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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023005195
(43)【公開日】2023-01-18
(54)【発明の名称】照明装置
(51)【国際特許分類】
   F21S 2/00 20160101AFI20230111BHJP
   F21V 23/00 20150101ALI20230111BHJP
   F21V 33/00 20060101ALI20230111BHJP
   F21V 23/06 20060101ALI20230111BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20230111BHJP
   F21Y 115/15 20160101ALN20230111BHJP
【FI】
F21S2/00 230
F21V23/00 110
F21V23/00 120
F21V33/00 400
F21V23/00 160
F21V23/06
F21Y115:10
F21Y115:15
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021106960
(22)【出願日】2021-06-28
(71)【出願人】
【識別番号】000003757
【氏名又は名称】東芝ライテック株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000220620
【氏名又は名称】東芝テリー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100092565
【弁理士】
【氏名又は名称】樺澤 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100112449
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 哲也
(74)【代理人】
【識別番号】100062764
【弁理士】
【氏名又は名称】樺澤 襄
(72)【発明者】
【氏名】石坂 大介
(72)【発明者】
【氏名】大野 鉄也
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 諒
【テーマコード(参考)】
3K014
【Fターム(参考)】
3K014AA01
3K014AA02
3K014HA03
3K014RB00
(57)【要約】
【課題】撮像部の温度上昇を抑制できる照明装置を提供する。
【解決手段】照明装置10は、光を照射する照明器具11と、カメラユニット12とを備える。カメラユニット12は、照明器具11の光照射方向に対応する光照射側に配置される撮像部63と、光照射側に対して反対側の非光照射側に配置され、電力を供給可能な通信ケーブル81が接続されるコネクタ80を有する。カメラユニット12は、コネクタ80に接続される通信ケーブル81を通じて供給される電力によって少なくとも一部が動作し、通信ケーブル81を通じて通信する。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光を照射する照明器具と;
前記照明器具の光照射方向に対応する光照射側に配置される撮像部と、前記光照射側に対して反対側の非光照射側に配置され、電力を供給可能な通信ケーブルが接続されるコネクタを有し、前記コネクタに接続される前記通信ケーブルを通じて供給される電力によって少なくとも一部が動作し、前記通信ケーブルを通じて通信するカメラユニットと;
を備えることを特徴とする照明装置。
【請求項2】
前記カメラユニットは、前記光照射側と前記非光照射側との間に配置される複数の基板を有し、
前記基板は、
前記光照射側に対応して配置され、前記撮像部が設けられる撮像基板と、
前記非光照射側に配置され、前記コネクタが設けられ、前記コネクタに接続される前記通信ケーブルを通じて供給される電力によって動作する通信基板と、を少なくとも有する
ことを特徴とする請求項1記載の照明装置。
【請求項3】
前記照明器具は、
端部に前記カメラユニットが設けられるとともに前記カメラユニットに接続される前記通信ケーブルが配線される長尺な器具本体と、
前記器具本体に配置される光源ユニットと、
