(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023005147
(43)【公開日】2023-01-18
(54)【発明の名称】プリント配線板の製造方法
(51)【国際特許分類】
H05K 3/18 20060101AFI20230111BHJP
【FI】
H05K3/18 G
H05K3/18 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021106885
(22)【出願日】2021-06-28
(71)【出願人】
【識別番号】000000158
【氏名又は名称】イビデン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100122622
【弁理士】
【氏名又は名称】森 徳久
(72)【発明者】
【氏名】高橋 道昌
(72)【発明者】
【氏名】古野 貴之
(72)【発明者】
【氏名】平澤 貴久
【テーマコード(参考)】
5E343
【Fターム(参考)】
5E343AA02
5E343AA07
5E343AA18
5E343AA33
5E343BB16
5E343BB24
5E343DD43
5E343GG08
(57)【要約】
【課題】安定した性能のプリント配線板の提供。
【解決手段】実施形態のプリント配線板の製造方法は、樹脂絶縁層上に銅箔を積層することと、前記銅箔上にめっきレジストを形成することと、前記めっきレジストから露出する前記銅箔上に第1電解めっき膜を形成することと、前記めっきレジストを除去することと、前記第1電解めっき膜で覆われていない部分の前記銅箔を除去することと、前記第1電解めっき膜上に第2電解めっき膜を形成することで、前記銅箔と前記銅箔上の前記第1電解めっき膜と前記第1電解めっき膜上の前記第2電解めっき膜からなる導体層を形成すること、とを有する。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
樹脂絶縁層上に銅箔を積層することと、
前記銅箔上にめっきレジストを形成することと、
前記めっきレジストから露出する前記銅箔上に第1電解めっき膜を形成することと、
前記めっきレジストを除去することと、
前記第1電解めっき膜で覆われていない部分の前記銅箔を除去することと、
前記第1電解めっき膜上に第2電解めっき膜を形成することで、前記銅箔と前記銅箔上の前記第1電解めっき膜と前記第1電解めっき膜上の前記第2電解めっき膜からなる導体層を形成すること、とを有するプリント配線板の製造方法。
【請求項2】
請求項1のプリント配線板の製造方法であって、前記第1電解めっき膜の厚さは50μm以上である。
【請求項3】
請求項1のプリント配線板の製造方法であって、前記第2電解めっき膜を形成することは前記銅箔を除去することの後に行われる。
【請求項4】
請求項1のプリント配線板の製造方法であって、前記第2電解めっき膜を形成することは前記第1電解めっき膜間に位置する前記銅箔の直上に前記第2電解めっき膜を形成することを含み、前記銅箔を除去することは前記銅箔の直上に形成されている前記第2電解めっき膜を除去することを含む。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書によって開示される技術は、プリント配線板の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、絶縁基板と絶縁基板上に形成された渦巻状のコイルパターンとを有するコイルシートを開示する。特許文献1のコイルシートの製造方法は、絶縁基板上に渦巻状の下層の導体パターンを形成することと、導体パターン上に電解めっき膜を追加で形成すること、とを含む。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【0004】
[特許文献1の課題]
特許文献1の技術では、絶縁基板上に導体パターンが形成された後で、導体パターン上に電解めっき膜が形成される。この手法によると完成するコイルパターンの厚みにバラツキが生じると考えられる。コイルパターンを構成する配線間のギャップにバラツキが生じると考えられる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明のプリント配線板の製造方法は、樹脂絶縁層上に銅箔を積層することと、前記銅箔上にめっきレジストを形成することと、前記めっきレジストから露出する前記銅箔上に第1電解めっき膜を形成することと、前記めっきレジストを除去することと、前記第1電解めっき膜で覆われていない部分の前記銅箔を除去することと、前記第1電解めっき膜上に第2電解めっき膜を形成することで、前記銅箔と前記銅箔上の前記第1電解めっき膜と前記第1電解めっき膜上の前記第2電解めっき膜からなる導体層を形成すること、とを有する。
