IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社サニクリーンの特許一覧 ▶ 株式会社オーノの特許一覧 ▶ 福井ファイバーテック株式会社の特許一覧

特開2023-51513中間マット状物、中間マット状物を含む配置システム、中間マット状物の使用方法及び製造方法
<>
  • 特開-中間マット状物、中間マット状物を含む配置システム、中間マット状物の使用方法及び製造方法 図1
  • 特開-中間マット状物、中間マット状物を含む配置システム、中間マット状物の使用方法及び製造方法 図2
  • 特開-中間マット状物、中間マット状物を含む配置システム、中間マット状物の使用方法及び製造方法 図3
  • 特開-中間マット状物、中間マット状物を含む配置システム、中間マット状物の使用方法及び製造方法 図4
  • 特開-中間マット状物、中間マット状物を含む配置システム、中間マット状物の使用方法及び製造方法 図5
  • 特開-中間マット状物、中間マット状物を含む配置システム、中間マット状物の使用方法及び製造方法 図6
  • 特開-中間マット状物、中間マット状物を含む配置システム、中間マット状物の使用方法及び製造方法 図7
  • 特開-中間マット状物、中間マット状物を含む配置システム、中間マット状物の使用方法及び製造方法 図8
  • 特開-中間マット状物、中間マット状物を含む配置システム、中間マット状物の使用方法及び製造方法 図9
  • 特開-中間マット状物、中間マット状物を含む配置システム、中間マット状物の使用方法及び製造方法 図10
  • 特開-中間マット状物、中間マット状物を含む配置システム、中間マット状物の使用方法及び製造方法 図11
  • 特開-中間マット状物、中間マット状物を含む配置システム、中間マット状物の使用方法及び製造方法 図12
  • 特開-中間マット状物、中間マット状物を含む配置システム、中間マット状物の使用方法及び製造方法 図13
  • 特開-中間マット状物、中間マット状物を含む配置システム、中間マット状物の使用方法及び製造方法 図14
  • 特開-中間マット状物、中間マット状物を含む配置システム、中間マット状物の使用方法及び製造方法 図15
  • 特開-中間マット状物、中間マット状物を含む配置システム、中間マット状物の使用方法及び製造方法 図16
  • 特開-中間マット状物、中間マット状物を含む配置システム、中間マット状物の使用方法及び製造方法 図17
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023051513
(43)【公開日】2023-04-11
(54)【発明の名称】中間マット状物、中間マット状物を含む配置システム、中間マット状物の使用方法及び製造方法
(51)【国際特許分類】
   A47G 27/04 20060101AFI20230404BHJP
   A47G 27/00 20060101ALI20230404BHJP
【FI】
A47G27/04 B
A47G27/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021162260
(22)【出願日】2021-09-30
(71)【出願人】
【識別番号】591276396
【氏名又は名称】株式会社サニクリーン
(71)【出願人】
【識別番号】394014803
【氏名又は名称】株式会社オーノ
(71)【出願人】
【識別番号】304011902
【氏名又は名称】福井ファイバーテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100150153
【弁理士】
【氏名又は名称】堀家 和博
(72)【発明者】
【氏名】斉藤 基
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 憲一
(72)【発明者】
【氏名】井端 敦英
(72)【発明者】
【氏名】今泉 正彦
【テーマコード(参考)】
3B120
【Fターム(参考)】
3B120AA14
3B120AB22
3B120AB26
3B120AB27
3B120BA03
3B120BA09
3B120BA18
3B120BA19
3B120BA21
3B120BA35
3B120CA08
3B120DA16
3B120EA01
3B120EA03
3B120EA04
3B120EA10
3B120EA19
3B120EB16
(57)【要約】
【課題】敷物に付着・離反自在な付着部材と、有毛床に係止・離反自在な係止部材を形成する等して、「付着強さの低下抑制」や「付着部材の耐久性向上」などを実現する。
【解決手段】敷物Sと有毛床F等との間に配置される中間マット状物1である。基材2の一方面2aには敷物Sに付着・離反自在な付着部材3を形成し、他方面2bには有毛床F等に係止・離反自在な係止部材4を形成する。又、基材2は編地と不織布を含み、付着部材3は一方面2aに塗布された発泡樹脂組成物であり、係止部材4は他方面2bから編地の一部が突出して形成されたパイルである等でも良い。その他、配置システム10は、中間マット状物1と敷物Sを含み、中間マット状物1の使用方法では、中間マット状物1を敷物Sや有毛床F等に対して固定・離反させ、中間マット状物1の製造方法では、基材形成工程や係止形成工程で熱可塑性繊維を含む基材2や係止部材4をそれぞれ加熱する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
敷物(S)と、毛羽糸条が少なくとも一部の表面に露出した有毛床(F)との間に配置される中間マット状物であって、
当該中間マット状物は、基材(2)を有し、
前記基材(2)の一方面(2a)には、前記敷物(S)に対して付着・離反自在な付着部材(3)が形成され、
前記基材(2)の他方面(2b)には、前記有毛床(F)の毛羽糸条に対して係止・離反自在な係止部材(4)が形成されていることを特徴とする中間マット状物。
【請求項2】
前記基材(2)は、編地と不織布を含み、
前記付着部材(3)は、前記基材(2)の一方面(2a)の少なくとも一部に塗布された発泡樹脂組成物であり、
前記係止部材(4)は、前記基材(2)の他方面(2b)から前記編地の一部が突出して形成されたパイルであることを特徴とする請求項1に記載の中間マット状物。
【請求項3】
前記敷物(S)と前記有毛床(F)との間に配置された当該中間マット状物の引張せん断強さは、48.00N/50cm以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載の中間マット状物。
【請求項4】
敷物(S)と、床との間に配置される中間マット状物であって、
当該中間マット状物は、基材(2)を有し、
前記基材(2)の一方面(2a)には、前記敷物(S)に対して付着又は係止による固定・離反自在な一方固定部材が形成され、
前記基材(2)の他方面(2b)には、前記床に対して付着又は係止による固定・離反自在な他方固定部材が形成されていることを特徴とする中間マット状物。
【請求項5】
請求項1~4の何れか1項に記載の中間マット状物(1)と、前記敷物(S)を備えた配置システムであって、
前記中間マット状物(1)は、前記有毛床(F)を含む床の上に配置され、
前記基材(2)の一方面(2a)には、前記一方固定部材として、前記敷物(S)に対して付着・離反自在な付着部材(3)が形成され、
前記敷物(S)は、前記中間マット状物(1)の上に配置され、
前記敷物(S)の下面側には、裏打ち材が形成され、
前記裏打ち材の下面に、前記付着部材(3)が付着していることを特徴とする配置システム。
【請求項6】
敷物(S)と、床との間に配置される中間マット状物の使用方法であって、
当該中間マット状物は、基材(2)を有し、
前記基材(2)の一方面(2a)には、前記敷物(S)に対して付着又は係止による固定・離反自在な一方固定部材が形成され、
前記基材(2)の他方面(2b)には、前記床に対して付着又は係止による固定・離反自在な他方固定部材が形成されていて、
当該中間マット状物を、前記床の上に配置し、
前記敷物(S)を、当該中間マット状物の上に配置し、
当該中間マット状物を、前記敷物(S)及び/又は前記床に対して、固定・離反させることを特徴とする中間マット状物の使用方法。
【請求項7】
敷物(S)と、毛羽糸条が少なくとも一部の表面に露出した有毛床(F)との間に配置される中間マット状物の製造方法であって、
当該中間マット状物の基材(2)を形成する基材形成工程と、
前記基材(2)の一方面(2a)に、前記敷物(S)に付着可能な付着部材(3)を形成する付着形成工程と、
前記基材(2)の他方面(2b)に、前記有毛床(F)の毛羽糸条に係止可能な係止部材(4)を形成する係止形成工程を、少なくとも有し、
前記基材(2)と前記係止部材(4)は、それぞれ熱可塑性繊維を含んでいて、
前記基材形成工程では、少なくとも前記基材(2)を加熱し、
前記係止形成工程では、少なくとも前記係止部材(4)を加熱していて、
前記基材形成工程での少なくとも前記基材(2)への加熱と、前記係止形成工程での少なくとも前記係止部材(4)への加熱は、それぞれ別工程の別行為として分けて行われることを特徴とする中間マット状物の製造方法。
【請求項8】
前記基材(2)は、編地と不織布を含み、
前記付着部材(3)は、前記基材(2)の一方面(2a)の少なくとも一部に塗布された発泡樹脂組成物であり、
前記係止部材(4)は、前記基材(2)の他方面(2b)から前記編地の一部が突出して形成されたパイルであり、
前記基材形成工程は、前記編地を編成する第1基材形成工程と、前記第1基材形成工程で編成した編地と前記不織布を結合させる第2基材形成工程と、前記第2基材形成工程で結合させた前記編地と前記不織布を加熱する第3基材形成工程を含んでいることを特徴とする請求項7に記載の中間マット状物の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、敷物と有毛床等の床との間に配置される中間マット状物や、その中間マット状物を含む配置システム、その中間マット状物の使用方法及び製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、粘着性を有するカーペットが知られている(特許文献1)。
このカーペットは、ブロック剤によりイソシアネート基がブロックされているブロック化ポリイソシアネートと、イソシアネート基と反応し得る活性水素基を分子内に2つ以上有する活性水素含有化合物と、熱可塑性樹脂とからなる粘着性組成物が、裏打ち材として形成される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006-299785号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載されたカーペットは、当該カーペットを洗濯した際には、当然、粘着性を有した裏打ち材も一緒に洗濯することとなり、粘着性組成物が脆くなって粘着力が低下する虞がある。
又、特許文献1のカーペットを洗濯した際には、当該カーペットにおけるパイル等で粘着性組成物を傷付けたり、粘着性組成物や不織布等が余計なゴミをキャッチする可能性がある。尚、カーペットを床面に両面テープで固定した場合には、カーペットを床面から分離しようとしても、両面テープの一部が床面に残り、その両面テープでは再び固定できない問題がある。
【0005】
本発明は、このような点に鑑み、敷物に付着・離反自在な付着部材と、有毛床に係止・離反自在な係止部材を形成する等によって、「付着強さの低下抑制」や「付着部材の耐久性向上」などを実現できる中間マット状物、中間マット状物を含む配置システム、中間マット状物の使用方法及び製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る中間マット状物1は、敷物Sと、毛羽糸条が少なくとも一部の表面に露出した有毛床Fとの間に配置される中間マット状物であって、当該中間マット状物は、基材2を有し、前記基材2の一方面2aには、前記敷物Sに対して付着・離反自在な付着部材3が形成され、前記基材2の他方面2bには、前記有毛床Fの毛羽糸条に対して係止・離反自在な係止部材4が形成されていることを第1の特徴とする。
【0007】
本発明に係る中間マット状物1の第2の特徴は、上記第1の特徴に加えて、前記基材2は、編地と不織布を含み、前記付着部材3は、前記基材2の一方面2aの少なくとも一部に塗布された発泡樹脂組成物であり、前記係止部材4は、前記基材2の他方面2bから前記編地の一部が突出して形成されたパイルである点にある。
【0008】
本発明に係る中間マット状物1の第3の特徴は、上記第1又は2の特徴に加えて、前記敷物Sと前記有毛床Fとの間に配置された当該中間マット状物の引張せん断強さは、48.00N/50cm以上である点にある。
【0009】
本発明に係る中間マット状物1の第4の特徴は、敷物Sと、床との間に配置される中間マット状物であって、当該中間マット状物は、基材2を有し、前記基材2の一方面2aには、前記敷物Sに対して付着又は係止による固定・離反自在な一方固定部材が形成され、前記基材2の他方面2bには、前記床に対して付着又は係止による固定・離反自在な他方固定部材が形成されている点にある。
【0010】
これらの特徴により、敷物Sに付着・離反自在な付着部材3と、有毛床Fに係止・離反自在な係止部材4を形成する(謂わば、中間マット状物1が敷物Sや有毛床Fに対して着脱自在(固定・離反自在)とする)ことによって、特許文献1とは異なり、敷物Sを洗濯する際には、中間マット状物1とは別体として当該敷物Sだけを洗濯することが可能となり、付着部材3の付着強さの低下が抑制でき(「付着強さの低下抑制」)、当該敷物Sのパイル等で付着部材3を傷付けることがないため、付着部材3の耐久性が向上するとも言える(「付着部材の耐久性向上」)。尚、中間マット状物1が敷物Sや有毛床Fに対して着脱自在であるため、敷物Sと有毛床Fの間に中間マット状物1を配置して一旦は固定した場合に、敷物Sを中間マット状物1から分離する等しても、中間マット状物1の一部が敷物Sや有毛床Fに残ることはなく、当該中間マット状物1で敷物Sと有毛床Fの間を再び固定することが可能となるとも言える。
これと共に、中間マット状物1に付着部材3や不織布を用いていても、中間マット状物1を洗濯せずとも済むため、洗濯時に余計なゴミをキャッチする可能性を低減できるとも言える(「洗濯時のキャッチゴミ低減」)。
【0011】
又、付着部材3を、編地と不織布を含む基材2の一方面2aに塗布した発泡樹脂組成物とし、係止部材4を、基材2の他方面2bから当該基材2の編地の一部を突出させたパイルとすることによって、更なる「付着強さの低下抑制」や「付着部材の耐久性向上」等が図れる。
