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2023-52277インピーダンス検出を使用した癌性細胞の再発予測技術
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023052277
(43)【公開日】2023-04-11
(54)【発明の名称】インピーダンス検出を使用した癌性細胞の再発予測技術
(51)【国際特許分類】
   G01N 27/02 20060101AFI20230404BHJP
   G01N 33/483 20060101ALI20230404BHJP
【FI】
G01N27/02 D
G01N33/483 E
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023001536
(22)【出願日】2023-01-10
(62)【分割の表示】P 2020543366の分割
【原出願日】2019-02-28
(31)【優先権主張番号】62/636,798
(32)【優先日】2018-02-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】16/288,001
(32)【優先日】2019-02-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】519265859
【氏名又は名称】ノヴァスキャン,インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】NOVASCAN,INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100073184
【弁理士】
【氏名又は名称】柳田 征史
(74)【代理人】
【識別番号】100175042
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 秀明
(72)【発明者】
【氏名】ウィリアム ディヴィッド グレゴリー
(57)【要約】      (修正有)
【課題】モース顕微鏡手術中に切除された組織層を分析及び評価するためのより効果的な技術が必要とされている。
【解決手段】第1の周波数で動作する電極アレイに含まれる第1の電極サブセットによって、患者から切除した組織の第1のサンプルの第1の切片の第1のインピーダンスを測定するステップ、該第1のインピーダンスに基づいて第1のサンプルの第1の切片についての第1のコール緩和周波数を計算するステップ、及び少なくとも一部には第1のコール緩和周波数に基づいて患者の癌性細胞に関する第1の予測を生成するステップを含む、患者における癌性細胞の再発を予測する方法である。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者における癌性細胞の再発を予測する方法であって、
第1の周波数で動作する電極アレイに含まれる第1の電極サブセットによって、前記患者から切除した組織の第1のサンプルの第1の切片の第1のインピーダンスを測定するステップ;
前記第1のインピーダンスに基づいて前記第1のサンプルの前記第1の切片についての第1のコール緩和周波数を計算するステップ;及び
少なくとも一部には前記第1のコール緩和周波数に基づいて前記患者の癌性細胞に関する第1の予測を生成するステップ
を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
本出願は、2018年2月28日に出願し、米国特許出願番号62/636,798を有する「TECHNIQUES FOR PREDICTING RECURRENCE OF CANCEROUS CELLS USING IMPEDANCE DETECTION(インピーダンス検出を使用した癌性細胞の再発予測技術)」と題された米国仮特許出願、及び、2019年2月27日に出願し、米国特許出願番号16/288,001を有する「TECHNIQUES FOR PREDICTING RECURRENCE OF CANCEROUS CELLS USING IMPEDANCE DETECTION(インピーダンス検出を使用した癌性細胞の再発予測技術)」と題された米国仮特許出願に対する優先権の利益を主張する。これらの関連出願の主題は、ここに参照することにより本明細書に援用される。
【技術分野】
【0002】
本発明の実施態様は、概して、医学診断技術に関し、より詳細には、インピーダンス検出を使用して癌性細胞の再発を予測する技術に関する。
【背景技術】
【0003】
さまざまな医療処置では、分析者が患者に対してさまざまな診断を行うために、さまざまな組織細胞が患者から切除され、分析される。例えば、皮膚組織サンプルが手術中に切除され、分析されることがある。このような例の1つは、モース顕微鏡手術(MMS)であり、これは、基底細胞癌(BCC)及び扁平上皮癌(SCC)を除去するときに用いられる、皮膚がんの治療法である。MMS中に、外科医は、一部のがん細胞を含んでいる疑いのある患者の標的領域から皮膚層を除去する。切除層を除去した直後に、凍結切片が調製され、外科医が顕微鏡下でスライドを検査し、がん細胞の存在を確認する。手順全体を通して、外科医は患者から皮膚層を連続的に除去し、1つ以上の切除した皮膚層から疾患組織が十分に取り除かれるまで、取り出した皮膚層を検査する。MMSは、外科医が患者から最小量の組織を除去し、標的切除の周りの最大量の健康な細胞を保存することを有利に可能にする。
【0004】
MMSの欠点の1つは、がん細胞を含むと疑われる組織の異なる層の切除、検査、及び評価が、外科医にとって非常に時間がかかることである。特に、上記で示唆したように、組織の各切除層について、外科医は凍結切片を手動で調製し、次に顕微鏡下で凍結切片を検査し、サンプルにがん細胞が含まれているかどうかを評価する必要がある。MMSの時間のかかる性質に起因して、この特定の手順は、高価ながん治療形態であると考えられている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前述のように、モース顕微鏡手術中に切除された組織層を分析及び評価するためのより効果的な技術が当技術分野で必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本出願の一実施態様は、第1の周波数で動作する電極アレイに含まれる第1の電極サブセットによって、患者から切除した組織の第1のサンプルの第1の切片の第1のインピーダンスを測定するステップ、該第1のインピーダンスに基づいて第1のサンプルの第1の切片についての第1のコール緩和周波数を計算するステップ、及び少なくとも一部には第1のコール緩和周波数に基づいて患者の癌性細胞に関する第1の予測を生成するステップを含む、患者における癌性細胞の再発を予測する方法を説明する。
【0007】
本開示の組織分析システムの主な利点は、該システムが、外科医の関与なしに、患者から切除された組織内のがん細胞の存在及び位置を迅速かつ正確に検出することである。さらには、組織分析システムは、切除した組織を確実に分析して、患者においてがんが再発する可能性と、がんの再発が最終的に転移につながるかどうかを予測する。本開示のシステムは、凍結切片の調製前にMMSの手順で連続的に切除された組織層を自動的に分析及び評価することができることから、MMSを実行するのに必要な時間が大幅に短縮され、それによってMMSをより費用効果の高い癌治療形態にする。さらには、本開示のシステムは、ユーザががんの再発の確率を確実に決定することを可能にし、これは、がんの再発及び転移に関連する特定の治療をもたらしうる。
【0008】
本発明の上記の特徴を詳細に理解することができるように、上記で簡単に要約した本発明のより具体的な説明は、実施態様を参照することによって得ることができ、その幾つかは添付の図面に示されている。しかしながら、添付の図面は、本発明の典型的な実施態様のみを示しており、したがって、本発明が他の同等に有効な実施態様を許容することができるため、その範囲を限定すると見なされるべきではないことに留意されたい。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の1つ以上の態様を実施するように構成された組織測定システムを示す図
図2】本発明のさまざまな実施態様による、図1の組織測定システムに含めることができる例示的な電極アレイの詳細な図
図3】本発明のさまざまな実施態様による、図1の組織測定システムに含めることができる例示的な電極セレクタの詳細な図
図4】本発明のさまざまな実施態様による、切除した組織の1つ以上の切片について計算したコール緩和周波数のグラフ
図5】本発明のさまざまな実施態様による、さまざまな計算したコール緩和周波数に基づいた患者のサンプル群におけるがん検出の精度を示す表
図6】本発明のさまざまな実施態様による、がん細胞について切除した組織のサンプルを自動的に分析及び評価するための方法ステップのフローチャート
図7】本発明のさまざまな実施態様による、切除した組織の切片のインピーダンスを検出するための方法ステップのフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下の説明では、本発明のより完全な理解を提供するために、多くの特定の詳細が示されている。しかしながら、本発明が、これらの特定の詳細の1つ以上がなくても実施できることは、当業者には明らかであろう。
【0011】
上記のように、モース顕微鏡手術(MMS)の従来技術では、外科医が皮膚組織を切除し、切除した皮膚組織を顕微鏡評価するために凍結切片を手動で調製し、切除した組織にがん細胞が含まれているかどうかを決定することが必要とされる。この長いプロセスは外科医又は第三者が手術中に切除した各層の幾つかの凍結切片の評価を実施することを必要とすることから、このような技術は時間と費用がかかる。
【0012】
