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特開2023-51740超再生受信機の発振器の開始を強化するための方法、およびその方法を実施するための受信機
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  • 特開-超再生受信機の発振器の開始を強化するための方法、およびその方法を実施するための受信機 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023051740
(43)【公開日】2023-04-11
(54)【発明の名称】超再生受信機の発振器の開始を強化するための方法、およびその方法を実施するための受信機
(51)【国際特許分類】
   H03D 11/00 20060101AFI20230404BHJP
   H03B 5/12 20060101ALI20230404BHJP
【FI】
H03D11/00
H03B5/12 B
【審査請求】有
【請求項の数】11
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022115410
(22)【出願日】2022-07-20
(31)【優先権主張番号】21200072.3
(32)【優先日】2021-09-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(71)【出願人】
【識別番号】506425538
【氏名又は名称】ザ・スウォッチ・グループ・リサーチ・アンド・ディベロップメント・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100098394
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 茂樹
(72)【発明者】
【氏名】ジャン-リュック・アラン
(72)【発明者】
【氏名】アルノー・カサグランデ
【テーマコード(参考)】
5J081
【Fターム(参考)】
5J081AA02
5J081BB01
5J081BB09
5J081BB10
5J081CC04
5J081CC44
5J081DD04
5J081EE02
5J081EE03
5J081FF04
5J081FF09
5J081FF18
(57)【要約】      (修正有)
【課題】超再生受信機の発振器の開始を強化するための方法、およびその方法を実施するための受信機を提供すること。
【解決手段】超再生受信機1は、基準発振器4と、基準発振器4へバイアス電流(i_vco)を供給するバイアス電流発生器7と、基準発振器4における発振を検出する発振検出器6と、インピーダンス整合ユニット3と、を備える。活性化制御信号(Sosc)の受信後、バイアス電流(i_vco)の供給に続いて、発振検出器6によって、発振検出が実行され、発振が検出されると、発振器の開始時間を正確に定義し、発振検出器6が、基準発振器4の発振の停止を要求できるように、発振信号を、臨界発振開始しきい値よりも高く増幅するために、バイアス電流に加えて、増幅電流生成回路の、検出された発振の包絡線に依存する追加の増幅電流(iboost)が基準発振器4へ提供される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
超再生受信機(1)の基準発振器(4)の開始時間の検出を強化するための方法であって、前記超再生受信機(1)は、前記基準発振器(4)と、少なくとも1つの活性化制御信号(Sosc)を受信すると、前記基準発振器(4)へバイアス電流(i_vco)を供給するバイアス電流発生器(7)と、前記基準発振器(4)における発振を検出するために、前記基準発振器(4)の入力または出力(coilp)と前記バイアス電流発生器(7)との間に接続された発振検出器(6)と、前記受信機(1)のRF信号を受信する端子またはパッド(2)と前記基準発振器(4)との間に配置されたインピーダンス整合ユニット(3)とを備え、
前記活性化制御信号(Sosc)の受信後、前記バイアス電流(i_vco)の供給に続いて、前記発振検出器(6)は、追加の増幅電流生成回路を活性化し、前記基準発振器において検出された前記発振の包絡線に依存する前記追加の増幅電流を供給することを可能にするために、前記基準発振器(4)の第1の発振を検出し、前記発振検出器(6)は、発振信号の増幅を伴う第2の発振の検出後に、前記基準発振器(4)の停止制御信号を供給する、方法であって、
各活性化制御信号(Sosc)において、前記基準発振器(4)の前記発振の開始から、少なくとも1つの臨界電流値が達成されるまで漸進的に増加するバイアス電流が、前記バイアス電流発生器(7)に供給され、前記発振検出器(6)は、前記基準発振器(4)の前記第1の発振を検出し、前記発振検出器(6)によって検出された前記第2の発振において、前記基準発振器(4)への電流の供給を即座に遮断して、前記基準発振器(4)を即座に停止し、したがって、前記受信機の電力消費量を低減するために、停止制御信号(stop)が、前記バイアス電流発生器(7)へのみならず、追加の増幅電流生成回路へも供給されることを特徴とする、方法。
【請求項2】