前記器具本体と前記光源ユニットとの間に配置され、前記光源ユニットを点灯させる第1電源部と、
前記器具本体に配置され、前記カメラユニットの撮像部の駆動用電力を供給する第2電源部と、
を有する
ことを特徴とする請求項1または2記載の照明装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、カメラユニットを備えた照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、カメラユニットを備えた照明装置が知られている。この照明装置では、電力を供給可能な通信ケーブルが接続され、この通信ケーブルを通じて供給される電力によってカメラユニットが動作し、カメラユニットで撮影するデータを通信ケーブルによって送信している。
【0003】
このようなカメラユニットでは、通信ケーブルによって供給される電力をカメラユニットが動作する所定の電力に変換する必要があるため、電力変換によって発熱が生じる問題があり、カメラユニットの撮像部の温度が上昇し、ノイズの増加によって画質の低下を招くことがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2020-119666号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、撮像部の温度上昇を抑制できる照明装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態の照明装置は、光を照射する照明器具と、カメラユニットとを備える。カメラユニットは、照明器具の光照射方向に対応する光照射側に配置される撮像部と、光照射側に対して反対側の非光照射側に配置され、電力を供給可能な通信ケーブルが接続されるコネクタを有する。カメラユニットは、コネクタに接続される通信ケーブルを通じて供給される電力によって少なくとも一部が動作し、通信ケーブルを通じて通信する。
【発明の効果】
【0007】
実施形態の照明装置によれば、撮像部の温度上昇を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】一実施形態を示す照明装置の斜視図である。
図2】同上照明装置の光源ユニットを外した斜視図である。
図3】同上照明装置のカメラユニットの分解斜視図である。
図4】同上カメラユニットの断面図である。
図5】同上カメラユニットのカメラ本体の非光照射側から見た斜視図である。
図6】同上カメラユニットのカメラ本体の光照射側から見た斜視図である。
図7】同上カメラユニットの光学系の分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、一実施形態を、図面を参照して説明する。
【0010】
図1および図2に照明装置10を示す。照明装置10は、設置面である例えば天井面に設置される直付形照明装置である。照明装置10は、長尺な照明器具11と、この照明器具11の長手方向の一端側に配置されるカメラユニット12と、を備えている。照明装置10は、照明器具11により照明し、照明された領域を含む所定の撮影領域をカメラユニット12により撮影し、撮影されたデータを外部の記憶装置やクラウドに送信し、データの保存および確認を可能とする。
【0011】
照明器具11は、長尺で、発光領域が長手方向に沿って連続するベースライト形である。照明器具11は、上面側である背面側が天井面に取り付けられる器具本体15と、この器具本体15の下面側である前面側に着脱可能に取り付けられる光源ユニット16と、を備えている。この照明器具11の前面側が光源ユニット16から光を照射する光照射方向に対応する光照射側であり、背面側が光照射側に対して反対側の非光照射側である。
【0012】
器具本体15は、例えば板金製で、長尺に形成されている。器具本体15は、長尺な設置部である天板部19、この天板部19の長手方向に交差する短手方向である幅方向の両側に設けられた側板部20、および天板部19の長手方向の両端に設けられた端板部21を有し、前面側が開口された細長い箱形に形成されている。
【0013】
