(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023005192
(43)【公開日】2023-01-18
(54)【発明の名称】スクリーン装置
(51)【国際特許分類】
G03B 21/58 20140101AFI20230111BHJP
【FI】
G03B21/58
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021106957
(22)【出願日】2021-06-28
(71)【出願人】
【識別番号】000134958
【氏名又は名称】株式会社ニチベイ
(74)【代理人】
【識別番号】100182349
【弁理士】
【氏名又は名称】田村 誠治
(72)【発明者】
【氏名】横山 匡芳
(72)【発明者】
【氏名】外村 英章
【テーマコード(参考)】
2H021
【Fターム(参考)】
2H021AA03
2H021AA05
(57)【要約】
【課題】装置構造が簡易で設置が容易なスクリーン装置を提供する。
【解決手段】スクリーン装置100は、スクリーン110と、スクリーン110を引き出し及び引き戻し可能に収納可能なケース120と、ケース120から引き出されたスクリーン110をケース120の上方に張設可能なサイドアーム130と、を備え、ケース120は、サイドアーム130を着脱自在に立設可能であるとともに、サイドアーム130を収納可能であることを特徴とする。かかる構成によれば、装置構造が簡易で設置が容易なスクリーン装置を実現することができる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
スクリーンと、
前記スクリーンを引き出し及び引き戻し可能に収納可能なベース部と、
前記ベース部から引き出された前記スクリーンを前記ベース部の上方に張設可能な支柱部材と、を備え、
前記ベース部は、前記支柱部材を着脱自在に立設可能であるとともに、前記支柱部材を収納可能であることを特徴とする、スクリーン装置。
【請求項2】
前記ベース部は、前記支柱部材を挿嵌させて収納可能な収納部を設けたことを特徴とする、請求項1に記載のスクリーン装置。
【請求項3】
前記支柱部材は、前記スクリーンの左右両端部を支持するように一対立設され、
前記収納部は、前記ベース部の前方側と後方側とに設けられ、一対の前記支柱部材をそれぞれ収納可能であることを特徴とする、請求項2に記載のスクリーン装置。
【請求項4】
前記収納部には、収納された前記支柱部材を保持する収納保持部が形成されていることを特徴とする、請求項2又は3に記載のスクリーン装置。
【請求項5】
前記スクリーンの上端部には上部支持部材が連結されており、
前記支柱部材は、前記上部支持部材を挿通し、前記上部支持部材を摺動可能に支持することを特徴とする、請求項1~4のいずれかに記載のスクリーン装置。
【請求項6】
スクリーンと、
前記スクリーンの上端部に連結された上部支持部材と、
前記スクリーンを引き出し及び引き戻し可能に収納可能なベース部と、
前記上部支持部材を挿通し、摺動可能に支持することにより、前記ベース部の上方に前記スクリーンを張設可能な支柱部材と、を備え、
前記ベース部は、前記支柱部材を着脱自在に立設可能であることを特徴とする、スクリーン装置。
【請求項7】
前記ベース部には、前記支柱部材の下端部を保持可能な保持部が形成され、
前記上部支持部材の端部近傍には、前記支柱部材が挿通可能な挿入口が形成され、
前記支柱部材は前記挿入口を介して前記保持部に保持されることを特徴とする、請求項5又は6に記載のスクリーン装置。
【請求項8】
前記上部支持部材及び前記ベース部のうち少なくとも一方には、前記挿入口と前記保持部の位置を一致させるように前記ベース部と前記上部支持部材の位置を決める位置決め部が形成されることを特徴とする、請求項7に記載のスクリーン装置。
【請求項9】
前記保持部には、前記支柱部材の下端部と係合及び係合解除が可能な支柱部材係合部が形成されることを特徴とする、請求項8に記載のスクリーン装置。
【請求項10】
前記スクリーンが前記ベース部に収納されたとき、前記ベース部の上部に前記上部支持部材が突出し、
前記ベース部の底部には凹部が設けられており、
下に配置される前記ベース部の上部から突出した前記上部支持部材を上に配置される前記ベース部の前記凹部に収納して複数の前記ベース部を上下にスタック可能であることを特徴とする、請求項5~9のいずれかに記載のスクリーン装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スクリーン装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のスクリーン装置として、特開平11-002870号公報(特許文献1)に示されるものがある。同文献に開示されるスクリーン装置においては、ケース内にスクリーンを巻取り収納するスクリーン巻取収納部を設け、スクリーンを上方に引き出した際には、スクリーン支承体をケースから引き起こしてスクリーンの左右に取り付け、スクリーンを収納した際には、スクリーン支承体を回動させてケース内に没入させる。このように、スクリーン装置を使用する際には容易にスクリーンを引き出すことができ、使用しない際には容易にスクリーンを収納することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に開示されるような従来のスクリーン装置では、スクリーンを張設するためのスクリーン支承体をケースに対して回動可能な構成としているため、装置構造が複雑になるという問題があった。
【0005】
そこで本発明は、このような問題に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、装置構造が簡易で設置が容易なスクリーン装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明の第1の観点によれば、スクリーンと、前記スクリーンを引き出し及び引き戻し可能に収納可能なベース部と、前記ベース部から引き出された前記スクリーンを前記ベース部の上方に張設可能な支柱部材と、を備え、前記ベース部は、前記支柱部材を着脱自在に立設可能であるとともに、前記支柱部材を収納可能であることを特徴とする、スクリーン装置が提供される。
【0007】
かかる構成によれば、装置構造が簡易で設置が容易なスクリーン装置を実現することができる。
【0008】
本発明は様々な応用が可能である。例えば、前記ベース部は、前記支柱部材を挿嵌させて収納可能な収納部を設けてもよい。かかる構成によれば、支柱部材を折りたたみ式にしたり伸縮させたりして収納する複雑な構造にせずともベース部に収納することができるため、簡易な装置構造とすることができる。また、支柱部材を挿嵌させて収納しているため、使用する際には容易に取り出すことができる。
【0009】
また、前記支柱部材は、前記スクリーンの左右両端部を支持するように一対立設され、前記収納部は、前記ベース部の前方側と後方側とに設けられ、一対の前記支柱部材をそれぞれ収納可能であってもよい。かかる構成によれば、一対の支柱部材をベース部の前方側と後方側とに収納できる構造であるため、スクリーンの土台を兼ねるベース部の形状を前後方向の一方側に偏らせずに形成することができる。
【0010】
また、前記収納部は、挿嵌された前記支柱部材を収納状態で保持する収納保持部を設けてもよい。かかる構成によれば、収納部に収納された支柱部材が不用意に脱落しないように保持することができる。
【0011】
また、前記スクリーンの上端部には上部支持部材が連結されており、前記支柱部材は、前記上部支持部材を挿通し、前記上部支持部材を摺動可能に支持するようにしてもよい。かかる構成によれば、一対の支柱部材を上部支持部材に挿通させるだけでベース部に立設させることができる。
