(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023051498
(43)【公開日】2023-04-11
(54)【発明の名称】電磁継電器
(51)【国際特許分類】
H01H 50/02 20060101AFI20230404BHJP
H01H 50/04 20060101ALI20230404BHJP
【FI】
H01H50/02 K
H01H50/04 U
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021162223
(22)【出願日】2021-09-30
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002527
【氏名又は名称】弁理士法人北斗特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】西村 壮太
(57)【要約】
【課題】接点装置に電気的に接続されている導電部品とコイルとの間の絶縁距離の増加を図る。
【解決手段】ボビン22の上鍔部62は、第2軸A2に沿った第1辺に設けられる第1壁部64と、第2軸A2に沿った第2辺に設けられ、第3軸A3において第1壁部64と対向する第2壁部65と、を備える。第1壁部64は、第1軸に沿って凹んだ第1凹部643を有する。第2壁部65は、第1軸に沿って凹んだ第2凹部653を有する。ケース9は、第3軸A3において少なくとも一部が第1壁部64と対向する第1突条部961と、第1突条部961とつながっており、少なくとも一部が第1凹部643に挿入される第1接続部962と、を備える。ケース9は、第3軸A3において少なくとも一部が第2壁部65と対向する第2突条部971と、第2突条部971とつながっており、少なくとも一部が第2凹部653に挿入される第2接続部972と、を備える。
【選択図】
図15
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コイルと、
前記コイルが巻回されるボビンと、
前記ボビンに、第1軸に沿って上下に挿通される鉄心と、
固定接点を有する固定接点部と、
前記固定接点と前記第1軸に沿って対向する可動接点を有し、前記コイルの励磁と非励磁との切り替えに応じて、前記可動接点が前記固定接点に接触する閉位置と前記可動接点が前記固定接点から離れる開位置との間で移動する可動ばねと、
前記コイル、前記ボビン、前記固定接点、及び前記可動接点を内部に収容するケースと、
を備え、
前記固定接点部及び前記可動ばねと電気的に接続される主電路部品のうちの少なくとも一部が、前記ボビンの上方に配置され、
前記ボビンは、
前記コイルが巻回される本体部と、
前記本体部の上部に設けられる上鍔部と、
を備え、
前記上鍔部は、
前記第1軸と交差する第2軸に沿った第1辺に設けられる第1壁部と、
前記第2軸に沿った第2辺に設けられ、前記第1軸及び前記第2軸と交差する第3軸において前記第1壁部と対向する第2壁部と、
を備え、
前記第1壁部は、前記第1軸に沿って凹んだ第1凹部を有し、
前記第2壁部は、前記第1軸に沿って凹んだ第2凹部を有し、
前記ケースは、
前記ケースの外郭を構成するケース本体と、
前記第3軸において少なくとも一部が前記第1壁部と対向する第1突条部と、
前記第1突条部とつながっており、少なくとも一部が前記第1凹部に挿入される第1接続部と、
前記第3軸において少なくとも一部が前記第2壁部と対向する第2突条部と、
前記第2突条部とつながっており、少なくとも一部が前記第2凹部に挿入される第2接続部と、
を備える、
電磁継電器。
【請求項2】
前記固定接点部と前記コイルとの間に配置された絶縁部材を更に備える、
請求項1に記載の電磁継電器。
【請求項3】
前記絶縁部材は、前記第1軸に沿った絶縁壁部を備える、
請求項2に記載の電磁継電器。
【請求項4】
前記絶縁壁部は、前記第2軸において前記固定接点と前記コイルの中心との間にある、
請求項3に記載の電磁継電器。
【請求項5】
前記第1壁部は、前記第1凹部として、前記第2軸における前記第1壁部の両端に位置する2つの第1凹部を有し、
前記第2壁部は、前記第2凹部として、前記第2軸における前記第2壁部の両端に位置する2つの第2凹部を有する、
請求項1~4のいずれか1項に記載の電磁継電器。
【請求項6】
前記ケースは、
前記第1接続部として、前記2つの第1凹部にそれぞれ挿入される2つの第1接続部を備え、
前記第2接続部として、前記2つの第2凹部にそれぞれ挿入される2つの第2接続部を備え、
前記ケース本体、前記2つの第1接続部、及び前記第1突条部によって、前記第1壁部が差し込まれる第1凹所が形成され、
前記ケース本体、前記2つの第2接続部、及び前記第2突条部によって、前記第2壁部が差し込まれる第2凹所が形成される、
請求項5に記載の電磁継電器。
【請求項7】
前記第1壁部と前記第2壁部とは、上面視において非対称である、
請求項1~6のいずれか1項に記載の電磁継電器。
【請求項8】
前記ボビンは、前記上鍔部に、前記第3軸に沿って延びる第3壁部を更に備える、
請求項1~7のいずれか1項に記載の電磁継電器。
【請求項9】
前記固定接点及び前記可動接点は、前記ボビンの上方に設けられている、
請求項1~8のいずれか1項に記載の電磁継電器。
【請求項10】
前記ケースの前記第1突条部の下端は、前記鉄心の上面よりも下側に位置し、
前記ボビンの前記第1壁部の上端は、前記鉄心の上面よりも上側に位置する、
請求項1~9のいずれか1項に記載の電磁継電器。
【請求項11】
前記第1突条部の下端は、前記第1軸において前記ボビンの前記上鍔部の上面に接触し、
前記第1壁部の上端は、前記第1軸において前記ケースから離れている、
請求項1~10のいずれか1項に記載の電磁継電器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に、電磁継電器に関し、より詳細には、固定接点と可動接点とを含む接点装置と、コイルを含む電磁石装置と、を備える電磁継電器に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、電磁継電器が開示されている。この電磁継電器は、電磁継電本体と、電磁継電本体を被装するカバーとから構成されている。電磁継電本体は、コイルを有し該コイルに流れる電流によって揺動する可動接点ばねを備える電磁ブロックと、固定接点をそれぞれ有する2個の固定接点端子と、2つの可動接点当接部を有するバックストップと、電磁ブロックおよび固定接点端子およびバックストップを保持するベースブロックと、から構成されている。
【0003】
電磁ブロックのヨークは、略L字状に形成され、そのベースブロックの基底部に平行に設置される長辺側の先端が二股となるように形成されている。電磁ブロックの可動接点ばねは、弾性変形可能に略L字形状に折り曲げ形成された導通性を有する帯板部材であり、その一辺の中途域の内側に磁力によって吸引される板状のアマチュアが固着されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
電磁継電器では、接点装置に電気的に接続されている導電部品とコイルとの間の絶縁距離を増加させることが望まれる場合がある。
【0006】
本開示の目的は、接点装置に電気的に接続されている導電部品とコイルとの間の絶縁距離の増加を図ることが可能な電磁継電器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一態様の電磁継電器は、コイルと、ボビンと、鉄心と、固定接点部と、可動ばねと、ケースと、を備える。前記ボビンには、前記コイルが巻回される。前記鉄心は、前記ボビンに、第1軸に沿って上下に挿通される。前記固定接点部は、固定接点を有する。前記可動ばねは、前記固定接点と前記第1軸に沿って対向する可動接点を有する。前記可動ばねは、前記コイルの励磁と非励磁との切り替えに応じて、前記可動接点が前記固定接点に接触する閉位置と前記可動接点が前記固定接点から離れる開位置との間で移動する。前記ケースは、前記コイル、前記ボビン、前記固定接点、及び前記可動接点を内部に収容する。前記固定接点部及び前記可動ばねと電気的に接続される主電路部品のうちの少なくとも一部が、前記ボビンの上方に配置される。前記ボビンは、前記コイルが巻回される本体部と、前記本体部の上部に設けられる上鍔部と、を備える。前記上鍔部は、前記第1軸と交差する第2軸に沿った第1辺に設けられる第1壁部と、前記第2軸に沿った第2辺に設けられ、前記第1軸及び前記第2軸と交差する第3軸において前記第1壁部と対向する第2壁部と、を備える。前記第1壁部は、前記第1軸に沿って凹んだ第1凹部を有する。前記第2壁部は、前記第1軸に沿って凹んだ第2凹部を有する。前記ケースは、前記ケースの外郭を構成するケース本体を備える。前記ケースは、前記第3軸において少なくとも一部が前記第1壁部と対向する第1突条部と、前記第1突条部とつながっており、少なくとも一部が前記第1凹部に挿入される第1接続部と、を備える。前記ケースは、前記第3軸において少なくとも一部が前記第2壁部と対向する第2突条部と、前記第2突条部とつながっており、少なくとも一部が前記第2凹部に挿入される第2接続部と、を備える。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、接点装置に電気的に接続されている導電部品とコイルとの間の絶縁距離の増加を図ることが可能な電磁継電器を提供することが可能となる、という利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、実施形態の電磁継電器の斜視図である。
【
図2】
図2は、同上の電磁継電器の分解斜視図である。
【
図3】
図3は、同上の電磁継電器が備えるリレー本体の分解斜視図である。
【
図4】
図4は、同上のリレー本体が備える本体ブロックの分解斜視図である。
【
図5】
図5は、同上の本体ブロックが備える電磁石ブロックの分解斜視図である。
【
図6】
図6は、同上の電磁石ブロックが備えるボビンの上面図である。
【
図8】
図8は、同上の電磁石ブロックが備える絶縁部材の斜視図である。
【
図9】
図9は、同上の電磁石ブロックの断面図である。
【
図11】
図11は、同上の本体ブロックが備える可動ブロックの分解斜視図である。