この問題に対処するため、本発明の実施態様は、切除した組織サンプルの特定の切片に電極アレイを介して電流を送る組織測定システムを含む。電極アレイに接続された診断モジュールは、電気的測定値を受け取り、インピーダンス、コール緩和周波数、及び/又は電気的測定値に基づいた電子変換年齢(electronic transformation age)を含めた電気的特性を計算する。診断モジュールは、1つ以上の計算したコール緩和周波数をがん検出閾値と比較し、切除した組織サンプルの対応する切片に癌性細胞が存在するかどうかを決定する。幾つかの実施態様では、診断モジュールは、切除した組織サンプル内の検出された癌性細胞の位置を決定することができる。
【0013】
診断モジュールはまた、電子変換年齢を再発閾値と比較し、一度切除されたがん細胞が対象において再発するかどうかを決定する。電子変換年齢(ETA)は、組織細胞が長期間にわたって良性から癌性へと徐々に変化するにつれて緩和周波数の値が増加することを示す、組織細胞の特性を反映している。電子変換年齢が増加するにつれて、がんの再発及び/又は転移の可能性が増加する。さまざまな実施態様では、診断モジュールは、計算された電子変換年齢を転移閾値と比較して、一度切除された癌性細胞が対象において再発及び転移するかどうかを決定する。診断モジュールは、電子変換年齢とそれぞれの閾値との比較に基づいて、がんの再発及び/又は転移の予測を生成する。
【0014】
本説明はモース顕微鏡手術中に切除した皮膚組織サンプルについて論じているが、本開示の技術は他のタイプの切除組織細胞に対しても実施することができる。さらには、本開示の技術はMMSの手順とは独立して実施することができる。
【0015】
本開示全体を通して、次の用語は、組織測定システムの動作を説明する。
【0016】
インピーダンスは、導電性材料及び/又は誘電性材料で構成される所与のシステムの、外部交番電界による励起に対する応答である。所与のシステムのインピーダンスは、電圧の電流に対する比であり、2つの要素、すなわち抵抗とリアクタンスを含む。細胞では、抵抗成分は、通常、入力信号の周波数が高くなるにつれて低下する。リアクタンス成分は、特性周波数で最小に達し、これは、概して周波数範囲の中間点で発生する。
【0017】
緩和周波数は、細胞が励起中に蓄積された電荷を放散する速度である。一般に、測定デバイスは電荷を注入し、該電荷が放散する速度を測定する。さまざまな実施態様では、測定デバイスは、無傷組織である細胞(又は細胞の群)若しくは懸濁液中の細胞における通電経路に等価回路モデルを使用することができる。コール緩和周波数は、無傷の生組織に関連する測定データをコールの式に当てはめることによって得られる、細胞の特徴的な周波数である。
【0018】
電極分極(EP)は、組織と電極との間の界面に絶縁障壁が形成される場合に発生する現象である。EPは、イオンと導通する組織と電子と導通する電極との不一致に起因して発生し、イオンは電極内に移動できない。さまざまな実施態様では、EPに起因する過剰電荷は、測定デバイスによって測定される電圧の一因となりうる。過剰電荷はQ/Aの値に比例し、ここで、QはEP電荷、Aは電極の表面積である。さまざまな実施態様では、測定デバイスは、特定の電極及び/又は該電極上のコーティングを使用する、特定の測定技術などの1つ以上の技術を使用して、過剰電荷を軽減する。
【0019】
さまざまな実施態様では、所与の電極上の電気化学的コーティングは、測定中のEPを低減することができる。例えば、銀電極上の塩化銀コーティング(銀-塩化銀)は、電極上の塩素イオンの存在によって、EPを低減することが示されている。追加的又は代替的に、黒化白金(BPt)電極を測定デバイスに含めることができる。例えば、白金は電極に対して銀よりも堅牢で、実質的に不活性でありうる。さまざまな実施態様では、滑らかな白金に、より多くの白金を迅速に電着させ、原子レベルで粗い表面を生成し、滑らかな白金に対して表面積を(最大で10,000倍)増加させることができる。コーティング及び/又は白金電極を使用する測定デバイスは、表面積を増加させることによってEPの影響を低減し、したがってQ/A比を低下させる。
【0020】
さまざまな実施態様では、測定デバイスは、リード線4本のインピーダンス測定を使用して、測定中のEPの影響を低減する。例えば、測定デバイスは、リード線4本の測定構成を使用することができ、この構成では、高インピーダンス入力アンプの使用などを介して、電流がほとんど流れない2本のリード線によって電圧が測定される。このような場合、他の2つのリード電極は、それぞれ、電流を注入及び抽出する。電流は電流ループで測定され、これにより、測定デバイスが電圧の電流に対する比を決定するときにEPが測定され、考慮される。追加的又は代替的に、測定デバイスは、リード線2本のインピーダンス測定を使用することができる。このような場合、測定デバイスは、同じ電極で電流と電圧を測定する。測定デバイスは、電極がEPの影響を軽減するように処理されている場合、2本のリード線で正確な測定を行うことができる。
【0021】
図1は、本発明の1つ以上の態様を実施するように構成された組織測定システムを示している。組織分析システム100は、組織測定デバイス110、ディスプレイ120、及び入力/出力(I/O)ユニット130を含む。組織測定デバイス110は、分類モジュール112、電極セレクタ114、及び電極アレイ116を含む。分類モジュール112は、アナライザ121、コントローラ123、及びメモリ125を含む。幾つかの実施態様では、組織測定デバイス110は、個別の物理的構成要素として、分類モジュール112、電極セレクタ114、及び電極アレイ116を含むことができる。代替的な実施態様では、分類モジュール112、電極セレクタ114、及び/又は電極アレイ116は、共通の筐体を共有してもよい。追加的又は代替的に、組織測定デバイス110は、ディスプレイ120及び/又はI/Oユニット130と無線で通信することができる。
【0022】
組織測定デバイス110は、切除した組織サンプルの切片のインピーダンスを自動的に測定する。分類モジュール112は、電極セレクタ114に、電極アレイ116の異なる測定サブセットを選択させる。電極アレイ116の選択された測定サブセットは、切除した組織サンプルの所与の切片の電気的特性を測定する。幾つかの実施態様では、選択された測定サブセットを介して、切除した組織サンプルの所与の切片で測定を実行する場合に、分類モジュール112は、指定された動作周波数範囲内で測定の掃引を実行することができる。例えば、電極アレイ116の測定サブセットは、最初に1kHz~25MHzの初期動作周波数で電流を注入し、次に切除した組織サンプルの対応する切片の電気的特性を測定し、記録することができる。次に、組織測定デバイス110は、選択された測定サブセットを使用して、動作周波数の範囲を掃引することができる。例えば、組織測定デバイス110は、1kHzのステップで注入電流の動作周波数を増加させて、切除した組織サンプルの対応する切片の電気的特性を記録することができる。
【0023】
組織測定デバイス110は、電気的特性のインピーダンスを計算し、続いて、計算されたインピーダンスから緩和周波数を計算する。切除した組織サンプルの切片についての緩和周波数は、蓄積された電荷を細胞膜が放出する速度を反映している。さまざまな実施態様では、組織測定デバイスは、収集されたデータがコールの式に適合する場合、コール緩和周波数などの1つ以上の特定の周波数を計算することができる。組織測定デバイス110はコールの緩和周波数を計算しているが、組織測定デバイス110によって計算することができる技術的に実現可能な緩和周波数は、さまざまな実施態様の範囲内にある。
【0024】
幾つかの実施態様では、組織測定デバイス110は、切除した組織サンプルの所与の切片に含まれる複数の細胞の平均放電速度として、切除した組織サンプルの所与の切片の緩和周波数を計算することができる。幾つかの実施態様では、組織測定デバイス110は、切除した組織サンプルの1つ以上の切片の緩和周波数の計算に基づいて、癌性細胞の存在及び/又は位置を決定することができる。追加的又は代替的に、組織測定デバイス110は、測定データをディスプレイ120及び/又はI/Oユニット130に出力することができる。
【0025】
電極アレイ116は、介在するチャネルによって互いに電気的に絶縁されている複数の電極を含む。幾つかの実施態様では、電極アレイ116は平面であり、切除した組織サンプルを電極アレイ116の1つ以上の電極上に直接配置することを可能にする。追加的又は代替的に、電極アレイ116に含まれる1つ以上の電極は、非侵襲的であってよく、電極アレイ116の個々の電極と切除した組織サンプルとの間の電気分極を低減するように構成された表面を有することができる。例えば、電極アレイ116の1つ以上の電極は、切除した組織サンプルの一部に物理的に接触する黒化白金(BPt)表面を有していてよく、電極アレイ116と切除した組織サンプルとの間の電気分極を低減する。
【0026】
電極セレクタ114は、電極アレイ116と分類モジュール112との間の電気信号を接続する。さまざまな実施態様では、電極セレクタ114は、電圧計及び/又は電流計を含めた、測定回路の構成要素を含む。このような事例では、電極セレクタ114は、切除した組織サンプルの切片の電圧及び/又は電流を測定するために、それぞれ、電極アレイ116から電圧計及び/又は電流計に、電極の測定サブセットを接続することができる。
【0027】
電極セレクタ114は、電極のサブセットを接続して測定回路を形成するためのハードウェア及び/又はソフトウェアを含む。例えば、電極セレクタ114は、マイクロリレー回路などの個々のスイッチのアレイを含むことができ、それらはそれぞれ、電極アレイ116内の別の電極に接続している。このような場合、個々のスイッチは、分類モジュール112内のコントローラ123によって制御されて、対応する電極を電流検出回路及び/又は電圧検出回のいずれかに接続することができる。追加的又は代替的に、電極セレクタ114は、残りの電極を絶縁しつつ、電極アレイ116に含まれる1つ以上の電極を接続するための1つ以上の機械的スイッチを含むことができる。電流検出回路及び電圧検出回路の各々は、単一の測定回路の構成要素でありうる。幾つかの実施態様では、電極セレクタ114は、マイクロリレー回路に含まれる1つ以上のマイクロリレーを開いたままにすることができ、接続された電極は浮いたまま維持され、電流が注入されたときに高インピーダンスを提供する。
