IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ パナソニックアドバンストテクノロジー株式会社の特許一覧 ▶ 大成建設株式会社の特許一覧

特開2023-51393衝突防止装置、衝突防止方法、及び、プログラム
<>
  • 特開-衝突防止装置、衝突防止方法、及び、プログラム 図1
  • 特開-衝突防止装置、衝突防止方法、及び、プログラム 図2
  • 特開-衝突防止装置、衝突防止方法、及び、プログラム 図3
  • 特開-衝突防止装置、衝突防止方法、及び、プログラム 図4
  • 特開-衝突防止装置、衝突防止方法、及び、プログラム 図5
  • 特開-衝突防止装置、衝突防止方法、及び、プログラム 図6
  • 特開-衝突防止装置、衝突防止方法、及び、プログラム 図7
  • 特開-衝突防止装置、衝突防止方法、及び、プログラム 図8
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023051393
(43)【公開日】2023-04-11
(54)【発明の名称】衝突防止装置、衝突防止方法、及び、プログラム
(51)【国際特許分類】
   E02F 9/24 20060101AFI20230404BHJP
   B25J 19/06 20060101ALI20230404BHJP
   E02F 9/20 20060101ALI20230404BHJP
【FI】
E02F9/24 D
B25J19/06
E02F9/20 Q
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021162021
(22)【出願日】2021-09-30
(71)【出願人】
【識別番号】517120013
【氏名又は名称】パナソニックアドバンストテクノロジー株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000206211
【氏名又は名称】大成建設株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109210
【弁理士】
【氏名又は名称】新居 広守
(72)【発明者】
【氏名】大橋 智仁
(72)【発明者】
【氏名】角谷 和重
(72)【発明者】
【氏名】堀江 雅浩
(72)【発明者】
【氏名】田村 創
(72)【発明者】
【氏名】清水 堅
(72)【発明者】
【氏名】青木 浩章
【テーマコード(参考)】
2D003
2D015
3C707
【Fターム(参考)】
2D003AA01
2D003AB03
2D003AB04
2D003BA07
2D003BB07
2D003FA02
2D015GA01
2D015GA02
2D015GB06
3C707AS21
3C707KS02
3C707KS03
3C707KS11
3C707KS16
3C707KS20
3C707KS22
3C707KS36
3C707MS08
3C707MS14
3C707MS15
3C707MS27
3C707MS30
(57)【要約】
【課題】作業機械において、作業時の安全性が向上され、且つ、作業効率の低下が抑制される衝突防止装置等を提供する。
【解決手段】衝突防止装置100は、作業機械200の位置及び速度ベクトルを算出する機械動作算出部110と、検知対象の位置及び速度ベクトルを算出する検知対象動作算出部120と、作業機械200の位置及び速度ベクトルに基づいて、作業機械200の周囲に位置する動作制限領域を算出する領域算出部130と、検知対象の位置及び速度ベクトルと、動作制限領域とに基づいて、作業機械200と検知対象との衝突を防止するための衝突防止動作を作業機械200に実行させるか否かを判断する判断部140と、判断部140が、作業機械200に衝突防止動作を実行させると判断した場合、作業機械200に衝突防止動作を実行させる動作制限制御部150と、を備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
作業機械の位置及び速度ベクトルを算出する機械動作算出部と、
検知対象の位置及び速度ベクトルを算出する検知対象動作算出部と、
前記作業機械の位置及び速度ベクトルに基づいて、前記作業機械の周囲に位置する動作制限領域を算出する領域算出部と、
前記検知対象の位置及び速度ベクトルと、前記動作制限領域とに基づいて、前記作業機械と前記検知対象との衝突を防止するための衝突防止動作を前記作業機械に実行させるか否かを判断する判断部と、
前記判断部が、前記作業機械に前記衝突防止動作を実行させると判断した場合、前記作業機械に前記衝突防止動作を実行させる動作制限制御部と、を備える
衝突防止装置。
【請求項2】
前記作業機械は、前記作業機械を移動させるための走行体、前記走行体に接続され、前記走行体に対して回動する旋回体、及び、前記旋回体に接続された作業装置のうちの少なくともいずれか1つを備え、
前記機械動作算出部は、前記作業機械の位置及び速度ベクトルとして、前記少なくともいずれか1つの位置及び速度ベクトルを算出し、
前記領域算出部は、前記少なくともいずれか1つの位置及び速度ベクトルに基づいて、前記動作制限領域を算出する
請求項1に記載の衝突防止装置。
【請求項3】
前記領域算出部は、前記作業機械の位置及び速度ベクトルに基づいて、複数の前記動作制限領域を算出する
請求項1又は2に記載の衝突防止装置。
【請求項4】
前記判断部は、
前記検知対象の位置及び速度ベクトルと、前記動作制限領域とに基づいて、前記検知対象が前記動作制限領域に到達するまでの時間である衝突余裕時間を算出し、
前記衝突余裕時間が所定の時間以下であるか否かを判断し、
前記動作制限制御部は、前記判断部が、前記衝突余裕時間が前記所定の時間以下であると判断した場合、前記作業機械に前記衝突防止動作を実行させる
請求項1から3のいずれか1項に記載の衝突防止装置。
【請求項5】
前記機械動作算出部は、三次元座標空間における前記作業機械の位置及び速度ベクトルを算出し、
前記検知対象動作算出部は、三次元座標空間における前記検知対象の位置及び速度ベクトルを算出する
請求項1から4のいずれか1項に記載の衝突防止装置。
【請求項6】
前記動作制限制御部は、前記衝突防止動作として、前記作業機械の停止、前記作業機械の減速、及び、前記検知対象との衝突を回避するための回避動作のうちの1つ以上の動作を前記作業機械に実行させる
請求項1から5のいずれか1項に記載の衝突防止装置。
【請求項7】
前記動作制限制御部は、前記動作制限領域、前記判断部による判断結果、前記動作制限制御部が前記作業機械に実行させる動作、並びに、前記検知対象の位置及び速度ベクトルの少なくとも一方のうちの少なくとも1つを通知部に通知させる
請求項1から6のいずれか1項に記載の衝突防止装置。
【請求項8】
前記判断部は、前記検知対象の位置及び速度ベクトルと、前記動作制限領域と、前記作業機械の位置及び速度ベクトルとに基づいて、前記作業機械に前記衝突防止動作を実行させるか否かを判断する
請求項1から7のいずれか1項に記載の衝突防止装置。
【請求項9】
前記領域算出部は、前記作業機械の位置及び速度ベクトルと、前記検知対象の位置及び速度ベクトルに基づいて、前記動作制限領域を算出する
請求項1から8のいずれか1項に記載の衝突防止装置。
【請求項10】
作業機械の位置及び速度ベクトルを算出し、
検知対象の位置及び速度ベクトルを算出し、
前記作業機械の位置及び速度ベクトルに基づいて、前記作業機械の周囲に位置する動作制限領域を算出し、
前記検知対象の位置及び速度ベクトルと、前記動作制限領域とに基づいて、前記作業機械と前記検知対象との衝突を防止するための衝突防止動作を前記作業機械に実行させるか否かを判断し、
前記作業機械に前記衝突防止動作を実行させると判断した場合、前記作業機械に前記衝突防止動作を実行させる
衝突防止方法。
【請求項11】
請求項10に記載の衝突防止方法をコンピュータに実行させるための
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、衝突防止装置、衝突防止方法、及び、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ショベルカー等の建設機械(作業機械)において、人、障害物等の検知対象との衝突を避けるための技術が知られている(例えば、特許文献1~特許文献6参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平5-59752号公報
【特許文献2】特開2020-111970号公報
【特許文献3】特開平5-321304号公報
【特許文献4】特開平5-65725号公報
【特許文献5】特開2020-193503号公報
【特許文献6】特開2021-28444号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、作業機械が、安全性のために検知対象との衝突を避けるための動作を多く実行しすぎると、作業効率が低下してしまう。作業機械においては、作業時の安全性が向上され、且つ、作業効率の低下が抑制されることが望まれている。
【0005】
本開示は、作業機械において、作業時の安全性が向上され、且つ、作業効率の低下が抑制される衝突防止装置等を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様に係る衝突防止装置は、作業機械の位置及び速度ベクトルを算出する機械動作算出部と、検知対象の位置及び速度ベクトルを算出する検知対象動作算出部と、前記作業機械の位置及び速度ベクトルに基づいて、前記作業機械の周囲に位置する動作制限領域を算出する領域算出部と、前記検知対象の位置及び速度ベクトルと、前記動作制限領域とに基づいて、前記作業機械と前記検知対象との衝突を防止するための衝突防止動作を前記作業機械に実行させるか否かを判断する判断部と、前記判断部が、前記作業機械に前記衝突防止動作を実行させると判断した場合、前記作業機械に前記衝突防止動作を実行させる動作制限制御部と、を備える。
【0007】
