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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023052025
(43)【公開日】2023-04-11
(54)【発明の名称】プルランカプセル
(51)【国際特許分類】
   A61K 47/36 20060101AFI20230404BHJP
   A61K 9/48 20060101ALI20230404BHJP
   A61K 47/02 20060101ALI20230404BHJP
   A61K 47/24 20060101ALI20230404BHJP
   A61K 47/26 20060101ALI20230404BHJP
   A61K 47/44 20170101ALI20230404BHJP
【FI】
A61K47/36
A61K9/48
A61K47/02
A61K47/24
A61K47/26
A61K47/44
【審査請求】有
【請求項の数】19
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022205189
(22)【出願日】2022-12-22
(62)【分割の表示】P 2019555931の分割
【原出願日】2018-04-10
(31)【優先権主張番号】62/485,854
(32)【優先日】2017-04-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】511291027
【氏名又は名称】カプスゲル・ベルギウム・ナムローゼ・フェンノートシャップ
【氏名又は名称原語表記】Capsugel Belgium NV
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】弁理士法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】クレール・ジュヌビエーブ・オディル・タルディ
(72)【発明者】
【氏名】田久保 貴久
(57)【要約】      (修正有)
【課題】オーガニック表示の要件を満たす、満足すべきプルランカプセルを提供する。
【解決手段】カプセルであって、前記カプセルの少なくとも70重量%の量のプルラン;前記カプセルの少なくとも0.01重量%の量の凝固系;前記カプセルの0.2重量%より多い量の界面活性剤であって、スクログリセリド若しくは糖脂肪酸エステル又はこれらの混合物を含む界面活性剤;少なくとも200mg/kgのCa2+含有量;少なくとも30mg/kgのMg2+含有量:50未満のK/(Mg2++Ca2+)の質量比であるKを含む(ただし、前記重量%の量は前記カプセル中に存在する水を除外する)、カプセルを提供する。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
カプセルであって、
a)前記カプセルの少なくとも70重量%の量のプルラン;
b)前記カプセルの少なくとも0.01重量%の量の凝固系;
c)スクログリセリド若しくは糖脂肪酸エステル又はこれらの混合物を含む界面活性剤
を含み、前記重量%の量は前記カプセル中に存在する水を除外する、カプセル。
【請求項2】
カプセルであって、
a)前記カプセルの少なくとも70重量%の量のプルラン;
b)前記カプセルの少なくとも0.01重量%の量の凝固系;
c)前記カプセルの少なくとも0.2重量%の量のスクログリセリド、糖脂肪酸エステル、及びこれらの混合物からなる群から選択される界面活性剤
から本質的になり、前記重量%の量は前記カプセル中に存在する水を除外する、カプセル。
【請求項3】
前記プルランがオーガニック発酵工程を使用して製造される、請求項1又は2に記載のカプセル。
【請求項4】
前記糖脂肪酸エステルが、グルコース、フルクトース、ガラクトース、スクロース、マルトース、トレハロース、ラクトース及びラフィノースからなる群から選択される糖ヘッド基を含む、請求項1又は2に記載のカプセル。
【請求項5】
前記スクログリセリド又は前記糖脂肪酸エステルが、やし油、パーム油、パーム核油、大豆油、なたね油、ひまわり油、綿実油、ピーナッツ油、オリーブ油、キャノーラ油、ヒマシ油、とうもろこし油、アマニ油、サフラワー油及びゴマ油からなる群から選択される植物油の脂肪酸エステルに由来する親油性基を含む、請求項1又は2に記載のカプセル。
【請求項6】
前記界面活性剤がスクロース脂肪酸エステルである、請求項1又は2に記載のカプセル。
【請求項7】
前記界面活性剤がスクログリセリドである、請求項1又は2に記載のカプセル。
【請求項8】
前記界面活性剤がやし油の脂肪酸に由来する、請求項6又は7に記載のカプセル。
【請求項9】
前記界面活性剤がスクロースココエートである、請求項1又は2に記載のカプセル。
【請求項10】
前記界面活性剤が、組成物の0.2重量%~2重量%、又はカプセル組成物の0.4重量%~1.5重量%、又はカプセル組成物の0.5重量%~1重量%の量(水を除外する)で存在する、請求項1~9のいずれかに記載のカプセル。
【請求項11】
少なくとも1種の金属イオン封鎖剤をさらに含む、請求項1~10のいずれかに記載のカプセル。
【請求項12】
可塑剤又は/及び着香剤をさらに含む、請求項1~11のいずれかに記載のカプセル。
【請求項13】
組成物の重量に対して約0%~10%の範囲の着色剤をさらに含む、請求項1~12のいずれかに記載のカプセル。
【請求項14】
コーティングを含む、請求項1~13のいずれかに記載のカプセル。
【請求項15】
請求項1又は2に記載のカプセル中に封入されているカプレット。
【請求項16】
請求項1又は2に記載のカプセルを製造する方法であって、
a)プルラン、前記凝固系及び前記界面活性剤を含む水性浸漬組成物を準備するステップ;
b)金型ピンを前記水性浸漬組成物に浸漬するステップ;
c)前記金型ピンのそれぞれを覆ってフィルムが形成されるように、前記水性浸漬組成物から前記金型ピンを引き出すステップ;
d)前記フィルムを乾燥して前記金型ピンに固体コーティングを形成するステップ;
e)前記金型ピンから前記固体コーティングを除去してカプセル殻を得るステップ
を含む方法。
【請求項17】
前記金型ピンがレシチン及び植物油の混合物を用いて潤滑される、請求項13に記載の方法。
【請求項18】
前記固体コーティングがレシチン及び植物油の混合物を用いて潤滑される、請求項13に記載の方法。
【請求項19】
前記レシチンが、大豆レシチン、ピーナッツレシチン、綿実レシチン、ひまわりレシチン、なたねレシチン、とうもろこしレシチン及び落花生レシチンからなる群から選択され、好ましくはひまわりレシチンである、請求項17又は18に記載の方法。
【請求項20】
前記植物油が、やし油、パーム油、パーム核油、大豆油、なたね油、ひまわり油、綿実油、ピーナッツ油、オリーブ油、キャノーラ油、ヒマシ油、とうもろこし油、アマニ油、サフラワー油及びゴマ油からなる群から選択される、請求項17又は18に記載の方法。
【請求項21】
滑剤が、やし油及びひまわりレシチンの混合物を含む、請求項14に記載の方法。
【請求項22】
滑剤が、スクログリセリド又はスクログリセリドとレシチンの混合物を含む、請求項14に記載の方法。
【請求項23】
カプセルであって、
a)前記カプセルの少なくとも70重量%の量のプルラン;
b)前記カプセルの少なくとも0.01重量%の量の凝固系;
c)スクログリセリド又は糖脂肪酸エステル又はこれらの混合物を含む界面活性剤