天板部19には、複数の孔が設けられている。天板部19の長手方向中央には電源線用の第1配線孔22が設けられ、天板部19の長手方向の両端近傍には通信ケーブル用の第2配線孔23などが設けられている。天板部19の長手方向の両端近傍には、天板部19の長手方向に長い長孔やだるま孔などを含む設置面に取り付けるための複数の取付孔24が設けられている。また、図3に示すように、一端側の端板部21の幅方向の中央に器具本体15内とカメラユニット12側とを連通するための連通孔25が設けられ、一端側の端板部21の幅方向の一側にカメラユニット12のカバー取付用の挿通孔26が設けられている。連通孔25は、照明器具11を連設する場合の送り配線用のノックアウト孔を利用してもよい。
【0014】
図2に示すように、器具本体15内には、天板部19の中央の第1配線孔22の一端側近傍に端子台27が配置され、天板部19の中央の第1配線孔22を中心として端子台27とは反対側となる他端側近傍に光源ユニット16の点灯用の第1電源部28が配置され、天板部19の端子台27よりも一端側にカメラユニット12の駆動用の第2電源部29が配置されている。
【0015】
端子台27には、施工時に、外部から第1配線孔22を通じて器具本体15内に引き込まれる電源線が電気的に接続される。端子台27と第1電源部28および第2電源部29とは内部配線によりそれぞれ電気的に接続されている。電源線は、例えば商用交流電源からの外部電力である交流電力を照明装置10に供給する。
【0016】
第1電源部28は、例えば、AD-DCコンバータであり、商用交流電源から端子台27を通じて供給される交流電力を光源ユニット16の点灯に必要な点灯電力である直流電力に変換して、光源ユニット16に供給する。第1電源部28には、光源ユニット16と電気的に接続される第1出力線が接続されている。
【0017】
第2電源部29は、例えば、AD-DCコンバータであり、商用交流電源から端子台27を通じて供給される交流電力をカメラユニット12の少なくとも一部の動作に必要な動作電力である直流電力に変換して、カメラユニット12に供給する。第2電源部29には、カメラユニット12と電気的に接続される第2出力線が接続されている。
【0018】
器具本体15内には、天板部19の両端近傍位置に、器具本体15に対して光源ユニット16を着脱可能に取り付けるための取付機構を構成する被取付部としてのばね受金具30が取り付けられている。
【0019】
また、図1および図2に示すように、光源ユニット16は、長尺で、器具本体15の長さと略同じ長さに形成されている。光源ユニット16は、光源シャーシ33、この光源シャーシ33の下面側に取り付けられる光源34、およびこの光源34を覆って光源シャーシ33に取り付けられる透光カバー35を備えている。
【0020】
光源シャーシ33は、金属製で長尺に設けられている。光源34は、長尺な基板とこの基板の長手方向に沿って実装された複数の発光素子とを有する発光モジュールにて構成されている。発光素子は、例えばLEDや有機ELなどで構成されている。光源34には入力線の一端側が電気的に接続され、この入力線の他端側が光源シャーシ33の背面側から引き出され、この入力線の他端側が第1電源部28からの第1出力線に対して着脱可能とするコネクタにより電気的に接続される。透光カバー35は、透光性および光拡散性を有し、光源34からの光が透過する。透光カバー35は、幅方向の断面形状が前面側に凸曲面状となるように形成されている。
【0021】
光源シャーシ33の背面側には、長手方向の両端近傍に、取付機構を構成する取付部としての取付ばね36が取り付けられている。取付ばね36は、ばね力に抗して光源シャーシ33から立ち上げた状態で器具本体15のばね受金具30に引っ掛けることにより、ばね力によって光源ユニット16を引き上げて器具本体15に取り付けるように構成されている。
【0022】
また、図3および図4に示すように、カメラユニット12は、照明器具11の一端側に取り付けられるカメラ筐体40と、このカメラ筐体40内に収容されるカメラ本体41と、を備えている。
【0023】
カメラ筐体40は、照明器具11の長手方向に対応する方向に長く、照明器具11の断面形状と略同じ外観に形成されている。カメラ筐体40は、ケース44と、このケース44の前面側に着脱可能に取り付けられるカバー45と、を備えている。
【0024】
ケース44は、例えばアルミダイキャストなどの金属製で一体に形成されている。ケース44は、長方形状の背面部47と、この背面部47の幅方向の両側に設けられた側面部48と、背面部47の長手方向の両端に設けられた端面部49と、を有し、前面側が開口されている。
【0025】