【0012】
また、本発明の第2の観点によれば、スクリーンと、前記スクリーンの上端部に連結された上部支持部材と、前記スクリーンを引き出し及び引き戻し可能に収納可能なベース部と、前記上部支持部材を挿通し、摺動可能に支持することにより、前記ベース部の上方に前記スクリーンを張設可能な支柱部材と、を備え、前記ベース部は、前記支柱部材を着脱自在に立設可能であることを特徴とする、スクリーン装置が提供される。
【0013】
かかる構成によれば、装置構造が簡易で設置が容易なスクリーン装置を実現することができる。
【0014】
また、前記ベース部には、前記支柱部材の下端部を保持可能な保持部が形成され、前記上部支持部材の端部近傍には、前記支柱部材が挿通可能な挿入口が形成され、前記支柱部材は前記挿入口を介して前記保持部に保持されるようにしてもよい。かかる構成によれば、支柱部材の下端を保持する保持部を、上部支持部材の挿入口と連通させることで、支柱部材を上部支持部材を介してベース部まで挿通させることができる。
【0015】
また、前記上部支持部材及び前記ベース部のうち少なくとも一方には、前記挿入口と前記保持部の位置を一致させるように前記ベース部と前記上部支持部材の位置を決める位置決め部が形成されるようにしてもよい。かかる構成によれば、位置決め部によってベース部に対する上部支持部材の長手方向の移動が規制されることで、支柱部材を適切な位置において挿入口に挿通させることができる。
【0016】
また、前記保持部には、前記支柱部材の下端部と係合及び係合解除が可能な支柱部材係合部が形成されるようにしてもよい。かかる構成によれば、保持部内に支柱部材係合部を設けたことで、ベース部から支柱部材が不用意に外れてしまうことを防止できる。
【0017】
また、前記スクリーンが前記ベース部に収納されたとき、前記ベース部の上部に前記上部支持部材が突出し、前記ベース部の底部には凹部が設けられており、下に配置される前記ベース部の上部から突出した前記上部支持部材を上に配置される前記ベース部の前記凹部に収納して複数の前記ベース部を上下にスタック可能であってもよい。かかる構成によれば、複数のベース部を安定させてコンパクトにスタックすることができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、装置構造が簡易で設置が容易なスクリーン装置を提供することができる。本発明のその他の効果については、後述する発明を実施するための形態においても説明する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】第1の実施形態のスクリーン装置100の全体構成を示す正面図である。
【
図2】収納状態にあるスクリーン装置100の平面図である。
【
図3】収納状態にあるスクリーン装置100の斜視図であり、(a)は全体構成を示し、(b)は一端側を拡大して示す。
【
図4】収納状態にあるスクリーン装置の一端部側を示す図であり、(a)は正面図であり、(b)は底面図である。
【
図6】収納状態にあるスクリーン装置100の側面図である。
【
図7】スクリーン装置100の端部近傍を示す図であり、(a)は
図6のB-B断面図であり、(b)は
図6のC-C断面図である。
【
図8】サイドアーム130を示す図であり、(a)は斜視図であり、(b)は側面図である。
【
図9】スクリーン装置100を使用状態に切り替える手順を示す斜視図であり、スタンド150を広げてサイドアーム130を引き出した状態を示す。
【
図10】サイドアーム130をサイドキャップ123に支持させる手順を示す斜視図であり、(a)はサイドアーム130をサイドキャップ123に挿入する前の状態を示し、(b)はサイドアーム130を下側係合部126に係合させた状態を示す。
【
図11】サイドアーム130をサイドキャップ123から外す手順を示す断面図であり、(a)はサイドアーム130と下側係合部126とが係合された状態を示し、(b)はサイドアーム130と下側係合部126との係合を解除した状態を示す。
【
図12】トップレール140を展開位置で停止させる手順を示す斜視図であり、(a)はトップレール140をサイドアーム130に沿って上昇させている状態を示し、(b)はトップレール140をサイドアーム130に係止した状態を示す。
【
図13】トップレール140とサイドアーム130との係止を解除する手順を示す正面図であり、(a)はトップレール140をサイドアーム130に係止した状態を示し、(b)はトップレール140とサイドアーム130との係止を解除した状態を示す。
【
図14】トップレール140とサイドアーム130との係止を解除する手順を示す断面図であり、(a)はトップレール140をサイドアーム130に係止した状態を示し、(b)はトップレール140とサイドアーム130との係止を解除した状態を示す。
【
図15】スタンド150の動作を示す底面図であり、(a)はスタンド150を開から閉に切り替えた状態を示し、(b)はスタンド150を途中角度で保持した状態を示す。
【
図16】スタンド150の動作を示す平面図であり、(a)はスタンド150を閉じた状態を示し、(b)はスタンド150を途中角度まで開いた状態を示し、(c)はスタンド150を開いた状態を示す。
【
図17】サイドアーム130をサイドキャップ123に支持させる手順を示す斜視図であり、(a)は収納状態を示し、(b)はサイドアーム130をサイドキャップ123に支持させる状態を示す。
【
図18】スクリーン110をケース(ベース部)120の上方に張設する手順を示す斜視図であり、(a)はトップレール140をサイドアーム130に沿って上昇させている状態を示し、(b)はスクリーン110をケース120の上方に張設した状態を示す。
【
図19】複数台のスクリーン装置100を配置した平面図であり、(a)は直線状に配置した状態を示し、(b)は十字状に配置した状態を示す。
【
図20】複数台のスクリーン装置100をスタックする状態を示す図であり、(a)は2つのスクリーン装置100をスタックする直前の状態を示す側面図であり、(b)は2つのスクリーン装置100をスタックした状態を示す側面図であり、(c)は2つのスクリーン装置100をスタックした状態を示す斜視図である。
【
図21】第2の実施形態のスクリーン装置200を示す側面図であり、(a)はサイドアーム230をサイドキャップ223に支持させる前の状態を示し、(b)はサイドアーム230をサイドキャップ223に支持させた状態を示す。
【
図22】第3の実施形態のスクリーン装置300を示す図であり、(a)はトップレール340をケース120から引き上げた状態を示す斜視図であり、(b)は収納状態のスクリーン装置300を示す斜視図であり、(c)は収納状態のスクリーン装置300を示す
図6のB-B断面図に相当する図である。
【
図23】第4の実施形態のスクリーン装置400を示す斜視図であり、(a)はサイドアーム430に沿ってトップレール140を上方に摺動させている状態を示し、(b)はサイドアーム430の途中にトップレール140を係止させた状態を示す。
【
図24】第5の実施形態のスクリーン装置500を示す図であり、(a)はジョイント570を取り外した状態を示す斜視図であり、(b)は2つのスクリーン装置500をジョイント570で連結した状態を示す平面図であり、(c)は3つのスクリーン装置500をジョイント570で連結した状態を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0021】
(第1の実施形態)
本実施形態に係るスクリーン装置100の全体の構成について、
図1~
図3を参照しながら説明する。
図1は、本実施形態のスクリーン装置100の全体構成を示す正面図である。
図2は、収納状態にあるスクリーン装置100の平面図である。
