(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023052101
(43)【公開日】2023-04-11
(54)【発明の名称】分光分析用光パイプ
(51)【国際特許分類】
G01N 21/01 20060101AFI20230404BHJP
G01N 21/27 20060101ALI20230404BHJP
【FI】
G01N21/01
G01N21/27 Z
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022209338
(22)【出願日】2022-12-27
(62)【分割の表示】P 2021015893の分割
【原出願日】2017-04-05
(31)【優先権主張番号】62/318,428
(32)【優先日】2016-04-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.テフロン
(71)【出願人】
【識別番号】502151820
【氏名又は名称】ヴァイアヴィ・ソリューションズ・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Viavi Solutions Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100173794
【弁理士】
【氏名又は名称】色部 暁義
(72)【発明者】
【氏名】カーチス アール フルスカ
(72)【発明者】
【氏名】ペン ゾー
(72)【発明者】
【氏名】ベンジャミン エフ キャッチング
(72)【発明者】
【氏名】マーク ケー フォン グンテン
(72)【発明者】
【氏名】バルトン スミス
(57)【要約】 (修正有)
【課題】分光測定の精度を向上させる。
【解決手段】分光アセンブリは分光器110を備え得る。分光器は試料を照射する光を生成する照射源を備え得る。分光器は試料を照射する光の、試料によって反射された光に基づいて分光測定を行うセンサを備え得る。分光アセンブリは試料から反射された光を伝送する光パイプ120を備え得る。光パイプは分光器を収容する第1開口部を備え得る。光パイプは第2開口部を備え、試料が第2開口部に収容された際、試料が光パイプとベース面によって囲まれるように試料を収容する。光パイプは照射源及びセンサを試料と整列させる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
試料を照射する光を生成する照射源と、前記試料を照射する前記光からの、前記試料に
よって反射された光に基づいて分光測定を行うセンサとを含む分光器と、
前記試料で反射された前記光を伝送する光パイプであって、
前記分光器を収容する第1開口部と、
前記試料を収容する第2開口部と、
前記照射源及び前記センサを前記試料と整列させる光パイプとを備え、前記試料が前
記第2開口部で収容される際、前記試料が前記光パイプ及びベース面によって囲まれるよ
うにする光パイプと
を備える分光アセンブリ。
【請求項2】
請求項1に記載の分光アセンブリにおいて、前記光パイプは、前記第1開口部から前記
第2開口部へと軸方向に延在して前記分光器及び前記試料を収容し、前記分光器を前記試
料と整列させるキャビティを更に備える、分光アセンブリ。
【請求項3】
請求項1に記載の分光アセンブリにおいて、前記光パイプは、前記分光器が前記第1開
口部で収容され、前記試料が前記第2開口部で収容される際、前記分光器を前記試料から
特定の距離だけ離間させる、前記第1開口部と前記第2開口部の間に配置される取付け面
を更に備える、分光アセンブリ。
【請求項4】
請求項1に記載の分光アセンブリにおいて、前記光パイプは、前記第1開口部と前記第
2開口部との間に配置され、前記光が前記分光器と前記試料との間に向けられるようにす
る保護窓を更に備える、分光アセンブリ。
【請求項5】
請求項1に記載の分光アセンブリにおいて、前記試料はブリスターパックに封入され、
前記ベース面は前記ブリスターパックの特定の面である、分光アセンブリ。
【請求項6】
請求項1に記載の分光アセンブリにおいて、前記光パイプは、前記第1開口部と前記第
2開口部との間に配置され、前記光が前記分光器と前記試料との間に向けられるようにす
る反射内面を更に備え、前記反射内面は、反射的に被覆された中空部、反射的に被覆され
た中実部、又は全内部反射効果を生じさせる中実部のうちの少なくとも一つである、分光
アセンブリ。
【請求項7】
請求項1に記載の分光アセンブリにおいて、前記光パイプは、前記照射源からの光を前
記センサに反射させる光反射キャップ、又は、前記照射源からの光を拡散させる光拡散キ
ャップのうちの少なくとも一つを更に備える、分光アセンブリ。
【請求項8】
請求項1に記載の分光アセンブリにおいて、前記第2開口部は試料管を支持する表面を
更に備え、前記試料管は液体試料又は溶媒試料を収容する、分光アセンブリ。
【請求項9】
請求項1に記載の分光アセンブリにおいて、前記試料は液体試料又は溶媒試料であり、
前記第2開口部は、試料パイプの第1部分を収容する前記第2開口部の第1部分と、前
記試料パイプの第2部分を収容する前記第2開口部の第2部分と、前記光パイプによって
前記分光器と整列される前記試料パイプの第3部分とを更に備え、
前記試料パイプの前記第3部分は、前記試料パイプの前記第1部分と前記試料パイプの
前記第2部分との間に位置し、
前記試料パイプは、前記液体試料又は前記溶媒試料を前記試料パイプの前記第1部分か
ら前記試料パイプの前記第3部分へ、及び前記試料パイプの前記第3部分から前記試料パ
イプの前記第2部分へと導く、光学アセンブリ。
【請求項10】
請求項1に記載の分光アセンブリにおいて、前記第2開口部は第1窓及びスペーサを含
み、前記ベース面は第2窓及びミラーを含む分光アセンブリ。
【請求項11】
キャビティを有する本体部を備え、
前記キャビティは前記本体部の第1端部から前記本体部の第2端部へと軸方向に延在し
、
前記本体部の前記第2端部は、分光分析のために、光を試料に向けて反射させ、
前記本体部の前記第1端部は、分光器が前記試料と接触しないように前記試料から離間
されるように前記分光器を収容する、装置。
【請求項12】
請求項11に記載の装置において、前記本体部に取り付けられるディッププローブを更
に備え、
前記ディッププローブは、前記分光器から受光した光を反射又は拡散させる表面を支持
し、
前記ディッププローブは、前記表面を前記分光器と軸方向に整列させて配置させ、
前記ディッププローブは、前記表面を前記分光器から別の特定の距離だけ離間して配置
させ、前記別の特定の距離は前記特定の距離よりも大きい、装置。
【請求項13】
請求項11に記載の装置において、
前記キャビティに配置された反射面と、
前記反射面と整列され、前記光を前記試料に向ける窓と、
前記反射面を回転させる回転アセンブリとを更に備え、
前記試料は前記本体部の外部に配置される、装置。
【請求項14】
請求項11に記載の装置において、
前記キャビティに配置される反射面を更に備え、
前記反射面は、前記光を前記本体部の窓を通して前記試料に向けて複数の方向に拡散さ
せるように成形され、
前記試料は前記窓の外部に配置される、装置。
【請求項15】
請求項11に記載の装置において、前記試料は流体であり、
前記流体を収容する前記キャビティ内の第1開口部と、
前記流体を放出する前記キャビティ内の第2開口部とを更に備える、装置。
【請求項16】
請求項11に記載の装置において、
前記キャビティ内に軸方向に配置された光ファイバ構造体を更に備え、
前記光ファイバ構造体は前記分光器と前記試料との間に光を向ける、装置。
【請求項17】
分光アセンブリを備える装置であって、
前記分光アセンブリは、分光器と、光パイプと、支持構造体とを有し、
前記分光器は照射源と分光センサとを含み、
前記光パイプは旋削キャビティと、第1開口部と、第2開口部とを含み、
前記第1開口部は前記分光器を収容し、
前記第2開口部は、試料が前記旋削キャビティに入り前記分光器と接触するのを防ぐ保
護窓を有し、
前記旋削キャビティは光学反射し、
前記支持構造体は前記光パイプに取り付けられ、表面を前記照射源から特定の距離だけ
離間して支持し、
前記特定の距離によって前記試料が前記保護窓と前記表面との間に配置される、装置。
【請求項18】
請求項17に記載の装置において、
一組の較正測定を行う較正部と、
前記一組の較正測定及び前記分光器によって行われた一組の分光測定に基づいて、前記
試料の一組の成分を決定する処理部とを更に備える、装置。
【請求項19】
請求項17に記載の装置において、前記保護窓は前記第2開口部の密封を形成する、装
置。
【請求項20】
