IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社Alpharevoの特許一覧

特開2023-51481情報提供支援システム、情報提供支援プログラム、および情報提供支援方法
<>
  • 特開-情報提供支援システム、情報提供支援プログラム、および情報提供支援方法 図1
  • 特開-情報提供支援システム、情報提供支援プログラム、および情報提供支援方法 図2
  • 特開-情報提供支援システム、情報提供支援プログラム、および情報提供支援方法 図3
  • 特開-情報提供支援システム、情報提供支援プログラム、および情報提供支援方法 図4
  • 特開-情報提供支援システム、情報提供支援プログラム、および情報提供支援方法 図5
  • 特開-情報提供支援システム、情報提供支援プログラム、および情報提供支援方法 図6
  • 特開-情報提供支援システム、情報提供支援プログラム、および情報提供支援方法 図7
  • 特開-情報提供支援システム、情報提供支援プログラム、および情報提供支援方法 図8
  • 特開-情報提供支援システム、情報提供支援プログラム、および情報提供支援方法 図9
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023051481
(43)【公開日】2023-04-11
(54)【発明の名称】情報提供支援システム、情報提供支援プログラム、および情報提供支援方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 40/06 20120101AFI20230404BHJP
   G06Q 30/015 20230101ALI20230404BHJP
【FI】
G06Q40/06
G06Q30/02 470
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021162198
(22)【出願日】2021-09-30
【新規性喪失の例外の表示】新規性喪失の例外適用申請有り
(71)【出願人】
【識別番号】521429960
【氏名又は名称】株式会社Alpharevo
(74)【代理人】
【識別番号】100137338
【弁理士】
【氏名又は名称】辻田 朋子
(72)【発明者】
【氏名】椿 雄一郎
【テーマコード(参考)】
5L049
5L055
【Fターム(参考)】
5L049BB05
5L049BB08
5L055BB57
(57)【要約】
【課題】
適切な情報の提供を支援するための、新たな情報提供システムを提供することを課題とする。
【解決手段】
投稿者が複数の閲覧者に対して適切な情報の提供をすることを支援するサービスを提供するためのシステムであって、前記閲覧者および投稿者を含むユーザのユーザ情報を格納する記憶部と、前記投稿者により提供される提供情報のうち、前記閲覧者が閲覧可能である閲覧可能情報を抽出する処理部と、前記閲覧者ごとに抽出された前記閲覧可能情報を表示処理する表示部と、を備え、前記ユーザ情報は、前記ユーザの金融商品取引に関するライセンスの有無を示すライセンス情報または投資家区分の情報を含み、前記処理部は、前記閲覧者の前記ライセンス情報または投資家区分の情報と、前記提供情報を投稿した投稿者の前記ライセンス情報と、が特定の組み合わせである場合に、当該提供情報を当該閲覧者の前記閲覧可能情報として抽出する情報提供支援システム。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
投稿者が複数の閲覧者に対して適切な情報の提供をすることを支援するサービスを提供するためのシステムであって、
前記閲覧者および投稿者を含むユーザのユーザ情報を格納する記憶部と、
前記投稿者により提供される提供情報のうち、前記閲覧者が閲覧可能である閲覧可能情報を抽出する処理部と、
前記閲覧者ごとに抽出された前記閲覧可能情報を表示処理する表示部と、を備え、
前記ユーザ情報は、前記ユーザの金融商品取引に関するライセンスの有無を示すライセンス情報または投資家区分の情報を含み、
前記処理部は、前記閲覧者の前記ライセンス情報または投資家区分の情報と、前記提供情報を投稿した投稿者の前記ライセンス情報と、が特定の組み合わせである場合に、当該提供情報を当該閲覧者の前記閲覧可能情報として抽出する情報提供支援システム。
【請求項2】
前記提供情報は、提供情報の種別を示す種別情報を含み、
前記処理部は、前記提供情報の種別が特定の種別である場合には、前記閲覧者の前記ライセンス情報または投資家区分の情報と、前記提供情報を投稿した投稿者の前記ライセンス情報と、に関わらず、当該提供情報を当該閲覧者の前記閲覧可能情報として抽出する請求項1に記載の情報提供支援システム。
【請求項3】
前記ユーザ情報は、複数種類のライセンスについてそれぞれ前記ライセンス情報を含み、
前記処理部は、前記種別情報に基づいて、その種別情報に対応する前記ライセンスまたは投資家区分を判断し、
前記閲覧者の当該ライセンス情報または投資家区分を示す情報と、前記提供情報を投稿した投稿者の当該ライセンス情報と、が特定の組み合わせである場合に、当該提供情報を前記閲覧者の前記閲覧可能情報として抽出する請求項2に記載の情報提供支援システム。
【請求項4】
前記提供情報は情報の内容に関するテキストデータを含み、
前記処理部は、前記テキストデータおよび前記提供情報の種別を教師データとして学習することで生成された、学習モデルを用いて、前記テキストデータを前記学習モデルに入力することで、前記提供情報の種別を推定し、推定結果を前記種別情報として前記記憶部に受け渡す請求項3に記載の情報提供支援システム。
【請求項5】
前記処理部は、前記提供情報のうち、投稿情報について、前記投稿情報および前記閲覧者のユーザ情報に基づいて、前記閲覧者ごとに、前記投稿情報を順位付けし、
前記表示部は、前記順位に基づいて、前記閲覧者ごとに前記閲覧可能情報である前記投稿情報を表示処理する請求項1~請求項4の何れかに記載の情報提供支援システム。
【請求項6】
前記記憶部は、前記サービスへ他の者を招待した投稿者または閲覧者と、前記投稿者または閲覧者によって前記サービスへ招待された投稿者または閲覧者と、を紐づけて格納し、
前記処理部は、前記投稿者および前記閲覧者の紐付の有無に基づいて、前記投稿情報を順位付けし、