器具本体15に対向するケース44の一端側で幅方向の中央には、器具本体15に連結される連結部50が突出されている。連結部50は、背面部47から延設され、一端側の端面部49よりも外方に突出されている。連結部50には複数のボス部51が設けられている。連結部50は、器具本体15の端板部21に設けられた連通孔25を通じて器具本体15内に挿入されて天板部19の前面側に配置され、天板部19の背面側から挿通される締結具である複数のねじが複数のボス部51に螺着されることにより、連結部50が器具本体15に締め付け固定される。したがって、連結部50を介してケース44が器具本体15に連結固定される。
【0026】
器具本体15に対向されるケース44の一端側の端面部49の幅方向の中央には、器具本体15の端板部21に設けられた連通孔25に対向して連通される配線溝52が設けられている。一端側の端面部49の幅方向の一側には、器具本体15の端板部21に設けられた挿通孔26に対向して連通されるカバー取付用の挿通孔53が設けられている。また、器具本体15に対して反対側となるケース44の他端側には、カバー45を引っ掛けて着脱可能に係止する爪部54が設けられている。
【0027】
カバー45は、例えばアルミダイキャストなどの金属製で一体に形成されている。カバー45は、光源ユニット16の透光カバー35と略同じ断面形状に形成されている。すなわち、カバー45は、幅方向の断面形状が前面側に凸曲面状となるように形成されている。カバー45の前面側の中央には、カメラ本体41の一部が配置される窓部55が形成されている。カバー45の背面側には、カメラ本体41が取り付けられる複数のボス部56が突設されている。
【0028】
器具本体15に対向されるカバー45の一端側には、ケース44の一端側の端面部49の内側に挿入配置されるカバー取付部57が背面側から突出されている。カバー取付部57には、カバー45がケース44の前面側に組み合わされた位置でケース44の挿通孔53に対向配置される取付孔58が設けられている。そして、締結具であるねじが器具本体15内から器具本体15の挿通孔26およびケース44の挿通孔53を通じて取付孔58に螺着されることにより、カバー45がケース44に固定される。また、カバー45の他端側には、ケース44の爪部54に引っ掛けて係止される係止孔が形成されている。
【0029】
また、カメラ本体41は、カメラシャーシ61と、このカメラシャーシ61に取り付けられる複数の基板62と、この基板62の1つに設けられる撮像部63と、この撮像部63と組み合わされる光学系64と、複数の基板62を覆う保護カバー65と、を備えている。
【0030】
図4ないし図6に示すように、カメラシャーシ61は、金属板にて、カメラ筐体40の長手方向に対応して長尺に形成されている。カメラシャーシ61の長手方向の両端にはカバー45の背面側に取り付けられる固定部67が設けられ、中間部には背面側に屈曲された撮像基板取付部68が設けられている。両端の固定部67は、この固定部67を挿通してカバー45のボス部56に螺着されるねじ69でカバー45の背面側に取り付けられる。
【0031】
基板62は、前面側に撮像部63が設けられる撮像基板71と、撮像部63を駆動するとともに撮像部63で撮影されたデータを処理する駆動基板72と、外部と通信する通信基板73と、を備えている。これら撮像基板71、駆動基板72および通信基板73は、部品が実装される基板面が前後方向に向く姿勢で平行に配置されている。カメラユニット12では、照明器具11の光照射方向に対応する光照射側である前面側から反対側の非光照射側である背面側にかけて、撮像基板71、駆動基板72および通信基板73の順に配置されている。撮像基板71と駆動基板72とはハーネスで駆動基板72から撮像基板71に給電可能に接続されているとともに互いに通信可能に接続され、駆動基板72と通信基板73とはハーネスで互いに通信可能に接続されている。
【0032】
撮像基板71は、駆動基板72および通信基板73よりも小形に形成され、前面側に撮像部63が実装されている。撮像基板71には、撮像部63を制御する制御回路が設けられている。撮像基板71は、複数の金属製の取付部材74により、カメラシャーシ61の撮像基板取付部68の前面側に対して所定の間隔を空けて取り付けられている。取付部材74には、撮像基板71とカメラシャーシ61との間のスペーサ、このスペーサを介して撮像基板71とカメラシャーシ61を締め付け固定するねじおよびナットなどを用いて構成してもよし、他の取付構造を用いてもよい。撮像部63の位置に対応した撮像基板71の背面側とカメラシャーシ61とは、その間に熱伝導部材75が介在されて熱的に接続されている。