【
図12】
図12は、同上のリレー本体が備える固定ブロックの分解斜視図である。
【
図13】
図13は、同上の固定ブロックが備える保持台の斜視図である。
【
図14】
図14は、同上の電磁継電器が備えるケースの斜視図である。
【
図17】
図17は、変形例1の電磁継電器が備えるボビンの上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本開示の実施形態の電磁継電器について、図面を用いて説明する。下記の実施形態において説明する各図は、模式的な図であり、図中の各構成要素の大きさ及び厚さそれぞれの比が必ずしも実際の寸法比を反映しているとは限らない。
【0011】
(1)概要
本実施形態の電磁継電器100は、
図2~
図6、
図10、
図15に示すように、コイル21と、ボビン22と、鉄心23と、固定接点部400と、可動ばね31と、ケース9と、を備える。ボビン22には、コイル21が巻回される。鉄心23は、ボビン22に、第1軸A1に沿って上下に挿通される。固定接点部400は、固定接点F1を有する。可動ばね31は、固定接点F1と第1軸A1に沿って対向する可動接点M1を有する。可動ばね31は、コイル21の励磁と非励磁との切り替えに応じて、可動接点M1が固定接点F1に接触する閉位置と可動接点M1が固定接点F1から離れる開位置との間で移動する。ケース9は、コイル21、ボビン22、固定接点F1、及び可動接点M1を内部に収容する。固定接点部400及び可動ばね31と電気的に接続される主電路部品のうちの少なくとも一部が、ボビン22の上方に配置される。ボビン22は、コイル21が巻回される本体部61と、本体部61の上部に設けられる上鍔部62と、を備える。上鍔部62は、第1軸A1と交差する第2軸A2に沿った第1辺に設けられる第1壁部64と、第2軸A2に沿った第2辺に設けられ、第1軸A1及び第2軸A2と交差する第3軸A3において第1壁部64と対向する第2壁部65と、を備える。第1壁部64は、第1軸A1に沿って凹んだ第1凹部643を有する。第2壁部65は、第1軸A1に沿って凹んだ第2凹部653を有する。ケース9は、ケース9の外郭を構成するケース本体90を備える。ケース9は、第3軸A3において少なくとも一部が第1壁部64と対向する第1突条部961と、第1突条部961とつながっており、少なくとも一部が第1凹部643に挿入される第1接続部962と、を備える。ケース9は、第3軸A3において少なくとも一部が第2壁部65と対向する第2突条部971と、第2突条部971とつながっており、少なくとも一部が第2凹部653に挿入される第2接続部972と、を備える。
【0012】
本実施形態の電磁継電器100では、ボビン22の上鍔部62の第1壁部64の第1凹部643に、ケース9の第1接続部962が挿入され、ケース9の第1突条部961が第1壁部64と対向する。また、電磁継電器100では、ボビン22の上鍔部62の第2壁部65の第2凹部653に、ケース9の第2接続部972が挿入され、ケース9の第2突条部971が第2壁部65と対向する。そのため、第1突条部961及び第1壁部64(或いは、第2突条部971及び第2壁部65)によって、固定接点部400及び可動ばね31と、コイル21と、の間の絶縁距離の増加を図ることが可能となる。これにより、本実施形態の電磁継電器100では、可動接点M1と固定接点F1とを含む接点装置に電気的に接続されている導電部品とコイル21との間の絶縁距離の増加を図ることが可能となる。
【0013】
また、本実施形態の電磁継電器100では、第1壁部64の第1凹部643とケース9の第1接続部962、及び/又は第2壁部65の第2凹部653とケース9の第2接続部972によって、ボビン22に対するケース9の位置決めを行うことが可能となる。
【0014】
また、本実施形態の電磁継電器100では、外部からの衝撃により接極子33が過度に移動するのを抑制することが可能となり、接極子33に固定された可動ばね31の変形を抑制することが可能となる。
【0015】
(2)詳細
以下、本実施形態の電磁継電器100について、図面を参照して詳細に説明する。
【0016】
電磁継電器100は、いわゆるヒンジ型リレーである。電磁継電器100は、可動接点M1と固定接点F1とを含む接点装置と、コイル21と、を備えている。接点装置に電気的に接続される導電部品と、コイル21に電気的に接続される導電部品とは、電気的に絶縁されている。
【0017】
電磁継電器100は、例えば電気自動車に搭載される。電磁継電器100は、例えば、電気自動車のチャージングケーブルの電路をオンオフする用途に用いられる。接点装置は、チャージングケーブルの電路に挿入される。
【0018】
図1、
図2に示すように、電磁継電器100は、リレー本体1と、ケース9と、を備えている。
【0019】
図2~
図4に示すように、リレー本体1は、複数のブロックを結合して構成される。リレー本体1は、電磁石ブロック2と、可動ブロック3と、固定ブロック4と、を備えており、これらが結合して構成される。以下では、電磁石ブロック2に可動ブロック3を結合したものを、本体ブロック10(
図3参照)ということがある。
【0020】
図3、
図4に示すように、本体ブロック10は、コイル21と、コイル21の内部に挿入される鉄心23と、接極子33と、を備えている。
【0021】
以下では、鉄心23が沿って延びる仮想軸を第1軸A1ともいう。接極子33は、第1軸A1に沿って鉄心23と並んでいる。また、本体ブロック10と固定ブロック4とが沿って並ぶ仮想軸を第2軸A2ともいう。第2軸A2は第1軸A1と交差し、ここでは直交する。また、第1軸A1及び第2軸A2の両方と交差する仮想軸を第3軸A3ともいう。ここでは、第3軸A3は、第1軸A1及び第2軸A2の両方と直交する。また、第1軸A1において、鉄心23から見て接極子33が位置する側を「上」、第1軸A1において、接極子33から見て鉄心23が位置する側を「下」ともいう。また、第2軸A2において、本体ブロック10から見て固定ブロック4が位置する側を「左」、第2軸A2において、固定ブロック4から見て本体ブロック10が位置する側を「右」ともいう。また、第3軸A3における両側をそれぞれ「前」、「後」ともいう。
【0022】
また、本開示では、「上面視」とは、第1軸A1に沿って上方から見ることをいい、「側面視」とは、第2軸A2に沿って右方又は左方から見ることをいい、「正面視」とは、第3軸A3に沿って前方からみることをいう。
【0023】
図3に示すように、固定ブロック4は、第2軸A2に沿って左側から本体ブロック10に組み付けられて、本体ブロック10に固定される。なお、本開示において「固定される」とは、嵌合等によって着脱可能に固定されることと、接着又は溶着等によって着脱不可能に固定されることと、の両方の意味を含み得る。
【0024】
(2.1)電磁石ブロック
図4、
図5に示すように、電磁石ブロック2は、コイル21と、ボビン22と、鉄心23と、絶縁部材24と、継鉄25と、2つのコイル端子26と、を備えている。
【0025】
図5に示すように、ボビン22は、本体部61と、本体部61の上部に設けられる上鍔部62と、本体部61の下部に設けられる下鍔部63と、を有している。本体部61、上鍔部62、及び下鍔部63は、電気絶縁性を有する合成樹脂の成形体として一体に形成されている。
【0026】
本体部61は、その軸が第1軸A1に沿った中空の円筒状である。本体部61に、コイル21が巻回される。コイル21の軸(コイル21の巻線が巻回される仮想軸)は、本体部61の軸と略一致する。
【0027】
図5、
図6に示すように、上鍔部62は、上面視略矩形の板状の上鍔本体621を備えている。上鍔本体621は、その中央よりも左側の位置に、本体部61の内部空間とつながる円形状の孔622を有している。上鍔本体621の上面において孔622の周りには、上方に突出する円環状の支持台部623が設けられている。
【0028】
上鍔部62は、上鍔本体621の上面に、第1壁部64、第2壁部65、及び第3壁部66を備えている。
【0029】
第1壁部64は、上鍔本体621のうちで第2軸A2に沿った第1辺(前辺)に沿って設けられている。第1壁部64は、上鍔本体621の上面から上方に突出する。第1壁部64は、第2軸A2に沿って連続して形成されている。第1壁部64は、上鍔本体621の孔622の中心から第3軸A3に沿って前方に延ばした仮想線と重なる位置に、設けられている。
【0030】
第1壁部64は、上鍔本体621の上面に形成されている基部641と、基部641の上面に形成されている突リブ642と、を備える。基部641は、第2軸A2に沿って延在する略直方体状である。突リブ642は、第2軸A2に沿って延在する略突条状である。
【0031】
突リブ642の厚さ(第3軸A3に沿った寸法)は、基部641の厚さよりも薄い。基部641の前面(外側の面)と突リブ642の前面とは、面一である(同一平面状にある)。そのため、突リブ642の後面(内側の面)と基部641との間には、段差がある。
【0032】
突リブ642の長さ(第2軸A2に沿った寸法)は、基部641の長さよりも短い。第2軸A2において、突リブ642は、基部641の上面の略中央に位置している。そのため、突リブ642の左側面と基部641との間には、段差があり、突リブ642の右側面と基部641との間には、段差がある。基部641と突リブ642との間の段差に、凹部(第1凹部643)が形成される。このように、第1壁部64は、第1軸A1に沿って凹んだ第1凹部643を有している。第1壁部64は、第1凹部643として、第2軸A2における第1壁部64の両端(左端及び右端)に位置する2つの第1凹部643を有している。
【0033】
第2壁部65は、上鍔本体621のうちで第2軸A2に沿った第2辺(後辺)に沿って設けられている。第2壁部65は、上鍔本体621の上面から上方に突出する。第2壁部65は、第2軸A2に沿って連続して形成されている。第2壁部65は、上鍔本体621の孔622の中心から第3軸A3に沿って後方に延ばした仮想線と重なる位置に、設けられている。
【0034】
第2壁部65は、第3軸A3において、孔622を挟んで第1壁部64と対向する。上面視において、第1壁部64と第2壁部65とは対称である。
【0035】
