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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023052285
(43)【公開日】2023-04-11
(54)【発明の名称】歯のホワイトニング
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/04 20060101AFI20230404BHJP
   A61Q 11/02 20060101ALI20230404BHJP
   A61K 8/22 20060101ALI20230404BHJP
   A61K 8/31 20060101ALI20230404BHJP
   A61C 19/06 20060101ALI20230404BHJP
【FI】
A61K8/04
A61Q11/02
A61K8/22
A61K8/31
A61C19/06 A
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023001769
(22)【出願日】2023-01-10
(62)【分割の表示】P 2021070313の分割
【原出願日】2017-10-23
(31)【優先権主張番号】62/413,214
(32)【優先日】2016-10-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/413,189
(32)【優先日】2016-10-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/413,222
(32)【優先日】2016-10-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/413,229
(32)【優先日】2016-10-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/413,237
(32)【優先日】2016-10-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/413,205
(32)【優先日】2016-10-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/413,200
(32)【優先日】2016-10-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.プルロニック
(71)【出願人】
【識別番号】590005058
【氏名又は名称】ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー
【氏名又は名称原語表記】THE PROCTER & GAMBLE COMPANY
【住所又は居所原語表記】One Procter & Gamble Plaza, Cincinnati, OH 45202,United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【弁理士】
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100137523
【弁理士】
【氏名又は名称】出口 智也
(74)【代理人】
【識別番号】100141830
【弁理士】
【氏名又は名称】村田 卓久
(74)【代理人】
【識別番号】100152423
【弁理士】
【氏名又は名称】小島 一真
(72)【発明者】
【氏名】ジャヤンス、ラジャイア
(72)【発明者】
【氏名】ポール、アルバート、セーゲル
(57)【要約】      (修正有)
【課題】歯をホワイトニングするための、電磁放射線源と共に使用される多相口腔用組成物と送達支持材料を含むキットを提供する。
【解決手段】a)送達支持材料と、b)漂白剤を含む、油中水型エマルションである多相口腔用組成物と、c)約200nm~約1700nmの範囲での1つ以上の波長を伴う電磁放射線を、少なくとも1本の歯に向かって方向付けることを可能にする電磁放射線源を含むキットである。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)送達支持材料と、
b)歯をホワイトニングするための多相口腔用組成物であって、
i.漂白剤を含む、前記多相口腔用組成物の約0.002重量%~約5重量%の水相と、
ii.疎水性相と、を含む、多相口腔用組成物と、
c)約200nm~約1700nmの範囲での1つ以上の波長を伴う電磁放射線を、少なくとも1本の歯に向かって方向付けることを可能にする、電磁放射線源と、を含み、かつ
前記漂白剤の濃度が、前記多相口腔用組成物の0.1重量%以下であり、
前記疎水性相が、前記多相口腔用組成物の優勢部分であり、
前記多相口腔用組成物が、油中水型エマルションである、キット。
【請求項2】
前記多相口腔用組成物全体中に存在する漂白剤の重量パーセントでの濃度に対する、前記水相中に存在する漂白剤の重量パーセントでの濃度の比率が、少なくとも約50であり、好ましくは、前記多相口腔用組成物全体中に存在する漂白剤の重量パーセントでの濃度に対する、前記水相中に存在する漂白剤の重量パーセントでの濃度の比率が、少なくとも約100である、請求項1に記載のキット。
【請求項3】
前記漂白剤の量が、前記多相口腔用組成物の約0.01重量%~約0.095重量%の範囲である、請求項1又は2に記載の多相口腔用組成物。
【請求項4】
前記疎水性相又は前記多相口腔用組成物の円錐貫入稠度値が、ASTM D937-07により測定された際に約100~約300であり、好ましくは、前記疎水性相又は前記多相口腔用組成物の前記円錐貫入稠度値が、ASTM D937-07により測定された際に約100~約250である、請求項1~3のいずれか一項に記載の多相口腔用組成物。
【請求項5】
前記疎水性相の滴下融点が、ASTM D127-08により測定された際に、約40C~約80Cである、請求項1~4のいずれか一項に記載の多相口腔用組成物。
【請求項6】
本明細書で明記された手順を使用して測定された、約10000平方ミクロンよりも大きい断面領域を伴う二次元の液滴密度が、平方センチメートル当たり約20以下である、好ましくは、本明細書で明記された前記手順を使用して測定された、約10000平方ミクロンよりも大きい断面領域を伴う前記二次元の液滴密度が、平方センチメートル当たり約10以下である、請求項1~5のいずれか一項に記載の多相口腔用組成物。
【請求項7】
本明細書に明記された手順を使用して測定された、過酸化物試験ストリップ上に塗抹された前記多相口腔用組成物の過酸化物強度の標準偏差が、約50以下であり、好ましくは、本明細書に明記された前記手順を使用して測定された、過酸化物試験ストリップ上に塗抹された前記多相口腔用組成物の前記過酸化物強度の前記標準偏差が、約25以下である、請求項1~6のいずれか一項に記載の多相口腔用組成物。
【請求項8】
本明細書に明記された手順を使用して測定された、酸化物試験ストリップ上に塗抹された前記多相口腔用組成物の平均過酸化物強度が、約1~約100である、請求項1~7のいずれか一項に記載の多相口腔用組成物。
【請求項9】
本明細書に明記された手順を使用して測定された、歯の上に塗抹された前記多相口腔用組成物の平均残留過酸化物強度が、約20~約200である、請求項1~8のいずれか一項に記載の多相口腔用組成物。
【請求項10】
前記多相口腔用組成物中の前記漂白剤が、過酸化水素を含む、請求項1~9のいずれか一項に記載の多相口腔用組成物。
【請求項11】
-Abとして算出され、かつ本明細書にて開示されたように臨床プロトコル当たりで測定された、前記多相口腔用組成物中の漂白有効性が、少なくとも約1.5である、請求項1~10のいずれか一項に記載の多相口腔用組成物。
【請求項12】
前記多相口腔用組成物全体中に存在する漂白剤の重量パーセントに対する、-Δbとして算出され、かつ本明細書にて開示されたように臨床プロトコル当たりで測定された、前記多相口腔用組成物中の漂白有効性の比率が、少なくとも約1.5である、請求項1~11のいずれか一項に記載の多相口腔用組成物。
【請求項13】
送達支持材料を含む、請求項1~12のいずれか一項に記載の多相口腔用組成物。
【請求項14】
前記送達支持材料がストリップである、請求項13に記載の多相口腔用組成物。
【請求項15】
前記電磁放射線源が、約400nm~約500nmの範囲の電磁放射線を放出し、本明細書に記載された手順を使用して測定された約175mW/cm2~約225mW/cm2の範囲にて、少なくとも1本の歯における前記送達支持材料の外側表面上に衝突する、請求項14に記載の、歯をホワイトニングするためのキット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、歯をホワイトニングするための、電磁放射線源と共に使用される多相口腔用組成物を有する送達支持材料に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、種々の美容剤及び/又は治療剤が歯及び口腔へと送達されることによる歯科用製品が、市場に存在する。このような製品の例としては、例えば、ポリホスフェート又はフッ化物といった口腔剤を送達するための歯磨き用製品などの、ブラッシング補助剤、口臭予防剤又は抗菌剤を含有するうがい薬、及び歯に漂白剤を送達するためのホワイトニングストリップが挙げられる。特に、歯及び口腔粘膜表面へと、美容的効果及び治療的効果を送達する、便利かつ安価な方法として、歯科用ストリップの使用が認識されており、例えば、ホワイトニング組成物がストリップに塗布され、その後歯に塗布されて、歯とホワイトニング組成物との間に、持続的な接触を達成する歯科用ホワイトニングストリップの使用が認識されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
特に歯をホワイトニングするための、口腔状態処置用の上記の周知のアプローチにもかかわらず、漂白有効性の向上、ホワイトニング速度の増大、歯の刺激敏感性の減少、及び/又は口腔軟組織の過敏の減少のいずれをも伴う製品を提供する必要性が、依然として存在している。従来技術は、一般に、組成物における漂白剤の量を増大させることにより、漂白効能の向上又はホワイトニング速度の増大に対応するよう、試みてきた。しかし、このアプローチは、いくつかの問題を提示している。第1に、参加者は、増大した漂白剤の量を使用することに伴い得る、過敏及び/又は刺激敏感性の増大を経験する場合がある。なお、世界中にわたる様々な地域におけるいくつかの規制当局及び法律は、上記の特定の濃度レベルにて漂白剤を製品に使用することを許容していない。従って、特に歯をホワイトニングするための、口腔状態処置用の上記の周知のアプローチにもかかわらず、漂白有効性の向上、ホワイトニング速度の増大、歯の刺激敏感性の減少、及び/又は口腔軟組織の過敏の減少を伴う製品を提供する必要性が、依然として存在している。本発明は、先行技術の制限のいくつかを克服し、かつ漂白剤、水相、及び疎水性相を含む多相口腔用組成物に関し、特定の実施形態において、疎水性相は、水相に対して比率が優勢であってよい。
【課題を解決するための手段】
【0004】
理論により制限されるものではないが、驚くべきことに、漂白剤は、本明細書にて開示した多相口腔用組成物において提供された場合に、非常に低い濃度にて効果的である、ということが見出されてきた。
【0005】
特定の実施形態では、送達支持材料と、特定の実施形態では、漂白剤を含む、多相口腔用組成物の約0.002重量%~約5重量%の水相と、疎水性相と、を有する、歯をホワイトニングするための多相口腔用組成物と、約200nm~約1700nmの範囲での1つ以上の波長を伴う電磁放射線を、少なくとも1つの歯に向かって方向付けることを可能にする、電磁放射線源と、を含む、キットが提供され、漂白剤の濃度は、多相口腔用組成物の0.1重量%までであってよく、疎水性相は、多相口腔用組成物の優勢部分であってよく、多相口腔用組成物は、油中水型エマルションであってよく、また送達支持材料は、多相口腔用組成物を支持するのに好適である。
【0006】
本発明は、組成物を歯に直接塗布することにより、口腔へとホワイトニング効果を送達するために使用されてよい。なお、本組成物は、ストリップ若しくは材料のフィルム、歯科用トレイ、スポンジ材料、又はこれらの混合物などの送達支持材料を介して、塗布されてよい。送達支持材料は、本明細書において、組成物を介して歯に付着させてよい、又は接着機能は、本明細書において、本発明の組成物に依存せずに提供され得る(例えば、本発明の組成物及び送達支持材料と共に使用される別個の接着剤組成物を介して、提供され得る)。
【0007】
送達支持材料は、送達支持材料の一部である付着手段を介して歯に付着されてよく、例えば、送達支持材料は、所望により、一度適用されると、送達支持材料が内腔軟組織に重なって、漂白に可能な歯の表面が大きくなるのに十分なサイズであってよい。送達支持材料はまた、送達支持材料と歯を含む口腔表面との間の物理的干渉又は機械的連動により、口腔に付着されてよい。
【0008】
送達支持材料は、約400nm~約500nmの波長を伴う電磁放射線に対して、透明又は半透明であってよい。特定の実施形態では、送達支持材料は、約400nm~約500nmの電磁放射線が、約10%、20%、又は30%~約40%、50%、60%、70%、80%、90%、又は100%にて通過することを許容する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】第2の層14に本組成物がコーティングされた、丸みのある角部を有する材料のストリップ12を備える、送達支持材料10の斜視図である。
図2】ストリップの一例を示す、図1の切断線3-3に沿った断面図である。
図3】歯22と材料のストリップ12との間に位置した第2の層14の組成物により、歯22に付着させた送達支持材料10を示す、断面平面図である。
図4】歯22に接着的に付着させた送達システム10を示す、図3の切断線6-6に沿った、歯の断面立面図である。
図5】本発明の組成物と共に使用するのに適した、歯科用トレイ30を示す。
図6】本発明の特定の実施形態に従って、約455nmのピーク強度波長を伴う電磁放射線を透明なマウスピースへと送達して、電磁放射線を、再現可能に歯の表面に向かって位置付けるのに役立つ装置を示す。
図7】本発明の組成物(実施例-IAにて、ストリップ上に送達されて、455nmのピーク強度波長を有する電磁放射線と共に使用される)を使用した14の処置後の、天然歯の表面上における漂白有効性を示す。
図8】多相口腔用組成物の水相の液滴の二次元密度を測定する手順の一部としての、水相の液滴、対気泡、対インクの、パターンを示す。
図9】過酸化物の試験ストリップ上に、組成物を塗り付ける手順を示す。
図10】サンプルデジタル画像を示す。
図11】サンプルデジタル画像を示す。
図12】容器及びローラミキサを示す。
図13】サンプルデジタル画像を示す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明は、特定の実施形態において、多相口腔用組成物の約0.002%重量~約5%重量の範囲であり得る水相、疎水性相、及び水相における少なくとも1種の口腔ケア有効成分を有する、歯をホワイトニングするための多相口腔用組成物を含み、有効成分は漂白剤であり、特定の実施形態では、多相口腔用組成物の0.1重量%まで存在してよい。
【0011】
「口腔ケア組成物」とは、本明細書で使用するとき、通常の使用過程において、特定の治療剤を全身投与する目的で意図的に嚥下されるものではなく、むしろ、歯の表面又は口腔組織と接触させるのに十分な時間にわたって口腔内に保持される製品を意味する。口腔ケア組成物の例としては、歯磨剤、歯磨きゲル、歯肉縁下用ゲル、口内洗浄液、ムース、フォーム、マウススプレー、トローチ剤、チュアブル錠、チューインガム、歯用ホワイトニングストリップ、フロス及びフロスコーティング、口臭予防用溶解ストリップ、又は義歯用ケア若しくは付着性製品が挙げられる。口腔ケア組成物はまた、口腔表面への直接適用又は付着のためのストリップ又はフィルム上に組み込まれてもよい。
【0012】
本発明で使用する場合、用語「歯磨剤」とは、特に指示がない限り、歯用又は歯肉縁下用ペースト、ゲル、又は液体製剤を包含する。歯磨剤組成物は、単相組成物であってよい、又は2つ以上の別個の歯磨剤組成物の組み合わせであってよい。歯磨剤組成物は、深い縞状、表面的な縞状、多層状、ペーストをゲルで包囲した状態、又はこれらのいずれかの組み合わせなど、任意の所望の形態であってよい。2つ以上の別個の歯磨剤組成物を含む歯磨剤中の各歯磨剤組成物は、ディスペンサの物理的に分離された区画内に収容され、同時に分注されてよい。
【0013】
用語「不混和性」とは、本発明で使用する場合、99重量部の第2の物質中に溶解する、1重量部未満の物質を意味する。
【0014】
用語「相」とは、本発明で使用する場合、連続的又は非連続的であってよく、別の相とは異なる1つ以上の特性を有する、物理的に異なる領域又は複数の領域を意味する。相間で異なってよい特性の非限定例としては、組成、粘度、溶解性、疎水性、親水性、及び混和性が挙げられる。
【0015】
用語「多相口腔用組成物」とは、本発明で使用する場合、例えば、油中水型エマルションなどの、互いに不混和性である、2つ又はそれ以上の相の混合を含む。相は、連続的、非連続的、又はこれらの組み合わせであってよい。多相口腔用組成物の例としては、エマルション、特に油中水型エマルションが挙げられる。多相口腔用組成物の例としては、水中油型エマルション、水中油中水型エマルション、及び油中水中油型エマルションもまた挙げられる。多相口腔用組成物の例としては、相が、二重連続性、層状、縞状、マーブル模様状、リボン状、渦巻状、及びこれらの組み合わせを含む多重連続性である組成物もまた、挙げられる。
【0016】
本明細書で理解されるような用語「エマルション」とは、1)相のうち少なくとも1つが非連続性であり、かつ、2)相のうち少なくとも1つが連続性である、多相口腔用組成物の一例である。エマルションの例は、油中に分散された水の液滴を含む。この例では、水及び油は互いに相互不混和性であり、水は非連続性相であり得、また油は連続性相であり得る。
【0017】
本明細書で理解されるような用語「油中水型エマルション」とは、1)非連続性相が水性であり、かつ、2)連続性相が疎水性である、エマルションの一例である。
【0018】
本明細書で理解されるような用語「水性相」とは、水及び漂白剤を含む少なくとも1つの相であり、かつ疎水性相と不混和性である。特定の実施形態では、水相の各部分は、水相の、少なくとも2重量%の漂白剤を含有する。所望により、水相は、例えば、水溶性溶媒、アルコール、ポリエチレングリコール、カーボポール、等、若しくはこれらの混合物などの、水溶性である、水混和性である、又はこれらの組み合わせである成分を更に含んでよい。いくつかの実施形態では、不混和性の充填剤が水相に添加された時及び場合には、不混和性の充填剤を除いて、組成物中の水相の割合が算出される。
【0019】
本明細書で理解されるような用語「疎水性相」とは、水相と不混和性である、組成物の全ての構成成分を意味する。任意に、疎水性相は、例えば、疎水性相中へと溶解させた炭化水素溶媒、疎水性相中へと溶解させたポリエチレン、疎水性相中へと溶解させた微晶蝋、又はこれらの混合物などの、疎水性相における、水溶性である、水混和性である、又はこれらの組み合わせである成分を更に含んでよい。
【0020】
用語「送達支持材料」とは、本発明で使用する場合、歯の表面に対して多相口腔用組成物を保持するために使用される材料又は器具を含む。送達支持材料の例としては、ストリップ又は歯科用トレイが挙げられる。
【0021】
用語「ストリップ」とは、本発明で使用する場合、1)その最も長い寸法長さが、一般に、その幅よりも大きい、及び2)その幅が、一般に、その厚さよりも大きい材料を含む。ストリップは、長方形、アーチ状、湾曲状、半円状であってよく、丸みのある角部を有してよい、その内部へとスリットカットを有してよい、その内部へとノッチカットを有してよい、三次元形状内へと湾曲してよい、又はこれらの組み合わせであってよい。ストリップは、固体、半固体、表面模様付き、型取り可能、可撓性、変形可能、持続的に変形可能、又はこれらの組み合わせであってよい。ストリップは、ポリエチレン又はワックスシートを含む、プラスチックシートから作製されてよい。ストリップの例としては、約66mmの長さ、15mmの幅、及び0.0178mmの厚さの、ポリエチレン部品が挙げられる。持続的に変形可能なストリップの例としては、約66mmの長さ、15mmの幅、及び0.4mmの厚さの、鋳造ワックスシート部品が挙げられる。
【0022】
油中水型エマルションであり得る、本明細書の多相口腔用組成物は、局所適用、特に口腔内における局所適用に有用である。例えば、組成物は、口腔ケア組成物であってよく、「口腔ケア組成物」又は「多相口腔用組成物」とは、本発明で使用する場合、通常の使用過程において、特定の治療剤を全身投与する目的で意図的に嚥下されるものではなく、ホワイトニング効果の目的のために、歯の表面と接触させるのに十分な時間にわたって口腔内に保持される製品を意味する。
【0023】
本発明で使用する場合、用語「又は」とは、2つ又はそれ以上の要素の接続詞として使用される場合に、要素を個々に、及び組み合わせで含むことを意味し、例えば、X又はYは、X若しくはY、又はこれら両方を意味する。
【0024】
本発明で使用する場合、冠詞「a」及び「an」は、請求される又は記載される材料、例えば、「口腔ケア組成物」又は「漂白剤」の1つ以上を意味するものと理解される。
【0025】
本発明で使用する場合、「安全かつ有効な量」とは、健全な医学/歯学的判断の範囲内で、治療すべき状態を有意に(よい方向に)改変し、又は所望のホワイトニング効果をもたらすのには十分多いが、重篤な副作用を(妥当な利点/危険比にて)回避できるほど少ない、構成成分の量を意味する。構成成分の安全かつ有効な量は、治療される特別な症状、治療される患者の年齢及び身体状態、症状の重さ、治療期間、併用療法の性質、用いられる特定の形態、並びに構成成分に適用する特別な溶媒により、変化し得る。
【0026】
本発明で使用する場合、「ホワイトニングを達成するための十分な期間」とは、適用当たり、約10秒を超える間、又は約2.5分~約12時間(例えば、一晩中にわたる処置)、若しくは約3分~約180分などの、約1分を超える間、又は約5分~約60分などの、約5分を超える間、又は約10分~約60分などの、約10分を超える間、又は約1、5、10分若しくは15分~約20、30、60、120分の間、又は、このようなより狭い数域が全て本明細書に明示的に記載されているかのように、より狭く、かつこのようなより広い数値範囲内に収まる任意のその他の数域にて、参加者により組成物が使用される若しくは装用される、又は組成物を使用する若しくは装用するように参加者に指示することを意味する。なお、処置は、1日に約1、2又は3回~1日に約4、5、6又は7回適用されてよい。この処置は、約1、2、3、4、5、6、若しくは7日~約8、9、10、11、12、13、14、21、若しくは28日、又はこのようなより狭い数域が全て本明細書に明示的に記載されているかのように、より狭く、かつこのようなより広い数値範囲内に収まる、任意のその他の数域に関して適用されてよい。なお、所望の利点を達成するための処置の長さ、例えば歯のホワイトニングは、特定の期間の間持続し、例えば、約1日~約6か月、特に、約1日~約28日、又は約7日~約28日、必要に応じて繰り返されてよい。最適な適用の持続時間及び頻度は、所望の効果、処置される任意の条件の重症度、ユーザの健康及び年齢並びに同様の見地に依存する。
【0027】
用語「ディスペンサ」とは、本発明で使用する場合、口腔ケア組成物を分配するための、任意のポンプ、管材、又は容器を意味する。
【0028】
用語「μm」又は「ミクロン」は、本発明で使用する場合、マイクロメートルを意味する。
【0029】
液滴の、用語「等しい寸法」とは、本発明で使用する場合、液滴と同一の体積を有する球体の寸法を意味する。
【0030】
用語「液滴の二次元密度」とは、本発明で使用する場合、水相の多数の液滴が、a)多相口腔用組成物における二次元平面の平方センチメートルにて存在し、かつ、b)二次元平面における液滴の断面領域が特定の値よりも大きい、ということを意味する。
【0031】
本明細書にて以後使用される全ての割合及び比率は、特に指示がない限り、組成物全体の重量%(wt%)である。本明細書で言及される成分の百分率、比率、及びレベルは、特に指示がない限り、成分の実際の量に基づき、かつ市販製品として成分に組み合わされている場合がある溶媒、充填剤、又はその他の物質を含まない。例えば、35%の過酸化水素Hを伴う0.2857%の水溶液及び99.7143%のワセリンを含有する組成物は、本組成物が、0.2857%の水相(35%のHの水溶液)及び99.7143%の疎水性相(ワセリン)、及び0.099995%の漂白剤(水相におけるH)を含有することを意味し得る。別の実施例では、35%のHを伴う0.2857%の水溶液、89.7143%のワセリン、及びワセリン中に分散した10%のシリカを含有する組成物は、本組成物が、0.2857%の水相(35%のHの水溶液)、10%の充填剤(シリカ)を含む99.7143%の疎水性相(両方とも水相に不混和性である、ワセリン及びシリカ)、並びに0.099995%の漂白剤(水相におけるH)を含有することを意味し得る。これは、本組成物が、多相口腔用組成物全体に存在する漂白剤の重量パーセントでの濃度に対する、水相中に存在する漂白剤の重量パーセントでの濃度の比率、350.02(即ち、0.099995%により除された35%)を有する、ということもまた意味し得る。
【0032】
更に別の実施例として、35%の過酸化水素(H2O2)を伴う0.2857%の水溶液、99.6143%のワセリン、及び水相中に分散された0.1%の架橋シロキサンを含有する多相口腔用組成物は、本多相口腔用組成物が、0.2857%の水相(即ち、35%のH2O2の水溶液)、99.7143%の疎水性相(即ち、両方とも水相と不混和性である、ワセリン及び架橋シロキサン粒子)、0.099995%の漂白剤(即ち、水相におけるH2O2)、及び0.1%の充填剤(即ち、架橋シロキサン粒子)を含有することを意味し得る。これは、本組成物が、多相口腔用組成物全体に存在する漂白剤の重量パーセントでの濃度に対する、水相中に存在する漂白剤の重量パーセントでの濃度の比率、350.02(即ち、35%を0.099995%で除した数字)を有する、ということを意味し得る。
【0033】
特に指示がない限り、本明細書で言及される測定値は全て、23℃(即ち、室温)にて発生する。
【0034】
本明細書にて有用な「有効物質及びその他の成分」は、美容的及び/若しくは治療的な効果、又はそれらが要求される作用形態若しくは機能により、本明細書中で分類又は記述してよい。しかし、本明細書にて有用な有効物質及びその他の成分が、場合によっては、2つ以上の美容的及び/又は治療的効果をもたらす、あるいは2つ以上の作用形態で機能又は作用してよい、と理解すべきである。従って、本明細書における分類は便宜上実施されるものであり、成分を列挙される具体的に規定した機能又は作用に制限しようとするものではない。
【0035】
用語「歯」とは、本発明で使用する場合、天然歯、並びに人工歯、又は義歯を意味し、1つの歯又は複数の歯を含むように解釈される。従って、用語「歯の表面」とは、本発明で使用する場合、天然歯の表面(複数可)、並びに人口歯の表面(複数可)、又は義歯の表面(複数可)を意味する。
【0036】
用語「経口で受容可能な支持材料」とは、口腔内における使用に好適な1つ以上の相溶性のある固体若しくは液体賦形剤、又は希釈剤を含む。用語「相溶性」とは、本発明で使用する場合、組成物の成分が、組成物の安定性及び/又は有効性を実質的に低下させるような方式で相互作用することなく、混合され得ることを意味する。
【0037】
多相口腔用組成物
本明細書にて開示された多相口腔用組成物は、油中水型エマルションであってよい。多相口腔用組成物は、マイクロエマルション又はマクロエマルションであってよい。
【0038】
漂白剤を含む油中水型エマルションに関しては、驚くべきことに、水相の液滴のサイズが、口腔の/局所的な過敏、及び/又は歯の刺激敏感性を減少させる要因であることが見出されてきた。理論によって制限されるものではないが、水相の液滴のサイズが大きすぎる場合、高濃度の漂白剤に曝される口腔の/局所的な/歯の表面上に、大型の斑点をもたらす場合があり、引き続いて、口腔の/局所的な過敏、及び/又は歯の刺激敏感性をもたらす場合がある。特定の実施形態では、このようなより狭い数域が全て本明細書に明示的に記載されているかのように、水相の液滴の数平均等価直径又は体積平均等価直径は、約0.001ミクロン、0.01ミクロン、0.1ミクロン、1ミクロン、5ミクロン、10ミクロン、50ミクロン、100ミクロン、500ミクロン、若しくは1000ミクロン又は任意のその他の数域以下であってよい。特定の実施形態では、水相の液滴の数平均等価直径又は体積平均等価直径は、約0.001ミクロン~約1000ミクロン、好ましくは約0.01ミクロン~約1000ミクロン、より好ましくは約0.1ミクロン~約100ミクロン、及び最も好ましくは約1ミクロン~約100ミクロン、又は、このようなより狭い数域が全て本明細書に明示的に記載されているかのように、より狭く、かつこのようなより広い数値範囲内に収まる任意のその他の数域であってよい。水相の、高い密度の大きな液滴を有する組成物は、口腔の/局所的な過敏、及び/又は歯の刺激敏感性をもたらす場合がある。水相の液滴の数平均等価直径又は体積平均等価直径を測定することが、三次元における液滴サイズの分布全体を測定するものを必要とし、これは、小型、中型、及び大型の液滴に適した複数の異なる技術を必要とする場合がある、ということが注目に値する。対照的に、本明細書で明記された、「二次元の液滴密度」を測定するための手順は、大型の液滴のみを二次元においてのみ測定するために使用され得、これは、光学顕微鏡を使用して、(二次元の焦点面において)特定のサイズよりも大きい液滴の数を数えることによりなされ得、またより複雑な機器を必要としない。特定の実施形態では、本明細書で明記された手順を使用して測定された、約1000、3000、10000、20000、又は50000平方ミクロンより大きい断面領域を伴う、水相の「二次元の液滴密度」は、二次元平面の平方センチメートル当たり、約0.5、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25、50、又は100以下であってよい、又は任意のその他の数域であってよく、このようなより狭い数域が全て本明細書に明示的に記載されているかのように、より狭く、かつこのようなより広い数値範囲内に収まる。特定の実施形態では、本明細書で明記された手順を使用して測定された、約10000平方ミクロンより大きい断面領域を伴う、水相の「二次元の液滴密度」は、二次元平面の平方センチメートル当たり、約25以下、好ましくは10以下、より好ましくは5以下、また最も好ましくは1以下であってよい、又は任意のその他の数域であってよく、このようなより狭い数域が全て本明細書に明示的に記載されているかのように、より狭く、かつこのようなより広い数値範囲内に収まる。