請求項17に記載の装置において、前記表面は反射面又は拡散面である、装置。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
原料識別は医薬品、食品などの品質管理に利用することができる。例えば、原料識別を
医薬化合物に対して行い、医薬化合物の含有成分がその医薬化合物と関連する梱包ラベル
と一致しているかどうかを判断することができる。分光分析によって製品の原料の非破壊
的識別を容易に行うことができる。例えば、分光分析をブリスターパックに封入された錠
剤又はピルに対して行い、その錠剤又はピルがブリスターパックの梱包ラベルと一致して
いるかどうかを判断することができる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0002】
いくつかの可能な実施形態によれば、分光アセンブリは分光器を備え得る。分光器は試
料を照射する光を生成する照射源を備え得る。分光器は試料を照射する光の、試料に反射
した光に基づいて分光測定を行うセンサを備え得る。分光アセンブリは試料から反射され
た光を伝送する光パイプを備え得る。光パイプは分光器を収容する第1開口部を備え得る
。光パイプは、試料が第2開口部に収容された際に、試料が光パイプとベース面とによっ
て囲まれるように試料を収容する第2開口部を備え得る。光パイプは照射源及びセンサの
試料との整列に関連し得る。
【0003】
いくつかの可能な実施形態によれば、装置は本体部を備え得る。本体部はキャビティを
備え得る。キャビティは本体部の第1開口部から本体部の第2開口部へと軸方向に延在し
得る。本体部の第2開口部は分光分析のために試料を収容することに関連し得る。本体部
の第1開口部は、分光器を試料から特定の距離だけ離間させて分光器が試料と接触しない
ように分光器を収容することに関連し得る。
【0004】
いくつかの可能な実施形態によれば、装置は分光アセンブリを備え得る。分光アセンブ
リは分光器を備え得る。分光器は照射源及び分光センサを備え得る。分光アセンブリは光
パイプを備え得る。光パイプは旋削キャビティ(turned cavity)を備え得る。光パイプ
は分光器を収容する第1開口部を備え得る。光パイプは第2開口部を備え得る。第2開口
部は試料が旋削キャビティに入って分光器と接触しないようにする保護窓を備え得る。旋
削キャビティは光反射し得る。分光アセンブリは支持構造体を備え得る。支持構造体は光
パイプに取り付けることができる。支持構造体は照射源から特定の距離だけ離れて表面を
支持することができる。特定の距離を設けることにより、試料を保護窓と表面の間に配置
させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0005】
【
図1】本明細書に記載する例示的な実施形態の概要図である。
【
図2】本明細書に記載するシステム及び/又は方法を実行することのできる例示的な環境を示す図である。
【
図3】
図2の一つ又は複数の装置の例示的なコンポーネントを示す図である。
【
図4】分光器を用いて原料の識別を行う例示的なプロセスのフローチャートである。
【
図5A】
図4に示す例示的なプロセスに関する例示的な実施形態を示す図である。
【
図5B】
図4に示す例示的なプロセスに関する例示的な実施形態を示す図である。
【
図6A】
図4に示す例示的なプロセスに関する別の例示的な実施形態を示す図である。
【
図6B】
図4に示す例示的なプロセスに関する別の例示的な実施形態を示す図である。
【
図6C】
図4に示す例示的なプロセスに関する別の例示的な実施形態を示す図である。
【
図7A】
図4に示す例示的なプロセスに関する更に別の例示的な実施形態を示す図である。
【
図7B】
図4に示す例示的なプロセスに関する更に別の例示的な実施形態を示す図である。
【
図8A】
図4に示す例示的なプロセスに関する更に別の例示的な実施形態を示す図である。
【
図8B】
図4に示す例示的なプロセスに関する更に別の例示的な実施形態を示す図である。
【
図8C】
図4に示す例示的なプロセスに関する更に別の例示的な実施形態を示す図である。
【
図9A】
図4に示す例示的なプロセスに関する更に別の例示的な実施形態を示す図である。
【
図9B】
図4に示す例示的なプロセスに関する更に別の例示的な実施形態を示す図である。
【
図10】
図4に示す例示的なプロセスに関する更に別の例示的な実施形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0006】
例示的な実施形態を添付の図面を参照して以下に詳述する。これらの図面において、同
じ参照符号は同じコンポーネントを示している。
【0007】
原料識別(RMID)は、識別、検証などのために、特定の試料の成分(例えば含有成
分)を識別するために用いられる手法である。例えば、RMIDは、医薬品の含有成分が
ラベルに表示された一組の含有成分と一致していることを確認するために利用することが
できる。分光器は試料(例えば、医薬品)の分光分析を行い、その成分を決定するために
使用することができる。分光器は試料の一組の分光測定を行い、その一組の分光測定を分
類のために出力することができる。
【0008】
しかしながら分光器が光を試料に向けると光は分散し、測定の信頼性が低下することが
ある。更に、測定を行うために分光器と試料とを理想的に離間して配置させるのは困難で
あろう。本明細書に記載する実施形態では分光器の分光センサと試料との間に光を向ける
ために、光パイプ(例えば、光導管又は光リレー)を用いることができる。このように分
光測定の精度を向上させることにより、光パイプを用いずに分光分析を行う場合に比べて
RMIDを向上させることができる。更に、試料と分光センサの正確な整列及び離間を確
保する光パイプに基づいて分光測定をより迅速に行うことができるため、光パイプを使用
しない分光器と比較して、試料の成分を検証する時間及び/又は費用を減少させることが
できる。
【0009】
図1は本明細書に記載する例示的な実施形態100の概要図である。
図1に示す様に、
例示的な実施形態100は、分光器110、光パイプ120及び試料130を備え得る。
図1は分光器110、光パイプ120及び試料130の断面図である。
【0010】
参照符号140で更に
図1に示すが、光パイプ120に分光器110を取り付けると、
分光器110は光パイプ120のキャビティ140と軸方向に整列され得る。光パイプ
120を旋削加工してキャビティ140を形成してもよい(例えば、ダイヤモンド旋削手
順を用いて本体部を旋削し、旋削キャビティを作製してもよい)。いくつかの実施形態に
おいて、キャビティ140の断面形状は、予想される試料130の形状、特定断面の製造
可能性などに応じて、円形、楕円形、長方形、八角形、正方形などとすることができる。
キャビティ140は第1直径142を有する第1部分及び第2直径144を有する第2部
分を備え得る。キャビティ140は第1開口部146から第2開口部148へと軸方向に
延在し得る。いくつかの実施形態において、キャビティ140は反射内面(例えば、アル
マイト表面又はマイラーアルミ箔面(aluminized Mylar foil surface))を有し得る。
キャビティ140の第2部分は軸方向に長さ150で延在し、この長さは分光器110の
分光センサと試料130との間の予想される理想的な距離(又は特定の距離範囲)に基づ
いて選択することができる。いくつかの実施形態において、光パイプ120は、金系材料
、銀系材料、その他の金属系材料、誘電性材料などの反射材料で被覆された中空光パイプ
としてもよい。いくつかの実施形態において、光パイプ120は反射材料で被覆された中
実光パイプとしてもよい。例えば、キャビティ140の一部を、特定のスペクトル領域(
例えば硫化亜鉛(ZnS)は赤外線波長、石英ガラスは紫外線波長)で光学的に透過させ
るガラス、プラスチックなどの中実の光透過性材料としてもよく、中実の透過性材料を介
して光を導いてもよい。いくつかの実施形態において、光パイプ120は反射材料で被覆
されていない中実の光パイプ(例えば、全内部反射効果(又は全内部反射効果と関連する
閾内部反射)を分光器110と試料の間に向ける光パイプ)であってもよい。
【0011】
参照符号155で更に
図1に示すが、分光器110を光パイプ120に取り付ける場合
、分光器110の端部は開口部146を通してキャビティ140に挿入することができる
。例えば、分光測定のために光を透過させる分光器110の端部は、キャビティ140の
第1部分に挿入させることができる。別の例において、光パイプ120は(例えば分光器
110の外部の)外部光源を収容し、外部光源によって光を試料130に向け、その光を
分光器110に戻すようにすることができる。第1部分の幅(すなわち直径142)は第