【0028】
分類モジュール112は、電極セレクタ114を介して電極アレイ116に接続する。分類モジュール112は処理装置を含む。処理装置は、単一の中央処理装置(CPU)、又は処理装置の組合せでありうる。処理装置は、データを処理する及び/又はソフトウェアコードを実行することができる、技術的に実現可能な任意のハードウェア装置でありうる。幾つかの実施態様では、分類モジュール112の処理装置は、ユーザ及び/又はメモリ125から命令を受け取ることができ、かつ、該命令を実行することができる。追加的又は代替的に、処理装置は、アナライザ121及び/又はコントローラ123によって実行される1つ以上の技術を実装することができる。
【0029】
例えば、分類モジュール112は、I/Oユニット130を介してユーザから命令を受け取って、データを格納すること、及び/又は電極アレイ116を介して特定の電気的測定を実行することができる。次に、分類モジュール112は、コントローラ123を使用して、メモリ125に格納されたプログラムを実行し、電極アレイ116の1つ以上の測定サブセットを使用して、切除した組織サンプルに対して1つ以上の電気測定を行うことができる。幾つかの実施態様では、分類モジュール112は、測定回路によって決定されるように、測定した電気的特性を保存することができる。測定した電気的特性には、例えば、特定の動作周波数での入力信号についての測定電圧及び測定電流が含まれうる。追加的又は代替的に、コントローラ123は、プログラムを実行して、1つ以上の電気的測定値を1つ以上の事前定義された閾値と比較し、各比較に基づいて1つ以上のがんの再発予測を行うことができる。
【0030】
分類モジュール112のアナライザ121は、電極アレイ116から受け取った、測定した電気的特性に基づいて、切除した組織サンプルの切片の実数及び/又は虚数のインピーダンスを計算する。幾つかの実施態様では、分類モジュール112は、計算したインピーダンスをメモリ125に保存する。計算したインピーダンスに基づいて、アナライザ121は、切除した組織サンプルの切片について1つ以上のコール緩和周波数を計算する。さまざまな実施態様では、アナライザ121は、少なくとも1つ以上の計算したコール緩和周波数に基づいて、がんの再発予測を生成することができる。
【0031】
アナライザ121は、動作周波数に対応するインピーダンスに基づいて、切除した組織サンプルの切片についてのコール緩和周波数を計算する。切除した組織サンプルの切片についてのコール緩和周波数は、蓄積された電荷を細胞膜が放出する速度を反映する。幾つかの実施態様では、アナライザ121は、切除した組織サンプルの切片が癌性細胞を含むかどうかを決定する。悪性細胞と非悪性細胞との対照的な電気的特性に起因して、悪性細胞は、非悪性細胞のコール緩和周波数の1000倍を超えるコール緩和周波数を有する。アナライザ121は、計算したコール緩和周波数を事前決定したがん検出閾値と比較して、切除した組織サンプルの切片が癌性細胞を含むかどうかを決定する。
【0032】
さまざまな実施態様では、アナライザ121は、がん検出閾値を超える1つ以上の周波数範囲に基づいて、悪性がん細胞の存在の確率を決定することができる。このような事例では、各周波数範囲は、癌性細胞がより危険であることを示し、より積極的な治療の必要性を示唆しうる。例えば、乳がん細胞の初期がん検出閾値は100kHz、がん再発閾値は300kHz、転移閾値は600kHzでありうる。100kHz~300kHzの第1の臨界範囲内で生じるコール緩和周波数は、乳がんに関連する癌性細胞が存在するが、再発する可能性が低いことを示しうる。300kHz~600kHzの第2の臨界範囲内で生じるコール緩和周波数は、乳がんが治療後に再発しうるが、転移はしない可能性があることを示唆しうる。600kHzを超える第3の臨界範囲内で生じるコール緩和周波数は、治療後の転移の可能性が高いことを示唆しうる。がん検出閾値と、各臨界範囲の数及び閾値は、がんの種類ごとに異なりうる。
【0033】
さまざまな実施態様では、アナライザ121は、コール緩和周波数に基づいて電子変換年齢を計算する。電子変換年齢(ETA)は、コール緩和周波数に正比例する無次元比である。例えば、アナライザ121は、コール緩和周波数を100kHzで除算することによって電子変換年齢を生成することができる。次に、アナライザ121は、電子変換年齢を1つ以上のがん再発閾値と比較することができる。電子変換年齢を1つ以上のがん再発閾値と比較した後、アナライザ121は、次に、手術及び治療の後に患者にがんが再発するかどうかを予測する予測パラメータを生成することができる。
【0034】
非限定的な例として、分類モジュール112は、複数のがん再発閾値に基づいて、メモリ125にルックアップテーブルを格納することができる。がん再発閾値は、がん存在閾値1、がん再発閾値3、及び転移閾値6を含みうる。これらの閾値に基づいて、アナライザ121は、電子変換年齢の範囲に基づいてがんの再発予測を検索することができる。表1は、ETAの範囲及び対応するがん再発予測を含む例示的なルックアップテーブルを示している。
【0035】
【表1】
【0036】
幾つかの実施態様では、アナライザ121は、測定中に用いられる動作周波数の関数としてインピーダンスの抵抗成分とリアクタンス成分とを示す、1つの計算されたインピーダンスセットについてのインピーダンススペクトルを生成する。このような事例では、アナライザ121は、回帰分析を実行して、メモリ125に格納された事前定義されたインピーダンススペクトルに最適なものを見つけることにより、インピーダンスのそのセットのコール緩和周波数を計算することができる。アナライザ121は、インピーダンススペクトルのリアクタンス成分の負のピークインピーダンスに対応する周波数を決定することによって、インピーダンススペクトルからコール緩和周波数を決定することができる。
【0037】
分類モジュール112のコントローラ123は、電極セレクタ114に電極アレイ116の異なる測定サブセットを選択させ、接続させる。各選択された測定サブセットは、切除した組織サンプルの特定の切片の電気的特性を測定する。コントローラ123はまた、電極アレイ116の測定サブセットを使用して測定を開始するときの注入電流の動作周波数及び振幅を設定する。幾つかの実施態様では、コントローラ123は、メモリ125に格納された命令をロードすること、及び/又は電極アレイ116の1つ以上の測定サブセットを使用して測定プログラムを実行することができる。
【0038】
例えば、コントローラ123は、1つ以上の制御信号を生成して電極セレクタ114に送信して、スイッチを開閉するか、さもなければ電極アレイ116の異なる測定サブセットに接続することができる。別の例では、コントローラ123は、制御信号を電極セレクタ114に送信して、測定サブセットに含まれる1つ以上の電極を接続するとともに、電極アレイ116に含まれる他のすべての電極を切断することができる。さまざまな実施態様では、コントローラ123は、制御信号を電極セレクタ114に送信することによって異なる測定サブセットに変更することができ、電極セレクタ114は、測定サブセットの電極を測定回路に電気的に接続するとともに、電極アレイ116の残りのすべての電極を切断する。
【0039】
メモリ125は、データ及び/又はソフトウェアアプリケーションを格納するように構成される。メモリ125は、ランダムアクセスメモリ(RAM)モジュール、ハードディスク、フラッシュメモリユニット、又は任意の他のタイプのメモリユニット、若しくはこれらの組合せを含むことができる。分類モジュール112及びI/Oユニット130は、メモリ125からデータを読み取るように構成される。分類モジュール112及びI/Oユニット130はまた、メモリ125にデータを書き込むように構成される。
【0040】
ディスプレイ120は、組織測定デバイス110から送信されたデータを表示する。幾つかの実施態様では、ディスプレイ120は、計算したコール緩和周波数、癌性細胞領域の(一又は複数の)位置、切除した組織サンプルにおけるがんの確率、及び/又はがんの再発に関する予測のうちの1つ以上を表示する。幾つかの実施態様では、ディスプレイ120は、組織測定デバイス110が切除した組織サンプルに対して測定を実行している間に、組織測定デバイス110から受信したデータをリフレッシュすることができる。追加的又は代替的に、ディスプレイ120は、切除した組織サンプルの画像を表示し、癌性細胞の可能性のある位置を示すことができる。
【0041】
I/Oユニット130は、組織測定デバイス110から出力信号を受信し、ユーザから組織測定デバイス110に入力信号を送信する。幾つかの実施態様では、I/Oユニット130は、プログラム入力信号を分類モジュール112に送信し、該分類モジュール112は、プログラムをメモリ125に格納する。幾つかの実施態様では、I/Oユニット130は、キーボード、マウス、入力タブレット、カメラ、及び/又は3次元(3D)スキャナを含む、1つ以上の入力を受信することができるデバイスを含みうる。幾つかの実施態様では、I/Oユニット130はまた、スピーカー又はプリンターなどの1つ以上の出力を提供することができるデバイスを含みうる。さまざまな実施態様では、I/Oユニット130は、タッチスクリーン及びユニバーサルシリアルバス(USB)ポートなど、入力の受信と出力の提供の両方が可能なデバイスを含みうる。
【0042】
