の検知方法を示すフローチャートである。
【
図9】
図9は、例示的な実施形態のプレス機において用いられる潤滑油の交換時期の予測方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本開示の例示的な実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、図中、同一又は相当部分については同一の参照符号を付して説明を繰り返さない。本明細書では、理解の容易のため、互いに直交する第1方向X、第2方向Y及び第3方向Zを適宜記載している。また、第1方向Xの一方側を第1方向Xの一方側X1と記載し、第1方向Xの他方側を第1方向Xの他方側X2と記載する。また、第2方向Yの一方側を第2方向Yの一方側Y1と記載し、第2方向Yの他方側を第2方向Yの他方側Y2と記載する。また、第3方向Zの一方側を第3方向Zの一方側Z1と記載し、第3方向Zの他方側を第3方向Zの他方側Z2と記載する。ただし、あくまで説明の便宜のために方向を定義したに過ぎず、特に水平方向、鉛直方向を定義する必要がある場合を除き、本発明に係るプレス装置1の使用時の向きを限定しない。また、本明細書において「直交する方向」とは、略直交する方向も含む。
【0011】
まず、
図1を参照して、例示的な実施形態のプレス機10を有するプレス装置1を説明する。
図1は、例示的な実施形態のプレス機10を有するプレス装置1の斜視図である。
【0012】
図1に示すように、プレス装置1は、プレス機10と、オイルコントローラ20と、第1パイプ30Aと、第2パイプ30Bとを有する。プレス機10は、対象物(不図示)を加工する。対象物は、被加工物である。対象物は、例えば、金属製である。
【0013】
オイルコントローラ20は、潤滑油Lをプレス機10に供給する。また、オイルコントローラ20は、潤滑油Lをプレス機10から取得する。具体的には、オイルコントローラ20とプレス機10とは、第1パイプ30A及び第2パイプ30Bを介して互いに接続される。第1パイプ30Aの一方端には、オイルコントローラ20が接続される。第1パイプ30Aの他方端には、プレス機10が接続される。第2パイプ30Bの一方端には、オイルコントローラ20が接続される。第2パイプ30Bの他方端には、プレス機10が接続される。潤滑油Lは、第1パイプ30Aの内側を流れてプレス機10からオイルコントローラ20へ移動する。
【0014】
オイルコントローラ20は、プレス機10から取得した潤滑油Lを、オイルコントローラ20内で循環させるか、又は、オイルコントローラ20内に滞留させて冷却する。オイルコントローラ20は、冷却した潤滑油Lを、第2パイプ30Bを介してプレス機10に供給する。以上のように、潤滑油Lは、プレス機10とオイルコントローラ20との間を循環する。
【0015】
次に、
図2を参照して、例示的な実施形態のプレス機10を説明する。
図2は、例示的な実施形態のプレス機10を示す模式図である。
【0016】
図2は、プレス機10を他方側Y2(
図1参照)から一方側Y1(
図1参照)に向かって見た図である。プレス機10には、対象物(不図示)を加工する金型2が取り付けられる。金型2は、上型21と、下型23とを有する。
図2では、図面の簡略化のために、対象物の図示を省略している。
【0017】
図2に示すように、プレス機10は、フレーム3と、スライド移動機構5と、スライド7と、ボルスタ11とを有する。
【0018】
フレーム3は、クラウン31と、複数のコラム33と、ベッド35とを備える。例えば、フレーム3は、4本のコラム33を備える。クラウン31は、ベッド35の上方に配置される。ベッド35は、床面に設置される。複数のコラム33は、クラウン31とベッド35との間に配置される。複数のコラム33はクラウン31を支持する。ただし、フレーム3は、クラウン31と、複数のコラム33と、ベッド35とが分かれずに一体となった構造でもよい。
【0019】
スライド7及びボルスタ11は、クラウン31とベッド35との間に配置される。
ボルスタ11はベッド35に配置される。具体的には、ボルスタ11はベッド35の上面35aに配置される。