【0006】
実施形態のプリント配線板の製造方法によると、回路パターンが形成される前に、銅箔上にある程度の厚みの第1電解めっき膜が形成される。その後、第1電解めっき膜上に第2電解めっき膜を形成することで、銅箔と銅箔上の第1電解めっき膜と第1電解めっき膜上の第2電解めっき膜からなる導体層が形成される。そのため、実施形態の製造方法によると、銅箔による回路パターンの形成後に追加めっきを行う従来の方法に比べて、製造されるプリント配線板の導体層に含まれる導体回路間のギャップのバラツキ、厚みのバラツキを小さくし得る。高い占積率の導体層を有するプリント配線板が得られる。安定した性能のプリント配線板が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】実施形態のプリント配線板を模式的に示す平面図。
【
図2】実施形態のプリント配線板を模式的に示す底面図。
【
図3】実施形態のプリント配線板の一部を模式的に示す断面図。
【
図4A】実施形態のプリント配線板の製造方法を模式的に示す断面図。
【
図4B】実施形態のプリント配線板の製造方法を模式的に示す断面図。
【
図4C】実施形態のプリント配線板の製造方法を模式的に示す断面図。
【
図4D】実施形態のプリント配線板の製造方法を模式的に示す断面図。
【
図4E】実施形態のプリント配線板の製造方法を模式的に示す断面図。
【
図4F】実施形態のプリント配線板の製造方法を模式的に示す断面図。
【
図5】第1改変例のプリント配線板の一部を模式的に示す断面図。
【
図6】第1改変例のプリント配線板の製造方法を模式的に示す断面図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
[実施形態]
図1は実施形態のプリント配線板2を示す平面図である。
図2は
図1のプリント配線板2を示す底面図である。
図1と
図2に示されるように、プリント配線板2は、樹脂絶縁層10と、樹脂絶縁層10の第1面10a上に形成されている導体層20と、樹脂絶縁層10の第2面10b上に形成されている導体層30とを有する。実施形態のプリント配線板2は、円筒状に巻くことでモータ用コイル基板として利用される。形成されたモータ用コイル基板を円筒状のヨークの内側に配置し、モータ用コイル基板の内側に回転軸と磁石を配置することによりモータが形成される(図示省略)。
【0009】
樹脂絶縁層10は、ポリイミド、ポリアミド等の絶縁性を有する樹脂を用いて形成される。樹脂絶縁層10は可撓性を有している。樹脂絶縁層はフレキシブル基板を形成することができる。樹脂絶縁層10は第1面10aと第2面10bを有している。樹脂絶縁層10の厚みは10μm以上100μm以下の範囲であり、例えば12.5μmである。
【0010】
導体層20、30は銅を用いて形成されている。導体層20、30は、渦巻状に形成されているコイルである。
図1に示されるように、第1面10a上に形成されている導体層20は、外周から内周に向かって右回りの渦巻状に形成されている。導体層20の外周側端部24には、導体層20と外部を接続する接続コード(図示省略)を接続するための接続端子が形成されている。導体層20の内周側端部22には、樹脂絶縁層10の第1面10aと第2面10bの間を貫通する貫通孔16が形成されている。貫通孔16内にはビア導体45が形成されている。貫通孔16及びビア導体45については後で
図3を参照して詳しく説明される。ビア導体45により、第1面10a上の導体層20と第2面10b上の導体層30とが電気的に接続されている。
【0011】
図2に示されるように、第2面10b上に形成されている導体層30は、外周から内周に向かって左回りの渦巻状に形成されている。導体層30の外周側端部34には、導体層30と外部を接続する接続コード(図示省略)を接続するための接続端子が形成されている。導体層30の内周側端部32は、上記のビア導体45を介して導体層20の内周側端部22と電気的に接続されている。
【0012】
