(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023051390
(43)【公開日】2023-04-11
(54)【発明の名称】排水トラップ
(51)【国際特許分類】
E03C 1/28 20060101AFI20230404BHJP
【FI】
E03C1/28 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021162015
(22)【出願日】2021-09-30
(71)【出願人】
【識別番号】000157212
【氏名又は名称】丸一株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】316012083
【氏名又は名称】シナネン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100123021
【弁理士】
【氏名又は名称】渥美 元幸
(72)【発明者】
【氏名】早川 聡
(72)【発明者】
【氏名】山崎 一高
【テーマコード(参考)】
2D061
【Fターム(参考)】
2D061DA04
2D061DD08
2D061DD11
2D061DE30
(57)【要約】
【課題】 トラップ本体内部の部品を取り出しやすくして容易にメンテナンスが可能な洗濯機用防水パンに適している排水トラップを提供する。
【解決手段】 上方に開口部3を備えたトラップ本体2と、外周がトラップ本体2の開口部3の内側に収まり、トラップ本体2の内側底面に載置される椀状のオワン部材11と、略円筒形状で上方端部がトラップ本体2の開口部3に着脱自在かつ水密的に接続されて開口部3を閉塞し、下方端部がオワン部材11内に配置されて封水部を形成する防臭筒7とを備え、オワン部材11は、側部の一部を切り欠いて形成される切欠き部12と、切欠き部12内で、オワン部材11の上縁部に設けられている取手部13とを備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上方に開口部を備えたトラップ本体と、
外周が前記トラップ本体の前記開口部の内側に収まり、前記トラップ本体の内側底面に載置される椀状のオワン部材と、
略円筒形状で上方端部が前記トラップ本体の前記開口部に着脱自在かつ水密的に接続されて前記開口部を閉塞し、下方端部が前記オワン部材内に配置されて封水部を形成する防臭筒とを備え、
前記オワン部材は、前記トラップ本体の前記開口部の内側に収まる取手部を有する
ことを特徴とする排水トラップ。
【請求項2】
前記オワン部材の外周の形状は、平面視において前記トラップ本体の前記開口部と略同一である
ことを特徴とする請求項1に記載の排水トラップ。
【請求項3】
前記トラップ本体は、前記トラップ本体の側面から内側へ突出する内鍔部分を備え、
前記トラップ本体の前記開口部は、前記内鍔部分の内側に位置する
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の排水トラップ。
【請求項4】
前記内鍔部分は、前記内鍔部分の下面に、前記オワン部材を前記トラップ本体の前記開口部へ案内するガイド部を備える
ことを特徴とする請求項3に記載の排水トラップ。
【請求項5】
前記オワン部材は、前記オワン部材の側部の一部を切り欠いて形成される切欠き部を備え、
前記取手部は、前記切欠き部内で、前記オワン部材の上縁部に設けられている
ことを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載の排水トラップ。
【請求項6】
前記取手部は、前記オワン部材の内側底面に上方へ垂立させて設けられている
ことを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載の排水トラップ。
【請求項7】
前記トラップ本体は、略円筒形状で前記防臭筒内に配置され、上方端部が上方からの排水配管に接続され、下方端部が前記防臭筒の下端よりも下方に位置し、前記防臭筒外周の鉛直方向の位置において前記排水配管からの排水を水平方向に排出させる泡止め筒を備え、
前記取手部は、前記泡止め筒内に収納されている
ことを特徴とする請求項6に記載の排水トラップ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、排水装置に関し、特に洗濯機用防水パンに用いられる排水トラップに関するものである。
