(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023051936
(43)【公開日】2023-04-11
(54)【発明の名称】電子部品が埋め込まれた取引カード及び製造プロセス
(51)【国際特許分類】
G06K 19/077 20060101AFI20230404BHJP
G06K 19/07 20060101ALI20230404BHJP
B42D 25/41 20140101ALI20230404BHJP
B42D 25/305 20140101ALI20230404BHJP
【FI】
G06K19/077 144
G06K19/07 010
G06K19/077 244
B42D25/41
B42D25/305 100
【審査請求】有
【請求項の数】45
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022197078
(22)【出願日】2022-12-09
(62)【分割の表示】P 2020513769の分割
【原出願日】2018-09-07
(31)【優先権主張番号】62/555,367
(32)【優先日】2017-09-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】516351810
【氏名又は名称】コンポセキュア,リミティド ライアビリティ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100147555
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 公一
(74)【代理人】
【識別番号】100160705
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 健太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100165995
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 寿人
(72)【発明者】
【氏名】アダム ローブ
(72)【発明者】
【氏名】サイイダ フセイン
(57)【要約】 (修正有)
【課題】動的セキュリティコードの使用を容易にするための電子部品などを埋め込める取引カード及び取引カードを作成するプロセスを提供する。
【解決手段】取引カード100は、上面111及び背面109、その間のコア厚及びポケット112有する金属コア110と、ポケットに配置される埋め込み電子機器と、を備える。
【選択図】
図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1及び第2の面と、その間のコア厚と、前記第1の面の開口部とを有する非プラスチックコアと、
前記開口部に配置された埋め込み電子機器であって、前記埋め込み電子機器は、少なくともプリント回路基板と能動電源又は受動電源とを具備する、埋め込み電子機器と、
前記埋め込み電子機器と接触する充填層であって、前記埋め込み電子機器によって占有さていない前記開口部の一部に配置された充填層と、
前記充填層を覆うように配置された1つ又は複数の層と、を具備する、取引カード。
【請求項2】
前記1つ又は複数の層はポリマー層及び磁気ストライプを含む、請求項1に記載の取引カード。
【請求項3】
前記1つ又は複数の層はレーザ反応層を含む、請求項1に記載の取引カード。
【請求項4】
前記埋め込み電子機器は、ディスプレイと、前記ディスプレイ上に動的セキュリティコードを生成するように構成されたプロセッサとをさらに具備する、請求項1に記載の取引カード。
【請求項5】
前記コアは、前記開口部から延びるポケットであって、前記コア厚を下回る深さのポケット底部を有するポケットと、前記第2の面を前記ポケットの前記底部に接続する貫通孔と、前記貫通孔に配置され、カード読み取り機によって読み取られるように構成された接点と、前記接点に接続された集積回路モジュールと、をさらに具備する、請求項1に記載の取引カード。
【請求項6】
前記コアは、前記第2の面上に塗膜を有し、前記塗膜上に印刷された証印を有する、請求項1に記載の取引カード。
【請求項7】
前記充填層を覆うように配置された前記1つ又は複数の層の少なくとも1つに形成された証印をさらに備える、請求項1に記載の取引カード。
【請求項8】
前記証印は、印刷された証印、レーザ形成された証印、あるいはその組み合わせを含む、請求項7に記載の取引カード。
【請求項9】
前記非プラスチックコアは金属を含み、前記非プラスチックコアは、前記コア厚を下回る深さのポケット底部を有する前記開口部から延びるポケットをさらに含み、前記カードは、前記埋め込み電子機器と前記ポケット底部との間の空隙に配置されたEMI遮蔽層をさらに具備する、請求項1に記載の取引カード。
【請求項10】
前記EMI遮蔽層がフェライトを含む、請求項9に記載の取引カード。
【請求項11】
前記非プラスチックコアがセラミックを含む、請求項1に記載の取引カード。
【請求項12】
前記充填層が硬化樹脂を含む、請求項1に記載の取引カード。
【請求項13】
前記充填層が前記開口部に閉じ込められる、請求項1に記載の取引カード。
【請求項14】
前記充填層は、前記非プラスチックコアの前記第1の面を横切って延びる、請求項1に記載の取引カード。
【請求項15】
前記充填層が転写テープ接着剤を含む、請求項1に記載の取引カード。
【請求項16】
前記充填層が、所定の積層温度にて流動可能な状態を有するポリマーを含む、請求項1に記載の取引カード。
【請求項17】
複数の層によって形成された取引カードを作成するプロセスであって、前記プロセスは、
前記カードの第1の部分を提供するステップであって、前記第1の部分は、第1及び第2の面とその間のコア厚とを有する非プラスチックコアを具備する、ステップと、
前記コアに開口部を形成するステップであって、前記開口部は前記第1の面を貫通して形成される、ステップと、
少なくともプリント回路基板と電池とを具備する埋め込み電子機器を前記開口部に配置するステップと、
前記カードの第2の部分を提供するステップと、
前記開口部の前記埋め込み電子機器によって占有されていない部分に配置された充填物を提供し、前記カードの前記第1の部分を前記カードの前記第2の部分に取り付けるステップと、を含むプロセス。
【請求項18】
前記充填物を提供し、前記カードの前記第2の部分に前記第1の部分を取り付けるステップは、
樹脂の第1の成分を、前記第1の面及び前記埋め込み電子機器と接触する前記カードの前記第1の部分に塗布するサブステップと、
前記カードの前記第2の部分と接触する前記樹脂の第2の成分を塗布するサブステップと、
前記第1の成分と前記第2の成分とを、互いに接触した前記樹脂の前記第1の成分と前記樹脂の前記第2の成分とともに、組み立てるサブステップと、
前記樹脂を硬化させるサブステップと、を含む、請求項17に記載のプロセス。
【請求項19】
前記樹脂は、前記樹脂の前記第1の成分が前記樹脂の前記第2の成分と異なる二液性エポキシを含む、請求項17に記載のプロセス。
【請求項20】
前記樹脂を硬化させるステップは、紫外線、湿度又は加熱により前記樹脂を硬化させるステップを含む、請求項17に記載のプロセス。
【請求項21】
前記樹脂を硬化させる前記ステップは、真空プレスで前記樹脂を硬化させるステップを含む、請求項17に記載のプロセス。
【請求項22】
前記充填物を提供し、前記カードの前記第1の部分を前記第2の部分に取り付けるステップは、
第1の剥離層と第2の剥離層との間に配置された支持体のない接着剤を含む転写テープを提供するサブステップと、
前記第1の剥離層を除去し、前記接着剤を(i)前記カードの前記第2の部分と(ii)前記第1の面及び前記埋め込み電子機器とのうちの一方に取り付けるサブステップと、
前記第2の剥離層を除去し、前記接着剤を(i)前記カードの前記第2の部分と(ii)前記第1の面及び前記埋め込み電子機器とのうちの他方に取り付けるサブステップと、を含む請求項17に記載のプロセス。
【請求項23】
前記充填物を提供し、前記カードの前記第1の部分を前記第2の部分に取り付けるステップは、
室温より高い温度での積層プロセスにて前記第1の部分を前記第2の部分に積層するサブステップであって、前記充填物は前記第2の部分に配置された流動性ポリマー層の一部を含み、前記流動性ポリマー層は前記積層温度にて流動性である、サブステップを含む、請求項17に記載のプロセス。
【請求項24】