図3は、収納状態にあるスクリーン装置100の斜視図である。スクリーン装置100は、
図1に示したように、スクリーン110と、スクリーン110を引き出し及び引き戻し可能に収納可能なケース(ベース部)120と、ケース120から引き出されたスクリーン110をケース120の上方に張設可能なサイドアーム(支柱部材)130と、スクリーン110の上端部に連結され、サイドアーム130に摺動可能に支持されるトップレール(上部支持部材)140と、ケース120の左右端部下面に回動可能に設けられるスタンド(脚部材)150と、を備える。そして、ケース120は、サイドアーム130を着脱自在に立設可能であるとともに、収納可能に構成される。以下、スクリーン装置100の各構成要素について説明する。
【0022】
(スクリーン110)
スクリーン110は、開口部を遮蔽するものである。スクリーン110は、
図1に示したように、下端がケース120内に設けられている巻取パイプ160に巻取り及び巻解き可能に連結されており、ケース120に引き出し及び引き戻し可能に収納可能である。スクリーン110は、サイドアーム130によってケース120の上方に張設可能である。スクリーン110の上端部にはトップレール140が連結されている。
【0023】
(ケース120)
ケース120は、スクリーン110を引き出し及び引き戻し可能に収納可能なものである。ケース120は、
図1に示したように、スクリーン110を収容可能な幅の長尺状に構成されている。ケース120には、主に、スクリーン110が巻取り及び巻解き可能に連結される巻取パイプ160とスクリーン110を張設可能なサイドアーム130が収納される。ケース120の構成について、さらに
図4~
図7も参照しながら詳細に説明する。
図4は、収納状態にあるスクリーン装置100の一端部側を示す図である。
図5は、
図4のA-A断面図である。
図6は、収納状態にあるスクリーン装置100の側面図である。
図7は、スクリーン装置100の端部近傍を示す断面図である。
【0024】
ケース120には、
図2及び
図5に示したように、一対のサイドアーム130を挿嵌させて収納可能なサイドアーム収納部121が巻取パイプ160を挟んで前後方向の対称位置に設けられる。また、サイドアーム収納部121は、
図5に示すようにケース120の前方側と後方側の下方に設けられているため、巻取パイプ160の巻径を大きくするための十分なスペースをケース120内に確保することができる。また、ケース120は、上部にトップレール140を収容可能なトップレール収容窪み122が形成されている。トップレール収容窪み122は、トップレール140を収容することにより、前後方向の移動を規制する。
【0025】
ケース120の両端には、
図2及び
図3に示したように、サイドキャップ123が設けられている。なお、本実施形態では、ケース120とサイドキャップ123とを別体としたが、一体の構成としてもよい。サイドキャップ123は、中空であり、平面視において略台形状である。すなわち、サイドキャップ123は、ケース120の左右方向に対して略垂直に形成される垂直端面123aと、垂直端面123aの両端からケース120の前後方向に略45度を成して対称に形成された2つの傾斜端面123bと、からなる。サイドキャップ123は、
図6に示したように、側面視において略H字状である。
【0026】
なお、本実施形態では、傾斜端面123bの角度を略45度としたが、垂直端面123aに対して90度未満であれば、任意に設計することができる。傾斜端面123bの角度によって複数のスクリーン装置100を連結した際にスクリーン110の角度が変更される。
【0027】
スクリーン110の端部の位置は、巻取パイプ160の長さに影響されるが、巻取パイプ160は、サイドキャップ123の傾斜端面123bにかかる箇所まで伸ばすことができない。この点、サイドキャップ123は、平面視において略台形状であるため、左右方向における傾斜端面123bの長さが短い。このため、傾斜端面123bを有するスクリーン装置100であっても、スクリーン装置100の端部近傍まで巻取パイプ160を配置することができる。よって、スクリーン110はスクリーン装置100の端部近傍まで配置される。
【0028】
サイドキャップ123の略H字状の上部の窪み部分は、
図6に示したように、サイドキャップ123内に挿入されるサイドアーム130の下端を保持可能な保持部124を構成している。保持部124には、
図7(a)に示したように、案内キャップ142のサイドアーム挿入口146と連通する開口が形成されており、サイドアーム130は、サイドアーム挿入口146とともに保持部124を挿通する。また、保持部124には、トップレール140の両端部に設けられる案内キャップ142が収容される。保持部124は、トップレール140の前後方向の移動を規制する。
【0029】
サイドキャップ123の保持部124には、
図7(a)に示したように、正面視において位置決め凹部124aが形成されている。位置決め凹部124aには、案内キャップ142の位置決め凸部144が嵌り合って、トップレール140の左右(長手)方向の移動が規制される。よって、サイドキャップ123の保持部124と位置決め凹部124aによってトップレール140の位置決めがされる。
【0030】
保持部124には、
図7(a)に示したように、サイドキャップ123のケース120に当接する面の下部に、ケース120から離間する方向に階段状に突出する階段部123cが形成されている。階段部123cは、ケース120の左右方向に弾性変形可能である。階段部123cの下端はサイドアーム130の下端とサイドキャップ123との係合を解除するための下側解除部125となっている。階段部123cには、下側解除部125の上方にサイドアーム130と係合するための下側係合部126が形成されている。
【0031】
サイドキャップ123の両側部の傾斜端面123bには、
図6に示したように、サイドアーム収納部121にサイドアーム130を挿入するための収納部入口127が形成されている。収納部入口127は、
図7(b)に示したように、サイドアーム収納部121に連通している。収納部入口127とサイドアーム収納部121との連結部には、サイドアーム収納部121に収納されたサイドアーム130が抜け出ることがないように保持する収納保持部127aが設けられている。収納部入口127は、ケース120両端に設けられたサイドキャップ123のいずれにも形成されるが、いずれか一方のサイドキャップ123のみに形成されてもよい。
【0032】
収納保持部127aには、
図7(b)に示したように、サイドアーム収納部121に収納されたサイドアーム130の上側係止部133が当接して保持される。サイドアーム130をサイドアーム収納部121から取り出す際には、収納部入口127に指を入れて揺動片132を押圧して揺動させる。すると、上側係止部133が収納保持部127aから離間してサイドアーム130を取り出すことができる。
【0033】
さらに、サイドキャップ123には、
図4に示したように、ケース120の底部方向に延びる底部突出部123dが形成されている。底部突出部123dには、
図5に示したように、スタンド150を回動可能に支持する回動支持軸128が下方に突出して形成されている。また、底部突出部123dの底面には、
図4(b)に示したように、後に詳述するスタンド150のラチェット154と係合するストッパ129が形成されている。
【0034】
ケース120内には、
図1に示したように、長手方向全長にわたって巻取パイプ160が配置されている。巻取パイプ160は、
図5に示したように、ケース120の幅方向中央に配置され、スクリーン110の下端が巻取り及び巻解き可能に連結されている。巻取パイプ160は、
