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特開2023-51917ステント計画システム及び血管表現を使用する方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023051917
(43)【公開日】2023-04-11
(54)【発明の名称】ステント計画システム及び血管表現を使用する方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 34/10 20160101AFI20230404BHJP
   A61F 2/82 20130101ALI20230404BHJP
   A61B 1/00 20060101ALI20230404BHJP
【FI】
A61B34/10
A61F2/82
A61B1/00 526
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022194225
(22)【出願日】2022-12-05
(62)【分割の表示】P 2019516518の分割
【原出願日】2017-09-28
(31)【優先権主張番号】62/400,731
(32)【優先日】2016-09-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】509128672
【氏名又は名称】ライトラボ・イメージング・インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100099623
【弁理士】
【氏名又は名称】奥山 尚一
(74)【代理人】
【識別番号】100125380
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 綾子
(74)【代理人】
【識別番号】100142996
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 聡二
(74)【代理人】
【識別番号】100166268
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 祐
(74)【代理人】
【識別番号】100218604
【弁理士】
【氏名又は名称】池本 理絵
(72)【発明者】
【氏名】ゴピナス,アジェイ
(57)【要約】      (修正有)
【課題】血管データを使用してステント展開場所及び他のパラメータを決定するシステムを提供する。
【解決手段】ステント留置されていない血管60に対するステント留置から回復された血流の量が1つ又はそれよりも多くの評価指標だけ増大するようステント展開を計画することができる。エンドユーザは、ある範囲のステント長を含む、1つ又はそれよりも多くのステント長を特定することができる。次に、診断ツールが、血管表現に対する配置に適した特定された範囲内の長さを有する候補仮想ステントを生成することができる。血管直径、半径、面積値、弦値、又は他の断面など、その長さのような、血管距離値を使用して、ステントランディングゾーンを特定する。これらのツールは、血管造影データを使用又は補完することができ、それらと共同位置合わせされることができる。光学撮像、超音波、血管造影法、又は他の撮像モダリティを使用して、血管データを生成する。
【選択図】図3A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つ又はそれよりも多くの血管内ステントの展開を計画する方法であって、
ステント展開のための候補血管に関して収集される血管データを電子メモリデバイス内に格納するステップと、
血管データ収集システムのサブシステムを使用して、前記血管データから管腔距離ベースの値のセットを計算するステップであって、前記サブシステムは、前記電子メモリデバイスと電子的に計算する、ステップと、
前記管腔距離ベースの値のセットから局所最大のセットを特定するステップであって、前記局所最大は、潜在的なステントランディングゾーンと相関させられる、ステップと、
局所最大に対応する前記血管データ内の1つ又はそれよりも多くのフレームを決定するステップと、
サーチ窓の境界に配置されるフレームのペアの全ての組み合わせを特定することによって候補ステントランディングゾーンのセットを決定するステップであって、サーチ窓の大きさは、1つ又はそれよりも多くのステントの長さである、ステップと、
候補ランディングゾーンの各ペアについて、候補ランディングゾーンの各ペアでの所与の距離及び長さの仮想ステントの配置に由来するステント有効性スコア(SES)を生成するステップと、
該ステント有効性スコアを順序付けるステップと、
前記ステント有効性スコアのランク付けされた順序に基づいて決定されるランディングゾーンによって定義される1つ又はそれよりも多くの仮想ステントを特定するステップとを含む、
方法。
【請求項2】
前記血管のセグメントの表現に対して前記1つ又はそれよりも多くの仮想ステントを表示するステップを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記管腔距離ベースの値は、管腔面積、管腔半径、管腔直径、管腔弦、及び管腔の境界上の点から測定される距離で構成される群から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記管腔距離ベースの値のセットは、管腔面積曲線である、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記管腔距離ベースの値のセットは、前記血管の断面に対応する管腔面積値のセットである、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
ステント長を有するステントの表現を生成するステップと、第1のランディングゾーン及び第2のランディングゾーンに配置される前記ステントの前記表現を表示するステップとを更に含み、前記第1及び第2のランディングゾーンは、前記ステント有効性スコアに対応する、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記ステント有効性スコアを生成するステップは、
前記ステントを配置することに先立ち前記血管についての第1の仮想血流予備能比(VFR)を計算するステップと、
前記ステントを配置することに続いて前記血管についての第2のVFRを計算するステップと、
前記第2のVFRから前記第1のVFRを減算して、ステント配置に応答するVFRの変化を取得するステップと、
前記ステントの長さによってVFRの変化を分割するステップとを含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項8】
1つ又はそれよりも多くの重み係数で前記ステント有効性スコアを調整するステップを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記1つ又はそれよりも多くの重み係数は、ランディングゾーンの質、前記ステントによって覆われる全ての枝の管腔総面積、血管の先細りの量、医師の好みに基づくステント限界、及び動脈の種類に基づく制約のうちの1つ又はそれよりも多くを含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
エンドユーザ設定の標的VFR以上の予測VFRで前記ステント有効性スコアを選択するステップを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
ステントパラメータの好みに関するエンドユーザからの入力を受け取るステップを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記血管の表現に対する配置のためにユーザ選択されるステントに応答して予測VFRを生成するステップを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
血管造影又は血管内撮像を使用して前記血管データを生成するステップを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
自動化されたステント計画のためのシステムであって、
関心を有する血管からデータを取得する診断システムを含み、
該診断システムは、
電子メモリデバイスと、
該電子メモリデバイスと通信するプロセッサとを含み、
前記電子メモリデバイスは、前記プロセッサによって実行可能な指令を含み、該指令は、前記プロセッサに、
前記プロセッサを使用して、前記血管を通じて引き戻される血管内プローブを使用して生成される血管内データから管腔距離ベースの値のセットを計算させ、前記サブシステムは、前記電子メモリデバイスと電子的に計算し、
前記管腔距離ベースのセットから局所最大のセットを特定させ、1つ又はそれよりも多くの局所最大が、潜在的なステントランディングゾーンと相関させられ、
前記局所最大のうちの1つ又はそれよりも多くの局所最大に対応する前記血管内データ内の1つ又はそれよりも多くのフレームを決定させ、且つ
サーチ窓の境界に配置される1つ又はそれよりも多くのフレームを特定することによって候補ステントランディングゾーンのセットを決定させ、前記サーチ窓の大きさは、1つ又はそれよりも多くのステントの長さである、
システム。
【請求項15】
前記管腔距離ベースの値は、管腔面積、管腔半径、管腔直径、管腔弦、及び管腔の境界上の点から測定される距離で構成される群から選択される、請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
前記プロセッサによって実行可能な指令を更に含み、該指令は、前記プロセッサに、
候補ランディングゾーンの各ペアについて、候補ランディングゾーンの各ペアでの所与の距離及び長さの仮想ステントの配置に由来するステント有効性スコア(SES)を生成させ、
該ステント有効性スコアをランク付けさせ、
前記ステント有効性スコアのランキングに基づいて決定されるランディングゾーンによって定められる1つ又はそれよりも多くの仮想ステントを特定させ、
該1つ又はそれよりも多くの仮想ステントは、前記血管のセグメントの表現に対して表示される、
請求項14に記載のシステム。
【請求項17】
前記プロセッサによって実行可能な指令を更に含み、該指令は、前記プロセッサに、ステント長を有するステントの表現を生成させ、第1のランディングゾーン及び第2のランディングゾーンに配置される前記ステントの前記表現を表示させ、前記第1及び第2のランディングゾーンは、前記ステント有効性スコアに対応する、請求項14に記載のシステム。
【請求項18】
前記プロセッサによって実行可能な指令を更に含み、該指令は、前記プロセッサに、1つ又はそれよりも多くの重み係数で前記ステント有効性スコアを調節させる、請求項14に記載のシステム。
【請求項19】
前記1つ又はそれよりも多くの重み係数は、ランディングゾーンの質、前記ステントによって覆われる全ての枝の管腔総面積、血管の先細りの量、医者の好みに基づくステント限界、及び動脈の種類に基づく制約のうちの1つ又はそれよりも多くを含む、請求項18に記載のシステム。
【請求項20】
前記プロセッサによって実行可能な指令を更に含み、該指令は、前記プロセッサに、ステント表現を使用して血管の表現をモーフィングさせて、前記ステント有効性スコアを決定するのに適した血管内パラメータの変化を計算させる、請求項14に記載のシステム。
【請求項21】
1つ又はそれよりも多くの血管内ステントの展開を計画する方法であって、
血管を通じて引き戻される血管内プローブを使用して生成される前記血管の血管データを電子メモリデバイス内に格納するステップと、
血管データ内で候補ステントランディングゾーンを特定するステップと、
可能なランディングゾーンペアのセットを決定するステップと、
1つ又はそれよりも多くの血管系システムパラメータに対する変更に基づいて仮想ステントランディングゾーンをスコア付けするステップであって、前記変更は、血管のステント留置された状態とステント留置されていない状態との間にある、ステップと、
スコア及び関連するランディングゾーンをランク付けし且つ選択するステップと、
選択されるスコアを有する仮想ステントについてのランディングゾーンを表示するステップとを含む、
方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の参照)
本出願は、2016年9月28日に出願された米国仮特許出願第62/400,731号の優先権及び利益を主張し、その全文を本明細書中に参照として援用する。
【0002】
本開示は、一般的に、ステント計画に関する。部分的に、本開示は、収集データを使用して血管表現に対するステント展開(stent deployment)を計画する診断ツール、方法及びシステムに関する。
【背景技術】
【0003】
冠動脈内にステントを配置することは、有意な量の計画を必要とする。そのような計画は、冠血管の長手方向写真と定規とを用いて医師によって達成されることがある。これは固有の限界を有する。更に、複雑な病変の場合、血管の横断面表示を見ることだけから最適な展開場所及びステントの大きさを決定することはできない。画像の手作業の検討に基づいては明らかでない様々な要因が、どのステントを用いるべきか及びステントをどこに配置すべきかを変更し得る。
【0004】
経験豊富な心臓専門医でさえ、使用すべきステントの大きさを予測して最適な結果をもたらす配置場所を選択することが挑戦であると知ることがある。加えて、カテーテル検査時間を短縮するという目標を考慮すると、プロセスを加速して手作業手法を超える利点を提供するツールを有することが必要とされる。コンピュータベースのユーザインタフェース及び血管表現を使用して、最適な場所で、最も短い大きさのステントで、動脈内のステントの配置を自動化することを可能にする、技術が必要とされる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本開示は、この必要性及び他の必要性に取り組む。