【0033】
駆動基板72は、電源用のコネクタ76が実装されているとともに、撮像部63を駆動する駆動回路や、撮像部63で撮影されたデータを取得して処理する処理回路などを含む回路が設けられている。コネクタ76には、第2電源部29からの第2出力線77が接続され、例えば5Vの直流電力が供給される。コネクタ76は、照明器具11に対向する駆動基板72の一端部で、ケース44の配線溝52に対向する位置から外れた位置であって、配線溝52の位置よりも前側でかつ幅方向の一方側に片寄った位置に実装されている。コネクタ76には、第2出力線77が照明器具11の長手方向に対応する方向から着脱可能に差し込み接続される。駆動回路は、第2電源部29からの第2出力線77で供給される例えば5Vの直流電力で動作し、撮像基板71に電力供給する。また、駆動回路は、一部の回路などに対して、例えば5Vの直流電力を3.3Vなどの所定の電圧の直流電力に変換して供給する。駆動基板72に実装された部品のうち、例えば電力を変換するような発熱量が大きい部品78については、熱伝導部材79によってカメラシャーシ61に熱的に接続されている。
【0034】
通信基板73には、通信用のモジュラージャックであるコネクタ80が実装されているとともに、通信基板73の回路に所定の電力を供給する電力変換回路や、外部と通信する通信回路を含む回路が設けられている。
【0035】
コネクタ80には、照明器具11から配線される、通信とともに電力を供給可能な通信ケーブル81が接続される。通信ケーブル81は、例えば、パワーオーバーイーサネット(PoE:Power over Ethernet)(登録商標)対応のLANケーブルなどである。通信ケーブル81は、一端側が、所定のネットワークとの通信を中継するPoE対応のハブのPoEコネクタに接続され、他端側が照明器具11内を通じてカメラユニット12内に引き込まれてコネクタ80に接続される。通信ケーブル81は、外部との通信機能に加え、ハブから例えば48Vの直流電力を通信基板73に供給する電源ケーブルとして機能する。
【0036】
コネクタ80は、照明器具11に対向する通信基板73の一端側で、ケース44の配線溝52に対向する幅方向の中央位置に実装されている。コネクタ80には、通信ケーブル81が照明器具11の長手方向に対応する方向から着脱可能に差し込み接続される。
【0037】
通信ケーブル81の端部には、モジュラージャックであるコネクタ80に差し込み接続されるモジュラープラグ82が設けられている。モジュラープラグ82は、コネクタ80に接続された際にコネクタ80に対して抜け止めする係止部、およびコネクタ80に対する係止部の係止を外して取り外すための取外し操作部83を有している。コネクタ80に差し込み接続されるモジュラープラグ82の向きは、取外し操作部83がカメラ本体41の前面側に対向する向きとされている。
【0038】
通信基板73の電力変換回路は、通信ケーブル81によって供給される例えば48Vの直流電力を例えば5Vなどの所定の電圧の直流電力に変換し、通信基板73の通信回路などに供給する。通信基板73の通信回路は、通信ケーブル81を通じて外部と互いに通信可能とし、外部からの制御信号を受信したり、駆動基板72で処理された映像のデータを外部に送信する。
【0039】
駆動基板72および通信基板73は、複数の金属製の取付部材84により、カメラシャーシ61の背面側で、カメラシャーシ61と駆動基板72との間、および駆動基板72と通信基板73との間に、それぞれ所定の間隔を空けて取り付けられている。複数の取付部材84は、駆動基板72および通信基板73の四隅に配置されている。取付部材84は、駆動基板72の前面側に配置される雌ねじ付スペーサと、駆動基板72の背面側に配置され雌ねじ付スペーサに螺着されて固定される雄雌ねじ付スペースと、カメラシャーシ61の前面側から雌ねじ付スペーサに螺着されるねじと、通信基板73の背面側から雄雌ねじ付スペースに螺着されるねじと、を用いて構成してもよし、他の取付構造を用いてもよい。
【0040】
