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特開2023-52047生体情報処理装置及び生体情報処理設備
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023052047
(43)【公開日】2023-04-11
(54)【発明の名称】生体情報処理装置及び生体情報処理設備
(51)【国際特許分類】
   H05K 5/02 20060101AFI20230404BHJP
   A61B 5/00 20060101ALI20230404BHJP
【FI】
H05K5/02 V
A61B5/00 102B
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022205938
(22)【出願日】2022-12-22
(62)【分割の表示】P 2018015679の分割
【原出願日】2018-01-31
(71)【出願人】
【識別番号】000112602
【氏名又は名称】フクダ電子株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】弁理士法人鷲田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】原 遼平
(72)【発明者】
【氏名】石井 克人
(57)【要約】
【課題】生体情報処理装置において、監視する患者数の増加に応じて複数台用いる場合でも、その専有面積を極力小さくする。
【解決手段】患者毎の生体情報を受信する生体情報処理ユニットと、生体情報処理ユニットが装着され、装着される生体情報処理ユニットに駆動電源を供給する電源供給ユニットとを有する。電源供給ユニットに生体情報処理ユニットを装着して電気的に接続したときに、生体情報処理装置と同様に構成される他の生体情報処理装置を設置可能な生体情報処理装置の上部が形成され、且つ、上部の他の生体情報処理装置を固定可能な位置に位置決めされる固定部を有する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
生体情報を処理する生体情報処理ユニットと、
前記生体情報処理ユニットが装着され、装着される前記生体情報処理ユニットに駆動電源を供給する電源供給ユニットと、
を有する生体情報処理装置であって、
前記電源供給ユニットに前記生体情報処理ユニットを装着して電気的に接続したときに、前記生体情報処理装置と同様に構成される他の生体情報処理装置を設置可能な前記生体情報処理装置の上部が形成され、且つ、前記上部の前記他の生体情報処理装置を固定可能な位置に位置決めされる固定部を有し、
前記電源供給ユニットは、
前記生体情報処理ユニットが着脱可能に装着される上面及び前記他の生体情報処理装置の電源供給ユニットに設置可能な底面を有する台部と、
前記台部に装着された前記生体情報処理ユニットの側方で、前記台部から上方に突出して設けられる立設部と、
を有し、
前記立設部には、
前記生体情報処理ユニット側の面部に、前記台部に装着された前記生体情報処理ユニットに電気的に接続するコネクタが設けられ、
前記生体情報処理ユニット側の面部と反対側の面部に、前記コネクタを介して接続される前記生体情報処理ユニットと外部機器及び外部電源のうち少なくとも一方とを接続する外部接続部が収容される窪み部が設けられている、
生体情報処理装置。
【請求項2】
前記固定部は、前記他の生体情報処理装置の電源供給ユニットを連結する固定具を固定する、
請求項1に記載の生体情報処理装置。
【請求項3】
前記固定部は、前記電源供給ユニットに設けられている、
請求項1記載の生体情報処理装置。
【請求項4】
前記台部には、前記台部に前記生体情報処理ユニットが装着されたときに、前記生体情報処理ユニットに係合して、装着状態からの移動を規制する係合部が設けられている、
請求項1から3のいずれか一項に記載の生体情報処理装置。
【請求項5】
前記固定部は、
前記立設部に設けられ、上側の他の生体情報処理装置の電源供給ユニットを設置した状態を固定する第1固定部と、
前記台部の底面に設けられ、下側の他の生体情報処理装置に設置した状態を固定する第2固定部と、
を有する、
請求項1から4のいずれか一項に記載の生体情報処理装置。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか一項に記載の生体情報処理装置が複数積み重ねて設けられ、
複数の前記生体情報処理装置のそれぞれの前記電源供給ユニット同士がそれぞれの前記固定部に取り付けられる固定具により連結される、
生体情報処理設備。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医療用のテレメータ送信機からの信号を受信する生体情報処理装置及び生体情報処理設備に関する。
【背景技術】
【0002】
医療用のテレメータシステム(またはテレメトリシステムとも呼ばれる)は、電波を用いて、心電図などの生体情報信号を離れた場所でモニタリングすることができる。このため、医療用のテレメータシステムは、医療サービスの向上や医療従事者の負担軽減を支援するツールとしてなくてはならない存在になっている。
【0003】
医療用のテレメータシステムでは、一般に、テレメータ送信機が、センサーを介して、患者の心電図波形、呼吸波形、脈波波形、血圧、体温、酸素飽和度等の患者の生体情報を取得して、無線にてセントラルモニタに送信する。セントラルモニタは、ナースステーションに設置されており、受信した生体情報が表示されることによって、患者の生体情報は監視される。なお、センサーと送信機が一体になっているものと、別体になっているものがあり、本明細書では、センサーと送信機が一体となっているもの、及び、センサーと送信機が別体になっているもの、いずれも、テレメータ送信機と呼ぶことにする。
【0004】
個々のテレメータ送信機には専用のチャネル(送信周波数)が予め割り当てられている。テレメータ送信機は、割り当てられたチャネルを用いて、患者から検出した生体情報を無線送信する。テレメータ受信装置は、所定の数のテレメータ送信機から送信されたチャネルの信号を復調して複数の患者の生体情報を得ることができる。
【0005】
一般的に、テレメータ受信装置は、それぞれ受信可能なチャネルに設定される所定数(例えば8床分)の受信モジュール(所謂チューナー)を有する。