【0039】
多相口腔用組成物の水相の、二次元の液滴密度を測定するための手順
1.(アイテム番号GRID-1000にて、Diversified Biotech(デッドハム、マサチューセッツ州)より供給され、カタログ番号89032-163にて、VWR(バタビア、イリノイ州)から購入される)接着性の格子ステッカから、20×20mmの1つの格子を切り取り、かつそれを、(VWR International(ラドナー、ペンシルバニア州)により製造され、カタログ番号48311-703にて、VWR(バタビア、イリノイ州)から購入される、VWR Micro Slide,Super Frost Plus、25×75×1mm)顕微鏡用スライドガラスの上部へと、接着させる。
各格子ステッカは、2つの、並列した20×20mmの格子を有し、また各格子内の各セルは1×1mmの寸法である。
2.小型のへらを使用して、顕微鏡用スライドへと接着した接着性格子ステッカの中間に、組成物の試料を定置させる。試料の量は、工程3ごとに、それが押し下げられてきた後に、格子の少なくとも100個のセルが組成物により完全に覆われて、測定が可能となるようなものでなければならない。試料を単一の粒として接着性格子ステッカ上に定置させることに注意し、これは、カバースリップがその上に置かれた場合に、空気の閉じ込めを最小化させるのに役立つ。
3.カバースリップ(カタログ番号16004-094にて、VWR(バタビア、イリノイ州)から購入される、VWR顕微鏡用カバーガラス、22×22mm)を試料組成物の上に定置させて、試料組成物が約100ミクロンの厚さとなるまで押し下げる。これは、第2の顕微鏡用スライドをカバースリップ上に定置させて、2つの顕微鏡用スライドとの間で、試料組成物のどちらかの側面上に、スペーサとして一対のカバースリップを挟んで重ねること、及び試料が約100ミクロンの厚さになるまで手動で押し下げることにより、なされてよい。各個々の試料が約100ミクロンの厚さであることを確実にするために、各個々の格子ステッカ、カバースリップ、及び顕微鏡用スライドを測定する必要があり得る、ということに留意されたい。
4.顕微鏡上に顕微鏡用スライドを定置させて、試料を貫通して透過する光を使用して、試料に焦点を合わせる。a)セルの4つの全ての端部が、視界内にて可視となるように、格子の少なくとも1つのセル全体を取り囲む視界を提供し、また、b)特定の値よりも大きい、水相の液滴の断面領域の測定を可能にする、顕微鏡、及び倍率レベルを使用する。
5.格子の単一のセル上に、視界を集中させる。a)セルにおいて可視である(格子線上にあるようなものを含むが、これらを二重計算しないように注意する)、及び、b)二次元焦点面における断面領域が、特定の値よりも大きい、水相の液滴の数を数える。残存する気泡(水相の液滴とは異なり、気泡は、視界における厚く暗い壁により識別される)、又は格子ステッカ上のインクパターンの特徴(水相の液滴とは異なり、インクパターンの特徴は、共に密集し、かつ格子線上のみに出現する)を数えないように注意する。図8は、水相の液滴、対気泡、対インクパターンの特徴の、サンプル画像を示す。
6.組成物により完全に覆われる各セルに関して、工程5を繰り返す。スライド当たり、組成物により完全に覆われる少なくとも100個のセルが、存在しなければならない。
7.特定の値よりも大きい断面領域を伴う(平方センチメートル当たりの液滴の数として表される)「二次元の液滴密度」は、二次元焦点面における断面領域が、平方センチメートルにて表される本スライドにて測定された全てのセルの総領域により除された、本スライドにて測定された全てのセルにおける特定の値よりも大きい、水相の液滴総数として、算出される。
8.全部で少なくとも12個のスライドに関して、工程1~7を繰り返す。測定された全てのスライドに対して、工程7からの算出を平均化する。これは、特定の値よりも大きい断面領域を伴う(平方センチメートル当たりの液滴の数として表される)最終の「二次元の液滴密度」である。
【0040】
過酸化物を含む多相口腔用組成物に関しては、驚くべきことに、過酸化物の試験ストリップ上へと塗抹される多相口腔用組成物の過酸化物濃度の標準的な偏差が、使用中の、口腔の/局所的な過敏、及び/又は歯の刺激敏感性を減少させる要因であることが、見出されてきた。各過酸化物の試験ストリップは、過酸化物と接触する領域又は地点において色を変化させる(REDの輝度を弱めるよう推進する)、2つの反応域を有する。従って、理論によって制限されることなく、過酸化物の試験ストリップは、口腔の/局所的な/歯の表面のための代用物として都合よく使用されてよく、口腔の/局所的な過敏、及び/又は歯の刺激敏感性をもたらし得る高過酸化物濃度の斑点を識別してよい。なお、過酸化物との接触により、反応域においてREDの輝度が弱められるように推進される故に、未処置の過酸化物試験ストリップの平均基線RED輝度から減算される、多相口腔用組成物により塗抹される過酸化物試験ストリップの平均RED輝度は、平均過酸化物濃度の測定値として都合よく使用されてよい。多相口腔用組成物が過酸化物試験ストリップ上に塗抹される場合に、高過酸化物濃度の大型の斑点を有する多相口腔用組成物はまた、多相口腔用組成物が口腔の/局所的な/歯の表面に塗布される場合に、高過酸化物濃度の大型の斑点をも有し得、これは、引き続いて、口腔の/局所的な過敏、及び/又は歯の刺激敏感性をもたらす場合がある。対照的に、多相口腔用組成物が過酸化物試験ストリップ上へと塗抹される場合に、高過酸化物濃度の小型の斑点のみを有する多相口腔用組成物はまた、多相口腔用組成物が口腔の/局所的な/歯の表面に塗布される場合に、高過酸化物濃度の小型の斑点のみを有し得、これは、引き続いて、口腔の/局所的な過敏、及び/又は歯の刺激敏感性の減少もたらす場合がある。多相口腔用組成物が過酸化物試験ストリップ上へと塗抹される場合の過酸化物濃縮の斑点は、本明細書で明記された手順を使用して測定された試験ストリップにおける、過酸化物濃度の標準的な偏差により、数量化することができる。多相口腔用組成物が過酸化物試験ストリップ上へと塗抹される場合に、高過酸化物濃度の大型の斑点を有する多相口腔用組成物は、試験ストリップにおいて、過酸化物濃度の標準偏差が高い。対照的に、多相口腔用組成物が過酸化物試験ストリップ上へと塗抹される場合に、高過酸化物濃度の小型の斑点のみを有する多相口腔用組成物は、試験ストリップにおいて、過酸化物濃度の標準偏差が低い。
【0041】
なお、大きな液滴を伴う多相口腔用組成物は、多相口腔用組成物が過酸化物試験ストリップ上へと塗抹される場合に、高過酸化物濃度の大型の斑点を生じさせる場合があり、これは、引き続いて、試験ストリップにおいて、過酸化物濃度の標準偏差が高くなる場合がある。対照的に、小さい液滴を伴う、又は大きな液滴を有さない、多相口腔用組成物は、多相口腔用組成物が過酸化物試験ストリップ上へと塗抹される場合に、高過酸化物濃度の小型の斑点のみを生じさせる場合があり、これは、引き続いて、試験ストリップにおいて、過酸化物濃度の標準偏差が低くなる場合がある。
【0042】
特定の実施形態では、本明細書で明記された手順を使用して測定された、過酸化物試験ストリップ上へと塗抹される多相口腔用組成物の過酸化物濃度の標準偏差は、約5、10、15、20、25、30、40、50、若しくは100以下、又は任意のその他の数域であってよく、このようなより狭い数域が全て本明細書に明示的に記載されているかのように、より狭く、かつこのようなより広い数値範囲内に収まる。特定の実施形態では、本明細書で明記された手順を使用して測定された、過酸化物試験ストリップ上へと塗抹される多相口腔用組成物の過酸化物濃度の標準偏差は、約50以下、好ましくは約25以下、より好ましくは約10以下、また最も好ましくは約5以下、又は任意のその他の数域であってよく、このようなより狭い数域が全て本明細書に明示的に記載されているかのように、より狭く、かつこのようなより広い数値範囲内に収まる。
【0043】
過酸化物を含む多相口腔用組成物に関しては、驚くべきことに、過酸化物の試験ストリップ上へと塗抹される多相口腔用組成物の平均過酸化物濃度が、漂白有効性を実現する要因であることが、見出されてきた。理論によって制限されるものではないが、過酸化物の試験ストリップ上へと塗抹される多相口腔用組成物の平均過酸化物濃度が低い場合、使用中に歯の表面へと送達される平均過酸化物の濃度が同様に低く、低い漂白有効性をもたらし得る。対照的に、過酸化物の試験ストリップ上へと塗抹される多相口腔用組成物の平均過酸化物濃度が高い場合、使用中に歯の表面へと送達される平均過酸化物の濃度が同様に高く、高い漂白有効性をもたらし得る。特定の実施形態では、本明細書で明記された手順を使用して測定された、過酸化物試験ストリップ上へと塗抹される多相口腔用組成物の過酸化物濃度の標準偏差は、約1、2、5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、125、150、175、200若しくは225~約2、5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、125、150、175、200、若しくは225、又は任意のその他の数域であってよく、このようなより狭い数域が全て本明細書に明示的に記載されているかのように、より狭く、かつこのようなより広い数値範囲内に収まる。特定の実施形態では、本明細書で明記された手順を使用して測定された、過酸化物試験ストリップ上へと塗抹される多相口腔用組成物の平均過酸化物濃度の平均過酸化物濃度は、約1~約100、好ましくは約2~約75、より好ましくは約5~約50、また最も好ましくは約10~約50、又は任意のその他の数域であってよく、このようなより狭い数域が全て本明細書に明示的に記載されているかのように、より狭く、かつこのようなより広い数値範囲内に収まる。
【0044】
過酸化物を含む多相口腔用組成物に関しては、驚くべきことに、過酸化物の試験ストリップ上へと塗抹される多相口腔用組成物の過酸化物濃度の標準偏差に対する、過酸化物の試験ストリップ上へと塗抹される多相口腔用組成物の平均過酸化物濃度の比率が、口腔の/局所的な過敏、及び/又は歯の刺激敏感性へと、高い比率の漂白有効性を送達する要因であることが、見出されてきた。理論によって制限されるものではないが、驚くべきことに、過酸化物の試験ストリップ上へと塗抹される多相口腔用組成物の過酸化物濃度の標準偏差に対する、過酸化物の試験ストリップ上へと塗抹される多相口腔用組成物の平均過酸化物濃度の比率が高い場合、組成物は、使用中に、口腔の/局所的な過敏、及び/又は歯の刺激敏感性の減少と組み合わされた高い有効性を送達し得る。対照的に、驚くべきことに、過酸化物の試験ストリップ上へと塗抹される多相口腔用組成物の過酸化物濃度の標準偏差に対する、過酸化物の試験ストリップ上へと塗抹される多相口腔用組成物の平均過酸化物濃度の比率が低い場合、組成物は、使用中に、口腔の/局所的な過敏、及び/又は歯の刺激敏感性の増大と組み合わされて、送達される有効性が低くなり得る。特定の実施形態では、本明細書で明記された手順を使用して測定された、過酸化物試験ストリップ上へと塗抹される多相口腔用組成物の過酸化物濃度の標準偏差に対する、本明細書で明記された手順を使用して測定された、過酸化物試験ストリップ上へと塗抹される多相口腔用組成物の過酸化物濃度の平均過酸化物濃度の比率は、約0.25、0.5、1、1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、6、7.8、9、10、15、20、25、50以上、若しくは任意のその他の数域であってよく、このようなより狭い数域が全て本明細書に明示的に記載されているかのように、より狭く、かつこのようなより広い数値範囲内に収まる。特定の実施形態では、本明細書で明記された手順を使用して測定された、過酸化物試験ストリップ上へと塗抹される多相口腔用組成物の過酸化物濃度の標準偏差に対する、本明細書で明記された手順を使用して測定された、過酸化物試験ストリップ上へと塗抹される多相口腔用組成物の過酸化物濃度の平均過酸化物濃度の比率は、約5以上、好ましくは約1以上、より好ましくは約2以上、また最も好ましくは約3.5以上、又は任意のその他の数域であってよく、このようなより狭い数域が全て本明細書に明示的に記載されているかのように、より狭く、かつこのようなより広い数値範囲内に収まる。
【0045】
過酸化物試験ストリップ上へと塗抹される多相口腔用組成物の過酸化物濃度の、偏差及び標準偏差を測定する方法
1.0.60~0.80グラムの重量の組成物を、清浄な硬質ゴムべら(カタログ番号57930-025にて、VWR(バタビラ、イリノイ州、60510、アメリカ合衆国)からの、10cm(4”)長のブレード)に置く。
2.新規の過酸化物試験ストリップ(EMD Millipore Corporation(供給業者番号1.16974.0001、ビレリカ、マサチューセッツ州)、カタログ番号EM1.16974.0001にて、VWR(バタビラ、イリノイ州)から購入される)を容器から取り出して、タイマーを起動させる。
3.過酸化物試験ストリップのデジタル画像を撮影する。試験ストリップのデジタル画像を撮影するために使用する機器及びシステム構成が、本明細書にて明記される。サンプルデジタル画像が、図10及び11にて示される。清浄なペーパータオル上に、過酸化物試験ストリップを置く。
4.図9に示すように、へら及び過酸化物試験ストリップを保持する。組成物(工程1において事前検量済み)を、常時圧力を用いて左から右へと、試験ストリップ上の反応域の両方上へと塗抹する。へら上へと既に事前検量されている組成物の同一の試料を用いて、左から右へと、全部で3回の塗り付けの塗抹運動を繰り返す。
5.ペーパータオルの清浄な領域へと、過酸化物試験ストリップを移動させる。濾紙(カタログ番号28450-081にて、VWR(バタビア、イリノイ州、60510、米国)からの、Whatman、グレード1、高品質濾紙標準グレード、円形、90mm、供給業者番号1001-090)を、試験ストリップの上部上に定置させる。濾紙の上部に指圧を加える。単一の塗り付けにおいて、(濾紙上の指圧力を維持しつつ)過酸化物試験ストリップを濾紙の下から引き抜き、これにより、濾紙及びペーパータオル上へと余分なゲルを拭き取る。過酸化物試験ストリップから反応域が外れないことを確実にする。
6.過酸化物試験ストリップのデジタル画像を撮影する。試験ストリップのデジタル画像を撮影するために使用する機器及びシステム構成が、本明細書にて明記される。サンプルデジタル画像が、図10及び11にて示される。
7.工程2~6を、タイマーにて90分以内に完了させなければならない。
8.全部で少なくとも18個の過酸化物試験ストリップに関して、工程1~7を繰り返す。
9.本明細書で明記された手順と共にAdobe Photoshop CS4を使用して、各画像内に内蔵のマンセルN8基準として機能する、保持具に取り付けられたマンセルN8マット色シートのストリップの、RED輝度の平均及び標準偏差を測定する。各画像内に内蔵されたマンセルN8基準の平均RED輝度は、204から212でなければならず、かつ標準偏差は3以下でなければならない。
10.本明細書で明記された手順と共にAdobe Photoshop CS4を使用して、(組成物により塗抹される前に)基線にて、過酸化物試験ストリップ上の各反応域のRED輝度の平均及び標準偏差を測定する。
11.本明細書で明記された手順と共にAdobe Photoshop CS4を使用して、組成物により塗抹された後に、過酸化物試験ストリップ上の各反応域のRED輝度の平均及び標準偏差を測定する。
12.過酸化物試験ストリップ上へと塗抹される組成物の平均過酸化物濃度は、次のように算出される。第1に、工程10からの各反応域の平均基線RED輝度から、工程11からの、組成物により塗抹された後の同一の反応域の平均RED輝度を減出して算出する。この計算を全ての反応域に関して繰り返し、また全ての過酸化物試験ストリップ上の全ての反応域に対する結果を平均化する。これは、過酸化物試験ストリップ上に塗抹される組成物の、平均過酸化物濃度である。
13.過酸化物試験ストリップ上に塗抹される組成物の過酸化物濃度の標準偏差は、次のように算出される。それらが工程11からの組成物により塗抹されてきた後に、全ての過酸化物試験ストリップ上の全ての反応域に対するRED輝度の標準偏差を、平均化する。これは、過酸化物試験ストリップ上に塗抹される組成物の、過酸化物濃度の標準偏差である。
【0046】
機器、システム構成、及び本明細書で明記された手順を有効にするために、(マンセルカラー、X-rite社部門(グランドラピッズ、マサチューセッツ州、米国)からの)マンセルN8マット色シートのRED輝度の平均及び標準偏差を、平均に関して204~212となるように、また標準偏差に関して3以下となるように、測定及び実証することが必要である。
【0047】
過酸化物試験ストリップのデジタル画像を撮影するための機器
1-1800万画素(5184×3456)の分解能のjpg画像にて画像を捕捉することが可能であり、かつ1/250秒のシャッター速度が可能であるデジタルカメラ(Canon USA INC.(レイクサクセス、ニューヨーク州、11042)からの、キャノン60Dカメラなど)
1-メモリカード
1-必要な場合、レンズアダプタ(本体がキャノン製、レンズアダプタがニコン製など)
1-105mmのレンズ(Nikon USA Inc.(メルヴィル、ニューヨーク州、11747)からの、105mmのマイクロNikkorレンズなど)
1-52mmのフラッシュアダプタリング
1-偏光フィルタ付きマクロリングライト(Canon USA INC.(レイクサクセス、ニューヨーク州、11042)からの、キャノンMR-14EX偏光フィルタ付きマクロリングライトなど)
1-52mmの回転型円形偏光子
1-三脚
1-(マンセルカラー、X-rite社部門(グランドラピッズ、マサチューセッツ州、米国)からの)マンセルシートN18マット色シート
1-背景部としてのDGKプラスチック製グレーカードXL(Amazon.comにおけるDGKカラーツール)を使用して作製された、過酸化物試験ストリップ用保持具、及び各画像内に内蔵のマンセルN8基準として機能するように取り付けられた、マンセルN8マット色シートのストリップ
1-試験片のブランクストリップへと取り付けられたmmスケール
【0048】
過酸化物試験ストリップのデジタル画像を撮影するためのシステム構成
1.三脚は、テーブルに向かって下向きに向いたカメラを伴い、三脚の下側に取り付けられた三脚取付台と共に、マクロ写真撮影に適合するように構成される。被検体平面は、センサ平面から317mmである。
2.キャノンからニコンへのアダプタ取付台を使用して、キャノン60Dカメラ本体へと、105mmのNikorrレンズを取り付ける。
3.回転型偏光子は、105mmのマイクロNikkorレンズに取り付けられている。
4.52mmのフラッシュアダプタリングは、105mmのレンズの前面に取り付けられている。
5.キャノンMR-14EX偏光フィルタ付きマクロリングライトは、フラッシュアダプタリングへのレンズの前面に取り付けられている。
6.レンズ上の回転型円形偏光子は、最大光沢/眩輝が除去されて交差偏光が完了するまで、回転する。
7.フラッシュは、八分の一の電力に設定された電力設定にて、「最小」モードに設定される。
8.キャノン60Dカメラは、100まで設定されるISO設定により「手動」モードに設定される。
9.シャッターは、1/250秒に設定される。
10.レンズの口径は、105mmのマイクロNikkorレンズにおいて、f=8に設定される。
11.105mmのマイクロNikkorレンズにおいて、センサ平面から被検体平面までの距離317mmに対する焦点距離を伴う、手動での焦点合せが使用される。
12.較正されたマンセルN8材料の取り付けシートを使用して、画像の白バランスを達成する。
13.1800万画素(5184×3456)の分解能のjpg画像にて、画像を捕捉するように、カメラを設定する。
14.カメラ及びフラッシュのための全体の露光設定は、マンセルN8マット白シートの捕捉画像が、本明細書で明記された手順を使用して測定される、204~212の平均RED輝度及び3以下の標準偏差を有するように構成されることを、必要とする。
【0049】
RED輝度の平均及び標準偏差を測定するための、Adobe Photoshop CS4における手順
1.Adobe Photoshop CS4を開く。
2.画面の上端において、「ウィンドウ」を選択し、続いて「ヒストグラム」を選択する。これは、画像のヒストグラムを表示する。ヒストグラムウィンドウにおいて、「拡張ビュー」及び「統計値を表示する」を選択する。これは、統計値を伴うヒストグラムを表示する。「チャンネル」が「RED」に設定されていることを確認する。Adobe Photoshop CS4では、ヒストグラムパネルは画像範囲全体を表示する。これは、選択された目的の領域において、0~255の、それぞれの256の輝度レベルでの多数の画素を図示することにより、画素がどのように分布しているかを示す。同一の輝度レベルを伴う画素が、垂直軸に沿ったバーに積み重ねられる。バーが高いほど、その輝度レベルにおける画素の数が多い。ヒストグラムの右側に向かう垂直バーは、より高い輝度の画素を示し、ヒストグラムの左側に向かうバーは、より低い輝度の画素を示す。
3.マンセルN8マット色シートのRED輝度の平均及び標準偏差を、次のように測定する。Adobe CS4を使用して、マンセルN8マット色シートの捕捉画像を開く。画面の左端において、「長方形のマーキーツール」を選択する。画面の上端において、「行間調整」を0pxに設定し、「スタイル」を固定サイズに設定し、「幅」を5000pxに設定し、かつ「高さ」を3300pxに設定する。これにより、マンセルN8マット色シートの画像のサイズ及び形状に適合するサイズ及び形状の、16500000画素を含む長方形が定義される。「長方形のマーキーツール」を使用して、マンセルN8マット色シートの画像を選択する。長方形の端部が、マンセルN8マット色シートの画像の端部内にあることを確認する。ヒストグラムパネル上の円形の記号をクリックして、ヒストグラムパネルにおいて、「キャッシュレベル」が1を読み取っていることを確認する。これは、マンセルN8マット色シートのRED輝度の、平均及び標準偏差を測定し、かつ表示する。これらの値を記録する。
4.各画像内に内蔵のマンセルN8基準のRED輝度の平均及び標準偏差を、次のように測定する。Adobe CS4を使用して、各画像内に内蔵のマンセルN8基準の捕捉画像を開く。画面の左端において、「長方形のマーキーツール」を選択する。画面の上端において、「行間調整」を0pxに設定し、「スタイル」を固定サイズに設定し、「幅」を5000pxに設定し、かつ「高さ」を800pxに設定する。これにより、各画像内に内蔵のマンセルN8基準のサイズ及び形状に適合するサイズ及び形状の、4000000画素を含む長方形が定義される。「長方形のマーキーツール」を使用して、各画像内に内蔵のマンセルN8基準を選択する。長方形の端部が、各画像内に内蔵のマンセルN8基準の端部内にあることを確認する。ヒストグラムパネル上の円形の記号をクリックして、ヒストグラムパネルにおいて、「キャッシュレベル」が1を読み取っていることを確認する。これは、各画像内に内蔵のマンセルN8基準のRED輝度の、平均及び標準偏差を測定し、かつ表示する。これらの値を記録する。
5.過酸化物試験スリップにおける各反応域のRED輝度の平均及び標準偏差を、次のように測定する。Adobe CS4を使用して、過酸化物試験スリップの捕捉画像を開く。画面の左端において、「長方形のマーキーツール」を選択する。画面の上端において、「行間調整」を0pxに設定し、「スタイル」を固定サイズに設定し、「幅」を1300pxに設定し、かつ「高さ」を1750pxに設定する。これにより、過酸化物試験スリップにおける各反応域の画像のサイズ及び形状に適合するサイズ及び形状の、2275000画素を含む長方形が定義される。「長方形のマーキーツール」を使用して、過酸化物試験ストリップにおける2つの反応域のうち1つを選択する。長方形の端部が、反応域の端部内にあることを確認する。ヒストグラムパネル上の円形の記号をクリックして、ヒストグラムパネルにおいて、「キャッシュレベル」が1を読み取っていることを確認する。これは、過酸化物試験ストリップにおける2つの反応域のうち1つの、RED輝度の平均及び標準偏差を測定し、かつ表示する。これらの値を記録する。
【0050】
水相及び疎水性相の構成成分は、組成物から、水相に位置する漂白剤を迅速に放出することを可能にするように、選択される。
【0051】
理論によって制限されるものではないが、油中水型エマルションの形態である本発明が歯と接触する場合、水相及び水相の構成要素が、歯の表面へと移動する、と考えられている。可能な網効果は、歯のホワイトニング効果が、処置される歯の表面に接触した後のみに開始される、ということである。即ち、漂白剤は覆われてもよく、環境の影響から保護され、従って、使用するまで多相口腔用組成物の疎水性相により、また潜在的に、使用中にフィルム又は層の形態における疎水性相により、安定化される。従って、活性効果が歯の表面に適用されてよく、また有効成分、例えば、漂白剤が、使用中の口腔環境に対して潜在的に保護されてよい。従って、ホワイトニング多相口腔用組成物の有効性を高め得る、及び/又は促進し得る。
【0052】
理論によって更に制限されるものではないが、本発明は、歯の表面へのホワイトニング剤の送達を向上させ得、また従って、組成物の部分的な疎水性特性及び部分的な親水性特性故に、ホワイトニング性能を向上させ得る。そこからもたらされる推進力故に、水相中に存在する漂白剤は、歯の表面に向かって推進され得る。従って、著しく低い総量の漂白剤が使用されるにもかかわらず、ホワイトニング速度の増大及び漂白剤の有効性の向上が、達成され得る。本発明は、従って、0.1重量%、1重量%、若しくは5重量%、又はそれら以下の漂白剤などの、所与の全体の総濃度にて、ホワイトニング有効性の著しく高いレベルを送達し、同程度のホワイトニングを得るための、より少ない適用を必要とし得る、又は同程度のホワイトニングを得るための、より低いゲル装填(単位領域当たりのゲルのミリグラム)を必要とし得る。
【0053】
なお、歯の表面上における多相口腔用組成物の保持力は、疎水性相が、過酸化物を分解することが可能な、唾液による希釈及び唾液の酵素に影響を受けない際に、向上し得る。更になお、疎水相は、歯を脱水せず、またポリカルボン酸などの親水性の接着剤を含有する多数の親水性組成物により生成された水の、外方向への流動を発生させない。疎水性相が歯を脱水させない故に、なおも著しく高いレベルのホワイトニング有効性を送達しつつ、歯の刺激敏感性が著しく低い、という結果をもたらす。
【0054】
なお、疎水性相は、更なる利点を提供し得る。例えば、疎水性相は、疎水性相において可溶性である成分のための、安定したマトリックスを表す。例えば、通常、多相口腔用組成物にて使用される多くの香料成分は、疎水性相において可溶性である。即ち、香料成分は、有効成分、例えば多相口腔用組成物中の漂白剤の影響から、保護され得る。なお、歯の表面における多相口腔用組成物の使用中に、疎水性相の少なくとも一部が-理論によって制限されることなく-粘膜などの口腔軟組織に向かって配置されてよく、従って、香料組成物などの疎水性相中に存在する成分を、口腔へと提供する。なお、疎水性相は、唾液による希釈などの、口腔からのいずれかの影響に対して、漂白剤などの有効成分を保護し得る。保護効果はまた、歯の表面(複数可)それ自体に適用されてよく、疎水性相は、歯の表面により強い水和を提供する。
【0055】
特定の実施形態では、本発明の多相口腔用組成物は、液体、強粘液、ゲル、半固体、固体、粒子、粉末、粘弾性液体、粘弾性ゲル、ゾル、粘弾性固体、又はこれらの任意の組み合わせの形態であってよい。
【0056】
水相
本発明の多相口腔用組成物は、水相を含む。
【0057】
特定の実施形態では、水相の最大量は、多相口腔用組成物の0.3重量%、0.5重量%、1重量%、2重量%、3重量%、4重量%、5重量%、10重量%、15重量%、20重量%、30重量%、40重量%、50重量%、若しくは60重量%、又は任意のその他の数域であってよく、このようなより狭い数域が全て本明細書に明示的に記載されているかのように、より狭く、かつこのようなより広い数値範囲内に収まる。
【0058】
特定の実施形態では、水相の量は、多相口腔用組成物の約60重量%、55重量%、50重量%、45重量%、40重量%、35重量%、30重量%、25重量%、20重量%、15重量%、10重量%、5重量%、4重量%、3重量%、2重量%、1.5重量%、1.4重量%、1.3重量%、1.2重量%、1.1重量%、1重量%、0.9重量%、0.8重量%、0.7重量%、0.6重量%、0.5重量%、0.4重量%、0.3重量%、0.2重量%、0.1重量%、0.09重量%、0.08重量%、0.07重量%、0.06重量%、0.05重量%、0.04重量%、0.03重量%、0.02重量%、0.01重量%、若しくは0.002重量%~多相口腔用組成物の約60重量%、55重量%、50重量%、45重量%、40重量%、35重量%、30重量%、25重量%、20重量%、15重量%、10重量%、5重量%、4重量%、3重量%、2重量%、1.5重量%、1.4重量%、1.3重量%、1.2重量%、1.1重量%、1重量%、0.9重量%、0.8重量%、0.7重量%、0.6重量%、0.5重量%、0.4重量%、0.3重量%、0.2重量%、0.1重量%、0.09重量%、0.08重量%、0.07重量%、0.06重量%、0.05重量%、0.04重量%、0.03重量%、0.02重量%、0.01重量%、若しくは0.002重量%、又は任意のその他の数域であってよく、このようなより狭い数域が全て本明細書に明示的に記載されているかのように、より狭く、かつこのようなより広い数値範囲内に収まる。特定の実施形態では、水相の量は、多相口腔用組成物の約0.002重量%~約5重量%、約0.1重量%~約2重量%、約0.1重量%~約1重量%、約0.1重量%~約0.5重量%、又は任意のその他の数域であってよく、このようなより狭い数域が全て本明細書に明示的に記載されているかのように、より狭く、かつこのようなより広い数値範囲内に収まる。特定の実施形態では、水相の量は、多相口腔用組成物の約60重量%未満、55重量%未満、50重量%未満、45重量%未満、40重量%未満、35重量%未満、30重量%未満、25重量%未満、20重量%未満、15重量%未満、10重量%未満、5重量%未満、4重量%未満、3重量%未満、2重量%未満、1.5重量%未満、1.4重量%未満、1.3重量%未満、1.2重量%未満、1.1重量%未満、1重量%未満、0.9重量%未満、0.8重量%未満、0.7重量%未満、0.6重量%未満、0.5重量%未満、0.4重量%未満、0.3重量%未満、0.2重量%未満、0.1重量%未満、0.09重量%未満、0.08重量%未満、0.07重量%未満、0.06重量%未満、0.05重量%未満、0.04重量%未満、0.03重量%未満、0.02重量%未満、0.01重量%未満、又は任意のその他の数域であってよく、このようなより狭い数域が全て本明細書に明示的に記載されているかのように、より狭く、かつこのようなより広い数値範囲内に収まる。特定の実施形態では、水相の量は、多相口腔用組成物の約1.0重量%又は0.9重量%未満であってよい。特定の実施形態では、水相の量は、多相口腔用組成物の約0.002重量%~約5重量%、好ましくは約0.01重量%~約5重量%、より好ましくは約0.1重量%~約5重量%、また最も好ましくは約1重量%~約5重量%、又は任意のその他の数域であってよく、このようなより狭い数域が全て本明細書に明示的に記載されているかのように、より狭く、かつこのようなより広い数値範囲内に収まる。