【0020】
スライド7には、上型21が取り付けられることが可能である。従って、対象物を加工する際には、スライド7に上型21が取り付けられる。具体的には、スライド7の下面7aに、上型21が取り付けられることが可能である。従って、対象物を加工する際には、スライド7の下面7aに、上型21が取り付けられる。
【0021】
上型21は、上型本体211と、複数の第1突出部213とを備える。上型本体211は、スライド7に取り付けられる。第1突出部213は、上型本体211から他方側Z2に向かって突出する。具体的には、第1突出部213は、上型本体211の下部211aから他方側Z2に向かって突出する。第1突出部213は、例えば、略円柱形状又は略円筒形状を有する。
【0022】
ボルスタ11には、下型23が取り付けられることが可能である。従って、対象物を加工する際には、ボルスタ11に下型23が取り付けられる。具体的には、ボルスタ11の上面11aに、下型23が取り付けられることが可能である。従って、対象物を加工する際には、ボルスタ11の上面11aに、下型23が取り付けられる。
【0023】
下型23は、下型本体231と、複数の第2突出部233とを備える。下型本体231は、ボルスタ11に取り付けられる。第2突出部233は、下型本体231から一方側Z1に向かって突出する。具体的には、第2突出部233は、下型本体231の上部231aから一方側Z1に向かって突出する。第2突出部233は、例えば、略円柱形状又は略円筒形状を有する。
【0024】
複数の第1突出部213は、それぞれ、複数の第2突出部233に対応する。そして、第1突出部213と第2突出部233とは、第3方向Zに対向する。
【0025】
スライド7は、スライド移動機構5の運動により、移動する。具体的には、スライド移動機構5は、回転運動を往復運動に変換して、スライド7を第3方向Zに沿って移動させる。例えば、プレス機10は、第3方向Zに沿って延びるガイド71A~71Dを有する。
図2では、ガイド71A及びガイド71Bのみを示す。ガイド71C及びガイド71Dは、
図2に示す面と反対側(一方側Y1側)の面に配置される。ガイド71A及びガイド71Cは、スライド7より他方側X2側に配置される。ガイド71B及びガイド71Dは、スライド7より一方側X1側に配置される。
【0026】
図1の例では、スライド移動機構5は、クランク機構によって、スライド7を第3方向Zに沿って移動させる。つまり、
図1の例では、プレス機10はクランクプレスを実行する。
【0027】
スライド移動機構5はクラウン31に配置される。つまり、スライド移動機構5は、スライド7の上方に配置される。そして、スライド移動機構5は、スライド7に連結される。
【0028】
スライド移動機構5は、コネクティングロッド51と、クランク軸52と、クラッチ(不図示)と、フライホイール53と、ベルト54と、プーリ55と、モータ56とを備える。
【0029】
コネクティングロッド51の先端部は、スライド7に連結される。一方、コネクティングロッド51の基端部は、クランク軸52に連結される。クランク軸52の軸方向の一端部は、クラッチ(不図示)を介して、フライホイール53に連結される。フライホイール53は、例えば、略円板形状又は略円柱形状を有する。ベルト54は、フライホイール53とプーリ55とに、張力のかかった状態で架け渡される。プーリ55は、略円板形状又は略円柱形状を有する。プーリ55は、モータ56の回転軸に連結される。クラッチは、クランク軸52とフライホイール53との連結状態又は連結解除状態を切り替える。本実施形態において、連結状態は、クラッチがクランク軸52とフライホイール53とを連結している状態を示す。一方、連結解除状態は、クラッチがクランク軸52とフライホイール53との連結遮断を解除している状態を示す。
【0030】
従って、モータ56が回転すると、プーリ55が回転する。プーリ55が回転すると、ベルト54が回転する。ベルト54が回転すると、フライホイール53が回転する。連結状態において、フライホイール53が回転すると、クランク軸52が、フライホイール53の回転にともなって回転する。一方、連結解除状態において、フライホイール53の回転力がクランク軸52に伝わらず、クランク軸52が回転しない。