本開示の一態様に係る衝突防止方法は、作業機械の位置及び速度ベクトルを算出し、検知対象の位置及び速度ベクトルを算出し、前記作業機械の位置及び速度ベクトルに基づいて、前記作業機械の周囲に位置する動作制限領域を算出し、前記検知対象の位置及び速度ベクトルと、前記動作制限領域とに基づいて、前記作業機械と前記検知対象との衝突を防止するための衝突防止動作を前記作業機械に実行させるか否かを判断し、前記作業機械に前記衝突防止動作を実行させると判断した場合、前記作業機械に前記衝突防止動作を実行させる。
【0008】
本開示の一態様に係るプログラムは、上記衝突防止方法をコンピュータに実行させるためのプログラムである。
【0009】
なお、これらの包括的又は具体的な態様は、システム、方法、集積回路、コンピュータプログラム又はコンピュータ読み取り可能なCD-ROMなどの記録媒体で実現されてもよく、システム、方法、集積回路、コンピュータプログラム及び記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。
【発明の効果】
【0010】
本開示によれば、作業機械において、作業時の安全性が向上され、且つ、作業効率の低下が抑制される衝突防止装置等が実現される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、実施の形態に係る作業機械の概要を説明するための図である。
図2図2は、実施の形態に係る作業機械の機能構成を示すブロック図である。
図3図3は、実施の形態に係る作業機械の動作と動作制限領域との対応関係を説明するための図である。
図4図4は、実施の形態に係る衝突防止装置による動作制限判断処理の第1例を説明するための図である。
図5図5は、実施の形態に係る衝突防止装置による動作制限判断処理の第2例を説明するための図である。
図6図6は、実施の形態に係る衝突防止装置による動作制限判断処理の第3例を説明するための図である。
図7図7は、カメラによる画像と人物検知の様子との一例を示す図である。
図8図8は、実施の形態に係る衝突防止装置の処理手順を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
(本開示の基礎となる知見)
上記した通り、従来、作業機械において、検知対象との衝突を避けるための技術が開示されている。
【0013】
しかしながら、例えば、特許文献1に開示されている技術では、各操作に関連する検知エリアは、作業機械が動作可能な最大のエリアを対象とする必要がある。その最大のエリア内に検知対象が存在すれば、検知対象が作業機械の先端位置から相対的に離れるように移動している場合においても、作業機械の動作は、一律に制限されてしまう。そのため、作業効率の悪化を招く。
【0014】
また、例えば、特許文献2に開示されている技術では、作業機械と検知対象との接触を防止するための動作を作業機械に実行させるか否かの判断を行うために用いられる動作制限領域と予め定められた動作パターンとによって作業機械を動作させる。しかしながら、特許文献2に開示されている技術では、作業機械の速度及び検知対象の移動速度に応じて動作制限領域を変化させない。そのため、動作制限領域は、作業動作に関連する領域を最大限に設定しておく必要があり、作業効率の低下を招く。
【0015】
また、例えば、特許文献3に開示されている技術では、検知対象の動きが考慮されていない。そのため、検知対象が、作業機械から検知対象が離れるように移動しても、作業機械から検知対象に近付くように移動しても、作業機械の制御内容が変わらないため、安全性を確保しようとすると、不要に動作制限をさせる場合がある。そのため、作業効率の低下を招く場合がある。
【0016】
同様に、例えば、特許文献4に開示されている技術では、作業機械から検知対象が離れるように移動しても、作業機械から検知対象に近付くように移動しても、作業機械の制御内容が変わらないため、安全性を確保しようとすると、不要に動作をさせる場合がある。そのため、作業効率の低下を招く場合がある。
【0017】
また、例えば、特許文献5に開示されている技術では、旋回体及び作業装置において想定される移動経路から検知対象に接触するか否かの判断が行われている。しかしながら、作業機械の移動については考慮されていない。そのため、作業機械による走行しながらの作業時の安全対策としては、不十分である。
【0018】
また、例えば、特許文献6に開示されている技術では、作業機械の移動及び検知対象の移動が考慮されていない。
【0019】
以上のことから、従来では、動作制限領域を動的に設定し、且つ、検知対象の動きにあわせた作業機械の制御が行われていない。
【0020】
そこで、本願発明者らは、動作制限領域を動的に設定し、且つ、検知対象の動きにあわせた作業機械の制御を行うことで、作業機械において、安全性を向上し、且つ、作業効率の低下を抑制できることを見出した。
【0021】
本開示の一態様に係る衝突防止装置は、作業機械の位置及び速度ベクトルを算出する機械動作算出部と、検知対象の位置及び速度ベクトルを算出する検知対象動作算出部と、前記作業機械の位置及び速度ベクトルに基づいて、前記作業機械の周囲に位置する動作制限領域を算出する領域算出部と、前記検知対象の位置及び速度ベクトルと、前記動作制限領域とに基づいて、前記作業機械と前記検知対象との衝突を防止するための衝突防止動作を前記作業機械に実行させるか否かを判断する判断部と、前記判断部が、前記作業機械に前記衝突防止動作を実行させると判断した場合、前記作業機械に前記衝突防止動作を実行させる動作制限制御部と、を備える。
【0022】
これによれば、作業機械の動きに応じて動作制限領域が動的に設定される。そのため、作業機械の動作が不要に制限されることが抑制される。また、検知対象の動きに応じて作業機械が衝突防止動作を実行するか否かが判断されるために、検知対象の安全性を適切に確保できる。したがって、本開示の一態様に係る衝突防止装置によれば、作業機械において、作業時の安全性が向上され、且つ、作業効率の低下が抑制される。
【0023】
また、例えば、前記作業機械は、前記作業機械を移動させるための走行体、前記走行体に接続され、前記走行体に対して回動する旋回体、及び、前記旋回体に接続された作業装置のうちの少なくともいずれか1つを備え、前記機械動作算出部は、前記作業機械の位置及び速度ベクトルとして、前記少なくともいずれか1つの位置及び速度ベクトルを算出し、前記領域算出部は、前記少なくともいずれか1つの位置及び速度ベクトルに基づいて、前記動作制限領域を算出する。
【0024】
作業機械では、走行以外に、作業機械が備える作業装置等によって旋回等の動作が行われる。そこで、これらの作業機械が備える各部の位置及び速度ベクトルに基づいて動作制限領域が算出されることで、動作制限領域がさらに適切な範囲に設定されるため、作業機械において、安全性がさらに向上され、且つ、作業効率の低下がさらに抑制される。
【0025】
また、例えば、前記領域算出部は、前記作業機械の位置及び速度ベクトルに基づいて、複数の前記動作制限領域を算出する。
【0026】
作業装置等の動作によっては、複数の領域で検知対象と接触し得る可能性がある。したがって、これによれば、動作制限領域が適切な数だけ設定されるため、作業機械において、安全性がさらに向上され、且つ、作業効率の低下がさらに抑制される。
【0027】
また、例えば、前記判断部は、前記検知対象の位置及び速度ベクトルと、前記動作制限領域とに基づいて、前記検知対象が前記動作制限領域に到達するまでの時間である衝突余裕時間を算出し、前記衝突余裕時間が所定の時間以下であるか否かを判断し、前記動作制限制御部は、前記判断部が、前記衝突余裕時間が前記所定の時間以下であると判断した場合、前記作業機械に前記衝突防止動作を実行させる。
【0028】
作業機械の作業動作により動的に変化する動作制限領域での衝突余裕時間に応じて衝突防止動作が実行されるか否かが判断されることで、作業機械において、動作制限を最小限にし、且つ安全性がさらに向上される。
【0029】
また、例えば、前記機械動作算出部は、三次元座標空間における前記作業機械の位置及び速度ベクトルを算出し、前記検知対象動作算出部は、三次元座標空間における前記検知対象の位置及び速度ベクトルを算出する。
【0030】
作業装置等は、水平方向の移動だけでなく、鉛直方向にも移動される。そこで、例えば、作業機械における二次元座標空間(例えば、作業機械を上から見た場合の位置及び速度ベクトル)ではなく、作業機械の三次元座標空間における位置及び速度ベクトルに基づいて衝突防止動作が実行されるか否かが判断されることで、作業機械において、安全性がさらに向上され、且つ、作業効率の低下がさらに抑制される。
【0031】
また、例えば、前記動作制限制御部は、前記衝突防止動作として、前記作業機械の停止、前記作業機械の減速、及び、前記検知対象との衝突を回避するための回避動作のうちの1つ以上の動作を前記作業機械に実行させる。
【0032】
これらの衝突防止動作によれば、作業機械と検知対象との衝突を適切に防止できる。
【0033】
また、例えば、前記動作制限制御部は、前記動作制限領域、前記判断部による判断結果、前記動作制限制御部が前記作業機械に実行させる動作、並びに、前記検知対象の位置及び速度ベクトルの少なくとも一方のうちの少なくとも1つを通知部に通知させる。
【0034】
これによれば、例えば、作業機械を操作する作業者、作業機械の周囲に位置する作業者等は、危険と想定される領域、及び/又は、作業機械が衝突防止装置により制御されていて、衝突防止動作を実行していることを簡単に把握できる。
【0035】
また、例えば、前記判断部は、前記検知対象の位置及び速度ベクトルと、前記動作制限領域と、前記作業機械の位置及び速度ベクトルとに基づいて、前記作業機械に前記衝突防止動作を実行させるか否かを判断する。
【0036】
これによれば、例えば、検知対象の位置及び速度ベクトルと、作業機械の位置及び速度ベクトルとの合成ベクトルに基づいて、作業機械に衝突防止動作を実行させるか否かが判断される。したがって、動作制限領域と検知対象との位置関係が精度よく算出されることになるため、作業機械において、安全性がさらに向上され、且つ、作業効率の低下がさらに抑制される。
【0037】
また、例えば、前記領域算出部は、前記作業機械の位置及び速度ベクトルと、前記検知対象の位置及び速度ベクトルに基づいて、前記動作制限領域を算出する。
【0038】
これによれば、例えば、検知対象が早く動いている場合には危険性が増すため、検知対象の速さに応じて動作制限領域を広げる等することで、作業機械において、安全性をさらに向上させることができる。