2部分の幅(すなわち直径144)よりも大きくすることができる。このように、分光器
110が開口部146を通してキャビティ140に挿入されると、分光器110を表面1
52(例えば取り付け面)に隣接させ、試料130から長さ150(例えば長さ10ミリ
、120ミリなど)のところに配置させることができる。いくつかの実施形態において、
キャビティ140は保護窓(例えば、分光器110が試料130と接触するのを防ぐ半透
明のサファイヤガラス窓)を備え得る。例えば、キャビティ140は、キャビティ140
の第2部の位置、開口部148などにおいて表面152に取り付けられた保護窓(例えば
、単一の反射防止膜、二重の反射防止膜などの反射防止膜を備える、透明及び/又は半透
明の窓)を備え得る。このように、光パイプ120は、(例えば、単一の光パイプ120
及びキャビティ140を用いた、試料130に向かう透過方向及び分光器110に向かう
受光方向の両方向において)分光器110と試料130の間に光を伝送するだけでなく、
分光器110の端部を開口部148に侵入する微粒子から保護し、保護窓によって保護さ
れていない分光器110と比較すると、維持費を減らすことができる。別の例において、
保護窓は、(例えば、偏光子のない窓を使用する場合と比べて、分光器110に向かう鏡
面反射を減少させる)円形の偏光子部を備え得る。
【0012】
参照符号160で更に
図1に示すが、分光器110及び光パイプ120(「アセンブリ
165」と称する)を用いる際、試料130(例えば、ブリスターパック内のピル)は開
口部148を通してキャビティ140の第2部分に挿入することができる。例えば、試料
130の置かれた表面162を光パイプ120の表面164と隣接させて配置し、試料1
30の置かれた試料容器166(例えば、ピルを包む透明プラスチックなどのブリスター
パックの一部)をキャビティ140の第2部分によって囲む。参照符号170で示す様に
、光は、光パイプ120によって分光器110の端部と試料容器166との間に(例えば
、試料130の方に)向けることができる。例えば、分光器110は試料130の分光測
定を行うことができる、また、測定に基づいてRMIDを行うことができる。
【0013】
上述の様に、
図1は単なる例として示す。その他の例も可能であり、
図1に関して記載
したものと異なるものであってもよい。例えば、実施形態ではピル状の試料に関して記載
したが、本開示はピル状の試料に制限されず、粒状、食品、液体、溶剤などの他のタイプ
の試料を使用することもできる。
【0014】
このように、光パイプ120は光が分光器110と試料130の間に確実に向けられる
ようにする。試料130を囲む光パイプ120によれば、曝される試料130と比較して
、光パイプ120は分光器110からの光の損失量及び/又は周囲の光源から得られる光
の量を低減させることにより、分光測定の精度を向上させ、分光測定を行うために生成さ
れる光の量を減らし、試料130の照射が比較的均一に行われるようにし、分光測定を行
うために必要とされる時間を低減させる。
【0015】
更に、分光器110と試料130との間の理想的な離間に基づいて選択された長さ15
0により、離間を手作業で判断する場合と比べて、光パイプ120は分光分析のための分
光器110と試料130の整列の困難性を低減させる。例えば、分光器110のユーザに
は一組の種々の長さ150に関連する一組の光パイプ120を提供し、一組の種々の試料
130に対応して、測定する試料130に基づいて、関連する長さ150を持つ特定の光
パイプ120を選択するようにしてもよい。
【0016】
図2は本明細書に記載するシステム及び/又は方法を実行することのできる、例示的な
環境200を示す図である。
図2に示す様に、環境200は、分光器212及び光パイプ
214を有する分光アセンブリ210と、サーバ装置220と、ネットワーク230とを
備え得る。環境200の装置は有線、無線又はこれらの組み合わせによって接続させるこ
とができる。
【0017】
分光アセンブリ210は試料の分光測定を行うことのできる一つ又は複数の装置を備え
る。例えば、分光アセンブリ210は分光分析(例えば、近赤外(NIR)分光器などの
振動分光分析、中赤外分光分析(mid‐IR)、ラーマン分光分析、X線分光分析、紫
外(UV)分光分析、深紫外分光分析、可視光分光分析など)を行う分光器212(例え
ば分光器装置)を備え得る。いくつかの実施形態において、分光アセンブリ210は、装
着型分光器などの装着型装置に組み込むことができる。いくつかの実施形態において、分
光アセンブリ210は、光を発生させる照射源、光を受光して分光測定(例えば、一組の
光の波長測定)を行うセンサなどの一組のコンポーネントを含む分光モジュール(例えば
分光器212)を備え得る。いくつかの実施形態において、分光アセンブリ210は、使
い捨てディッププローブ(dip probe)、使い捨てキャップなどの、使用毎に取り替える
ことのできる一組の使い捨て部分を備え得る。いくつかの実施形態において、分光アセン
ブリ210は、再利用可能なディッププローブ、再利用可能なキャップなどの、一組の再
利用可能な部分を備え得る。
【0018】
いくつかの実施形態において、分光アセンブリ210は、分光器212によって行われ
る分光測定に基づいてRMIDを行う処理部を備え得る。いくつかの実施形態において、
分光アセンブリ210は、分光器212及び/又はRMIDの較正を行う較正部を備え得
る。いくつかの実施形態において、分光アセンブリ210は装置(例えば光パイプ214
)を備え得る。いくつかの実施形態において、分光アセンブリ210は
図1に示すアセン
ブリ165に対応する。いくつかの実施形態において、分光器212は
図1に示す分光器
110に対応する。いくつかの実施形態において、光パイプ214は
図1に示す光パイプ
120に対応する。いくつかの実施形態において、分光アセンブリ210は、環境200
内の別の装置、例えばサーバ装置220などと情報を送受信することができる。
【0019】
サーバ装置220は試料の分光測定に関する情報を保存、処理及び/又はルーティング
することのできる一つ又は複数の装置を含む。例えば、サーバ装置220は試料の分光測
定を受信し、RMIDを行ってその試料の組成物(例えば一組の含有成分)を識別するサ
ーバを備え得る。いくつかの実施形態において、サーバ装置220は、環境200内にお
いてサーバ装置220が他の装置と送受信を行えるようにする通信インターフェースを備
え得る。
【0020】
ネットワーク230は一つ又は複数の有線及び/又は無線ネットワークを備える。例え
ばネットワーク230には、セルラーネットワーク(例えば、ロングタームエボリューシ
ョン(LTE)ネットワーク、3Gネットワーク又は符号分割多元接続(CDMA)ネッ
トワークなど)、地上波公共移動通信ネットワーク(PLMN)、ローカルエリアネット
ワーク(LAN)、広域ネットワーク(WAN)、メトロポリタンエリアネットワーク(
MAN)、電話回線網(例えば、公衆交換電話網(PSTN))、プライベート網、アド
ホックネットワーク、イントラネット、インターネット、光ファイバネットワーク、クラ
ウドコンピューティングネットワークなど、及び/又はこれらの若しくは他のタイプのネ
ットワークの組み合わせがある。
【0021】
図2に示す装置及び/又はネットワークの数及び配置は例として提供するものである。
実際には、装置及び/又はネットワークの数を増減させたり、異なる装置及び/又はネッ
トワークとしたり、異なる配置とすることができる。更に、
図2に示す2つ以上の装置を
単一の装置に実装してもよいし、
図2に示す単一の装置を複数の分散された装置として実
装してもよい。これに加えて、又はこれに代え、環境200における一組の装置(例えば
、一つ又は複数の装置)は、環境200の別の一組の装置によって行われると記載された
一つ又は複数の機能を行ってもよい。
【0022】
図3は装置300の例示的なコンポーネントを示している。装置300は分光アセンブ
リ210(例えば分光器212)及び/又はサーバ装置220に対応し得る。いくつかの
実施形態において、分光アセンブリ210(例えば分光器212)及び/又はサーバ装置
220は、一つ又は複数の装置300及び/又装置300の一つ又は複数のコンポーネン
トを含み得る。
図3に示す様に、装置300はバス310、プロセッサ320、メモリ3
30、格納部340、入力部350、出力部360及び通信インターフェース370を備
え得る。
【0023】
バス310は装置300のコンポーネント間の通信を可能にするコンポーネントを備え
る。プロセッサ320はハードウェア、ファームウェア又はこれらの組み合わせで実装さ
れる。
【0024】
プロセッサ320は中央処理装置(CPU)、グラフィック処理装置(GPU)、加速