【0059】
特定の実施形態では、水相の量は、多相口腔用組成物の約0.002重量%~約15重量%、好ましくは約1重量%~約15重量%、より好ましくは約5重量%~約15重量%、また最も好ましくは約5重量%~約10重量%、又は任意のその他の数域であってよく、このようなより狭い数域が全て本明細書に明示的に記載されているかのように、より狭く、かつこのようなより広い数値範囲内に収まる。
【0060】
特定の実施形態では、水相の量は、多相口腔用組成物の約0.9重量%~約60重量%、好ましくは約6重量%~約30重量%、より好ましくは約7重量%~約20重量%、また最も好ましくは約10重量%~約30重量%、又は任意のその他の数域であってよく、このようなより狭い数域が全て本明細書に明示的に記載されているかのように、より狭く、かつこのようなより広い数値範囲内に収まる。
【0061】
水相は、水、約200~約20,000の分子量を伴うポリアルキレングリコール、保湿剤、及びこれらの混合物を含んでよい。保湿剤には、一般に、グリセリン、ソルビトール、キシリトール、ブチレングリコール、ポリエチレングリコール、及びプロピレングリコール、並びにこれらの混合物などの、食用多価アルコールが挙げられる。水相は、水相の少なくとも約10重量%の水、又は水相の少なくとも約20重量%の水を含んでよい。
【0062】
漂白剤
本発明の多相口腔用組成物は、安全かつ有効な量の漂白剤を更に含み、漂白剤のレベルは、その分子が着色の漂白を提供することが可能な、利用可能な酸素又は塩素のそれぞれに基づく。特定の実施形態では、漂白剤の最大量は、多相口腔用組成物の0.1重量%、1重量%、5重量%、10重量%、15重量%、若しくは20重量%、又は任意のその他の数域であってよく、このようなより狭い数域が全て本明細書に明示的に記載されているかのように、より狭く、かつこのようなより広い数値範囲内に収まる。
【0063】
特定の実施形態では、漂白剤は、多相口腔用組成物の約0.001重量%、0.01重量%、0.02重量%、0.03重量%、0.04重量%、0.05重量%、0.06重量%、0.07重量%、0.08重量%、0.09重量%、0.095重量%、0.099995重量%、0.1重量%、0.2重量%、0.3重量%、0.4重量%、0.5重量%、0.6重量%、0.7重量%、0.8重量%、0.9重量%、1重量%、2重量%、3重量%、4重量%、5重量%、6重量%、7重量%、8重量%、9重量%、10重量%、15重量%、若しくは20重量%~約0.001重量%、0.01重量%、0.02重量%、0.03重量%、0.04重量%、0.05重量%、0.06重量%、0.07重量%、0.08重量%、0.09重量%、0.095重量%、0.099995重量%、0.1重量%、0.2重量%、0.3重量%、0.4重量%、0.5重量%、0.6重量%、0.7重量%、0.8重量%、0.9重量%、1重量%、2重量%、3重量%、4重量%、5重量%、6重量%、7重量%、8重量%、9重量%、10重量%、15重量%、若しくは20重量%、又は任意のその他の数域であってよく、このようなより狭い数域が全て本明細書に明示的に記載されているかのように、より狭く、かつこのようなより広い数値範囲内に収まる。
【0064】
特定の実施形態では、漂白剤のレベルは、多相口腔用組成物の0.09重量%未満、0.095重量%未満、0.099995重量%未満、0.1重量%未満、0.2重量%未満、0.3重量%未満、0.4重量%未満、0.5重量%未満、0.6重量%未満、0.7重量%未満、0.8重量%未満、0.9重量%未満、1重量%未満、2重量%未満、3重量%未満、4重量%未満、5重量%未満、6重量%未満、7重量%未満、8重量%未満、9重量%未満、若しくは10重量%未満であってよく、いくつかの実施形態では、多相口腔用組成物の0.9重量%未満、0.8重量%未満、0.7重量%未満、0.6重量%未満、0.5重量%未満、0.4重量%未満、0.3重量%未満、0.2重量%未満、若しくは0.1重量%未満であってよく、好ましくは多相口腔用組成物の約0.1重量%~約0.9重量%、より好ましくは約0.2重量%~約0.8重量%、より好ましくは約0.3重量%~約0.7重量%、又は任意のその他の数域であってよく、このようなより狭い数域が全て本明細書に明示的に記載されているかのように、より狭く、かつこのようなより広い数値範囲内に収まる。特定の実施形態では、漂白剤の量は、多相口腔用組成物の約0.001重量%~約1重量%、好ましくは約0.01重量%~約0.1重量%、より好ましくは約0.1重量%~約1重量%、また最も好ましくは約0.5重量%~約1重量%、又は任意のその他の数域であってよく、このようなより狭い数域が全て本明細書に明示的に記載されているかのように、より狭く、かつこのようなより広い数値範囲内に収まる。
【0065】
特定の実施形態では、漂白剤の量は、多相口腔用組成物の約0.6重量%~約5重量%、好ましくは約0.6重量%~約4重量%、より好ましくは約1重量%~約4重量%、また最も好ましくは約1重量%~約3重量%、又は任意のその他の数域であってよく、このようなより狭い数域が全て本明細書に明示的に記載されているかのように、より狭く、かつこのようなより広い数値範囲内に収まる。
【0066】
特定の実施形態では、漂白剤の量は、多相口腔用組成物の約0.6重量%~約10重量%、好ましくは約0.6重量%~約6重量%、より好ましくは約1重量%~約5重量%、また最も好ましくは約1重量%~約3重量%、又は任意のその他の数域であってよく、このようなより狭い数域が全て本明細書に明示的に記載されているかのように、より狭く、かつこのようなより広い数値範囲内に収まる。
【0067】
漂白剤の濃度は、その分子が着色の漂白を提供することが可能な、利用可能な酸素又は塩素のそれぞれに基づいてよい。特定の実施形態では、漂白剤のレベルは、多相口腔用組成物の約0.1重量%未満であり、特定の実施形態では、多相口腔用組成物の約0.09重量%未満、0.08重量%未満、0.07重量%未満、0.06重量%未満、0.05重量%未満、0.04重量%未満、0.03重量%未満、0.02重量%未満、0.01重量%未満、若しくは0.001重量%未満である、又は多相口腔用組成物の約0.01重量%~約0.099995重量%、約0.01重量%~約0.095重量%、若しくは約0.05重量%~約0.09重量%、又は任意のその他の数域であってよく、このようなより狭い数域が全て本明細書に明示的に記載されているかのように、より狭く、かつこのようなより広い数値範囲内に収まる。驚くべきことに、本明細書にて開示した多相口腔用組成物において、たとえ低いレベルにて使用した場合であっても、漂白剤は著しく効果的である。
【0068】
特定の実施形態では、本発明の多相口腔用組成物は漂白剤を含み、漂白剤は、水相の約2重量%、5重量%、8.75重量%、10重量%、15重量%、17.5重量%、20重量%、25重量%、30重量%、35重量%、若しくは45重量%~約50重量%、45重量%、40重量%、35重量%、30重量%、25重量%、20重量%、17.5重量%、15重量%、10重量%、8.75重量%、若しくは5重量%、又は任意のその他の数域にて水相中に存在してよく、このようなより狭い数域が全て本明細書に明示的に記載されているかのように、より狭く、かつこのようなより広い数値範囲内に収まる。
【0069】
特定の実施形態では、水相中に存在する漂白剤は、水相の少なくとも、又は約17.5重量%超、20重量%超、25重量%超、30重量%超、35重量%超、45重量%超、50重量%超、若しくは60重量%超、又は任意のその他の数域であってよく、このようなより狭い数域が全て本明細書に明示的に記載されているかのように、より狭く、かつこのようなより広い数値範囲内に収まる。
【0070】
漂白剤の濃度の比率
特定の実施形態では、本発明の多相口腔用組成物は、それらが、多相口腔用組成物全体中に存在する漂白剤の重量パーセントでの比較的低い濃度と組み合わされた、水相中に存在する漂白剤の重量パーセントでの高い濃度を有する際に、多相口腔用組成物全体中に存在する漂白剤の重量パーセントでの濃度に対する、水相中に存在する漂白剤の重量パーセントでの高い濃度比率を送達する。理論によって制限されることではないが、本発明における見かけ上矛盾したパラメータの驚くべき組み合わせは、たとえ、歯の表面に送達された漂白剤の全体の濃度又は量が低い場合であっても、高推進力を伴い、漂白剤を歯の表面に送達する。その結果として、1)高い推進力が、著しく高いレベルの漂白有効性及び/又は漂白速度を送達し、一方で、2)歯の表面に送達される低い全体濃度又は漂白剤の量が、歯の刺激敏感性の減少に役立ち得る。
【0071】
多相口腔用組成物全体中に存在する漂白剤の重量パーセントでの濃度に対する、水相中に存在する漂白剤の重量パーセントでの濃度比率は、約67000、50000、35000、20000、17500、10000、5000、3500、2000、1750、1160、1000、875、700、580、500、430、400、380、350、200、175、111、110、105、100、90、80、70、60、50、40、30、20、15、10、若しくは5~約67000、50000、35000、20000、17500、10000、5000、3500、2000、1750、1160、1000、875、700、580、500、430、400、380、350、200、175、111、110、105、100、90、80、70、60、50、40、30、20、15、10、若しくは5、又は任意のその他の数域であってよく、このようなより狭い数域が全て本明細書に明示的に記載されているかのように、より狭く、かつこのようなより広い数値範囲内に収まる。
【0072】
特定の実施形態では、本発明の多相口腔用組成物は漂白剤を含み、多相口腔用組成物全体中に存在する漂白剤の重量パーセントでの濃度に対する、水相中に存在する漂白剤の重量パーセントでの濃度比率は、少なくとも、又は約67000超、50000超、35000超、20000超、17500超、10000超、5000超、3500超、2000超、1750超、1160超、1000超、875超、700超、580超、500超、430超、400超、380超、350超、200超、175超、110超、105超、100超、90超、80超、70超、60超、50超、40超、30超、20超、15超、10超、若しくは5超、又は任意のその他の数域であってよく、このようなより狭い数域が全て本明細書に明示的に記載されているかのように、より狭く、かつこのようなより広い数値範囲内に収まる。
【0073】
好適な漂白剤は、歯の色を変える、又は増白する、漂白効果、着色漂白効果、着色除去効果、着色色換え効果、若しくは任意のその他の効果を提供する薬剤を含む。例えば、特定の実施形態では、漂白剤は過酸化物ラジカル源を含む。なお、漂白剤としては、過酸化物、金属塩化物、過ホウ酸塩、過炭酸塩、ペルオキシ酸、過硫酸塩、その場で前述の化合物を形成する化合物、及びこれらの組み合わせが挙げられてよい。過酸化化合物としては、過酸化水素、過酸化尿素、過酸化カルシウム、過酸化カルバミド、及びこれらの混合物が挙げられる。特定の実施形態では、漂白剤は、過酸化水素(H)であってよい。好適な金属塩化物としては、塩化カルシウム、亜塩素酸バリウム、塩化マグネシウム、亜塩素酸リチウム、亜塩素酸ナトリウム、亜塩素酸カリウム、及びこれらの混合物が挙げられる。追加の漂白剤はまた、次亜塩素酸塩(次亜塩素酸金属など)をも含む。過硫酸塩としては、ペルオキシ一硫酸の塩、ペルオキシジサルフェート、及びこれらの混合物が挙げられる。漂白剤の出発材料は水性材料又は固体材料であり得る。
【0074】
本発明の漂白剤は、疎水性相の保護効果故の分解に対して安定化され得る。特定の実施形態では、配合に続く、暗闇における30℃での180日間の保管後、本発明の多相口腔内組成物は、それらが共に配合された少なくとも約10%の過酸化水素の初期量を含んでいた。特定の実施形態では、少なくとも約25%の過酸化水素の初期量、少なくとも約50%の過酸化水素の初期量、又は少なくとも約75%の過酸化水素の初期量が、30℃での180日間の組成物の保管後に存在し得る。
【0075】
漂白剤のための任意の安定化剤
本発明の多相口腔用組成物は、漂白剤のための任意の安定化剤を含んでよい。多相口腔用組成物による分解に対して、本漂白剤を更に安定化させてよい。従って、本発明の組成物の水相へと、安定化剤を添加してよい。特に、過酸化水素を使用する場合に、安定剤を添加してよい。好適な安定化剤は、例えば、オルトリン酸、リン酸水素ナトリウムなどのリン酸(複数可)、ピロリン酸(複数可)、オルガノホスホネート(複数可)、エチレンジアミン四酢酸、エチレンジアミン-N,N’-二酢酸、エチレンジアミン-N,N’-二コハク酸、錫酸カリウム、錫酸ナトリウム、塩化第一錫、亜鉛塩、サリチル酸、1-ヒドロキシエチリデン-1,1-ジホスホン酸、及びこれらの組み合わせである。特に安定剤を用いてよく、これは、ピロリン酸塩(複数)又はオルガノホスホネート(複数可)により生じる抗歯石効果などの、追加の口腔ケア効果を示す。特定の実施形態では、安定化剤は、多相口腔用組成物の約0.0000001重量%、0.000001重量%、又は0.00001重量%~約0.00001重量%、0.0001重量%、又は0.01重量%、又は任意のその他の数域の量にて、本発明の多相口腔用組成物中に存在してよく、このようなより狭い数域が全て本明細書に明示的に記載されているかのように、より狭く、かつこのようなより広い数値範囲内に収まる。特定の実施形態では、安定化剤は、多相口腔用組成物の約0.0001重量%、又は0.01重量%~約0.01重量%、0.1重量%、若しくは約1重量%、又は任意のその他の数域の量にて、本発明の多相口腔用組成物中に存在してよく、このようなより狭い数域が全て本明細書に明示的に記載されているかのように、より狭く、かつこのようなより広い数値範囲内に収まる。
【0076】
安定化剤はまた、キレート剤を含んでよい。キレート剤は、銅、鉄及び/又はマンガンキレート剤、又はこれらの混合物であってよい。好適なキレート剤は、ジエチレントリアミン五酢酸、ジエチレントリアミンペンタ(メチルホスホン酸)、エチレンジアミン-N’N’-二コハク酸、エチレンジアミン四酢酸、エチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)、ヒドロキシエタンジ(メチレンホスホン酸)、及びそれらの任意の組み合わせから選択されてよい。好適なキレート剤は、エチレンジアミン-N’N’-二コハク酸(EDDS)及び/又はヒドロキシエタンジホスホン酸(HEDP)から選択されてよい。安定化剤は、エチレンジアミン-N’N’-二コハク酸、又はその塩を含んでよい。エチレンジアミン-N’N’-二コハク酸は、S,Sエナンチオマー形態でよい。安定剤は4,5-ジヒドロキシ-m-ベンゼンジスルホン酸二ナトリウム塩、グルタミン酸-N,N-二酢酸(GLDA)及び/又はそれらの塩、2-ヒドロキシピリジン-1-オキシド、Trilon P(商標)(BASF(ルートヴィヒスハーフェン、ドイツ)から入手可能)を含んでよい。好適なキレート剤はまた、炭酸カルシウム結晶成長阻害剤であってよい。好適な炭酸カルシウム結晶成長阻害剤は、1-ヒドロキシエタンジホスホン酸(HEDP)及びその塩、N,N-ジカルボキシメチル-2-アミノペンタン-1,5-二酸及びその塩、2-ホスホノブタン-1,2,4-トリカルボン酸及びその塩、並びにそれらの任意の組み合わせからなる群から選択されてよい。
【0077】
安定化剤は、1-ヒドロキシエタンジホスホン酸(HEDP)、N,N-ジカルボキシメチル-2-アミノペンタン-1,5-二酸、2-ホスホノブタン-1,2,4-トリカルボン酸、及びその塩、並びにこれらの任意の組み合わせなどの、炭酸カルシウム結晶成長阻害剤を含んでよい。
【0078】
安定剤は、ヒドロキサム酸塩キレート剤を含んでよい。本発明における「ヒドロキサム酸塩」とは、ヒドロキサム酸、又は対応する塩、例えば、ココヒドロキサム酸塩(Axis House RK853)を意味する。
【0079】
疎水性相
本発明は、安全かつ有効な量の疎水性相を含む。特定の実施形態では、本発明の多相口腔用組成物は疎水性相を含み、疎水性相は、多相口腔用組成物の少なくとも、又は約40重量%超、45重量%超、50重量%超、55重量%超、60重量%超、65重量%超、70重量%超、75重量%超、80重量%超、85重量%超、90重量%超、95重量%超、96重量%超、97重量%超、98重量%超、99重量%超、99.1重量%超、若しくは99.5重量%超、又は任意のその他の数域であってよく、このようなより狭い数域が全て本明細書に明示的に記載されているかのように、より狭く、かつこのようなより広い数値範囲内に収まる。
【0080】
特定の実施形態では、疎水性相は、多相口腔用組成物の少なくとも約95重量%、96重量%、97重量%、98重量%、99重量%、99.1重量%、若しくは99.5重量%、又は任意のその他の数域であってよく、このようなより狭い数域が全て本明細書に明示的に記載されているかのように、より狭く、かつこのようなより広い数値範囲内に収まる。
【0081】
特定の実施形態では、疎水相は、多相口腔用組成物中に存在する水相に対して比率が優勢であってよい。本発明で使用する場合、「比率が優勢」とは、多相口腔用組成物の疎水性相の重量パーセントが、多相口腔用組成物の水相の重量パーセントに対して超過することを意味する。
【0082】
疎水性相は、不活性であってよい、又は少なくとも部分的に不活性であってよい。疎水性相は、漂白剤を含む多相口腔用組成物中で、例えば、香料又は増粘剤などのその他の成分と相互作用し得るが、特定の実施形態ではその他の成分と相互作用しない、又はその他の成分と最小限でのみ相互作用する。
【0083】
本明細書にて開示したような組成物のための好適な疎水相は、約2超、3超、4超、5超、又は約5.5超の、オクタノール/水分配係数(logPOW)を有してよい。特定の実施形態では、疎水性相は、約6超、又は任意のその他の数域のlogPOWを示し、このようなより狭い数域が全て本明細書に明示的に記載されているかのように、より狭く、かつこのようなより広い数値範囲内に収まる。
【0084】
理論によって制限されるものではないが、疎水性相の滴下融点は、組成物が、1)実体的であり、かつ歯を減少させない、又は適用中若しくは使用中に送達支持材料を使い果たすことがない、かつ、2)使用中に、有効量の漂白剤又は有効成分を放出する、ということを確実にする要因であり得る。具体的には、疎水性相の滴下融点が低すぎる場合、多相口腔用組成物は実体的であり得えず、かつ歯を減少させ得る、又は適用中若しくは使用中に送達支持材料を使い果たし得る。対照的に、疎水性相の滴下融点が高すぎる場合、多相口腔用組成物は、使用中に、有効量の漂白剤又は有効成分を放出し得ない。好適な疎水性相の滴下融点は、ASTM法D127-08に従って測定されるように、約40℃~約80℃、約50℃~約65℃、約50℃~約60℃、又はその他の任意の数域の範囲であってよく、このようなより狭い数域が全て本明細書に明示的に記載されているかのように、より狭く、かつこのようなより広い数値範囲内に収まる。特定の実施形態では、疎水性相の滴下融点は、ASTM法D127-08に従って測定されるように、約120C、100C、90C、85C、80C、75C、70C、60C、50C、40C、若しくは30C、~約100C、90C、85C、80C、75C、70C、60C、50C、40C、30C、若しくは25C、又はその他の任意の数域であってよく、このようなより狭い数域が全て本明細書に明示的に記載されているかのように、より狭く、かつこのようなより広い数値範囲内に収まる。
【0085】
理論によって制限されるものではないが、疎水性相又は多相口腔用組成物の円錐貫入稠度値は、多相口腔用組成物が、1)実体的であり、かつ歯を減少させない、又は適用中若しくは使用中に送達支持材料を使い果たすことがない、かつ、2)使用中に、有効量の漂白剤又は有効成分を放出する、ということを確実にする要因であり得る。具体的には、疎水性相又は多相口腔用組成物の円錐貫入稠度値が高すぎる場合、多相口腔用組成物は実体的であり得えず、かつ歯を減少させ得る、又は適用中若しくは使用中に送達支持材料を使い果たし得る。対照的に、疎水性相又は多相口腔用組成物の円錐貫入稠度値が低すぎる場合、多相口腔用組成物は、使用中に、有効量の漂白剤又は有効成分を放出し得ない。特定の実施形態では、疎水性相又は多相口腔用組成物の円錐貫入稠度値は、ASTM法D937-07に従って測定されるように、約100~約300の範囲、好ましくは約150~約250の範囲、またより好ましくは約170~約200の範囲、又はその他の任意の数域の範囲であってよく、このようなより狭い数域が全て本明細書に明示的に記載されているかのように、より狭く、かつこのようなより広い数値範囲内に収まる。特定の実施形態では、疎水性相又は多相口腔用組成物の円錐貫入稠度値は、ASTM法D937-07に従って測定されるように、約10、25、50、100、110、120、130、140、150、160、170、180、190、200、210、220、230、240、250、300、400、若しくは500、~約25、50、100、110、120、130、140、150、160、170、180、190、200、210、220、230、240、250、300、400、若しくは500、又は任意のその他の数域であってよく、このようなより狭い数域が全て本明細書に明示的に記載されているかのように、より狭く、かつこのようなより広い数値範囲内に収まる。
【0086】
理論によって制限されるものではないが、過酸化物を含む多相口腔用組成物に関して、歯に塗抹される多相口腔用組成物の平均残留過酸化物濃度は、多相口腔用組成物が、1)実体的であり、かつ使用中に洗い流されない、かつ、2)使用中に、依然として有効量の漂白剤を放出する、ということを確実にする要因であり得る。具体的には、歯の表面上の、多相口腔用組成物の平均残留過酸化物濃度が低すぎる場合、多相口腔用組成物は実体的ではあり得ず、かつ使用中に洗い流され得る、又は使用中に、有効量の漂白剤を放出しない場合がある。特定の実施形態では、本明細書で明記された手順を使用して測定された、歯の上へと塗抹される多相口腔用組成物の過酸化物濃度の標準偏差は、約1、2、5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、125、150、175、200若しくは225~約2、5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、125、150、175、200、若しくは225、又は任意のその他の数域であってよく、このようなより狭い数域が全て本明細書に明示的に記載されているかのように、より狭く、かつこのようなより広い数値範囲内に収まる。特定の実施形態では、本明細書で明記された手順を使用して測定された、歯の上へと塗抹される多相口腔用組成物の平均残留過酸化物濃度の平均過酸化物濃度は、約1~約200、好ましくは約10~約200、より好ましくは約50~約200、また最も好ましくは約100~約200、又は任意のその他の数域であってよく、このようなより狭い数域が全て本明細書に明示的に記載されているかのように、より狭く、かつこのようなより広い数値範囲内に収まる。
【0087】
歯の上に塗抹された組成物の平均残留過酸化物濃度を測定するための手順
1.ヒトの門歯の前面から、円形盤(直径7.5~7.8mm×厚さ1.2~1.3mm)を切り取る。前面を無傷に保つが、研摩紙を使用して、切り取られた歯の後ろ面を平坦に戻す。ガラス瓶において、USP規格条件を満たす15~20mlの水中に、少なくとも24時間、歯盤を浸漬させる。歯盤を水から取り出して、前面を上向きにして、清浄なペーパータオル上に置く。
2.USP規格条件を満たす290~310グラムの水を、直径82~107mm×高さ106~108mm(Flacktek(ランドラム、サウスカロライナ州)からの、アイテム番号501 220t、「Max200 Long Cup Translucent」)のねじ蓋を伴う円筒形のプラスチック容器内へと押し込む。熱対流炉内において、33C~35Cの空気温度にて、少なくとも12時間、堅くねじ込まれた蓋を伴う容器内の水に予熱を与える。
3.0.04~0.06グラムの組成物を、使い捨て式リップグロス塗布具(Qosmedix Inc.(ロンコンコマ、ニューヨーク州)から購入される、カタログ番号74111、ナイロン及びポリスチレン製の「Flocked Doe Foot Lip Gloss Applicator」)上へと圧迫する。
4.第1に、歯盤の前面上に組成物と共に配置されたリップグロス塗布具の先端部を回転させて、歯盤上へと組成物を移動させ、次に円形の端部に向かって扇型に広げることにより、湿った歯盤の前面上へと組成物を塗抹する。
5.ピンセットを用いて、歯盤を拾い上げる。ピンセットが、歯盤の円形の端部のみに接触し、かつ組成物により塗抹された歯盤の表面に接触しないことを確認する。プラスチック容器を傾斜させ、かつ円筒壁と平底とが接する容器の円筒壁上において、水の中に歯盤を緩やかに定置させる。歯盤の処理表面が、容器の円筒壁から上向きに離れて面していることを確認する。
6.ローラミキサ(カタログ番号89132-186にて、VWR(バタビア、イリノイ州)から購入される、Techneによるモデル番号TSRT9、又はCole-Parmer Inc.(ヴァーノンヒルズ、イリノイ州)からの、アイテム番号04750-30)上に、円筒形の容器を定置させる。ミキサを作動させる-これは、12~14RPMにて容器を緩やかに回転させる。歯盤を水に浸漬し続けなければならず、また処理表面は、回転する円筒壁から離れて面していなければならない。この回転運動により、口腔内における、歯にわたる唾液及びその他の液体の緩やかな移動と同様に、歯盤にわたって水が緩やかに流れる。これを、図12に示す。
7.58~62分後に、ローラミキサを停止させ、新規の過酸化物試験ストリップ(EMD Millipore Corporation(供給業者番号1.16974.0001、ビレリカ、マサチューセッツ州)から供給され、カタログ番号EM1.16974.0001にて、VWR(バタビラ、イリノイ州)から購入される)を容器から取り出して、タイマーを起動させる。
8.過酸化物試験ストリップのデジタル画像を撮影する。試験ストリップのデジタル画像を撮影するために使用する機器及びシステム構成が、本明細書にて明記される。サンプルデジタル画像を、図13に示す。
9.ピンセットを用いて、水から歯盤を取り除く。従来どおり、ピンセットが、歯盤の円形の端部のみに接触し、かつ組成物により塗抹された歯盤の表面に接触しないことを確認する。手袋をはめた指先に、歯盤を載置させる。組成物が塗抹された歯盤の表面が、手袋をはめた指先から離れて上向きに面していることを確認する。
10.反応域のうち1つが、残留組成物を伴う歯盤の表面に接触するように、過酸化物試験ストリップを歯盤に対して定置させる。親指と人差し指との間で、過酸化物試験ストリップを歯盤に接触させてつまみ、親指と人差し指との間で、2~3秒の間、指圧をしっかりと加える。
11.ペーパータオルの清浄な領域へと、過酸化物試験ストリップを移動させる。濾紙(カタログ番号28450-081にて、VWR(バタビア、イリノイ州)から購入される、Whatman、グレード1、高品質濾紙標準グレード、円形、90mm、供給業者番号1001-090)を、試験ストリップの上部上に定置させる。濾紙の上部に指圧を加える。単一の塗り付けにおいて、(濾紙上の指圧力を維持しつつ)過酸化物試験ストリップを濾紙の下から引き抜き、これにより、濾紙及びペーパータオル上へと余分なゲルを拭き取る。過酸化物試験ストリップから反応域が外れないことを確実にする。
12.過酸化物試験ストリップのデジタル画像を撮影する。試験ストリップのデジタル画像を撮影するために使用する機器及びシステム構成が、本明細書にて明記される。サンプルデジタル画像を、図13に示す。
13.工程7~12を、タイマーで3分以内に完了させなければならない。
14.工程1~13を、最小12個の歯に関して繰り返す。
15.本明細書で明記された手順と共にAdobe Photoshop CS4を使用して、各画像内に内蔵のマンセルN8基準として機能する、保持具に取り付けられたマンセルN8マット色シートのストリップの、RED輝度の平均及び標準偏差を測定する。各画像内に内蔵されたマンセルN8基準の平均RED輝度は、204から212でなければならず、かつ標準偏差は3以下でなければならない。
16.本明細書で明記された手順と共にAdobe Photoshop CS4を使用して、(歯盤と接触させて押圧する前に)基線にて、過酸化物試験ストリップ上の反応域のRED輝度の平均を測定する。
17.本明細書で明記された手順と共にAdobe Photoshop CS4を使用して、歯盤と接触させて押圧した後に、過酸化物試験ストリップ上の同一の反応域のRED輝度の平均を測定する。
18.歯の上に塗抹される組成物の平均残留過酸化物濃度は、次のように算出される。第1に、工程16からの各反応域の平均基線RED輝度から、工程17からの歯盤上の残留組成物と共に押圧された後の、同一の反応域の平均RED輝度を減出して算出する。歯盤と接触させて押圧される全ての反応域に関して、この計算を繰り返し、かつ結果を平均化する。これは、歯の上に塗抹された組成物の、平均残留過酸化物濃度である。
【0088】
特定の実施形態では、本発明の多相口腔用組成物に手使用される疎水性相の密度は、約0.8g/cm3~約1.0g/cm3、約0.85/cm3~約0.95/cm3、又は約0.9/cm3、又は任意のその他の数域であり、このようなより狭い数域が全て本明細書に明示的に記載されているかのように、より狭く、かつこのようなより広い数値範囲内に収まる。
【0089】