【0039】
また、本開示の一態様に係る衝突防止方法は、作業機械の位置及び速度ベクトルを算出し、検知対象の位置及び速度ベクトルを算出し、前記作業機械の位置及び速度ベクトルに基づいて、前記作業機械の周囲に位置する動作制限領域を算出し、前記検知対象の位置及び速度ベクトルと、前記動作制限領域とに基づいて、前記作業機械と前記検知対象との衝突を防止するための衝突防止動作を前記作業機械に実行させるか否かを判断し、前記作業機械に前記衝突防止動作を実行させると判断した場合、前記作業機械に前記衝突防止動作を実行させる。
【0040】
また、本開示の一態様に係るプログラムは、上記衝突防止方法をコンピュータに実行させるためのプログラムである。
【0041】
これらによれば、本開示の一態様に係る衝突防止装置と同様の効果を奏する。
【0042】
以下、実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的又は具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、ステップ、ステップの順序等は、一例であり、本開示を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
【0043】
なお、各図は模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。したがって、例えば、各図において縮尺等は必ずしも一致しない。また、各図において、実質的に同一の構成に対しては同一の符号を付し、重複する説明は省略又は簡略化される場合がある。
【0044】
また、本明細書及び図面において、x軸、y軸及びz軸は、三次元直交座標系の三軸を示している。以下の説明では、z軸方向を鉛直方向とし、z軸に垂直な方向(xy平面に平行な方向)を水平方向としている。なお、z軸の正方向を鉛直上方としている。
【0045】
また、以下の説明において、「より大きい」、「以下」等と記載をする場合があるが、厳密な意味で記載するものではない。例えば、「所定の時間より大きい」と記載する場合においては、所定の時間以上であることを意味してもよい。また、例えば、「所定の時間以下」と記載する場合においては、所定の時間未満であることを意味してもよい。また、「所定の時間より大きい」、「所定の時間以下」と対比して記載する場合に、当該所定の時間を境に区別されることを意味し、それぞれ、「所定の時間以上」、「所定の時間未満」であることを意味してもよい。
【0046】
(実施の形態)
[概要]
まず、実施の形態に係る作業機械の概要について説明する。
【0047】
図1は、実施の形態に係る作業機械200の概要を説明するための図である。
【0048】
作業機械200は、建設機械及び農業機械等の、走行(移動)し、且つ、アーム、フォーク等が動作することにより、掘削、荷役等の特定の作業を実行する機械である。作業機械200は、例えば、ショベルカー、フォークリフト、ブルドーザ、クレーン車等である。本実施の形態では、作業機械200は、ショベルカーである。
【0049】
作業機械200は、例えば、走行体210と、旋回体211と、作業装置220と、カメラ240と、を備える。
【0050】
走行体210は、作業機械200を移動させるための機構である。走行体210は、例えば、履帯を有し、履帯がモータ等の駆動部によって回転されることにより、作業機械200を移動させる。
【0051】
なお、走行体210は、作業機械200を移動させることができればよく、タイヤ等により実現されてもよい。
【0052】
旋回体211は、走行体210に接続され、走行体210に対して回動する機構である。旋回体211は、走行体210に対して回動することで作業装置220を回動させる。また、旋回体211には、作業者が乗り込み作業機械200を操作するための運転室等が設けられている。
【0053】
作業装置220は、旋回体211に接続された機構である。作業装置220は、例えば、ブーム221と、ブーム221の端部に可動に配置されたアーム222と、アーム222の端部に可動に配置されたバケット223とを有し、掘削等の作業を実行する。
【0054】
カメラ240は、作業機械200の周囲に位置する検知対象を検知するための機構である。カメラ240は、作業機械200の周囲を撮像することで、作業機械200の周囲の画像(画像情報)を生成する。作業機械200は、カメラ240によって生成された画像に基づいて、予め定められた検知対象を検知する。より具体的には、作業機械200は、カメラ240によって生成された画像をパターンマッチング等により画像解析することで、作業機械200の周囲に検知対象が存在するか否かを判断する。
【0055】
例えば、作業機械200は、人等の検知対象を検知した場合、つまり、作業機械200の周囲に検知対象が存在すると判断した場合に、所定の条件を満たすとき、検知対象との接触を防ぐ(避ける)ための動作である接触防止動作を実行する。
【0056】
接触防止動作は、作業機械200と検知対象との衝突を防止するための動作である。接触防止動作は、例えば、作業機械200の停止、作業機械200の減速、及び、検知対象との衝突を回避するための回避動作の少なくともいずれかである。
【0057】
作業機械200の停止とは、例えば、走行体210が停止することによる作業機械200の移動の停止である。或いは、作業機械200の停止とは、例えば、旋回体211及び作業装置220が停止することによる作業機械200の作業の停止である。
【0058】
また、作業機械200の減速とは、例えば、走行体210が減速することによる作業機械200の移動速度の低減である。或いは、作業機械200の減速とは、例えば、旋回体211及び作業装置220が減速することによる作業機械200の作業速度の低減である。
【0059】
また、回避動作とは、例えば、検知対象に対して接触しないように、走行体210に走行させたり、旋回体211及び/又は作業装置220を動かしたりすることである。
【0060】
なお、検知対象は、例えば、人であるが、障害物、車両、動物等、作業機械200の移動及び作業等の動作の妨げとなる対象であればよく、任意に定められてよい。
【0061】
[構成]
続いて、作業機械200の構成について説明する。
【0062】
図2は、実施の形態に係る作業機械200の機能構成を示すブロック図である。
【0063】
作業機械200は、衝突防止装置100と、少なくともいずれか1つのセンサと、入力装置230と、走行体駆動部280と、走行体速度センサ290と、旋回体駆動部300と、旋回体角度センサ310と、作業装置駆動部320と、作業装置角度センサ330と、通知部400と、を備える。本実施の形態では、作業機械200は、上記少なくともいずれか1つのセンサとして、複数のカメラ240と、ソナー250と、レーダ260と、LiDAR270と、を備える。なお、作業機械200は、図2には示していないが、図1に示すように、走行体210と、旋回体211と、作業装置220と、をさらに備える。
【0064】
衝突防止装置100は、作業機械200が衝突防止動作を実行するための各種情報処理を行う処理部である。衝突防止装置100は、例えば、作業機械200が備えるカメラ240等の各構成要素と通信するための通信インターフェース、プログラムが格納された不揮発性メモリ、プログラムを実行するための一時的な記憶領域である揮発性メモリ、信号の送受信をするための入出力ポート、プログラムを実行するプロセッサ等を備えるコンピュータで実現される。衝突防止装置100は、マイクロコンピュータによって実現されてもよい。
【0065】
衝突防止装置100は、例えば、作業機械200が備える旋回体211等に配置され、作業機械200が備えるセンサ及び駆動部と、センサ及び駆動部とを制御可能に制御線等により接続されている。
【0066】
衝突防止装置100は、機械動作算出部110と、検知対象動作算出部120と、領域算出部130と、判断部140と、動作制限制御部150と、機械動作制御部160と、を備える。
【0067】
機械動作算出部110は、作業機械200の位置及び速度ベクトルを算出する処理部である。具体的には、機械動作算出部110は、走行体速度センサ290、旋回体角度センサ310、及び、作業装置角度センサ330等のセンサ(第1センサともいう)から得られる情報に基づいて、作業機械200の位置及び速度ベクトルを算出する。例えば、作業機械200のサイズ及び形状等を示す情報(サイズ情報ともいう)が、記憶部170等に予め記憶されている。機械動作算出部110は、サイズ情報及び第1センサから得られる情報に基づいて、作業機械200における予め定められた外縁部(最外部)の位置及び速度ベクトルを算出する。
【0068】
なお、外縁部は、予め任意に定められてよい。また、外縁部は、一箇所だけ定められてもよいし、複数箇所定められてもよいが、作業機械の検知対象に最も近い点を少なくとも含んでいる必要がある。従って、作業機械200の姿勢により変化する場合がある。後述する図4図6に示す例では、各図において二重丸で示すように、複数の外縁部が設定されている。
【0069】
機械動作算出部110は、例えば、三次元座標空間における作業機械200の位置及び速度ベクトルを算出する。
【0070】
なお、機械動作算出部110は、例えば、作業機械200を上面視又は側面視した場合における座標空間(二次元座標空間)における作業機械200の位置及び速度ベクトルを算出してもよい。
【0071】
例えば、機械動作算出部110は、作業機械200の位置及び速度ベクトルとして、走行体210、旋回体211、及び、作業装置220のうちの少なくともいずれか1つの位置及び速度ベクトルを算出する。例えば、作業動作算出部110は、作業機械200の位置及び速度ベクトルとして、走行体210の位置及び速度ベクトルと、旋回体211の位置及び速度ベクトルと、作業装置220の位置及び速度ベクトルとを算出する。
【0072】
或いは、機械動作算出部110は、作業機械200の位置及び速度ベクトルとして、作業機械200全体の位置及び速度ベクトルを算出してもよい。例えば、機械動作算出部110は、作業機械200全体の位置及び速度ベクトルとして、作業機械200の重心位置と、当該重心位置の速度ベクトルを算出してもよい。