導体層20、30は、同じ面から見て同じ巻き方向の渦巻状に形成されている。第1面10aと第2面10b上の導体層20、30は、電気的に直列に接続された1つのコイルとして機能している。図示は省略されるが、第1面10aと導体層20上は樹脂絶縁層で覆われている。同様に第2面10bと導体層30上は樹脂絶縁層で覆われている。
【0013】
図3は実施形態のプリント配線板2の一部の断面図である。
図3は、
図1と
図2のIII-III間の断面図である。
図3が参照されることで導体層20、30の構造が詳しく説明される。
図3に示されるように、導体層20は、コイル(
図1)を構成する第1導体回路20aと、第1導体回路20aの隣の第2導体回路20bと、第2導体回路20bの隣の第3導体回路20cと、第3導体回路20cの隣の内周側端部22とを有する。第1導体回路20a、第2導体回路20b、第3導体回路20c、内周側端部22は、連続する1本の配線の異なる部分である。第1導体回路20a、第2導体回路20b、第3導体回路20c、内周側端部22のそれぞれの間隔は10μm以上50μm以下の範囲であり、例えば25μmである。第1導体回路20a、第2導体回路20b、第3導体回路20c、内周側端部22の厚みは、80μm以上150μm以下の範囲であり、例えば103μmである。第1導体回路20a、第2導体回路20b、第3導体回路20cの幅は、80μm以上150μm以下の範囲であり、例えば100μmである。内周側端部22の幅は、例えば300μmである。
【0014】
同様に導体層30は、コイル(
図2)を構成する第1導体回路30aと、第1導体回路30aの隣の第2導体回路30bと、第2導体回路30bの隣の第3導体回路30cと、第3導体回路30cの隣の内周側端部32とを有する。第1導体回路30a、第2導体回路30b、第3導体回路30c、内周側端部32は、連続する1本の配線の異なる部分である。第1導体回路30a、第2導体回路30b、第3導体回路30c、内周側端部32のそれぞれの間隔は10μm以上50μm以下の範囲であり、例えば25μmである。第1導体回路30a、第2導体回路30b、第3導体回路30c、内周側端部32の厚みは、80μm以上150μm以下の範囲であり、例えば103μmである。第1導体回路30a、第2導体回路30b、第3導体回路30cの幅は、80μm以上150μm以下の範囲であり、例えば100μmである。内周側端部32の幅は、例えば300μmである。
【0015】
導体層20は、銅箔12a~12dと、第1電解めっき膜40a~40dと、第2電解めっき膜50a~50dとを有する。導体層30は、銅箔14a~14dと、第1電解めっき膜41a~41dと、第2電解めっき膜51a~51dとを有する。以下銅箔12a~12dが区別されずに総称される場合は「銅箔12」と表される。第1電解めっき膜40a~40d、第2電解めっき膜50a~50d、銅箔14a~14d、第1電解めっき膜41a~41d、第2電解めっき膜51a~51dについても同様である。
【0016】
上記の通り、内周側端部22の下の銅箔12dと樹脂絶縁層10には貫通孔16が設けられている。貫通孔16内にはビア導体45が設けられる。ビア導体45により導体層20の内周側端部22と導体層30の内周側端部32とが電気的に接続される。
【0017】
以下では導体層20の構成要素が説明される。銅箔12は、樹脂絶縁層10の第1面10a上に形成されている銅の薄膜である。銅箔12は樹脂絶縁層10の第1面10a上に予め形成されている。銅箔12は無電解めっき膜であってもよい。銅箔12の厚みは1μm以上10μm以下の範囲であり、例えば3μmである。
【0018】
第1電解めっき膜40は、銅箔12上に形成されている金属層である。第1電解めっき膜40は銅で形成される。第1電解めっき膜40dの一部は貫通孔16内に充填されてビア導体45を形成する。第1電解めっき膜40の厚みは50μm以上150μm以下の範囲であり、例えば90μmである。第1電解めっき膜40a~40cの幅は例えば280μmである。
【0019】
第2電解めっき膜50は、第1電解めっき膜40上に形成されている金属層である。第2電解めっき膜50は、第1電解めっき膜40の側方の第1面10a上にも形成されている。第2電解めっき膜50は、第1電解めっき膜40の上面と、第1電解めっき膜40の側面と、第1電解めっき膜40の直下の銅箔12の側面を覆っている。第2電解めっき膜50の厚みは5μm以上30μm以下の範囲であり、例えば10μmである。