を含み、前記重量%の量は前記カプセル中に存在する水を除外し、少なくとも200mg/kg、又は少なくとも300mg/kg、又はさらには少なくとも500mg/kgのCa2+含有量を有する、カプセル。
【請求項24】
少なくとも30mg/kg、又は少なくとも40mg/kg、又はさらには少なくとも50mg/kgのMg2+含有量を有する、請求項23に記載のカプセル。
【請求項25】
/(Mg2++Ca2+)の比が、50未満、又は40未満、又は30未満、又はさらには20未満である、請求項23に記載のカプセル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれている、2017年4月14日に出願された米国仮出願第62/485,854号明細書の利益を主張するものである。
【0002】
本出願は、プルランを含むカプセル、プルランを含むフィルム形成組成物、及びカプセルを作製する方法に関する。
【背景技術】
【0003】
プルランを含む硬質及び軟質のカプセルは既知である。プルランは、ゼラチン又はヒドロキシプロピルメチルセルロースのような他の従来のカプセルフィルム形成ポリマーを超える幾つかの利点をもたらす。プルランは、化学的改質の必要性なしで作製される、動物起源でない天然物である。高度な製品品質の一貫性は、発酵工程の制御により得ることができる。プルランを用いて形成された結果として得られるフィルムは、優れた均質性及び透明性を有する。さらに、そのようなフィルムは、非常に低い酸素ガス透過性を有する。したがって、プルランから作製されたカプセルは、魚油及び植物油のような酸素に敏感な製品を充填するのに特に有用である。プルランから作製されたそのようなフィルム及び結果として得られるカプセルはまた、比較的低い含水率を有し、例えば機械的及び溶解特性に関して貯蔵時において高度な安定性を示す。
【0004】
プルランの天然起源であることやフィルム形成材料としてのその優れた特性によって、すべて天然起源の原料を有するカプセルを製造するのに、プルランは望ましいポリマーになっている。プルランを用いて作製されたカプセルは、これによって「オーガニック」表示のための要件を満たすことができる。オーガニック表示の要件を満たすカプセルに対する実用的必要性にもかかわらず、オーガニック表示の要件を満たす満足すべきプルランカプセルは現在まで開発されてこなかった。
【発明の概要】
【0005】
一実施形態において、カプセルは、カプセルの少なくとも70重量%の量のプルラン;カプセルの少なくとも0.01重量%の量の凝固系;及びスクログリセリド若しくは糖脂肪酸エステル又はこれらの混合物を含む界面活性剤を含む。一実施形態において、界面活性剤は、カプセルの少なくとも0.2重量%の量で存在する。上記重量%の量はカプセル中に存在する水を除外する。
【0006】
別の実施形態において、カプセルは、以下から本質的になる:カプセルの少なくとも70重量%の量のプルラン;カプセルの少なくとも0.01重量%の量の凝固系;並びにスクログリセリド、糖脂肪酸エステル及びこれらの混合物からなる群から選択される、カプセルの少なくとも0.2重量%の量の界面活性剤。上記重量%の量は、カプセル中に存在する水を除外する。
【0007】
別の実施形態において、カプセルを製造するために使用されるプルランは、オーガニック発酵工程を使用して製造される。
【0008】
別の実施形態において、糖脂肪酸エステルは、グルコース、フルクトース、ガラクトース、スクロース、マルトース、トレハロース、ラクトース及びラフィノースからなる群から選択される糖ヘッド基を含む。
【0009】
別の実施形態において、スクログリセリド又は糖脂肪酸エステルは、やし油、パーム油、パーム核油、大豆油、なたね油、ひまわり油、綿実油、ピーナッツ油、オリーブ油、キャノーラ油、ヒマシ油、とうもろこし油、アマニ油、サフラワー油及びゴマ油からなる群から選択される植物油の脂肪酸エステルに由来する親油性基を含む。
【0010】
別の実施形態において、界面活性剤はスクロース脂肪酸エステルである。
【0011】
別の実施形態において、界面活性剤はスクログリセリドである。
【0012】
別の実施形態において、界面活性剤はやし油の脂肪酸に由来する。
【0013】
別の実施形態において、界面活性剤はスクロースココエートである。
【0014】
別の実施形態において、界面活性剤は、カプセル組成物の0.2重量%~2重量%、又はカプセル組成物の0.4重量%~1.5重量%、又はカプセル組成物の0.5重量%~1重量%の量、存在する(水を除外する)。
【0015】
別の実施形態において、凝固系は、カラギーナン、ゲラン又は寒天を含む。一実施形態において、凝固系はカラギーナン及び陽イオンを含む。別の実施形態において、凝固系は寒天及び陽イオンを含む。
【0016】
一実施形態において、カプセルは、少なくとも200mg/kg、又は少なくとも300mg/kg、又はさらには少なくとも500mg/kgのCa2+含有量を有する。
【0017】
一実施形態において、カプセルは、少なくとも30mg/kg、又は少なくとも40mg/kg、又はさらには少なくとも50mg/kgのMg2+含有量を有する。
【0018】
一実施形態において、カプセルは、50未満、又は40未満、又は30未満、又はさらには20未満のK/(Mg2++Ca2+)の比を有する。別の実施形態において、カプセルは少なくとも1種の金属イオン封鎖剤をさらに含む。
【0019】
別の実施形態において、カプセルは、可塑剤又は/及び着香剤をさらに含む。
【0020】
別の実施形態において、カプセルは、組成物の重量に対して約0%~10%の範囲の着色剤をさらに含む。
【0021】
別の実施形態において、カプセルはコーティングを含む。
【0022】
別の実施形態において、カプレットはカプセルに封入される。
【0023】
別の実施形態において、請求項1又は2に記載のカプセルを製造する方法は、
【0024】
a)プルラン、凝固系及び界面活性剤を含む水性浸漬組成物を準備するステップ;
【0025】
b)水性浸漬組成物に金型ピンを浸漬するステップ;
【0026】
c)フィルムが金型ピンのそれぞれを覆って形成されるように、水性浸漬組成物から金型ピンを引き出すステップ;
【0027】
d)フィルムを乾燥して金型ピンに固体コーティングを形成するステップ;
【0028】
e)金型ピンから固体コーティングを除去してカプセル殻を得るステップ
を含む。
【0029】
別の実施形態において、金型ピンはレシチン及び植物油の混合物を用いて潤滑される。
【0030】
別の実施形態において、固体コーティングはレシチン及び植物油の混合物を用いて潤滑される。
【0031】
別の実施形態において、金型ピンは、スクログリセリド又は糖脂肪酸エステルを用いて潤滑される。別の実施形態において、金型ピンは、スクログリセリドとレシチンの混合物を用いて潤滑される。
【0032】
別の実施形態において、レシチンは、大豆レシチン、ピーナッツレシチン、綿実レシチン、ひまわりレシチン、なたねレシチン、とうもろこしレシチン及び落花生レシチンからなる群から選択される。好ましい実施形態において、レシチンはひまわりレシチンである。
【0033】
別の実施形態において、植物油は、やし油、パーム油、パーム核油、大豆油、なたね油、ひまわり油、綿実油、ピーナッツ油、オリーブ油、キャノーラ油、ヒマシ油、とうもろこし油、アマニ油、サフラワー油及びゴマ油からなる群から選択される。
【0034】
別の実施形態において、滑剤は、やし油及びひまわりレシチンの混合物を含む。
【0035】