【0073】
検知対象動作算出部120は、検知対象の位置及び速度ベクトルを算出する処理部である。具体的には、検知対象動作算出部120は、複数のカメラ240、ソナー250、レーダ260、及び、LiDAR270等の少なくともいずれかのセンサ(第2センサともいう)から得られる情報に基づいて、検知対象を検知し、且つ、検知対象を検知した場合には、検知対象の位置及び速度ベクトルを算出する。
【0074】
検知対象動作算出部120は、例えば、三次元座標空間における検知対象の位置及び速度ベクトルを算出する。
【0075】
なお、検知対象動作算出部120は、例えば、作業機械200を上面視又は側面視した場合における座標空間(二次元座標空間)における検知対象の位置及び速度ベクトルを算出してもよい。
【0076】
検知対象動作算出部120は、検知対象検知部121と、速度ベクトル算出部122と、を備える。
【0077】
検知対象検知部121は、検知対象を検知する処理部である。具体的には、検知対象検知部121は、第2センサから得られる情報に基づいて、検知対象が存在するか否かを判断する。また、検知対象検知部121は、検知対象が存在すると判断した場合、第2センサから得られる情報に基づいて、検知対象の位置を算出する。
【0078】
速度ベクトル算出部122は、検知対象検知部121の時系列的検知結果に基づいて、検知対象の速度ベクトルを算出する処理部である。
【0079】
領域算出部130は、作業機械200の位置及び速度ベクトルに基づいて、作業機械200の周囲に位置する動作制限領域を算出する処理部である。
【0080】
動作制限領域は、作業機械200と検知対象との衝突を防止するための衝突防止動作を作業機械200に実行させるか否かを判断するための領域である。
【0081】
なお、動作制限領域は、作業機械200の周囲の領域であればよく、作業機械200の少なくとも一部を含むように算出されてもよいし、作業機械200を含まないように算出されてもよい。
【0082】
例えば、領域算出部130は、機械動作算出部110が、作業機械200の位置及び速度ベクトルとして、走行体210、旋回体211、及び、作業装置220のうちの少なくともいずれか1つの位置及び速度ベクトルを算出した場合には、機械動作算出部110が算出した当該少なくともいずれか1つの位置及び速度ベクトルに基づいて、動作制限領域を算出する。例えば、領域算出部130は、機械動作算出部110が、作業機械200の位置及び速度ベクトルとして、走行体210の位置及び速度ベクトルと、旋回体211の位置及び速度ベクトルと、作業装置220の位置及び速度ベクトルとを算出した場合には、走行体210の位置及び速度ベクトルと、旋回体211の位置及び速度ベクトルと、作業装置220の位置及び速度ベクトルとに基づいて、動作制限領域を算出する。
【0083】
なお、領域算出部130は、1つの動作制限領域を算出してもよいし、複数の動作制限領域を算出してもよい。例えば、領域算出部130は、作業機械200の位置及び速度ベクトルに基づいて、複数の動作制限領域を算出する。例えば、領域算出部130は、走行体210、旋回体211及び作業装置220それぞれの位置及び速度ベクトルに基づいて、複数の動作制限領域を算出する。
【0084】
なお、領域算出部130が算出する複数の領域は、一部又は全部が重なっていてもよいし、重なっていなくてもよい。
【0085】
また、領域算出部130は、作業機械200の位置及び速度ベクトルと、検知対象の位置及び速度ベクトルに基づいて、動作制限領域を算出してもよい。つまり、領域算出部130は、作業機械200の動作だけでなく、検知対象の動きに応じて動作制限領域を算出してもよい。
【0086】
判断部140は、検知対象の位置及び速度ベクトルと、領域算出部130が算出した動作制限領域とに基づいて、作業機械200と検知対象との衝突を防止するための衝突防止動作を作業機械200に実行させるか否かを判断する処理部である。
【0087】
以上のように、衝突防止装置100では、作業機械200の動きに応じて動作制限領域が設定される。そのため、作業機械200の動作が不要に制限されることが抑制される。また、検知対象の動きに応じて作業機械200が衝突防止動作を実行するか否かが判断されるために、検知対象の安全性を適切に確保できる。したがって、本開示の一態様に係る衝突防止装置100によれば、作業機械200において、作業時の安全性が向上され、且つ、作業効率の低下が抑制される。
【0088】
判断部140は、衝突余裕時間算出部141と、動作制限判断部142と、を備える。
【0089】
衝突余裕時間算出部141は、検知対象が作業機械200との衝突の危険性が高い動作制限領域に到達するまでの時間を衝突余裕時間(Time to Collision/TTC)として算出する処理部である。
【0090】
動作制限判断部142と、検知対象の位置及び速度ベクトルと、領域算出部130が算出した動作制限領域とに基づいて、作業機械200に衝突防止動作を実行させるか否かを判断する処理部である。具体的には、動作制限判断部142は、衝突余裕時間算出部141が算出した衝突余裕時間が所定の時間以下であるか否かを判断する。
【0091】
このように、例えば、判断部140は、検知対象の位置及び速度ベクトルと、動作制限領域とに基づいて、検知対象が動作制限領域に到達するまでの時間である衝突余裕時間を算出し、衝突余裕時間が所定の時間以下であるか否かを判断する。
【0092】
なお、判断部140は、検知対象の位置及び速度ベクトルと、動作制限領域と、作業機械200の位置及び速度ベクトルとに基づいて、作業機械200に衝突防止動作を実行させるか否かを判断してもよい。つまり、判断部140は、検知対象の速度ベクトルと作業機械200の速度ベクトルとの合成ベクトルである相対速度ベクトルに基づいて、作業機械200に衝突防止動作を実行させるか否かを判断してもよい。
【0093】
なお、所定の時間は、予め任意に定められてよく、特に限定されない。所定の時間を示す情報は、例えば、記憶部170に予め記憶される。
【0094】
また、例えば、判断部140は、検知対象が動作制限領域に位置しているか否かで作業機械200に衝突防止動作を実行させるか否かを判断してもよい。
【0095】
動作制限制御部150は、判断部140が、作業機械200に衝突防止動作を実行させると判断した場合、作業機械200に衝突防止動作を実行させる処理部である。具体的には、動作制限制御部150は、判断部140が、作業機械200に衝突防止動作を実行させると判断した場合、作業機械200が備える、走行体駆動部280、旋回体駆動部300、及び、作業装置駆動部320等の各駆動部を制御する機械動作制御部160に、作業機械200に衝突防止動作を実行させるように指示(信号)を出力することで、作業機械200に衝突回避動作を実行させる。
【0096】
例えば、動作制限制御部150は、判断部140が、衝突余裕時間が所定の時間以下であると判断した場合、作業機械200に衝突防止動作を実行させる。具体的に例えば、動作制限制御部150は、判断部140が、衝突余裕時間が所定の時間以下であると判断した場合、作業機械200に衝突防止のために走行体210、旋回体211、及び、作業装置220に停止動作を実行させる。
【0097】
図3は、実施の形態に係る作業機械200の動作と動作制限領域との対応関係を説明するための図である。
【0098】
領域算出部130は、例えば、作業機械200が停止している場合、つまり、走行体210が停止しており、且つ、旋回体211と作業装置220とが停止している場合には、動作制限領域を初期設定、つまり、予め任意に定められた固定領域とする。この場合、例えば、検知対象を検知していなければ、動作制限制御部150は、作業機械200に衝突防止動作を実行させない。
【0099】
また、領域算出部130は、例えば、作業機械200が動作している場合、つまり、走行体210、旋回体211及び作業装置220のうち少なくとも一つが動作している場合には、作業機械200の位置及び速度ベクトルに基づいて、動作制限領域を算出する。この場合、例えば、検知対象を検知していなければ、動作制限制御部150は、作業機械200に衝突防止動作を実行させない。
【0100】
また、領域算出部130は、例えば、作業機械200が動作している場合であって、検知対象を検知した場合には、作業機械200の位置及び速度ベクトルに基づいて、動作制限領域を算出する。また、この場合、判断部140は、衝突余裕時間を算出し、算出結果に基づいて、作業機械200に衝突防止動作を実行させるか否かを判断する。また、この場合、動作制限制御部150は、判断部140の判断結果に基づいて、作業機械200に衝突防止動作を実行させたり、衝突防止動作を実行させなかったりする。
【0101】
なお、所定の時間は、複数設定されていてもよい。
【0102】
例えば、動作制限制御部150は、衝突余裕時間が所定の第1時間以下である場合には衝突防止動作として回避動作を実行させてもよい。或いは、例えば、動作制限制御部150は、衝突余裕時間が所定の第1時間より大きく所定の第2時間以下である場合には衝突防止動作として停止動作を実行させてもよい。或いは、例えば、動作制限制御部150は、衝突余裕時間が所定の第2時間より大きく所定の第3時間以下である場合には衝突防止動作として減速動作を実行させてもよい。或いは、例えば、動作制限制御部150は、衝突余裕時間が所定の第3時間より大きい場合には衝突防止動作を実行させなくてもよい。
【0103】
もちろん、これらのように定められる所定の時間は、2つでもよいし、4つ以上でもよい。また、衝突余裕時間毎に実行される衝突防止動作は、任意に定められてよい。また、衝突防止動作は、減速しつつ回避動作等のように組み合わされてもよい。
【0104】
例えば、動作制限制御部150は、衝突防止動作として、作業機械200の停止、作業機械200の減速、及び、検知対象との衝突を回避するための回避動作のうちの1つ以上の動作を作業機械200に実行させる。
【0105】