【0031】
クランク軸52に連結されたコネクティングロッド51は、クランク軸52の回転に伴って移動する。その結果、コネクティングロッド51に連結されたスライド7は、第3方向Zに沿って延びるガイド71A~71Dに沿って往復運動する。つまり、連結状態において、スライド7は、第3方向Zに沿って延びるガイド71A~71Dに沿って移動する。一方、連結解除状態において、スライド7は停止する。つまり、連結解除状態において、プレス機10によるクランクプレスが実行されない。本実施形態において、連結解除状態を、プレス機10の待機状態とする。
【0032】
図2では、説明の便宜のために、スライド7の上死点TD及び下死点BDを黒点によって示す。また、便宜上、スライド7の下面7aの第3方向Zの位置によって、上死点TD及び下死点BDが示される。
【0033】
スライド7は、ガイド71A~71Dに沿って上死点TDと下死点BDとの間を往復運動する。スライド7が上死点TDから下降することで、下死点BDにおいて、第1突出部213の下端213aが第2突出部233の上端233aに接触する。従って、第1突出部213及び第2突出部233は、スライド7の下降を規制するストッパとして機能する。つまり、第1突出部213及び第2突出部233の各々は、例えば、ストロークエンドブロックである。なお、
図1では、理解を容易にするために上型本体211及び下型本体231を簡略化して示しているが、実際には、第1突出部213と第2突出部233とが接触した状態では、上型本体211と下型本体231とに、対象物が挟み込まれてプレス加工される。
【0034】
スライド7が第3方向Zに沿って往復運動すると、上型21が第3方向Zに沿って往復運動する。その結果、上型本体211と下型本体231との間に対象物が挟み込まれて、対象物が成形される。
【0035】
また、プレス機10は、制御装置15を備える。制御装置15はプレス機10を制御する。制御装置15は、
図2に示すように、例えば、フレーム3に固定される。なお、制御装置15の位置は、特に限定されず、フレーム3から離隔していてもよい。
【0036】
制御装置15は、制御部151と、記憶部153と、操作表示部155とを備える。
【0037】
具体的には、制御部151は、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサを含む。記憶部153は、記憶装置を含み、データ及びコンピュータプログラムを記憶する。具体的には、記憶部153は、半導体メモリ等の主記憶装置と、半導体メモリ、ソリッドステートドライブ、又は、ハードディスクドライブ等の補助記憶装置とを含む。記憶部153は、リムーバブルメディアを含んでいてもよい。コンピュータプログラムは、一例として、プレス機10にクランクプレスを実行させるプレス実行プログラムを含む。
【0038】
例えば、制御部151は、記憶部153の記憶装置に記憶されたプレス実行プログラムを実行することで、スライド移動機構5を制御する。具体的には、制御部151は、モータ56の回転数を制御する。
【0039】
操作表示部155は、各種情報を表示するとともに、ユーザからの操作を受け付ける。
【0040】
本実施形態において、プレス機10は、循環経路14を有する。循環経路14は、潤滑油Lを循環させる。具体的には、循環経路14は、1つ以上の摺動部13と、循環流路141と、オイルタンク142と、オイルポンプ143とを有する。また、プレス機10は、互いに摺動する第1部品及び第2部品を有する。摺動部13は、第1部品及び第2部品が互いに摺動する領域を示す。
【0041】
次に、
図2~
図4を参照して、循環経路14を詳細に説明する。
図3は、循環経路14を示す模式図である。
図4は、摺動部13の一部を詳細に示す図である。
図3は、プレス機10内部の斜視図である。
図4は、第1方向X及び第2方向Y(
図1参照)に平行な面での摺動部13Aの断面図である。
図2~
図4に示す例では、循環経路14は、摺動部13A、13B、13C、13Dを有する。