先の概略の記載及び以下の詳細な記載の両方が例示で、説明のみであり、特許請求範囲の主題を限定するものでないことは理解されるはずである。
【図面の簡単な説明】
【0036】
図1】実施例1で測定されたプルラン濃度、分子量及びバイオマス濃度の時間進行プロットを表すグラフである。
図2A】実施例2で測定されたイオン濃度、収量及びバイオマス濃度を示すグラフである。
図2B】実施例2で測定されたイオン濃度、収量及びバイオマス濃度を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0037】
<定義>
【0038】
本明細書において使用される場合、不定冠詞「a」又は「an」による要素への言及は、1個でありかつ1個のみの要素が存在することを文脈が明確に要求しない限り、1個より多い要素の存在する可能性を除外しない。したがって、不定冠詞「a」又は「an」は通常、「少なくとも1つ」を意味する。数的範囲の開示は、特に明記しない限り、終点を包括する範囲内の各離散的な点を指すものと理解されなければならない。数的範囲の開示に使用される用語「約」は、明示された値からの乖離が測定ばらつきの結果及び/又は同一若しくは同様の特性の生成物を与える程度に、その乖離が許容できることを示す。
【0039】
本明細書において使用される場合、「w/w%」及び「重量%」は、合計重量の百分率として、重量によることを意味する。
【0040】
一態様において、組成物は、プルラン、凝固系、水及び界面活性剤系を含む。例えば、組成物は、75重量%~95重量%のプルラン、0.1重量%~15重量%の凝固系、0.2重量%~3重量%の界面活性剤を含むことができる。カプセル組成物に関して、重量%は、組成物中に存在する水を除外したカプセル固形分の合計重量に基づく。
【0041】
<プルラン>
【0042】
プルラン(CAS番号9057-02-7;化学的同義語1,4-1,6-α-D-グルカン、1,6-α-結合マルトトリオース)は、マルトトリオース単位からなる多糖ポリマーである。マルトトリオース中の3個のグルコース単位は、α-1,4グリコシド結合によって連結されているが、連続するマルトトリオース単位は、α-1,6グリコシド結合によって互いに連結されている。4個の1,4-結合グルコース分子からなるマルトテトラオース単位もまた、恐らくランダムに存在するが、一般にまれである(約6%)。ポリマルトトリオース側鎖が1,3-グリコシド結合によって主鎖に結合した分岐がまれに発生することを、立証する証拠もまたある。
【0043】
プルランは、一般に、菌類、アウレオバシジウム・プルランス(Aureobasidium pullulans)によってデンプンから産生される。プルランは、良好なフィルム形成特性及び特に低い酸素ガス透過性を有する。この存在は1938年に初めて報告された。Hayashibara Companyは1976年に商業生産を開始した。
【0044】
一実施形態において、プルランは、少量のモノ-、ジ-及びオリゴ糖を有する。モノ-、ジ-及びオリゴ糖を含まないプルランは、製造後の工程段階(例えば、商用等級のプルラン試料から、エタノール中でモノ-、ジ-及びオリゴ糖を沈殿させる)、又は好適な発酵条件を選択することによる製造段階そのもの、いずれかによって産生することができる。
【0045】
一実施形態において、プルランは、約10kDa~1,000,000kDaの間、好ましくは100KDa~750kDaの間、より好ましくは200KDa~500kDaの間の平均分子量を含む。プルランの10重量%の水溶液は、30℃で100mm/s~180mm/sの粘度を有し得る。
【0046】
一実施形態において、プルランは、オーガニック発酵工程を使用して製造される。そのような一工程において、発酵培地は、リン酸カルシウム及び塩化マグネシウムを含む。その結果、カリウムのような一価陽イオンに対して、過剰のカルシウム及びマグネシウムを含有するカプセルをもたらす。一実施形態において、カプセルは、少なくとも200mg/kg、又は少なくとも300mg/kg、又はさらには少なくとも500mg/kgのCa2+含有量を有する。別の実施形態において、カプセルは、少なくとも30mg/kg、又は少なくとも40mg/kg、又はさらには少なくとも50mg/kgのMg2+含有量を有する。一実施形態において、K/(Mg2++Ca2+)の比は、50未満、又は40未満、又は30未満、又はさらには20未満である。オーガニック製造工程を使用してプルランを作製する工程は、2017年4月14日に出願された米国特許仮出願第62/485,855号明細書においてより完全に開示され、これは、PCT/US2018/026663として2018年4月9日に出願され、両者とも参照によりその全体が組み込まれる。
【0047】
<凝固系>
【0048】
好ましくは多糖に基づく凝固系を、プルラン溶液へ添加することによって、従来の浸漬法による硬質プルランカプセルを生産する際に所望される、特定のゲル化性能を適用することが可能になる。ディップ成形工程において、カプセルが作製される水性フィルム形成プルラン溶液は、浸漬後、金型ピンに残り、ピンから流れ落ちない。もしそうでなければ、得られたフィルムは所望の一様な厚さを有しない。
【0049】
一実施形態において、凝固系は、親水コロイド又は親水コロイドの混合物を含む。適切な親水コロイド又はこれらの混合物は、天然の海草、天然の種子ゴム、天然の植物浸出液、天然の果実抽出物、生合成ゴム、ゼラチン、及びデンプン又はセルロース誘導体のような多糖から選択されてもよい。
【0050】
一実施形態において、多糖は、アルギン酸塩、寒天ゴム、グアーゴム、ローカストビーンガム(イナゴマメ)、カラギーナン、タラガム、アラビアガム、ガティガム、カヤ・グランディフォリア(Khaya grandifolia)ガム、トラガカントゴム、カラヤゴム、ペクチン、アラビア(アラバン)、キサンタン、ゲラン、デンプン、コンニャクマンナン、ガラクトマンナン、フノラン及び他の細胞外多糖を含む群から選択される。細胞外多糖が好ましい。
【0051】
本発明で使用される好ましい細胞外多糖は、キサンタン、アセタン、ゲラン、ウェラン、ラムザン、ファーセレラン、スクシノグリカン、スクレログリカン、シゾフィラン、タマリンドゴム、カードラン及びデキストランを含む群から選択される。
【0052】
本発明のさらに好ましい実施形態において、凝固系の親水コロイドは、カッパカラギーナン又はゲランガム、又は、ローカストビーンガムとのキサンタン若しくはコンニャクマンナンとのキサンタンのような組み合わせである。
【0053】
一実施形態において、凝固系は、陽イオンを含むカッパカラギーナンである。別の実施形態において、凝固系は、陽イオンを含むゲランガムである。別の実施形態において、凝固系は、陽イオンを含む寒天である。これらの凝固系は、低濃度で大きいゲル強度をもたらし、プルランと良好な相溶性を有する。
【0054】
上記に挙げたように、凝固系は陽イオン含有塩を含んでいてもよい。ゲル化剤の凝固能力を高めるために、凝固系中の陽イオン含有塩が役立つ。好ましくは、塩は、K、Li、Na、NH 、Ca2+又はMg2+などのような陽イオンを含む。カプセル中の陽イオンの量は、0.01~1重量%、好ましくは3重量%未満である。
【0055】
<界面活性剤>
【0056】
プルランを含む組成物は、スクログリセリド、糖脂肪酸エステル及びこれらの混合物からなる群から選択される界面活性剤をさらに含む。
【0057】
