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特開2023-51500回転機、回転機の製造方法及び磁気センサ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023051500
(43)【公開日】2023-04-11
(54)【発明の名称】回転機、回転機の製造方法及び磁気センサ
(51)【国際特許分類】
   H02K 29/08 20060101AFI20230404BHJP
   H02K 11/215 20160101ALI20230404BHJP
   G01D 5/245 20060101ALI20230404BHJP
【FI】
H02K29/08
H02K11/215
G01D5/245 R
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021162225
(22)【出願日】2021-09-30
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002527
【氏名又は名称】弁理士法人北斗特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】一宮 礼孝
(72)【発明者】
【氏名】尾中 和弘
【テーマコード(参考)】
2F077
5H019
5H611
【Fターム(参考)】
2F077AA43
2F077CC02
2F077NN02
2F077NN17
2F077PP14
2F077QQ03
2F077TT16
2F077VV21
2F077VV33
5H019BB01
5H019BB05
5H019BB20
5H019BB22
5H019CC03
5H019DD01
5H611BB01
5H611BB08
5H611PP07
5H611QQ03
5H611RR03
5H611UA04
(57)【要約】
【課題】位置検出用のマグネットを省略する。
【解決手段】回転機1は、ステータ11と、ロータ12と、回転軸13と、磁気センサ14と、を備える。ロータ12は、ステータ11に対して回転する。回転軸13は、ロータ12に連結されており、ロータ12の回転に伴って回転する。磁気センサ14は、ロータ12の位置を検出する。ロータ12は、複数の磁石を有する。磁気センサ14は、回転軸13に平行な方向である軸方向D1においてロータ12と対向しており、ロータ12の複数の磁石からの磁界に基づいてロータ12の位置を検出する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ステータと、
前記ステータに対して回転するロータと、
前記ロータに連結されており、前記ロータの回転に伴って回転する回転軸と、
前記ロータの位置を検出する磁気センサと、を備え、
前記ロータは、複数の磁石を有し、
前記磁気センサは、前記回転軸に平行な方向である軸方向において前記ロータと対向しており、前記ロータの前記複数の磁石からの磁界に基づいて前記ロータの位置を検出する、
回転機。
【請求項2】
前記磁気センサは、同一の平面上に形成されている磁気抵抗効果素子を有し、
前記ロータにおける前記磁気センサとの対向面と前記磁気センサの前記平面とが直交している、
請求項1に記載の回転機。
【請求項3】
前記磁気抵抗効果素子を複数備え、
前記複数の磁気抵抗効果素子は、
前記磁気センサの前記平面と直交する第1方向に沿った磁界を検出する第1磁気抵抗効果素子と、
前記磁気センサの前記平面と直交し、かつ前記第1方向と直交する第2方向に沿った磁界を検出する第2磁気抵抗効果素子と、を含む、
請求項2に記載の回転機。
【請求項4】
前記複数の磁気抵抗効果素子の各々は、巨大磁気抵抗効果素子又はトンネル磁気抵抗効果素子である、
請求項3に記載の回転機。
【請求項5】
少なくとも前記ステータ及び前記ロータを収納する筐体を更に備え、
前記磁気センサは、
同一の平面上に形成されている磁気抵抗効果素子を有するセンサ部と、
一の面を有する基板と、を含み、
前記センサ部は、前記平面が前記基板の前記一の面と平行になるように前記基板の前記一の面に配置されており、
前記筐体は、前記軸方向において前記筐体を貫通する貫通孔を有し、
前記磁気センサは、前記基板の少なくとも一部が前記貫通孔に挿入されて前記センサ部が前記筐体内に位置している状態で前記基板が前記筐体に固定されることによって、前記筐体に取り付けられている、
請求項1~4のいずれか1項に記載の回転機。
【請求項6】
前記磁気センサが前記筐体に取り付けられている状態で前記貫通孔を封止する封止部材を更に備える、
請求項5に記載の回転機。
【請求項7】
少なくとも前記ステータ及び前記ロータを収納する筐体を更に備え、
前記磁気センサは、
同一の平面上に形成されている磁気抵抗効果素子を有するセンサ部と、
一の面を有する基板と、を含み、
前記センサ部は、前記センサ部と前記基板とを電気的に接続する電極部を更に有し、
前記電極部は、前記センサ部の前記平面の外縁から前記平面と交差する方向に沿った側面に形成されており、
前記基板は、前記筐体内において、前記ロータにおける前記磁気センサとの対向面と平行になるように配置されており、
前記センサ部は、前記電極部によって前記基板に接続されている、
請求項1~4のいずれか1項に記載の回転機。
【請求項8】
少なくとも前記ステータ及び前記ロータを収納する筐体と、
前記磁気センサを保持する保持部材と、を更に備え、
前記磁気センサは、
同一の平面上に形成されている磁気抵抗効果素子を有するセンサ部と、
一の面を有する第1基板と、
前記第1基板が接続されている第2基板と、を含み、
前記第1基板は、前記第1基板の厚さ方向に可撓性を有するフレキシブル基板であり、
前記保持部材と前記第1基板とは、前記ロータにおける前記磁気センサとの対向面と前記センサ部の前記平面とが直交するように前記センサ部を保持する、
請求項1~4のいずれか1項に記載の回転機。
【請求項9】
前記保持部材と前記第1基板とは、前記軸方向と直交する方向である直交方向から前記センサ部を挟むように保持する、
請求項8に記載の回転機。
【請求項10】
前記センサ部の前記平面の中心点は、
前記軸方向において、前記ロータの外形寸法を第1値とした場合に、前記ロータにおける前記磁気センサとの対向面と、前記対向面からの距離が前記第1値の0.8倍となる第1位置との間に位置している、
請求項5~9のいずれか1項に記載の回転機。
【請求項11】
前記センサ部の前記平面の中心点は、
前記軸方向と直交する方向である直交方向において、前記ロータにおける前記磁気センサとの対向面の外縁から前記回転軸までの距離を第2値とした場合に、前記対向面の前記外縁と、前記対向面の前記外縁からの距離が前記第2値の0.8倍となる第2位置との間に位置している、
請求項5~10のいずれか1項に記載の回転機。
【請求項12】
電動機として用いられる、
請求項1~11のいずれか1項に記載の回転機。
【請求項13】
ステータと、
前記ステータに対して回転するロータと、
前記ロータに連結されており、前記ロータの回転に伴って回転する回転軸と、
前記ロータの位置を検出する磁気センサと、を備える回転機の製造方法であって、
前記ロータは、複数の磁石を有し、
前記磁気センサは、前記ロータの前記複数の磁石からの磁界に基づいて前記ロータの位置を検出し、
前記回転軸に平行な方向である軸方向において前記磁気センサと前記ロータとが対向するように前記磁気センサを配置する工程を有する、
回転機の製造方法。
【請求項14】
ステータと、
前記ステータに対して回転するロータと、
前記ロータに連結されており、前記ロータの回転に伴って回転する回転軸と、を備える回転機に用いられる磁気センサであって、
前記ロータは、複数の磁石を有し、
前記回転軸に平行な方向である軸方向において前記ロータと対向しており、前記ロータの前記複数の磁石からの磁界に基づいて前記ロータの位置を検出する、
