(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023052296
(43)【公開日】2023-04-11
(54)【発明の名称】現像剤、画像形成本体、画像形成ユニット、画像形成装置及び現像剤収容器
(51)【国際特許分類】
G03G 9/08 20060101AFI20230404BHJP
G03G 9/097 20060101ALI20230404BHJP
G03G 9/09 20060101ALI20230404BHJP
G03G 15/08 20060101ALI20230404BHJP
【FI】
G03G9/08 391
G03G9/097 375
G03G9/09
G03G15/08 348B
【審査請求】有
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023001967
(22)【出願日】2023-01-10
(62)【分割の表示】P 2019061057の分割
【原出願日】2019-03-27
(71)【出願人】
【識別番号】000000295
【氏名又は名称】沖電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100174104
【弁理士】
【氏名又は名称】奥田 康一
(72)【発明者】
【氏名】平出 麻苗美
(57)【要約】
【課題】金属顔料を含みながら印刷品質を高め得るようにする。
【解決手段】画像形成装置1では、画像形成ユニット10Sの現像剤収容器12に、光輝性を有する現像剤Dを収容した。この現像剤Dについては、アルミニウム(Al)の微小な薄片を含有する光輝性顔料を使用して作成し、且つ体積粒径における最頻粒子径である10[μm]以下のトナー粒子(すなわち微粉)の割合である微粉割合が、4.6[%]以上且つ9.6[%]以下の範囲となるようにした。これにより画像形成装置1は、この現像剤Dを使用することにより、用紙P上にかぶりを発生させることが無く、カスレを発生させることも無く、高品質な画像を形成できる。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
結着樹脂、金属顔料及び外添剤を含む現像剤において、
前記現像剤は、前記金属顔料の体積粒度分布における最頻値以下の微粉を有しており、
体積粒度分布に基づいて算出される、前記現像剤に対する前記微粉の割合は、4.6[%]以上9.6[%]以下である
ことを特徴とする現像剤。
【請求項2】
前記微粉は、前記結着樹脂を有する
ことを特徴とする請求項1記載の現像剤。
【請求項3】
前記金属顔料は、光輝性顔料である
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の現像剤。
【請求項4】
前記最頻値は、10[μm]以下である
ことを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか一項に記載の現像剤。
【請求項5】
前記現像剤は、体積百分率における前記金属顔料の割合が、7.019[%]以上21.473[%]以下である
ことを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れか一項に記載の現像剤。
【請求項6】
前記結着樹脂に対する前記金属顔料の比率は、0.13以上0.28以下である
ことを特徴とする請求項1乃至請求項5の何れか一項に記載の現像剤。
【請求項7】
請求項1乃至請求項6の何れか一項に記載の現像剤と、
前記現像剤を付着させることで現像剤像を形成する現像剤担持体と
を具えることを特徴とする画像形成本体。
【請求項8】
請求項1乃至請求項6の何れか一項に記載の現像剤を収容する現像剤収容空間をさらに具える
ことを特徴とする請求項7に記載の画像形成本体。
【請求項9】
前記現像剤収容空間は、さらにキャリアが収容される
ことを特徴とする請求項8に記載の画像形成本体。
【請求項10】
静電潜像に前記現像剤像を現像させる感光体と、
請求項7乃至請求項9の何れか一項に記載の画像形成本体と
を具えることを特徴とする画像形成ユニット。
【請求項11】
請求項7乃至請求項9の何れか一項に記載の画像形成本体
を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項12】
現像剤を収容する収容部と、
前記収容部から前記現像剤を排出する排出口と、
前記排出口を開閉する開閉部材と
を具え、
前記現像剤は、結着樹脂、金属顔料及び外添剤を有すると共に、当該金属顔料の体積粒度分布における最頻値以下の微粉を含んでおり、
体積粒度分布に基づいて算出される、前記現像剤に対する前記微粉の割合は、4.6[%]以上9.6[%]以下である
ことを特徴とする現像剤収容器。
【請求項13】
前記収容部は、さらにキャリアを収容する
ことを特徴とする請求項12に記載の現像剤収容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は現像剤、画像形成本体、画像形成ユニット、画像形成装置及び現像剤収容器に関し、例えば電子写真式のプリンタに適用して好適なものである。
【背景技術】
【0002】
従来、画像形成装置(プリンタとも呼ばれる)として、コンピュータ装置等から供給される画像に基づき、現像剤(トナーとも呼ばれる)を用いて画像形成ユニットにより現像剤像(トナー画像とも呼ばれる)を形成して紙等の媒体に転写し、これに熱及び圧力を加えて定着させることにより、印刷処理を行うものが広く普及している。
【0003】
画像形成装置では、一般的なカラー印刷を行う場合、例えばシアン、マゼンタ、イエロー及びブラック等の各色(以下これらを通常色と呼ぶ)の現像剤が使用される。これらの現像剤には、各色の顔料の他に、顔料を媒体に結着させるための結着樹脂や、種々の外添剤等が含有されている。
【0004】
また画像形成装置では、静電気を利用すること、具体的には画像形成ユニット内の各ローラ等に所定の高電圧を適宜印加することにより、現像剤を各ローラや用紙等に順次付着させながら転写させている。このため現像剤には、ある程度の帯電性が要求される。そこで現像剤としては、例えば帯電性を有する外添剤を増加させ、或いは結着樹脂に添加する帯電抑制剤を増加させる等の手法により、帯電性が適切な値となるように調整されたものがある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2018-163305号公報(
図1等)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで現像剤の中には、光輝性を持たせる等の目的で、金属顔料を含有するものがある。このような金属顔料は、通常色の顔料と比較して、その粒径が十分に大きくなっている。このため、この金属顔料及び結着樹脂からなる粒子(以下、これをトナーと呼ぶ)の粒径も、通常色におけるトナーの粒径よりも十分に大きくなっている。
