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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023051373
(43)【公開日】2023-04-11
(54)【発明の名称】人力駆動車用のコンポーネント
(51)【国際特許分類】
   B62M 6/55 20100101AFI20230404BHJP
【FI】
B62M6/55
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021161992
(22)【出願日】2021-09-30
(71)【出願人】
【識別番号】000002439
【氏名又は名称】株式会社シマノ
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】中川 拓洋
(72)【発明者】
【氏名】中村 一良
(72)【発明者】
【氏名】高荷 敏行
(57)【要約】
【課題】第1基板および第2基板の少なくとも1つの設計上の制約を低減できる人力駆動車用のコンポーネントを提供する。
【解決手段】人力駆動車用のコンポーネントは、第1部材に取り付けられる第1基板と、前記第1部材と相対回転可能な第2部材に取り付けられる第2基板と、前記第1基板に設けられる第1コイルと、前記第2基板に設けられ、前記第1コイルと磁気的に結合するように構成される第2コイルと、を備え、前記第1基板は、前記第2部材の回転中心軸心に平行な第1方向と実質的に直交する第2方向に延び、前記第2基板は、前記第2方向に延び、前記第1コイルの少なくとも一部は、前記第1方向において前記第2コイルの少なくとも一部と対向するように配置され、前記第1基板および前記第2基板の少なくとも1つは、前記第1方向から見て、前記第2部材の前記回転中心軸心まわりの外周部の一部のみと対向するように設けられる。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
人力駆動車用のコンポーネントであって、
第1部材に取り付けられる第1基板と、
前記第1部材と相対回転可能な第2部材に取り付けられる第2基板と、
前記第1基板に設けられる第1コイルと、
前記第2基板に設けられ、前記第1コイルと磁気的に結合するように構成される第2コイルと、を備え、
前記第1基板は、前記第2部材の回転中心軸心に平行な第1方向と実質的に直交する第2方向に延び、
前記第2基板は、前記第2方向に延び、
前記第1コイルの少なくとも一部は、前記第1方向において前記第2コイルの少なくとも一部と対向するように配置され、
前記第1基板および前記第2基板の少なくとも1つは、前記第1方向から見て、前記第2部材の前記回転中心軸心まわりの外周部の一部のみと対向するように設けられる、コンポーネント。
【請求項2】
前記第2部材は、前記回転中心軸心まわりに回転可能に前記第1部材に設けられる、請求項1に記載のコンポーネント。
【請求項3】
前記第1基板は、前記第1方向から見て、前記外周部の前記一部のみと対向するように設けられる、請求項1または2に記載のコンポーネント。
【請求項4】
前記第1基板は、前記第2部材と対向する第1端部を有し、
前記第1コイルは、前記第1基板のうち前記第1端部を含む一部分に設けられる、請求項3に記載のコンポーネント。
【請求項5】
前記第1端部は、前記第1方向から見て、前記外周部のうちの前記回転中心軸心を中心として180度以下の部分と対向する、請求項4に記載のコンポーネント。
【請求項6】
前記第2基板は、前記第1方向から見て、前記外周部の全周と対向して配置され、
前記第2コイルは、前記第1方向から見て、前記外周部を囲む、請求項3から5のいずれか一項に記載のコンポーネント。
【請求項7】
前記第1コイルは、楕円形状に形成される、請求項3から6のいずれか一項に記載のコンポーネント。
【請求項8】
前記第1コイルは、前記楕円形状の短軸が前記第2部材の前記回転中心軸心と直交するように配置される、請求項7に記載のコンポーネント。
【請求項9】
前記第1コイルは、前記楕円形状の長径が前記第2部材の直径以上である、請求項7または8に記載のコンポーネント。
【請求項10】
前記第1基板は、前記第1方向において少なくとも部分的に前記第2基板と対向する第1基板面と、前記第1基板面と反対側を向く第2基板面と、を有し、
前記第2基板は、前記第1方向において少なくとも部分的に前記第1基板と対向する第3基板面と、前記第3基板面と反対側を向く第4基板面と、を有し、
前記第1コイルは、前記第1基板面上、前記第2基板面上、および、前記第1基板の内部の少なくとも1つに設けられ、
前記第2コイルは、前記第3基板面上、前記第4基板面上、および、前記第2基板の内部の少なくとも1つに設けられる、請求項1から9のいずれか一項に記載のコンポーネント。
【請求項11】
前記第1コイルは、前記第2コイルに電力を送信可能に構成され、
前記第2コイルは、前記第1コイルから電力を受信可能に構成される、請求項1から10のいずれか一項に記載のコンポーネント。
【請求項12】
前記第1コイルと、前記第2コイルとは、通信信号を送受信可能に構成される、請求項1から11のいずれか一項に記載のコンポーネント。
【請求項13】
前記第1コイルと電気的に接続される第1電子部品をさらに備える、請求項1から12のいずれか一項に記載のコンポーネント。
【請求項14】
前記第1電子部品は、前記第1基板に設けられる、請求項13に記載のコンポーネント。
【請求項15】
前記第1基板に接続される第3基板をさらに備え、
前記第1電子部品は、前記第3基板に設けられる、請求項13に記載のコンポーネント。
【請求項16】
前記第1電子部品は、制御装置を含む、請求項13から15のいずれか一項に記載のコンポーネント。
【請求項17】
前記第1部材に設けられ、前記人力駆動車に推進力を付与するように構成されるモータをさらに備える、請求項1から16のいずれか一項に記載のコンポーネント。
【請求項18】