前記充填物を提供し、前記カードの前記第1の部分を前記第2の部分に取り付けるステップは、
前記開口部の少なくとも一部に樹脂を塗布するサブステップであって、前記樹脂は前記開口部を超えて延びない、サブステップと、
前記樹脂を硬化させるサブステップと、を含む、請求項17に記載のプロセス。
【請求項25】
前記樹脂及び前記カードの前記第1の部分を覆うように少なくとも1つのシートを積層するステップをさらに含む、請求項24に記載のプロセス。
【請求項26】
前記開口部に前記充填物を配置する前に、前記開口部に前記電子機器を仮留めするステップをさらに含む、請求項17に記載のプロセス。
【請求項27】
前記コアは、前記第2の面上に塗膜を具備し、前記塗膜に印刷された証印を付与するステップをさらに含む、請求項17に記載のプロセス。
【請求項28】
前記第2の部分は複数の層を具備する、請求項17に記載のプロセス。
【請求項29】
前記複数の層は、ポリマー層、磁気ストライプ及びレーザ反応層を含む、請求項28に記載のプロセス。
【請求項30】
前記第2の部分上に証印を形成するステップをさらに含む、請求項17に記載のプロセス。
【請求項31】
前記証印を形成する前記ステップは、前記証印を印刷するステップを含む、請求項30に記載のプロセス。
【請求項32】
前記第2の部分の前記複数の層は透明ポリマー層を含み、前記透明ポリマー層上に前記証印を印刷するステップを含む、請求項31に記載のプロセス。
【請求項33】
前記第2の部分の前記複数の層はレーザ反応層を含み、前記証印を形成する前記ステップは、前記レーザ反応層をレーザに暴露するステップを含む、請求項31に記載のプロセス。
【請求項34】
前記第2の部分を提供する前記ステップは、前記樹脂を塗布する前に前記複数の層を合わせて事前積層するステップを含む、請求項29に記載の方法。
【請求項35】
前記第2の部分の前記複数の層は、1つの接着面と1つの非接着面とを有するキャリア基板と、透明ポリマー層と、磁気ストライプと、レーザ反応層とを含み、
前記第2の部分を事前積層するステップは、前記キャリア基板の前記接着面を前記透明ポリマー層の片側に接触させ、前記レーザ反応性層を前記透明ポリマー層に積層するステップを含む、請求項34に記載のプロセス。
【請求項36】
前記形成するステップは、前記開口部から延び、前記コア厚を下回る深さのポケット底部を有するポケットを形成するステップを含む、請求項34に記載のプロセス。
【請求項37】
前記コアは金属を含み、前記プロセスは、前記埋め込み電子機器と前記ポケット底部との間にフェライトの層を配置するステップをさらに含む、請求項36に記載のプロセス。
【請求項38】
前記コアは金属を含み、前記プロセスは、前記被覆された金属表面上への印刷を可能にする塗膜を前記金属の表面を覆うように配置するステップをさらに含む、請求項17に記載のプロセス。
【請求項39】
前記コアはセラミックを含む、請求項17に記載のプロセス。
【請求項40】
前記コアに貫通孔を形成するステップと、前記貫通孔に接点を配置するステップと、前記接点を集積回路モジュールに電気的に接続するステップとをさらに含む、請求項17に記載のプロセス。
【請求項41】
前記貫通孔を形成する前記プロセスは、前記第1の成分と前記第2の成分とを合わせて組み立てるステップの前に実施される、請求項40に記載のプロセス。
【請求項42】
前記取引カードは、第1の長さ及び第1の幅によって形成される第1の面積を有し、前記プロセスは、前記カードを複数のシートを含む複合体として形成する前記複数の層を組み立てるステップを含み、各シートは、前記複数の層のうちの1つを形成し、前記第1の面積の2倍よりも大きい第2の面積を有し、前記プロセスは、前記取引カード及び1つ又は複数の他の取引カードを前記複合体から切り取るステップをさらに含む、請求項17に記載のプロセス。
【請求項43】
前記複合体から前記カードを切り取った後、各カードを個人化するステップをさらに含む、請求項42に記載のプロセス。
【請求項44】
前記充填物を提供し、前記カードの前記第2の部分に前記第1の部分を取り付けるステップは、
第1の樹脂を、前記カードの前記開口部に塗布し、埋め込み電子機器を覆うように塗布するサブステップと、
前記第1の樹脂を硬化させるサブステップと、
第2の樹脂の第1の成分を、前記第1の面と前記埋め込み電子機器とに接触する前記カードの前記第1の部分に塗布するサブステップと、
前記カードの前記第2の部分と接触する前記第2の樹脂の第2の成分を塗布するサブステップと、
前記第2の樹脂の前記第1の成分と前記第2の樹脂の前記第2の成分とが互いに接触した状態で、前記第1の成分と前記第2の成分とを合わせて組み立てるサブステップと、
前記第2の樹脂を硬化させるサブステップと、を含む、請求項17に記載のプロセス。
【請求項45】
第1及び第2の面と、その間のコア厚と、開口部とを有する非プラスチックコアと、
前記開口部に配置された埋め込み電子機器と、
前記非プラスチックコア及び埋め込み電子機器を覆うように配置された1つ又は複数の層と、を具備する取引カード。
【請求項46】
前記非プラスチックコアに搭載されるか埋め込まれたデュアルインターフェース(DI)チップをさらに備える、請求項45に記載の取引カード。
【請求項47】
前記1つ又は複数の層は、ガラスの層又は繊維強化エポキシ積層シート材料の層を含む、請求項45に記載の取引カード。
【請求項48】
前記非プラスチックコアは金属を含む、請求項45に記載の取引カード。
【請求項49】
前記コア層と前記1つ又は複数の層との間に取り付けられた接着剤をさらに含む、請求項45に記載の取引カード。
【請求項50】
前記接着剤は積層接着剤である、請求項49に記載の取引カード。
【請求項51】
前記1つ又は複数の層のうちの1つに搭載されるか埋め込まれた磁気ストライプをさらに具備する、請求項45に記載の取引カード。
【請求項52】
1つ又は複数の層が前記非プラスチックコアの前記第1の面に取り付けられ、1つ又は複数の層が前記非プラスチックコアの前記第2の面に取り付けられる、請求項45に記載の取引カード。
【請求項53】
前記埋め込み電子機器はディスプレイ又はインジケータのいずれかを具備し、前記1つ又は複数の層は、前記ディスプレイ又はインジケータが前記取引カードの外部から見えるように透明である、請求項45に記載の取引カード。
【請求項54】
複数の層によって形成された取引カードを作成するプロセスであって、前記プロセスは、
第1及び第2の面を有する非プラスチックコア層に開口部を形成し、前記コアに第1及び第2の面の間のコア厚を形成するステップと、
前記開口部に少なくとも部分的に埋め込み電子機器を配置するステップと、
前記非プラスチックコア層及び前記埋め込み電子機器を覆うように1つ又は複数の層を配置するステップと、を含むプロセス。
【請求項55】
デュアルインターフェース(DI)チップを前記非プラスチックコアに取り付けるステップをさらに含む、請求項54に記載のプロセス。
【請求項56】
前記非プラスチックコア層を覆うように1つ又は複数の層を配置するステップは、前記非プラスチックコア層の各面の全体にわたって1つ又は複数の層を配置するステップを含む、請求項54に記載のプロセス。
【請求項57】
熱、圧力又は熱と圧力の両方を使用して、前記カードの前記第1の面に前記1つ又は複数の層のうちの1つを高温積層するステップをさらに含む、請求項54に記載のプロセス。
【請求項58】
前記非プラスチックコア層の前記開口部に埋め込み電子機器を配置するステップは、前記積層するステップの後に実施される、請求項57に記載のプロセス。
【請求項59】
前記1つ又は複数の層のうちの1つを前記カードの前記第2の面に低温積層するステップをさらに含み、前記低温積層ステップは、前記非プラスチックコア層の前記開口部に埋め込み電子機器を配置するステップの後に実施される、請求項58に記載のプロセス。
【請求項60】
前記低温積層ステップは、真空、接着剤又は真空と接着剤の両方を含む、請求項59に記載のプロセス。
【請求項61】
前記埋め込み電子機器はディスプレイ又はインジケータのいずれかを具備し、前記1つ又は複数の層は、前記ディスプレイ又はインジケータが前記取引カードの外部から見えるように、透明である、請求項54に記載のプロセス。
【請求項62】
第1及び第2の面と、その間のコア厚と、開口部とを有する非プラスチックコアと、
前記非プラスチックコアの前記開口部と実質的に位置合わせされたアンテナを有するプリント回路基板と、
前記開口部に配置され、前記アンテナを覆うように位置決めされたインサートと、を具備する取引カード。