【0007】
このような金属顔料を有する現像剤では、通常色と比較して、粒径が大きいことに伴い、単位重量当たりの表面積が相対的に小さくなっており、帯電性が低くなる。画像形成装置では、このように帯電性が低い現像剤が使用された場合、画像のうち現像剤を付着させるべきで無い余白や背景等の箇所に現像剤が付着して画質を低下させる、「かぶり」と呼ばれる現象が発生してしまう。
【0008】
仮に、金属顔料のトナーにおいて外添剤の増加により帯電性を高める場合、多量の外添剤が必要となる。しかしながら、このように多量の外添剤が添加された現像剤を用いた場合、画像形成装置では、外添剤の一部が遊離して画像形成ユニット内の感光ドラムや現像ブレード等の部品を汚染してしまい、最終的に用紙に印刷される画像の画質、すなわち印刷品質を低下させてしまう。
【0009】
また、金属顔料(光輝性顔料とも呼ぶ)を有する現像剤に関しては、仮に溶解懸濁法を採用した場合、帯電制御剤を増加させる手法では金属顔料を粒子に内包できないため、製造することができない、という問題が発生する。
【0010】
このように、金属顔料を含有する現像剤は、帯電性を十分に高めることが困難であり、この現像剤を使用する画像形成装置において印刷品質を低下させる恐れがある、という問題があった。
【0011】
本発明は以上の点を考慮してなされたもので、金属顔料を含みながら印刷品質を高め得る現像剤、並びに該現像剤を含む画像形成本体、画像形成ユニット、画像形成装置及び現像剤収容器を提案しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
かかる課題を解決するため本発明の現像剤においては、結着樹脂、金属顔料及び外添剤を含む現像剤において、前記現像剤は、前記金属顔料の体積粒度分布における最頻値以下の微粉を有しており、体積粒度分布に基づいて算出される、前記現像剤に対する前記微粉の割合は、4.6[%]以上9.6[%]以下であるようにした。
【0013】
また本発明の画像形成本体においては、前述した現像剤と、前記現像剤を付着させることで現像剤像を形成する現像剤担持体とを設けるようにした。
【0014】
さらに本発明の画像形成ユニットにおいては、静電潜像に前記現像剤像を現像させる感光体と、前述した画像形成本体とを設けるようにした。
【0015】
さらに本発明の画像形成装置においては、前述した画像形成本体を設けるようにした。
【0016】
さらに本発明の現像剤収容器においては、現像剤を収容する収容部と、前記収容部から前記現像剤を排出する排出口と、前記排出口を開閉する開閉部材とを設け、前記現像剤は、結着樹脂、金属顔料及び外添剤を有すると共に、当該金属顔料の体積粒度分布における最頻値以下の微粉を含んでおり、体積粒度分布に基づいて算出される、前記現像剤に対する前記微粉の割合は、4.6[%]以上9.6[%]以下であるようにした。
【0017】
本発明では、金属顔料の体積粒度分布における最頻値よりも小さいために、金属顔料が殆ど含まれない微粉を、トナー粒子に外添剤が添加された後の現像剤に対し、4.6[%]以上9.6[%]以下の割合で含有している。このため本発明では、金属顔料が含まれることにより十分な帯電性を得るのが困難な現像剤において、金属顔料を殆ど含まないために十分な帯電性を有する微粉の存在により、当該現像剤の帯電性を高めることができる。これにより本発明では、画像形成装置の画像形成ユニットにおいて当該現像剤を用いることにより、かぶりを発生させることなく、媒体に高品質な画像を形成すること、すなわち印刷することができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、金属顔料を含みながら印刷品質を高め得る現像剤、並びに該現像剤を含む画像形成本体、画像形成ユニット、画像形成装置及び現像剤収容器を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図2】画像形成ユニットの構成を示す略線図である。
【
図3】現像剤収容器の構成を示す略線的斜視図である。
【
図5】各現像剤における測定及び評価の結果を示す略線図である。
【
図6】各現像剤及び微粉におけるアルミニウム含有量の測定結果を示す略線図である。
【
図8】変角光度計による光の照射及び受光を示す略線図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、発明を実施するための形態(以下実施の形態とする)について、図面を用いて説明する。
【0021】
[1.画像形成装置の構成]
図1に模式的な側面図を示すように、本実施の形態による画像形成装置1は、電子写真式のカラープリンタであり、媒体としての用紙Pにカラーの画像を形成する(すなわち印刷する)ことができる。因みに画像形成装置1は、原稿を読み取るイメージスキャナ機能や電話回線を使用した通信機能等を有しておらず、プリンタ機能のみを有する単機能のSFP(Single Function Printer)となっている。
【0022】
画像形成装置1は、略箱型に形成された筐体2の内部に種々の部品が配置されている。因みに以下では、
図1における右端部分を画像形成装置1の正面とし、この正面と対峙して見た場合の上下方向、左右方向及び前後方向をそれぞれ定義した上で説明する。
【0023】
画像形成装置1は、制御部3により全体を統括制御するようになっている。この制御部3は、図示しないCPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)等を有しており、所定のプログラムを読み出して実行することにより、様々な処理を実行する。また制御部3は、コンピュータ装置等の上位装置(図示せず)と無線又は有線により接続されており、この上位装置から印刷対象の画像を表す画像データが与えられると共に当該画像データの印刷が指示されると、用紙Pの表面に印刷画像を形成する印刷処理を実行する。
【0024】
筐体2の内部における上側には、前側から後側へ向かって、5個の画像形成ユニット10K、10C、10M、10Y、及び10Sが順に配置されている。画像形成ユニット10K、10C、10M、10Y、及び10Sは、ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、及び特色(S)の各色にそれぞれ対応しているものの、色のみが相違しており、何れも同様に構成されている。
【0025】
ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)及びイエロー(Y)は、何れも一般的なカラープリンタにおいて用いられる色(以下、これを通常色と呼ぶ)である。一方、特色(S)は、例えばホワイト(白色)やクリア(透明色又は無色)、或いはシルバー(銀色)のような特殊な色である。説明の都合上、以下では画像形成ユニット10K、10C、10M、10Y、及び10Sをまとめて画像形成ユニット10とも呼ぶ。