前記表示部は、前記順位に基づいて、前記投稿情報を表示処理する請求項5に記載の情報提供支援システム。
【請求項7】
前記記憶部は、前記提供情報であって、前記閲覧者の検索によって、前記表示部が表示処理する情報である商品情報を格納し、
前記処理部は、前記閲覧者から商品情報を抽出する条件の選択を受け付けると、前記閲覧可能情報であり、かつ前記条件を満たす商品情報を抽出し、
前記表示部は、前記抽出された商品情報を表示処理する請求項1~請求項6の何れかに記載の情報提供支援システム。
【請求項8】
投稿者が複数の閲覧者に対して適切な情報の提供をすることを支援するサービスを提供するためのプログラムであって、
前記閲覧者および投稿者を含むユーザのユーザ情報を格納する記憶部と、
前記投稿者により提供される提供情報のうち、前記閲覧者が閲覧可能である閲覧可能情報を抽出する処理部と、
前記閲覧者ごとに抽出された前記閲覧可能情報を表示処理する表示部と、としてコンピュータを機能させ、
前記ユーザ情報は、前記ユーザの金融商品取引に関するライセンスの有無を示すライセンス情報または投資家区分の情報を含み、
前記処理部は、前記閲覧者の前記ライセンス情報または投資家区分の情報と、前記提供情報を投稿した投稿者の前記ライセンス情報と、が特定の組み合わせである場合に、当該提供情報を当該閲覧者の前記閲覧可能情報として抽出する情報提供支援プログラム。
【請求項9】
投稿者が複数の閲覧者に対して適切な情報の提供をすることを支援するサービスを提供するための情報提供支援システムを用いた方法であって、
前記閲覧者および投稿者を含むユーザのユーザ情報を格納する記憶部と、
前記投稿者により提供される提供情報のうち、前記閲覧者が閲覧可能である閲覧可能情報を抽出する処理部と、
前記閲覧者ごとに抽出された前記閲覧可能情報を表示処理する表示部と、を備え、
前記ユーザ情報は、前記ユーザの金融商品取引に関するライセンスの有無を示すライセンス情報または投資家区分の情報を含み、
前記処理部は、前記閲覧者の前記ライセンス情報または投資家区分の情報と、前記提供情報を投稿した投稿者の前記ライセンス情報と、が特定の組み合わせである場合に、当該提供情報を当該閲覧者の前記閲覧可能情報として抽出する情報提供支援方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
情報提供支援システム、情報提供支援プログラム、および情報提供支援方法に関する。
【背景技術】
【0002】
SNS等を利用して見込み客を正確にターゲティングし、情報提供を繰り返し顧客と親密な関係を構築するプロセスとしてソーシャルセリングという営業手法が知られている。ソーシャルセリングはBtoB(Business to Business)営業においても、少ない労力で多くの見込み客に効率的にアプローチができ、注目されている営業手法である。しかし、金融業界では、ビジネスに関する個別具体的な情報がパブリックな個人のSNS(Social Networking Service)で発信しにくいことや、金融商品取引法等の法令に従うことが必須なためSNS上での営業行為は困難である。
【0003】
従来、金融商品の販売担当者が顧客と面談を行う際に、金融商品取引法等を遵守しながら、顧客のニーズに応える金融商品取引を可能にするシステムが知られている。
【0004】
例えば、特許文献1には、顧客の許容するリスクの商品を抽出し、更に、法令を遵守した取引の助けとなる警告を当該商品とともに表示する技術が開示されている。また、当該商品を取り扱うための資格を有した販売担当者を抽出する技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2010-044634号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、特許文献1では、法令を遵守しながら特定の顧客に対して適切な商品情報を提供することは記載されているが、不特定多数の適切な顧客に対して商品情報を提供すること、商品情報に関する情報を発信すること、また、商品情報を発信することで商品への勧誘をすることが実現できていない。
【0007】
より具体的には、法的な制限等により、金融商品の勧誘に当たる可能性がある情報発信を行うためには原則的に、金融商品の種類毎に適切な規制当局への登録が必要な場合がある。したがって、多数の顧客に対して情報を提供するために、単に広範な情報発信を許可すると違法となってしまう可能性があるため、従来はSNS等を利用して不特定多数の相手に金融商品に関する情報を適法に発信することは困難であった。また一方で、例えば当局への登録を行っていない者であっても、適格な投資家区分に該当する者に対してであれば、特定の金融商品の勧誘を可能とするような例外が設けられている場合もある。このように、情報の発信者及び受信者それぞれの適格性、情報発信する金融商品の種類といった条件で、情報の提供可否が決まるような場合に、不特定多数の相手に、適法な情報発信を実現する技術は従来存在していなかった。
【0008】
以上の現状に鑑みて、本発明では、適切な情報の提供を支援するための、新たな情報提供システムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の課題を解決するために、本発明は、投稿者が複数の閲覧者に対して適切な情報の提供をすることを支援するサービスを提供するためのシステムであって、前記閲覧者および投稿者を含むユーザのユーザ情報を格納する記憶部と、前記投稿者により提供される提供情報のうち、前記ユーザが閲覧可能である閲覧可能情報を抽出する処理部と、前記閲覧者ごとに抽出された前記閲覧可能情報を表示処理する表示部と、を備え、前記ユーザ情報は、前記ユーザの金融商品取引に関するライセンスの有無を示すライセンス情報または投資家区分の情報を含み、前記処理部は、前記閲覧者の前記ライセンス情報または投資家区分の情報と、前記提供情報を投稿した投稿者の前記ライセンス情報と、が特定の組み合わせである場合に、当該提供情報を当該閲覧者の前記閲覧可能情報として抽出する。
このよう構成にすることで、閲覧者と投稿者の条件の組み合わせにより、閲覧者ごとに提供情報の閲覧可否を決定することができる。これにより、金融商品の勧誘等に関し、勧誘を行う側と受ける側との複雑な条件を定めた金融商品取引法等の法令や規約を遵守しながら、情報の提供をすることが可能になる。
【0010】