【0006】
セントラルモニタを介して監視する患者の数が増加する場合、患者に対応するセンサー及びテレメータ送信機の数も増加し、これに応じて、テレメータ受信装置数も増加して、チャネル毎に患者から検出した生体情報をセントラルモニタに送信する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2003-010138号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、テレメータ送信機から送信されたチャネルの信号を受信して復調するテレメータ受信装置を複数用いて、テレメータ送信システムを構築する場合、テレメータ受信装置を並べて設置する必要があり、その台数分のテレメータ受信装置の設置スペースが必要となる。
【0009】
例えば、テレメータ受信装置を、ナースステーション内で、セントラルモニタ近傍に設置する場合等、その設置スペースを極力小さくしたいという要望がある。
【0010】
また、複数のテレメータ受信装置の設置スペースを小さくしても、テレメータ受信機の受信モジュールの物理的な交換及び受信モジュール毎のチャネル設定等のメンテナンスを容易に行うことができるよう配置することが望まれる。
【0011】
本発明は、以上の点を考慮してなされたものであり、監視する患者数の増加等の処理対象となる生体情報の増加に応じて複数台用いる場合でも、設置する際の専有面積を極力小さくできる生体情報処理装置及び生体情報処理設備を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の生体情報処理装置の一つの態様は、
生体情報を処理する生体情報処理ユニットと、
前記生体情報処理ユニットが装着され、装着される前記生体情報処理ユニットに駆動電源を供給する電源供給ユニットと、
を有する生体情報処理装置であって、
前記電源供給ユニットに前記生体情報処理ユニットを装着して電気的に接続したときに、前記生体情報処理装置と同様に構成される他の生体情報処理装置を設置可能な前記生体情報処理装置の上部が形成され、且つ、前記上部の前記他の生体情報処理装置を固定可能な位置に位置決めされる固定部を有し、
前記電源供給ユニットは、
前記生体情報処理ユニットが着脱可能に装着される上面及び前記他の生体情報処理装置の電源供給ユニットに設置可能な底面を有する台部と、
前記台部に装着された前記生体情報処理ユニットの側方で、前記台部から上方に突出して設けられる立設部と、
を有し、
前記立設部には、
前記生体情報処理ユニット側の面部に、前記台部に装着された前記生体情報処理ユニットに電気的に接続するコネクタが設けられ、
前記生体情報処理ユニット側の面部と反対側の面部に、前記コネクタを介して接続される前記生体情報処理ユニットと外部機器及び外部電源のうち少なくとも一方とを接続する外部接続部が収容される窪み部が設けられている構成を採る。
【0013】
本発明の生体情報処理設備の一つの態様は、
上記構成の生体情報処理装置が複数積み重ねて設けられ、
複数の前記生体情報処理装置のそれぞれの前記電源供給ユニット同士がそれぞれの前記固定部に取り付けられる固定具により連結される構成を採る。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、監視する患者数の増加等の処理対象となる生体情報の増加に応じて複数台用いる場合でも、設置する際の専有面積を極力小さくできる生体情報処理装置を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】実施の形態に係る生体情報処理装置の一例としてのテレメータ受信装置を有する医療用のテレメータシステムの構成を示す概略図
図2】テレメータ受信装置の外観構成を示す正面側斜視図
図3】テレメータ受信装置の外観構成を示す背面側斜視図
図4】テレメータ受信装置において設定用カバーを外したテレメータ受信装置の左側面図
図5】テレメータ受信装置における受信モジュールユニットとベースユニットとを示す斜視図
図6】ベースユニットの斜視図
図7】テレメータ受信装置の組立方法を示す図
図8】固定脚部としての固定金具の取付を示す図
図9】固定金具の斜視図
図10】テレメータ受信装置を複数積み重ねてなるテレメータ受信設備を示す図
図11】固定脚部としての固定金具の取付を示す図
図12】連結金具としての固定金具の取付を示す図
図13】上下で積み重ねるテレメータ受信装置を示す背面側斜視図
図14】上下で積み重ねるテレメータ受信装置を示す正面側斜視図
図15】下側のテレメータ受信装置の背面の補助パネルと連結金具として取り付けられる固定金具との係合を示す図
図16】連結金具として固定金具と下側のテレメータ受信装置との接合部分を示す断面図
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0017】
本発明の実施の形態に係る生体情報処理装置は、生体情報を処理する装置であれば、どのような装置としてもよい。生体情報を処理するとは、例えば、患者の生体情報を受信したり、生体情報をプリントアウトすること等であり、生体情報を変換することである。本実施の形態では、生体情報処理装置をテレメータ受信装置に適用した一例を説明する。
【0018】
図1は、本発明の実施の形態に係る生体情報処理装置の一例としてのテレメータ受信装置100を有する医療用のテレメータシステム1の構成を示す概略図である。医療用のテレメータシステム1は、テレメータ受信装置100と、テレメータ受信装置100に生体情報を送信する送信装置(21~23)と、テレメータ受信装置100で受信した生体情報を表示する表示装置30とを有する。
【0019】
医療用のテレメータシステム1は、送信装置としてのベッドサイドモニタ23やテレメータ送信機21、22を介して、複数の患者の心電図、呼吸等の生体情報パラメータ(以下、単に「生体情報」という)を収集する。医療用のテレメータシステム1は、収集した生体情報と、医療従事者によって予め設定された測定項目の設定値とにより、不整脈検出、無呼吸検出を含む警報動作を行い、医療従事者に患者の容態を認識させることができる。なお、本実施の形態では、医療用のテレメータシステム1は、患者の生体情報を、無線インターフェースを介して収集する。