スクログリセリドは、溶媒の存在下又は不在下でスクロースを食用脂油と反応させることにより得られる。これらは、脂肪又は油からのモノ-、ジ-及びトリグリセリドと一緒にスクロースと脂肪酸のモノエステル及びジエステルの混合物からなる。例示の脂肪及び油は、ラード油、牛脂、ココナッツ、パーム油及びパーム核油を含む。一実施形態において、スクログリセリドは、やし油スクログリセリド、パーム油スクログリセリド、パーム核油スクログリセリド、大豆油スクログリセリド、なたね油スクログリセリド、ひまわり油スクログリセリド、綿実油スクログリセリド、パーム核油スクログリセリド、ピーナッツ油スクログリセリド、オリーブ油スクログリセリド、キャノーラ油スクログリセリド、ヒマシ油スクログリセリド、とうもろこし油スクログリセリド、アマニ油スクログリセリド、サフラワー油スクログリセリド及びゴマ油スクログリセリドからなる群から選択される。
【0058】
好ましいスクログリセリドは、やし油スクログリセリド又はスクロースココエートである。スクロースココエートは、色調が淡黄色であり、やし油中の脂肪酸に由来する高粘度の液体である。
【0059】
糖脂肪酸エステルは、親水性基としての糖及び親油性基としての脂肪酸からなる非イオン性の界面活性剤である。また、これらは糖エステルとも称される。一実施形態において、組成物中に存在する唯一の界面活性剤は、糖脂肪酸エステルである。糖エステル脂肪酸は、触媒の存在下でエステル化によって、又はスクログリセリドからのような好適なグリセリドから抽出することによって、糖、並びに食品の脂肪酸のメチル及びエチルエステルから調製されてもよい。
【0060】
ヘッド基として使用されてもよい例示の糖は、グルコース、フルクトース及びガラクトースのような単糖、スクロース、マルトース、トレハロース及びラクトースのような二糖、並びにラフィノースのような三糖を含む。
【0061】
親油性基として使用されてもよい例示の脂肪酸は、カプリル酸(C8)、デカン酸(C10)、ラウリン酸(C12)、ミリスチン酸(C14)、パルミチン酸(C16)及びオレイン酸(C18)を含む、6~18炭素原子を有する脂肪酸を含む。親油性基は、やし油、パーム油、パーム核油、大豆油、なたね油、ひまわり油、綿実油、ピーナッツ油、オリーブ油、キャノーラ油、ヒマシ油、とうもろこし油、アマニ油、サフラワー油及びゴマ油のような植物油からの脂肪酸エステルに由来してもよい。
【0062】
好ましい実施形態において、植物油はやし油である。
【0063】
一実施形態において、糖脂肪酸エステルはスクロース脂肪酸エステルである。そのようなスクロースエステルは、特定の脂肪酸とスクロースを組み合わせることから形成されてもよく、ラウリン酸スクロース、ステアリン酸スクロース、エルカ酸スクロース、オレイン酸スクロース、パルミチン酸スクロース、ミリスチン酸スクロース、ベヘン酸スクロース及びリシノール酸スクロースを含む。そのようなスクロースエステルが、モノ-、ジ-、トリ-及びポリ-エステルを含むことは理解されるはずである。
【0064】
一実施形態において、界面活性剤はまたレシチンを含んでいてもよい。レシチンは任意の天然に存在する植物系供給源から選択されてもよい。一実施形態において、レシチンは、大豆レシチン、ピーナッツレシチン、綿実レシチン、ひまわりレシチン、なたねレシチン、とうもろこしレシチン及び落花生レシチンからなる群から選択される。好ましい実施形態において、レシチンはひまわりレシチンである。
【0065】
界面活性剤は、製造時に金型ピンへのフィルム形成を助けるのに十分な量存在する。一実施形態において、界面活性剤は、カプセル組成物の少なくとも0.2重量%の量(水分を除外する)で存在する。一実施形態において、界面活性剤の量は、カプセル組成物の0.2重量%~2重量%、又はカプセル組成物の0.4重量%~1.5重量%、又はカプセル組成物の0.5重量%~1重量%の量で存在する(水を除外する)。
【0066】
<水>
【0067】
カプセルは、また一般に、カプセルの合計重量に対して、2重量%~20重量%の間、好ましくは約5重量%~15重量%の間の湿気又は水を含む。他に示さない限り、カプセル組成物を論じる場合、湿気及び水は、交換可能に使用することができる用語である。カプセル組成物中に存在する水の量は、カプセル中に存在する材料、並びにカプセルが保存される環境の相対湿度の両方に依存する。(したがって、カプセル組成物中の材料の相対量は、水の量が、環境の相対湿度に依存する変数であるので、水を含まない組成物に対して決められる。)
【0068】
通常、本発明のカプセルは約10重量%~15重量%の間の含水率に乾燥される。しかし、例えばさらに乾燥すること、低い相対湿度でカプセル殻を貯蔵すること又はカプセルを吸湿性物質で充填することによって含水率を低い%にすることができる。
【0069】
<任意選択の材料>
【0070】
プルラン、凝固系、界面活性剤及び水に加えて、カプセル組成物は、カプセルの製造に通常使用されるものを含む様々な他の材料及び加工助剤を含んでいてもよい。
【0071】
任意選択的に、カプセル組成物は、少なくとも1種の金属イオン封鎖剤をさらに含んでもよい。金属イオン封鎖剤は、エチレンジアミン四酢酸、酢酸、ホウ酸、クエン酸、エデト酸、グルコン酸、乳酸、リン酸、酒石酸又はこれらの塩、メタリン酸塩、ジヒドロキシエチルグリシン、レシチン又はベータシクロデキストリン及びこれらの組み合わせからなる群から選択されてもよい。特に好ましいのは、エチレンジアミン四酢酸若しくはこれらの塩、又はクエン酸若しくはこれらの塩である。
【0072】
ゲランがゲル化剤として使用される事例において、組成物は、好ましくはカプセル溶解度を改善するために金属イオン封鎖剤を含む。好ましい金属イオン封鎖剤は、エチレンジアミン四酢酸又はこれらの塩、並びにクエン酸及びこれらの塩である。その量は、好ましくはカプセル組成物のx重量%未満である。
【0073】
別の実施形態において、カプセル組成物は、薬学的に又は食品として許容される着色剤を0.01重量%~10重量%の範囲でさらに含んでもよい。着色剤は、アゾ染料、キノフタロン染料、トリフェニルメタン染料、キサンテン染料若しくはインジゴイド染料、酸化鉄若しくは水酸化鉄、二酸化チタン若しくは天然染料又はこれらの混合物からなる群から選択されてもよい。例としては、パテントブルーV、アシッドブリリアントグリーンBS、レッド2G、アゾルビン、ポンソー4R、アマランサス、D+Cレッド33、D+Cレッド22、D+Cレッド26、D+Cレッド28、D+Cイエロー10、イエロー2G、FD+Cイエロー5、FD+Cイエロー6、FD+Cレッド3、FD+Cレッド40、FD+Cブルー1、FD+Cブルー2、FD+Cグリーン3、ブリリアントブラックBN、カーボンブラック、酸化鉄ブラック、酸化鉄レッド、酸化鉄イエロー、二酸化チタン、リボフラビン、カロテン、アントシアニン、ウコン、コチニール抽出物、クロロフィリン、カンタキサンチン、カラメル又はベタニンである。
【0074】
さらに、カプセル組成物は、任意選択的に、二酸化チタン及び/又は鉱物色素、天然色素、及びタール色素のような色素、抗酸化剤などのような他の少量の成分をさらに含んでもよい。
【0075】
一実施形態において、プルラン組成物は、任意選択的に1種以上の薬学的に又は食品として許容される可塑剤を含む。一実施形態において、1種以上の可塑剤は、硬質カプセル殻の製造において通常使用される可塑剤の群、並びに特に以下の群:フタル酸エステル(例えばフタル酸ジメチル、ジエチル、ジブチル、ジイソプロピル及びジオクチル);クエン酸エステル(例えばクエン酸トリエチル、トリブチル、アセチルトリエチル及びアセチルトリブチル);リン酸エステル(例えばリン酸トリエチル、トリクレジル、トリフェニル);油(例えば精製鉱油、リシン油、とうもろこし油、綿実油);ステアリン酸ブチル;セバシン酸ジブチル;酒石酸ジブチル;アジピン酸ジイソブチル、モノステアリン酸グリセリン;三酢酸グリセリン;トリブチリン;オレイン酸;ステアリン酸;セチル酸;ミリスチン酸;プロピレングリコール;グリセリン;PEG 4000、PEG 6000及びこれらの混合物において選択される。