磁気センサ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に回転機、回転機の製造方法及び磁気センサに関し、より詳細には、磁気センサを備える回転機、磁気センサを備える回転機の製造方法、及び回転機に用いられる磁気センサに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、回転子と、固定子と、を備える回転電機が記載されている。回転子は、略円筒状の回転子キャリアと、回転子キャリアに固定された環状の磁石ユニットと、を有する。固定子は、環状の固定子コアと、固定子コアの外周面に組み付けられている固定子巻線と、を有する。固定子巻線は、所定のエアギャップを挟んで磁石ユニットと対向している。
【0003】
また、特許文献1に記載の回転電機は、回転軸方向において磁石ユニットと重なる位置に設けられているホール素子と、回転軸に固定されているセンサマグネットと、を更に備える。センサマグネットは、回転軸方向においてホール素子から離間した位置に設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2021-44948号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の回転機(回転電機)では、ステータ(固定子)に対してロータ(回転子)を回転させるための磁石ユニットとは別に、ロータの位置を検出するための位置検出用のマグネット(センサマグネット)が必要であった。
【0006】
本開示の目的は、位置検出用のマグネットを省略することが可能な回転機、回転機の製造方法及び磁気センサを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一態様に係る回転機は、ステータと、ロータと、回転軸と、磁気センサと、を備える。前記ロータは、前記ステータに対して回転する。前記回転軸は、前記ロータに連結されており、前記ロータの回転に伴って回転する。前記磁気センサは、前記ロータの位置を検出する。前記ロータは、複数の磁石を有する。前記磁気センサは、前記回転軸に平行な方向である軸方向において前記ロータと対向しており、前記ロータの前記複数の磁石からの磁界に基づいて前記ロータの位置を検出する。
【0008】
本開示の一態様に係る回転機の製造方法は、ステータと、ロータと、回転軸と、磁気センサと、を備える回転機の製造方法である。前記ロータは、前記ステータに対して回転する。前記回転軸は、前記ロータに連結されており、前記ロータの回転に伴って回転する。前記磁気センサは、前記ロータの位置を検出する。前記ロータは、複数の磁石を有する。前記磁気センサは、前記ロータの前記複数の磁石からの磁界に基づいて前記ロータの位置を検出する。前記回転機の製造方法は、前記回転軸に平行な方向である軸方向において前記磁気センサと前記ロータとが対向するように前記磁気センサを配置する工程を有する。
【0009】
本開示の一態様に係る磁気センサは、ステータと、ロータと、回転軸と、を備える回転機に用いられる磁気センサである。前記ロータは、前記ステータに対して回転する。前記回転軸は、前記ロータに連結されており、前記ロータの回転に伴って回転する。前記ロータは、複数の磁石を有する。前記磁気センサは、前記回転軸に平行な方向である軸方向において前記ロータと対向しており、前記ロータの前記複数の磁石からの磁界に基づいて前記ロータの位置を検出する。
【発明の効果】
【0010】
本開示の一態様に係る回転機、回転機の製造方法及び磁気センサによれば、位置検出用のマグネットを省略することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、実施形態1に係る回転機の断面の模式図である。
図2図2は、同上の回転機に用いられるロータ及び回転軸の模式図である。
図3図3は、同上の回転機に用いられるロータの複数の磁石の配置を示す模式図である。
図4図4は、同上の回転機に用いられる磁気センサのブリッジ回路の回路図である。
図5図5は、同上の回転機に用いられる磁気センサの別のブリッジ回路の回路図である。
図6図6は、同上の回転機に用いられる磁気センサの設置範囲の模式図である。
図7図7は、同上の回転機に用いられる磁気センサの別の設置範囲の模式図である。
図8図8は、同上の回転機に用いられる磁気センサの波形図である。
図9図9は、実施形態2に係る回転機の断面の模式図である。
図10図10は、実施形態3に係る回転機の断面の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、実施形態1~3に係る回転機、回転機の製造方法及び磁気センサについて、図面を参照して説明する。下記の実施形態1~3において説明する図1図3図6図7図9及び図10の各々は模式的な図であり、各構成要素の大きさや厚さそれぞれの比が必ずしも実際の寸法比を反映しているとは限らない。また、下記の実施形態1~3で説明する構成は本開示の一例にすぎない。本開示は、下記の実施形態1~3に限定されず、本開示の効果を奏することができれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。
【0013】
(実施形態1)
実施形態1に係る回転機1、回転機1の製造方法及び磁気センサ14について、図1図8を参照して説明する。
【0014】
(1)概要
まず、実施形態1に係る回転機1及び磁気センサ14の概要について、図1を参照して説明する。
【0015】
実施形態1に係る回転機1は、例えば、電気自動車に搭載される車載用の回転機であって、電気自動車の動力源として用いられる。回転機1は、例えば、電動機(モータ)である。より詳細には、回転機1は、例えば、ブラシレスモータである。回転機1は、電気自動車に搭載されたバッテリ(図示せず)から供給される直流電力によって回転軸13(図1参照)を回転させることで、動力(回転トルク)を発生させる。
【0016】
実施形態1に係る回転機1及び磁気センサ14は、ロータ12の位置を検出するための位置検出用のマグネット(磁石)を省略することを目的として、以下の構成を採用している。
【0017】
すなわち、実施形態1に係る回転機1は、図1に示すように、ステータ11と、ロータ12と、回転軸13と、磁気センサ14と、を備える。ロータ12は、ステータ11に対して回転する。回転軸13は、ロータ12に連結されており、ロータ12の回転に伴って回転する。磁気センサ14は、ロータ12の位置を検出する。ロータ12は、複数の磁石122(図3参照)を有する。磁気センサ14は、軸方向D1においてロータ12と対向しており、ロータ12の複数の磁石122(図3参照)からの磁界に基づいてロータ12の位置を検出する。軸方向D1は、回転軸13の長手方向に平行な方向である。
【0018】
また、実施形態1に係る磁気センサ14は、図1に示すように、ステータ11と、ロータ12と、回転軸13と、を備える回転機1に用いられる磁気センサである。ロータ12は、ステータ11に対して回転する。回転軸13は、ロータ12に連結されており、ロータ12の回転に伴って回転する。ロータ12は、複数の磁石122(図3参照)を有する。磁気センサ14は、軸方向D1においてロータ12と対向しており、ロータ12の複数の磁石122(図3参照)からの磁界に基づいてロータ12の位置を検出する。軸方向D1は、回転軸13の長手方向に平行な方向である。
【0019】
実施形態1に係る回転機1及び磁気センサ14では、磁気センサ14は、上述したように、軸方向D1においてロータ12と対向しており、ロータ12の複数の磁石122(図3参照)からの磁界に基づいてロータ12の位置を検出している。このため、ロータ12の位置を検出するための位置検出用のマグネットが不要であり、位置検出用のマグネットを省略することが可能となる。すなわち、ロータ12の複数の磁石122とは別に位置検出用のマグネットを設ける必要がない。
【0020】
(2)詳細
次に、実施形態1に係る回転機1及び磁気センサ14の詳細について、図1図5を参照して説明する。
【0021】