第2壁部65は、上鍔本体621の上面に形成されている基部651と、基部651の上面に形成されている突リブ652と、を備える。基部651は、第2軸A2に沿って延在する略直方体状である。突リブ652は、第2軸A2に沿って延在する略突条状である。
【0036】
突リブ652の厚さ(第3軸A3に沿った寸法)は、基部651の厚さよりも薄い。基部651の後面(外側の面)と突リブ652の後面とは、面一である(同一平面状にある)。そのため、突リブ652の前面(内側の面)と基部651との間には、段差がある。
【0037】
突リブ652の長さ(第2軸A2に沿った寸法)は、基部651の長さよりも短い。第2軸A2において、突リブ652は、基部651の上面の略中央に位置している。そのため、突リブ652の左側面と基部651との間には、段差があり、突リブ652の右側面と基部651との間には、段差がある。基部651と突リブ652との間の段差に、凹部(第2凹部653)が形成される。このように、第2壁部65は、第1軸A1に沿って凹んだ第2凹部653を有している。第2壁部65は、第2凹部653として、第2軸A2における第2壁部65の両端(左端及び右端)に位置する2つの第2凹部653を有している。
【0038】
第3壁部66は、上鍔本体621の上面に、第3軸A3に沿って設けられている。第3壁部66は、上鍔本体621のうちで第3軸A3に沿った第3辺(左辺)に沿って設けられている。第3壁部66は、上鍔本体621の上面から上方に突出する。第3壁部66は、孔622よりも左側にある。
【0039】
第3壁部66は、第3軸A3に沿って延在する略直方体状である。第3壁部66の高さ(第1軸A1に沿った寸法)は、第1壁部64の基部641の高さと略等しく、第2壁部65の基部651の高さと略等しい。
【0040】
第3壁部66は、第1壁部64の第1端(左端)と第2壁部65の第1端(左端)との間をつないでいる。より詳細には、第3壁部66は、第1壁部64の基部641の第1端(左端)の後面と、第2壁部65の基部651の第1端(左端)の前面と、の間をつないでいる。第3壁部66は、第3軸A3に沿って連続して形成されている。上鍔部62では、第1壁部64と第2壁部65と第3壁部66とで、上面視C字状となっている。
【0041】
図5、
図6に示すように、上鍔部62は、突板部624と、保持突部625と、位置決め部626と、を更に備えている。
【0042】
突板部624は、上鍔本体621の第3辺(左片)から第2軸A2に沿って左方へ突出する板状である。突板部624は、上鍔本体621と同一面状にある。
【0043】
保持突部625は、突板部624の上面に設けられている。保持突部625は、突板部624の上面において前端近傍の位置で、第2軸A2に沿って延在するリブである。保持突部625の一端は、第3壁部66の左側面につながっている。
【0044】
位置決め部626は、上鍔本体621の上面に第3軸A3に沿って設けられている突部である。位置決め部626は、上鍔本体621のうちで第3軸A3に沿った第4辺(右辺)に沿って設けられている。位置決め部626の長さ(第3軸A3に沿った寸法)は、上鍔本体621の第4辺(右辺)の長さよりも短い。位置決め部626は、第3軸A3において、上鍔本体621の第4辺(右辺)の中央に設けられている。位置決め部626の第1端(前端)と第1壁部64の第2端(右端)とはつながっておらず、間に隙間がある。位置決め部626の第2端(後端)と第2壁部65の第2端(右端)とはつながっておらず、間に隙間がある。
【0045】
図5、
図7に示すように、下鍔部63は、上壁部631と、下壁部632と、前壁部633と、後壁部634と、左壁部635と、を備えている。下鍔部63は、中空の矩形箱状に形成されている。下鍔部63は、第2軸A2の一方側の側面(右側面)が開口している。すなわち、下鍔部63は、右側面に開口部630を備えている。
【0046】
上壁部631は、上面視略矩形の板状である。上壁部631は、その中央に、本体部61の内部空間と下鍔部63の内部空間とをつなぐ円形状の孔636を有している。
【0047】
下壁部632は、上面視略矩形の板状である。下壁部632は、その中央に、下鍔部63の内部空間と外部空間とをつなぐ円形状の孔637を有している。上面視において、下壁部632の孔637の中心は、上壁部631の孔636の中心と略一致する。
【0048】
下壁部632は上壁部631よりも長さ(第2軸A2に沿った寸法)が長い。上面視において、下壁部632の右端は、上壁部631の右端よりも右側に突出している。
【0049】
下壁部632の下面には、その左端において第3軸A3の中央に、下方に突出する係合突部638が設けられている。
【0050】
前壁部633及び後壁部634は、正面視略矩形の板状である。前壁部633は、上壁部631の前縁と下壁部632の前縁との間をつなぐ。後壁部634は、上壁部631の後縁と下壁部632の後縁との間をつなぐ。
【0051】
左壁部635は、側面視略矩形の板状である。左壁部635は、上壁部631の左縁と下壁部632の左縁との間をつなぐ。
【0052】
下鍔部63は、左端における第3軸A3の両端部(前端部及び後端部)に、2つのコイル端子26をそれぞれ取り付けるための2つの保持溝639を有している。保持溝639は、上壁部631、左壁部635、及び下壁部632にまたがって形成されている。
【0053】
図4、
図5に示すように、2つのコイル端子26は、下鍔部63の2つの保持溝639にそれぞれ挿入されて、下鍔部63に保持される。2つのコイル端子26のうちの一方は、コイル21の第1端に接続され、他方は、コイル21の第2端に接続される。
【0054】
図5に示すように、コイル端子26は、コイル21に接続される第1端子部261と、外部装置に接続される第2端子部262と、第1端子部261と第2端子部262との間をつなぐ連結部263と、を備える。第1端子部261は、下鍔部63の上壁部631から上方に突出する。第2端子部262は、下鍔部63の下壁部632から下方に突出する。
図1に示すように、第2端子部262は、ケース9から下方に露出する。
【0055】
図5に示すように、鉄心23は、円柱状に形成されている。鉄心23は、ボビン22に第1軸A1に沿って上下に挿入されている。鉄心23は、ボビン22の本体部61に挿入される。鉄心23は、第1軸A1における一端(上端)に、円板状の磁極部231を有している。
図4に示すように、磁極部231はボビン22の上方に露出している。磁極部231の下面は、ボビン22の上鍔部62の支持台部623に支持される。鉄心23は、その下端部に、相対的に径の小さな細径部232を有している。
【0056】
図4、
図5に示すように、コイル21は、ボビン22に巻回される。コイル21は、ボビン22の本体部61の周囲に巻回される。そのため、コイル21は、鉄心23の周りに巻回される。
【0057】
コイル21の第1端は、2つのコイル端子26のうちの一方に接続され、コイル21の第2端は、2つのコイル端子26のうちの他方に接続される。
【0058】
図5に示すように、継鉄25は、第1継鉄251と第2継鉄252とを備える。
【0059】
第1継鉄251は、第1軸A1に沿って延びる矩形の板状である。第2継鉄252は、第2軸A2に沿って延びる矩形の板状である。第1継鉄251の下端は、第2継鉄252の右端とつながっており、第1継鉄251と第2継鉄とで正面視逆L字状となっている。
【0060】
第1継鉄251は、その右面における第3軸A3の両端部(前端部及び後端部)に、可動ばね31を固定するための2つの固定突部253を有している。固定突部253は、例えば第1継鉄251の左面のうちで固定突部253に対応する部分を左側から右方に押し出すことで、形成され得る。
【0061】
第2継鉄252は、貫通孔254を有している。貫通孔254は、第1軸A1に沿って第2継鉄252を貫通する。
【0062】
図4、
図5に示すように、第1継鉄251は、コイル21の右側に配置される。第2継鉄252は、右側から、開口部630を通ってボビン22の下鍔部63の内部空間に差し込まれる。そして、第2継鉄252の貫通孔254に、鉄心23(より詳細には細径部232)が上方から挿入される(
図9、
図10A参照)。これにより、鉄心23は継鉄25に固定される。継鉄25は、鉄心23とともに磁気回路を形成する。
【0063】
第1継鉄251の長さ(第1軸A1に沿った寸法)は、ボビン22の上鍔部62(上鍔本体621)と下鍔部63(上壁部631)との間の間隔よりも大きい。第1継鉄251の幅(第3軸A3に沿った寸法)は、コイル21の直径と略同じである。右側から見た側面視において、第1継鉄251はコイル21の略全体を覆う。
【0064】
図4、
図5に示すように、絶縁部材24は、ボビン22と継鉄25との間に配置される。絶縁部材24は、コイル21と継鉄25との間に位置する。絶縁部材24は、コイル21と継鉄25との間を絶縁する。絶縁部材24は、コイル21を右側から覆う。絶縁部材24は、継鉄25によって右側から覆われる。
【0065】
図5、
図8に示すように、絶縁部材24は、本体部241と、覆い部(第1覆い部)242と、第1つなぎ部243と、第2覆い部244と、第2つなぎ部245と、一対の第1突部246と、一対の第2突部247と、を備えている。本体部241、第1覆い部242、第1つなぎ部243、第2覆い部244、第2つなぎ部245、一対の第1突部246、及び一対の第2突部247は、電気絶縁性を有する合成樹脂の成形体として一体に形成されている。
【0066】
本体部241は、第1軸A1と直交する断面が略C字の板状である。本体部241は、コイル21の右側面に対向してコイル21を右側から覆う。本体部241の左面は、コイル21の右側面の湾曲に合わせるように、第3軸A3に沿って前後に延びる中央部と、中央部の第3軸A3の両端から中央部に対して傾斜するように前斜め左方及び後ろ斜め左方に延びる両端部と、を有している。また本体部241は、第1継鉄251によって右側から覆われる。
【0067】
第1覆い部242は、本体部241の下方に位置する。第1覆い部242は、第2軸A2に沿って幅を有する板状である。
【0068】
第1覆い部242は、第2継鉄252の少なくとも一部を覆う。第1覆い部242は、第2継鉄252の少なくとも一部を上から覆う。第1覆い部242は、第2継鉄252のうちで第1継鉄251とつながっている右端付近の部分を覆う(