本発明の好ましい形態では、前記提供情報は、提供情報の種別を示す種別情報を含み、前記処理部は、前記提供情報の種別が特定の種別である場合には、前記閲覧者の前記ライセンス情報または投資家区分の情報と、前記提供情報を投稿した投稿者の前記ライセンス情報と、に関わらず、当該提供情報を当該閲覧者の前記閲覧可能情報として抽出する。
このような構成にすることで、提供した情報がライセンスを必要としない情報の場合には、どんなユーザであっても閲覧可能にすることができる。具体的にライセンスを必要としない情報とは、挨拶文や日常的なコメント等であって、金融商品に関係のない情報の場合には、閲覧者情報に関係なく誰でも閲覧可能となる。
【0011】
本発明の好ましい形態では、前記ユーザ情報は、複数種類のライセンスについてそれぞれ前記ライセンス情報を含み、前記処理部は、前記種別情報に基づいて、その種別情報に対応する前記ライセンスまたは投資家区分を判断し、前記閲覧者の当該ライセンス情報または投資家区分を示す情報と、前記提供情報を投稿した投稿者の当該ライセンス情報と、が特定の組み合わせである場合に、当該提供情報を前記閲覧者の前記閲覧可能情報として抽出する。
このような構成にすることで、複数のライセンスに基づいて提供情報の閲覧の可否を判断することによって、金融商品取引法等の法令や規約を遵守した、より適切な情報の提供が可能となる。
【0012】
本発明の好ましい形態では、前記提供情報は情報の内容に関するテキストデータを含み、前記処理部は、前記テキストデータおよび前記提供情報の種別を教師データとして学習することで生成された、学習モデルを用いて、前記テキストデータを前記学習モデルに入力することで、前記提供情報の種別を推定し、推定結果を前記種別情報として前記記憶部に受け渡す。
このような構成にすることで、提供情報のテキストデータから、提供情報の種別情報を推定することができる。これにより、提供情報の作成時に、ユーザからの手入力により設定されていた提供情報の種別情報が、テキストデータの入力から自動的に設定され、誤入力等のミスをなくすことが可能となる。
【0013】
本発明の好ましい形態では、前記処理部は、前記提供情報のうち、投稿情報について、前記投稿情報および前記閲覧者のユーザ情報に基づいて、前記閲覧者ごとに、前記投稿情報を順位付けし、前記表示部は、前記順位に基づいて、前記閲覧者ごとに前記閲覧可能情報である前記投稿情報を表示処理する。
このような構成にすることで、投稿者によって投稿された投稿情報が、閲覧者ごとに、興味の順位が高いものから表示することができる。これにより、興味の低い投稿情報に埋もれて見落とすことなく、閲覧者が興味のある投稿情報を閲覧することが可能となる。
【0014】
本発明の好ましい形態では、前記記憶部は、前記サービスへ他の者を招待した投稿者または閲覧者と、前記投稿者または閲覧者によって前記サービスへ招待された投稿者または閲覧者と、を紐づけて格納し、前記処理部は、前記投稿者および前記閲覧者の紐付の有無に基づいて、前記投稿情報を順位付けし、前記表示部は、前記順位に基づいて、前記投稿情報を表示処理する。
このような構成にすることで、閲覧者が、自身と関連性の高い投稿者が投稿した投稿情報を優先的に閲覧することを可能とする。
【0015】
本発明の好ましい形態では、前記記憶部は、前記提供情報であって、前記閲覧者の検索によって、前記表示部が表示処理する情報である商品情報を格納し、前記処理部は、前記閲覧者から商品情報を抽出する条件の選択を受け付けると、前記閲覧可能情報であり、かつ前記条件を満たす商品情報を抽出し、前記表示部は、前記抽出された商品情報を表示処理する。
このような構成にすることで、閲覧者が、適切な投稿者が提供する商品情報の検索を可能とする。これにより、金融商品取引法等の法令や規約等を遵守しつつ、閲覧者は自分の興味のある商品の検索をすることを可能とする。
【0016】
上記の課題を解決するために、本発明は、投稿者が複数の閲覧者に対して適切な情報の提供をすることを支援するサービスを提供するためのプログラムであって、前記閲覧者および投稿者を含むユーザのユーザ情報を格納する記憶部と、前記投稿者により提供される提供情報のうち、前記閲覧者が閲覧可能である閲覧可能情報を抽出する処理部と、前記閲覧者ごとに抽出された前記閲覧可能情報を表示処理する表示部と、としてコンピュータを機能させ、前記ユーザ情報は、前記ユーザの金融商品取引に関するライセンスの有無を示すライセンス情報または投資家区分の情報を含み、前記処理部は、前記閲覧者の前記ライセンス情報または投資家区分の情報と、前記提供情報を投稿した投稿者の前記ライセンス情報と、が特定の組み合わせである場合に、当該提供情報を当該閲覧者の前記閲覧可能情報として抽出する。
【0017】
上記課題を解決するために、本発明は、投稿者が複数の閲覧者に対して適切な情報の提供をすることを支援するサービスを提供するための情報提供支援システムを用いた方法であって、前記閲覧者および投稿者を含むユーザのユーザ情報を格納する記憶部と、前記投稿者により提供される提供情報のうち、前記閲覧者が閲覧可能である閲覧可能情報を抽出する処理部と、前記閲覧者ごとに抽出された前記閲覧可能情報を表示処理する表示部と、を備え、前記ユーザ情報は、前記ユーザの金融商品取引に関するライセンスの有無を示すライセンス情報または投資家区分の情報を含み、前記処理部は、前記閲覧者の前記ライセンス情報または投資家区分の情報と、前記提供情報を投稿した投稿者の前記ライセンス情報と、が特定の組み合わせである場合に、当該提供情報を当該閲覧者の前記閲覧可能情報として抽出する。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、適切な情報の提供を支援するための、新たな情報提供システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本実施形態におけるシステムの機能ブロック図である。
図2】本実施形態におけるユーザ情報の一例を示す図である。
図3】本実施形態におけるアカウント設定画面の表示例である。
図4】本実施形態における投稿情報を表示するための処理を示すフローチャートである。
図5】本実施形態における商品情報を表示するための処理を示すフローチャートである。
図6】本実施形態における商品情報の検索画面の表示例である。
図7】本実施形態における投稿情報作成画面の表示例である。
図8】本実施形態における投稿情報一覧画面の表示例である。