図5に示したように、ケース120の底部に固定されるセットフレーム162と、
図7に示したように、セットフレーム162に設けられるサイドプレート164に、両端が回転可能に支持されている。本実施形態では、ケース120の底部に固定したセットフレーム162の両端にサイドプレート164を設けたが、ケース120底部に直接サイドプレート164を固定してもよく、サイドキャップ123にサイドプレートの機能を持たせて、巻取パイプ160の両端をサイドキャップ123に回転可能に支持させてもよい。
【0035】
(サイドアーム130)
サイドアーム130は、ケース120から引き出されたスクリーン110をケース120の上方に張設可能にするものである。サイドアーム130は、
図1に示したように、ケース120の両端部に設けられたサイドキャップ123に着脱自在に立設可能である。サイドキャップ123に立設された一対のサイドアーム130は、スクリーン110の左右両端部を支持する。
【0036】
サイドアーム130の構成について、
図8を参照しながら説明する。
図8は、サイドアーム130を示す図であり、(a)は斜視図であり、(b)は側面図である。サイドアーム130は、
図8に示したように、長尺な四角柱状の形状をしており、上端には規制部131が設けられている。サイドアーム130の形状は、長尺な円柱状、楕円柱状、又は六角柱等の形状としてもよい。規制部131は、外周がトップレール140のサイドアーム挿入口146よりも大きく形成されており、トップレール140の上昇方向の移動を規制する。よって、トップレール140のサイドアーム130からの脱落が防止される。
【0037】
また、サイドアーム130には、ケース120の左右方向に揺動するように弾性変形する揺動片132が形成されている。揺動片132の長さ方向途中位置には上側係止部133が形成されており、揺動片132の先端には上側解除部134が形成されている。上側係止部133は、案内キャップ142の受部148と係止及び係止解除が可能である。
【0038】
上側係止部133と受部148との係止は、受部148が上側係止部133を乗り越えて上昇することにより行われる。すなわち、トップレール140が規制部131によって上昇方向の移動を規制されたとき、受部148と上側係止部133が係止する。また、上側係止部133と受部148との係止の解除は、上側解除部134を操作して揺動片132を揺動させて上側係止部133を受部148から離間させることにより行われる。
【0039】
サイドアーム130の下端には、
図8に示したように、段部136と鈎部135が設けられている。鈎部135は、サイドアーム130の揺動片132とは反対側の面に形成される。鈎部135は、サイドキャップ123の下側係合部126に係合されて、サイドアーム130の上昇を規制する。
【0040】
(トップレール140)
トップレール140は、スクリーン110の上端部の幅方向全長にわたって設けられている。トップレール140は、
図3に示したように、長尺な方形状であり、長手方向両端に案内キャップ142が設けられている。トップレール140は、上部がケース120から突出するようにケース120のトップレール収容窪み122に収容される。また、案内キャップ142は、サイドキャップ123上に位置する。案内キャップ142の底部には、
図7に示したように、位置決め凸部144が形成されており、サイドキャップ123の位置決め凹部124aに嵌り合う。よって、案内キャップ142がサイドキャップ123の左右方向へ移動することが規制される。
【0041】
案内キャップ142は、
図3に示したように、中空に構成されており、上部にサイドアーム130が挿入可能なサイドアーム挿入口146が形成されている。サイドアーム挿入口146は、サイドアーム130の外周と同形状の方形状に形成されており、サイドアーム130が挿入された際に、サイドアーム130との隙間がほぼ生じない大きさである。よって、サイドアーム130のぐらつきを防ぐことができる。案内キャップ142の端部には、サイドアーム130の上側係止部133が係止される受部148が形成されている。
【0042】
なお、本実施形態では、トップレール140は、上部がケース120から突出する構成としたが、突出しない構成とすることができる。この場合、例えば、トップレールの上面に取っ手を設けると操作しやすい。取っ手は非使用時にはトップレールに埋没しており、使用時にトップレールから引き上げる構成にすると、意匠性が向上する。
【0043】
(スタンド150)
スタンド150は、ケース120をテーブル面などに設置するためのものである。スタンド150は、
図1及び
図4に示したように、ケース120の左右端部下面の前側と後側とにそれぞれ回動可能に設けられる。スタンド150は、サイドキャップ123の底部突出部123dの下方に一端が配置され、他端がケース120の底部から徐々に離間するように下方に傾斜して形成されている。このような構成により、ケース120の底部とスタンド150との隙間に手を入れてスタンド150を容易に回動させることができる。
【0044】
スタンド150の一端には、
図5に示したように、サイドキャップ123の回動支持軸128に回動可能に嵌め合わされる嵌合孔152が形成されている。嵌合孔152の外周には、
図4(b)に示したようにラチェット154が形成されている。ラチェット154は、半円にわたって45度刻みに形成されている。ラチェット154は、垂直端面123aと傾斜端面123bに対して略同一の角度でスタンド150を保持可能な保持機構である。
【0045】
よって、ラチェット154は、スタンド150がケース120の左右方向に沿って配置される位置と、サイドキャップ123の傾斜端面123bと略同一の角度である垂直端面123aに対して略45度の位置と、垂直端面123aと略同一角度であるケース120の左右方向に対して略垂直な位置と、に回動したときにストッパ129に係合し保持される。スタンド150の動作については後述する。
【0046】
以上、スクリーン装置100の各部の構成について説明した。以下、スクリーン装置100の作用について説明する。まず、サイドアーム130のケース120からの出し入れについて、
図9を参照しながら説明する。
図9は、スタンド150を広げてサイドアーム130を引き出した状態の斜視図である。
【0047】
サイドアーム130は、
図9に示したように、収納時に収納部入口127に配置されている上側解除部134を押圧して上側係止部133を収納保持部127aから離間させながら規制部131を持って矢印a方向に引き出す。すると、サイドアーム130が、ケース120のサイドアーム収納部121から引き出される。
【0048】
サイドアーム130をサイドアーム収納部121に収納するときには、鈎部135を収納部入口127からサイドアーム収納部121に挿入する。そして、規制部131がサイドアーム収納部121の入り口に当接する位置まで押し込むことにより、サイドアーム130がサイドアーム収納部121に収納される。このとき、
図7(b)に示したように、上側係止部133が収納保持部127aに当接して、サイドアーム130がサイドアーム収納部121から不用意に脱落しないように保持される。サイドアーム130は、ケース120両端のサイドキャップ123に形成される前後、左右の4つの収納部入口127のうち、いずれか任意の収納部入口127からサイドアーム収納部121に挿入することができる。
【0049】
以下、サイドアーム130をサイドキャップ123に着脱する手順について、
図10及び
図11を参照しながら説明する。
図10は、サイドアーム130をサイドキャップ123に支持させる手順を示す斜視図である。
図11は、サイドアーム130をサイドキャップ123から外す手順を示す断面図である。
【0050】
まず、サイドアーム130をサイドキャップ123に支持させる手順について説明する。