処理装置(APU)、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、デジタル信号プロセ
ッサ、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、特定用途向け集積回路(A
SIC)又はその他のタイプの処理コンポーネントである。いくつかの実施形態において
、プロセッサ320は機能を実行するようにプログラムすることのできる一つ又は複数の
プロセッサを備える。メモリ330には、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオ
ンリメモリ(ROM)、並びに/又はプロセッサ320で使用される情報及び/若しくは
命令を格納するその他のタイプの動的若しくは静的格納装置(例えば、フラッシュメモリ
、磁気メモリ及び/又は光メモリ)がある。
【0025】
格納部340は装置300の動作及び使用に関する情報及び/又はソフトウェアを格納
する。例えば、格納部340には、ハードディスク(例えば磁気ディスク、光ディスク、
磁気光学ディスク及び/又はソリッドステートディスク)、コンパクトディスク(CD)
、デジタル多用途ディスク(DVD)、フロッピーディスク、カートリッジ、磁気テープ
及び/又はドライブに対応するその他のタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体がある
。
【0026】
入力部350はユーザ入力(例えば、タッチスクリーン表示、キーボード、キーパッド
、マウス、ボタン、スイッチ及び/又はマイクロホン)などによって装置300が情報を
受信できるようにするコンポーネントを備える。これに加えて、又はこれに代えて、入力
部350は情報を感知するセンサ(例えば、グローバルポジショニングシステム(GPS
)、加速度計、ジャイロスコープ及び/又はアクチュエータ)を備え得る。出力部360
は装置300(例えば、表示部、スピーカー及び/又は一つ又は複数の発光ダイオード(
LED)からの出力情報を提供するコンポーネントを備える。
【0027】
通信インターフェース370は装置300が有線、無線又はこれらの組み合わせを介し
て他の装置と通信できるようにするトランシーバのようなコンポーネント(例えば、トラ
ンシーバ及び/又は別々の受信器及び送信器)を備える。通信インターフェース370は
装置300が別の装置と情報を送受信できるようにすることができる。例えば、通信イン
ターフェース370にはイーサネットインターフェース、光インターフェース、同軸イン
ターフェース、赤外線インターフェース、無線周波数(RF)インターフェース、ユニバ
ーサルシリアルバス(USB)インターフェース、Wi-Fiインターフェース、セルラ
ーネットワークインターフェースなどがある。
【0028】
装置300は本明細書に記載する一つ又は複数のプロセスを実行することができる。装
置300はメモリ330及び/又は格納部340などの非一時的コンピュータ可読媒体に
格納されたソフトウェア命令を実行するプロセッサ320に応答して、これらのプロセス
を実行することができる。本明細書においてコンピュータ可読媒体は非一時的なメモリ装
置と定義される。メモリ装置は、一つの物理的な格納装置内のメモリ領域又は複数の物理
的格納装置にわたるメモリ領域を含む。
【0029】
ソフトウェア命令は、他のコンピュータ可読媒体又は他の装置から通信インターフェー
ス370を介してメモリ330及び/又は格納部340に読み込むことができる。メモリ
330及び/又は格納部340に格納されたソフトウェア命令が実行されると、プロセッ
サ320は本明細書に記載された一つ又は複数のプロセスを実行する。これに加えて、又
はこれに代えて、ハードワイヤード回路をソフトウェア命令の代わりに、又はソフトウェ
ア命令と組み合わせて使用し、本明細書に記載する一つ又は複数のプロセスを実行しても
よい。従って、本明細書に記載する実施形態は、ハードウェア回路とソフトウェアとの任
意の特定の組み合わせに限定されない。
【0030】
図3に示すコンポーネントの数及び配置は、例として提供するものである。実際、装置
300は
図3に示すものよりも多い、又は少ないコンポーネントや、
図3に示すものと異
なるコンポーネント、又は異なるように配置されたコンポーネントを備え得る。これに加
えて、又はこれに代えて、装置300の一組のコンポーネント(例えば、一つ又は複数の
コンポーネント)は、装置300の別の一組のコンポーネントによって行われると記載さ
れた、一つ又は複数の機能を実行してもよい。
【0031】
図4は分光器を用いて原料識別を行う例示的なプロセス400のフローチャートである
。いくつかの実施形態において、
図4の一つ又は複数のプロセスブロックを分光アセンブ
リ210(例えば分光器212)に対して行ってもよい。いくつかの実施形態において、
図4の一つ又は複数のプロセスブロックを、サーバ装置220などの、分光アセンブリ2
10から分離された装置、または分光アセンブリを備える別の装置または装置のグループ
に対して行ってもよい。
図4のプロセスブロックを、
図5A,
図5B,
図6A、
図6B,
図6C,
図7A及び
図7Bを参照して説明する。
【0032】
図5A及び
図5Bは
図4に示す例示的なプロセス400に関する例示的な実施形態50
0を示す。
図5A及び
図5Bは原料識別を行う分光アセンブリ210の例である。
【0033】
図6A~
図6Cは
図4に示す例示的なプロセス400に関する例示的な実施形態400
を示す。
図6A~
図6Cは原料識別を行う別の分光アセンブリ210の例である。
【0034】
図7A及び
図7Bは
図4に示す例示的なプロセス400に関する例示的な実施形態70
0を示す。
図7A及び
図7Bは原料識別を行う更に別の分光アセンブリ210の例である
。
【0035】
図4に示す様に、プロセス400は光パイプを使って試料を分光器と整列させるステッ
プ(ブロック410)を含み得る。例えば、分光器212は光パイプ214を使って試料
と整列させることができる。いくつかの実施形態において、光パイプ214を使って分光
器212を試料から閾値距離(例えば、分光測定が可能になる距離)だけ離間させること
ができる。例えば、光パイプ214はキャビティの第1部分で分光器212の一部を囲み
、キャビティの第2部分で試料を囲んでもよい。この場合、分光器212の端部は試料(
例えばブリスターパック内のピル)の端部から、約2mm~約10mm、約3mm~約5
mmなどの特定の距離だけ離間されてもよい。いくつかの実施形態において、特定の距離
とは中空キャビティ、中実キャビティ(例えば、光透過性材料)などであり得る。いくつ
かの実施形態において、光パイプ214は分光器212と試料との距離の調整を可能にす
るスペーサを備え得る。例えば、
図5Aに示す様に、光パイプ214のスペーサ構造体5
05(例えば、リングスペーサ又は半透明ディスクスペーサ)は、スペーサ構造体505
を用いずに分光器212を光パイプ214に取り付ける場合に対して、分光器212と試
料の間の距離を増大させる場合に使用することができる。別の例において、光パイプ21
4は、伸縮部、延長管部(例えば、本体部を取り付けることによって光パイプ214が伸
び、取り除くことによって縮まる取り外し可能な部分)などの可変長さ部を備え得る。い
くつかの実施形態において、光パイプ214は、分光器212の光パイプ214に対する
位置、又は試料515の光パイプ214に対する位置を変えるためにスペーサを使用する
ことができる。
【0036】
いくつかの実施形態において、光パイプ214は、光パイプ214のキャビティに挿入
される試料に基づいて、試料を分光器212と整列させることができる。例えば、光パイ
プ214の表面が試料を包むブリスターパックのベース面と隣接して設置される場合(例
えば、ブリスターパックはベース面から光パイプ214へと延在する半透明のプラスチッ
ク窓に試料を包む場合)、ブリスターパックの試料封入部(及び試料)は光パイプ214
に延在し得る。いくつかの実施形態において、光パイプ214は別のタイプの試料を分光
器212と整列させることができる。例えば、光パイプ214はブリスターパックに封入
されていないアイテム、例えば、ピル、粒、種などを整列させることができる。この場合
、光パイプ214はアイテムが置かれた表面と隣接して配置させることができる。
【0037】
これに加えて、又はこれに代えて、光パイプ214は別のタイプの試料を分光器212
と整列させることができる。例えば、
図5A及び
図5Bに示す様に、試料(例えば、液体
試料又は溶媒試料)を含有する試料管515(例えばバイアル、試験管又はキュベット)