【0042】
循環流路141は、例えば、摺動部13A~13Dと、オイルタンク142とを連通させる。具体的には、循環流路141は、循環流路141Aと、循環流路141Bと、循環流路141C1~141C4とを有する。循環流路141Aは、コラム33に配置される。循環流路141Bは、クラウン31に配置される。循環流路141C1~141C4は、それぞれ、ガイド71A~71Dに配置される。
【0043】
循環流路141Aは、オイルタンク142と、循環流路141Bとを連通させる。具体的には、循環流路141Aの一方端は、オイルタンク142に接続される。循環流路141Aの他方端は、循環流路141Bに連通する。
【0044】
循環流路141Bは、循環流路141B1~141B4を有する。具体的には、循環流路141Bは、クラウン31において、循環流路141B1~141B4に分岐する。詳細には、まず、循環流路141Bは、循環流路141B12と、循環流路141B34とに分岐する。次に、循環流路141B12は、循環流路141B1と、循環流路141B2とに分岐する。一方、循環流路141B34は、循環流路141B3と、循環流路141B4とに分岐する。
【0045】
循環流路141B1~141B4は、それぞれ、循環流路141C1~141C1に連通する。具体的には、循環流路141C1の一方端は、循環流路141B1に連通する。循環流路141C2の一方端は、循環流路141B2に連通する。循環流路141C3の一方端は、循環流路141B3に連通する。循環流路141C4の一方端は、循環流路141B4に連通する。
【0046】
循環流路141C1は、摺動部13Aを介してオイルタンク142に連通する。具体的には、循環流路141C1の他方端は、オイルタンク142に連通する。循環流路141C2は、摺動部13Bを介してオイルタンク142に連通する。具体的には、循環流路141C2の他方端は、オイルタンク142に連通する。循環流路141C3は、摺動部13Cを介してオイルタンク142に連通する。具体的には、循環流路141C3の他方端は、オイルタンク142に連通する。循環流路141C4は、摺動部13Dを介してオイルタンク142に連通する。具体的には、循環流路141C4の他方端は、オイルタンク142に連通する。
【0047】
摺動部13Aは、ガイド71Aに位置する。
図4に示すように、ガイド71Aは、1つ以上のローラー72Aを有する。スライド7は、第1部品の一例である。ローラー72Aは、第2部品の一例である。摺動部13Aにおいて、スライド7とローラー72Aとが、スライド7の往復運動に伴い、互いに摺動する。摺動部13Bは、ガイド71Bに位置する。摺動部13Cは、ガイド71Cに位置する。摺動部13Dは、ガイド71Dに位置する。摺動部13B~13Dの詳細は、摺動部13Aと同様であるため、説明を割愛する。
【0048】
オイルタンク142は、潤滑油Lを収容する。具体的には、オイルタンク142は、摺動部13A~13Dを通過後の潤滑油Lを収容する。オイルタンク142には、第1パイプ30Aの他方端(
図1参照)及び第2パイプ30Bの他方端(
図1参照)が接続される。オイルタンク142には、オイルコントローラ20から第2パイプ30Bを介して潤滑油Lが供給される。また、オイルタンク142は、潤滑油Lを、第1パイプ30Aを介してオイルコントローラ20に供給する。
【0049】
オイルポンプ143は、オイルタンク142に収容された潤滑油Lを循環流路141へ送り出す。具体的には、オイルポンプ143は、制御部151の制御により、オイルタンク142に収容された潤滑油Lをくみ上げる。オイルポンプ143によってくみ上げられた潤滑油Lは、循環流路141Aを通り、循環流路141Bへ到達し、循環流路141B1~141B4及び循環流路141C1~141C1を流れて摺動部13A~13Dを通過し、オイルタンク142へ帰還する。
【0050】
[交換時期の判定]