図10(a)に示したように、トップレール140をケース120のトップレール収容窪み122に収容しておく。サイドアーム130の鈎部135を下にして配置し、矢印bに示すように、サイドアーム挿入口146を介してサイドキャップ123内に挿入する。サイドアーム130をサイドキャップ123の下端まで挿入すると、
図10(b)に示したように、鈎部135が下側係合部126を乗り越えて下側から係合される。なお、鈎部135の一側にリブを形成し、サイドアーム挿入口146にリブの形状に合わせた溝部を形成してもよい。この場合、リブと溝部が一致しない限り鈎部135をサイドアーム挿入口146に挿入できなくなるため、サイドアーム130をサイドキャップ123に挿入する向きを間違わずに設置することができる。
【0051】
よって、サイドアーム130の上方への移動が規制される。また、サイドアーム130の段部136がサイドキャップ123の階段部123c上端に当接することでサイドアーム130の下方への移動も規制される。さらに、サイドアーム130の外周は保持部124によって保持され、前後左右方向のがたつきも抑えられる。このように、サイドアーム130は、ケース120の左右端部に立設される。
【0052】
以上、サイドアーム130をサイドキャップ123に支持させる手順について説明した。以下、サイドアーム130をサイドキャップ123から取り外す手順について説明する。
図11(a)に示したように、下側係合部126に係合されている鈎部135は、
図11(b)に示したように、下側解除部125を矢印cに示すようにケース120の左右方向に押圧すると、階段部123cがケース120の方向に弾性変形する。よって、下側係合部126と鈎部135が離間するため、サイドアーム130を矢印dで示すように上昇させて、サイドキャップ123から取り外すことができる。
【0053】
次に、トップレール140をサイドアーム130に係止したり係止を解除したりする手順について、
図12~
図14を参照しながら説明する。
図12は、トップレール140を展開位置で停止させる手順を示す斜視図である。
図13は、トップレール140とサイドアーム130との係止を解除する手順を示す正面図である。
図14は、トップレール140とサイドアーム130との係止を解除する手順を示す断面図である。
【0054】
まず、トップレール140をスクリーン110の展開位置で停止させる手順を、
図12を参照しながら説明する。トップレール140を、
図12(a)の矢印eに示したように、サイドアーム130に沿って上端まで摺動させる。すると、
図12(b)に示したように、案内キャップ142の受部148がサイドアーム130の上側係止部133を乗り越えるとともに案内キャップ142の上端が規制部131に当接し、上方への移動が規制される。よって、受部148が上側係止部133に係止されて、トップレール140がサイドアーム130の上端の位置で保持される。
【0055】
次に、受部148と上側係止部133との係止を解除する手順を、
図13及び
図14を参照しながら説明する。トップレール140がサイドアーム130の上端の位置で保持されている状態では、
図13(a)及び
図14(a)に示したように、受部148は下端が上側係止部133に係止される。また、受部148の上端はわずかな隙間を形成して規制部131が配置されているため、受部148は規制部131によって上方への移動が規制されている。
【0056】
図13(b)の矢印f及び
図14(b)の矢印fに示したように、上側解除部134を押すと、揺動片132が揺動し、上側係止部133が受部148から離間する。よって、案内キャップ142の移動が自由になるため、
図13(b)の矢印g及び
図14(b)の矢印gに示したように、サイドアーム130に沿ってトップレール140を下方に摺動させることができる。
【0057】
以上、トップレール140をサイドアーム130に係止したり係止を解除したりする手順について説明した。以下、スタンド150の動作について、
図15及び
図16を参照しながら説明する。
図15は、スタンド150の動作を示す底面図である。
図16は、スタンド150の動作を示す平面図である。
【0058】
スタンド150は、
図15(a)に示したように、ケース120の左右方向に沿ってケース120の下方に収納される状態から、ケース120の左右方向に対して略直交する垂直端面123aと同じ位置までの略90度回動可能であり、これらの位置でラチェット154とストッパ129が係合して保持される。また、スタンド150は、
図15(b)に示したように、サイドキャップ123の傾斜端面123bと略同一の角度である垂直端面123aに対して略45度の位置でもラチェット154とストッパ129が係合して保持される。
【0059】
スタンド150は、収納状態では、
図16(a)に示したように、ケース120の下方に収納される。そして、スクリーン装置100の使用状態によって、スタンド150は、
図16(b)に示される約45度開いた状態と、
図16(c)に示される約90度開いた状態とで使い分けられる。スクリーン装置100の使用状態による具体的なスタンド150の状態については、後述する。
【0060】
以上、スタンド150の作用について説明した。以下、スクリーン装置100を収納状態から使用状態に切り替える手順について、
図17及び
図18を参照しながら説明する。
図17は、サイドアーム130をサイドキャップ123に支持させる手順を示す斜視図である。
図18は、スクリーン110をケース120の上方に張設する手順を示す斜視図である。
【0061】
スクリーン装置100は、
図17(a)に示したように、収納状態ではサイドアーム130がケース120のサイドアーム収納部121に収納されており、トップレール140がケース120のトップレール収容窪み122に収容されている。スタンド150もケース120の下方に収納されている。
【0062】
スクリーン装置100を使用状態にするには、サイドアーム収納部121から2本のサイドアーム130を取り出し、
図17(b)に示したように、トップレール140の案内キャップ142のサイドアーム挿入口146に挿通させて、ケース120の左右端部のサイドキャップ123にそれぞれ立設させる。サイドアーム130は、保持部124に保持されているとともに下側係合部126によって上方への移動が規制されている。また、スタンド150もケース120から引き出しておく。スクリーン装置100単体で使用する場合は、スクリーン110に対して約90度の角度まで回動させて使用するのが安定して設置できる。
【0063】
このように、サイドアーム130をサイドキャップ123に立設させた後、
図18(a)の矢印hに示したように、サイドアーム130に沿ってトップレール140を上昇させる。トップレール140の上昇に伴って巻取パイプ160からスクリーン110が巻解かれて展開される。
【0064】
案内キャップ142がサイドアーム130の規制部131に当接する位置まで上昇すると、サイドアーム130の上側係止部133と案内キャップ142の受部148とが係止する。よって、トップレール140がサイドアーム130保持され、スクリーン110が展開した状態になる。このように、スクリーン装置100が使用状態になる。
【0065】
以上、スクリーン装置100を収納状態から使用状態に切り替える手順について説明した。以下、複数台のスクリーン装置100を配置する使用例について、
図19を参照しながら説明する。
図19は、複数台のスクリーン装置100を配置した平面図であり、(a)は直線状に配置した状態を示し、(b)は十字状に配置した状態を示す。
【0066】
複数台のスクリーン装置100を直線状に配置するときは、