特定の実施形態では、疎水性相は、非毒性の食用油などの、非毒性の油であってよい。特定の実施形態では、疎水性相は、非毒性の食用油、飽和脂肪アルコール又は不飽和脂肪アルコール、脂肪族炭化水素、長鎖トリグリセリド、脂肪酸エステル、及びこれらの混合物を含んでよい。特定の実施形態では、疎水性相はまた、シリコーン、ポリシロキサン、及びこれらの混合物を含んでもよい。特定の実施形態では、疎水性相は、鉱油、ワセリン及びこれらの混合物、より好ましくはワセリン、例えば、本発明の組成物の疎水性相として使用されるワセリンから選択されてよい。ワセリンの例としては、Calumet Specialty Products(インディアナポリス、インディアナ州)からのSnow White Pet-C、Sonneborn(パーシッパニー、ニュージャージー州)からのG-2191、SonnebornからのG2218、SonnebornからのG1958、SonnebornからのG2180、SonnebornからのSnow White V28EP、及びSonnebornからのSnow White V30、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0090】
特定の実施形態では、脂肪族炭化水素は、デカン、2エチルデカン、テトラデカン、イソテトラデカン、ヘキサデカン、エイコサン、及びこれらの混合物などの、約10、12、14又は16個~約16、18、20、22、24、26、28、30、36、40個の炭素原子を含有してよい。特定の実施形態では、長鎖トリグリセリドは、植物油、魚油、動物性脂肪、植物性硬化油、部分的硬化植物油、半合成トリグリセリド、合成トリグリセリド、及びこれらの混合物を含んでよい。特定の実施形態では、精留された、これらの種類の精製油又は純化油を使用することもできる。特定の実施形態では、長鎖トリグリセリド含有油の例としては、アーモンド油ババス油、ルリヂサ油、クロフサスグリ種子油、キャノーラ油、ヒマシ油、椰子油、トウモロコシ油、綿実油、エミュー油、月見草油、アマニ油グレープシード油、落花生油、からし油、オリーブ油、パーム油、パーム核油、ピーナッツ油、菜種油、ベニバナ油、ゴマ油、鮫肝油、大豆油、ヒマワリ油、硬化ヒマシ油、硬化椰子油、硬化パーム油、硬化大豆油、硬化植物油、硬化綿実油と硬化ヒマシ油との混合物、部分的硬化大豆油、部分的硬化大豆油と部分的硬化綿実油との混合物、トリオレイン酸グリセリル、トリリノール酸グリセリル、トリリノレイン酸グリセリル、オメガ3-ポリ-不飽和脂肪酸トリグリセリド含有油、及びこれらの混合物、が挙げられる。長鎖トリグリセリド含有油としては、特に、トウモロコシ油、オリーブ油、パーム油、ピーナッツ油、ベニバナ油、ゴマ油、大豆油、ヒマシ油、亜麻仁油、菜種油、米糠油、椰子油、硬化ヒマシ油、部分的硬化大豆油、トリオレイン酸グリセリル、トリリノール酸グリセリル、オメガ3-ポリ-不飽和脂肪酸トリグリセリド含有油、及びこれらの混合物、からなる群から選択されてよい。
【0091】
特定の実施形態では、好適な飽和脂肪アルコール又は不飽和脂肪アルコールは、約6個~約20個の炭素原子、セテアリルアルコール、ラウリルアルコール、及びこれらの混合物を有する。例えば、Lipo Chemicalにより、Lipowax(セテアリルアルコール及びセテアレス-20)が供給及び製造される。
【0092】
シリコーン流体、ゴム、及び樹脂を含むシリコーン並びにシリコーンの製造における一般情報は、高分子工業科学百科辞典(Encyclopedia of Polymer Science and Enginerring、第15巻、第2版、204~308頁、John Wiley & Sons Inc.)、及びChemistry and Technology of Silicones(Walter Noll、1989年、Academic Press Inc.(発行者Harcourt Brue Javanovich、ニューヨーク)、1968年、282~287頁及び409~426頁)において見出すことができる。
【0093】
本明細書にて開示した多相口腔用組成物は、所望により追加することができ、かつ以下で更に詳細に述べる、追加の成分を含んでよい。
【0094】
本発明の多相口腔用組成物は、乳化剤を含んでよい。驚くべきことに、特定の実施形態では、多相口腔用組成物は、乳化剤が使用されない場合であっても形成され得る。理論によって制限されるものではないが、流体力学的特性、流動特性、滴下融点、及び/又は疎水性相の円錐貫入稠度、及び/又は組成物の調製プロセスと組み合わされた少量の水相が、水相を疎水性相中へと分散させて、乳化剤を使用せずに水相の分散を維持するのに役立ち得る、と考えられている。従って、本発明のホワイトニング多相口腔用組成物は、好ましくは、歯の表面における有効性、使用経験、時間の経過にわたる有効成分又は漂白剤の濃度、有効性効率又は漂白効率、又は成分間の混和性を損ない得る成分、例えば乳化剤を、実質的に含まない。本明細書で理解されるような「乳化剤を実質的に含まない」とは、組成物が、0.001重量%未満の乳化剤を含むことを意味する。より好ましい本発明のホワイトニング多相口腔用組成物は、乳化剤を含まない、即ち、いかなる乳化剤をも含まない。
【0095】
特定の実施形態では、多相口腔用組成物は、約0.001%~30%の乳化剤を含んでよい。選択された乳化剤が使用者に対して非毒性である限り、任意の乳化剤を使用してよい。特定の実施形態では、乳化剤(又は乳化剤の組み合わせ)は、多相口腔用組成物の形成に有利である。特定の実施形態では、多相口腔用組成物は、多相口腔用組成物の約0~約0.1重量%、約0.1~約5重量%、約0.1~約3重量%、又は約0.5重量%~約1.5重量%の乳化剤を含んでよい。
【0096】
乳化剤として有用な界面活性剤の分類としては、非イオン性、アニオン性、カチオン性、両性、合成の乳化剤、及びこれらの混合物が挙げられる。多くの好適な非イオン性及び両性の界面活性剤が、米国特許第3,988,433号、米国特許第4,051,234号により開示されており、また多くの好適な非イオン性界面活性剤が同様に、米国特許第3,959,458号に開示されている。
【0097】
特定の実施形態では、多相口腔用組成物がより多くの親脂性乳化剤に有利である故に、乳化剤は、約1~約10のHLB値、拓3~約8のHLB値、約4~約7のHLB値、又は約4~約6のHLB値を有してよい。単一の乳化剤、又は乳化剤の組み合わせのどちらかを使用してよい。特定の実施形態では、乳化剤は、2種又はそれ以上の非イオン性の乳化剤などの、2種又はそれ以上の乳化剤のブレンドであってよい。この関連で、多相口腔用組成物を形成する傾向のある乳化剤、及び水中油型エマルションを形成する乳化剤は、多相口腔用組成物ために必要なHLBを達成するように、ブレンドされてよい(HLBの値は、代数的に加算的である)。
【0098】
本明細書にて有用なその他の乳化剤としては、アカシア、ゼラチン、レシチン、及びコレステロールなどの天然の乳化剤、コロイド粘土、ベントナイト、ビーガム(ケイ酸アルミニウムマグネシウム)などの微細分散固体、及び脂肪酸の塩、ソルビタントリオレエート、ソルビタントリステアレート、サッカロースジステアレート、プロピレングリコールモノステアレート、グリセロールモノステアレート、プロピレングリコールモノラウレート、モノステアリン酸ソルビタン、ソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレン-4-ラウリルエーテル、ラウリル硫酸ナトリウムなどの硫酸、スルホコハク酸ジオクチルナトリウム、グリセリルエステル、ポリオキシエチレングリコールエステル及びエーテル、ジエチレングリコールモノステアレート、PEG200ジステアレートなどのスルホネート、並びにソルビタンモノパルミテート、及びそれらのポリオキシエチレン誘導体、モノステアレートなどのポリオキシエチレングリコールエステル、Polysorbate80(エトキシ化ソルビタンモノオレエート)(Spectrum等から供給される)などのソルビタン脂肪酸エステル、などの合成乳化剤、及びそれらの混合物が挙げられる。
【0099】
乳化剤は、漂白剤と非反応性である界面活性剤であってよい。例えば、漂白剤と非反応性である界面活性剤は、ヒドロキシ基を有さず、窒素基及び結合を含まず、Znなどの金属を実質的に含まない。
【0100】
乳化剤は、非イオン性の界面活性剤であってよい。非イオン性の界面活性剤は、商標Tweenにて販売されている材料などの、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類を含む。続く節における「ポリオキシエチレン」部分に追従する数は、分子中に見出されたオキシエチレン-(CHCHO)-基の総数を意味する。「ポリソルベート」部分に追従する数は、分子のポリオキシエチレンソルビタン部分に付随する、脂肪酸の種類に関連する。モノラウレートは20により示され、モノパルミテートは40により示され、モノステアレートは60により示され、またモノオレエートは80により示される。このような材料の例は、ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノラウレート(Tween20)、ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノパルミテート(Tween40)、ポリオキシエチレン(20)モノステアリン酸ソルビタン(Tween60)、ポリオキシエチレン(4)モノステアリン酸ソルビタン(Tween61)、ポリオキシエチレン(20)ソルビタントリステアレート(Tween65)、ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノオレエート(Tween80)、ポリオキシエチレン(5)ソルビタンモノオレエート(Tween81)、及びポリオキシエチレン(20)ソルビタントリオレエート(Tween85)、及びこれらの混合物。ポリオキシエチレン脂肪酸エステルもまた好適であり、例として、ポリオキシエチレン(8)ステアレート(Myrj45)及びポリオキシエチレン(40)ステアレート(Myrj52)並びにこれらの混合物などの、商標Myrjにて販売されているこれらの材料が挙げられる。なお、非イオン性としては、ポロキサマー及びプルロニックなどの、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックコポリマーが挙げられる。
【0101】
本発明における最適な使用のための、別の好適な非イオン性界面活性剤の分類は、商標Brijにて販売されている材料などの、ポリオキシエチレン脂肪酸エステルである。このような材料の例は、ポリオキシエチレン(4)ラウリルエーテル(Brij30)、ポリオキシエチレン(23)ラウリルエーテル(Brij35)、ポリオキシエチレン(2)セチルエーテル(Brij52)、ポリオキシエチレン(10)セチルエーテル(Brij56)、ポリオキシエチレン(20)セチルエーテル(Brij58)、ポリオキシエチレン(2)ステアリルエーテル(Brij72)、ポリオキシエチレン(10)ステアリルエーテル(Brij76)、ポリオキシエチレン(20)ステアリルエーテル(Brij78)、ポリオキシエチレン(2)オレイルエーテル(Brij93)、ポリオキシエチレン(10)オレイルエーテル、及びポリオキシエチレン(20)オレイルエーテル(Brij99)、及びこれらの混合物である。
【0102】
非イオン性界面活性剤の一部は、商標Arlacelにて販売されている材料などのソルビタン脂肪酸エステルなどの、親脂性界面活性剤により置換されてよい。好適な親脂性界面活性剤としては、ソルビタンモノラウレート(Arlacel20)、ソルビタンモノパルミテート(Arlacel40)、ソルビタンモノステアレート(Arlacel60)、ソルビタンモノオレエート(Arlacel80)、ソルビタンセスキオレエート(Arlacel83)、ソルビタントリオレエート(Arlacel85)、及びこれらの混合物が挙げられる。典型的には、約2%~約90%、又は約25%~約50%のレベルの非イオン性界面活性剤が、親脂性界面活性剤により置換されてよい。
【0103】
特定の実施形態では、乳化剤は、Cytecにより製造される、エアゾールOT(ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム)であってよい。
【0104】
なお、特定の実施形態では、多相口腔用組成物はまた、歯の表面における有効性、使用経験、時間の経過にわたる有効成分又は漂白剤の濃度、有効性効率又は漂白効率、又は成分間の混和性を損ない得る成分、例えば酸及び/又はアルコールを、実質的に含まなくてもよい。特定の実施形態では、多相口腔用組成物は、組成物の0.001重量%未満の酸及び/又はアルコールを含んでよいが、好ましくは、多相口腔用組成物は、酸及び/又はアルコールを含まない。理論によって制限されるものではないが、アルコールにより生じる表面張力の減少が、歯の表面における水相の保持時間を減少させ、それにより、口腔ケア剤の有効性を減少させる、と考えられている。酸の存在が有効成分と矛盾し得る、及び/又は歯の表面にとって、過敏症等の負の副作用を発生させ得る。従って、特定の実施形態では、本多相口腔用組成物は、好ましくは酸を含まない、アルコールを含まない、又はこれらの混合物を含まない。特定の実施形態では、多相口腔用組成物の疎水性相は、歯の表面における有効性、使用経験、時間の経過にわたる有効成分又は漂白剤の濃度、有効性効率又は漂白効率、又は成分間の混和性を損ない得る成分、例えば漂白剤を、実質的に含まなくてよい。特定の実施形態では、多相口腔用組成物は、歯の表面における有効性、使用経験、時間の経過にわたる有効成分又は漂白剤の濃度、有効性効率又は漂白効率、又は成分間の混和性を損ない得る成分、例えば、ヒュームドシリカ、ポリオルガノシロキサン、シリコーン樹脂及びポリジオルガノシロキサンのコポリマー縮合生成物、固体成分、又はこれらの組み合わせを、実質的に含まなくてよい。特定の実施形態では、多相経口組成物は、特に、漂白剤が液体の形態である、又は液体中に分散される場合に、漂白剤の安定性を減少させる故に、ヒュームドシリカを実質的に含まなくてよい。
【0105】
多相口腔用組成物の追加成分
増粘剤、粘度調整剤、又は粒状充填剤
本明細書における多相口腔用組成物は、安全かつ効果的な量の、増粘剤、粘度調整剤、又は粒状充填剤を含んでよい。増粘剤は、組成物の許容可能なレオロジーを更に提供し得る。粘度調整剤は、組成物の沈降及び分離を阻害するように、又は再分散を促進する方法にて沈降を制御して、組成物の流動特性を制御し得るように、更に作用してよい。なお、増粘剤又は粘度調整剤は、ストリップ、フィルム、又は歯科用トレイなどの好適な塗布装置を用いて、塗布装置の表面上への保持を増大させることにより、本組成物の使用を促進し得る。増粘剤には、本明細書に記載されたように、接着剤として機能し得る。
【0106】
増粘剤が存在する場合には、粘度調整剤、又は粒子状充填剤は、多相口腔用組成物の約0.01重量%~約99重量%、約0.1重量%~約50重量%、約1重量%~約25重量%、又は約1重量%~約10重量%のレベルにて存在してよい。
【0107】
本明細書において使用することができる好適な増粘剤、粘度調節剤、又は粒子状充填剤としては、オルガノ変性粘土、シリカ、架橋シロキサンなどの合成ポリマー、セルロース誘導体(例えばメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシ-プロピルメチルセルロース)、カルボマーポリマー(例えば、架橋ポリアクリル酸コポリマー、又はホモポリマー、及びポリアルケニルポリエステルで架橋されたアクリル酸のコポリマー)、天然及び合成ゴム、カラヤゴム、グアーゴム、ゼラチン、アルギン、アルギン酸ナトリウム、トラガカント、キトサン、ポリエチレン酸化物、アクリルアミドポリマー、ポリアクリル酸、ポリビニルアルコール、ポリアミン、ポリ四級化合物、酸化エチレンポリマー、ポリビニルピロリドン、カチオン性ポリアクリルアミドポリマー、ワックス(パラフィンワックス及び微晶蝋を含む)、ポリエチレン、ヒュームドシリカ、ポリメタクリレート、オレフィンコポリマー、水素化スチレン-ジエンコポリマー、スチレンポリエステル、ゴム、ポリ塩化ビニル、ナイロン、フルオロカーボン、ポリウレタンプレポリマー、ポリエチレン、ポリスチレン、アルキル化ポリスチレン、ポリプロピレン、セルロース系樹脂、アクリル系樹脂、エラストマー、ポリ(n-ブチルビニルエーテル)、ポリ(スチレン共無水マレイン酸)、ポリ(フマル酸アルキル共酢酸ビニル)、ポリ(t-ブチルスチレン)、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0108】
ポリエチレンの例としては、ASTM D-1321下で、それぞれ約98.5及び約90.0の透過値を伴う、Honeywell Corp.(モリスタウン、ニュージャージー州)により製造されるA-C1702又はA-C6702、Baker Hughesからの、ポリエチレンPerformaleneシリーズが挙げられ、これには、Baker Hughes Inc.(ヒューストン、テキサス州)からの、ポリエチレンPerformalene400が含まれる。微晶蝋の例としては、Sonneborn(パーシッパニー、ニュージャージー州)、Crompton(Witco)からのMultiwaxシリーズが挙げられ、これらには、Multiwax835、Multiwax440、Multiwax180、及びこれらの混合物が含まれる。
【0109】
ポリメタクリレートの例としては、例えば、アクリレート-メタクリレート共重合体、メタクリレート-スチレン共重合体、又はこれらの組み合わせが挙げられる。エラストマーの例としては、例えば、水素化スチレン-ブタジエン共重合体、水素化スチレン-イソプレン共重合体、エチレン-エチレン-プロピレンポリマー、エチレン-プロピレンポリマー、スチレン-エチレン-エチレン-プロピレン-スチレンポリマー、又はこれらの混合物が挙げられる。ゴムの例として、水素化ポリイソプレンが挙げられる。粘度調整剤のその他の例は、Chapman及びHall「Chemistry and Technology of Lubricants」(第2版、1997年)に記載されている。
【0110】
好適なカルボマーは、ペンタエリスリトールのアルキルエーテルにより、若しくはスクロースのアルキルエーテルで架橋された、アクリル酸のホモポリマーの部類を含む。カルボマーは、Carbopol934、940、941、956、及びこれらの混合物などのCarbopol(登録商標)シリーズとして、B.F.Goodrichから市販されている。ポリアクリル酸のホモポリマーは、例えば、米国特許第2,798,053号に記載されている。有用なホモポリマーのその他の例としては、B.F.Goodrich Company(グリーンビル、サウスカロライナ州)から入手可能な、Ultrez10 ETD2050、及び974Pポリマーが挙げられる。このようなポリマーは、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、無水マレイン酸等などの、不飽和性の重合可能なカルボン酸モノマーである。
【0111】
任意の追加の口腔ケア有効成分
本発明の組成物は、口腔内で使用するために、一般に安全であり、かつ口腔の全体的な外観又は健康に変化を提供する任意の材料などの、安全かつ有効量の追加の口腔ケア有効成分を、含んでよい。好適な追加の口腔ケア有効成分としては、1種以上の抗結石剤(複数可)、フッ化物イオン源、抗菌剤(複数可)、歯科用減感剤(複数可)、麻酔剤(複数可)、抗真菌剤(複数可)、抗炎症剤(複数可)、選択的H-2拮抗剤(複数可)、抗カリエス剤(複数可)、栄養素(複数可)、エリスリトール、プロバイオティクス、及びこれらの混合物が挙げられる。追加の口腔ケア有効成分は、直接使用する場合に、着用者により求められる利点が、それが適用される口腔の表面に有害な影響を与えることなく促進されるレベルでの、有効成分を含有してよい。これらの有効成分が対処する、口腔状態の例としては、歯の外見及び構造変化、着色の除去、歯垢の除去、歯石の除去、口腔予防及び治療、炎症性の歯茎及び/又は終結性の歯茎、粘膜の傷、損傷、潰瘍、アフタ性潰瘍、単純疱疹、歯の膿瘍、及び上記の状態及び細菌の増殖などのその他の場合からもたらされる口臭の除去が挙げられるが、これらに限定されない。特定の実施形態では、多相口腔用組成物において使用されてよい追加の口腔有効成分のレベルは、多相口腔用組成物の約0.01重量%~約50重量%、約0.1重量%~約20重量%、約0.5重量%~約10重量%、若しくは約1重量%~約7重量%、又は任意のその他の数域であってよく、このようなより狭い数域が全て本明細書に明示的に記載されているかのように、より狭く、かつこのようなより広い数値範囲内に収まる。
【0112】
特定の実施形態では、追加の口腔ケア有効成分は、治療若しくは再生プロセスを促進又は増強する、治療剤であってよい。特定の実施形態では、このような治療剤は、ヒアルロン酸又はその塩、グルコサミン又はその塩、アラントイン、クルクミン、Dパンテノール、ナイアシンアミド、エラグ酸、フラボノイド(フィセチン、ケルセチン、ルテオリン、アピゲニンを含む)、ビタミンE、ユビキノン又はこれらの混合物を含んでよい。
【0113】
特定の実施形態では、追加の口腔ケア有効成分は、ラクトバシラス・ロイテリATCC55730、ラクトバシラス・サリバリウス株T12711(LS1)、ラクトバシラス・カゼイADP-1、ストレプトコッカス・サリバリウスK12、ビフィドバクテリウムDN-173 010、L.カゼイ株(pro-t-action(商標))の濾液、ストレプトコッカス・オラーリスKJ3、ストレプトコッカス・ラッタスJH145、ストレプトコッカス・ウベリスKJ2、ラクトバシラス、reuteri Prodentis、ラクトバシラス・サリバリウスLS1、ラクトバシラス・カゼイ、ラクトバシラス・カゼイADP1、ストレプトコッカス・サリバリウスM18、K12、又はBLIS K12及びBLIS K18、バシラス・アミロリケファシエンス、バシラス・クラウジ、バシラス・コアギュランス、バシラス・サブチリス、バシラス・サブチリス:E-300、ビフィドバクテリウム・アニマリス、ビフィドバクテリウムB6、ビフィドバクテリウム・ビフィダム、ビフィドバクテリウム・ブレヴェ(Bb-03)、ビフィドバクテリウムDN-173 010、ビフィドバクテリウムGBI30 6068、ビフィドバクテリウム・インファンティス、ビフィドバクテリウム・ラクティス、ビフィドバクテリウム・ラクティスBb-12、ビフィドバクテリウム・ロンガム、ビフィドバクテリウム・サーモフィラム、エンテロコッカス・フェカーリス、エンテロコッカス・フェシウム、エンテロコッカス・フェシウムNCIMB10415、エンテロコッカスLAB SF68、ラクトバシラス・ロイテリATCC55730及びATCC PTA5289、ラクトバシラス・ロイテリATCC55730及びATCC PTA5289(10:1)、ラクトバシラス・アシドフィルス、ラクトバシラス・アシドフィルスATCC4356及びビフィドバクテリウム・ビフィダムATCC29521、ラクトバシラス・アシドフィルス、ビフィドバクテリウム・ロンガム、ビフィドバクテリウム・ビフィダム、ビフィドバクテリウム・ラクティス、ラクトバシラス・ブレビス、ラクトバシラス・カゼイ(亜種、Casi)、ラクトバシラス・カゼイ・シロタ、ラクトバシラス・コンフスス、ラクトバシラス・クリスパタスYIT12319、ラクトバシラス・クルヴァトゥス、ラクトバシラス・デルブリッキSsp.ブルガリクスPXN39、ラクトバシラス・ファーメンタム、ラクトバシラス・ファーメンタムYIT12320、ラクトバシラス・ガセリ、ラクトバシラス・ガセリYIT12321、ラクトバシラス・ヘルベティカス、ラクトバシラス・ジョンソニー、ラクトバシラス・キムチ、ラクトバシラス・ラクティスL1A、ラクトバシラス・カゼイ(Lpc37)、ラクトバシラス・カゼイGMNL-33、ラクトバシラス・ペントサス、ラクトバシラス・プランタルム、ラクトバシラス・プランタルム、ラクトバシラス・プロテクタス、ラクトバシラス・ロイテリ、ラクトバシラス・ロイテリATCC55730、ラクトバシラス・ロイテリSD2112(ATCC55730)、ラクトバシラス・ラムノサス(GG)、ラクトバシラス・ラムノサスGG、ラクトバシラス・ラムノサスGG、L.ファーメンタムLC705、プロピオニバクテリウム・フロイデンライヒssp、シェルマニJS、ラクトバシラス・ラムノサスL8020、ラクトバシラス・ラムノサスLB21、ラクトバシラス・サリバリウス、ラクトバシラス・サリバリウスWB21、ラクトバシラス・スポロゲネス、ラクトバシラス・ラクティスSspジアセチラクチス、ラクトバシラス・ラクティスSsp.ラクティス、ペディオコッカス・アシディラクティシ、ペディオコッカス・ペントサセウス、サッカロミセス・ブラウディ、サッカロミセス・ケレウィシアエ、ストレプトコッカス・ウベリスKJ2sm、ストレプトコッカス・オラーリスKJ3sm、ストレプトコッカス・ラッタスJH145、ストレプトコッカス・ミチスYIT12322、ストレプトコッカス・オラーリスKJ3、ストレプトコッカス・ラッタスJH145、ストレプトコッカス・サリバリウス(BLIS K12、又はBLIS M18)、ストレプトコッカス・サリバリウスK12、ストレプトコッカス・サーモフィラス、ストレプトコッカス・ウベリスK2、サーマス・サーモフィルス、ワイセラチバリアCMS2、ワイセラチバリアCMS3、及びワイセラチバリアCMU、から選択される、1種以上のプロバイオティクスであってよい。
【0114】
本発明の多相口腔用組成物においてプロバイオティクスを使用することで、カリエス及び歯垢の減少、歯茎の健康の促進、衛生の向上、及びホワイトニングの促進などの、肯定的な口腔内の衛生効果を促進することができる。特定の実施形態では、多相口腔用組成物におけるプロバイオティクスの有効性は、以下の1種以上の項目、唾液のミュータンスレンサ球菌レベルの低下、歯肉溝液の減少、歯肉下の歯垢による歯周病(C.直筋、及びP.歯肉炎)の減少、酵母数の減少、口腔カンジダ有病率の減少、口腔の揮発性イオウ化合物(VSC)レベルの減少、及びTNF-α及びIL-8の生成の減少、を測定することにより、決定することができる。理論によって制限されるものではないが、上記の1つ以上の肯定的な口腔衛生効果は、口腔内の特定の種類の細菌を除去する又は減少させる細菌毒素の生成を介して達成されてよい、と考えられており、更に、上記の1つ以上の肯定的な口腔衛生効果は、衛生問題をもたらし得る生物膜又は粘着性の堆積物の生成若しくは溶解/緩みを抑制する、1種以上の酵素の細菌生成を介して、達成されてよい。
【0115】
本発明の多相経口組成物は、歯の漂白及び歯に付着した着色の除去又は減少に関し、特定の実施形態では、本明細書にて開示したように、安全かつ有効な量の少なくとも1種の抗結石剤が、組成物へと添加されてよい。特定の量では、当該量は、多相口腔用組成物の約0.01重量%~約40重量%、約0.1重量%~約25重量%、約4.5重量%~約20重量%、若しくは約5重量%~約15重量%、又は任意のその他の数域であってよく、このようなより狭い数域が全て本明細書に明示的に記載されているかのように、より狭く、かつこのようなより広い数値範囲内に収まる。抗結石剤はまた、多相口腔用組成物のその他の構成成分、特に、ホワイトニング剤と相容性であってよい。抗結石剤はまた、ポリホスフェート及びその塩、ポリアミノプロパンスルホン酸(AMPS)及びその塩、ポリオレフィンスルホネート及びその塩、ポリビニルホスホネート及びその塩、ポリオレフィンホスホネート及びその塩、ジホスホン酸及びその塩、ホスホノアルカンカルボン酸及びその塩、ポリホスホネート及びその塩、ポリビニルホスホネート及びその塩、ポリオレフィンホスホネート及びその塩、ポリペプチド、並びにこれらの混合物からなる群から選択することができ、前述の塩は、通常、アルカリ金属塩である。特定の実施形態では、本発明の多相口腔用組成物において使用される抗結石剤はまた、ピロリン酸塩、ポリホスフェート、ポリホスホネート、及びこれらの混合物などの漂白剤に対する、安定化効果を示す。
【0116】
例えば、抗結石剤は、ポリホスフェートであってよい。ポリホスフェートは一般に、主に直鎖構造に配置された2つ以上のホスフェート分子を含むと理解されているが、いくつかの環状誘導体が存在する場合もある。直鎖ポリホスフェートは(X POに対応し、式中、nは約2~約125であり、好ましくは、nは4超であり、またXは、(X POに関して、例えば、ナトリウム、カリウム等であり、nが少なくとも3である場合に、ポリホスフェートはガラス質の特性を有する。これらのホスフェートに関する対イオンは、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム、C~Cアルカノールアンモニウム及びその塩混合物であってよい。ポリホスフェートは、一般に、カリウム塩、ナトリウム塩、アンモニウム塩、及びこれらの混合物のような、全体的に又は部分的に中和された水溶性アルカリ金属塩として使用される。無機ポリホスフェート塩としては、アルカリ金属(例えば、ナトリウム)トリポリホスフェート、テトラポリホスフェート、二酸ジアルキル金属(例えば、二ナトリウム)、一酸トリアルキル金属(例えば、三ナトリウム)、リン酸水素カリウム、リン酸水素ナトリウム、及びアルカリ金属(例えば、ナトリウム)ヘキサメタホスフェート、及びこれらの混合物が挙げられる。テトラポリホスフェートよりも大きいポリホスフェートは、通常、商業的にSodaphos(n≒6)、Hexaphos(n≒13)、ガラスH(n≒21)、及びこれらの混合物と知られる、FMC Corporationにより製造されるようなものなどの、非晶質ガラス状材料として発生する。存在する場合、本発明の組成物は、一般に、組成物の約0.5重量%~約20重量%、特に約4重量%~約15重量%、より特に約6重量%~約12重量%のポリホスフェートを含み得る。
【0117】
本組成物に有用なピロホスフェートとしては、アルカリ金属ピロホスフェート、ジ-、トリ-及びモノ-ピロリン酸カリウム又はピロリン酸ナトリウム、ジアルカリ金属ピロホスフェート、テトラアルカリ金属ピロホスフェート、及びこれらの混合物が挙げられる。例えば、ピロリン酸塩は、ピロリン酸三ナトリウム、ピロリン酸二水素二ナトリウム(Na)、ピロリン酸二カリウム、ピロリン酸四ナトリウム(Na)、ピロリン酸カリウム(K)、及びこれらの混合物からなる群から選択され、ピロリン酸四ナトリウムが好ましい。ピロリン酸四ナトリウムは、無水塩形態若しくは十水和物形態、又は本発明の組成物中、固形形態で安定している任意のその他の種であってよい。本塩は固体粒子形態であり、これは、塩の粒径が、好ましくは、審美的に許容可能であり、かつ使用中速やかに可溶するのに十分に小さい結晶状態及び/又は非晶質状態であってよい。本発明の組成物におけるピロリン酸塩のレベルは、組成物の約1.5重量%~約15重量%、特に約2重量%~約10重量%、またより特に約3重量%~約8重量%であってよい。
【0118】