【請求項63】
前記インサートがプラスチックから構成される、請求項62に記載の取引カード。
【請求項64】
前記非プラスチックコアは、ポリマー、金属又はセラミックから構成される、請求項62に記載の取引カード。
【請求項65】
前記プリント回路基板上の追加の部品と、前記非プラスチックコアの追加の開口部とをさらに具備し、前記追加の部品はそれぞれ、前記追加の開口部に位置決めされるか位置合わせされる、請求項62に記載の取引カード。
【請求項66】
前記非プラスチックコア及び前記プリント回路基板の最大外側縦方向寸法及び横方向寸法が実質的に等しい、請求項62に記載の取引カード。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2017年9月7日に出願された米国仮特許出願第62/555,367号の優先権を主張する。この仮特許出願の全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
取引カードのユーザ、製造業者及び発行者が、任意の数の機能を提供するための薄いプリント回路基板としてカードに電子機器を埋め込むことに関心を抱く場合がある。そのような埋め込み電子機器によって提供される機能性には、生体認証、1回限りのパスコード、メッセージ又は製品提供を表示するためのディスプレイ(例えば、液晶ダイオード(LCD)又は電子インク)、カードの機能が動作中(カードが読み取り機に物理的又は誘導的に接続されて読み取られている場合など)に作動するインジケータ(例えば、LEDなどのライト)、あらゆる物のインターネット化(IoT)にカードが関与することを可能にするインターネットへの接続性、あるいは任意の他の所望の機能性の使用を可能にする機能が含まれるが、ここに挙げたものに限定されない。カードに埋め込まれた電子機器の使用例の1つには、動的に生成されたセキュリティコードの使用を可能にすることが挙げられる。
【0003】
参照により本明細書に組み込まれる特許文献1(米国特許出願公開第2014/0279555号明細書)(Guillaud)に記載されているように、詐欺のリスクを減らすために、取引カード(例えば、スマートカード、デビットカード、クレジットカード)で動的に生成されたセキュリティコードの使用に対する関心が高まっている。特許文献1に記載され、当技術分野で知られているように、当業者は、例示的なセキュリティコードを、カードセキュリティコード(「CSC」)としても知られるカード検証値(「CVV」又は「CVV2」)、カード検証データ(「CVD」)、カード検証値コード(「CVVC」)、カード検証コード(「CVC」又は「CVC2」)、検証コード(「V-コード」又は「Vコード」)又はカードコード検証(「CCV」)と呼ぶ場合がある。
【0004】
Guillaudはこのほか、本明細書にて
図2に示すように、プロセッサ/コントローラ202、電池又は他の電源204、メモリ206及びディスプレイ208を備えるカード200に動的セキュリティコードを生成するために使用され得る例示的な電子部品を開示する。追加の部品には、例えば、1つ又は複数のアンテナ210と、プロセッサ/コントローラに接続されたタッチキーパッド212又はタッチ感知制御ボタン214などの1つ又は複数の他のユーザインターフェースと、プロセッサ/コントローラに埋め込まれるかプロセッサ/コントローラに時間入力を提供するように構成された(図示しない)内部クロックとを挙げることができる。
【0005】
動的に生成されたコードを有するカードには、典型的には約0.030±0.003インチ(即ち、1/32インチ、30ミル又は0.76ミリメートル±10%)である標準的なクレジットカードの厚さに収まるように、必要な機能を提供するだけでなく、非常に薄くするために、電子ディスプレイをはじめとする埋め込み電子部品が概ね必要である。特許文献1のほか、参照により本明細書に組み込まれる特許文献2(米国特許出願公開第2012/0206869号明細書)、特許文献3(米国特許第8448872号明細書)及び特許文献4(米国特許第9320186号明細書)には、電子部品が埋め込まれたプラスチックカード及び/又はその製造プロセスが記載されている。しかし、金属又はセラミックなどのプラスチック以外の材料から構成されたカードに、動的セキュリティコードの使用を容易にするための電子部品などの埋め込み電子機器を提供するこの分野には関心が集まっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許出願公開第2014/0279555号明細書
【特許文献2】米国特許出願公開第2012/0206869号明細書
【特許文献3】米国特許第8448872号明細書
【特許文献4】米国特許第9320186号明細書
【発明の概要】
【0007】
本発明の一態様には、第1及び第2の面を有する金属又はセラミックなどの非プラスチックコアと、第1の面の開口部によって形成されるポケットと、空隙と、ポケット底部とを有する取引カードが挙げられる。非プラスチックコアはこのほか、プラスチックが特定のタイプのポリマーであることから、例えば、非プラスチックポリマーであり得る。少なくともプリント回路基板と電源とを備えた電子機器が、フェライトなどのEMI遮蔽層を電子機器と金属コア付きカードのポケットの底部との間に配置した状態で、空隙に配置される。プリント回路基板は、例えば、フレキシブル回路基板であってもよい。電源は必ずしも電池を必要とせず、例えば、RF電力でもよい。硬化樹脂層が、第1の面と埋め込み電子機器とに接触して、埋め込み電子機器によって占有されていない空隙の部分に配置され、1つ又は複数の層が硬化樹脂層を覆うように配置される。1つ又は複数の層は、透明プラスチック層と、磁気ストライプと、レーザ反応性層とを含んでもよい。各実施形態について、1つ又は複数の層のそれぞれは、ガラス又は繊維強化エポキシ積層シート材料の層を含み得る。いくつかの実施形態では、埋め込み電子機器は、ディスプレイと、ディスプレイ上に動的セキュリティコードを生成するように構成されたプロセッサとをさらに備えてもよい。第2の面をポケットの底部に接続するコアの貫通孔を設けてもよい。貫通孔に配置された接点がカード読み取り機によって読み取られるように構成され、集積回路モジュールが接点に接続される。コアは、第2の面上に塗膜を有し、塗膜上に印刷された証印を有してもよい。証印はこのほか、印刷された証印、レーザ形成された証印又はその組み合わせなど、硬化樹脂層を覆うように配置された1つ又は複数の層の少なくとも1つに形成されてもよい。
【0008】
本発明の別の態様には、第1の部分及び第2の部分を形成する複数の層によって形成される取引カードを作成するプロセスが含まれる。このプロセスは、コアを備えるカードの第1の部分を提供するステップと、コアにポケットを形成するステップと、埋め込み電子機器を空隙に配置するステップとを含む。樹脂の第1の成分が、第1の面と埋め込み電子機器と接触するカードの第1の部分に塗布され、埋め込み電子機器が占有しない空隙の部分に配置され、樹脂の第2の成分がカードの第2の部分に接触して塗布される。第1の成分及び第2の成分は、樹脂の第1の成分及び樹脂の第2の成分が互いに接触した状態で合わせて組み立てられ、樹脂は硬化する。樹脂は、例えば、樹脂の第1の成分が樹脂の第2の成分とは異なる二液性エポキシを含んでもよい。しかし、樹脂は二液性エポキシに限定されず、他の実施形態では、例えば、一液性エポキシ、熱硬化エポキシ、UV硬化エポキシ、嫌気性エポキシなどを含んでもよいが、ここに挙げたものに限定されない。樹脂を硬化させるステップは、真空プレスで室温にて樹脂を硬化させるステップを含んでもよい。硬化のステップは、例えば、UVによる硬化、湿度による硬化又は温度による硬化を含んでもよい。第2の部分は複数の層を有してもよく、その場合、プロセスは、樹脂を塗布する前に複数の層を事前に積層するステップを含んでもよい。コアが金属を含む実施形態では、プロセスは、埋め込み電子機器とポケット底部との間にフェライトの層を配置するステップをさらに含む。
【0009】
これとは別に、本発明の一態様では、二液性エポキシを塗布する前に、カードの第1の部分の開口部に樹脂を最初に送達し、埋め込み電子機器と接触させてもよい。二液性エポキシは、樹脂が硬化した時点で、上記のように、カードの第1及び第2の部分に塗布されてもよい。
【0010】