図2は、本発明のさまざまな実施態様による、図1の組織測定システム100に含めることができる例示的な電極アレイ116の詳細な図である。示されるように、電極アレイ116は、電極202a~lの第1の列及び電極204a~lの第2の列を含む。電極アレイ116は、電極206a~cの1つ以上の測定サブセットを含む。
【0043】
幾つかの実施態様では、電極列202a~lの各電極間の物理的距離は一定である。追加的又は代替的に、異なる電極対の電気経路は一定である。例えば、電極202aと電極202bとの間の物理的距離は、1mmの物理的距離を有することができ、これは、電極204jと204kとの間の1mmの物理的距離に等しくなりうる。同様に、それぞれの電極対を使用して形成された電気経路は一定のままである。例えば、電極202a、202bが電極セレクタ114に接続されたときに形成される電気経路は、電極204j、204kが電極セレクタ114に接続されたときに形成される電気経路に等しい。
【0044】
動作中、コントローラ124は、電極セレクタ114を介して、測定サブセット206aを選択する。幾つかの実施態様では、測定回路は、同じ経路長を有する電極を含む。さまざまな実施態様では、測定サブセット206aの選択は、複数の測定を実行するときに反射及び位相シフトを回避することによって同期の問題を回避するという利点を提供する。追加的又は代替的に、電極202a~l、204a~lの物理的経路長及び/又は電気経路長は、等しくない場合があるが、時間的に固定されうる。このような場合、その後の信号処理ステップは、等しくない物理的経路長及び/又は等しくない電気経路長を補償するように調整されうる。
【0045】
非限定的な例示的動作中、コントローラ123は、電極202a~dを含む電極アレイ116の測定サブセット206aを選択することによって、セクション208aに位置する切除した組織サンプルの切片の電気的特性を測定することができる。同様に、コントローラ123は、電極204d~gを含む測定サブセット206bを選択することによって、切片208bを測定することができる。コントローラ123はまた、電極202f~i、204f~iを含む測定サブセット206cを選択することによって、切片208cを測定することもできる。幾つかの実施態様では、コントローラ123は、切片からさらに離れて位置する電極を含む測定サブセットを選択することによって、切除した組織サンプルのさまざまな深さを測定することができる。例えば、切片208cを測定するときに、コントローラ123は、電極202c~lの各々を含む測定サブセットを選択することによって、切片208cの異なる深さを測定することができる。電極セレクタ114が測定サブセット206aを測定回路に接続する場合には、電極202a~dの1つ以上を電圧検出デバイスに接続することができ、電極202a~dの1つ以上を電流検出デバイスに接続することができ、一方、残りの電極202e~l、204a~lは、測定回路から切断されている。
【0046】
測定サブセット206aの電極対202a、202dは電流検出回路を形成する。電極202aは、電流発生器から電流を受け取る注入電極として機能する。注入電極202aは、コントローラ123によって指定された動作周波数に対応する周波数を有する交流電流を受け取る。電極202dは、電極202aに接続することによって電流経路を完成させる戻り電極として機能する。幾つかの実施態様では、戻り電極202dは、電流検出回路又は電流計などの電流検出デバイスに接続される。分類モジュール112は、電流検出回路又は電流検出デバイスによって提供される電流測定値を受け取り、測定した電流を初期電流の動作周波数と関連付けることができる。
【0047】
幾つかの実施態様では、電流検出回路を形成する電極間の1つ以上の電極は、電圧検出回路の一部でありうる。例えば、測定サブセット206aの電極202b、202cは、電圧検出電極として機能し、電圧検出回路又は電圧計などの電圧検出デバイスに接続することができる。電圧検出電極202b、202cは、測定回路への迷走電流の追加を回避するために、高インピーダンスを有することができる。分類モジュール112は、電圧検出回路又は電圧検出デバイスによって提供される電圧測定値を受け取り、測定した電流を初期電流の動作周波数と関連付けることができる。
【0048】
非限定的な例示的実施態様では、コントローラ123は、異なる測定サブセット206a、206b、206cに切り替えることによって、切除した組織サンプルの異なる切片を測定することができる。例えば、コントローラ123は、測定サブセット206aを測定回路から切断し、測定サブセット206bを測定回路に接続することによって、電極セレクタ114を切片208aから切片208bの測定に切り替えることができる。幾つかの実施態様では、コントローラ123は、事前定義されたパターンで切片208a、208b、208cを切り替えることができる。例えば、コントローラ123は、切片208aで10~60秒間の一連の電気的測定を実行することができる。次に、コントローラ123は、電極セレクタ114に異なる測定サブセットを選択させて、電極202cと202dとの間に位置する切除した組織サンプルの切片に対して10~60秒間の一連の電気測定を実行させることができる。幾つかの実施態様では、コントローラ123は、60~120秒未満で電極アレイ116内のすべての切片の電気的測定を実行することができる。
【0049】
図3は、本発明のさまざまな実施態様による、図1の組織測定システム100に含めることができる例示的な電極セレクタ114の詳細な図である。示されるように、電極セレクタ114は、リレードライバ304に接続されたマイクロリレー回路302a~dを含む。幾つかの実施態様では、リレードライバ304は、コントローラ123から1つ以上の制御信号を受信し、1つ以上の電極を測定回路の電圧検出回路に接続し、1つ以上の電極を測定回路の電流検出回路に接続することができる。さまざまな実施態様では、電極セレクタ114は、リレードライバ304に接続されたマイクロリレー回路302a~dを含むマイクロスイッチを使用することができる。追加的又は代替的に、電極セレクタ114は、1つ以上の機械的スイッチを使用して、電極セレクタ114を介して電極アレイ116に含まれる1つ以上の電極を機械的に接続及び/又は切断することができる。
【0050】
電極セレクタ114が電子マイクロスイッチングを使用して1つ以上の電極を接続する場合、リレードライバ304は、1つ以上のマイクロリレー回路302a~dを制御する、マイクロコントローラ又は他の電子回路でありうる。幾つかの実施態様では、1つ以上のリレードライバ304は、電極アレイ116内の対応する電極に接続されたマイクロリレー回路の各々を制御することができる。幾つかの実施態様では、リレードライバ304は、コントローラ123から制御信号を受信し、電極を測定回路に接続することができる。リレードライバ304は、マイクロリレー回路302a~dの各々に含まれるマイクロリレー構成要素に1つ以上の駆動信号を送信することによって、受信した制御信号に応答することができる。駆動信号は、マイクロリレー構成要素の対の一方を閉じるか、又はマイクロリレー構成要素の各々を開くことができる。幾つかの実施態様では、リレードライバ304は、測定サブセット206a、206bに含まれる電極に対応するマイクロリレー回路302a~dの各々に駆動信号を送信することによって、測定サブセット206aを別の測定サブセット206bに切り替える。追加的又は代替的に、電極セレクタ114が機械的切り替えを使用する場合、リレードライバ304は、1つ以上の機械的スイッチを使用して電極を測定回路に接続することができる。
【0051】
マイクロリレー回路302a~dの各々は、電極アレイ116内の別の電極に接続されている。幾つかの実施態様では、マイクロリレー回路302a~dは、増幅器と、該増幅器の入力における2つの別個のマイクロリレー構成要素とを含む。幾つかの実施態様では、リレードライバ304は、両方のマイクロリレー構成要素を開き、電極アレイ116内の対応する電極で電圧検出を実行するように回路を構成することができる。リレードライバ304は、2つのマイクロリレー構成要素のうちの第1のマイクロリレー構成要素を閉じて、マイクロリレー回路302a~d及び対応する電極を電流注入源に接続することができる。幾つかの実施態様では、リレードライバ304は、2つのマイクロリレー構成要素のうちの第2のマイクロリレー構成要素を閉じて、マイクロリレー回路302a~d及び対応する電極を電流検出回路に接続することができる。幾つかの実施態様では、測定サブセット206a内にない残りの電極のうちの1つ以上が接地に短絡されうる。
【0052】
幾つかの実施態様では、2電極構成は、電流と電圧の両方を検出することができる。2電極構成では、電圧検出用に構成された電極アレイ116内の1つの電極は、同時に電流注入用に構成することもでき、一方、電圧検出用に構成された第2の電極は、同時に電流検出用に構成することもできる。
【0053】
マイクロリレー回路302a~dは、1つ以上のマイクロリレー構成要素を使用して切り替えを実行する。マイクロリレー構成要素は、測定回路に追加される寄生インピーダンス又はキャパシタンス(1~2pF)を最小限に抑えて、電極への電流注入回路及び/又は電流検出回路の接続と切断とを有利に切り替える。このような寄生インピーダンス及びキャパシタンスの追加を回避することにより、電極セレクタ114は、収集された電気測定の精度を犠牲にすることなく、測定サブセット206a~cを迅速に切り替えることができる。マイクロリレー回路302a~dはまた、より遅い機械的回転スイッチの代わりに電気スイッチを使用するという利点も提供する。
【0054】
幾つかの実施態様では、マイクロリレー回路302a~dは、測定サブセット206aが電気的測定を実行しているときに、電極アレイ116内の1つ以上の電極によって引き起こされるクロストークを最小限に抑えるための1つ以上の補正技術を含みうる。例えば、測定サブセット206aの電極のみを測定電子機器に接続することができ、一方、測定サブセット206aに含まれない電極アレイ116内の他のすべての電極は、機械的又は電気的に絶縁することができる。幾つかの実施態様では、マイクロリレー回路302a~dは、反射及び位相シフトを回避するために、ソースとシンクのインピーダンスを一致させることができる。