ホスフェート源は、ポリホスフェート及びピロリン酸塩を含むが、これらに限定されず、Kirk&Othmer,Encyclopedia of Chemical Technology,第3版、第18巻、Wiley-Interscience Publishers(1996年)、685~707頁に、より詳細に記載されており、Kirk&Othmerに組み込まれている全ての参照を含む、その全体が本明細書に参照として組み込まれている。
【0119】
ポリオレフィンホスホネートとしては、オレフィン基が2個以上の炭素原子を含有するものが挙げられる。ポリビニルホスホネートとしては、ポリビニルホスホン酸が挙げられる。ジホスホネート及びその塩としては、アゾシクロアルカン-2,2-ジホスホン酸及びその塩、アゾシクロアルカン-2,2-ジホスホン酸及びその塩のイオン(アルカン部分が、5、6、又は7個の炭素原子を有し、窒素原子が非置換である、又は低アルキル置換基、例えばメチルを送達するようなものなど)、アザシクロヘキサン-2,2-ジホスホン酸、アザシクロペンタン-2,2-ジホスホン酸、N-メチル-アザシクロペンタン-2,3-ジホスホン酸、EHDP(ヒドロキシエタン-1,1,-ジホスホン酸)、AHP(アザシクロヘプタン-2,2-ジホスホン酸、a.k.a.1-アザシクロヘプチリデン-2,2-ジホスホン酸)、エタン-1-アミノ-1,1-ジホスホネート、ジクロロメタンジホスホネートなどが挙げられる。ホスホノアルカンカルボン酸、又はそのアルカリ金属塩としては、それぞれが酸、又はアルカリ金属塩である、PPTA(ホスホノプロパントリカルボン酸)、PBTA(ホスホノブタン-1,2,4-トリカルボン酸)が挙げられる。
【0120】
なお、抗菌抗歯垢剤が、本発明の組成物中に存在してよい。このような剤としては、米国特許番号第3,506,720号、及びヨーロッパ特許出願第0,251,591号における、メルクインデックス(Merck Index)、第11版(1989年)、1529頁(エントリー番号9573)に記載されているような、トリクロサン、5-クロロ-2-(2,4-ジクロロフェノキシ)-フェノール、クロルヘキシジン(メルクインデックス、2090号)、アレキシジン(メルクインデックス、222号)、ヘキセチジン(メルクインデックス、4624号)、サンギナリン(メルクインデックス、8320号)、塩化ベンザルコニウム(メルクインデックス、1066号)、サリチルアニリド(メルクインデックス、8299号)、臭化ドミフェン(メルクインデックス、3411号)、塩化セチルピリジニウム(CPC)(メルクインデックス、2024号)、塩化テトラデシルピリジニウム(TPC)、Nテトラデシル-4-エチルピリジニウム塩化物(TDEPC)、オクテニジン、デルモピノール、オクタピノール、及びその他のピペリジノ誘導体、が挙げられるが、これらに限定されない。なお、例えば、シトラール、ゲラニアール、並びにメントール、オイカリプトール、チモール、及びサリチル酸メチルの組み合わせなどの精油並びにこれらの組み合わせ、例えば、亜鉛イオン、錫イオン、銅イオン、及び/又はこれらの組み合わせを提供するようなものなどの、抗菌性金属及びその塩、ビスビグアニド、又はフェノール、オーグメンチン、アモキシシリン、テトラサイクリン、ドキシサイクリン、ミノサイクリン、及びメトロニダゾルなどの抗生物質、並びに上記の抗菌抗歯垢剤並びに/又は鵞口瘡カンジダ治療のためのようなものなどの抗真菌剤の類縁体及びその塩、の有効な抗菌量が、存在し得る。存在する場合、これらの剤は、一般に、例えば、本発明の組成物の約0.1量%~約5重量%の、安全かつ有効な量にて存在する。
【0121】
なお、本発明の組成物は、安全かつ有効な量の抗カリエス剤、及びこれらの混合物を含んでよい。抗カリエス剤は、キシリトール、遊離フッ化物イオンを提供するフッ化物イオン源、及びこれらの混合物からなる群から選択されてよい。特定の実施形態では、フッ化物イオン源は、フッ化ナトリウム、フッ化第一スズ、フッ化インジウム、アミンフッ化物などの有機フッ化物、及びモノフルオロリン酸ナトリウムからなる群から選択されてよく、フッ化ナトリウムが好ましい。好ましくは、即席の組成物は、本明細書にて開示したように、組成物を使用した場合に歯の表面に接触する、約50ppm~10,000ppm、より好ましくは約100~3000ppmの、組成物中のフッ化物イオンを提供する。
【0122】
なお、本発明の組成物中の任意の成分として、特に、組成物の約0.001重量%~約10重量%、より特に約0.1重量%~約1重量%のレベルにて、冷却剤、減感剤、及び麻酔剤を使用することができる。冷却剤、減感剤、及び麻酔剤は、刺痛、灼熱痛等などの、潜在的な負の知覚を減少させ得る。冷却剤は、任意の多種多様な材料であり得る。このような物質には、カルボキサミド、メントール、ケタール、ジオール、及びこれらの混合物が含まれる。本発明の組成物中の任意の冷却剤は、N-エチル-p-メンタン-3-カルボキサミド(「WS-3」として知られている)、N,2,3-トリメチル-2-イソプロピルブタナミド(「WS-23」として知られている)、メントール、3-1-メントキシプロパン-1,2-ジオール(「TK-10」として知られている)、メントングリセロールアセタール(MGAとして知られている)、メンチルラクテート(フレスコラート(登録商標)といて知られている)、及びこれらの混合物などの、パラメンタンカルボキシアミド剤であってよい。本発明で使用する場合、用語メントール及び用語メンチルは、これらの化合物の右旋性及び左旋性の異性体、及びこれらのラセミ混合物を含む。減感剤又は抗痛剤としては、塩化ストロンチウム、硝酸カリウム、ゴールナット、アサルム、クベビン、ガランガ根、黄岑、リアングミアンゼン、白しなどの天然ハーブが挙げられてよいが、これらに限定されない。好適な麻酔剤としては、ベンゾカイン、リドカイン、クローブの芽の油、及びエタノールが挙げられる。
【0123】
なお、本明細書にて開示されるように、抗炎症剤は、本発明の多相口腔用組成物中に存在してよい。このような剤としては、アスピリン、ケトロラック、フルルビプロフェン、イブプロフェン、ナプロキセン、インドメタシン、アスピリン、ケトプロフェン、ピロキシカム及びメクロフェナム酸等の非ステロイド系抗炎症剤、バルデコキシブ、セレコキシブ及びロフェコキシブなどのCOX-2阻害剤、並びにこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。存在する場合、抗炎症剤は、一般に、組成物の約0.001重量%~約5重量%を含む。
【0124】
なお、ミネラルなどの栄養素は、歯及び歯の表面を向上させ得、また従って、本明細書にて開示したように、本組成物に含まれ得る。好適なミネラルは、例えば、カルシウム、リン、フッ化物、亜鉛、マンガン、カリウム、及びこれらの混合物である。これらのミネラルは、例えば、Drug Facts and Comparisons(loose leaf drug information service),Wolters Kluer Company(セントルイス、ミズーリ州)、(著作権)1997年、10頁~17頁に開示されている。
【0125】
なお、本明細書にて開示された組成物は、所望により、安全かつ有効な量の香料添加剤を含んでよい。好適な香料添加剤としては、冬緑油、ペパーミント油、スペアミント油、クローブバッド油、メントール、アネトール、メチルサリチレート、ユーカリプトール、1-メンチルアセテート、セージ、オイゲノール、パセリ油、オキサノン、α-イリソン、マジョラム、レモン、オレンジ、プロペニルグエトール、桂皮、バニリン、チモール、リナロオール、ケイ皮アルデヒドグリセロールアセタール(CGAとして知られている)、及びこれらの混合物が挙げられる。存在する場合、香料添加剤は、一般に、組成物の約0.01重量%~約30重量%、特に約1重量%~約20重量%、より特に約1.5重量%~約15重量%のレベルにて使用される。
【0126】
なお、本発明の組成物は、所望により、スクラロース、スクロース、グルコース、サッカリン、デキストロース、レブロース、ラクトース、マンニトール、ソルビトール、フルクトース、マルトース、キシリトール、サッカリン塩類、タウマチン、アスパルテーム、D-トリプトファン、ジヒドロカルコン類、アセスルファム及びシクラメート塩類、特にシクラミン酸ナトリウム及びサッカリンナトリウム、並びにこれらの混合物を含む、甘味剤を含んでよい。存在する場合、本発明の組成物は、組成物の約0.1重量%~約10重量%、特に約0.1重量%~約1重量%のこれらの剤を含有する。
【0127】
なお、本発明の組成物には、所望により、染料、顔料、着色剤、及びそれらの混合物が含まれて、本明細書の組成物に色のついた外観を与えてよい。顔料及び/又は着色剤を、本明細書の組成物へと添加することの利点は、組成物が、着色された組成物により適用範囲が容易に確認できる故に、使用者の歯に均等かつ完全に覆っているかどうかを使用者が確認することを可能にする、ということである。なお、着色剤は、漂白された歯の色と類似した色を提供し得る。本明細書にて有用な着色剤は漂白剤に適しており、かつこれらは安全であると認識されている。本明細書にて所望により使用される染料、顔料及び着色剤は、組成物の約0.05重量%~約20重量%、特に約0.10重量%~約15重量%、また更に特に約0.25重量%~約5重量%の範囲である。
【0128】
漂白有効性
特定の実施形態では、本明細書にて開示されるように臨床プロトコル当たりで測定され、-Δbとして計算される本発明の漂白有効性は、少なくとも約0.25、0.5、1、1.5、2、2.5、3、4、5、6、7、8、9若しくは10、又は、このようなより狭い数域が全て本明細書に明示的に記載されているかのように、より狭く、かつこのようなより広い数値範囲内に収まる、任意のその他の数域に関して適用されてよい。
【0129】
特定の実施形態では、本明細書にて開示されるように臨床プロトコル当たりで測定され、かつ-Δbとして算出される本発明の漂白有効性は、少なくとも約0.25、好ましくは少なくとも約0.5、より好ましくは少なくとも約1.0、更により好ましくは少なくとも約1.5、更により好ましくは少なくとも約2、更により好ましくは少なくとも約2.5、更により好ましくは少なくとも約3、更により好ましくは少なくとも約3.5、また更により好ましくは少なくとも約4、又は任意のその他の数域であってよく、このようなより狭い数域が全て本明細書に明示的に記載されているかのように、より狭く、かつこのようなより広い数値範囲内に収まる。一般に、本明細書にて開示されるように臨床プロトコル当たりで測定され、かつ-Δbとして算出される少なくとも0.25の黄色度の変化は、注目すべきものである。
【0130】
本発明が、本明細書にて開示されるように臨床プロトコル当たりで測定され、かつ多相口腔用組成物全体中に存在する漂白剤の重量パーセントに対して-Δbとして算出される、本発明の漂白有効性の著しく高い比率を送達することが見出されてきた。
【0131】
特定の実施形態では、本明細書にて開示されるように臨床プロトコル当たりで測定され、-Δbとして計算される、多相口腔用組成物全体中に存在する漂白剤の重量パーセントに対する本発明の漂白有効性の比率は、少なくとも約0.25、0.5、1、1.5、2、2.5、5、10、若しくは15、又は、このようなより狭い数域が全て本明細書に明示的に記載されているかのように、より狭く、かつこのようなより広い数値範囲内に収まる、任意のその他の数域に関して適用されてよい。
【0132】
特定の実施形態では、本明細書にて開示されるように、臨床プロトコル当たりに測定され、かつ-Δbとして算出される、本発明の漂白有効性の比率は、水溶液又は水性ゲルの形態における比較口腔ケア組成物の漂白有効性より、少なくとも約10%超、少なくとも約100%超、少なくとも約1000%超、若しくは少なくとも約10,000%超高くてよい。比較口腔ケア組成物は、水溶液又は水性ゲル中に溶解させた、同一濃度の同一の漂白剤を含む。
【0133】
本発明が、1)本明細書にて開示されるように臨床プロトコル当たりで測定され、かつ口腔過敏を報告した、又は多分若しくはおそらく試験された組成物に起因した口腔過敏を有すると観察された参加者の分率に対して-Δbとして算出される、著しく高い漂白有効性の比率を送達すること、2)本明細書にて開示されるように臨床プロトコル当たりで測定され、多分若しくはおそらく試験された組成物に起因した歯の刺激敏感性を報告した参加者の分率に対して-Δbとして算出される、本発明の著しく高い漂白有効性の比率を送達すること、又は3)本明細書にて開示されるように臨床プロトコル当たりで測定され、歯の刺激敏感性を報告した、又は口腔過敏を報告した、又は多分若しくはおそらく試験された組成物に起因した口腔過敏が観察された参加者の分率に対して-Δbとして算出される、本発明の著しく高い漂白有効性の比率を送達することが、見出されてきた。
【0134】
特定の実施形態では、本発明の漂白有効性の比率は、本明細書にて開示され、多分若しくはおそらく本発明に起因した歯の刺激敏感性を報告した参加者の分率に対して-Δbとして算出されるように、臨床プロトコル当たりに測定される際に、少なくとも約6、7、8、9、10、15、20、25、50、若しくは100又は任意のその他の数域であってよく、このようなより狭い数域が全て本明細書に明示的に記載されているかのように、より狭く、かつこのようなより広い数値範囲内に収まる。
【0135】
特定の実施形態では、本発明の漂白効能の比率は、本明細書にて開示され、多分若しくはおそらく本発明に起因した歯の刺激敏感性を報告した参加者の分率に対して-Δbとして算出されるように、臨床プロトコル当たりに測定される際に、少なくとも約6、好ましくは少なくとも約7、より好ましくは少なくとも約8、更により好ましくは少なくとも約9、更により好ましくは少なくとも約10、更により好ましくは少なくとも約15、更により好ましくは少なくとも約20、更により好ましくは少なくとも約25、また更により好ましくは少なくとも約50、又は任意のその他の数域であってよく、このようなより狭い数域が全て本明細書に明示的に記載されているかのように、より狭く、かつこのようなより広い数値範囲内に収まる。
【0136】
特定の実施形態では、本発明の漂白有効性の比率は、本明細書にて開示され、口腔過敏を報告した、又は多分若しくはおそらく試験された組成物に起因した口腔過敏が観察された参加者の分率に対して-Δbとして算出されるように、臨床プロトコル当たりに測定される際に、少なくとも約6、7、8、9、10、15、20、25、50、若しくは100又は任意のその他の数域であってよく、このようなより狭い数域が全て本明細書に明示的に記載されているかのように、より狭く、かつこのようなより広い数値範囲内に収まる。
【0137】
特定の実施形態では、本発明の漂白有効性の比率は、本明細書にて開示され、口腔過敏を報告した、又は多分若しくはおそらく試験された組成物に起因した口腔過敏が観察された参加者の分率に対して-Δbとして算出されるように、臨床プロトコル当たりに測定される際に、少なくとも約6、好ましくは少なくとも約7、より好ましくは少なくとも約8、更により好ましくは少なくとも約9、更により好ましくは少なくとも約10、更により好ましくは少なくとも約15、更により好ましくは少なくとも約20、更により好ましくは少なくとも約25、また更により好ましくは少なくとも約50、又は任意のその他の数域であってよく、このようなより狭い数域が全て本明細書に明示的に記載されているかのように、より狭く、かつこのようなより広い数値範囲内に収まる。
【0138】
特定の実施形態では、本発明の漂白有効性の比率は、本明細書にて開示され、歯の刺激敏感性を報告した、又は口腔敏感を報告した、又は多分若しくはおそらく試験された組成物に起因した口腔過敏が観察された参加者の分率に対して-Δbとして算出されるように、臨床プロトコル当たりに測定される際に、少なくとも約6、7、8、9、10、15、20、25、50、若しくは100又は任意のその他の数域であってよく、このようなより狭い数域が全て本明細書に明示的に記載されているかのように、より狭く、かつこのようなより広い数値範囲内に収まる。
【0139】
特定の実施形態では、本発明の漂白有効性の比率は、本明細書にて開示され、歯の刺激敏感性を報告した、又は口腔過敏を報告した、又は多分若しくはおそらく試験された組成物に起因した口腔過敏が観察された参加者の分率に対して-Δbとして算出されるように、臨床プロトコル当たりに測定される際に、少なくとも約6、好ましくは少なくとも約7、より好ましくは少なくとも約8、更により好ましくは少なくとも約9、更により好ましくは少なくとも約10、更により好ましくは少なくとも約15、更により好ましくは少なくとも約20、更により好ましくは少なくとも約25、また更により好ましくは少なくとも約50、又は任意のその他の数域であってよく、このようなより狭い数域が全て本明細書に明示的に記載されているかのように、より狭く、かつこのようなより広い数値範囲内に収まる。
【0140】
臨床プロトコル
以下の臨床プロトコルを使用して、多相口腔用組成物の漂白有効性を測定する。約1%未満の漂白剤を伴う組成物を試験する場合、臨床実験を完了させるために、処理グループ当たり17~25人の参加者を必要とし、また少なくとも約1%の漂白剤を伴う組成物を試験する場合、8~25人の参加者を必要とする。必要とされる参加者は、全ての測定可能な面部位を伴う、4つの天然の上顎部門歯を有していなければならない。参加者のグループの平均基線Lは、71~76でなければならず、また、参加者のグループの平均基線bは、13~18でなければならない。なお、上顎前歯の不正咬合、テトラサイクリン、フッ素沈着、若しくは低石灰化により引き起こされる重篤又は異型の内因性着色、上顎前歯の表面上の歯冠又は再建の有る参加者、メラノーマの病歴を自身で報告している参加者、現在喫煙又はタバコの使用がある参加者、軽度の刺激感応性又は色素沈着皮膚疾患を有する参加者、歯の刺激敏感性を自身で報告している参加者、又は以前に専門の治療を用いて、薬局窓口での処方箋なしのキット若しくは治験製品により歯のホワイトニングを行ったことのある参加者は、本試験から除外される。参加者は、Crest Cavity Protectionno練り歯磨き及びOral-Bの軟性手動式歯ブラシ(両方とも、Proctor & Gamble、シンシナティ、オハイオ州、米国からのもの)を提供されて、慣習的な様式にて、日に2回、使用する。
【0141】
参加者は歯ブラシ(Team Technolosies,Ind.(モリスタウン、テネシー州、米国)からの「Anchor41房束白色歯ブラシ」)を使用して、多相口腔用組成物で処置されることに先立って、水を使用して30秒間、自分の歯を磨く。各参加者の上顎前歯は、送達支持材料としてのポリエチレンのストリップを使用して、多相口腔用組成物により、日に1回、60分間処置されるポリエチレンのストリップは、66mm×15mmのサイズであり、かつ0.0178mmの厚さである。上顎前歯に塗布することに先立って、0.6g~0.8gの多相口腔用組成物を、ポリエチレンの各ストリップにわたって塗布する。
【0142】
多相口腔用組成物を電磁放射線と共に使用した場合、
1)ストリップ上における多相口腔用組成物による処置の50分後に、電磁放射線を、上顎前歯の前面に向かって10分間適用すし、
2)電磁放射線を、ストリップ及び多相口腔用組成物を介して上顎前歯に向けて、
3)ストリップは、透過させるために、少なくとも約90%の、400nm~500nmの電磁放射線を許容する必要があり、かつ
4)図6にて示すように、455nmのピーク強度波長を伴う4つの高電力LED(Thorlabs(ニュートン、ニュージャージー、米国)からの、モデル番号M455F1)に接続した4本の光ファイバーケーブル(Thorlabs(ニュートン、ニュージャージー、米国)からの、モデル番号M71L01)を介して、電磁放射線を送達する。4つのLEDは、1000mAにて作動し、それぞれLEDドライバ及びハブ(Thorlabs(ニュートン、ニュージャージー、米国)からの、モデル番号DC4104及びDC4100-ハブ)を使用している。4本の光ファイバーケーブルの出口端部は、透明なマウスピースの後方に取り付けられて、ストリップの外側表面に対して電磁放射線を再現可能に位置付けるのに役立つ。4本の光ファイバーケーブルの出口端部は、マウスピースの出口表面から約7mm離れており、電磁放射線が透明のマウスピースを通過する。マウスピースの咬合棚部は、電磁放射線が上顎前歯に向かって通過する透明の窓部が7.4mmの高さとなるようにオフセットされている。また、電磁放射線が上顎前歯に向かって通過する透明な窓部は、端から端(湾曲を含まない)まで直線的に測定して、40mmの長さである。光ファイバーケーブルの出口端部は、光ファイバーケーブルから出る電磁放射線の円錐体が、図6にて示すように、電磁放射線が上顎前歯に向かって通過する透明な窓部内で中央となるように、位置付けられかつ角度付けられている。また、4本の光ファイバーケーブルの出口端部は、電磁放射線の円錐体が、図6にて示すように、電磁放射線が上顎前歯に向かって通過する透明な窓部の長さに対して離間配置されるように、離間配置される。電磁放射線が上顎前歯に向かって通過する、透明な窓部の出口表面において出る電磁放射線の各円錐体の中央軸線において測定された、400~500nmの電磁放射線の強度は、本明細書にて開示した方法により測定された際に、約175mW/cm~約225mW/cmとなる必要がある。
【0143】
一度、60分間の多相口腔用組成物による処置が完了すると、ストリップが取り外される。この処置は、1%未満の漂白剤を伴う組成物に関して最小7日間、また少なくとも約1%の漂白剤を伴う組成物に関して最小3日間、日に1回適用される。
【0144】
1%未満の漂白剤を伴う組成物に関して第7度目の処置後、また少なくとも約1%の漂白剤を伴う組成物に関して第3度目の処置後に、口腔用組成物による処置故の歯における色の変化を、後述の手順を使用して測定する。
【0145】
偏光フィルタを装着したレンズを有するデジタルカメラ(アダプタ付きNIKON55mmマイクロNIKKORレンズ搭載、Canon Inc.,(メルヴィル、ニューヨーク州)からの、カメラモデル番号CANON EOS 70D、)を使用して、歯の色を測定する。ライト系は、(それを通して光が外部へと出る、ガラスレンズのうち1つの外側円形表面の中央から測定して)約30cm離れて配置された、150ワット、24V電球モデル番号(Wenophotモデル番号HL X64640)を装着し、45度にて照準される、Dedoライト(モデル番号DLH2)により提供され、これにより、光路が、カメラの焦点面の前面において、約36cmの頤レストの垂直平面で交差する。各ライトは、偏光フィルタ(Lee201フィルタ)、及び遮断フィルタ(Rosco(スタンフォード、コネチカット州、米国)からの、Rosco7mil、Thermashieldフィルタ)を有する。
【0146】
光路の交差点において、光照射野における再現可能な再位置決めのための、固定された頤レストが取り付けられる。カメラは2つのライトの間に位置付けられ、これにより、その焦点面が、頤レストの垂直面から約36cmとなる。歯の色の測定を開始することに先立って、色基準を撮影して較正設定点を確立する。最初に、マンセルN8グレー基準を撮影する。グレーのRGB値が200となるように、カメラの白バランスを調節する。色基準が撮影されて、色チップの標準RGB値を得る。(マンセルカラー、X-rite社部門(グランドラピッズ、マサチューセッツ州、米国)からの)色基準及びグレー基準を、以下に列挙する。各色基準を、マンセル命名法にて標識した。色基準の格子を作成するために、それらを次の様式にて配置させることができる。これにより、複数の色基準を、色基準の格子により撮影された単一の画像に含めることが可能になる。
【0147】
【表1】
【0148】
【表2】
【0149】
【表3】
【0150】
基線の歯の色に関して、参加者は、歯ブラシ(Team Technologies,Inc.(モリスタウン、テネシー州、アメリカ合衆国)からの「Anchor41」剛毛白歯ブラシ)を使用して、水により自分の歯を磨いて、自分の歯から食物の破片を取り除く。各参加者は、次に、(Washington Scientific Camera Company(サムナー、ワシントン州、アメリカ合衆国)からの製品であり、A&B Deburring Company(シンシナティ、オハイオ州、アメリカ合衆国)にて艶消マット仕上げ処理された)頬部レトラクタを使用して、頬部を引き戻し、自分の歯の前面表面が照射されることを可能にする。各参加者は、上顎部門歯の切歯端が下顎部門歯の切歯端に接触するように、自分の歯を一緒に噛合わせるように指示される。参加者は、次に、カメラ視野の中央において、光路の交差点にて、頤レスト上に位置付けられて、歯の画像が捕捉される。全ての参加者が撮像された後、画像解析ソフトウェア(Media Cybernetics,Inc.(シルバースプリング、メリーランド州)により製造されたOptimas)を使用して画像が処理される。中央の4つの門歯が隔離されて、歯の平均RGB値が抽出される。
【0151】
参加者がホワイトニング製品を使用した後であるが、参加者の歯の画像を捕捉することに先立って、システムを基線構成に設定して、前述したように較正する。較正後、各参加者は、以前、参加者が同一の物理的位置にいることを確実にしたように、歯の配向を含む事前処理画像として、同一の手順を使用して第2回目の撮像をされる。画像解析ソフトウェアを用いて画像を処理して、中央の4つの上顎切開体の平均RGB値を得る。全ての画像のRGB値は、次に、RGB値及び色標準における色チップのL値を使用して、CIE L色空間内へとマッピングされる。色標準における色チップのL値は、Photo Research Inc.(ロサンゼルス)からのPhoto ResearchScan PR650を使用して、前面歯列のデジタル画像を捕獲するために記載された同一の照明条件を使用して測定される。RR650は、カメラとして、色標準格子からの同一の距離に位置付けられる。各先端部は、製造者取扱説明書による較正後に、Lに関して、個別に測定される。次に、回帰方程式を使用して、以下のように、RGB値がL値へと変換される。
=25.16+12.02(R/100)+11.75(G/100)-2.75(B/100)+1.95(G/100)=-2.65+59.22(R/100)-50.52(G/100)+0.20(B/100)-29.87(R/100) +20.73(G/100)+8.14(R/100)-9.17(G/100)+3.64[(B/100)[R/100] b=-0.70+37.04(R/100)+12.65(G/100)-53.81(B/100)-18.14(R/100) +23.16(G/100)(B/100)+4.70(R/100)-6.45(B/100)
【0152】
、a、及びbのためのR2は、>0.95でなければならない。各研究は、その独自の方程式を有するべきである。
【0153】
これらの方程式は、一般に、歯の色領域(60<L<95、0<a<14、6<b<25)における有効な変換である。各参加者の画像セットからのデータは、次に、ホワイトニング効果の評価に使用されるL、a、及びb、-aの標準法における変化の観点から、ホワイトニングの性能を評価するために使用される。約1%未満の漂白剤を伴う組成物の評価の場合は、Lにおける変化は、ΔL=L 7回の処置後の日-L 基線として定義され、正の変化は明るさにおける向上を示し、aにおける変化(赤-緑のバランス)は、Δa=a 7回の処置後の日-a 基線として定義され、負の変化は赤味がより少ない歯を示し、bにおける変化(黄-青のバランス)は、Δb=b 7回の処置後の日-b 基線として定義され、負の変化は、歯の黄色味がより少なくなっていることを示す。約1%以上の漂白剤を伴う組成物の評価の場合は、Lにおける変化は、ΔL=L 3回の処置後-L 基線として定義され、正の変化は明るさにおける向上を示し、aにおける変化(赤-緑のバランス)は、Δa=a 3回の処置後-a 基線として定義され、負の変化は赤味がより少ない歯を示し、bにおける変化(黄-青のバランス)は、Δb=b 3回の処置後-b 基線として定義され、負の変化は、歯の黄色味がより少なくなっていることを示す。-Δbは、漂白有効性の主要な測定値として使用される。全体の色の変化は、方程式ΔE=(ΔL*2+Δa*2+Δb*2により算出される。
【0154】
上記の臨床プロトコルを確実なものとするために、(ストリップ上に送達され、かつ本明細書に記載された電磁放射線と共に使用される)実施例-IAの(-Δbとして算出された)漂白有効性は、7回目の処置の後の日に測定され、かつ>0.5として実証される必要がある。
【0155】
ホワイトニング製品を使用した後、CIEラボ色空間における色の変化を、所与の方程式に基づいて、各参加者に関して算出することができる。
【0156】
上記の臨床プロトコルを確実なものとするために、(ストリップ上に送達され、かつ本明細書に記載された電磁放射線と共に使用される)実施例-IAの(-Δbとして算出された)漂白有効性は、7回目の処置の後の日に測定され、かつ>0.5として実証される必要がある。
【0157】
任意のアプリケーションシステム
なお、更に本発明は、本組成物を歯の表面に送達するための送達システムに関する。例えば、特定の実施形態では、本発明の組成物は、送達支持材料を使用せずに、歯へと直接適用することにより、口腔へとホワイトニング効果を送達してよい。なお、特定の実施形態では、本発明は、送達支持材料と組み合わされた本発明の組成物を含む、送達支持材料を含んでよい。例えば、送達システムは、支持材料の第1の層及び本明細書に記載された多相口腔用組成物を含む第2の層を含んでよく、これにより、漂白剤が、放出可能に本発明の組成物内に配置される。好適な第1の層は、材料のストリップ、歯科用トレイ、スポンジ材料、及びこれらの混合物を含む、送達支持材料を含んでよい。特定の実施形態では、送達支持材料は、恒久的に変形可能なストリップなどのストリップ状の材料であってよい。好適な材料のストリップ、又は恒久的に変形可能なストリップは、例えば、米国特許第6,136,297号、同6,096,328号、同5,894,017号、同5,891,453号、及び同5,879,691号、並びに米国特許第5,989,569号、及び第6,045,811号、並びに米国特許出願第2014/0178443A1号に開示されている。
【0158】
送達支持材料は、送達支持材料の一部である付着手段を介して歯に付着されてよく、例えば、送達支持材料は、一度適用されると、送達支持材料が内腔軟組織に重なって、漂白に可能な表面が大きくなるのに十分なサイズであってよい。送達支持材料はまた、送達支持材料と歯を含む口腔表面との間の物理的干渉又は機械的連動により、口腔に付着されてよい。
【0159】
送達支持材料は、約200nm~約1700nmの波長を伴う電磁放射線に対して、透明又は半透明であってよい。特定の実施形態では、送達支持材料は、約400nm~約500nmの電磁放射線が、約10%、20%、又は30%~約40%、50%、60%、70%、80%、90%、又は100%にて通過することを許容する。