【0026】
図2に示すように、画像形成ユニット10は、大きく分けて画像形成本体部11、現像剤収容器12、現像剤供給部13及びLED(Light Emitting Diode)ヘッド14により構成されている。因みに画像形成ユニット10及びこれを構成する各部品は、用紙Pにおける左右方向の長さに応じて、左右方向に十分な長さを有している。このため多くの部品は、前後方向や上下方向の長さに対して左右方向の長さが比較的長くなっており、左右方向に沿って細長い形状に形成されている。
【0027】
現像剤収容器12は、内部に現像剤を収容しており、画像形成ユニット10に対して着脱可能に構成されている。この現像剤収容器12は、画像形成ユニット10に装着される場合、現像剤供給部13を介して画像形成本体部11に取り付けられる。
【0028】
現像剤収容器12は、
図3に模式的な斜視図を示すように、左右方向に長い収容器筐体20の内部に、左右方向に長い円筒状の空間でなる収容室21が形成されており、この収容室21に現像剤Dが収容される。因みに現像剤収容器12は、トナーカートリッジと呼ばれる場合もある。
【0029】
収容室21の底部における左右の略中央には、該収容室21内の空間と外部の空間とを連通させる供給孔22が穿設されると共に、該供給孔22を開放又は閉塞するシャッタ23が設けられている。このシャッタ23は、レバー24と接続されており、該レバー24の回動に伴って供給孔22を開放又は閉塞することができる。このレバー24は、現像剤収容器12が画像形成ユニット10に対して着脱される際に、ユーザにより操作される。
【0030】
例えば現像剤収容器12は、画像形成ユニット10(
図2)に装着される前の状態において、予めシャッタ23により供給孔22を閉塞しており、収容室21内の内部に収容している現像剤Dが外部に漏れることを防止している。現像剤収容器12は、画像形成ユニット10に装着される場合、レバー24が所定の開放方向へ回動されることにより、シャッタ23を移動させて供給孔22を開放する。これにより現像剤収容器12は、収容室21内の空間を現像剤供給部13内の空間と連通させ、該収容室21内の現像剤Dを該現像剤供給部13経由で画像形成本体部11へ供給することができる。また現像剤収容器12は、画像形成ユニット10から取り外される際、レバー24が所定の閉塞方向へ回動されることにより、シャッタ23を移動させて供給孔22を閉塞する。
【0031】
また収容室21の内部には、攪拌部材25が設けられている。攪拌部材25は、左右方向に沿った仮想的な中心軸の周囲に細長い部材を螺旋状に周回させたような形状に形成されており、収容室内において、この仮想的な中心軸を中心として回転し得るようになっている。収容器筐体20の端部には、攪拌駆動部26が設けられている。攪拌駆動部26は、攪拌部材25と連結されており、筐体2(
図1)内に設けられた所定の駆動力源から駆動力が供給されると、この駆動力を該攪拌部材25に伝達して回転させる。これにより現像剤収容器12は、収容室21内に収容している現像剤Dを攪拌し、該現像剤Dの凝集を防止すると共に、該現像剤Dを供給孔22へ送ることができる。
【0032】
画像形成本体部11(
図2)には、画像形成筐体30、現像剤収容空間31、第1供給ローラ32、第2供給ローラ33、現像ローラ34、現像ブレード35、感光体ドラム36、帯電ローラ37及びクリーニングブレード38が組み込まれている。このうち第1供給ローラ32、第2供給ローラ33、現像ローラ34、感光体ドラム36及び帯電ローラ37は、それぞれ中心軸を左右方向に沿わせた円柱状に構成されており、それぞれ画像形成筐体30により回転可能に支持されている。
【0033】
因みに特色(S)の画像形成ユニット10Sでは、予めユーザに選択された色(ホワイト、クリア又はシルバー等)の現像剤Dが収容された現像剤収容器12が、現像剤供給部13を介して画像形成本体部11に装着される。
【0034】
現像剤収容空間31は、現像剤収容器12から現像剤供給部13を介して供給される現像剤を収容する。第1供給ローラ32、第2供給ローラ33は、それぞれ周側面に導電性ウレタンゴム発泡体等でなる弾性層が形成されている。現像体としての現像ローラ34は、周側面に弾性を有する弾性層や導電性を有する表面層等が形成されている。現像ブレード35は、例えば所定厚さのステンレス鋼板でなり、僅かに弾性変形させた状態で、その一部を現像ローラ34の周側面に当接させている。
【0035】
感光体ドラム36は、周側面に薄膜状の電荷発生層及び電荷輸送層が順次形成され、帯電し得るようになっている。帯電ローラ37は、周側面に導電性の弾性体が被覆されており、この周側面を感光体ドラム36の周側面に当接させている。クリーニングブレード38は、例えば薄板状の樹脂でなり、僅かに弾性変形させた状態で、その一部を感光体ドラム36の周側面に当接させている。
【0036】
LEDヘッド14は、画像形成本体部11における感光体ドラム36の上側に位置している。このLEDヘッド14は、複数の発光素子チップが左右方向に沿って直線状に配置されており、制御部3(
図1)から供給される画像データ信号に基づいた発光パターンで各発光素子を発光させる。
【0037】
画像形成本体部11は、図示しないモータから駆動力が供給されることにより、第1供給ローラ32、第2供給ローラ33、現像ローラ34及び帯電ローラ37を矢印R1方向(図中の時計回り)へ回転させると共に、感光体ドラム36を矢印R2方向(図中の反時計回り)へ回転させる。さらに画像形成本体部11は、第1供給ローラ32、第2供給ローラ33、現像ローラ34、現像ブレード35及び帯電ローラ37にそれぞれ所定のバイアス電圧を印加することにより、それぞれ帯電させる。
【0038】
第1供給ローラ32及び第2供給ローラ33は、帯電により、現像剤収容空間31内の現像剤を周側面に付着させ、回転によりこの現像剤を現像ローラ34の周側面に付着させる。現像ローラ34は、現像ブレード35によって周側面から余分な現像剤が除去され、該現像剤が薄膜状に付着した状態として、この周側面を感光体ドラム36の周側面に当接させる。
【0039】
一方、帯電ローラ37は、帯電した状態で感光体ドラム36と当接することにより、当該感光体ドラム36の周側面を一様に帯電させる。LEDヘッド14は、制御部3(
図1)から供給される画像データ信号に基づいた発光パターンで、所定の時間間隔毎に発光することにより、感光体ドラム36を順次露光する。これにより感光体ドラム36は、その上端近傍において周側面に静電潜像が順次形成されていく。
【0040】
続いて感光体ドラム36は、矢印R2方向へ回転することにより、この静電潜像が形成された箇所を現像ローラ34と当接させる。これにより感光体ドラム36の周側面には、静電潜像を基に現像剤が付着し、画像データに基づいた現像剤像が現像される。感光体ドラム36は、さらに矢印R2方向へ回転することにより、現像剤像を該感光体ドラム36の下端近傍に到達させる。
【0041】