特に、前記バイアス電流発生器(7)の活性化制御信号(Sosc)のサイクルの時間にわたって各活性化制御信号(Sosc)を受信した後に、前記バイアス電流(i_vco)が、前記基準発振器(4)に供給されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記活性化制御信号(Sosc)が、1マイクロ秒の期間にわたって開始し、1秒にわたって、前記超再生受信機(1)が、1秒のうち1ミリ秒だけ完全に連動されるように、連続する制御信号(Sosc)のサイクルの、1000に近い活性化制御期間(Sosc)をカウントできることを特徴とする、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記超再生受信機(1)が、PLL位相ロックループ(5)をさらに備え、発振周波数を調整するためのVCO発振器(4)である前記基準発振器に、経時的に、調整電圧(Vtune)が供給されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記バイアス電流発生器(7)は、RF信号を受信した後、少なくとも1つの活性化制御信号によって活性化されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
請求項1に記載の超再生受信機(1)の基準発振器(4)の前記開始時間の検出を高めるための方法を実施するための超再生受信機(1)であって、前記超再生受信機は、前記基準発振器(4)と、少なくとも1つの活性化制御信号(Sosc)を受信すると、前記基準発振器(4)へバイアス電流(i_vco)を供給するためのバイアス電流発生器(7)と、前記基準発振器(4)における発振を検出するために、前記基準発振器(4)の入力および出力(coilp)と前記バイアス電流発生器(7)との間に接続された発振検出器(6)と、前記超再生受信機(1)のRF信号を受信するための端子またはパッド(2)と前記基準発振器(4)との間に配置されたインピーダンス整合ユニット(3)とを備え、前記超再生受信機(1)は、前記発振検出器(6)によって検出された第1の発振後、前記バイアス電流に加えて、前記基準発振器(4)へ追加の増幅電流(iboost)を供給するための追加の増幅電流生成回路を備え、前記基準発振器の前記開始時間を正確に定義し、前記発振検出器(6)によって検出された第2の発振中、前記発振検出器(6)が、前記基準発振器(4)の停止を要求できるように、追加の増幅電流(iboost)は、前記発振信号を、臨界発振開始しきい値よりも高く増幅するために、前記バイアス電流に加えて、前記基準発振器(4)へ提供されることを特徴とする、超再生受信機。
【請求項7】
VCO発振器(4)である前記基準発振器に調整電圧(Vtune)を供給するためのPLL位相ロックループ(5)も備えたことを特徴とする、請求項6に記載の超再生受信機。
【請求項8】
前記基準発振器(4)は、2.4GHz以上の周波数で、復調動作のために周波数を下げることなく動作することを特徴とする、請求項6に記載の超再生受信機。
【請求項9】
前記追加の増幅電流生成回路は、第1のNMOSタイプトランジスタ(M13)および第2のNMOSタイプトランジスタ(M14)から構成される少なくとも1つの電流ミラーを備え、前記第1のNMOSトランジスタ(M13)は、アースに接続されたその端子と、第2の電流ソース(12)へ接続されるようにともに接続されたゲート端子およびドレイン端子を有し、前記第2のNMOSトランジスタ(M14)は、前記第1のNMOSトランジスタ(M13)の前記ゲート端子へ接続されたそのゲート端子と、アースに接続されたそのソース端子と、前記基準発振器(4)に前記追加の増幅電流(iboost)を供給する前記ドレイン端子とを有することを特徴とする、請求項6に記載の超再生受信機。
【請求項10】
前記第1の発振を検出した後に作動するように意図された前記追加の増幅電流生成回路は、前記基準発振器(4)のために前記追加の増幅電流(iboost)を供給するために、前記電流ミラー(M13、M14)に接続された振幅検出器(M11、M12)を備え、第1の振幅検出器は、第1のNMOSトランジスタ(M11)および第2のNMOSトランジスタ(M12)を備え、前記第1のNMOSトランジスタ(M11)は、第1の電流ソース(11)および前記第2のNMOSトランジスタ(M12)へ接続されながら、前記電流ミラーの前記第1のNMOSトランジスタ(M13)へ同様に接続され、前記第2のNMOSトランジスタ(M12)の前記ドレイン端子は、前記電流ミラーの前記第1のNMOSトランジスタ(M13)の前記ゲートおよび前記ドレインに接続されることを特徴とする、請求項9に記載の超再生受信機。
【請求項11】
前記振幅検出器の前記NMOSトランジスタ(M11、M12)は同じサイズであり、弱い反転で分極されているのに対し、前記電流ミラーの前記NMOSトランジスタ(M13、M14)は強い反転で分極された2つのNMOSトランジスタであることを特徴とする、請求項10に記載の超再生受信機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、超再生受信機の発振器の開始時間の検出を強化するための方法、およびその方法を実施するための受信機に関する。
【背景技術】
【0002】
1920年代以来、エドウィン・ハワード・アームストロングによって発明された短波受信機が知られており、この受信機は、最初は高価な3つのランプも備えていたが、その発明は、受信機の動作を1つのランプに減らすことを可能にした。以下で論じるように、この原理は、電力消費量を低減し、前記受信機のアーキテクチャを単純化するために、超再生受信機の本発明によって使用される。
【0003】
彼の名義で出願された特許であるUS1,342,885Aには、短波受信機によって高周波発振を受信するための方法が記載されている。
【0004】