このプロセスは、コアの第2の面上の塗膜上に証印を印刷するステップのほか、透明プラスチック層上に証印を印刷するステップ又はレーザ反応層をレーザに暴露するステップなど、第2の部分の1つ又は複数の層上に証印を形成するステップを含んでもよい。このプロセスは、第2の面をポケットの底部に接続する第1の部分に貫通孔を形成するステップと、貫通孔に接点を配置するステップと、接点を集積回路モジュールに電気的に接続するステップとをさらに含んでもよい。第2の部分の複数の層は、1つの接着面及び1つの非接着面を有するキャリア基板と、透明プラスチック層と、磁気ストライプと、レーザ反応層とを含んでもよく、この場合、第2の部分を事前に積層するステップは、キャリア基板の接着面を透明プラスチック層の片側に接触させるステップと、レーザ反応層を透明プラスチック層に積層するステップとを含んでもよい。
【0011】
このプロセスは、複数のシートを含む複合体としてカードを形成する複数の層を組み立てるステップを含んでもよい。各シートは複数の層の1つを形成し、単一のカードの面積の2倍より大きい面積を有する。この場合、プロセスには、複合体から複数の個々の取引カードを切り取るステップが含まれる。次に、個々の取引カードは、複合体からカードを切り取った後、個人化してもよい。
【0012】
本発明の別の態様には、第1及び第2の面と、その間のコア厚と、開口部とを有する非プラスチックコアを含む取引カードが含まれる。埋め込み電子機器を開口部に配置する。埋め込み電子機器には、LED又はディスプレイなどのインジケータが含まれる。1つ又は複数の層が非プラスチックコア及び埋め込み電子機器を覆うように配置される。1つ又は複数の層は、ディスプレイが取引カードの外部から見えるように、透明であるか開口部を備えてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1A】
図1Aは、本発明の一実施形態による例示的なカードの概略図である。
【
図1B】
図1Bは、充填層がポケットに閉じ込められている本発明の一実施形態による例示的なカードの概略図である。
【
図1C】
図1Cは、転写テープを備える本発明の一実施形態による例示的なカードの概略図である。
【
図1D】
図1Dは、高温積層プロセスを使用して実施される本発明の一実施形態による例示的なカードの概略図である。
【
図2】
図2は、動的セキュリティコード機能性を提供するために取引カードから見える可能性のある埋め込み電子機器の概略図である。
【
図3】
図3は、本発明の一実施形態による例示的な製造プロセスの概略図である。
【
図4A】
図4Aは、本発明の一実施形態による例示的なカードの表面を示す図である。
【
図4B】
図4Bは、本発明の一実施形態による例示的なカードの裏面を示す図である。
【
図5】
図5は、本発明の一実施形態による例示的なカードの概略図である。
【
図6】
図6は、
図5のカードを組み立てるための例示的な方法を示すブロック図である。
【
図7】
図7は、本発明の別の実施形態による例示的なカードの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
ここで
図1を参照すると、本発明の例示的な一実施形態が示されている。この実施例では、カード100が「金属ベニアカード」と呼ばれることもあるものを備える。カード100は、複数の層を備え、本明細書に示す層以外の追加の層を備えてもよい。層110が、上面111及び背面109を有する、ステンレス鋼などの金属コアを含む。金属コア110は、その印刷を支持するための前面111を形成する塗膜113を有してもよい。
【0015】
塗膜113は、例えば、UV硬化性スクリーン及びインクジェットインクを受容するポリエステルベースの塗膜を含んでもよい。任意の酸エッチング工程中に、この塗膜上にレジストを塗布してもよい(エッチング工程を使用して、後述するポケットのいずれかを作成する場合など)。例えば、レジストは金属の被覆された側111全体に塗布され、他方の側109はエッチングされる。エッチングされた側109は、ポケット112(及び任意の他のポケット又は表面パターン)が形成されることになる場所を除いてレジストを受容する。エッチングの後、残りのレジストが両側から除去され、部品を今後の製造に対する準備状態にする。
【0016】
エポキシの層108が金属コアの底面に当接するほか、ポケット112を完全に覆うか部分的に覆ってもよい。層106が、両側105及び107に、エチレンアクリル酸(EEA)接着剤などをはじめとするコポリマー接着剤などの接着剤を有する透明ポリエステルベースのフィルムなどの接着フィルムの層を含む。しかし、本発明は、いかなるタイプの接着剤又はその接着剤のキャリア基板にも限定されない。層104が、例えば、窓103が形成された(イーストマン・ケミカル製の)Tritan(登録商標)フィルムなどの透明なアモルファスコポリエステルフィルムなどのポリマー層又はプラスチック層であってもよい。層102が、磁気ストライプオーバーレイも配置され得るレーザ反応性PVCなど、レーザ反応層であってもよい。窓103は、印刷中に層104から切り取られるか打ち抜かれてもよい。例示的な一実施形態では、金属コア層は0.025インチ(0.635mm)の厚さを有し、エポキシ108、接着層106、プラスチック層104及びレーザ反応性層102のそれぞれは0.002インチ(0.05mm)の厚さであってもよい。本発明は、任意の特定の寸法に限定されるものではないが、結果として得られる製品は、典型的には、当該技術分野で既知の取引カードの標準厚さに適合した厚さである。本発明はこのほか、層の構成の任意の特定の材料又はこの実施例に記載された層の数に限定されない。
【0017】
カードを製造するための例示的なプロセスでは、カードブランクが、複数のカードを同一のシートから切り取れるほど十分に大きい面積を有するシートから作成される。例えば、
図3に示すシート300のような、幅約8インチ×長さ約20インチのシートが、横2列、縦8列の計16個のカードブランク314の作成を支援してもよい。このため、
図3のシートは、
図3ではシートとして、
図1では個々のカードとして描かれているが、シートを個々のカードブランクに切断する前に
図1の全層を含んでもよいことを理解されたい。
【0018】
例示的な製造プロセスの第1の操作では、シート300に4つの位置合わせ穴310が作成される。次に、例えば、エッチング、彫刻、フライス加工によって、あるいは標準的なCNCプログラムの使用を含む当技術分野で知られている方法によって、シートの裏側に16個のポケットが形成される。
図1に示すように、ポケットは、カードのポケット変形を回避するのに十分な量だけ、カードの厚さBを下回る深さAまで貫通していればよい。例えば、カードの厚さが約0.025インチ(0.635mm)(
図1に示す寸法「B」)である実施形態では、ポケットの深さ(
図1に示す寸法「A」)は、0.019インチ(0.48mm)に過ぎなくてもよい。しかし、本発明は任意の特定の寸法に限定されない。
【0019】
図示のポケット112は、比較的広めの領域112と比較的狭めの領域116とを有し、貫通孔114を有してもよい。ポケットに貫通孔を設けて、カードの前面から視覚化するディスプレイを位置合わせするか、支払いモジュールを挿入してもよい。支払いモジュールは、接触カード読み取り機によって読み取られるように構成されたカードに使用される(図示しない)集積回路及び(
図4Aに示す)接点410を備える。いくつかの実施形態では、チップ及び接点410(及び支払いモジュールの他の態様)の貫通孔は、PCBを埋め込むためのポケットと一致しない場合がある。支払いモジュールの貫通孔は、貫通孔114とポケット112とが境界を共有するようにポケット112に直接隣接する状態か、コア層の一部を間に挟んでポケット112から離間する状態をはじめとする状態で、ポケット112から分離されてもよい。他の実施形態では、接点及びICモジュールは、カードを完全に貫通しないポケットに挿入されてもよく、そのポケットはカードの前面から開いており、ポケット112と空間的に全く重なっていないか、部分的にのみ重なっていてもよい。接点410は、接点専用システムの一部、あるいは接点カード読み取り機又は誘導(非接触)カード読み取り機のいずれかによって動作するように構成されたデュアルインターフェース(DI)システムの一部であってもよい。比較的広めの領域112は、ディスプレイ及びディスプレイを操作するプロセッサを受容するように構成されてもよいのに対し、狭めの領域116は、集積回路チップモジュールと、接点と、DIシステムに連動する任意のアンテナとを受容するように構成されてもよい。貫通孔114は、ポケットエッチング工程中又はポケットエッチング工程直後に、狭めの領域に作成されてもよく、あるいはさらに後に作成されてもよい。