通信基板73の背面側には、金属製の放熱板86が配置されている。放熱板86は、四隅位置に脚部87を有し、この脚部87が通信基板73の背面側四隅に取付部材84により通信基板73と一緒に取り付けられ、脚部87以外の箇所が通信基板73の背面側に所定の間隔を空けて配置されている。放熱板86にはコネクタ80や一部の部品88が挿通する開口部89が設けられている。部品88は、通信基板73の電力変換回路の電力変換を行うスイッチング素子などを含む発熱部品である。この部品88、および通信基板73上の他の発熱部品は、それぞれ熱伝導部材90によって放熱板86に熱的に接続されている。部品88の背面側にはシート状の熱伝導部材91が配置され、複数の基板62が保護カバー65で覆われた際に熱伝導部材91を介して部品88が保護カバー65に熱的に接続される。
【0041】
また、図4および図6に示すように、撮像部63は、例えばCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)やCCD(Charge Coupled Device)などの固体撮像素子で構成され、撮像基板71の前面側に配置されている。
【0042】
また、図4および図7に示すように、光学系64は、撮像基板71の前面側に取り付けられるレンズホルダ93と、このレンズホルダ93に取り付けられるレンズ94と、このレンズ94を覆うレンズカバー95と、レンズホルダ93とレンズカバー95との間を閉塞するパッキン96と、を備えている。
【0043】
レンズホルダ93は、撮像部63に対向して前後方向に開口する円筒状のホルダ部97を有している。このホルダ部97の内周には、レンズ94を取り付けるための雌ねじ98が形成されている。
【0044】
レンズ94は、所定の撮影領域に応じた画角を有するように所定のレンズ形状に形成され、所定の撮影領域の被写体を撮像部63に集光する。レンズ94には、レンズホルダ93のホルダ部97に挿入されるレンズ取付部99が形成され、そのレンズ取付部99の外周面にレンズホルダ93のホルダ部97の雌ねじ98に螺着される雄ねじ100が設けられている。したがって、レンズ94は、回動操作によりレンズホルダ93に対して着脱可能とする。
【0045】
レンズカバー95は、前後に開口する円筒状に形成され、背面側がカメラシャーシ61の前面側に取り付けられている。レンズカバー95の前面側中央は、前方に突出され、レンズ94が配置される開口部101が設けられている。図3および図4に示すように、レンズカバー95は一方の端部側はねじ102でカメラシャーシ61に取り付けられ、他方の端部側はカメラシャーシ61にねじ103で取り付けられる押え部材104によりカメラシャーシ61に押え付けられて取り付けられている。
【0046】
パッキン96は、例えばゴムやシリコーンなどの材料で弾性を有するとともに遮光性を有しており、円筒状に形成されている。パッキン96は、レンズホルダ93のホルダ部97の外周面に密着して取り付けられる円筒状のレンズホルダ接触部105と、レンズ94の外周面に接触されるレンズ接触部106と、レンズカバー95の内周面に密着されるレンズカバー接触部107と、を備えている。レンズホルダ接触部105とレンズカバー接触部107との間には、前方に向けて拡開する拡開部108が形成されている。レンズカバー接触部107は、拡開部108の前端の外周部から突出されており、レンズカバー95の背面側からパッキン96が相対的に挿入されることにより、レンズカバー接触部107の先端側がレンズカバー95の内周面に弾性的に接触される。
【0047】
また、図3および図4に示すように、保護カバー65は、例えば樹脂製で、前面側が開口された箱状に形成され、カメラシャーシ61との間に複数の基板62を収納可能としている。保護カバー65の前端側には、カメラシャーシ61に着脱可能に取り付けられる複数の取付爪110が設けられている。保護カバー65には、コネクタ76およびコネクタ80とそれぞれ対向する位置に、第2出力線77および通信ケーブル81がそれぞれ差し込まれる差込孔111,112が設けられている。
【0048】
カメラ本体41がカメラ筐体40内に配置された組立状態では、保護カバー65の背面側がケース44の背面部47に近接対向され、カメラ本体41側で発生する熱を保護カバー65の背面側からケース44の背面部47に放熱可能とする。
【0049】
そして、照明装置10を施工する際には、器具本体15から光源ユニット16が外され、カメラユニット12のケース44からカメラ本体41が取り付けられているカバー45が外され、器具本体15にカメラユニット12のケース44が取り付けられている状態にある。