超再生受信機では、たとえば、LCタイプのVCOタイプ発振器を使用することができる。このタイプのLC発振器は、LおよびC共振器の損失が、アクティブデバイスの負のコンダクタンスで補償されると発振を開始する。この制限は、発振を開始するために必要な発振器の臨界電流とも呼ばれる最小電流に対応する。
【0005】
超再生受信機では、RF信号は、発振器の共振コイルに直接投入される。発振器の共振周波数に近いまたは近くない周波数、およびRF信号の振幅に応じて、発振器は、多いまたは少ない電流で、長いまたは短い時間で開始する。この開始電流と、関連する開始時間とが検出される。
【0006】
この開始電流と、関連する開始時間とを定量化するために、発振器がトリガされる。増加する電流が発振器に投入される。この電流は、臨界電流未満で開始し、発振器が開始するまで増加する。電流は、たとえば線形ランプの形態をとることができる。発振器は、開始時間に対応する所与の電流で発振を開始する。
【0007】
特許出願US5,613,231Aは、アクティブ構成要素または増幅器およびリアクティブ安定化構成要素を備えた発振器を記載している。アクティブ構成要素は、共通ベース回路に配置されたバイポーラトランジスタである一方、リアクティブ構成要素は、トランジスタコレクタと完全に結合された誘電体共振器である。バイポーラトランジスタのベースは、第1の抵抗を介して電源の極に接続され、第2の抵抗を介して共通点に接続され、その送信機は第3の抵抗を介して同じ極に接続される。バイポーラトランジスタのコレクタと共通点との間に共振器コアが接続される。超再生受信機の発振器の開始時間の向上に関しては何も説明されていない。
【0008】
さらに、発振振幅は、典型的には100mV未満で開始すると一般に低いので、基準発振器の開始時間を正確に検出または判定することは困難であることに留意されたい。さらに、一般的なCMOS技術の振幅検出回路は、100mV未満の振幅に対してあまり感度が高くない。
【0009】
特許出願US2010/237935A1は、増幅器要素と、検出器の動作周波数を調整するための手段と、増幅器要素への入力信号が、増幅器要素において発振を誘発するように構成された、コントローラとを備えた対数検出器を記載している。コントローラを使用して、発振を示す所定のしきい値を検出し、しきい値の検出に応答して、遮断周波数が入力信号の電力の対数に比例するように増幅器の発振を遮断することができる。超再生受信機については記載されていない。
【0010】
パトリック・ファーヴルらによる論文「A 2-V 600-A 1-GHz BiCMOS Super-Regenerative Receiver for ISM Applications」、IEEE JOURNAL OF SOLID-STATE CIRCUITS、IEEE、米国、第33巻、第12号、1998年12月1日、XP011060882、ISSN:0018-9200を参照されたい。第1の活性化制御信号を受信すると、基準発振器へバイアス電流を供給するためのバイアス電流発生器と、基準発振器における発振を検出するために、基準発振器の入力および出力と、バイアス電流発生器との間に接続された発振検出器とを含む、超再生受信機が説明されている。従来のバイアス電流に加えて、基準発振器に追加の増幅電流を供給するための追加の増幅電流生成回路も提供される。この追加の増幅電流は、従来のバイアス電流に加えて基準発振器に供給され、発振器の開始時間を規定するための臨界発振開始しきい値を超え、検出器が基準発振器の停止を要求できるようになるまで、発振信号を増幅する。しかしながら、開始時間をより適切に規定するためのバイアス電流の漸進的な増加は提供されず、これは欠点である。
【0011】
特許出願GB2 433 365Aは、発振器の活性化から分極電流によって電力を供給される基準発振器と、パルス幅コントローラとを備える超再生受信機を記載している。発振器は、非活性化される前に、特定の発振レベルまでアクティブのままである。開始時間をより適切に規定するためにバイアス電流の漸進的な増加は実行されず、これは欠点である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】US1,342,885A号公報
【特許文献2】US5,613,231A号公報
【特許文献3】US2010/237935A1号公報
【特許文献4】GB2 433 365A号公報
【特許文献5】EP3 573 241 A1号公報
【非特許文献】
【0013】
【非特許文献1】「A 2-V 600-A 1-GHz BiCMOS Super-Regenerative Receiver for ISM Applications」、IEEE JOURNAL OF SOLID-STATE CIRCUITS、IEEE、米国、第33巻、第12号、1998年12月1日、XP011060882、ISSN:0018-9200、パトリック・ファーヴルら
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
したがって、本発明の目的は、その動作のための電力消費量を低減することを可能にしながら先行技術の上記の欠点を克服することによって、1つまたは複数のRF信号を受信するための超再生受信機の発振器の起動の検出を強化するための方法を提供することである。さらに、受信機は、受信機の発振器の起動を強化するための方法を実施することができる。
【課題を解決するための手段】
【0015】
この目的のために、本発明は、独立請求項1に定義された特徴を含む、超再生受信機の発振器の開始を強化するための方法に関する。
【0016】
この方法の特定のステップは、従属請求項2から7に定義される。