【0020】
次いで、印刷物を、インクジェットプリンタ又は当技術分野で知られている他の印刷技術を使用して、カードの前(被覆)面111に印刷してもよい。
【0021】
フェライト層などの電磁干渉(EMI)遮蔽層インサート120は、プラスチックフィルム(PETなど)の片側上に配置されたフェライト材料の層を含むフェライトのシートからインサートを切り取るなどして、ポケット312の内側と同じ形状を有するように準備される。次に、フェライトインサート120は、手作業又はロボットなどによって取り上げられて載置され、フェライトフィルムの被覆されていない側は接着剤によってポケットに貼付される。これとは別に、フェライトインサート120は、ポケット112ではなくインレイ又はPCB(PCB426など)に接着されてもよい。いずれにせよ、フェライトインサート120はポケット底部と電子部品420との間に概ね位置決めされる。
【0022】
一実施形態では、キャリア基板が、挿入前に接着剤を暴露するために除去される剥離層とともに、基板の一方の面に配置されたフェライトと他方の面の接着剤とを有してもよい。
図4Bに示し、本明細書にて後述するような電子部品420であって、基板に印刷され、ディスプレイ424(動作するのに非常に低い電力を必要とする電子インクディスプレイなど)に接続されたPCB426及び電源422などの電子部品420は、次に、フェライトインサートの上部に配置される。電子部品は所定の位置に仮留めされてもよい。本明細書でさまざまな実施形態にて説明するように、仮留めは、感圧接着剤、シアノアクリレート又はエポキシなどをはじめ、当技術分野で知られている任意の接着剤によって達成されてもよい。
【0023】
電子部品420は、カードに望まれる機能性に応じて、
図2に概略的に示す電子部品の全部又は一部、あるいは完全に異なる部品を含んでもよい。例えば、部品には、情報を入力するためのキーパッドが含まれてもよい。注目すべきことに、
図4に示すような部品の配置は例示に過ぎず、例えば、カードの背面に面するディスプレイ424の代わりに、カードは貫通孔を有してもよく、ディスプレイはカードの前面に面するように配置されてもよい。電源422は、当技術分野で知られているように、電池又は光電池などのカードに含めるのに適した他の任意の電源、あるいは無線周波数(RF)信号から電気を取得する(例えば、コンデンサリレーを含む)回路を含んでもよい。フレキシブル基板を含むPCBをはじめ、カード本体への挿入に適したPCBを作成する方法は、当技術分野で周知であり、本発明は、任意の特定のタイプのPCB又はPCBの任意の特定のタイプの機能性に限定されない(他の電子部品の任意の特定の機能性にも限定されない)。EMI遮蔽層の材料はフェライト材料に限定されず、インサートは、金属コアによってもたらされる有害な干渉から電子部品とアンテナを遮蔽するのに適した任意の材料を含んでもよい。さらに、EMI遮蔽層は、フェライト含有材料のシートからインサートを切り取り、ポケットに配置することにより効率的に挿入されるが、他の実施形態では、ポケット底部に有効成分を塗布するなど、他の何らかの方法で提供されてもよい。
【0024】
接着層106と、窓103を有し得るプラスチック層104とは、互いに事前積層されてもよい。窓は、層に切り込まれた穴であってもよく、あるいは、例えば、印刷されていないか無着色のままであるか、下にあるディスプレイを適切に読み取れる色の付いた透明部分又は半透明部分であってもよい。印刷物を、こうして形成された事前積層体のプラスチック面に印刷してもよい。接着フィルムの接着面105は、その上に剥離層を有して、接着面を事前積層工程の前にプラスチック層に結合する前の取り扱いによる汚染から保護してもよい。いくつかの実施形態では、プラスチック層が、プライマを有する層を含むか、さもなければ樹脂層108に直接接着するのに適した材料を含む。
【0025】
次に、104/105/106の事前積層複合体はレーザ反応層PVCに積層される。レーザ反応層上にオーバーレイとして配置されるなどのように、事前積層複合体と組み合わせる前に、磁気ストライプ(
図4Bに示す403)が、(図示しない)剥離層で被覆されたレーザ反応層/磁気ストライプ複合体を備えてもよい。磁気ストライプは、
図4Bでは埋め込み電子機器と交差しない場所に配置されているが、電子機器の一部を横切って配置されてもよい。
【0026】
次に、二成分透明エポキシ樹脂システムなどのエポキシをスクリーン印刷などによって、 一方の成分を金属層の裏側109に付与し(これにより、電子部品をポケットにカプセル化し)、他方の成分を104/105/106事前積層複合体の非接着面107に付与して、2つのエポキシ被覆面を互いに接触させて組み立てる。エポキシ界面にエアギャップ/空隙がないことが、組み合わせた後に良好な剥離強度を維持するために重要である。次に、アセンブリは、真空プレスを使用した低温積層プロセスを介すなどして積層される。これは、エアギャップ/空隙の除去に役立つ場合がある。エポキシの積層と硬化のサイクルは、カードの接着/剥離強度に大きな影響を及ぼす可能性がある。任意の特定の積層条件に限定されるものではないが、室温(例えば、華氏75~78度)で約22~24時間、約15PSIの圧力にて20-3401エポキシの低温積層硬化を実施して、90度剥離接着試験とADMET(登録商標)シングルカラム接着剥離試験システムを使用して、CQM 13.2.1.22/TM-412剥離強度試験に合格するカードを作成した。
【0027】
真空プレスから取り外してからさらに48時間エポキシを硬化させた後、接続されたチップモジュールの接点410を、チップモジュールを収納するために指定された貫通孔又はポケットに挿入してもよい(この貫通孔又はポケットは、他の層へのコアの組み付け前、あるいはチップモジュールの配置前の任意の時点でのアセンブリの作成後に作成されてもよい)。これまで記載したように、接点410を含む支払いモジュールを受容するための貫通孔又はポケットは、ポケット112の内側に位置し、ポケットに隣接し、ポケットと共通の境界を有してもよく、あるいはポケットから離間した別個の穴であってもよい。次いで、個々のカードブランク314がシート300から切り取られる。これで、カードブランクの洗浄と、検査と、個人化を含む他の任意の処理との準備が整う。当技術分野で知られている個人化ステップは、例えば、カードの所有者に個人化されたレーザ形成署名を形成するためにレーザ反応層をレーザに暴露し、カード所有者に割り当てられた情報によって埋め込み電子機器をプログラミングするステップを含んでもよい。例えば、集積回路モジュールと、カード読み取り機で読み取り可能な接点(又は非接触読み取り用に構成されたデュアルインターフェースモジュール)とを備えた実施形態では、チップは、当技術分野で周知のように、カード所有者に固有の情報によってプログラムされてもよい。セキュリティコードを表示するための機能部品と連動するプロセッサ及び/又はメモリはこのほか、個人化ステップの一部としてカード所有者に固有の情報を備えてもよい。
【0028】
図1Bに示すカード150を作成する別の例示的なプロセスでは、電子機器をポケット112に(接着剤などによって)仮留めし、次いで(層111の表面109を被覆することなく)ポケット112にエポキシ108Aを充填してもよい。次に、1つ又は複数の追加のシートを、カードの裏面109に「低温」(即ち、上記のように室温で)積層してもよい。このため、
図1Bに示すように、エポキシ108は、カードの長さと同一の広がりを持たなくてもよく、むしろ、ポケット112の範囲内に制限されてもよい。
【0029】