実施形態1に係る回転機1は、図1に示すように、ステータ11と、ロータ12と、回転軸13と、磁気センサ14と、を備える。また、実施形態1に係る回転機1は、筐体15を更に備える。回転機1は、上述したように、例えば、電動機(モータ)として用いられる。
【0022】
(2.1)ステータ
ステータ(固定子)11は、図1図6及び図7に示すように、ステータコア111と、複数のティース112と、複数のコイル113と、を有する。
【0023】
ステータコア111は、図7に示すように、例えば、軸方向D1からの平面視において円環状である。軸方向D1は、後述の回転軸13に平行な方向(図1の上下方向)である。ステータコア111は、例えば、ケイ素鋼板のような磁性材料により形成されている。より詳細には、ステータコア111は、複数枚のケイ素鋼板をその厚さ方向に積層して形成されている。したがって、周方向に沿ったステータコア111の断面は、矩形状である。
【0024】
複数のティース112の各々は、ステータコア111の内周面からステータコア111の中心に向けて突出している。複数のティース112は、ステータコア111の周方向に沿って等間隔に配置されている。複数のティース112の各々は、ステータコア111と同様、複数枚のケイ素鋼板をその厚さ方向に積層して形成されている。複数のティース112は、上述のステータコア111と一体に形成されていてもよいし、別体に形成されていてもよい。
【0025】
複数のコイル113は、複数のティース112と一対一に対応する。複数のコイル113の各々は、複数のティース112のうち対応するティース112の外周面に導線が巻き回されることによって形成される。複数のコイル113の各々の巻回軸方向は、対応するティース112の突出方向に沿った方向である。
【0026】
(2.2)ロータ
ロータ12は、上述のステータ11に対して相対的に回転する。ロータ12は、ステータ11に対して相対的に回転することによって、後述の回転軸13を回転させる。すなわち、ステータ11に対してロータ12が相対的に回転することによって、回転軸13に動力(回転トルク)が伝達される。
【0027】
ロータ(回転子)12は、図1図3に示すように、ロータコア121と、複数(図示例では8個)の磁石122と、を有する。
【0028】
ロータコア121は、例えば、円筒状であって、中心軸の方向が軸方向D1と平行になるように配置されている。ロータコア121は、例えば、ケイ素鋼板のような磁性材料により形成されている。より詳細には、ロータコア121は、複数枚のケイ素鋼板をその厚さ方向に積層して形成されている。
【0029】
ロータコア121は、軸孔1211(図3参照)を有する。軸孔1211は、ロータコア121の中心部に設けられており、ロータコア121の厚さ方向(軸方向D1)にロータコア121を貫通している。軸孔1211の内径(直径)は、回転軸13の外径(直径)と略同じ大きさである。
【0030】
複数(図示例では8個)の磁石122の各々は、例えば、永久磁石(一例として、ネオジム磁石)である。複数の磁石122の各々は、例えば、軸方向D1からの平面視において円弧状である(図3参照)。複数の磁石122は、ロータコア121の外周面1213に沿って配置されており、軸方向D1からの平面視において円環状に配置されている。これにより、ロータコア121の周方向に沿って複数の磁極(S極及びN極)が交互に配置される。
【0031】
複数の磁石122の各々は、ロータコア121の径方向に沿って着磁されている。例えば、複数の磁石122のうちのある磁石122について、ロータコア121の径方向における外側の磁極が「S極」であれば、内側の磁極は「N極」である。実施形態1に係る回転機1では、複数の磁石122は、ロータコア121の外周面(表面)に沿って配置されている。すなわち、実施形態1に係る回転機1は、SPM(Surface Permanent Magnet)モータである。なお、図3では、各磁石122において、ロータコア121の径方向における外側の磁極の表記のみを図示し、内側の磁極の表記の図示を省略している。
【0032】
上述のように構成されたロータ12は、複数の磁石122による磁界と、ステータ11の複数のコイル113に電流が流れることによって発生する磁界とで回転し、発生するトルク(回転トルク)を回転軸13に伝達する。
【0033】
(2.3)回転軸
回転軸13は、図1図3に示すように、例えば、軸方向D1に沿って長い丸棒状である。回転軸13は、ロータコア121の軸孔1211に挿通させた状態でロータコア121に取り付けられる。そして、回転軸13は、ロータ12の回転に伴って回転する。すなわち、回転軸13は、ロータ12に連結されており、ロータ12の回転に伴って回転する。
【0034】
(2.4)磁気センサ
磁気センサ14は、上述のロータ12の位置を検出する。より詳細には、磁気センサ14は、ロータ12のロータコア121の外周面1213に沿って配置されている複数の磁石122によってロータコア121の対向面1212側に発生する磁界に基づいて、ロータ12の位置を検出する。ロータコア121の対向面1212は、ロータコア121のうち軸方向D1において磁気センサ14と対向する面である。
【0035】
磁気センサ14は、図1に示すように、基板141と、センサ部142と、を含む。
【0036】
基板141は、例えば、プリント配線板である。基板141は、一の面1411を有する。一の面1411は、センサ部142が実装される実装面である。基板141は、適宜の固定手段によって後述の筐体15に固定される。固定手段は、例えば、ねじ、両面テープ又はマジックテープ(登録商標)である。
【0037】
センサ部142は、図4及び図5に示すように、複数(図示例では8個)の磁気抵抗効果素子101,102,201,202,301,302,401,402を有する。複数の磁気抵抗効果素子101,102,201,202,301,302,401,402の各々は、例えば、巨大磁気抵抗効果(GMR:Giant Magneto Resistive effect)素子である。
【0038】
センサ部142は、図1に示すように、基材1421と、磁気抵抗膜1422と、を含む。磁気抵抗膜1422は、基材1421における基板141側とは反対側の面1423上に形成されている。磁気抵抗膜1422は、上述の複数の磁気抵抗効果素子101,102,201,202,301,302,401,402を構成する。すなわち、実施形態1に係る回転機1では、基材1421における基板141側とは反対側の面1423が、磁気抵抗素子101,102,201,202,301,302,401,402が形成されている同一の平面(以下、「平面1423」ともいう)である。センサ部142は、図1に示すように、基材1421の平面1423が基板141の一の面1411と平行になるように基板141の一の面1411に配置(実装)されている。
【0039】
磁気センサ14は、図1に示すように、基板141の一部が後述の筐体15の貫通孔1522に挿入されてセンサ部142が筐体15内に位置している状態で基板141が筐体15に固定されることによって、筐体15に取り付けられる。すなわち、実施形態1に係る回転機1では、基板141の一部が筐体15の外部に露出している。そして、磁気センサ14が筐体15に取り付けられた状態では、封止部材16によって貫通孔1522が封止される。封止部材16は、例えば、シリコーンゴムからなる成形品である。
【0040】
(2.5)筐体
筐体15は、例えば、アルミダイキャストによる成形品である。筐体15は、例えば、中空の円筒状である。筐体15は、図1に示すように、ケース151と、カバー152と、を有する。ケース151及びカバー152は、それぞれアルミダイキャストによる成形品である。
【0041】
ケース151は、一面(図1の上面)が開口した円筒状である。ケース151は、図1に示すように、軸孔1511を有する。軸孔1511は、ケース151の底板1512の中心部において、ケース151の底板1512の厚さ方向(軸方向D1)に沿ってケース151の底板1512を貫通している。軸孔1511は、軸方向D1からの平面視において円形である。軸孔1511の内径(直径)は、回転軸13の外径(直径)よりも大きい。