【0012】
更に、敷物Sと有毛床Fとの間に配置された中間マット状物1の引張せん断強さを、所定の値以上とすることによって、敷物Sを有毛床Fの上に直接配置した際における敷物Sの引張せん断強さの値より大きくなる(謂わば、敷物Sが横ズレし(略水平方向にズレ)難くなる)とも言える。
【0013】
尚、中間マット状物1は、敷物Sに付着又は係止による固定・離反自在な一方固定部材と、床に付着又は係止による固定・離反自在な他方固定部材を形成しても良い。
【0014】
本発明に係る配置システム10は、上述した中間マット状物1と、前記敷物Sを備えた配置システムであって、前記中間マット状物1は、前記有毛床Fを含む床の上に配置され、前記基材2の一方面2aには、前記一方固定部材として、前記敷物Sに対して付着・離反自在な付着部材3が形成され、前記敷物Sは、前記中間マット状物1の上に配置され、前記敷物Sの下面側には、裏打ち材が形成され、前記裏打ち材の下面に、前記付着部材3が付着していることを第1の特徴とする。
【0015】
この特徴により、敷物Sの下面側に形成された裏打ち材に、付着部材3を付着させることによって、当該付着部材3が敷物Sに付着し易くなると言え、敷物Sと床の間に中間マット状物1を配置していても、中間マット状物1から敷物Sが離反し難くなり、ダスコンマット(登録商標)等の敷物Sとしての用途をより果たせるとも言える。
【0016】
本発明に係る中間マット状物1の使用方法は、敷物Sと、床との間に配置される中間マット状物の使用方法であって、当該中間マット状物は、基材2を有し、前記基材2の一方面2aには、前記敷物Sに対して付着又は係止による固定・離反自在な一方固定部材が形成され、前記基材2の他方面2bには、前記床に対して付着又は係止による固定・離反自在な他方固定部材が形成されていて、当該中間マット状物を、前記床の上に配置し、前記敷物Sを、当該中間マット状物の上に配置し、当該中間マット状物を、前記敷物S及び/又は前記床に対して、固定・離反させることを第1の特徴とする。
【0017】
この特徴により、中間マット状物1を、敷物Sや床に対して固定・離反(着脱)させることによっても、特許文献1とは異なり、敷物Sを洗濯する際には、中間マット状物1とは別体として当該敷物Sだけを洗濯することが可能となり、「付着強さの低下抑制」や「付着部材の耐久性向上」等が図れるとも言える。
【0018】
本発明に係る中間マット状物1の製造方法は、敷物Sと、毛羽糸条が少なくとも一部の表面に露出した有毛床Fとの間に配置される中間マット状物の製造方法であって、当該中間マット状物の基材2を形成する基材形成工程と、前記基材2の一方面2aに、前記敷物Sに付着可能な付着部材3を形成する付着形成工程と、前記基材2の他方面2bに、前記有毛床Fの毛羽糸条に係止可能な係止部材4を形成する係止形成工程を、少なくとも有し、前記基材2と前記係止部材4は、それぞれ熱可塑性繊維を含んでいて、前記基材形成工程では、少なくとも前記基材2を加熱し、前記係止形成工程では、少なくとも前記係止部材4を加熱していて、前記基材形成工程での少なくとも前記基材2への加熱と、前記係止形成工程での少なくとも前記係止部材4への加熱は、それぞれ別工程の別行為として分けて行われることを第1の特徴とする。
【0019】
本発明に係る中間マット状物1の製造方法の第2の特徴は、上記第1の特徴に加えて、前記基材2は、編地と不織布を含み、前記付着部材3は、前記基材2の一方面2aの少なくとも一部に塗布された発泡樹脂組成物であり、前記係止部材4は、前記基材2の他方面2bから前記編地の一部が突出して形成されたパイルであり、前記基材形成工程は、前記編地を編成する第1基材形成工程と、前記第1基材形成工程で編成した編地と前記不織布を結合させる第2基材形成工程と、前記第2基材形成工程で結合させた前記編地と前記不織布を加熱する第3基材形成工程を含んでいる点にある。
【0020】
これらの特徴により、基材形成工程や係止形成工程で熱可塑性繊維を含む基材2や係止部材4への加熱を、それぞれ別工程の別行為として分けて行われることによって、基材2と係止部材4の結合や、係止部材4と有毛床Fとの係止をより強固にすることが可能となり、係止部材4の引張せん断係止強さ等が更に大きくなるため、更なる「付着強さの低下抑制」や「付着部材の耐久性向上」等が図れるとも言える。
【0021】
又、編地と不織布を含む基材2の一方面2aに塗布した発泡樹脂組成物である付着部材3と、基材2の他方面2bから当該基材2の編地の一部を突出させたパイルである係止部材4が形成される基材2を、編地を編成する第1基材形成工程と、編地と不織布を結合させる第2基材形成工程と、編地と不織布を加熱する第3基材形成工程を含む基材形成工程で形成することによって、更なる「付着強さの低下抑制」や「付着部材の耐久性向上」等が図れる。
【発明の効果】
【0022】
本発明に係る中間マット状物、中間マット状物を含む配置システム、中間マット状物の使用方法及び製造方法によると、敷物に付着・離反自在な付着部材と、有毛床に係止・離反自在な係止部材を形成する等によって、「付着強さの低下抑制」や「付着部材の耐久性向上」などを実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】本発明に係る第1実施形態の中間マット状物や配置システムと、敷物及び有毛床を示す側面概要図である。
図2】第1実施形態の中間マット状物における一方面側を例示する図面代用写真である。
図3】第1実施形態の中間マット状物における付着部材を例示する拡大図面代用写真である。
図4】第1実施形態の中間マット状物における付着部材と、敷物の付着状態を例示する図面代用写真である。
図5】第1実施形態の中間マット状物における他方面側を例示する図面代用写真である。
図6】第1実施形態の中間マット状物における係止部材を例示する拡大図面代用写真である。
図7】第1実施形態の中間マット状物における係止部材と、有毛床の係止状態を例示する図面代用写真である。
図8】本発明に係る第2実施形態の中間マット状物や配置システムと、敷物及び床を示す側面概要図である。
図9】本発明に係る第3実施形態の中間マット状物や配置システムと、敷物及び床を示す側面概要図である。
図10】本発明に係る第4実施形態の中間マット状物や配置システムと、敷物及び床を示す側面概要図である。
図11】本発明に係る中間マット状物の使用方法を示すフローチャートであって、(a)は第1実施形態を示し、(b)は第2実施形態を示す。
図12】本発明に係る中間マット状物の製造方法を示すフローチャートであって、(a)は第1-1実施形態を示し、(b)は第1-2実施形態を示し、(c)は第2実施形態を示す。
図13】引張せん断強さの測定試験を示す側面概要図であって、(a)は実施例を示し、(b)は比較例を示す。
図14】引張せん断強さの測定試験における中間マット状物のタテ方向・ヨコ方向を示す平面概要図であって、(a)はタテ方向を示し、(b)はヨコ方向を示す。
図15】引張せん断強さの測定試験における敷物のタテ方向・ヨコ方向を示す図面代用写真であって、(a)は敷物の裏面におけるタテ方向を拡大して示し、(b)は敷物の裏面におけるヨコ方向を拡大して示し、(c)は敷物の表面におけるタテ方向を示し、(d)は敷物の裏面におけるヨコ方向を示す。
図16】引張せん断強さの測定試験におけるカットパイルの有毛床の順目・逆目とタテ方向・ヨコ方向を示す図面代用写真であって、(a)はカットパイルの順目におけるタテ方向を示し、(b)はカットパイルの順目におけるヨコ方向を示し、(c)はカットパイルの逆目におけるタテ方向を示し、(d)はカットパイルの逆目におけるヨコ方向を示す。
図17】引張せん断強さの測定試験におけるループパイルの有毛床の順目・逆目とタテ方向・ヨコ方向を示す図面代用写真であって、(a)はループパイルの順目におけるタテ方向を示し、(b)はループパイルの順目におけるヨコ方向を示し、(c)はループパイルの逆目におけるタテ方向を示し、(d)はループパイルの逆目におけるヨコ方向を示す。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明に係る実施形態を、図面を参照して説明する。
<第1実施形態の中間マット状物1>
図1~7には、本発明に係る第1実施形態の中間マット状物1が示されている。
中間マット状物1は、後述する敷物Sと、後述する有毛床Fとの間に配置されるマット状(シート状)の物である。
【0025】
詳解すれば、有毛床Fの上に中間マット状物1に配置され、中間マット状物1の上に敷物Sに配置されている(下から、有毛床F、中間マット状物1、敷物Sの順に重ねて配置されている)。尚、中間マット状物1は、1つの敷物Sに対して、有毛床Fとの間に1つだけ配置されていても良いが、複数(例えば、2つや3つ、4つ、6つ等)配置されていても構わない。
中間マット状物1は、その一方面(上面や、表面とも言える)1a側に敷物Sが配置され、その他方面(下面や、裏面とも言える)1b側に有毛床Fが配置される。
【0026】
中間マット状物1は、後述する基材2を有し、又、その一方面1aに後述する付着部材3が形成され、その他方面1bに係止部材4が形成される。
その他、中間マット状物1は、その一方面1aや付着部材3等を覆う剥離シート5を有していても良い。
【0027】
中間マット状物1の形状(平面視形状)も、特に限定はないが、後述する敷物Sの形状と略相似であっても良く、例えば、平面視で、矩形状であったり、略矩形状(角部を丸くしたり、角部を落とす等)などであったり、その他、略楕円形状や円形状などであっても構わない。
中間マット状物1の大きさも、特に限定はないが、後述する敷物Sの大きさより小さくても良く、例えば、形状が矩形状や略矩形状であるならば、縦又は/及び横でそれぞれ0.1cm以上小さかったり、0.1cm以上50.0cm以下小さかったり、好ましくは0.5cm以上40.0cm以下、更に好ましくは1.0cm以上35.0cm以下(10cmや15cm、20cm、25cm、30cm等)小さくても構わない。尚、中間マット状物1が1つの敷物Sに対して有毛床Fとの間に複数配置されている場合、各中間マット状物1同士の間隔も、特に限定はないが、例えば、0.1cm以上50.0cm以下、好ましくは0.5cm以上40.0cm以下、更に好ましくは1.0cm以上35.0cm以下(10cmや15cm、20cm、25cm、30cm等)であっても良い。その他、中間マット状物1の大きさは、後述する敷物Sの大きさより小さい場合には、例えば、約45cm×約60cmや、約60cm×約70cm、約60cm×約90cm、約60cm×約100cm等であっても良く、敷物Sの大きさと略同じ場合には、例えば、約65cm×約80cmや、約75cm×約90cm、約75cm×約180cm、約75cm×約360cm、約90cm×約120cm、約90cm×約150cm、約90cm×約300cm、約90cm×約500cm、約120cm×約180cm、約150cm×約180cm、約150cm×約180cm、約150cm×約240cm、約150cm×約300cm、約150cm×約500cm等であっても構わない。
【0028】
中間マット状物1の厚みも、何れの値でも良いが、例えば、後述する付着部材3と係止部材4等も含め、一方面(上面)1aから他方面(下面)1bまでで、約1mm以上約5mm以下(約3mmや約4mmなど)であっても構わない。
中間マット状物1の目付も、特に限定はないが、例えば、100g/m以上700g/m以下、好ましくは200g/m以上600g/m以下、更に好ましくは400g/m以上500g/m以下(373g/mなど)であっても良い。
【0029】
中間マット状物1は、その色彩についても、特に限定はないが、例えば、黒色系や、灰色系、茶色系などであったり、暗色系や濃色系であっても良く、その模様についても、特に限定はなく、無地や、幾何学模様、表面凹凸等による模様などであっても構わない。
まず、このような中間マット状物1の上に配置される敷物Sについて述べる。
【0030】
<敷物S>
図1、4に示されたように、敷物Sは、上述した中間マット状物1の上に配置されるシート状の物である。
敷物Sは、平面視で床面の一部を占有し、この占有面積は、後述する有毛床Fより小さい。
【0031】
敷物Sは、その構成等に制限はないが、例えば、ダストコントロールマット(ダスコンマット(登録商標))や、レンタルマット、靴拭きマット、玄関マットであったり、カーマットであったり、その他、バスマットや、キッチンマット、足拭きマット、水周りマット、アクセントラグ、ラグマットであったり、床面の一部に敷かれる(平面視で床面の一部を占有する)カーペット、絨毯、緞通、茣蓙、筵などであっても良い。
敷物Sは、基材(以下「敷物基材」)S1を少なくとも有し、又、敷物Sの一方面(上面や、表面とも言える)Sa側に、毛羽糸条(以下「敷物毛羽糸条」)S2を有していても良いし、逆に、有していなくとも良い。一方、敷物Sの他方面(下面や、裏面とも言える)Sb側には、裏打ち材(以下「敷物裏打ち材」)S3を有していても良いし、逆に、有していなくとも良い(裏打ち材S3を有さない場合、織地等の敷物基材S1の他方面(裏面、下面)S1bが露出するが、この露出する他方面S1bは、後述する付着部材3が付着・離反自在であっても(他方面S1bが略平坦である等でも)構わない)。
以下、敷物Sは、敷物毛羽糸条S2と敷物裏打ち材S3も有しているとして、主に述べる。
【0032】
敷物基材S1は、その構成等に特に制限はないが、例えば、不織布や、織地(織物)、編地(編物)などの布帛であったり、フィルムやゴムシートなどであっても良い。
敷物基材S1には、後述する敷物毛羽糸条S2がタフト(植設)されていても良く、その他、敷物基材S1は、パイル織地やパイル編地(つまり、敷物基材S1と敷物毛羽糸条S2を有する織地や編地)の基材部分(基布)で構成されていても構わない。
【0033】
敷物基材S1の大きさは、後述する敷物裏打ち材S3と略同じ大きさでも良いし、敷物裏打ち材S3の大きさより小さくても良く、例えば、縦横0.1cm以上小さかったり、逆に、大きくても(例えば、縦横0.1cm以上大きくても)構わない。敷物基材S1の形状(平面視形状)も、特に限定はないが、後述する敷物裏打ち材S3の形状と略相似であっても良く、略相似でなくとも良い。
敷物毛羽糸条S2は、例えば、上述した敷物基材S1にタフトされたパイルや、パイル織地やパイル編地におけるパイルであったり、その他、起毛毛羽(起毛された毛羽)であっても良く、敷物毛羽糸条S2がパイルであれば、ループパイルや、カットパイルであったり、ループパイルとカットパイルが混在していても構わない。