図4参照)。第1覆い部242は、第2継鉄252の上面を覆う上側覆い部291と、第2継鉄252の前側面を覆う前側覆い部292と、第2継鉄252の後ろ側面を覆う後側覆い部293と、を一体に有する。すなわち、第1覆い部242は、第2継鉄252を上及び前後の3方から覆う。第2継鉄252のうちで貫通孔254が形成されている部分は、第1覆い部242には覆われずに第1覆い部242から露出している。
【0069】
第1覆い部242は、第2継鉄252と一緒に、右側から開口部630を通ってボビン22の下鍔部63の内部空間に差し込まれる。例えば、開口部630を通って第1覆い部242を右側から下鍔部63の内部空間に差し込んだ後に、第2継鉄252を、第1覆い部242の下側において右側から開口部630を通って下鍔部63の内部空間に差し込む。ここでは、第1覆い部242は、開口部630を通って下鍔部63の内部に圧入される。また、第2継鉄252は、開口部630を通って下鍔部63の内部空間に差し込まれて、下鍔部63の下壁部632と第1覆い部242との間に圧入される。これにより、ボビン22に対して、絶縁部材24及び継鉄25が固定される。絶縁部材24及び継鉄25がボビン22に固定されるため、電磁継電器100が振動したとしても、ボビン22又は絶縁部材24に削れ等の不具合が生じにくい。
【0070】
図9に、電磁石ブロック2の、下鍔部63を通る仮想面での水平断面図を示す。
図9に示すように、ボビン22の下鍔部63は、ボビン側ガイド69を備えている。ボビン側ガイド69は、下鍔部63の開口部630の入口において、前壁部633及び後壁部634の右側面に形成された傾斜面である。ボビン側ガイド69は、絶縁部材24の第1覆い部242を案内する。下鍔部63がボビン側ガイド69を備えることで、ボビン22に対する絶縁部材24の取り付けが容易になる。
【0071】
図9に示すように、絶縁部材24の第1覆い部242は、絶縁部材側ガイド240を備えている。絶縁部材側ガイド240は、第1覆い部242の前側覆い部292及び後側覆い部293の後側面に形成された、傾斜面である。絶縁部材側ガイド240は、第2継鉄252を案内する。絶縁部材24が絶縁部材側ガイド240を備えることで、絶縁部材24に対する継鉄25の取り付け、ひいてはボビン22に対する継鉄25の取り付けが、容易になる。また、第2継鉄252は、その先端(左端)の両角部に傾斜面255を有している。第2継鉄252が傾斜面255を有していることで、絶縁部材24に対する継鉄25の取り付けが容易になる。
【0072】
第1覆い部242及び第2継鉄252が開口部630に差し込まれた状態では、
図10Aに示すように、第1軸A1に沿って下から、下鍔部63の下壁部632、第2継鉄252、絶縁部材24の第1覆い部242、下鍔部63の上壁部631、及びコイル21が、この順に並んでいる。そのため、第1覆い部242の上面(上側覆い部291の上面)は、下鍔部63の上壁部631によって上から覆われる。また、第2継鉄252の下面は、下鍔部63の下壁部632によって下から覆われる。すなわち、電磁継電器100では、第1軸A1において、コイル21と第2継鉄252との間には、下鍔部63の上壁部631と絶縁部材24の第1覆い部242(上側覆い部291)が介在する。そのため、第3軸A3と直交する断面において、コイル21と第2継鉄252との間の最短経路は、
図10Bの二点鎖線L1で示す経路となる。これにより、絶縁部材が第1覆い部を備えていない比較例の電磁継電器と比較して、コイル21と継鉄25との間の絶縁距離を増加させることが可能となる。なお、
図10Bでは、説明の便宜上、部品間に隙間が形成されているように描いている。また、上述のように第1覆い部242が第2継鉄252を3方(上方、前方、及び後方)から覆っていることで、コイル21と第2継鉄252との間の絶縁距離を更に増加させることが可能となる。また、第1覆い部242が第2継鉄252の下面を覆わないことで、第1軸A1に沿った電磁石ブロック2の寸法の増加を抑制することが可能となる。
【0073】
図8に示すように、第1つなぎ部243は、本体部241と第1覆い部242との間をつなぐ。第1つなぎ部243は、本体部241の右端の下縁と第1覆い部242の上面の右端との間をつなぐ。
【0074】
第2覆い部244は、本体部241の上方に位置する。第2覆い部244は、第2軸A2に沿って幅を有する板状である。
【0075】
第2覆い部244は、ボビン22の上鍔部62(上鍔本体621)の上面の少なくとも一部を覆う。
図4に示すように、第2覆い部244は、上鍔本体621の上面のうちで右端の部分を覆う。鉄心23の磁極部231は、第2覆い部244には覆われずに露出している。
【0076】
第2覆い部244は、上面視において、左前端及び左後端の部分に、それぞれ段差を有している。これらの段差部分に、上鍔部62の第1壁部64の基部641の右端部及び第2壁部65の基部651の右端部が嵌り込む。
図4、
図15に示すように、上面視において、上鍔部62の第1壁部64の基部641、第3壁部66、第2壁部65の基部651、及び絶縁部材24の第2覆い部244は、矩形枠状につながっている。
【0077】
図4に示すように、第2覆い部244の上面は、高さ位置(第1軸A1における位置)が、上鍔部62の第1壁部64の基部641の高さ位置及び第2壁部65の基部651の高さ位置と、略同じである。
【0078】
図8に示すように、第2覆い部244の下面には、第2軸A2に沿って、凹部248が形成されている。凹部248には、ボビン22の上鍔部62の位置決め部626が第2軸A2に沿って嵌められて、これによりボビン22に対する絶縁部材24の位置決めがなされる。
図10Aに示すように、凹部248に位置決め部626が嵌められた状態で、第1覆い部242の上面(上側覆い部291の上面)が、下鍔部63の上壁部631の下面と接触している。
【0079】
第2つなぎ部245は、本体部241と第2覆い部244との間をつなぐ。第2つなぎ部245は、本体部241の右端の上縁と第2覆い部244の下面の右端との間をつなぐ。
【0080】
第2覆い部244、第2つなぎ部245、及び本体部241の間に、第3軸A3に沿って溝が形成される。
図10Aに示すように、この溝に、ボビン22の上鍔部62の上鍔本体621の右端部が嵌め込まれる。
【0081】
図8に示すように、一対の第1突部246は、第1覆い部242における前側覆い部292及び後側覆い部293それぞれの右面から、第2軸A2に沿って右方に突出する。第1突部246は、第2軸A2に沿って延びる略直方体状である。
図4に示すように、第1突部246は、ボビン22の下鍔部63の下壁部632の上面に載せ置かれる。一対の第1突部246は、第1継鉄251の下端部の前側面及び後側面をそれぞれ覆う。
【0082】
一対の第2突部247は、第2つなぎ部245の右面における前端部及び後端部のそれぞれから、第2軸A2に沿って右方に突出する。一対の第2突部247は、第1継鉄251の上端部の前側面及び後側面をそれぞれ覆う。
【0083】
(2.2)可動ブロック
図4、
図11に示すように、可動ブロック3は、可動ばね31と、可動接点部材32と、接極子33と、を備える。
【0084】
可動ばね31は、脚片35と、固定片36と、ばね片37と、可動片38と、を備える。可動ばね31は、脚片35を2つ備えている。2つの脚片35、固定片36、ばね片37、及び可動片38は、導電性を有する金属材料により、一体に形成されている。
【0085】
脚片35は、第1軸A1に沿って延在する矩形の板状である。2つの脚片35は、第3軸A3に沿って並んでいる。脚片35は、外部の電気機器に接続される端子である。
図1に示すように、脚片35は、ケース9から下方に露出する。
【0086】
固定片36は、脚片35の上端から上方に延在する板状である。固定片36は、継鉄25、より詳細には第1継鉄251に固定される部分である。固定片36は、第1継鉄251の2つの固定突部253がそれぞれ挿入される2つの固定孔311を有している。
【0087】
ばね片37は、正面視において、上下が反転した逆L字の板状である。ばね片37は、可撓性を有している。ばね片37は、固定片36の上端から上方に延びる板状の第1板ばね部371と、第1板ばね部371の上端から左方に湾曲する湾曲部372と、湾曲部372の左端から左方に延びる第2板ばね部373と、を有する。
【0088】
可動片38は、ばね片37の第2板ばね部373の左端から左方に延在する板状である。可動片38とばね片37(第2板ばね部373)とのつなぎ目の部分は、正面視V字状に屈曲している。可動片38は、ばね片37の撓みに応じて、第1軸A1に沿って上下に移動可能である。可動片38は、固定片36の法線方向に対して傾斜している。
【0089】
可動片38は、接極子保持部381と、接点保持部382と、を備える。接極子保持部381は、可動片38のうちで相対的に右側に位置する。接点保持部382は、可動片38のうちで相対的に左側に位置する。
【0090】
接極子保持部381に、接極子33が保持される。接極子保持部381には、3つの固定孔313が第3軸A3に沿って並んで形成されている。
【0091】
接点保持部382に、可動接点M1が保持される。接点保持部382は、貫通孔314を有している。貫通孔314は、可動ばね31のうちで、第3軸A3において相対的に後側に設けられている。そのため、貫通孔314の中心は、3つの固定孔313のうちで中央の固定孔313の中心よりも後側に位置している。
【0092】
図11に示すように、接極子33は、接極子本体331と、固定突部332と、引掛片333と、を備える。接極子33は、固定突部332を3つ備えている。また、接極子33は、引掛片333を2つ備えている。接極子本体331、3つの固定突部332、及び2つの引掛片333は、磁性材料により一体に形成されている。
【0093】
接極子本体331は、上面視略矩形の板状である。3つの固定突部332は、接極子本体331の上面に設けられている。3つの固定突部332は、第3軸A3に沿って並んで設けられている。可動ばね31の接極子保持部381の3つの固定孔313に、接極子33の3つの固定突部332を下側から挿入し、固定突部332の先端を潰すことで、接極子33が可動ばね31(接極子保持部381)に固定される。接極子33は、可動ばね31の下側に配置されて可動ばね31に固定される。つまり、接極子33の上面に、可動ばね31が固定される。
