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特開2023-51897溶出性に優れ、変色を防止したエルトロンボパグオラミンを含む錠剤
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  • 特開-溶出性に優れ、変色を防止したエルトロンボパグオラミンを含む錠剤 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023051897
(43)【公開日】2023-04-11
(54)【発明の名称】溶出性に優れ、変色を防止したエルトロンボパグオラミンを含む錠剤
(51)【国際特許分類】
   A61K 31/4152 20060101AFI20230404BHJP
   A61K 9/20 20060101ALI20230404BHJP
   A61K 47/26 20060101ALI20230404BHJP
   A61K 47/02 20060101ALI20230404BHJP
   A61K 47/38 20060101ALI20230404BHJP
   A61K 9/28 20060101ALI20230404BHJP
   A61K 47/10 20170101ALI20230404BHJP
   A61K 47/32 20060101ALI20230404BHJP
   A61P 7/06 20060101ALI20230404BHJP
   A61K 47/36 20060101ALI20230404BHJP
【FI】
A61K31/4152
A61K9/20
A61K47/26
A61K47/02
A61K47/38
A61K9/28
A61K47/10
A61K47/32
A61P7/06
A61K47/36
【審査請求】未請求
【請求項の数】17
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2022167204
(22)【出願日】2022-09-29
(31)【優先権主張番号】P 2021175953
(32)【優先日】2021-09-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(31)【優先権主張番号】P 2022131363
(32)【優先日】2022-08-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】306020438
【氏名又は名称】日本ジェネリック株式会社
(72)【発明者】
【氏名】勝俣 文耶
(72)【発明者】
【氏名】前田 佳紀
【テーマコード(参考)】
4C076
4C086
【Fターム(参考)】
4C076AA36
4C076AA44
4C076BB01
4C076CC14
4C076DD28H
4C076DD29A
4C076DD29H
4C076DD38A
4C076DD38H
4C076DD41
4C076EE16H
4C076EE23H
4C076EE31A
4C076EE32B
4C076EE32H
4C076EE38B
4C076EE55
4C076FF06
4C076FF46
4C086AA01
4C086BC36
4C086MA01
4C086MA02
4C086MA03
4C086MA04
4C086MA05
4C086MA35
4C086MA52
4C086NA02
4C086NA03
4C086ZA55
(57)【要約】
【課題】 溶出性に優れ、変色を防止したエルトロンボパグオラミンを含む錠剤、及びその製造方法を提供することを目的とする。
【解決手段】 エルトロンボパグオラミンのD90が10μm以下である、エルトロンボパグオラミンを含む錠剤を提供する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エルトロンボパグオラミンのD90が10μm以下である、エルトロンボパグオラミンを含む錠剤。
【請求項2】
さらに、D-マンニトール、トレハロース、エリスリトール、イソマルト、含水二酸化ケイ素及び結晶セルロースからなる群より選択される1種または2種以上の賦形剤を含み、賦形剤の配合量が1錠剤あたりの全重量に対し70~90重量%である、請求項1に記載の錠剤。
【請求項3】
さらに、デンプングリコール酸ナトリウム、カルメロース、カルメロースカルシウム、ヒドロキシプロピルスターチ、クロスカルメロース、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン及びアルファ化デンプンからなる群より選択される1種または2種以上の崩壊剤を含む、請求項1に記載の錠剤。
【請求項4】
さらに、D-マンニトール、トレハロース、エリスリトール、イソマルト、含水二酸化ケイ素及び結晶セルロースからなる群より選択される1種または2種以上の賦形剤を含み、かつ、デンプングリコール酸ナトリウム、カルメロース、カルメロースカルシウム、ヒドロキシプロピルスターチ、クロスカルメロース、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン及びアルファ化デンプンからなる群より選択される1種または2種以上の崩壊剤を含み、賦形剤の配合量が1錠剤あたりの全重量に対し70~90重量%である、請求項1に記載の錠剤。
【請求項5】
崩壊剤がクロスカルメロースナトリウムである、請求項3~4のいずれか一項に記載の錠剤。
【請求項6】
崩壊剤の含量が1錠剤あたり4%未満である、請求項3に記載の錠剤。
【請求項7】
さらに、コーティング剤によりフィルムコーティング層が施されてなる、請求項1に記載の錠剤。
【請求項8】
さらに、コーティング剤によりフィルムコーティング層が施されてなる、請求項2に記載の錠剤。
【請求項9】
さらに、コーティング剤によりフィルムコーティング層が施されてなる、請求項3に記載の錠剤。
【請求項10】
フィルムコーティング層が少なくとも2層からなる、請求項6に記載の錠剤。
【請求項11】