【0020】
送信装置(21~23)は、患者の生体情報をテレメータ受信装置100に送信するものであり、例えば、患者に装着して用いられるテレメータ送信機21、22及び患者の病床に配置されるベッドサイドモニタ23等である。勿論、送信装置(21~23)が送信する生体情報の対象、例えば、テレメータ送信機21、22の装着対象或いはベッドサイドモニタ23のモニタリング対象は、患者以外でも検査を受ける被検者であればよい。送信装置は、患者の心電図波形、呼吸波形、脈波波形、血圧、体温、SpO(酸素飽和度)などの生体情報をセンシングする機能と、その生体情報を無線送信する機能とを有する。例えば、心電図波形は、送信装置に、患者の体表面に装着される電極を接続することによりセンシングされる。
【0021】
表示装置30は、テレメータ受信装置100から送信される生体情報を表示部32に表示する。表示装置30は、例えば、セントラルモニタであり、ナースステーション等に設置される。
【0022】
表示装置30は、テレメータ受信装置100から複数の患者の生体情報を表示部32に並べて同時に表示し、医療従事者に視認させる。
【0023】
なお、本実施の形態の表示装置30は、テレメータ受信装置100と同様に複数の生体情報を受信可能な機能を有する。例えば、表示装置30は、所定数(例えば8床)の患者毎の生体情報を受信して表示部32に同時に表示する。
【0024】
テレメータ受信装置100は、表示装置30にLAN(Local Area Network)等の通信ネットワークを介して接続される。テレメータ受信装置100は、本実施の形態では、LANケーブルL(図1参照)を介して表示装置30に接続されているが、無線で接続されるようにしてもよい。
【0025】
テレメータ受信装置100は、送信装置から送信された生体情報を示す無線信号を復調することで生体情報を取得し、これを表示部32に表示する。これにより、医療従事者は患者の生体情報のモニタリングが可能となる。テレメータ受信装置100が受信する生体情報パラメータとしては、例えば、心電図波形、呼吸波形、脈波波形、血圧、体温、SpO等が挙げられる。
【0026】
テレメータ受信装置100は、本実施の形態では、テレメータ送信機21、22及びベッドサイドモニタ23のそれぞれから送信された患者毎の生体情報(例えば、心電図、呼吸波形)や、これら生体情報から心拍数、呼吸数の算出や不整脈解析を行った結果を、表示装置30に送信する。テレメータ受信装置100は、患者毎に対応する複数の送信装置からの生体情報を受信可能に構成される。テレメータ受信装置100は、所定数、例えば8床の患者の生体情報を受信可能である。テレメータ受信装置100は、表示装置30で表示する患者数の増加に対応して用いられる。
【0027】
テレメータ受信装置100は、表示装置30の近傍に配置される。例えば、表示装置30が移動可能なトロリーに設置されていれば、トロリーに取り付けられてもよい。
【0028】
図2は、テレメータ受信装置100の外観構成を示す正面側斜視図であり、図3は、テレメータ受信装置100の外観構成を示す背面側斜視図である。また、図4は、テレメータ受信装置100においてID設定用カバー61(図3参照)を外したテレメータ受信装置の左側面図であり、図5は、テレメータ受信装置100における受信モジュールユニット50とベースユニット60とを示す斜視図である。図6は、ベースユニット60の斜視図である。また、図7は、受信モジュールユニット50とベースユニット60とからなるテレメータ受信装置100の組立方法を示す図である。
【0029】
テレメータ受信装置100は、受信モジュールユニット50と、ベースユニット60とを有し、ベースユニット60に受信モジュールユニット50を搭載して接続することにより構成される。
【0030】
図1に示すテレメータシステム1において、監視する患者が増加する場合、送信装置(21~23)から送信される患者の生体情報の増加に応じて、テレメータ受信装置100を増加する必要がある。
【0031】
テレメータ受信装置100は、その上面を、受信モジュールユニット50の上面502と、ベースユニット60の上端面(以下、「上面」という)602とで構成し、その上面上に、同様に構成される他のテレメータ受信装置100を積み重ねて設置可能としている。なお、テレメータ受信装置100の上面とは、テレメータ受信装置100が設置される設置面に対して上方に位置する面である。テレメータ受信装置100の上面は、電源供給ユニットとしてのベースユニット60に生体情報処理ユニットとしての受信モジュールユニット50を装着して電気的に接続したときに形成される生体情報処理装置としてのテレメータ受信装置100の上部を意味する。テレメータ受信装置100の上面は、受信モジュールユニット50を装着して電気的に接続したときに、他のテレメータ受信装置100を積み重ねて設置可能となる面である。本実施の形態では、テレメータ受信装置100の上面(502、602)は、平坦な水平面である。
【0032】
受信モジュールユニット50は、送信装置21~23の送信チャネルに対応する受信周波数が登録され、且つ、送信装置21~23から送信される生体情報を受信するチューナー等の受信モジュールを有する。受信モジュールユニット50は、複数の受信モジュールを有し、それぞれの受信モジュールは、各送信装置21~23から送信される患者毎の生体情報を受信する。
【0033】
受信モジュールユニット50は、ベースユニット60に接続されることにより駆動する。受信モジュールユニット50は、図5に示すベースユニット60のコネクタ(ソケット)64に嵌合する図示しない被コネクタ(プラグ)を有する。コネクタ64に被コネクタ(図示省略)が接続されることにより、受信モジュールユニット50は、ベースユニット60を介して電源が供給されて駆動し、各送信装置からの生体情報を受信し、コネクタ64及び被コネクタ(図示省略)を介してベースユニット60から外部、ここでは、表示装置30に送信する。
【0034】
受信モジュールユニット50は、本実施の形態では、直方体状をなしている。
【0035】
受信モジュールユニット50は、ユニット筐体52内で受信モジュールを収容する。ユニット筐体52は、一側面、ここでは表面(図2参照)側で開口する開口部(図示省略)を、蓋部54により覆ってなる箱状をなしている。ユニット筐体52の上面502には、収容する受信モジュール毎に登録されたチャネルを表示するラベル506が貼着されている。また、ユニット筐体52は、他側面側、ここでは裏面側に取り付けられる補助パネル55を有する(図3及び図4参照)。