【0020】
以下では導体層30の構成要素が説明される。
図3に示されるように、銅箔14は、樹脂絶縁層10の第2面10b上に形成されている銅の薄膜である。銅箔14は樹脂絶縁層10の第2面10b上に予め形成されている。銅箔14は無電解めっき膜であってもよい。銅箔14の厚みは銅箔12とほぼ同じである。
【0021】
第1電解めっき膜41は、銅箔14上に形成されている金属層である。第1電解めっき膜41は銅で形成される。第1電解めっき膜41の厚みは第1電解めっき膜40とほぼ同じである。
【0022】
第2電解めっき膜51は、第1電解めっき膜41上に形成されている金属層である。第2電解めっき膜51は、第1電解めっき膜41の側方の第2面10b上にも形成されている。第2電解めっき膜51は、第1電解めっき膜41の上面と、第1電解めっき膜41の側面と、第1電解めっき膜41の直下の銅箔14の側面を覆っている。第2電解めっき膜51の厚みは第2電解めっき膜50とほぼ同じである。
【0023】
実施形態では、導体層20、30に形成されている第1導体回路20a、30a、第2導体回路20b、30b等の導体回路は、従来に比べてギャップのバラツキ、厚みのバラツキが小さい。安定した性能のプリント配線板2が得られる。
【0024】
[実施形態のプリント配線板2の製造方法]
図4A~
図4Fは実施形態のプリント配線板2の製造方法を示す。
図4A~
図4Fは断面図である。
図4Aは、樹脂絶縁層10と、第1面10a上に予め設けられた銅箔12と、第2面10b上に予め設けられた銅箔14とを示す。樹脂絶縁層10は銅箔12、14付きのフレキシブル基板である。この時点では銅箔12、14は第1面10a、第2面10bの全面を覆っている。
【0025】
銅箔12の上方からレーザーが照射される。
図4Bに示されるように、銅箔12と樹脂絶縁層10を貫通する貫通孔16が形成される。
【0026】
図4Cに示されるように、銅箔12上にめっきレジスト60が形成される。めっきレジスト60は、第1導体回路20a、第2導体回路20b、第3導体回路20c、内周側端部22が形成されるべき位置(
図3参照)に開口62a~62dを有している。開口62a~62dは銅箔12を露出する。同様に銅箔14上にめっきレジスト61が形成される。第1導体回路30a、第2導体回路30b、第3導体回路30c、内周側端部32が形成されるべき位置(
図3参照)に開口63a~63dを有している。開口63a~63dは銅箔14を露出する。めっきレジスト60、61の幅は例えば35μmである。めっきレジスト60、61の厚みは100μm以上であり、例えば112μmである。開口62a~62c、63a~63cの幅は例えば90μmである。開口62d、63dの幅は例えば280μmである。
【0027】
図4Dに示されるように、電解めっき(パターンめっき)が行われ、めっきレジスト60から露出する銅箔12上に第1電解めっき膜40a~40dが形成される。同様にめっきレジスト61から露出する銅箔14上に第1電解めっき膜41a~41dが形成される。この時点の第1電解めっき膜40、41の厚みは例えば100μmである。開口62a~62c、63a~63c内に形成される第1電解めっき膜40a~40c、41a~41cの幅は例えば90μmである。開口62d、63d内に形成される第1電解めっき膜40d、41dの幅は例えば280μmである。
【0028】
図4Eに示されるように、めっきレジスト60、61が除去される。これにより、第1電解めっき膜40には銅箔12を露出する開口70が形成される。第1電解めっき膜41には銅箔14を露出する開口71が形成される。この時点では開口70、71の幅はめっきレジスト60、61(
図4C)の幅と同じであり、例えば35μmである。
【0029】
フラッシュエッチングが行われる。
図4Fに示されるように、開口70から露出する銅箔12が除去される。銅箔12a~12dが形成される。第1電解めっき膜40の一部も除去される。開口71から露出する銅箔14が除去される。銅箔14a~14dが形成される。第1電解めっき膜41の一部も除去される。銅箔12、14が除去されるとともに、第1電解めっき膜40、41が全体的に小さくなる。第1電解めっき膜40、41は例えば1か所あたり5μm程度除去される。この時点では、開口70、71の幅は例えば45μmに広がる。第1電解めっき膜40、41の厚みは例えば90μmである。第1電解めっき膜40a~40c、41a~41cの幅は例えば80μmである。