【0042】
カバー152は、例えば、円板状である。カバー152は、図1に示すように、軸孔1521と、貫通孔1522と、を有する。軸孔1521は、カバー152の中心部において、カバー152の厚さ方向(軸方向D1)に沿ってカバー152を貫通している。軸孔1521は、軸方向D1からの平面視において円形であって、軸孔1511と同じ大きさである。
【0043】
貫通孔1522は、軸方向D1においてロータ12のロータコア121と対向する位置に設けられている。貫通孔1522は、カバー152の厚さ方向(軸方向D1)に沿ってカバー152を貫通している。貫通孔1522は、例えば、軸方向D1からの平面視において矩形状である。貫通孔1522は、上述の磁気センサ14を挿通可能な大きさである。したがって、実施形態1に係る回転機1によれば、ステータ11、ロータ12及び回転軸13を筐体15に組み付けた後で、磁気センサ14を筐体15に取り付けることが可能となる。すなわち、完成品としての回転機1に対して磁気センサ14を後付けすることが可能となる。
【0044】
筐体15は、ケース151の上面開口を塞ぐようにしてケース151にカバー152を取り付けることによって、一体に組み立てられる。
【0045】
一体に組み立てられたケース151及びカバー152、すなわち筐体15は、少なくともステータ11及びロータ12を収納する。より詳細には、筐体15は、図1に示すように、ステータ11、ロータ12、回転軸13の一部及び磁気センサ14の一部を収納する。
【0046】
筐体15は、ケース151の軸孔1511及びカバー152の軸孔1521を通して一部を露出させた状態の回転軸13を、複数のベアリング(図示せず)を介して回転可能に保持する。
【0047】
(3)磁気センサの回路構成
次に、磁気センサ14の回路構成について、図4及び図5を参照して説明する。
【0048】
磁気センサ14は、図4及び図5に示すように、第1ハーフブリッジ回路10と、第2ハーフブリッジ回路20と、第3ハーフブリッジ回路30と、第4ハーフブリッジ回路40と、を含む。
【0049】
第1ハーフブリッジ回路10は、図4に示すように、一対の磁気抵抗効果素子101,102と、第1出力端子103と、を有する。一対の磁気抵抗効果素子101,102は、第1方向(図4の上下方向)に沿った磁界を検出する。第1方向は、磁気センサ14の基材1421の平面1423と直交する方向である。第1出力端子103は、一対の磁気抵抗効果素子101,102間の接続点から第1出力信号を出力する。第1出力信号は、例えば、正弦波信号である。
【0050】
第2ハーフブリッジ回路20は、図5に示すように、一対の磁気抵抗効果素子201,202と、第2出力端子203と、を有する。一対の磁気抵抗効果素子201,202は、第2方向(図5の左右方向)に沿った磁界を検出する。第2方向は、磁気センサ14の基材1421の平面1423と直交し、かつ第1方向と直交する方向である。第2出力端子203は、一対の磁気抵抗効果素子201,202間の接続点から第2出力信号を出力する。第2出力信号は、例えば、余弦波信号である。
【0051】
第3ハーフブリッジ回路30は、図4に示すように、一対の磁気抵抗効果素子301,302と、第3出力端子303と、を有する。一対の磁気抵抗効果素子301,302は、第1方向に沿った磁界を検出する。また、一対の磁気抵抗効果素子301,302のうち高電位側の磁気抵抗効果素子301は、一対の磁気抵抗効果素子101,102のうち高電位側の磁気抵抗効果素子102に対して反平行方向の磁界を検出する。さらに、一対の磁気抵抗効果素子301,302のうち低電位側の磁気抵抗効果素子302は、一対の磁気抵抗効果素子101,102のうち低電位側の磁気抵抗効果素子101に対して反平行方向の磁界を検出する。第3出力端子303は、一対の磁気抵抗効果素子301,302間の接続点から第3出力信号を出力する。第3出力信号は、例えば、正弦波信号であって、第1出力信号とは逆相の信号である。
【0052】
第4ハーフブリッジ回路40は、図5に示すように、一対の磁気抵抗効果素子401,402と、第4出力端子403と、を有する。一対の磁気抵抗効果素子401,402は、第2方向に沿った磁界を検出する。また、一対の磁気抵抗効果素子401,402のうち高電位側の磁気抵抗効果素子402は、一対の磁気抵抗効果素子201,202のうち高電位側の磁気抵抗効果素子201に対して反平行方向の磁界を検出する。さらに、一対の磁気抵抗効果素子401,402のうち低電位側の磁気抵抗効果素子401は、一対の磁気抵抗効果素子201,202のうち低電位側の磁気抵抗効果素子202に対して反平行方向の磁界を検出する。第4出力端子403は、一対の磁気抵抗効果素子401,402間の接続点から第4出力信号を出力する。第4出力信号は、例えば、余弦波信号であって、第2出力信号とは逆相の信号である。
【0053】
すなわち、実施形態1に係る回転機1では、一対の磁気抵抗効果素子101,102及び一対の磁気抵抗効果素子301,302が第1磁気抵抗効果素子である。また、実施形態1に係る回転機1では、一対の磁気抵抗効果素子201,202及び一対の磁気抵抗効果素子401,402が第2磁気抵抗効果素子である。
【0054】
図4に示すように、磁気抵抗効果素子101の第1端は、グランドに接続されている。磁気抵抗効果素子101の第2端は、磁気抵抗効果素子102の第1端に接続されている。磁気抵抗効果素子102の第2端は、電源(Vcc)に接続されている。すなわち、一対の磁気抵抗効果素子101,102は、電源とグランドとの間において直列に接続されている。
【0055】
図5に示すように、磁気抵抗効果素子201の第1端は、電源(Vcc)に接続されている。磁気抵抗効果素子201の第2端は、磁気抵抗効果素子202の第1端に接続されている。磁気抵抗効果素子202の第2端は、グランドに接続されている。すなわち、一対の磁気抵抗効果素子201,202は、電源とグランドとの間において直列に接続されている。
【0056】
図4に示すように、磁気抵抗効果素子301の第1端は、電源(Vcc)に接続されている。磁気抵抗効果素子301の第2端は、磁気抵抗効果素子302の第1端に接続されている。磁気抵抗効果素子302の第2端は、グランドに接続されている。すなわち、一対の磁気抵抗効果素子301,302は、電源とグランドとの間において直列に接続されている。
【0057】
図5に示すように、磁気抵抗効果素子401の第1端は、グランドに接続されている。磁気抵抗効果素子401の第2端は、磁気抵抗効果素子402の第1端に接続されている。磁気抵抗効果素子402の第2端は、電源(Vcc)に接続されている。すなわち、一対の磁気抵抗効果素子401,402は、電源とグランドとの間において直列に接続されている。
【0058】
第1出力端子103から出力される第1出力信号、第2出力端子203から出力される第2出力信号、第3出力端子303から出力される第3出力信号及び第4出力端子403から出力される第4出力信号は、処理回路(図示せず)に入力される。処理回路は、1以上のプロセッサ及びメモリを有するコンピュータシステムを含んでいる。コンピュータシステムのメモリに記録されたプログラムを、コンピュータシステムのプロセッサが実行することにより、処理回路の機能が実現される。プログラムは、メモリに記録されていてもよいし、インターネット等の電気通信回線を通して提供されてもよく、メモリカード等の非一時的記録媒体に記録されて提供されてもよい。
【0059】
処理回路は、例えば、磁気センサ14の基板141に実装されている。処理回路は、磁気センサ14に印加される磁界の向きを、上述の第1出力信号、第2出力信号、第3出力信号及び第4出力信号に基づいて求める。
【0060】
(4)磁気センサの配置
次に、磁気センサ14の配置について、図1図6及び図7を参照して説明する。
【0061】