【0036】
図2に示す蓋部54は、ユニット筐体52内に収容される受信モジュールのメンテナンスを可能にするためにユニット筐体52に着脱可能に取り付けられている。本実施の形態では、蓋部54は、ビスによりユニット筐体52に固定されている。蓋部54の外縁にゴムパッキンを配設して、ユニット筐体52の開口部に対して気密的に閉塞するように取り付けられても良い。蓋部54が外されたユニット筐体52では、開口部を介して図示しない各受信モジュールが外部に露出し、これにより、受信モジュールのメンテナンスを行うことができる。なお、蓋部54には、アンテナ側の端子(図示省略)を差し込むアンテナ差し込み口542が設けられており、このアンテナ差し込み口542を介して、アンテナ端子544が外部に露出している。アンテナ端子544は、ユニット筐体52内で受信モジュール(図示省略)に接続されている。アンテナ側の端子(図示省略)をアンテナ差し込み口542に差し込むと、アンテナ側の端子(図示省略)がアンテナ端子544に接続されるとともに、アンテナ(図示省略)は、ユニット筐体52に取り付けられる。
【0037】
ユニット筐体52は、下面に突設され、ベースユニット60の係合部63に係合する係合突部(図示省略)を有する。係合突部は、ユニット筐体の下面、すなわち、受信モジュールユニット50の下面において、図5に示すベースユニット60の係合部63と対応する位置に設けられている。係合突部は、受信モジュールユニット50の下面に所定間隔を空けて4つ設けられ、受信モジュールユニット50の脚部としても機能する。
【0038】
ベースユニット60は、装着される受信モジュールユニット50に電源を供給するとともに、受信モジュールユニット50で受信した生体情報を接続先に転送可能に構成される。
【0039】
ベースユニット60は、受信モジュールユニット50に接続して生体情報を入力するためのコネクタ64の他に、外部機器に接続するための各インターフェースを有する。インターフェースは、例えば、表示装置30から電源を供給するための第1接続部652、AC電源に接続する電源コネクタ654、LAN機器、ここでは表示装置30に接続して生体情報を送信するための第2接続部656、テレメータ受信装置100自体を他装置に接続するための第3接続部658等である。
【0040】
ベースユニット60は、本実施の形態では、受信モジュールユニット50が装着された際に、テレメータ受信装置100として直方体状となるように構成されている。
【0041】
ベースユニット60は、受信モジュールユニット50が載置される板状の台部60aと、台部60aから立ち上がる方向に突出する立設部60bとを有する。本実施の形態では、立設部60bは、台部60aの一端部から立ち上がる方向に突出しており、台部60aとで正面視してL字状をなしている。
【0042】
ベースユニット60においてL字状をなす台部60aと立設部60bとの間に受信モジュールユニット50が装着される。具体的には、ベースユニット60では、台部60a上に受信モジュールユニット50が配置された際に、立設部60bは、受信モジュールユニット50の側方で受信モジュールユニット50に位置する。本実施の形態では、立設部60bは、受信モジュールユニット50の側方で受信モジュールユニット50に隣接する。
【0043】
ベースユニット60の上面602、つまり、立設部60bの上面602は、ベースユニット60に装着された受信モジュールユニット50の上面502と同じ高さ(略同じ高さも含む)となるように構成される。本実施の形態では、ベースユニット60の上面(立設部60bの上面)602と、ベースユニット60に装着された受信モジュールユニット50の上面502とは略面一である。これら上面502、602により、テレメータ受信装置100の上面を平坦で水平な面として構成している。
【0044】
台部60aは、受信モジュールユニット50が着脱可能に取り付けられる載置面部(上面)603と、テレメータ受信装置100と同様に構成される他のテレメータ受信装置100A(図10参照)のベースユニット60に載置可能な底面601(図8参照)とを有する。
【0045】
載置面部603は、本実施の形態では、受信モジュールユニット50の底面と略同面積(同面積も含む)に構成されている。
載置面部603には、受信モジュールユニット50の脚部として機能する係合突部(図示省略)に係合する係合部63が形成されている。係合部63は、台部60aに受信モジュールユニット50が装着されたときに、受信モジュールユニット50に係合して、装着状態からの移動を規制する。具体的には、係合部63は、係合突部が挿入される凹部632と、凹部632内に配置された脚部を立設部60b側に移動させた際に、当該脚部と係合する爪部634とを有する。
【0046】
係合部63は、載置面部603の長手方向(テレメータ受信装置100の表裏面に沿う方向)に延在する両側辺部の一端側と他端側とに配設されている。
【0047】
受信モジュールユニット50をベースユニット60に装着する際には、受信モジュールユニット50におけるユニット筐体52の下面の脚部(図示省略)を凹部632内に配置して、載置面部603に受信モジュールユニット50を載置する。次いで、ベースユニット60の台部60a上で受信モジュールユニット50を立設部60b側(矢印方向)にスライド移動する。これにより、脚部と爪部634とが係合し、受信モジュールユニット50は、ベースユニット60に対する上方への移動が規制された状態でベースユニット60に装着される。また、載置面部603には、中央部に長手方向に沿って複数のアース端子657が設けられている。アース端子657は、ベースユニット60に装着される受信モジュールユニット50の底面の導電部分(例えば板金で構成された底面)に弾性接触して、受信モジュールユニット50のアースをとる。
【0048】
補助パネル55は、受信モジュールユニット50をベースユニット60(詳細には、台部60a)に固定するとともに、テレメータ受信装置100を積み重ねる際に、他のテレメータ受信装置100との接続に用いられるものである。
【0049】