フィルムコーティング層が、1層目のコーティング剤による被覆が施され、さらに2層目のコーティング剤による被覆が施されてなる、請求項9に記載の錠剤。
【請求項12】
コーティング剤がヒプロメロース、ポリエチレングリコール、ヒドロキシプロピルセルロース、コポリビドン、プロピレングリコール、酸化チタン及びタルクからなる群より選択される1種または2種以上を含む、請求項6~8のいずれか一項に記載の錠剤。
【請求項13】
1層目のコーティング剤がヒプロメロース及びタルクを含む、請求項11に記載の錠剤。
【請求項14】
2層目のコーティング剤が、ポリエチレングリコール、ヒドロキシプロピルセルロース、コポリビドン及びプロピレングリコールからなる群より選択される1種または2種以上を含む、請求項11に記載の錠剤。
【請求項15】
1錠剤あたりの全重量に対し、エルトロンボパグオラミンの含量が2~50重量%である、請求項1~4、6~9のいずれか一項に記載の錠剤。
【請求項16】
1錠剤あたりの素錠部に対し、エルトロンボパグオラミンの含量が6~25重量%である、請求項1~4、6~9のいずれか一項に記載の錠剤。
【請求項17】
D90が10μm以下のエルトロンボパグオラミン、並びに、D-マンニトール、トレハロース、エリスリトール、イソマルト、含水二酸化ケイ素及び結晶セルロースからなる群より選択される1種または2種以上の賦形剤を混合し、圧縮造粒する工程及び打錠する工程を含む、エルトロンボパグオラミンを含む錠剤の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、溶出性に優れ、変色を防止したエルトロンボパグオラミンを含む錠剤、及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
本発明に用いられるエルトロンボパグオラミンは、化学名3’-{(2Z)-2-[1-(3,4-ジメチルフェニル)-3-メチル-5-オキソ-1,5-ジヒドロ-4H-ピラゾール-4-イリデン]ヒドラジノ}-2’-ヒドロキシビフェニル-3-カルボン酸ビス(2-アミノエタノール)であり、エルトロンボパグオラミンを有効成分とする錠剤は、経口造血刺激薬であることが知られており、レボレード(登録商標)錠12.5mg/25mgとして販売されている(非特許文献1)。
【0003】
効能・効果は「慢性特発性血小板減少性紫斑病」及び「再生不良性貧血」であり、用法・用量は、慢性特発性血小板減少性紫斑病の場合、「通常、成人には、エルトロンボパグとして初回投与量12.5mgを1日1回、食事の前後2時間を避けて空腹時に経口投与する。なお、血小板数、症状に応じて適宜増減する。また、1日最大投与量は50mgとする。」であり、再生不良性貧血の場合、「抗胸腺細胞免疫グロブリンで未治療の場合、抗胸腺細胞免疫グロブリンとの併用において、通常、成人には、エルトロンボパグとして75mgを1日1回、食事の前後2時間を避けて空腹時に経口投与する。なお、患者の状態に応じて適宜減量する。既存治療で効果不十分な場合、通常、成人には、エルトロンボパグとして初回投与量25mgを1日1回、食事の前後2時間を避けて空腹時に経口投与する。なお、患者の状態に応じて適宜増減する。また、1日最大投与量は100mgとする。」という薬剤である。
【0004】
特許文献1には、エルトロンボパグの望ましい薬物動態的な特性を有する、固体経口医薬剤形中の粒子の90%が10ミクロンより大きいが、90ミクロンより小さい粒子径を有するエルトロンボパグオラミンの提供に関する発明が記載されている。
【0005】
しかしながら、特許文献1には、粒子径の小さいエルトロンボパグオラミンを使用し、溶出性に優れ、変色を防止したエルトロンボパグオラミンを含む錠剤、及びその製造方法に関する発明の記載はなされていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第5735078号
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】添付文書「レボレード錠12.5mg/25mg」、2018年11月改訂(第8版)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、溶出性に優れ、変色を防止したエルトロンボパグオラミンを含む錠剤、及びその製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の発明者らは、溶出性に優れ、変色を防止したエルトロンボパグオラミンを含む錠剤の製造を目的とし、エルトロンボパグオラミンの粒子径及び製剤の構成を検討した結果、特定の粒子径であるエルトロンボパグオラミン及び特定の添加剤を使用することで、エルトロンボパグオラミンを含む錠剤の溶出性が良好であること、苛酷条件下における変色を防止することを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0010】
すなわち、本発明は、
(1)エルトロンボパグオラミンのD90が10μm以下である、エルトロンボパグオラミンを含む錠剤、
(2)さらに、D-マンニトール、トレハロース、エリスリトール、イソマルト、含水二酸化ケイ素及び結晶セルロースからなる群より選択される1種または2種以上の賦形剤を含み、賦形剤の配合量が1錠剤あたりの全重量に対し70~90重量%である、前記(1)に記載の錠剤、
(3)さらに、デンプングリコール酸ナトリウム、カルメロース、カルメロースカルシウム、ヒドロキシプロピルスターチ、クロスカルメロース、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン及びアルファ化デンプンからなる群より選択される1種または2種以上の崩壊剤を含む、前記(1)に記載の錠剤、
(4)さらに、D-マンニトール、トレハロース、エリスリトール、イソマルト、含水二酸化ケイ素及び結晶セルロースからなる群より選択される1種または2種以上の賦形剤を含み、かつ、デンプングリコール酸ナトリウム、カルメロース、カルメロースカルシウム、ヒドロキシプロピルスターチ、クロスカルメロース、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン及びアルファ化デンプンからなる群より選択される1種または2種以上の崩壊剤を含み、賦形剤の配合量が1錠剤あたりの全重量に対し70~90重量%である、前記(1)に記載の錠剤、
