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  • 特開-超音波磁気センサ 図1
  • 特開-超音波磁気センサ 図2
  • 特開-超音波磁気センサ 図3
  • 特開-超音波磁気センサ 図4
  • 特開-超音波磁気センサ 図5
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023051622
(43)【公開日】2023-04-11
(54)【発明の名称】超音波磁気センサ
(51)【国際特許分類】
   G01R 33/02 20060101AFI20230404BHJP
【FI】
G01R33/02 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2021175947
(22)【出願日】2021-09-30
(71)【出願人】
【識別番号】521470168
【氏名又は名称】何 櫟
【氏名又は名称原語表記】He Li
(74)【指定代理人】
【識別番号】322002137
【氏名又は名称】李 静宇
(72)【発明者】
【氏名】何 櫟
【テーマコード(参考)】
2G017
【Fターム(参考)】
2G017AA02
2G017AA04
2G017AD02
2G017BA03
2G017BA05
(57)【要約】
【課題】強い磁場測定をために、超音波磁気センサを提供することにある。。
【解決手段】 図3に示すように、波形発生器1で発生した交流電流がコイル2に流れ、磁場が加わるとアンペールの法則によりコイル2が力を受け、振動し,超音波が発生する。超音波受信センサ3は、その超音波を検出してAC出力信号を与えるためのものである。AC出力信号の振幅は磁場に比例する。ロックインアンプ5は、AC出力信号の振幅を得るために使用される。このようにして、磁場を測定することができる。磁場の測定範囲は、信号発生器1で発生させる交流電流の振幅や、コイル2の巻き数を変えることで容易に調整できる。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コイルと、このコイルに交流電流を供給する波形発生器と、発生した超音波を受信する超音波受信センサと、信号を顕著にする増幅器と、ロックインアンプと、を備える超音波磁気センサ。
前記コイルに、磁場と交流電流によって生じる力が交互に加わることにより、前記コイルが振動する現象を利用した音波及び超音波発生方式。
前記超音波磁気センサにて使用する方形または円形であり、基板上に作られたまたは銅線で巻かれているものであり、直径が1mm~5cm、巻き数が1~1000であるの前記コイル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、強い磁場を測定でき、かつ超音波による新しい磁気センサに関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載されている磁気光学素子は、通常、強磁場の測定によく使用される。しかし、この磁気光学素子は大きく、複雑で、高価である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平45-315074号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、強い磁場を測定でき、かつ超音波によるシンプルで安価な新しい磁気センサである。故にこの磁気センサは、装置が大きく、複雑で高価な磁気光学素子の課題を解決するものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
図1はこの超音波磁気センサの原理を示したものである。波形発生器1は周波数fの交流電流を発生させ,その交流電流はコイル2に流れる。コイル2の電流が磁場によって受ける力により、コイル2は力を受けて周波数fで振動し、それによって周波数fの超音波が発生する。超音波受信センサ3は、この超音波を検出するために使用される。超音波の振幅は、磁場の強さに比例し、超音波センサ3の出力信号から、磁場を測定することが可能である。
【0006】
例えば、巻数が50回のコイルには、40kHzで200mAの振幅の電流が流れる。図2(a)は、磁場がないときの超音波センサの出力信号である。図2(b)は,磁束密度が0.18Tのときの超音波センサの出力信号,図2(c)は,磁束密度が0.27Tのときの超音波センサの出力信号である。これらの結果は、この方法で磁場を測定することが十分可能であるということを証明している。
【0007】
超音波磁気センサを用って、強い磁場の測定装置を構築し、図3にそれを示す。測定装置では、超音波センサからの信号を増幅するためにアンプ4を使用した。その信号の振幅を得るためにロックインアンプ5を使用した。図4は加えた磁場によって変化する装置の出力信号の電圧を示している。図4より、出力電圧と磁場には線形応答が見られ、電圧と磁場が比例関係であることが分かる。
【発明の効果】
【0008】
本発明である超音波磁気センサは、強い磁場を測定するために使用することができる。適切に電流振幅とコイルの巻き数を変動させることで、磁場の測定範囲を調整することが可能であり、磁束密度が数十テスラの強い磁場の測定も可能である。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は超音波磁気センサの原理図である。
図2図2は異なる磁場に対する超音波センサの出力信号である。(a)磁束密度が0Tの時の信号。(b).磁束密度が0.18Tのときの信号(c).磁束密度が0.27Tのときの信号。
図3図3は超音波磁気センサを用いた強い磁場測定装置のブロック図である。
図4図4は強磁場測定装置の磁場に対する出力応答である。
図5図4は超音波磁気センサを遮音ボックスに入れることで、環境ノイズの影響を軽減することができ、かつ磁場は遮音ボックスを貫通することができるので磁場が影響されることなく精密に測定できることを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図3に示すように、波形発生器1で生成された40kHzの交流電流は、巻き数が50のコイル2に流れる。磁場をかけると、コイルは交流の周波数と同じ40kHzの周波数で振動し、同じく40kHzの超音波が発生する。図2に示すように超音波受信センサ3は、その超音波を検出し、その振幅に出力信号を与えるためのものである。加えた磁場に対する40kHzの出力信号の振幅は比例関係にある。
【0011】
40kHzの信号の振幅は、ロックインアンプ5を用いて取得できる。図4に示すように,超音波磁気センサの出力電圧は,磁場と比例する。超音波磁気センサ6を図5のような遮音ボックス7に入れることで環境ノイズの影響を低減させることができる。
【産業上の利用可能性】
【0012】
本発明は、シンプルで小さく、安価な構造で強い磁場を測定することができる磁気センサを提供する。本発明を用いることで、産業界で一般的に使用されているような強力な磁石の磁場を測定することが可能である。
【符号の説明】
【0013】
1 波形発生器
2 コイル
3 超音波受信センサ
4 増幅器
5 ロックインアンプ
6 超音波磁気センサ本体
7 遮音ボックス
図1
図2
図3
図4
図5