前記第2部材は、クランク軸を含む、請求項1から17のいずれか一項に記載のコンポーネント。
【請求項19】
前記第2部材に設けられ、前記第2コイルに電気的に接続されるセンサをさらに含む、請求項1から18のいずれか一項に記載のコンポーネント。
【請求項20】
前記センサは、前記第2部材の歪みを検出するように構成される歪センサを含む、請求項19に記載のコンポーネント。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、人力駆動車用のコンポーネントに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1に開示される人力駆動車用のコンポーネントは、第1コイルが設けられる第1基板、および、第2コイルが設けられる第2基板を備える。第1基板および第2基板は、回転体の周方向において、回転体の全周に設けられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019-211819号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示の目的の1つは、第1基板および第2基板の少なくとも1つの設計上の制約を低減できる人力駆動車用のコンポーネントを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の第1側面に従うコンポーネントは、人力駆動車用のコンポーネントであって、第1部材に取り付けられる第1基板と、前記第1部材と相対回転可能な第2部材に取り付けられる第2基板と、前記第1基板に設けられる第1コイルと、前記第2基板に設けられ、前記第1コイルと磁気的に結合するように構成される第2コイルと、を備え、前記第1基板は、前記第2部材の回転中心軸心に平行な第1方向と実質的に直交する第2方向に延び、前記第2基板は、前記第2方向に延び、前記第1コイルの少なくとも一部は、前記第1方向において前記第2コイルの少なくとも一部と対向するように配置され、前記第1基板および前記第2基板の少なくとも1つは、前記第1方向から見て、前記第2部材の前記回転中心軸心まわりの外周部の一部のみと対向するように設けられる。
第1側面のコンポーネントによれば、第1基板および第2基板の少なくとも1つは、第1方向から見て、第2部材の回転中心軸心まわりの外周部の一部のみと対向するように設けられるため、第1基板および第2基板の少なくとも1つに第2部材を貫通させる貫通孔を設けずに、第1基板および第2基板の少なくとも1つを構成できる。したがって、コンポーネントは、第1基板および第2基板の少なくとも1つの設計上の制約を低減できる。
【0006】
本開示の第1側面に従う第2側面のコンポーネントにおいて、前記第2部材は、前記回転中心軸心まわりに回転可能に前記第1部材に設けられる。
第2側面のコンポーネントによれば、第1基板および第2基板の少なくとも1つを、第1部材に対して回転中心軸心まわりに回転する第2部材の外周部の一部のみと対向するように設けることができる。
【0007】
本開示の第1または第2側面に従う第3側面のコンポーネントにおいて、前記第1基板は、前記第1方向から見て、前記外周部の前記一部のみと対向するように設けられる。
第3側面のコンポーネントによれば、第1基板を第1方向から見て外周部の一部のみと対向するように設けることができる。
【0008】
本開示の第3側面に従う第4側面のコンポーネントにおいて、前記第1基板は、前記第2部材と対向する第1端部を有し、前記第1コイルは、前記第1基板のうち前記第1端部を含む一部分に設けられる。
第4側面のコンポーネントによれば、第1コイルは、第1基板のうち第1端部を含む一部分に設けられるため、第1コイルを第2部材に近い位置に配置できる。
【0009】
本開示の第4側面に従う第5側面のコンポーネントにおいて、前記第1端部は、前記第1方向から見て、前記外周部のうちの前記回転中心軸心を中心として180度以下の部分と対向する。
第5側面のコンポーネントによれば、第1基板は第2部材と部分的に対向するため、第1基板の形状を簡単なものにできる。
【0010】
本開示の第3から第5側面のいずれか1つに従う第6側面のコンポーネントにおいて、前記第2基板は、前記第1方向から見て、前記外周部の全周と対向して配置され、前記第2コイルは、前記第1方向から見て、前記外周部を囲む。
第6側面のコンポーネントによれば、第2基板は、外周部の全周と対向して配置されるので、第1部材と第2部材との相対回転位相に関わらず、第2基板は第1基板と対向できる。第6側面のコンポーネントによれば、第2コイルは、第1方向から見て、外周部を囲むので、第1部材と第2部材との相対回転位相に関わらず、第2コイルは第1コイルと対向できる。
【0011】
本開示の第3から第6側面のいずれか1つに従う第7側面のコンポーネントにおいて、前記第1コイルは、楕円形状に形成される。
第7側面のコンポーネントによれば、第1コイルは楕円形状に形成されるため、第1コイルのうちの第2コイルと対向する部分を大きくできる。
【0012】
本開示の第7側面に従う第8側面のコンポーネントにおいて、前記第1コイルは、前記楕円形状の短軸が前記第2部材の前記回転中心軸心と直交するように配置される。
第8側面のコンポーネントによれば、楕円形状の短軸が第2部材の回転中心軸心と直交するように配置されるため、第1コイルのうちの第2コイルと対向する部分を大きくしやすい。
【0013】
本開示の第7または第8側面に従う第9側面のコンポーネントにおいて、前記第1コイルは、前記楕円形状の長径が前記第2部材の直径以上である。
第9側面のコンポーネントによれば、楕円形状の長径が第2部材の直径以上であるため、第1コイルのうちの第2コイルと対向する部分を大きくしやすい。
【0014】