図1Cに示すカード170のようなカードを組み立てるための別の代替プロセスには、エポキシ又は他の何らかの樹脂の代わりに転写テープを使用するステップが含まれてもよい。転写テープは、両側に剥離層127、129を備えた、支持体のない接着剤又は支持体のある接着剤128を含む。例示的なプロセスには、例えば、ロールツーロール(roll-to-roll)印刷ステップにて順方向又は逆方向に裏シート(層104)を印刷し、その後、片面から剥離層127を除去することにより、転写テープを回転して、フィルム104に貼付し、反対側に剥離層129を残すステップが含まれる。次に、印刷層104及び転写テープアセンブリを事前積層してもよい。次いで、層102を、印刷層104の非剥離側に圧盤により積層し、テープアセンブリを転写してもよい。次に、ポケットを充填するため、あるいは層111の背面を被覆するためにエポキシを塗布することなく、(ポケット112に仮留めされ得る)電子部品が埋め込まれた層111をこれまで記載したように準備する。次いで、剥離層129が102/104アセンブリから除去され、アセンブリは、転写テープ側がシート111に面する状態にて、ポケット内に電子部品がある状態で、シート111に付与される。次いで、アセンブリは、例えば、真空下でアセンブリを軽度の圧縮に暴露し、接着剤の全表面との接触を最大限にし、あらゆる気泡を排出することにより、随意にさらに処理されてもよい。このほか、熱を加えて接着剤の粘度を下げて、接着剤の流動性を向上させてもよい。このほか、熱、真空及び/又は圧縮を加えて、支持体のない接着剤をポケットに流れ込ませ、電子機器とポケットの境界との間の空間を部分的又は完全に充填してもよい。
【0030】
図1Dに示すように、電子機器を埋め込むためのさらに別のプロセスには、そのようなプロセスに存在する熱及び圧力の量に耐えるように設計された電子機器を埋め込むための「高温積層」プロセスが含まれてもよい。高温積層プロセスでは、これまで記載したように、埋め込み電子部品がポケット112に仮留めされた状態で層111を設けてもよく、カード190の残りの部分は、さまざまな層と接着剤とによって構築され、室温を上回る熱、圧力(積層体に加えられる圧縮力F)及び/又は(大気圧より低い圧力Vに保持された環境で、積層体下の層の間に閉じ込められた空気の除去を促進するための)真空の下で積層されてもよい。このため、
図1Dに示す層138が、層104とコアの表面109との間に位置する1つ又は複数のポリマー層又はプラスチック層を表す。ここでは、少なくとも表面109に最も近い層が、圧縮力Fの下であったり、及び/又は真空環境にて、積層中にポケット112に少なくとも部分的に溶け出し、少なくとも部分的に充填することになるように、所定の積層温度で流動可能な状態を有してもよい。
【0031】
図5は、本発明の例示的な実施形態によるカード500の概略図である。カード500は、複数の層を概ね含む。複数の層は互いに分解された状態で示される。
【0032】
カード500の前面(即ち、チップ側)から始めると、層502が、例えば、厚さ0.001インチ(0.02mm)であり得る被覆PVCを含む。層502の底面に取り付けられた層504が、例えば、厚さ0.004インチ(0.1mm)であり得るガラス強化エポキシ積層シート材料(例えば、FR4)を含む。層504の底面に取り付けられた層506が、例えば、厚さ0.002インチ(0.05mm)であり得る両面高性能接着テープの形態などの接着剤を含む。両面テープの両面を剥離層で被覆してもよい。剥離層のそれぞれは、組み立てプロセス中に除去される。層506の底面に取り付けられたコア層508が、金属などの非プラスチック材料を含む。金属は、例えば、厚さ0.018インチ(0.457mm)の鋼(ステンレス鋼など)であってもよい。層508は、(上記の)420が位置決めされる貫通孔又は開口部510を有する。層508の底面に取り付けられた層512が、例えば、厚さ0.002インチ(0.05mm)であり得る(層506と同じ材料又は異なる材料であり得る)積層接着剤を含む。層512の底面に取り付けられた層514が、例えば、厚さ0.004インチ(0.1mm)であり得るポリマーを含む。層514の底面に取り付けられた層516が、例えば、厚さ0.002インチ(0.05mm)であり得る(層502と同じ材料又は異なる材料であり得る)PVCオーバーレイを随意に含む。磁気ストライプを、層516上に搭載するか、層516に埋め込んでもよい。層516は、カード500の裏側(即ち、ディスプレイ側)を表す。カード500のさまざまな層の周辺寸法は実質的に同等である。
図5に示す上記の層は1つの例示的な実施形態のみを含み、層のうちのいずれかは、他の実施形態では任意選択であってもよく、上記の全層より少なくても追加の層があってもよい。上記の厚さは一例にすぎない。本発明に対応するカードは、任意の特定の層、材料組成又はそのような層の厚さに限定されないが、特定の特許請求される実施形態及び組み合わせが明確な利点を有する場合がある。
【0033】
さまざまな層の配置はさまざまなものであり得る。例えば、カード500の層502、504及び506は、層516、514及び512の第2のセットによって置き換えられてもよい。そのようなカードは、後で考察するように、高温積層プロセスに対処することができる電子機器420に有用である。別の例として、層502及び516は、層502がカード500の裏側にあり、層516がカード500の表側にあるように切り替えられてもよい。
【0034】
層512、514及び516は、電子部品420のディスプレイ424がカードの裏側から見えるように(随意に)透明である。ディスプレイ424は、例えば、上記のように、単一のインジケータLEDライト又は英数字を表示することができるディスプレイであってもよい。別の実施形態では、層502、504、506は、電子部品420のディスプレイ424がカードの前面から見えるように、(随意に)透明である。これとは別に、層502、504、506、512、514及び516のいずれもが、電子部品420のディスプレイ424がカードの両側から見えるように、(随意に)透明である。
【0035】
図6は、
図5のカード500を組み立てるための例示的な方法600を示すブロック図である。方法600は、任意の特定のステップ又は一連のステップに必ずしも限定されない。
【0036】
例示的な方法600では、ステップ602にて、層502が層504に積層される。ステップ602の積層は、熱と圧力を伴う高温積層であってもよい。ステップ604では、積層された層502及び504は、両面テープ層506の上面に接着される(即ち、層506から上部剥離シートが除去された後に接着される)。任意選択のステップ606では、文字及び図形を層502に印刷してもよい。任意選択のステップ608では、文字及び図形を層514に印刷してもよい。ステップ608は、ステップ602の前に完了してもよく、その逆であってもよい。ステップ610では、層514は層516に積層される。ステップ610での積層は、熱と圧力を伴う高温積層を含んでもよい。ステップ610の代替として、層514は、層512の積層接着剤を使用して単一工程で層516及び層508に積層されてもよい。ステップ612では、開口部510が層508に形成される。ステップ614では、層514及び516は、層512を使用して層508の底面に積層される。ステップ614での積層は、熱と圧力を伴う高温積層を含んでもよい。ステップ616では、電子部品420は、層508に形成された開口部510内に位置決めされる。
【0037】
ステップ618では、両面テープ層506の下面を使用して(即ち、底部剥離シートが層506から除去された後)、接着された層502、504及び506が層508の上面に接着される。ステップ618は、好ましくは、著しい熱又は圧力を必要としないが真空を使用し得る低温積層ステップであってもよい。方法600は、好ましくは、ステップ618にて低温積層プロセスを使用して、電子機器420が熱及び/又は圧力に暴露されることを回避する。
【0038】
高温積層プロセスに耐えることができる電子機器の場合、上記のように、カード500の層502、504及び506を層516、514及び512と置き換えてもよい。そのようなカードを組み立てるために、電子機器420は最初に開口部510に載置される。層516、514及び512の第1のセットを、層508の片側に高温積層する。次に、層516、514及び512の第2のセットを、層508のもう一方の側に高温積層する。
【0039】
図7は、別の例示的な実施形態によるカード700の分解図を示す。カード700は複数の層を含み、本明細書に示した層以外の追加の層を含んでもよい。層は、軸A及び軸Bに沿ってほぼ同じ最大外形寸法を有する。層702は、前面704及び後面706を有する、例えば、ステンレス鋼を含む金属コアを含む。層702の厚さは、例えば、0.018インチ(0.45mm)であってもよい。層702は、前面704上の印刷を支持するために、前面704上に塗膜を有してもよい。
【0040】
層702は、3つの貫通開口部708a、708b及び708cを有し、それぞれは、前面704から後面706まで延びる。開口部708cは、カードのほぼ中央に位置決めされ、長さ方向軸「A」及び幅方向軸「B」に沿って実質的に位置合わせされている。開口部708a及び708bは、開口部708cの各側面に隣接する。各開口部708a、708b及び708cは、丸みを帯びた内側角部を有する実質的に長方形又は正方形の形状を有する。開口部708cは、開口部708a及び708bよりも大きい。開口部のサイズと形状は、図示して説明しているものとは異なるものであってもよい。開口部は、必要に応じて、ポケット又は止まり穴の形態で設けられてもよい。