潤滑油Lの動的粘度KVが適正な範囲外である場合、潤滑油Lの交換を要する。動的粘度KVは、潤滑油Lが循環経路14を循環する際の粘度を示す。動的粘度KVは、プレス機10の使用状況及び時間経過に伴って変化する。しかしながら、動的粘度KVを直接測定するには、大規模な専用装置が必要であるため、潤滑油Lの動的粘度KVを直接測定して正確な交換時期を検知することは、困難である。
【0051】
次に、
図5を参照して、プレス機10の制御装置15による潤滑油Lの交換時期の検知処理を説明する。
図5は、例示的な実施形態の制御装置15の機能ブロック図である。
【0052】
プレス機10は、測定部61を有する。制御装置15は、上述のように、制御部151と、記憶部153と、操作表示部155とを有する。例えば、操作表示部155は、操作部B1と、表示部B2とを有する。操作部B1は、ユーザからの操作を受け付ける。操作部B1は、例えば、タッチスクリーン、又は、キーボード及びマウスである。表示部B2は、例えば、液晶ディスプレイである。操作部B1がタッチスクリーンである場合、操作部B1と表示部B2とは重ねて配置される。
【0053】
制御部151は、取得部156と、変換部157と、判定部158とを有する。測定部61は、プレス機10に供給される潤滑油Lの静的粘度SVを測定する。静的粘度SVは、潤滑油Lの静止状態における粘度を示す。取得部156は、測定部61によって測定された静的粘度SVを取得する。変換部157は、静的粘度SVを動的粘度KVに変換する。判定部158は、動的粘度KVに基づいて、潤滑油Lが交換時期に達しているか否かを判定する。測定部61及び制御装置15は、判定装置を構成する。
【0054】
本実施形態によれば、プレス機10の摺動部13に用いられる潤滑油Lの動的粘度KVを容易に検知できる。具体的には、動的粘度KVを測定するための専用装置を用いることなく動的粘度KVを測定できる。その結果、簡易な構成で、潤滑油Lの交換時期をより正確に検知できる。
【0055】
具体的には、測定部61は、潤滑油Lの静的粘度SVを測定するオイルセンサである。測定部61は、例えば、オイルタンク142に配置される。測定部61は、オイルタンク142に収容された潤滑油Lの静的粘度SVを測定する。また、測定部61は、潤滑油Lの静的粘度SVに加えて、潤滑油Lの温度Tを測定する。なお、測定部61は、潤滑油Lの密度M及び潤滑油Lの導電率等を更に測定してもよい。つまり、測定部61は、複数のパラメータを測定可能なオイルセンサである。
【0056】
以下、測定部61が静的粘度SV、密度M及び温度Tを測定する例を説明する。測定部61は、静的粘度SV、密度M及び温度Tを測定すると、測定結果である静的粘度SV、密度M及び温度Tを示す電気信号を出力する。
【0057】
潤滑油Lの動的粘度KVは、潤滑油Lの温度によって大きく変動する。したがって、動的粘度KVをより正確に測定するには、潤滑油Lに作用する圧力と温度Tとが略一定である安定状態であることが望ましい。
【0058】
また、本実施形態において、測定部61は、プレス機10の待機状態において潤滑油Lの静的粘度SV、温度T及び密度Mを測定する。つまり、測定部61は、潤滑油Lが循環経路14を循環している状態、かつ連結解除状態において潤滑油Lの静的粘度SV、温度T及び密度Mを測定する。したがって、測定部61は、安定状態における潤滑油Lの静的粘度SV、温度T及び密度Mを測定することができる。その結果、潤滑油Lの交換時期をより正確に検知できる。
【0059】
制御部151は、記憶部153の記憶装置に記憶されたプログラムを実行することで、取得部156、変換部157及び判定部158として機能する。
【0060】
取得部156は、測定部61から出力された電気信号を受信し、電気信号の示す静的粘度SV、密度M及び温度T等を取得する。例えば、取得部156は、取得した静的粘度SV、密度M及び温度T等を示す潤滑油情報を生成して記憶部153に記憶させる。
【0061】
変換部157は、記憶部153から潤滑油情報を取得する。変換部157は、潤滑油情報に基づいて、潤滑油Lの動的粘度KVを算出する。したがって、制御装置15において、容易な計算で動的粘度KVを算出することができる。よって、動的粘度KVを測定するための専用装置を用いることなく動的粘度KVを測定できる。具体的には、変換部157は、下記の式(1)により、動的粘度KVを算出する。