図9】本実施形態における商品情報の新規作成画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面を用いて、本発明の情報提供支援システムについて説明する。なお、以下に示す実施形態は本発明の一例であり、本発明を以下の実施形態に限定するものではなく、様々な構成を採用することもできる。
【0021】
例えば、本実施形態では情報提供支援プログラムを実行する情報提供支援装置の構成、動作等について説明するが、実行される方法、システム、コンピュータプログラム(情報提供支援プログラム)等によっても、同様の作用効果を奏することができる。本実施形態における情報提供支援プログラムは、コンピュータが読み取り可能な非一過性の記録媒体に格納され、提供されてもよく、ネットワークを通じてダウンロード可能に提供されてもよい。
【0022】
また、本実施形態において「部」とは、例えば、広義の回路によって実施されるハードウェア資源と、これらハードウェア資源によって具体的に実現され得るソフトウェアの情報処理とを合わせたものも含み得る。本実施形態において「情報」とは、例えば電圧・電流を表す信号値の物理的な値、0又は1で構成される2進数のビット集合体としての信号値の高低、又は量子的な重ね合わせ(いわゆる量子ビット)によって表され、広義の回路上で通信・演算が実行され得る。広義の回路とは、回路(Circuit)、回路類(Circuitry)、プロセッサ(Processor)及びメモリ(Memory)等を適宜組み合わせることによって実現される回路である。即ち、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)LSI(Large Scale Integration)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)等を含むものである。
【0023】
<概要>
本発明は、SNSの配信アルゴリズムを用いて、金融商品取引法等の法令や規約に則ったサービスを提供するシステムに関する。本発明におけるサービスでは、機関投資家や個人投資家等の投資家と、証券会社、銀行等の金融機関、および投資運用会社等の情報提供者と、が参加し、金融商品取引法に則った適切な情報提供者からの、情報提供者ごとの投資戦略の情報である商品情報、および、投資戦略に限らず幅広い情報に関する投稿である投稿情報、を適切なサービス参加者に対して閲覧可能にすることを実現する。本実施形態における、金融商品取引法に則った適切な情報提供者とは、金融商品取引法に定める投資業を行うためのライセンスや登録の有無に基づいて判断される。
【0024】
本発明では、投稿者が提供する情報として、投稿情報および商品情報を含み、それらを総称して提供情報と呼ぶ。本実施形態において、投稿情報とは、投稿者が送信することによって、適切なサービス参加者が閲覧可能な情報であって、情報の種類として、投資戦略に関する情報、金融商品に関する情報、および、挨拶文等が含まれる。また、本実施形態において商品情報とは、投稿者が登録し、適切なサービス参加者の検索によって、当該サービス参加者が閲覧可能となる投資戦略の情報である。また、本実施形態では、投資運用会社だけでなく投資家であっても提供情報の登録が可能であり、提供情報は投資家だけでなく投資運用会社も閲覧可能である。従って、以下不明確にならない限り、提供情報を提供する者を投稿者、提供情報を閲覧する者を閲覧者と呼ぶ。なお、簡便のため以下では、不明確にならない限り、閲覧者および投稿者をユーザと総称する。
【0025】
<システム構成>
図1は、本実施形態の情報提供支援システムの機能構成を示す図である。本実施形態の情報提供支援システムは各構成として、情報提供支援装置1と、投稿者端末2と、閲覧者端末3と、を備え、情報提供支援装置1がサーバとして、投稿者端末2および閲覧者端末3がクライアントとしてふるまう。ここで、投稿者端末2および閲覧者端末3は複数存在するが、ここでは、代表の端末のみを表示している。また、情報提供支援装置1、投稿者端末2および閲覧者端末3は、ネットワークNWを介して相互に通信可能に構成されている。ネットワークNWは、インターネットなどのIP(Internet Protocol)網などにより構成される。なお、以下の説明では、不明確にならない限りネットワークNWの介在を省略する。
【0026】
情報提供支援装置1は、CPU(Central Processing Unit)やGPU(Graphics Processing Unit)等の演算装置、RAM(Random Access Memory)等の主記憶装置、HDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)、フラッシュメモリ等の補助記憶装置、ネットワークNWへの接続手段を含む種々の入出力装置等を備えた一般的なコンピュータ装置を利用することができる。記憶装置が本発明の情報提供支援プログラムを記憶し、演算装置に各種の処理を実行させることにより、任意のコンピュータ装置が、本発明の情報提供支援装置1の各部として機能する。また、複数のコンピュータを用いて情報提供支援装置1が備えた機能構成要素を提供することも可能である。
【0027】
投稿者端末2及び閲覧者端末3としては、演算装置(CPU)と、主記憶装置(RAM)と、HDDやSDD、フラッシュメモリ等の補助記憶装置と、外部の装置との通信装置と、キーボードやマウス、タッチパネル等の入力装置と、ディスプレイやスピーカ等の出力装置と、各構成部を接続するバスと、を備えた一般的なコンピュータ装置を利用することができ、例えばスマートフォンやタブレット端末、PC(Personal Computer)等を投稿者端末2及び閲覧者端末3として用いることができる。投稿者端末2及び閲覧者端末3は、補助記憶装置においてアプリケーションプログラムを格納し、当該プログラムがCPUにより実行されることで、後述の各部として機能する。
【0028】
情報提供支援装置1は、記憶部11と、処理部12と、表示部13と、を備える。これらの機能構成要素は、情報提供支援装置1を構成するコンピュータが備える記憶装置に記憶されたプログラムを、演算装置が実行することで実現する。なお各部が複数のコンピュータに分散して備えられていてもよく、例えば本実施形態で記憶部11が記憶する情報の一部又は全部が外部のデータベースに記憶され、情報提供支援装置1が当該データベースと通信することで本発明を実現してもよい。