【0055】
図4は、本発明のさまざまな実施態様による、切除した組織の1つ以上の切片についての計算したコール緩和周波数を示している。グラフ400は、電極アレイ116によって測定された電圧及び電流に基づいて、動作周波数の範囲についてのインピーダンスの計算した負のリアクタンス成分を示すインピーダンススペクトルを示している。グラフ410は、悪性細胞を含む可能性が高い、切除した組織サンプルの切片についてのインピーダンススペクトル412のリアクタンス成分の負の値を示している。グラフ430は、悪性細胞を含まない可能性が高い、切除した組織サンプルの切片についてのインピーダンススペクトル432のリアクタンス成分の負の値を示している。
【0056】
グラフ410は、がん存在閾値416、がん再発閾値417、及び転移閾値418を含む。インピーダンススペクトル412は、該インピーダンススペクトル412のリアクタンス成分の負のピークに対応するコール緩和周波数414を含む。幾つかの実施態様では、アナライザ121は、インピーダンススペクトル412のリアクタンス成分の負の値を生成し、曲線のピークに対応する周波数を決定することによって、コール緩和周波数414を計算する。他の実施態様では、コール緩和周波数は、インピーダンス曲線の抵抗成分とリアクタンス成分の両方に対するコール関数の最良適合として取得される。幾つかの実施態様では、アナライザ121は、コール緩和周波数を、がん存在閾値416、がん再発閾値417、及び/又は転移閾値418と比較することができる。さまざまな実施態様では、アナライザ121は、コール緩和周波数と、がん存在閾値416、がん再発閾値417、及び/又は転移閾値418との比較に基づいて、がんの再発予測を提供することができる。比較に基づいて、アナライザ121は、コール緩和周波数が、がん検出なしの範囲422、がん検出あり(再発なし)の範囲424、がん再発あり転移なしの範囲426、及び転移を伴うがん再発ありの範囲428内にあるかどうかを決定する。同様に、アナライザ121は、コール緩和周波数を閾値432~438と比較して、コール緩和周波数がそれぞれの範囲442~448内にあるかどうかを決定する。
【0057】
さまざまな実施態様では、アナライザ121は、コール緩和周波数414をがん存在閾値416と比較することができる。例えば、がん存在閾値416は100kHzでありうる。アナライザ121は、コール緩和周波数414ががん存在閾値416を超えていることから、切除した組織サンプルの切片が悪性細胞を含む可能性が高いと決定することができる。別の例では、アナライザ121は、インピーダンススペクトル432について決定されたコール緩和周波数434をがん存在閾値436と比較することができる。アナライザ121は、コール緩和周波数434ががん存在閾値436よりも低く、コール緩和周波数ががん検出なしの範囲442内にあることから、切除した組織サンプルの切片が悪性細胞を含まない可能性が高いと判断することができる。場合によっては、悪性がん細胞を含む組織サンプルのコール緩和周波数414は、悪性がん細胞を含まない組織サンプルのコール緩和周波数434よりも最大で1000倍大きくなる。
【0058】
幾つかの実施態様では、アナライザ121は、コール緩和周波数414をがん再発閾値417及び/又は転移閾値418と比較することができる。例えば、がん再発閾値は200~400kHzの範囲の値とすることができ、転移閾値418は300~600kHzの範囲の値とすることができる。示されるように、がん再発閾値417、437は300kHzであり、転移閾値418、438は600kHzである。
【0059】
動作中、アナライザ121は、切除した組織サンプルの切片が、臨界段階に近づいている可能性が高い細胞を含まないという評価を提供し、臨界転移段階は、より危険性の高いがん細胞濃度を示す。アナライザ121は、コール緩和周波数414が転移閾値418を下回っているという決定に基づいて評価を提供する。アナライザ121は、コール緩和周波数424が転移閾値428を下回ることから、切除した組織サンプルの切片が臨界段階に近づいている細胞を含まない可能性が高いという評価を提供することができる。幾つかの実施態様では、アナライザ121は、コール緩和周波数424を複数の閾値と比較することができ、閾値が高いほど、がん、再発、及び/又は転移の可能性が高いなど、より危険性の高い診断結果を示す。
【0060】
図5は、本発明のさまざまな実施態様による、計算したさまざまなコール緩和周波数に基づいた患者のサンプル群におけるがん検出の精度を示す表を示している。表500は、扁平上皮癌(SCC)、基底細胞癌(BCC)の診断の表形式の結果、及び組織分析システム100を使用した患者の群についての総合結果を示している。
【0061】
表530は、基底細胞癌についての177の試験のサンプルから、組織分析システム100が、切除した組織サンプルの97パーセントを超えて正確に分類したことを示している。組織分析システム100の精度は、高い検出率を含み、組織分析システム100が悪性細胞を実際に含む切除した組織において悪性細胞を正確に検出した割合を反映している。組織分析システム100の精度はまた、高い特異率も含み、組織分析システム100が実際に悪性細胞を含まない切除した組織において悪性細胞がないことを正確に検出した割合を反映している。
【0062】
表520は、扁平上皮癌についての29の試験のサンプルから、組織分析システム100が、切除した組織サンプルの各々を正確に分類したことを示している。表510は、組織分析システム100が、切除した組織サンプルの98パーセント超で、BCC又はSCCの有無を正確に検出したことを示している。組織分析システム100は、切除した組織サンプル中の癌性細胞を迅速かつ高精度で自動的に検出することについて、以前のデバイスに対する技術的改善を提供する。
【0063】
図6は、本発明のさまざまな実施態様による、がん細胞についての切除した組織のサンプルを自動的に分析及び評価するための方法ステップのフローチャートである。方法ステップは図1~4のシステムに関連して説明されているが、当業者は、方法ステップを任意の順序で実行するように構成された任意のシステムが本発明の範囲内にあることを理解するであろう。
【0064】
示されるように、切除した組織サンプルを自動的に分析及び評価するための方法600は、組織測定デバイス110の分類モジュール112が切除した組織サンプルの測定する切片を選択する、ステップ601から開始する。分類モジュール112に含まれるコントローラ123は、制御信号を電極セレクタ114に送信して、選択した切片を取り囲む電極アレイ116の測定サブセット206aを接続する。幾つかの実施態様では、コントローラ123は、メモリ125からロードされたプログラムからの命令に基づいて、切除した組織サンプルの切片を選択する。幾つかの実施態様では、コントローラ123は、(一又は複数の)I/Oユニット130を介して受信されたユーザ入力に基づいて、切除した組織サンプルの切片を選択する。
【0065】
ステップ603では、組織測定デバイス110が、切除した組織サンプルの切片についての少なくとも1つのインピーダンスを測定する。幾つかの実施態様では、コントローラ123は、切除した組織サンプルの切片の電圧及び電流を測定するために、電極セレクタ114に測定回路の動作周波数を掃引させることができる。このような場合、分類モジュール112は、各動作周波数で測定した電圧及び電流をメモリ125に保存することができる。追加的又は代替的に、分類モジュール112のアナライザ121は、測定した電圧と測定した電流の比として所与の動作周波数のインピーダンスを計算することができる。
【0066】
ステップ605では、組織測定デバイス110の分類モジュール112は、切除した組織サンプルの切片についての緩和周波数を計算することができる。さまざまな実施態様では、アナライザ121は、切除した組織サンプルの切片について計算された1つ以上のインピーダンスに基づいて、コール緩和周波数414、434を計算することができる。幾つかの実施態様では、アナライザ121は、単一の動作周波数でのインピーダンスに基づいて、コール緩和周波数414、434を計算することができる。追加的又は代替的に、アナライザ121は、複数の動作周波数で計算されたインピーダンスのセットから、インピーダンススペクトル412のリアクタンス成分の負の値を生成することができる。このような場合、アナライザ121は、次に、インピーダンススペクトル412、432のリアクタンス成分の負の値のピークを決定し、ピークが生じる周波数を決定することによって、コール緩和周波数414、434を計算することができる。
【0067】
ステップ606では、分類モジュール112は、コール緩和周波数に基づいて評価を生成する。アナライザ121は、コール緩和周波数414、434に基づいて癌性細胞の有無を決定する。さまざまな実施態様では、アナライザ121は、切除した組織サンプルの切片のコール緩和周波数414、434をがん存在閾値416、436と比較する。アナライザ121は、コール緩和周波数414、434ががん存在閾値416、436を上回る場合に、切除した組織サンプルの切片が癌性細胞を含むという指標を生成する。追加的又は代替的に、アナライザ121は、切除した組織サンプルの切片のコール緩和周波数414、434を、がん再発閾値417、437、及び/又は転移閾値418、438などの異なる閾値と比較する。アナライザ121は、コール緩和周波数414、434が転移閾値418、438を上回る場合に、転移を伴う癌の再発の可能性が高いことを示す予測を生成する。
【0068】