【0062】
動的粘度KV=静的粘度SV/密度M・・・(1)
【0063】
判定部158は、変換部157によって算出された動的粘度KVが所定範囲内であるか否かを判定する。具体的には、判定部158は、記憶部153から潤滑油情報のうちの温度Tを取得する。判定部158は、記憶部153に記憶されている温度情報を参照し、取得した温度Tにおける動的粘度を基準動的粘度として取得する。温度情報は、温度と動的粘度との関係を示す。
【0064】
次に、
図6を参照して、制御装置15において用いられる温度情報について説明する。
図6は、例示的な実施形態の制御装置15において用いられる温度情報の一例を示す図である。
図6は、横軸が温度Tを示し、縦軸が動的粘度KVを示す。
【0065】
図6に示すように、温度Tが高いほど、動的粘度KVは低くなる。一方、温度Tが低いほど、動的粘度KVは高くなる。
【0066】
判定部158は、動的粘度KVと基準動的粘度とを比較する。例えば、判定部158は、下記の式(2)を用いて、動的粘度KVの基準動的粘度からの差分を算出する。判定部158は、算出した差分が閾値より大きい場合、動的粘度KVが所定範囲外であると判定する。つまり、判定部158は、潤滑油Lが交換時期に達していると判定する。
【0067】
差分=基準動的粘度-動的粘度KV・・・(2)
【0068】
一方、判定部158は、算出した差分が閾値以下である場合、動的粘度KVが所定範囲内であると判定する。つまり、判定部158は、潤滑油Lが交換時期に達していないと判定する。
【0069】
例えば、判定部158によって潤滑油Lが交換時期に達していると判定されると、制御部151は、潤滑油Lが交換時期に達している旨の画面を表示するように表示部B2を制御する。
【0070】
本実施形態において、例えば、測定部61は、プレス機10によるクランクプレスの実行前に、静的粘度SVを測定する。したがって、交換時期に達している潤滑油Lがクランクプレスの実行の際に用いられることを防ぐことができる。なお、測定部61による静的粘度SVの測定時期は、クランクプレスの実行前に限定されない。例えば、測定部61による静的粘度SVの測定は、クランクプレスの実行後の待機状態において行われてもよい。また、測定部61による静的粘度SVの測定時期は、プレス機10の待機状態に限らず、クランク軸52とフライホイール53とが連結状態である状態において行われてもよい。
【0071】
[交換時期の予測]
次に、
図5及び
図7を参照して、制御装置15における潤滑油Lの交換時期の予測について説明する。
図7は、動的粘度KVの経時変化を示すグラフである。
図7では、横軸が時間を示し、縦軸が動的粘度KVを示す。
【0072】
本実施形態において、測定部61は、時系列に沿って静的粘度SV、密度M及び温度Tを複数回測定する。取得部156は、測定部61が静的粘度SVを測定するごとに、静的粘度SV、密度M及び温度Tを取得し、潤滑油情報を生成する。取得部156は、生成した潤滑油情報と潤滑油情報を生成した時間を示す生成時間MTとを関連付けて記憶部153に記憶させる。変換部157は、静的粘度SVをそれぞれ動的粘度KVに変換して時系列に沿った複数の動的粘度KVを取得する。判定部158は、複数の動的粘度KVに基づいて、潤滑油Lが交換時期に達するまでの期間を算出する。したがって、本実施形態によれば、動的粘度KVの経時変化を観察でき、交換時期の予測が可能になる。
【0073】
具体的には、測定部61は、定期的又は不定期に、静的粘度SV、密度M及び温度Tを測定する。例えば、測定部61は、1月ごとに静的粘度SV、密度M及び温度Tを測定する。
【0074】
取得部156は、測定部61が静的粘度SV、密度M及び温度Tを測定するごとに、静的粘度SV、密度M及び温度Tを取得して潤滑油情報を生成し、生成した潤滑油情報に潤滑油情報の生成時間MTを含めて記憶部153に記憶させる。つまり、記憶部153には、時系列に沿った複数の潤滑油情報が蓄積される。
【0075】