本開示の第1から第9側面のいずれか1つに従う第10側面のコンポーネントにおいて、前記第1基板は、前記第1方向において少なくとも部分的に前記第2基板と対向する第1基板面と、前記第1基板面と反対側を向く第2基板面と、を有し、前記第2基板は、前記第1方向において少なくとも部分的に前記第1基板と対向する第3基板面と、前記第3基板面と反対側を向く第4基板面と、を有し、前記第1コイルは、前記第1基板面上、前記第2基板面上、および、前記第1基板の内部の少なくとも1つに設けられ、前記第2コイルは、前記第3基板面上、前記第4基板面上、および、前記第2基板の内部の少なくとも1つに設けられる。
第10側面のコンポーネントによれば、第1コイルは、第1基板面上、第2基板面上、および、第1基板の内部の少なくとも1つに設けることができる。第10側面のコンポーネントによれば、第2コイルは、第3基板面上、第4基板面上、および、第2基板の内部の少なくとも1つに設けることができる。
【0015】
本開示の第1から第10側面のいずれか1つに従う第11側面のコンポーネントにおいて、前記第1コイルは、前記第2コイルに電力を送信可能に構成され、前記第2コイルは、前記第1コイルから電力を受信可能に構成される。
第11側面のコンポーネントによれば、電力の送電および受電を行う第1コイル第および第2コイルを備える第1基板および第2基板の少なくとも1つの設計上の制約を低減できる。
【0016】
本開示の第1から第11側面のいずれか1つに従う第12側面のコンポーネントにおいて、前記第1コイルと、前記第2コイルとは、通信信号を送受信可能に構成される。
第12側面のコンポーネントによれば、通信信号を互いに送受信可能に構成される第1コイルおよび第2コイルを備える、第1基板および第2基板の少なくとも1つの設計上の制約を低減できる。
【0017】
本開示の第1から第12側面のいずれか1つに従う第13側面のコンポーネントにおいて、前記第1コイルと電気的に接続される第1電子部品をさらに備える。
第13側面のコンポーネントによれば、第1コイルと電気的に接続される第1電子部品をコンポーネントに備えることができる。
【0018】
本開示の第13側面に従う第14側面のコンポーネントにおいて、前記第1電子部品は、前記第1基板に設けられる。
第14側面のコンポーネントによれば、第1コイルおよび第1電子部品が第1基板に設けられるため、第1電子部品を第1コイルの近くに配置できる。
【0019】
本開示の第13側面に従う第15側面のコンポーネントにおいて、前記第1基板に接続される第3基板をさらに備え、前記第1電子部品は、前記第3基板に設けられる。
第15側面のコンポーネントによれば、第1電子部品が第3基板に設けられるため、第1基板を小さくできる。
【0020】
本開示の第13から第15側面のいずれか1つに従う第16側面のコンポーネントにおいて、前記第1電子部品は、制御装置を含む。
第16側面のコンポーネントによれば、制御装置を含む第1電子部品をコンポーネントに備えることができる。
【0021】
本開示の第1から第16側面のいずれか1つに従う第17側面のコンポーネントにおいて、前記第1部材に設けられ、前記人力駆動車に推進力を付与するように構成されるモータをさらに備える。
第17側面のコンポーネントによれば、モータを備えるコンポーネントにおいて、第1基板および第2基板の少なくとも1つの設計上の制約を低減できる。
【0022】
本開示の第1から第17側面のいずれか1つに従う第18側面のコンポーネントにおいて、前記第2部材は、クランク軸を含む。
第18側面のコンポーネントによれば、クランク軸に取り付けられる第2基板を備えるコンポーネントにおいて、第1基板および第2基板の少なくとも1つの設計上の制約を低減できる。
【0023】
本開示の第1から第18側面のいずれか1つに従う第19側面のコンポーネントにおいて、前記第2部材に設けられ、前記第2コイルに電気的に接続されるセンサをさらに含む。
第19側面のコンポーネントによれば、第2部材に設けられるセンサと第2基板に設けられる第2コイルとを好適に電気的に接続できる。
【0024】
本開示の第19側面に従う第20側面のコンポーネントにおいて、前記センサは、前記第2部材の歪みを検出するように構成される歪センサを含む。
第20側面のコンポーネントによれば、第2部材に設けられる歪センサと第2基板に設けられる第2コイルとを好適に電気的に接続できる。
【発明の効果】
【0025】
本開示の人力駆動車用のコンポーネントによれば、第1基板および第2基板の少なくとも1つの設計上の制約を低減できる人力駆動車用のコンポーネントを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】実施形態の人力駆動車用のコンポーネントの側面図である。
図2図1のD2-D2線に沿う断面図である。
図3図2の第1基板と第2基板とが対向する部分を拡大した断面図である。
図4図2の人力駆動車用のコンポーネントおよびバッテリの電気的な構成を示すブロック図である。
図5図3の第1基板、第1コイル、モータの出力軸、および、第1軸部材を、第1方向から見た場合の模式図である。
図6図3の第2基板、および、第2コイルを、第1方向から見た場合の模式図である。
図7図3の第1基板、第1コイル、モータの出力軸、第1軸部材、第2部材、第2基板、および、第2コイルを第1方向から見た場合の模式図である。
図8図2および図3の第1基板、第1コイル、第1電子部品、第2部材、第2基板、および、第2コイルの位置関係を示す断面図である。
図9】第1変形例の第1基板、第1コイル、第1電子部品、第2部材、第2基板、第2コイル、および、第3基板の位置関係を示す断面図である。
図10】第2変形例の第1基板、第1コイル、第2部材、第2基板、および、第2コイルを第1方向から見た場合の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
<実施形態>