【0076】
一実施形態において、本発明の水性組成物は、1種以上の薬学的に又は食品として許容される甘味料及び/又は着香剤を含む。そのような甘味料及び着香剤は、通常プルラン組成物の0.01重量%~1重量%の量で存在する。
【0077】
<カプセルを作製する方法>
【0078】
一態様において、カプセルは、従来のプルランカプセルの生産に通常使用されるような従来のディップ成形工程によって製造される。したがって、スクログリセリド又は糖脂肪酸エステルを含む界面活性剤系を使用すると、同一範囲の工程条件において従来の硬質プルランカプセルの生産に使用される同一の装置を用いて硬質プルランカプセルを生産することが可能になる。さらに、本発明の組成物から生産されるカプセルは、同一の寸法の仕様を有し、既存の充填機械類の使用を可能にし、充填工程用の特殊で新しい装置を必要としない。
【0079】
本開示によるカプセルは、ディップ成形工程によって通常作製される。耐酸性のツーピース硬質カプセルを作製するディップ成形工程は、以下のステップを含む:
【0080】
a)プルラン、凝固系、及びスクログリセリド、糖脂肪酸エステル又はこれらの混合物である界面活性剤を含む水性浸漬組成物を準備するステップ;
【0081】
b)水性浸漬組成物中に金型ピンを浸漬するステップ;
【0082】
c)フィルムが金型ピンのそれぞれを覆って形成されるように、浸漬組成物から金型ピンを引き出すステップ;
【0083】
d)フィルムを乾燥して金型ピンに固体コーティングを形成するステップ;
【0084】
e)任意選択的に金型ピン上の固体コーティングに外部滑剤を適用するステップ;
【0085】
f)金型ピンから固体コーティングを除去してカプセル殻を得るステップ。
【0086】
ステップ(a)~(f)は、通常、提示される順序で行われなければならない。
【0087】
本明細書において記載される場合、「完成したカプセル殻」は、ステップ(f)が完了したカプセル殻である。
【0088】
ステップ(a)において、水性浸漬組成物は、水、プルラン、凝固系及び糖脂肪酸エステルを組み合わせることにより調製される。一実施形態において、本発明の水性組成物は、組成物の合計重量に対して、通常、約10重量%~55重量%の間、好ましくは約15重量%~40重量%の間、より好ましくは20重量%~30重量%の間に含まれる合計量の固体を有する。水性浸漬組成物中の材料の量に関して、重量%は、水を含む水性浸漬組成物の合計重量に対して与えられる。
【0089】
一実施形態において、本発明の水性組成物は、約50℃~70℃の間に含まれる温度で水性浸漬組成物の粘度が約500cP~5000cPの間、好ましくは約1000~3000cPの間になるような合計量の固体を有する。
【0090】
一実施形態において、水性浸漬組成物中のプルランの濃度は、10~60重量%、好ましくは10~50重量%、より好ましくは15~40重量%、最も好ましくは10~40重量%の範囲である。
【0091】
凝固系の量は、好ましくは水性浸漬組成物中の0.01~5重量%、特に好ましくは0.03~1.0重量%の範囲にある。水性浸漬濃度の好ましい塩濃度は2重量%未満である。
【0092】
本発明の別の実施形態において、任意選択の金属イオン封鎖剤の量は、水性浸漬組成物の5重量%未満、好ましくは3重量%未満、より好ましくは0.01重量%~3重量%、一層好ましくは0.5重量%~2重量%、特に0.01~1重量%である。
【0093】
さらに、水性浸漬組成物は、任意選択的に、二酸化チタン及び/又は鉱物色素、天然色素、及びタール色素のような色素、抗酸化剤などのような他の少量の成分をさらに含んでもよい。一実施形態において、着色剤又はこれらの混合物は、水性浸漬組成物の合計重量に対して約0~約5重量%、例えば約0~約2.5重量%、約0~約1.5重量%の範囲の量で存在する。
【0094】
ステップ(b)において、金型ピンは水性浸漬組成物に浸漬される。水性浸漬組成物及び金型ピンの相対的温度は、金型ピンが水性組成物に浸漬されると金型ピンへのフィルム形成をもたらすように選ばれる。この実施形態において、金型ピンが浸漬されるときの水性組成物は、45℃~65℃、好ましくは50℃~65℃の温度で維持される。ピンの温度範囲は25~35℃であり、金型ピンが浸漬されるとき、これが金型ピン温度であることを意味する。
【0095】
ステップ(c)において、フィルムが金型ピンのそれぞれを覆って形成されるように、金型ピンは水性浸漬組成物から引き出される。浸漬組成物から抜き取った後、従来のカプセルディップ成形工程に従って、「トップ-ダウン」浸漬位置から「トップ-アップ」乾燥位置に、金型ピンを反転することができる。このステップにおいて、ステップ(c)の浸漬位置に対して約180度の水平軸を中心にピンは回転させられる。
【0096】
ステップ(d)において、金型ピン上のフィルムは乾燥される。乾燥ステップ(d)の目的は、金型ピン上にあるカプセル殻中の含水率(また本明細書において「湿気」とも称される)を減少させることである。一実施形態において、乾燥は、ピン上に成形されるカプセル殻を得るように水性浸漬組成物のゲル化温度を超える温度で行う。乾燥ステップは、好ましくは、65℃未満、好ましくは60℃未満、一層好ましくは25℃~45℃の温度で実行される。ステップ(d)は、通常、30~60分の時間、好ましくは上記の特定された温度を超えることなく行われる。一般に、成形されたカプセル殻中の含水率は、成形されたカプセル殻の合計重量に対しておよそ80重量%からおよそ10~15重量%に減少させられる(室内条件で測定して)。
【0097】
ステップ(f)において、固体コーティングは、金型ピンから除去されてカプセル殻を得る。固体コーティングは、従来の任意の製造技術を使用して除去してもよい。
【0098】
ステップ(e)中の固体コーティング及び金型ピンは潤滑されてもよい。固体コーティングの場合には、滑剤は、カプセル殻の滑りをよくして、充填及び閉鎖を容易にする。金型ピンに関して、滑剤は、カプセル殻の除去を容易にする。本発明のまた別の態様において、固体コーティング及び/又は金型ピンの外部へ塗布するために使用される滑剤は、レシチン及び植物油の混合物から選択される。レシチンは、天然に存在する任意の植物系供給源から選択されてもよい。一実施形態において、レシチンは、大豆レシチン、ピーナッツレシチン、綿実レシチン、ひまわりレシチン、なたねレシチン、とうもろこしレシチン及び落花生レシチンからなる群から選択される。好ましい実施形態において、レシチンはひまわりレシチンである。
【0099】
植物油は、天然に存在する任意の植物油から選択されてもよい。一実施形態において、植物油は、やし油、パーム油、パーム核油、大豆油、なたね油、ひまわり油、綿実油、ピーナッツ油、オリーブ油、キャノーラ油、ヒマシ油、とうもろこし油、アマニ油、サフラワー油及びゴマ油からなる群から選択される。好ましい実施形態において、植物油はやし油である。
【0100】
レシチンと植物油の相対量は、90/10のレシチン/植物油~50/50のレシチン/植物油の範囲である。
【0101】