機械動作制御部160は、作業機械200が備える各駆動部を制御することで、作業機械200の動作を制御する処理部である。例えば、機械動作制御部160は、入力装置230が受け付けた作業者からの指示に基づいて、作業機械200が備える各駆動部を制御することで、作業機械200の動作を制御する。或いは、例えば、機械動作制御部160は、動作制限制御部150から受け付けた指示に基づいて、作業機械200が備える各駆動部を制御することで、作業機械200の動作を制御する。例えば、機械動作制御部160は、入力装置230が受け付けた作業者からの指示に基づいて、作業機械200が備える各駆動部を制御中に、動作制限制御部150から指示を受け付けた場合、実行中の制御を停止し、動作制限制御部150から受け付けた指示に基づいて、作業機械200が備える各駆動部を制御する。
【0106】
記憶部170は、各処理部と接続され、衝突防止装置100が情報処理を行うために実行するプログラム、及び、当該情報処理に必要な情報が記憶される記憶装置である。記憶部170は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、半導体メモリ等によって実現される。記憶部170は、第1センサ及び第2センサが得た情報を記憶してもよい。
【0107】
入力装置230は、作業者からの指示を受け付けるための装置である。入力装置230は、例えば、ボタン、レバー、ステアリング、ペダル等により実現される。
【0108】
カメラ240は、例えば、それぞれ、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサ等によって実現されるカメラである。カメラ240によって取得された画像は、記憶部170に記憶される。
【0109】
なお、本実施の形態では、作業機械200は、複数のカメラ240を備えるが、1つのカメラ240を備える構成でもよい。
【0110】
ソナー250は、音波によって検知対象を検知するセンサである。
【0111】
レーダ260は、電波によって検知対象を検知するセンサである。
【0112】
LiDAR270は、レーザ光によって検知対象を検知するセンサ(Light Detection And Ranging)である。
【0113】
検知対象動作算出部120は、複数のカメラ240、ソナー250、レーダ260、LiDAR270等のセンサ(第2センサ)から得られる情報に基づいて、検知対象を検知する。
【0114】
なお、本実施の形態では、複数のカメラ240等の第2センサは、作業機械200が備える旋回体211等に配置されるが、作業機械200ではなく、作業機械200の周囲に位置する建屋等の部材に配置されてもよい。
【0115】
走行体駆動部280は、走行体210を駆動するためのモータ等の駆動機構である。
【0116】
走行体速度センサ290は、走行体210の速度を測定するためのセンサである。
【0117】
旋回体駆動部300は、旋回体211を回動させるためのモータ等の駆動機構である。
【0118】
旋回体角度センサ310は、旋回体211の回動した角度を測定するためのセンサである。旋回体角度センサ310は、回転速度を測定するセンサであってもよい。
【0119】
作業装置駆動部320は、作業装置220を駆動させるためのケーブル、シリンダ等の駆動機構である。
【0120】
作業装置角度センサ330は、作業装置220の屈曲角度(例えば、ブーム221とアーム222とのなす角度)を測定するセンサである。作業装置角度センサ330は、回転速度を測定するセンサであってもよい。
【0121】
機械動作算出部110は、走行体速度センサ290、旋回体角度センサ310、作業装置角度センサ330等のセンサ(第1センサ)から得られる情報と、作業機械200の構成要素である走行体210、旋回体211、及び、作業装置220のサイズや走行体駆動部280、旋回体駆動部300、及び、作業装置駆動部320において動力源であるアクチュエータから駆動部までの減速機構(不図示)の減速比を示す情報とに基づいて、作業機械200における各外縁部の位置及び速度ベクトルを算出する。
【0122】
通知部400は、検知対象動作算出部120の検知結果(算出結果)、動作制限領域、判断部140による判断結果、及び、動作制限制御部150が作業機械200に実行させる動作(例えば、実行中の衝突防止動作の内容、又は、これから実行する衝突防止動作の内容)のうちの少なくとも1つを作業者に通知するための装置である。動作制限制御部150は、例えば、検知対象動作算出部120の検知結果、動作制限領域、判断部140による判断結果、動作制限制御部150が作業機械200に実行させる動作、並びに、検知対象の位置及び速度ベクトルの少なくとも一方のうちの少なくとも1つを通知部400に通知させる。
【0123】
通知部400は、音声出力部410と、表示部420と、を備える。
【0124】
音声出力部410は、検知対象動作算出部120の検知結果、動作制限領域、判断部140による判断結果、及び、動作制限制御部150が作業機械200に実行させる動作のうちの少なくとも1つを、音声によって作業者に通知する音響装置である。音声出力部410は、例えば、アンプとスピーカとから実現される。
【0125】
なお、音声出力部410は、例えば、作業機械200が備える運転室にいる作業者に向けて通知するように、運転室内に配置されてもよいし、作業機械200の周囲にいる作業者に通知するように、作業機械200の外部に配置されてもよい。
【0126】
表示部420は、検知対象動作算出部120の検知結果、動作制限領域、判断部140による判断結果、及び、動作制限制御部150が作業機械200に実行させる動作のうちの少なくとも1つを、画像によって作業者に通知する表示装置である。表示部420は、例えば、液晶パネル又は有機ELパネル等を表示デバイスとして含むディスプレイである。
【0127】
なお、表示部420は、例えば、作業機械200が備える運転室にいる作業者に向けて通知するように、運転室内に配置されてもよいし、作業機械200の周囲にいる作業者に通知するように、作業機械200の外部に配置されてもよい。
【0128】
動作制限制御部150は、例えば、検知対象動作算出部120の検知結果、動作制限領域、判断部140による判断結果、及び、動作制限制御部150が作業機械200に実行させる動作のうちの少なくとも1つを、音声出力部410及び表示部420の少なくとも一方に通知させる。
【0129】
なお、音声出力部410が出力する音声情報、及び、表示部420が表示する画像情報は、予め記憶部170に記憶されていればよく、任意に定められてよい。
【0130】
[動作制限判断]
続いて、作業機械200による動作制限判断処理の具体例について説明する。なお、以下で説明する図4図6においては、作業装置220におけるバケット223の図示を省略している。
【0131】
<第1例>
図4は、実施の形態に係る衝突防止装置100による動作制限判断処理の第1例を説明するための図である。具体的には、図4は、作業機械200と検知対象U1及び検知対象U2とを模式的に示す上面図である。
【0132】
図4に示す例では、作業機械200は、y軸正方向に速度vで移動し、且つ、y軸正方向に作業装置220が速度vで移動している。このように、第1例は、走行体210が走行し、作業装置220が動作し、且つ、旋回体211が動作しない場合の例である。
【0133】
また、本例では、検知対象U1がx軸負方向に速度vh1で移動している。
【0134】
また、本例では、検知対象U2がy軸正方向に速度vh2で移動している。
【0135】
例えば、機械動作算出部110は、第1センサから得られる情報に基づいて、作業機械200の各外縁部の位置及び速度ベクトルをそれぞれ算出する。
【0136】
次に、領域算出部130は、例えば、y軸正方向に速度vで移動し、且つ、y軸正方向に作業装置220が速度vで移動していることから、速度vと速度vの和に応じて、y軸正方向に固定領域が広がるように、動作制限領域(第1動作制限領域)を算出する。
【0137】
このように、第1動作制限領域における作業機械200の進行方向側は、例えば、作業機械200における制動反応時間及び検知誤差を十分に吸収できるように設定された最小の固定領域から、作業装置220の伸縮する速度vに応じて伸縮されることで、必要以上に作業機械200の動作が制限されることが回避される。
【0138】
なお、領域算出部130が固定領域をどの程度広げるかを算出する方法は、予め任意に定められてよい。例えば、領域算出部130は、速度vと速度vの和に比例して固定領域を広くするように第1動作制限領域を算出する。
【0139】
一方、このような場合、領域算出部130は、例えば、x軸方向には移動していないため、x軸正方向には固定領域と第1動作制限領域とで変更しない。
【0140】
次に、検知対象動作算出部120は、例えば、第2センサから得られる情報に基づいて、検知対象U1及び検知対象U2の位置及び速度ベクトルをそれぞれ算出する。
【0141】
次に、例えば、領域算出部130は、作業機械200に対する検知対象U1の相対速度ベクトル(相対速度vmah1)、及び、作業機械200に対する検知対象U2の相対速度ベクトル(相対速度vmah2)を算出する。
【0142】
次に、例えば、判断部140は、検知対象U1の位置と、作業機械200に対する検知対象U1の相対速度ベクトルと、第1動作制限領域とに基づいて、検知対象U1が第1動作制限領域に到達するまでに衝突余裕時間を算出する。具体的には、判断部140は、検知対象U1及び作業機械200が算出された速度ベクトルで動き続けると仮定した場合に、検知対象U1が第1動作制限領域に到達するまでの時間である衝突余裕時間を算出する。
【0143】
例えば、検知対象U1の位置から、作業機械200と検知対象U1との合成速度ベクトルの延長線上で、第1動作制限領域と交わるまでの距離を相対速度vmah1で割ることで、到達余裕時間が算出される。
【0144】
判断部140は、例えば、衝突余裕時間が所定の時間以下である場合、作業機械200に衝突防止動作を実行させると判断する。つまり、衝突防止装置100は、衝突余裕時間が所定の時間以下になると、作業機械200の動作を制限する。一方、判断部140は、例えば、衝突余裕時間が所定の時間より大きい場合、作業機械200に衝突防止動作を実行させないと判断する。
【0145】