【0050】
器具本体15の第1配線孔22および第2配線孔23に設置面である天井面から引き出されている電源線および通信ケーブル81をそれぞれ通し、器具本体15の背面側を天井面に取り付ける。
【0051】
電源線は端子台27に接続する。通信ケーブル81および第2電源部29からの第2出力線77は器具本体15の端部の連通孔25を通じてカメラユニット12のケース44側に通し、これら通信ケーブル81および第2出力線77をカメラ本体41のコネクタ80およびコネクタ76にそれぞれ差し込んで接続する。
【0052】
カメラユニット12のカバー45をケース44の爪部54に引っ掛け、カバー45をケース44の前面側に被せる。これにより、カバー取付部57がケース44の端面部49の内側に挿入され、カバー取付部57の取付孔58が端面部49の挿通孔53に対向配置される。器具本体15内から、器具本体15の挿通孔26および端面部49の挿通孔53を通じてカバー取付部57の取付孔58に螺着することより、カバー45をケース44に取り付ける。
【0053】
このとき、コネクタ80に差し込み接続される通信ケーブル81のモジュラープラグ82の向きは、取外し操作部83がカメラ本体41の前面側に対向する向きとなっているため、カバー45をケース44に取り付ける作業中に誤って取外し操作部83が操作され、通信ケーブル81のモジュラープラグ82とコネクタ80との接続不良が生じるのを防止できる。
【0054】
なお、予め、第2電源部29からの第2出力線77がコネクタ76に接続され、カバー45がケース44に取り付けられた状態として施工してもよい。この場合、通信ケーブル81のモジュラープラグ82を、器具本体15の端部の連通孔25を通じてこの連通孔25に対向するコネクタ80に差し込み接続してもよい。
【0055】
光源ユニット16の取付ばね36をばね力に抗して引き起こして、器具本体15のばね受金具30に引っ掛け、第1電源部28からの第1出力線と光源ユニット16からの入力線とをコネクタ接続する。光源ユニット16を器具本体15へ向けて押し上げることにより、取付ばね36のばね力により、光源ユニット16を引き上げて器具本体15に取り付け、施工完了となる。
【0056】
そして、照明装置10に商用交流電源からの交流電力が供給されると、第1電源部28が交流電力を所定の直流電力に変換して光源ユニット16の光源34に供給し、光源34が点灯して照明する。
【0057】
さらに、照明装置10に商用交流電源からの交流電力が供給されると、第2電源部29が交流電力を所定の直流電力に変換し、第2出力線77を通じてカメラユニット12の駆動基板72に供給し、駆動基板72の回路、撮像基板71の回路および撮像部63が動作する。また、通信ケーブル81を通じて所定の直流電力が通信基板73に供給され、通信基板73が動作する。
【0058】
そして、カメラユニット12では、撮像部63により照明器具11で照明される領域を含む所定の撮影領域を撮影し、撮像部63で撮影された映像のデータを駆動基板72の処理回路で処理し、処理された映像のデータを通信基板73の通信回路により外部に送信する。
【0059】
また、カメラユニット12では、撮像部63の動作で発生する熱が撮像基板71から熱伝導部材75や取付部材74を介してカメラシャーシ61に伝達されるとともに、駆動基板72の回路から発生する熱が熱伝導部材79や取付部材84を介してカメラシャーシ61に伝達され、このカメラシャーシ61から金属製のカバー45に伝達され、さらにカバー45から金属製のケース44に伝達され、これらカバー45およびケース44の表面から外気中に放熱される。
【0060】
通信基板73の回路から発生する熱が熱伝導部材90を介して放熱板86に伝達され、この放熱板86から取付部材84を介してカメラシャーシ61に伝達され、このカメラシャーシ61から金属製のカバー45に伝達され、さらにカバー45から金属製のケース44に伝達され、これらカバー45およびケース44の表面から外気中に放熱される。
【0061】
通信基板73の電力変換回路の電力変換を行うスイッチング素子などを含む発熱部品である部品88から発生する熱が熱伝導部材91を介して保護カバー65に伝達され、この保護カバー65の表面から近接対向するケース44に放熱され、このケース44の表面からさらにはカバー45の表面から外気中に放熱される。