【0160】
送達支持材料が材料のストリップである場合、第2の層の組成物をストリップ上にコーティングしてよい、又は使用者によりストリップ上に塗布されてよい、又は使用者により歯へと塗布され、次に、コーティングされた歯にわたってストリップが置かれてよい。ストリップ又は歯の表面に適用される組成物の量は、ストリップのサイズ及び容量、有効成分の濃度、並びに所望の利点に依存してよく、例えば、約0.0001、0.001、若しくは0.01グラム~約0.01、0.1、1、又は5グラムの組成物が使用されてよい、又は任意のその他の数域が使用されてよく、このようなより狭い数域が全て本明細書に明示的に記載されているかのように、より狭く、かつこのようなより広い数値範囲内に収まり、特に約0.001g~約0.5g、又は約0.1g~約0.4gの多相口腔用組成物が使用されてよい。なお、材料の平方センチメートル(g/cm)当たり、約0.0001、0.001、若しくは0.01グラム~約0.01、0.1、0.5、又は1グラムの組成物が使用されてよい、又は任意のその他の数域が使用されてよく、このようなより狭い数域が全て本明細書に明示的に記載されているかのように、より狭く、かつこのようなより広い数値範囲内に収まり、特定の実施形態では、約0.2g/cm未満、約0.0001g/cm~約0.1g/cm、又は約0.01g/cm~約0.04g/cmである。追加的に又は代替的に、1平方センチメートルの材料(マイクログラム/cm2)当たり、約1マイクログラム~約5000マイクログラムの漂白剤、好ましくは、1平方センチメートルの材料当たり、約10マイクログラム/cm2~約500マイクログラム/cm2、またより好ましくは約50マイクログラム/cm2~約100マイクログラム/cm2の漂白剤が、使用されてよい。
【0161】
ここで図面を参照すると、より具体的には、図1を参照すると、本明細書にて開示したような多相口腔用組成物により提供される漂白剤を、歯及び口腔へと送達するための送達システムを表す、好適な送達システム10の実施形態が示されている。送達システム10は、実質的に平坦、かつ丸みのある角を有してよい、材料のストリップ形態12にて材料を含む。当該ストリップ12上へと、本発明の多相口腔用組成物を含む第2の層14が、取り外し可能に適用される。第2の層は、図2の断面図において示すように、均質であってよく、かつ均一であってよく、またストリップ12上へとコーティングされてよい。なお、本発明の組成物を含む第2の層14は、材料のストリップ12の一部の長手方向軸に沿ってのみのコーティングであってよい、又はストライプ状、スポット状、及び/又はその他のパターンとして適用されてよい。しかし、特定の実施形態では、第2の層14は、構成成分の積層体又は分離された層、構成成分の非晶質混合物、別個のストライプ状若しくはスポット状若しくは異なる構成成分のその他のパターン、又は材料のストリップ12の一部の長手方向軸セインに沿った第2の層14のコーティングを含むこれらの構造の組み合わせであってよい。
【0162】
特定の実施形態では、第2の層14は、組成物、化合物、又は外観における変化若しくはそれが接触する表面の構造における所望の変化に影響与えることが可能若しくは効果的な混合物などの、有効成分を含んでよい、又はそれ自体が有効成分である。前述のように、代表的な有効成分としては、過酸化水素、過酸化カルバミド、フッ化ナトリウム、モノフルオロリン酸ナトリウム、ピロリン酸、クロルヘキシジン、ポリリン酸塩、トリクロサン、及び酵素が挙げられる。外観及び構造変化の例としては、ホワイトニング、着色の漂白、着色の除去、フッ素リン灰石を形成するための再石灰化、歯垢除去、及び歯石の除去が挙げられるが、これらに限定されない。
【0163】
なお、第2の層14組成物は、送達システム10を歯の表面へと安定的に取り付けるために、接着剤手段を含んでよい。特定の実施形態では、本明細書にて開示されるような組成物は、それによる、又は例えば、本発明の組成物へと接着剤材料を添加することにより既に接着剤特性を提供している疎水性相を選択することによる、の両方により、意図的な厚さ及び接着性を提供してよい。特定の実施形態では、添加された場合、接着剤は、増粘/レオロジー変性特性などの、追加的な特性を提供し得る。
【0164】
図3及び図4は、隣接する複数の歯の表面に適用される、本発明の送達システム10を示す。複数の隣接する歯22が、隣接する軟組織20に埋め込まれる。隣接する軟組織20は、乳頭、周縁歯肉、歯肉溝、歯間歯肉、歯肉構造を含む歯構造を囲む軟組織表面であり、パレット上の粘膜歯肉接合部を含む。
【0165】
図3及び図4の両方において、送達システム10は、ストリップ12及び本発明の組成物を含む第2の層14を表し、第2の層14は、歯22に面する材料のストリップ12の側部上に配置される。第2の層14の組成物は、材料のストリップ12へと事前に塗布されてよい、又は、歯への塗布に先立って、使用者により、材料のストリップ12へと塗布されてよい。代替的に、第2の層14の組成物は、使用者により歯22へと直接塗布されて、次にストリップ12により覆われてよい。いずれの場合も、材料のストリップ12は、歯22の輪郭形成面及び隣接する軟組織20に適合することができるような厚さ及び曲げ剛性を、有することができる。従って、材料のストリップ12は、口腔表面の輪郭を形成するのに十分な柔軟性を有してよく、その表面は、隣接する複数の歯22となる。ストリップ12はまた、送達システム10が適用される場合に、恒久的に変形することなく、歯の表面及び歯間に容易に適合することができる。送達システム10は、著しい圧力を有することなく、適用され得る。
【0166】
送達システム10の第1の層12は、材料のストリップからなり得る。このような第1の層の材料は、米国特許第6,136,297号、同6,096,328号、同5,894,017号、同5,891,453号、及び同5,879,691号、並びに米国特許第5,989,569号、及び第6,045,811号、並びに米国特許出願第2014/0178443A1号に詳細に記載されている。ストリップ12は、第2の層14において、漂白剤のための保護バリアとして機能する。これは、例えば、舌部、唇部、及び唾液の消耗などによる、第2の層14の浸出又は浸食を防止する。これにより、第2の層14中の有効成分が、目的の時間、例えば数分~数時間の間、口腔の歯の表面22に作用することが可能である。
【0167】
以下の材料のストリップの説明は、図1~4にて示すように、ストリップ層12を伴う送達システム10に適用され得る。材料のストリップは、ポリマー、天然及び合成織物、不織材、箔、紙、ゴム、及びこれらの組み合わせを含み得る。材料のストリップは、材料の単層、あるいは一層以上からなる積層物であってよい。層の数に関係なく、材料のストリップは、実質的に非水溶性であってよい。ストリップ材料はまた、非透水性であってよい。好適なストリップ材料は、必要な屈曲剛直性を満たし、かつ口腔ケア組成物に適合する、任意の種類のポリマー又はポリマーの混合物であってよい。好適なポリマーとしては、ポリエチレン、エチルビニルアセテート、ポリエステル、エチルビニルアルコール、及びこれらの組み合わせが挙げられる。ポリエステルの例としては、いずれもDuPontにより製造される、Mylar(登録商標)及びTeflon(登録商標)などの、フッ素樹脂が挙げられる。特定の実施形態では、材料のストリップとして使用される材料は、ポリエチレンである。材料のストリップの厚さは一般に、約1mm(ミリメートル)以下、約0.05mmの厚さ、又は約0.001~約0.03mmの厚さであってよい。ポリエチレン材料のストリップは、約0.1mm未満の厚さであってよい、又は約0.005~約0.02mmの厚さであってよい。
【0168】
特定の実施形態では、本発明は溶解性フィルムを含んでよく、これは、口腔内に付着することが可能であり、それにより、有効成分を放出し、溶解性フィルムは、水溶性ポリマー、1種以上の多価アルコール、及び1種以上の有効成分を含む。1種以上の有効成分に加えて、溶解性フィルムは、特定の可塑剤若しくは界面活性剤、着色剤、甘味剤、香味剤、風味増強剤又はその他の賦形剤の組み合わせを含有してよい。得られた溶解性フィルムは、粘膜組織に塗布した後すぐに溶解性フィルムを軟化させる瞬間濡れ性を特徴とし、使用者に長時間の不快感を与えず、通常の塗布、切断、スリット、包装作業に適した引張強度を有する。
【0169】
溶解性フィルムは、水溶性ポリマー又は水溶性ポリマーの組み合わせ、1種以上の可塑剤又は界面活性剤、1種以上の多価アルコール、及び有効成分を含んでよい。
【0170】
溶解性フィルムに用いられるポリマーは、親水性及び/又は水分散性であるポリマーを含む。使用できるポリマーとしては、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースなどの水溶性セルロース誘導体であるポリマー、単独又はそれらの混合物が挙げられる。その他の任意のポリマーとしては、本発明を制限することなく、ポリビニルピロリドン、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルアルコール、アルギン酸ナトリウム、ポリエチレングリコール、キサンタンガム、トラガカント、グアーガム、アカシアガム、アラビアガム等の天然ガム、ポリアクリル酸等の水分散性ポリアクリレート、メチルメタクリレートコポリマー、カルボキシビニルコポリマーが挙げられる。最終膜における水溶性ポリマーの濃度は、20~75%(w/w)の間、又は50~75%(w/w)の間で変化させることができる。
【0171】
溶解性フィルムに使用され得る界面活性剤は、1種以上の非イオン性界面活性剤であってよい。界面活性剤の組み合わせを使用する場合には、第1の構成要素は、アルファ-ヒドロ-オメガ-ポリヒドロキシポリ(オキシエチレン)ポリ(オキシプロピレン)ポリ(オキシエチレン)ブロックコポリマーであってよく、一方で、第2の構成要素は、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、又はポリオキシエチレンヒマシ油誘導体であってよい。特定の実施形態では、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルのHLB値は、10~20の間でなければならず、それにより、13~17の範囲もまた使用されてよい。アルファ-ヒドロ-オメガ-ヒドロキシポリ(オキシプロピレン)ポリ(オキシプロピレン)ブロックコポリマーは、少なくとも約35のオキシプロピレン単位を含み、特定の実施形態では、約50のオキシプロピレン単位以上であってよい。
【0172】
ポリオキシエチレンアルキルエーテルは、10~20の間のHLB値であってよく、また特定の実施形態では、15以上のHLB値が使用されてよい。ポリオキシエチレンヒマシ油誘導体は、HLB値が14~16であってよい。
【0173】
所望の即効の水和性を達成するために、二成分の界面活性剤混合物の第1及び第2構成要素との間の比率は、1:10及び1:1、又は1:5及び1:3内に維持されてよい。
【0174】
溶解性フィルム中の界面活性剤の総濃度は、その他の成分の特性に依存するが、通常、0.1~5%(w/w)の間であってよい。
【0175】
多価アルコールは、溶解性フィルムの所望のレベルの柔軟性を達成するために、使用されてよい。多価アルコールの例としてはグリセロール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、脂肪酸を伴うグリセリンモノエステル又はその他の薬学的に使用される多価アルコール類が挙げられる。乾燥フィルムにおける多価アルコールの濃度は、通常、0.1~5%(w/w)の間の範囲である。
【0176】
材料のストリップの形状は、所望の口腔表面を被覆する任意の形状又はサイズであってよい。例えば、特定の実施形態では、材料のストリップは丸みを帯びた角部を有して口腔軟組織の過敏を防止してよい。本発明で使用する場合、「丸みを帯びた角部」とは、いずれの鋭角又は鋭点をも有さない、例えば、135度以下の1つ以上の角度を有さないことを意味する。材料のストリップの長さは、約2cm(センチメートル)~約12cm、又は約4cm~約9cmであってよい。材料のストリップの幅も同様に、被覆される口腔表面領域に依存してよい。材料のストリップの幅は、約0.5cm~約4cm、又は約1cm~約2cmであってよい。材料のストリップは、1つ又はいくつかの歯上でパッチとして装着されて、局部的状態を処置する。
【0177】
材料のストリップは、浅いポケットを含んでもよい。多相口腔組成物が材料のストリップ上に塗布された場合、漂白剤及び/又は口腔ケア有効成分が浅いポケットを充填して、追加の漂白剤及び/又は口腔ケア有効成分のリザーバを提供する。なお、本浅いポケットは、送達システムに質感を与えるのに役立つ。この材料のストリップは、浅いポケットの配列を有してもよい。一般に、浅いポケットは、およそ0.4mm幅で約0.1mmの深さである。浅いポケットが材料のストリップ内に含まれ、本明細書の多相口腔用組成物が種々の厚さでそのストリップに適用されている場合、送達システムの全体的な厚さは、約1mm未満であり、特に、全体的な厚さは、約0.5mm未満である。
【0178】
曲げ剛性は、材料のストリップの厚さ、幅、及び材料弾性率の組み合わせの関数である、材料特性である。後述の試験は、ポリオレフィンフィルム及びシート材料などの、フィルムの剛性を測定するための方法である。これは、水平ビームの端部に取り付けられたひずみ計を使用することにより、試料の曲げ耐性を決定する。ビームの反対側の端部は、試料が静置された際に、試料のストリップに対して押下して、ストリップ部分を水平の台における垂直の溝内へと押し込む。ひずみ計へとワイヤ接続されたマイクロアンペア計は、偏向力の観点から較正される。試料の剛性は、マイクロアンペア計から直接読み取られ、かつ試料ストリップの幅のセンチメートル当たりのグラムとして表示される。特定の実施形態では、本明細書に記載された組成物の支持材料として使用されるのに好適な材料のストリップは、Handle-O-Meter、モデル#211-300(Thawing-Albert Instrument Company(フィラデルフィア、ペンシルベニア州)から入手可能)において、試験方法ASTM D2923-95に従って測定されるような、約5グラム/cm未満の曲げ剛性を示し得る。本ストリップは、約3グラム/cm未満、約2グラム/cm未満の曲げ剛性、又は約0.1~約1/cmの曲げ剛性を有してよい。一般に、ストリップ材の曲げ剛性は実質的に一定でもよく、通常の使用時には変化しない。例えば、ストリップの材料は、ストリップが上記の特定の範囲における低い曲げ剛性を達成するために、水和することを必要としない。この比較的低い剛性は、材料のストリップが、及ぼされる非常に小さい力により、口腔表面の輪郭を覆うことを可能にする。即ち、材料のストリップ内に小さい残留力が存在して、ちょうど口腔表面へと適用される直前の形状、即ち実質的に平坦な形状へと材料のストリップが戻ることを引き起こす故に、装着者の口の口腔表面の輪郭への適合が維持される。例えば、特定の実施形態では、材料のストリップの可撓性は、材料のストリップが、過敏なく延長された時間にわたって軟組織に接触することを可能にし、これにより、材料のストリップが、口腔表面に対して維持するための圧力を必要としない。
【0179】
本明細書にて使用される送達システムは接着手段を含んでよく、これにより、送達システムは、口腔表面、特に歯への接着が可能である。本接着手段は、本明細書の本発明の組成物により提供されてよい、又は本接着手段は、本明細書の組成物から独立して提供されてよい(例えば、本接着手段は、本明細書の組成物から分離した相であり、組成物はまた、接着剤手段を有する)。特定の実施形態では、材料のストリップは、本発明の組成物によりもたらされる接着性の付着により、口腔表面上の所定の位置に保持されてよい。表面を乾燥させる多相口腔用組成物の粘度及び通常の粘着性により、ストリップが、話し中、飲水中等、材料のストリップに対して摩擦する唇、歯、舌、及びその他の口腔表面により発生する摩擦力から実質的にずれることなく、口腔表面へと粘着的に付着し得る。しかし、口腔表面へのこの接着は、材料のストリップが、装着者により、装着者の指により材料のストリップを単純に剥がすことで容易に取り外されることを可能にするのに十分なほど低くてよい。送達システムは、器具、化学溶媒若しくは薬品、又は過剰の摩擦を適用することなく、口腔表面から容易に取り除かれてよい。
【0180】
なお、特定の実施形態では、材料のストリップは、送達支持材料それ自体によってもたらされる接着性手段及び付着によって、口腔表面上の所定の位置に保持され得る。例えば、材料のストリップを延伸させ、口腔軟組織へと付着、接着させることができる。また、特定の実施形態では、接着剤を、送達システムを口腔軟組織へと付着させる材料のストリップの部分へと、適用することができる。送達支持材料はまた、送達支持材料と歯を含む口腔表面との間の物理的干渉又は機械的連動により、口腔に付着されてよい。なお、材料のストリップは、国際公開番号第03/015656号に記載されるように、本明細書における本発明の組成物から独立した接着手段により、所定の位置に保持されてよい。
【0181】
好適な接着手段が、当業者に周知である。接着手段が存在する場合、これは、接着剤により提供され、接着剤は、材料を歯の表面又は口腔表面の表面に接着させるために使用される、任意の接着剤であってよい。好適な接着剤としては、皮膚、歯茎及び粘膜付着性接着剤が挙げられるが、これらに限定されず、またこれらは、口腔ケア有効成分及び/又は漂白剤が効果を発揮するために、口腔環境の湿気、化学物質、及び酵素に長い間耐え得るものでなければならないが、その後、水溶性及び/又は生物分解性でなければならない。好適な接着剤としては、例えば、水溶性ポリマー、疎水性及び/又は非水溶性ポリマー、例えば、口腔内の水分、化学又は酵素等の影響の下で、口腔環境に接触すると粘着性となる乾燥接着剤などが挙げられる。好適な接着剤としては、天然ゴム、合成樹脂、天然又は合成ゴム、上記で「増粘剤」として列挙されたこれらのゴム及びポリマー、及び既知の接着剤のタイプにて使用される種類の種々のその他の粘着性物質が挙げられ、これらは、米国特許第2,835,628号から周知である。
【0182】
送達支持材料は、例えば、図1~4における実施例に関して示されるように、当該技術分野において周知のフィルム製造プロセスのいくつかにより、形成されてよい。例えば、ポリエチレンのストリップは、吹出プロセス又は鋳造プロセスにより製造される。押出又は材料のストリップの曲げ剛性に影響を及ぼさないプロセスを含むその他のプロセスもまた、実行可能である。なお、ストリップ上に第2の層を形成する本発明の組成物は、ストリップの加工中にストリップ上に組み込まれてよい、及び/又は、本発明の組成物は、ストリップ上のラミネート層であってよい。上述のように、このような送達支持材料のストリップに取り付けられた第2の層は、本明細書に記載されるように、安全かつ有効な量の本発明の組成物を含む。
【0183】
なお、本送達システムは、任意の剥離ライナーを含んでよい。剥離ライナーは、それ自体及び材料の第1の層のストリップに関して示す第2層の組成物よりもより小さい、第2層の組成物に関する親和性を示す、任意の材料から形成されてよい。剥離ライナーは、ポリエチレン、紙、ポリエステル、又はその他の材料などの、材料の剛性シートを含んでよく、その後、非粘着性材料で被覆される。剥離ライナーは、材料のストリップと実質的に同じ大きさ及び形状に切断されてよい、又は剥離ライナーは、材料をストリップから分離するための容易にアクセス可能な手段を提供するために、材料のストリップよりも大きく切断されてよい。剥離ライナーは、ストリップが湾曲した場合に割れる脆性材料、又は材料の複数の部分若しくは材料の刻み目のついた部分から、形成されてよい。あるいは、剥離ライナーは、典型的な接着性包帯設計などの、重なり合った2つの部分であってよい。剥離剤として好適な材料に関する更なる説明が、Kirk-Othmer Encyclopedia of Chemical Technology、第4版、第2巻、207~218頁に見出され、参照により本明細書に組み込まれる。
【0184】
特定の実施形態では、送達支持材料は、装着者が、約1平方センチメートルの表面領域を有する1つの指を使用して、各歯の上でストリップを押し得ることが見出されてきた故に、材料のストリップが、約250,000パスカル未満の圧力下で恒久的な変形を介して、歯の形状へと実質的に適合するような、降伏点及び厚さを有する、恒久的に変形可能な材料のストリップであってよい。これらは、典型的には、約100,000パスカル~約250,000パスカルの典型的な適用圧力範囲にて、各歯において、1秒又はそれ未満の間、力を加える。
【0185】
特定の実施形態では、材料のストリップは、いくつかの歯に対して、及び装着者の口のアーチ周辺に適合させるために、材料のストリップをクリープ並びに屈曲させることを可能にする、粘弾性特性を有する。必要な恒久的変形が、装着者により適用される最小限の通常の力の下で発生する、ということが重要である。
【0186】
多相口腔用組成物はまた、歯の表面に適用されてよく、またそれが形状付けされる前後に、変形可能なストリップにより覆われてよい。なお、又はあるいは、多相口腔用組成物は、プレコーティングとして変形可能なストリップに塗布されてよく、また変形可能なストリップが形状付けられた前後に、ストリップと一緒に歯の表面に適用されてよく、ストリップは、送達システムが歯の表面上に位置付けられた場合に、多相口腔用組成物が歯の表面に接触して、歯の表面上へと有効成分を提供するように適用される。追加的に又は代替的に、材料の変形可能なストリップは、送達支持材料を形状付けるのに十分な力により、歯へと適用されてよく、これにより、それが、少なくとも部分的に歯の形状に適合し、次に、形状付けられた材料のストリップが歯の表面から取り外され、口腔ケア組成物が形状付けられた材料のストリップへと塗布され、また形状付けられた材料のストリップが歯の表面へと再付着し、これにより、それが、少なくとも部分的に歯の形状に適合し、かつ歯の表面に対して口腔ケア組成物を接触させる。変形可能なストリップが、多相口腔用組成物と共に歯の表面に適用される場合、多相口腔用組成物はまた、送達システムを所定の位置に十分な時間保持して、多相口腔用組成物の有効成分が表面において作用することを可能にする、接着剤を含んでよい。変形可能なストリップと共に使用される場合、多相口腔用組成物は、材料の変形可能なストリップを形状付けるための通常の力に耐えるのに十分な押出抵抗を有してよく、これにより、材料の変形可能なストリップの手動での形状付け中に、材料の変形可能なストリップと表面との間から、物質が実質的に押し出されない。「から実質的に押し出される」とは、少なくとも50%又はそれ以上の多相口腔用組成物が、材料の変形可能なストリップと歯と近接する軟組織表面の間から、押し出されることを意味する。
【0187】
材料の変形可能なストリップは、単一層又は積層体などの層(複数)若しくは材料の組み合わせとして、ワックス、パテ、錫又は箔などの、恒久的に変形可能な材料から作製されてよい。特定の実施形態では、変形可能なストリップは、Freeman Mfg&Supply Co.(クリーブランド、オハイオ州)により配合及び製造される、#165シートワックスなどの、ワックスであってよい。この特定のワックスは、約133,000パスカル圧力下で、歯の形状に容易に適合し、これは、装着者が、約1平方センチメートルの領域にわたって、約1.36kg(3ポンド)の通常の力を適用する場合に発生する圧力である。材料の変形可能なストリップは、約0.8mmの通常のフィルム厚を有してよく、変形可能なストリップは、実質的に平坦であり、かつ丸みを帯びた角部を伴う長方形の形状であってよい。材料の変形可能なストリップは、装着者の口の湾曲及び隣接する歯の間の間隙に適合しつつ、隣接する複数の歯を覆うのに十分な長さを有してよい。材料の変形可能なストリップが、その上にコーティングされた多相口腔用組成物を含む場合には、多相口腔用組成物は、約1.5mm未満の全体の厚さを有してよい。本明細書に記載された変形可能なストリップはまた、図1~4にて示す材料のストリップ12のための材料として、使用されてよい。従って、例えば、図1~4に関連した、上記のような材料のストリップの一般的な特徴もまた、材料の変形可能なストリップに適用されてよい。なお、剥離ライナー及び/又は浅いポケットも同様に、材料の変形可能なストリップと組み合わされてよい。
【0188】
あるいは、本発明の組成物は、歯科用トレイ及び/又は発泡材料を含む送達支持材料と組み合わされて、使用されてよい。歯科用トレイは、ホワイトニング分野において周知であり、また代表的な歯科用トレイ30を図5にて示す。歯科用トレイ30を準備するための一般的なプロセスが、当該技術分野において周知である。歯科医は、ホワイトニングのために、伝統的に、3つの種類の歯科用器具を利用してきた。
【0189】
第1の種類は、患者の歯列弓に正確に適合する剛性器具である。例えば、全ての歯の表面及び歯肉縁に正しく合わさるアルギン酸印象材が作製され、かつ印象材から直ちに鋳型が作製される。リザーバが所望される場合、それらは、処置される特定の歯の表面上の鋳型上に剛性材料の層を確立させることにより、準備される。歯科用トレイは、次に、従来技術を使用した修正鋳型から真空形成される。一度形成されると、トレイは、好ましくは、頬側表面及び舌側表面の両方上の歯肉縁のシャイでわずかにトリミングされる。トレイ周囲を仕上げかつ面取りする際に、全ての歯が、約1/4~約1/3mmの歯肉縁内へと覆われることを確実にするために、十分なトレイ材料が残されなければならない。仕上がったトレイがそれらを覆わないように、これをスカラップ形にして、歯間乳頭を丸み付けできる。好ましくは、唇及び舌が鋭い隆起を感じないようにするために、全てのトレイ縁が平滑にされる。患者の歯と、任意に、剛性材料に位置するリザーバ又は間隙との完全な適合を提供する得られたトレイは、鋳型上に定置された。歯科用トレイは、約0.1cm~約0.15cmの予備形成された厚さを有する、軟らかい透明なビニル材料を含んでよい。軟らかい材料は、患者によって装着がより快適である。トレイを構築するために、より硬い材料(または厚いプラスチック)を使用してもよい。
【0190】
第2の種類の剛性カスタム歯科用器具は、「大型」の剛性カスタム歯科用器具である。剛性の、カスタム歯科用器具の作製は、患者の歯列弓の印象材の鋳型模型を必要とし、また患者の歯列弓の鋳型模型に対応する熱可塑性シートの加熱及び真空形成を必要とする。熱可塑性フィルムは、剛性又は半剛性のシートとして販売され、かつ種々の寸法及び厚さにて入手可能である。大型の剛性歯科器具のための歯科実験室製作技術は、鋳型模型上の歯の表面を、ダイスペーサ又は光硬化アクリルなどの材料により、増強することを伴う。次に、熱可塑性シート材を加熱して、続いて歯列弓の増強された鋳型模型の周囲に真空形成する。本方法の純効果により、「大型」の剛性カスタム歯科用器具が実現する。
【0191】
それほど頻繁には使用されていないが、第3の種類の剛性カスタム歯科用器具は、軟質多孔質発泡体~剛性の非多孔質発泡フィルムまでの範囲の材料の積層体から作製された、剛性二重ラミネートカスタム歯科用器具である。これらの二重ラミネート歯科用器具の、非多孔質の、剛性の熱可逆性シェルは、軟質多孔質発泡体の内側層を覆いかつ支持する。
【0192】
第4の種類の歯科用トレイは、使い捨て可能なU形状の軟質多孔質発泡体を伴う剛性カスタム歯科用器具に置き換わり、これは、個別に包装されてよく、かつ事前測定された量の本発明の組成物を深くしみ込ませていてよい。軟質発泡材は、一般に、開放気泡プラスチック材である。このような装置は、Cadco Dental Products(オックスナード、カリフォルニア州)から、商標名VitalWhite(商標)にて市販されている。これらの軟質発泡体トレイは、装置からの漂白剤の、口腔内への溶出を最小にし、患者の摂取及び/又は口腔組織の刺激を最小にするためのバッキング材料(例えば、独立気泡プラスチックバッキング材料)を含んでよい。あるいは、軟質発泡体トレイは、非多孔質の可撓性ポリマーにより覆われる、又は開放気泡発泡体は、歯科用器具の前面内壁に取り付けられる、及び/若しくは、開放気泡発泡体は、歯科用器具の後面内壁に取り付けられる。当業者は、本発明の組成物が、発泡体の開放気泡構造との間で単純に使い果たされないように十分に厚くなければならず、また時間の経過とともに、開放気泡発泡体を緩やかに通過するように、十分に薄くなければならない、ということを、容易に認識及び理解するであろう。換言すれば、開放気泡発泡体材料は、組成物の粘度に対して寸法付けられて、組成物を吸収し、かつ組成物がそこを通過することを可能にする、内部構造間隔を有する。
【0193】
独立気泡材料の一例は、Voltek division of Sekisui America Corporation(ローレンス、マサチューセッツ州)により、商標名Voloraにて販売されている、0.07928cm~0.318cm(1/32”~1/8”)の厚さの独立気泡ポリオレフィン発泡体である。独立気泡材料はまた、可撓性ポリマー材料を含んでよい。開放気泡材料の一例は、Sentinel Foam Products division of Packaging Industries Group,Inc.(ハイアニス、マサチューセッツ州)により、商標名Opcellにて販売されている、0.159cm~0.953cm(1/16”~3/8”)の厚さの開放気泡ポリエチレン発泡体である。本明細書において有用なその他の開放気泡としては、ヒドロゲルポリマー(例えば、Hydromer,Inc.(ブランチバーグ、ニュージャージー州)からのMdicell(商標)発泡体)などの、開放気泡材料が挙げられる。開放気泡発泡体はまた、種々の有効成分を化学的に吸収するポリウレタン又はポリビニルピロリドンなどの、有効成分を吸収して流体の高い吸収性を付与する親水性の開放発泡体であってよい。
【0194】
本発明の多相口腔用組成物の調製
主に、エマルションの調製は当該技術分野において周知であり、また任意の好適な製造プロセスを使用して、本多相口腔用組成物を製造することができ、これは、エマルションの形態であってよく、例えば、Remmingtion:the Science and Practice of Pharmacy、第19版、第II巻、第20、80、86等を参照のこと。一般に、成分は油溶性のものと水溶性のものとに分離される。これらを、必要に応じて加熱して、それぞれの溶媒に溶解させる。次に、2つの相を混合して、生成物を撹拌し、かつ冷却する。相の混合後、本発明の多相口腔用組成物は、振盪、断続的振盪、高剪断攪拌を含む種々の方法により、又は高速度ミキサ、混合機、コロイドミル、ホモジェナイザ、若しくは超音波技術を使用することにより、撹拌される又は剪断されてよい。調製された多相口腔用組成物の種類を確実にするために、種々の試験方法が使用可能である。これらの試験方法は、希釈試験、導電性試験、顕微鏡法、及び染料溶解性試験方法を含む。試験方法の更なる記載が、Remmingtion:the Science and Practice of Pharmacy、第19版、第1巻、1995年、282~283頁に開示されている。