筐体2(
図1)内における各画像形成ユニット10の下側には、中間転写部40が配置されている。中間転写部40には、駆動ローラ41、従動ローラ42、バックアップローラ43及び中間転写ベルト44、5個の1次転写ローラ45、2次転写ローラ46、並びに逆屈曲ローラ47が設けられている。このうち駆動ローラ41、従動ローラ42、バックアップローラ43、各1次転写ローラ45、2次転写ローラ46及び逆屈曲ローラ47は、何れも中心軸を左右方向に沿わせた円柱状に形成され、筐体2により回転可能に支持されている。
【0042】
駆動ローラ41は、画像形成ユニット10Sの後下側に配置されており、図示しないベルトモータから駆動力が供給されると、矢印R1方向に回転する。従動ローラ42は、画像形成ユニット10Kの前下側に配置されている。駆動ローラ41及び従動ローラ42は、それぞれの上端が、各画像形成ユニット10における感光体ドラム36(
図2)の下端と同等若しくは僅かに下側に位置している。バックアップローラ43は、駆動ローラ41の前下側且つ従動ローラ42の後下側に配置されている。
【0043】
中間転写ベルト44は、高抵抗のプラスチックフィルムにより、無端ベルトとして構成されており、駆動ローラ41、従動ローラ42及びバックアップローラ43の周囲を周回するように張架されている。さらに中間転写部40には、中間転写ベルト44のうち駆動ローラ41及び従動ローラ42の間に張架された部分の下側、すなわち5個の画像形成ユニット10それぞれの真下となる位置であり、中間転写ベルト44を挟んで各感光体ドラム36とそれぞれ対向する位置に、5個の1次転写ローラ45がそれぞれ配置されている。この1次転写ローラ45は、所定のバイアス電圧が印加されるようになっている。
【0044】
2次転写ローラ46は、バックアップローラ43の真下に位置しており、該バックアップローラ43に向けて付勢されている。すなわち中間転写部40は、2次転写ローラ46及びバックアップローラ43の間に中間転写ベルト44を挟持している。また2次転写ローラ46は、所定のバイアス電圧が印加されるようになっている。以下では、2次転写ローラ46及びバックアップローラ43を合わせて2次転写部49と呼ぶ。
【0045】
逆屈曲ローラ47は、駆動ローラ41の前側下寄り且つバックアップローラ43の上側後寄りとなる箇所に位置しており、中間転写ベルト44を前上方向に付勢している。これにより中間転写ベルト44は、弛みを生じること無く、各ローラの間でそれぞれ張力が作用する状態となる。また逆屈曲ローラ47の前上側における中間転写ベルト44を挟んだ位置には、逆屈曲バックアップローラ48が設けられている。
【0046】
中間転写部40は、図示しないベルトモータから供給される駆動力により駆動ローラ41を矢印R1方向へ回転させ、これにより中間転写ベルト44を矢印E1に沿った方向に走行させる。また各1次転写ローラ45は、所定のバイアス電圧が印加された状態で、矢印R1方向に回転する。これにより各画像形成ユニット10は、感光体ドラム36(
図2)の周側面における下端近傍に到達させていた現像剤像を、中間転写ベルト44にそれぞれ転写し、且つ各色の現像剤像を順次重ねることができる。このとき中間転写ベルト44の表面には、上流側のシルバー(S)から順次、各色の現像剤像が重ねられることになる。中間転写部40は、この中間転写ベルト44を走行させることにより、各画像形成ユニット10から転写されたトナー画像を、バックアップローラ43の近傍に到達させる。
【0047】
ところで筐体2(
図1)の内部には、用紙Pを搬送するための経路である搬送経路Wが形成されている。この搬送経路Wは、筐体2内における下端前寄りから前上方向へ向かい、約半回転した後、中間転写部40の下側を後方向へ進行する。続いて搬送経路Wは、上方向に向かい、中間転写部40及び画像形成ユニット10Sの後側を上方向へ進行した後、前方向へ向かう。すなわち搬送経路Wは、
図1においてあたかも英大文字の「S」を描くように形成されている。筐体2の内部では、この搬送経路Wに沿って種々の部品が配置されている。
【0048】
筐体2(
図1)の内部における下端近傍には、第1給紙部50が配置されている。第1給紙部50には、用紙カセット51、ピックアップローラ52、フィードローラ53、リタードローラ54、搬送ガイド55並びに搬送ローラ対56、57及び58等が設けられている。因みにピックアップローラ52、フィードローラ53、リタードローラ54、並びに搬送ローラ対56、57及び58は、何れも中心軸を左右方向に沿わせた円柱状に形成されている。
【0049】
用紙カセット51は、中空の直方体状に構成されており、その内部に用紙Pの紙面を上下方向に向けて重ねた状態で、すなわち集積した状態で収納する。また用紙カセット51は、筐体2に対して着脱可能となっている。
【0050】
ピックアップローラ52は、用紙カセット51内に収納された用紙Pの最上面における前端近傍に当接されている。フィードローラ53は、ピックアップローラ52の前方に僅かに離れて配置されている。リタードローラ54は、フィードローラ53の下側に位置しており、該フィードローラ53との間に1枚の用紙Pの厚さに相当する隙間を形成している。
【0051】
第1給紙部50は、図示しない給紙モータから駆動力が供給されると、ピックアップローラ52、フィードローラ53及びリタードローラ54を適宜回転させ、又は停止させる。これによりピックアップローラ52は、用紙カセット51内に収納された用紙Pのうち、最上面の1枚又は複数枚を前方へ繰り出す。またフィードローラ53及びリタードローラ54は、用紙Pのうち最上面の1枚をさらに前方へ繰り出す一方、2枚目以下をせき止める。かくして第1給紙部50は、用紙Pを1枚ずつに分離しながら前方へ繰り出していく。
【0052】
搬送ガイド55は、搬送経路Wにおける前下側部分に配置されており、この搬送経路Wに沿って用紙Pを前上方向へ進行させ、さらに後上方向に進行させる。搬送ローラ対56及び57は、搬送ガイド55の中央付近及び上端近傍にそれぞれ配置されており、図示しない給紙モータから駆動力が供給されて所定方向に回転する。これにより搬送ローラ対56及び57は、用紙Pを搬送経路Wに沿って進行させる。
【0053】
また筐体2における搬送ローラ対57の前側には、第2給紙部60が設けられている。第2給紙部60には、用紙トレイ61、ピックアップローラ62、フィードローラ63及びリタードローラ64等が設けられている。用紙トレイ61は、上下方向に薄い板状に形成されており、その上側に用紙P2を載置させるようになっている。因みに用紙トレイ61には、例えば用紙カセット51に収納されている用紙Pと大きさや紙質が異なる用紙P2が載置される。
【0054】