【背景技術】
【0002】
洗濯機を載置する洗濯機用防水パンにおいては、洗濯機からの排水と、ホースが外れる等によって洗濯機用防水パン上に漏れ出た水の排水とを処理するために排水トラップが取り付けられている。洗濯機用防水パンの排水トラップは、その上方に洗濯機が載置されることがあるので、洗濯機に阻害されて排水口から排水トラップの内部を清掃しにくい場合がある。そのため、特許文献1に開示されているように、排水トラップの構成パーツをオワン部材の内部に配置して、排水口からオワン部材を取り外して、各パーツ単位で清掃できるようにしたものがある。
【0003】
このオワン部材は、オワン部分と、リング部分と、オワン部分とリング部分とをつなぐリブ部分とからなり、排水口等にリング部分をひっかけてオワン部材を吊り下げる形で排水トラップの本体部分であるトラップ本体の内部に着脱可能に配置されるものである。洗濯機用防水パンの排水口と接続されるトラップ本体上部の開口部には、内側へ突出した内鍔部分が設けられ、ここに防臭パイプ等が取り付けられている。オワン部材は、リング部分をこの内鍔部分にひっかけることで、トラップ本体の内部に吊り下げられるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記従来の洗濯機用防水パンの排水トラップには、オワン部材の全高が高いと、洗濯機用防水パンに取り付けられた排水トラップのトラップ本体からオワン部材を取り出す際に、上方に載置されている洗濯機等の障害物によって、オワン部材が取り出しにくく、メンテナンスが行い難いという問題がある。また、オワン部材の全高が高いと、オワン部材を取り出すために嵩上型洗濯機用防水パンの全高が高くなり、洗濯機の設置高さも高くなることで洗濯物の出し入れがしづらいといった作業性の問題がある。
【0006】
ここで、オワン部材の全高を低くするために、オワン部材からリング部分とリブ部分とを無くしてオワン部分だけでオワン部材を構成することが考えられる。このような構成にすると、リング部分を無くした結果としてオワン部材をトラップ本体の開口部にある内鍔部分から吊り下げられなくなるので、トラップ本体内部にオワン部材を載置する構成とせざるをえない。
【0007】
この場合、トラップ本体からオワン部材を取り出す際に内鍔部分が障害となって、オワン部材が取り出しにくくなるという問題が生じうる。トラップ本体内部にオワン部材を載置すると、オワン部材がトラップ本体の開口部にある内鍔部分よりも下に位置することになり、トラップ本体からオワン部材を取り出そうとしたときに、オワン部材の上部が内鍔部分の下側に当たってしまうからである。
【0008】
そこで、本発明は、このような問題点に鑑みてなされたものであり、トラップ本体内部の部品を取り出しやすくして容易にメンテナンスが可能で洗濯機用防水パンに適している排水トラップを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の課題を解決するために、本発明に係る排水トラップは、上方に開口部を備えたトラップ本体と、外周が前記トラップ本体の前記開口部の内側に収まり、前記トラップ本体の内側底面に載置される椀状のオワン部材と、略円筒形状で上方端部が前記トラップ本体の前記開口部に着脱自在かつ水密的に接続されて前記開口部を閉塞し、下方端部が前記オワン部材内に配置されて封水部を形成する防臭筒とを備え、前記オワン部材は、前記トラップ本体の前記開口部の内側に収まる取手部を有することを特徴とする。
【0010】
オワン部材をトラップ本体の開口部に収まる大きさとし、オワン部材の内側に取手部を備えているので、取手部を把持することでトラップ本体の内部に載置されているオワン部材を取り出しやすくなり、容易にメンテナンスが可能な排水トラップが実現される。
【0011】
ここで、前記オワン部材の外周の形状は、平面視において前記トラップ本体の前記開口部の外周の形状と略同一であるのが好ましい。
【0012】
これによれば、オワン部材のトラップ本体への取り付けやトラップ本体からの取り外しをさらに容易にすることができる。
【0013】
また、前記トラップ本体は、前記トラップ本体の側面から内側へ突出する内鍔部分を備え、前記トラップ本体の前記開口部は、前記内鍔部分の内側に位置するのが好ましく、前記内鍔部分は、前記内鍔部分の下面に、前記オワン部材を前記トラップ本体の前記開口部へ案内するガイド部を備えるのがより好ましい。
【0014】