(5)崩壊剤がクロスカルメロースナトリウムである、前記(3)~(4)のいずれかに記載の錠剤、
(6)崩壊剤の含量が1錠剤あたり4%未満である、前記(3)に記載の錠剤、
(7)さらに、コーティング剤によりフィルムコーティング層が施されてなる、前記(1)に記載の錠剤、
(8)さらに、コーティング剤によりフィルムコーティング層が施されてなる、前記(2)に記載の錠剤、
(9)さらに、コーティング剤によりフィルムコーティング層が施されてなる、前記(3)に記載の錠剤、
(10)フィルムコーティング層が少なくとも2層からなる、前記(6)に記載の錠剤、
(11)フィルムコーティング層が、1層目のコーティング剤による被覆が施され、さらに2層目のコーティング剤による被覆が施されてなる、前記(9)に記載の錠剤、
(12)コーティング剤がヒプロメロース、ポリエチレングリコール、ヒドロキシプロピルセルロース、コポリビドン、プロピレングリコール、酸化チタン及びタルクからなる群より選択される1種または2種以上を含む、前記(6)~(8)のいずれかに記載の錠剤、
(13)1層目のコーティング剤がヒプロメロース及びタルクを含む、前記(11)に記載の錠剤、
(14)2層目のコーティング剤が、ポリエチレングリコール、ヒドロキシプロピルセルロース、コポリビドン及びプロピレングリコールからなる群より選択される1種または2種以上を含む、前記(11)に記載の錠剤、
(15)1錠剤あたりの全重量に対し、エルトロンボパグオラミンの含量が2~50重量%である、前記(1)~(4)、(6)~(9)のいずれかに記載の錠剤、
(16)1錠剤あたりの素錠部に対し、エルトロンボパグオラミンの含量が6~25重量%である、前記(1)~(4)、(6)~(9)のいずれかに記載の錠剤、
(17)D90が10μm以下のエルトロンボパグオラミン、並びに、D-マンニトール、トレハロース、エリスリトール、イソマルト、含水二酸化ケイ素及び結晶セルロースからなる群より選択される1種または2種以上の賦形剤を混合し、圧縮造粒する工程及び打錠する工程を含む、エルトロンボパグオラミンを含む錠剤の製造方法、
に関するものである。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、溶出性に優れ、変色を防止したエルトロンボパグオラミンを含む錠剤、及びその製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】実施例1~5の錠剤における経時的なエルトロンボパグの溶出プロファイルを示す図である。
図2】実施例6~8の錠剤における経時的なエルトロンボパグの溶出プロファイルを示す図である。
図3】実施例8及び9の錠剤における経時的なエルトロンボパグの溶出プロファイルを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本明細書における「良好な溶出性」とは、市販製剤と同等もしくはそれ以上の溶出率を担保することを意味する。本明細書の医薬組成物からのエルトロンボパグの溶出性は、例えば、日本薬局方に記載されている溶出試験法により評価することができる。具体的には、例えば、パドル法毎分50回転で溶出試験を行うとき、界面活性剤を含有する溶出試験第2液の溶出試験液中におけるエルトロンボパグの溶出率が、ある様態として溶出試験開始後30分で85%以上と規定し、ある様態として溶出試験開始後15分で85%以上と規定する。
【0014】
本明細書における「変色防止」とは、安定性試験を実施した際に、試験開始時の検体の性状と試験後の性状の変化が小さいことを意味する。性状の評価には、例えば、苛酷条件(60℃または60℃75%RH条件下)に一定期間保管した検体について、性状を目視で確認し、開始時と比較する方法が挙げられる。
【0015】
本明細書におけるD90とは、レーザー回折法により測定した体積基準の粒子径をいい、原理的には、一定体積の粒子を小さいものから順に篩分けし、その90%体積に当たる粒子が分別された時点での粒子径を意味する。
【0016】
本明細書におけるD50とは、レーザー回折法により測定した体積基準の粒子径をいい、原理的には、一定体積の粒子を小さいものから順に篩分けし、その50%体積に当たる粒子が分別された時点での粒子径を意味する。
【0017】
以下に、本発明のエルトロンボパグオラミンを含む錠剤に関して説明する。
【0018】
本発明に用いられるエルトロンボパグオラミンは、例えば、国際公開第2001/089457号に記載された方法に従って製造され得る。エルトロンボパグオラミンの形態は、結晶状態、非晶質状態のいずれでも使用することができる。
【0019】
本発明に用いられるエルトロンボパグオラミンの配合量は、医薬品製剤としての用量を構成する錠剤中のエルトロンボパグオラミン量であれば、特に制限されない。例えば、1錠剤あたりの全重量に対し、ある態様として2~50重量%であり、ある態様として3~30重量%であり、ある態様として4~15重量%である。また、例えば、1錠あたりの素錠部に対し、ある態様として6~25重量%であり、ある態様として10~20重量%である。
【0020】
本発明に用いられるエルトロンボパグオラミンのD90は、溶出性の観点から、ある態様として1~10μm以下であり、ある態様として2~9μm以下であり、ある態様として3~8μm以下である。
【0021】
本発明に用いられるエルトロンボパグオラミンのD50は、溶出性の観点から、ある態様として0.1~8μm以下であり、ある態様として0.5~7μm以下であり、ある態様として1~6μm以下である。
【0022】
本発明に用いられる添加剤は、賦形剤、崩壊剤及びコーティング剤を含む。
【0023】