【0041】
層703が層702の下に位置決めされる。層703は、例えば、0.004インチ(0.1mm)の厚さを有するFR4材料から構成されるプリント回路基板(PCB)である。層703はガラス強化エポキシ積層シート材料から概ね構成されてもよい。図示していないが、層703は、例えば、電気信号及び電流を伝達することができる銅から構成され得る複数の配線を含む。
【0042】
チップ710の形態の支払いモジュールが、層703の上面に取り付けられ、その上方に延びる。チップ710は、上記したように、デュアルインターフェース(DI)システムの一部を形成してもよい。カード700の組み立てられた形態では、チップ710は、開口部708a内に包含されるように位置決めされる。
【0043】
このほか、指紋パッド712が層703の上面707に取り付けられ、その上方に延びる。指紋パッド712は、層703内の(図示しない)接続穴及び/又は配線によってチップ710に接続される。カード700の組み立てられた形態では、指紋パッド712は、開口部708b内に包含されるように位置決めされる。
【0044】
容量性RFアンテナ714が、層703の上面707に取り付けられるか、層703内に埋め込まれる。アンテナ714は、1つ又は複数の承諾基準に準拠するために、カード700のほぼ中央に位置決めされる。アンテナ714は、層703の(図示しない)接続穴及び/又は配線によってチップ710に接続される。カード700の組み立てられた形態では、アンテナ714は、開口部708cと位置合わせされるように軸A及び軸Bに沿って位置決めされる。アンテナ714は、層703の表面の上方に突出してもしなくてもよい。アンテナ714は、無線性能を向上させるために層703上の大きな領域を占有する。
【0045】
インサート705が、層702の開口部708c内に位置決めされ、層703上のアンテナ714の上方にある。インサート705は、例えば、0.018インチ(0.45mm)の厚さを有するプラスチックから構成されてもよい。インサート705の厚さは、層704の厚さと等しくてもよい。インサート705の前面718は、層702の前面とともに前面718の上に印刷を支持するための塗膜を有してもよい。これとは別に、1つ又は複数の(図示しない)プラスチック層をインサート705及び層702を覆うように付与し、印刷を最外層に付与してもよい。プラスチックインサート705は、アンテナ714によるRFフラックスの放射を可能にするように構成される。
【0046】
このほか、図示していないが、指紋パッド712とチップ710との間で送信される信号を処理するために、層703の側面の上部(又は層703内)に小さな集積回路(IC)を取り付けてもよい。さらに具体的には、ICはパッド712に付着した指紋を検証することができる。ICは、層703に取り付けられた他の部品に接続されてもよく、配線及び/又は接続穴は、ICチップをカード700の他の部品に接続することができる。層703に取り付けられた部品は、図示して説明したものとは異なるものであってもよい。部品には、IC、Bluetooth(登録商標)モジュール、ディスプレイなどが含まれてもよい。
【0047】
本明細書では例示的な実施形態を、金属コアを有するものとして説明しているが、セラミックコアなどの金属以外の非プラスチックコアを備えたカードの作成に類似の構造及び製造プロセスが関連し得ることを理解されたい。セラミックコアを備えたカードには、ここで説明するフェライト層などのEMI遮蔽層、あるいはEMI遮蔽層の配置又は作成に関連するプロセスステップのいずれかが必要ないという利点がある。セラミックコアは、成形、機械加工、エッチング、あるいはセラミック体にそのような特徴を作成するための当技術分野で既知の方法を介して電子機器を収容するために必要な任意の数のポケット及び穴を伴って作成されてもよい。セラミックコアの製造方法が、本出願の共通出願人に譲渡され、参照により本明細書に組み込まれ、「セラミック含有取引カード及びセラミック複合取引カード」と題する米国出願番号第15/521,519号に記載されている。本明細書では特定の層について説明したが、カードの任意の部分が、本明細書で説明したものよりも少ない層、多い層又は異なる層を有してもよく、各層は本明細書で考察したものとは異なる構成材料を有してもよい。本発明は、任意の特定の層の順序又は層を組み立てる順序に限定されない。本明細書に記載する特定の層には、2つ以上の材料又は材料の層の複合体が含まれる場合がある。追加の層が、完成したカードの一部として、あるいは組み立てプロセス中に除去される一時的な層(例えば、剥離層)として、本明細書に開示する任意の層の間に配置される場合がある。本明細書で別個のフィルムとして開示した層を、代わりに塗膜として提供してもよく、その逆であってもよい。
【0048】
本明細書では、特定の実施形態を参照して本発明を図示して説明したが、本発明は、示した詳細に限定することを意図するものではない。むしろ、本発明から逸脱することなく、特許請求の範囲の均等物の範囲内及び領域内で詳細にさまざまな修正を加えることができる。
【手続補正書】
【提出日】2023-01-06
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1及び第2の面と、その間のコア厚と、少なくとも前記第1の面の第1の開口部とを有する非プラスチックコアと、
前記第1の開口部に又は前記第1の開口部に隣接して配置された一つ又は複数の埋め込み電子機器と、
前記埋め込み電子機器と接触する充填層であって、前記埋め込み電子機器によって占有さていない前記第1の開口部の一部に配置された充填層と、
前記充填層を覆うように配置された1つ又は複数の層と、を具備する、取引カード。
【請求項2】
前記一つ又は複数の埋め込み電子機器は、少なくともプリント回路基板と能動電源又は受動電源とを具備する、請求項1に記載の取引カード。
【請求項3】
前記第1の開口部から延びるポケットであって、前記コア厚を下回る深さのポケット底部を有するポケットを具備する、請求項2に記載の取引カード。
【請求項4】
前記非プラスチックコアは金属を含み、前記カードは、前記埋め込み電子機器と前記ポケット底部との間の空隙に配置された電磁干渉(EMI)遮蔽層をさらに具備する、請求項3に記載の取引カード。
【請求項5】
前記充填層は、前記非プラスチックコアの前記第1の面を横切って延びる、請求項2に記載の取引カード。
【請求項6】
前記充填層が転写テープ接着剤を含む、請求項2に記載の取引カード。
【請求項7】
前記コアは、前記第2の面上に塗膜を有し、前記塗膜上に印刷された証印を有する、請求項1から6のいずれか一項に記載の取引カード。
【請求項8】
前記充填層を覆うように配置された前記1つ又は複数の層の少なくとも1つに形成された証印をさらに備え、前記証印は、印刷された証印、レーザ形成された証印、あるいはその組み合わせを含む、請求項1から6のいずれか一項に記載の取引カード。
【請求項9】
前記1つ又は複数の埋め込み電子機器は、ディスプレイと、前記ディスプレイ上に動的セキュリティコードを生成するように構成されたプロセッサとをさらに具備する、請求項1から6のいずれか一項に記載の取引カード。
【請求項10】
前記充填層が前記第1の開口部に閉じ込められる、請求項1から6のいずれか一項に記載の取引カード。
【請求項11】
前記充填層が、所定の積層温度にて流動可能な状態を有するポリマーを含む、請求項1から6のいずれか一項に記載の取引カード。
【請求項12】
前記1つ又は複数の層はポリマー層、磁気ストライプ及び/又はレーザ反応層を含む、請求項1から6のいずれか一項に記載の取引カード。
【請求項13】
前記EMI遮蔽層がフェライトを含む、請求項4に記載の取引カード。
【請求項14】
前記非プラスチックコアがセラミックを含む、請求項5又は6に記載の取引カード。
【請求項15】
前記充填層が硬化樹脂を含む、請求項5に記載の取引カード。
【請求項16】
前記非プラスチックコアが第2の開口部を有し、前記第2の開口部に配置されたデュアルインターフェースモジュールをさらに具備する、請求項1に記載の取引カード。
【請求項17】