補助パネル55は、ユニット筐体52の裏面を覆うように取り付けられるパネル本体552を有する。パネル本体552は、矩形状のパネルであり、一辺部、ここでは底辺部から下方に突出して形成され、台部60aの凹状のパネル被係合部605に係合するパネル係合部552aを有する。パネル本体552がユニット筐体52に固定された状態で、パネル係合部552aが、台部60aのパネル被係合部605に係合することにより、ユニット筐体52がベースユニット60から抜けないようにユニット筐体52を規制する。
【0050】
また、パネル本体552には、止着孔556が設けられている。補助パネル55は、図3及び図7(b)に示すように、この止着孔556に挿入したビス等の止着部材56を介して、ユニット筐体52の他側面、ここでは裏面に止着されている。補助パネル55が、止着部材56を介して、ユニット筐体52と台部60aとに止着されることにより、受信モジュールユニット50はベースユニット60に抜け止めされた状態で固定される。
【0051】
また、パネル本体552には、固定具としての固定金具70が上方に延出するように取り付けられる金具固定部554(図15及び図16参照)が設けられている。
【0052】
金具固定部554は、固定金具70を補助パネル55に固定するためのものである。金具固定部554は、パネル本体552において一辺部(上辺)に上方で開口する凹状の切欠部554aと、この凹状の切欠部554a内に形成され、固定金具70の被位置決め部73に係合する位置決め部554bとを有する。
【0053】
切欠部554aは、補助パネル55がユニット筐体52の裏面を覆う際に、固定金具70の第1固定片部70aを収容する収容部として機能する。具体的には、金具固定部554の凹状の切欠部554a内には、テレメータ受信装置100を積層する際に連結金具として用いられる固定金具70(図10では固定金具70-5)の第1固定片部70aが、挿入された状態で固定される(図10参照)。このとき、第1固定片部70aの一部は切欠部554aの開口から上方に導出する。なお、切欠部554a内の第1固定片部70aの取付孔74は、位置決め部554b(図15参照)と係合する。これにより、補助パネル55は、切欠部554aの対向する両側縁部で、第1固定片部70aの被位置決め部73を中心とする回転を規制しつつ、位置決め部554bで第1固定片部70aの延出方向への移動を規制する。被位置決め部73と位置決め部554bとは互いに係合するように対応して形成されており、本実施の形態では、被位置決め部73(図8図9参照)は孔であるので、位置決め部554bは、孔である被位置決め部73に係合する突部として形成されている。
【0054】
台部60aには、載置面部603と底面601とを貫通する空気取り入れ孔66が設けられ、受信モジュールユニット50が駆動する際の発熱を放熱する。また、爪部634の下方には、凹部632と下面側とを連通させて、凹部632内に水が浸入した場合に排水するための排水孔が設けられている。
【0055】
また、テレメータ受信装置100の底面(具体的には台部60aの底面601)には、固定金具70が取り付けられる金具固定部671、672及び位置決め部681、682(図8参照)が設けられている。
【0056】
金具固定部671は、所定間隔離れた位置決め部681とともに、ベースユニット60の底面601において、短手方向(テレメータ受信装置100の表裏面が離間する方向)に沿う台部60aの他端部側の端辺部に沿って設けられている。
金具固定部672は、所定間隔離れた位置決め部682とともに、台部60aの底面の長手方向に延在する辺部に、長辺部の延在方向に沿って設けられている。
なお、金具固定部671と位置決め部681との間の所定間隔は、金具固定部672と位置決め部682との間の所定間隔と同様の間隔であり、それぞれ、固定金具70における挿入孔72と被位置決め部73との間隔、或いは、挿入孔77と被位置決め部78との間隔に対応する。
【0057】
立設部60bには、上述した各インターフェースが設けられている。各インターフェースは、図4及び図6に示すように、立設部60bにおいて、受信モジュールユニット50が隣接する側の隣接面604と水平方向で逆側の面(図2に示す左側面)の窪み部606で接続可能に設けられている。窪み部606は、上方で突出する庇部608により形成され、各インターフェースのうち、第1接続部652は、庇部608の下面に配置され、電源コネクタ654、第2接続部656及び第3接続部658は、窪み部606の底面部分に形成されている。各インターフェースは、庇部608の下方でそれぞれ対応するケーブルに接続される。すなわち、立設部60bにおける各インターフェースは、立設部60bの投影面積内で対応するケーブル端部の接続部と接続可能であり、テレメータ受信装置100の投影面積の外方で接続されることがなく、すっきりした配線を実現できる。なお、電源コネクタ654に接続されるケーブル端部の接続部としてのプラグは、ライトアングルプラグであることが好ましい。
庇部608内には、ID設定部62が設けられている。ID設定部62は、ユニット筐体52内の受信モジュールに対して、テレメータシステム1等の通信ネットワークにおいて、生体情報を送信する送信装置(例えば、テレメータ送信機21、22及びベッドサイドモニタ23等)の通信用のID情報に対応した受信チャネルを設定する。
【0058】
立設部60b内には、第1接続部652或いは電源コネクタ654を介して供給される電源を変換して受信モジュールユニット50に出力する電源回路部(図示省略するが所謂電源回路が実装された電源基板)が配置される。これにより、電源回路部を立設部60b内に収容したL字型のベースユニット60では、電源回路部は、受信モジュールユニット50の側方に配置された構成となっている。よって、テレメータ受信装置100を積み重ねた場合でも、電源回路部は、積層するように配置される受信モジュールユニット50間に配置されることがない。すなわち、装着された受信モジュールユニット50に電源を供給する際に電源回路部が発熱しても効率良く放熱できる。