【課題を解決するための手段】
【0006】
部分的に、本開示は、血管データを使用してステント展開場所及び他のパラメータを決定することに関する。ステント留置されていない血管に対するステント留置から回復される血流の量が1以上(1つ又はそれよりも多く)の評価指標(metrics)を増大させるようステント展開を計画する。エンドユーザは、ある範囲のステント長を含む、1以上のステント長を特定することができる。次に、診断ツールが、血管表現に対する配置に適した特定された範囲内の長さを有する候補仮想ステントを生成することができる。血管直径、半径、面積値、弦値、又は他の断面など、その長さのような、血管距離値を使用して、ステントランディングゾーンを特定する。これらのツールは、血管造影データを使用し或いは補完することができ、且つ/或いはそれらと共同位置合わせされることができる。光学撮像、超音波、血管造影法、又は他の撮像モダリティを使用して、血管データを生成する。
【0007】
1つの実施形態において、本開示は、仮想血流予備能比又は仮想血流予備能計算流量モデルを用いて血管を評価することに関する。いずれの場合においても、これらをVFRと呼ぶことができる。その評価の一部として、コンピュータ実装方法は、例えばVFRのような心血管系パラメータを介して予測される血流回復に基づいて、仮想ステント留置を用いてステント計画を開発することを容易にする。ステント展開の結果として変化する任意の適切な心血管系パラメータを1以上の仮想ステントをスコア付けするための基礎として使用することもできる。1つの実施形態において、システム及び方法は、より短いステントが選択される一方で、最大流量回復又は他の方法で増大した流量回復のような標的流量回復レベルを同時に達成するように、選択プロセスに対してステント長を強調するように設計される。1つの実施形態では、血管セグメントの表現が、血管内データ又は血管造影又は断層撮影データを含むことができる撮像データのような血管データに基づいて生成される。1つの実施形態において、血管データは、患者内の実際の対応する血管セグメントを通じるデータ収集プローブのプルバック(引戻し)の間に得られる。
【0008】
部分的に、本開示は、1以上の血管内ステントの展開を計画する方法に関する。本方法は、ステント展開のための候補血管に関して収集される血管データを電子メモリデバイス内に格納するステップと、血管データ収集システムのサブシステムを使用して、血管データから管腔距離ベースの値のセットを計算するステップであって、サブシステムは、前記電子メモリデバイスと電子計算する、ステップと、管腔距離ベースの値のセットから局所最大のセットを特定するステップであって、該局所最大は、潜在的なステントランディングゾーンと相関させられる、ステップと、局所最大に対応する血管データ内の1以上のフレームを決定するステップと、サーチ窓の境界に配置されるフレームのペアの全ての組み合わせを特定することによって候補ステントランディングゾーンのセットを決定するステップであって、サーチ窓の大きさは、1以上のステントの長さである、ステップと、候補ランディングゾーンの各ペアについて、候補ランディングゾーンの各ペアでの所与の距離及び長さの仮想ステントの配置に由来するステント有効性スコア(SES)を生成するステップと、ステント有効性スコアを順序付けるステップと、ステント有効性スコアのランク付けされた順序に基づいて決定されるランディングゾーンによって定義される1以上の仮想ステントを特定するステップとを含む。
【0009】
本方法は、血管のセグメントの表現に対して1つ又はそれよりも多くの仮想ステントを表示するステップを更に含む。管腔距離ベースの値は、管腔面積、管腔半径、管腔直径、管腔弦、及び管腔の境界上の点から測定される距離で構成される群から選択されてよい。管腔距離ベースの値のセットは、管腔面積曲線(lumen area curve)を含んでよい。管腔距離ベースの値のセットは、血管の断面に対応する管腔面積値のセットを含んでよい。本方法は、ステント長を有するステントの表現を生成するステップと、第1のランディングゾーン及び第2のランディングゾーンに配置されるステントの表現を表示するステップとを更に含んでよく、第1及び第2のランディングゾーンは、ステント有効性スコアに対応する。
【0010】
ステント有効性スコアを生成するステップは、ステントを配置することの前に血管についての第1の仮想血流予備能比(VFR)を計算するステップ、ステントを配置することに続き血管についての第2のVFRを計算するステップ、第2のVFRから第1のVFRを減算してステント配置に応答するVFRの変化を取得するステップ、及びステントの長さによってVFRの変化を分割するステップのうちの1以上を含んでよい。
【0011】
方法は、1以上の重み係数でステント有効性スコアを調整するステップを更に含んでよい。1つ又はそれよりも多くの重み係数は、ランディングゾーンの質、ステントによって覆われる全ての枝の管腔総面積、血管の先細り(tapering)の量、医師の好みに基づくステント限界、及び動脈の種類に基づく制約のうちの1つ又はそれよりも多くを含んでよい。本方法は、エンドユーザ設定の標的VFR以上の予測VFRでステント有効性スコアを選択するステップを更に含んでよい。本方法は、ステントパラメータの好みに関するエンドユーザからの入力を受け取るステップを更に含んでよい。本方法は、血管の表現に対する配置のためにユーザ選択されたステントに応答して予測VFRを生成するステップを更に含んでよい。本方法は、血管造影又は血管内撮像を使用して血管データを生成するステップを更に含んでよい。
【0012】
部分的に、本開示は、自動化されたステント計画のためのシステムに関する。システムは、関心を有する血管からデータを取得する診断システムを含み、診断システムは、電子メモリデバイスと、電子メモリデバイスと通信するプロセッサとを含み、電子メモリデバイスは、プロセッサによって実行可能な指令を含み、指令は、前記プロセッサに、a)プロセッサを使用して、血管を通じて引き戻される血管内プローブを使用して生成される血管内データから管腔距離ベースの値のセットを計算させ、サブシステムは、前記電子メモリデバイスと電子的に計算し、b)管腔距離ベースのセットから局所最大のセットを特定させ、1以上の局所最大は、潜在的なステントランディングゾーンと相関させられ、c)局所最大のうちの1以上の局所最大に対応する血管内データ内の1以上のフレームを決定させ、且つd)サーチ窓の境界に配置される1以上のフレームを特定することによって候補ステントランディングゾーンのセットを決定させ、サーチ窓の大きさは、1以上のステントの長さである。
【0013】
管腔距離ベースの値は、管腔面積、管腔半径、管腔直径、管腔弦、及び管腔の境界上の点から測定される距離で構成される群から選択されてよい。本システムは、プロセッサによって実行可能な指令を更に含み、指令は、プロセッサに、a)候補ランディングゾーンの各ペアについて、候補ランディングゾーンの各ペアでの所与の距離及び長さの仮想ステントの配置に由来するステント有効性スコア(SES)を生成させてよく、b)ステント有効性スコアをランク付けさせてよく、c)ステント有効性スコアのランキングに基づいて決定されるランディングゾーンによって定められる1つ又はそれよりも多くの仮想ステントを特定させてよい。1つの実施形態において、1以上の仮想ステントは、前記血管のセグメントの表現に対して表示される。
【0014】
本システムは、プロセッサによって実行可能な指令を更に含んでよく、指令は、プロセッサに、ステント長を有するステントの表現を生成させ、第1のランディングゾーン及び第2のランディングゾーンに配置されるステントの表現を表示させてよく、第1及び第2のランディングゾーンは、ステント有効性スコアに対応してよい。
【0015】
本システムは、プロセッサによって実行可能な指令を更に含んでよく、指令は、プロセッサに、1以上の重み係数でステント有効性スコアを調節させてよい。1以上の重み係数は、ランディングゾーンの質、ステントによって覆われる全ての枝の管腔総面積、血管の先細りの量、医者の好みに基づくステント限界、及び動脈の種類に基づく制約のうちの1つ又はそれよりも多くを含んでよい。本システムは、プロセッサによって実行可能な指令を更に含んでよく、指令は、プロセッサに、ステント表現を使用して血管の表現をモーフィングさせて(morph)、ステント有効性スコアを決定するのに適した血管内パラメータの変化を計算させてよい。
【0016】
部分的に、本開示は、1以上の血管内ステントの展開を計画する方法に関する。本方法は、血管を通じて引き戻される血管内プローブを使用して生成される血管の血管データを電子メモリデバイス内に格納するステップと、血管データ内で候補ステントランディングゾーンを特定するステップと、可能なランディングゾーンペアのセットを決定するステップと、1以上の血管系パラメータに対する変更に基づいて仮想ステントランディングゾーンをスコア付けするステップであって、変更は、血管のステント留置された状態とステント留置されていない状態との間にある、ステップと、スコア及び関連するランディングゾーンをランク付けし且つ選択するステップと、選択されるスコアを有する仮想ステントについてのランディングゾーンを表示するステップとを含む。
【0017】
ソフトウェア実施形態は、プログラム、プロセッサ指令、ファームウェア、常駐ソフトウェア、マイクロコード、疑似コード、フローチャートステップなどを含むことができる。ハードウェア及びソフトウェアは、例えば、通信チャネル、メモリ、無線通信などを介して、結合されてよく或いは接続されてよく、「回路」、「モジュール」又は「システム」と概ね記載されることができる。
【0018】
本開示は、媒体中に具現されるコンピュータ使用可能なプログラムコードを有する任意の有形媒体の表現において具現されるコンピュータプログラム(コンピュータプログラム製品)にも関する。記載する実施形態は、指令を格納する機械可読媒体を含んでよい、コンピュータプログラム(コンピュータプログラム製品)又はソフトウェアとして提供されてよく、指令は、コンピュータシステム(又は他の(複数の)コンピューティングデバイス若しくは他の(複数の)電子デバイス)をプログラムして実施形態に従ったプロセスを実行するために使用されてよい。機械可読媒体は、機械(例えば、コンピュータ)によって可読な形態(例えば、ソフトウェア、処理アプリケーション)の形式において情報を格納し或いは送信する任意の機構を含む。機械可読媒体は、機械可読記憶媒体又は機械可読信号媒体であってよい。
【0019】
実施形態の動作を実行するためのコンピュータプログラムコードは、Java(登録商標)、Python、C++又は同等物のようなオブジェクト指向プログラミング言語と
「C」プログラミング言語又は類似のプログラミング言語のような従来的なプログラミング言語との任意の組み合わせにおいて書かれてよい。プログラムコードは、完全にユーザのコンピュータ上で、部分的にユーザのコンピュータ上で、スタンドアロンのソフトウェアパッケージとして、部分的にユーザのコンピュータ上で且つ部分的に遠隔のコンピュータ上で、或いは完全に遠隔のコンピュータ又はサーバ上で実行してよい。Matlab及び類似のソフトウェアを使用して、本明細書で使用される特定のランキング及びプロットを実施することもできる。
【0020】
本発明は、異なる態様及び実施形態に関するが、本明細書に開示される異なる態様及び実施形態は、適宜、全体的に又は部分的に統合されてよいことが理解される。よって、本明細書に開示される各実施形態は、所与の実施に適切な異なる程度で態様の各々に組み込まれることができる。更に、前述のシステム、方法、ステップ、構成要素、及び部分は、医療用途並びに診断目的及びステント展開及び分析のための他の用途のために使用されることができる。
【0021】
1つの実施形態において、方法はクラスタベースの方法を用いて実施される。例えば、候補ランディングゾーンのセットが1以上の基準に基づいてグループ分けされる。
【0022】
開示する実施形態の他の構成及び利点は、以下の記述及び添付の図面から明らかであろう。
【0023】
図は、必ずしも縮尺通りでなく、代わりに例示的な原理に重点が概ね置かれている。図は、全ての態様において例示的であるとみなされるべきであり、本発明を限定することを意図せず、その範囲は特許請求の範囲によってのみ定義される。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】本開示の例示的な実施形態に従って構成された血管内診断/データ収集システムの概略図である。
【0025】
図2A】本開示の例示的な実施形態に従ったプルバック中のインビボデータ収集からの血管データを使用するステント計画方法のフロー図である。
図2B】本開示の例示的な実施形態に従ったプルバック中のインビボデータ収集からの血管データを使用するステント計画方法のフロー図である。
図2C】本開示の例示的な実施形態に従ったプルバック中のインビボデータ収集からの血管データを使用するステント計画方法のフロー図である。
【0026】
図3A】本開示の例示的な実施形態に従ったステントランディングゾーン及び流れ回復構成を示す血管の概略図である。
図3B】本開示の例示的な実施形態に従ったステントランディングゾーン及び流れ回復構成を示す血管の概略図である。
【0027】
図4A】本開示の例示的な実施形態に従った血管直径の局所最大に対応する点を示すためにプルバックからのデータを使用して撮像された冠動脈の領域についての平均管腔直径に対してプロットされたフレーム位置を表示するグラフである。