【0034】
敷物毛羽糸条S2は、上述した敷物基材S1の一方面(上面や、表面とも言える)S1a側から立設していても良く、敷物基材S1の上面S1aと敷物毛羽糸条S2との間の角度は、特に限定はないが、例えば、20°以上90°以下であっても良く、好ましくは45°以上90°以下、更に好ましくは70°以上90°以下であっても構わない。
敷物毛羽糸条S2側の面(隣接する敷物毛羽糸条S2の先端(上端)が複数集まって形成される面、謂わば、パイル面や毛羽面)S2aは、略平坦でも良いし、凹凸が形成されていても良い(つまり、各敷物毛羽糸条S2の長さは、全て一定でも良いし、より長い部分とより短い部分を有していても構わない)。
【0035】
敷物裏打ち材S3は、上述した敷物基材S1の他方面(下面や、裏面とも言える)S1b側に裏打ち(バッキング、塗布)して形成され、層状(裏打ち層)であっても良い。
敷物裏打ち材S3の素材も、特に限定はないが、例えば、スチレン・ブタジエンゴム(SBR)やブタジエンゴム(BR)、アクリロニトリル・ブタジエンゴム(NBR)、ウレタンゴム(U)、シリコンゴム等の合成ゴム、天然ゴムであったり、塩化ビニル樹脂やアクリル樹脂、ポリエチレン(PE)樹脂やポリプロピレン(PP)樹脂等のポリオレフィン樹脂の合成樹脂(合成樹脂を敷物基材S1の裏面S1b側に裏打ちする際には、当該合成樹脂は、エマルジョン状態)であっても良い。
【0036】
敷物裏打ち材S3の大きさは、上述した敷物基材S1と略同じ大きさでも良いし、敷物基材S1の大きさより大きくても良く、例えば、縦横0.1cm以上大きかったり、逆に、小さくても(例えば、縦横0.1cm以上小さくても)構わない。敷物裏打ち材S3の形状(平面視形状)も、特に限定はないが、上述した敷物基材S1の形状と略相似であっても良く、略相似でなくとも良い。
敷物裏打ち材S3の下面(裏面)S3bは、略平坦であっても良いし、凹凸が形成されたり、凹部が形成されていても(シボ加工が施されていても)構わない。
【0037】
その他、敷物Sは、複数の敷物基材S1(1次敷物基材や2次敷物基材)を有していても良く、敷物裏打ち材S3も、複数の層状となっていても構わない。
又、敷物Sは、敷物基材S1や敷物裏打ち材S3がガラス不織布を含んでいたり、敷物基材S1と敷物裏打ち材S3との間に、クッション材等の中間材などを有していても良い。
【0038】
ここまで述べた敷物Sの形状(平面視形状)も、特に限定はないが、中間マット状物1の形状と略相似であっても良く、例えば、平面視で、矩形状であったり、略矩形状(角部を丸くしたり、角部を落とす等)などであったり、その他、略楕円形状や円形状などであっても構わない。
敷物Sの大きさも、特に限定はないが、上述した中間マット状物1の大きさより大きくても良く、例えば、形状が矩形状や略矩形状であるならば、縦又は/及び横でそれぞれ0.1cm以上大きかったり、0.1cm以上50.0cm以下大きかったり、好ましくは0.5cm以上40.0cm以下、更に好ましくは1.0cm以上35.0cm以下(10cmや15cm、20cm、25cm、30cm等)大きくても構わない。その他、敷物Sの大きさは、上述した中間マット状物1の大きさより大きい場合には、例えば、約65cm×約80cmや、約75cm×約90cm、約75cm×約180cm、約75cm×約360cm、約90cm×約120cm、約90cm×約150cm、約90cm×約300cm、約90cm×約500cm、約120cm×約180cm、約150cm×約180cm、約150cm×約180cm、約150cm×約240cm、約150cm×約300cm、約150cm×約500cm等であっても良く、中間マット状物1の大きさと略同じ場合も同様に、例えば、約65cm×約80cmや、約75cm×約90cm、約75cm×約180cm、約75cm×約360cm、約90cm×約120cm、約90cm×約150cm、約90cm×約300cm、約90cm×約500cm、約120cm×約180cm、約150cm×約180cm、約150cm×約180cm、約150cm×約240cm、約150cm×約300cm、約150cm×約500cm等であっても構わない。
尚、敷物Sにおいて、敷物裏打ち材S3が敷物基材S1より大きい場合、敷物Sの形状・大きさとは、敷物裏打ち材S3(の外周)の形状・大きさであるとも言える。
【0039】
敷物Sの厚みも、何れの値でも良いが、例えば、上述した敷物毛羽糸条S2や敷物裏打ち材S3等も含め、一方面(上面)Saから他方面(下面)Sbまでで、約1mm以上約30mm以下などであっても構わない。
敷物Sの製品重量も(敷物裏打ち材S3の有無を問わず)、特に限定はないが、例えば、500g/m以上7000g/m以下、好ましくは1000g/m以上6000g/m以下、更に好ましくは2000g/m以上5000g/m以下(2400g/mや4400g/mなど)であっても良い。
【0040】
敷物Sは、そのパイル面S2a等の色彩についても、特に限定はないが、例えば、黒色系、茶色系、青色系、白色系、赤色系、橙色系、黄色系、緑色系、紫色系などであったり、複数の色系が混在する等、何れの色調でも良く、彩度や明度についても何れの値でも構わない。敷物Sのパイル面S2a等の模様についても、文字や図柄がデザインされていたり、その他、無地や、花や草木などの植物の柄、動物の柄、幾何学模様、表面凹凸等による模様など何れでも良い。
尚、敷物Sで用いられる繊維は、その繊度(単繊維繊度や総繊度)やフィラメント数、素材、構成などは、特に限定はない。
次に、敷物Sや中間マット状物1が上に配置される有毛床Fについて述べる。
【0041】
<有毛床F(F’)>
図1、4に示されたように、有毛床Fは、毛羽糸条(以下「床毛羽糸条」)F2が少なくとも一部の表面に露出した床である。
有毛床Fは、平面視で床面の全体を占有し(床面の全体に敷かれ)ても良く、床面の全体を占有せずとも、平面視における床面の占有面積が、上述した敷物Sより大きくても構わない。
【0042】
有毛床Fは、その構成等に制限はないが、例えば、隣接された複数のタイルカーペットや、1つのカーペットであったり、絨毯、緞通などであっても良い。
有毛床Fは、上述したように、その露出している側(一方面や上面、表面とも言える面Fa側)に、床毛羽糸条F2を有すると共に、基材(以下「床基材F1」)を少なくとも有している。
【0043】
有毛床Fは、床基材F1の露出していない側(他方面側や下面側、裏面側とも言える)には、裏打ち材(以下「床裏打ち材」)F3を有していても良い。
有毛床Fでは、上述したタイルカーペット等が、フローリングや塩ビタイル、セラミックタイル、石、コンクリート等の下地F4の上に配置されていても良い。
以下、有毛床Fは、床裏打ち材F3も有していているとして、主に述べる。
【0044】
床基材F1も、その構成等に特に制限はないが、例えば、不織布や、織地(織物)、編地(編物)などの布帛であったり、フィルムやゴムシートなどであっても良い。
床基材F1には、上述した床毛羽糸条F2がタフト(植設)されていても良く、その他、床基材F1は、パイル織地やパイル編地(つまり、床基材F1と床毛羽糸条F2を有する織地や編地)の基材(基布)部分で構成されていても構わない。
【0045】
床基材F1の大きさは、後述する床裏打ち材F3と略同じ大きさでも良いし、床裏打ち材F3の大きさより小さくても良い。床基材F1の形状(平面視形状)も、特に限定はないが、後述する床裏打ち材F3の形状と略相似であっても良く、略相似でなくとも良い。
床毛羽糸条F2は、例えば、上述した床基材F1にタフトされたパイルや、パイル織地やパイル編地におけるパイルであったり、その他、起毛毛羽(起毛された毛羽)であっても良く、床毛羽糸条F2がパイルであれば、ループパイルや、カットパイルであったり、ループパイルとカットパイルが混在していても構わない。
【0046】
床毛羽糸条F2は、上述した床基材F1の一方面(上面や、表面とも言える)F1a側から立設していても良く、床基材F1の上面F1aと床毛羽糸条F2との間の角度は、特に限定はないが、例えば、20°以上90°以下であっても良く、好ましくは45°以上90°以下、更に好ましくは70°以上90°以下であっても構わない。
床毛羽糸条F2側の面(隣接する床毛羽糸条F2の先端(上端)が複数集まって形成される面、謂わば、パイル面や毛羽面)F2aは、略平坦でも良いし、凹凸が形成されていても良い(つまり、各床毛羽糸条F2の長さは、全て一定でも良いし、より長い部分とより短い部分を有していても構わない)。
【0047】
床裏打ち材F3は、上述した床基材F1の他方面(下面や、裏面とも言える)F1b側に裏打ち(バッキング)して形成され、層状(裏打ち層)であっても良い。
床裏打ち材F3の素材も、特に限定はないが、例えば、塩化ビニル樹脂やアクリル樹脂、ポリエチレン(PE)樹脂やポリプロピレン(PP)樹脂等のポリオレフィン樹脂の合成樹脂(合成樹脂を敷物基材S1の裏面S1b側に裏打ちする際には、当該合成樹脂は、エマルジョン状態)であったり、スチレン・ブタジエンゴム(SBR)やブタジエンゴム(BR)、アクリロニトリル・ブタジエンゴム(NBR)、ウレタンゴム(U)、シリコンゴム等の合成ゴム、天然ゴムであっても良い。
【0048】
床裏打ち材F3の大きさは、上述した床基材F1と略同じ大きさでも良いが、敷物基材S1の大きさより大きくても良い。床裏打ち材F3の形状(平面視形状)も、特に限定はないが、上述した床基材F1の形状と略相似であっても良く、略相似でなくとも良い。
床裏打ち材F3の他方面(下面、裏面)F3bは、略平坦であっても良いし、凹凸が形成されていても構わない。
【0049】
その他、有毛床Fは、複数の床基材F1(1次敷物基材や2次敷物基材)を有していても良く、床裏打ち材F3も、複数の層状となっていても構わない。
又、有毛床Fは、床基材F1や床裏打ち材F3がガラス不織布を含んでいたり、床基材F1と床裏打ち材F3との間に、クッション材等の中間材などを有していても良い。
【0050】
ここまで述べた有毛床Fの形状(平面視形状)も、特に限定はないが、例えば、下地F4の形状と略同じであったり(下地F4の全体に敷かれてたり)、その他、下地F4の一部に敷かれている場合であっても、平面視で、矩形状であったり、略矩形状(角部を丸くしたり、角部を落とす等)などであっても良い。
有毛床Fの大きさも、特に限定はないが、下地F4と同じ大きさであったり、下地F4より小さくとも良い。
【0051】
有毛床Fのうち、上述した床基材F1や床毛羽糸条F2や床裏打ち材F3等の部分の厚みも、何れの値でも良いが、例えば、床毛羽糸条F2側のパイル面F2aから、床裏打ち材F3の下面F3bまでで、約1mm以上約50mm以下などであっても構わない。
有毛床Fのうち、上述した床基材F1や床毛羽糸条F2や床裏打ち材F3等の部分の目付も、特に限定はないが、例えば、1000g/m以上7000g/m以下、好ましくは2000g/m以上6000g/m以下、更に好ましくは3000g/m以上5000g/m以下(4000g/mなど)であっても良い。
【0052】
有毛床Fは、その露出しているパイル面F2a等の色彩についても、特に限定はないが、例えば、黒色系、茶色系、青色系、白色系、赤色系、橙色系、黄色系、緑色系、紫色系などであったり、複数の色系が混在する等、何れの色調でも良く、彩度や明度についても何れの値でも構わない。有毛床Fのパイル面F2a等の模様についても、無地や、線柄、格子柄であったり、花や草木などの植物の柄、動物の柄、幾何学模様、表面凹凸等による模様などの他、文字や図柄がデザインされているなど何れでも良い。
尚、有毛床Fで用いられる繊維も、その繊度(単繊維繊度や総繊度)やフィラメント数、素材、構成などは、特に限定はない。
【0053】
ここまで述べた有毛床「F」は、後述する床Fの1つ(1種)であることから、その符号も区別して、有毛床「F’」としても良い。
次は、中間マット状物1における基材2について、以下に述べる。
【0054】
<基材2>
図1~7に示されたように、基材2は、上述した中間マット状物1の基材である。
基材2は、その一方面(上面や、表面とも言える)2a側に敷物Sが配置され、その他方面(下面や、裏面とも言える)2b側に有毛床Fが配置される。
基材2の上面2aには、後述する付着部材3が形成され、基材2の下面2bには、後述する係止部材4が形成されている。
【0055】
基材2は、その構成等に特に制限はないが、例えば、編地(編物)と不織布を含んでいても良い。
又、基材2は、編地のみを含んでいたり、不織布のみを含んでいたり、その他、織地(織物)のみを含んでいたり、フィルムやゴムシートのみを含んでいたり、これらを組み合わせて含んでいても良い。
【0056】
更に、基材2が編地や織地を含む場合でも、当該編地や織地が、パイル編地やパイル織地(つまり、基材2とパイルを有する編地や織地)の基材部分(基布、パイル以外の部分)で構成されていても良い。その他、基材2は、後述する係止部材4としてパイルがタフト(植設)されていても構わない。
尚、基材2がパイル編地等の基材部分を含む場合でも、当該基材部分の他に、不織布やフィルム、ゴムシートなどを含んでいても良い。
以下、基材2は、編地と不織布を含んでいるとして、主に述べる。
【0057】
基材2における編地は、特に制限はないが、例えば、パイル編地の基材部分である場合、当該パイル編地の基材部分とは、シングルラッセル編地や、ダブルラッセル編地であったり、デンビー編、バンダイク編地、コード編地、フリース編地、レース編地などの経編地(経編物)であったり、スムース編地、ビロード編地などの緯編地(緯編物)であっても良く、又、これらの編地に対して、その他の糸が編成されていても(例えば、JIS-L-0211:2006「繊維用語-ニット部門」に記載されたような、その他の糸を緯方向に挿入した緯糸挿入編地2Aであったり、その他の糸を経方向と緯方向に挿入した経緯糸挿入編地であっても)構わない。
これらのシングルラッセル編地等において、各編地を組織する糸の一部を余らせる(又は、シンカループを拡大する)ことによって、各編地にループパイルを形成させても良い。
以下、基材2に含まれる編地は、緯糸挿入編地2Aであるとして、主に述べる。
【0058】
基材2における不織布は、特に制限はないが、例えば、往復するニードルに繊維を引っ掛けて繊維相互間が結合したニードルパンチ不織布であっても良く、その他、熱融着性繊維を含有し加熱により成形されたサーマルボンド不織布、アクリル樹脂やウレタン樹脂等のエマルション樹脂の吹き付け加工により成形されたケミカルボンド不織布、ノズルから紡糸された長繊維(フィラメント)を動くスクリーン上に積層して結合させたスパンボンド不織布、ステッチボンド不織布等をニードルパンチ法などによって結合させたものであっても構わない。
