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特開2023-51835運動器機能評価装置、運動器機能評価システム、運動器機能評価方法、及びプログラム
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  • 特開-運動器機能評価装置、運動器機能評価システム、運動器機能評価方法、及びプログラム 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023051835
(43)【公開日】2023-04-11
(54)【発明の名称】運動器機能評価装置、運動器機能評価システム、運動器機能評価方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   A61B 5/11 20060101AFI20230404BHJP
【FI】
A61B5/11 200
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022154756
(22)【出願日】2022-09-28
(31)【優先権主張番号】P 2021160965
(32)【優先日】2021-09-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【新規性喪失の例外の表示】新規性喪失の例外適用申請有り
(71)【出願人】
【識別番号】000151380
【氏名又は名称】アルケア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100112874
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邊 薫
(74)【代理人】
【識別番号】100147865
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 美和子
(72)【発明者】
【氏名】鳴海 賢太郎
(72)【発明者】
【氏名】伯川 聡志
(72)【発明者】
【氏名】西沢 康平
(72)【発明者】
【氏名】名倉 武雄
【テーマコード(参考)】
4C038
【Fターム(参考)】
4C038VA04
4C038VA11
4C038VB24
4C038VB27
4C038VB29
(57)【要約】      (修正有)
【課題】被検者の運動器機能を評価すること。
【解決手段】被検者に取り付けられている測定部が取得する測定データと、記憶されている評価指標と、を取得する取得部と、測定データ及び評価指標に基づいて、被検者の運動器機能を評価する評価部と、を備える、運動器機能評価装置を提供する。また、被検者に取り付けられている測定部が取得する測定データと、記憶されている評価指標と、を取得する取得ステップと、前記測定データ及び前記評価指標に基づいて、前記被検者の運動器機能を評価する評価ステップと、を含む、運動器機能評価方法を提供する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被検者に取り付けられている測定部が取得する測定データと、記憶されている評価指標と、を取得する取得部と、
前記測定データ及び前記評価指標に基づいて、前記被検者の運動器機能を評価する評価部と、を備える、運動器機能評価装置。
【請求項2】
前記測定部は、前記被検者の胸椎及び/又は骨盤の位置に取り付けられるセンサである、請求項1に記載の運動器機能評価装置。
【請求項3】
前記測定データは、前方加速度、側方加速度、上方加速度、前後軸上角速度、左右軸上角速度、及び鉛直軸上角速度からなる群より選ばれる1種以上のデータ又は該データを加工した加工データを含む、請求項1に記載の運動器機能評価装置。
【請求項4】
前記測定データに基づいて、動作情報を導出する導出部をさらに備えており、
前記動作情報は、立ち上がり、歩行、旋回、及び着座からなる群より選ばれる1種以上の動作に関する情報を含む、請求項1に記載の運動器機能評価装置。
【請求項5】
前記動作情報は、立ち上がり、歩行、旋回、及び着座からなる群より選ばれる複数の動作を一連の動作として含み、
前記評価部は前記一連の動作としての運動器機能を評価する、請求項4に記載の運動器機能評価装置。
【請求項6】
前記一連の動作間の連携をTUGテストにより評価する、請求項5に記載の運動器機能評価装置。
【請求項7】
前記取得部は、前記測定データを複数取得し、
前記評価部は、第1の測定データと、前記第1の測定データより値が大きい第2の測定データと、前記評価指標と、に基づいて、前記被検者の運動器機能を評価する、請求項1から6のいずれか一項に記載の運動器機能評価装置。
【請求項8】
被検者に取り付けられ、被検者の動作を測定する測定部と、
評価指標を記憶する記憶部と、
前記測定部が取得する測定データと、前記記憶部に記憶されている評価指標と、を取得する取得部と、
前記測定部が取得する測定データと、前記評価指標と、に基づいて、前記被検者の運動器機能を評価する評価部と、を備える、運動器機能評価システム。
【請求項9】
被検者に取り付けられている測定部が取得する測定データと、記憶されている評価指標と、を取得する取得ステップと、
前記測定データ及び前記評価指標に基づいて、前記被検者の運動器機能を評価する評価ステップと、を含む、運動器機能評価方法。