【0028】
図4B】本開示の例示的な実施形態に従ったステント有効性スコア(SES)に対してプロットされた仮想/仮定ステント候補(VSC)のプロットである。
【0029】
図5A】本開示の例示的な実施形態に従ったランディングゾーンフレームに対して示されたVSCを備えるステント計画/配置システムのユーザインタフェースディスプレイの実施形態である。
【0030】
図5B】本開示の例示的な実施形態に従った図5Aのユーザインタフェースの他の図である。
【0031】
図6】流れを妨害している血管壁のランディングゾーン及び領域並びに図示のランディングゾーンでのステント展開による変位のための候補を示す血管内インビボデータを使用して生成された血管表現の長手方向図である。
【0032】
図7】本発明の例示的な実施形態に従った仮想ステントでのステント留置後に変化するパラメータ及びプルバック長に対するステント長の比のプロットに示されるような3つのクラスタを特定するクラスタ分析の一部として生成されるプロットを描写している。
【0033】
図8A】本発明の例示的な実施形態に従った図7のクラスタ1の狭窄の長手方向表現を含む血管表現を示す追加的なユーザインタフェースを描写している。
図8B】本発明の例示的な実施形態に従った図7のクラスタ1の狭窄の長手方向表現を含む血管表現を示す追加的なユーザインタフェースを描写している。
図8C】本発明の例示的な実施形態に従った図7のクラスタ1の狭窄の長手方向表現を含む血管表現を示す追加的なユーザインタフェースを描写している。
図8D】本発明の例示的な実施形態に従った図7のクラスタ1の狭窄の長手方向表現を含む血管表現を示す追加的なユーザインタフェースを描写している。
図8E】本発明の例示的な実施形態に従った図7のクラスタ1の狭窄の長手方向表現を含む血管表現を示す追加的なユーザインタフェースを描写している。
【0034】
図8F図7及び図8A図8Eからのクラスタ1のオーバーラップする領域を示す血管表現に対応する管腔プロファイル図である。
【0035】
図8G】本発明の例示的な実施形態に従った図7のクラスタ2の狭窄の長手方向表現を含む血管表現を示す追加的なユーザインタフェース図を描写している。
【0036】
図9】本発明の例示的な実施形態に従った図7及び図8Gからのクラスタ2のオーバーラップする領域を示す血管表現に対応する管腔プロファイル図である。
【0037】
図10】本発明の例示的な実施形態に従った図7のクラスタ3の狭窄の長手方向表現を含む血管表現を示す追加的なユーザインタフェース図を描写している。
【0038】
図11】本発明の例示的な実施形態に従った図7及び図10からのクラスタ3のオーバーラップする領域を示す血管表現に対応する管腔プロファイル図である。
【0039】
図12A】本発明の例示的な実施形態に従ったステント展開オプションを決定するクラスタリング分析を実行するのに適した3つの病変のプロファイル図の形態における追加的な血管表現を描写している。
図12B】本発明の例示的な実施形態に従ったステント展開オプションを決定するクラスタリング分析を実行するのに適した3つの病変のプロファイル図の形態における追加的な血管表現を描写している。
図12C】本発明の例示的な実施形態に従ったステント展開オプションを決定するクラスタリング分析を実行するのに適した3つの病変のプロファイル図の形態における追加的な血管表現を描写している。
【発明を実施するための形態】
【0040】
部分的に、本開示は、ステント計画(stent planning)のためのシステム及び方法に関する。本明細書に記載するシステム及び方法は、動脈を通る撮像デバイスのようなデータ収集デバイスのプルバック(引戻し)を使用して得られる血管データを使用して実施される。データ収集デバイスは、典型的には、光コヒーレンストモグラフィ又は血管内超音波(IVUS)プローブのような血管内プローブである。血管内プローブは、OCT又はIVUSシステムのようなデータ収集/診断システムと共に使用される。システムは、1以上(1つ又はそれよりも多く)の電子メモリデバイスに格納される血管内データのような血管データにアクセスする1以上の計算デバイスを含む。
【0041】
1つの実施形態において、血管内プローブと共に使用される診断システムは、プローブが動脈内を移動する際にプローブによって収集されるデータを使用して生成される画像データにアクセスすることができる。この画像データは、様々なグラフィカルユーザインタフェースを使用して提示されることができる。診断システムは、そのようなプルバックの間に画像化される動脈に対するステント計画のプロセスを容易にする種々なワークフロー及びオプションを提供することができる。加えて、本開示は、ステント有効性スコア(SES)又は他の評価指標(metrics)を生成し且つ使用してステント計画を実行することができるコンピュータ実装方法に関する。1つの実施では、ステントの選択及び動脈内の各ステントの位置に基づいて、スコア又は他の評価指標がステント又はステントペアに割り当てられる。即ち、候補ステントのセット又はステントのグループから、各セット又はグループが、(複数の)ステントの選択及び配置が所与の血管系パラメータ又は他のパラメータにどのように影響を与えるかを反映する基準又はスコアに対してスコア付け又はランク付けされる。これらのスコアは、様々な血管系パラメータと関連付けられることができる。一般的に、本明細書では、候補ステントを選択するために使用されるスコアをステントの有効性スコア(SES)と呼ぶ。
【0042】
例えば、1つの実施形態において、SESは、ステントの場所、そのステントの大きさ(サイズ)、及びそのステントの長さのうちの1以上に起因する流れの改善を説明するか或いは追跡するように設計される。これは、所与の候補仮想ステントの結果としてのパラメータの変化を使用して推定されることができる。1つの実施形態において、流れ変化を推定するために使用されるパラメータは、仮想予備能(Virtual Flow Reserve)である。従って、1つの実施形態において、SES=ΔVFR/(ステント長)であり、ここで、ΔVFRは、そのステントの配置に起因するVFR値の改善である。1つの実施形態において、より短く、VFRの改善をもたらすステントは、より高いSES値を有する。このようにして、SESは、より短いステントを使用する利益を反映するように設計される。
【0043】
一般的に、より短いステントの展開は、動脈に導入される金属又は他の材料が少なくすることができる。より小さいステントを使用することは、動脈のねじる性質及びステントのレシピエントによる様々な活動中のような時間の経過に亘る動脈の動きを考慮して、より少ない外傷をもたらすことができる。1以上のより短いステントは、時として望ましい。何故ならば、動脈が曲がったり移動したりするときに動脈に応力を加えることがある1つの長いステントではなく、1以上のより短いステントを、動脈の曲がりに従うよう位置付けることができるからである。
【0044】
1つの実施形態において、そのランディングゾーン(landing zones)及び関連する仮想によってSESを生成するのに適する1以上の心血管系又は血管系パラメータは、仮想予備能(VFR)値、流速、圧力値、最大流量、最小流量、1以上の血流予備能比(FFR)値、冠動脈血流予備能比(CFR)値、冠動脈血流速度予備能(CFVR)値、瞬時血流予備能(IFR)値、血管抵抗値及び心筋抵抗(IMR)値のうちの1以上の指標(index)、前述の値の組み合わせ、前述の値及び他の値のうちの1以上の加重平均、並びに前述の値から導き出される値を含むことができるが、それらに限定されない。1つの実施形態では、仮想予備能を仮想血流予備能比(VFR)と呼ぶこともできる。一般的に、VFR値は、血管内撮像プローブを使用してプルバックを通じて動脈をセグメント化する撮像データのフレームを生成することによって決定されることができる。
【0045】
次に、この撮像データ及び管腔領域及び直径は、容積ベースの分析を容易にする。更に、血管造影及び他の並列データ源を使用し且つそれらを結合することによって、流体力学及びVFRのような撮像データ血管系パラメータのフレームを使用して、FFRと同等の又はそれよりも良い相関を得ることができる。これらのパラメータを、本明細書に記載するような仮想ステント、ランディングゾーン、クラスタリングベースの方法及びその他の方法と共に使用して、ステント留置(stenting)計画並びに他の診断及び分析方法を実行することができる。
【0046】
1つの実施形態では、約0.80又は約0.85より大きいステント後に予測されるVFRをもたらした各ステント候補についてのSESがランク付けされる。これらの値は、治療閾値として経験的研究から決定されている。1つの実施形態では、約0.7~約0.8に亘るVFR値又はFFR値が、ステント留置後の有益な予期される長さの増加を考慮して、仮想ステント選択のためにランク付けされる。これらのSESスコアは降順にソートされる。このソートされるリストからの最大SESを備えるステント候補は、システムによって選択されることができ、エンドユーザによる使用のためにデフォルトのステント選択として表示される。そのようなSESスコアを備える仮想ステントは、ステント計画プロセスの一部として考慮するよう1つの選択肢としてエンドユーザに特定されることもできる。
【0047】
本明細書に記載するソフトウェア及び方法の幾つかの態様の動作を知らせ且つそれらの理解を促進するために、中間に狭まり、即ち、ボトルネック(狭い通路)として効果的に作用する狭窄を考えることが有用である。狭窄病変又は他の血管閉塞からのような例示的なボトルネック62を、以下でより詳細に議論する図3Aに見ることができる。血流はボトルネック又は狭窄地点で減少させられる一方で、ボトルネック又は狭窄地点から下流の近位領域及び遠位領域は、より大きな直径を有し、よって、血管の壁の輪郭に対してより大きな断面積を有する。
【0048】
よって、血管を通じたプルバックの間に撮像プローブによって測定されるときの血管に沿って、特定の長さの直径及び関連する特定のサイズの断面積を有する血管の断面があることで、直径及び断面積は、それらの近傍の他の局所的な断面及び管腔直径に対して最大化される。管腔直径及び管腔断面積は、本明細書において交換可能に効果的に処理されることができる。何故ならば、スケーリング係数及びこれら2つのパラメータをプロットする曲線の外観に対する幾つかの変更を別にすれば、管腔直径についての局所的な最大は、管腔領域についての局所最大(local maximum)と一致する(逆もまた同様である)からである。他の管腔距離測定値を制限なく使用することができる。この例を用いて、例示的な計画システムを考えることが有用である。
【0049】
図1を参照すると、ステント配置オプション及び他の実施形態の実施を示唆するステント計画システムが、血管内診断システム/データ収集システム10を含み、次いで、血管内診断システム/データ収集システム10は、血管内プローブ7を含む。種々の実施形態におけるプローブ7は、例えば、OCT、血管内超音波(IVUS)、及びその他のような、他の撮像モダリティを含んでよい。プローブ7は、血管内診断システム/データ収集システム10と光通信する。光ファイバ15を介してプローブ7に接続するOCT光学システム又はサブシステム31は、レーザのような光源、サンプルアームと基準アームとを有する干渉計、様々な光路、クロック発生器、フォトダイオード、及び他のOCTシステム構成要素を含む。
【0050】
システム10は、ステント計画に関連する1以上の診断ソフトウェアツール又はモジュール12を更に含む。このソフトウェアは、メモリデバイス45のような1以上のメモリデバイスに非一時的な指令として格納されることができ、コンピューティングデバイス40のような1以上のコンピューティングデバイスによって実行されることができる。ステント計画ソフトウェアツールは、ユーザによって生成される標的プロファイルのような1以上の血管プロファイル、ステント前後のプロファイル又は他のプロファイルを比較するための比較器又は他の比較ソフトウェアルーチンを含むことができる。ステントプロファイル分析ソフトウェア12は、標的プロファイルに対して展開されたステントの画像を重ね合わせたり或いは1以上のステント前及びステント後プロファイルを他の方法でオーバーレイしたりするのに適したオーバーレイ方法含むことができる。一般的に、ソフトウェア12は、血管内データのセットを処理して、図2A図2B及び図2Cに関して記載する方法ステップのような本明細書に記載する様々な方法ステップを実行することができる。
【0051】
ソフトウェア12は、血管内データセット並びに血管内プローブ又は血管造影システムのような他の検出器又はデータソースからの他の血液データに基づいて動作するように設計される。1つの実施形態では、血管データをプルバック処置の間に記録して、電子メモリデバイスに格納することができる。ソフトウェアは、以下のプロセス又は方法のうちの1以上を実行する種々なモジュール又は動作構成要素を含むことができる。ステント計画ソフトウェア12は、以下のソフトウェアコンポーネント又はモジュール、即ち、管腔輪郭検出12A、側枝検出12B、ランディングゾーン生成12C、仮想ステントスコアリング12D、仮想ステント選択12E、ユーザインタフェース及び入力処理12F、仮想ステント表現12G、しるし(indicia)/インジケータオーバレイ12H、オーバーラップゾーンのためのクラスタリング分析12I、並びに異なるプロセス及び方法に関して本明細書に記載する他のもののうちの1以上を含むことができるが、それらに限定されない。
【0052】