を光パイプ214の開口部に、(例えば試料管の回りに実質的な密封を提供するキャップ
520を介して)挿入し、試料を分光器212と整列させることができる。このように、
光パイプ214により、液体試料又は溶媒試料の分光分析を試料管で行うことができるよ
うになる。実質的な密封とは、光の閾値の部分(threshold percentage)が開口部を通る
のを防ぐ密封である。
【0038】
同様に、
図6A及び
図6Bに示す様に、試料パイプ605(例えば、ホウケイ酸ガラス
管、石英シリカガラス管、プラスチック管などのような、分光測定に対応するスペクトル
領域において透明なガラス管又はプラスチック管)は、試料(例えば、液体試料又は溶媒
試料)を光パイプ214(例えば、中空キャビティ、中実キャビティ(例えば試料パイプ
605を含む))などのキャビティを通して導く。この場合、
図6Bに示す様に、光パイ
プ214は試料パイプ605を導く開口部620‐1~620‐2を備える。開口部62
0‐1及び620‐2は一つ又は複数の密封部を備え、試料パイプ605の周りに実質的
な密封を確保し、液体又は溶媒試料が分光器212と整列するようにする。このように、
光パイプ214により、試料管を通して導かれる液体試料又は溶媒試料の分光分析が可能
になる。いくつかの実施形態において、光パイプ214は、楕円形や長方形などの、非円
形の断面を有する試料パイプ605を用いてもよい。いくつかの実施形態において、光パ
イプ214は、透明な(例えば分光器212に比較的近い)下部及び(例えば分光器21
2から比較的離れた)艶のない(frosted)上部を有する試料パイプ605などの、部分
的に不透明な部分を有する試料パイプ605を用いてもよい。
【0039】
別の例において、
図6Cに示す様に、試料パイプ605は開口部630‐1を介して光
パイプ214のキャップ626に試料を導いてもよい。キャップ626はフローセルボイ
ド635を備えてもよく、これを通して液体試料又は溶媒試料は開口部630‐2に導か
れ、この開口部を介してフローセルボイド635を出て試料パイプ605に入る。キャッ
プ626は窓640を備える。窓はフローセルボイド635の密封を提供し、光を分光器
212から液体試料又は溶媒試料へと(例えば光パイプ214を介して)向けることがで
きる。キャップ626は液体試料又は溶媒試料に向けられる光を分光器212の方に(例
えば光パイプ214を介して)反射させる反射面を備え得る。このように、分光アセンブ
リ210は、それを通して液体試料又は溶媒試料が導かれる一つ又は複数のキャップ62
6に取り付けられることにより、液体試料又は溶媒試料の試験を迅速化することができる
。更に、フローセルボイド635を液体試料又は溶媒試料が導かれるキャビティとして使
用することにより、試料管605の円形の断面と比べて、液体試料又は溶媒試料のより大
きな断面積を光に曝し、その結果より正確な分光測定が可能となる。
【0040】
これに加えて、又はこれに代えて、光パイプ214は、試料の容器に挿入されている光
パイプ214の一部に基づき、試料を分光器212と整列させることができる。例えば、
図7A及び
図7Bに示す様に、光パイプ214はディッププローブ710(例えばデルリ
ン(登録商標)ベースの構造体)を備え得る。ディッププローブ710を試料容器711
に挿入し、分光器212が試料712に曝されることなく、特定量の試料712(例えば
液体試料又は溶媒試料)を分光器212と整列した試料スペース713に設置することが
できる。この場合、光パイプ214は分光器212が試料712に接触しないように、又
は曝されないように保護するための窓714を備え得る。
【0041】
いくつかの実施形態において、光パイプ214は、光パイプ214が試料を分光器21
2と整列させた際、試料が囲まれるようにすることができる。例えば、試料を試料が置か
れる表面(例えば、ブリスターパックのベース面)、光パイプ214のキャビティの内面
及び試料と分光器212の間に位置する光パイプ214の窓によって囲むことができる。
この場合、窓により、分光器212のセンサは粒子状物質などに曝されることから確実に
保護され、これによって分光器212に関連する維持要件を減らすことができる。別の例
では、窓は中実のキャビティ部(例えば、光を透過させる中実キャビティ部)を含み得る
。これに加えて、又はこれに代えて、(例えば、光パイプ214が窓を備えていない場合
)試料は、この試料が置かれる表面、光パイプ214のキャビティの内面及び分光器21
2によって囲むことができる。
【0042】
いくつかの実施形態において、光パイプ214は、試料を分光器212と整列させる特
定の形状にすることができる。例えば、分光器212を軸方向に整列することのできない
位置に試料がある場合、キャビティの角部、キャビティの光ファイバ部(例えばキャビテ
ィ内部の光ファイバ構造、中実キャビティを形成する光ファイバ構造など)などを含む特
定の光パイプを選択してもよい。このように、光パイプ214は分光器212と試料とを
反射的に整列させることができる。いくつかの実施形態において、光パイプ214は、キ
ュベットなどの試料管を収容し、試料を分光器と整列するような特別の形状にしてもよい
。例えば、
図5Aに示す様に、光パイプ214は、試料管515を収容する開口部525
を含むキャップ520(例えば、任意選択で、反射キャップ、拡散キャップ又は光吸収キ
ャップ)を備え得る。この場合、
図5Bに示す様に、試料管515をキャップ520に挿
入することにより、試料は光パイプ214のキャビティ530に、分光器212の方を向
いて延在することができる。
【0043】
いくつかの実施形態において、光パイプ214は分光器212を光ディフューザ又は光
リフレクタの表面と整列させることができる。例えば、
図5A及び
図5Bに示すように、
キャップ535(例えば、拡散リフレクタ、鏡面リフレクタなどのテフロンコア光リフレ
クタキャップなど)を試料管515に挿入し、光を分光器212に向けて反射させてもよ
い。この場合、
図5Bに示す様に、特定の大きさのキャップを選択し、理想的な量の試料
が試料管515に含まれるようにし、試料の閾値厚さ540を維持してもよい。同様に、
図6A及び
図6Bに示す様に、キャップ625(例えば、拡散リフレクタ、鏡面リフレク
タなどのテフロン光拡散キャップ又は光反射キャップ)は、そこを通って試料パイプ60
5内の試料が光パイプ214内に導かれる部分を囲む様に配置してもよい。これに加えて
、又はこれに代えて、光パイプ214を反射面又は拡散面を支持する構造体に取り付けて
もよい。例えば、
図7A及び
図7Bに示す様に、表面720(例えば、テフロン球面、テ
フロン円柱、テフロン角柱などの光拡散面又は光反射面)をディッププローブ710によ
って分光器212及び光パイプ214と整列させて支持し、試料712に向けられる光が
分光器212から拡散される、又はこれに向けられるようにしてもよい。この場合、ディ
ッププローブ710は圧力ばめなどによって表面720を支持することができる。
【0044】
いくつかの実施形態において、光パイプ214は表面の位置を光ディフューザ又はリフ
レクタと調節するスペーサを備え得る。例えば、
図7A及び
図7Bに示す様に、スペーサ
リング725を光パイプ214及び/又はディッププローブ710に含ませ、又はこれに
取り付け、ディッププローブ710により、表面720が光パイプ214(及び分光器2
12)から、スペーサリング725が光パイプ214及び/又はディッププローブ710
に含まれていない、又はこれに取り付けられない場合よりも更に延びるようにしてもよい
。同様に、キャップ(例えば、光リフレクタ又は光ディフューザ)をスペーサと関連させ
、キャップと試料又は分光器212との距離を変化させることができる。
【0045】
図4に更に示す様に、プロセス400は、光パイプを用いた試料の分光器との整列に基
づいて、試料の一組の分光測定を行うステップを含み得る(ブロック420)。例えば、
分光器212は光パイプ214を用いた試料の分光器212との整列に基づき、試料の一
組の分光測定を行うことができる。いくつかの実施形態において、分光器212は光パイ
プ214を介して光を試料に向けることができる。例えば、分光器212は一組の分光測
定を行うための光を生成し、この光を試料の分光器212との整列に基づいて試料に向け
ることができる。
【0046】
これに加えて、又はこれに代えて、分光器212は光パイプ214の反射面に基づき、
光を試料に向けることができる。例えば、光パイプ214のキャビティは反射面(例えば
アルマイト加工されたアルミ面)を含み、光を試料に向けることができる。これに加えて
、又はこれに代えて、光パイプ214は、光を試料に向けて反射させることのできる、光