【0059】
基材2に含まれる編地や不織布、織地は、それらを構成(織成、編成)する繊維としては、熱可塑性の素材であるポリエチレンテレフタレート(PET)や、ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)等のポリエステル繊維、ナイロン(ポリアミド)繊維、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)等のポリオレフィン系繊維、レーヨン繊維、キュプラ繊維、アセテート繊維、ポリアクリロニトリル(PAN)を主成分とするアクリル繊維、ポリビニルアルコール(PVA)繊維(ビニロン繊維)、ポリウレタン(PU)繊維などの合成繊維でも良く、その他、ガラス繊維、羊毛、絹などであり、これらを単独又は組み合わせて用いられても良い。
この他、基材2に含まれる不織布には、バインダーとして、低融点の熱融着性繊維や、熱融着性樹脂を鞘部分とする熱融着性芯鞘複合繊維などを混用しても良い。
【0060】
尚、基材2に含まれる編地や不織布、織地は、それらを構成(編成、織成)する繊維や糸の繊度も、何れの値でも良いが、例えば、総繊度で、10dtex以上3000dtex以下であっても良く、又、基材2に含まれる編地や不織布、織地を構成する糸は、スパン糸(短繊維)であっても、フィラメント糸(長繊維)であっても何れでも構わない。
基材2がフィルムを含む場合、それを構成する素材としては、ポリ塩化ビニル(PVC)樹脂や、ポリエチレンテレフタレート(PET)や、ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)等のポリエステル樹脂、ポリアミド(PA)樹脂、ポリウレタン(PU)樹脂などの合成樹脂などや、これらを単独又は組み合わせて用いられても良い。
【0061】
基材2がゴムシートを含む場合、それを構成する素材としては、スチレン・ブタジエンゴム(SBR)やブタジエンゴム(BR)、アクリロニトリル・ブタジエンゴム(NBR)、ウレタンゴム(U)、シリコンゴム等の合成ゴム、天然ゴムなどであっても良い。
以下、基材2は、編地と不織布を含むとして、主に述べる。
【0062】
このような基材2において、編地は、その一部が、不織布に埋没していたり、逆に、不織布(の基材2の他方面2b側等)から露出していても良く、その他、編地の全部が、不織布に埋没していたり、逆に、不織布(の基材2の他方面2b側等)から露出していても構わない。
基材2の形状(平面視形状)も、特に限定はないが、上述した敷物Sの形状と略相似であっても良く、例えば、平面視で、矩形状であったり、略矩形状(角部を丸くしたり、角部を落とす等)などであったり、その他、略楕円形状や円形状などであっても構わない。
【0063】
又、基材2の大きさも、特に限定はないが、上述した敷物Sの大きさより小さくても良く、例えば、形状が矩形状や略矩形状であるならば、縦又は/及び横でそれぞれ0.1cm以上小さかったり、0.1cm以上50.0cm以下小さかったり、好ましくは0.5cm以上40.0cm以下、更に好ましくは1.0cm以上35.0cm以下(10cmや15cm、20cm、25cm、30cm等)小さくても構わない。その他、基材2の大きさも、上述した敷物Sの大きさより小さい場合には、例えば、約45cm×約60cmや、約60cm×約70cm、約60cm×約90cm、約60cm×約100cm等であっても良く、敷物Sの大きさと略同じ場合には、例えば、約65cm×約80cmや、約75cm×約90cm、約75cm×約180cm、約75cm×約360cm、約90cm×約120cm、約90cm×約150cm、約90cm×約300cm、約90cm×約500cm、約120cm×約180cm、約150cm×約180cm、約150cm×約180cm、約150cm×約240cm、約150cm×約300cm、約150cm×約500cm等であっても構わない。
基材2の厚みも、何れの値でも良いが、例えば、後述する付着部材3と係止部材4等を除き、一方面(上面)2aから他方面(下面)2bまでで、約0.5mm以上約4.5mm以下(約2.5mmや約3.5mmなど)であっても構わない。
【0064】
<付着部材3>
図1~4に示されたように、付着部材3は、上述した基材2の一方面(上面)2aに形成され、且つ、上述した敷物Sに対して付着・離反自在な部材である。
付着部材3は、基材2の一方面2aの少なくとも一部(つまり、一部又は全部(全面))に塗布(形成、配置)されていても良い。
ここで、付着部材3の塗布率3Rとは、塗布された付着部材3の平面視(基材2の一方面2a等の法線方向から見た際)における面積を、当該一方面2aの面積で割った百分率であると言えるが、付着部材3が一方面2aの一部に塗布されている場合、その塗布率3Rは100%より小さく、又、付着部材3が一方面2aの全面に塗布されている場合、その塗布率3Rは100%であるとも言える。
【0065】
ここで、本発明における付着部材3の「付着・離反自在」とは、当該付着部材3が上述した敷物Sの裏面Sb(裏打ち材S3の裏面S3b等)に付着して、中間マット状物1と敷物Sとの間で所定の引張せん断強さZ(謂わば、引張せん断付着強さZa)が生じている状態(付着状態)と、その付着状態における中間マット状物1を敷物Sから剥がして、当該付着部材3が上述した敷物Sの裏面Sbから離反した状態(離反状態)の2つの状態が存在し、付着状態→離反状態と、離反状態→付着状態の状態変化が自在であることを意味する。
又、当該付着部材3は、付着状態→離反状態→付着状態→・・・と、2回以上の付着状態に変化可能(謂わば、再付着可能)であっても良い。尚、付着部材3が敷物Sの裏面Sb(裏打ち材S3の裏面S3b等)に付着すれば、当該付着部材3(中間マット状物1)は、敷物Sに対する位置が(少なくとも一時的には)固定されることから、付着部材3において「付着・離反自在」とは、「固定・離反自在」であるとも言える。
【0066】
付着部材3は、その素材について特に限定はないが、例えば、発泡樹脂組成物(気泡を有した樹脂)であったり、逆に、非発泡樹脂組成物(気泡を有していない樹脂)であっても良い。
発泡樹脂組成物は、その素材に特に制限はないが、例えば、スチレン・ブタジエン・スチレンブロック(SBS)共重合体、スチレン・イソプレン・スチレンブロック(SIS)重合体、ガラス転移点の低いアクリル系樹脂重合体など合成樹脂であっても良い。
【0067】
これに加えて、発泡樹脂組成物は、増量剤として、天然ゴム、アクリロニトリル・ブタジエンゴム(NBR)、スチレン・ブタジエンゴム(SBR)、スチレン・イソプレンブロック(SI)重合体、アクリル系樹脂重合体等の合成樹脂を含んでいても良い。
又、発泡樹脂組成物は、界面活性剤も含んでいたり、その他、加硫架橋剤、老化防止剤、付着性付与樹脂、可塑剤、充填剤を更に含んでいたり、安定剤なども更に含んでいても良い。
【0068】
以下、加硫架橋剤、老化防止剤、付着性付与樹脂、可塑剤、充填剤について、詳解する。
加硫架橋剤は、硫黄、亜鉛華、エポキシ化合物、カルボジイミド化合物、オキサゾリン系化合物、チアゾール系化合物、チウラム系化合物、ジチオカルバメート系化合物、グアニジン系化合物、キサントゲン酸系化合物、アミン系化合物などであっても良い。
粘着付与樹脂は、ロジン、テルペン、石油系樹脂、クマロンインデン樹脂、スチレンフェノール樹脂、キシレン樹脂などであっても良い。
老化防止剤は、ナフチルアミン系化合物、ジフェニルアミン化合物、モノリン系化合物、ビスフェノール系化合物などであっても良い。
可塑剤にはジエチルフタレート、ジブチルフタレート、エチレングリコールなどであっても良い。
充填剤は、炭酸カルシウム、酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、珪酸アルミニウム、硫酸アルミニウム、タルク、シリカ、珪藻土、珪砂などであっても良い。
【0069】
一方、非発泡樹脂組成物も、その素材に特に制限はないが、例えば、アクリル系樹脂や、シリコーン樹脂、ポリウレタン(PU)樹脂などであっても良い。
以下、付着部材3の素材は、発泡樹脂組成物であるとして、主に述べる。
【0070】
このような付着部材3である発泡樹脂組成物は、上述したように、基材2の一方面2aの少なくとも一部に塗布され(つまり、一方面2aの一部に塗布されていたり、一方面2aの全面に塗布され)ていても良いところ、特に、一方面2aの一部に塗布されている場合について、以下に述べる。
発泡樹脂組成物が基材2の一方面2aの一部に塗布されている場合、その塗布の状態は、特に制限はないが、例えば、発泡樹脂組成物が、ストライプ状(線状、帯状、縞模様状など)に塗布されていたり、その他、水玉状(島状)や、市松模様状、網目状、不規則に(規則性なく、ランダムに)塗布されていても構わない。
以下、発泡樹脂組成物は、基材2の一方面2aにストライプ状に塗布されているとして、主に述べる。
【0071】
ストライプ状に塗布された発泡樹脂組成物は、その長さが、基材2の一方面2aにおける端部から端部までに亘っていたり(つまり、ストライプ状の発泡樹脂組成物の各端部が、基材2の一方面2aの各端部まで延びていたり)、その他、ストライプ状の発泡樹脂組成物の各端部の少なくとも一方が、基材2の一方面2aの端部まで延びていなくとも良く、ストライプ状の発泡樹脂組成物は、その長さ方向3Lが所定の方向に略沿って真っ直ぐ塗布されていたり、逆に、湾曲や蛇行等をしていても構わない。
ストライプ状の発泡樹脂組成物の長さ方向3Lに略直交する断面(謂わば、塗布断面)の形状は、特に限定はないが、例えば、略半楕円状であったり、略半円状や、略富士山状、略矩形状などであっても良く、この塗布断面は、左右が略対称であったり、逆に左右が非対称であっても構わない。
【0072】
ストライプ状に塗布された発泡樹脂組成物は、その塗布厚さ(塗布高さ)3t、塗布幅3w、塗布間隔3d、塗布率3Rなどに特に限定はないが、ストライプ状の発泡樹脂組成物の塗布厚さ3tは、例えば、0.1mm以上5.0mm以下、好ましくは0.3mm以上4.0mm以下、更に好ましくは0.5mm以上3.0mm以下(0.8mmや1.0mmなど)であっても良い。尚、塗布厚さ3tは 塗布断面において、基材2の一方面2aから最も厚い部分の厚さであり、ストライプ状の発泡樹脂組成物の長さ方向3Lに亘って、略同じ値であったり、途中で値が変化していても構わない。
ストライプ状の発泡樹脂組成物そのものの塗布幅3wは、例えば、1mm以上10mm以下、好ましくは2mm以上8mm以下、更に好ましくは3mm以上6mm以下(4mmなど)であっても良く、塗布幅3wも、ストライプ状の発泡樹脂組成物の長さ方向3Lに亘って、略同じ値であったり、途中で値が変化していても構わない。
【0073】
隣接する2つのストライプ状の発泡樹脂組成物の間隔である塗布間隔3dは、例えば、4mm以上30mm以下、好ましくは8mm以上20mm以下、更に好ましくは10mm以上15mm以下(12mmなど)であっても良く、塗布間隔3dも ストライプ状の発泡樹脂組成物の長さ方向3Lに亘って、略同じ値であったり、途中で値が変化していても構わない。
ストライプ状の発泡樹脂組成物の塗布率3Rは、例えば、1%以上99%以下、好ましくは5%以上80%以下、更に好ましくは10%以上60%以下(25%など)であっても良い。
【0074】
ここまで述べたストライプ状に塗布された発泡樹脂組成物は、その長さや、長さ方向3L、塗布断面の形状、塗布厚さ3t、塗布幅3w、塗布間隔3d、塗布率3Rなどの少なくとも1つが、それぞれのストライプ状の発泡樹脂組成物ごとに、異なっていても良いし、逆に、全て略同じであっても構わない。
ここで、発泡樹脂組成物における気泡について、その大きさや密度(単位面積当たりの個数)なども特に限定はないが、大きさは、例えば、0.01mm以上1.00mm以下、好ましくは0.01mm以上0.80mm以下、更に好ましくは0.01mm以上0.60mm以下(0.01mmや、0.12mm、0.20mm、0.40mmなど)であっても良い。
【0075】
発泡樹脂組成物における気泡の密度は、1個/mm以上500個/mm以下、好ましくは1個/mm以上300個/mm以下、更に好ましくは1個/mm以上200個/mm以下(125個/mmなど)であっても良い。
又、発泡樹脂組成物における気泡は、互いに連続(連通)していたり、少なくとも一部の気泡は、互いに連続(連通)していなくとも良い。
このような発泡樹脂組成物の付着性は、当該発泡樹脂組成物の素材そのものによると共に、上述した気泡が、敷物Sの裏面Sb(裏打ち材S3の裏面S3b等)に吸着することにもよっているとも言える。
【0076】
<係止部材4>
図1、5~7に示されたように、係止部材4は、上述した基材2の他方面(下面)2bに形成され、且つ、上述した有毛床F(F’)に対して係止・離反自在な部材である。
係止部材4は、基材2の他方面2bから突出した部材(突出した部分を有する部材)で形成されていても良い。
【0077】
ここで、本発明における係止部材4の「係止・離反自在」とは、当該係止部材4が上述した有毛床Fの上面Fa(詳しくは、床毛羽糸条F2)に係止して(係り止まって、又は、引っ掛かって)、中間マット状物1と有毛床Fとの間で所定の引張せん断強さZ(謂わば、引張せん断係止強さZb)が生じている状態(係止状態)と、その係止状態における中間マット状物1を有毛床Fから剥がして、当該係止部材4が上述した有毛床Fの上面Faから離反した状態(離反状態)の2つの状態が存在し、係止状態→離反状態と、離反状態→係止状態の状態変化が自在であることを意味する。
又、当該係止部材4は、係止状態→離反状態→係止状態→・・・と、2回以上の係止状態に変化可能(謂わば、再係止可能)であっても良い。尚、係止部材4が有毛床F(F’)に係止すれば、当該係止部材4(中間マット状物1)は、有毛床Fに対する位置が(少なくとも一時的には)固定されることから、係止部材4において「係止・離反自在」とは、「固定・離反自在」であるとも言える。
【0078】
係止部材4は、その構成について特に限定はないが、例えば、上述した基材2の他方面2bから当該基材2に含まれる編地の一部が突出して形成されたパイルであったり、その他、基材2に含まれる織地の一部であるパイルや、基材2にタフト(植設)されたパイルであっても良く、その他、編地や不織布、織地等を含む基材2の他方面2bを起毛して形成された毛羽であっても構わない(係止部材4は、パイルや毛羽などを含む毛羽糸条であるとも言える)。その他、係止部材4は、基材2の他方面2bから突出した突起物であったり、基材2の他方面2bに形成された凹凸(凹部と凸部)における凸部などであっても良く、又、面ファスナの雄部材などであっても構わない。