一実施形態において、滑剤は、やし油及びひまわりレシチンの混合物を含む。ひまわりレシチン及びやし油の混合物は、90/10~50/50の間のひまわりレシチン/やし油、より好ましくは80/20~60/40の間のひまわりレシチン/やし油の比である。
【0102】
別の実施形態において、滑剤はスクログリセリド又は糖脂肪酸エステルを含む。一実施形態において、滑剤は、スクログリセリド、好ましくはスクロースココエートである。別の実施形態において、滑剤は、やし油に由来する糖脂肪酸エステルを含む。滑剤はまた、任意選択的に、スクログリセリド又は糖脂肪酸エステルに加えて、1/99~50/50のレシチン/スクロースグリセリド又はレシチン/糖脂肪酸エステルの比のレシチンを含んでもよい。
【0103】
一実施形態において、滑剤は、1/99~50/50のひまわりレシチン/スクロースココエートの比の、スクロースココエートとひまわりレシチンの混合物を含む。一実施形態において、滑剤は、1/99~50/50のひまわりレシチン/スクロースココエートの比の、スクロースココエートとひまわりレシチンの混合物から本質的になる。
【0104】
上記に挙げられた、成形されたカプセル殻は、一般に金型ピンの形状に応じて本体とキャップ両方を指す。このようにして、ステップ(e)の後、浸漬ピン上の乾燥されたカプセル殻は、従来のステップに従って加工することができる。これは、一般に、ステップ(e)の後、カプセル殻(本体及びキャップ)は、ピンから剥がされることを意味する。このステップに続いて、剥がされた殻を所望の長さに切断することができる。
【0105】
<使用法>
【0106】
カプセル組成物は、薬学、畜産、食品、化粧又は他の製品における使用に適切である。
【0107】
本明細書において記載されるカプセルで使用するのに適切な薬物(すなわち医薬)は、いかなる形態をしてもよく、ヒト又は動物の対象の何らかの処置のためのものであってもよい。これには、医薬品化合物だけでなく、ビタミン、ミネラルなどのような栄養補助食品も含まれる。薬物は、室温及び大気圧下で、固体又は液体、好ましくは固体から選択される状態でよく、1種以上の活性化合物を含む。医薬は、固体であり、噴霧乾燥された分散物、ペレット、顆粒などの形態であってもよい。
【0108】
本開示による送達に適切な化合物(一般に、本明細書において使用される用語「医薬」によって包含される)は、以下の微粒子、粉末、ワックス、液体、及び/又はペレットの形態を含むがこれらに限定されない:
【0109】
a)医薬品(医薬品有効成分とも呼ばれる)、例えば、ベータメタゾン、チオクト酸、ソタロール、サルブタモール、ノルフェネフリン、シリマリン(silymahn)、ジヒドロエルゴタミン、ブフロメジル、エトフィブレート、インドメタシン、オキサゼパム、アセチルジギトキシン、ピロキシカム、ハロペリドール(halopehdol)、一硝酸イソソルビド、アミトプチリン、ジクロフェナク、ニフェジピン、ベラパミル、ピリチノール、ニトレンジピン、ドキシサイクリン、ブロムヘキシン、メチルプレドニゾロン、クロニジン、フェノフィブラート、アロプリノール、ピレンゼピン、レボチロキシン、タモキシフェン、メチルジゴキシン、o-(B-ヒドロキシエチル)-ルトシド、プロピシリン、一硝酸アシクロビル、パラセタモール(paracetamolol)、ナフチドロフリル、ペントキシフィリン、プロパフェノン、アセブトロール、1-チロキシン、トラマドール、ブロモクリプチン、ロペラミド、ケトフィネン、フェノテロール、ドベシル酸カルシウム(cadobesilate)、プロプラノロール、ミノサイクリン、ニセルゴリン、アンブロキソール、メトプロロール、B-シトステリン、マレイン酸エナラプリル、ベザフィブラート、二硝酸イソソルビド、ガロパミル、ニコチン酸キサンチノール、ジギトキシン、フルニトラゼパム、ベンシクラン、デクスパンテノール(depanthenol)、ピンドロール、ロラゼパム、ジルチアゼム、ピラセタム、フェノキシメチルペニシリン、フロセミド、ブロマゼパム、フルナリジン、エリスロマイシン、メトクロプラミド、アセメタシン、ラニチジン、ビペリデン、メタミゾール、ドキセピン、二カリウムクロラゼパト(dipotassiumchlorazepat)、テトラゼパム、リン酸エストラムスチン、テルブタリン、カプトプリル、マプロチリン、プラゾシン、アテノロール、グリベンクラミド、セファクロル、エチレフリン、シメチジン、テオフィリン、ヒドロモルフォン、イブプロフェン、プリミドン、クロバザム、オキサセプロール、メドロキシプロゲステロン、フレカイニド、Mg-ピリドキサル-5-リン酸グルタミニン酸(Mg pyhdoxal-5-phosphateglutaminate)、ヒメクロモン(hymechromone)、エトフィリンクロフィブラート(etofyllineclofibrate)、ビンカミン、シンナリジン、ジアゼパム、ケトプロフェン、フルペンチキソール、モルシドミン、グリボルヌリド(glibornuhde)、ジメチンデン、メルペロン、ソキノロール(soquinolol)、ジヒドロコデイン、クロメチアゾール、クレマスチン、グリソキセピド、カリジノゲナーゼ、オキシフェドリン(oxyfedhne)、バクロフェン、カルボキシメチルシステイン(carboxymethylcystsin)、チオレドキシン、ベタヒスチン、1-トリプトファン、ミルトール、ブロメライン、プレニラミン、サラゾスルファピリジン、アステミゾール、スルピリド、ベンセラジド(benzerazid)、ジベンゼピン、アセチルサリチル酸、ミコナゾール、ナイスタチン、ケトコナゾール、ピコスルファートナトリウム、コレスチラミン(colestyramate)、ゲムフィブロジル、リファムプシン、フルオコルトロン、メキシレチン、アモキシシリン、テルフェナジン、ムコ多糖ポリ硫酸、トリアゾラム、ミアンセリン、チアプロフェン酸(tiaprofensaure)、メチル硫酸アメジニウム、メフロキン、プロブコール、キニジン、カルバマゼピン、L-アスパラギン酸Mg、ペンブトロール、ピレタニド、アミトリプチリン、カプロテロン(caproteron)、バルプロ酸ナトリウム(sodium valproinate)、メベベリン、ビサコジル、5-アミノサリチル酸(5-amino-salicyclic acid)、ジヒドララジン、マガルドレート、フェンプロクーモン、アマンタジン、ナプロキセン、カルテオロール、ファモチジン、メチルドパ、オーラノフィン(auranofine)、エストリオール、ナドロール、レボメプロマジン、ドキソルビシン、メドフェノキサット(medofenoxat)、アザチオプリン、フルタミド、ノルフロキサシン、フェンジリン、酒石酸プラジュマリウム(prajmaliumbitartrate)、アエシンアクロマイシン(aescin