磁気センサ14は、上述したように、基板141の一部が筐体15の貫通孔1522に挿入されてセンサ部142が筐体15内に位置している状態で基板141が筐体15に固定されることによって、筐体15に取り付けられている。つまり、磁気センサ14の一部分が筐体15内に位置し、磁気センサ14の残り部分が筐体15外に位置するように、磁気センサ14が筐体15に取り付けられている。磁気センサ14が筐体15に取り付けられている状態では、磁気センサ14は、図1に示すように、軸方向D1においてロータ12のロータコア121と対向している。また、磁気センサ14が筐体15に取り付けられている状態では、ロータ12における磁気センサ14との対向面1212と磁気センサ14のセンサ部142の基材1421の平面1423とが直交している。本開示でいう「直交」は、二者間の角度が厳密に90度である状態だけでなく、二者間の角度が、実質的に効果が得られる公差(例えば、±5度)の範囲内である状態も含み得る。
【0062】
ここで、磁気センサ14のセンサ部142の中心点C1(図1参照)は、図6及び図7に示すように、領域a1及び領域a2の両方に含まれていることが好ましい。中心点C1は、センサ部142を構成する基材1421の平面1423の中心点である。
【0063】
領域a1は、図6に示すように、軸方向D1及び直交方向D2の両方と直交する方向(図6の紙面に垂直な方向)からの平面視において、軸方向D1における第1線分L2と直交方向D2における第2線分L4とで囲まれる領域である。第1線分L2は、軸方向D1におけるロータ12のロータコア121の外形寸法(高さ寸法)をL1(第1値)とした場合に、第1値L1の0.8倍の長さである。言い換えると、第1線分L2は、軸方向D1において、ロータ12のロータコア121における磁気センサ14との対向面1212と、上記対向面1212からの距離がL2となる第1位置P1とを結ぶ線分である。
【0064】
一方、第2線分L4は、直交方向D2における対向面1212の外縁から回転軸13までの距離をL3(第2値)とした場合に、第2値L3の0.8倍の長さである。言い換えると、第2線分L4は、直交方向D2において、上記対向面1212の外縁と、上記外縁からの距離がL4となる第2位置P2とを結ぶ線分である。
【0065】
領域a2は、図7に示すように、軸方向D1(図7の紙面に垂直な方向)からの平面視において、直交方向D2における上述の第2線分L4と、軸方向D1及び直交方向D2の両方と直交する方向D3における第3線分L5とで囲まれる矩形領域である。第3線分L5は、ロータ12のロータコア121の直径をd3(第3値)とした場合に、第3値d3の0.2倍の長さである。
【0066】
磁気センサ14のセンサ部142の中心点C1が、上述の領域a1及び領域a2の両方に含まれている場合には、磁気センサ14の検出精度を更に向上させることが可能となる。
【0067】
(5)回転機の製造方法
次に、実施形態1に係る回転機1の製造方法について説明する。
【0068】
実施形態1に係る回転機1の製造方法は、ステータ11と、ロータ12と、回転軸13と、磁気センサ14と、を備える回転機1の製造方法である。ロータ12は、ステータ11に対して回転する。回転軸13は、ロータ12に連結されており、ロータ12の回転に伴って回転する。磁気センサ14は、ロータ12の位置を検出する。ロータ12は、複数の磁石122を有する。磁気センサ14は、ロータ12の複数の磁石122からの磁界に基づいてロータ12の位置を検出する。回転機1の製造方法は、軸方向D1において磁気センサ14とロータ12とが対向するように磁気センサ14を配置する工程を有する。軸方向D1は、回転軸13に平行な方向である。
【0069】
実施形態1に係る回転機1の製造方法では、軸方向D1においてロータ12と対向するように磁気センサ14を配置している。このように配置された磁気センサ14は、ロータ12の複数の磁石122からの磁界に基づいてロータ12の位置を検出可能である。このため、ロータ12の位置を検出するための位置検出用のマグネット(磁石)が不要であり、位置検出用のマグネットを省略することが可能となる。
【0070】
以下、回転機1の製造方法について説明する。
【0071】
まず、作業者は、ロータ12に回転軸13を取り付ける第1取付工程を実行する。より詳細には、作業者は、第1取付工程において、ロータ12のロータコア121に設けられた軸孔1211に回転軸13を挿通させた後、適宜の取付手段を介して回転軸13をロータコア121に取り付ける。
【0072】
次に、作業者は、ステータ11、ロータ12及び回転軸13を筐体15のケース151内に収納する収納工程を実行する。より詳細には、作業者は、収納工程において、筐体15のケース151に設けられた軸孔1511に回転軸13の第1端部(図1の下端部)を挿入してロータ12及び回転軸13をケース151内に収納する。また、作業者は、収納工程において、ロータ12及び回転軸13を取り囲むようにしてステータ11をケース151内に収納する。
【0073】
次に、作業者は、ケース151にカバー152を取り付ける第2取付工程を実行する。より詳細には、作業者は、第2取付工程において、カバー152に設けられた軸孔1521に回転軸13の第2端部(図1の上端部)を挿入した後、カバー152をケース151に近づけていき、カバー152をケース151に取り付ける。
【0074】
次に、作業者は、一体に組み立てられた回転機1に対して磁気センサ14を取り付ける第3取付工程を実行する。より詳細には、作業者は、第3取付工程において、筐体15のカバー152に設けられた貫通孔1522を通して、磁気センサ14の基板141の一部を筐体15内に挿入する。その後、例えば、両面テープを用いて基板141を筐体15のカバー152に固定する。このとき、磁気センサ14は、図1に示すように、軸方向D1においてロータ12と対向している。すなわち、回転機1の製造方法は、軸方向D1において磁気センサ14とロータ12とが対向するように磁気センサ14を配置する工程を有する。最後に、筐体15のカバー152に設けられた貫通孔1522を封止部材16で封止すると、回転機1の組み立てが完了する。
【0075】
(6)磁気センサの特性
次に、磁気センサ14の特性について、図8を参照して説明する。
【0076】
軸方向D1において、磁気センサ14が予め決められている基準位置(ずれ量が±0mm)に位置している場合、リサージュ波形が示すように、磁気センサ14によって検出される磁界の波形は、理想波形からの位相ずれがほとんどなく、理想的な波形になっている。また、この場合、差動出力波形が示すように、歪みが少ない正弦波波形及び余弦波波形になっている。
【0077】
軸方向D1において、磁気センサ14の位置が基準位置に比べて上側に2mmずれている場合、リサージュ波形が示すように、磁気センサ14によって検出される磁界の波形は、理想波形からの位相ずれが少ない。また、この場合、差動出力波形が示すように、歪みが少ない正弦波波形及び余弦波波形になっている。
【0078】
軸方向D1において、磁気センサ14の位置が基準位置に比べて下側に2mmずれている場合、リサージュ波形が示すように、磁気センサ14によって検出される磁界の波形は、理想波形からの位相ずれが少ない。また、この場合、差動出力波形が示すように、歪みが少ない正弦波波形及び余弦波波形になっている。
【0079】
このように、軸方向D1における磁気センサ14の位置が基準位置に対して±2mmの範囲内にあれば、位相ずれ及び歪みが少ない波形(正弦波波形及び余弦波波形)を取得することが可能となる。
【0080】
一方、図示を省略しているが、軸方向D1においてステータ11と対向する位置に磁気センサ(厳密にはセンサ部)が配置されている場合、リサージュ波形において理想波形からの位相ずれが大きくなり、さらに差動出力波形において歪みが大きい正弦波波形及び余弦波波形になる。また、図示を省略しているが、ロータ12の径方向においてステータ11と横並びに磁気センサ(厳密にはセンサ部)が配置されている場合、同様に、リサージュ波形において理想波形からの位相ずれが大きくなり、さらに差動出力波形において歪みが大きい正弦波波形及び余弦波波形になる。