これらの係止部材4の素材は、上述した編地や織地などの基材2の素材と同様であると言えるが、基材2にタフト(植設)されたパイルである場合には、異なっても構わない。
【0079】
係止部材4の素材が基材2の素材と異なる場合、当該係止部材4の素材も、それを構成する繊維としては、熱可塑性の素材であるポリエチレンテレフタレート(PET)や、ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)等のポリエステル繊維、ナイロン(ポリアミド)繊維、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)等のポリオレフィン系繊維、レーヨン繊維、キュプラ繊維、アセテート繊維、ポリアクリロニトリル(PAN)を主成分とするアクリル繊維、ポリビニルアルコール(PVA)繊維(ビニロン繊維)、ポリウレタン(PU)繊維などの合成繊維でも良く、その他、ガラス繊維、羊毛、絹などであり、これらを単独又は組み合わせて用いられても良い。
以下、係止部材4は、他方面2bから基材2に含まれる編地などの一部が突出して形成されたパイルであるとして、主に述べる。
【0080】
係止部材4であるパイルは、ループパイルや、カットパイルであったり、ループパイルとカットパイルが混在していても良い。
以下は、係止部材4であるパイルはカットパイルであるとして、主に述べる。
【0081】
このような係止部材4であるパイルは、基材2の他方面2bの少なくとも一部に形成され(つまり、他方面2bの一部に形成されていたり、他方面2bの略全面に亘って形成され(隣接する係止部材4であるパイルの先端(下端)が複数集まって面(パイル面)が形成され))ていても良い。
以下は、係止部材4であるパイルが、他方面2bの一部に形成されている場合について述べる。
【0082】
パイルが基材2の他方面2bの一部に形成されている場合、その形成の状態は、特に制限はないが、例えば、パイルが、点在して形成され(基材2の経方向や緯方向等の方向に略沿って所定の間隔(パイル間隔)4dを空けて形成され)ていても良く、その他、ストライプ状(線状、帯状、縞模様状など)に形成され(パイル列状に形成され)ていたり、その他、水玉状(島状)や、市松模様状、網目状、不規則に(規則性なく、ランダムに)形成されていても構わない。
以下、パイルは、基材2の他方面2bに点在して形成、又は、ストライプ状に形成されているとして、主に述べる。
【0083】
<点在して形成されたパイル>
まず、点在して形成されたパイルについて述べると、点在して形成されたパイルが略沿う経方向や緯方向等は、パイル形成方向4Lとも言え、上述した基材2に含まれる編地や織地などの経方向や緯方向等のうち、少なくとも1つの方向に略沿った方向であっても良い。
特に、基材2に編地(経編地や緯編地)が含まれる場合のパイル形成方向4Lは、例えば、経方向であれば、経編地における経方向や、緯編地における緯方向に平面視で略直交した方向に略沿った方向であったり、緯方向であれば、例えば、経編地における経方向に平面視で略直交した方向や、緯編地における緯方向に略沿った方向であっても良い。
【0084】
その他、パイル形成方向4Lが経方向や緯方向以外の方向であれば、例えば、バイアス方向であっても良く、詳しくは、上述した編地等における経方向や緯方向に対して、平面視で、90°以外の所定角度を有した斜めの方向であっても構わない。
これらのパイル形成方向4Lは、上述した付着部材3(発泡樹脂組成物など)がストライプ状に塗布されている場合には、当該ストライプ状の付着部材3の長さ方向と、略平行であっても良い。
【0085】
更に、経方向や緯方向等に略沿って点在して形成されたパイルは、ストライプ状の付着部材3と、基材2の表裏(一方面2aと他方面2b)で、略対称位置(平面視で略重なる位置)に形成されていても良く、逆に、略対称位置に形成されていなくとも構わない。
このような点在して形成されたパイルは、そのパイル形成方向4Lの長さが、基材2の他方面2bにおける端部から端部までに亘っていたり(つまり、パイル形成方向4Lに略沿って点在して形成されたパイルが、基材2の他方面2bの各端部近傍まで形成されていたり)、その他、パイル形成方向4Lに略沿って点在して形成されたパイルが、基材2の他方面2bの各端部近傍の少なくとも一方まで形成されていなくとも良く、パイル形成方向4Lに略沿って点在して形成されたパイルは、そのパイル形成方向4Lが所定の方向に略沿って真っ直ぐ延びていたり、逆に、湾曲や蛇行等をしていても構わない。
【0086】
点在して形成されたパイルは、そのパイル高さ4h、パイル角度4α、パイル間隔4d、パイル太さ4fなどに特に限定はないが、点在して形成されたパイルのパイル高さ4hは、基材2の他方面2bからパイル自体の先端までの距離であり、例えば、0.0mm以上20.0mm以下、好ましくは0.1mm以上10.0mm以下、更に好ましくは0.3mm以上6.0mm以下(0.5mmや1.0mm、3.0mmなど)であっても良い。
尚、ここまで述べたパイル高さ4hと、後述するパイル角度4αにより、点在して形成されたパイル自体の長さ(パイル長さ)4lは、4l=4h/sin4αである(パイル角度4α=0°の時を除く)とも言え、このパイル長さ4lも、特に制限はないが、例えば、0.1mm以上20.0mm以下、好ましくは1.0mm以上15.0mm以下、更に好ましくは3.0mm以上10.0mm以下(0.5mmや1.0mm、3.0mm、5.0mmなど)であっても良い。尚、パイル高さ4hは パイル形成方向4Lに亘って、略同じ値であったり、途中で値が変化していても良い。
【0087】
点在して形成されたパイルのパイル角度4αは、基材2の他方面2bとパイルとの間の角度であり、例えば、0°以上90°以下であっても良く、好ましくは0°以上80°以下、更に好ましくは0°以上70°以下(0°や60°、30°など)であっても構わない。
ここで、「パイル角度4α」とは、当該パイルの平面視における傾斜する向きを問わず、基材2の他方面2bと、パイルとの間で、最も小さくなる角度を言い、又、「パイル角度4αが0°」であるとは、当該パイルは、基材2の他方面2bから突出した部材であるものの、当該パイルの長さ方向が、基材2の他方面2bに略沿っている状態を言う。尚、パイル角度4αも パイル形成方向4Lに亘って、略同じ値であったり、途中で値が変化していても良い。
【0088】
点在して形成されたパイルのパイル間隔4dは、あるパイル形成方向4Lにおいて最も近くに形成されたパイル同士の間の距離であり、パイル形成方向4Lが経方向である場合には、パイル経間隔4d’であるとも言え、パイル形成方向4Lが緯方向である場合には、パイル緯間隔4d”であるとも言え、その他、パイル形成方向4Lが斜め方向(バイアス方向)等である場合には、パイル斜め間隔等であるとも言える。
これらのパイル間隔4d(4d’、4d”等)も、特に制限はないが、例えば、0.5mm以上30.0mm以下、好ましくは1.0mm以上20.0mm以下、更に好ましくは1.5mm以上15.0mm以下(2mmや3mm、4mm、6mm、8mm、10mmなど)であっても良く、特に、パイル経間隔4d’は、例えば、0.5mm以上30.0mm以下、好ましくは1.0mm以上20.0mm以下、更に好ましくは1.5mm以上15.0mm以下(2mmや3mm、4mm、6mm、8mm、10mmなど)であったり、パイル緯間隔4d”は、例えば、1.0mm以上30.0mm以下、好ましくは3.0mm以上25.0mm以下、更に好ましくは5.0mm以上20.0mm以下(10mmなど)であっても構わない。
【0089】
尚、これらのパイル間隔4d(4d’、4d”等)も、パイル形成方向4Lに亘って、略同じ値であったり、途中で値が変化していても良く、特に、パイル経間隔4d’などが途中で値が変化する場合、小さい値と大きい値が交互に出てきても(例えば、3mmや4mm等のパイル経間隔4d’と、6mmや8mm、10mm等のパイル経間隔4d’が交互に繰り返されるなどでも)構わない。
点在して形成されたパイルのパイル太さ4fは、謂わば、当該パイルの総繊度(モノフィラメントの場合、単繊維繊度)であるとも言え、当該パイルが、上述した基材2に含まれる編地の一部であれば、その編地を構成する糸の総繊度(上述したように、10dtex以上3000dtex以下など)と同様になるとも言える。
【0090】
尚、パイル太さ4fは、点在して形成されたパイルの長さ方向に亘って、略同じ値であったり、途中で値が変化していても良く、例えば、パイル先端側だけが太くても(パイル先端に溶融塊が形成されていても)良い。
又、点在して形成されたパイルは、その形状として、長さ方向全体として湾曲や蛇行していたり、当該パイルの先端側がフック状であっても良い。
【0091】
<ストライプ状に形成されたパイル>
次に、ストライプ状に形成されたパイルについて述べる。
ストライプ状に形成されたパイルと、点在して形成されたパイルとで最も異なる点は、パイル間隔4d(パイル経間隔4d’、パイル緯間隔4d”)についてである。
上述の点在して形成されたパイルでは、パイル経間隔4d’とパイル緯間隔4d”等の少なくとも2つが存在していたが、ストライプ状に形成されたパイルでは、パイル経間隔4d’とパイル緯間隔4d”等のうち、何れか1つしか存在しないとも言える。
【0092】
つまり、ストライプ状に形成されたパイルは、そのストライプの長さ方向(パイル形成方向4L)が経方向であれば、パイル経間隔4d’は存在せず(又は、経方向に連続してパイルが形成され)、ストライプ状に形成されたパイルのパイル形成方向4Lが緯方向であれば、パイル緯間隔4d”は存在しない(又は、緯方向に連続してパイルが形成されている)とも言える。
ここで、「ある方向に連続してパイルが形成される」とは、あるパイル形成方向4Lにおいて最も近くに形成されたパイル同士が、互いに接触している等を意味する。
【0093】
その他のストライプ状に形成されたパイルの構成などは、点在して形成されたパイルと同様であると言える。
ここまで述べた点在して形成されたパイルや、ストライプ状に形成されたパイルは、その長さや、パイル形成方向4L、パイル高さ4h、パイル角度4α、パイル間隔4d、パイル太さ4f、パイル長さ4l、パイルの形状などの少なくとも1つが、それぞれの点在して形成されたパイルや、ストライプ状に形成されたパイルごとに、異なっていても良いし、逆に、全て略同じであっても構わない。
【0094】
<引張せん断強さZ>
ここまで述べた中間マット状物1は、当該中間マット状物1を、上述した敷物Sと有毛床Fとの間に配置した状態における引張せん断強さZは、その値に特に限定はないが、例えば、48.00N/50cm以上、好ましくは49.00N/50cm以上、更に好ましくは50.00N/50cm以上(52.43N/50cmなど)であっても良い。
尚、この引張せん断強さZの測定方法については、後述する<試験>等について述べる。
【0095】
<第2実施形態の中間マット状物1>
図8には、本発明に係る第2実施形態の中間マット状物1が示されている。
この第2実施形態において第1実施形態と最も異なるのは、中間マット状物1の基材2における一方面2aと他方面2bの両面に、上述した付着部材3が形成されている(換言すれば、中間マット状物1の基材2における一方面2aと他方面2bの何れの面にも、上述した係止部材4は形成されていない)点である。
このような第2実施形態の中間マット状物1に対する敷物Sや床Fについて、まず述べる。
【0096】
<敷物S、床F>
図8に示されたように、敷物Sは、主に、第1実施形態と同様、上述した裏打ち材S3を有していても良いが、その他、裏打ち材S3を有さず、織地等の敷物基材S1の他方面(裏面、下面)S1bが露出する場合であれば、付着部材3が付着・離反自在であっても(他方面S1bが略平坦である等でも)構わない。
又、図8に示されたように、床Fは、第1実施形態にて主に述べたものとは異なり、後述する無毛床F”であっても良いが、その他、上述した有毛床F(F’)である場合は、当該有毛床F’の床毛羽糸条F2(F2’)側に、付着部材3が付着・離反自在であっても(隣接する床毛羽糸条F2の先端が複数集まって形成されるパイル面が、略平坦である等でも)構わない。
【0097】
ここで、無毛床F”とは、上述した有毛床F’とは異なり、露出している面(一方面や上面、表面)Fa”側に、パイルなどの毛羽糸条が存在しない床であり、無毛床F”は、その構成等に制限はないが、例えば、フローリング、タイル、コンクリートであったり、その他、茣蓙、筵などであっても構わない。
無毛床F”の露出面Fa”には、凹凸や隆起、陥没が形成されていても良い。
【0098】
このような敷物Sや床Fに対する第2実施形態は、その基材2の両面(一方面2aと他方面2b)の付着部材3の素材が、例えば、両面とも発泡樹脂組成物であっても良く、又、一方面2aが発泡樹脂組成物で、他方面2bが非発泡樹脂組成物であったり、両面ともが非発泡樹脂組成物であっても構わない。
以下、第2実施形態の付着部材3の素材は、両面が発泡樹脂組成物であるとして、主に述べる。
【0099】
第2実施形態における両面の発泡樹脂組成物は、例えば、両面ともストライプ状に塗布された発泡樹脂組成物であっても良く、又、一方面2aがストライプ状に塗布された発泡樹脂組成物で、他方面2bがストライプ状以外の形状(島状など)に塗布された発泡樹脂組成物であったり、その逆であっても構わない。
以下、第2実施形態の付着部材3は、その両面が、ストライプ状に塗布された発泡樹脂組成物であるとして、主に述べる。
【0100】
第2実施形態の両面におけるストライプ状の発泡樹脂組成物は、その長さ方向3Lが、互いに略平行であっても良く、更に、それぞれの発泡樹脂組成物が、基材2の表裏(一方面2aと他方面2b)で、略対称位置(平面視で略重なる位置)に形成されていたり、逆に、略対称位置に形成されていなくとも構わない。
その他、第2実施形態の両面におけるストライプ状の発泡樹脂組成物は、その長さ方向3Lや、塗布断面の形状、塗布厚さ3t、塗布幅3w、塗布間隔3dなどが、基材2の両面(一方面2aと他方面2b、表裏)で、略同じ値であっても良いし、異なる値であっても構わない。
【0101】
ここまで述べた第2実施形態の付着部材3は、敷物Sや床Fに付着するのであれば、当該付着部材3(中間マット状物1)は、上述したように、敷物Sや床Fに対する位置が(少なくとも一時的には)固定されることから、両面(一方面2aと他方面2b)の付着部材3は、「固定・離反自在」である(つまり、第2実施形態の両面における付着部材3は、それぞれ固定部材である)と言える。