【0017】
超再生受信機の発振器の開始の検出を強化するための方法の利点は、検出されたRF信号の振幅と周波数に比例する良好に判定された開始時間の近傍で、受信機の発振器のアイドル状態とアクティブ状態との間のより良い遷移を提供することを可能にすることである。これを行うために、増加するバイアス電流に続いて、特に、臨界発振開始バイアス電流に対応する第1の低電圧しきい値の通過時に、少なくとも検出された発振の開始から、発振器に、追加の増幅電流が追加で供給される。これにより、発振器の開始時間を正確に判定することも可能となる。なぜなら、(「ブースト」電流として定義される)この追加の増幅電流がないと、検出されたRF信号に依存するこの開始時間を正確に判定することが困難であるからである。
【0018】
有利には、発振が検出されると、受信機の電力消費量を低減するために、バイアス電流ならびに追加の増幅電流を遮断することが想定される。バイアス電流発生器からバイアス電流を供給するために、経時的に離間するいくつかの連続するサイクルが一般に提供され、RF信号の進行を測定することを可能にする。
【0019】
有利には、発振器のバイアス電流発生器に加えて、増幅電流を生成するための回路が提供される。この増幅電流生成回路は、第1の低電圧しきい値で検出された発振の開始から、発振器に追加の増幅電流を供給するように適合することができる。これにより、発振検出時の発振器のバイアス電流と追加の増幅電流とを急速に遮断し、受信回路の消費電力量を低減することが可能である。この増幅電流は、低電圧しきい値を超えて一定となることができ、追加の増幅電流を急速に供給して、発振器信号の振幅変動ノイズの影響を受けることなく、発振器の発振開始時間を明確に判定する。
【0020】
受信機の基準発振器は、好ましくは、受信機によって検出されたRF信号の周波数に対応する高周波動作VCOタイプの発振器である。消費量を低減するために、基準発振器は、原則として、発振器の発振開始時間を判定した直後に停止される必要がある。このVCOタイプの発振器は、本質的にインダクタンスおよびコンデンサが並列に構成されたLC発振器であることが好ましい。
【0021】
有利には、受信機アンテナによって収集される外部RF信号は、発振器の共振回路上で直接伝送され、したがって、発振器の多かれ少なかれ急速な開始のために、多かれ少なかれ有利な初期発振条件を作り出す。さらに、その後に判定される開始時間は、検出されたRF信号に直接依存する。
【0022】
この目的のために、本発明はまた、独立請求項8で定義された特徴を含む、方法を実施するための超再生受信機に関する。
【0023】
受信機の特定の実施形態は、従属請求項9から13に定義される。
【発明の効果】
【0024】
超再生受信機の基準発振器の開始を強化するための方法の目的、利点、および特徴は、非限定的な実施形態に基づいて、以下の図面によって示される以下の説明においてより明確に明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1図1は、本発明にしたがって、簡略化された方式で、入力におけるRF信号の存在を検出し、発振器の発振の開始の検出を強化するための電子構成要素のセットを備えた超再生受信機の第1の実施形態を表す図である。
図2図2は、本発明にしたがって、発振器の発振を生成するためのバイアス電流と、追加の増幅電流とを備えた電圧調節VCOなどの基準発振器の開始時間の検出を向上するように適合されたRF信号受信機の第2の簡略化された実施形態を表す図である。
図3図3は、超再生受信機の発振の開始時に発振器に好適に供給される追加の増幅電流を生成するための回路であって、図1および図2に表される基準発振器の出力端子にこの回路の入力が直接接続されている回路の第3の簡略化された実施形態を表す図である。
図4図4は、図1および図2に表される入力RFパッドに存在するRF信号の異なる振幅を開始し、受信機およびバイアス電流発生器の活性化時の追加の増幅電流の追加の有無による違いを示す、基準発振器の出力信号の振幅の経時的な進行を表す図である。
図5図5は、出力信号の特定の振幅を超えて急速に増加し、正のフィードバックを介して、出力信号の成長を著しく増加させることが可能となり、このより急速な振幅の成長によって、発振器の発振開始時間をより容易に検出することを可能にする、VCO発振器の追加の増幅電流を、出力信号の振幅の関数として表す図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下の説明では、電力消費量を低減して、超再生受信機の発振器の開始を検出するための精度を高めるための方法に言及する。明らかに、本技術分野でよく知られている受信機で使用されるすべての構成要素は、簡略化された方式でのみ説明される。たとえば、LCタイプのVCO発振器である可能性がある、基準発振器の開始の検出の精度を向上させるために、本質的に参照される。
【0027】
図1は、特に少なくとも1つのRF信号の受信の検出後、基準発振器4の開始時間を検出するための精度を向上させるように構成されたRF信号受信機1の第1の実施形態を包括的に表す。開始時間は、受信機によって検出されたRF信号に直接依存する。このために、受信機1は、最初に、RF信号を受信するための入力端子またはパッド2を備える。受信機1は、発振器において発振を発生させるための基準発振器4と、基準発振器4へバイアス電流i_vcoを供給するためのバイアス電流発生器7とを備える。バイアス電流i_vcoは、特に少なくとも1つの活性化制御信号、すなわち開始信号を受信した後、基準発振器4に供給される。好ましくは、経時的に離間する活性化制御信号Soscのサイクルが、バイアス電流発生器7のために提供される。