【0029】
投稿者端末2および閲覧者端末3は、出力部(それぞれ21、31)と、入力部(それぞれ22、32)と、を備える。出力部21、31は、ディスプレイ等であって、情報提供支援装置1の処理の結果等を表示する。入力部22、32は、タッチパネル、マウス及びキーボード等であって、利用者による操作要求を入力部22、32に入力する。以下の説明では、不明確にならない限り、出力部21、31および入力部22、32の介在を省略する。
【0030】
記憶部11は、ユーザに関するユーザ情報を格納する。ここで本発明において、投稿者のユーザ情報を「投稿者情報」と呼び、また閲覧者のユーザ情報を「閲覧者情報」と呼ぶ。また記憶部11は、投稿者のユーザ情報と、当該投稿者が提供する提供情報と、を紐づけて格納する。提供情報としては、テキストデータと、種別情報と、カテゴリと、が格納される。本実施形態では、種別ごとに、投稿者のライセンス情報及び、閲覧者のライセンス情報または投資家区分情報の組み合わせに基づく、閲覧の条件が記憶されており、種別情報に対応する条件を処理部12が参照し、閲覧可能情報の抽出を行う。ここで、本実施形態において、種別情報には、投資一任契約または自社ファンド等に関する情報、挨拶文や日常のコメント等の投資運用業に関係しない情報等が含まれる。
【0031】
また、本実施形態において、記憶部11は、提供情報のうち商品情報において、ステータス情報を格納する。本実施形態において、ステータス情報とは、承認済みおよび承認待ちを含んでおり、本システムの管理ユーザが変更可能に設定できる。
【0032】
ここで、本実施形態において提供情報は、閲覧者ごとに閲覧可能な情報(閲覧可能情報)が抽出され、抽出された情報のみが閲覧できる。具体的な処理内容は後述するが、処理部12は、閲覧者情報のライセンス情報または投資家区分情報と、投稿者情報のライセンス情報と、に基づいて、閲覧者ごとの閲覧可能情報を抽出する。
【0033】
また、本実施形態において、提供情報のうち投稿情報を提供する場合、種別情報に対応するライセンス情報や投資家区分情報による条件以外に、閲覧可能な閲覧者の条件を更にいくつか選択可能である。即ち処理部12は、選択された条件を対象の閲覧者が満たし、かつ、閲覧者のライセンス情報または投資家区分情報と、当該投稿情報を投稿する投稿者のライセンス情報と、に基づく、種別情報に応じた条件を満たす場合に、当該投稿情報を当該閲覧者の閲覧可能情報として抽出する。また更に、具体的な処理は後述するが、提供情報のうち投稿情報が提供される場合、処理部12は、閲覧者情報と、投稿情報および当該投稿情報を投稿した投稿者情報と、に基づいて、閲覧者ごとに当該投稿情報の順位付けをする。
【0034】
表示部13は、処理部12によって抽出された閲覧者ごとの閲覧可能情報を表示処理する。また、本実施形態において表示部13は、処理部12によって、順位付けされた閲覧可能情報な投稿情報を順位に基づいて表示処理する。そして、表示部13は、表示処理結果を閲覧者端末3に送信する。
【0035】
<ユーザ情報の格納>
また、記憶部11は、ユーザの情報を格納する。図2は、ユーザ情報の一例を示す図である。本実施形態では、ユーザ情報は、ユーザID、プラン、会社名、ライセンス情報または投資家区分情報、コネクト情報、関連情報を含んでいる。本実施形態においてプランとは、ユーザが投資運用に関する情報等の投稿が可能になるManagerプランと、ユーザが投資運用に関する情報等が閲覧可能情報になるInvestorプランと、のどちらかを示す情報である。
【0036】
本実施形態において、会社名、および、関連情報は、投稿者端末2または閲覧者端末3からの入力によって登録される。以下、投稿者端末2および閲覧者端末3を総称してユーザ端末と呼ぶ。図3は、ユーザのアカウント設定画面W1の表示例である。本実施形態において、アカウント設定画面W1は、プロフィール設定欄W11および提供情報カテゴリ設定欄W12を含んでいる。
【0037】
プロフィール設定欄W11は、プロフィール情報入力欄W13を含んでいる。本実施形態において、プロフィール情報入力欄W13は、ユーザの氏名、会社名を少なくとも含み、記憶部11は、ユーザ端末から各情報を受け付け、ユーザごとにユーザ情報として格納する。
【0038】
提供情報カテゴリ設定欄W12は、ユーザが閲覧したい提供情報のカテゴリに関する情報を選択する欄であって、カテゴリ選択欄W14およびサブカテゴリ選択欄W15を含んでいる。本実施形態においてカテゴリ選択欄W14とサブカテゴリ選択欄W15はそれぞれ、提供情報のカテゴリとサブカテゴリを含み、記憶部11は、ユーザ端末から受け付けたカテゴリおよびサブカテゴリをユーザ情報における関連情報として格納する。
【0039】
より具体的に、例えば図3では、カテゴリ選択欄W14のEquityの項目が選択されることによって、Equityのカテゴリに含まれるサブカテゴリ選択欄W15が表示されている。そして、サブカテゴリ選択欄W15のEquity、European Equityが選択されることによって、当該選択されたカテゴリまたはサブカテゴリが提供情報カテゴリ設定欄W12下部に表示される。提供情報カテゴリ設定欄W12下部に表示された各カテゴリは、それぞれ×印を選択することにより消去が可能である。なお、ここで選択された提供情報のカテゴリがユーザの興味のある情報のカテゴリと判定され、当該選択されたカテゴリ、および後述の投稿情報のカテゴリの一致度合に応じて、閲覧可能な投稿情報の順位付けが行われる。
【0040】
本実施形態において、ライセンス情報または投資家区分情報とは、金融取引商法によって定められる、第一種金融商品取引業、第二種金融商品取引業、投資運用等の金融商品取引業を行うために登録が必要な免許等の有無を示す情報である。より具体的に、ライセンス情報は、例えば第一種金融商品取引業、第二種金融商品取引業、投資運用業等の金融商品取引業を含む各種の登録の有無を含み、投資家区分情報は、一般投資家、適格投資家、適格機関投資家等の区分を含む。なお、ライセンス情報および投資家区分は、金融商品取引法によって定められた免許であれば良く、他にも例えば投資助言代理業、第一種金融商品取引業、または、第二種金融商品取引業等が、含まれていても良い。なお、ライセンス情報または投資家区分情報は、記憶部11において記憶せず、会社名等に基づいて金融庁等が提供する外部のデータベースを参照して利用する形態としてもよい。