次に、例えば、動作制限制御部150は、判断部140が衝突防止動作を実行させると判断した場合、衝突防止動作として、作業機械200を停止させたり、作業機械200を減速させたりする。或いは、例えば、動作制限制御部150は、判断部140が衝突防止動作を実行させると判断した場合、衝突防止動作のうちの回避動作として、作業機械200の進行方向をy軸負方向にさせたり、y軸負方向に作業装置220を移動させたり、z軸を軸に上面視で反時計回りに作業装置220を回動させたりする。なお、動作制限制御部150は、衝突防止動作のうちの回避動作として、作業装置220だけを回動させてもよいし、旋回体211だけを回動させてもよい。
【0146】
なお、本例では、作業機械200に対する検知対象U2の相対速度ベクトルは、作業機械200の速度ベクトル及び作業装置220の速度ベクトルと平行である。そのため、判断部140は、検知対象U2が第1動作制限領域に到達するまでに衝突余裕時間を算出しなくてもよい。このような場合には、作業機械200は、検知対象と衝突する可能性がないため、動作を継続できる。
【0147】
また、領域算出部130は、作業機械200の動作(位置及び速度ベクトル)と、検知対象U1、U2の動作(位置及び速度ベクトル)とに基づいて、動作制限領域を算出してもよい。
【0148】
領域算出部130は、例えば、作業機械200に対する検知対象U1の相対速度ベクトル、及び、作業機械200に対する検知対象U2の相対速度ベクトルを算出する。
【0149】
領域算出部130は、例えば、算出した相対速度ベクトルから、固定領域に検知対象U1が到達する可能性があることから、作業機械200と検知対象U1とが、作業機械200におけるy軸正方向側で将来接触する可能性があると判断し、y軸正方向に固定領域が広がるように、動作制限領域(第1動作制限領域)を算出する。一方、領域算出部130は、例えば、算出した相対速度ベクトルから、固定領域に検知対象U2が到達する可能性がないことから、作業機械200と検知対象U2とが将来接触する可能性がないと判断し、x軸正方向には固定領域を広げるような動作制限領域を算出しない。
【0150】
また、判断部140は、相対速度ベクトルと動作制限領域とに基づいて、衝突余裕時間を算出したが、検知対象の位置及び速度ベクトルと動作制限領域とに基づいて、衝突余裕時間を算出してもよい。
【0151】
また、動作制限領域は、例えば、固定領域及び第1動作制限領域のように、作業機械200の少なくとも一部を囲むように設定される。例えば、動作制限領域は、第1動作制限領域と固定領域との差分の領域のように、作業機械200を囲まず、作業機械200の周囲に設定されてもよい。
【0152】
<第2例>
図5は、実施の形態に係る衝突防止装置100による動作制限判断処理の第2例を説明するための図である。具体的には、図5は、作業機械200と検知対象U1及び検知対象U2とを模式的に示す上面図である。
【0153】
図5に示す例では、作業機械200は、y軸正方向に速度vで移動している。また、作業装置220が、回転速度ωでz軸を軸に上面視で時計回りに回動しながら、作業装置220の延在方向であって上面視で旋回体211から離れるように速度Vで移動している。このように、第2例は、走行体210が走行し、作業装置220が動作し、且つ、旋回体211が動作する場合の例である。
【0154】
また、本例では、検知対象U1がx軸負方向に速度vh1で移動している。
【0155】
また、本例では、検知対象U2がy軸正方向に速度vh2で移動している。
【0156】
例えば、機械動作算出部110は、第1センサから得られる情報に基づいて、作業機械200の各外縁部の位置及び速度ベクトルをそれぞれ算出する。
【0157】
機械動作算出部110は、例えば、作業装置220の上面視における位置(具体的には、長さ)であるrと回転速度ωとの積から、作業装置220の回動に対応する速度ベクトル(速度v)を算出する。さらに、機械動作算出部110は、例えば、算出した速度ベクトルと、作業装置220の延在方向であって上面視で旋回体211から離れる方向の作業装置220の合成速度ベクトル(速度vab)を算出する。
【0158】
次に、領域算出部130は、例えば、作業機械200における最もx軸正方向側に位置する外縁部がx軸正方向に移動していることから、速度vabに応じて、x軸正方向に固定領域が広がるように、動作制限領域(第2動作制限領域)を算出する。
【0159】
一方、領域算出部130は、例えば、機械動作算出部110が算出した合成速度ベクトルから、作業機械200における最もy軸正方向側に位置する外縁部がy軸正方向には移動していないため、y軸正方向には固定領域と第2動作制限領域とで変更しない。言い換えると、第2例における第1動作制限領域は、固定領域と同じである。
【0160】
次に、検知対象動作算出部120は、例えば、第2センサから得られる情報に基づいて、検知対象U1及び検知対象U2の位置及び速度ベクトルをそれぞれ算出する。
【0161】
次に、領域算出部130は、作業機械200に対する検知対象U1の相対速度ベクトル(相対速度vmabh1)、及び、作業機械200に対する検知対象U2の相対速度ベクトル(相対速度vmabh2)を算出する。
【0162】
領域算出部130は、例えば、機械動作算出部110が算出した各外縁部の合成速度ベクトル(速度v,速度vab等)と、検知対象U2の速度ベクトル(速度vh2)とに基づいて、作業機械200に対する検知対象U2の相対速度ベクトル(相対速度vmabh2)を算出する。
【0163】
次に、例えば、判断部140は、検知対象U1の位置と、作業機械200に対する検知対象U1の相対速度ベクトルと、第1動作制限領域(つまり、本例では固定領域)及び第2動作制限領域とに基づいて、検知対象U1が第1動作制限領域及び第2動作制限領域に到達するまでの衝突余裕時間を算出する。同様に、例えば、判断部140は、検知対象U2の位置と、作業機械200に対する検知対象U2の相対速度ベクトルと、第1動作制限領域及び第2動作制限領域とに基づいて、検知対象U2が第1動作制限領域及び第2動作制限領域に到達するまでの衝突余裕時間を算出する。判断部140は、例えば、算出したそれぞれの衝突余裕時間の少なくとも一つが所定の時間以下である場合、作業機械200に衝突防止動作を実行させると判断する。一方、判断部140は、例えば、算出したそれぞれの衝突余裕時間がいずれも所定の時間より大きい場合、作業機械200に衝突防止動作を実行させないと判断する。
【0164】
動作制限制御部150は、判断部140が衝突防止動作を実行させると判断した場合、衝突防止動作として、作業機械200を停止させたり、作業機械200を減速させたり、作業機械200に回避動作を実行させたりする。
【0165】
例えば、判断部140は、算出したそれぞれの衝突余裕時間の少なくとも一つが所定の時間以下である場合に、衝突防止動作として回避動作を作業機械200に実行させるとき、どのような回避動作を作業機械200に実行させるかを決定する。例えば、判断部140は、算出したそれぞれの衝突余裕時間のうち、検知対象U1が第1動作制限領域に到達するまでの衝突余裕時間のみが、所定の時間以下である場合、衝突防止動作のうちの回避動作として、作業機械200の進行方向をy軸負方向にさせたり、y軸負方向に作業装置220を移動させたり、z軸を軸に上面視で反時計回りに作業装置220を回動させたりすると決定する。一方、例えば、判断部140は、算出したそれぞれの衝突余裕時間のうち、検知対象U2が第2動作制限領域に到達するまでに衝突余裕時間のみが、所定の時間以下である場合、衝突防止動作のうちの回避動作として、作業機械200の進行方向をx軸負方向にさせたり、z軸を軸に上面視で反時計回りに作業装置220を回動させたりすると決定する。なお、動作制限制御部150は、衝突防止動作のうちの回避動作として、作業装置220だけを回動させてもよいし、旋回体211だけを回動させてもよい。
【0166】
動作制限制御部150は、判断部140が衝突防止動作を実行させる作業機械200に実行させる。
【0167】
また、領域算出部130は、作業機械200の動作(各外縁部の位置及び速度ベクトル)と、検知対象U1、U2の動作(位置及び速度ベクトル)とに基づいて、動作制限領域を算出してもよい。
【0168】
領域算出部130は、例えば、作業機械200に対する検知対象U1の相対速度ベクトル、及び、作業機械200に対する検知対象U2の相対速度ベクトルを算出する。領域算出部130は、例えば、算出した相対速度ベクトルから、作業機械200と検知対象U1とが、作業機械200におけるy軸正方向側で将来接触する可能性が低いと判断し、y軸正方向には固定領域を広げるような動作制限領域を算出しない。
【0169】
なお、本例では、y軸正方向側で作業機械200と検知対象U1とが将来接触する可能性はあるが、例えば、領域算出部130は、相対速度vmh1が所定の速度以上であるか否かを判断し、相対速度vmh1が所定の速度以上であると判断した場合、接触する可能性が高いと判断し、y軸正方向に固定領域を広げるような動作制限領域を算出し、相対速度vmh1が所定の速度未満であると判断した場合、接触する可能性が低いと判断し、y軸正方向に固定領域を広げるような動作制限領域を算出しないとしてもよい。もちろん、領域算出部130は、このような場合に、固定領域と一致する領域となる動作制限領域(第1動作制限領域)を算出してもよい。つまり、領域算出部130は、複数の動作制限領域を算出してもよい。例えば、領域算出部130は、検知された検知対象の数だけ動作制限領域を算出してもよい。
【0170】
一方、このような場合、領域算出部130は、例えば、算出した相対速度ベクトルから、作業機械200と検知対象U2とが将来接触する可能性が高いと判断し、x軸正方向に固定領域が広がるように、動作制限領域(第2動作制限領域)を算出する。
【0171】
<第3例>
図6は、実施の形態に係る衝突防止装置100による動作制限判断処理の第3例を説明するための図である。具体的には、図6は、作業機械200と検知対象U3とを模式的に示す側面図である。
【0172】
図6に示す例では、作業機械200は、y軸正方向に速度vで移動している。また、作業装置220が、回転速度ωbtでx軸を軸に側面視で時計回りに回動している。このように、第3例は、走行体210が走行し、且つ、作業装置220が上下方向に動作する場合の例である。
【0173】
また、本例では、検知対象U3がy軸負方向に速度vh3で移動している。
【0174】
なお、図6に示す第1固定領域及び第2固定領域のように、固定領域は、予め複数設定されていてもよい。