ステップ607では、組織測定デバイス110の分類モジュール112は、計算した結果及び/又は評価のうちの1つ以上を表示させる。例えば、分類モジュール112は、計算したコール緩和周波数414、434、癌性細胞が切除した組織サンプルの切片に存在するかどうかの予測、及び/又は患者ががんを再発するかどうかの予測を表示するグラフィック及び/又はテキスト情報を、ディスプレイ120に表示させることができる。幾つかの実施態様では、アナライザ121は、該アナライザ121が癌性細胞を含むと決定した、切除された組織サンプルの切片に対応する、癌性細胞の位置を特定するマッピング画像を生成することができる。このような場合、アナライザ121は、がん検出インジケータ及び/又はマッピング画像をディスプレイ120に送信することができる。
【0069】
ステップ609では、組織測定デバイス110の分類モジュール112は、切除した組織サンプルの別の切片を測定するかどうかを決定する。さまざまな実施態様では、コントローラ123は、切除した組織サンプルの複数の切片を事前定義された順序で測定するための命令を実行するときに、切除した組織サンプルの別の切片を測定する決定を行うことができる。例えば、コントローラ123は、電極アレイ116内の電極202a~lの単一の列を使用して、切除した組織サンプルの連続切片を測定するための命令を実行することができる。コントローラ123が別の切片を測定することを決定する場合、分類モジュール112はステップ611に進み、そうでない場合には、方法600はステップ613で終了する。
【0070】
ステップ613では、組織測定デバイス110の分類モジュール112は、切除した組織サンプルの異なる切片を測定するために、電極アレイ116の異なる測定サブセット206bを選択する。幾つかの実施態様では、コントローラ123は、電極セレクタ114に、1つ以上の電極を前の測定サブセット206aから切断させ、測定サブセット206bの電極を測定回路に接続させる。新しい測定サブセット206bに切り替えた後、組織測定デバイス110はステップ601に戻る。
【0071】
図7は、本発明のさまざまな実施態様による、切除した組織の切片のインピーダンスを検出するための方法ステップのフローチャートである。方法ステップは図1~4のシステムに関連して説明されているが、当業者は、方法ステップを任意の順序で実行するように構成された任意のシステムが本発明の範囲内にあることを理解するであろう。
【0072】
方法603は、方法600のステップ601とステップ605の間に行われる。示されるように、方法603は、分類モジュール112のコントローラ123が切除した組織サンプルの選択切片を測定するために電極の群を選択するステップ701で開始する。コントローラ123は、電極セレクタ114に、測定サブセット206aを測定回路に接続させる。幾つかの実施態様では、コントローラ123は、電極セレクタ114に、残りの電極を接地に短絡することによって、電極アレイ116内の残りのすべての電極を切断させる。
【0073】
ステップ703では、コントローラ123は、交流電流を測定するための動作周波数を選択する。幾つかの実施態様では、コントローラ123は、信号発生器を含む電極セレクタ114に制御信号を送信する。コントローラ123は、電極セレクタ114内の信号発生器に、交流電流を有する測定信号を生成させ、該交流電流の周波数は動作周波数である。
【0074】
ステップ705では、電極セレクタ114は、動作周波数で測定信号を注入する。幾つかの実施態様では、電極セレクタ114は、測定サブセット206内の電極対を信号発生器に接続して電流経路を閉じることによって、測定信号を注入する。幾つかの実施態様では、電流経路は、測定信号の電流を測定する電流検出回路又は電流検出デバイスを含みうる。
【0075】
ステップ707では、電極セレクタ114は、切除した組織サンプルの切片の電圧を検知する。幾つかの実施態様では、電極セレクタ114は、1つ以上の電極202b~cを電圧検出回路又はデバイスに接続する。1つ以上の電極202b~cは、電流経路を形成する電極対の間に物理的に配置されている。1つ以上の電極202b~cは、測定信号を運ぶ電流経路に迷走電流を導入しない高インピーダンス電圧検出回路を提供する。幾つかの実施態様では、電圧検出回路は、電圧検出回路に含まれる1つ以上の電極202b~c間に配置された、切除した組織サンプルの切片の電圧を測定する。
【0076】
ステップ709では、分類モジュール112のコントローラ123は、切除した組織の切片の電気的特性を別の周波数で測定するかどうかを決定する。幾つかの実施態様では、コントローラ123は、周波数掃引の一部として測定した信号の動作周波数を変更し、複数の動作周波数を使用して切除組織サンプルの同じ切片を測定することができる。幾つかの実施態様では、コントローラ123は、指定された周波数範囲にわたって一定の割合で動作周波数を増加させることができる。例えば、コントローラ123は、1kHzの初期動作周波数を設定し、1MHzの最終動作周波数に達するまで、動作周波数を50kHzずつ増加させることができる。コントローラ123が、測定回路が別の周波数で測定を実行することを決定すると、コントローラ123はステップ703に戻り、そうでない場合、コントローラ123は方法600のステップ605に進む。
【0077】
要約すると、本明細書に開示される組織分析システムは、切除した組織の切片の測定したインピーダンスに基づいて、切除した組織のサンプル内で癌性細胞を自動的に検出することを可能にする。組織分析システムのコントローラは、電極セレクタを使用して、電極アレイ内の第1の電極サブセットを選択し、該第1の電極サブセットは、切除した組織の所与の切片に電流を伝える。電流が切除した組織の所与の切片を通じて伝わるときに、組織分析システムに含まれるアナライザが、切除した組織の所与の切片の電気インピーダンスを測定する。次に、アナライザは、測定した電気インピーダンスに基づいて、切除した組織の所与の切片のコール緩和周波数を計算する。切除した組織の所与の切片についてのコール緩和周波数は、細胞膜が蓄積された電荷を放出する速度を反映している。アナライザは、切除した組織の切片に与えられた計算したコール緩和周波数を、切除した組織の切片における癌性細胞の濃度に関連する1つ以上の閾値と比較する。切除した組織の所与の切片について計算したコール緩和周波数ががん存在閾値を超える場合、切除した組織の所与の切片に癌性細胞が存在すると見なされる。同様に、切除した組織の所与の切片についての計算したコール緩和周波数ががん再発閾値を超える場合、アナライザは、患者にがんが再発するが、転移する可能性は低いという予測を提供する。切除した組織の所与の切片についての計算したコール緩和周波数が転移を伴うがん再発閾値を超える場合、アナライザは、患者における転移の可能性を伴って、がんが再発するという予測を提供する。
【0078】
幾つかの実施態様では、電極セレクタは、電極アレイによって、切除した組織の異なる切片の測定されたインピーダンスにクロストーク信号、漂遊インピーダンス、又は他の寄生電荷が導入されるのを防ぐために、電極アレイ内の各電極に接続された別個のマイクロリレーを含む。このような場合、コントローラは、切除した組織の異なる切片についてのインピーダンスを決定するために、電極アレイに含まれる電極の異なるサブセットを電極セレクタに選択させる。したがって、アナライザは、切除した組織の各切片について測定されたそれぞれのインピーダンスに基づいて、それらの切片についての癌性細胞の存在を判断することができる。アナライザはまた、癌性細胞を含むと決定された異なる切片の位置に基づいて、検出された癌性細胞の各位置を示す。さまざまな実施態様では、電極セレクタは、クロストーク及び漂遊インピーダンスを防ぐために、電極の測定サブセットのみを所与の時間に単一の電子機器セットに機械的に接続する。このような場合、電極セレクタは、単一の電子機器セットを電極の測定サブセットに接続するために、単一の電極セットを移動する信号を出す。
【0079】
開示された技術の主な利点は、組織分析システムにより、ユーザが、計算されたコール緩和周波数に基づいて、組織内の癌細胞の存在及び位置を高精度で迅速に検出することができることである。コール緩和周波数に基づいて癌性細胞を検出することにより、外科医は、凍結切片の調製及び各切除組織層の顕微鏡評価を必要とせずに、MMS中に切除組織を評価する際に高い精度を維持することができ、MMSの手順時間を大幅に短縮することができる。MMSの時間の短縮は、皮膚がんの治療としてMMSを実施するコストも大幅に削減する。
【0080】
開示された技術の別の利点は、組織分析システムが、寄生インピーダンス又はキャパシタンスを導入することなく、切除された組織サンプルの電気的特性を測定するために電極の接続及び切断を有利に切り替えるマイクロリレー構成要素及び/又は機械的構成要素を含むことである。寄生インピーダンス及びキャパシタンスの追加を回避することにより、組織分析システムは、収集される電気的測定の精度を犠牲にすることなく、異なる電極への接続を迅速に切り替えることができる。さらには、組織分析システムは、切除した組織を確実に分析して、患者にがんが再発する可能性と、がんの再発が最終的に転移につながるかどうかを予測する。したがって、本開示のシステムは、ユーザががんの再発の確率を確実に決定することを可能にし、これは、がんの再発及び転移に関連する特定の治療をもたらしうる。
【0081】
1.さまざまな実施態様では、患者における癌性細胞の再発を予測する方法であって、該方法は、第1の周波数で動作する電極アレイに含まれる第1の電極サブセットによって、患者から切除した組織の第1のサンプルの第1の切片の第1のインピーダンスを測定するステップ、第1のインピーダンスに基づいて第1のサンプルの第1の切片についての第1のコール緩和周波数を計算するステップ、及び、少なくとも一部には第1のコール緩和周波数に基づいて患者の癌性細胞に関する第1の予測を生成するステップを含む。
【0082】
2.第1の周波数で電極アレイに含まれる第2の電極サブセットによって、第1のサンプルの第2の切片の第2のインピーダンスを測定するステップをさらに含む、第1項に記載の方法。