【0041】
本実施形態において、コネクト情報とは、ユーザに関係する他のユーザのユーザIDを示す情報である。本実施形態において、記憶部11は、サービスへ招待したユーザと、サービスへ招待されたユーザと、について、コネクト情報として相手のユーザIDを相互に登録することで、関係のあるユーザ同士を紐づける。また、記憶部11は、サービスへ参加しているユーザから他のユーザへ送信したコネクト申請が、当該他のユーザによって承認された場合に当該コネクト申請をしたユーザと、当該友達申請を承認したユーザと、についても同様にコネクト情報として登録することで、友達として承認されたユーザ同士を紐づける。
【0042】
例えば図2において、ユーザID1001のユーザおよびユーザID1005のユーザが、それぞれ招待者および被招待者として紐付されて格納されている。より具体的には、IDが1001であるユーザが、サービスへユーザを招待する。そして、記憶部11は、当該招待されたユーザに対して1005のユーザIDを付与し、ユーザID1001のユーザ情報におけるコネクト情報として、「1005」のユーザIDと、自身が招待者であること(または1005のユーザが被招待者であること)を示す情報と、を格納することで、ユーザID1005のユーザを、当該ユーザID1001のユーザの被招待者としてユーザID1001のユーザと紐づける。
【0043】
また、図2において、ユーザID1004のユーザおよびユーザID1005のユーザがコネクトとして紐付されて格納されている。ユーザID1005のユーザからユーザID1004のユーザへコネクト申請がされると、ユーザID1004のユーザ端末にユーザID1005のユーザからコネクト申請がされたことが表示される。そして、ユーザID1004のユーザから当該コネクト申請が承認されると、記憶部11は、ユーザID1004のユーザおよびユーザID1005のユーザを、コネクトとして紐づけて格納する。また、本実施形態において、記憶部11は、コネクト申請が承認されていない場合には、当該コネクト申請をしたユーザを、当該コネクト申請をされたユーザのフォローとして紐づけて格納する。
【0044】
<提供情報の表示処理>
以下では、提供情報の表示処理の説明をする。ここで、金融商品取引法等の法令や規定では、商品の運用、販売、または商品への勧誘を行う場合には、特定のライセンスの登録が必要であることが記載されている。例えば、第一項有価証券について運用、販売や勧誘を行う場合には、第一種金融商品取引業、第二項有価証券について運用、販売や勧誘を行う場合には、第二種金融商品取引業、のライセンスの登録が必要である。
【0045】
本発明では、このような法令等に従った情報の提供を実現するために、処理部12は、提供情報を提供する投稿者のライセンス情報と、閲覧者のライセンス情報または投資家区分情報が特定の組み合わせである場合に、当該提供情報を当該閲覧者にのみ表示処理される閲覧可能情報として抽出する。そして、表示部13が抽出された閲覧可能情報を表示処理し、表示処理結果を当該閲覧者に送信する。
【0046】
本実施形態における特定の組み合わせとは、記憶部11に格納された種別情報に対応する条件によって決まる。条件は、各種別情報に対してそれぞれ多様に設定することが可能である。例えばある種別情報については、投稿者がライセンスを有することおよび閲覧者がライセンスを有することの両方を、提供情報を閲覧するための必須条件として設定してよく、また他の種別情報については、投稿者のライセンス情報に関する条件と閲覧者のライセンス情報に関する条件との何れかを満たすことを、当該種別情報を有する提供情報を閲覧するための条件としてもよい。例えば、種別情報として、投資一任契約に関する情報が提供された場合、対応する条件は、投稿者が投資運用業のライセンスを持っている場合と、閲覧者が投資運用業のライセンス持っているまたは適格機関投資家に属する場合と、である。
【0047】
そして、処理部12は、当該条件を満たす投稿者および閲覧者において、当該投稿者が提供する提供情報を当該閲覧者の閲覧可能情報として抽出する。具体的に、一例として例えば、投資一任契約に関する情報であることを示す種別情報を含む提供情報について閲覧可能情報を抽出する場合について以下に説明する。
【0048】
この場合、処理部12は、投稿者のユーザ情報のライセンス情報から投資運用業のライセンスを持っているかどうかを判断する。そして、当該投稿者が投資運用業のライセンスを持っている場合には、閲覧者のライセンス情報または投資家区分情報に関わらず、当該投稿者が提供する投資一任契約に関する提供情報を、当該閲覧者の閲覧可能情報として抽出する。一方、処理部12は、当該投稿者が投資運用業のライセンスを持っていない場合には、閲覧者のユーザ情報から投資運用業等のライセンスを持っているかどうかを閲覧者ごとに判断する。そして、処理部12は、当該閲覧者が投資運用業のライセンスを持っている場合のみ、当該投稿者が提供する提供情報を、当該閲覧者の閲覧可能情報として抽出する。
【0049】
<投稿情報表示フロー>
以下、投稿者から提供される提供情報のうち投稿情報が閲覧者端末3に表示されるまでの処理を説明する。図4は、本実施形態における投稿情報の表示処理の一例を示すフローチャートである。なお、以下に説明するフローチャートは一例であって、処理順序は任意に変更可能である。
【0050】
まず、ステップS11(以降、単にS11と呼称する)では、投稿情報を閲覧可能とする閲覧者の条件の選択を受け付ける。具体的に、閲覧者の条件として、すべてのユーザ、招待者およびコネクト・フォローのみ、機関投資家のみ、および投資運用会社のみ、が含まれる。そして、処理部12は、選択された条件を満たす(S11でYes)閲覧者を抽出し、更に、抽出された閲覧者に対して、以下の閲覧可能情報を抽出する処理を実行する。
【0051】
ステップS12では、投稿者によって投稿された投稿情報の種別情報が金融商品または投資戦略に関する情報であるかどうかを判断する。ここで、本実施形態の投稿情報に関する種別情報としては、例えば、投資一任契約に関する情報と、自社ファンドに関する情報と、挨拶文または日常のコメント等と、の種類が一例として挙げられるが、何種類の種別情報が存在していてもよい。なお、投稿情報に関する種別情報は事前に設定されたものであって、いくつか設定されていても良い。