【0081】
(7)効果
実施形態1に係る回転機1では、磁気センサ14は、軸方向D1においてロータ12と対向する位置に配置されており、ロータ12の複数の磁石122からの磁界に基づいてロータ12の位置を検出している。このため、ロータ12の位置を検出するための位置検出用のマグネットが不要であり、位置検出用のマグネットを省略することが可能となる。また、実施形態1に係る回転機1では、磁気センサ14は、回転機1を構成するロータ12の複数の磁石122の磁界を検出するので、外乱による影響を抑制することが可能となる。さらに、実施形態1に係る回転機1によれば、複数種類の回転機1に対応可能である。
【0082】
また、実施形態1に係る回転機1では、ロータ12の対向面1212と磁気センサ14の平面1423とが直交している。これにより、ロータ12の複数の磁石122からの磁界を正弦波及び余弦波の少なくとも一方で検出することが可能となる。
【0083】
また、実施形態1に係る回転機1では、磁気センサ14は、第1方向に沿った磁界を検出する磁気抵抗効果素子101,102,301,302と、第2方向に沿った磁界を検出する磁気抵抗効果素子201,202,401,402と、を有している。これにより、第1方向に沿った磁界及び第2方向に沿った磁界の両方を検出することが可能となる。
【0084】
また、実施形態1に係る回転機1では、磁気センサ14は、基板141の一部が筐体15の貫通孔1522に挿入されてセンサ部142が筐体15内に位置している状態で基板141が筐体15に固定されることによって、筐体15に取り付けられている。このため、回転機1に対して磁気センサ14を後付けすることが可能となる。
【0085】
また、実施形態1に係る回転機1は、磁気センサ14が筐体15に取り付けられている状態で貫通孔1522を封止する封止部材16を備えている。これにより、筐体15内への異物の侵入を抑制することが可能となる。
【0086】
(8)変形例
実施形態1は、本開示の様々な実施形態の一つに過ぎない。実施形態1は、本開示の目的を達成できれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。以下、実施形態1の変形例を列挙する。以下に説明する変形例は、適宜組み合わせて適用可能である。
【0087】
実施形態1では、回転機1が電動機(モータ)であるが、回転機1は、電動機であることに限らず、例えば、発電機(ジェネレータ)であってもよい。すなわち、回転機1は、電動機又は発電機である。
【0088】
実施形態1では、回転機1がSPMモータであるが、回転機1は、SPMモータであることに限らず、例えば、IPM(Interior Permanent Magnet)モータであってもよい。すなわち、複数の磁石122は、ロータ12のロータコア121に内蔵されていてもよい。
【0089】
実施形態1では、複数の磁石122の各々が円弧状であるが、複数の磁石122の各々は円弧状であることに限らず、例えば、平板状であってもよい。
【0090】
実施形態1では、複数の磁石122の各々が永久磁石であるが、複数の磁石122の各々は永久磁石であることに限らず、例えば、電磁石であってもよい。
【0091】
実施形態1では、複数の磁石122の個数が8個であるが、複数の磁石122の個数は8個であることに限らず、例えば、4個であってもよいし、12個であってもよい。
【0092】
実施形態1では、複数の磁石122の各々は、ロータコア121の径方向に2つの磁極が着磁されているが、2つの磁極のうち外側の磁極が着磁されていればよく、内側の磁極については着磁されていなくてもよい。
【0093】
実施形態1では、複数の磁気抵抗効果素子101,102,201,202,301,302,401,402の各々が巨大磁気抵抗効果素子であるが、複数の磁気抵抗効果素子101,102,201,202,301,302,401,402の各々は巨大磁気抵抗効果素子であることに限らず、例えば、トンネル磁気抵抗効果(TMR:Tunnel magnetoresistance effect)素子であってもよい。すなわち、複数の磁気抵抗効果素子101,102,201,202,301,302,401,402の各々は、巨大磁気抵抗効果素子又はトンネル磁気抵抗効果である。さらに、複数の磁気抵抗効果素子101,102,201,202,301,302,401,402の各々は、例えば、異方性磁気抵抗効果(AMR:Anisotropic magnetoresistance effect)素子であってもよい。
【0094】
実施形態1では、封止部材16がシリコーンゴムからなる成形品であるが、封止部材16は、例えば、樹脂成形品であってもよい。この場合においても、封止部材16により貫通孔1522を封止することで、筐体15内への異物の侵入を抑制することが可能となる。
【0095】
実施形態1では、ステータコア111が一体に形成されているが、ステータコア111は一体に形成されていることに限らず、例えば、複数の分割片に分割されていてもよい。
【0096】
実施形態1では、貫通孔1522は、筐体15のカバー152に設けられているが、貫通孔は、例えば、筐体15のケース151の底板1512に設けられていてもよい。この場合においても、磁気センサ14のセンサ部142とロータ12のロータコア121とが軸方向D1において対向するように、ケース151の底板1512のうち軸方向D1においてロータコア121と対向する位置に貫通孔が設けられていればよい。
【0097】
実施形態1では、磁気センサ14は、第1ハーフブリッジ回路10、第2ハーフブリッジ回路20、第3ハーフブリッジ回路30及び第4ハーフブリッジ回路40を含むが、第3ハーフブリッジ回路30及び第4ハーフブリッジ回路40については省略されていてもよい。すなわち、磁気センサ14は、少なくとも第1ハーフブリッジ回路10及び第2ハーフブリッジ回路20を含んでいればよい。
【0098】
(実施形態2)
実施形態2に係る回転機1aについて、図9を参照して説明する。実施形態2に係る回転機1aに関し、実施形態1に係る回転機1(図1参照)と同様の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0099】
実施形態2に係る回転機1aでは、図9に示すように、磁気センサ14aの全体が筐体15内に収納されている点で、実施形態1に係る回転機1(図1参照)と相違する。また、実施形態2に係る回転機1aでは、センサ部142の側面1424に設けられた電極部143を介して基板141の一の面1411に実装されている点で、実施形態1に係る回転機1と相違する。
【0100】
実施形態2に係る回転機1aは、図9に示すように、ステータ11と、ロータ12と、回転軸13と、磁気センサ14aと、筐体15と、を備える。磁気センサ14aは、基板141と、センサ部142と、を含む。
【0101】
センサ部142は、基材1421の平面1423に形成されている複数の磁気抵抗効果素子101,102,201,202,301,302,401,402(図4及び図5参照)に加えて、センサ部142と基板141とを電気的に接続する電極部143を更に備える。電極部143は、例えば、はんだである。電極部143は、基材1421の側面1424に設けられている。基材1421の側面1424は、基材1421の平面1423の外縁から平面1423と交差(直交)する方向に沿った面である。センサ部142は、図9に示すように、電極部143によって基板141に接続されている。
【0102】
ここで、磁気センサ14が筐体15内に収納されている状態では、磁気センサ14の基板141は、図9に示すように、ロータ12における磁気センサ14との対向面1212と平行になるように配置されている。これにより、磁気センサ14のセンサ部142の基材1421の平面1423は、上記対向面1212と直交している。
【0103】