パイプ214のキャビティに挿入されたマイラーアルミ箔面のシリンダを備え得る。これ
に加えて、又はこれに代えて、光パイプ214は、分光器212と試料の間に光を向ける
ことに関連する、角部、光ファイバ部を含み得る。このように、光パイプ214は光パイ
プ214を使用しない場合の光の発散と比べて、試料に向けられる光の量を増加させ、そ
れによって分光測定の精度を高めることができる。更に、光パイプ214は曝される試料
と比べ、試料を照射する周囲光の量を低減させ、これによって分光測定の精度を高めるこ
とができる。更に、光パイプ214は光パイプ214を使用しない拡散光及び/又は周囲
光と比べ、試料の比較的均一な照射を確実に行うことができる。
【0047】
いくつかの実施形態において、分光器212は試料から反射された光を受光し得る。例
えば、光パイプ214を通して光を試料に向ける分光器212において、反射光は光パイ
プ214を通して分光器212に向けることができる。試料を囲む光パイプ214とブリ
スターパックの表面に基づき、光パイプ214は、光パイプ214を使用しないで曝され
る試料と比べ、反射光の分散を低減させる。同様に、光パイプ214は、光パイプ214
を使用しないで曝される試料と比べ、分光器212に向けられる周囲光の量を低減させる
。
【0048】
いくつかの実施形態において、分光器212は分光器212によって受光された光に対
して一つ又は複数の分光測定を行うことができる。例えば、分光器212は、試料と分光
器212の間に光パイプ214によって向けられる光を生成すると、光の一つ又は複数の
測定を行うことができる。このように、分光器212は光パイプ214を使って試料の分
光測定を行う。
【0049】
図4に更に示す様に、プロセス400は一組の分光測定に基づいて試料の一組の成分を
決定するステップを含み得る(ブロック430)。例えば、分光器212は一組の分光測
定に基づいて試料の一組の成分を決定することができる。いくつかの実施形態において、
分光器212は一組の分光測定を識別する情報をサーバ装置220に提供して、サーバ装
置220が一組の成分を決定するようにすることができる。いくつかの実施形態において
、分光器212は特定の分類手法を用いて一組の成分を決定することができる。例えば、
分光器212はサポートベクトルマシン(SVM)分類手段を使って試料の一つ又は複数
の成分を識別することができる。
【0050】
いくつかの実施形態において、分光器212は一組の分光測定及び一組の較正測定に基
づいて、一組の成分を決定することができる。例えば、分光器212は、例えば、試料を
光パイプ214で囲まない、光拡散キャップ又は光反射キャップのみを光パイプ214と
整列させる、キャップを光パイプ214と整列させない、などして較正測定を行い、一組
の較正測定を取得することによって、分光器212の較正を行うことができる。この場合
、分光器212は比較手法を用いて一組の分光測定と一組の較正測定とを比較して、試料
の一つ又は複数の成分を決定することができる。
【0051】
いくつかの実施形態において、分光器212は試料の一組の成分を識別する情報を提供
することができる。例えば、分光器212は分光器212のユーザインターフェースを介
して、試料の一組の成分を識別する情報を提供することができる。これに加えて、又はこ
れに代えて、分光器212は格納などのために、表示のための一組の成分を識別する情報
を別の装置を介して提供することができる。いくつかの実施形態において、分光器212
は一組の成分に基づいて警告又は通知を提供することができる。例えば、一組の成分が予
想される一組の成分と一致しない場合、分光器212は警告を提供することができる(例
えば、検査員への表示、又は試料を搬送するパイプの無効化)。
【0052】
図4はプロセス400の例示的ブロックを示しているが、いくつかの実施形態において
、プロセス400のブロック数はこれより多くてもよく、少なくてもよく、異なるブロッ
クであってもよく、又は
図4に記載したものと異なる順序であってもよい。これに加えて
、又はこれに代えて、プロセス400の2つ以上のブロックを平行して実行してもよい。
【0053】
上述の様に、
図5A及び
図5Bは単なる例として提供するものである。その他の例も可
能であり、
図5A及び
図5Bに関して記載したものと異なるものであってもよい。
【0054】
上述の様に、
図6A~
図6Cは単なる例として提供するものである。その他の例も可能
であり、
図6A~
図6Cに関して記載したものと異なるものであってもよい。
【0055】
上述の様に、
図7A及び
図7Bは単なる例として提供するものである。その他の例も可
能であり、
図7A及び
図7Bに関して記載したものと異なるものであってもよい。
【0056】
図8A~
図8Cは
図4に示す例示的なプロセス400に関する例示的な実施形態800
を示す図である。
図8A~
図8Cは原料識別を実行する分光アセンブリの別の例を示して
いる。
【0057】
図8Aに示す様に、光パイプ814は分光器212に取り付けられている。いくつかの
実施形態において、光パイプ814は光パイプ214に対応する。光パイプ814はキャ
ップ816、回転子アセンブリ818、スイッチ820、窓822、ミラー824及びキ
ャビティ826を備えている。いくつかの実施形態において、キャップ816は尖ってお
り、光パイプ814が地面の土壌試料などの試料に挿入できるようになっている。これに
加えて、又はこれに代えて、キャップ816は試料への挿入を可能にする、ネジ状又は他
の形状のキャップとすることができる。いくつかの実施形態において、回転子アセンブリ
818はモータ、電池などを含み得る。いくつかの実施形態において、スイッチ820は
回転子アセンブリ818のモータを動作するためのスイッチを含み得る。例えば、動作ス
イッチ820に基づき、回転速度を変えることができる。これに加えて、又はこれに代え
て、動作スイッチ820に基づき、ミラー824に関連する反射角度を変えることができ
る。いくつかの実施形態において、(例えば分光器212の)コントローラはスイッチ8
20を自動的に操作して、回転子アセンブリ818のモータを制御することができる。こ
のように、ミラー824を回転して360度の分光試料を分光器212によって取得する
ことができる。
【0058】
いくつかの実施形態において、窓822はミラー824を囲み、キャビティ826と軸
方向に整列された透明な窓を含み得る。いくつかの実施形態において、ミラー824は金
属ベースの鏡面、ガラスベースの鏡面などの鏡面とすることができる。いくつかの実施形
態において、窓822はガラス窓、プラスチック窓などとすることができ、試料をミラー
824に接触させずに、光パイプ814の外側にある試料に向けることができる。いくつ
かの実施形態において、キャビティ826は、光パイプ814が選択された深さだけ試料
に挿入されるような特定の軸長とすることができる。参照符号828で示す様に、光は光
パイプ814によって分光器212からキャビティ826(例えば反射壁のキャビティ)
を通して導くことができる。光はミラー824に反射され、窓822を通って試料830
に向けられる。この場合、光は試料830に反射され、窓822を通ってミラー824、
キャビティ826及び分光器212に導かれ、分光器212は分光測定を行うことができ
る。動作中、回転子アセンブリ818はミラー824を回転させ、光パイプ814の挿入
された試料の異なる部分に光が向かい、そこから反射されるようにする。
【0059】
このように、光パイプ814はミラー824及び回転子アセンブリ818を使用して試
料の回転走査を可能とし、これによって試料の複数の部分を測定することができる。例え
ば、分光器212は光パイプ814を使って試料のスペクトル変動に関するデータを取得
し、この試料のRMIDを実行するための試料の平均スペクトルを決定することができる
。
【0060】
図8Bに示す様に、同様の光パイプ814’を使用して、回転子アセンブリ818を用
いずに試料の回転走査を行うことができる。光パイプ814’は、キャップ816’、窓
822’、キャビティ826’‐1、キャビティ826’‐2及びキャビティ屈曲部83
2を含み得る。いくつかの実施形態において、キャビティ826’‐1は分光器212を
収容するための円筒形のキャビティを備え得る。いくつかの実施形態において、キャビテ
ィ826’‐1は分光器212の出力の断面形状に対応する種々の断面形状を有すること
ができる。いくつかの実施形態において、キャビティ826’‐2は光をキャビティ屈曲
部832に向ける長方形の断面部を有することができる。いくつかの実施形態において、
キャビティ屈曲部832は光を分光器212から窓822’に向け直すことができる。例