【請求項10】
請求項9に記載の運動器機能評価方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は運動器機能評価装置、運動器機能評価システム、運動器機能評価方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
超高齢化社会において、高齢者の運動器機能の評価は、高齢者の転倒リスクを早期に発見し、適切な運動指導、治療、及びリハビリテーションを可能とする。
【0003】
運動器機能を評価するための運動テストの一例として、タイムドアップアンドゴー(Timed Up and Go:TUG)テストが知られている。TUGテストは、被検者が椅子から立ち上がり、前方に設けられた目印の周りを旋回し、再び椅子に着座するまでの一連の動作を測定するテストである。このTUGテストは、被検者の下肢筋力やバランス機能などの日常生活機能との関連性が高いことが証明されており、高齢者の運動器機能を評価する手法として広く用いられている。
【0004】
例えば特許文献1では、被検者の動作に応答して、TUGテストを開始する技術について開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2020-81413号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、特許文献1では、被検者の動作タイミングを判定する技術について開示されているものの、被検者の運動器機能を評価する技術については具体的に開示されていない。
【0007】
そこで、本発明は、被検者の運動器機能を評価する運動器機能評価装置、運動器機能評価システム、運動器機能評価方法、及びプログラムを提供することを主目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、被検者に取り付けられている測定部が取得する測定データと、記憶されている評価指標と、を取得する取得部と、測定データ及び評価指標に基づいて、被検者の運動器機能を評価する評価部と、を備える、運動器機能評価装置を提供する。
測定部は、被検者の胸椎及び/又は骨盤の位置に取り付けられるセンサであってよい。
測定データは、前方加速度、側方加速度、上方加速度、前後軸上角速度、左右軸上角速度、及び鉛直軸上角速度からなる群より選ばれる1種以上のデータ又は該データを加工した加工データを含むことができる。
測定データに基づいて、動作情報を導出する導出部をさらに備えていてよく、動作情報は、立ち上がり、歩行、旋回、及び着座からなる群より選ばれる1種以上の動作に関する情報を含むことができる。
評価部は、立ち上がり、歩行、旋回、及び着座からなる群より選ばれる複数の動作を一連の動作として運動器機能を評価することができる。
取得部は、測定データを複数取得してよく、評価部は、第1の測定データと、第1の測定データより値が大きい第2の測定データと、評価指標と、に基づいて、被検者の運動器機能を評価することができる。
また、本発明は、被検者に取り付けられ、被検者の動作を測定する測定部と、評価指標を記憶する記憶部と、測定部が取得する測定データと、記憶部に記憶されている評価指標と、を取得する取得部と、測定部が取得する測定データと、評価指標と、に基づいて、被検者の運動器機能を評価する評価部と、を備える、運動器機能評価システムを提供する。
また、本発明は、被検者に取り付けられている測定部が取得する測定データと、記憶されている評価指標と、を取得する取得ステップと、測定データ及び評価指標に基づいて、被検者の運動器機能を評価する評価ステップと、を含む、運動器機能評価方法を提供する。
また、本発明は、運動器機能評価方法をコンピュータに実行させるためのプログラムを提供する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、被検者の運動器機能を評価できる。なお、ここに記載された効果は、必ずしも限定されるものではなく、本開示中に記載されたいずれかの効果であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の一実施形態に係る運動器機能評価装置1の構成例を示すブロック図である。
図2】本発明の一実施形態に係る測定部2の構成例を示す正面図である。
図3】本発明の一実施形態に係る測定部2の装着例を示す正面図である。
図4】本発明の一実施形態に係る運動器機能評価装置1の構成例を示すブロック図である。
図5】TUGテストの様子を示す簡略図である。
図6】本発明の一実施形態に係る評価部13の評価結果を示すグラフである。
図7】本発明の一実施形態に係る評価部13の評価結果を示すグラフである。
図8】本発明の一実施形態に係る運動器機能評価システム100の構成例を示すブロック図である。
図9】本発明の一実施形態に係る運動器機能評価方法の例を示すフローチャートである。
図10】本発明の一実施形態に係る運動器機能評価方法を実現するコンピュータ3の構成例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明を実施するための好適な実施形態について図面を参照して説明する。なお、以下に説明する実施形態は、本発明の代表的な実施形態の一例を示したものであり、これにより本発明の範囲が限定されることはない。また、本発明は、下記の実施例及びその変形例のいずれかを組み合わせることができる。