【0175】
例えば、機械動作算出部110は、第1センサから得られる情報に基づいて、作業機械200の各外縁部の位置及び速度ベクトルをそれぞれ算出する。
【0176】
機械動作算出部110は、例えば、作業装置220の側面視における位置(具体的には、長さ)であるrbtと回転速度ωbtとの積から、作業装置220の回動に対応する速度ベクトル(速度vbt)を算出する。さらに、機械動作算出部110は、例えば、算出した速度ベクトルと、作業機械200の移動に対応する速度ベクトル(速度v)との合成速度ベクトル(速度vmbt)を算出する。
【0177】
次に、領域算出部130は、例えば、作業機械200における最もy軸正方向側に位置する外縁部がy軸正方向及びz軸負方向に移動していることから、速度vmbtに応じて当該外縁部を含む第2固定領域がy軸正方向及びz軸負方向に広がるように、動作制限領域(第3動作制限領域)を算出する。
【0178】
次に、検知対象動作算出部120は、例えば、第2センサから得られる情報に基づいて、検知対象U3の位置及び速度ベクトルを算出する。
【0179】
次に、領域算出部130は、作業機械200に対する検知対象U3の相対速度ベクトル(相対速度vmbth3)を算出する。
【0180】
領域算出部130は、例えば、機械動作算出部110が算出した合成速度ベクトルと、検知対象U3の速度ベクトル(速度vh3)とに基づいて、作業機械200の最も検知対象U3に近い外縁部に対する検知対象U3の相対速度ベクトル(相対速度vmabh3)を算出する。
【0181】
次に、例えば、判断部140は、検知対象U3の位置と、作業機械200の最も検知対象U3に近い外縁部に対する検知対象U3の相対速度ベクトルと、第3動作制限領域とに基づいて、検知対象U3が第3動作制限領域に到達するまでの衝突余裕時間を算出する。
【0182】
判断部140は、例えば、作業装置220が下方に移動している場合等の、作業機械200と検知対象U3とが検知対象U3よりも上側で衝突する可能性がある場合、検知対象U3の位置を、検知対象U3の地面からの高さhとしてもよい。判断部140は、例えば、カメラ240により生成された画像に基づいて、高さhを算出する。
【0183】
図7は、カメラによる画像と人物検知の様子との一例を示す図である。
【0184】
判断部140は、例えば、カメラ240が生成した画像における検知対象U3の外接矩形を算出し、算出した外接矩形の高さを検知対象U3の高さhとして算出する。
【0185】
なお、安全性を向上させるために、判断部140は、算出した検知対象U3の高さhに所定の高さhを足した高さを検知対象U3の高さとしてもよい。
【0186】
判断部140は、例えば、算出した衝突余裕時間が所定の時間以下である場合、作業機械200に衝突防止動作を実行させると判断する。一方、判断部140は、例えば、算出した衝突余裕時間が所定の時間より大きい場合、作業機械200に衝突防止動作を実行させないと判断する。
【0187】
次に、例えば、動作制限制御部150は、判断部140が衝突防止動作を実行させると判断した場合、衝突防止動作として、作業機械200を停止させたり、作業機械200を減速させたりする。或いは、例えば、動作制限制御部150は、判断部140が衝突防止動作を実行させると判断した場合、衝突防止動作のうちの回避動作として、作業機械200の進行方向をy軸負方向にさせたり、z軸正方向に作業装置220を移動させたりする。
【0188】
第3例のように、例えば、作業機械200が土石を掘る等の作業のために、作業装置220を振り下ろす場合には、作業装置220の先端部において、検知対象U3に最も近い位置にある外縁部の周囲に第3動作制限領域が設定される。第3動作制限領域は、下方向(本例では、z軸負方向)への速度に応じて、動的に伸縮される。
【0189】
例えば、作業装置220の先端部が、検知対象の高さh(或いは、高さh+高さh)より下方に位置した状態で、作業機械200は動作している場合には、第1例及び第2例と同様に衝突防止動作が実行される。
【0190】
一方、衝突防止動作として、停止を実行した場合には作業機械200と検知対象U3とが衝突してしまう可能性があるが、作業装置220が上方へ振り上げられることにより時間的に余裕をもって作業機械200と検知対象U3との衝突が回避され得る場合には、走行体210の減速とともに作業装置220の振り上げによる回避衝突防止動作として実行されてもよい。
【0191】
また、本例では、第1固定領域と第2固定領域の2つの動作制限領域が予め定められている。また、第1固定領域について考えた場合にも、作業機械200は速度vでy軸正方向に移動している。そのため、領域算出部130は、第1固定領域をy軸正方向に広げるように動作制限領域を別途算出してもよい。
【0192】
また、本例では、第1固定領域と第3動作制限領域とは、領域が重ならない。このような場合には、衝突防止装置100は、第1固定領域と第3動作制限領域とのそれぞれについて、検知対象U3の衝突余裕時間を算出し、算出したそれぞれの衝突余裕時間に応じて作業機械200を動作させてもよい。
【0193】
また、第1例及び第2例では作業機械200を上面視した場合、第3例については作業機械200を側面視した場合について説明したが、衝突防止装置100は、第1例、第2、及び、第3例の算出方法を組み合わせて実行してもよい。つまり、衝突防止装置100は、作業機械200及び検知対象それぞれの位置及び速度ベクトルの算出について、x座標、y座標、及び、z座標のうちの任意の2つの座標からなる空間である二次元座標空間における位置及び速度ベクトルを算出してもよいし、x座標、y座標、及び、z座標からなる空間である三次元座標空間における位置及び速度ベクトルを算出してもよい。
【0194】
[処理手順]
続いて、衝突防止装置100の処理手順について説明する。
【0195】
図8は、実施の形態に係る衝突防止装置100の処理手順を説明するためのフローチャートである。
【0196】
まず、検知対象動作算出部120は、作業機械200が備える上記した少なくともいずれか1つのセンサ(第2センサ)から情報を取得する(S101)。例えば、検知対象動作算出部120は、第2センサの一例であるカメラ240から、第2センサから得られる情報の一例である画像(画像情報)を取得する。
【0197】
次に、検知対象動作算出部120は、取得した情報に基づいて、作業機械200の周囲に位置する検知対象を検知する(S102)。例えば、検知対象動作算出部120は、取得した情報が画像である場合、当該画像に含まれる検知対象を抽出する処理を実行する。
【0198】
次に、検知対象動作算出部120は、取得した情報に基づいて、作業機械200の周囲に検知対象が存在するか否かを判断する(S103)。検知対象動作算出部120は、取得した情報が画像である場合、当該画像に検知対象が含まれているか否かを判断する。
【0199】
検知対象動作算出部120は、作業機械200の周囲に検知対象が存在しないと判断した場合(S103でNo)、処理をステップS101に戻す。
【0200】
一方、検知対象動作算出部120は、作業機械200の周囲に検知対象が存在すると判断した場合(S103でYes)、取得した情報に基づいて、検知対象の位置及び速度ベクトルを算出する(S104)。
【0201】
次に、機械動作算出部110は、作業機械200の位置及び速度ベクトルを算出する(S105)。機械動作算出部110は、例えば、上記した第1センサから得られる情報に基づいて、作業機械200の位置及び速度ベクトルを算出する。具体的には、機械動作算出部110は、例えば、上記した第1センサから得られる情報と、上記したサイズ情報と上記した減速機構の減速比を示す減速比情報等に基づいて、作業機械200における各外縁部の位置及び速度ベクトルを算出する。
【0202】
次に、領域算出部130は、作業機械200の位置及び速度ベクトルに基づいて、動作制限領域を算出する(S106)。
【0203】
次に、判断部140は、検知された、つまり、ステップS103において存在すると判断された検知対象が、ステップS104で算出された位置において、算出された速度ベクトルを継続すると仮定し、更にステップS105で算出された作業機械の速度ベクトルが継続されたと仮定した場合に、ステップS106で算出された動作制限領域に到達するまでの衝突余裕時間を算出する(S107)。
【0204】
次に、判断部140は、算出した衝突余裕時間が、所定の時間以下であるか否かを判断する(S108)。
【0205】
判断部140は、算出した衝突余裕時間が、所定の時間より大きいと判断した場合(S108でNo)、処理をステップS101に戻す。
【0206】
一方、判断部140は、算出した衝突余裕時間が、所定の時間以下であると判断した場合(S108でYes)、作業機械200に衝突防止動作を実行させると判断する(S109)。なお、判断部140は、衝突余裕時間に基づいて、衝突防止動作の内容(例えば、作業機械200を停止させるか減速させるか回避動作を実行させるか等)を決定してもよい。
【0207】
次に、動作制限制御部150は、機械動作制御部160に、作業機械200に衝突防止動作を実行させる指示を実行する(S110)。例えば、動作制限制御部150は、判断部140が決定した衝突防止動作の内容を作業機械200に実行させるための信号を機械動作制御部160に出力する。
【0208】
次に、機械動作制御部160は、走行体駆動部280、旋回体駆動部300、作業装置駆動部320等の駆動部を、走行体速度センサ290、旋回体角度センサ310、及び、作業装置角度センサ330の情報を用いて適切に制御することで、作業機械200に衝突防止動作を実行させる(S111)。
【0209】
ステップS101~ステップS111までの処理が繰り替えし実行されることにより、時々刻々と変化する作業機械200及び検知対象の動きに応じて、適切なタイミングで衝突防止動作が作業機械200によって実行される。
【0210】
なお、上記したステップ及びステップの順序はあくまで一例であり、特に限定されない。例えば、一部のステップは、他のステップと同時に行われてもよい。例えば、第二センサから得られる一の情報に基づいて、ステップS101からステップS105まで実行され、ステップS106が実行されている際に、第2センサから得られる一の情報とは異なる他の情報に基づいて、ステップS101が実行されてもよい。