これによれば、トラップ本体の内部にあるオワン部材を取り出しやすくするので、容易にメンテナンスをすることができるようになる。
【0015】
さらに、前記オワン部材は、前記オワン部材の側部の一部を切り欠いて形成される切欠き部を備え、前記取手部は、前記切欠き部内で、前記オワン部材の上縁部に設けられているのが好ましい。
【0016】
ここで、前記取手部は、前記オワン部材の内側底面に上方へ垂立させて設けられているとしてもよい。また、前記トラップ本体は、さらに、略円筒形状で前記防臭筒内に配置され、上方端部が上方からの排水配管に接続され、下方端部が前記防臭筒の下端よりも下方に位置し、前記防臭筒外周の鉛直方向の位置において前記排水配管からの排水を水平方向に排出させる泡止め筒を備え、前記取手部は、前記泡止め筒内に収納されているとしてもよい。
【0017】
これによれば、把持しやすい取手部を備えているので、さらにオワン部材を取り出しやすくすることができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明に係る洗濯機用防水パンの排水トラップによれば、トラップ本体の内部に取り付けられるオワン部材をトラップ本体の開口部に収まるようにし、また、トラップ本体の内鍔部分の下面に、オワン部材を開口部へ案内するガイド部が設けられているので、トラップ本体内部の部品を取り出しやすく、容易にメンテナンスが可能な洗濯機用防水パンに適した排水トラップが得られる。また、このようなオワン部材の上縁部に取手部や内側底面から垂立する取手部が設けられているので、取り出しの際に取手部を把持することで、オワン部材の取り外し操作をさらに容易にすることができる。さらに、オワン部材を低くすることで、嵩上型洗濯機用防水パンの全高を低くすることができ、ひいては洗濯機の設置高さも低くなって洗濯物の出し入れ時の作業性を向上させることもできる。また、天面が開口された、略円筒形状のオワン部材は、特許文献1にあるオワン部材に比べ、リング部分とオワン部分をつなぐリブ部分がないため排水面積が大きくなり、排水効率を向上させることができる。さらに、オワン部材に収納される泡止め筒の排出口が洗濯機からの排水を水平方向に排出してスムーズな排水の流れとするので、排水効率をさらに向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】本発明の実施の形態に係る排水トラップの構造を示す図である。
【
図2】排水トラップに用いられるオワン部材の平面図である。
【
図5】第2実施例のオワン部材を用いた場合の排水トラップの構造を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明に係る排水トラップについて、実施の形態に基づいて説明する。
【0021】
図1は、本発明の実施の形態に係る洗濯機用防水パンの排水トラップの構造を示す図である。
【0022】
排水トラップ1は、洗濯機を載置する洗濯機用防水パンの排水口に取り付けられる排水装置である。
【0023】
排水トラップ1の本体部分であるトラップ本体2は、有底円筒状にして、その上方に開口部3と、その側面にトラップ本体排出口4とを備えている。また、トラップ本体2の内部には、オワン部材11や防臭筒7、泡止め筒8等の部材が収納配置される。
【0024】
開口部3は、トラップ本体2の天面の開口された部分であり、この開口部3を閉塞する形でトラップ本体2は洗濯機用防水パンの排水口に取り付けられるようになっている。開口部3の外側には、洗濯機用防水パンの排水口との接続部材が備えられており、この接続部材に内鍔部分5が設けられている。
【0025】
内鍔部分5は、トラップ本体2の内側へ突出して形成された、防臭筒7等を取り付けるための凸状部である。この内鍔部分5の内側に開口部3が位置しており、トラップ本体2の内部のオワン部材11を開口部3へ案内する傾斜面で構成されたガイド部6が内鍔部分5の下面に設けられている。なお、ガイド部6は、トラップ本体2の内部にあるオワン部材11を取り出す際に、オワン部材11を開口部3へ案内する形状であればよく、例えば外側へ湾曲させた形状等であってもよい。
【0026】
トラップ本体排出口4は、トラップ本体2の側面に形成され、トラップ本体2からの水を排出する排出口である。
【0027】