acromycin)、アニパミル、ベンゾカイン、[ベータ]-カロテン、クロラムフェニコール(cloramphenicol)、クロルジアゼポキシド(chlorodiazepoxid)、酢酸クロルマジノン、クロロサイアザイド、シンナリジン、クロナゼパム、コデイン、デクサメタゾーン、ジクマロール、ジゴキシン、ドロタベリン、グラミシジン(gramicidine)、グリセオフルビン、ヘキソバルビタールヒドロクロロチアジド、ヒドロコルチゾン、ヒドロフルメチアジド、ケトプロフェン、イオネチル(Ionetil)、メダゼパム、メフルシド、メタンドロステノロン、スルファペリン、ナリジクス酸、ニトラゼパム、ニトロフラントイン、エストラジオール、パパベリン、フェナセチン、フェノバルビタール、フェニルブタゾン、フェニトイン、プレドニゾン、レセルピン、スピノタクトン(spironolactine)、ストレプトマイシン、スルファメチゾール、スルファメタジン、スルファメトキサゾール(sulfamethoxoazole)、スルファメトキシダイアジノン(sulfamethoxydiazinon)、スルファチアゾール、スルフイソキサゾール、テストステロン、トラザミド、トルブタミド、トリメトプリム、チロトリシン、制酸剤、逆流抑制薬、整腸剤、ドーパミン拮抗薬、プロトンポンプ阻害薬、H2-受容体拮抗薬、細胞保護剤、プロスタグランジン類似体、下剤、鎮痙剤、止瀉薬、胆汁酸抑制剤、オピオイド、ベータ受容体遮断薬、カルシウムチャネル遮断薬、利尿薬、強心性配糖体、抗不整脈薬、硝酸塩、抗狭心症薬、血管収縮薬、血管拡張薬、ACE阻害薬、アンギオテンシン受容器遮断薬、アルファ遮断薬、抗凝固薬、ヘパリン、抗血小板薬、線維素溶解薬、抗血友病因子、止血薬物、脂質降下薬(hypolipidaemicagents)、スタチン、催眠薬、麻酔薬、抗精神病薬、抗鬱薬(三環式抗鬱薬、モノアミン酸化酵素阻害薬、リチウム塩、選択的セロトニン再吸収阻害薬を含む)、抗催吐薬、抗痙攣薬、抗てんかん薬、抗不安薬、バルビツル酸塩、運動障害薬物、刺激薬(アンフェタミンを含む)、ベンゾジアゼピン、シクロピロロン、ドーパミン拮抗薬、抗ヒスタミン剤、コリン作動薬、抗コリン作用薬、催吐薬、大麻類、5-HT拮抗薬、鎮痛薬、筋弛緩薬、抗生物質、サルファ剤、アミノグリコシド、フルオロキノロン、気管支拡張薬、NSAID、抗アレルギー薬物、鎮咳薬、粘液溶解薬、充血除去薬、コルチコステロイド、ベータ受容体拮抗薬、抗コリン作用薬、ステロイド、アンドロゲン、抗アンドロゲン、性腺刺激ホルモン、コルチコステロイド、成長ホルモン、インスリン、抗糖尿病薬(スルホニル尿素、ビグアニド/メトホルミン及びチアゾリジンジオンを含む)、甲状腺ホルモン、抗甲状腺薬、カルシトニン、ジホスホネート(diphosponate)、バソプレッシン類似体、避妊薬、卵胞刺激ホルモン、黄体形成ホルモン、性腺刺激ホルモン放出阻害薬、プロゲストゲン、ドーパミン作動薬、エストロゲン、プロスタグランジン、ゴナドレリン、クロミフェン、タモキシフェン、ジエチルスチルベストロール、抗マラリア薬、駆虫薬、抗アメーバ薬、抗ウイルス薬、抗原生動物薬、ワクチン剤、免疫グロブリン、免疫抑制剤、インターフェロン、モノクローナル抗体、及びこれらの混合物;
【0110】
b)ビタミン、例えば、ビタミンA、D、E及びKのような脂溶性ビタミン、並びにビタミンC、ビオチン、葉酸塩、ナイアシン、パントテン酸、リボフラビン、チアミン、ビタミンB6、ビタミンB12及びこれらの混合物のような水溶性ビタミン;
【0111】
c)カルシウム、クロム、銅、フッ化物、ヨウ素、鉄、マグネシウム、マンガン、モリブデン、リン、カリウム、セレン、ナトリウム(塩化ナトリウムを含む)、亜鉛及びこれらの混合物のようなミネラル;
【0112】
d)薬草又は他の植物、アミノ酸のような栄養補助食品、並びに酵素、臓器組織、分泌腺及び代謝産物のような物質、その他、食事成分の濃縮物、代謝産物、構成成分、抽出物、オキアミ油及びこれらの混合物のような油;
【0113】
e)ホメオパシー成分、例えば米国リビジョンサービスのホメオパシー薬局方(Homeopathic Pharmacopoeia of the United States Revision Service、HPRS)に列挙されているもの及びこれらの混合物。当然ながら、HPRSが定期的に更新されること、及び、本発明が、HPRSに追加され得るホメオパシー成分を含むことは認識されなければならない;
【0114】
f)ラクトバチルス・クリスパタス(Lactobacillus crispatus)、ラクトバチルス・イエンセン(Lactobacillus jensinii)、ラクトバチルス・ジョンソニ(Lactobacillus johnsonii)、ラクトバチルス・ガセリ(Lactobacillus gasseri)、エンテロコッカス・フェシウム(Enterococcus faecium)のようなラクトバチルス(Doderleinのバチルス)からなる群から選択される細菌のようなプロバイオティクス及び酵母、又はサッカロミセス・ブラウディのようなサッカロミセス目の群から選択される菌類。
【0115】
g)エストロゲン(すなわち、天然エストロゲン又は天然エストロゲンの生理学的効果を模倣する合成化合物)のようなホルモンであって、エストラジオール(17-エストラジオール)、酢酸エストラジオール、安息香酸エストラジオール、シピオン酸エストラジオール、デカン酸エストラジオール、二酢酸エストラジオール、ヘプタン酸エストラジオール、吉草酸エストラジオール、17a-エストラジオール、エストリオール、コハク酸エストリオール、エストロン、酢酸エストロン、硫酸エストロン、エストロピペート(ピペラジンエストロンサルフェート)、エチニルエストラジオール(17a-エチニルエストラジオール、エチニルエストラジオール、エチニルエストラジオール、エチニルエストラジオール)、3-酢酸エチニルエストラジオール、3-安息香酸エチニルエストラジオール、メストラノール、キネストロール、ニトロ化エストロゲン誘導体若しくはこれらの組み合わせを含むがこれらに限定されないホルモン;又はプロゲスチン(すなわち、プロゲストロン活性を有する天然又は合成化合物)であって、ノルテストステロン、エチニルテストステロン、ジアセチルノルゲスチメート(deacetyl norgestimate)、ヒドロキシプロゲステロン、19-ノルプロゲステロン、3P-ヒドロキシデソゲストレル、3-ケトデソゲストレル(エトノゲストレル)、アセトキシプレグネノロン、アルゲストンアセトフェニド、アリルエストレノール、アナゲストン(amgestone)、酢酸アナゲストン、クロルマジノン、酢酸クロルマジノン、シプロテロン、酢酸シプロテロン、デメゲストン、デソゲストレル、ジエノゲスト、ジドロゲステロン(dihydrogesterone)、ジメチステロン、ドロスピレノン、ジドロゲステロン、エチステロン(プレグネニノロン(pregneninolone)、17a-エチニルテストステロン)、二酢酸エチノジオール、酢酸フルロゲストン(fluorogestone)、ガストリノン(gastrinone)、ゲスタデン(gestadene)ゲストデン、ゲストノロン、ゲストリノン、ヒドロキシメチルプロゲステロン、酢酸ヒドロキシメチルプロゲステロン、ヒドロキシプロゲステロン、酢酸ヒドロキシプロゲステロン、カプロン酸ヒドロキシプロゲステロン、レボノルゲストレル(1-ノルゲストレル(norgestrol))、リネストレノール(lynoestrenol)、メシロゲストン(mecirogestone)、メドロゲストン、メドロキシプロゲステロン、酢酸メドロキシプロゲステロン、メゲストロール、酢酸メゲストロール、メレンゲストロール、酢酸メレンゲストロール、ネストロン(nestorone)、ノメゲストロール、ノルエルゲストロミン、ノルエチンドロン(ノルエチステロン)(19-ノル-17a-エチニルテストステロン)、酢酸ノルエチンドロン(酢酸ノルエチステロン)、ノルエチノドレル、ノルゲスチメート、ノルゲストレル(d-ノルゲストレル及びdl-ノルゲストレル)、ノルゲストリエノン、ノルエチステロン(normethisterone)、プロゲステロン、プロメゲストン、キンゲスタノール、タナプロゲット、チボロン、トリメゲストン(trimegestone)又はこれらの組み合わせを含むがこれらに限定されないプロゲスチン。
【0116】