【0030】
その後、追加の電解めっきが行われる。
図3に示されるように、第1電解めっき膜40の上面と、第1電解めっき膜40の側面と、第1電解めっき膜40の直下の銅箔12の側面を覆う第2電解めっき膜50が形成される。同様に、第1電解めっき膜41の上面と、第1電解めっき膜41の側面と、第1電解めっき膜41の直下の銅箔14の側面を覆う第2電解めっき膜51が形成される。第2電解めっき膜50、51の厚みは例えば10μmである。
【0031】
銅箔12a~12dと第1電解めっき膜40a~40dと第2電解めっき膜50a~50dによって第1導体回路20a、第2導体回路20b、第3導体回路20c、内周側端部22が形成される。導体層20が形成される。同様に、銅箔14a~14dと第1電解めっき膜41a~41dと第2電解めっき膜51a~51dによって第1導体回路30a、第2導体回路30b、第3導体回路30c、内周側端部32が形成される。導体層30が形成される。この結果、実施形態のプリント配線板2(
図3)が得られる。
【0032】
実施形態の製造方法によると、回路パターンが形成される前に、銅箔12、14上にある程度の厚みの第1電解めっき膜40、41が形成される。その後、第1電解めっき膜40、41上に第2電解めっき膜50、51を形成することで導体層20、30が形成される。そのため、実施形態の製造方法によると、銅箔による回路パターンの形成後に追加めっきを行う従来の方法に比べて、製造される導体層20、30に含まれる導体回路20a~20c、30a~30c間のギャップのバラツキ、厚みのバラツキを小さくし得る。高い占積率の導体層20、30を有するプリント配線板2が得られる。安定した性能のプリント配線板2が得られる。
【0033】
[実施形態の第1改変例]
図5は、実施形態の第1改変例を示す。第1改変例では、第1電解めっき膜40、41間の一部に銅箔12、14が存在する。第2電解めっき膜50、51は、第1電解めっき膜40、41上と、第1電解めっき膜40、41間の銅箔12、14上に形成されている。
【0034】
第1改変例のプリント配線板2の製造方法は途中まで実施形態と同様である。第1改変例でも実施形態と同様に
図4A~
図4Eで説明される工程が実行される。第1改変例では、めっきレジスト60、61が除去(
図4E)された後、フラッシュエッチングより先に追加の電解めっきが行われる。この結果
図6に示されるように、第1電解めっき膜40の上面と、第1電解めっき膜40の側面と、第1電解めっき膜40間に位置する銅箔12(開口70から露出する銅箔12)の上面を覆う第2電解めっき膜50が形成される。第1電解めっき膜41の上面と、第1電解めっき膜41の側面と、第1電解めっき膜41間に位置する銅箔14(開口71から露出する銅箔14)の上面を覆う第2電解めっき膜51が形成される。
【0035】
第1改変例では、その後フラッシュエッチングが行われる。
図5に示されるように、開口70内の第2電解めっき膜50とその直下の銅箔12が除去される。銅箔12a~12dが形成される。第1電解めっき膜40を覆う第2電解めっき膜50の一部も除去される。同様に、開口71内の第2電解めっき膜51とその直下の銅箔14が除去される。銅箔14a~14dが形成される。第1電解めっき膜41を覆う第2電解めっき膜51の一部も除去される。第1電解めっき膜40、41を覆う第2電解めっき膜50、51が全体的に小さくなる。
【0036】
この結果、第1導体回路20a、第2導体回路20b、第3導体回路20c、内周側端部22が形成される。導体層20が形成される。同様に、第1導体回路30a、第2導体回路30b、第3導体回路30c、内周側端部32が形成される。導体層30が形成される。第1改変例のプリント配線板2(
図5)が得られる。
【0037】
第1改変例の製造方法によると、追加の電解めっきが行われる時点で銅箔12、14の全部が残っているため、銅箔12、14の一部を追加の電解めっきの為の電力を供給するリードとして使用することができる。別途リードを設けておく必要がない。
【符号の説明】
【0038】
2:プリント配線板
10:樹脂絶縁層
12(12a~12d)、14(14a~14d):銅箔
20、30:導体層
40(40a~40d)、41(41a~41d):第1電解めっき膜
50(50a~50d)、51(51a~51d):第2電解めっき膜
60、61:めっきレジスト