図19(a)に示したように、隣り合うケース120の垂直端面123a同士を面接触させる。ここで面接触とは、垂直端面123a同士が接触している状態を言うが、互いの面同士が接近した対面近接状態としてもよい。このように、垂直端面123a同士を面接触させるだけで、自動的に直線状に配置することができる。スクリーン装置100を直線配置する際には、全てのスタンド150は、略90度まで回動させるとスクリーン装置100の安定性が高まる。本実施形態では、2台のスクリーン装置100を用いた例について説明したが、3台以上のスクリーン装置100を用いた場合も同様に設置することができる。
【0067】
複数台のスクリーン装置100を直角に配置するときは、
図19(b)に示したように、隣り合うケース120の傾斜端面123b同士を面接触させる。このように、隣り合うケース120の傾斜端面123b同士を面接触させるだけで、自動的に直角に配置することができる。スクリーン装置100を直角配置する際には、スタンド150は、傾斜端面123bと同じ略45度まで回動させると隣り合うスクリーン装置100のスタンド150同士が略平行に配置されるため、干渉しない。
【0068】
4台のスクリーン装置100を用いて、各スクリーン装置100の傾斜端面123b同士を接触させて配置すると、十字に設置することができる。本実施形態では、4台のスクリーン装置100を用いた例について説明したが、2台のスクリーン装置100をL字状に設置したり、3台のスクリーン装置100をT字状に設置したりすることができる。
【0069】
以上、複数台のスクリーン装置100を配置する使用例について説明した。以下、複数台のスクリーン装置100をスタックする方法について、
図20を参照しながら説明する。
図20は、複数台のスクリーン装置100をスタックする状態を示す図であり、(a)は2つのスクリーン装置100をスタックする直前の状態を示す側面図であり、(b)は2つのスクリーン装置100をスタックした状態を示す側面図であり、(c)は2つのスクリーン装置100をスタックした状態を示す斜視図である。
【0070】
複数台のスクリーン装置100をスタックする際には、
図20(a)に示したように、2台のスクリーン装置100を上下に配置し、上のスクリーン装置100を矢印iに示したように下降させる。そして、上下のスクリーン装置100は、
図20(b)に示したように、下のスクリーン装置100のトップレール140の上に、上のスクリーン装置100のサイドキャップ123の略H字状の下部の窪み(凹部)123eが嵌め合わされるようにしてスタックされる。この際、上のスクリーン装置100のスタンド150は、
図20(c)に示したように、上のケース120の底部と下のケース120の上端部との隙間に配置される。
【0071】
(第1の実施形態の効果)
以上説明したように、本実施形態によれば、装置構造が簡易で設置が容易なスクリーン装置100を実現することができる。
【0072】
また、サイドアーム130を折りたたみ式にしたり伸縮させたりして収納する複雑な構造にせずともケース120に収納することができるため、簡易な装置構造とすることができる。また、サイドアーム130を挿嵌させて収納しているため、使用する際には容易に取り出すことができる。
【0073】
また、一対のサイドアーム130をケース120の前方側と後方側とに収納できる構造であるため、スクリーン110の土台を兼ねるケース120の形状を前後方向の一方側に偏らせずに形成することができる。
【0074】
また収納されたサイドアーム130が不用意に脱落しないように保持することができる。
【0075】
また、一対のサイドアーム130をトップレール140に挿通させるだけでケース120に立設させることができる。
【0076】
またサイドアーム130の下端を保持する保持部124を、トップレール140のサイドアーム挿入口146と連通させることで、サイドアーム130をトップレール140を介してケース120まで挿通させることができる。
【0077】
また、保持部124内に下側係合部126を設けたことで、ケース120からサイドアーム130が不用意に外れてしまうことを防止できる。
【0078】
また、複数のケース120を安定させてコンパクトにスタックすることができる。
【0079】
また、トップレール140はサイドアーム130を摺動させるだけの容易な作業でスクリーン110を張設することができる。
【0080】
また、スクリーン110を引き上げる前にトップレール140の両端にサイドアーム130を挿通させるため、スクリーン110を引き上げてからトップレール140の両端をサイドアーム130に位置合わせする作業が不要となり、組み立てにおける作業性を向上させることができる。
【0081】
また、トップレール140の両端をサイドアーム130と係合させたり係合解除させたりすることができるため、組み立てにおける作業性を向上させることができる。
【0082】
また、規制部131によってトップレール140がサイドアーム130の上端から脱落することを防止できる。
【0083】
また、トップレール140を規制部131に当接するまで上昇させれば、トップレール140とサイドアーム130とが係合するため、操作性を向上させることができる。
【0084】
また、スクリーン装置100を並べて設置する場合において、配置に関わらずスタンド150同士が干渉することがないため、隙間なく設置することができる。更に、ケース120の左右端部にはケース120の左右方向に対して略垂直に形成される垂直端面123aと、垂直端面123aの両端から前記ケース120の前後方向に所定角度を成して対称に形成された2つの傾斜端面123bが形成されている。このため、各端面同士を当接または接近させて配置すればスクリーン110同士の隙間を更に小さくするこができる。この場合においても、スタンド150を各端面のなす角度と略同一の角度となるように保持することで、スタンド150同士の干渉を回避することができる。よって、配置によらず隙間なく並べて設置することができるスクリーン装置100を提供することができる。
【0085】
また、ケース120の左右端部に一対ずつスタンド150が設けられるため、スクリーン装置100を安定した状態で設置することができる。
【0086】
また、傾斜端面123bの角度を45°にすることによって、スクリーン装置100を並べてL字型や十字型に設置する場合であっても隙間なく設置することができる。
【0087】
また、保持機構は、ラチェット154であるため、複数のスクリーン装置100の設置方法に応じてスタンド150の角度を選択することができる。
【0088】
(第2の実施形態)
第2の実施形態に係るスクリーン装置200の構成について、
図21を参照しながら説明する。
図21は、本実施形態のスクリーン装置200を示す側面図であり、(a)はサイドアーム230をサイドキャップ223に支持させる前の状態を示し、(b)はサイドアーム230をサイドキャップ223に支持させた状態を示す。本実施形態のスクリーン装置200は、サイドアーム230の下端とサイドキャップ223とを係合させる構成が上記第1の実施形態のスクリーン装置100と相違するものである。スクリーン装置200のその他の構成は、第1の実施形態と同様とすることができる。本実施形態では、上記第1の実施形態と異なる構成を中心に説明する。
【0089】
サイドアーム230の下端には、
図21(a)に示したように、第1の実施形態の鈎部135に代えて、二股部232が設けられている。二股部232は、後述する球状係合部226bと係合する略円形空間を構成する円形空間部232aと、円形空間部232aの下部開口の両端から先端に向かって徐々に離隔していくように形成された先端部232bと、を備えて構成される。二股部232は、離間及び接近するように弾性変形する。
【0090】
サイドキャップ223は、