【0052】
種別情報についてはそれぞれ対応する条件が記憶されており、続くステップS13において対応する条件を満たすか否かの判断が行われる。一方挨拶文等の情報の種別情報には特に対応する条件は記憶されていない(抽出された閲覧者全員が閲覧可能)。そして、処理部12は、選択された種別情報が挨拶文等であって、閲覧者情報および投稿情報の条件とは関係なく表示可能と判断した場合(S12でNo)には、S11で抽出した閲覧者の閲覧者情報に関わらず、投稿情報を当該抽出された全ての閲覧者の閲覧可能情報として抽出する。
【0053】
次に、S13(S12でYes)では、処理部12は、種別情報に対応する条件を参照し、当該条件を満たす閲覧者の閲覧可能情報として、投稿情報を抽出する。そして、S14では、当該抽出された投稿情報と、当該条件を満たす閲覧者情報と、に基づいて、当該抽出された投稿情報を順位付けし、表示処理される。なお、閲覧者の条件および種別情報の条件を満たさない閲覧者(S11またはS13でNo)に対しては、投稿情報は表示処理されない。
【0054】
<商品情報表示フロー>
次に、投稿者から提供される提供情報のうち商品情報が閲覧者端末3に表示されるまでの処理を説明する。図5は、商品情報の表示処理の一例を示すフローチャートである。なお、以下に説明するフローチャートは一例であって、処理順序は任意に変更可能である。
【0055】
まず、S21において、閲覧者から検索条件として商品情報のカテゴリ、商品情報名等の選択を受け付ける。図6は、閲覧者端末3における商品情報を検索する商品情報検索画面W2の表示例である。商品情報検索画面W2は、商品情報名として戦略名および会社名と、商品情報のカテゴリとしてアセットクラスおよび地域と、を少なくとも含んでいる。そして、商品情報検索画面W2において選択された商品名やカテゴリ等を、検索条件として受け付ける。そして、処理部12は、受け付けた検索条件を満たす(S21でYes)商品情報を抽出する。
【0056】
次に、S22では、商品情報ステータスが承認済みとなっているかどうかを判断する。具体的には、処理部12は、S21で抽出された商品情報のうち、商品情報ステータスが承認済みとなっている商品情報を抽出する。そして、処理部12は、更に、抽出された商品情報に対して、以下の閲覧可能情報を抽出する処理を実行する。
【0057】
次に、S23では、投稿情報の種別情報に対応する条件に基づいて投稿情報を抽出する処理(S13)と同様な処理によって、S21~S22において抽出された商品情報を更に絞り込む(S23でYes)。そして、S24では、当該検索条件および種別情報の条件によって抽出された商品情報を検索結果として、表示処理する。なお、検索条件または種別情報の条件を満たさない商品情報(S21~S23でNo)は、表示処理されない。
【0058】
<投稿情報の格納>
以下では、本実施形態における画面の表示例について説明する。図7は、投稿者が投稿情報を入力するための投稿情報作成画面W3の表示例である。投稿情報作成画面W3は、投稿内容のテキストデータを入力する投稿欄W31、閲覧可能な閲覧者の条件を選択する欄としてターゲット選択欄W32、および、投稿情報の種類の選択欄として種別情報選択欄W33を含んでいる。投稿者端末2において、ターゲット選択欄W32が選択されると、プルダウンメニューの選択肢として、全てのユーザ、招待者およびコネクト・フォローのみ、機関投資家のみ、および投資運用会社のみ、が表示され選択肢の選択を受け付ける。
【0059】
また本実施形態では、投稿者端末2において、種別情報選択欄W33が選択されると、プルダウンメニューの選択肢には、種別情報として、金融商品に関する情報および投資戦略に関する情報、その他が含まれる。ここで、その他とは、金融商品情報および投資戦略情報以外の情報のことであり、例えば、挨拶文等が該当する。そして、記憶部11は、選択された種別情報を投稿欄W31に入力されたテキストデータと紐づけて格納する。
【0060】
別の実施形態では、投稿者から種別情報の選択を受け付ける代わりに、投稿欄W31に入力されたテキストデータに基づき、テキストの特徴量を出力する学習モデルを用いて種別情報の推定を行って登録してもよい。学習モデルは、テキストデータを入力とし、それに対応する種別情報を教師データとして学習を行うことによって作成される。学習モデルの構成としては、例えば、一つ前の単語の入力による出力を次の単語の入力による出力に反映することで、単語の前後関係を考慮してテキストデータの特徴量を推定し、当該特徴量に基づいて種別情報のうち最も確からしいものを種別情報と推定する学習モデルを用いる(いわゆるRNN(Recurrent Neural Network))。
【0061】
より具体的には、入力文章のj番目の単語をT_jとし(j=1、・・・、N;Nは単語数)、教師データの文章に含まれる単語T_jの出力を計算する場合、ひとつ前の単語であるT_(j-1)の出力に重みwを掛け算して加算することで、T_jの出力にT_(j-1)の出力を反映する。これを繰り返し、最終的にT_Nの入力によって得られるテキストデータの特徴量により、正解の分類が推定されるように、正解を示す特徴量との誤差を最適化するように重みwを学習することで、学習モデルを作成する。そして、この学習モデルを用いて、テキストデータの入力からテキストデータの特徴量を推定する。なお、テキストデータが長い場合には、RNNモデルの代わりに、複数のゲートを含む、LSTMモデルや、GRUモデル等の学習モデルを用いても良い。
【0062】
また、他の学習モデルとして、例えばBag of wordsモデルを用いて、テキストデータの特徴量を推定することもできる。より具体的には、投稿欄W31に入力されたテキストデータに含まれる単語のデータについて、それぞれの単語ごとに出現頻度をカウントし、最も出現頻度のカウントが多い単語データを、テキストデータの特徴量とし、当該特徴量を分類器モデル、例えば、SVM(Support Vector Machine)、クラスタリング等、に入力することでテキストデータの種別情報を推定する。
【0063】
種別情報選択欄W33の選択肢のうち投資戦略に関する情報が選択されると、オプション選択欄W34が表示される。オプション選択欄W34は、各項目として、アセットクラスカテゴリ、アセットクラスサブカテゴリ、およびアセットクラスに関する地域を選択可能に表示されている。ここで、カテゴリ、サブカテゴリおよびアセットクラスに関する地域は、アカウント設定画面W1において選択できる提供情報のカテゴリおよび地域である。そして、記憶部11は、選択された各項目と、投稿欄W31に入力されたテキストデータと、を紐づけて、投稿情報として格納する。