ピックアップローラ62、フィードローラ63及びリタードローラ64は、第1給紙部50のピックアップローラ52、フィードローラ53及びリタードローラ54とそれぞれ同様に構成されている。第2給紙部60は、図示しない給紙モータから駆動力が供給されると、ピックアップローラ62、フィードローラ63及びリタードローラ64を適宜回転させ、又は停止させることにより、用紙トレイ61上の用紙P2のうち最下面の1枚を後方へ繰り出す一方、2枚目以下をせき止める。かくして第2給紙部60は、用紙P2を1枚ずつに分離しながら後方へ繰り出す。このとき繰り出された用紙P2は、搬送ローラ対57により搬送経路Wに沿って用紙Pと同様に搬送される。説明の都合上、以下では用紙P2を用紙Pと区別すること無く、単に用紙Pと呼ぶ。
【0055】
因みに搬送ローラ対57は、回転が適宜抑制されており、用紙Pに摩擦力を作用させることにより、進行方向に対して該用紙Pの側辺が傾斜する、いわゆる斜行を修正し、先頭及び末尾の端辺を左右に沿わせた状態としてから、後方へ送り出す。搬送ローラ対58は、搬送ローラ対57から後方へ所定間隔だけ離れた箇所に位置しており、搬送ローラ対56等と同様に回転することにより、搬送経路Wに沿って搬送される用紙Pに駆動力を供給し、該用紙Pを該搬送経路Wに沿ってさらに後方へ進行させる。
【0056】
搬送ローラ対58の後側には、上述した中間転写部40の2次転写部49、すなわちバックアップローラ43及び2次転写ローラ46が配置されている。この2次転写部49では、画像形成ユニット10において形成され中間転写ベルト44に転写された状態の現像剤像が、該中間転写ベルト44の走行に伴って近接しており、且つ2次転写ローラ46に所定のバイアス電圧が印加されている。このため2次転写部49は、中間転写ベルト44から、搬送経路Wに沿って搬送されてきた用紙Pに対し、現像剤像を転写して、さらに後方へ進行させる。
【0057】
2次転写部49の後側には、定着部70が配置されている。定着部70は、搬送経路Wを挟んで対向するように配置された加熱部71及び加圧部72により構成されている。加熱部71は、中空の無端ベルトでなる加熱ベルトの内側に、発熱するヒータや複数のローラ等が配置されている。加圧部72は、中心軸を左右方向に沿わせた円柱状に形成されており、上側の表面を加熱部71における下側の表面に押し付け、ニップ部を形成している。
【0058】
この定着部70は、制御部3の制御に基づき、加熱部71のヒータを所定の温度に加熱すると共にローラを適宜回転させて加熱ベルトを矢印R1方向へ回転するように走行させ、また加圧部72を矢印R2方向へ回転させる。そのうえで定着部70は、2次転写部49により現像剤像が転写された用紙Pを受け取ると、これを加熱部71及び加圧部72により挟持し(すなわちニップし)、熱及び圧力を加えることにより該現像剤像を該用紙Pに定着させて、後方へ送り出す。
【0059】
定着部70の後側には、搬送ローラ対74が配置され、その後側に切替部75が配置されている。切替部75は、制御部3の制御に従って用紙Pの進行方向を上側又は下側に切り替える。切替部75の上側には、排紙部80が設けられている。排紙部80は、用紙Pを搬送経路Wに沿って上方へ案内する搬送ガイド81、及び搬送経路Wを挟んで互いに対向する搬送ローラ対82、83、84及び85等により構成されている。
【0060】
また切替部75、定着部70及び2次転写部49等の下側には、再搬送部90が配置されている。再搬送部90は、再搬送経路Uを構成する搬送ガイドや搬送ローラ対(図示せず)等を有している。再搬送経路Uは、切替部75の下側から下方へ向かい、やがて前方へ進行した後、搬送ローラ対57の下流側において搬送経路Wに合流する。
【0061】
制御部3は、用紙Pを排出する場合、切替部75により用紙Pの進行方向を上側の排紙部80側に切り替える。排紙部80は、切替部75から受け取った用紙Pを上方へ搬送し、排出口86から排紙トレイ2Tへ排出する。また制御部3は、用紙Pを戻す場合、切替部75により用紙Pの進行方向を下側の再搬送部90側に切り替える。再搬送部90は、切替部75から受け取った用紙Pを再搬送経路Uに搬送し、やがて搬送ローラ対57の下流側に到達させて該用紙Pを搬送経路Wに沿って再び搬送させる。これにより画像形成装置1では、用紙Pの紙面を反転させた状態で該用紙Pを搬送経路Wに戻すため、いわゆる両面印刷を行うことができる。
【0062】
このように画像形成装置1では、画像形成ユニット10において現像剤Dを用いた現像剤像を形成して中間転写ベルト44に転写し、2次転写部49において該現像剤像を該中間転写ベルト44から用紙Pに転写させ、さらに定着部70において定着させることにより、該用紙Pに画像を印刷すること、すなわち画像を形成することができる。
【0063】
[2.現像剤の製造]
次に、画像形成ユニット10(
図2)の現像剤収容器12に収容される現像剤Dの製造について説明する。本実施の形態では、特にシルバー(銀色)の現像剤Dの製造について説明する。
【0064】
一般に、現像剤Dは、所望の色を発色させるための顔料の他に、この顔料を用紙P等の媒体に結着させるための結着樹脂や、帯電性を向上させるための外添剤等が含まれている。説明の都合上、以下では、顔料及び結着樹脂を含む粒子やこの粒子が集合した粉状物をトナー又はトナー粒子と呼び、このトナーの他に外添剤等を含む粉状物を現像剤Dと呼ぶ。
【0065】
また以下では、製造時の条件等を適宜相違させることにより、互いに構成や特性が相違する複数種類の現像剤Dを製造した。以下では、実施例1、実施例2、実施例3、実施例4、比較例1及び比較例2によりそれぞれ製造する現像剤Dを、それぞれ現像剤Da、Db、Dc、Dd、De及びDfと呼ぶ。
【0066】
[2-1.実施例1]
この実施例1では、まず無機分散剤を分散させた水性媒体を生成する。具体的には、純水27000重量部に工業用リン酸三ナトリウム十二水和物920重量部を混合し、液温60[℃]で溶解させた後、pH(水素イオン指数)調整用の希硝酸を添加する。これに対し、純水4500重量部に工業用塩化カルシウム無水物440重量部を溶解させた塩化カルシウム水溶液を投入して、ラインミル(プライミクス株式会社)により回転速度を3566[rpm]とし、液温を60[℃]に保ちながら、34分間高速攪拌させる。これにより、懸濁安定剤(無機分散剤)を含む水相を調整する。
【0067】
また実施例1では、顔料分散油性媒体を生成する。具体的には、酢酸エチル7430重量部に対し、光輝性顔料を395重量部、及び帯電制御剤(BONTRON E-84:オリエント化学工業株式会社製)を60重量部、それぞれ混合する。このうち光輝性顔料は、アルミニウム(Al)の微小な薄片、すなわち平板状、扁平状若しくは鱗片状に形成された小片を含有している。この光輝性顔料に含まれるアルミニウムの小片は、その体積粒度分布における最頻径が10[μm]であり、疎水化度が90となっている。以下では、この光輝性顔料をアルミニウム顔料、金属顔料又は銀トナー顔料とも呼ぶ。
【0068】
その後、この混合液の液温を50[℃]に加熱すると共に攪拌し、これに帯電制御樹脂(FCA-726N:藤倉化成株式会社製)を60重量部、エステルワックス(WE-4:日油株式会社製)を150重量部、ポリエステル樹脂を1310重量部、それぞれ投入する。さらに、この混合液を固形物が無くなるまで攪拌することにより、油相を調整する。