【0028】
超再生受信機1は、特にRF信号が受信機1によって受信され、発振器の発振が検出された後に、発生器7を制御するために、基準発振器4の出力coilpと、バイアス電流発生器7との間に接続される発振検出器6をさらに備える。受信機1のインピーダンス整合ユニット3は、受信機1を受信するための端子またはパッド2と、基準発振器4との間に配置される。
【0029】
受信機1は、図1に図示されていない追加の増幅電流iboostを生成するための回路をさらに備える。発振器の開始時間の検出を向上させるために、バイアス電流i_vcoに加えて、追加の増幅電流iboostが、発振器に供給される。追加の増幅電流iboostは、基準発振器4における発振の開始から、発振器を停止させることができるように、好ましくは発振器の第1の発振の検出時であるが、少なくともこの追加の増幅電流iboostの供給後に、発振器に供給される。これはまた、追加の増幅電流iboostの値が、好ましくはバイアス電流i_vcoよりも大きいので、基準発振器4の発振の開始時間を明確に定義することを可能にする。この追加の増幅電流iboostを供給し、発振器の発振を検出した後、バイアス電流i_vcoおよび追加の増幅電流iboostの急速なカットオフが発生する。これにより、従来の受信機に比べて直接かつ急速に消費電力量を低減することが可能となる。追加の増幅電流発生器は、発振検出器による発振器の発振の最初の検出から活性化されることに留意されたい。追加の増幅電流が基準発振器に供給されると、開始時間が明確に定義され、発振が十分に確立される。これにより、バイアス電流発生器のみならず、追加の増幅電流生成回路を非活性化することにより、発振の完全な停止を要求することが可能となる。
【0030】
この開始時間は、受信機によって検出された少なくとも1つのRF信号に依存する。受信したRF信号に関連する情報により、開始時間を正確に判定することが可能となる。
【0031】
発振検出器6による発振器の発振の最初の検出から、追加の増幅電流発生器を活性化できることに留意されたい。追加の増幅電流が基準発振器4に供給されると、開始時間が明確に定義され、発振が十分に確立される。これにより、バイアス電流発生器7のみならず、追加の増幅電流生成回路を非活性化することにより、発振の完全な停止を要求することが可能となる。
【0032】
明らかに、超再生受信機1の場合、すべての信号を処理するためのユニットは、別の発振器またはマイクロプロセッサによって計時されるプロセッサを含むことができ、受信機に設けられている必要がある。受信機の異なる電子構成要素の制御信号は、図示されていない処理ユニットによって送信することができる。処理ユニットは、バイアス電流発生器の活性化を要求するために、第1のRF信号の受信を考慮することができる。処理ユニットはまた、バイアス電流発生器7を活性化させるために少なくとも1つの活性化制御信号を供給するために、また、検出された発振の開始から、追加の増幅電流生成回路iboostを活性化するために使用することができる。
【0033】
制御信号Soscのサイクルでは、最初に、基準発振器4の分極コマンドを供給するための第1の制御信号startが存在する。この時から、バイアス電流発生器7の活性化制御信号startに続いて、バイアス電流i_vcoは、基準発振器4が、たとえば2.4GHzのオーダの高周波数で発振を開始できるバイアス電流の臨界値が得られるまで、たとえば直線的に増加する。この高周波信号の包絡線は、発振検出のために考慮することができる。基準発振器4のこの発振時間から、少なくともバイアス電流発生器7に、ならびに直接的に、またはバイアス電流発生器7によって、追加の増幅電流iboostを生成するための回路に接続されている発振検出器6において検出が実行される。発振が検出され、追加の増幅電流iboostを供給した後、停止信号stopが、バイアス電流発生器7へ、ならびに追加の電流生成回路へ供給され、基準発振器4の発振を即座に停止する。これは、基準発振器4の発振が検出された後、バイアス電流と、基準発振器4に供給される追加の増幅電流の供給を完全に停止するという、本発明によって求められる目的である。したがって、電力消費量の低減は、発振が検出されると、発振器4へのバイアス電流i_vcoおよび追加の増幅電流iboostの供給を直ちに停止することによって得られる。発振器は、発振検出器6によってバイアス電流発生器7へ、および以下の図3を参照して論じられる追加の増幅電流生成回路へ供給される停止コマンドstopの後、直ちに発振を停止する。
【0034】
従来のシナリオでは、発振器によって生成される高周波信号の包絡線は、バイアス電流i_vcoの供給に続く開始時にゆっくりと増加し、所与のしきい値の近くで検出される包絡線電圧のわずかな変更が、周囲ノイズ(発振器と振幅検出器のすべてのアクティブ構成要素に存在するノイズ)によって容易に誘発される可能性があるので、高周波信号の包絡線を観察することによって開始時間を正確に検出することは困難になる。
【0035】
本発明によれば、検出された包絡線に依存する追加の増幅電流iboostを生成し、この電流をバイアス電流i_vcoで発振器の分極に直接送り、したがって正のフィードバックの生成が行われる。この正のフィードバックにより、発振器は、(発振信号が存在し始めると)発振信号の包絡線を急速に増加させ、したがって、臨界発振開始電流しきい値に対応する所与のしきい値を通過して、よりはるかに顕著な勾配で、包絡線検出信号を、よりはるかに急速に伝送することができる。