えば、キャビティ屈曲部832によって光をキャビティ826’‐2に垂直に、そして窓
822’に整列された試料に向けてもよい。この場合、光パイプ814’を手作業で回転
させて窓822’の向きを変えると、回転子アセンブリ818なしで回転走査を行うこと
ができる。これに加えて、又はこれに代えて、分光器212の回転子アセンブリなどの外
部装置を使って光パイプ814’を回転させることができる。
【0061】
図8Cに示す様に、同様の光パイプ814”を使用して、光パイプ814”又はその一
部を回転させずに試料の回転走査を行うことができる。光パイプ814”はキャップ81
6”、窓822”、ミラー824”、キャビティ826”及びキャビティ筐体834を含
み得る。キャビティ826”はキャビティ筐体834内に置くことができる。この場合、
光は分光器212からミラー824”へと、キャビティ826”を介して向けられる。い
くつかの実施形態において、ミラー824”は、例えば窓822”を通して360°の向
きに光を拡散できるように、凸状の円錐形とすることができる。換言すれば、光を光パイ
プ814”によって囲まれた試料に向け、各方向の走査を同時に行うことができる。光は
、窓822”と整列された試料によってミラー824”に向けて反射され、このミラーは
光を、キャビティ826”を通して分光器212へと向けることができる。このように、
分光器212は、光パイプ814”または光パイプ814”の一部を回転させずに、(例
えば窓822”に整列された)光パイプ814”によって囲まれた試料の平均スペクトル
を取得することができる。
【0062】
このように、異種材料の分光試料を光パイプ814、814’又は814”を用いて取
得することができるため、分光器を試料領域内の異なる場所に移動させる場合と比較して
、分光試料を取得するための時間を削減させることができる。分光試料を取得する時間の
削減に基づき、使用電力を削減することができる。更に、分光試料を移動させる必要性を
回避させることに基づき、分光器を試料内の異なる場所に移動させる場合と比較して、分
光測定の精度及び再現性を向上させることができる。
【0063】
上述の様に、
図8A~
図8Cは単なる例として提供するものである。その他の例も可能
であり、
図8A~
図8Cに関して説明したものと異なるものであってもよい。
【0064】
図9A及び
図9Bは
図4に示す例示的なプロセス400に関する例示的な実施形態90
0を示している。
図9A及び
図9Bは原料識別を行う別の分光アセンブリ210の例を示
している。
【0065】
図9Aに示す様に、光パイプ914を分光器212に連結して試料(例えば、気体試料
、液体試料など)の分光分析を行ってもよい。光パイプ914は、キャビティ916、キ
ャップ918、入力部920及び出力部922を備え得る。例えば、液体又は気体は入力
部920(例えば、液体又は気体を収容するキャビティ916内の第1開口部)の中に導
いてもよいし、キャビティ916(例えば、反射面を有する中空光キャビティ)を通して
出力部922(例えば、液体又は気体を放出するキャビティ916内の第2開口部)に導
いてもよい。この場合、分光器212はキャビティ916に光を放射することにより、液
体又は気体の分光測定を行うことができる。例えば、光パイプ914は分光器212から
光を受光し、その光をキャップ918に向ける。この場合、光はキャップ918(例えば
反射鏡)によって反射され、(例えばキャビティ916を介して)分光器212に導かれ
る。いくつかの実施形態において、キャビティ916は、キャビティ916内の試料によ
って分光器212が放射した光の閾値吸収(threshold absorption)が可能となる閾値軸
方向長さ(threshold axial length)とし、試料の分光分析を可能にすることができる。
【0066】
図9Bに示す同様の光パイプ914’は、キャビティ916’、キャップ918’、入
力部920’及び出力部922’を備え得る。この場合、キャビティ916’は湾曲部9
24を有し、これによって分光器212から放射された光のキャップ918’への経路が
長くなり、キャビティ916’の分光器212からの閾値横方向距離を延ばすことなく、
キャビティ916’内の試料による光の吸収を増大させることができる。このように、光
パイプ914’を小型パッケージに構成することによって試料の分光分析を可能にするこ
とができる。
【0067】
このように、光パイプ914により、分光器212は例えば光パイプ914に含まれる
気体の分光分析を行えるようになる。
【0068】
上述の様に、
図9A及び
図9Bは単なる例として提供するものである。その他の例も可
能であり、
図9A及び
図9Bに関して記載したものと異なるものであってもよい。
【0069】
図10は
図4に示す例示的なプロセス400に関する例示的な実施形態1000を示し
ている。
図10は原料識別を行う別の分光アセンブリ210の例を示している。
【0070】
図10に示す様に、光パイプ1014を分光器212に連結させて試料の分光測定を行
うことができる。光パイプ1014は、キャビティ筐体1020、キャビティ1022、
スペーサ1024、窓1026及びミラー1028を備え得る。例えば、光は分光器21
2からキャビティ1022(例えば、中空キャビティ、光透過性中実キャビティなど)を
介し、窓1026(例えば、サファイア窓、ガラス窓、プラスチック窓又はその他のタイ
プの光透過性窓)に置かれた試料(例えば液体試料)に向けることができる。ミラー10
28は別の窓(例えば、別のサファイア窓、ガラス窓、プラスチック窓又はその他の光透
過性窓)及びリフレクタ(例えば、95%、99%などの閾値反射率と関連する拡散リフ
レクタ)を有し、ヒンジに取り付けてミラー1028が開位置と閉位置の間で位置変更で
きるようにしてもよい。開位置においては、図示する様に、試料は窓1026とミラー1
028の間に(例えばユーザによって)設置することができる。閉位置においては、スペ
ーサ1024、窓1026及びミラー1028によって試料を囲み、スペーサ1024に
よってミラー102を窓1026から閾値距離だけ離間して、測定のために試料の閾値厚
さを確保してもよい。光は試料を通った後、ミラー1028によって分光器212(例え
ば、窓1026及びキャビティ1022を通して)に反射させて測定してもよい。
【0071】
いくつかの実施形態において、試料を窓1026とミラー1028の間に置かず、光を
ミラー1028に向けて分光器212に戻すようにしてもよい。この場合、分光器212
はミラー1028と関連するベースラインの測定を行ってもよい。いくつかの実施形態に
おいて、分光器212及び光パイプ1014を含む分光アセンブリ210にセンサシステ
ムを備えてもよい。例えば、温度センサ及び/又は熱電冷却器/加熱器を窓1026に近
接した閾内に取り付けてもよい。このように、試料の温度測定、温度制御などを行っても
よい。いくつかの実施形態において、スペーサ1024を位置変更可能なスペーサ(例え
ば、窓1026からミラー1028へと光パイプ1024の光軸に沿って延在する、リン
グ状又はその他の形状のスペーサ)とし、窓1026とミラー1028の間の離間の調節
を可能にし、これによって窓1026とミラー1028の間に置かれた試料の厚さを制御
を可能とすることができる。いくつかの実施形態において、窓1026及びミラー102
8を図示するように光パイプ1014の光軸に角度を成して設置し、光軸と整列した位置
に比べて、試料のサンプリング領域を増大させ、ミラー1028からの反射光に関する鏡
面コンポーネントを低減させ、人間工学に基づくグリップ設計をユーザに提供することが
できる。
【0072】
このように、光パイプ1014によって試料(例えば液体試料)の分光測定を行うため
のバイアル、キュベットなどが必要でなくなり、分光分析のコストを削減することができ
る。更に、光パイプ1014は試料の均一した厚さと配置とを保証することにより、分光
分析の精度を高める。更に、バイアル又はキュベットが必要でなくなることにより、(例
えば、試料の一つ又は複数のバイアルではなく、試料を光パイプ1014に直接置くこと
によって)試料の均一性の向上に基づき、分光測定の精度を高めることができる。更に、
例えば一組のフラットな窓(例えば、窓1026及びミラー1028の窓)を使用して試
料を取り囲むことにより、バイアル又はキュベットを清掃する場合と比較して、清掃の困
難さを低減させることができる。
【0073】
上述の様に、
図10は単なる例として提供するものである。その他の例も可能であり、
図10に関して記載したものと異なるものであってもよい。
【0074】
このように、分光アセンブリ210は、光パイプ214を用いない分光器212の使用