記憶部153に2つ以上の時系列に沿った潤滑油情報が記憶されている場合、変換部157は、各潤滑油情報を取得する。変換部157は、潤滑油情報ごとに、動的粘度KVを算出する。変換部157は、算出した動的粘度KVごとに、対応する潤滑油情報を参照して生成時間MTを取得する。
【0076】
判定部158は、変換部157によって算出された動的粘度KVと、動的粘度KVにそれぞれ対応する生成時間MTとを取得する。判定部158は、取得した動的粘度KVと生成時間MTとに対して線形近似を行い、潤滑油Lが交換時期に達するまでの期間を算出する。したがって、判定部158は、簡易な計算で交換時期を予測することができる。
【0077】
具体的には、
図7に示すように、判定部158は、生成時間MTと動的粘度KVとの関係を1次関数F1に近似する。
【0078】
図7に示す例では、生成時間MT1において、動的粘度KVが動的粘度KV1であるとする。生成時間MT2において、動的粘度KV2であるとする。生成時間MT3において、動的粘度KV3であるとする。
【0079】
判定部158は、生成時間MT1~MT3と、動的粘度KV1~KV3とを1次関数F1に近似する。判定部158は、1次関数F1に基づいて、動的粘度KVが閾値KVTになる時間MTXを交換時期として算出する。
【0080】
図7に示す例では、判定部158は、生成されたすべての潤滑油情報に基づいて、交換時期を算出する構成としたが、判定部158は、生成された潤滑油情報の一部に基づいて、交換時期を算出する構成であってもよい。具体的には、判定部158は、生成時間MT1~MT3にそれぞれ生成された潤滑油情報のうち、生成時間MT2に生成された潤滑油情報及び生成時間MT3に生成された潤滑油情報に基づいて、交換時期を算出する。その結果、制御装置15において、直近の使用状況等を反映させた交換時期が算出でき、より正確な交換時期の予測が可能になる。
【0081】
例えば、判定部158によって交換時期が算出されると、制御部151は、交換時期を示す画面を表示するように表示部B2を制御する。
【0082】
次に、
図8を参照して、例示的な実施形態のプレス機10において用いられる潤滑油Lの交換時期の検知方法を説明する。
図8は、例示的な実施形態のプレス機10において用いられる潤滑油Lの交換時期の検知方法を示すフローチャートである。
【0083】
まず、取得部156は、測定部61によって測定された潤滑油Lの静的粘度SV、密度M及び温度Tを取得する(ステップS11)。
【0084】
次に、変換部157は、取得部156によって取得された静的粘度SVを密度Mで除して動的粘度KVを算出する(ステップS12)。
【0085】
次に、判定部158は、動的粘度KVと基準とを比較する(ステップS13)。動的粘度KVが基準より小さい場合(ステップS13でYes)、具体的には、動的粘度KVの基準動的粘度からの差分が閾値より大きい場合、判定部158は、動的粘度KVが所定範囲外であると判定する。つまり、判定部158は、潤滑油Lが交換時期に達していると判定する(ステップS14)。
【0086】
次に、制御部151は、潤滑油Lが交換時期に達している旨をユーザに通知する(ステップS15)。例えば、制御部151は、潤滑油Lが交換時期に達している旨の画面を表示するように表示部B2を制御する。
【0087】
一方、動的粘度KVが基準以上である場合(ステップS13でNo)、具体的には、動的粘度KVの基準動的粘度からの差分が閾値以下である場合、判定部158は、動的粘度KVが所定範囲内であると判定する。つまり、判定部158は、潤滑油Lが交換時期に達していないと判定する。次に、取得部156は、新たな潤滑油Lの静的粘度SV、密度M及び温度Tを取得する(ステップS11)。
【0088】
次に、
図9を参照して、例示的な実施形態のプレス機10において用いられる潤滑油Lの交換時期の予測方法を説明する。
図9は、例示的な実施形態のプレス機10において用いられる潤滑油Lの交換時期の予測方法を示すフローチャートである。
【0089】
まず、取得部156は、測定部61によって測定された潤滑油Lの静的粘度SV、密度M及び温度Tを取得する(ステップS21)。
【0090】