【0094】
図2、
図3に示すように、可動ブロック3が電磁石ブロック2に固定された状態で、接極子33の下面は、鉄心23の上面(磁極部231の上面)に対向する。
【0095】
上面視において、接極子33は、第1軸A1と交差する第2軸A2において、第1端E1及び第2端E2を有している(
図11参照)。本実施形態では、第1端E1は左端であり、第2端E2は右端である。
【0096】
2つの引掛片333は、接極子33の第2端E2(右端)にある。2つの引掛片333は、接極子本体331の右側面の前端部及び後端部それぞれから、下方に突出している。
図3に示すように、引掛片333は、第1継鉄251の右面の上端部分に引っ掛かる。そのため、接極子33は、鉄心23との間の吸引力の有無に応じて、引掛片333を支点として回転することになる。可動ばね31の可動片38は、接極子本体331と一緒に第1軸A1に沿って上下に移動する。
【0097】
図11に示すように、可動接点部材32は、頭部321と、胴部322と、を含む。
【0098】
頭部321の形状は、円錐台状である。頭部321の軸は、第1軸A1に沿っている。頭部321の下面が、可動接点M1として機能する。可動接点部材32のうち、可動接点M1として機能する下面は、例えば銀合金(AgNi若しくはAgSnO2)により形成されている。可動接点部材32のうち、可動接点M1以外の部位は、例えばタフピッチ銅等の銅合金により形成されている。可動接点部材32のうち、可動接点M1として機能する面(下面)は、球面状である。なお、可動接点部材32のうち、可動接点M1として機能する面(下面)は、平面状又はドーム状であってもよい。
【0099】
胴部322は、頭部321の上端から突出している。胴部322は、可動ばね31の接点保持部382の貫通孔314に挿入されている。可動接点部材32は、胴部322が接点保持部382の貫通孔314に通された状態で、カシメにより可動ばね31に固定されている。これにより、可動接点部材32は、可動ばね31に電気的に接続されている。
【0100】
なお、可動接点M1は、可動ばね31と一体に形成されていてもよい。例えば、可動ばね31を構成する金属板の一部を下方に突出させ、突出させた部分の先端を可動接点M1として利用してもよい。
【0101】
このように、可動接点M1は、上面視において、接極子33の第1端E1(左端)の側で、可動ばね31に設けられている。可動接点M1は、接極子33の移動(引掛片333を支点とした回転)に応じて、接極子本体331と一緒に第1軸A1に沿って上下に移動する。
【0102】
(2.3)固定ブロック
図3、
図12に示すように、固定ブロック4は、保持台41と、導電部材42と、固定接点部材43と、補助部材44と、を備えている。
【0103】
保持台41は、右面が開口した矩形の箱状である。
図12、
図13に示すように、保持台41は、左壁45と、前壁46と、後壁47と、下壁48と、上壁49と、補助壁40と、を備えている。左壁45、前壁46、後壁47、下壁48、上壁49、及び補助壁40は、電気絶縁性を有する合成樹脂の成形体として一体に形成されている。
【0104】
下壁48の右端には、係合孔411が形成されている。前壁46の右側面の上端には、第2軸A2に沿って左方に凹んだ凹所412が形成されている。後壁47の右側面の上端には、第2軸A2に沿って左方に凹んだ凹所413が形成されている。上壁49の下面の前端部には、第2軸A2に沿って延びる保持溝414が形成されている。
【0105】
前壁46の凹所412及び後壁47の凹所413には、ボビン22の上鍔部62の突板部624の前端部及び後端部がそれぞれ差し込まれる。上壁49の保持溝414には、ボビン22の上鍔部62の保持突部625が差し込まれる(ここでは圧入される)。下壁48の係合孔411には、ボビン22の下鍔部63の係合突部638が係合される。これにより、固定ブロック4が本体ブロック10に結合される。固定ブロック4が本体ブロック10に結合された状態で、保持台41の左壁45は、コイル21の左側面に対向してコイル21を左側から覆う(
図2参照)。
【0106】
上壁49の上面には、第1軸A1に沿って上方に突出する突壁部415が設けられている。突壁部415は、第3軸A3に沿って前後に延在する。
【0107】
図13に示すように、左壁45の左面の下端部には、右方に凹んだ保持凹所416が形成されている。後壁47の左面には、右方に凹んだ保持凹所417が第1軸A1に沿って形成されている。
【0108】
補助壁40は、前壁46の上端から上方に突出する。保持台41の左面には、補助壁40から前壁46の上側部分にかけて、第1軸A1に沿って延びる保持溝418が形成されている。保持溝418は、補助部材44を保持するために用いられる。
【0109】
図12に示すように、導電部材42は、脚片421と、中央片422と、第1固定片423と、第2固定片424と、保持片425と、を備える。導電部材42は、脚片421を2つ備えている。2つの脚片421、中央片422、第1固定片423、第2固定片424、及び保持片425は、導電性を有する金属材料により、一体に形成されている。
【0110】
脚片421は、第1軸A1に沿って延在する板状である。2つの脚片421は、第3軸A3に沿って並んでいる。脚片421は、外部の電気機器に接続される端子である。
図1に示すように、脚片421は、ケース9から下方に露出する。
【0111】
中央片422は、脚片421の上端から上方に延在する板状である。中央片422の右面は、保持台41の左壁45の左面に対向する。
【0112】
第1固定片423は、中央片422の下端から第2軸A2に沿って右方に延在する板状である。第1固定片423は、中央片422の下端において、2つの脚片421の間の部分から延在している。
【0113】
第2固定片424は、中央片422の後縁から第2軸A2に沿って右方に延在する板状である。第2固定片424は、中央片422の後縁において第1軸A1における中央から延在する。
【0114】
第1固定片423は、保持台41の保持凹所416に左方から差し込まれる。第2固定片424は、保持台41の保持凹所417に左方から差し込まれる。これにより、導電部材42が保持台41に保持される。
【0115】
導電部材42とコイル21との間には、保持台41の左壁45及び突壁部415が介在する。そのため、保持台41は、コイル21と導電部材42との間に配置されてコイル21と導電部材42との間を絶縁する絶縁部材7として機能する。絶縁部材7は、第1軸A1に沿った絶縁壁部70(突壁部415)を備えている(
図3参照)。絶縁壁部70は、第2軸A2において固定接点F1とコイル21の中心との間にある。
【0116】
保持片425は、厚さ軸が第1軸A1に沿った板状である。保持片425は、中央片422の上端から右方に延在する。保持片425は、保持台41の上壁49の上方に位置する。保持片425は、中央に貫通孔426を有している。
【0117】
導電部材42は、中央片422と保持片425とのつなぎ目部分に、貫通孔427を有している。そのため、保持片425を流れる電流は、第2軸A2に沿った成分だけでなく、第3軸A3に沿った成分を含む。第3軸A3に沿った電流成分は、可動接点M1と固定接点F1との間に第1軸A1に沿って発生し得るアークに対して、第1軸A1と交差する向きのローレンツ力を与えて、アークの消弧を促進する。
【0118】
図12に示すように、固定接点部材43は、可動接点部材32と同様に、頭部431と、胴部432と、を含む。固定接点部材43は、導電部材42とともに、固定接点部400を構成する。
【0119】
頭部431の形状は、円錐台状である。頭部431の軸は、第1軸A1に沿っている。頭部431の上面が、固定接点F1として機能する。固定接点部材43のうち、固定接点F1として機能する上面は、例えば銀合金(AgNi若しくはAgSnO2)により形成されている。固定接点部材43のうち、固定接点F1以外の部位は、例えばタフピッチ銅等の銅合金により形成されている。固定接点部材43のうち、固定接点F1として機能する面(上面)は、球面状である。なお、固定接点部材43のうち、固定接点F1として機能する面(上面)は、平面状又はドーム状であってもよい。
【0120】
胴部432は、頭部431の下端から突出している。胴部432は、導電部材42の保持片425の貫通孔426に挿入されている。固定接点部材43は、胴部432が保持片425の貫通孔426に通された状態で、カシメにより導電部材42に固定されている。これにより、固定接点部材43は、導電部材42に電気的に接続されている。
【0121】
なお、固定接点F1は、導電部材42と一体に形成されていてもよい。例えば、導電部材42を構成する金属板の一部を上方に突出させ、突出させた部分の先端を固定接点F1として利用してもよい。
【0122】
図2、
図3、
図10Aに示すように、固定ブロック4を本体ブロック10に固定した状態で、固定接点F1は第1軸A1に沿って可動接点M1と対向する。可動ばね31の可動片38が上下に移動することで、可動接点M1が固定接点F1に対して接離する。また、固定接点F1と鉄心23(磁極部231)との間には、突壁部415が介在している。
【0123】
図12に示すように、補助部材44は、側部片441と、上部片442と、を備える。側部片441及び上部片442は、導電性を有する金属材料により、一体に形成されている。
【0124】
側部片441は、第1軸A1に沿って延在する板状である。側部片441は、その右側面に、第2軸A2に沿って左方に凹んだ凹所443を有している。凹所443によって、第1軸A1において、保持台41に対する補助部材44の位置決めがなされる。
【0125】
上部片442は、側部片441の上端から第3軸A3に沿って後方に延在する板状である。上部片442の下面には、上部片442の他の部分よりも下方に突出する突部444が設けられている。突部444は、例えば上部片442の上面のうちで突部444に対応する部分を上側から下方に押し出すことで、形成され得る。突部444の下面は、可動接点部材32の胴部322の上面と対向する。
【0126】