【0195】
特定の実施形態では、多相口腔用組成物は、本明細書にて開示されるように、以下のように作製されてよい。漂白有効成分を水相に溶解させ、次いで、混合容器内で水相及び疎水性相を混合して、当該分野で周知の任意の手段を用いてよく混合し、例えば、(Flacktek Inc.(ランドラム、サウスカロライナ州)からの)Speed-Mixerを使用して、本発明の多相口腔用組成物を作製してよい。SpeedMixer(商標)シリーズの混合手順は、二重非対称遠心混合を使用した、混合カップの2回の回転に基づく。このように異なるレベルにおいて作用する遠心力の組み合わせにより、カップ全体を極めて迅速に混合することができる。必要に応じて、漂白有効成分又は混合物の溶解を促進することが必要な場合には、所望により、組成物を加熱してよい。組成物が均一になるまで混合し続ける。義歯ケア有効成分が固形の粒子形態で含有される場合、組成物内での粒子の分散及び懸濁状態を維持するために、シリカなどの任意の粘度調整剤を添加することが好ましい場合がある。また、所望により、組成物の相のうち1つへと、風味剤又は甘味料を添加してよい。その後、所望により、送達支持材料へと組成物を添加してよい。
【0196】
多相口腔用組成物の配合実施例
以下の非限定的な配合実施例は、本発明の範囲内にある実施形態を更に説明するものである。これらの実施例には、本発明の範囲を逸脱することなく種々の変更が可能である。
【0197】
配合実施例I
上記で開示され、かつ35%の過酸化水素の水溶液にて配合される任意の好適な手順を使用して、配合実施例Iを行うことができる。これらの実施例は、1)0.001%~0.0875%の範囲の、口腔用組成物全体におけるH2O2の濃度、及び、2)組成物全体中に存在するHの、400~34483の範囲での、重量パーセントにおける濃度に対する、水相中に存在するHの重量パーセントにおける濃度の比率、により作製され得る、組成物を示す。
【0198】
【表4】
組成物全体中に存在するHの、重量パーセントにおける濃度に対する、水相中に存在するHの、重量パーセントにおける濃度の比率
15Solvay(ヒューストン、テキサス州)からの、ultra Cosmetic Grade
16Sonneborn LLC(パーシッパニー、ニュージャージー州)からの、G-2191Grade
【0199】
配合実施例II
上記で開示され、かつ50%の過酸化水素の水溶液にて配合される任意の好適な手順を使用して、配合実施例IIを行うことができる。これらの実施例は、1)0.0015%~0.1%の範囲の、口腔用組成物全体におけるH2O2の濃度、及び、2)組成物全体中に存在するHの、500~34483の範囲での、重量パーセントにおける濃度に対する、水相中に存在すHの重量パーセントにおける濃度の比率、により作製される、組成物を示す。
【0200】
【表5】
組成物全体中に存在するHの重量パーセントにおける濃度に対する、水相中に存在するHの重量パーセントにおける濃度の比率
17Sonneborn LLC(パーシッパニー、ニュージャージー州)からの、G-2191Grade
【0201】
配合実施例III
上記で開示され、かつ17.5%の過酸化水素の水溶液にて配合される任意の好適な手順を使用して、配合実施例IIIを行うことができる。これらの実施例は、1)0.0088%~0.0875%の範囲の、口腔用組成物全体におけるH2O2の濃度、及び、2)組成物全体中に存在するHの、200~2000の範囲での、重量パーセントにおける濃度に対する、水相中に存在すHの重量パーセントにおける濃度の比率、により作製できる、組成物を示す。
【0202】
【表6】
組成物全体中に存在するHの重量パーセントにおける濃度に対する、水相中に存在するHの重量パーセントにおける濃度の比率
18Solvay(ヒューストン、テキサス州)からの、水で希釈されたultra Cosmetic Grade
19Sonneborn LLC(パーシッパニー、ニュージャージー州)からの、G-2191Grade
【0203】
配合実施例IV
上記で開示され、かつ8.75%の過酸化水素の水溶液にて配合される任意の好適な手順を使用して、配合実施例IVを行うことができる。これらの実施例は、1)0.0044%~0.099995%の範囲の、口腔用組成物全体におけるH2O2の濃度、及び、2)組成物全体中に存在するHの、87.5~2000の範囲での、重量パーセントにおける濃度に対する、水相中に存在するHの重量パーセントにおける濃度の比率、により作製することができる、組成物を示す。
【0204】
【表7】
組成物全体中に存在するHの重量パーセントにおける濃度に対する、水相中に存在するHの重量パーセントにおける濃度の比率
2020Solvay(ヒューストン、テキサス州)からの、水で希釈されたultra Cosmetic Grade
21Sonneborn LLC(パーシッパニー、ニュージャージー州)からの、G-2191Grade
【0205】
配合実施例V
上記で開示され、かつ35%の過酸化水素の水溶液にて配合される任意の好適な手順を使用して、配合実施例Vを行うことができる。これらの実施例は、1)種々の疎水性相、及び2)様々の充填剤、により作製することができる、組成物を示す。
【0206】
【表8】
組成物全体中に存在するHの、重量パーセントにおける濃度に対する、水相中に存在するHの、重量パーセントにおける濃度の比率
22Solvay(ヒューストン、テキサス州)からの、ultra Cosmetic Grade
23Sonneborn LLC(パーシッパニー、ニュージャージー州)からの、G-2191Grade
24Sonneborn LLC(パーシッパニー、ニュージャージー州)からの、Kaydol Grade
2595℃にて鉱油中に溶解させた、Baker-Hughes(ヒューストン、テキサス州)からの、400 Grade
2695℃にて鉱油中に溶解させた、Sonneborn LLC(パーシッパニー、ニュージャージー州)からの、W835 Grade
27粒状充填剤として存在するように、その融点未満の多相口腔用組成物中へと添加された、Baker-Hughes(ヒューストン、テキサス州)からの、400 Grade
28粒状充填剤として存在するように、多相口腔用組成物中へと添加された、Momentive Inc.からの、Tospearl
【0207】
配合比較実施例
配合比較実施例I
上記で開示された、又は欧州特許第1 696 866 B1において開示された、任意の好適な手順を使用して、配合比較実施例Iを行うことができる。これらの実施例は、1)組成物全体の0.1%よりもはるかに高いHレベルを有し、かつ、2)本発明による好ましい範囲よりも低い組成物全体中に存在するHの重量パーセントでの濃度に対する、水相中に存在するHの重量パーセントでの濃度の比率を有する、組成物を示す。
【0208】
【表9】
組成物全体中に存在するHの、重量パーセントにおける濃度に対する、水相中に存在するHの、重量パーセントにおける濃度の比率
29Solvay(ヒューストン、テキサス州)からの、ultra Cosmetic Grade
30Sonneborn LLC(パーシッパニー、ニュージャージー州)からの、Kaydol Grade
31Cytec Industries Inc.(ニュージャージー州)からの、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム。
32Spectrum Chemical MfG groupからの、エトキシル化ソルビタンモノオレエート
33Calumet Lubricantsから
34Lipo Chemicalからの、セテアリルアルコール及びCeteareth-20
【0209】
配合比較実施例II
上記で開示された、又は欧州特許第1 696 866 B1において開示された、任意の好適な手順を使用して、配合比較実施例IIを行うことができる。これらの実施例は、1)組成物全体の0.1%よりもはるかに高いHレベルを有し、かつ、2)本発明による好ましい範囲よりも低い組成物全体中に存在するHの重量パーセントでの濃度に対する、水相中に存在するH2O2の重量パーセントでの濃度の比率を有する、組成物を示す。
【0210】
【表10】
組成物全体中に存在するHの、重量パーセントにおける濃度に対する、水相中に存在するHの、重量パーセントにおける濃度の比率
35Solvay(ヒューストン、テキサス州)からの、ultra Cosmetic Grade
36Sonneborn LLC(パーシッパニー、ニュージャージー州)からの、Kaydol Grade
37Cytec Industries Inc.(ニュージャージー州)からの、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム。
38Spectrum Chemical MfG groupからの、エトキシル化ソルビタンモノオレエート
【0211】
配合比較実施例I及びIIの組成物全体中に存在する漂白剤の重量パーセントでの濃度に対する、水相に存在する漂白剤の重量パーセントでの濃度の比率は、最小3.13~最大17.64の範囲である一方で、上記の実施例I、II、及びIII、並びに配合実施例I、II、III、IV及びVでは、比率は約50~約34483の範囲である。特に、配合比較実施例I及びIIの組成物全体中に存在する漂白剤の重量パーセントでの濃度に対する、水相に存在する漂白剤の重量パーセントでの濃度の比率は、最大値17.64を有する一方で、比率は、例えば、上記の実施例I、II、及びIII、並びに配合実施例I、II、III、IV及びVでは、最小の約50を有する。
【0212】
組成物及び/又は送達システムを使用する方法
本発明は、歯科専門家による歯科オフィスの消費者の歯に適用することができる、又は消費者が自宅で使用することができる。一般的に、推奨処理期間は、ホワイトニングを達成するための十分な時間である。
【0213】
本発明の実施では、ユーザは、漂白剤を含有してホワイトニングなどの所望の効果を得るための本明細書における組成物を、1つ以上の歯に塗布する。本組成物は、ペイント-オン装置、シリンジ、若しくは単位用量シリンジ、押潰し可能なチューブ、ブラシ、ペン若しくはブラシチップ塗布具、ドウズフット塗布具、スワッブ、リップグロス塗布具、塗布後に取り外されるストリップ、塗布後に取り外されるトレイ、等、又は指さえも使用して塗布することができる。組成物はまた、材料のストリップ、歯科用トレイ、又はスポンジ材料などの送達支持材料と組み合わせることができ、またその後に歯に塗布することができる。特定の実施形態では、本明細書の組成物又は送達システムは、歯に適用される場合にほとんど目立たない。所望の時間が経過した後に、歯の表面の布ぶき、ブラッシング、又はすすぎにより、任意の残留組成物を容易に除去してよい。
【0214】
一般に、本発明の組成物を適用する前に歯を準備する必要はない。例えば、本発明の組成物を塗布する前に、歯の洗浄や口のリンスを行うことができるが、塗布前に口腔表面を乾燥させたり、唾液や水で過度に湿潤させたりする必要がない。しかし、塗布前に歯を乾燥させると歯エナメル面への付着性が向上すると考えられる。
【0215】
歯科用トレイ器具は、次のようにして使用することができる。患者又は歯科専門医は、本発明の組成物を軟性又は剛性の歯科用器具内へと分配して、次に、参加者は、器具を参加者の歯列弓にわたって定置させる(又は、自分の歯の周辺に装置を適合させて、トレイを所定の位置に維持する)。一般的に、推奨処理期間は、上で開示したように、ホワイトニングを達成するのに十分な時間である。治療期間の終了時に、歯科用器具を取り外し、水で洗浄して残りの組成物を除去した後、次の塗布まで保存する。
【0216】
上述の組成物及び送達システムは、1.本発明の組成物、及び2.使用説明書、又は1.本発明の組成物、2.使用説明書、3.送達支持材料を含むキットに組み合わせてよい。なお、歯が電磁放射線により照射され得る場合、キットは、適切な波長の電磁放射線源及び使用のための説明書を更に含んでよく、これにより、キットは、都合の良い様式にて消費者に使用され得る。
【0217】
任意の電磁放射線処理
本明細書に開示されるような多相口腔用組成物は歯のホワイトニング及び/又は歯面から着色を除去するのに使用してもよい。なお、ホワイトニング有効性は、好適な波長の電磁放射線を少なくとも1つの歯に向かって方向付けることにより、更に増大してよい。このような電磁放射を提供するのに適した装置が、図7にて示される。好適な波長は、歯の最大吸収帯及び/又は漂白される歯の着色に対応する、全ての波長であってよい。例えば、多相口腔用組成物は、約200nm~約1200nmの範囲の1つ以上の波長を伴う電磁放射線により、放射されてよい。電磁放射は、少なくとも1つの歯に向けられてよい。なお、2つ以上の歯が照射されてもよい。特に、電磁放射線は、約400、405、410、415、420、425、430、435、440、若しくは445、446nm~約450、455、460、465、470、475、480、481、485、490、495、若しくは500nm、又は、このようなより狭い数域が全て本明細書に明示的に記載されているかのように、任意のその他の数域の範囲での波長におけるピーク強度を有してよい。特定の実施形態では、電磁放射線は、約425nm~475nm、約445nm~約465nmの範囲での波長におけるピーク強度を有する、又は、電磁放射線のピーク強度波長は、着色がほとんどの電磁放射線を吸収する波長と類似している。電磁放射線は、患者又は組成物を装着している時間全体にわたって、又は歯から組成物が取り除かれた後に、少なくとも1つの歯に向かって方向付けられてよい。電磁放射線は、少なくともホワイトニングのための十分な時間、例えば、少なくとも約1分間、少なくとも約5分間、又は少なくとも約10分間にて適用されてよい。米国特許第2013/0295525に開示された手順を使用して、電磁放射線を適用してよい。本明細書に開示された多相口腔用組成物は、好ましくは、少なくとも1つの歯に適用され、また第1の期間、少なくとも1つの歯上に維持され、第1の期間、電磁放射線は、少なくとも第2の期間、少なくとも1つの歯に向かって方向付けられてよく、第1の期間は、第1及び第2の期間の総持続期間の50%超、好ましくは80%の持続期間を有し、また最終的に、多相口腔用組成物は、少なくとも1つの歯から取り除かれる。
【0218】
好適な電磁放射線源としては、表題「臨床プロトコル」の項目において、本明細書にて記載される源が挙げられる。
【0219】
本明細書にて記載された多相口腔用組成物は、約400nm~約500nmの波長を伴う電磁放射線に対して透明又は半透明であってよい。特定の実施形態では、本明細書にて記載された多相口腔用組成物は、約0.0001、0.001、若しくは0.01cm~約0.01、0.1、若しくは0.5cmの厚さにて適用された場合に、分光光度計により測定された際に、約400nm~約500nmの電磁放射線の10%、20%若しくは30%~約40%、50%、60%、70%、80%、90%、若しくは100%を通過させることを可能にする。特定の実施形態では、多相口腔用組成物が約0.1cmの厚さにて塗布される場合、分光計により測定されるように、約80%~約100%の、約400nm~約500nmの電磁放射線を通過させる。本明細書にて記載された多相口腔用組成物が、約0.0001、0.001、若しくは0.01グラム~約0.01、0.1、1、若しくは5グラムの量にて、約5cm~約20の表面領域を伴う送達支持材料又はトレイ上に塗布される場合、約400nm~約500nmの電磁放射線の約10%、20%、若しくは30%~約40%、50%、60%、70%、80%、90%、若しくは100%を通過させることが可能である。
【0220】
歯の表面又はストリップであり得る支持材料の外側表面上に衝突する、約400~約500nmの範囲の波長における電磁放射線は、約5、10、25、50、75、若しくは100mW/cm2~約500、250、225、205、200、175、150、125、100、75、50、25、10、若しくは5mW/cm2、又はその他の数域の強度における範囲であってよく、このようなより狭い数域が全て本明細書に明示的に記載されているかのように、より狭く、かつこのようなより広い数値範囲内に収まる。
【0221】
電磁放射の強度を測定するための手順
先端において余弦修正器(Ocean OpticsからのOP200-2-UV-VIS)を伴うUV-VIS200ミクロン光ファイバーケーブルに接続された分光計(Ocean OpticsからのUSB2000+)を使用して、電磁放射線の強度を測定することができる。分光計は、ソフトウェア(Ocean OpticsからのOceanview1.3.4)を実行するコンピュータに接続されている。光ファイバーケーブルの先端部は、光強度が測定される位置における光源に向かって指し示すように、保持される。検出器の表面において収集された光子は、光ファイバーケーブルを介して電荷結合デバイス(CCD)へと案内される。CCDは、200nm~1100nmの各波長にて、事前決定された期間の間にCCDに到着する光子の数を数え、かつソフトウェアアルゴリズムを使用して、これらの光子の数を分光放射照度(mW/cm/nm)へと変換する。分光放射照度は、ソフトウェアにより、200nm~1100nmにて統合されて、吸収射照度(mW/cm)を得るが、これは、200nm~1100nmの電磁放射線の強度である。ソフトウェアにより、分光放射照度は、400nm~500nmに統合されて、ソフトウェアにより、吸収射照度(mW/cm)を得るが、これは、400nm~500nmの電磁放射線の強度である。
【0222】
消費者の利便性のために、本明細書にて記載された多相口腔用組成物は、本明細書にて記載された漂白組成物、より容易な適用のための送達支持材料、好適な波長にて電気放射線を放出する電磁放射線源、及び使用説明書を含むキットとして提供されてよい。
【0223】
本発明の組成物は、ヒト及びその他の動物(例えば、ペット、動物若しくは家畜)の用途の両方に有用である。
【実施例0224】
以下の非限定的な実施例は、本発明の範囲内の好ましい実施形態を更に記載する。これらの実施例には、本発明の範囲を逸脱することなく種々の変更が可能である。全ての実験は、特に指示がない限り、室温(RT)及び大気圧にて実施された。
【0225】
これらの多相口腔用組成物は、前述又は後述するように作製された。
【0226】
具体的には、実施例-I-A及びB、実施例-II-A、B、及びC、比較実施例-I、並びに実施例III A、B、C、及びDの500グラムのバッチを、過酸化水素(H2O2)の水溶液及びワセリンをSpeedmixer容器(Flacktek Inc.(ランドラム、サウスカロライナ州)からの「Max 300 Long Cup Translucent」、アイテム番号501 218t)内へと計量することにより製造し、かつ、800RPMにて5秒間、1200RPMにて5秒間、また1950RPMにて2分間、Speedmixerにおいて混合した。その後、プラスチック製のヘラで容器の壁を削り落として、800RPMにて5秒間、1200RPMにて5秒間、また1950RPMにて2分間、内容物の2回目の混合をした。その後、プラスチック製のヘラで容器の壁を削り落として、800RPMにて5秒間、1200RPMにて5秒間、また1950RPMにて2分間、内容物の3回目の混合をした。
【0227】
同様に、実施例-III Eの500グラムのバッチを、ポリエチレン及び鉱油をSpeedmixer容器(Flacktek Inc.(ランドラム、サウスカロライナ州)からの「Max 300 Long Cup Translucent」、アイテム番号501 218t)内へと計量することにより作製し、95℃に設定されたオーブン内で約3時間加熱し、へらで30秒間混合し、続いて、Speedmixerにおいて、800RPMにて5秒間、1200RPMにて5秒間、また1950RPMにて2分間混合し、かつ室温で一晩冷却した。次に、H2O2の水溶液を添加して、Speedmixerにおいて、800RPMにて5秒間、1200RPMにて5秒間、また1950RPMにて2分間混合した。その後、プラスチック製のヘラで容器の壁を削り落として、800RPMにて5秒間、1200RPMにて5秒間、また1950RPMにて2分間、内容物の2回目の混合をした。その後、プラスチック製のヘラで容器の壁を削り落として、800RPMにて5秒間、1200RPMにて5秒間、また1950RPMにて2分間、内容物の3回目の混合をした。
【0228】
同様に、実施例-III Fの500グラムのバッチを、微晶蝋及び鉱油をSpeedmixer容器(Flacktek Inc.(ランドラム、サウスカロライナ州)からの「Max 300 Long Cup Translucent」、アイテム番号501 218t)内へと計量することにより作製し、95℃に設定されたオーブン内で約3時間加熱し、へらで30秒間混合し、続いて、Speedmixerにおいて、800RPMにて30秒間混合し、かつ室温で一晩冷却した。次に、H2O2の水溶液を添加して、Speedmixerにおいて、800RPMにて5秒間、1200RPMにて5秒間、また1950RPMにて2分間混合した。その後、プラスチック製のヘラで容器の壁を削り落として、800RPMにて5秒間、1200RPMにて5秒間、また1950RPMにて2分間、内容物の2回の混合をした。その後、プラスチック製のヘラで容器の壁を削り落として、800RPMにて5秒間、1200RPMにて5秒間、また1950RPMにて2分間、内容物の3回の混合をした。
【0229】
同様に、実施例IV-Aのバッチを、以下のように作製した。ワセリン242.6g及び35%の水性過酸化水素7.2gを、Max 300 Long Speedmixer容器(Flacktek Inc.(ランドラム、サウスカロライナ州))内へと添加して、SpeedMixer DAC 400 FVZ(Flacktek Inc.(ランドラム、サウスカロライナ州))において、30秒間、1600rev/分にて混合した。この混合物を、378mL(12.8oz)の空のCaulk Cartridge(McMaster Carr(ロビンズビル、ニュージャージー州))へと移して、生成物温度が9℃と測定されるまで、冷蔵庫内に保管した。Caulk Cartridgeを、Pneumatic Caulk Gun(ロビンズビル、ニュージャージー州)内へと挿入して、マイクロフルイダイザーのモデルM-110Y(Microfluidics(ウェストウッド、マサチューセッツ州)、02090)の入口部に接続した。生成物が、F20Yのインタラクションチャンバ及びいくつかの前後管のcmのみを通過するように、マイクロフルイダイザーの出口管を配置した。マイクロフルイダイザーへの入口圧力を0.30MPa(42psig)へと調節し、またCaulk Cartridgeへの入口圧力を0.65MPa(94psig)へと調節した。最終生成物を、プラスチック容器内に収集した。
【0230】
同様に、実施例IV-Bのバッチを、以下のように作製した。ワセリン228.8g及び35%の水性過酸化水素21.6gを、Max 300 Long Speedmixer容器(Flacktek Inc.(ランドラム、サウスカロライナ州))内へと添加して、SpeedMixer DAC 400 FVZ(Flacktek Inc.(ランドラム、サウスカロライナ州))において、30秒間、1600rev/分にて混合した。この混合物を、378mL(12.8oz)の空のCaulk Cartridge(McMaster Carr(ロビンズビル、ニュージャージー州))へと移して、生成物温度が8℃と測定されるまで、冷蔵庫内に保管した。Caulk Cartridgeを、Pneumatic Caulk Gun(ロビンズビル、ニュージャージー州))内へと挿入して、マイクロフルイダイザーのモデルM-110Y(Microfluidics(ウェストウッド、マサチューセッツ州)、02090)の入口部に接続した。生成物が、F20Yのインタラクションチャンバ及びいくつかの前後管のcmのみを通過するように、マイクロフルイダイザーの出口管を配置した。マイクロフルイダイザーに対する入口圧力は、0.30MPa(42psig)へと調節されて、Caulk Cartridgeに対する入口圧力は、0.65MPa(94psig))へと調節された。最終生成物を、プラスチック容器内に収集した。
【0231】
(実施例I)
実施例I-A及びBの多相口腔用組成物を、上記の手順を使用して作製し、35%の過酸化水素の水溶液を用いて配合した。
【0232】
実施例-I-Bにおいて、本明細書にて明記された手順を使用して、以下のパラメータを測定した。a)二次元平面の、平方センチメートル当たり10000平方ミクロンよりも大きい断面領域を伴う、多相口腔用組成物の水相の、液滴の二次元の密度、b)過酸化物試験ストリップ上に塗抹された多相口腔用組成物の過酸化物濃度の標準偏差、c)過酸化物試験ストリップ上に塗抹された多相口腔用組成物の過酸化物濃度の平均。
【0233】
【表11】
組成物全体中に存在するHの重量パーセントにおける濃度に対する、水相中に存在するHの重量パーセントにおける濃度の比率
Solvay(ヒューストン、テキサス州)からの、ultra Cosmetic Grade
Sonneborn LLC(パーシッパニー、ニュージャージー州)からの、G-2191Grade
【0234】
(実施例II)
実施例II-Aの多相口腔用組成物を、上記の手順を使用して作製し、17.5%の過酸化水素の水溶液にて配合した。実施例II-B、及びCの多相口腔用組成物を、上記の手順を使用して作製し、5%の過酸化水素の水溶液にて配合した。
【0235】
【表12】
組成物全体中に存在するHの、重量パーセントにおける濃度に対する、水相中に存在するHの、重量パーセントにおける濃度の比率
Solvay(ヒューストン、テキサス州)からの、水で希釈されたultra Cosmetic Grade
Sonneborn LLC(パーシッパニー、ニュージャージー州)からの、G-2191Grade
【0236】
(実施例III)
実施例IIIの多相口腔用組成物を、上記の手順を使用して作製し、1)異なる化学的等級の35%の過酸化水素の水溶液、並びに、2)疎水性相として使用される異なる材料、にて配合した。
【0237】
【表13】
組成物全体中に存在するHの、重量パーセントにおける濃度に対する、水相中に存在するHの、重量パーセントにおける濃度の比率
Solvay(ヒューストン、テキサス州)からの、ultra Cosmetic Grade
Solvay(ヒューストン、テキサス州)からの、Technical Grade
安定化剤を添加された、Solvayからの、Technical Grade Sonneborn LLC(パーシッパニー、ニュージャージー州)からの、G-2191Grade
Sonneborn LLC(パーシッパニー、ニュージャージー州)からの、G-1958Grade
10Sonneborn LLC(パーシッパニー、ニュージャージー州)からの、G-2218Grade
11Sonneborn LLC(パーシッパニー、ニュージャージー州)からの、Kaydol Grade
12約95℃にて鉱油中に溶解させた、Baker-Hughes(ヒューストン、テキサス州)からの、400 Grade
13約95℃にて鉱油中に溶解させた、Sonneborn LLC(パーシッパニー、ニュージャージー州)からの、W835 Grade。
【0238】
(実施例IV)
実施例IV-A、及びBの多相口腔用組成物を、上記の手順を使用して作製し、35%の過酸化水素の水溶液にて配合した。実施例IV-A、及びIV-Bにおいて、本明細書にて明記された手順を使用して、以下のパラメータを測定した。a)二次元平面の平方センチメートル当たり、10000平方ミクロンより大きい断面領域を伴う、多相口腔用組成物の水相の液滴の二次元密度、b)過酸化物試験ストリップ上に塗抹された多相口腔用組成物の過酸化物濃度の標準偏差、c)過酸化物試験ストリップ上に塗抹された多相口腔用組成物の過酸化物濃度の平均。
【0239】
【表14】
組成物全体中に存在するHの重量パーセントにおける濃度に対する、水相中に存在するHの重量パーセントにおける濃度の比率
14Solvay(ヒューストン、テキサス州)からの、ultra Cosmetic Grade
15Sonneborn LLC(パーシッパニー、ニュージャージー州)からの、G-2218Grade
【0240】
比較例
全ての実験は、特に指示がない限り、室温(RT)及び大気圧にて実施された。
【0241】
比較例I
比較例Iは、上記の手順を使用して行われ、また漂白剤を配合しない。
【0242】
【表15】
14Sonneborn LLC(パーシッパニー、ニュージャージー州)からの、G-2191Grade
【0243】
比較実施例-Iに対する、実施例-IAの漂白有効性
本明細書にて開示された臨床プロトコル当たりの、実施例-IA及び比較実施例-Iの漂白有効性を測定した。具体的には、これはランダム化、単一施設、二治療、平行群間、臨床試験は、過去に、専門家のホワイトニング処置、薬局窓口での処方箋なしのホワイトニング処置、又は治験的な歯のホワイトニング処置を受けたことがない39人の大人において、実施された。全ての参加者は、少なくとも18歳であり、4つの全ての測定可能な上顎部門歯を有しており、かつ歯の刺激敏感性の自己報告を有さなかった。参加者は、試験治療のために、L及びbの色値及び年齢に基づいて、ランダム化された。参加者は、2つのうち1つの処置グループに割り当てられた。
・例えば、実施例-IA(参加者22人、平均Lが74.1、及び平均bが15.6)、又は
・比較実施例-I(参加者17人、平均Lが74.2、及び平均bが15.2)
【0244】
参加者の上顎前歯は、送達支持材料としてのポリエチレンのストリップを使用して、多相口腔用組成物により、日に1回、60分間処置されるように、割り当てられた。ポリエチレンのストリップは、66mm×15mmのサイズであり、かつ0.0178mmの厚さであった。上顎前歯に塗布することに先立って、0.6g~0.8gの多相口腔用組成物を、ポリエチレンの各ストリップにわたって塗布した。
【0245】
割り当てられた上顎ストリップの分配及び全ての参加者は、臨床現場のスタッフにより監督された。各処置に関して、参加者は、多相口腔用組成物を伴うストリップを装着し、全体で60分間割り当てられた。各ストリップの装着の50分後、訓練された衛生士が、上顎前歯の前面に向かって、10分間、電磁放射線を適用した電磁放射線を、ストリップ及び多相口腔用組成物を介して歯に向けた。電磁放射線は、本明細書の表題「臨床プロトコル」の項目にて記載された電磁放射線源を使用して、送達された。電磁放射線が上顎前歯に向かって通過する、透明な窓部の出口表面において出る電磁放射線の各円錐体の中央軸線において測定された、400~500nmの電磁放射線の強度は、本明細書にて開示した方法により測定された際に、約175mW/cm~約225mW/cmとなるように測定された。