図1から図8を参照して、人力駆動車用のコンポーネント20が説明される。人力駆動車は、少なくとも1つの車輪を有し、少なくとも人力駆動力によって駆動できる乗り物である。人力駆動車は、例えばマウンテンバイク、ロードバイク、シティバイク、カーゴバイク、ハンドバイク、および、リカンベントなど種々の種類の自転車を含む。人力駆動車が有する車輪の数は限定されない。人力駆動車は、例えば1輪車および2輪以上の車輪を有する乗り物も含む。人力駆動車は、人力駆動力のみによって駆動できる乗り物に限定されない。人力駆動車は、人力駆動力だけではなく、電気モータの駆動力を推進に利用するイーバイク(E-bike)を含む。イーバイクは、電気モータによって推進が補助される電動アシスト自転車を含む。以下、実施形態において、人力駆動車は、電動アシスト自転車として説明される。
【0028】
人力駆動車は、少なくとも1つの車輪と、車体と、を備える。少なくとも1つの車輪は、前輪、および、後輪を含む。車体は、フレームを含む。人力駆動車は、人力駆動車用のコンポーネント20をさらに備える。例えば、コンポーネント20は、ドライブユニット22を含む。コンポーネント20がドライブユニット22を含む場合、コンポーネント20は、人力駆動車のフレームに取り付け可能に構成される。以下、コンポーネント20はドライブユニット22として説明される。
【0029】
人力駆動車は、コンポーネント20に電力を供給するバッテリ10をさらに含む。バッテリ10は、1または複数のバッテリ素子を含む。バッテリ素子は、充電池を含む。バッテリ10は、コンポーネント20の第1電子部品24に電力を供給するように構成される。バッテリ10は、コンポーネント20と電気ケーブルまたは無線通信装置を介して通信可能に接続される。バッテリ10は、例えば電力線通信(PLC;Power Line Communication)、CAN(Controller Area Network)、または、UART(Universal Asynchronous Receiver/Transmitter)によってコンポーネント20と通信可能である。
【0030】
人力駆動車用のコンポーネント20は、第1基板26と、第2基板28と、第1コイル30と、第2コイル32と、を備える。第1基板26および第2基板28は、例えば、プリント配線基板によって形成される。プリント配線基板は、単層のプリント配線基板であってもよく、多層のプリント配線基板であってもよい。コンポーネント20は、第1部材34、および、第2部材36をさらに備える。第2部材36は、第1部材34と相対回転可能である。例えば、第1部材34は、ドライブユニット22のハウジング38を含む。第2部材36は、回転中心軸心Cを有する。例えば、第2部材36は、回転中心軸心Cまわりに回転可能に第1部材34に設けられる。例えば、コンポーネント20は、クランク軸40を含む。本実施形態では、第2部材36は、クランク軸40を含む。
【0031】
例えば、コンポーネント20は、モータ42をさらに備える。モータ42は、人力駆動車に推進力を付与するように構成される。モータ42は、第1部材34に設けられる。コンポーネント20は、出力回転軸44を含む。出力回転軸44には、クランク軸40に入力される人力駆動力と、減速機構52を介したモータ42の出力とが入力される。本実施形態では、第2部材36は、出力回転軸44をさらに含む。
【0032】
ハウジング38は、第1ハウジング46、および、第2ハウジング48を含む。第1ハウジング46および第2ハウジング48は、例えば、ボルトによって相互に取り付けられる。ハウジング38は、内部空間を形成する。内部空間は、第1ハウジング46および第2ハウジング48によって形成される。ハウジング38の内部空間には、第1基板26、第2基板28、第1電子部品24、クランク軸40の一部、モータ42、出力回転軸44の一部、および、減速機構52などが配置される。第1部材34は、ハウジング38の内部空間に配置される支持部材50さらに含んでもよい。支持部材50は、内部空間に配置される部材を支持する。
【0033】
ハウジング38は、コンポーネント20を人力駆動車のフレームに取り付けるための取付部38Aを備える。取付部38Aは、ハウジング38の外周部に設けられる。例えば、ハウジング38は、複数の取付部38Aを含む。例えば、取付部38Aには、孔および雌ねじ部の少なくとも1つが設けられる。例えば、取付部38Aには雌ねじ部が設けられる。例えば、ボルトがフレームに設けられる孔に挿入され、かつ、取付部38Aの雌ねじ部にねじ込まれることによって、コンポーネント20がフレームに取り付けられる。
【0034】
第2部材36の少なくとも一部は、ハウジング38の内部空間に配置される。例えば、第1部材34は、回転中心軸心Cまわりに第2部材36を回転可能に支持する。クランク軸40の一部は、ハウジング38の内部空間に配置される。例えば、ハウジング38は、クランク軸40を回転可能に支持する。クランク軸40は、第1軸受54によって、ハウジング38に対して回転可能に支持される。第1軸受54は、玉軸受であってもよく、ころ軸受であってもよく、すべり軸受であってもよい。出力回転軸44の一部は、ハウジング38の内部空間に配置される。例えば、出力回転軸44は、第2軸受56によって、ハウジング38に対して回転可能に支持される。第2軸受56は、玉軸受であってもよく、ころ軸受であってもよく、すべり軸受であってもよい。
【0035】
例えば、クランク軸40の中心軸心、出力回転軸44の中心軸心、および、回転中心軸心Cは、それぞれ同軸である。例えば、クランク軸40は、実質的に円筒形状を有する。例えば、出力回転軸44は、実質的に円筒形状を有する。出力回転軸44は、回転中心軸心Cまわりにおいて、クランク軸40の外周部を囲むように配置される。
【0036】
出力回転軸44は、クランク軸40の回転力が伝達されるように構成される。出力回転軸44は、モータ42から駆動力を伝達されるように構成される。例えば、出力回転軸44は、第1方向X1において、第1端部44Aを有する。第1方向X1は、回転中心軸心Cの軸心方向と同じ方向である。第1端部44Aは、第1方向X1において、クランク軸40の外周部に直接接続される。例えば、第1端部44Aおよびクランク軸40の外周部には、相互に噛み合うスプラインがそれぞれ形成される。
【0037】