図21(a)に示したように、底部突出部223dの前後方向中央位置に上方に突出して下側係合部226が形成されている。下側係合部226は、底部突出部223dから上方に突出する棒状の棒状突出部226aと棒状突出部226aの先端に設けられる球状の球状係合部226bとを備えて構成される。球状係合部226bは、円形空間部232aに嵌合可能である。なお、球状係合部226bは円形空間部232aに嵌合可能であれば、円筒状などであってもよい。
【0091】
以上、本実施形態のスクリーン装置200の構成について説明した。以下、スクリーン装置200の作用について説明する。サイドアーム230を、第1の実施形態のサイドアーム130と同様にサイドキャップ223に挿入し、
図21(a)の矢印jに示したように下降させる。すると、球状係合部226bによって先端部232bと円形空間部232aがサイドキャップ223の前後方向に離間するように弾性変形し、先端部232bの円形空間部232a側端部が球状係合部226bを挿通させる幅に広がる。
【0092】
よって、
図21(b)に示したように、球状係合部226bが円形空間部232aに完全に挿入されると、先端部232bが接近するように弾性変形する。よって、球状係合部226bが円形空間部232aに係合される。このようにして、サイドアーム230がサイドキャップ223に立設される。
【0093】
サイドアーム230をサイドキャップ223から取り外す際には、サイドアーム230を引き上げることによって、二股部232が弾性変形して、球状係合部226bと円形空間部232aとの係合が外れる。さらにサイドアーム230を引き上げることにより、サイドキャップ223からサイドアーム230を取り出すことができる。
【0094】
なお、本実施形態では、球状係合部226bをサイドキャップ223に、二股部232をサイドアーム230に設けたが、球状係合部226bをサイドアーム230に、二股部232をサイドキャップ223に設けるようにしてもよい。また、二股部232と球状係合部226bの形状は、両者が係合することができれば任意に設計することができる。
【0095】
(第2の実施形態の効果)
以上説明したように、本実施形態によれば、サイドキャップ223の球状係合部226bにサイドアーム230の二股部232を押し込むだけで係合し、引き上げるだけで係合を解除できるので、サイドキャップ223とサイドアーム230との係合及び係合の解除の操作がより簡単になる。
【0096】
(第3の実施形態)
第3の実施形態に係るスクリーン装置300の構成について、
図22を参照しながら説明する。
図22は、第3の実施形態のスクリーン装置300を示す図である。本実施形態のスクリーン装置300は、主に、サイドキャップ323と案内キャップ342との位置決めをする構成、トップレール340の構成、サイドアーム収納部321の構成などが上記第1の実施形態のスクリーン装置100と相違するものである。スクリーン装置300のその他の構成は、第1の実施形態と同様とすることができる。本実施形態では、上記第1の実施形態と異なる構成を中心に説明する。
【0097】
サイドキャップ323は、第1の実施形態の位置決め凹部124aに代えて、
図22(a)に示したように、位置決め凸部324aが形成されている。位置決め凸部324aは、保持部324のケース120側の端部の上端から上方に突出している。
【0098】
案内キャップ342には、
図22(a)に示したように、サイドアーム挿入口346よりもトップレール340方向に窪んだ位置決め凹部344が形成されている。位置決め凹部344は、
図22(b)に示したように、位置決め凸部324aを収容可能である。位置決め凹部344は、
図22(c)に示したように、下方が開口しており、案内キャップ342がサイドキャップ323に保持された際には、位置決め凸部324aが下方から挿入される。よって、トップレール340の左右方向が位置決めされる。
【0099】
左右のサイドキャップ323において前後方向逆の位置に、
図22に示したように、それぞれ1つの収納部入口327が設けられている点が、第1の実施形態のサイドキャップ123と相違する。かかる構成により、2本のサイドアーム130を左右逆方向からそれぞれ挿入することになる。なお、本実施形態において、収納部入口327の構成は第1の実施形態と同様であってもよく、相違していてもよい。また、第1の実施形態の収納保持部127aと同様の収納保持部を設けてもよい。さらに、ケース120に設けられるサイドアーム収納部121は、第1の実施形態と同様の構成であってもよく、相違していてもよい。
【0100】
トップレール340には、
図22(a)に示したように、長手方向全にわたって窪み349が形成されている。窪み349は、トップレール340の上下方向における掴み易い位置に配置されている。かかる構成により、トップレール340を昇降させる際に、窪み349に指が引っ掛かり、ホールド感が増す。
【0101】
(第3の実施形態の効果)
以上説明したように、本実施形態によれば、トップレール340をケース120のトップレール収容窪み122に収容した際に、サイドキャップ323の位置決め凸部324aが案内キャップ342の位置決め凹部344に挿入されるため、トップレール340の左右方向の移動が規制されて、位置決めされる。
【0102】
また、サイドキャップ323に1つの収納部入口327を設ければよいため、サイドキャップ323の構成が簡単になり、生産性が向上する。
【0103】
また、トップレール340に窪み349を形成したため、トップレール340を昇降させる際に、窪み349に指が引っ掛かり、ホールド感が増す。
【0104】
(第4の実施形態)
第4の実施形態に係るスクリーン装置400の構成について、
図23を参照しながら説明する。
図23は、本実施形態のスクリーン装置400を示す斜視図であり、(a)はサイドアーム430に沿ってトップレール140を上方に摺動させている状態を示し、(b)はサイドアーム430の途中にトップレール140を係止させた状態を示す。本実施形態のスクリーン装置400は、サイドアーム430に中間係止部436を設けた点が上記第1の実施形態のスクリーン装置100と相違するものである。スクリーン装置400のその他の構成は、第1の実施形態と同様とすることができる。本実施形態では、上記第1の実施形態と異なる構成を中心に説明する。
【0105】
サイドアーム430には、
図23(a)に示したように、上側係止部433の下方に3つの中間係止部436が設けられている。3つの中間係止部436は、サイドアーム430の上下方向に等間隔を空けた3か所に設けられている。上側係止部433及び中間係止部436は、第1の実施形態の上側係止部133と同様の構成であるため、ここでは説明を省略する。
【0106】
以上、本実施形態のスクリーン装置400の構成について説明した。以下、スクリーン装置400の作用について説明する。トップレール140を、
図23(a)の矢印kに示したように、サイドアーム430に沿って上昇させる。トップレール140は、上昇させているときは中間係止部436を通過していく。トップレール140の上昇を止めると、
図23(b)に示したように、直下の中間係止部436に係止する。よって、トップレール140を中間位置で停止させることができる。このように、スクリーン110の高さを調整することができる。
【0107】
(第4の実施形態の効果)
以上説明したように、本実施形態によれば、サイドアーム430に、中間係止部436を設けたことにより、トップレール140を中間位置で停止させることができる。よって、スクリーン110の高さを調整することができる。
【0108】
(第5の実施形態)
第5の実施形態に係るスクリーン装置500の構成について、
図24を参照しながら説明する。