実施形態2に係る回転機1aでは、実施形態1に係る回転機1と同様、磁気センサ14aは、軸方向D1においてロータ12と対向しており、ロータ12の複数の磁石122からの磁界に基づいてロータ12の位置を検出している。このため、ロータ12の位置を検出するための位置検出用のマグネットが不要であり、位置検出用のマグネットを省略することが可能となる。
【0104】
また、実施形態2に係る回転機1aでは、ロータ12の対向面1212と磁気センサ14aの平面1423とが直交している。これにより、ロータ12の複数の磁石122からの磁界を正弦波及び余弦波の少なくとも一方で検出することが可能となる。
【0105】
実施形態2で説明した種々の構成は、実施形態1で説明した種々の構成(変形例を含む)と適宜組み合わせて採用可能である。
【0106】
(実施形態3)
実施形態3に係る回転機1bについて、図10を参照して説明する。実施形態3に係る回転機1bに関し、実施形態1に係る回転機1(図1参照)と同様の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0107】
実施形態3に係る回転機1bでは、図10に示すように、磁気センサ14bの全体が筐体15内に収納されている点で、実施形態1に係る回転機1(図1参照)と相違する。また、実施形態3に係る回転機1bでは、第1基板144と保持部材145との間でセンサ部142を保持させている点で、実施形態1に係る回転機1bと相違する。
【0108】
実施形態3に係る回転機1bは、図10に示すように、ステータ11と、ロータ12と、回転軸13と、磁気センサ14bと、筐体15と、を備える。磁気センサ14bは、2つの基板141,144と、センサ部142と、保持部材145と、を含む。すなわち、実施形態3に係る回転機1bは、磁気センサ14bを保持する保持部材145を更に備える。
【0109】
基板144は、基板144の厚さ方向に可撓性を有するフレキシブル基板である。基板144は、一の面1441を有する。基板144は、基板141に接続されている。すなわち、実施形態3に係る回転機1bでは、基板144が第1基板であり、基板141が第2基板である。
【0110】
保持部材145は、例えば、電気絶縁性を有する材料(例えば、合成樹脂)により断面視の形状がL字状に形成されている。保持部材145は、上述の基板144との間でセンサ部142を保持するための部材である。すなわち、保持部材145は、図10に示すように、断面視の形状がL字状に折り曲げられた基板144との間でセンサ部142を保持する。より詳細には、保持部材145と基板(第1基板)144とは、直交方向D2からセンサ部142を挟むようにしてセンサ部142を保持する。直交方向D2は、軸方向D1と直交する方向である。そして、保持部材145と基板144とでセンサ部142が保持されている状態では、ロータ12における磁気センサ14bとの対向面1212とセンサ部142の基材1421の平面1423とが直交している。
【0111】
実施形態3に係る回転機1bでは、実施形態1に係る回転機1と同様、磁気センサ14aは、軸方向D1においてロータ12と対向しており、ロータ12の複数の磁石122からの磁界に基づいてロータ12の位置を検出している。このため、ロータ12の位置を検出するための位置検出用のマグネットが不要であり、位置検出用のマグネットを省略することが可能となる。
【0112】
また、実施形態3に係る回転機1bでは、ロータ12の対向面1212と磁気センサ14bの平面1423とが直交している。これにより、ロータ12の複数の磁石122からの磁界を正弦波及び余弦波の少なくとも一方で検出することが可能となる。
【0113】
実施形態3で説明した種々の構成は、実施形態1,2で説明した種々の構成(変形例を含む)と適宜組み合わせて採用可能である。
【0114】
(態様)
本明細書には、以下の態様が開示されている。
【0115】
第1の態様に係る回転機(1;1a;1b)は、ステータ(11)と、ロータ(12)と、回転軸(13)と、磁気センサ(14;14a;14b)と、を備える。ロータ(12)は、ステータ(11)に対して回転する。回転軸(13)は、ロータ(12)に連結されており、ロータ(12)の回転に伴って回転する。磁気センサ(14;14a;14b)は、ロータ(12)の位置を検出する。ロータ(12)は、複数の磁石(122)を有する。磁気センサ(14;14a;14b)は、回転軸(13)に平行な方向である軸方向(D1)においてロータ(12)と対向しており、ロータ(12)の複数の磁石(122)からの磁界に基づいてロータ(12)の位置を検出する。
【0116】
この態様によれば、磁気センサ(14;14a;14b)は、ロータ(12)の複数の磁石(122)からの磁界に基づいてロータ(12)の位置を検出するので、位置検出用のマグネットを省略することが可能となる。
【0117】
第2の態様に係る回転機(1;1a;1b)では、第1の態様において、磁気センサ(14;14a;14b)は、同一の平面(1423)上に形成されている磁気抵抗効果素子(101,102,201,202,301,302,401,402)を有する。この回転機(1;1a;1b)では、ロータ(12)における磁気センサ(14;14a;14b)との対向面(1212)と磁気センサ(14;14a;14b)の平面(1423)とが直交している。
【0118】
この態様によれば、ロータ(12)の対向面(1212)と磁気センサ(14;14a;14b)の平面(1423)とが直交しているので、ロータ(12)の複数の磁石(122)からの磁界を正弦波又は余弦波で検出することが可能となる。
【0119】
第3の態様に係る回転機(1;1a;1b)は、第2の態様において、磁気抵抗効果素子(101,102,201,202,301,302,401,402)を複数備える。複数の磁気抵抗効果素子(101,102,201,202,301,302,401,402)は、第1磁気抵抗効果素子(101,102,301,302)と、第2磁気抵抗効果素子(201,202,401,402)と、を含む。第1磁気抵抗効果素子(101,102,301,302)は、磁気センサ(14;14a;14b)の平面(1423)と直交する第1方向に沿った磁界を検出する。第2磁気抵抗効果素子(201,202,401,402)は、磁気センサ(14;14a;14b)の平面(1423)と直交し、かつ第1方向と直交する第2方向に沿った磁界を検出する。
【0120】
この態様によれば、第1方向に沿った磁界及び第2方向に沿った磁界の両方を検出することが可能となる。
【0121】
第4の態様に係る回転機(1;1a;1b)では、第3の態様において、複数の磁気抵抗効果素子(101,102,201,202,301,302,401,402)の各々は、巨大磁気抵抗効果素子又はトンネル磁気抵抗効果素子である。
【0122】
この態様によれば、ロータ(12)の位置の検出精度を向上させることが可能となる。
【0123】
第5の態様に係る回転機(1)は、第1~第4の態様のいずれか1つにおいて、筐体(15)を更に備える。筐体(15)は、少なくともステータ(11)及びロータ(12)を収納する。磁気センサ(14)は、センサ部(142)と、基板(141)と、を含む。センサ部(142)は、同一の平面(1423)上に形成されている磁気抵抗効果素子(101,102,201,202,301,302,401,402)を有する。基板(141)は、一の面(1411)を有する。センサ部(142)は、平面(1423)が基板(141)の一の面(1411)と平行になるように基板(141)の一の面(1411)に配置されている。筐体(15)は、軸方向(D1)において筐体(15)を貫通する貫通孔(1522)を有する。磁気センサ(14)は、基板(141)の少なくとも一部が貫通孔(1522)に挿入されてセンサ部(142)が筐体(15)内に位置している状態で基板(141)が筐体(15)に固定されることによって、筐体(15)に取り付けられている。
【0124】
この態様によれば、回転機(1)に対して磁気センサ(14)を後付けすることが可能となる。