例えば、出力回転軸44は、第1方向X1において、第1端部44Aの反対側に第2端部44Bを有する。第2端部44Bには、スプロケットが接続される。第2端部44Bの回転中心軸心Cの径方向の外周部には、スプロケットを連結する連結部が設けられる。連結部は、第1方向X1に沿って延びる1または複数のスプラインを有する。
【0038】
モータ42は、ロータ58と、ステータ60と、を含む。ロータ58は、モータ42の出力軸42Aを有する。ステータ60は、インバータ回路に電気的に接続されるコイルを有する。例えば、第2部材36とモータ42の出力軸42Aとは、実質的に平行に配置される。ロータ58は、出力軸42Aに一体に回転するロータコアと、ロータコアに保持される複数の磁石とを含む。ステータ60は、ハウジング38に取り付けられる。モータ42は、1または複数の電気モータを含む。例えば、電気モータは、ブラシレスモータである。例えば、モータ42は、ラジアルギャップ型のモータである。例えば、モータ42は、インナロータ型のモータである。モータ42は、アウタロータ型のモータであってもよい。モータ42は、アキシャルギャップ型のモータであってもよい。
【0039】
モータ42のステータ60の外周部は、第1ハウジング46に形成される凹部46Aの側壁に設けられる。支持部材50は、第1ハウジング46に設けられ、第1ハウジング46と共に、モータ配置空間を形成する。支持部材50は、例えば、ボルトによって第1ハウジング46に取り付けられる。支持部材50は、凹部46Aの開口をカバーするように配置される。支持部材50は、モータ42の出力軸42Aが挿入される貫通孔50Aを含む。支持部材50は、モータ42のコイルと、インバータ回路とを接続するための端子またはケーブルが挿入される貫通孔を含む。
【0040】
例えば、コンポーネント20は、減速機構52をさらに備える。例えば、減速機構52は、1段階以上にわたってモータ42の出力軸42Aの回転速度を減速する。モータ42は、減速機構52に回転力を伝達し、人力駆動車に推進力を付与するように構成される。
【0041】
例えば、減速機構52は、少なくとも1つの歯車を含む。例えば、減速機構52は、2段階以上にわたってモータ42の出力軸42Aの回転速度を減速する。本実施形態では、減速機構52は、2段階にわたってモータ42の出力軸42Aの回転速度を減速する。減速機構52は、1または複数の歯車を含んでいてもよく、プーリを含んでいてもよい。本実施形態では、減速機構52は、1つの歯車を含む。
【0042】
例えば、減速機構52は、第1歯車52A、第2歯車52B、および、第1回転中心軸心C1を有する第1軸部材52Cを含む。第1回転中心軸心C1は、回転中心軸心Cとは異なる。第1回転中心軸心C1は、回転中心軸心Cと実質的に平行である。ハウジング38は、第1軸部材52Cを回転可能に支持する。第1軸部材52Cは、第3軸受62、および、第4軸受64によって、ハウジング38に対して回転可能に支持される。
【0043】
第3軸受62は、支持部材50に設けられる。第3軸受62は、第1軸部材52Cの第1端部52Dの外周部に設けられる。第4軸受64は、第1ハウジング46に設けられる。第4軸受64は、第1軸部材52Cの第2端部52Eの外周部に設けられる。第3軸受62は、玉軸受であってもよく、ころ軸受であってもよく、すべり軸受であってもよい。第4軸受64は、玉軸受であってもよく、ころ軸受であってもよく、すべり軸受であってもよい。
【0044】
例えば、第1歯車52Aは、第1方向X1において、第3軸受62と、第4軸受64との間の、第4軸受64側の第1軸部材52Cの外周上に設けられる。第1歯車52Aは第1軸部材52Cと一体に回転する。第1歯車52A、および、第1軸部材52Cは、例えば、金属によって形成される。例えば、第1軸部材52Cは、第2部材36、および、モータ42の出力軸42Aと実質的に平行に内部空間に配置される。
【0045】
第2歯車52Bは、ワンウェイクラッチ66に仲介されて、第1方向X1において、出力回転軸44の第1端部44Aよりも出力回転軸44の第2端部44B側の出力回転軸44の外周部に設けられる。例えば、第2歯車52Bは、出力回転軸44と一体に回転する。第2歯車52Bは、例えば、出力回転軸44と単一部材として、出力回転軸44と一体に形成されてもよく、出力回転軸44とは別体に形成されてもよい。第2歯車52B、および、出力回転軸44は、例えば、金属によって形成される。第2歯車52Bは、第1軸部材52Cの第1端部52Dと、第1軸部材52Cの第2端部52Eとの間において、第1軸部材52Cに噛み合う。
【0046】
ワンウェイクラッチ66は、人力駆動車を前進させるように回転中心軸心Cまわりにクランク軸40が回転する場合に、クランク軸40の回転力をモータ42に伝達するように構成される。ワンウェイクラッチ66は、クランク軸40が回転中心軸心Cまわりに回転する方向が人力駆動車を前進させる場合とは反対の方向の場合に、クランク軸40の回転力のモータ42への伝達を抑制するように構成される。例えば、ワンウェイクラッチ66は、ローラクラッチを含む。例えば、ワンウェイクラッチ66は、第2歯車52Bの内周部と出力回転軸44の外周部との間に設けられる。ワンウェイクラッチ66は、爪式クラッチ、または、スプラグクラッチを含んでいてもよい。
【0047】
モータ42の出力軸42Aは、第1端部42B、および、第2端部42Cを有する。モータ42の出力軸42Aの外周部には、第1歯車係合部42Dが設けられる。第1歯車係合部42Dは、モータ42の第2端部42Cに設けられる。モータ42の出力軸42Aは、第2回転中心軸心C2を有する。第2回転中心軸心C2は、回転中心軸心C、および、第1回転中心軸心C1とは異なる。第2回転中心軸心C2は、回転中心軸心C、および、第1回転中心軸心C1と実質的に平行である。
【0048】