【0083】
3.第2のインピーダンスに基づいて第1のサンプルの第2の切片についての第2のコール緩和周波数を計算するステップをさらに含み、第1の予測が、第1のコール緩和周波数及び第2のコール緩和周波数のうちの少なくとも一方に基づいている、第1項又は第2項に記載の方法。
【0084】
4.第1のサンプル内の第1の切片に関連する第1の位置、及び第1のサンプル内の第2の切片に関連する第2の位置に基づいて、第1のサンプルにおける癌細胞の位置を決定することをさらに含む、第1項~第3項のいずれか一項に記載の方法。
【0085】
5.第1の周波数で動作する電極アレイに含まれる第2の電極サブセットによって、第1のサンプルの第1の切片の第2のインピーダンスを測定するステップ、第2のインピーダンスに基づいて第1のサンプルの第1の切片についての第2のコール緩和周波数を計算するステップ、及び、患者の癌性細胞に関する第2の予測を生成するステップ、をさらに含み、ここで、第2の予測が、少なくとも第1のコール緩和周波数又は第2のコール緩和周波数に基づいている、第1項~第4項のいずれか一項に記載の方法。
【0086】
6.第1のコール緩和周波数が、第1のサンプルの第1の切片に含まれる複数の細胞膜に関連する平均放電速度を含む、第1項~第5項のいずれか一項に記載の方法。
【0087】
7.第1の予測を生成するステップが、第1のコール緩和周波数が第1の閾値を超えることを決定すること、及び、第1の予測について、第1の閾値を超えることに関連する事前定義された予測を選択することを含む、第1項~第6項のいずれか一項に記載の方法。
【0088】
8.第1のサンプルの第1の切片の第1のインピーダンスを測定するステップが、第1の電極サブセットに含まれる第1の電極で、第1の周波数で第1の交流電流を注入すること、第1の電極サブセットに含まれる第2の電極で、第1の交流電流を戻すこと、及び、交流電流が第1のサンプルの第1の切片を通過するときに、第1の電極と第2の電極との間に位置した1つ以上の電極で、第1のサンプルの第1の切片に関連する電圧を測定することを含む、第1項~第7項のいずれか一項に記載の方法。
【0089】
9.さまざまな実施態様では、患者における癌性細胞の再発を予測するための装置であって、該装置は、第1の周波数で動作中に、患者から切除した組織の第1のサンプルの第1の切片の第1のインピーダンスを測定する電極アレイに含まれる第1の電極サブセットと、第1のインピーダンスに基づいて第1のサンプルの第1の切片についての第1のコール緩和周波数を計算し、患者の癌性細胞に関する第1の予測を生成するアナライザとを含み、ここで、第1の予測は、少なくとも第1のコール緩和周波数に基づいている。
【0090】
10.第1の電極サブセットが、第1の電極、該第1の電極に平行な第2の電極、及び第1及び第2の電極に平行な第3の電極を含み、第1の電極と第2の電極との間の第1の距離が、第2の電極と第3の電極との間の第2の距離に等しい、第9項に記載の装置。
【0091】
11.第1の電極サブセットが、第1の周波数で第1の交流電流を注入する第1の電極、第1の交流電流を戻す第2の電極、及び、第1の電極と第2の電極との間に位置した少なくとも1つの第3の電極を含み、ここで、少なくとも1つの第3の電極が、交流電流が第1のサンプルの第1の切片を通過するときに第1のサンプルの第1の切片に関連する電圧を測定する、第9項又は第10項に記載の装置。
【0092】
12.電極アレイに接続されたセレクタをさらに含み、該セレクタが、第1の電極サブセットを電気的に接続し、第1の電極サブセットが第1のインピーダンスを測定するときに電極アレイに含まれる残りのすべての電極を電気的に切断する、第9項~第11項のいずれか一項に記載の装置。
【0093】
13.第1の周波数で、第1のサンプルの第2の切片の第2のインピーダンスを測定する、電極アレイに含まれる第2の電極サブセットと、第1のインピーダンスを測定するときに第1の電極サブセットを、セレクタを介して電気的に接続し、かつ、第2のインピーダンスを測定するときに第2の電極サブセットを、前記セレクタを介して電気的に接続するコントローラとをさらに含む、第9項~第12項のいずれか一項に記載の装置。
【0094】
14.装置が、第1のコール緩和周波数が第1の閾値を超えることを決定すること、及び、第1の予測について、第1の閾値を超えることに関連する事前定義された予測を選択することによって、第1の予測を生成する、第9項~第13項のいずれか一項に記載の装置。
【0095】
15.第1の周波数が1kHz~25MHzの周波数である、第9項~第14項のいずれか一項に記載の装置。
【0096】
16.電極アレイに含まれる少なくとも1つの電極が白金電極を含む、第9項~第15項のいずれか一項に記載の装置。
【0097】
17.電極アレイに含まれる各電極が、第1のサンプルと接触するときに実質的に平坦である非侵襲性電極を含む、第9項~第16項のいずれか一項に記載の装置。
【0098】
18.さまざまな実施態様では、1つ以上の非一時的コンピュータ可読媒体は、1つ以上のプロセッサで実行させたときに、1つ以上のプロセッサに、第1の周波数で動作する電極アレイに含まれる第1の電極サブセットによって、患者から切除された組織の第1のサンプルの第1の切片の第1のインピーダンスを測定するステップ、第1のインピーダンスに基づいて第1のサンプルの第1の切片についての第1のコール緩和周波数を計算するステップ、及び、少なくとも一部には第1のコール緩和周波数に基づいて患者の癌性細胞に関する第1の予測を生成するステップを実行させる命令を含む。
【0099】
19.命令が、1つ以上のプロセッサに、第1の周波数で電極アレイに含まれる第2の電極サブセットによって、第1のサンプルの第1の切片の第2のインピーダンスを測定するステップ、第2のインピーダンスに基づいて第1のサンプルの第1の切片についての第2のコール緩和周波数を計算するステップ、及び、患者の癌性細胞に関する第2の予測を生成するステップをさらに実行させ、ここで、第2の予測が、少なくとも第1のコール緩和周波数又は第2のコール緩和周波数に基づいている、第18項に記載の1つ以上の非一時的コンピュータ可読媒体。
【0100】
20.第1の予測を生成するステップが、第1のコール緩和周波数が第1の閾値を超えることを決定すること、及び、第1の予測について、第1の閾値を超えることに関連する事前定義された予測を選択することを含む、第18項又は第19項に記載の1つ以上の非一時的コンピュータ可読媒体。
【0101】
請求項のいずれかに列挙されている及び/又は本出願に記載される任意の要素に列挙されている請求項要素のいずれか及びすべての組合せは、いかなる態様であっても、本発明及び保護の企図された範囲内にある。
【0102】
さまざまな実施態様の説明は、例示の目的で提示されているが、網羅的であることを意図するものではなく、開示される実施態様に限定されるものでもない。説明された実施態様の範囲及び精神から逸脱することなく、多くの修正及び変形が当業者には明らかであろう。
【0103】
本実施態様の態様は、システム、方法、又はコンピュータプログラム製品として具現化することができる。したがって、本開示の態様は、完全にハードウェアの実施態様、完全にソフトウェアの実施態様(ファームウェア、常駐ソフトウェア、マイクロコードなどを含む)、あるいは、本明細書ではすべて概して「モジュール」又は「システム」と呼ばれうるソフトウェアとハードウェアの態様を組み合わせた実施態様の形をとることができる。さらには、本開示の態様は、具現化されたコンピュータ可読プログラムコードを有する1つ以上のコンピュータ可読媒体において具現化されたコンピュータプログラム製品の形をとることができる。
【0104】
1つ以上のコンピュータ可読媒体のいずれかの組合せを利用することができる。コンピュータ可読媒体は、コンピュータ可読信号媒体又はコンピュータ可読記憶媒体でありうる。コンピュータ可読記憶媒体は、例えば、限定はしないが、電子、磁気、光学、電磁気、赤外線、又は半導体のシステム、装置、又はデバイス、若しくは前述の任意の適切な組合せでありうる。コンピュータ可読記憶媒体のより具体的な例(網羅的ではないリスト)には、次のものが含まれよう:1つ以上のワイヤを有する電気接続、ポータブルコンピュータディスケット、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み取り専用メモリ(ROM)、消去可能なプログラム可能な読み取り専用メモリ(EPROM又はフラッシュメモリ)、光ファイバ、ポータブルコンパクトディスク読み取り専用メモリ(CD-ROM)、光記憶デバイス、磁気記憶デバイス、若しくは前述の任意の適切な組合せ。この文書の文脈において、コンピュータ可読記憶媒体は、命令実行システム、装置、又はデバイスによって、若しくはそれらに関連して使用するためのプログラムを含むか、記憶することができる任意の有形的表現媒体でありうる。
【0105】
本開示の態様は、本開示の実施態様による方法、装置(システム)、及びコンピュータプログラム製品のフローチャート図及び/又はブロック図を参照して上で説明されている。フローチャート図及び/又はブロック図の各ブロック、並びに、フローチャート図及び/又はブロック図のブロックの組合せは、コンピュータプログラム命令によって実装させることができることが理解されよう。これらのコンピュータプログラム命令は、機械を製造するために、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、又は他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサに提供されうる。命令は、コンピュータ又は他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサを介して実行させると、フローチャート及び/又はブロック図の一又は複数のブロックで指定された機能/動作の実装を可能にする。このようなプロセッサは、限定はしないが、汎用プロセッサ、専用プロセッサ、アプリケーション固有のプロセッサ、又はフィールドプログラマブルゲートアレイでありうる。