1つの実施形態において、血管内データで作動して、組織を特徴付け、カルシウム領域、テーパ領域、脂質プール、及び他の組織構成のような、関心領域を識別するように設計される、ソフトウェアモジュールは、これらの組織タイプのうちの1つ又は側枝の場所に対するランディングゾーンの配置が望ましくないならば、所与のSESを減少させるために使用されることができる。ソフトウェア12は、血流予備能比(FFR)、血管抵抗比(VRR)、及び他の測定され計算された血管内データ収集パラメータを比較することもできる。そのようなパラメータがステント留置状態(stented state)から非ステント状態(non-stent state)に変化する限り、そのようなパラメータを使用して1つ以上のSESを生成することができる。
【0053】
1つの実施形態では、OCTシステム31を使用することができる。システムは、平衡フォトダイオードベースのシステムのような光受信器が、プローブ7によって戻される光を受け取ることを含む。コンピュータ、プロセッサ、ASIC、又はシステム10の一部であるか或いはシステム10と電気的又は光学的に通信する別個のサブシステムとして含められる他のデバイスのような、コンピューティングデバイス40が、プローブ7から電子信号を受信する。様々な実施形態におけるコンピューティングデバイス40は、ステント視覚化及びステント並置不良検出のために構成された画像データ処理のような、データを処理してソフトウェア44を利用するのに適したローカルメモリ、バス、及び他の構成要素を含む。ステント展開計画ツール12は、ソフトウェア44の一部であることができ、或いはソフトウェア44とデータを交換することができる。これらのツールは、プローブ7が血管壁に対して配置される管腔領域内に仮想ステントを配置するために使用されることができる。領域19は、プルバックのセグメントの例示的な領域を示しており、1以上の仮想ステントを展開してユーザインタフェースに表示することができる。
【0054】
図1に示すように、収集される血管内データを使用して生成される血管の断面ビュー及び長手ビューのような情報47を示すために、ディスプレイ46がシステム10の一部であることもできる。血管内データがプローブ7で得られてメモリ45に格納されると、それを処理して、プルックバック領域の長さに沿う血管の断面ビュー、長手ビュー、及び/又は三次元ビュー又はそのサブセットのような情報47を生成して表示することができる。これらのビューは、以下に及び後続の図に示し且つ記載するように、ユーザインタフェースの一部として描写されることができる。システム10から得られる距離測定値を使用して生成される血管の画像は、管腔輪郭、血管直径、血管断面積、ランディングゾーン、及び本明細書に記載するツール及びソフトウェアモジュールを使用して処理されるときにランディングゾーンによって境界付けられる仮想ステントを含む、血管についての情報を提供する。
【0055】
本明細書で開示する方法及びシステムは、ユーザのための診断及び計画ツールを提供する。例えば、方法及びシステムは、動脈内の仮想ステントの配置がプルバックからの画像データに対して自動的に実行されることができるようなツールを含む。更に、そのようなステントの自動的な配置は、プロセス、ユーザインタフェース、及びエンドユーザのために特定される適切なステントのサイズで最適な場所にそのようなステントを表示する関連するソフトウェアベースの構成を含む。
【0056】
本開示は、ステントを最適な場所に或いはさもなければ特定のパラメータを最適化する場所に配置するために、ステント計画ソフトウェアの様々な実施を含む。1つの実施形態では、ステント計画を容易にするよう最適化されるパラメータは、特定の長さのステントを展開することによって達成されることができる流れの量を含む。ステントのための近位及び遠位ランディングゾーン場所並びにステントのサイズは、エンドユーザに提供される。これらは、可能なステント及びステント展開場所のセットを使用して達成されることができる流れの改良を最適化することによって決定される。
【0057】
ステント展開の結果としての流れの回復を評価する1つの例示的なアプローチとして、その全文を参照として本明細書中に援用する「METHOD AND APPARATUS FOR AUTOMATED DETERMINATION OF A LUMEN CONTOUR OF A STENTED BLOOD VESSEL」という名称の米国特許出願第14/115,527号に記載されている方法を使用することができる。本明細書に記載するような他のものを含む他のアプローチを使用することができる。動脈内の流れ変化及び挙動に関する幾つかの側面を理解するために、特定されるランディングゾーン及び(複数の)ステント長に基づく仮想ステントの選択及び位置に関連する狭窄及び様々な構成を示す図3A及び図3Bに示す構成を考察することが有益である。
【0058】
本開示は、枝閉塞の程度を計算するためのコンピュータ実装方法も提供する。次に、ステント展開の候補である閉塞した又は狭められた領域をそれらの閉塞状態において評価し、次に、標的ランディングゾーン間の候補仮想ステントの位置決めから血管の領域の拡張を通じて変形させられている管腔直径及び関連する管腔面積の結果としての非閉塞状態と比較することができる。幾つかの方法を使用して病状(例えば、狭窄)又は医療介入(例えば、側枝の拘留(jailing))の存在に起因する枝閉塞を計算することができる。
【0059】
1つの実施形態では、血管閉塞を評価するために、基準血管直径法(reference vessel diameter method)が使用される。図3Aは、狭窄102を有する主血管100を有する血管60の表現を示している。側枝104も示されている。仮想ステント候補スコアリングを使用して、ステントのための様々なランディングゾーンを評価する。ステント長SLのステントについての例示的なランディングゾーンが図3Aの左側に示されている。血管60の表現の中心線CLも示されている。
【0060】
典型的には、狭窄102の図3Bの拡大ビュー70に示されるように、1つの仮想ステント111を狭窄102に対して展開して、血管の管腔を拡張することができる。仮想ステントは、図の右側にある点Z1及びZ2並びに図の左側にある点Z4及びZ3で血管と接触する。これらの2つのペアの点がフレームに沿って配置されている、即ち、1つのフレームが左側F1にあり、1つのフレームが右側F2にあると考えられるならば、これらのフレームは、局所最大(local maximum)を含む結果として選択されるフレームの例である。点線の垂直線115は、単一のステント111の代わりに、2つのステントを展開して垂直ステントとして選択することができることを示すために含められており、線115は、ステント111a,111bのための分割基準線として示されている。
【0061】
動脈内で展開するための候補として仮想ステントをスコアリングして選択するプロセスの一環として、複数のランディングゾーンが血管のために考察される。よって、図示のステント111について、同じ長さSLを有するがフレームF1及びF2の左右にシフトさせられたステントのような複数のバージョンを考察することは有益である。これらの可能なランディングゾーン、よって、それらによって境界付けられる仮想ステントのセットは、血管の特定のサブセット又は領域に架かる(span)クラスタ(cluster)を形成することができる。重なり合うランディングゾーンを使用して、ステント展開のための好ましいランディングゾーンを選択することができる。
【0062】
候補ステントオーバーラップの領域を特定して選択するクラスタベースの分析は有益であり得る。何故ならば、オーバーラップのそのような領域は、流れを閉塞する狭窄、病変、ボトルネックなどの存在を考慮して、ステント計画ソフトウェアの制約を満たすために多少のレベルのステント留置が必要とされる領域として特定されることができるからである。図7は、血管を通じたプルバックの長さに対するステント長の比及びステント後のVFRに対するクラスタC1,C2,C3の例示的なプロットを示している。各クラスタC1,C2,C3は、図8A図11の長手図に示されるような狭窄病変に対応する。図12A図12B及び図12Cは、クラスタリング分析を実行するために使用することができる3つの病変についての血管データで生成されたプロファイル図も示している。図示のように、前述の図において、クラスタ及び病変は互いにマッピングされて相関させられている。
【0063】
一般的には、最初にステント留置される必要のある重要な区画を特定することによって、ステント配置を誘導するために、クラスタ分析が使用される。各候補ステントについてのプルバック長に対して正規化されたステント長に対するVFR postのプロットは、図7に示されるように、別個のクラスタを示す。見ることができる3つのクラスタがあり、クラスタの数はプルバック中の病変の数と相関する。クラスタ分析に基づいて以下のステント留置ガイドが導出され、VFRの増加を達成するために、デフォルトのステントが図12B及び図12Cに示すような重要なステント区画で示される。VFRを参照するが、クラスタリング分析は、本明細書に記載する任意のパラメータに当て嵌まる。図8A図11は、管腔303及び様々なランディングゾーン位置LZ1,LZ2を備える、血管の追加的な表現を描写している。これらの図は、異なるランディングゾーンについてのステント配置がVFRを有利に変化させるオーバーラップ領域を示している。これらのオーバーラップ領域は、本明細書中で議論するようなクラスタベースアプローチを使用して分析されることができる。エンドユーザによって選択されるか或いは本明細書で開示する方法及びシステムを使用して決定されるランディングゾーンの位置は、管腔プロファイルを変化させ、狭窄305の領域を拡張する。
【0064】
更に、図8A図8Eは、血管又は管腔プロファイル表現又はビューの形態の血管表現
を示している。図8A図8Eは、図7のクラスタ1に対応する。クラスタ1についてのオーバーラップ領域は、図8Fに示されている。図8Fにおいて、プロフィールビュー/血管表現400は、オーバーラップ領域の長さが18mmであり、ステント留置が起こるべき領域を境界付ける2つの垂直線の間にあることを示している。図8A図8Eの各々における垂直線対は、図7のクラスタ1について示される5つの点に対応する。図8Gは、図7のクラスタ2に対応する3つのプロファイルビューを示している。クラスタ2の3つの点は、図8Gの3つのランディングゾーンペアLZ1,LZ2の各々の間のように境界付けられる3つの領域にマッピングされている。図9は、長さが30mmであるクラスタ2におけるオーバーラップ領域を示している。図7において、オーバーラップ領域は、1つの実施形態に示されるように、クラスタ内の点の周りを回ることによって示されることができる。図10は、図7のクラスタ3に対応する2つのプロファイルビュー460を示している。図11は、長さが47mmであるクラスタ3におけるオーバーラップ領域を示す、プロファイルビュー470である。1つの実施形態におけるステントランディングゾーン位置については、クラスタリングに基づく重複領域が推奨される。
【0065】
図2Cは、例示的なクラスタリング分析アプローチの方法ステップを記載している。一般的に、12A、12B及び12C。クラスタ分析に基づいてステント留置ガイドを導き出す。例えば、ランディングゾーン又はデフォルトステントをユーザインタフェースの重要ステント区画に示すことができる。複数のクラスタのためのオーバーラップ領域を使用して、この区画及びそのランディングゾーン終点を生成することができる。これは、図12Bに示すような1つの実施形態では、ステント計画が有効にされるときにソフトウェアが自動的に配置するステントである。重要区画は、全ての3つのクラスタに共通する交差領域又はオーバーラップ領域に対応する。クラスタ分析を使用するならば、エンドユーザがステント展開を評価することを検討すべき領域が示される。
【0066】
図12Aは、側枝SB及び病変L1,L2,L3付近のクラスタを示している。管腔303は画像の中央にある。3つの病変は左から右に縦に一列に並んでおり(tandem)、クラスタ分析のための候補である。図12Bにおいて、クラスタ交差/オーバーラップに基づく重要なランディングゾーン、LZC1及びLZC2、これらのランディングゾーンは、ステント展開のための良好な候補である。各クラスタに関して、C3は、ステント留置のための最大の増分的な改良をもたらす。重要なステント留置領域は、クラスタの相互関係によって特定されるようである。領域305は、ステントで拡張して流れを増加させるべき狭窄又は病変組織を示している。典型的には、システムは、病変C2を無視しないことを示す。クラスタからのオーバーラップがそこで起こるからである。図12Bでは、垂直点線495及び関連するブラケットは、ステント配置に適した部分を示しており、この区画がステント留置されることに応答してVFRを0.85に変更する。この区画のみがステント留置されるならば、VFRを0.70から0.84の予測値に増加させることが可能である。
【0067】
一般的には、最初にステント留置される必要がある重要な区画を特定することによってステント配置を誘導するために、クラスタリング分析が使用される。各ステントについてのプルバック長に正規化されたステント長に対するVFRpostのプロットが、図7に示されるような明確なクラスタを示す。見ることができる3つのクラスタがあり、クラスタの数はプルバック中の病変の数と相関する。クラスタ分析に基づいて、以下のステント留置ガイドが導き出され、デフォルトのステントは、VFRの増加を達成するために、図12B及び図12Cに示すような重要なステント区画に示されている。VFRに言及しているが、クラスタリング分析は、本明細書に記載する或いはFFRのようなステント配置及び血管撮像との使用にその他の方法で適したあらゆるパラメータに当て嵌まる。
【0068】