【0246】
デジタル画像は、基線にて、また第3日目、第7日目、第10日目、及び第14日目の処置後の日に、収集された。
【0247】
実施例-IAを使用したグループは、全ての試験時間点において、基線に対して、統計的に有意な(p<0.0001)黄色度の漸次的な減少を示し、また、このグループにおいて、7回、10回、及び14回の処置(p<0.0001)後に、明度(ΔL)の増加が観察された。
【0248】
比較例-Iを使用したグループは、3回、7回、及び10回の適用後にも基線値から異なることはなく、また14回の処置後に、小さな統計的に有意な(p=0.0007)黄色度(Δb)の減少を示し、明度(ΔL)の変化は検出されなかった。
【0249】
更に、実施例-IAにおけるグループは、比較実施例-Iにおけるグループと比較して、全ての試験時間点において、黄色度-Δbにおけるより大きな減少を示した。
【0250】
表Iは、詳細な結果を示す。
【0251】
【表16】
【0252】
これらの結果は、たとえ0.1%未満のHであっても、実施例-IA(ストリップ上に送達されて、本明細書にて記載された電磁放射線源と共に使用される)の著しく高い有効性を明確に実証している。
【0253】
多相口腔用組成物全体中に存在する漂白剤の重量パーセントに対する、本明細書にて開示されるような臨床プロトコル当たりで測定され、かつ-Δbとして算出される(本明細書にて記載されたように、ストリップ上に送達され、かつ電磁放射線と共に使用される)実施例-IAの漂白有効性の比は、3、7、10、及び14回の処置後に、それぞれ、6.07、14.5、17.0、及び19.5であった。
【0254】
これらの結果はまた、比較実施例-I(同一のストリップ上に送達されて、同一の電磁放射線源と共に使用される)に対する、実施例-IA(ストリップ上に送達されて、本明細書にて記載された電磁放射線源と共に使用される)の著しく高い有効性を明確に実証している。
【0255】
図7は、実施例IAの漂白多相口腔用組成物により処置される、代表的な歯の画像を示す。RGB画像は、白黒画像へと変換される。画像は、実施例IAの相口腔用組成物による14回の処置の前後に、取り込まれた。3つの歯が示され、歯の左側は、その基線の視覚的外観を示し、また歯の右側は、14回の処置後のその視覚的外観を示す。実施例IAの多相口腔用組成物による処置が、歯の表面を目に見えて白くしていることが、明確に確認できる。3つの全ての歯において、左側と比較して右側に白さが現れている。
【0256】
実施例-IA(ストリップ上に送達されて、本明細書にて記載された電磁放射線源と共に使用される)の高い有効性を経験しているにもかかわらず、歯の刺激敏感性を報告した試験参加者が存在しなかった、ということもまた驚くべきことである。
【0257】
比較実施例II
比較実施例IIは、5.25%のHを伴う、市販のCrest Whitetrips tooth whitening strip製品(Proctor & Gamble(シンシナティ、オハイオ州、米国))である。これは、5.25%の過酸化水素(H)を含有する水性ゲルであり、また、それは水性ゲルである故に、組成物全体中に存在するH2O2の、重量パーセントにおける濃度に対する、水相中に存在するH2O2の、重量パーセントにおける濃度の比率は、1である。
【0258】
比較実施例II(5.25%のHを伴う水性ゲル)の漂白有効性 水性ゲル中で5.25%のHの最終濃度を含有する、第2の比較組成物(比較実施例II-5.25%のH2O2を伴う、Crest Whitestrips tooth whitening strip製品)の漂白有効性を、臨床試験において測定した。具体的には、比較実施例II用の試験が制御され、単一集中式の臨床試験となる。この標的集団は、以前に歯のホワイトニングの履歴がない大人の参加者である。参加者は、ポリエチレンのストリップ上に送達された、5.25%のH(比較実施例II)を伴う上記の比較水性ゲルにより、処置された。グループ(参加者20人、平均L72.8、及び平均b16.4)は、14日間、1日に一度、60分間、ストリップを装着した。
【0259】
デジタル画像は、基線にて、また第7日目、第14日目の処置後の日に、得られた。60分間(前述の臨床における、実施例-IAの際の平均時間長)、ストリップ上に送達された比較実施例II(5.25%のHを伴う水性ゲル)を装着したグループの結果を、以下の表に示す。
【0260】
表IIIは、詳細な結果を示す。
【0261】
【表17】
【0262】
7回の処置後、比較実施例II(60分間、ストリップ上に送達された5.25%のHを伴う水性ゲル)は、黄色度における-0.985の平均変化を発生させ、一方で、実施例-IA(同様に、ストリップ上に送達され、かつ電磁放射線源と共に使用される)は、比較実施例IIに使用される水性ゲル(0.1%のH対5.25%のH)に対して約5250%も低いHの濃度を有するにもかかわらず、黄色度における-1.45の平均変化を送達した。同様に、14回の処置後、比較実施例IIは、黄色度における-1.43の平均変化を発生させ、一方で、実施例-IAは、水性ゲル(0.1%のH対5.25%のH)に対して約5250%も低いHの濃度を有するにもかかわらず、黄色度における-1.95の平均変化を送達した。本明細書にて記載された同一の電磁放射線源を有するが0.0%のHを伴う比較実施例Iが、それぞれ7回及び14回の処置後に、黄色度における0.005及び-0.408のみの平均変化を送達することが、表1から注目に値する。これらの結果はまた、比較実施例IIにて使用される比較水性ゲル(0.1%のH対5.25%のH)に対して約5250%も低いHの濃度を有するにもかかわらず、実施例-IA(ストリップ上に送達されて、本明細書に記載された電磁放射線源と共に使用される)の著しい有効性を明らかに実証している。
【0263】
比較実施例IIの組成物全体に存在する漂白剤の重量パーセントでの濃度に対する、水相中に存在する漂白剤の重量パーセントでの濃度の比率が、1であるのに対し、実施例IAが350.02の比率を有することは、注目に値する。
【0264】
多相口腔用組成物全体中に存在する漂白剤の重量パーセントに対する-Δbとして算出される、比較実施例IIの漂白有効性の比率は、それぞれ7回及び14回の処置後に、0.19及び0.27であった。これは、本明細書にて記載されるように臨床プロトコル当たりで測定されかつ-Δbとして算出される際の、多相口腔用組成物全体中に存在する漂白剤の重量パーセントに対する、実施例-IA(ストリップ上に送達されて、本明細書にて記載された電磁放射線源と共に使用される)の漂白有効性の比率よりも低く、それぞれ7回、14回の処置後に、14.5及び19.5と測定された。
【0265】
実施例-IBの漂白有効性
本明細書にて開示された臨床プロトコル当たりの、実施例-IBの漂白有効性を測定した。具体的には、これは過去に、専門家のホワイトニング処置、薬局窓口での処方箋なしのホワイトニング処置、又は治験的な歯のホワイトニング処置を受けたことがない8人の大人における単一施設、単一治療臨床試験である。全ての参加者は、少なくとも18歳であり、4つの全ての測定可能な上顎部門歯を有しており、かつ歯の刺激敏感性の自己報告を有さなかった。参加者は、次の処置グループに割り当てられた。
・実施例-IB(参加者8人、平均Lが73.248、及び平均bが16.368)
【0266】
参加者の上顎前歯は、送達支持材料としてのポリエチレンのストリップを使用して、多相口腔用組成物実施例-IBにより、3日間、日に1回、60分間処置される。ポリエチレンのストリップは、66mm×15mmのサイズであり、かつ0.0178mmの厚さであった。上顎前歯に塗布することに先立って、0.6g~0.8gの多相口腔用組成物を、ポリエチレンの各ストリップにわたって塗布した。
【0267】
上顎ストリップの分配及び全ての参加者は、臨床現場のスタッフにより実施された。参加者は、3日間、処置当たり、合計60分間、多相口腔用組成物を伴うストリップを装着した。各ストリップの装着の50分後、訓練された衛生士が、上顎前歯の前面に向かって、10分間、電磁放射線を適用した電磁放射線を、ストリップ及び多相口腔用組成物を介して歯に向けた。電磁放射線は、本明細書の表題「臨床プロトコル」の項目にて記載された電磁放射線源を使用して、送達された。電磁放射線が上顎前歯に向かって通過する、透明な窓部の出口表面において出る電磁放射線の各円錐体の中央軸線において測定された、400~500nmの電磁放射線の強度は、本明細書にて開示した手順により測定された際に、約175mW/cm~約225mW/cmと測定された。
【0268】
1日目(基線)、2日目、及び3日目において、ストリップが適用される前に、デジタル画像を収集し、1日目、2日目、及び3日目において、ストリップが取り外された後にも、デジタル画像を収集した。
【0269】
参加者は、全ての試験時間点において、基線に対して、統計的に有意な(p<0.0001)黄色度の減少を示した。
【0270】
表IIIは、詳細な結果を示す。
【0271】
【表18】
【0272】
これらの結果は、たとえ1%未満のHであっても、実施例-IB(ストリップ上に送達されて、本明細書にて記載された電磁放射線源と共に使用される)の著しく高い有効性を明確に実証している。これは、この高い有効性が、たった1回、2回、又は3回の後に送達された故に、更により驚くべきことである。なお、高い有効性にもかかわらず、驚くべきことに、12.5%の参加者のみが歯の刺激敏感性を報告し、また更にこれが穏やかであると特徴付けられた。
【0273】
たった7回の処置後、比較実施例II(60分間、ストリップ上に送達された5.25%のHを伴う水性ゲル)は、黄色度における-0.985のみの平均変化を発生させ、一方で、実施例-IB(同様に、ストリップ上に送達され、かつ電磁放射線源と共に使用される)は、比較実施例IIに使用される水性ゲル(0.99995%のH対5.25%のH)に対して約525%も低いHの濃度を有するにもかかわらず、たった3回の処置の後に、黄色度における-2.931の平均変化を送達したことが、表IIから注目に値する。たった7回の処置後、本明細書にて開示した同一の電磁放射線源を有するが、0.0%のHを伴う比較実施例Iが、黄色度における0.005のみの平均変化を送達した一方で、実施例-IB(同様にストリップ上に送達され、同一の電磁放射線源と共に使用される)が、たった3回の処置の後に、黄色度における-2.931の平均変化を送達したこともまた、表Iから注目に値するこれは、実施例-IBの著しく高い有効性を更に強調する。
【0274】
実施例IV-A及びIV-Bの漂白有効性
本明細書にて開示された臨床プロトコル当たりの、実施例IV-A及びIIV-Bの漂白有効性を測定した。具体的には、これは、過去に、専門家のホワイトニング処置、薬局窓口での処方箋なしのホワイトニング処置、又は治験的な歯のホワイトニング処置を受けたことがない23人の大人において実施された、ランダム化、単一施設、二治療、平行群間、臨床試験であった。全ての参加者は、少なくとも18歳であり、4つの全ての測定可能な上顎部門歯を有しており、かつ歯の刺激敏感性の自己報告を有さなかった。参加者は、試験治療のために、L及びbの色値及び年齢に基づいて、ランダム化された。参加者は、2つのうち1つの処置グループに割り当てられた。
・例えば、実施例-IV-A(参加者11人、平均Lが70.342、及び平均bが16.669)、又は
・実施例-IV-B(参加者12人、平均Lが72.146、及び平均bが17.170)
【0275】
参加者の上顎前歯は、送達支持材料としてのポリエチレンのストリップを使用して、割り当てられた多相口腔用組成物により、3日間、日に1回、60分間処置される。ポリエチレンのストリップは、66mm×15mmのサイズであり、かつ0.0178mmの厚さであった。上顎前歯に塗布することに先立って、0.6g~0.8gの多相口腔用組成物を、ポリエチレンの各ストリップにわたって塗布した。
【0276】
上顎ストリップの分配及び全ての参加者は、臨床現場のスタッフにより実施された。参加者は、3日間、各日、合計60分間、多相口腔用組成物を伴うストリップを装着した。各ストリップの装着の50分後、訓練された衛生士が、上顎前歯の前面に向かって、10分間、電磁放射線を適用した電磁放射線を、ストリップ及び多相口腔用組成物を介して歯に向けた。電磁放射線は、本明細書の表題「臨床プロトコル」の項目にて記載された電磁放射線源を使用して、送達された。電磁放射線が上顎前歯に向かって通過する、透明な窓部の出口表面において出る電磁放射線の各円錐体の中央軸線において測定された、400~500nmの電磁放射線の強度は、本明細書にて開示した方法により測定された際に、約175mW/cm~約225mW/cmとなるように測定された。
【0277】
1日目(基線)、2日目、及び3日目において、ストリップが適用される前に、デジタル画像を収集し、1日目、2日目、及び3日目において、ストリップが取り外された後にも、デジタル画像を収集した。
【0278】
参加者は、全ての試験時間点において、基線に対して、統計的に有意な(p<0.0001)黄色度の減少を示した。
【0279】
表IVは、詳細な結果を示す。
【0280】
【表19】
【0281】
これらの結果は、実施例-IV-A(ストリップ上に送達され、かつ本明細書に記載された電磁放射線と共に使用される)の著しく高い有効性並びに低いレベルの口腔過敏及び歯の刺激敏感性を、明らかに実証している。これは、この高い有効性が、約0.99995%のHのみを有したにもかかわらず、たった1回、2回、又は3回の処置後に送達された故に、更により驚くべきことである。
【0282】
従来どおり、たった7回の処置後、比較実施例II(60分間、ストリップ上に送達された5.25%のHを伴う水性ゲル)は、黄色度における-0.985のみの平均変化を発生させ、一方で、実施例IV-A(同様に、ストリップ上に送達され、かつ電磁放射線源と共に使用される)は、比較実施例IIに使用される水性ゲル(0.99995%のH対5.25%のH)に対して約525%も低いHの濃度を有するにもかかわらず、たった3回の処置の後に、黄色度における-2.086の平均変化を送達したことが、表IIから注目に値する。たった7回の処置後、本明細書にて開示した同一の電磁放射線源を有するが、0.0%のHを伴う比較実施例Iが、黄色度における0.005のみの平均変化を送達した一方で、実施例IV-A(同様にストリップ上に送達され、同一の電磁放射線源と共に使用される)が、たった3回の処置の後に、黄色度における-2.086の平均変化を送達したこともまた、表Iから注目に値する。これは、実施例IV-Aの著しく高い有効性を更に強調する。
【0283】
1)実施例I-Bは、3回の処置後に2.931(-Δb)の黄色度の平均減少を送達したが、一方で、実施例IV-Aは、3回の処置後に2.086(-Δb)の平均減少を送達したという観察と、2)本明細書にて明記された手順を使用して測定された、過酸化物試験ストリップ上に塗抹された多相口腔用組成物の平均過酸化物濃度はまた、両方の実施例が同じレベルのH2O2(約0.99995%)を有するにもかかわらず、実施例IV-Aに対して、実施例I-Bに関してより高い(47.55対14.87)という観察とを組み合わせると、黄色度の平均減少(-Δb)により測定されるように、本明細書にて明記された手順を使用して測定された、過酸化物試験ストリップ上に塗抹された多相口腔用組成物の平均過酸化物濃度が増大した際に、漂白有効性が増大することが分かる。
【0284】
なお、実施例-IV-Aの高い有効性にもかかわらず、驚くべきことに、9.1%の参加者のみが口腔過敏を報告した、又は口腔過敏を有すると観察され、歯の刺激敏感性を報告した参加者は0%であり、また9.1%の参加者のみが、多分若しくはおそらく製品に関連した口腔過敏若しくは歯の刺激敏感性を有すると観察された又は有し、また更にこれらは穏やかであると特徴付けられた。
【0285】
1)実施例IV-Aを用いて処置した場合、9.1%の参加者のみが口腔過敏を報告した、又は口腔過敏を有すると観察され、また歯の刺激敏感性を報告した参加者は0%であるが、一方で、実施例I-Bを用いて処置した場合、37.5%の参加者が口腔過敏を報告した、又は口腔過敏を有すると観察され、また12.5%の参加者が歯の刺激敏感性を報告したという観察と、2)本明細書にて明記された手順を使用して測定された、二次元平面の平方センチメートル当たり10000平方ミクロンを超える断面領域を伴う水相の液滴の二次元密度はまた、両方の実施例が同じレベルのH2O2(約0.99995%)を有するにもかかわらず、実施例IV-A対実施例I-B(0.1対10.3)に関してより低かったという観察とを組み合わせると、本明細書にて明記された手順を使用して測定された、二次元平面の平方センチメートル当たり10000平方ミクロンを超える断面領域を伴う水相の液滴の二次元密度が減少した際に、口腔過敏及び歯の刺激敏感性が減少することが分かる。
【0286】
1)実施例IV-Aを用いて処置した場合、9.1%の参加者のみが口腔過敏を報告した、又は口腔過敏を有すると観察され、また歯の刺激敏感性を報告した参加者は0%であるが、一方で、実施例I-Bを用いて処置した場合、37.5%の参加者が口腔過敏を報告した、又は口腔過敏を有すると観察され、また12.5%の参加者が歯の刺激敏感性を報告したという観察と、2)本明細書にて明記された手順を使用して測定された、過酸化物試験ストリップ上に塗抹された多相口腔用組成物の過酸化物濃度の標準的な偏差はまた、両方の実施例が同じレベルのH2O2(約0.99995%)を有するにもかかわらず、実施例IV-A対I-B(5.15対50.17)に関してより低かったという観察とを組み合わせると、本明細書にて明記された手順を使用して測定された、過酸化物試験ストリップ上に塗抹された多相口腔用組成物の過酸化物濃度の標準的な偏差が減少した際に、口腔過敏及び歯の刺激敏感性が減少することが分かる。
【0287】
なお、1)口腔過敏を報告した、又は口腔過敏を有すると観察された参加者の分率に対する漂白有効性の比率は、実施例IV-Aに関しては22.923であり、また実施例I-Bに関しては7.816であったという観察と、2)過酸化物試験ストリップ上に塗抹された多相口腔用組成物の過酸化物濃度の標準的な偏差に対する、過酸化物試験ストリップ上に塗抹された多相口腔用組成物の平均過酸化物濃度の比率はまた、両方の実施例が同じレベルの漂白剤(約1%)を有したにもかかわらず、実施例IV-A対実施例I-B(2.89対0.95)に関してより高かったという観察とを組み合わせると、過酸化物試験ストリップ上に塗抹された多相口腔用組成物の過酸化物濃度の標準的な偏差に対する、過酸化物試験ストリップ上に塗抹された多相口腔用組成物の平均過酸化物濃度の比率が減少した際に、口腔過敏を報告した、又は口腔過敏を有すると観察された参加者の分率に対する、漂白有効性の比率が減少することが分かる。
【0288】
1)歯の刺激敏感性を報告した参加者の分率に対する漂白有効性の比率は、実施例IV-Aに関しては>100であり、また実施例I-Bに関しては23.448のみであったという観察と、2)過酸化物試験ストリップ上に塗抹された多相口腔用組成物の過酸化物濃度の標準的な偏差に対する、過酸化物試験ストリップ上に塗抹された多相口腔用組成物の平均過酸化物濃度の比率はまた、両方の実施例が同じレベルの漂白剤(約1%)を有したにもかかわらず、実施例IV-A対実施例I-B(2.89対0.95)に関してより高かったという観察とを組み合わせると、過酸化物試験ストリップ上に塗抹された多相口腔用組成物の過酸化物濃度の標準的な偏差に対する、過酸化物試験ストリップ上に塗抹された多相口腔用組成物の平均過酸化物濃度の比率が減少した際に、歯の刺激敏感性を報告した参加者の分率に対する、漂白有効性の比率が減少することが分かる。
【0289】
なお、1)歯の過敏を報告した、若しくは口腔過敏を報告した、又は口腔過敏を有すると観察された参加者の分率に対する漂白有効性の比率は、実施例IV-Aに関しては22.923であり、また実施例I-Bに関しては5.862のみであったという観察と、2)過酸化物試験ストリップ上に塗抹された多相口腔用組成物の過酸化物濃度の標準的な偏差に対する、過酸化物試験ストリップ上に塗抹された多相口腔用組成物の平均過酸化物濃度の比率はまた、両方の実施例が同じレベルの漂白剤(約1%)を有したにもかかわらず、実施例IV-A対実施例I-B(2.89対0.95)に関してより高かったという観察とを組み合わせると、過酸化物試験ストリップ上に塗抹された多相口腔用組成物の過酸化物濃度の標準的な偏差に対する、過酸化物試験ストリップ上に塗抹された多相口腔用組成物の平均過酸化物濃度の比率が減少した際に、歯の過敏を報告した、若しくは口腔過敏を報告した、又は口腔過敏を有すると観察された参加者の分率に対する、漂白有効性の比率が減少することが分かる。
【0290】
上記の臨床結果はまた、実施例IV-Bが、黄色度における3.204の(-Δb)の平均減少値により測定された、非常に高い有効性を送達したことを示した一方で、低い口腔過敏(16.7%のみ)、低い歯の刺激敏感性(16.7%のみ)、及び低い口腔過敏又は歯の刺激敏感性(33.3%のみ)を有したことを示す。
【0291】
比較実施例III
比較実施例IIIは、14%のH2O2を伴う、歯ホワイトニングストリップ製品(Proctor & Gamble(シンシナティ、オハイオ州、米国))である。これは、14%の過酸化水素(H)を含有する水性ゲルであり。
【0292】
比較実施例III(14%のHを伴う水性ゲル)の漂白有効性 水性ゲル中で14%のHの最終濃度を含有する、第3の比較組成物(比較実施例III-14%のHを伴う、歯ホワイトニングストリップ製品)の漂白有効性を、5つの異なる臨床試験の一部として測定した。この標的集団は、以前に歯のホワイトニングの履歴がない大人の参加者である。参加者を超えるは、ポリエチレンのストリップ上に送達された、上記の14%のH(比較実施例III)を伴う比較水性ゲルにより、処置された。全ての5つの個別のグループ(合計で100人を超える参加者)は、21日間、日に2回、30分間、ストリップを装着した。
【0293】
デジタル画像は、基線にて、また第21回目の処置の後の日に、得られた。21日間、日に2回、30分間、ストリップ上に送達された比較実施例III(14%のH水性ゲル)を装着した参加者における、5つの全ての臨床試験組み合わされた結果を、以下の表に示す。
【0294】
表Vは、詳細な結果を示す。
【0295】
【表20】
【0296】
比較実施例III(60分間、ストリップ上に送達された、14%のHの水性ゲル)は、-3.09の黄色度における平均変化を発生させ、一方で、実施例-IV-B(同様にストリップ上に送達され、かつ電磁放射線源と共に使用される)は、比較実施例IIIに使用された水性ゲル(2.99985%のH対14%のH)に対して約466%低いHの濃度を有したにもかかわらず、-3.204の黄色度の平均変化を送達した。これらの結果は、特に、実施例IIIが21日間(日に二度)処置された一方で、それが3日間のみ(日に一度)処置された故に、実施例IV-Bの著しく高い有効性を示した。
【0297】
なお、比較実施例IIIは、高い有効性(3.09の-Δb)を送達したが、同様に、高い口腔過敏(29.6%)、高い歯の刺激敏感性(38.3%)、及び高い口腔過敏又は歯の刺激敏感性(58.3%)を有した。対照的に、実施例IV-Bは、高い有効性(-3.204の-Δb)を送達したが、一方で、低い口腔過敏(16.7%のみ)、低い歯の刺激敏感性(16.7%のみ)、及び低い口腔過敏又は歯の刺激敏感性(33.3%のみ)を有した。これらの臨床結果は、実施例IV-Bの著しく低い口腔過敏及び歯の刺激敏感性と組み合わされた著しく高い有効性を強調する。
【0298】
口腔過敏を報告した、又は口腔過敏を有すると観察された参加者の分率に対する漂白有効性の比率(-Δb)は、比較実施例IIIに関して10.439のみであったのに対して、実施例IV-Bに関しては19.186、また実施例IV-Aに関しては22.923であった。同様に、歯の刺激敏感性を報告した参加者の分率に対する漂白有効性の比率(-Δb)は、比較実施例IIIに関しては8.067のみであったのに対して、実施例IV-Bに関しては19.186、また実施例IV-Aに関しては>100であった。同様に、歯の刺激敏感性を報告した、若しくは口腔過敏を報告した、又は口腔過敏を有すると観察された参加者の分率に対する漂白有効性の比率(-Δb)は、比較実施例IIIに関して5.300のみであったのに対して、実施例IV-Bに関しては9.622、また実施例IV-Aに関しては22.923であった。これらのデータは、実施例IV-B及びIV-Aにより送達される、歯の刺激過敏性及び/又は口腔過敏に対する、著しく高い漂白有効性の比率を強調する。
【0299】
本明細書にて開示された寸法及び値は、記載された正確な数値に厳密に限定されるものと理解されるべきではない。むしろ、特に指示がない限り、そのような各寸法は、記載された値及びその値の周辺の機能的に同等の範囲の両方を意味することを意図している。例えば、「40mm」として開示される寸法は、「約40mm」を意味することが意図される。
【0300】
相互参照される又は関連する全ての特許又は特許出願、及び本願が優先権又はその利益を主張する任意の特許出願又は特許を含む、本願に引用される全ての文書は、除外又は限定することを明言しない限りにおいて、それら全体が、本明細書に参考として組み込まれる。いかなる文献の引用も、本明細書中で開示又は特許請求される任意の発明に対する先行技術であるとはみなされず、あるいはそれを単独で又はその他の任意の参考文献と組み合わせた場合に、そのような任意の発明を教示、示唆、又は開示するとはみなされない。更に、本文書における用語の任意の意味又は定義が、参照として組み込まれた文書内の同じ用語の意味又は定義と矛盾する限りにおいて、本文書におけるその用語に与えられた意味又は定義が、適用されるものとする。
【0301】
本発明の特定の実施形態を例示及び説明してきたが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、その他の種々の変更及び修正を行うことができる点が、当業者には明白であろう。従って、本発明の範囲内に含まれるそのような全ての変更及び修正は、添付の特許請求の範囲にて網羅することを意図したものである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
【手続補正書】
【提出日】2023-01-12
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
)歯をホワイトニングするための多相口腔用組成物であって、
漂白剤を含む、前記多相口腔用組成物の0.002重量%~30重量%の非連続性の水相であって、前記漂白剤の濃度が、前記多相口腔用組成物の0.1重量%以下である、水相と、
ii)前記多相口腔用組成物の50重量%超の、ワセリンである連続性の疎水性相と、を含む、油中水型エマルションである多相口腔用組成物と、
b)200nm~1700nmの範囲での1つ以上の波長を伴う電磁放射線を、少なくとも1本の歯に向かって方向付けることを可能にする電磁放射線源であって、前記電磁放射線源が100mW/cm ~250mW/cm の範囲の電磁放射線を放出する、電磁放射線源と、を含、キット。
【請求項2】
前記電磁放射線源が、400nm~500nmの範囲の電磁放射線を放出する、請求項1に記載のキット。
【請求項3】
前記電磁放射線源が、100mW/cm ~200mW/cm の範囲の電磁放射線を放出する、請求項1に記載のキット。
【請求項4】
前記多相口腔用組成物全体中に存在する漂白剤の重量パーセントでの濃度に対する、前記水相中に存在する漂白剤の重量パーセントでの濃度の比率が、少なくとも10ある、請求項1に記載のキット。
【請求項5】
前記比率が、少なくとも50である、請求項4に記載のキット。
【請求項6】
前記漂白剤の量が、前記多相口腔用組成物の0.01重量%~0.03重量%の範囲である、請求項1に記載のキット。
【請求項7】
前記漂白剤の量が、前記多相口腔用組成物の0.01重量%~0.095重量%の範囲である、請求項1に記載のキット
【請求項8】
0000平方ミクロンよりも大きい断面領域を伴う二次元の液滴密度が、平方センチメートル当たり20以下である請求項1に記載のキット
【請求項9】
10000平方ミクロンよりも大きい断面領域を伴う前記二次元の液滴密度が、平方センチメートル当たり10以下である、請求項8に記載のキット。
【請求項10】
前記漂白剤が過酸化物漂白剤であり、過酸化物試験ストリップ上に塗抹された前記多相口腔用組成物の過酸化物度の標準偏差が、50以下である、請求項1に記載のキット
【請求項11】
前記漂白剤が過酸化物漂白剤であり、過酸化物試験ストリップ上に塗抹された前記多相口腔用組成物の平均残留過酸化物度が、1~100である、請求項1に記載のキット
【請求項12】
前記多相口腔用組成物中の前記漂白剤が、過酸化水素を含む、請求項1に記載のキット
【請求項13】
Δとして算出された、前記多相口腔用組成物中の漂白有効性が、少なくとも1.5である、請求項1に記載のキット
【請求項14】
前記多相口腔用組成物全体中に存在する漂白剤の重量パーセントに対する、-Δbとして算出された、前記多相口腔用組成物中の漂白有効性の比率が、少なくとも1.5である、請求項1に記載のキット
【請求項15】
前記非連続性の水相が、前記連続性の疎水性相中に液滴として分散される、請求項1に記載のキット。
【請求項16】
前記多相口腔用組成物が、前記多相口腔用組成物の、0重量%~0.5重量%の乳化剤を含む、請求項1に記載のキット。
【請求項17】
請求項1に記載のキットを使用する方法であって、
前記多相口腔用組成物を少なくとも1つの歯に適用することと、
放射線を前記1つ以上の歯に方向付けることなく、前記多相口腔用組成物を前記1つ以上の歯上に第1の期間維持することと、
前記第1の期間の後に前記電磁放射線源を活性化し、第2の期間、前記電磁放射線を前記1つ以上の歯に向かって方向付けることと、を含む、方法。
【請求項18】
前記電磁放射線源を活性化した後、前記1つ以上の歯から前記多相口腔用組成物を取り除くことを更に含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記電磁放射線源を活性化する前に、前記1つ以上の歯から前記多相口腔用組成物を取り除くことを更に含む、請求項17に記載の方法。
【請求項20】
前記第1の期間は、前記第1の期間及び前記第2の期間の総持続期間の50%超の持続期間を有する、請求項17に記載の方法。
【外国語明細書】