次に、取得部156は、取得した静的粘度SV、密度M及び温度Tに基づいて、潤滑油情報を生成し、生成した潤滑油情報に潤滑油情報の生成時間MTを含めて記憶部153に記憶させる(ステップS22)。
【0091】
記憶部153には、時系列に沿った複数の潤滑油情報が記憶される(ステップS23)。時系列に沿った複数の潤滑油情報が記憶部153に記憶されている場合(ステップS23でYes)、変換部157は、潤滑油情報ごとに、動的粘度KVを算出する(ステップS24)。
【0092】
次に、判定部158は、潤滑油情報ごとに算出された動的粘度KVと対応する生成時間MTとを1次関数F1に線形近似する(ステップS25)。
【0093】
次に、判定部158は、1次関数F1に基づいて、動的粘度KVが閾値KVTになる時間MTXを交換時期として算出する(ステップS26)。
【0094】
次に、制御部151は、潤滑油Lの交換時期をユーザに通知する。例えば、制御部151は、判定部158によって算出された交換時期を示す表示を含む画面を表示するように表示部B2を制御する(ステップS27)。
【0095】
一方、複数の潤滑油情報が記憶部153に記憶されていない場合(ステップS23でNo)、取得部156は、新たな潤滑油Lの静的粘度SV、密度M及び温度Tを取得する(ステップS11)。
【0096】
また、本実施形態において、密度Mは、測定部61によって測定される構成としたが、これに限らず、例えば、密度Mは、予め記憶部153に記憶されている構成であってもよい。
【0097】
また、本実施形態において、測定部61は、複数のパラメータを測定可能なオイルセンサであるとしたが、これに限らず、例えば、測定部61は、複数のパラメータをそれぞれ測定可能な複数のセンサであってもよい。
【0098】
また、本実施形態において、測定部61は、オイルタンク142に配置されてたが、これに限らず、例えば、測定部61は、循環流路141A、循環流路141B、及び循環流路141C1~141C4のうちのいずれかに配置されてもよい。また、例えば、測定部61は、第1パイプ30A、第2パイプ30B又はオイルコントローラ20に配置されてもよい。
【0099】
また、本実施形態において、オイルタンク142は、プレス機10に配置されたが、これに限らず、例えば、オイルタンク142は、プレス機10外部に配置されてもよい。
【0100】
また、本実施形態において、表示部B2に各種表示を行うことでユーザに通知する構成としたが、これに限らず、例えば、表示部B2の表示以外に警告音を発したり、ランプを点消灯してユーザに通知する構成であってもよい。
【0101】
以上、図面(
図1~
図9)を参照して本発明の実施形態について説明した。ただし、本発明は、上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の態様において実施できる。また、上記の実施形態に開示される複数の構成要素は適宜改変可能である。例えば、ある実施形態に示される全構成要素のうちのある構成要素を別の実施形態の構成要素に追加してもよく、又は、ある実施形態に示される全構成要素のうちのいくつかの構成要素を実施形態から削除してもよい。
【0102】
また、図面は、発明の理解を容易にするために、それぞれの構成要素を主体に模式的に示しており、図示された各構成要素の厚さ、長さ、個数、間隔等は、図面作成の都合上から実際とは異なる場合もある。また、上記の実施形態で示す各構成要素の構成は一例であって、特に限定されるものではなく、本発明の効果から実質的に逸脱しない範囲で種々の変更が可能であることは言うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0103】
本発明は、プレス装置の分野に利用可能である。
【符号の説明】
【0104】
7 :スライド
10 :プレス機
13、13A~13D :摺動部
14 :循環経路
15 :制御装置
61 :測定部
71A~71D :ガイド
72A :ローラー
142 :オイルタンク
151 :制御部
156 :取得部
157 :変換部
158 :判定部
KV、KV1~KV3 :動的粘度
L :潤滑油
SV :静的粘度
T :温度