補助部材44の上部片442が可動接点部材32の上方にあることで、可動接点M1が固定接点F1から離れて可動ばね31が上方に移動する際に可動ばね31が振動したとしても、可動ばね31の過度の振動が抑制される。
【0127】
(2.4)リレー本体
リレー本体1は、電磁石ブロック2と、可動ブロック3と、固定ブロック4と、を結合して構成される。
【0128】
例えば、
図4に示すように、電磁石ブロック2に対して、可動ブロック3を右方に位置させる。そして、可動ブロック3を第2軸A2に沿って左方に移動させて、可動ばね31の固定片36の2つの固定孔311に、第1継鉄251の2つの固定突部253をそれぞれ挿入し、固定突部253の先端を潰す。これにより、可動ブロック3が電磁石ブロック2に固定される。これにより、電磁石ブロック2と可動ブロック3とが結合された本体ブロック10が構成される(
図3参照)。
【0129】
また、
図3に示すように、本体ブロック10に対して、固定ブロック4を左方に位置させる。そして、固定ブロック4を第2軸A2に沿って右方に移動させ、保持台41の凹所412,413にボビン22の上鍔部62の突板部624を差し込み、保持台41の保持溝414に上鍔部62の保持突部625を差し込み、保持台41の係合孔411に下鍔部63の係合突部638(
図7参照)を係合させる。これにより、固定ブロック4が本体ブロック10に固定される(
図2参照)。なお、接着等により、ボビン22を保持台41に更に固定してもよい。
【0130】
このように、電磁継電器100は、ボビン22を含み可動ばね31を保持する主端子台(ボビン22及び絶縁部材24)と、固定接点F1を保持する副端子台(保持台41)と、を備えている。副端子台は、主端子台とは別体であって、主端子台に固定される。本実施形態の電磁継電器100では、主端子台と副端子台とが別体である。そのため、一つの端子台(例えば主端子台)に保持される部品の調整(部品の位置合わせ、ばね力の調整等)を、他の端子台(例えば副端子台)に保持される部品の調整と切り離して行うことが可能となる。これにより、電磁継電器100の製造工程の簡略化を図ることが可能となる。
【0131】
また、本実施形態の電磁継電器100のリレー本体1では、コイル21と固定接点部400(導電部材42)との間に、絶縁部材7(保持台41)が配置されている。そのため、コイル21と接点装置(可動接点M1及び固定接点F1)に電気的に接続される導電部品(以下、「主電路部品」ともいう)との間の絶縁距離を増加させることが可能となる。なお、本実施形態の電磁継電器100のリレー本体1では、主電路部品は、可動ばね31、導電部材42、鉄心23、接極子33、及び継鉄25を含む。電磁継電器100では、主電路部品のうち、導電部材42の保持片425、固定接点部材43(固定接点F1)、可動ばね31の可動片38(可動接点M1)が、ボビン22の上方に配置されている。すなわち、電磁継電器100では、固定接点F1及び可動接点M1は、ボビン22の上方に設けられている。
【0132】
また、本実施形態の電磁継電器100のリレー本体1では、絶縁部材24が第1覆い部242を備えている。そのため、第3軸A3と直交する断面において、コイル21と第2継鉄252との間の最短経路は、
図10Bの二点鎖線L1に示すような第1覆い部242を回り込む経路となる。これにより、コイル21と第2継鉄252との間の絶縁距離を増加させることが可能となり、コイル21と主電路部品との間の絶縁距離を、更に増加させることが可能となる。
【0133】
また、本実施形態の電磁継電器100のリレー本体1では、絶縁部材24が第2覆い部244を備えている。そのため、第3軸A3と直交する断面において、コイル21と接極子33との間の最短経路は、
図10Cの二点鎖線L2に示すような第2覆い部244を回り込む経路となる。これにより、コイル21と接極子33との間の絶縁距離を増加させることが可能となり、コイル21と主電路部品との間の絶縁距離を、更に増加させることが可能となる。なお、
図10Cでは、説明の便宜上、部品間に隙間が形成されているように描いている。
【0134】
また、本実施形態の電磁継電器100のリレー本体1では、第2軸A2において、鉄心23の磁極部231と固定接点F1との間に、ボビン22の上鍔部62の第3壁部66が介在する。そのため、第3軸A3と直交する断面において、コイル21と鉄心23との間の最短経路は、
図10Dの二点鎖線L3に示すような第3壁部66を回り込む経路となる。これにより、コイル21と鉄心23との間の絶縁距離を増加させることが可能となり、コイル21と主電路部品との間の絶縁距離を、更に増加させることが可能となる。なお、
図10Dでは、説明の便宜上、部品間に隙間が形成されているように描いている。
【0135】
また、本実施形態の電磁継電器100のリレー本体1では、第2軸A2において、鉄心23の磁極部231と固定接点F1との間に、保持台41の突壁部415(絶縁部材7の絶縁壁部70)が介在する。そのため、第3軸A3と直交する断面において、コイル21と固定接点F1との間の最短経路は、
図10Dの二点鎖線L4に示すような絶縁壁部70を回り込む経路となる。これにより、コイル21と固定接点F1との間の絶縁距離を増加させることが可能となり、コイル21と主電路部品との間の絶縁距離を、更に増加させることが可能となる。
【0136】
次に、リレー本体1の動作(電磁継電器100の動作)について説明する。
【0137】
リレー本体1では、2つのコイル端子26の間に電圧が印加されずコイル21が通電されていない状態(以下、「非通電時」ともいう)では、
図2に示すように、可動ばね31のばね力によって、可動接点M1は固定接点F1から離れている。そのため、導電部材42の脚片421と可動ばね31の脚片35との間の電路は、遮断されている。
【0138】
リレー本体1では、2つのコイル端子26の間に電圧が印加されてコイル21が通電されると(以下、「通電時」ともいう)、接極子33は、鉄心23の磁極部231との間に発生する吸引力により、第1軸A1に沿って、磁極部231に向かって下方へ吸引される。これにより、接極子33は引掛片333を支点として(正面視において反時計回りに)回転し、接極子33の下面が鉄心23の磁極部231の上面に接触する。通電時では、鉄心23、継鉄25、及び接極子33によって、コイル21により発生する磁束が通る磁気回路が形成される。磁気回路の一部を構成する継鉄25及び接極子33は、鉄心23の両端の間で、正面視逆C字状につながっている。
【0139】
通電時では、接極子33の回転によって、可動接点M1が接極子33と一緒に下方へ移動している。これにより通電時では、可動接点M1が固定接点F1に接触する。そのため、導電部材42の脚片421と可動ばね31の脚片35との間の電路が形成される。
【0140】
リレー本体1では、コイル21の通電を停止すると、鉄心23と接極子33との間の吸引力が消失する。そのためリレー本体1では、可動ばね31のばね力によって、接極子33は引掛片333を支点として(正面視において時計回りに)回転し、接極子33が鉄心23から離れる。接極子33の回転によって、可動接点M1は、接極子33と一緒に上方へ移動して固定接点F1から離れる。これにより、電路が遮断される。
【0141】
このように、本実施形態の電磁継電器100では、可動ばね31は、コイル21の励磁と非励磁との切り替えに応じて、閉位置と開位置との間で移動可能である。閉位置は、可動接点M1が固定接点F1に接触する可動ばね31の位置である。開位置は、可動接点M1が固定接点F1から離れる可動ばね31の位置である。
【0142】
本実施形態のリレー本体1(電磁継電器100)では、可動接点M1は、接離軸X1に沿って移動して、固定接点F1に接離する。接離軸X1は、第1軸A1に沿っている。
【0143】
(2.5)ケース
図1、
図2に示すように、ケース9は、リレー本体1を収容する。そのため、ケース9は、コイル21、鉄心23、接極子33、固定接点F1、及び可動ばね31を収容する。ケース9は、主端子台(ボビン22及び絶縁部材24)、及び副端子台(保持台41)も収容している。ケース9は、例えば電気絶縁性を有する合成樹脂の成形体であって、絶縁性である。
【0144】
図2、
図14に示すように、ケース9は、ケース本体90を備える。ケース本体90は、ケース9の外郭を構成する。ケース本体90は、下面が開口した矩形箱状である。ケース本体90は、上壁91と、前壁92と、後壁93と、右壁94と、左壁95と、を備えている。
【0145】
図14に示すように、ケース9は、ケース本体90の内側に、第1突条部961と、2つの第1接続部962と、を更に備えている。第1突条部961は、第1軸A1に沿って延在する板状である。第1突条部961は、第2軸A2に沿って延在する。第1突条部961は、第3軸A3において前壁92と隙間を空けて対向する。2つの第1接続部962は、第1突条部961の第2軸A2における両端部と、前壁92の後面とを、それぞれつなぐ。ケース本体90の前壁92、第1突条部961、及び2つの第1接続部962によって、下面が開口した第1凹所96が形成される。
【0146】
ケース9は、ケース本体90の内側に、第2突条部971と、2つの第2接続部972と、を更に備えている(
図15参照)。第2突条部971は、第1軸A1に沿って延在する板状である。第2突条部971は、第2軸A2に沿って延在する。第2突条部971は、第3軸A3において後壁93と隙間を空けて対向する。2つの第2接続部972は、第2突条部971の第2軸A2における両端部と、後壁93の前面とを、それぞれつなぐ。ケース本体90の後壁93、第2突条部971、及び2つの第2接続部972によって、下面が開口した第2凹所97が形成される。
【0147】
図15に示すように、第1凹所96には、ボビン22の上鍔部62の第1壁部64(より詳細には、突リブ642)が差し込まれる。そのため、第1突条部961は、第3軸A3において第1壁部64(より詳細には、突リブ642)と対向する。また、第1接続部962は、第1凹部643に挿入される。2つの第1接続部962が、2つの第1凹部643にそれぞれ挿入される。第1壁部64(より詳細には、突リブ642)は、第1突条部961、2つの第1接続部962、及び前壁92によって、前後左右の四方を囲まれている。
【0148】