【0106】
図面中のフローチャート及びブロック図は、本開示のさまざまな実施態様による、システム、方法、及びコンピュータプログラム製品の可能な実装のアーキテクチャ、機能、及び動作を示している。この点に関し、フローチャート又はブロック図の各ブロックは、指定された論理機能を実装するための1つ以上の実行可能命令を含む、モジュール、セグメント、又はコードの一部を表しうる。幾つかの代替の実装形態では、ブロックに示されている機能が、図に示されている順序とは異なる場合があることにも注意する必要がある。例えば、連続して示される2つのブロックは、実際には実質的に同時に実行される場合があり、あるいは、関連する機能に応じて、時折、ブロックが逆の順序で実行される場合がある。ブロック図及び/又はフローチャート図の各ブロック、並びにブロック図及び/又はフローチャート図のブロックの組合せは、指定された機能又は動作を実行する専用ハードウェアベースのシステムによって、若しくは専用ハードウェアとコンピュータ命令との組合せによって実装できることにも留意されたい。
【0107】
以下、本発明の好ましい実施形態を項分け記載する。
【0108】
実施形態1
患者における癌性細胞の再発を予測する方法であって、
第1の周波数で動作する電極アレイに含まれる第1の電極サブセットによって、前記患者から切除した組織の第1のサンプルの第1の切片の第1のインピーダンスを測定するステップ;
前記第1のインピーダンスに基づいて前記第1のサンプルの前記第1の切片についての第1のコール緩和周波数を計算するステップ;及び
少なくとも一部には前記第1のコール緩和周波数に基づいて前記患者の癌性細胞に関する第1の予測を生成するステップ
を含む、方法。
【0109】
実施形態2
前記第1の周波数で前記電極アレイに含まれる第2の電極サブセットによって、前記第1のサンプルの第2の切片の第2のインピーダンスを測定するステップをさらに含む、実施形態1に記載の方法。
【0110】
実施形態3
前記第2のインピーダンスに基づいて、前記第1のサンプルの前記第2の切片についての第2のコール緩和周波数を計算するステップをさらに含み、前記第1の予測が、前記第1のコール緩和周波数及び前記第2のコール緩和周波数のうちの少なくとも一方に基づいている、実施形態2に記載の方法。
【0111】
実施形態4
前記第1のサンプル内の前記第1の切片に関連する第1の位置、及び前記第1のサンプル内の前記第2の切片に関連する第2の位置に基づいて、前記第1のサンプルにおける癌性細胞の位置を決定するステップをさらに含む、実施形態3に記載の方法。
【0112】
実施形態5
前記第1の周波数で動作する前記電極アレイに含まれる第2の電極サブセットによって、前記第1のサンプルの前記第1の切片の第2のインピーダンスを測定するステップ;
前記第2のインピーダンスに基づいて前記第1のサンプルの前記第1の切片についての第2のコール緩和周波数を計算するステップ;及び
前記患者の癌性細胞に関する第2の予測を生成するステップであって、前記第2の予測が、少なくとも前記第1のコール緩和周波数又は前記第2のコール緩和周波数に基づいているステップ
をさらに含む、実施形態1に記載の方法。
【0113】
実施形態6
前記第1のコール緩和周波数が、前記第1のサンプルの前記第1の切片に含まれる複数の細胞膜に関連する平均放電速度を含む、実施形態1に記載の方法。
【0114】
実施形態7
前記第1の予測を生成するステップが、
前記第1のコール緩和周波数が第1の閾値を超えていることを決定すること;及び
前記第1の予測について、前記第1の閾値を超えることに関連する事前定義された予測を選択すること
を含む、実施形態1に記載の方法。
【0115】
実施形態8
前記第1のサンプルの前記第1の切片の前記第1のインピーダンスを測定するステップが、
前記第1の電極サブセットに含まれる第1の電極で、前記第1の周波数で第1の交流電流を注入すること;
前記第1の電極サブセットに含まれる第2の電極で、前記第1の交流電流を戻すこと;及び
前記交流電流が前記第1のサンプルの前記第1の切片を通過するときに、前記第1の電極と前記第2の電極との間に位置した1つ以上の電極で、前記第1のサンプルの前記第1の切片に関連する電圧を測定すること
を含む、実施形態1に記載の方法。
【0116】
実施形態9
患者における癌性細胞の再発を予測するための装置であって、該装置が、
第1の周波数で動作中に、前記患者から切除した組織の第1のサンプルの第1の切片の第1のインピーダンスを測定する電極アレイに含まれる第1の電極サブセット;及び
アナライザであって、
前記第1のインピーダンスに基づいて前記第1のサンプルの前記第1の切片についての第1のコール緩和周波数を計算し;かつ
前記患者の癌性細胞に関する第1の予測を生成し、該第1の予測が少なくとも前記第1のコール緩和周波数に基づいている、
アナライザ
を含む、装置。
【0117】
実施形態10
前記第1の電極サブセットが、
第1の電極;
前記第1の電極に平行な第2の電極;及び
前記第1及び第2の電極に平行な第3の電極
を含み、
前記第1の電極と第2の電極との間の第1の距離が、前記第2の電極と第3の電極との間の第2の距離に等しい、
実施形態9に記載の装置。
【0118】
実施形態11
前記第1の電極サブセットが、
前記第1の周波数で第1の交流電流を注入する第1の電極;
前記第1の交流電流を戻す第2の電極;及び
前記第1の電極と前記第2の電極との間に位置した少なくとも1つの第3の電極
を含み、
前記交流電流が前記第1のサンプルの前記第1の切片を通過するときに、前記少なくとも1つの第3の電極が、前記第1のサンプルの前記第1の切片に関連する電圧を測定する、
実施形態9に記載の装置。
【0119】
実施形態12
前記電極アレイに接続されたセレクタをさらに含み、該セレクタが、前記第1の電極サブセットを電気的に接続し、前記第1の電極サブセットが前記第1のインピーダンスを測定するときに前記電極アレイに含まれる残りのすべての電極を電気的に切断する、実施形態9に記載の装置。
【0120】
実施形態13
前記第1の周波数で、前記第1のサンプルの第2の切片の第2のインピーダンスを測定する、前記電極アレイに含まれる第2の電極サブセット;及び
コントローラであって、
前記第1のインピーダンスを測定するときに、前記セレクタを介して、前記第1の電極サブセットを電気的に接続し、かつ
前記第2のインピーダンスを測定するときに、前記セレクタを介して、前記第2の電極サブセットを電気的に接続する、
コントローラ
をさらに含む、実施形態12に記載の装置。
【0121】
実施形態14
前記装置が、
前記第1のコール緩和周波数が第1の閾値を超えていることを決定すること;及び
前記第1の予測について、前記第1の閾値を超えることに関連する事前定義された予測を選択すること
によって前記第1の予測を生成する、実施形態9に記載の装置。
【0122】
実施形態15
前記第1の周波数が1kHz~25MHzの周波数である、実施形態9に記載の装置。
【0123】
実施形態16
前記電極アレイに含まれる少なくとも1つの電極が白金電極を含む、実施形態9に記載の装置。
【0124】
実施形態17
前記電極アレイに含まれる各電極が、前記第1のサンプルと接触するときに実質的に平坦である非侵襲性電極を含む、実施形態9に記載の装置。
【0125】
実施形態18
1つ以上のプロセッサによって実行されたときに、前記1つ以上のプロセッサに、
第1の周波数で動作する電極アレイに含まれる第1の電極サブセットによって、患者から切除された組織の第1のサンプルの第1の切片の第1のインピーダンスを測定するステップ;
前記第1のインピーダンスに基づいて前記第1のサンプルの前記第1の切片についての第1のコール緩和周波数を計算するステップ;及び
少なくとも一部には前記第1のコール緩和周波数に基づいて前記患者の癌性細胞に関する第1の予測を生成するステップ
を実行させる命令を含む、1つ以上の非一時的コンピュータ可読媒体。
【0126】
実施形態19
前記命令が、前記1つ以上のプロセッサに、
前記第1の周波数で電極アレイに含まれる第2の電極サブセットによって、前記第1のサンプルの前記第1の切片の第2のインピーダンスを測定するステップ;
前記第2のインピーダンスに基づいて前記第1のサンプルの前記第1の切片についての第2のコール緩和周波数を計算するステップ;及び
前記患者の癌性細胞に関する第2の予測を生成するステップであって、前記第2の予測が、少なくとも前記第1のコール緩和周波数又は前記第2のコール緩和周波数に基づいている、ステップ
をさらに実行させる、実施形態18に記載の1つ以上の非一時的コンピュータ可読媒体。
【0127】
実施形態20
前記第1の予測を生成するステップが、
前記第1のコール緩和周波数が第1の閾値を超えていることを決定すること;及び
前記第1の予測について、前記第1の閾値を超えることに関連する事前定義された予測を選択すること
を含む、実施形態18に記載の1つ以上の非一時的コンピュータ可読媒体。
【0128】
上記は本開示の実施態様を対象としているが、本開示の他の及びさらなる実施態様は、その基本的な範囲から逸脱することなく考案することができ、その範囲は、以下の特許請求の範囲によって決定される。
【符号の説明】
【0129】
100 組織分析システム
110 組織測定デバイス
112 分類モジュール
114 電極セレクタ
116 電極アレイ
120ディスプレイ
121 アナライザ
123 コントローラ
125 メモリ
130 I/Oユニット
202a~l,204a~l 電極
206a,206b,206c 測定サブセット
208a,208b,208c 切片
302a~d マイクロリレー回路
304 リレードライバ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7