図3Aを再び参照すると、主血管106について基準プロファイル(reference profile)を作成することができ、且つ/或いは基準プロファイル108を作成することができる。基準プロファイルの更なる詳細は、「METHOD AND APPARATUS FOR AUTOMATED DETERMINATION OF A LUMEN CONTOUR OF A STENTED BLOOD VESSEL」という名称の米国特許出願第14/115,527に記載されている。VFRp(仮想ステントの適用後の管腔及び血管のVFRポストモーフィング(post morphing))及びVFR(特定され且つSESスコア付けされた仮想ステントの展開前に決定されたVFR)を備える動脈の異なる描写について異なる基準プロファイルも示されている。例えば、図8A図8Bを参照のこと。RPとも呼ばれる基準プロファイル(点線)108を使用するならば、遠位及び近位基準プロファイル直径を使用することによって、推定血管直径を計算することができる。冪乗則関係を使用して近位及び遠位基準を分析することができる。1つの実施形態において、冪乗則は、以下の式によってもたらされる。
【数1】
ここで、D(i+1)は、近位基準プロファイル直径であり、D(i)は、遠位基準プロファイルであり、ここで、Db(i)は、推定される真の血管直径であり、εは、経験的に決定されるような2.0~3.0の間の値を有する冪乗則スケーリング指数である。
【0069】
推定される血管直径とOCT撮像によって検出される実際の血管直径との間の差は、血管閉塞のレベルを提供する。1つの実施形態において、血管閉塞のレベルは、以下の式によってもたらされる。
【数2】
ここで、D(i)は、推定される真の血管直径であり、Dobstruction(i)=D(i)-DOCT(i)は、OCTによって測定される実際の血管直径である。
【0070】
1つの実施形態では、最大直径フレーム法を使用して側枝閉塞を評価する。基準プロファイルを使用する代わりに、現在の分枝に対して遠位及び近位の主血管セグメントにおける最大直径を使用して分枝直径を推定する。
【0071】
1つの実施形態では、フロー方法を使用して、動脈内の血流を評価する。例えば、フロー方法を使用して、動脈内の狭窄、膨張下のステント、狭まり又は他の閉塞に起因して変化した動脈内の流れを評価することができる。仮想予備能(VFR)を使用するならば、各側枝に入る流量を推定することができる。OCTベースの分枝直径FlowOCT(i)と真の分枝直径Flow(i)との差に起因する所与の側枝を下る流れの差は、閉塞した側枝に起因する流れに対する影響の追加的な表示である。遠位セグメント及び近位セグメントにおける基準血管プロファイル又は最大直径フレームのいずれかを使用することによって、上述の方法のうちの1つを使用して、真の分枝直径を計算することができる。フロー方法は、以下の式として与えられることができる。
【数3】
【0072】
様々な実施形態において、狭窄又は他の閉塞は、色分けのような視覚的しるしを使用してユーザディスプレイ上に表される。閉塞のレベルを付与するために、しるしをコード化することができる。ユーザインタフェースを介したユーザ入力に基づいてこれらのしるしを設定することもできる。
【0073】
複雑な病変において、ステントの最適な場所及び大きさは必ずしも明らかでない。流量、分枝パターン、血管径などのような、幾つかの要因が考慮される必要がある。本明細書に記載するシステム及び方法は、そのようなシステム出力に対して作動してステントの最適な場所及び大きさを決定するように設計される診断的血管内撮像及びアルゴリズムを使用する。心臓専門医、研究者又は技術者のような、エンドユーザは、アルゴリズムで生成された仮想ステントをガイドとして使用して、ステントを配置することができる。どの大きさのステント及びどの場所でのステントが血流の改善及び再狭窄の減少に関して患者にとって最良の結果をもたらすかを、臨床医又は他のエンドユーザが予測できない場合がある。1つの実施形態において、本開示のシステム及び方法は、可能な限り短いステント長についての血流のような望ましい量を最大化するステントを配置するための望ましい場所を予測するために、コンピュータアルゴリズムを使用して実施される。
【0074】
このプロセスの一部として、1つの実施形態において、本方法は、データ収集プローブを用いてインビボ(生体内)で収集される血管内データに対して作動して、ステントのための候補ランディングゾーンである全ての可能なフレームを特定する。これらのランディングゾーンの全ての組み合わせのペアが計算され、各ペアは、仮想ステントの遠位及び近位ランディングゾーンに対応する。フローの改善及びステントの長さに基づいてランク付け又はスコアを各仮想ステントに提供する最適化ステップが実行される。これはステント計画プロセスの1つの実施の一般的な概要を提供する。
【0075】
1つの実施形態では、ステント展開計画の一部として、(ステント表現とも呼ぶ)候補仮想ステントは、ステントの長さ当たりの流量を最大化するステントであり、最適なランディングゾーンにある。一般的に、「最良」又は他の方法で高くランク付けされた候補仮想ステントは、1以上の血管内パラメータを望ましい方法で最大化し、改善し、或いは他の方法で変更する。
【0076】
1つの実施形態では、図2Aに示すように、ステント計画の方法が描写される。一般的には、(面積との相関因子として)面積又は直径に基づいて局所最大を特定することは、ステント幅、ステント拡張、及びランディングゾーンとして作用する血管の領域の結果としての、引裂き(tearing)、テンティング(tenting)又は如何なる鋭い不連続部もないように、ランディングゾーンのための領域の選択をもたらす。従って、動脈内の大きな直径領域は、本明細書に記載の方法が標的にするように設計された候補ランディングゾーンである一方で、側枝、高いテーパ、狭められた領域、及び他のものを備える、動脈の領域は、回避される。この考察は、図2Aの方法及び本明細書に記載する他の方法のステップを知らせる。1つの実施態様において、本方法は、血管を通じて引き戻される血管内プローブを用いて生成される血管の血管内データを電子メモリデバイスに格納することを含む。
【0077】
図2Aに示すように、本方法は、血管内データ内で候補ステントランディングゾーンを特定するステップを含む(ステップA1)。本方法は、可能なランディングゾーンペアのセットを決定するステップも含む(ステップA2)。1以上の血管系パラメータに対する変化に基づいて仮想ステントランディングゾーンをスコア付けするステップ(ステップA3)は、他のステップである。任意的に、本明細書に記載するような重み係数を用いてスコアを修正することが可能である(ステップA4)。1つの実施形態において、その変化は、VFR仮想ステント展開前及び展開後のような、血管のステント留置された状態とステント留置されていない状態との間にある。本方法は、SESをランク付けして選択するステップ(ステップA5)及び選択したスコアを備える関連するランディングゾーンをランク付けして選択するステップを含むことができる。また、本方法は、選択したスコアを有する仮想ステントのためのランディングゾーンを表示するステップを含むことができる(ステップA6)。
【0078】
付記するのに値するのは、本開示が最大値に限定されないこと、並びに、設定される閾値又はベースラインに対する比較に関して本明細書に記載する値の全てを評価して、1以上のステントの位置及び長さの結果としてある程度のパラメータの改良を決定することもできることである。1つの実施形態では、エンドユーザのための様々な可能なワークフローのシナリオのうちの1つのシナリオの一部として、仮想ステントは、血管内データ収集システムのグラフィカルユーザインタフェースの一部として、デフォルトの仮想ステントとしてエンドユーザに提示される。
【0079】
1つの実施形態において、本明細書に開示するシステム及び方法は、長さ及び直径のようなステントの1以上の寸法を選択して血流を改善するよう、ステントを近位場所と遠位場所との間に展開するように、近位場所と遠位場所とを有する場所でステントを配置する決定プロセスを自動化する。血流の改善は、ある値の範囲内、最適な流量値、相対的な極端な流量値、又はユーザインタフェース又は他の入力機構を介してエンドユーザによって選択される他の流量値にあることができる。1つの実施形態において、アルゴリズムは、全ての可能なステントの組み合わせを探して、最良のステント場所及びサイズを評価する。
【0080】
このようにして、本明細書に記載するシステム及び方法は、例えば、ステント展開後に変化して血流を改善し且つ/或いは他の方法で再狭窄を減少させるパラメータのような、候補仮想ステントをスコア付けするために選択される基準に関して患者にとって望ましい結果をもたらすと思われる、推奨サイズ、長さ、及び配置場所を備える、候補ステントを特定することができる。本開示は、血管内画像の自動処理を介して分枝血管の平均直径プロファイルを自動的に構築する方法と共に、管腔輪郭を特定して表示することを記載する、2010年9月22日に出願された「Lumen Morphology and Vascular Resistance Measurements Data Collection Systems, Apparatus and Methods」という名称の米国特許出願公開第2011/0071404号明細書の全文も本明細書に参照として援用する。平均直径及び管腔領域の使用を用いて、局所最大を特定することにより、本明細書に記載するような候補ランディングゾーンを特定することができる。
【0081】
簡単に概観すると、関心の冠血管の一部分の画像がひとたび取得されて分析されると、システムは、ステント配置のための最適なサイズ及び場所を計算する。「場所」という用語は、ステントの両端が血管壁と接触する血管内の位置を意味する。これらの場所をランディングゾーン又はランディング部位と呼ぶことがある。
【0082】
動作中、ステント配置アルゴリズムは、先ず、ステントのための配置場所又はランディングゾーンの候補となる全ての可能なフレームを特定する。ステントの各端のためのランディングゾーンは、血管内の遠位場所及び近位場所の全ての組み合わせのペアについて計算され、各ペアは、それぞれ、ステントの遠位及び近位ランディングゾーンに対応する。次に、最適化ステップを実行して、計算された流れの改善及びステントの全長に基づいて各々の潜在的なステント配置ペアをランク付け又はスコア付けしてよい。1つの実施形態において、展開するのに望ましい又は最適なステントは、ステントの単位長さ当たりの流量を最大にし、最適なランディングゾーン内にある、ステントである。この潜在的なステントは、1つの実施形態において、デフォルトの潜在的なステントとして臨床医又は他のエンドユーザに提示される。これらのツールを血管造影法と共に使用して、ステント送達を更に強化することができる。
【0083】
更に詳細には、図2Bを参照すると、他の例示的なステント計画又は候補仮想ステント配置方法が示されている。最初に、ユーザの検討及び診断システム上での表示のための血管の表現を生成するのに適した、撮像データ、血管に対する距離測定値、血管内データ、血管造影データ、断層撮影データ、又は他のデータのような、血管データを生成する(ステップ20)。1つの実施形態では、先ず、そのような表現を使用して、側枝検出を実行する(ステップ21)。次に、本方法は、検出された側枝場所を無視して、「METHOD AND APPARATUS FOR AUTOMATED DETERMINATION OF A LUMEN CONTOUR OF A STENTED BLOOD VESSEL」という名称の米国特許出願第14/115,527号に記載される方法のような1以上の方法を使用して、管腔直径、管腔半径、管腔弦、管腔領域、又は管腔面積曲線のようなそれらの表現を決定することができる。一般的に、このステップは、血管データ及び/又は血管表現から管腔ベースの距離測定値を生成することを含む(ステップ22)。
【0084】
一般的に、管腔面積曲線又は管腔直径曲線は、血管のOCT又はIVUS表現のような血管内プルバックからのデータを用いて作成される血管の表現に基づいて生成される管腔面積又は直径の表現である。管腔が適切な厚さのステントと適合することができる十分に広い管腔を備える血管の領域に対応する局所最大が特定される。これは、血管の長さに沿う管腔面積又は(管腔面積と直接的に相関する)管腔直径をランク付けし、検索し、ソートし、或いは他の方法で評価し且つ比較して、局所最大値を特定する、表又は曲線を用いて、実行されることができる。本方法は、管腔面積曲線又は他のデータソースを使用して、血管内データのような血管データを生成することができる。このデータは、血管造影法、断層撮影法、及び超音波のような、他の撮像モダリティに由来することができる。撮像プローブで生成される血管内データのような様々な種類の血管データから局所最大(LM)を決定することができる(ステップ24)。
【0085】
ステント配置法は、曲線内の又は一般的に血管データからの局所最大(LM)に対応するフレームを決定する(ステップ26)。局所最大(LM)値は、管腔直径を有する血管の断面、よって、血管の特定のセグメント内の管腔の他の断面と比較してより大きい管腔面積に対応する。結果的に、画像フレームは、複数の走査線から形成され、各々の走査線は、血管の極スライス(polar slice)に対応する。LMを備えるフレームは、候補仮想ステントランディングゾーン(LZ)を特定することができるセットを定める。部分的には、可能なステントの長さによって定められる検索窓(search window)を生成する選択プロセスを使用することによって、そのような窓を候補ランディングゾーンに対して位置付けて、ステント長に対応する窓サイズを用いて血管の表現中に仮想ステントを表示することができるランディングゾーンペアを特定することができる。