本発明に用いられる賦形剤としては、製薬学的に許容されるものであれば特に制限されない。具体的には、例えば、D-マンニトール、トウモロコシデンプン、結晶セルロース、トレハロース、イソマルト、エリスリトール、マルチトール、無水リン酸水素カルシウム、D-ソルビトール、乳糖、白糖、デンプン、アルファ化デンプン、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、カルメロースナトリウム、軽質無水ケイ酸、含水二酸化ケイ素、合成ケイ酸アルミニウム、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、アラビアゴム、デキストリン及びプルランからなる群より選択される1種または2種以上の添加剤を包含する。ある態様として、D-マンニトール、結晶セルロース、トレハロース、イソマルト、エリスリトール及び含水二酸化ケイ素からなる群より選択される1種または2種以上の添加剤である。
【0024】
本発明に用いられる賦形剤の配合量は、溶出性の観点から、1錠剤あたりの全重量に対し、ある態様として50~95重量%であり、ある態様として55~90重量%であり、ある態様として70~90重量%である。
【0025】
本発明に賦形剤として用いられるD-マンニトールには、篩過又は粉砕されたものを用いてもよく、造粒されたものを用いてもよい。篩過又は粉砕されたD-マンニトールとして、具体的には、例えば、PEARLITOL(登録商標)25C、PEARLITOL(登録商標)50C(ロケットジャパン製)、マンニットP、マンニットC(三菱商事ライフサイエンス製)、などが挙げられる。造粒されたD-マンニトールとして、具体的には、例えば、グラニュトール(登録商標)R、グラニュトール(登録商標)S、グラニュトール(登録商標)F(フロイント産業製)、PARTECK(登録商標)M100、PARTECK(登録商標)M200(メルク製)などが挙げられる。
【0026】
本発明に用いられる崩壊剤としては、製薬学的に許容されるものであれば特に制限されない。具体的には、例えば、デンプングリコール酸ナトリウム、カルメロース、カルメロースカルシウム、ヒドロキシプロピルスターチ、クロスカルメロース、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン及びアルファ化デンプンからなる群より選択される1種または2種以上の添加剤を包含する。ある態様として、クロスポビドン及び/又はクロスカルメロースナトリウムである。
【0027】
本発明に用いられる崩壊剤の配合量は、溶出性の観点から、1錠剤あたりの全重量に対し、ある態様として0.5重量%以上であり、ある態様として1重量%以上であり、ある態様として1.5重量%以上である。また、製造性の観点、例えば、成形性低下の防止の観点から、1錠剤あたりの全重量に対し、ある態様として18重量%未満であり、ある態様として10重量%未満であり、ある態様として4重量%未満である。
【0028】
本発明に用いられるコーティング剤としては、製薬学的に許容されるものであれば特に制限されない。具体的には、例えば、ヒプロメロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリビニルアルコール・ポリエチレングリコール・グラフトコポリマー、ポリビニルアルコール・アクリル酸・メタクリル酸メチル共重合体、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、モノステアリン酸グリセリン、コポリビドン、酸化チタン及びタルクからなる群より選択される1種または2種以上の添加剤を包含する。ある態様として、ヒプロメロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、コポリビドン、酸化チタン及びタルクからなる群より選択される1種または2種以上の添加剤である。
【0029】
本発明に用いられるコーティング剤の配合量は、変色防止の観点から、1錠剤あたりの全重量に対し、ある態様として0.5~10重量%であり、ある態様として2~8重量%であり、ある態様として3~6重量%である。
【0030】
本発明の錠剤には、必要に応じて、更に医薬品添加物を配合することができる。具体的には、例えば、結合剤、界面活性剤、流動化剤、滑沢剤、酸味料、発泡剤、甘味剤、香料、着色剤、緩衝剤、抗酸化剤等が挙げられる。賦形剤、崩壊剤、コーティング剤については、特定の添加剤の他、任意の添加剤を追加して使用することもできる。
【0031】
結合剤としては、例えば、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒプロメロース、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ポリビニルアルコール・ポリエチレングリコール・グラフトコポリマー、ポリビニルアルコール・アクリル酸・メタクリル酸メチル共重合体、アラビアゴム、ヒドロキシエチルセルロース等が挙げられる。
【0032】
界面活性剤としては、例えば、ポリソルベート80、ラウリル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油等が挙げられる。
【0033】
流動化剤としては、例えば、軽質無水ケイ酸、タルク等が挙げられる。
【0034】
滑沢剤としては、例えば、ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸カルシウム、タルク、フマル酸ステアリルナトリウム等が挙げられる。
【0035】
酸味料としては、例えば、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸等が挙げられる。
【0036】
発泡剤としては、例えば、重曹等が挙げられる。
【0037】
甘味剤としては、例えば、スクラロース、サッカリンナトリウム、グリチルリチン二カリウム、アスパルテーム、ステビア、ソーマチン等が挙げられる。
【0038】
香料としては、例えば、レモン、レモンライム、オレンジ、メントール等が挙げられる。
【0039】