オワン部材11は、トラップ本体2の底部の内側底面に載置され、封水部を形成する椀状の部材である。オワン部材11は、トラップ本体2の内部に配置されたときに封水部を構成する各部材(防臭筒7など)を部材単位で清掃等のメンテナンスができるようにそれぞれ分離可能に収納しており、オワン部材11の全体は洗濯機用防水パンの排水口から取り外しできるように構成されている。なお、オワン部材11については、後に詳述する。
【0028】
防臭筒7は、略円筒形状の部材であって、オワン部材11内に配置されて封水部を形成する。防臭筒7の上方側の端部は、排水の流入部分に位置する内鍔部分5において着脱自在かつ水密的に接続され開口部3を閉塞し、下方側の端部はオワン部材11内に配置されて封水部を形成する。オワン部材11内に排水が封水として溜まることで、排水の流路の一部が満水状態となり、臭気などが屋内側に逆流することを防止できる。
【0029】
泡止め筒8は、略円筒形状の部材であって、上方側の端部は、洗濯機からの排水配管が接続され、下方側の端部は防臭筒7の下端よりも下方に位置しオワン部材11の内側の底に当接するように配置される。泡止め筒8は、目皿などを介して、上下方向の位置を固定される。泡止め筒8がオワン部材11の底部を抑えることで、オワン部材11が浮き上がることを防止できる。また、泡止め筒8は泡止め筒排出口9を備えている。
【0030】
泡止め筒排出口9は、泡止め筒8の下端部分を側方に延出させて形成される排水の排出口である。
図1に示すように、泡止め筒排出口9は、防臭筒7の外周と縦方向に並ぶ位置、すなわち、防臭筒7の外周の鉛直方向の位置において洗濯機からの排水を排出するようになっており、排水を水平方向に排出させるようにすることでスムーズに排水が流れるようにしている。
【0031】
以下、オワン部材11の構成について詳しく説明する。
【0032】
図2はオワン部材11の平面図である。
図3は
図2のA-A線断面を示す図であり、
図4はその断面の斜視図である。
【0033】
オワン部材11は、天面が開放された略円筒形状の全体形状とされ、側部に切欠き部12と、取手部13とを備えている。
【0034】
オワン部材11は、開口部3を通してトラップ本体2の内部に取り付けたり、取り外したりするので、開口部3の内側に収まる大きさとされる。言い換えれば、オワン部材11は、オワン部材11をトラップ本体2の内部に取り付けたり、取り外したりする際に、トラップ本体2の内側へ突出して形成されている内鍔部分5と干渉しない寸法となっている。
【0035】
また、平面視におけるオワン部材11の外周の形状は、開口部3と略同一とされ、オワン部材11が開口部3を通過しやすいようにして、オワン部材11の着脱操作を容易にしている。なお、ここでは、オワン部材11および開口部3の外周の形状が平面視で真円である例を示しているが、楕円等の形状であってもよい。
【0036】
切欠き部12は、オワン部材11の側部の一部を切り欠いて形成され、オワン部材11の外周の一部をオワン部材11の中心方向へ凹ませて形成される凹部である。
【0037】
取手部13は、オワン部材11をトラップ本体2から取り外す際の把持部分である。取手部13は、切欠き部12内のオワン部材11の上縁部に設けられ、切欠き部12内においてオワン部材11の外周に向かって突出するように形成されている。ここでは、取手部13を平板状に形成する構成を示しているが、例えば舌片状に形成するとしてもよい。
【0038】
この切欠き部12内に設けられた取手部13を把持することで、トラップ本体2の内部に載置されているオワン部材11をトラップ本体2から取り外す操作を容易にすることができる。また、内鍔部分5の下面に設けられたガイド部6が、トラップ本体2の内部のオワン部材11を開口部3へ案内するので、オワン部材11をさらに容易にトラップ本体2から取り外すことができる。
【0039】
次に、第2実施例として、取手部の構成を変更したオワン部材を説明する。
【0040】
図5は、第2実施例のオワン部材を用いた場合の排水トラップの構造を示す図である。
【0041】
図1に示した排水トラップ1と比べると、トラップ本体2の内部に取り付けられるオワン部材21の構成が異なる。共通する他の構成については、同一の符号を付して説明を省略し、以下ではオワン部材21について主に説明する。
【0042】
図6は第2実施例のオワン部材21の平面図である。
図7は
図6のB-B線断面を示す図であり、
図8はその断面の斜視図である。
【0043】