【0069】
次に実施例1では、液温を60[℃]に保った水相に油相を投入し、回転速度を1000[rpm]として5分間攪拌して懸濁させ、粒子を形成する。その後、減圧蒸留によって酢酸エチルを除去することにより、トナーを含むスラリーを抽出する。次に、このスラリーに硝酸を加えてpH(水素イオン指数)を1.6以下として攪拌し、懸濁安定剤であるリン酸三カルシウムを溶解させ、脱水することにより、トナーを抽出する。さらに、脱水したトナーを純水に再分散させ、攪拌した後、水洗浄を行う。その後、脱水、乾燥及び分級の各工程を順次行うことにより、トナー母粒子を生成した。
【0070】
ここで、トナー母粒子の分級工程について、さらに説明する。この分級工程では、エルボージェット分級機(日鉄鉱業株式会社製)を使用する。
図4に模式的な構成を示すように、分級機100は、コアンダブロック101、分級エッジを形成するFエッジ102及びMエッジ103、Gブロック104、吸気エッジ105、及びエジェクタ110とを有している。
【0071】
分級対象である原料粉120は、エジェクタ110の原料投入口111から投入され、空気導入口112からの圧縮空気130と共に分級機100の内部に送られる。分級機100は、その内部において、原料粉120の粒子を吐出口113から吐出し、慣性力とコアンダ効果とによって分級する。
【0072】
原料粉120のうち比較的大きな粒子である粗粉121は、慣性力により比較的遠くに飛ばされる。また原料粉120のうち比較的小さな粒子である微粉122は、コアンダ効果によりコアンダブロック101に沿って流れる。さらに原料粉120のうち中程度の大きさの粒子である中間粉123は、粗粉121よりも近くに飛ばされ、Fエッジ102及びMエッジ103の間を通って採取される。
【0073】
この実施例1では、分級機100におけるコアンダブロック101からFエッジ102の先端までの距離(以下これをFエッジ距離と呼ぶ)を15.0[mm]に設定し、該コアンダブロック101からMエッジ103の先端までの距離(以下これをMエッジ距離と呼ぶ)を30.0[mm]に設定した。そのうえで分級機100は、上述した手順により生成したトナー母粒子を原料粉120として原料投入口111から投入し、得られた中間粉123をトナー(すなわち顔料及び結着樹脂を含む粒子)とする。具体的に実施例1では、体積中位径が15.4[μm]であるトナーを回収した。
【0074】
また実施例1では、Fエッジ距離及びMエッジ距離をそれぞれ適宜変更することにより、トナーの体積分布における10[μm]以下のトナー粒子(以下これを微粉又は微粒子とも呼ぶ)の割合を調整した。
【0075】
さらに実施例1では、トナーに対して外添工程を行う。具体的には、トナー母粒子に対し小シリカ(RY200:日本アエロジル株式会社製)を1.0[重量%]、コロイダルシリカ(X24-9163A:信越化学工業株式会社製)を1.5[重量%]投入して混合する。この結果、実施例1では、体積中位径が15.4[μm]であり、且つ体積分布における10[μm]以下のトナー粒子(すなわち微粉)の割合(以下これを微粉割合と呼ぶ)が9.6[%]である現像剤Daが得られた。なお、体積中位径の測定及び微粉割合の測定については後述する。
【0076】
[2-2.実施例2]
実施例2では、実施例1と同様の手順に従ってトナー母粒子を生成し、分級工程において分級機100(
図4)におけるFエッジ距離及びMエッジ距離をそれぞれ適宜変更することにより、体積中位径が16.9[μm]であるトナーを回収した。さらに実施例2では、実施例1と同様の外添工程を行うことにより、微粉割合が9.5%である現像剤Dbが得られた。
【0077】
[2-3.実施例3]
実施例3では、実施例1と同様の手順に従ってトナー母粒子を生成し、分級工程において分級機100(
図4)におけるFエッジ距離及びMエッジ距離をそれぞれ適宜変更することにより、体積中位径が15.9[μm]であるトナーを回収した。さらに実施例3では、実施例1と同様の外添工程を行うことにより、微粉割合が9.2%である現像剤Dcが得られた。
【0078】
[2-4.実施例4]
実施例4では、実施例1と同様の手順に従ってトナー母粒子を生成し、分級工程において分級機100(
図4)におけるFエッジ距離及びMエッジ距離をそれぞれ適宜変更することにより、体積中位径が16.1[μm]であるトナーを回収した。さらに実施例4では、実施例1と同様の外添工程を行うことにより、微粉割合が4.6%である現像剤Ddが得られた。
【0079】
[2-5.比較例1]
比較例1では、実施例1と同様の手順に従ってトナー母粒子を生成し、分級工程において分級機100(
図4)におけるFエッジ距離及びMエッジ距離をそれぞれ適宜変更することにより、体積中位径が14.4[μm]であるトナーを回収した。さらに比較例1では、実施例1と同様の外添工程を行うことにより、微粉割合が10.3%である現像剤Deが得られた。
【0080】
[2-6.比較例2]
比較例2では、実施例1と同様の手順に従ってトナー母粒子を生成し、分級工程において分級機100(
図4)におけるFエッジ距離及びMエッジ距離をそれぞれ適宜変更することにより、体積中位径が18.7[μm]であるトナーを回収した。さらに比較例2では、実施例1と同様の外添工程を行うことにより、微粉割合が2.0%である現像剤Dfが得られた。
【0081】
[3.現像剤の測定及び比較]
次に、現像剤D(すなわち現像剤Da、Db、Dc、Dd、De及びDf、以下ではまとめて現像剤Da~Dfとも表記する)の測定及び評価について説明する。このうち現像剤Dの測定に関しては、最頻径、体積中位径(D50)、微粉割合(すなわち体積分布における10[μm]以下のトナー粒子の割合)、アルミニウム含有量、及び帯電量について、それぞれ測定を行った。また現像剤Dの評価に関しては、画像形成装置1(
図1)により該現像剤Dを用いて所定の画像を用紙Pに印刷し、かぶり、カスレ及び光輝性について、それぞれ評価を行った。
【0082】
[3-1.最頻径の測定]
本測定では、現像剤Da~Dfについて、それぞれの体積粒度分布及び最頻粒子径を求めた。具体的に本測定では、まず現像剤Dを3[g]、及び溶媒としてテトロヒドロフラン(HPLC(高速液体クロマトグラフ)用、関東化学株式会社製)30[g]を、容量100[ml]のビーカーに投入する。続いて、このビーカーに攪拌子を入れ、デジタルホットスターラー(DP-1M、アズワン株式会社製)を用いて加熱攪拌する。ここでは、加熱温度を60[℃]に、攪拌時間を30分に、撹拌速度を340[rpm]に、それぞれ設定した。これにより現像剤Dは、有機溶媒中に溶解された状態となる。さらに、ADVANTECフィルターペーパー(φ185[mm]、アズワン株式会社製)を設置したガラスロートに溶液を投下し、固液分離を行う。