【0012】
以下の実施形態の説明において、略平行、略直交のような「略」を伴った用語で構成を説明することがある。例えば、略平行とは、完全に平行であることを意味するだけでなく、実質的に平行である、すなわち、完全に平行な状態から例えば数%程度ずれた状態を含むことも意味する。他の「略」を伴った用語についても同様である。また、各図は模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。
【0013】
特に断りがない限り、図面において、「上」とは図中の上方向又は上側を意味し、「下」とは、図中の下方向又は下側を意味し、「左」とは図中の左方向又は左側を意味し、「右」とは図中の右方向又は右側を意味する。また、図面については、同一又は同等の要素又は部材には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
【0014】
以下の順に説明する。
1.第1の実施形態(運動器機能評価装置の例1)
2.第2の実施形態(運動器機能評価装置の例2)
3.第3の実施形態(運動器機能評価装置の例3)
4.第4の実施形態(運動器機能評価装置の例4)
5.第5の実施形態(運動器機能評価システムの例)
6.第6の実施形態(運動器機能評価方法の例)
7.ハードウェア構成
【0015】
<1.第1の実施形態(運動器機能評価装置の例1)>
本発明の一実施形態に係る運動器機能評価装置は、所定の動作を行う被検者の運動器機能を評価できる。この所定の動作には、例えば、立ち上がり、歩行、旋回、又は着座などの動作が含まれる。
【0016】
運動器機能評価装置は、被検者に取り付けられている測定部が取得する測定データと、記憶されている評価指標と、を取得する取得部と、測定データ及び評価指標に基づいて、被検者の運動器機能を評価する評価部と、を備える。
【0017】
本発明の一実施形態に係る運動器機能評価装置の構成例について図1を参照しつつ説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る運動器機能評価装置1の構成例を示すブロック図である。
【0018】
図1に示されるとおり、本発明の一実施形態に係る運動器機能評価装置1は、取得部11と、記憶部12と、評価部13と、制御部14と、を備えることができる。
【0019】
取得部11は、被検者に取り付けられている測定部(図示省略)が取得する測定データと、記憶部12に記憶されている評価指標と、を取得する。ここで、取得部11が取得する測定データは、被検者に取り付けられている測定部が取得する測定データをリアルタイムで取得する場合だけでなく、あらかじめ測定部が取得しておいた測定データを取得する場合も含む。
【0020】
測定部は、運動器機能評価装置1に備えられていてもよいし、運動器機能評価装置1とは異なる装置に備えられていてもよい。測定部が運動器機能評価装置1とは異なる装置に備えられている場合、取得部11は、例えば、インターネット、有線LAN(Local Area Network)、無線LAN、モバイル通信網、電話回線通信網、Bluetooth(登録商標)、NFC、又は、その他の有線若しくは無線通信を用いる通信網を介して測定部から測定データを取得してもよく、記録媒体に保存した測定データを、該記録媒体から取得してもよい。
【0021】
記憶部12は、被検者の運動器機能を評価するための評価指標を記憶する。この評価指標は、例えば、基準となる波形や、閾値などであり、測定する動作又は動作間の相対的な関係に対して1以上の基準を設定しうる。記憶部12は、例えばSSD(Solid State Drive)やHDD(Hard Disk Drive)ストレージデバイスなどが用いられることにより実現できる。
【0022】
制御部14は、取得部11、記憶部12、及び評価部13のそれぞれの機能を制御する。制御部14は、例えばCPU(Central Processing Unit)などが用いられることにより実現できる。
【0023】
評価部13は、取得部11が取得する測定データ及び評価指標に基づいて、被検者の運動器機能を評価する。これにより、高齢者の転倒リスクを早期に発見し、適切な運動指導、治療、及びリハビリテーションを可能とする。評価部13は、例えばCPU(Central Processing Unit)などが用いられることにより実現できる。
【0024】
本発明において、測定データは測定部が取得した測定データをそのまま用いて評価してもよく、例えば、二乗平均平方根(RMS値/root mean square)等の任意の加工を行ったものを用いて評価してもよい。また、当該加工は本発明の運動器機能評価装置又はシステムが備える、若しくは本発明の運動器機能評価装置又はシステムを構成するいずれかの部において行ってもよい。
【0025】
測定部は、被検者の胸椎及び/又は骨盤の位置に取り付けられるセンサである。測定部について図2を参照しつつ説明する。図2は、本発明の一実施形態に係る測定部2の構成例を示す正面図である。
【0026】
図2に示されるとおり、測定部2は、帯状のバンド21に取り付けられている。測定部2は、例えば、面ファスナー、ボタン、ホック、又はスナップなどを介してバンド21に取り付けられることができる。