【0036】
発振検出器6は、第2の発振信号の包絡線が、発振開始しきい値を十分に超える追加の増幅電流iboostを供給した後、発振の検出を考慮する。明確に定義された開始時間での発振検出器6によるこの検出に続いて、停止信号が、バイアス電流発生器7のみならず、追加の増幅電流iboostを生成するための回路に送られる。発振検出器6の場合、追加の増幅電流生成回路を活性化し、追加の増幅電流を発振器に供給することを可能にするために、第1の発振検出を提供することができる。最後に、発振検出器は、発振信号の増幅を用いた第2の発振の検出後に、停止制御信号を供給する。
【0037】
図2を参照して以下に説明するように、追加の増幅電流生成回路は、代替の実施形態によれば、バイアス電流発生器7に統合することができる。しかしながら、バイアス電流発生器の外部に、追加の増幅電流生成回路を設けることもできる。これらの条件下で、追加の増幅電流生成回路は、特に、検出された発振の開始から、追加の増幅電流iboostを供給するために、発振検出器6によって直接制御することができる。
【0038】
好ましくは、基準発振器4は、少なくとも1つのインダクタンスL1および1つのコンデンサC1を並列に備えるLCタイプのVCO電圧制御発振器である。図2に図示される構成では、インダクタンスL1は、互いに接続された2つのインダクタンスに分離されており、その2つのインダクタンス部分のコネクションは、調整電圧Vddによって電力供給される。インダクタンスは発振回路を定義し、その共振周波数は、電圧Vtuneによって制御される可変容量(図2に図示せず)を使用して調節される。これを行うために、受信機1は、外部周波数基準(図1に図示せず)に依存し、VCO発振器4の出力coilpと、可変容量の制御電圧(Vtune)との間に接続されたPLL位相ロックループ5をさらに備える。PLLループ5の出力における調整電圧Vtuneは、VCO電圧制御発振器4の発振周波数の制御電圧である。PLLループ5は、電圧Vtuneをメモリに格納するためのアナログメモリを備えることができる。明らかに、発振器は差動モードで作用するため、基準発振器4の出力端子coilpの代わりに、図示されない出力端子coilnを使用することもできる。図2に図示されるこのシナリオでは、図示されない端子coilnは、インピーダンス整合ユニット3によってRF信号受信機1の端子またはパッド2に接続された基準発振器4の入力である。
【0039】
図1に表されるように、インピーダンス整合ユニット3は、好ましくはVCO発振器である基準発振器4に入る前に、受信機1によって受信されたRF無線周波数信号を調整するために使用される。このインピーダンス整合ユニット3は、第1に、一方では、RF信号の入力端子またはパッド2に接続され、他方では、そのもう一方の端部が、VCO発振器である基準発振器4の入力に接続されている第2のコンデンサ32に接続された第1のコンデンサ31を備える。インピーダンス整合ユニット3は、一方では、2つのコンデンサ31、32のコネクションに接続され、他方では、アースに接続されているインダクタンス33をさらに備える。
【0040】
図3は、発振器の動作モードにおけるバイアス電流に加えて、VCO発振器であり得る基準発振器4に供給される追加の増幅電流iboostを生成するための回路の実施形態を表す。好ましくは、追加の増幅電流iboostを生成するための回路は、発振器に追加の増幅電流iboostを供給するための電流ミラーM13、M14に接続された第1の検出ステージM11、M12を備える。以下に説明するように、追加の増幅電流を生成するためのそのような回路は、図3にすでに図示されているものよりも、さらに単純化することができる。
【0041】
異なるステージM11、M12およびM13、M14は、たとえば、CMOS技術トランジスタで構成される。図3に図示される構成では、第1の検出ステージM11、M12は、2つのNMOSトランジスタM11、M12で構成される。これらの2つのトランジスタM11、M12は、たとえば、弱い反転で分極された同じサイズの2つの同一のNMOSトランジスタである。電流ミラーM13、M14は、2つのNMOSトランジスタM13、M14で構成される。これらの2つのトランジスタM13、M14は、たとえば、強い反転で分極された2つのNMOSトランジスタである。
【0042】
第1の検出ステージの第1のトランジスタM11は、入力コンデンサCによって、図1における発振器4の信号coilpに接続されたゲート端子を有する。第1の検出ステージの第1のトランジスタM11のソース端子は、0Vでアース端子に接続される一方、トランジスタM11のドレイン端子は、入力抵抗Rによってそのゲート端子に接続され、また、電源電圧Vddに接続され第1のトランジスタM11に電流Iを供給する第1の電流ソース11に接続される。受信機とバイアス電流発生器とが連動するとき、バイアス電流は比較的低いので、電圧は、臨界しきい値に達する前に非常に穏やかに増加し、発振器において発振が開始する。
【0043】