さらに、ベースユニット60において電源回路部を台部60a内に設ける必要がなく、台部60a自体の高さ(上下方向の厚みに相当)を低くでき、ひいてはテレメータ受信装置100自体の高さを低くできる。これにより、テレメータ受信装置100を重ねても(図10に示すテレメータ受信設備10に相当)、その高さを低く抑えて小型化を図ることができる。なお、ベースユニット60、特に、立設部60bが、その内部に、受信モジュールユニット50に電源を供給するバッテリを有し、バッテリにより受信モジュールユニット50に電源を供給するようにしても良い。
【0059】
また、立設部60bは、テレメータ受信装置100を上面(上面502或いは上面602)に載置して重ねて固定する際に用いられる連結固定部692を有する。連結固定部692は、ここでは、表裏面(図2図5及び図6参照)の双方に形成された孔部である。連結固定部692には、ビス等の止着部材56(図13参照)により後述する固定金具70が固定され、この固定金具70を介して他のテレメータ受信装置100が連結される。
【0060】
図8は、固定脚部としての固定金具70の取付を示す図であり、図8(a)は固定脚部としての固定金具70を取り付ける前のテレメータ受信装置を示す図であり、図8(b)は、固定金具70を取り付けたテレメータ受信装置を示す図である。
【0061】
図8に示すように、テレメータ受信装置100は、底面601に、固定金具70を固定脚部として固定できる。
【0062】
固定金具70は、テレメータ受信装置100に取り付けられ、当該テレメータ受信装置100の設置対象に当接或いは固定して、設置対象に対する移動を規制するものである。
【0063】
例えば、固定金具70は、テレメータ受信装置100に取り付けられることで転倒防止のための固定脚部として機能する。また、固定金具70は、後述するようにテレメータ受信装置100を積み重ねる際に、積層するテレメータ受信装置100同士のそれぞれに取り付けられて固定され、互いを連結する機能を有する。
【0064】
図9は固定金具70の斜視図である。
【0065】
固定金具70は、異なる方向に延在し、且つ互いの一端部どうしで連続する第1固定片部70aと第2固定片部70bとを有する。固定金具70は、本実施の形態では、帯状の鋼板を折曲して構成される。
【0066】
本実施の形態では、第1固定片部70aは第2固定片部70bよりも長く、第1固定片部70a及び第2固定片部70bは、互いに直交するように接合されており、側面視してL字状に形成されている。
【0067】
第1固定片部70a及び第2固定片部70bには、金具固定部671、672に対応して形成され、且つ、それぞれビス等の止着部材76、56が挿入される挿入孔72、77と、位置決め部681、682に嵌合するよう対応して形成される被位置決め部73、78とが設けられている。また、第1固定片部70a及び第2固定片部70bには、複数の開口が形成され、そのうち、第1固定片部70aに形成された開口は、テレメータ受信装置100の補助パネル55に取り付けられる際の取付孔74として機能する。なお、第1固定片部70a及び第2固定片部70bの開口(取付孔74を含む)は、肉抜きとしても機能し、固定金具70自体の軽量化、低コスト化を図っている。
【0068】
挿入孔72、77は、本実施の形態では、台部60a側の位置決め部681、682が突起であるため、突起に嵌合する孔状に形成しているが、位置決め部681、682を孔状に形成すれば、これに嵌合する突状に形成したものとしてもよい。
【0069】
第1固定片部70aにおける挿入孔72と被位置決め部73との間隔と、第2固定片部70bにおける挿入孔77と被位置決め部78との間隔とは同じ間隔であり、それぞれ固定金具70の延在方向と直交する方向に並んで配置されている。
【0070】
テレメータ受信装置100を一つの固定金具70で転倒防止する場合、固定金具70は、図8(a)に示すように、固定金具70の第2固定片部70bを空気取り入れ孔(逃げ部)66内に挿入しつつ、第1固定片部70aの被位置決め部73を位置決め部681に嵌合する。これにより、固定金具70は、第1固定片部70aを台部60aの長手方向と同方向で延出するように配置した状態で配置される。この状態で金具固定部671に重なる挿入孔72に止着部材76を挿入して止着することにより、図8(b)に示すように、固定金具70はテレメータ受信装置100に固定される。
【0071】
このように、図8に示すテレメータ受信装置100では、底面から第1固定片部70aが台部60aの延在方向に突出するように固定される。これにより、第1固定片部70aにおいてテレメータ受信装置100の外縁から延出する部位が転倒防止用の脚部として機能する。
【0072】
テレメータ受信装置100は、複数台を用いて、これらを重ねて設けることにより、受信する患者の生体情報、ここでは、監視する患者の数を増加できる。図10は、テレメータ受信装置を複数積み重ねてなる生体情報処理設備の一例としてのテレメータ受信設備10を示す図である。
【0073】
図10に示すテレメータ受信設備10は、複数のテレメータ受信装置100(100A、100B)と、複数のテレメータ受信装置100(100A、100B)を連結する連結金具としての固定金具70-5、70-6、70-7(図12参照)とを有する。なお、以下では、積み重なる複数のテレメータ受信装置100について、便宜上、下段のテレメータ受信装置100をテレメータ受信装置100A、上段のテレメータ受信装置100をテレメータ受信装置100Bと称して説明する。
【0074】
テレメータ受信装置100Aには、転倒防止用の脚部として用いられた固定金具70(図10では70-1、70-3で示す)が取り付けられている。
【0075】
テレメータ受信装置100A上には、連結金具として用いる固定金具70(図10では、70-6)を介して連結されたテレメータ受信装置100Bが設けられている。
【0076】
図11は、固定脚部としての固定金具が取り付けられる下側のテレメータ受信装置100Aを底面側から見た図であり、図11(a)は固定金具が取り付けられた下側のテレメータ受信装置100Aを示し、図11(b)は、固定金具を取り付ける前の下側のテレメータ受信装置100Aを示す。
【0077】
固定脚部として用いられる固定金具70-1~70-4は、図11(a)に示すように、テレメータ受信装置100の底面に、当該底面から表裏面が離間する方向側、つまり短手方向で突出するよう取り付けられる。
【0078】
固定金具70-1~70-4は、それぞれ固定金具70として同形状に形成されたものであり、それぞれ第1固定片部70aが表裏面から側方にそれぞれ2本ずつ延出するように取り付けられている。