【0027】
バンド21は、伸縮性を有している素材を含む。そのため、測定部2は、被検者の身体の様々な箇所に取り付けられることができる。特に、測定部2は、被検者の体幹に取り付けられることが好ましい。体幹とは、胴体としての体幹であって、体の左右の中心をいう。測定部2は、被検者の首から腰にかけての中心、すなわち背骨に沿って装着されることが好ましい。さらには、測定部2は、被検者の胸椎及び/又は骨盤の位置に取り付けられることが好ましい。測定部2は、胸椎の位置に取り付けられてもよいし、骨盤の位置に取り付けられてもよいし、胸椎と骨盤の位置に取り付けられてもよい。これにより、例えば、被検者の姿勢の傾きや重心位置などが正確に取得できる。さらに、被検者の体幹に装着されることにより、被検者の歩行において地面からの振動により生じるノイズが低減される。
【0028】
バンド21は、被検者の身体に装着される。バンド21が被検者の身体に装着されている様子を図3に示す。図3は、本発明の一実施形態に係る測定部2の装着例を示す正面図である。図3に示されるとおり、測定部2が被検者の胸椎の位置に取り付けられている。なお、図示を省略するが、測定部2が被検者の骨盤の位置に取り付けられる場合は、バンド21は1つの輪を構成する帯状でありうる。
【0029】
測定部2は、例えば、加速度センサ、角速度センサ、又は慣性センサ(IMU:Inertial Measurement Unit)などのセンサでありうる。測定部2は、単独のセンサであってもよく、複数のセンサであってもよい。測定部2は単独又は複数のセンサから測定データを複数取得できる。
【0030】
測定部2は、XYZ軸の3軸方向の加速度及び/又は3軸周りの角速度を取得できる。なお、3軸に限定されず、例えば2軸方向の加速度及び/又は2軸周りの角速度が取得されてもよい。
【0031】
測定部2が取得する測定データは、前方加速度、側方加速度、上方加速度、前後軸上角速度、左右軸上角速度、及び鉛直軸上角速度からなる群より選ばれる1種以上のデータを含むことができる。前方加速度は、Z軸方向の加速度である。側方加速度は、Y軸方向の加速度である。上方加速度は、X軸方向の加速度である。前後軸上角速度は、Z軸周りの角速度である。左右軸上角速度は、Y軸周りの角速度である。鉛直軸上角速度は、X軸周りの角速度である。これらのデータが測定データに含まれることにより、評価部13は被検者の運動器機能が評価できる。測定データは測定部2が取得した測定データをそのまま用いることもできるが、二乗平均平方根(RMS値/root mean square)等の任意の加工を行い、加工データとして用いてもよい。
【0032】
本技術の第1の実施形態に係る運動器機能評価装置について説明した上記の内容は、技術的な矛盾が特にない限り、本技術の他の実施形態に適用できる。
【0033】
<2.第2の実施形態(運動器機能評価装置の例2)>
本発明の一実施形態に係る運動器機能評価装置は、測定データに基づいて、動作情報を導出する導出部をさらに備えており、動作情報は、立ち上がり、歩行、旋回、着座のうち1つ以上の被検者の動作の種類に関する情報を含む。
【0034】
本発明の一実施形態に係る運動器機能評価装置の構成例について図4を参照しつつ説明する。図4は、本発明の一実施形態に係る運動器機能評価装置1の構成例を示すブロック図である。
【0035】
図4に示されるとおり、本発明の一実施形態に係る運動器機能評価装置1は、動作情報を導出する導出部15をさらに備えることができる。導出部15は、測定部2が取得した測定データに基づいて、動作の特徴に合せて規定する指標との比較により、被検者が行った動作を立ち上がり、歩行、旋回、着座等の動作として判定し、動作情報として導出する。
【0036】
動作情報は、立ち上がり、歩行、旋回、着座のうち1つ以上の被検者の動作の種類に関する情報を含む。このことについて図5を参照しつつ説明する。図5は、TUGテストの様子を示す簡略図である。TUGテストは、運動器機能を評価するための運動テストの一例として知られている。TUGテストは、椅子に座っている被検者が立ち上がりM1を行った後、前方に設けられた目印に向かって歩行M2を行い、目印の周りを旋回M3して、椅子に向かって歩行M4を行い、再び椅子に着座M5するまでの一連の動作を測定するテストである。椅子から目印までの距離は、3メートルや5メートルなどでありうる。このTUGテストは、被検者の下肢筋力やバランス機能などの日常生活機能との関連性が高いことが証明されており、高齢者の運動器機能を評価する手法として広く用いられている。
【0037】
導出部15は、測定部2が取得した測定データに基づいて、動作を規定する指標との比較により、被検者が行った動作を上記のそれぞれの動作として判定し動作情報として導出することができる。動作情報は、立ち上がりM1、歩行M2、M4、旋回M3、着座M5のうち1つ以上の被検者の動作の種類に関する情報を含む。
【0038】
評価部13は、導出部15が導出した動作情報を踏まえ、取得部11が取得した測定データと、それぞれの動作又は動作間の相対的な関係に対して設定された評価指標と、に基づいて、運動器機能を評価できる。例えば、立ち上がりM1や旋回M3などにおける測定データに基づいて、評価部13は、運動器機能を評価できる。
【0039】