【0125】
第6の態様に係る回転機(1)は、第5の態様において、封止部材(16)を更に備える。封止部材(16)は、磁気センサ(14)が筐体(15)に取り付けられている状態で貫通孔(1522)を封止する。
【0126】
この態様によれば、筐体(15)の内部への異物の混入を抑制することが可能となる。
【0127】
第7の態様に係る回転機(1a)は、第1~第4の態様のいずれか1つにおいて、筐体(15)を更に備える。筐体(15)は、少なくともステータ(11)及びロータ(12)を収納する。磁気センサ(14a)は、センサ部(142)と、基板(141)と、を含む。センサ部(142)は、同一の平面(1423)上に形成されている磁気抵抗効果素子(101,102,201,202,301,302,401,402)を有する。基板(141)は、一の面(1411)を有する。センサ部(142)は、センサ部(142)と基板(141)とを電気的に接続する電極部(143)を更に有する。電極部(143)は、センサ部(142)の平面(1423)の外縁から平面(1423)と交差する方向に沿った側面(1424)に形成されている。基板(141)は、筐体(15)内において、ロータ(12)における磁気センサ(14a)との対向面(1212)と平行になるように配置されている。センサ部(142)は、電極部(143)によって基板(141)に接続されている。
【0128】
この態様によれば、ロータ(12)の対向面(1212)とセンサ部(142)の平面(1423)とが直交しているので、ロータ(12)の複数の磁石(122)からの磁界を正弦波又は余弦波で検出することが可能となる。
【0129】
第8の態様に係る回転機(1b)は、第1~第4の態様のいずれか1つにおいて、筐体(15)と、保持部材(145)と、を更に備える。筐体(15)は、少なくともステータ(11)及びロータ(12)を収納する。保持部材(145)は、磁気センサ(14b)を保持する。磁気センサ(14b)は、センサ部(142)と、第1基板(144)と、第2基板(141)と、を含む。センサ部(142)は、同一の平面(1423)上に形成されている磁気抵抗効果素子(101,102,201,202,301,302,401,402)を有する。第1基板(144)は、一の面(1441)を有する。第2基板(141)は、第1基板(144)が接続されている。第1基板(144)は、第1基板(144)の厚さ方向に可撓性を有するフレキシブル基板である。保持部材(145)と第1基板(144)とは、ロータ(12)における磁気センサ(14b)との対向面(1212)とセンサ部(142)の平面(1423)とが直交するようにセンサ部(142)を保持する。
【0130】
この態様によれば、ロータ(12)の対向面(1212)とセンサ部(142)の平面(1423)とが直交しているので、ロータ(12)の複数の磁石(122)からの磁界を正弦波又は余弦波で検出することが可能となる。
【0131】
第9の態様に係る回転機(1b)では、第8の態様において、保持部材(145)と第1基板(144)とは、軸方向(D1)と直交する方向である直交方向(D2)からセンサ部(142)を挟むように保持する。
【0132】
この態様によれば、保持部材(145)と第1基板(144)とでセンサ部(142)を挟み込むことで、センサ部(142)を保持することが可能となる。
【0133】
第10の態様に係る回転機(1)では、第5~第9の態様のいずれか1つにおいて、センサ部(142)の平面(1423)の中心点(C1)は、軸方向(D1)において、ロータ(12)の外形寸法を第1値(L1)とした場合に、ロータ(12)における磁気センサ(14)との対向面(1212)と、対向面(1212)からの距離(L2)が第1値(L1)の0.8倍となる第1位置(P1)との間に位置している。
【0134】
この態様によれば、磁気センサ(14)の検出精度を向上させることが可能となる。
【0135】
第11の態様に係る回転機(1)では、第5~第10の態様のいずれか1つにおいて、センサ部(142)の平面(1423)の中心点(C1)は、軸方向(D1)と直交する方向である直交方向(D2)において、ロータ(12)における磁気センサ(14)との対向面(1212)の外縁から回転軸(13)までの距離を第2値(L3)とした場合に、対向面(1212)の外縁と、対向面(1212)の外縁からの距離(L4)が第2値(L3)の0.8倍となる第2位置(P2)との間に位置している。
【0136】
この態様によれば、磁気センサ(14)の検出精度を向上させることが可能となる。
【0137】
第12の態様に係る回転機(1;1a;1b)では、第1~第11の態様のいずれか1つにおいて、電動機として用いられる。
【0138】
この態様によれば、回転機(1;1a;1b)を電動機として用いることが可能となる。
【0139】
第13の態様に係る回転機(1;1a;1b)の製造方法は、ステータ(11)と、ロータ(12)と、回転軸(13)と、磁気センサ(14;14a;14b)と、を備える回転機(1;1a;1b)の製造方法である。ロータ(12)は、ステータ(11)に対して回転する。回転軸(13)は、ロータ(12)に連結されており、ロータ(12)の回転に伴って回転する。磁気センサ(14;14a;14b)は、ロータ(12)の位置を検出する。ロータ(12)は、複数の磁石(122)を有する。磁気センサ(14;14a;14b)は、ロータ(12)の複数の磁石(122)からの磁界に基づいてロータ(12)の位置を検出する。回転機(1;1a;1b)の製造方法は、回転軸(13)に平行な方向である軸方向(D1)において磁気センサ(14;14a;14b)とロータ(12)とが対向するように磁気センサ(14;14a;14b)を配置する工程を有する。
【0140】
この態様によれば、磁気センサ(14;14a;14b)は、ロータ(12)の複数の磁石(122)からの磁界に基づいてロータ(12)の位置を検出するので、位置検出用のマグネットを省略することが可能となる。
【0141】
第14の態様に係る磁気センサ(14;14a;14b)は、ステータ(11)と、ロータ(12)と、回転軸(13)と、を備える回転機(1;1a;1b)に用いられる磁気センサ(14;14a;14b)である。ロータ(12)は、ステータ(11)に対して回転する。回転軸(13)は、ロータ(12)に連結されており、ロータ(12)の回転に伴って回転する。ロータ(12)は、複数の磁石(122)を有する。磁気センサ(14;14a;14b)は、回転軸(13)に平行な方向である軸方向(D1)においてロータ(12)と対向しており、ロータ(12)の複数の磁石(122)からの磁界に基づいてロータ(12)の位置を検出する。
【0142】
この態様によれば、磁気センサ(14;14a;14b)は、ロータ(12)の複数の磁石(122)からの磁界に基づいてロータ(12)の位置を検出するので、位置検出用のマグネットを省略することが可能となる。
【0143】
第2~第12の態様に係る構成については、回転機(1;1a;1b)に必須の構成ではなく、適宜省略可能である。
【符号の説明】
【0144】
1,1a,1b 回転機
11 ステータ
12 ロータ
122 磁石
1212 対向面
13 回転軸
14,14a,14b 磁気センサ
141 基板(第2基板)
1411 一の面
142 センサ部
1423 面(平面)
1424 側面
143 電極部
144 基板(第1基板)
1441 一の面
145 保持部材
101,102,301,302 磁気抵抗効果素子(第1磁気抵抗効果素子)
201,202,401,402 磁気抵抗効果素子(第2磁気抵抗効果素子)
15 筐体
1522 貫通孔
16 封止部材
C1 中心点
D1 軸方向
D2 直交方向
L1 第1値
L2 第1線分(距離)
L3 第2値
L4 第2線分(距離)
P1 第1位置
P2 第2位置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10