モータ42の出力軸42Aは、第5軸受68、および、第6軸受70によって、ハウジング38に対して回転可能に支持される。第5軸受68は、第1ハウジング46に設けられる。例えば、第5軸受68は、出力軸42Aの第1端部42Bの外周部に設けられる。第6軸受70は、支持部材50に設けられる。第6軸受70は、支持部材50の出力軸42Aの第1端部42B側に設けられる。第5軸受68は、玉軸受であってもよく、ころ軸受であってもよく、すべり軸受であってもよい。第6軸受70は、玉軸受であってもよく、ころ軸受であってもよく、すべり軸受であってもよい。
【0049】
モータ42の出力軸42Aの回転力は、減速機構52の第1歯車52Aに伝達される。第1歯車52Aに伝達されたモータ42の出力軸42Aの回転力は、第1軸部材52Cを通じて第2歯車52Bに伝達される。第1歯車52Aに伝達されたモータ42の出力軸42Aの回転力はワンウェイクラッチ66を通じて、出力回転軸44に伝達される。
【0050】
例えば、コンポーネント20は、センサ72をさらに含む。センサ72は、第2部材36に設けられる。センサ72は、第2コイル32に電気的に接続される。センサ72は、例えば、第2部材36と一体回転可能に第2部材36に設けられる。センサ72は、例えば、出力回転軸44と一体回転可能に第2部材36に設けられる。
【0051】
例えば、センサ72は、歪センサ72Aを含む。歪センサ72Aは、第2部材36の歪みを検出するように構成される。歪センサ72Aは、例えば、シート状に形成される。歪センサ72Aは、接続部材72Bを通じて第2コイル32に電気的に接続される。本実施形態の歪センサ72Aは、出力回転軸44の外周部に取り付けられて、クランク軸40から出力回転軸44に入力される人力駆動力を検出可能に構成される。
【0052】
第1コイル30は、第1基板26に設けられる。第2コイル32は、第2基板28に設けられる。第1基板26は、第1部材34に取り付けられる。第1基板26は、第2部材36の回転中心軸心Cに平行な第1方向X1と実質的に直交する第2方向X2に延びる。第2基板28は、第2部材36に取り付けられる。第2基板28は、第2方向X2に延びる。第2基板28は、例えば、第2部材36と一体回転可能に第2部材36に設けられる。第1コイル30は、第1基板26に設けられる配線に一体的に形成される。第2コイル32は、第2基板28に設けられる配線に一体的に形成される。第1コイル30および第2コイル32は、例えば、プリント配線基板に形成される配線と同様のプロセスによって形成される。
【0053】
第1コイル30と第2コイル32とは、磁気的に結合するように構成される。第1コイル30の少なくとも一部は、第1方向X1において第2コイル32の少なくとも一部と対向するように配置される。第2コイル32の少なくとも一部は、第1方向X1において第1コイル30の少なくとも一部と対向するように配置される。
【0054】
例えば、第1コイル30は、第2コイル32に電力を送信可能に構成される。例えば、第2コイル32は、第1コイル30から電力を受信可能に構成される。例えば、第1コイル30と、第2コイル32とは、通信信号を送受信可能に構成されてもよい。例えば、第1コイル30と第2コイル32とは、電力と通信信号との両方を送受信可能に構成されてもよい。
【0055】
例えば、コンポーネント20は、第1電子部品24をさらに備える。第1電子部品24は、第1コイル30と電気的に接続される。第1コイル30と第1電子部品24とが電気的に接続される場合は、第1コイル30と第1電子部品24との間に別の電子部品が電気的に接続される場合を含む。本実施形態では、第1電子部品24は、第1基板26に設けられる。
【0056】
例えば、第1電子部品24は、制御装置74を含む。例えば、制御装置74は、モータ42の制御装置を含む。モータ42の制御装置は、例えば、モータ42の駆動回路を含む。駆動回路は、例えば、インバータを含む。例えば、制御装置74は制御部を含む。制御部は、予め定める制御プログラムを実行する演算処理装置を含む。制御部に含まれる演算処理装置は、例えばCPU(Central Processing Unit)またはMPU(Micro Processing Unit)を含む。制御部に含まれる演算処理装置は、相互に離れた複数の場所に設けられてもよい。制御部は、1または複数のマイクロコンピュータを含んでいてもよい。
【0057】
例えば、制御装置74は、記憶部をさらに含む。記憶部には、予め定める制御プログラムおよび制御処理に用いられる情報が記憶される。記憶部は、例えば不揮発性メモリおよび揮発性メモリを含む。不揮発性メモリは、例えば、ROM(Read-Only Memory)、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)、および、フラッシュメモリの少なくとも1つを含む。揮発性メモリは、例えば、RAM(Random Access Memory)を含む。
【0058】
例えば、コンポーネント20は、第1通信部76、および、第2通信部78をさらに備える。例えば、第1通信部76は、第1基板26に設けられる。例えば、第2通信部78は、第2基板28に設けられる。第1通信部76は、第1電子部品24に含まれてもよい。
【0059】
第1通信部76は、予め定める制御プログラムを実行する演算処理装置を含む。第1通信部76に含まれる演算処理装置は、例えばCPUまたはMPUを含む。第1通信部76に含まれる演算処理装置は、相互に離れた複数の場所に設けられてもよい。第1通信部76は、1または複数のマイクロコンピュータを含んでいてもよい。
【0060】
例えば、第1通信部76は、バッテリ10の電力を第2コイル32に送信するように第1コイル30を制御する。例えば、第1通信部76は、通信信号を第2コイル32に送信するように第1コイル30を制御する。例えば、第1通信部76は、第2コイル32から送信される通信信号を受信するように第1コイル30を制御する。
【0061】
第2通信部78は、予め定める制御プログラムを実行する演算処理装置を含む。第2通信部78に含まれる演算処理装置は、例えばCPUまたはMPUを含む。第2通信部78に含まれる演算処理装置は、相互に離れた複数の場所に設けられてもよい。第2通信部78は、1または複数のマイクロコンピュータを含んでいてもよい。
【0062】