これを詳解すれば、第2実施形態は、基材2の一方面2aには、敷物Sに対して付着による固定・離反自在な一方固定部材(一方面2a側の付着部材3)が形成され、基材2の他方面2bには、床Fに対して付着による固定・離反自在な他方固定部材(他方面2b側の付着部材3)が形成されているとも言える。
【0102】
<表裏の塗布率3Ra、3Rb>
ここで、第2実施形態は、基材2の一方面2aにおける付着部材3の塗布率(一方塗布率、上面塗布率)3Raと、基材2の他方面2bにおける付着部材3の塗布率(他方塗布率、下面塗布率)3Rbが、それぞれ何れの値であっても良いが、例えば、基材2の表裏で塗布率3Rが、略同じ値であったり、逆に、異なる値であっても構わない。
詳解すれば、一方塗布率3Raと他方塗布率3Rbが略同じ値(3Ra≒3Rb)であったり、一方塗布率3Raが他方塗布率3Rbより小さい値(3Ra<3Rb)であったり、逆に、一方塗布率3Raが他方塗布率3Rbより大きい値(3Ra>3Rb)であっても良い。
【0103】
尚、一方塗布率3Raと他方塗布率3Rbが略同じ値とは、一方塗布率3Raと他方塗布率3Rbが全く同じ値である場合だけではなく、一方塗布率3Raと他方塗布率3Rbの差が1%未満である場合も含む。
又、同じ基材2の表裏である一方面2aと他方面2bの面積は、当然、略同じ値であると言えることから、第2実施形態の基材2表裏における付着部材3の塗布率3Rの関係(大小関係など)は、表裏における付着部材3の塗布面積(一方面2a、他方面2bそれぞれに塗布された付着部材3の平面視における面積)の大小関係であるとも言える。
その他の第2実施形態における中間マット状物1、基材2、付着部材3等の構成、作用効果や使用態様は、第1実施形態と同様である。
【0104】
<第3実施形態の中間マット状物1>
図9には、本発明に係る第3実施形態の中間マット状物1が示されている。
この第3実施形態において第1、2実施形態と最も異なるのは、中間マット状物1の基材2における一方面2aと他方面2bの両面に、上述した係止部材4が形成されている(換言すれば、中間マット状物1の基材2における一方面2aと他方面2bの何れの面にも、上述した付着部材3は形成されていない)点である。
このような第3実施形態の中間マット状物1に対する敷物Sや床Fについて、まず述べる。
【0105】
<敷物S、床F>
図9に示されたように、敷物Sは、第1実施形態にて主に述べたものとは異なり、上述した裏打ち材S3を有さないため、織地等の敷物基材S1の他方面(裏面、下面)S1bが露出していても良いが、その他、裏打ち材S3を有している場合であれば、係止部材4が係止・離反自在な凹凸などが、裏打ち材S3の他方面S3bに形成されていても構わない。
又、図9に示されたように、床Fは、主に、第1実施形態と同様、上述した有毛床F(F’)であっても良いが、その他、上述した無毛床F”の場合は、係止部材4が係止・離反自在な凹凸などが、無毛床F”の露出している側の面(一方面や上面、表面とも言える面Fa”側)に形成されていても構わない。
【0106】
このような敷物Sや床Fに対する第3実施形態は、その基材2の両面(一方面2aと他方面2b)の係止部材4における具体的な構成が、例えば、両面ともパイルであっても良く、又、一方面2aがパイルで、他方面2bがパイル以外(突起物など)であったり、両面ともがパイル以外であっても構わない。
以下、第3実施形態の係止部材4は、両面がパイルであるとして、主に述べる。
【0107】
第3実施形態における両面のパイルは、例えば、両面とも点在して形成されたパイルであったり、両面ともストライプ状に形成されたパイルであっても良く、又、一方面2aが点在して形成されたパイルで、他方面2bがストライプ状に形成されたパイルであったり、その逆であっても構わない。
その他、第3実施形態における両面のパイルは、例えば、一方面2aが、点在して形成されたパイル又はストライプ状に形成されたパイルであり、他方面2bが、点在して形成されたパイルでなく且つストライプ状に形成されたパイルでないパイル(島状など)であったり、その逆であっても良く、その他、両面ともが、点在して形成されたパイルでなく且つストライプ状に形成されたパイルでないパイルであっても構わない。
以下、第3実施形態の係止部材4は、その両面が、点在して形成されたパイル、又は、ストライプ状に形成されたパイルであるとして、主に述べる。
【0108】
第3実施形態の両面における点在して形成されたパイル等は、それぞれのパイル形成方向4Lが、互いに略平行であっても良く、更に、それぞれのパイルが、基材2の表裏(一方面2aと他方面2b)で、略対称位置(平面視で略重なる位置)に形成されていたり、逆に、略対称位置に形成されていなくとも構わない。
その他、第3実施形態における両面のパイルは、そのパイル形成方向4Lや、パイル高さ4h、パイル角度4α、パイル間隔4d、パイル太さ4f、パイル長さ4l、パイルの形状などが、基材2の両面(一方面2aと他方面2b、表裏)で、略同じ値であっても良いし、異なる値であっても構わない。
【0109】
ここまで述べた第3実施形態の係止部材4は、敷物Sや床Fに係止すれば、当該係止部材4(中間マット状物1)は、敷物Sや床Fに対する位置が(少なくとも一時的には)固定されることから、両面(一方面2aと他方面2b)の係止部材4は、「固定・離反自在」である(つまり、第3実施形態の両面における係止部材4は、それぞれ固定部材である)と言える。
これを詳解すれば、第3実施形態は、基材2の一方面2aには、敷物Sに対して係止による固定・離反自在な一方固定部材(一方面2a側の係止部材4)が形成され、基材2の他方面2bには、床Fに対して係止による固定・離反自在な他方固定部材(他方面2b側の係止部材4)が形成されているとも言える。
その他の第3実施形態における中間マット状物1、基材2、係止部材4等の構成、作用効果や使用態様は、第1実施形態と同様である。
【0110】
<第4実施形態の中間マット状物1>
図10には、本発明に係る第4実施形態の中間マット状物1が示されている。
この第4実施形態において第1実施形態と最も異なるのは、中間マット状物1の基材2における一方面2aに、上述した係止部材4が形成され、基材2における他方面2bに、上述した付着部材3が形成されている(換言すれば、第1実施形態とは表裏逆に、付着部材3と係止部材4が基材2に対して形成されている)点である。
このような第4実施形態の中間マット状物1に対する敷物Sや床Fについて、まず述べる。
【0111】
<敷物S、床F>
図10に示されたように、敷物Sは、第1実施形態にて主に述べたものとは異なり、上述した裏打ち材S3を有さないため、織地等の敷物基材S1の他方面(裏面、下面)S1bが露出していても良いが、その他、裏打ち材S3を有している場合であれば、係止部材4が係止・離反自在な凹凸などが、裏打ち材S3の他方面S3bに形成されていても構わない。
又、図10に示されたように、床Fは、第1実施形態にて主に述べたものとは異なり、上述した無毛床F”であっても良いが、その他、上述した有毛床F(F’)である場合は、当該有毛床F’の床毛羽糸条F2(F2’)側に、付着部材3が付着・離反自在であっても(隣接する床毛羽糸条F2の先端が複数集まって形成されるパイル面が、略平坦である等でも)構わない。
【0112】
このような敷物Sや床Fに対する第4実施形態は、その基材2の一方面2aの係止部材4における具体的な構成が、例えば、パイルであったり、パイル以外(突起物など)であっても良く、基材2の他方面2bの付着部材3の素材が、例えば、発泡樹脂組成物であったり、非発泡樹脂組成物であっても構わない。
以下、第4実施形態は、係止部材4の素材がパイルで、付着部材3の素材が発泡樹脂組成物であるとして、主に述べる。
【0113】
第4実施形態におけるパイルは、例えば、基材2の一方面2aに点在して形成されたパイルや、ストライプ状に形成されたパイルであったり、点在して形成されたパイルでなく且つストライプ状に形成されたパイルでないパイル(島状など)であっても良く、又、基材2の他方面2bにストライプ状に塗布された発泡樹脂組成物であったり、ストライプ状以外の形状(島状など)に塗布された発泡樹脂組成物であっても構わない。
以下、第4実施形態は、係止部材4が一方面2aに点在して形成されたパイルであり、付着部材3が他方面2bにストライプ状に塗布された発泡樹脂組成物であるとして、主に述べる。
【0114】
第4実施形態は、基材2の一方面2aに点在して形成されたパイル等のパイル形成方向4Lと、基材2の他方面2bにストライプ状に塗布された発泡樹脂組成物の長さ方向3Lが、互いに略平行であっても良く、更に、これらのパイルと発泡樹脂組成物が、基材2の表裏(一方面2aと他方面2b)で、略対称位置(平面視で略重なる位置)に形成されていたり、逆に、略対称位置に形成されていなくとも構わない。
その他、第4実施形態において、基材2の一方面2aのパイルは、そのパイル形成方向4Lや、パイル高さ4h、パイル角度4α、パイル間隔4d、パイル太さ4f、パイル長さ4l、パイルの形状などについて、特に限定はなく、又、基材2の他方面2bにおけるストライプ状の発泡樹脂組成物も、その長さ方向3Lや、塗布断面の形状、塗布厚さ3t、塗布幅3w、塗布間隔3dなどについて、特に限定はない。
【0115】
ここまで述べた第4実施形態の係止部材4や付着部材3は、敷物Sや床Fに付着するのであれば、当該係止部材4や付着部材3(中間マット状物1)は、上述したように、敷物Sや床Fに対する位置が(少なくとも一時的には)固定されることから、一方面2aの係止部材4と他方面2bの付着部材3は、「固定・離反自在」である(つまり、第4実施形態の一方面2aにおける係止部材4や、他方面2bにおける付着部材3は、それぞれ固定部材である)と言える。
これを詳解すれば、第4実施形態は、基材2の一方面2aには、敷物Sに対して係止による固定・離反自在な一方固定部材(一方面2a側の係止部材4)が形成され、基材2の他方面2bには、床Fに対して付着による固定・離反自在な他方固定部材(他方面2b側の付着部材3)が形成されているとも言える。
その他の第4実施形態における中間マット状物1、基材2、付着部材3、係止部材4等の構成、作用効果や使用態様は、第1実施形態と同様である。
【0116】
<中間マット状物1を含む配置システム10>
図1~10には、本発明に係る中間マット状物1を含む配置システム10が示されている。
配置システム10は、上述した中間マット状物1と、上述した敷物Sを備えたシステムである。
【0117】
配置システム10における中間マット状物1は、床Fの上に配置される。尚、この床Fは、上述した有毛床F’であっても、上述した無毛床F”であっても何れでも良い。
配置システム10における中間マット状物1は、上述した基材2の一方面2aに、敷物Sに対して付着・離反自在な付着部材3が形成されている(つまり、中間マット状物1は、上述した第1実施形態、又は、第2実施形態である)。
【0118】
配置システム10における敷物Sは、中間マット状物1の上に配置されている。尚、敷物Sは、その下面側に、上述した裏打ち材S3が形成されている。
よって、配置システム10においては、敷物Sの裏打ち材S3の下面S3bに対して、中間マット状物1の一方面(上面)2aの付着部材3が付着することとなるとも言える。
【0119】
尚、配置システム10は、上述したもの以外に、中間マット状物1が第3実施形態や第4実施形態であったり、敷物Sが裏打ち材S3を有していないものを備えていても良い。
その他の中間マット状物1、基材2、付着部材3、係止部材4、敷物S等の構成、作用効果や使用態様は、上述と同様である。
【0120】
<中間マット状物1の使用方法>
図11には、本発明に係る中間マット状物1の使用方法のフローチャートが示されている。
この使用方法は、上述した敷物Sと、上述した床Fとの間に配置される上述した中間マット状物1を使用する方法(以下、「当該使用方法」とも言う)である。
【0121】
当該使用方法において使用される中間マット状物1は、上述した第1~4実施形態の何れかである。
つまり、中間マット状物1は、上述した基材2を有し、基材2の一方面2aには、敷物Sに対して付着又は係止による固定・離反自在な一方固定部材が形成され、基材2の他方面2bには、床Fに対して付着又は係止による固定・離反自在な他方固定部材が形成されている。
【0122】
当該使用方法では、このような中間マット状物1を、敷物S及び/又は床Fに対して、固定・離反させることから、固定工程U1と、離反工程U2を有している(固定工程U1と、離反工程U2のみを有した当該使用方法を、第1実施形態とする)。
その他、当該使用方法は、再固定工程U3と、再離反工程U4を、更に有していても良い(固定工程U1と、離反工程U2の他に、再固定工程U3と、再離反工程U4等も有した当該使用方法を、第2実施形態とする)。
各工程について、以下に詳解する。
【0123】
<固定工程U1>
固定工程U1は、中間マット状物1を、敷物S及び/又は床Fに対して固定させる工程であり、この固定工程U1は、中間マット状物の配置工程U1-1と、敷物の配置工程U1-2を有しているとも言える。
中間マット状物の配置工程U1-1は、中間マット状物1を床Fの上に配置する工程である。
【0124】
敷物の配置工程U1-2は、敷物Sを中間マット状物1の上に配置する工程である。
尚、固定工程U1においては、主に、中間マット状物の配置工程U1-1で、先に中間マット状物1を床Fの上に配置した後に、敷物の配置工程U1-2で、敷物Sを中間マット状物1の上に配置する。
その他、固定工程U1では、先に敷物Sの裏面Sbに中間マット状物1の固定させた後に、これら敷物Sと中間マット状物1を纏めて且つ中間マット状物1側を下にした状態で、床Fの上に配置しても良い。
【0125】
<離反工程U2>
離反工程U2は、中間マット状物1を、敷物S及び/又は床Fに対して離反させる工程である。
離反工程U2では、中間マット状物1を、敷物Sと床Fを、何れから先に離反させても良いが、先に敷物Sと中間マット状物1を纏めた(敷物Sの他方面Sbに中間マット状物1が固定された)状態で、床Fから離反させた後に、敷物Sの他方面Sbから、中間マット状物1を離反させても構わない。
【0126】
その他、離反工程U2では、先に敷物Sを、中間マット状物1が床Fに配置された(床Fの上面Faに中間マット状物1が固定された)状態で、中間マット状物1や床Fから離反させた後に、中間マット状物1を、床Fから離反させても良い。
離反工程U2の後における敷物Sの扱い等について、特に限定はないが、上述したように、敷物Sを洗濯等しても良い。
【0127】
<再固定工程U3>