図15に示すように、第2凹所97には、ボビン22の上鍔部62の第2壁部65(より詳細には、突リブ652)が差し込まれる。そのため、第2突条部971は、第3軸A3において第2壁部65(より詳細には、突リブ652)と対向する。また、第2接続部972は、第2凹部653に挿入される。2つの第2接続部972が、2つの第2凹部653にそれぞれ挿入される。第2壁部65(より詳細には、突リブ652)は、第2突条部971、2つの第2接続部972、及び後壁93によって、前後左右の四方を囲まれている。
【0149】
図16Aに、第2軸A2と直交する仮想面での電磁継電器100の断面図を示す。本実施形態の電磁継電器100では、第1軸A1において、接極子33とコイル21との間に上鍔部62が介在する。そのため、第2軸A2と直交する断面において、接極子33とコイル21との間の最短経路は、上鍔部62の側面に沿った経路となる。ここで本実施形態の電磁継電器100では、上鍔部62が第1壁部64及び第2壁部65を備えており、第1壁部64及び第2壁部65は、ケース9の第1凹所96及び第2凹所97にそれぞれ差し込まれている。そのため、第2軸A2と直交する断面において、接極子33とコイル21との間の最短経路は、例えば、
図16Bの二点鎖線L5で示すような、ケース9の第1突条部961と第1壁部64(突リブ642)との間の空間S1を含むS字状の経路となる。これにより、本実施形態の電磁継電器100では、コイル21と接極子33との間の絶縁距離を増加させることが可能となり、コイル21と主電路部品との間の絶縁距離を、更に増加させることが可能となる。なお、
図16Bでは、説明の便宜上、部品間に隙間が形成されているように描いている。
【0150】
本実施形態の電磁継電器100では、
図16Aに示すように、第1軸A1において、ケース9の第1突条部961及び第2突条部971の下端は、鉄心23の上面(磁極部231の上面)よりも下側に位置する。また、ボビン22の第1壁部64の上端(突リブ642の上端)及び第2壁部65の上端(突リブ652の上端)は、鉄心23の上面よりも上側に位置する。接極子33は、第1軸A1に沿って上下に移動するのであるが、鉄心23の上面よりも下には移動できないため、接極子33は常に鉄心23の上面よりも上側に位置している。第1突条部961の下端(第2突条部971の下端)が鉄心23の上面よりも下側に位置することで、接極子33とコイル21との間の最短経路(二点鎖線L5参照)は、第1突条部961(第2突条部971)を回り込む経路となる。これにより、本実施形態の電磁継電器100では、第1突条部(第2突条部)の下端が鉄心の上面よりも上側に位置する比較例の電磁継電器と比較して、コイル21と接極子33との間の絶縁距離を増加させることが可能となり、コイル21と主電路部品との間の絶縁距離を増加させることが可能となる。
【0151】
本実施形態の電磁継電器100では、
図16Aに示すように、ケース9の第1突条部961の下端は、第1軸A1において、ボビン22の上鍔部62の上面(第1壁部64の基部641の上面)に接触する。ボビン22の上鍔部62の第1壁部64の上端は、第1軸A1において、ケース9から離れている。また、ケース9の第2突条部971の下端は、第1軸A1において、ボビン22の上鍔部62の上面(第2壁部65の基部651の上面)に接触する。ボビン22の上鍔部62の第2壁部65の上端は、第1軸A1において、ケース9から離れている。電磁継電器100では、第1突条部961の下端及び第2突条部971の下端が上鍔部62の上面に接触することで、コイル21と接極子33との間の絶縁距離を増加させることが可能となり、コイル21と主電路部品との間の絶縁距離を増加させることが可能となる。
【0152】
本実施形態の電磁継電器100では、
図15に示すように、第1突条部961及び第2突条部971は、鉄心23の中心から第3軸A3に沿って延ばした仮想線と重なる位置に、少なくとも設けられている。鉄心23の中心は、コイル21の中心と略一致する。そのため、第1突条部961及び第2突条部971は、上面視においてコイル21の中心から第3軸A3に沿って延ばした仮想線と重なる位置に、少なくとも設けられている。また、第1凹部643及び第2凹部653は、上記仮想線と重なる位置には設けられていない。そのため、接極子33とコイル21との間の最短経路は、第1突条部961及び突リブ642、又は第2突条部971及び突リブ652を回り込む経路となる。これにより、コイル21と接極子33との間の絶縁距離を増加させることが可能となり、コイル21と主電路部品との間の絶縁距離を、更に増加させることが可能となる。
【0153】
また、本実施形態の電磁継電器100では、第1壁部64の突リブ642(或いは第1凹部643)とケース9の第1接続部962とが、リレー本体1に対するケース9の位置決めの役割も兼ねている。同様に、第2壁部65の突リブ652(或いは第2凹部653)とケース9の第2接続部972とが、リレー本体1に対するケース9の位置決めの役割も兼ねている。つまり、位置決め用の部品に、絶縁距離の増加という機能を兼用させている。これにより、部品点数の削減を図りつつ、絶縁性能の増加を図ることが可能となる。
【0154】
さらに、本実施形態の電磁継電器100では、第1突条部961及び第2突条部971が、接極子33の前側面及び後側面とそれぞれ隣接しているため、外部からの衝撃により接極子33が過度に移動するのを抑制することが可能となる。これにより、接極子33に固定された可動ばね31の変形を、抑制することが可能となる。つまり、位置決め用の部品に、耐衝撃性能の向上という機能を兼用させている。これにより、部品点数の削減を図りつつ、耐衝撃性能の向上を図ることが可能となる。
【0155】
本実施形態の電磁継電器100は、上述のように、従来と比較して主電路部品とコイル21との間の絶縁距離の増加を図ることが可能となる。逆に言えば、従来と同等の絶縁性能を維持しつつ、電磁継電器100の小型化を図ることが可能となる。或いは、従来と同等の絶縁性能を維持しつつ、コイル21のサイズを大きくすることによってコイル21での消費電力の低減を図ることが可能となる。
【0156】
(3)変形例
上記の実施形態は、本開示の様々な実施形態の1つに過ぎない。上記の実施形態は、本開示の目的を達成できれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。以下、実施形態の変形例を列挙する。以下では、上記実施形態を「基本例」と呼ぶこともある。上記の基本例及び以下に説明する変形例は、適宜組み合わせて適用可能である。
【0157】
(3.1)第1変形例
本変形例の電磁継電器100Aについて、
図17、
図18を参照して説明する。基本例の電磁継電器100と同様の構成については、適宜説明を省略する場合がある。
【0158】
基本例の電磁継電器100では、
図6に示すように、ボビン22の上鍔部62の孔622が、第3軸A3において上鍔部62の中心に形成されている。これに対し、本変形例の電磁継電器100Aでは、
図17に示すように、ボビン22Aの上鍔部62Aの孔622Aが、第3軸A3において上鍔部62Aの中心よりも相対的に後側に形成されている。そのため、本変形例の電磁継電器100Aでは、鉄心23A及びコイル21も、第3軸A3において上鍔部62Aの中心よりも相対的に後側に位置している。
【0159】
また、本変形例の電磁継電器100Aでは、
図17に示すように、第1壁部64Aと第2壁部65Aとは、上面視において非対称である。すなわち、相対的に孔622Aの中心(コイル21の中心)に近い第2壁部65Aにおける突リブ652Aの方が、相対的に孔622Aの中心(コイル21の中心)から離れた第1壁部64Aの突リブ642Aよりも、長さ(第2軸A2に沿った寸法)が長い。これにより、鉄心23Aとコイル21との絶縁距離が相対的に短い後側において、第2壁部65Aによって接極子33とコイル21との間の絶縁距離を相対的に増加させている。
【0160】
また、
図18に示すように、本変形例の電磁継電器100Aでは、第1凹所96Aと第2凹所97Aとが、上面視において非対称である。すなわち、第1凹所96Aに第1壁部64Aの突リブ642Aが嵌まるように、第1突条部961Aの長さ(第2軸A2に沿った寸法)及び第1接続部962Aの第2軸A2に沿った位置が定められている。また、第2凹所97Aに第2壁部65Aの突リブ652Aが嵌まるように、第2突条部971Aの長さ(第2軸A2に沿った寸法)及び第2接続部972Aの第2軸A2に沿った位置が定められている。
【0161】
本変形例の電磁継電器100Aでは、コイル21と接極子33との間の絶縁距離の増加を図ることが可能となる。
【0162】
(3.2)その他の変形例
一変形例において、主端子台に対する副端子台の固定方法は、圧入に限られない。例えば、接着、樹脂溶着等により、固定されてもよい。
【0163】
一変形例において、第1覆い部242は、第2継鉄252を3方から覆わなくてもよく、例えば上側覆い部291のみを備えていて第2継鉄252を上方のみから覆ってもよい。
【0164】
一変形例において、第1覆い部242は第2継鉄252を下方から覆う下側覆い部を更に備えていてもよい。
【0165】
一変形例において、下鍔部63の下面側に液状のシール材(例えばエポキシ系の樹脂)を流し、固化したシール材によって下鍔部63と継鉄25(第2継鉄252)とを結合してもよい。下鍔部63は、第2継鉄252よりもシール材に対する濡れ性が高い下壁部632を有しているため、シール材によるシールが容易になる。また、下鍔部63の下壁部632の孔637から第2継鉄252及び鉄心23(細径部232)の下面が露出しているため、シール材によるシールが更に容易になる。この際、ボビン22の下鍔部63と絶縁部材24との間も、シール材により結合される。
【0166】
一変形例において、第1壁部64では、基部641と突リブ642の厚さ(第3軸A3に沿った寸法)が同じであってもよい。第2壁部65も同様である。
【0167】
一変形例において、第1凹部643は、第1壁部64の第2軸A2における両端に設けられなくてもよい。例えば、第1凹部643は、第1壁部64の第2軸A2の一方の端のみに設けられてもよいし、中央に設けられてもよい。ケース9の第1接続部962は、第1凹部643に対応した位置に設けられ得る。一例において、突リブ642が基部641の第2軸A2の全長にわたって形成され、突リブ642の第2軸A2の中央に第1凹部643が設けられる場合、ケース9の第1突条部961及び第1接続部962は、上面視T字状に形成され得る。第2壁部65の第2凹部653、及びケース9の第2接続部972についても同様である。