【0086】
図4Aは、血管データのセットについてのフレーム数(x軸)に対する平均直径(y軸)のプロット120を示している。各フレームは、1つの実施形態において、血管のスライス又はその画像表現である。平均直径における局所最大は、曲線に沿う暗点として示されている。側枝場所も示されている。局所最大のこのセットは、管腔面積/管腔直径データの1つの表現を提供して、候補ランディングゾーンを特定する。図4Bは、ステント有効性スコア(SES)値に対してプロットされた仮想(virtual)/仮定(hypothetical)ステント候補(VSC)のプロット140である。図示のように、右に傾斜する一連の点によって、仮想ステントフレーム又はランディングゾーンは、ランク順で最も高く、ステント展開のための場所としておそらく好ましい候補である、ランディングゾーン145でランク付けられる。図4Bに示される局所最大候補フレームの全ては、ステント展開のための候補である。ステント長の選択は、1つの実施形態において、これらの値をフレームのペアに更に制約する。1つの実施形態では、VSCが、図5A及び図5Bに示すように、ユーザインタフェースのパネル又はサブスクリーン上のハッチ付きパターン(hatched pattern)として描写される。
【0087】
切り下げられるべきステント長は、ユーザインタフェース入力を介してエンドユーザによって指定されることができる。1つの実施形態において、窓は、エンドユーザが所与の処置のために使用できるステントのセットから利用可能な最も短いステント長として設定される。1つの実施形態において、ステント長は、約8mmである。しかしながら、限定されることなく、ステント長をランディングゾーンのための検索窓として設定することができる。加えて、それらの組み合わせられた長さに基づいて設定される窓と共に2つのステントを使用することができる。次に、ステント配置アルゴリズムは、局所最大のセット又はリスト(図2のステップ32)を生成する。
【0088】
システムは、次に(ステップ36)、LMペアの全ての組み合わせのリストを生成する。各ペアは、ステントの各端について1つずつ、2つの可能なステントランディングゾーン場所を含む。全部で
【数4】
又は「一度に2回採取されるN(N taken 2 at a time)」ペアのステントランディングゾーン場所候補があり、ここで、Nは、局所最大の数である。この二項係数表現が用いられるのは、N個の要素のセットからそれらの順序に関わりなく2個の要素を選択するn通りの方法があるからである。二項係数は、組み合わせ数又はコンビナトリアル数としても知られる、可能性から順序付けられない結果を選ぶ方法の数である。本方法は、管腔面積/管腔直径の局所最大に基づいて候補ランディングゾーン(LZ)としてフレームを選ぶために、そのような手法を使用する。続いて、ステントはステントの両端が管腔プロファイルと適合し且つステントを展開するときの段又は他の鋭利な不連続性を回避する管腔の領域内に有利に配置されるからである。
【0089】
例えば、3つの局所最大A,B,Cがあるならば、
【数5】
及び3つの候補は、(NAB、NBC、及びNAC)である。よって、ランディングゾーンフレームペアは、フレームA及びBのペア、フレームB及びCのペア、並びにフレームA及びCのペアである。
【0090】
これらの局所最大候補から、更なる組み合わせが生成され(ステップ40)、ここで、
【数6】
である。再び、Nstents1=3であるので、Nstents2=3であり、それは所与のプルバックにおける2つのステントのあらゆる可能な組み合わせである。本明細書で議論するように、1つのより長いステントよりも2つのより短いステントを展開することが時として有利なことがある。ランディングゾーンを探すために使用される窓又はステント全長は、各ステントの一緒の長さである。
【0091】
血管内展開のための1以上の仮想又は仮定ステントを定義する各ステントランディングゾーンの組み合せについて、システムは、次に、ステント有効性スコア(SES)を生成する(ステップ44)。SESは、血管内の特定の場所での長さ及び所与の直径のステントの配置に起因する仮想予備能の変化を用いて推定されるような流量改善を考慮する。ステント有効性スコアは、以下のように定義され、
【数7】
ここで、ΔVFRは、そのステントの配置に起因するVFR数の変化である。
【0092】
分母は、VFRの最大限の改善をもたらす短いステントが、より高いSES値を有するように、設計される。即ち、同じVFRを生じさせる2つのステントのうちの短い方のステントは、より高いSESを有する。何故ならば、本明細書で議論するように、より短いステントが、より長いステントよりも好ましいからである。一般的に、より短いステントは、動脈の輪郭をより容易に追跡することができる。従って、2つのより短いステントは、動脈の輪郭及び屈曲により密接に従うことができる。ステントの長さが長いほど、2つのより小さいステントの長さは、屈曲点(point of flexion)で同じように曲がることができない。結果として、本開示の1つの態様は、様々な実施形態において複数のより短いステントにより高いSESスコアを割り当てることによって複数のより短いステントを選択することに関する。
【0093】
追加的なの重み係数を含めることによってSESを更に修正することができる。重み係数は、特定のステント展開シナリオ又は基準のセットについて所与のSESを増加させる加法係数(additive factor)又は所与のSES値を減少させるペナルティ係数(penalty factor)であることができる。加法係数又はペナルティ係数を用いて、以下に概説し且つ本明細書において別途記載するような要因のうちの一部に基づいて重み付けられた項(terms)を生成することができる。
【0094】
様々な実施形態において、組織特徴付け(tissue characterization)によって或いはその領域における正常な血管領域と実際の管腔領域との間の差によって決定されるランディングゾーンの品質は、係数(factor)として使用されることができる。これはカルシウム検出ソフトウェアモジュール又は組織特徴付けソフトウェアモジュールを使用することによって容易化されることができる。
【0095】
ステントによって覆われる全ての枝の管腔総面積は、係数として使用されることができる。小さな側枝が拘留されている(jailed)ならば、これは小さな負の係数であることがあるが、分枝の全部又は大部分が拘留されるならば、これは適用可能であるときに所与のSESを減少させる大きな負の係数をもたらす。このようにして、ステント展開中のステントの拘留を回避することができ、或いは少なくともエンドユーザに提示することができる。
【0096】
ステント計画ツールの一部として、エンドユーザは、BRS、厚さ、長さ、材料、及び他の要因(factors)のような、ユーザの好みに基づいて、ステント限界を設定することができる。これらの入力を使用して、そのようなユーザ選択が特定のランディングゾーンの利益にどのように影響を及ぼすかに関する基準に基づいてSES重み係数を調整することができる。
【0097】
動脈内の先細り(tapering)の量は、特定の種類のステントについてのSESに影響を及ぼし得る。幾つかの実施形態では、先細くなった(tapered)動脈又は動脈の先細くなった領域は、BRSと共に使用するのに適さない。結果として、管腔輪郭の幾何学的形状によって検出されるような先細りの存在は、先細くなった領域又はBRSを展開するのに不適当な他の幾何学的制約を有する動脈内のそのようなステントの使用についてSESスコアにペナルティを課すか或いはSESスコアを減少させる。幾つかのBRSについて、ステントを拡張する能力は、急勾配の円錐形状領域のような過度の先細りを伴う血管領域の近傍でそれを使用することが望ましくないように、制約されることができる。よって、そのような先細りを伴うランディングゾーンフレームは、BRSステントの種類がユーザインタフェース内で特定されるならば、そのSESを負の重み係数によって減少させるであろう。よって、拡張限界は、有意な先細りを伴う特定の場所で使用されるステント制約(stent constrains)に対してあり、SES減少の基礎である。
【0098】
加えて、所与の動脈の種類及びランディングゾーンスコアについてSESを決定するときに、種類、大きさ、厚さ、及び所与の動脈についてステントを選択する他の要因に関する生理学的制約を、加法的な重み係数又は負の重み係数の基礎として使用することができる。従って、SES計算のために使用される重み係数は、例えば、頸動脈、右冠動脈、左冠動脈、回旋動脈及び左前下行枝(left anterior descending)のような動脈の種類、並びに、適宜、他の動脈に基づいて、変化し得る。
【0099】
局所最大の各ペアについてSESを計算した後に、配置アルゴリズムは、ペアを順序付け(ステップ48)、最良のSESを選択する。次に、最も高いスコアのステント場所を最良の対応するステント場所として表示する(ステップ52)。図2Bに関して本明細書で記載する詳細を、他の方法並びに図2A及び他の図に記載する処理ステップに関しても使用することができる。
【0100】
別の実施形態において、ユーザは、ユーザが達成したい標的VFR(若しくは他のパラメータ)又は最小VFR(若しくは他のパラメータ)を設定し、ステント配置アルゴリズムは、医師が設定する標的VFR(若しくは他のパラメータ)以上の予測VFR(もsくは他のパラメータ)で最高のSESを提供するステント場所の組み合わせを検索する。様々なVFR値及び予測又はステント留置後のVFRp値は、本明細書で示される血管セグメントの長手方向表現において描写される。同様に、ユーザインタフェース及び本明細書に記載する心血管パラメータのいずれかを使用してこの同じパラメータ標的設定を実行することができる。
【0101】
ランディングゾーン及びSES値に基づいて評価するためにVFRの代わりに又はVFRに加えて使用することができる或いはエンドユーザが設定することができる他のパラメータは、流速、圧力値、最大流量、最小流量、1以上の血流予備能比(FFR)値、仮想血流予備能比値、冠動脈血流予備能(CFR)値、冠動脈血流速度予備能(CFVR)値、瞬時血流予備能(IFR)値、血管抵抗値及び心筋抵抗(IMR)値の1以上の指標、前述の値の組み合わせ、前述の値及び他の値のうちの1以上の値の加重平均、並びに前述の値から導き出される値を含むが、それらに限定されない。
【0102】
図5A及び図5Bは、図1に関して記載したシステムのような血管内診断システムに接続されたディスプレイの典型的なユーザインタフェースのスクリーン150,152をそれぞれ描写している。インタフェーススクリーン150,152に関して、診断システム及びソフトウェアベースのツールUIA、UIB、UIC、UID及びUIEの様々な他のユーザインタフェースコンポーネントが示されている。ユーザインタフェースは、本明細書に記載するシステム及び方法を使用してステントを計画するためにエンドユーザによって使用される。システムの動作の一部として、処理された血管内データに関する情報をユーザに表示するために、1以上のユーザインタフェースソフトウェアモジュールが実行される。このディスプレイは、5つのrスクリーンで構成されている。第1のユーザインタフェーススクリーン160(UIA)は、関心の血管のOCT画像の斜視図である。第2のユーザインタフェーススクリーン164(UIV)は、ユーザインタフェーススクリーン160内のリング166によって示される血管の一部分の軸方向断面図である。図5Bに示すように、VSCが描写されないVFRは0.7であり、図示のFSCが描写されるならば、それはVFRpについての0.86の予測値まで増加する。
【0103】
ユーザインタフェースでリングを動かすことによって、異なる断面をユーザインタフェーススクリーン164に示してよい。ユーザインタフェーススクリーン168(UID)は、ユーザインタフェーススクリーン160上の血管の様式化された縦断面である。ユーザインタフェーススクリーン(UIC)は、ユーザインタフェーススクリーン168(UID)内の血管表現について測定された且つ/或いは決定された値の詳細を示している。医師が適合を決定できるよう、ステントが縦断面上に配置される。黒い垂直の帯は、血管の枝である。ユーザインタフェーススクリーン4は、ユーザインタフェーススクリーン160内の血管の実際の縦断面の画像である。両方のスクリーン168及び172上のライン176は、ユーザインタフェーススクリーン160上のリング166の場所にも対応する。インタフェーススクリーン168に示されるVSCは、ランディングゾーンLZ1及びLZ2の決定に基づいてユーザ調整可能であり或いは決定される。
【0104】
1つの実施形態において、ステント展開決定及びステント配置に影響を与える1以上の変数を最大化する最適化されたサーチが実行される。1つの実施形態において、そのような最適化されたサーチベースの手法は、各変数及び/又はそのような変数と関連付けられる重みをn次元空間における寸法として取り扱う。次に、結果として得られる寸法空間におけるピークは、特定された変数のうちの1以上(又は全部)を最適化するステントを表す。
【0105】
更に、別の実施形態では、機械学習アルゴリズムが、ステントを展開することについての現在の医師の慣行に基づいてトレーニングされる。ステント展開決定及びステント配置に影響を与える1以上の基準変数に基づいて提供される重み付けをアルゴリズムに教えることによってトレーニングを実施することができる。アルゴリズムトレーニングは、異なる種類の患者データ及び異なる種類の動脈を含むこともできる。従って、トレーニングされた特徴セット(feature set)を使用するならば、アルゴリズムは、血管内データを使用して生成されたステント留置されていない血管の新しい表現で提示されるときに、ステントのための適切な場所を予測することができる。