【0079】
固定金具70は、図11(b)に示すように、それぞれ第1固定片部70aの被位置決め部73を、ベースユニット60の底面において、表裏面側の縁部に沿って形成された位置決め部682に嵌合し、第2固定片部70bを空気取り入れ孔66、金具逃げ部(逃げ部)67内にそれぞれ挿入して配置されている。なお、金具逃げ部67は、ベースユニット60の底面に取り付けられる固定金具70において底面側に突出する第2固定片部70bを内部に位置させて逃がす。
【0080】
固定金具70-1~70-4は、それぞれ第1固定片部70aにおいて、金具固定部671にそれぞれ重なる挿入孔72に止着部材76を挿入して金具固定部671に止着することによりテレメータ受信装置100に固定される。
【0081】
このようにテレメータ受信装置100には、同様に構成される固定金具70を一つ用いたり、或いは、2つ以上(ここでは4つ)取り付けられて、一側面或いは表裏面側から脚部として突出させて、長手方向或いは、短手方向(表裏面が離間する方向)への転倒が防止される。
【0082】
固定金具70-5~70-7では、テレメータ受信装置100Bに固定した後でテレメータ受信装置100Aに固定される。
【0083】
図12は、連結金具としての固定金具70-5~70-7の取付を示す図であり、図12(a)は連結部としての固定金具70-5~70-7が取り付けられた上側のテレメータ受信装置100Bを示し、図12(b)は、固定金具70-5~70-7を取り付ける前の上側のテレメータ受信装置100Bを示す。
【0084】
固定金具70-5~70-7は、図12(a)に示すように、第1固定片部70aを、テレメータ受信装置100Bの底面の縁部から下方に突出するように、第2固定片部70bをテレメータ受信装置100Bの底面に固定される。
【0085】
なお、固定金具70-5~70-7は、それぞれ固定金具70として同形状に形成されたものである。
【0086】
固定金具70-5~70-7は、ベースユニット60の底面の金具固定部672及び位置決め部682に、第2固定片部70bの被位置決め部78及び挿入孔77を対応させて取り付けられている。
【0087】
固定金具70-5~70-7は、第2固定片部70bの被位置決め部78を、対応する位置決め部682に嵌合し、挿入孔77に、例えば皿ねじ等の止着部材76を挿入して金具固定部672に止着することで、台部60aに固定されている。
【0088】
固定金具70-6、70-7は、短手方向(表裏面が離間する方向)で互いに離れて対向して配置される。
【0089】
固定金具70-6、70-7におけるそれぞれの第1固定片部70aは、テレメータ受信装置100Aを表裏面の双方から挟むように配置され、それぞれテレメータ受信装置100Aの立設部60bに固定される。
【0090】
具体的には、固定金具70-6、70-7は、テレメータ受信装置100Bに取り付けた後、図13及び図14に示すように、下方に突出する固定金具70-6、70-7間に、テレメータ受信装置100Aの立設部60bを位置させて、テレメータ受信装置100Bをテレメータ受信装置100A上に重なるように配置する。
【0091】
固定金具70-6、70-7は、テレメータ受信装置100Aにおける立設部60bの表裏面側に形成された連結固定部692に、ビス等の止着部材56を介して止着される。
【0092】
また、固定金具70-5の第1固定片部70aは、図13に示すように、テレメータ受信装置100Aにおける受信モジュールユニット50の背面、ここでは、補助パネル55に固定される。
【0093】
固定金具70-5の第1固定片部70aは、受信モジュールユニット50のユニット筐体52と補助パネル55のパネル本体552との間に配置された状態で、補助パネル55を介して、ユニット筐体52に固定される。
【0094】
図13に示すテレメータ受信装置100Aでは、裏面側でユニット筐体52の裏面を覆う補助パネル55は、固定金具70-5の第1固定片部70aを固定する止着部材56以外の止着部材(図13では3箇所の止着部材)でユニット筐体52及びベースユニット60の台部60aに止着されている。
そして、テレメータ受信装置100Bをテレメータ受信装置100A上に重ねる際に、補助パネル55を撓ませて、補助パネル55において金具固定部554が形成されている部位がユニット筐体52から離れることで形成された空間内に、固定金具70-5の第1固定片部70aを挿入する。次いで、補助パネル55の撓みを開放することにより、第1固定片部70aは、図15に示すように、補助パネル55における金具固定部554内に位置され、第1固定片部70aにおける第2固定片部70b側が、切欠部554aの開口から上方に延出するように、取付孔74が、位置決め部554bに嵌合する。
【0095】
そして、図13に示すように、金具固定部554部分を止着する止着部材56を、止着孔556にその外面側から挿入して、連結固定部692に止着(ここでは螺合により固定)することにより、補助パネル55は、ユニット筐体52に固定される。
【0096】
これにより、固定金具70-5において、テレメータ受信装置100Aとの接続部分は、テレメータ受信装置100Aの補助パネル55により覆われ、外部に露出しない。
【0097】
このように、本実施の形態のテレメータ受信装置100によれば、複数のテレメータ受信装置100A、100Bを用いて、複数の患者の生体情報を患者毎に表示装置30(図1参照)に表示する際に、複数のテレメータ受信装置100A、100Bを重ねて一体的に連結して設置できる。
【0098】
具体的には、下側のテレメータ受信装置100Aでは、受信モジュールユニット50の上面502とベースユニット60の上面602で同じ高さ(本実施の形態では、略面一)に形成される。これら上面502、602に、上側のテレメータ受信装置100Bのベースユニット60が配置されている。上側のテレメータ受信装置100Bは、上側のテレメータ受信装置100Bのベースユニット60で、固定金具70-5~70-7を介して下側のテレメータ受信装置100Aに連結されている。
【0099】
これにより、テレメータ受信装置100Aの1台分の設置スペースに、複数台のテレメータ受信装置100Bを容易に設置できる。