なお、被検者が行う運動テストはこのTUGテストに限られない。運動テストには、例えば、立ち上がりテスト、6分間歩行テスト、及び椅子等からの立ち上がりなどの動作テストなども含まれる。
【0040】
本技術の第2の実施形態に係る運動器機能評価装置について説明した上記の内容は、技術的な矛盾が特にない限り、本技術の他の実施形態に適用できる。
【0041】
<3.第3の実施形態(運動器機能評価装置の例3)>
本発明の一実施形態に係る運動器機能評価装置は、測定部2が、運動テストにおける立ち上がりを行う被検者の胸椎に取り付けられており、評価部13が、測定部2が取得する測定データに含まれる側方加速度に基づいて、被検者のバランス機能を評価することができる。
【0042】
評価部13によるバランス機能の評価について図6を参照しつつ説明する。図6は、本発明の一実施形態に係る評価部13の評価結果を示すグラフである。図6において、縦軸は加速度を0.1mG単位で示している。横軸は経過時間を0.02秒単位で示している。
【0043】
被検者の動作の状態に応じて、被検者を測定した測定データである骨盤上方加速度V1、胸椎前方加速度V2、及び胸椎側方加速度V3が変化する様子が示されている。骨盤上方加速度V1は、被検者の骨盤の位置に取り付けられている測定部2が取得する上方加速度を示す。胸椎前方加速度V2は、被検者の胸椎の位置に取り付けられている測定部2が取得する前方加速度を示す。胸椎側方加速度V3は、被検者の胸椎の位置に取り付けられている測定部2が取得する側方加速度を示す。
【0044】
立ち上がりでは、椅子に静止して座っている静止座位状態S1から、立ち上がり開始状態S2に変化し、立ち上がった状態(立ち上がり終了状態S4)に変化する。静止座位状態S1においては、骨盤上方加速度V1、胸椎前方加速度V2、及び胸椎側方加速度V3のそれぞれが0に近い値となっている。立ち上がり開始状態S2を経過すると、胸椎前方加速度V2が増加を開始した後に胸椎側方加速度V3および骨盤上方加速度V1が増加している。立ち上がった状態である立ち上がり終了状態S4では、骨盤上方加速度V1及び胸椎側方加速度V3が0に近い値に収束しており、立ち上がり動作が終了したことが確認できる。
【0045】
測定データ及び評価指標に基づく評価は、データの最大(小)値、極大(小)値や波形等を基準として対象となる動作や動作間の相対的な関係について設定された評価指標と測定データとを比較して行うことができる。
【0046】
例えば、立ち上がり動作における運動器機能評価においては、バランス機能を評価する観点から側方加速度の想定データと測定指標に基づいて評価することができる。ここで、状態S3において、胸椎側方加速度V3が最大値を示している。評価部13は、例えば、この胸椎側方加速度V3の最大値、胸椎側方加速度V3が最大値になるまでの経過時間、及び/又は胸椎側方加速度V3の波形などに基づいて、被検者のバランス機能を評価することができる。例えば、胸椎側方加速度V3の最大値が約20mG以下であるとき、評価部13は、運動器機能が低下していると評価することができる。又は、図6から立ち上がり開始状態S2から立ち上がり終了状態S4までの胸椎側方加速度V3をRMS値に加工し、当該RMS値が約20mG以下であるとき、評価部13は、運動器機能が低下していると評価することができる。
【0047】
ここでは、胸椎側方加速度V3の測定データと状態S3における評価指標を用いた例を説明したが、骨盤上方加速度V1や胸椎前方加速度V2等の他の測定データと他の評価指標とを用いて評価することもできる。
【0048】
被検者の運動器機能を評価する運動テストには、TUGテストが含まれることが好ましい。つまり、測定部2は、TUGテストにおける立ち上がりを行う被検者の胸椎に取り付けられている。評価部13は、測定部2が取得する測定データに含まれる側方加速度に基づいて、被検者のバランス機能を評価することができる。
【0049】
TUGテストにおける立ち上がりは、その後の歩行に連携している。踏み込む足に体重移動する速度が速いほど、その後の歩行にスムーズに連携する傾向がある。単なる立ち上がりと、歩行の前の立ち上がりとを比較すると、下肢への体重移動が異なるため、側方加速度に差異が生じることがある。よって、立ち上がり、歩行、旋回、及び着座等の日常生活機能との関連性の高い一連の動作を測定するTUGテストにより、被検者の下肢筋力やバランス機能等の運動器機能を好適に評価することが期待できる。
【0050】
TUGテストにより被検者の運動器機能を評価する場合、測定データを複数取得することで一連の動作間の連携をより適切に評価できる。例えば、被検者が通常通りに立ち上がったときの側方加速度の測定データと、被検者が最速で踏み込む足に体重移動したときの側方加速度の測定データと、の比較により、被検者のバランス機能を評価することができる。ここで、複数取得する測定データとは例えば、側方加速度等、同一の測定項目から取得したデータの中から複数を取得する場合だけでなく、異なる複数の測定項目のデータから複数を取得する場合も含む。
【0051】
本発明の一実施形態に係る運動器機能評価装置は、取得部11が、測定データを複数取得し、評価部13が、第1の測定データと、第1の測定データよりも値の大きい第2の測定データと、評価指標と、に基づいて、被検者の運動器機能を評価することができる。
【0052】