【0062】
また、カメラユニット12では、通信ケーブル81で供給される電力の変換、および第2電源部29から第2出力線77で供給される電力の変換をそれぞれ行っているが、第2電源部29から第2出力線77で供給される電力を変換する際には、変換する電圧の差が比較的小さいために発熱量が比較的小さいのに対して、通信ケーブル81で供給される電力を変換する際には、変換する電圧の差が比較的大きいために発熱量が比較的大きい。そのため、通信ケーブル81で供給される電力の変換により発生する熱が、撮像部63に影響した場合、撮像部63の放熱性が損なわれ、撮像部63が温度上昇してしまうことになる。
【0063】
そこで、カメラユニット12の前面側から反対側の背面側にかけて、撮像基板71、駆動基板72および通信基板73の順に配置し、撮像基板71と通信基板73とを分けて離すことにより、通信基板73で発生する熱が撮像基板71の撮像部63に影響するのを低減できる。
【0064】
このように、本実施形態の照明装置10では、前面側である光照射側に撮像部63が配置され、背面側である非光照射側に電力を供給可能な通信ケーブル81が接続されるコネクタ80が配置されるため、撮像部63をコネクタ80への電力供給に伴う発熱源から分離でき、撮像部63の放熱を容易にでき、撮像部63の温度上昇を抑制できる。
【0065】
さらに、カメラユニット12は、複数の基板62を備え、この基板62として、光照射側に撮像部63が設けられる撮像基板71が配置され、非光照射側にコネクタ80が設けられる通信基板73が配置されるため、撮像基板71と通信基板73とを分離し、撮像部63の温度上昇を抑制できる。
【0066】
しかも、複数の基板62に分割し、すなわち撮像基板71と駆動基板72と通信基板73とに分割することにより、1枚基板の場合に比べて基板面の面積を小さく、基板面が平行となるように積層することでカメラ本体41を小形に構成でき、照明器具11と略同じ断面形状のカメラ筐体40内にカメラ本体41を収容することができる。
【0067】
そして、撮像部63の温度上昇を抑制できることにより、撮像部63により撮影される映像のノイズを低減し、画質の低下を抑制できる。
【0068】
また、照明器具11の長尺な器具本体15にカメラユニット12の撮像部63に駆動用電力を供給する第2電源部29が配置されるため、第2電源部29の発熱が撮像部63に影響せず、撮像部63の温度上昇を抑制できる。
【0069】
また、光学系64において、レンズホルダ93およびレンズ94とレンズカバー95との間をパッキン96で閉塞するため、カメラユニット12の内部に外部から塵や虫が入るのを防止できる。
【0070】
さらに、レンズ94は、レンズホルダ93とレンズカバー95との間にパッキン96が取り付けられた状態で、レンズホルダ93に対して着脱可能に構成されているため、撮影領域の変更つまりレンズ94による画角の変更の場合や、レンズ94の汚れまたは破損の場合に、カメラユニット12を分解などすることなく、レンズ94のみを容易に交換することができる。
【0071】
さらに、パッキン96のレンズホルダ接触部105とレンズカバー接触部107との間に前方に向けて拡開する拡開部108を設けているため、画角の広いレンズ94を用いる場合でも、パッキン96で画角を制限するのを防止できる。
【0072】
なお、カメラユニット12は、第2電源部29は用いず、通信ケーブル81によって供給される電力で撮像部63なども動作するようにしてもよい。
【0073】
また、照明装置10は、カメラユニット12とベースライト形の照明器具11との組み合わせに限らず、カメラユニット12とシーリングライト、防犯灯、街路灯、高天井器具などと組み合わせてもよい。
【0074】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0075】
10 照明装置
11 照明器具
12 カメラユニット
15 器具本体
16 光源ユニット
28 第1電源部
29 第2電源部
62 基板
63 撮像部
71 撮像基板
73 通信基板
80 コネクタ
81 通信ケーブル
図1
図2
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図5
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図7