と比べ、光パイプ214を用いて分光器212と試料の間に(例えば、試料に向かう透過
方向と分光器212に向かう受光方向で)向けられる光の量を増やし、分光器212及び
試料が曝される周囲光の量を低減させることにより、分光測定の精度を高めることができ
る。更に、試料を置くことのできる開口部を光パイプ214に設けることにより、光パイ
プ214は、一つ又は複数の分光測定の精度を高めるために選択された特定の離間で、試
料と分光器212を迅速に整列させることができるようになる。
【0075】
上述の開示は例示や説明を提供したが、これは包括的なものではなく、又、実施形態を
開示された形態に厳密に限定することを意図するものではない。変更及び変形は、上述の
開示に照らして行うことができる、又は実施形態の実施によって行うことができる。
【0076】
いくつかの実施形態は閾値と関連させて本明細書に記載した。本明細書で使用する「閾
値を満足させる」とは、閾値より大きな値、閾値を上回る値、閾値よりも高い値、閾値以
上の値、閾値未満の値、閾値より少ない値、閾値より低い値、閾値以下の値、閾値と等し
い値などである。
【0077】
特定のユーザインターフェースを本明細書に記載した、及び/又は図に示した。ユーザ
インターフェースには、グラフィカルユーザインターフェース、ノングラフィカルユーザ
インターフェース、テキストベースのユーザインターフェースなどがある。ユーザインタ
ーフェースは表示のための情報を提供する。いくつかの実施形態において、ユーザは表示
用のユーザインターフェースを提供する装置の入力部を介して入力を行うなどにより、情
報のやりとりを行うことができる。いくつかの実施形態において、ユーザインターフェー
スは装置及び/又はユーザによって構成可能である(例えば、ユーザはユーザインターフ
ェースの大きさ、ユーザインターフェースを介して提供される情報、ユーザインターフェ
ースを介して提供される情報の位置などを変えることができる)。これに加えて、又はこ
れに代えて、ユーザインターフェースは、標準構成、ユーザインターフェースが表示され
る装置のタイプに基づく特定の構成、及び/又はユーザインターフェースが表示される装
置に関連する能力及び/又は仕様に基づく一組の構成に予め構成することができる。
【0078】
本明細書に記載するシステム及び/又は方法は、ハードウェア、ファームウェア、又は
ハードウェアとソフトウェアの組み合わせによる種々の形態で実行できることは明らかで
あろう。これらのシステム及び/又は方法を実施するために使用される実際の専用制御ハ
ードウェア又はソフトウェアコードは実施形態を限定するものではない。従って、システ
ム及び/又は方法の動作及び挙動は、本明細書において特定のソフトウェアコードに関連
させずに記載した。ソフトウェア及びハードウェアは本発明の記載に基づくシステム及び
/又は方法を実行するように設計することができると理解されよう。
【0079】
特徴の特定の組み合わせを請求の範囲及び/又は明細書に記載したが、これらの組み合
わせは実行可能な実施形態の開示を制限することを意図するものではない。実際、これら
の特徴の多くは、請求の範囲及び/又は明細書に明確に記載されていない方法で組み合わ
せることができる。以下の各従属請求項は一つの請求項のみに直接従属しているが、実施
可能な実施形態の開示は、各従属請求項と請求の範囲内の全ての他の請求項との組み合わ
せを含む。
【0080】
本明細書で使用される素子、動作又は命令はいずれも、そのように明示的に記載されて
いない限り重要又は必須であると解釈してはならない。また、本明細書で使用される「a
」及び「an」の冠詞は、一つ又は複数の項目を含むことが意図され、「一つ又は複数の
」と交換可能に使用することができる。更に、本明細書で使用される「組」は、一つ又は
複数の項目(例えば、関連項目、非関連項目、関連項目及び非関連項目の組合せなど)を
含むことが意図され、「一つ又は複数の」と交換可能に使用することができる。一つの項
目のみが意図される場合、「1」又は同様の用語が使用される。また、本明細書で使用さ
れる「has」、「have」、「having」(有する)などという用語は、開放型
用語であることが意図されている。更に、「基づく」という語句は、別段明記されていな
い限り、「少なくとも部分的に基づいて」を意味するものとする。
【手続補正書】
【提出日】2023-01-24
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ディッププローブを備える光パイプと、
試料を収容するように構成される試料容器と、
分光器と、
を備え、
前記ディッププローブは、特定量の前記試料を前記分光器と整列した試料スペースに設置させるように構成される、システム。
【請求項2】
前記分光器が前記試料に曝されることなく、前記特定量の試料が前記試料スペースに設置される、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記光パイプは、前記分光器が前記試料に接触しないように保護するための窓を備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記光パイプが前記試料を前記分光器と整列させたとき、前記試料が囲まれる、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記試料は、前記試料が設置される表面、前記光パイプのキャビティの内面、及び前記光パイプの窓によって囲まれ、
前記窓は、前記試料と前記分光器との間に位置する、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記ディッププローブによって支持される表面をさらに含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記表面は、圧力ばめにより、前記ディッププローブによって支持される、請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記表面は、光拡散面である、請求項6に記載のシステム。
【請求項9】
前記ディッププローブによって、表面を前記光パイプから延ばすように、前記光パイプ又は前記ディッププローブの一方又は両方に含まれる、又は取り付けられるスペーサリングをさらに備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
キャップと前記試料又は前記分光器との距離を変化させるように構成されるスペーサと関連させたキャップをさらに備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
分光器と、
前記分光器に取り付けられた光パイプと、
を備え、
前記光パイプは、前記光パイプを試料に挿入するように構成される尖ったキャップ又はネジ状キャップを備える、システム。
【請求項12】
前記光パイプは、
回転子アセンブリと、
前記回転子アセンブリを動作するように構成されるスイッチと、
をさらに備える、請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記光パイプは、
ミラーと、
前記ミラーに関連する反射角度を変えるように構成されるスイッチと、
をさらに備える、請求項11に記載のシステム。
【請求項14】
前記光パイプは、スイッチをさらに備え、
前記分光器は、前記スイッチを動作するように構成されるコントローラを備える、
請求項11に記載のシステム。
【請求項15】
前記光パイプは、
キャビティと、
ミラーと、
前記ミラーを囲み、前記キャビティと軸方向に整列された透明な窓と、
をさらに備える、請求項11に記載のシステム。
【請求項16】
前記光パイプは、前記分光器から前記試料に光を導くように構成される反射壁のキャビティをさらに備える、請求項11に記載のシステム。
【請求項17】
光パイプを試料に挿入するように構成される尖ったキャップ又はネジ状キャップと、
分光器を収容するように構成される円筒形のキャビティと、
を備える、光パイプ。
【請求項18】
光を前記分光器から窓に向け直すキャビティ屈曲部をさらに備える、請求項17に記載の光パイプ。
【請求項19】
キャビティ屈曲部と、
光を前記キャビティ屈曲部に向ける長方形の断面部を含む別のキャビティと、
をさらに備える、請求項17に記載の光パイプ。
【請求項20】
キャビティ筐体と、
ミラーと、
前記キャビティ筐体内に配置され、光を分光器から前記ミラーに向けるように構成されるキャビティと、
窓と、
を備え、
前記ミラーは、前記窓を通して前記光を拡散するとともに、前記キャビティを通して前記分光器に反射光を向けるように構成され、
前記反射光は、光パイプを囲むとともに前記窓と整列された試料から反射される、光パイプ。
【外国語明細書】