例えば、第2通信部78は、第1コイル30から送信されるバッテリ10の電力を受信するように、第2コイル32を制御する。例えば、第2通信部78は、通信信号を第1コイル30に送信するように第2コイル32を制御する。例えば、第2通信部78は、第1コイル30から送信される通信信号を受信するように第2コイル32を制御する。
【0063】
例えば、第2通信部78は、センサ72の出力に応じて生成される通信信号を第2コイル32から送信するように構成される。例えば、第1通信部76は、第1コイル30から受信した通信信号を、モータ42の制御装置に送信可能に構成される。モータ42の制御装置は、センサ72の出力に応じてモータ42を制御する。
【0064】
例えば、第1基板26は、第1方向X1において少なくとも部分的に第2基板28と対向する第1基板面80と、第1基板面80と反対側を向く第2基板面82と、を有する。第1基板26の形状は限定されない。例えば、第1基板26を第1方向X1から見た場合、第1基板26は、四角形状であってもよく、円形状であってもよく、四角形状や円形状などの様々な形状を組み合わせた形状であってもよい。第1基板26には、モータ42の出力軸42Aが通る第1孔84、および、第1軸部材52Cが通る第2孔86が形成される。第1孔84は、第1基板面80と、第2基板面82とを連通する。第2孔86は、第1基板面80と、第2基板面82とを連通する。第1基板26には、第1孔84、および、第2孔86のいずれか1つが形成されていてもよく、第1孔84、および、第2孔86が形成されていなくてもよい。
【0065】
例えば、第2基板28は、第1方向X1において少なくとも部分的に第1基板26と対向する第3基板面88と、第3基板面88と反対側を向く第4基板面90と、を有する。例えば、第2基板28を第1方向X1から見た場合、第2基板28は、円形状である。第2基板28を第1方向X1から見た場合の第2基板28の形状は、円形状に限定されない。第2基板28を第1方向X1から見た場合の第2基板28の形状は、例えば、四角形状であってもよく、四角形状や円形状などの様々な形状を組み合わせた形状であってもよい。第2基板28には、第2部材36が通る第3孔92が形成される。第3孔92は、第3基板面88と、第4基板面90とを連通する。第3孔92の中心軸心は、第2部材36の回転中心軸心Cと実質的に同一である。
【0066】
第1基板26および第2基板28の少なくとも1つは、第1方向X1から見て、第2部材36の回転中心軸心Cまわりの外周部36Aの一部のみと対向するように設けられる。例えば、第1基板26は、第1方向X1から見て、外周部36Aの一部のみと対向するように設けられる。例えば、第2基板28は、第1方向X1から見て、外周部36Aの全周と対向して配置される。
【0067】
例えば、第1基板26は、第2部材36と対向する第1端部26Aを有する。第1端部26Aの形状は、特に限定されない。例えば、第1端部26Aは、直線状に形成されてもよい。第1端部26Aは、第2部材36の一部分の形状と対応するように形成されてもよい。第1端部26Aが第2部材36の一部分の形状と対応するように形成される場合、第1端部26Aは、クランク軸40の外周に沿って湾曲するように形成されてもよい。
【0068】
第1基板26は、第2端部26Bを有する。第2端部26Bは、第2方向X2において、第1端部26Aの反対に位置する第1基板26の端部である。例えば、第1電子部品24は、第1基板26のうち、第1コイル30が配置される部分を除く他の部分に設けられる。例えば、第1基板26は、ハウジング38の内壁部に取り付けられる。
【0069】
例えば、第1端部26Aは、第1方向X1から見て、外周部36Aのうちの回転中心軸心Cを中心として180度以下の部分と対向する。例えば、第1端部26Aは、第1方向X1から見て、外周部36Aのうちの回転中心軸心Cを中心として130度以下の部分と対向する。例えば、第1端部26Aは、第1方向X1から見て、外周部36Aのうちの回転中心軸心Cを中心として100度以下の部分と対向する。第1端部26Aが第2部材36の外周部36Aの形状と対応するように形成される場合、例えば、第1端部26Aは、第1方向X1から見て、外周部36Aのうちの回転中心軸心Cを中心として1度以上の部分と対向する。
【0070】
例えば、第1コイル30は、第1基板26のうち第1端部26Aを含む一部分に設けられる。例えば、第1コイル30は、楕円形状に形成される。例えば、第1コイル30は、楕円形状の短軸E1が第2部材36の回転中心軸心Cと直交するように配置される。例えば、第1コイル30は、楕円形状の短軸E1が、第1軸部材52Cの第1回転中心軸心C1と直交するように配置される。例えば、第1コイル30は、楕円形状の短軸E1が、モータ42の出力軸42Aの第2回転中心軸心C2と直交するように配置される。
【0071】
例えば、第1コイル30の楕円形状の短径ED1は、第2コイル32の径方向の大きさと対応する。例えば、第1コイル30の楕円形状の短径ED1は、第2コイル32の径方向の大きさよりも大きくてもよく、第2コイル32の径方向の大きさよりも小さくてもよい。例えば、第1コイル30は、楕円形状の長径ED2が第2部材36の直径D以上である。第1コイル30は、楕円形状の長径ED2が第2部材36の直径Dより小さくてもよい。
【0072】
第1コイル30は、第1基板面80上、第2基板面82上、および、第1基板26の内部の少なくとも1つに設けられる。例えば、第1コイル30は、第1基板26の内部に第2方向X2に平行に設けられる。例えば、第1コイル30は、第1基板面80上に第2方向X2に平行に設けられる。例えば、第1コイル30は、第2基板面82上に第2方向X2に平行に設けられる。
【0073】