第1の電流ソース11の電流は、非線形振幅検出モードでNMOSトランジスタM11を分極し、電圧Vmeasは、発振信号coilbの振幅が増加すると減少する。NMOSトランジスタM12のゲート端子は、この電圧Vmeasに接続されており、電流を(ソース11よりわずかに低い)第2の電流ソース12からアースに完全に迂回させる効果がある。信号coilbの振幅が増加すると、検出された電圧Vmeasが減少し、ソース12からの電流がNMOSトランジスタM13、M14で構成される電流ミラーに漸進的に送られ、NMOSトランジスタM13、M14は、増加する電流Iboostを判定する。好ましくは、電流ソース11は、電流ソース12の電流よりもわずかに大きな電流を供給するように調節される。電流ミラーM13、M14を制御するために、振幅検出器の第2のNMOSトランジスタM12のドレイン端子が、電流ミラーの第1のNMOSトランジスタM13のドレイン端子およびゲート端子に接続される一方、電流ミラーの第1のNMOSトランジスタM13は、0Vでアースに接続される。電流ミラーの第2のNMOSトランジスタM14は、そのゲート端子が、電流ミラーの第1のNMOSトランジスタM13のゲート端子およびドレイン端子に接続される。第2のNMOSトランジスタM14のソース端子は、0Vでアースに接続される一方、電流ミラーの第2のトランジスタM14のドレイン端子は、基準発振器のために追加の増幅電流iboostを提供する。
【0044】
図3を参照して上記の実施形態を例とする、追加の増幅電流生成回路の他の実施形態。
【0045】
受信機の基準発振器の開始を強化するための方法を説明できるようにするために、特にRF信号を受信するときに受信機1を開始するための異なる信号があり、それらを簡単に説明する。また、超再生受信機1は、好ましくはウェイクアップ受信機であり、継続的ではあるが、図1において説明された制御信号Soscのサイクルで定義されたように、経時的に非常に短い周期で動作する必要があり、この制御信号は、バイアス電流発生器7に経時的に提供され、バイアス電流発生器7を連動または活性化させるいくつかの連続する開始制御信号startである。
【0046】
VCO発振器の場合、これは、LCタイプである。この発振器は、頻繁にトリガ状態になるように提供され、短期間に非常に頻繁に起動し、たとえば2.4GHzの高周波動作で非常に急速に開始するように構成される。VCO発振器は、短期間で急速に連動して、急速に開始する必要のある発振の主要要素のいくつかの構成要素と反応することができる。発振が1マイクロ秒以上、さらには1秒以上で開始する活性化制御信号Sosc(start)が可能であり、VCO発振器4の約1000のSosc活性化または連動制御期間が存在する。これは、受信機1が、1秒のうちの1ミリ秒しか完全に連動されず、電力消費量を大幅に低減し、必要とされることであることを意味する。バイアス電流発生器7に供給される第1の開始制御信号startに続いて上記で説明したように、バイアス電流値の線形成長は、臨界バイアス電流値に達するまで、比較的緩慢に生じる。臨界値電流に達すると、VCO基準発振器4は発振を開始し、これは発振検出器6によって直接検出され、発振検出器6は、発振停止制御信号stopをバイアス電流発生器7に送る。VCO基準発振器の発振はキャンセルされ、これは、RF信号が実際に検出され、従来技術で知られているものと比較して受信機1の電力消費量の大幅な低減を保証することを意味する。
【0047】
明らかに、バイアス電流発生器7のこれらの開始制御信号Sosc startの発生の周波数は、基準発振器4の条件に適応するようにマニュアルまたは自動で変更することができる。
【0048】
さらに、初期周波数センタリングモードでは、特に従来の周波数シンセサイザにおいて、受信周波数に対応する電圧Vtuneなどの電圧を決定するために、VCO発振器がこのタイプのループで開始されることに留意されたい。その後、電圧がDACによってメモリに保存され、シンセサイザが、非活性化される。VCO発振器4はオフに切り替えられ、RF信号は、たとえば、超再生による復調を実行するために、インピーダンス整合ユニット3を介してVCO発振器4の発振回路に送信することができる。VCOの開始時間の測定は、そのバイアス電流のランプが存在する場合に行われる。したがって、この超再生受信機では、復調のための周波数を下げないことが可能である。
【0049】
VCO発振器を含むそのような周波数シンセサイザは、詳細説明において、図4を参照して、特許出願EP3 573 241 A1において説明された。そのような周波数シンセサイザが、本発明のVCO発振器の周波数をセンタリングするために使用される場合、この特許出願は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0050】
次に、図2または他の実施形態を参照して、超再生受信機がさらに説明される。
【0051】
図2は、受信機の入力2、インピーダンス整合ユニット3、およびここではVCO発振器4である基準発振器4のみを示す受信機の第2の実施形態を表す。この図2では、発振検出器とPLL位相ロックループは図示されていないが、上記のように、これらは受信機の同じポイントで動作する。VCO発振器は、第1のインダクタンスL1と、インダクタンスL1に並列に接続されたコンデンサC1とで構成される。上記のように、インダクタンスL1は、互いに接続された2つのインダクタンスに分離され、その2つのインダクタンス部分のコネクションは、電源電圧Vddによって電力供給される。VCO発振器4はさらに最下位において、インダクタンスL1およびコンデンサC1の第1のコネクション端部に、好ましくはMOSトランジスタであり、たとえばこの構成ではNMOSトランジスタである、第1のトランジスタM1を、インダクタンスL1およびコンデンサC1の第2のコネクション端部に、たとえばNMOSトランジスタのように、第1のトランジスタと同じタイプの第2のトランジスタM2を備える。第1のトランジスタM1のドレイン端子は、インダクタンスL1の第1のコネクション端部およびコンデンサC1に接続され、第2のトランジスタM2のドレイン端子は、インダクタンスL1の第2のコネクション端部およびコンデンサC1に接続される。第1のトランジスタM1のゲートは、第2のトランジスタM2のドレインに接続される一方、第2のトランジスタM2のゲートは、第1のトランジスタM1のドレインに接続される。2つのトランジスタM1、M2の2つのソースは、バイアス電流発生器7からバイアス電流を受け取るように接続される。VCO発振器の出力coilpは、第2のトランジスタM2のドレインによって供給を受けることができる。