着色剤としては、例えば、三二酸化鉄、黄色三二酸化鉄、黒酸化鉄、酸化チタン、食用黄色4号、食用黄色5号、食用赤色3号、食用赤色102号、食用青色3号等が挙げられる。
【0040】
緩衝剤としては、例えば、クエン酸、コハク酸、フマル酸、酒石酸、アスコルビン酸又はその塩類、グルタミン酸、グルタミン、グリシン、アスパラギン酸、アラニン、アルギニン又はその塩類、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、水酸化マグネシウム、リン酸、ホウ酸又はその塩類等が挙げられる。
【0041】
抗酸化剤としては、例えば、アスコルビン酸、ジブチルヒドロキシトルエン、没食子酸プロピル等が挙げられる。
【0042】
配合量は、本発明の所望の効果の達成に影響を与えない量であれば特に制限されない。
【0043】
本発明のエルトロンボパグオラミンを含む錠剤には口腔内崩壊錠も含まれ、素錠、フィルムコーティング錠のいずれであってもよい。ある態様として、フィルムコーティング錠である。
【0044】
本発明の錠剤は、通常の錠剤製造方法により製造することが可能である。錠剤の製造方法として、例えば、乾式プロセスによる製造方法が挙げられる。より具体的には、例えば、直接打錠法として、エルトロンボパグオラミン、賦形剤、結合剤及び崩壊剤を混合し、滑沢剤を添加してさらに混合することで、打錠用末を得る。
【0045】
またある様態では、乾式造粒法として、エルトロンボパグオラミン、賦形剤、崩壊剤及び流動化剤を混合し、乾式造粒機により圧縮造粒し、得られた造粒品を整粒する。得られる整粒品に、崩壊剤、滑沢剤を添加し、混合することで打錠用末が得られる。
【0046】
得られた打錠用末を打錠機で製錠し、素錠を得る。製錠の際に、外部滑沢装置を用いて滑沢剤を噴霧しながら打錠してもよい。必要に応じて、素錠にフィルムコーティング液を噴霧し、フィルムコーティング層による被覆を行い、フィルムコーティング錠を得る。フィルムコーティング層は、1層からなる層であっても、2層以上からなる層であってもよい。
【実施例0047】
以下に、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に何ら限定されるものではない。
【0048】
≪試験例1:配合変化試験≫
エルトロンボパグオラミン原薬約0.2g及び表1に示した添加剤約0.2gを量り取り、メノウ乳鉢で混合した。得られた混合物を、約0.04gずつ褐色スクリュー管瓶に量り取った。なお、光苛酷試験検体は透明スクリュー管瓶とした。各検体を熱苛酷条件下として60℃14日(密栓)、熱湿度苛酷条件下として60℃75%RH14日(開放)、光苛酷条件下として120万Lux・hrまで保存した。なお、対照としてエルトロンボパグオラミン原薬約0.04gを透明スクリュー管瓶に量り取り、同様の条件で保存した。
保存した検体について、総類縁物質の量を液体クロマトグラフィーにより、性状を目視により確認した。
【0049】
【表1】
【0050】
<純度試験(類縁物質)>
有効成分約10mgに相当する量の粉末を精密に量り、移動相Bを5mL加え、振とう速度約200rpmで15分間振とうし、その後時々振り混ぜながら15分間超音波処理する。移動相Bを加えて正確に10mLとする。この液を孔径0.45μm以下のメンブランフィルターでろ過する。初めのろ液5mLを除き、次のろ液を試料溶液とする。この液1mLを正確に量り、移動相Bを加えて正確に100mLとし、標準溶液とする。試料溶液及び標準溶液20μLずつを正確にとり、次の条件で液体クロマトグラフィーにより試験を行う。それぞれの液の各々のピーク面積を自動積分法により測定する。
類縁物質の量(%)=A/A
:試料溶液から得たエルトロンボパグ以外の各々のピーク面積
:標準溶液から得たエルトロンボパグのピーク面積
試験条件
検出器:紫外吸光光度計(測定波長:260nm)
カラム:Waters製 XBrigde BEH(充填剤:C18)(内径4.6mm×長さ100mm、3.5μm)
カラム温度:30℃付近の一定温度
サンプル温度:20℃
リン酸カリウム緩衝液:リン酸二水素カリウム2.7gを水1000mLに溶かし、リン酸を加えてpH3.0に調整する。
移動相A:リン酸カリウム緩衝液500mLにアセトニトリル500mLを加える。
移動相B:リン酸カリウム緩衝液300mLにアセトニトリル700mLを加える。
移動相の送液:移動相A及び移動相Bの混合比を次のように変えて濃度勾配制御する。
流量:0.5mL/min
面積測定範囲:注入後28分まで
システム適合性
検出の確認:標準溶液2mLを正確に量り、移動相Bを加えて正確に20mLとする。こ の液20μLから得たエルトロンボパグのピーク面積が、標準溶液のエルトロンボパ グのピーク面積の7~13%になることを確認する。
システムの性能:標準溶液20μLにつき、上記の条件で操作するとき、エルトロンボパ グのピークの理論段数及びシンメトリー係数は、それぞれ20000段以上、2.0 以下である。
システムの再現性:標準溶液20μLにつき、上記の条件で試験を6回繰り返すとき、エ ルトロンボパグのピーク面積の相対標準偏差は2.0%以下である。
【0051】
<性状の評価>
各検体について保存開始時及び保存後の性状を目視にて評価した。性状の判定基準を表2に示す。
【0052】
【表2】
【0053】
類縁物質量の結果及び性状の結果を表3及び表4に示す。総類縁物質量が開始時より増えた検体は、性状の変化も認められる傾向にあった。
【0054】
【表3】
【0055】
【表4】
【0056】
≪試験例2:錠剤の製造及び評価≫
実施例1