例えば、第1コイル30は、第1コイル30の一方の端部が第1基板26の内部に設けられ、第1コイル30の他方の端部が第1基板面80を貫通して第1基板26の外部に露出するように第1基板26に設けられてもよい。例えば、第1コイル30は、第1コイル30の一方の端部が第2基板面82を貫通して第1基板26の外部に露出するように第1基板26に設けられ、第1コイル30の他方の端部が第1基板26の内部に設けられてもよい。例えば、第1コイル30は、第1コイル30の中央部分が第1基板26の内部に設けられ、第1コイル30のそれぞれの端部が第1基板面80、および、第2基板面82を貫通して第1基板26の外部に露出するように第1基板26に設けられてもよい。
【0074】
例えば、第2コイル32は、第1方向X1から見て、外周部36Aを囲む。例えば、第2コイル32は、第1方向X1から見て、外周部36Aを囲むように第2基板28に設けられる。
【0075】
第2コイル32は、第3基板面88上、第4基板面90上、および、第2基板28の内部の少なくとも1つに設けられる。例えば、第2コイル32は、第3基板面88上に第2方向X2に平行に設けられる。例えば、第2コイル32は、第4基板面90上に第2方向X2に平行に設けられる。例えば、第2コイル32は、第2基板28の内部に第2方向X2に平行に設けられる。
【0076】
例えば、第2コイル32は、第2コイル32の一方の端部が第2基板28の内部に設けられ、第2コイル32の他方の端部が第3基板面88を貫通して第2基板28の外部に露出するように第2基板28に設けられてもよい。例えば、第2コイル32は、第2コイル32の一方の端部が第4基板面90を貫通して第2基板28の外部に露出するように第2基板28に設けられ、第2コイル32の他方の端部が第2基板28の内部に設けられてもよい。例えば、第2コイル32は、第2コイル32の中央部分が第2基板28の内部に設けられ、第2コイル32のそれぞれの端部が第3基板面88、および、第4基板面90を貫通して第2基板28の外部に露出するように第2基板28に設けられてもよい。
【0077】
<変形例>
実施形態に関する説明は、本開示に従う人力駆動車用のコンポーネントが取り得る形態の例示であり、その形態を制限することを意図していない。本開示に従う人力駆動車用のコンポーネントは、例えば以下に示される実施形態の変形例、および、相互に矛盾しない少なくとも2つの変形例が組み合わせられた形態を取り得る。以下の変形例において、実施形態の形態と共通する部分については、実施形態と同一の符号を付してその説明が省略される。
【0078】
図9に示されるように、コンポーネント20は、第1基板26に接続される第3基板94をさらに備えていてもよい。コンポーネント20が第3基板94をさらに備える場合、第1電子部品24は、第3基板94に設けられる。コンポーネント20が第3基板94をさらに備える場合、第1電子部品24の少なくとも一部は、第1基板26に設けられ、かつ、モータ42の制御装置は、第3基板94に設けられてもよい。コンポーネント20が第3基板94をさらに備える場合、モータ42の出力軸42Aが通る第1孔84、および、第1軸部材52Cが通る第2孔86は、第3基板94に設けられてもよい。
【0079】
図10に示されるように、第1端部26Aが第2部材36の外周部36Aの形状と対応するように湾曲するように形成される場合、第1コイル30は、外周部36Aに沿うように、第1端部26Aに設けられてもよい。図10は、第1基板26の第1端部26Aが第2部材36の外周部36Aを、180度囲む場合を示す。例えば、第1コイル30は、第1端部26Aの形状に沿うように第1基板26に設けられる。
【0080】
・第1基板26は、モータ42の出力軸42Aが通る第1孔84、および、第1軸部材52Cが通る第2孔86を有していなくてもよい。
【0081】
・第2基板28が、第1方向X1から見て、第2部材36の回転中心軸心Cまわりの外周部の一部のみと対向するように設けられてもよい。第2基板28が、第1方向X1から見て、第2部材36の回転中心軸心Cまわりの外周部の一部のみと対向するように設けられる場合、第1基板26は、第2部材36の回転中心軸心Cまわりの外周部の一部のみと対向するように構成されていてもよく、回転中心軸心Cまわりの外周部の全体と対向するように構成されていてもよい。
【0082】
・第2部材36は、出力回転軸44を含んでいなくてもよい。第2部材36が、出力回転軸44を含んでいない場合、センサ72はクランク軸40に設けられ、クランク軸40に入力される人力駆動力を検出可能に構成される。
【0083】
・第2部材36は、第1部材34の径方向外側を囲むように構成されていてもよい。第2部材36が、第1部材34の径方向外側を囲むように構成される場合、例えば、第1部材34はハウジング38に代えてハブシェルを含み、第2部材36は、クランク軸40および出力回転軸44に代えて、ハブ軸を含む。第2部材36が、第1部材34の径方向外側を囲むように構成され、第1部材34がハウジング38に代えてハブシェルを含み、第2部材36が、クランク軸40および出力回転軸44に代えて、ハブ軸を含む場合、例えば、コンポーネント20は、人力駆動車用のハブユニット、人力駆動車用の内装変速機、および、人力駆動車用のハブモータの少なくとも1つを含む。
【0084】
本明細書において使用される「少なくとも1つ」という表現は、所望の選択肢の「1つ以上」を意味する。一例として、本明細書において使用される「少なくとも1つ」という表現は、選択肢の数が2つであれば「1つの選択肢のみ」または「2つの選択肢の双方」を意味する。他の例として、本明細書において使用される「少なくとも1つ」という表現は、選択肢の数が3つ以上であれば「1つの選択肢のみ」または「2つ以上の任意の選択肢の組み合わせ」を意味する。
【符号の説明】
【0085】
20…コンポーネント、24…第1電子部品、26…第1基板、26A…第1端部、28…第2基板、30…第1コイル、32…第2コイル、34…第1部材、36…第2部材、36A…外周部、40…クランク軸、42…モータ、72…センサ、72A…歪センサ、74…制御装置、80…第1基板面、82…第2基板面、88…第3基板面、90…第4基板面、94…第3基板。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10