前記一つ又は複数の埋め込み電子機器が、前記デュアルインターフェースモジュールに連結されているアンテナを具備する、請求項16に記載の取引カード。
【請求項18】
前記アンテナは、前記前記デュアルインターフェースモジュールの無線性能を向上させるように構成されている、請求項17に記載の取引カード。
【請求項19】
前記アンテナは、前記非プラスチックコアに隣接した非金属アンテナ層内に又は非金属アンテナ層上に配置されている、請求項18に記載の取引カード。
【請求項20】
前記非金属アンテナ層の下に配置されたもう一つの層をさらに具備し、これによって、前記非金属アンテナ層が前記非プラスチックコアと前記もう一つの層との間に挟まれ、前記非プラスチックコアと前記もう一つの層との少なくとも1つが金属層を含む、請求項19に記載の取引カード。
【請求項21】
前記非金属アンテナ層は、ガラス強化エポキシ積層シート材料を含む、請求項19に記載の取引カード。
【請求項22】
前記非プラスチックコアは金属層を含み、前記充填層はプラスチックを含む、請求項19に記載の取引カード。
【請求項23】
複数の層によって形成された取引カードを作成するプロセスであって、前記プロセスは、
前記カードの第1の部分を提供するステップであって、前記第1の部分は、第1及び第2の面とそれらの間のコア厚とを有する非プラスチックコアを具備する、ステップと、
前記コアに開口部を形成するステップであって、前記開口部は前記第1の面を貫通して形成される、ステップと、
埋め込み電子機器を前記開口部に配置するステップと、
前記カードの第2の部分を提供するステップと、
前記開口部の前記埋め込み電子機器によって占有されていない部分に配置された充填物を提供し、前記カードの前記第1の部分を前記カードの前記第2の部分に取り付けるステップと、を含むプロセス。
【請求項24】
前記開口部から延び、前記コア厚を下回る深さのポケット底部を有するポケットを形成するステップであって、前記埋め込み電子機器は少なくともプリント回路基板と電池とを具備するステップをさらに含む、請求項23に記載のプロセス。
【請求項25】
前記充填物を提供し、前記カードの前記第2の部分に前記第1の部分を取り付けるステップは、
樹脂の第1の成分を、前記第1の面及び前記埋め込み電子機器と接触する前記カードの前記第1の部分に塗布するサブステップと、
前記カードの前記第2の部分と接触する前記樹脂の第2の成分を塗布するサブステップと、
前記第1の成分と前記第2の成分とを、互いに接触した前記樹脂の前記第1の成分と前記樹脂の前記第2の成分とともに、組み立てるサブステップと、
前記樹脂を硬化させるサブステップと、を含む、請求項24に記載のプロセス。
【請求項26】
前記充填物を提供し、前記カードの前記第1の部分を前記第2の部分に取り付けるステップは、
第1の剥離層と第2の剥離層との間に配置された支持体のない接着剤を含む転写テープを提供するサブステップと、
前記第1の剥離層を除去し、前記接着剤を(i)前記カードの前記第2の部分と(ii)前記第1の面及び前記埋め込み電子機器とのうちの一方に取り付けるサブステップと、
前記第2の剥離層を除去し、前記接着剤を(i)前記カードの前記第2の部分と(ii)前記第1の面及び前記埋め込み電子機器とのうちの他方に取り付けるサブステップと、を含む請求項24に記載のプロセス。
【請求項27】
前記充填物を提供し、前記カードの前記第1の部分を前記第2の部分に取り付けるステップは、
室温より高い温度での積層プロセスにて前記第1の部分を前記第2の部分に積層するサブステップであって、前記充填物は前記第2の部分に配置された流動性ポリマー層の一部を含み、前記流動性ポリマー層は前記積層温度にて流動性である、サブステップを含む、請求項24に記載のプロセス。
【請求項28】
前記第2の部分は複数の層を具備し、前記複数の層は、ポリマー層、磁気ストライプ及びレーザ反応層を含み、前記第2の部分を提供する前記ステップは、前記樹脂を塗布する前に前記複数の層を合わせて事前積層するステップを含む、請求項24に記載のプロセス。
【請求項29】
前記開口部に前記充填物を配置する前に、前記開口部に前記電子機器を仮留めするステップをさらに含む、請求項23から28のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項30】
前記非プラスチックコアは、前記第2の面上に塗膜を具備し、前記塗膜に印刷された証印を付与するステップをさらに含む、請求項23から28のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項31】
前記非プラスチックコアは、前記第2の面上に塗膜を具備し、前記塗膜に印刷された証印を付与するステップをさらに含む、請求項26又は27に記載のプロセス。
【請求項32】
前記第2の部分は透明ポリマー層を含み、前記透明ポリマー層上に前記証印を印刷するステップを含む、請求項23から28のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項33】
前記第2の部分はレーザ反応層を含み、前記レーザ反応層をレーザに暴露することによって証印を形成するステップをさらに含む、請求項23から28のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項34】
前記非プラスチックコアは金属を含み、前記被覆された金属表面上への印刷を可能にする塗膜を前記金属の表面を覆うように配置するステップをさらに含む、請求項23から28のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項35】
前記取引カードは、第1の長さ及び第1の幅によって形成される第1の面積を有し、前記プロセスは、前記カードを複数のシートを含む複合体として形成する前記複数の層を組み立てるステップを含み、各シートは、前記複数の層のうちの1つを形成し、前記第1の面積の2倍よりも大きい第2の面積を有し、前記プロセスは、前記取引カード及び1つ又は複数の他の取引カードを前記複合体から切り取るステップをさらに含む、請求項23から28のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項36】
前記樹脂は、前記樹脂の前記第1の成分が前記樹脂の前記第2の成分と異なる二液性エポキシを含む、請求項25に記載のプロセス。
【請求項37】
前記樹脂を硬化させるステップは、紫外線、湿度又は加熱により前記樹脂を硬化させるステップを含む、請求項25に記載のプロセス。
【請求項38】
前記樹脂を硬化させる前記ステップは、真空プレスで前記樹脂を硬化させるステップを含む、請求項25に記載のプロセス。
【請求項39】
前記充填物を提供し、前記カードの前記第1の部分を前記第2の部分に取り付けるステップは、
前記開口部の少なくとも一部に樹脂を塗布するサブステップであって、前記樹脂は前記開口部を超えて延びない、サブステップと、
前記樹脂を硬化させるサブステップと、を含む、請求項25に記載のプロセス。
【請求項40】
前記樹脂及び前記カードの前記第1の部分を覆うように少なくとも1つのシートを積層するステップをさらに含む、請求項39に記載のプロセス。
【請求項41】
前記第2の部分は複数の層を具備し、前記複数の層は、ポリマー層、磁気ストライプ及びレーザ反応層を含む、請求項25に記載のプロセス。
【請求項42】
前記第2の部分上に証印を形成するステップをさらに含み、前記証印を形成する前記ステップは、前記証印を印刷するステップを含む、請求項25に記載のプロセス。
【請求項43】
前記非プラスチックコアはセラミックを含む、請求項25に記載のプロセス。
【請求項44】
前記複合体から前記カードを切り取った後、各カードを個人化するステップをさらに含む、請求項35に記載のプロセス。
【請求項45】
前記充填物を提供し、前記カードの前記第2の部分に前記第1の部分を取り付けるステップは、
前記樹脂を、前記カードの前記開口部に塗布し、埋め込み電子機器を覆うように塗布するサブステップと、
前記樹脂を硬化させるサブステップと、
第2の樹脂の第1の成分を、前記第1の面と前記埋め込み電子機器とに接触する前記カードの前記第1の部分に塗布するサブステップと、
前記カードの前記第2の部分と接触する前記第2の樹脂の第2の成分を塗布するサブステップと、
前記第2の樹脂の前記第1の成分と前記第2の樹脂の前記第2の成分とが互いに接触した状態で、前記第1の成分と前記第2の成分とを合わせて組み立てるサブステップと、
前記第2の樹脂を硬化させるサブステップと、を含む、請求項25に記載のプロセス。
【外国語明細書】