第1の測定データは、被検者が意識して立ち上がる際に踏み込む足への体重移動の速度を速くしたり遅くしたりすることなく、通常通りに立ち上がったときの側方加速度を含む。第1の測定データよりも値の大きい第2の測定データは、被検者が最速で立ち上がったときの側方加速度を含む。評価部13は、被検者が通常通りに立ち上がったときの側方加速度の測定データと、被検者が最速で踏み込む足に体重移動したときの側方加速度の測定データとの差や比を評価指標とすることで、被検者の下肢筋力やバランス機能等の運動器機能を好適に評価することができる。
【0053】
なお、運動テストはTUGテストに限られない。例えばロコモ度テストなどにおける立ち上がりを評価部13が評価してもよい。
【0054】
本技術の第3の実施形態に係る運動器機能評価装置について説明した上記の内容は、技術的な矛盾が特にない限り、本技術の他の実施形態に適用できる。
【0055】
<4.第4の実施形態(運動器機能評価装置の例4)>
本発明の一実施形態に係る運動器機能評価装置は、測定部2が、運動テストにおける旋回を行う被検者の胸椎に取り付けられており、評価部13が、測定部2が取得する測定データに含まれる角速度に基づいて、被検者のロコモ度1相当の運動器機能を評価することができる。
【0056】
ロコモ度とは、所定の動作を被検者が行ったときの状態から導出される、ロコモティブシンドロームの段階である。この段階にはロコモ度1、ロコモ度2、及びロコモ度3がある。従来、ロコモ度を判定するためには、立ち上がりテスト及び2ステップテストを実施し、25項目の質問に回答する必要がある。本発明によれば、ロコモ度1相当の運動器機能を簡単に評価することができる。
【0057】
運動テストには、TUGテストが含まれることが好ましい。つまり、測定部2は、TUGテストにおける立ち上がりを行う被検者の胸椎に取り付けられている。評価部13は、測定部2が取得する測定データに含まれる角速度に基づいて、被検者のロコモ度を評価することができる。なお、運動テストに含まれるテストは、TUGテストに限られないが、被検者の下肢筋力やバランス機能等の運動器機能を好適に評価するために、立ち上がり、歩行、旋回、及び着座等の日常生活機能との関連性の高い一連の動作を測定し評価するテストを行うことが好ましい。
【0058】
評価部13によるロコモ度の評価について図7を参照しつつ説明する。図7は、本発明の一実施形態に係る評価部13の評価結果を示すグラフである。図7において、縦軸は図3に示されるX軸を中心とする旋回方向の角速度を度/秒単位で示している。横軸は経過時間を秒単位で示している。
【0059】
第1の領域E1は、TUGテストにおいて目印の周りを旋回する動作における状態を示している。第1の値P1は、この第1の領域E1における最大値を示している。第2の領域E2は、椅子に着座する前に旋回する動作における状態を示している。第2の値P2は、この第2の領域E2における最大値を示している。
旋回する動作における運動器機能評価においては、前記X軸を中心とする旋回方向の角速度の想定データと測定指標に基づいて好適に評価することができる。評価部13は、例えば、第1の値P1の絶対値、第1の値P1が最大値になるまでの経過時間、及び/又は角速度の波形などに基づいて、被検者の運動器機能がロコモ度1相当であることを評価することができる。例えば、第1の値P1が150度/秒以下であるとき、評価部13は、被検者の運動器機能がロコモ度1相当であることを評価することができる。
【0060】
本技術の第4の実施形態に係る運動器機能評価装置について説明した上記の内容は、技術的な矛盾が特にない限り、本技術の他の実施形態に適用できる。
【0061】
<5.第5の実施形態(運動器機能評価システムの例)>
本発明の一実施形態に係る運動器機能評価システムは、被検者に取り付けられ、被検者の動作を測定する測定部と、評価指標を記憶する記憶部と、測定部が取得する測定データと、記憶部に記憶されている評価指標と、を取得する取得部と、測定部が取得する測定データと、評価指標と、に基づいて、被検者の運動器機能を評価する評価部と、を備える。
【0062】
本発明の一実施形態に係る運動器機能評価システムの構成例について図8を参照しつつ説明する。図8は、本発明の一実施形態に係る運動器機能評価システム100の構成例を示すブロック図である。
【0063】
図8に示されるとおり、本発明の一実施形態に係る運動器機能評価システム100は、測定部2と、評価装置1と、を備える。測定部2は、被検者に取り付けられ、被検者の動作を測定する。評価装置1は、測定部2が取得する測定データに基づいて、被検者の運動器機能を評価する。
【0064】
評価装置1は、取得部11と、記憶部12と、評価部13と、制御部14と、を備えることができる。
【0065】
取得部11は、被検者に取り付けられている測定部2が取得する測定データと、記憶部12に記憶されている評価指標と、を取得する。取得部11は、例えば、インターネット、有線LAN(Local Area Network)、無線LAN、モバイル通信網、電話回線通信網、Bluetooth(登録商標)、NFC、又は、その他の有線若しくは無線通信を用いる通信網を介して測定部2から測定データを取得してもよく、測定部2が取得した測定データを記録媒体に保存し、該記録媒体から取得してもよい。
【0066】