オワン部材21も、トラップ本体2の内側底面に載置されて封水部を形成するといった機能面では上述のオワン部材11と共通している。また、オワン部材21は上述のオワン部材11と同様に、開口部3の内側に収まる大きさであり、平面視におけるオワン部材21の外周の形状は開口部3と略同一とされている。一方、オワン部材21は、オワン部材21の内側底面から上方へ突出する取手部22を備えており、切欠き部12と切欠き部12内に形成される取手部13とを備えていない点で、オワン部材11と異なっている。
【0044】
取手部22は、オワン部材21をトラップ本体2から取り外す際の把持部分である。取手部22は、オワン部材21の内側底面から上方へ突出するように、略円筒形状のオワン部材21の円の中心において垂立させることにより形成されている。言い換えれば、取手部22は、トラップ本体2の内部にオワン部材21が載置されたとき、泡止め筒8内に収納されているということもできる。なお、ここでは、略円筒形状のオワン部材21の円の中心に取手部22が設けられている構成を示しているが、オワン部材21内に収納される防臭筒7や泡止め筒8と干渉しなければ、オワン部材21の円の中心でなくてもよく、円の中心から偏位させた位置から垂立させるようにしてもよい。また、取手部22の高さも、オワン部材21の外周高さと略面一となる構成を示しているが、オワン部材21の外周高さよりも低くしてもよいし、反対に、上方に接続される洗濯機からの排水配管と干渉しなければ、外周高さよりも高くしてもよい。オワン部材21の外周高さよりも高くすれば、取手部22をより把持し易くすることができる。
【0045】
このオワン部材21の内側底面から上方へ突出する形で設けられた取手部22を指で把持することで、トラップ本体2の内部に載置されているオワン部材21をトラップ本体2から取り外す操作を容易にすることができる。
【0046】
このように、本実施例の洗濯機用防水パンの排水トラップによれば、トラップ本体2の内部に取り付けられるオワン部材11(21)をトラップ本体2の開口部3に収まる大きさにするとともに、オワン部材11(21)の外周の形状を平面視において開口部3と略同一の形状とすることで、開口部3を通したトラップ本体2への取り付けやトラップ本体2からの取り外しを容易にすることができる。つまり、トラップ本体2内部の部品を取り出しやすくするので、容易にメンテナンスをすることができるようになる。
【0047】
また、開口部3の外側に位置するトラップ本体2の内鍔部分5の下面には、トラップ本体2の内部のオワン部材11(21)を開口部3へ案内するガイド部6が設けられているので、オワン部材11(21)をさらに取り外しやすくすることができる。
【0048】
さらに、オワン部材11は、オワン部材11の外周の一部を切り欠いてなる切欠き部12内のオワン部材11の上縁部に取手部13を備えており、オワン部材21は、オワン部材21の内側底面に垂立させた取手部22を備えているので、オワン部材11(21)の内側に収まるこれらの取手部を把持することによりトラップ本体2の内部に載置されているオワン部材11(21)の取り出し操作を容易にしている。
【0049】
また、従来例と比べて、オワン部材11から、リング部分とリブ部分を無くしたことで、オワン部材11(21)の全高を低くすることができ、洗濯機下部と洗濯機用防水パン上面との狭い部分からでも、オワン部材11(21)が取り出しやすくなっている。
【0050】
以上、本発明に係る排水トラップについて実施例に基づいて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、本発明の目的を達成でき、かつ発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々設計変更が可能であり、それらも全て本発明の範囲内に包含されるものである。
【0051】
例えば、上記実施の形態では、洗濯機用防水パンに用いられる排水トラップとして説明したが、排水トラップの上方に障害物があって排水トラップ内部の部品が取り出しにくい使用場所に設置される排水トラップに適用してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0052】
本発明に係る排水トラップは、洗濯機用防水パンに用いられる排水トラップとして好適である。
【符号の説明】
【0053】
1 排水トラップ
2 トラップ本体
3 開口部
4 トラップ本体排出口
5 内鍔部分
6 ガイド部
7 防臭筒
8 泡止め筒
9 泡止め筒排出口
11,21 オワン部材
12 切欠き部
13,22 取手部