再固定工程U3は、上述した離反工程U2(又は、後述する再離反工程U4)で敷物Sや床Fから離反している中間マット状物1を、再び、敷物S及び/又は床Fに対して固定させる工程であり、この再固定工程U3は、中間マット状物の再配置工程U3-1と、敷物の再配置工程U3-2を有しているとも言える。
中間マット状物の再配置工程U3-1は、離反工程U2等で離反した中間マット状物1を、再び、床Fの上に配置する工程である。
【0128】
敷物の再配置工程U3-2は、離反工程U2等で中間マット状物1から離反していた敷物Sを、再び、中間マット状物1の上に配置する工程である。
尚、再固定工程U3においても、主に、中間マット状物の再配置工程U3-1で、先に再び、中間マット状物1を床Fの上に配置した後に、敷物の再配置工程U3-2で、再び、敷物Sを中間マット状物1の上に配置する。
その他、再固定工程U3では、先に再び、敷物Sの裏面Sbに中間マット状物1の固定させた後に、再び、これら敷物Sと中間マット状物1を纏めて且つ中間マット状物1側を下にした状態で、床Fの上に配置しても良い。
【0129】
<再離反工程U4>
再離反工程U4は、上述した再固定工程U3で敷物Sや床Fに再び固定された中間マット状物1を、再び、敷物S及び/又は床Fに対して離反させる工程である。
再離反工程U4では、中間マット状物1を、再び、敷物Sと床Fを何れから先に離反させても良いが、先に再び、敷物Sと中間マット状物1を纏めた(敷物Sの他方面Sbに中間マット状物1が固定された)状態で、床Fから離反させた後に、再び、敷物Sの他方面Sbから、中間マット状物1を離反させても構わない。
【0130】
その他、再離反工程U4では、再び、先に敷物Sを、中間マット状物1が床Fに配置された(床Fの上面Faに中間マット状物1が固定された)状態で、中間マット状物1や床Fから離反させた後に、再び、中間マット状物1を、床Fから離反させても良い。
再離反工程U4の後における中間マット状物1の扱い等についても、特に限定はないが、離反工程U2の後と同じように、敷物Sを洗濯等しても良いし、以降、これらの再固定工程U3や再離反工程U4を繰り返しても構わない。
【0131】
再固定工程U3や再離反工程U4が繰り返される場合、ある再離反工程U4と次の再固定工程U3の間で洗濯等をしても構わない。
ここまで述べた当該使用方法は、再固定工程U3や再離反工程U4を有していれば、当然、再固定工程U3や再離反工程U4の前に、1回目に相当する固定工程U1や離反工程U2を有していることとなり、当該使用方法は、複数回(2回以上)の固定・離反を行うと言える。
【0132】
<中間マット状物1の製造方法>
図12には、本発明に係る中間マット状物1の製造方法のフローチャートが示されている。
この製造方法は、上述した敷物Sと、上述した有毛床F(F’)との間に配置される中間マット状物1を製造する方法(以下、「当該製造方法」とも言う)である。
【0133】
当該製造方法において製造される中間マット状物1は、主に、上述した第1実施形態であるが、その他、上述した第2~4実施形態が製造されても良い。
つまり、中間マット状物1は、上述した基材2を有し、基材2の一方面2aには、敷物Sに付着可能な付着部材3が形成され、基材2の他方面2bには、有毛床F(F’)の毛羽糸条に係止可能な係止部材4が形成されている。
又、中間マット状物1は、基材2と係止部材4が、それぞれ熱可塑性繊維を含んでいる。
【0134】
当該製造方法は、基材形成工程PBと、付着形成工程PFと、係止形成工程PKを、少なくとも有している(基材形成工程PBと、付着形成工程PFと、係止形成工程PKのみを有した当該製造方法を、第1実施形態とする。
尚、基材形成工程PB→付着形成工程PF→係止形成工程PKの順番にて行うものを第1-1実施形態、基材形成工程PB→係止形成工程PK→付着形成工程PFの順番にて行うものを第1-2実施形態とする。
【0135】
当該製造方法では、当該製造方法を1回行う中で、基材形成工程PBを分割して3回行う等しても良い(つまり、基材形成工程PBを分割して3つ有していると言え、このように、分割して3つとなった基材形成工程PBと、付着形成工程PFと、係止形成工程PKを有した当該製造方法を、第2実施形態とする)。
尚、この第2実施形態における工程の順番は、第1基材形成工程PB-1→係止形成工程PK→第2基材形成工程PB-2→第3基材形成工程PB-3→付着形成工程PFとする)。
各工程について、以下に詳解する。
【0136】
<基材形成工程PB>
基材形成工程PBは、中間マット状物1の上述した基材2を形成する工程であって、基材形成工程PBでは、少なくとも基材2を加熱する。
尚、基材形成工程PBでの基材2への加熱と、後述する係止形成工程PKでの係止部材4への加熱は、それぞれ別工程の別行為として分けて行われる。
ここで、基材形成工程PBだけでなく、後述する係止形成工程PKも含めた本発明における「加熱」とは、熱風乾燥機などの加熱装置にて熱を加えることだけでなく、ループパイルの切断やカットパイルの高さを揃えるシャーリング等によって結果的にパイルに熱を加えることや、パイルに対して毛焼きや熱ヒーターなどによって熱を加えること(これらのパイルが熱可塑性繊維等であれば、溶融した部分が形成されること)なども含まれる。
【0137】
基材形成工程PBにおいて、基材2は、上述したように、編地(編物)と不織布を含んでいるものであったり、編地と不織布を含んでいるもの以外(織地のみなど)でも良いが、基材2が編地と不織布を含んでいるもの以外である場合などには、基材形成工程PBは、分割せず1回行うだけであっても良い。
【0138】
この場合、当該1回の基材形成工程PBにて、少なくとも基材2を加熱することとなる。
一方、基材2が編地と不織布を含んでいる場合には、基材形成工程PBは、第1基材形成工程PB-1と、第2基材形成工程PB-2と、第3基材形成工程PB-3を有していても良い。
以下、基材形成工程PBは、第1~3基材形成工程PB-1~3を有するとして、主に述べる。
【0139】
<第1~3基材形成工程PB-1~3>
第1基材形成工程PB-1は、上述した基材2に含まれる編地を編成する工程である。
第1基材形成工程PB-1における編成は、例えば、ラッセル編機やトリコット編機で編成されていたり、これらの編機に対して、編成された編地に緯糸を挿入する装置や、各編地を組織する糸の一部を余らせる(又は、シンカループを拡大させ)装置なども有したものであっても良く、その他、緯編機や丸編機などにて編成されていても構わない。
このような第1基材形成工程PB-1は、編成工程であるとも言える。
【0140】
第2基材形成工程PB-2は、第1基材形成工程PB-1で編成した編地と、上述した基材2に含まれる不織布とを結合させる工程である。
ここで、本発明における「編地と不織布の結合」とは、JIS-L-0222:2001「不織布用語」に記載されたよう、基材2に含まれる編地を編成(構成)する繊維糸条と、基材2に含まれる不織布を構成する繊維糸条とが、互いに交絡、及び/又は融着、及び/又は接着によって、互いの繊維糸条間が結合することを意味する。
第2基材形成工程PB-2における結合は、基材2に含まれる編地や不織布の互いの繊維糸条を、往復するニードルに引っ掛けて互いの繊維糸条間を結合させるニードルパンチ機(ニードルパンチ法)にて結合させても良く、その他、熱又は超音波によって溶融する熱可塑性繊維や熱可塑性樹脂の粉末を含むウェブを、基材2に含まれる編地と共に加圧下又は無加圧下で熱処理して、ウェブと当該編地を全体的又は部分的に結合させるサーマルボンド法等にて結合させても構わない。
尚、第2基材形成工程PB-2では、第1基材形成工程で編成した編地を、シート状の不織布2Bの一方の面側に配置した状態で、上述した結合を行っても良い。
このような第2基材形成工程PB-2は、結合工程であるとも言える。
【0141】
第3基材形成工程PB-3は、第2基材形成工程で結合した編地と不織布を加熱する工程である。
第3基材形成工程PB-3における加熱は、結合した編地と不織布を熱風乾燥機などの加熱装置にて熱を加えも良い。これにより、編地を編成する繊維糸条や、不織布を構成する繊維糸条を溶融又は軟化させ、編地を編成する繊維糸条と不織布を構成する繊維糸条との間や、不織布を構成する繊維糸条同士の間などの結合を更に促し、基材2と係止部材4の結合や、係止部材4と有毛床Fとの係止をより強固にすることが出来るとも言える。
このような第3基材形成工程PB-3は、加熱工程であるとも言える。
【0142】
<付着形成工程PF>
付着形成工程PFは、中間マット状物1の上述した付着部材3を形成する工程である。
付着形成工程PFにおいて、付着部材3は、上述したように、基材2の一方面2aの少なくとも一部に塗布された発泡樹脂組成物であったり、その他、非発泡樹脂組成物でも良い。
【0143】
付着形成工程PFにおける塗布は、1つ又は複数のディスペンサ(吐出装置)のノズル(吐出口)からエマルジョン状等の発泡樹脂組成物などを基材2の一方面2aに吐き出したり(塗布したり)、その他、ロールコーターや、カーテンコーター、刷毛や筆等にて塗布しても構わない。
このような付着工程PFは、塗布工程であるとも言える。
【0144】
<係止形成工程PK>
係止形成工程PKは、中間マット状物1の上述した係止部材4を形成する工程であって、係止形成工程PKでは、少なくとも係止部材4を加熱する。
尚、係止形成工程PKでの係止部材4への加熱と、上述した基材形成工程PBでの基材2への加熱は、それぞれ別工程の別行為として分けて行われる。
【0145】
係止形成工程PKにおいて、係止部材4は、上述したように、基材2の他方面2bから編地の一部が突出して形成されたパイルであったり、その他、編地の一部が突出して形成されたパイル以外のもの(突起物や、織地の一部であるパイルなど)であっても良い。
係止形成工程PKにおけるパイル等の形成は、上述した基材2に含まれる編地を組織する糸の一部を余らせた(又は、シンカループを拡大した)ループパイルを、カッター(刃物)等にて切断して形成されていても良く、その他、ダブルラッセル編地やモケット織地(パイル織地)などの表地と裏地の間の連結糸を、略中央で切断する(センターカット)して形成されていても構わない。
【0146】
尚、パイルが熱可塑性繊維等であれば、これらのループパイルや連結糸等を切断した際に生じる熱により、切断された後のカットパイルの先端側に、溶融塊や、尖った部分、略フック状の部分などの溶融した部分が形成されていても良い。
又、係止形成工程PKでは、ループパイル等を切断した後に、上述したように、パイルに対して毛焼き(バーナー等の火であぶる)や熱ヒーターなどによって熱を加えても良く、これによっても、溶融塊等の溶融する部分が形成されても構わない。
このような係止工程PKは、切断工程であるとも言える。
その他、係止形成工程PKは、第1係止形成工程PK-1と、第2係止形成工程PK-2を有していても(であっても)良い。
第1係止形成工程PK-1は、謂わば、上述した係止工程(切断工程)PKそのものであるとも言える。
第2係止形成工程PK-2は、第1係止形成工程PK-1とは別の工程として、パイルに対して、毛焼きや熱ヒーターなどによって熱を加える工程である。この第2係止形成工程PK-2は、第1係止形成工程PK-1の後であれば、何れのタイミングでも良いが、例えば、上述した第3基材形成工程PB-3と付着形成工程PFの間(第3基材形成工程PB-3の後で且つ付着形成工程PFの前)に行っても良い。
【0147】
<試験>
ここからは、まず本発明に係る中間マット状物1の実施例と、比較例について言及する。
これらの実施例や、比較例を用いて、後述する試験を行う。
【0148】
<実施例>
実施例の中間マット状物1では、基材2が編地と不織布を含むものであって、編地は、緯糸挿入編地2Aであり、第1基材形成工程(編成工程)PB-1にて、毎コースを同一針にラッピングさせた鎖状の編目の経編地(JIS-L-0211:2006「繊維用語-ニット部門」に記載されたような経編地)2A’に、挿入糸(3.5番手の紡績糸)を2A”緯方向に挿入した。
特に、実施例における基材2に含まれる経編地2A’は、ゲージ数は2ゲージ/インチで、コース数は10コース/インチの3枚筬の経編機において、第1筬を1-0/0-0/0-1/1-1の順に繰り返し操作して地糸であるポリエステルモノフィラメント糸(333dtex)が編み込まれ、第2筬を0-1/1-1/1-0/0-0の順に繰り返し操作して地糸であるポリエステルモノフィラメント糸(333dtex)が編み込まれ、第3筬を1-0/0-0/0-1/1-1の順に繰り返し操作してパイル糸であるポリエステル双糸(各モノフィラメント333dtex、撚り数180回/m)が、ループパイル(シンカループを余らせた部分)を4コース毎に形成しながら編み込んだ。ここで、実施例における基材2に含まれる経編地2A’は、ループパイル(シンカループを余らせた部分)の長さが10mmであり、隣り合う経編地2A’間では、ループパイルを千鳥状に配置した。
このような第1基材形成工程(編成工程)PB-1で編成した緯糸挿入編地2Aについて、上述した係止形成工程(切断工程)PK(謂わば、第1係止形成工程(切断工程)PK-1)にて、当該経編地2A’のループループの頂上部分(シンカループを余らせた部分の略中間部分)を切断した。
第1係止形成工程(切断工程)PK-1で切断されたカットパイルを有した緯糸挿入編地2Aについて、上述した第2基材形成工程(結合工程)PB-2にて、当該緯糸挿入編地2Aを、低融点ポリエステル糸(融点130℃、綿状(ウェブ状))を10質量%、レギュラーポリエステル糸(通常の融点のポリエステル糸、綿状(ウェブ状))を90質量%混合したシート状の不織布(目付150g/m)2Bのある面(結合後における基材2の他方面2b)側に配置した状態で、ニードルパンチ機にて結合した。
第2基材形成工程(結合工程)PB-2で結合した緯糸挿入編地2Aとシート状の不織布2Bを、上述した第3基材形成工程(加熱工程)PB-3にて、熱風乾燥機で加熱した。ここで、実施例において緯糸挿入編地2Aと不織布2Bを含み且つ他方面2bに係止部材4が形成された基材2は、その目付が240g/mである。
第3基材形成工程(加熱工程)PB-3で加熱した他方面2bに係止部材4が形成された基材2について、第2係止形成工程PK-2にて、カットパイルの先端を毛焼きにて加熱して、当該先端側に溶融塊を形成した後、上述した付着形成工程(塗布工程)PFにて、当該基材2の一方面2aに、付着部材3として発泡樹脂組成物をストライプ状に塗布した。ここで、付着部材3の塗布厚さ3tが1.0mmであり、塗布幅3wが4mmであり、塗布間隔3dが12mmであり、塗布率3Rが25%である。
このような実施例の中間マット状物1を、裏打ち材S3を有した敷物Sと、有毛床Fとの間に配置して、後述する試験を行う。
【0149】
<比較例>