また、本実施の形態では、テレメータ受信装置100A上のテレメータ受信装置100Bは、テレメータ受信装置100Bのベースユニット60によりテレメータ受信装置100Aのベースユニット60における立設部60bの上面602に配置される。これにより、テレメータ受信設備10自体では、上側のテレメータ受信装置の全荷重が、下側のテレメータ受信装置100Aの受信モジュールユニット50にかかることなく、その一部を、下側のテレメータ受信装置100Aのベースユニット60で支持させることができる。
【0100】
また、複数のテレメータ受信装置100A、100Bを有するテレメータ受信設備10では、固定金具70-5~70-7を介してテレメータ受信装置100A、100Bが積み重なった状態で連結されている。これにより、テレメータ受信設備10は、表示装置30を搭載したトロリーにもテレメータ受信装置を横に並べて取り付けることなく、設置面における専有スペースを取らずに取り付けることができる。
このように、監視する患者数の増加等のように処理対象となる生体情報の増加に応じて生体情報処理装置としてのテレメータ受信装置100を複数台用いる場合でも、設置する際の設置スペース(専有面積)を極力小さくできる。なお、テレメータ受信設備10では、下側のテレメータ受信装置100Aでは、上面に貼着されるラベル506は、上側のテレメータ受信装置100Bにより隠れるため、上面以外の外面、例えば、補助パネル55に貼着される。
【0101】
また、テレメータ受信装置100A、100Bの裏面側で、固定金具70-5、70-6を介して、上側のテレメータ受信装置100Bのベースユニット60と、下側のテレメータ受信装置100Aの受信モジュールユニット50及びベースユニット60が連結されている。これに対し、蓋部54のある各テレメータ受信装置100A、100Bの表面側で、固定金具70-7を介して、上側のテレメータ受信装置100Bのベースユニット60の台部60aと、下側のテレメータ受信装置100Aのベースユニット60の立設部60bとが連結されている。
【0102】
すなわち、各テレメータ受信装置100A、100Bにおいて、メンテナンス用の蓋部54のある表面側では、ユニット筐体52に着脱可能に取り付けられた蓋部54を除く部位で、テレメータ受信装置100A、100Bは連結されている。よって、テレメータ受信装置100A、100Bを上下に積層してなるテレメータ受信設備10では、それぞれのテレメータ受信装置100A、100Bを連結した状態で、それぞれの蓋部54を取り外すことができるので、各テレメータ受信装置100A、100Bが備える受信モジュールのメンテナンスを容易に行うことができる。すなわち、テレメータ受信装置100A、100Bと表示装置30とが有線通信等のように接続された状態であっても場合、テレメータ受信装置100A、100Bと表示装置30との間に配線されたケーブルなどを外すことなく、それぞれの受信モジュールユニット50において受信モジュールの交換等のメンテナンスを行うことができる。
【0103】
また、本実施の形態で用いられる固定金具70は、所謂、L字金具であり、テレメータ受信装置100に対して、取付方向を変更するだけで、テレメータ受信装置100自体の転倒防止とテレメータ受信装置100同士の連結との双方に使用することができる。例えば、図8図10及び図11に示すように、固定金具70、70-1~70-4は、テレメータ受信装置100Aに取り付けられて、転倒防止の脚部として機能する。また、図10、12に示すように、固定金具70-5~70-7は、テレメータ受信装置100Bと、テレメータ受信装置100Aに渡って取り付けられて、互いを積み重ねた状態で確実に連結できる連結金具として機能する。よって、テレメータ受信装置100に対して、転倒防止用あるいはテレメータ受信装置100A、100B同士の連結用としてそれぞれ別種類の金具を用意する必要がなく、一種類の固定金具70でそれぞれの用途に対応でき、別種類の金具を製作する際のコストも削減できる。
【0104】
また、本実施の形態の生体情報処理装置の一例としてのテレメータ受信装置100、100A、100Bは、直方体形状としたが、ベースユニット60に受信モジュールユニット50を装着して電気的に接続したときに、他のテレメータ受信装置100Bを設置可能な、テレメータ受信装置100の上部(上面502、602)が形成される形状であればどのように構成されてもよい。
【0105】
上述の実施の形態は、本発明を実施するにあたっての具体化の一例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその要旨、またはその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
【産業上の利用可能性】
【0106】
本発明は、医療用のテレメータ送信機からの信号を受信するテレメータ受信装置に適用し得る。
【符号の説明】
【0107】
1 テレメータシステム
10 テレメータ受信設備(生体情報処理設備)
21、22 テレメータ送信機
23 ベッドサイドモニタ
30 表示装置
32 表示部
50 受信モジュールユニット(生体情報処理ユニット)
502、602 上面(上部)
52 ユニット筐体
54 蓋部
55 補助パネル
552 パネル本体
552a パネル係合部
554、671、672 金具固定部(第2固定部)
554a 切欠部
554b、681、682 位置決め部
556 止着孔
56 止着部材
60 ベースユニット(電源供給ユニット)
603 載置面部(上面)
604 面
605 パネル被係合部
606 窪み部
608 庇部
60a 台部
60b 立設部
61 ID設定用カバー
63 係合部
632 凹部
634 爪部
64 コネクタ
652 第1接続部
654 電源コネクタ
656 第2接続部
658 第3接続部
66 空気取り入れ孔(逃げ孔部)
67 金具逃げ部(逃げ孔部)
692 連結固定部(固定部、第1固定部)
70、70-1、70-2、70-3、70-4、70-5、70-6、70-7 固定金具(固定具)
70a 第1固定片部
70b 第2固定片部
72、77 挿入孔
73、78 被位置決め部
74 取付孔
76 止着部材
100、100A、100B テレメータ受信装置(生体情報処理装置)

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16