記憶部12は、被検者の運動器機能を評価するための評価指標を記憶する。この評価指標は、例えば、基準となる波形や、閾値などであり、測定する動作又は動作間の相対的な関係に対して1以上の基準を設定しうる。
【0067】
制御部14は、取得部11、記憶部12、及び評価部13のそれぞれの機能を制御する。
【0068】
評価部13は、取得部11が取得する測定データ及び評価指標に基づいて、被検者の運動器機能を評価する。これにより、高齢者の転倒リスクを早期に発見し、適切な運動指導、治療、及びリハビリテーションを可能とする。
【0069】
なお、本実施形態では、1つの評価装置1が1つの測定部2と接続されているが、1つの評価装置1が複数の測定部2と接続されてもよい。また、複数の評価装置1が設けられてもよい。評価装置1が2つ以上の装置で構成される場合、当該2つ以上の装置は、1つの機器内に配置されてもよく、分離した2つ以上の機器内に分かれて配置されてもよい。
【0070】
本実施形態において被検者の運動器機能を評価する運動テストとして、日常生活機能との関連性の高い一連の動作を測定するTUGテスト等を含めることで、被検者の下肢筋力やバランス機能等の運動器機能を好適に評価することが期待できる。
また、測定データを複数取得することで一連の動作間の連携が機能しているかの観点を加味して運動器機能を評価できるため、特にTUGテスト等、一連の動作を測定するテストを好適に評価しうる。
【0071】
本技術の第5の実施形態に係る運動器機能評価システムについて説明した上記の内容は、技術的な矛盾が特にない限り、本技術の他の実施形態に適用できる。
【0072】
<6.第6の実施形態(運動器機能評価方法の例)>
本発明の一実施形態に係る運動器機能評価方法は、被検者に取り付けられている測定部が取得する測定データと、記憶されている評価指標と、を取得する取得ステップと、測定データ及び評価指標に基づいて、被検者の運動器機能を評価する評価ステップと、を含む。
【0073】
本発明の一実施形態に係る運動器機能評価方法の例について図9を参照しつつ説明する。図9は、本発明の一実施形態に係る運動器機能評価方法の例を示すフローチャートである。図9に示されるとおり、本発明の一実施形態に係る運動器機能評価方法は、取得ステップS1と、評価ステップS2と、を含む。
【0074】
取得ステップS1において、コンピュータが備える取得部が、被検者に取り付けられている測定部が取得する測定データと、記憶されている評価指標と、を取得する。
【0075】
評価ステップS2において、コンピュータが備える評価部が、測定データ及び評価指標に基づいて、被検者の運動器機能を評価する。
【0076】
本実施形態において被検者の運動器機能を評価する運動テストとして、日常生活機能との関連性の高い一連の動作を測定するTUGテスト等を含めることで、被検者の下肢筋力やバランス機能等の運動器機能を好適に評価することが期待できる。
また、測定データを複数取得することで一連の動作間の連携が機能しているかの観点を加味して運動器機能を評価できるため、特にTUGテスト等、一連の動作を測定するテストを好適に評価しうる。
【0077】
本技術の第6の実施形態に係る運動器機能評価方法について説明した上記の内容は、技術的な矛盾が特にない限り、本技術の他の実施形態に適用できる。
【0078】
<7.ハードウェア構成>
本発明の一実施形態に係る運動器機能評価方法は、プログラム及びコンピュータの協業により実現できる。本発明の一実施形態に係る運動器機能評価方法の実現に用いられるコンピュータのハードウェア構成について図10を参照しつつ説明する。図10は、本発明の一実施形態に係る運動器機能評価方法を実現するコンピュータ3の構成例を示すブロック図である。
【0079】
図10に示されるとおり、コンピュータ3は、構成要素として、CPU31、メモリ32、記憶部33、表示部34、及び通信部35などを備えることができる。それぞれの構成要素は、例えばデータの伝送路としてのバスで接続されている。
【0080】
CPU31は、コンピュータ3のそれぞれの構成要素を制御する。あるいは、CPU31は、例えば、他の実施形態に係る取得部11、評価部13、及び導出部15などとして機能することができる。この取得部11、評価部13、及び導出部15などはプログラムにより実現されることができる。このプログラムは、CPU31に読み込まれることにより、コンピュータ3に実行させることができる。
【0081】
メモリ32は、例えば、CPU31により実行されるプログラムやデータなどを一時的に記憶することができる。メモリ32は、例えばRAM(Random Access Memory)などが用いられることにより実現できる。
【0082】
記憶部33は、CPU31の処理に必要な様々なデータを記憶する。記憶部33は、例えばストレージデバイスなどが用いられることにより実現できる。
【0083】
表示部34は、ユーザに対して情報を表示する。表示部34は、例えばLCD(Liquid Crystal Display)又はOLED(Organic Light-Emitting Diode)などが用いられることにより実現できる。
【0084】