一旦充填されたら、カプセルは、硬質カプセルの分野の任意の従来技法を使用することにより不正開封を防いで永久的な結合にすることができる。結束又は密封は適切な技法である。密封は、硬質殻カプセルの分野において周知の技法である。様々な代替技法がこの目的のために現在使用されている。適切な手順は、例えば米国特許第4,539,060号明細書及び米国特許第4,656,066号明細書に開示されている。
【0117】
本発明のまた別の実施形態において、プルラン、凝固系、水及びスクログリセリド又は糖脂肪酸エステルを含む組成物が、フィルムを形成するために用いられてもよい。そのようなフィルムは、食品を包装するため、又はアスピック若しくはゼリー形成のためのような様々な他の目的のために使用されてもよい。
【0118】
本明細書において記載された実施形態が、これらに限定されないことは理解されなければならない。本開示の他の実施形態は、開示された実施形態の仕様及び実施を考慮することによって当業者には明白である。以下の実施例は単なる例示として考えられるべきであり、本開示の真の範囲及び趣旨は以下の特許請求の範囲によって示される。
【実施例0119】
[実施例1]
カプセルを以下のように作製した。まずプルラン(22重量%プルラン)の水溶液443リットルを溶融物タンクに加え、65℃に溶液を加熱することによって水性浸漬溶液を調製した。65℃の水3リットル中で1.65kgの塩化カリウムを混合し、結果として得られる溶液を溶融物タンクに加えて撹拌した。カッパカラギーナン(CP Kelco, Denmarkから入手可能)460.5gを以下のように溶融物タンクに加えた。カラギーナン115.13gのアリコートを3リットルの冷水と混合し、次いで溶融物タンクに加え、撹拌した。カラギーナン115.13gの追加の3つのアリコートを同様に調製し、溶融物タンクに加えた。次いで、その溶液を50RPMで60分間混合し、次いで真空下に配置し、60分間さらに混合した。次いで、溶液を真空下に33RPMで60分間混合した。次いで、溶融物タンク中の160リットルの溶液を移動タンクに分配した。次いで、スクロースココエート(ESAC80、Tensac, Argentinaから入手可能)の12.5重量%水溶液1600gを移動タンクに加え、撹拌して浸漬組成物を形成した。次いで、水を加えて800cpsの粘度を達成した。
【0120】
ディップ成形装置を使用して、カプセルを調製した。水性浸漬組成物を65℃に加熱した。30℃にピンを維持した。
【0121】
70/30のひまわりレシチン/やし油の比の、ひまわりレシチンとやし油の混合物を用いて金型ピンに潤滑した。
【0122】
結果として得られるカプセルは以下の組成を有していた。
【0123】
【表1】
【0124】
【表2】
【0125】
[実施例2]
この実施例で、実施例1に従って作製したオーガニックプルランから生産したカプセル(カプセルA)、及びCapsugel, Greenwood, SCからのPlantcaps(登録商標)カプセル(カプセルB)を、フレーム原子吸収分光法を使用し、標準プロトコルSM3111Bを使用して、Mg2+及びK含有率について分析した。さらに、これらのカプセル中のCa2+含有率も、フレーム原子吸収分光法を使用し標準プロトコルSM3111Dを使用して測定した。各カプセルバッチを3回繰り返して分析した。この分析から、Mg2+とCa2+の両方の濃度がカプセルAでカプセルBより大きいと判断した。さらに、カプセルAのカプセルは、一価陽イオン(K)と二価陽イオン(Mg2+及びCa2+)の比が低い。
【0126】
【表3】
図1
図2A
図2B
【手続補正書】
【提出日】2023-01-20
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
カプセルであって、
前記カプセルの少なくとも70重量%の量のプルラン;
前記カプセルの少なくとも0.01重量%の量の凝固系;
前記カプセルの0.2重量%より多い量の界面活性剤であって、スクログリセリド若しくは糖脂肪酸エステル又はこれらの混合物を含む界面活性剤;
少なくとも200mg/kgのCa2+含有量;
少なくとも30mg/kgのMg2+含有量:
50未満のK/(Mg2++Ca2+)の質量比であるK
を含む(ただし、前記重量%の量は前記カプセル中に存在する水を除外する)、
カプセル。
【請求項2】
(i)前記Ca2+含有量が少なくとも300mg/kgである;
(ii)前記Mg2+含有量が少なくとも40mg/kgである:
(iii)K/(Mg2++Ca2+)の質量比が40未満である;又は
(iv)(i)、(ii)及び(iii)の任意の組み合わせである、
請求項1に記載のカプセル。
【請求項3】
前記凝固系が親水コロイド又を含む、請求項1に記載のカプセル。
【請求項4】
前記親水コロイドが、天然の海草、天然の種子ゴム、天然の植物浸出液、天然の果実抽出物、生合成ゴム、ゼラチン、多糖類、又はこれらの任意の組み合わせを含む、請求項3に記載のカプセル。
【請求項5】
前記凝固系が、カッパカラギーナン、ゲランガム、寒天、キサンタン及びローカストビーンガム、又はキサンタン及びコンニャクマンナンを含む、請求項1に記載のカプセル。
【請求項6】
前記スクログリセリド又は前記糖脂肪酸エステルが、やし油、パーム油、パーム核油、大豆油、なたね油、ひまわり油、綿実油、ピーナッツ油、オリーブ油、キャノーラ油、ヒマシ油、とうもろこし油、アマニ油、サフラワー油、ゴマ油、又はこれらの任意の組み合わせの脂肪酸エステルに由来する親油性基を含む、請求項1に記載のカプセル。
【請求項7】
前記界面活性剤が糖脂肪酸エステルである、請求項1に記載のカプセル。
【請求項8】
前記糖脂肪酸エステルが、グルコース、フルクトース、ガラクトース、スクロース、マルトース、トレハロース、ラクトース及びラフィノースからなる群から選択される糖ヘッド基を含む、請求項7に記載のカプセル。
【請求項9】
前記界面活性剤がスクロース脂肪酸エステルである、請求項8に記載のカプセル。
【請求項10】
前記界面活性剤がスクログリセリドである、請求項1に記載のカプセル。
【請求項11】
前記スクログリセリドが、やし油スクログリセリド、パーム油スクログリセリド、パーム核油スクログリセリド、大豆油スクログリセリド、なたね油スクログリセリド、ひまわり油スクログリセリド、綿実油スクログリセリド、ピーナッツ油スクログリセリド、オリーブ油スクログリセリド、キャノーラ油スクログリセリド、ヒマシ油スクログリセリド、とうもろこし油スクログリセリド、アマニ油スクログリセリド、サフラワー油スクログリセリド、ゴマ油スクログリセリド、又はこれらの任意の組み合わせである、請求項10に記載のカプセル。
【請求項12】
前記界面活性剤がスクロースココエートを含む、請求項1に記載のカプセル。
【請求項13】
前記プルランが、10kDa~1,000,000kDaの平均分子量を有する、請求項1に記載のカプセル。
【請求項14】
前記プルランが、100KDa~750kDaの平均分子量を有する、請求項1に記載のカプセル。
【請求項15】
前記プルランがオーガニック発酵工程を使用して製造される、請求項1に記載のカプセル。
【請求項16】
前記オーガニック発酵工程が、リン酸カルシウム及び塩化マグネシウムを含む発酵培地を含む、請求項15に記載のカプセル。
【請求項17】
金属イオン封鎖剤、可塑剤、甘味料、着香剤、着色剤、又はこれらの任意の組み合わせをさらに含む、請求項1に記載のカプセル。
【請求項18】
コーティングをさらに含む、請求項1に記載のカプセル。
【請求項19】
請求項1に記載のカプセル中に封入されているカプレット。
【外国語明細書】