【0083】
本測定では、この手順を2回繰り返すことにより、主に銀トナー顔料からなる残滓物を抽出した。そのうえで本測定では、精密粒度分布測定装置Multisizer3(ベックマン・コールター株式会社製)を用い、この残滓物に対して、体積粒度分布を作成した上で、最頻粒子径を求めた。このうち体積粒度分布とは、現像剤Dに含まれる粒子の体積粒度ごとの頻度を表す分布特性である。また最頻粒子径(最頻径、モード径とも呼ぶ)とは、体積粒度分布において、最も頻度の多い粒径、すなわち最頻値を意味する。なお、このときの測定条件は、後述する体積中位径及び微粉割合の測定における測定条件と同等とした。また、本測定は、温度22℃、湿度50%の環境で実施した。
【0084】
これらの手順を現像剤Da~Dfそれぞれについて行ったところ、体積粒径における最頻粒子径は10[μm]であった。これを換言すると、残滓物として主に構成している銀トナーの最頻粒子径が10[μm]であった。そこで、本実施の形態では、現像剤Dに含まれる粒子のうち、最頻粒子径である10[μm]以下のものを「微粉」と定義した。
【0085】
[3-2.体積中位径及び微粉割合の測定]
本測定では、精密粒度分布測定装置Multisizer3(ベックマン・コールター株式会社製)を使用して、現像剤Dの体積中位径及び微粉割合を測定した。測定条件は、以下の通りである。
【0086】
・アパチャー径:100[μm]
・電解液:アイソトンII(ベックマン・コールター株式会社製)
・分散液:ネオゲンS-20F(第一工業製薬株式会社製)を前述の電解液に溶解し、濃度5%に調整
【0087】
本測定では、前述の分散液5[mL]に測定試料10~20[mg]を添加して超音波分散機にて1分間分散させ、その後に電解液25[mL]を添加して超音波分散機にて5分間分散させて、目開き75[μm]のメッシュを通して凝集物を取り除き、試料分散液を調整した。
【0088】
さらに本測定では、この試料分散液を前述の電解液100[mL]に加え、前述の精密粒度分布測定装置により、3万個の粒子を測定して分布(すなわち体積粒度分布)を求めた。続いて本測定では、この体積粒度分布を基に、体積中位径(D50)、及び微粉割合(すなわち体積分布における10[μm]以下のトナー粒子の割合)をそれぞれ求めた。
【0089】
なお体積中位径(D50)とは、粉体の粒径分布において、ある粒子径より大きい個数又は質量が、全粉体の個数又は質量の50%を占めるときの粒子径をいう。前述の精密粒度分布測定装置は、コールター原理により粒度分布を測定する。このコールター原理とは、細孔電気抵抗法と呼ばれ、電解質溶液中の細孔(アパチャー)に一定の電流を流し、その細孔を粒子が通過するときの細孔の電気抵抗の変化を計測することにより、粒子の体積を測定する方法である。
【0090】
本測定により、各現像剤D(すなわち現像剤Da~Df)それぞれの体積中位径及び微粉割合として、
図5に示す表のような測定結果が得られた。
【0091】
これに加えて本測定では、各現像剤D(すなわち現像剤Da~Df)について、次に説明する除去処理により外添剤を除去した。この除去処理では、最初に非イオン系界面活性剤に純水を加えた後、これを加熱しながら撹拌することにより、その純水中において非イオン系界面活性剤を分散させる。この非イオン系界面活性剤は、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル等である。なお、界面活性剤として、例えば、花王株式会社製のエマルゲン5%水溶液等を用いても良い。
【0092】
続いて除去処理では、3[g]の各現像剤Da~Dfが収容されているビーカーに100[ml](=[cm3])の界面活性剤水溶液を投入した後、その界面活性剤水溶液の液温を25[℃]として40分間撹拌する。さらに除去処理では、水浴中にこのビーカーを投入した後、超音波振動器を用いて水浴(温度:38[℃])を40分間振動させる。
【0093】
次に除去処理では、界面活性剤水溶液を吸引濾過することにより、残渣を回収する。その後、除去処理では、残渣を十分に洗浄した後、その残渣を乾燥させる。これにより、各現像剤Da~Dfから外添剤を除去することができる。
【0094】
このようにして外添剤を除去した現像剤Da~Dfについても、それぞれ同様の手法により微粉割合を求めたところ、
図5に示すような測定結果が得られた。
【0095】
[3-3.アルミニウム含有量の測定]
本測定では、現像剤Da~Dfそれぞれにおけるアルミニウム(Al)の含有量を測定した。
【0096】
一般に、現像剤Dに含まれる顔料の量は、該現像剤Dの製造段階における顔料の仕込み量(添加量)で規定されることが多い。ところが、現像剤Dの製造段階で顔料を仕込んでも、仕込んだすべての顔料がトナーに取り込まれるわけではなく、分級工程において回収されないトナーに取り込まれる顔料も存在する。このため、現像剤Dに含まれる顔料の量を仕込み量で規定することは、適切ではない。
【0097】
また、顔料を仕込んだ時点における、酢酸エチル、光輝性顔料及び帯電制御剤を混合して作成した顔料分散液に対する顔料の割合と、トナー母粒子に対する顔料の割合とは異なる。このため、現像剤Dに含まれる顔料の量を仕込み量で規定することは困難である。
【0098】
そこで、エネルギー分散型蛍光X線分析装置(EDX-800HS、株式会社島津製作所製)を使用して、前述した手順により作成された現像剤Da~Dfに含まれるアルミニウム(Al)の量をそれぞれ測定した。
【0099】
一般に、X線を試料に照射すると、該試料に含まれる原子固有のX線である蛍光X線が発生し、該試料から放出される。この蛍光X線は各元素特有の波長(エネルギー)を有するので、蛍光X線の波長を調べることにより、定性分析を行うことができる。また、蛍光X線の強度は、濃度の関数となる。このため、元素特有の波長ごとにX線量を測定することにより、定量分析を行うことができる。
【0100】
このような原理に基づき、前述したエネルギー分散型蛍光X線分析装置を使用して、X線管から放射されたX線を各現像剤Da~Dfに照射し、該現像剤Da~Dfに含まれるアルミニウム(Al)の原子から放出される蛍光X線に基づいて、各現像剤Da~Dfにおけるアルミニウム(Al)の含有量を測定した。また、これと同様の手法により、微粉(すなわち現像剤Dに含まれる粒子のうち、最頻粒子径である10[μm]以下のもの)についても、同様にアルミニウム(Al)の含有量を測定した。なお、エネルギー分散型蛍光X線分析装置の使用条件については、次のように設定した。
【0101】
・雰囲気:ヘリウム置換測定
・X線照射条件:電圧15[kV]、電流100[μA]
【0102】
本測定により、各現像剤D(すなわち現像剤Da~Df)それぞれのアルミニウム(Al)の含有量として、
図6に示すような測定結果が得られた。この
図6において、アルミニウム含有量は、各現像剤Da~Dfに対するアルミニウム(Al)の体積百分率で表されている。
【0103】