通信部35は、例えば、インターネット、有線LAN(Local Area Network)、無線LAN、モバイル通信網、電話回線通信網、Bluetooth(登録商標)、NFC、又は、その他の有線若しくは無線通信を用いる通信網を介して通信する機能を有する。通信部35は、被検者に取り付けられている測定部(図示省略)が取得する測定データを、通信網を介して取得できる。
【0085】
コンピュータ3は、例えばスマートフォン端末、タブレット端末、携帯電話端末、PDA(Personal Digital Assistant)、PC(Personal Computer)、サーバ、またはウェアラブル端末(HMD:Head Mounted Display、メガネ型HMD、時計型端末、バンド型端末等)でありうる。
【0086】
本発明の一実施形態に係る運動器機能評価方法を実現するプログラムは、コンピュータ3のほかのコンピュータ装置又はコンピュータシステムに格納されてもよい。この場合、コンピュータ3は、このプログラムが有する機能を提供するクラウドサービスを利用することができる。このクラウドサービスとして、例えばSaaS(Software as a Service)、IaaS(Infrastructure as a Service)、PaaS(Platform as a Service)等が挙げられる。
【0087】
さらにこのプログラムは、様々なタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体(non-transitory computer readable medium)を用いて格納され、コンピュータに供給することができる。非一時的なコンピュータ可読媒体は、様々なタイプの実体のある記録媒体(tangible storage medium)を含む。非一時的なコンピュータ可読媒体の例は、磁気記録媒体(例えばフレキシブルディスク、磁気テープ、ハードディスクドライブ)、光磁気記録媒体(例えば光磁気ディスク)、Compact Disc Read Only Memory(CD-ROM)、CD-R、CD-R/W、半導体メモリ(例えば、マスクROM、Programmable ROM(PROM)、Erasable PROM(EPROM)、フラッシュROM、Random Access Memory(RAM))を含む。また、上記プログラムは、様々なタイプの一時的なコンピュータ可読媒体(transitory computer readable medium)によってコンピュータに供給されてもよい。一時的なコンピュータ可読媒体の例は、電気信号、光信号、及び電磁波を含む。一時的なコンピュータ可読媒体は、電線及び光ファイバ等の有線通信路、又は無線通信路を介して、上記プログラムをコンピュータに供給できる。
【0088】
また、本発明は、以下のような構成も取ることができる。
[1]
被検者に取り付けられている測定部が取得する測定データと、記憶されている評価指標と、を取得する取得部と、
測定データ及び評価指標に基づいて、被検者の運動器機能を評価する評価部と、を備える、運動器機能評価装置。
[2]
測定部は、被検者の胸椎及び/又は骨盤の位置に取り付けられるセンサである、[1]に記載の運動器機能評価装置。
[3]
測定データは、前方加速度、側方加速度、上方加速度、前後軸上角速度、左右軸上角速度、及び鉛直軸上角速度からなる群より選ばれる1種以上のデータを含む、[1]又は[2]に記載の運動器機能評価装置。
[4]
測定データに基づいて、動作情報を導出する導出部をさらに備えており、
動作情報は、立ち上がり、歩行、旋回、及び着座からなる群より選ばれる1種以上の動作に関する情報を含む、[1]から[3]のいずれか一つに記載の運動器機能評価装置。
[5]
前記動作情報は、立ち上がり、歩行、旋回、及び着座からなる群より選ばれる複数の動作を一連の動作として含み、
前記評価部は前記一連の動作としての運動器機能を評価する、[4]に記載の運動器機能評価装置。
[6]
前記一連の動作間の連携をTUGテストにより評価する、[5]に記載の運動器機能評価装置。
[7]
取得部は、測定データを複数取得し、
評価部は、第1の測定データと、第1の測定データより値が大きい第2の測定データと、評価指標と、に基づいて、被検者の運動器機能を評価する、[1]から[6]のいずれか一つに記載の運動器機能評価装置。
[8]
被検者に取り付けられ、被検者の動作を測定する測定部と、
評価指標を記憶する記憶部と、
測定部が取得する測定データと、記憶部に記憶されている評価指標と、を取得する取得部と、
測定部が取得する測定データと、評価指標と、に基づいて、被検者の運動器機能を評価する評価部と、を備える、運動器機能評価システム。
[9]
被検者に取り付けられている測定部が取得する測定データと、記憶されている評価指標と、を取得する取得ステップと、
測定データ及び評価指標に基づいて、被検者の運動器機能を評価する評価ステップと、を含む、運動器機能評価方法。
[10]
[9]に記載の運動器機能評価方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【符号の説明】
【0089】
1 運動器機能評価装置
11 取得部
12 記憶部
13 評価部
14 制御部
15 導出部
2 測定部
21 バンド
100 運動器機能評価システム
S1 取得ステップ
S2 評価ステップ

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10