【0168】
一変形例において、第1突条部961の下端は、上鍔部62(第1壁部64の基部641の上面)に接触していなくてもよい。一変形例において、第1壁部64の突リブ642の上端が、ケース9の第1凹所96の底に接触していてもよい。
【0169】
一変形例において、第2突条部971の下端は、上鍔部62(第2壁部65の基部651の上面)に接触していなくてもよい。一変形例において、第2壁部65の突リブ652の上端が、ケース9の第2凹所97の底に接触していてもよい。
【0170】
一変形例において、可動接点M1及び固定接点F1は、ボビン22の下側に設けられていてもよい。この場合、例えば、第2継鉄252がボビン22の上方に配置され、第2継鉄252の前側面を覆うように、第1突条部961及び第1壁部64が設けられ、第2継鉄252の後側面を覆うように、第2突条部971及び第2壁部65が設けられてもよい。
【0171】
一変形例において、絶縁部材24は、第2覆い部244を備えていなくてもよい。その場合、絶縁部材24の高さ(第1軸A1に沿った寸法)を抑制可能となる。その場合でも、絶縁部材24が第1覆い部242を備えているので、絶縁部材24をボビン22に強固に固定できる。
【0172】
一変形例において、必要な絶縁距離に応じて、第1壁部64の突リブ642の高さ(第1軸A1に沿った寸法)、第2壁部65の突リブ652の高さ、第1突条部961の高さ、及び第2突条部971の高さが調節されてもよい。
【0173】
上記の基本例では、接点装置は、非通電時に電路を遮断するいわゆるa接点(常開接点)であるが、これに限られない。一変形例において、接点装置は、非通電時に電路を形成するいわゆるb接点(常閉接点)であってもよい。一変形例において、接点装置は、2つの固定接点F1を有していて通電時と非通電時とで可動接点M1が異なる固定接点F1と接触する、いわゆるc接点であってもよい。接点装置がb接点又はc接点の場合、補助部材44の突部444の下面を、固定接点F1として利用してもよい。
【0174】
(4)態様
以上説明した実施形態及び変形例から明らかなように、本明細書には以下の態様が開示されている。
【0175】
第1の態様の電磁継電器(100,100A)(100,100A)は、コイル(21)と、ボビン(22)と、鉄心(23)と、固定接点部(400)と、可動ばね(31)と、ケース(9)と、を備える。ボビン(22)には、コイル(21)が巻回される。鉄心(23)は、ボビン(22)に、第1軸(A1)に沿って上下に挿通される。固定接点部(400)は、固定接点(F1)を有する。可動ばね(31)は、固定接点(F1)と第1軸(A1)に沿って対向する可動接点(M1)を有する。可動ばね(31)は、コイル(21)の励磁と非励磁との切り替えに応じて、可動接点(M1)が固定接点(F1)に接触する閉位置と可動接点(M1)が固定接点(F1)から離れる開位置との間で移動する。ケース(9)は、コイル(21)、ボビン(22)、固定接点(F1)、及び可動接点(M1)を内部に収容する。固定接点部(400)及び可動ばね(31)と電気的に接続される主電路部品のうちの少なくとも一部が、ボビン(22)の上方に配置される。ボビン(22)は、コイル(21)が巻回される本体部(61)と、本体部(61)の上部に設けられる上鍔部(62)と、を備える。上鍔部(62)は、第1軸(A1)と交差する第2軸(A2)に沿った第1辺に設けられる第1壁部(64)と、第2軸(A2)に沿った第2辺に設けられ、第1軸(A1)及び第2軸(A2)と交差する第3軸(A3)において第1壁部(64)と対向する第2壁部(65)と、を備える。第1壁部(64)は、第1軸(A1)に沿って凹んだ第1凹部(643)を有する。第2壁部(65)は、第1軸(A1)に沿って凹んだ第2凹部(653)を有する。ケース(9)は、ケース(9)の外郭を構成するケース本体(90)を備える。ケース(9)は、第3軸(A3)において少なくとも一部が第1壁部(64)と対向する第1突条部(961)と、第1突条部(961)とつながっており、少なくとも一部が第1凹部(643)に挿入される第1接続部(962)と、を備える。ケース(9)は、第3軸(A3)において少なくとも一部が第2壁部(65)と対向する第2突条部(971)と、第2突条部(971)とつながっており、少なくとも一部が第2凹部(653)に挿入される第2接続部(972)と、を備える。
【0176】
この態様によれば、第1突条部(961)、第1壁部(64)、第2突条部(971)、及び第2壁部(65)によって、固定接点部(400)及び可動ばね(31)と、コイル(21)と、の間の絶縁距離の増加を図ることが可能となる。これにより、コイル(21)と主電路部品(固定接点F1及び可動接点M1を含む接点装置に電気的に接続されている導電部品)との間の絶縁距離の増加を図ることが可能となる。また、第1壁部(64)の第1凹部(643)とケース(9)の第1接続部(962)、及び/又は第2壁部(65)の第2凹部(653)とケース(9)の第2接続部(972)によって、ボビン(22)に対するケース(9)の位置決めを行うことが可能となる。また、外部からの衝撃により接極子(33)が過度に移動するのを抑制することが可能となり、接極子(33)に固定された可動ばね(31)の変形を抑制することが可能となる。
【0177】
第2の態様の電磁継電器(100,100A)は、第1の態様において、固定接点部(400)とコイル(21)との間に配置された絶縁部材(7)を更に備える。
【0178】
この態様によれば、コイル(21)と主電路部品との間の絶縁距離の増加を図ることが可能となる。
【0179】
第3の態様の電磁継電器(100,100A)では、第2の態様において、絶縁部材(7)は、第1軸(A1)に沿った絶縁壁部(70)を備える。
【0180】
この態様によれば、コイル(21)と主電路部品との間の絶縁距離の増加を図ることが可能となる。
【0181】
第4の態様の電磁継電器(100,100A)では、第3の態様において、絶縁壁部(70)は、第2軸(A2)において固定接点(F1)とコイル(21)の中心との間にある。
【0182】
この態様によれば、コイル(21)と主電路部品との間の絶縁距離の増加を図ることが可能となる。
【0183】
第5の態様の電磁継電器(100,100A)では、第1~第4のいずれか1つの態様において、第1壁部(64)は、第1凹部(643)として、第2軸(A2)における第1壁部(64)の両端に位置する2つの第1凹部(643)を有する。第2壁部(65)は、第2凹部(653)として、第2軸(A2)における第2壁部(65)の両端に位置する2つの第2凹部(653)を有する。
【0184】
この態様によれば、コイル(21)と主電路部品との間の絶縁距離の増加を図ることが可能となる。
【0185】
第6の態様の電磁継電器(100,100A)では、第5の態様において、ケース(9)は、第1接続部(962)として、2つの第1凹部(643)にそれぞれ挿入される2つの第1接続部(962)を備える。ケース(9)は、第2接続部(972)として、2つの第2凹部(653)にそれぞれ挿入される2つの第2接続部(972)を備える。ケース本体(90)、2つの第1接続部(962)、及び第1突条部(961)によって、第1壁部(64)が差し込まれる第1凹所(96)が形成される。ケース本体(90)、2つの第2接続部(972)、及び第2突条部(971)によって、第2壁部(65)が差し込まれる第2凹所(97)が形成される。
【0186】
この態様によれば、コイル(21)と主電路部品との間の絶縁距離の増加を図ることが可能となる。
【0187】
第7の態様の電磁継電器(100A)では、第1~第6のいずれか1つの態様において、第1壁部(64)と第2壁部(65)とは、上面視において非対称である。
【0188】
この態様によれば、コイル(21)と主電路部品との間の位置関係に応じて、コイル(21)と主電路部品との間の絶縁距離の増加を図ることが可能となる。
【0189】
第8の態様の電磁継電器(100,100A)では、第1~第7のいずれか1つの態様において、ボビン(22)は、上鍔部(62)に、第3軸(A3)に沿って延びる第3壁部(66)を更に備える。
【0190】
この態様によれば、コイル(21)と主電路部品との間の絶縁距離の増加を図ることが可能となる。
【0191】
第9の態様の電磁継電器(100,100A)では、第1~第8のいずれか1つの態様において、固定接点(F1)及び可動接点(M1)は、ボビン(22)の上方に設けられている。
【0192】
この態様によれば、コイル(21)と固定接点(F1)及び可動接点(M1)との間の絶縁距離の増加を図ることが可能となる。
【0193】
第10の態様の電磁継電器(100,100A)では、第1~第9のいずれか1つの態様において、ケース(9)の第1突条部(961)の下端は、鉄心(23)の上面よりも下側に位置し、ボビン(22)の第1壁部(64)の上端は、鉄心(23)の上面よりも上側に位置する。
【0194】
この態様によれば、コイル(21)と主電路部品との間の絶縁距離の増加を図ることが可能となる。
【0195】
第11の態様の電磁継電器(100,100A)では、第1~第10のいずれか1つの態様において、第1突条部(961)の下端は、第1軸(A1)においてボビン(22)の上鍔部(62)の上面に接触する。第1壁部(64)の上端は、第1軸(A1)においてケース(9)から離れている。
【0196】
この態様によれば、コイル(21)と主電路部品との間の絶縁距離の増加を図ることが可能となる。
【符号の説明】
【0197】
100,100A 電磁継電器
21 コイル
22 ボビン
23 鉄心
25 継鉄
31 可動ばね
400 固定接点部
61 本体部
62 上鍔部
64 第1壁部
643 第1凹部
65 第2壁部
653 第2凹部
66 第3壁部
7 絶縁部材
70 絶縁壁部
9 ケース
961 第1突条部
962 第1接続部
971 第2突条部
972 第2接続部
F1 固定接点
M1 可動接点
A1 第1軸
A2 第2軸
A3 第3軸