図24は、本実施形態のスクリーン装置500を示す図であり、(a)はジョイント570を取り外した状態を示す斜視図であり、(b)は2つのスクリーン装置500をジョイント570で連結した状態を示す平面図であり、(c)は3つのスクリーン装置500をジョイント570で連結した状態を示す平面図である。本実施形態のスクリーン装置500は、スクリーン装置500同士を固定するジョイント570を設けた点が上記第1の実施形態のスクリーン装置100と相違するものである。スクリーン装置500のその他の構成は、第1の実施形態と同様とすることができる。本実施形態では、上記第1の実施形態と異なる構成を中心に説明する。
【0109】
ジョイント570は、2台のスクリーン装置500の連結を固定する際に用いられるものである。ジョイント570は、
図24(a)に示したように、2つの片572の一端同士を連結した略コ字状の形状である。サイドキャップ523の傾斜端面523bが形成されている部分の上面には、ジョイント570の一つの片572を差し込み可能な連結孔523fがそれぞれ形成されている。
【0110】
以上、本実施形態のスクリーン装置500の構成について説明した。以下、スクリーン装置500の作用について説明する。スクリーン装置500を、
図24(b)に示したように、直線状に連結するときには、垂直端面523a同士を当接させて、2つの連結孔523fをジョイント570で連結する。ジョイント570で連結すると、直線状に配置したスクリーン装置500が安定する。このため、連結していない側のスタンド150のみを使用し、連結された側のスタンド150は収納したままでも安定する。よって、机やテーブルのスペースを確保することができる。
【0111】
また、3つのスクリーン装置500を、
図24(c)に示したように、T字状に連結するときには、隣り合うスクリーン装置500の傾斜端面523b同士を当接させて、当接させた傾斜端面523bの部分の上面に設けられている連結孔523fをジョイント570で連結する。ジョイント570で連結するとT字状に配置したスクリーン装置500が安定するため、スタンド150を使用せず、収納したままでも安定する。よって、机やテーブルのスペースを確保することができる。
【0112】
(第5の実施形態の効果)
以上説明したように、本実施形態によれば、複数のスクリーン装置500を連結して使用する際にジョイント570で連結すると、スタンド150を一部又は全部使用せず、収納したままでも安定する。よって、机やテーブルの上のスペースを確保することができる。
【0113】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明はかかる例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例又は修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0114】
例えば、上記第1の実施形態では、ベース部の一例として、持ち運び可能な長尺箱体のケース120を説明したが、本発明はこの例に限定されない。例えば、ベース部は、机やテーブルの天板上に予め固定されていてもよく、天板内に埋め込まれた状態で固定されたり、着脱可能に埋め込まれたりしてもよく、机やテーブルと一体化されていてもよい。
【0115】
また、上記第1の実施形態では、ケース120には、サイドアーム130を挿嵌させて収納可能なサイドアーム収納部121を設けたが、本発明はこの例に限定されない。ベース部にサイドアームを収納できれば任意に設計することができる。例えば、挿嵌させるのではなく、ベース部を開放して出し入れするような構成でもよい。また、支柱部材を収納するための特別な空間を設けるのではなく、ベース部の空いた部分に任意に収納させる構成としてもよい。
【0116】
また、上記第1の実施形態では、サイドアーム130は、スクリーン110の左右両端部を支持するように一対立設され、サイドアーム収納部121は、ケース120の前方側と後方側とに設けられ、一対のサイドアーム130をそれぞれ収納可能としたが、本発明はこの例に限定されない。ベース部に支柱部材を収納できれば任意に設計することができる。例えば、ベース部の前方側又は後方側の一方に一対の支柱部材を収納するようにしてもよい。
【0117】
また、上記第1の実施形態では、スクリーン110の上端部にはトップレール140が連結されており、サイドアーム130は、トップレール140を挿通し、トップレール140を摺動可能に支持する構成としたが、本発明はこの例に限定されない。上部支持部材は、スクリーンの上端部を支柱部材に連結できれば任意に設計することができる。例えば、上部支持部材は、スクリーンの上端部全体に連結される上部支持部材ではなく、スクリーンの角部のみに連結される構成でもよい。
【0118】
また、上記第1の実施形態では、ケース120には、サイドアーム130の下端部を保持可能な保持部124が形成され、トップレール140の端部近傍には、サイドアーム130が挿通可能なサイドアーム挿入口146が形成され、サイドアーム130はサイドアーム挿入口146を介して保持部124に保持される構成としたが、本発明はこの例に限定されない。ベース部は支柱部材を着脱自在に立設可能であれば任意に設計にすることができる。例えば、ベース部は、支柱部材の下端部以外の部分を保持する構成であってもよい。
【0119】
また、上記第1の実施形態では、サイドアーム130及びケース120の両方に、サイドアーム挿入口146と保持部124の位置を一致させるようにサイドキャップ123とトップレール140の位置を決める位置決め凹部124aと位置決め凸部144が形成されているが、本発明はこの例に限定されない。支柱部材とベース部のいずれか一方に設けてもよい。例えば支柱部材の左右端部がベース部に囲まれるようにしてもよい。
【0120】
また、上記第1の実施形態では、保持部124には、サイドアーム130の下端部と係合及び係合解除が可能な下側係合部126が形成される構成としたが、本発明はこの例に限定されない。支柱部材がベース部に着脱自在に立設可能であれば任意に設計にすることができる。
【0121】
また、上記第1の実施形態では、スクリーン110がケース120に収納されたとき、ケース120の上部にトップレール140が突出し、ケース120の底部には下部の窪み123eが設けられており、下に配置されるケース120の上部から突出したトップレール140を上に配置されるケース120の下部の窪み123eに収納して複数のケース120を上下にスタック可能である構成としたが、本発明はこの例に限定されない。複数のベース部を安定してスタックすることができれば任意の設計にすることができる。
【符号の説明】
【0122】
100、200、300、400、500 スクリーン装置
110 スクリーン
120 ケース(ベース部)
121 サイドアーム収納部
122 トップレール収容窪み
123、223、323 サイドキャップ
123a、523a 垂直端面
123b、523b 傾斜端面
123c 階段部
123d、223d 底部突出部
123e 下部の窪み(凹部)
124、324 保持部
124a 位置決め凹部
125、325 下側解除部
126、226、326 下側係合部
127、327 収納部入口
127a 収納保持部
128 回動支持軸
129 ストッパ
130、230、430 サイドアーム(支柱部材)
131 規制部
132 揺動片
133、433 上側係止部
134 上側解除部
135 鈎部
140、240、340 トップレール(上部支持部材)
142、342 案内キャップ
144 位置決め凸部
146、346 サイドアーム挿入口
148 受部
150 スタンド(脚部材)
154 ラチェット
160 巻取パイプ
232 二股部
324a 位置決め凸部
344 位置決め凹部
436 中間係止部
523f 連結孔
570 ジョイント