【0106】
図12A図12B、及び図12Cは、血管の表現を描写するステント計画及び診断分析のための例示的なユーザインタフェースを示している。図12Cでは、ユーザインタフェース550が、管腔303と様々な側枝SBとを備える47.0mmの血管によって分離された2つのランディングゾーンを示しており、クラスタ1(LZC1)と関連付けられたLZ及びクラスタ2(LZC2)と関連付けられたLZが示されている。3つの対応する病変をステント留置して、VFRを0.70から0.94の予測VFRに増大させることができる。
【0107】
最適化されたサーチ手法、機械学習アプローチ及び本明細書に記載する他の手法に関して、変数は、本明細書に記載する心血管パラメータ及び他のパラメータのうちのいずれかを含むことができ、他のパラメータは、(側枝への近接性、組織特性、又は他の要因に基づく)ランディングゾーンの質、1以上のステントの配置の結果として拘留される側枝の総面積、候補ランディングゾーン場所に存在する先細りの量、ユーザインタフェースを通じて制約として特定されるユーザの好み、(頸動脈、右冠動脈、左冠動脈、回旋動脈及び左前下行枝、及び適宜の他の動脈のような)動脈の種類に基づく位置的な場所、仮想血流予備能(VFR)値、流速、圧力値、最大流量、最小流量、1以上の血流予備能比(FFR)値、仮想血流予備能値、冠血流予備能(CFR)値、冠血流速度予備能(CFVR)値、瞬時血流予備能(IFR)値、血管抵抗値及び心筋抵抗(IMR)値の1以上の指数、前述の値の組み合わせ、前述の値及び他の値のうちの1以上の値の加重平均、並びに前述の値から導き出される値を含むが、それらに限定されない。
【0108】
(ステント計画、インタフェース及び開示の他の構成を実装するための非限定的なソフトウェア構成及び実施形態、)
以下の記述は、本明細書に記載する開示の方法を実行するのに適したデバイスハードウェア及び他の動作コンポーネントの概要を提供することを意図している。この記述は、適用可能な環境又は開示の範囲を限定することを意図しない。同様に、ハードウェア及び他の動作コンポーネントは、上述の装置の一部として適していてよい。本開示は、パーソナルコンピュータ、マルチプロセッサシステム、マイクロプロセッサベース又はプログラマブル電子デバイス、ネットワークPC、ミニコンピュータ、メインフレームコンピュータ、及び同等物を含む、他のシステム構成で実施されることができる。本開示は、タスクが、カテーテル又はカテーテルラボの異なる部屋におけるような通信ネットワークを通じてリンクされた遠隔処理デバイスによって実行される、分散型コンピューティング環境においても実施されることができる。
【0109】
本方法は、血管データを用いた自動ステント計画を容易にする。この血管データは、画像を生成するための距離測定値を含み得る撮像データが心臓動脈のような1以上の血管に関して得られる、血管内プルバックからのデータを含むことができる。1つの実施形態において、「自動的に(automatically)」及び「自動的(automatic)」という用語は、人間の介入がないことを意味する。例えば、ユーザは、血管内データ収集/診断システムを使用するときに、ステント計画ユーザインタフェースアイコン又は他の入力デバイス又は表現を選択することができる。その選択及び任意の他のユーザ選択又は入力基準に応答して、システムは、次に、1以上の候補仮想ステント及びユーザに表示される血管表現に対するその位置を自動的に生成することができる。ユーザがステント展開計画の一部として考慮するように、これらの候補ステント表現を自動的に作成することができる。上述に拘わらず、本明細書において議論する用語の範囲は、限定的であることを意図しておらず、むしろそれらの使用を明確にすること及び当業者に知られているような用語の最も広い意味を含むことを意図している。
【0110】
詳細な記述の幾つかの部分は、コンピュータメモリ内のデータビット上に動作のアルゴリズム及び記号表現のような方法の観点で提示される。これらのアルゴリズムの記述及び表現は、コンピュータ及びソフトウェア関連分野の熟練者によって使用されることができる。1つの実施形態において、アルゴリズムは、ここでは、そして、一般的に、所望の結果に導く動作の自己無矛盾シーケンスであるように着想される。方法ステップ又は本明細書に記載する他のものとして実行される動作は、物理量の物理的動作を必要とする動作である。通常、必ずしも必要ではないが、これらの量は、格納され、転送され、組み合わせられ、変換され、比較され、且つ他の方法で操作されることができる、電気信号又は磁気信号の形態を取る。
【0111】
以下の議論から明らかなように、他のことが特別に述べられない限り、本記述を通じて、「処理すること」又は「演算すること」又は「サーチすること」又は「示すこと」又は「削除すること」又は「測定すること」又は「計算すること」又は「比較すること」又は「クラスタリングすること」又は「交差すること」又は「生成すること」又は「検出すること」又は「決定すること」又は「表示すること」のような用語、又はブール論理又は他のセット関連動作又は同等物を利用する議論は、コンピュータシステム又は電子デバイスのレジスタ及びメモリ内の物理(電子)量として表されるデータを操作し、電子メモリ又はレジスタ又は他のそのような情報格納、送信又は表示デバイス内の物理量として同様に表される他のデータに変換する、コンピュータシステム又は電子デバイスの作用及び処理に言及している。
【0112】
本開示は、幾つかの実施形態において、本明細書中の動作を実行するための装置にも関する。この装置は、所要の目的のために特別に構成されてよく、或いは、この装置は、コンピュータ内に格納されるコンピュータプログラムによって選択的に作動させられるか或いは再構成される汎用コンピュータを含んでよい。様々な回路及びそれらの構成要素を用いて、本明細書に記載するデータ収集及び変換及び処理のうちの一部を実行することができる。
【0113】
本明細書で提示するアルゴリズム及び表示は、本来的に、任意の特定のコンピュータ又は他の装置と関連付けられない。様々な汎用システムが、本明細書中の教示に従ったプログラムと共に使用されてよく、或いは、所要の方法ステップを実行するためにより専用化された装置を構成することが便利であることが分かることがある。様々なこれらのシステムのための所要の構造は、本明細書中に提供される記述から現れるであろう。加えて、本開示は、如何なる特定のプログラミング言語をも参照して記載されておらず、よって、様々な実施形態は、様々なプログラミング言語を用いて実装されてよい。1つの実施形態において、ソフトウェア指令は、血管内撮像/血管データ収集システムのマイクロプロセッサ又はACIC上での動作のために構成される。
【0114】
本開示の実施形態は、プロセッサ(例えば、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、デジタル信号プロセッサ、又は汎用コンピュータ)と共に使用するためのコンピュータプログラムロジック、プログラマブル論理デバイス(例えば、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)又は他のPLD)、別個の構成要素、集積回路(例えば、特定用途向け集積回路(ASIC))と共に使用するためのプログラマブルロジック、又はそれらの任意の組み合わせを含む任意の他の手段を含む、多くの異なる形態で実施されてよいが、それらに如何様にも限定されない。
【0115】
本開示の典型的な実施形態では、OCTプローブ、IVUSプローブ、他の撮像プローブ、血管造影システム、他の撮像及び対象モニタリングデバイス並びにプロセッサベースのシステムを使用して収集されるデータの処理の一部又は全部が、コンピュータ実行可能な形式に変換され、そのようにしてコンピュータ可読媒体内に格納され、且つオペレーティングシステムの制御の下でマイクロプロセッサによって実行される、コンピュータプログラム指令のセットとして実装される。よって、例えば、プルバック又は共同位置合わせ(co-registration)要求の完了に基づくユーザインタフェース指令及びトリガは、血管内データを生成するのに適し、上述の様々な構成及び実施形態を用いて画像処理を行うのに適した、プロセッサ理解可能な指令に変換される。
【0116】
加えて、本明細書に記載するユーザインタフェース命令、ユーザクエリ、システム応答、送信されるプローブデータ、入力データ及び他のデータ及び信号は、ユーザインタフェース選択に応答し、グラフィカルユーザインタフェース、制御及びグラフィック信号処理を制御し、他のデータ収集モダリティからの断面情報、レンダリングされたステント及びガイドワイヤ及び画像を表示し、ステント及びインジケータ及び他の血管内データを生成及び表示し、OCT、血管造影を表示し、陰影を検出し、ピーク及び上述のようなグラフィックユーザインタフェース及び他の構成及び実施形態の一部としての他のデータを検出するのに適した、プロセッサ理解可能な指令に変換される。GUI構成要素又は制御装置、値、又はグラフィカルユーザインタフェースにおける別の表現としての表示に適した、データ及びパラメータは、ガイドワイヤ、アポジションバー、ユーザインタフェースパネル、マスク、ステント支柱、欠落データ表現、管腔曲線データ、陰影、血管造影表現、三次元及び二次元レンダリング及びビュー、前述の構成及び本明細書に記載する他の構成から抽出又は導出されるデータ及び画像を含むことができるが、それらに限定されない。
【0117】
本明細書において前述した機能性の全部又は一部を実装するコンピュータプログラム論理は、ソースコード形式、コンピュータ実行可能な形式、及び様々な中間形式(例えば、アセンブラ、コンパイラ、リンカー、又はロケータによって生成される形式)を含む、様々な形式において具現されてよいが、それらに如何様にも限定されない。ソースコードは、様々なオペレーティングシステム又は動作環境と共の使用するために、様々なプログラミング言語(例えば、オブジェクトコード、アセンブリ言語、又はFortran、C、C++、Java、又はHTMLのような高水準言語)のうちのいずれかで実行される、一連のコンピュータプログラム指令を含んでよい。ソースコードは、様々なデータ構造及び通信メッセージを定義して使用してよい。ソースコードは、(例えば、インタプリタを介して)コンピュータ実行可能な形式であってよく、或いは、ソースコードは、(例えば、トランスレータ、アセンブラ、又はコンパイラを介して)コンピュータ実行可能な形式に変換されてよい。
【0118】
コンピュータプログラムは、半導体メモリデバイス(例えば、RAM、ROM、PROM、EEPROM、又はフラッシュプログラマブルRAM)、磁気メモリデバイス(例えば、ディスケット又は固定ディスク)、光学メモリデバイス(例えば、CD-ROM)、PCカード(例えば、PCMCIAカード)、又は他のメモリデバイスのような、有形の記憶媒体に恒久的に又は一時的に、任意の形式(例えば、ソースコード形式、コンピュータ実行可能な形式、又は中間形式)において固定されてよい。コンピュータプログラムは、アナログ技術、デジタル技術、光学技術、無線技術(例えば、ブルートゥース(登録商標))、ネットワーキング技術、及びインターネットワーキング技術を含むが、それらに如何様にも限定されない、様々な通信技術のうちのいずれかを用いて、コンピュータに送信可能な信号中に任意の形態で固定されてよい。コンピュータプログラムは、付随する印刷又は電子文書(例えば、収縮包装されたソフトウェア)を備える取り外し可能な記憶媒体のような任意の形態で配布されてよく、コンピュータシステムで(例えば、システムROM又は固定ディスク上に)プリロードされてよく、或いは通信システム(例えば、インターネット又はワールドワイドウェブ)を通じてサーバ又は電子掲示板から配布されてよい。
【0119】
本明細書中で前述した機能性の全部又は一部を実装する(プログラマブル論理デバイスと共に使用するためのプログラマブル論理を含む)ハードウェア論理が、従来的な手動方法を用いて設計されてよく、或いはコンピュータ支援設計(CAD)、ハードウェア記述言語(例えば、VHDL又はAHDL)、又はPLDプログラミング言語(例えば、PALASM、ABEL、又はCUPL)のような、様々なツールを用いて、電子的に設計され、捕捉され、シミュレートされ、或いは文書化されてよい。
【0120】
プログラマブル論理は、半導体メモリデバイス(例えば、RAM、ROM、PROM、EEPROM、又はフラッシュプログラマブルRAM)、磁気メモリデバイス(例えば、ディスケット又は固定ディスク)、光学メモリデバイス(例えば、CD-ROM)、又は他のメモリデバイスのような、有形の記憶媒体に恒久的に又は一時的に固定されてよい。プログラマブル論理は、アナログ技術、デジタル技術、光学技術、無線技術(例えば、ブルートゥース)、ネットワーキング技術、及びインターネットワーキング技術を含むが、それらに如何様にも限定されない、様々な通信技術のうちのいずれかを用いて、コンピュータに送信可能な信号中に固定されてよい。プログラマブル論理は、付随する印刷又は電子文書(例えば、収縮包装されたソフトウェア)を備える取り外し可能な記憶媒体のような配布されてよく、コンピュータシステムで(例えば、システムROM又は固定ディスク上に)プリロードされてよく、或いは通信システム(例えば、インターネット又はワールドワイドウェブ)を通じてサーバ又は電子掲示板から配布されてよい。
【0121】