【0052】
インピーダンス整合ユニット3は、第1の側で、受信機1の入力端子またはパッド2に接続された第1のコンデンサ31を備える一方、第1のコンデンサ31の第2の側は、追加のインダクタンス33の第1の端部に接続され、その追加のインダクタンスの第2の端部は、第2のコンデンサ32の第1の側に接続される。追加のインダクタンス33は、互いに接続された2つのインダクタンスに分離され、その2つのインダクタンス部分のコネクションは、アースに接続することができる。第1のコンデンサ31と追加のインダクタンス33とのコネクションはさらに、第3のコンデンサ34の第1の側と、第2の側がアースに接続されている第4のコンデンサ35の第1の側に接続される。第5のコンデンサ36の第1の側は、第2のコンデンサ32および追加のインダクタンス33のコネクションに接続される。第5のコンデンサ36の第2の側は、アースに接続される。
【0053】
第2のコンデンサ32の第2の側は、インダクタンスL1の第1の端部およびコンデンサC1に、また、第2のトランジスタM2のゲートおよび第1のトランジスタM1のドレインに接続される。第3のコンデンサ34の第2の側は、インダクタンスL1の第2の端部およびコンデンサC1に接続され、また、第1のトランジスタM1のゲートおよび第2のトランジスタM2のドレインに接続される。周波数調整電圧は、コンデンサC1とのインダクタンスL1の第1の端部または第2のコネクション端部に印加することができる。
【0054】
上記のように、従来のVCO発振器以外の基準発振器4は、たとえば約2.4GHzの高周波数で動作できるという条件で使用することができる。
【0055】
図4は、受信機の入力に印加されるRF信号の異なる振幅値に対する包絡線coilpの異なる値を表し、受信機およびバイアス電流発生器の活性化時に、追加の増幅電流を追加した場合と、追加しない場合との違いを図示している。図4を見て分かるように、信号s1は実線で表され、RF信号入力値は-30dBmである。信号s2は、短い点線で表され、RF信号入力値は-40dBmである。信号s3は、長い破線で表され、RF信号入力値は-50dBmである。最後に、信号s4は、太い実線で表され、RF信号入力値は-60dBmである。
【0056】
この図4では、発振器の開始時間を明確に判定するために従来のバイアス電流i_vcoに追加された、信号coilpの振幅包絡線に依存する追加の増幅電流iboostの印加との違いが明確に見られる。この追加の増幅電流iboostを追加することにより、基準発振器4の発振のより良い検出を得ることが可能となる。電流ミラーのトランジスタM13、M14のゲートの電圧は、しきい値電圧を急速に超える。これにより、発振器の発振をより迅速に取得し、発振検出器によって検出された発振器の開始時間を正確に検出することが可能となる。
【0057】
信号coilpの異なる包絡線が、図4に表されており、これは、受信機の入力に存在する異なるレベルのRF信号に対応している。バイアス電流のみが発振器に供給される場合、発振信号coilpの包絡線の比較的小さな増加がはっきりと見られる。周囲ノイズの理由から、バイアス電流のみを使用して検出するために、所与のしきい値を超えるcoilbの包絡線の遷移の検出は困難である。この理由により、発振器の発振をより急速に開始するために追加の増幅電流が追加される。これは、増幅の有無に関わらず表される4つの信号s1、s2、s3、s4の場合である。
【0058】
図5は、VCO発振器の追加の増幅電流と、所与のしきい値に達すると急速に増加する振幅とを表し、このより大きな振幅は、発振器の発振の開始時間をより容易に検出することを可能にする。これは、正のフィードバック、追加の増幅電流、およびしきい値に達すると振幅が急速に増加するためである。このより大きな振幅により、求められている開始時間をより容易に検出することが可能となる。
【0059】
上記の説明に基づいて、超再生受信機の基準発振器の開始を強化するための方法のいくつかの代替の実施形態は、特許請求の範囲によって定義される範囲を逸脱することなく考案することができる。
【符号の説明】
【0060】
1 超再生受信機
2 RFパッド
3 インピーダンス整合ユニット
4 電圧制御発振器、基準発振器
5 位相ロックループ
6 発振検出器
7 バイアス電流発生器、クエンチ電流発生器
11 第1の電流ソース
12 第2の電流ソース
13 トランジスタ
14 タイプトランジスタ
31 第1のコンデンサ
32 第2のコンデンサ
33 インダクタンス
34 第3のコンデンサ
35 第4のコンデンサ
36 第5のコンデンサ
C コンデンサ
i_vco バイアス電流
L1 インダクタンス
M1 第1のトランジスタ
M2 第2のトランジスタ
M11 トランジスタ
M12 トランジスタ
M13 トランジスタ
M14 トランジスタ
R 入力抵抗
s1 信号
s2 信号
s3 信号
s4 信号
Sosc 活性化制御信号
start 開始制御信号、活性化制御信号
stop 発振停止制御信号
VCO 電圧制御発振器
Vdd 電源電圧
Vmeas 電圧
Vtune 調整電圧
図1
図2
図3
図4
図5
【外国語明細書】