【0211】
[効果等]
以上説明したように、実施の形態に係る衝突防止装置100は、作業機械200の位置及び速度ベクトルに基づいて動作制限領域を算出し、検知対象の位置及び速度ベクトルと動作制限領域とに基づいて、作業機械200に衝突防止動作を実行させるか否かを判断する。つまり、衝突防止装置100は、作業機械200の動きに応じて動的に動作制限領域を設定し、検知対象の動きに応じて作業機械200に衝突防止動作を実行させるか否かを動的に判断する。
【0212】
具体的には、上記実施の形態では、作業機械200に搭載された衝突防止装置100は、走行体210の速度ベクトル及び旋回体211の回転角及び角速度、ブーム221及びアーム222の角度及び角速度等から作業機械200が備える各部の作業状態に応じて時々刻々と変化する作業機械200の外縁部の位置及び速度ベクトル等の作業機械200の動作状態を算出するための各種センサを備える。また、作業機械200は、作業機械200の周囲に存在する人又は障害物等の検知対象を検知するための各種センサも備える。衝突防止装置100は、それらの各種センサから得られる情報に基づいて検知対象の相対位置及び速度ベクトルを算出する。衝突防止装置100は、検知対象を検知した際に、検知対象と最も近い外縁部(最外部)の状態に応じて、作業機械200と検知対象とが衝突するか否かを判断するための動作制限領域をデフォルトの固定領域から動的に変更する。衝突防止装置100は、検知対象の最外部に対する相対位置と相対速度ベクトルとから衝突余裕時間(TTC)を算出し、衝突余裕時間が所定の時間を下回った際に、作業機械200に衝突防止動作を実行させる。
【0213】
このように、衝突防止装置100は、例えば、作業機械200の動きと作業機械200の周囲に位置する検知対象を検知することにより、検知対象における作業機械200との相対位置と移動方向及び速度に基づき動作制限領域を動的に設定し、現在(例えば、位置及び速度等を算出したタイミング)における状態を継続した際に、設定した動作制限領域に検知対象が到達するまでの軌道及び時間を予測することで、衝突の危険性があると判断した場合にのみ、動作制限(衝突防止動作)をするという細やかな制御を行う。例えば、作業機械200がほとんど動いていないにも関わらず動作制限領域が不要に広く設定されたり、検知対象が作業機械200から離れるように動いているにもかかわらず衝突防止動作が不要に実行されたりすることが抑制される。一方で、例えば、作業機械200が素早く動いているような危険性が大きいと考えられるような場合には、動作制限領域が広く設定されるように、動作制限領域が作業機械200の動きに応じて動的に設定されることで安全性が向上され得る。したがって、衝突防止装置100によれば、作業機械200の周囲に位置する検知対象の安全性の確保と、作業機械200が行う掘削作業等の作業の効率の低下の抑制とが両立され得る。つまり、衝突防止装置100によれば、作業機械200において、作業時の安全性が向上され、且つ、作業効率の低下が抑制される。
【0214】
また、例えば、作業機械200は、走行体210等の作業機械200を移動させる移動部と、旋回体211、作業装置220等の作業部とを備える。作業機械200の位置及び速度ベクトルとして、これらの各部の位置及び速度ベクトルとに基づいて、動作制限領域が算出されることで、さらに適切な範囲で動作制限領域は設定され得る。
【0215】
また、例えば、衝突余裕時間に応じて衝突防止動作が実行されることで、安全性の向上と、作業効率の低下の抑制とがバランスよく実現され得る。
【0216】
また、三次元座標空間における作業機械200及び検知対象の位置及び速度ベクトルが算出されることで、例えば、作業装置220のようにx軸方向、y軸方向、及び、z軸方向のそれぞれに動き得るような機構を作業機械200が備える場合においても、適切に動作制限領域が設定され得る。
【0217】
また、例えば、衝突防止動作として、作業機械200の停止、減速、及び、回避動作の少なくともいずれかが実行されることで、適切に作業機械200と検知対象との衝突が防止され得る。
【0218】
検知対象を検知している情報、動作制限領域を示す情報、衝突防止動作を実行させるか否かを示す情報、及び、作業機械200に実行させる動作を示す情報等を作業者に通知することで、作業者が作業機械200の動作を予測できるため、安全性がさらに向上され得る。
【0219】
また、例えば、作業機械200に対する検知対象の相対速度ベクトルと動作制限領域とに基づいて、衝突防止動作が作業機械200によって実行されるか否かが決定されることで、安全性がさらに向上され得る。
【0220】
また、例えば、作業機械200に対する検知対象の相対速度ベクトルに基づいて、動作制限領域が算出されることで、安全性がさらに向上され得る。
【0221】
(その他の実施の形態)
以上、実施の形態について説明したが、本開示は、上記実施の形態に限定されるものではない。
【0222】
したがって、添付図面及び詳細な説明に記載された構成要素の中には、課題解決のために必須な構成要素だけでなく、上記技術を例示するために、課題解決のためには必須でない構成要素も含まれ得る。そのため、それらの必須ではない構成要素が添付図面や詳細な説明に記載されていることをもって、直ちに、それらの必須ではない構成要素が必須であるとの認定をするべきではない。
【0223】
例えば、上記実施の形態では、動作制限領域は、矩形であるが、円形、楕円形、多角形等、任意の形状でよい。また、動作制限領域は、三次元座標空間において算出される場合、直方体、球等、任意の形状でよい。
【0224】
また、例えば、作業機械は、カメラ240、ソナー250等の第2センサを備えなくてもよい。この場合、例えば、作業機械は、サーバ装置等の外部装置と通信するための通信インターフェースを備えてもよい。また、この場合、衝突防止装置100は、当該通信インターフェースを介して当該外部装置から作業機械200の周囲に位置する検知対象に関する情報を取得してもよい。
【0225】
また、例えば、作業機械は、走行体210と、旋回体211と、作業装置200とを備えたが、走行体210、旋回体211、及び、作業装置200のうちの少なくともいずれか1つを備えてもよい。この場合、例えば、機械動作算出部110は、作業機械200の位置及び速度ベクトルとして、当該少なくともいずれか1つの位置及び速度ベクトルを算出する。また、この場合、例えば、領域算出部130は、当該少なくともいずれか1つの位置及び速度ベクトルに基づいて、動作制限領域を算出する。
【0226】
また、例えば、上記実施の形態では、衝突防止装置100は、単一の装置として実現されたが、複数の装置によって実現されてもよい。衝突防止装置100が複数の装置によって実現される場合、上記実施の形態で説明された衝突防止装置100が備える構成要素は、複数の装置にどのように振り分けられてもよい。
【0227】
また、上記実施の形態において、特定の処理部が実行する処理を別の処理部が実行してもよい。また、複数の処理の順序が変更されてもよいし、複数の処理が並行して実行されてもよい。
【0228】
また、上記実施の形態において、各構成要素(各処理部)は、各構成要素に適したソフトウェアプログラムを実行することによって実現されてもよい。各構成要素は、CPU(Central Processing Unit)又はプロセッサ等のプログラム実行部が、ハードディスク又は半導体メモリ等の記録媒体に記録されたソフトウェアプログラムを読み出して実行することによって実現されてもよい。
【0229】
また、各構成要素は、ハードウェアによって実現されてもよい。各構成要素は、回路(又は集積回路)でもよい。これらの回路は、全体として1つの回路を構成してもよいし、それぞれ別々の回路でもよい。また、これらの回路は、それぞれ、汎用的な回路でもよいし、専用の回路でもよい。
【0230】
また、本開示の全般的又は具体的な態様は、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラム又はコンピュータ読み取り可能なCD-ROM等の非一時的な記録媒体で実現されてもよい。また、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラム及び記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。
【0231】
例えば、本開示は、衝突防止装置100等のコンピュータによって実行される衝突防止方法として実現されてもよい。また、本開示は、衝突防止方法をコンピュータに実行させるためのプログラムとして実現されてもよいし、このようなプログラムが記録されたコンピュータ読み取り可能な非一時的な記録媒体として実現されてもよい。
【0232】
その他、各実施の形態に対して当業者が思いつく各種変形を施して得られる形態、又は、本開示の趣旨を逸脱しない範囲で各実施の形態における構成要素及び機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本開示に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0233】
本開示は、作業機械の動作を制御する装置に適用できる。
【符号の説明】
【0234】
100 衝突防止装置
110 機械動作算出部
120 検知対象動作算出部
121 検知対象検知部
122 速度ベクトル算出部
130 領域算出部
140 判断部
141 衝突余裕時間算出部
142 動作制限判断部
150 動作制限制御部
160 機械動作制御部
170 記憶部
200 作業機械
210 走行体
211 旋回体
220 作業装置
221 ブーム
222 アーム
223 バケット
230 入力装置
240 カメラ
250 ソナー
260 レーダ
270 LiDAR
280 走行体駆動部
290 走行体速度センサ
300 旋回体駆動部
310 旋回体角度センサ
320 作業装置駆動部
330 作業装置角度センサ
400 通知部
410 音声出力部
420 表示部
U1、U2、U3 検知対象
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8