【0064】
また、別の実施形態において記憶部11は、種別情報の推定と同様に、RNN等の学習モデルを用いて、投稿欄W31のテキストデータからアセットクラスカテゴリおよびアセットクラスサブカテゴリを推定し、投稿情報のカテゴリとし、投稿情報のテキストデータと紐づけて格納しても良い。この場合、学習モデルの教師データとしては、テキストデータおよびそれに対応するカテゴリが想定される。例えば、「最近では穀物が豊作だから、トウモロコシや大豆などの穀物といったようなものに投資をしたい」というテキストデータを含む投稿情報が投稿欄W31に入力された場合、RNNモデルを用いて、「穀物」「トウモロコシ」「大豆」という単語から、投稿情報のカテゴリがコモディティであることを推定する。
【0065】
<投稿情報の順位付け>
処理部12は、ユーザ情報のライセンス情報または投資家区分情報、および、投稿情報を閲覧可能とする閲覧者の条件に基づいて抽出された閲覧可能な投稿情報を、閲覧者のユーザ情報と、投稿者のコネクト情報または投稿情報のカテゴリと、の関連性の高さおよび投稿順序の指標に基づいて、順位付けを行う。本実施形態において、閲覧者のユーザ情報と、投稿者のユーザ情報または投稿情報のカテゴリと、の関連性の高さの指標とはそれぞれ、ユーザ情報の関連情報および投稿情報のカテゴリの一致度合、投稿情報を投稿した投稿者および当該投稿情報を閲覧する閲覧者のコネクト情報、のことである。
【0066】
より具体的に処理部12は、例えば、種別情報として投資戦略情報が選択された場合であって、ユーザ情報の関連情報に含まれる情報と、オプション選択欄W34において選択された複数のカテゴリと、がすべて一致する場合には5点、所定の数以上のカテゴリが一致する場合には3点、の点数を一致度合の指標とする。また、処理部12は、投稿情報を投稿した投稿者および当該投稿情報を閲覧した閲覧者のコネクト情報に基づいて、当該投稿者および閲覧者が招待者・被招待者である場合には3点、コネクト・フォローである場合には2点、の点数をコネクションの指標とする。また、処理部12は、投稿時期が閲覧時期に近いほど高くなる点数を投稿順序の指標とする。そして、処理部12は、一致度合およびコネクションの指標を総合した関連性および投稿順序の指標を投稿情報ごとに計算し、これらの指標の合計が高い順に、投稿情報の順位付けを行う。なお、ユーザ情報の関連情報および、投稿情報のカテゴリが似たカテゴリである場合にも加点して良い。
【0067】
表示部13は、順位付けされた閲覧可能な投稿情報を、順位が高いほどユーザの目に入りやすいような位置に、投稿情報を配置する表示処理をし、表示処理結果を閲覧者端末3に送信する。目に入りやすい位置とは、例えば、サービスの画面を開いた際に最初に表示される画面等のことである。なお、表示部13は、関連性の高い順に、所定の順位まで、例えば順位が3位までの投稿情報を表示処理しても良い。
【0068】
図8は、ユーザ端末における投稿情報が表示されるホーム画面W4の表示例である。本実施形態において、ホーム画面W4は、投稿情報作成欄W41、および投稿情報一覧W42を含んでいる。
【0069】
表示部13は、投稿情報作成欄W41が選択されると、投稿情報を作成する投稿情報作成画面W3を、ホーム画面W4に重ねて表示処理する。そして、投稿情報作成画面W3において各種の情報の項目が選択され、投稿ボタンが押下され、投稿された投稿情報のうち、処理部12によって、抽出された投稿情報が他の閲覧者端末3の投稿情報一覧W42に表示される。
【0070】
<商品情報の格納>
図9は、投稿者が提供する商品情報を登録する商品情報登録画面W5の表示例を示す図である。商品情報登録画面W5は、商品テキストデータ入力欄W51、および商品カテゴリ選択欄W52、商品情報コンテンツW53、商品情報ステータスW54を含んでいる。商品テキストデータ入力欄W51においては、商品名と、商品の内容の要約および詳細と、のテキストデータが入力される。また、商品カテゴリ選択欄W52においては、商品のアセットクラスカテゴリ、アセットクラスサブカテゴリ、および地域が選択される。また、商品情報内容W53には、パフォーマンスの数値データ、説明資料ファイル、または説明動画ファイル等が、が入力される。また、商品情報ステータスW54には、商品情報のステータス情報が表示される。図9では、ステータス情報が承認済みとなっており、登録された商品情報のうち、ステータス情報が承認済みとなっている商品情報のみが閲覧可能情報となって、閲覧者端末3に表示される。
【0071】
そして、本実施形態において記憶部11は、入力または選択された、商品テキストデータと、カテゴリと、地域と、商品情報コンテンツと、商品情報ステータスと、を紐づけて商品情報として格納する。ここで、カテゴリおよび地域は、アカウント設定画面W1において設定された提供情報のカテゴリおよび地域である。
【0072】
以上のように、適切なライセンスを持っている閲覧者のみが、投稿者である投資運用会社によって提供された、投稿情報および商品情報を閲覧可能にすることによって、金融商品取引法を遵守しながら、SNSのアルゴリズムを用いて、能動的に投資運用の勧誘や、投資運用の情報提供を可能にすることができる
【符号の説明】
【0073】
1 情報提供装置
2 投稿者端末
3 閲覧者端末
11 記憶部
12 処理部
13 表示部
21 出力部
22 入力部
31 出力部
32 入力部
NW ネットワーク
W1 アカウント設定画面
W11 プロフィール設定欄
W12 提供情報カテゴリ設定欄
W13 プロフィール情報入力欄
W14 カテゴリ選択欄
W15 サブカテゴリ選択欄
W2 商品情報検索画面
W3 投稿情報作成画面
W31 投稿欄
W32 ターゲット選択欄
W33 種別情報選択欄
W34 オプション選択欄
W4 ホーム画面
W41 投稿情報作成欄
W42 投稿情報一覧
W5 商品情報登録画面
W51 商品テキストデータ入力欄
W52 商品カテゴリ選択欄
W53 商品情報コンテンツ
W54 商品情報ステータス
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9