D90が4.24μmのエルトロンボパグオラミン原薬3.19gとトレハロース(林原製;トレハロース G)22.14g、結晶セルロース(旭化成製;UF-711)6.8g、ヒドロキシプロピルセルロース(日本曹達製;HPC-SSL-SFP)0.34g及びクロスポビドン(BASFジャパン製;Kollidon CL-F)1.02gを混合し、混合品を得た。混合品にさらにステアリン酸マグネシウム(太平化学産業製;ステアリン酸マグネシウム(植物性))0.51gを混合し、調製した打錠用末を、ロータリー式打錠機(菊水製作所製;VEL5)にて打錠し、錠剤質量170mg、φ7.5mmの円形の素錠を得た。得られた素錠に、コーティング層の1層目として、ヒプロメロース(信越化学工業製;TC-5R)29g及びタルク(松村産業製;クラウンタルク局方PP)10gを精製水400gに溶解・分散して調製したフィルムコーティング液を、コーティング機(パウレック社製;DRC-300)を用いて、1層目の質量が1錠あたり3.9mgとなるまで噴霧し、乾燥した。次いでコーティング層の2層目として、ヒプロメロース(信越化学工業製;TC-5R)30g、マクロゴール6000(三洋化成工業製;マクロゴール6000SP)6g、酸化チタン(東邦チタニウム製;NA61)9g、タルク(松村産業製;クラウンタルク局方PP)4gを精製水400gに溶解・分散して調製したフィルムコーティング液を、コーティング機(パウレック社製;DRC-300)を用いて、2層目の質量が1錠あたり4.9mgとなるまで噴霧し、乾燥した。さらにカルナウバロウ(フロイント産業製:ポリシングワックス-105)微量にて艶出しを行い、本発明の錠剤を得た。
【0057】
実施例2
D90が4.24μmのエルトロンボパグオラミン原薬3.19gとトレハロース(林原製;トレハロース G)18.06g、結晶セルロース(旭化成製;UF-711)6.8g、含水二酸化ケイ素(富士化学工業製;FujiSil)4.08g、ヒドロキシプロピルセルロース(日本曹達製;HPC-SSL-SFP)0.34g及びクロスポビドン(BASFジャパン製;Kollidon CL-F)1.02gを混合し、混合品を得た。混合品にさらにステアリン酸マグネシウム(太平化学産業製;ステアリン酸マグネシウム(植物性))0.51gを混合し、調製した打錠用末を、ロータリー式打錠機(菊水製作所製;VEL5)にて打錠し、錠剤質量170mg、φ7.5mmの円形の素錠を得た。得られた素錠に、コーティング層として、ヒプロメロース(信越化学工業製;TC-5R)53g、マクロゴール6000(三洋化成工業製;マクロゴール6000SP)11g、酸化チタン(東邦チタニウム製;NA61)16g、タルク(松村産業製;クラウンタルク局方PP)8gを精製水860gに溶解・分散して調製したフィルムコーティング液を、コーティング機(パウレック社製;DRC-300)を用いて、コーティング層の質量が1錠あたり8.8mgとなるまで噴霧し、乾燥した。さらにカルナウバロウ(フロイント産業製:ポリシングワックス-105)微量にて艶出しを行い、本発明の錠剤を得た。
【0058】
実施例3
D90が4.24μmのエルトロンボパグオラミン原薬3.19gとトレハロース(林原製;トレハロース G)22.14g、結晶セルロース(旭化成製;UF-711)6.8g、ヒドロキシプロピルセルロース(日本曹達製;HPC-SSL-SFP)0.34g及びクロスポビドン(BASFジャパン製;Kollidon CL-F)1.02gを混合し、混合品を得た。混合品にさらにステアリン酸マグネシウム(太平化学産業製;ステアリン酸マグネシウム(植物性))0.51gを混合し、調製した打錠用末を、ロータリー式打錠機(菊水製作所製;VEL5)にて打錠し、錠剤質量170mg、φ7.5mmの円形の素錠を得た。得られた素錠に、コーティング層として、ヒプロメロース(信越化学工業製;TC-5R)53g、マクロゴール6000(三洋化成工業製;マクロゴール6000SP)11g、酸化チタン(東邦チタニウム製;NA61)16g、タルク(松村産業製;クラウンタルク局方PP)8gを精製水860gに溶解・分散して調製したフィルムコーティング液を、コーティング機(パウレック社製;DRC-300)を用いて、コーティング層の質量が1錠あたり8.8mgとなるまで噴霧し、乾燥した。さらにカルナウバロウ(フロイント産業製:ポリシングワックス-105)微量にて艶出しを行い、本発明の錠剤を得た。
【0059】
実施例4
D90が4.24μmのエルトロンボパグオラミン原薬3.19gとトレハロース(林原製;トレハロース G)22.14g、結晶セルロース(旭化成製;UF-711)6.8g、ヒドロキシプロピルセルロース(日本曹達製;HPC-SSL-SFP)0.34g及びクロスポビドン(BASFジャパン製;Kollidon CL-F)1.02gを混合し、混合品を得た。混合品にさらにステアリン酸マグネシウム(太平化学産業製;ステアリン酸マグネシウム(植物性))0.51gを混合し、調製した打錠用末を、ロータリー式打錠機(菊水製作所製;VEL5)にて打錠し、錠剤質量170mg、φ7.5mmの円形の素錠を得た。得られた素錠に、コーティング層として、ヒプロメロース(信越化学工業製;TC-5R)53g、プロピレングリコール(ADEKA製;日本薬局方プロピレングリコール)11g、酸化チタン(東邦チタニウム製;NA61)16g、タルク(松村産業製;クラウンタルク局方PP)8gを精製水860gに溶解・分散して調製したフィルムコーティング液を、コーティング機(パウレック社製;DRC-300)を用いて、コーティング層の質量が1錠あたり8.8mgとなるまで噴霧し、乾燥した。さらにカルナウバロウ(フロイント産業製:ポリシングワックス-105)微量にて艶出しを行い、本発明の錠剤を得た。
【0060】
実施例5
D90が4.24μmのエルトロンボパグオラミン原薬3.19gとトレハロース(林原製;トレハロース G)22.14g、結晶セルロース(旭化成製;UF-711)6.8g、ヒドロキシプロピルセルロース(日本曹達製;HPC-SSL-SFP)0.34g及びクロスポビドン(BASFジャパン製;Kollidon CL-F)1.02gを混合し、混合品を得た。混合品にさらにステアリン酸マグネシウム(太平化学産業製;ステアリン酸マグネシウム(植物性))0.51gを混合し、調製した打錠用末を、ロータリー式打錠機(菊水製作所製;VEL5)にて打錠し、錠剤質量170mg、φ7.5mmの円形の素錠を得た。得られた素錠に、コーティング層として、ヒプロメロース(信越化学工業製;TC-5R)53g、ヒドロキシプロピルセルロース(日本曹達製;HPC-SL)11g、酸化チタン(東邦チタニウム製;NA61)16g、タルク(松村産業製;クラウンタルク局方PP)8gを精製水860gに溶解・分散して調製したフィルムコーティング液を、コーティング機(パウレック社製;DRC-300)を用いて、コーティング層の質量が1錠あたり8.8mgとなるまで噴霧し、乾燥した。さらにカルナウバロウ(フロイント産業製:ポリシングワックス-105)微量にて艶出しを行い、本発明の錠剤を得た。