適切な処理モジュールの種々の例を以下でより詳細に議論する。本明細書で使用するとき、モジュールは、特定のデータ処理又はデータ伝送タスクを実行するのに適したソフトウェア、ハードウェア、又はファームウェアを指す。1つの実施形態では、モジュールは、血管内データ、血管造影データ、OCTデータ、IVUSデータ、オフセット、陰影、ピクセル、強度パターン、テーパ角度、テーパ量、ステント長、ステント幅、ステント拡張、ランディングゾーン位置、側枝方向、クラスタ決定、クラスタオーバーラップ/交差分析、ステント向き、側枝位置に対するステント位置、ユーザインタフェースデータ、制御信号、血管造影データ、ユーザ行動、干渉計信号データ、検出されたステント、候補仮想ステント、スコア、SES値、VFR値、管腔輪郭、及び本明細書に記載するような関心の他の情報のような、様々な種類のデータ、又は指令を受信し、変換し、経路指定し、且つ処理するのに適した、ソフトウェアルーチン、プログラム、又は他のメモリ常駐アプリケーションを指す。
【0122】
本明細書に記載するコンピュータ及びコンピュータシステムは、データの取得し、処理し、格納し、且つ/或いは通信するのに使用される、ソフトウェアアプリケーションを格納するためのメモリのような、動作的に関連付けられたコンピュータ可読媒体を含んでよい。そのようなメモリは、その動作的に関連付けられるコンピュータ又はコンピュータシステムに対して内部的、外部的、遠隔、又はローカルであり得ることが理解されることができる。
【0123】
メモリは、例えば、ハードディスク、光ディスク、フロッピーディスク、DVD(デジタル多用途ディスク)、CD(コンパクトディスク)、メモリスティック、フラッシュメモリ、ROM(読出し専用メモリ)、RAM(ランダムアクセスメモリ)、DRAM(ダイナミックランダムアクセスメモリ)、PROM(プログラマブルROM)、EEPROM((拡張された消去可能なPROM)、及び/又は他の同様のコンピュータ可読媒体を含むが、それらに限定されない、ソフトウェア又は他の指令を格納するための任意の手段を含んでもよい。
【0124】
一般的に、本明細書に記載する開示の実施形態に関連して適用されるコンピュータ可読メモリ媒体は、プログラマブル装置によって実行される指令を格納することができる任意のメモリ媒体を含んでよい。適用可能な場合、本明細書に記載する方法ステップは、コンピュータ可読媒体又はメモリ媒体上に格納された指令として具現されてよく或いは実行されてよい。これらの指令は、C++、C、Javaのような様々なプログラミング言語及び/又は開示の実施形態に従って指令を作成するように適用されてよい様々な他の種類のソフトウェアプログラミング言語で具現されたソフトウェアであってよい。
【0125】
「機械可読媒体」又は「コンピュータ可読媒体」という用語は、機械による実行のための命令のセットを格納し、符号化し、或いは担持することができる、並びに、機械に本開示の方法のうちの任意の1以上を実行させる、任意の媒体を含む。機械可読媒体は、例示的な実施形態において単一の媒体であるように示されているが、「機械可読媒体」という用語は、1以上の指令のセットを格納する単一の媒体又は複数の媒体(例えば、データベース、1以上の集中型又は分散型データベース並びに/或いは関連するキャッシュ及びサーバ)を含むものと理解されるべきである。
【0126】
記憶媒体は、非一時的であってよく、或いは非一時的なデバイスを含んでよい。従って、非一時的記憶媒体又は非一時的デバイスは、有形であるデバイスを含んでよく、それはデバイスが具体的な物理的形態を有するが、デバイスがその物理的状態を変えることがあることを意味する。よって、例えば、非一時的は、その状態の変化にも拘わらず有形のままであるデバイスを指す。
【0127】
開示の態様、実施形態、構成、及び例は、全ての点で例示的と考えられるべきであり、開示を制限することを意図するものでなく、その範囲は、請求項によってのみ定義される。他の実施形態、修正、及び使用は、請求される発明の精神及び範囲から逸脱することなく当業者には明らかであろう。
【0128】
本出願における見出し及びセクションの使用は、発明を限定することを意図するものでなく、各セクションは、発明の任意の態様、実施形態又は構成に当て嵌まることができる。
【0129】
本出願を通じて、組成物が特定の構成要素を有するか、包含するか、或いは含むものとして記載されている場合、又はプロセスが特定の処理ステップを有するか、包含するか、或いは含むものとして記載されている場合、本教示の組成物が列挙される構成要素で本質的に構成されるか或いは構成されること並びに本教示のプロセスが列挙されるプロセスステップで本質的に構成されるか或いは構成されることも想定される。
【0130】
本出願において、ある要素又はある構成要素が、列挙された要素又は構成要素のリストに含まれる且つ/或いはそのようなリストから選択されると言われる場合には、要素又は構成要素は、列挙される要素又は構成要素のうちのいずれか1つであることができ、列挙される要素又は構成要素のうちの2以上(2つ又はそれよりも多く)からなる群から選択され得ることが理解されるべきである。更に、本明細書に記載する組成物、装置、又は方法の要素及び/又は構成は、本明細書中で明示的あろうが暗示的であるが、本教示の精神及び範囲から逸脱することなく、様々な方法において組み合わせられ得ることが理解されるべきである。
【0131】
「含む(include)」、「含む(includes)」、「含む(including)」、「有する(have)」、「有する(has)」、又は「有する(having)」という用語の使用は、特段の断りのない限り、開放端であり非限定的として概ね理解されるべきである。
【0132】
本明細書における単数の使用は、特段の断りのない限り、複数を含む(逆もまた同様である)。その上、単数形は、文脈が明確に他のことを示さない限り、複数形を含む。加えて、「約」という用語の使用が定量値の前にある場合、本教示は、特段の断りのない限り、特定の定量値自体も含む。本明細書において使用するとき、「約」という用語は、公称値からの±10%の変動を指す。
【0133】
特定の行為を実行するステップ又は順序は、本教示が動作可能なままである限り、重要でないことが理解されるべきである。その上、2以上のステップ又は行為が同時に行われてよい。本明細書で提示する例は、本開示の潜在的な及び特定の実施を例示することを意図している。例は、当業者のための開示の例示の目的のために主として意図されることが理解されることができる。本開示の精神から逸脱することなく、これらの図面又は本明細書に記載する動作に対する変更があってよい。例えば、特定の場合において、方法ステップ又は操作は、異なる順序で遂行又は実行されてよく、或いは、操作は、追加されてよく、削除されてよく、或いは修正されてよい。
【0134】
ある範囲又はリストの値が提供される場合には、その範囲又はリストの値の上限と下限との間の各介在値が個別に想定され、各値が本明細書に具体的に列挙されているかのように本発明内に包含される。加えて、所与の範囲の上限と下限との間の並びにそのような上限及び下限を含むより小さい範囲が想定され、本発明の範囲内に包含される。例示的な値又は範囲のリストは、所与の範囲の上限と下限との間の並びにそのような上限及び下限を含む他の値を放棄するものでない。
【0135】
更に、本開示の特定の実施形態は、開示を記載する目的のために本明細書に記載されたものであり、それを制限する目的のために記載されたものでないが、要素、ステップ、構造、及び/又は部品の詳細、材料及び配置の数多くの変形が、請求項に記載される開示から逸脱せずに本開示の原理及び範囲内で行われてよいことが、当業者によって理解されるであろう。
【0136】
その上、本開示の特定の実施形態は、本開示を例示する目的のために本明細書に記載されたものであり、それを制限する目的で記載されたものでないが、要素、ステップ、構造、及び/又は部品の詳細、材料及び配置の数多くの変形が、請求項に記載される開示から逸脱せずに本開示の原理及び範囲内で行われてよいことが、当業者によって理解されるであろう。
図1
図2A
図2B
図2C
図3A
図3B
図4A
図4B
図5A
図5B
図6
図7
図8A-8E】
図8F-8G】
図9-11】
図12A-12C】
【手続補正書】
【提出日】2022-12-28
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ステント計画情報を自動表示するためのシステムであって、
1つ又はそれよりも多くの電子メモリデバイスと、
前記1つ又はそれよりも多くの電子メモリデバイスと通信する1つ又はそれよりも多くのプロセッサとを含み、
前記1つ又はそれよりも多くの電子メモリデバイスは、前記1つ又はそれよりも多くのプロセッサによって実行可能な指令を含み、該指令は、前記1つ又はそれよりも多くのプロセッサに、
血管を通じて引き戻された血管内プローブを用いて生成される血管内データから管腔距離ベースの値のセットを計算し、
前記管腔距離ベースの値のセットから局所最大のセットを特定し、ここで、1つ又はそれよりも多くの局所最大は、潜在的なステントランディングゾーンと相関しており、
前記1つ又はそれよりも多くの局所最大に対応する前記血管内データ内の1つ又はそれよりも多くのフレームを決定し、
前記局所最大のセットに関連して、サーチ窓の境界に配置される1つ又はそれよりも多くのフレームのペアの全ての組み合わせを特定することによって候補ステントランディングゾーンのセットを決定し、ここで、サーチ窓の大きさは、1つ又はそれよりも多くのステントの長さであり、
候補ランディングゾーンの各ペアについて、候補ランディングゾーンの各ペアでの所与の距離及び長さの仮想ステントの配置に由来するステント有効性スコア(SES)を生成し、
前記ステント有効性スコアに基づいて決定されるランディングゾーンによって定義される少なくとも1つの仮想ステントの表示及び前記仮想ステントの効果の表示を含む表示を提供する
ことを実行させる、システム。
【請求項2】
前記管腔距離ベースの値は、管腔面積、管腔半径、管腔直径、管腔弦、及び管腔の境界上の点から測定される距離で構成される群から選択される、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記1つ又はそれよりも多くのプロセッサによって実行可能な指令を更に含み、該指令は、前記1つ又はそれよりも多くのプロセッサに、
前記ステント有効性スコアをランク付けし、
前記ステント有効性スコアのランキングに基づいて決定されるランディングゾーンによって定められる1つ又はそれよりも多くの仮想ステントを特定する
ことを実行させ、
前記1つ又はそれよりも多くの仮想ステントは、前記血管のセグメントの表現に対して表示される、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記1つ又はそれよりも多くのプロセッサによって実行可能な指令を更に含み、該指令は、前記1つ又はそれよりも多くのプロセッサに、ステント長を有するステントの表現を生成し、第1のランディングゾーン及び第2のランディングゾーンに配置される前記ステントの前記表現を表示のために提供することを実行させ、前記第1のランディングゾーン及び前記第2のランディングゾーンは、前記ステント有効性スコアに対応する、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記1つ又はそれよりも多くのプロセッサによって実行可能な指令を更に含み、該指令は、前記1つ又はそれよりも多くのプロセッサに、1つ又はそれよりも多くの重み係数で前記ステント有効性スコアを調節することを実行させる、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記1つ又はそれよりも多くの重み係数は、前記ランディングゾーンの質、前記ステントによって覆われる全ての枝の管腔総面積、血管の先細りの量、医者の好みに基づくステント限界、及び動脈の種類に基づく制約のうちの1つ又はそれよりも多くを含む、請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記1つ又はそれよりも多くのプロセッサによって実行可能な指令を更に含み、該指令は、前記1つ又はそれよりも多くのプロセッサに、ステント表現を使用して血管の表現をモーフィングし、前記ステント有効性スコアを決定するのに適した血管内パラメータの変化を計算することを実行させる、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記ステント有効性スコアを生成することは、
前記1つ又はそれよりも多くのプロセッサが、前記ステントを配置することに先立ち前記血管についての第1の仮想血流予備能比(VFR)を計算することと、
前記1つ又はそれよりも多くのプロセッサが、前記ステントを配置することに続いて前記血管についての第2のVFRを計算することと、
前記1つ又はそれよりも多くのプロセッサが、前記第2のVFRから前記第1のVFRを減算して、ステント配置に応答するVFRの変化を取得することと、
前記1つ又はそれよりも多くのプロセッサが、前記ステントの長さによってVFRの変化を分割することと
を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記1つ又はそれよりも多くのプロセッサが、エンドユーザ設定の標的VFR以上の予測VFRによるステント有効性スコアを有する1つ又はそれよりも多くの仮想ステントを選択するように更に構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
前記1つ以上のプロセッサは、前記候補ランディングゾーンによって境界付けられる仮想ステントのクラスタベースの分析を実行するように更に構成され、表示のために、仮想ステントの少なくとも1つの表示を提供することは、前記クラスタベースの分析に基づいている、請求項1に記載のシステム。
【外国語明細書】