実施例とは異なり、中間マット状物を一切用いずに、裏打ち材S3を有した敷物Sを直接、有毛床Fの上に配置して、後述する試験を行う。
【0150】
<試験(引張せん断強さZの測定試験)>
この試験では、上述した実施例の中間マット状物1を、裏打ち材S3を有した敷物Sと有毛床Fとの間に配置した状態における引張せん断強さZと、中間マット状物を一切用いずに裏打ち材S3を有した敷物Sを有毛床Fの上に配置した状態における引張せん断強さZを測定する。
本発明における引張せん断強さZの測定試験は、次による。
[1]試験体について
実施例・比較例にて試験体として共に用いる敷物Sと有毛床Fについて、まず述べる。
敷物Sは、大きさ50mm×150mmのダストコントロールマットで、裏打ち材S3として下面S3bにシボ加工(図15参照)が施されているものを用いる。
有毛床Fは、大きさ500mm×500mmのタイルカーペットを、パイルがカットパイルであるものと、ループパイルであるもの2つを用いる。尚、有毛床Fは、ゲージ密度が7本/インチ以上13本/インチ以下(例えば、カットパイルの場合は10本/インチ、ループパイルの場合も10本/インチ)とし、ステッチ密度が8本/インチ以上14本/インチ以下(例えば、カットパイルの場合は12本/インチ、ループパイルの場合は14本/インチ)であり、タフティングされたパイル長が1.5mm以上10.0mm以下であっても良く、例えば、カットパイルの場合は5mm、ループパイルの場合は3mmである。
尚、実施例の中間マット状物1は、大きさが500mm×500mmである。
[2]試験機、試験台、錘(おもり)について
試験機は、破壊荷重が試験機の容量の15~85%に相当する引張試験機であり、変位速度は、50mm/分に調節できるものとする。
試験台は、当該試験台の上に、上述した有毛床Fを配置できる大きさであり、上述した試験機にて敷物Sを引っ張った際に、配置した有毛床Fも引っ張られてズレることを抑制するように、試験機側にストッパが立設されている(図13参照)。
錘は、大きさ50mm×100mmであり、重さは5kgである。
[3]試験方法について
図13(a)に示したように、実施例では、試験台の上に有毛床Fを配置し、その有毛床Fの上に中間マット状物1を配置し、その中間マット状物1の上に敷物Sを配置(敷物Sと中間マット状物1の接触面の大きさは50mm×100mmとなるように)し、更に、その敷物Sの上に錘を配置した状態で、敷物Sの一端を試験機にて、50mm/分の変位速度にて引っ張り、有毛床Fと中間マット状物1の間、中間マット状物1と敷物Sの間の何れかがズレするまでの最大荷重を測定する。尚、敷物Sを引っ張る力(引張力)は、敷物Sや中間マット状物1、有毛床F等の中心線と平行にかかるようにする。
図13(b)に示したように、比較例では、試験台の上に有毛床Fを配置し、その有毛床Fの上に直接、敷物Sを配置(敷物Sと中間マット状物1の接触面の大きさは50mm×100mmとなるように)し、更に、その敷物Sの上に錘を配置した状態で、敷物Sの一端を試験機にて、50mm/分の変位速度にて引っ張り、有毛床Fと敷物Sの間がズレするまでの最大荷重を測定する。尚、敷物Sを引っ張る力(引張力)は、敷物Sや有毛床F等の中心線と平行にかかるようにする。
[4]敷物S、中間マット状物1、有毛床Fのタテ方向・ヨコ方向などについて
図14~17に示したように、敷物S、中間マット状物1、有毛床Fには、それぞれにおけるタテ方向・ヨコ方向や、有毛床Fにおける順目・逆目、カットパイル・ループパイルが存在し、それぞれのタテ方向・ヨコ方向や、順目・逆目、カットパイル・ループパイルの組合せによって、測定される最大荷重は異なるため、これら実施例・比較例において測定した最大荷重は、それぞれのタテ方向・ヨコ方向や、順目・逆目、カットパイル・ループパイルの組合せ毎に、それぞれ5個の試験体の平均値を求め、JIS-Z-8401:2019によって、小数点以下2桁まで表したものを、実施例については表1に、比較例については表2に示す。
ここで、中間マット状物1のタテ方向・ヨコ方向は、ロール方向で決め、詳解すれば、ストライプ状の発泡樹脂組成物の長さ方向3L(又は、基材2に含まれる編地の経方向)等が、試験機による引っ張り方向と略平行である場合、中間マット状物1としてのタテ方向とし、引っ張り方向と略直交である場合、中間マット状物1としてのヨコ方向とする(図14参照)。
又、敷物Sのタテ方向・ヨコ方向は、タフトパイルのタフト進行方向や、裏打ち材S3の下面S3bに形成されたシボ加工の長手方向で決め、詳解すれば、タフト進行方向やシボ加工の長手方向等が、試験機による引っ張り方向と略平行である場合、敷物Sとしてのタテ方向とし、引っ張り方向と略直交である場合、敷物Sとしてのヨコ方向とする(図15参照)。尚、図15(c)、(d)中の赤い矢印は、タフト進行方向を示す。
更に、有毛床Fのタテ方向・ヨコ方向と順目・逆目は、タイルカーペット裏面の矢印の向き(パイル(毛)の流れの向きとは逆向きとなる向き)で決め、詳解すれば、カットパイルかループパイルかを問わず、裏面の矢印の向きが、試験機による引っ張り方向と略平行で且つ同じ向きである場合、有毛床Fとしてのタテ方向・順目とし、引っ張り方向と略平行で且つ逆向きである場合、有毛床Fとしてのタテ方向・逆目とし、引っ張り方向と略直交で且つ引っ張り方向に向いて右向きである場合、有毛床Fとしてのヨコ方向・順目とし、引っ張り方向と略直交で且つ引っ張り方向に向いて左向きである場合、有毛床Fとしてのヨコ方向・逆目とする(図16、17参照)。尚、図16、17中の赤い矢印は、パイル(毛)の流れの向き等を示す。
【0151】
【表1】
【0152】
【表2】
【0153】
ここで、実施例における組合せの数は、(敷物Sのタテorヨコ)×(中間マット状物1のタテorヨコ)×(有毛床Fのタテorヨコ)×(順目or逆目)×(カットパイルorループパイル)=2×2×2×2×2=「32」である。
一方、比較例における組合せの数は、中間マット状物を用いないため、(敷物Sのタテorヨコ)×(有毛床Fのタテorヨコ)×(順目or逆目)×(カットパイルorループパイル)=2×2×2×2=「16」である。
尚、上述したように、実施例・比較例において、タテ方向・ヨコ方向や、順目・逆目、カットパイル・ループパイルの組合せによって、測定される最大荷重は異なるものの、実際の使用者は、何れの組合せにて使用するかわからないことから、引張せん断強さZが、様々な組合せに対応した値となるように、本発明における引張せん断強さの測定試験では、実施例・比較例それぞれにおける組合せの数と、全ての組合せについて測定した最大荷重の総和に基づき、以下の式(1)にて、本発明における引張せん断強さZを求め、その結果を、表3に示す。
【0154】
【数1】
【0155】
【表3】
【0156】
<試験(引張せん断強さの測定試験)の評価>
表3で示されたように、中間マット状物1を用いた実施例における引張せん断強さZは「52.43N/50cm」である一方で、中間マット状物を一切用いない比較例における引張せん断強さZは「45.45N/50cm」と、大きく差がついていることから、本発明の中間マット状物1を用いることで、敷物Sを有毛床Fの上に直接配置した場合より、敷物Sが横ズレ(略水平方向にズレ)し難くなると共に、上述したように、敷物Sを洗濯する際には、中間マット状物1とは別体として当該敷物Sだけを洗濯することが可能となり、「付着強さの低下抑制」や「付着部材の耐久性向上」が図れる。
ここで、引張せん断強さZは、比較例の値「45.45N/50cm」より少しでも大きければ、若干でも、敷物Sの横ズレ抑制をしているともとも言えるが、余裕をもって、実施例の値「52.43N/50cm」と、比較例の値「45.45N/50cm」のほぼ中間の「48.00N/50cm」以上であれば、敷物Sの横ズレ抑制をしているとも言え、上述したように、好ましくは49.00N/50cm以上、更に好ましくは50.00N/50cm以上であっても構わない。
尚、本発明における引張せん断強さの測定試験は、JIS-A-5536:2015の6.3.4.を準用した(準ずる)試験であっても良く、この試験にて測定であっても、実施例(中間マット状物1を、裏打ち材S3を有した敷物Sと有毛床Fとの間に配置した状態)における引張せん断強さZも、比較例(中間マット状物を一切用いずに裏打ち材S3を有した敷物Sを有毛床Fの上に配置した状態)における引張せん断強さZより大きくなると言える。
又、中間マット状物1の引張せん断強さZは、上述したように、基材2の一方面2aに形成された付着部材3側と、敷物Sの裏面Sb(裏打ち材S3の裏面S3b)との間における引張せん断強さZ(謂わば、引張せん断付着強さZa)と、基材2の他方面2bに形成された係止部材4側と、有毛床Fの上面Faとの間における引張せん断強さZ(謂わば、引張せん断係止強さZb)が存在するとも言える。
【0157】
<その他>
本発明は、前述した実施形態に限定されるものではない。中間マット状物1や、配置システム10、中間マット状物1の使用方法、製造方法等の各構成又は全体の構造、形状、寸法などは、本発明の趣旨に沿って適宜変更することが出来る。
中間マット状物1は、上述した第1実施形態において、基材2の一方面2aの付着部材3側における引張せん断付着強さZaと、基材2の他方面2bの係止部材4側における引張せん断係止強さZbは、それぞれ値に特に制限はないが、例えば、基材2の表裏でそれぞれの引張せん断強さZa、Zbが、略同じ値であったり、逆に、異なる値であっても構わない。
詳解すれば、引張せん断付着強さZaと引張せん断係止強さZbが略同じ値(Za≒Zb)であったり、引張せん断付着強さZaが引張せん断係止強さZbより小さい値(Za<Zb)であったり、逆に、引張せん断付着強さZaが引張せん断係止強さZbより大きい値(Za>Zb)であっても良い。
尚、引張せん断付着強さZaが引張せん断係止強さZbが略同じ値とは、引張せん断付着強さZaと引張せん断係止強さZbが全く同じ値である場合だけではなく、引張せん断付着強さZaと引張せん断係止強さZbの差が、1.00N/50cm未満である場合も含む。
【0158】
同様に、中間マット状物1は、上述した第1~4実施形態の全てにおいては、基材2の一方面2aの一方固定部材側における一方引張せん断強さZa’と、基材2の他方面2bの他方固定部材側における他方引張せん断強さZb’も、それぞれ値に特に制限はなく、例えば、基材2の表裏でそれぞれの引張せん断強さZa’、Zb’が、略同じ値であったり、逆に、異なる値であっても構わない。
詳解すれば、一方引張せん断強さZa’と他方引張せん断強さZb’が略同じ値(Za’≒Zb’)であったり、一方引張せん断強さZa’が他方引張せん断強さZb’より小さい値(Za’<Zb’)であったり、逆に、一方引張せん断強さZa’が他方引張せん断強さZb’より大きい値(Za’>Zb’)であっても良い。
尚、一方引張せん断強さZa’と他方引張せん断強さZb’が略同じ値とは、一方引張せん断強さZa’と他方引張せん断強さZb’が全く同じ値である場合だけではなく、一方引張せん断強さZa’と他方引張せん断強さZb’の差が、1.00N/50cm未満である場合も含む。
【0159】
基材2は、不織布を含まずとも良く、パイル編地の基材部分のみであったり、パイル織地の基材部分のみであっても構わない。
例えば、基材2がパイル編地の基材部分のみである場合、当該パイル編地は、ダブルラッセル編地であっても良く、このダブルラッセル編地における表地と裏地の間の連結糸をカット(センターカット)することによって、パイルが形成された2つのパイル編地となる。
又、基材2がパイル織地の基材部分のみである場合、当該パイル織地は、モケット織地であっても良く、このモケット織地における表地と裏地の間の連結糸もカット(センターカット)することによって、パイルが形成された2つのパイル織地となる。
更に、基材2がパイル織地の基材部分のみである場合、当該パイル織地は、モケット織地であっても良く、このモケット織地における表地と裏地の間の連結糸もカット(センターカット)することによって、パイルが形成された2つのパイル織地となる。
【0160】
基材2に含まれる編地が緯糸挿入編地2Aである場合、経方向に延びる経編地2A’に対して、緯方向に挿入される挿入糸2A”は、当該経編地2A’を編成(構成)する糸等より細かったり(繊度が小さかったり)、その他、略同じ太さであったり(繊度が略同じ値であったり)、逆に太くとも(繊度が大きくとも)良い。
又、当該緯糸挿入編地2Aにおける挿入糸2A”は、基材2のヨコ方向等に略沿って真っ直ぐ延びていたり、逆に、湾曲や蛇行等をしていても良い。
更に、この場合、当該緯糸挿入編地2Aにおいて、隣接する経編地2A’同士の間隔(謂わば、経編地2A’の緯間隔)が、経編地2A’そのものの幅(横方向の長さ、略2mmや略3mmなど)の2倍以上、好ましくは3倍以上、更に好ましくは4倍以上(4倍や6倍などで、実際の間隔は略12mmなど)であっても良い。
その他、第2基材形成工程PB-2では、第1基材形成工程で編成した編地を、シート状の不織布2Bの一方の面側に配置した状態で、上述した結合を行っても良く、シート状の不織布2Bの両面に、編地を配置して結合を行うことによって、基材2の両面に係止部材4が形成される(謂わば、上述した第3実施形態の中間マット状物1)とも言える。
【産業上の利用可能性】
【0161】
本発明に係る中間マット状物や、本発明に係る中間マット状物の使用方法にて使用される中間マット状物、及び、本発明に係る中間マット状物の製造方法により製造された中間マット状物は、敷物と床との間に配置して利用される。
本発明に係る配置システムは、中間マット状物と敷物を備え、同様に、中間マット状物を、敷物と床との間に配置して利用される。
ここで、敷物とは、ダストコントロールマット(ダスコンマット(登録商標))や、レンタルマット、靴拭きマット、玄関マットであったり、カーマットであったり、その他、バスマットや、キッチンマット、足拭きマット、水周りマット、アクセントラグ、ラグマットであったり、床面の一部に敷かれる(平面視で床面の一部を占有する)カーペット、絨毯、緞通、茣蓙、筵などである。
又、床は、有毛床と無毛床が含まれ、有毛床は、隣接された複数のタイルカーペットや、1つのカーペットであったり、絨毯、緞通などであり、無毛床は、フローリング、タイル、コンクリートであったり、その他、茣蓙、筵などである。
【符号の説明】
【0162】
1 中間マット状物
2 基材
2a 基材の一方面
2b 基材の他方面
3 付着部材
4 係止部材
10 配置システム
S 敷物
F 有毛床(床)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17