【0061】
【表5】
【0062】
【表6】
【0063】
<溶出試験>
実施例1~5の錠剤について、日本薬局方溶出試験法に準じて、溶出試験を行った。錠剤の溶解は溶出試験器(富山産業製)においてパドル法にて50rpm、0.5%のポリソルベート80(三洋化成工業製)を溶解したpH6.8緩衝液(溶出試験第2液)900mL中で行った。試験開始から120分後まで経時的にサンプルを15mL抜き取り、孔径0.45μmのメンブランフィルターでろ過し、ろ液について液体クロマトグラフィーにより溶出率を算出した。エルトロンボパグの紫外吸光度は260nmにて測定した。
【0064】
<性状の評価>
実施例1~5の錠剤について、保存開始時及び保存後の性状を目視にて評価した。性状の判定基準を表7に示す。
【0065】
【表7】
【0066】
溶出試験の測定結果を表8及び図1に、性状の評価結果を表9に示す。実施例1~5は15分時点で85%以上の速やかな溶出性を示し、コーティング層が2層からなる実施例1は、コーティング層が1層からなる実施例2及び3よりも、性状の変化が少なく、変色が防止されていた。また、コーティング層が1層からなる実施例3~5のうち、コーティング層にプロピレングリコールを含む実施例4及びコーティング層にヒドロキシプロピルセルロースを含む実施例5は、コーティング層にマクロゴール6000を含む実施例3よりも性状の変化が少なく、変色が防止されていた。さらに、実施例4及び実施例5は、60℃75%RH保存条件においては、コーティング層が2層からなる実施例1よりも性状の変化が少なく、変色防止において顕著な効果が確認された。
【0067】
【表8】
【0068】
【表9】
【0069】
≪試験例3:錠剤の製造及び評価2≫
実施例6
D90が3.60μmのエルトロンボパグオラミン原薬6.3gとD-マンニトール(フロイント産業製;グラニュトール(登録商標)R)46.1g、結晶セルロース(旭化成製;UF-711)14.1g、ヒドロキシプロピルセルロース(日本曹達製;HPC-SSL-SFP)0.7g、クロスカルメロースナトリウム(ニチリン化学工業製;ND-2HS)2.1g及びステアリン酸マグネシウム(太平化学産業製;ステアリン酸マグネシウム(植物性))0.7gを混合し、ローラーコンパクター(フロイント産業製:TF-Labo)にて板状に圧密し、得られた圧密体を整粒機(フロイント産業製:TF-Labo オシレータ)にて破砕(18Mのスクリーン使用)して造粒顆粒を得た。得られた造粒顆粒に軽質無水ケイ酸(フロイント産業製;アドソリダー(登録商標)101)0.35g、ステアリン酸マグネシウム(太平化学産業製;ステアリン酸マグネシウム(植物性))0.35gを混合し、調製した打錠用末を、ロータリー打錠機(菊水製作所製:VEL5)にて打錠し、錠剤質量360mg、φ10.0mmの円形の素錠を得た。
得られた素錠に、ヒプロメロース(信越化学工業製;TC-5(登録商標)R)250g及びヒドロキシプロピルセルロース(日本曹達製;HPC-SL)21g、酸化チタン(東邦チタニウム製;NA61)75g、タルク(松村産業製;クラウンタルク局方PP)71gを精製水3192gに溶解・分散して調製したフィルムコーティング液を、コーティング機(パウレック社製;DRC-300)を用いて、1錠質量18mgとなるまで噴霧し、乾燥した。さらにカルナウバロウ(フロイント産業製:ポリシングワックス-105)微量にて艶出しを行い、本発明の錠剤を得た。
【0070】
実施例7
D90が3.60μmのエルトロンボパグオラミン原薬21.4gとD-マンニトール(フロイント産業製;グラニュトール(登録商標)R)128.4g、結晶セルロース(旭化成製;UF-711)40.2g、ヒドロキシプロピルセルロース(日本曹達製;HPC-SSL-SFP)2.0g、クロスカルメロースナトリウム(ニチリン化学工業製;ND-2HS)6.0g及びステアリン酸マグネシウム(太平化学産業製;ステアリン酸マグネシウム(植物性))2.0gを混合し、ローラーコンパクター(フロイント産業製:TF-Labo)にて板状に圧密し、得られた圧密体を整粒機(フロイント産業製:TF-Labo オシレータ)にて破砕(18Mのスクリーン使用)して造粒顆粒を得た。得られた造粒顆粒にステアリン酸マグネシウム(太平化学産業製;ステアリン酸マグネシウム(植物性))1.0gを混合し、調製した打錠用末を、ロータリー打錠機(菊水製作所製:VEL5)にて打錠し、錠剤質量300mg、φ9.0mmの円形の素錠を得た。
得られた素錠に、ヒプロメロース(信越化学工業製;TC-5R)250g及びヒドロキシプロピルセルロース(日本曹達製;HPC-SL)21g、酸化チタン(東邦チタニウム製;NA61)75g、タルク(松村産業製;クラウンタルク局方PP)71gを精製水3192gに溶解・分散して調製したフィルムコーティング液を、コーティング機(パウレック社製;DRC-300)を用いて、1錠質量15mgとなるまで噴霧し、乾燥した。さらにカルナウバロウ(フロイント産業製:ポリシングワックス-105)微量にて艶出しを行い、本発明の錠剤を得た。
【0071】
実施例8
D90が3.60μmのエルトロンボパグオラミン原薬6.7gとD-マンニトール(フロイント産業製;グラニュトール(登録商標)R)30.7g、結晶セルロース(旭化成製;UF-711)10.1g、ヒドロキシプロピルセルロース(日本曹達製;HPC-SSL-SFP)0.5g、クロスカルメロースナトリウム(ニチリン化学工業製;ND-2HS)1.5g及びステアリン酸マグネシウム(太平化学産業製;ステアリン酸マグネシウム(植物性))0.5gを混合し、ローラーコンパクター(フロイント産業製:TF-Labo)にて板状に圧密し、得られた圧密体を整粒機(フロイント産業製:TF-Labo オシレータ)にて破砕(18Mのスクリーン使用)して造粒顆粒を得た。得られた造粒顆粒に軽質無水ケイ酸(フロイント産業製;アドソリダー(登録商標)101)0.25g、ステアリン酸マグネシウム(太平化学産業製;ステアリン酸マグネシウム(植物性))0.25gを混合し、調製した打錠用末を、ロータリー打錠機(菊水製作所製:VEL5)にて打錠し、錠剤質量240mg、φ8.5mmの円形の素錠を得た。
得られた素錠に、ヒプロメロース(信越化学工業製;TC-5R)250g及びヒドロキシプロピルセルロース(日本曹達製;HPC-SL)21g、酸化チタン(東邦チタニウム製;NA61)75g、タルク(松村産業製;クラウンタルク局方PP)71gを精製水3192gに溶解・分散して調製したフィルムコーティング液を、コーティング機(パウレック社製;DRC-300)を用いて、1錠質量12mgとなるまで噴霧し、乾燥した。さらにカルナウバロウ(フロイント産業製:ポリシングワックス-105)微量にて艶出しを行い、本発明の錠剤を得た。
【0072】
実施例9
D90が3.60μmのエルトロンボパグオラミン原薬20.1gとD-マンニトール(ロケットジャパン製;PEARLITOL(登録商標)25C)92.0g、結晶セルロース(旭化成製;UF-711)30.3g、ヒドロキシプロピルセルロース(日本曹達製;HPC-SSL-SFP)1.5g、クロスカルメロースナトリウム(ニチリン化学工業製;ND-2HS)4.5g及びステアリン酸マグネシウム(太平化学産業製;ステアリン酸マグネシウム(植物性))1.5gを混合し、ローラーコンパクター(フロイント産業製:TF-Labo)にて板状に圧密し、得られた圧密体を整粒機(フロイント産業製:TF-Labo オシレータ)にて破砕(18Mのスクリーン使用)して造粒顆粒を得た。
得られた造粒顆粒に軽質無水ケイ酸(フロイント産業製;アドソリダー(登録商標)101)0.75g、ステアリン酸マグネシウム(太平化学産業製;ステアリン酸マグネシウム(植物性))0.75gを混合し、調製した打錠用末をロータリー打錠機(菊水製作所製:VEL5)にて打錠し、錠剤質量240mg、φ8.5mmの円形の素錠を得た。
得られた素錠に、ヒプロメロース(信越化学工業製;TC-5R)250g及びヒドロキシプロピルセルロース(日本曹達製;HPC-SL)21g、酸化チタン(東邦チタニウム製;NA61)75g、タルク(松村産業製;クラウンタルク局方PP)71gを精製水3192gに溶解・分散して調製したフィルムコーティング液を、コーティング機(パウレック社製;DRC-300)を用いて、1錠質量12mgとなるまで噴霧し、乾燥した。さらにカルナウバロウ(フロイント産業製:ポリシングワックス-105)微量にて艶出しを行い、本発明の錠剤を得た。
【0073】
実施例10
実施例7と同様にして得られた造粒顆粒にステアリン酸マグネシウム(太平化学産業製;ステアリン酸マグネシウム(植物性))1.0gを混合し、調製した打錠用末を、ロータリー打錠機(菊水製作所製:VEL5)にて打錠し、錠剤質量150mg、φ7.5mmの円形の素錠を得た。
得られた素錠に、ヒプロメロース(信越化学工業製;TC-5R)250g及びヒドロキシプロピルセルロース(日本曹達製;HPC-SL)21g、酸化チタン(東邦チタニウム製;NA61)75g、タルク(松村産業製;クラウンタルク局方PP)71gを精製水3192gに溶解・分散して調製したフィルムコーティング液を、コーティング機(パウレック社製;DRC-300)を用いて、1錠質量7.5mgとなるまで噴霧し、乾燥した。さらにカルナウバロウ(フロイント産業製:ポリシングワックス-105)微量にて艶出しを行い、本発明の錠剤を得た。
【0074】
実施例11
実施例8と同様にして得られた造粒顆粒に軽質無水ケイ酸(フロイント産業製;アドソリダー(登録商標)101)0.25g、ステアリン酸マグネシウム(太平化学産業製;ステアリン酸マグネシウム(植物性))0.25gを混合し、調製した打錠用末を、ロータリー打錠機(菊水製作所製:VEL5)にて打錠し、錠剤質量120mg、φ7.0mmの円形の素錠を得た。
得られた素錠に、ヒプロメロース(信越化学工業製;TC-5R)250g及びヒドロキシプロピルセルロース(日本曹達製;HPC-SL)21g、酸化チタン(東邦チタニウム製;NA61)75g、タルク(松村産業製;クラウンタルク局方PP)71gを精製水3192gに溶解・分散して調製したフィルムコーティング液を、コーティング機(パウレック社製;DRC-300)を用いて、1錠質量6mgとなるまで噴霧し、乾燥した。さらにカルナウバロウ(フロイント産業製:ポリシングワックス-105)微量にて艶出しを行い、本発明の錠剤を得た。
【0075】
【表10】
【0076】
【表11】
【0077】
<溶出試験>
実施例6~9の錠剤について、日本薬局方溶出試験法に準じて、溶出試験を行った。錠剤の溶解は溶出試験器(富山産業製)においてパドル法にて50rpm、0.5%のポリソルベート80(三洋化成工業製)を溶解したpH6.8緩衝液(溶出試験第2液)900mL中で行った。試験開始から60分後まで経時的にサンプルを15mL抜き取り、孔径0.45μmのメンブランフィルターでろ過し、ろ液について液体クロマトグラフィーにより溶出率を算出した。エルトロンボパグの紫外吸光度は260nmにて測定した。
【0078】
<性状の評価>
実施例10及び11の錠剤について、保存開始時及び保存後の性状を目視にて評価した。性状の判定基準は表7と同一である。
【0079】
溶出試験の測定結果を表12、図2及び図3に、性状の評価結果を表13に示す。実施例6~8は、錠剤質量に関わらず15分時点で85%以上の速やかな溶出性を示した。また、実施例8は造粒したD-マンニトールを含有し、実施例9は篩過又は粉砕したD-マンニトールを含有するが、いずれの実施例においても、30分時点で85%以上の良好な溶出性を示した。実施例10及び11は、苛酷条件下において、開始時から性状の変化が認められず、変色が防止されていた。
【0080】
【表12】
【0081】
【表13】
図1
図2
図3