本測定による測定結果(
図6)を参照すると、現像剤Da~Dfと比較して、微粉におけるアルミニウム含有量が著しく少ない。具体的には、現像剤Da~Dfのアルミニウム含有量は7.019[%]~21.473[%]であるのに対し、微粉のアルミニウム含有量は0.925[%]である。
【0104】
すなわち微粉は、トナー粒子とは異なり、顔料が殆ど含まれておらず、その大部分が結着樹脂により構成されていることが分かる。そこで本実施の形態では、現像剤Dに含まれる粒子のうち、最頻粒子径である10[μm]以下のものであり、さらにアルミニウム含有量が0.925[%]以下であるものを、「微粉」と呼ぶ。
【0105】
因みに、この微粉は、例えばアルミニウム(Al)の微小な薄片である金属顔料と結着樹脂とによりトナー粒子を作成する際に、銀トナー顔料の最頻粒子径である10[μm]以下となるため、該金属顔料が殆ど含まれずに結着樹脂のみが粒子化することにより生成されると推測される。
【0106】
[3-4.帯電量の測定]
本測定では、現像剤Da~Dfそれぞれにおける帯電量を測定した。具体的に本測定では、現像剤Dを19[g]とキャリア(N-1:日本画像学会製)を1[g]とを所定の容器に投入し、軽く混合した上で、例えば温度23[℃]、湿度50[%]の常温環境に24時間以上放置する。
【0107】
その後、本測定では、振とう機(YS-8D:株式会社ヤヨイ製)により、混合物を10分間振とうして試料を生成した。
図7は、模式化した振とう機200の構成を表す。振とう機200は、本体部201に対して腕部202を介して容器203が取り付けられており、該本体部201に対して腕部202を容器203と一体に回動させ得るようになっている。また振とう機200では、腕部202を振とうさせる際の振とう条件として、振とう速度、振とう角度α及び振とう幅Lを、それぞれ設定し得るようになっている。ここでは、振とう条件を次のように設定した。
【0108】
・振とう速度:120回/分
・振とう角度α:0~45[°]
・振とう幅L:80[mm]
【0109】
そのうえで本測定では、粒子帯電量測定器(210HS-2A:トレック・ジャパン株式会社製)により、当該試料0.2[g]の帯電量を測定した。本測定により得られた各現像剤D(すなわち現像剤Da~Df)の帯電量を、
図5に微粉割合等と共に示す。
【0110】
[3-5.かぶりの評価]
本評価では、画像形成装置1(
図1)において特色に対応する画像形成ユニット10Sの現像剤収容器12(
図2)に現像剤D(現像剤Da~Dfの何れか)を収容した上で、印刷処理を行い、かぶりの評価を行った。
【0111】
本実施の形態では、正常に帯電した現像剤Dに対して、低い帯電量の現像剤Dや逆極性に帯電した現像剤Dにより、画像の背景部、すなわち、非画像部に現像剤Dが付着することを「かぶり」と呼ぶ。また本実施の形態では、この「かぶり」を引き起こす現像剤D、すなわち低い帯電量の現像剤Dや逆極性に帯電した現像剤Dを、「かぶり現像剤」と呼ぶ。
【0112】
具体的に本評価では、画像形成装置1により、まず印刷画素密度を0.3[%]とした画像パターンにより、1日当たりドラムカウント2000の連続印刷を、ガイドラムカウントが4000となるまで行った。
【0113】
ここで印刷画素密度とは、画像を画素単位で分解した場合に、全画素数のうち用紙Pに現像剤Dを転写する画素数の割合を表す値である。例えば、所定の領域(感光ドラム1周分や印刷媒体1ページ分等)の印刷可能範囲に全面ベタ印刷を行う場合の面積率100%印刷のことを印刷画像密度100[%]といい、この印刷画像密度100[%]に対して1[%]の面積に相当する印刷を印刷画像密度1[%]という。印刷画素密度DPDを、使用ドット数Cm、回転数Cd及び総ドット数COを用いて数式により表すと、次の(1)式のように表すことができる。
【0114】
【0115】
ただし、使用ドット数Cmは、感光体ドラムがCd回転する間に、実際に画像を形成するために使用されたドットの数であり、当該画像を形成する間にLEDヘッド14(
図2)により露光されたドットの総数である。また総ドット数COは、感光体ドラム36(
図2)の1回転あたりの総ドット数、すなわち、露光の有無に限らず、感光体ドラム36が1回転する間に使用し得る、画像を形成する際に潜在的に使用可能なドットの総数である。換言すれば、総ドット数COは、全ての画素に現像剤Dを転写するベタ画像(ソリッド画像)を形成する場合に用いられるドット数の合計値である。従って、値(Cd×CO)は、感光体ドラム36がCd回転する間に、画像を形成する際に潜在的に使用可能なドット数の合計値を表す。
【0116】
本評価では、前述した連続印刷の終了後、印刷画素密度が0[%]の画像パターン、すなわち全ての画素において現像剤Dを使用しないような画像の印刷処理を行い、画像形成ユニット10S(
図2)における現像処理の途中、すなわち現像ローラ34の表面から感光体ドラム36の表面に現像剤Dを転写させる処理の途中で印刷処理を停止させた。
【0117】
そのうえで、本評価では、感光体ドラム36の表面において、現像ローラ34との当接箇所よりも下流側且つ中間転写ベルト44との当接箇所よりも上流側、すなわち
図2における領域36Aにおいて、粘着テープ(スコッチメンディングテープ:住友スリーエム株式会社製)を貼り付けてから剥がすことにより、「かぶり」の現像剤Dを採取した。以下、この粘着テープを採取粘着テープと呼ぶ。
【0118】
続いて本評価では、この採取粘着テープを白い記録用紙(エクセレントホワイトA4、70kg紙、秤量80g/m2:株式会社沖データ製)に貼り付けると共に、比較用の基準となる粘着テープ(以下これを基準粘着テープと呼ぶ)を当該記録用紙における他の部分に貼り付けた。そのうえで本評価では、分光測色計(CM-2600d、測定計φ=8[mm]:コニカミノルタ株式会社製)により、採取粘着テープ及び基準粘着テープの色相差ΔE(L*a*b表色系色度)を測定した。この色相差ΔEは、次の(2)式に従って算出した
【0119】
【0120】
また本評価では、感光体ドラム36における主走査方向(すなわち左右方向)の両端近傍及びその間を概ね等分割する3箇所の合計5箇所において、それぞれ採取粘着テープにより現像剤Dを採取し、それぞれの色相差ΔEを測定して、その平均値を算出した。
【0121】
その上で本評価では、色相差閾値TEを値0.52に設定し、色相差ΔEとこの色相差閾値TEとの比較結果を基に、かぶりの評価を行い、得られた評価結果を
図5に表した。具体的に本評価では、色相差ΔEが色相差閾値TE以下であれば、高評価として記号「○」を記した。また本評価では、色相差ΔEが色相差閾値TEよりも大きければ、低評価として記号「×」を記した。
【0122】
[3-6.カスレの評価]
本評価では、画像形成装置1(
図1)において特色に対応する画像形成ユニット10Sの現像剤収容器12(
図2)に現像剤D(現像剤Da~Dfの何れか)を収容した上で、印刷処理を行い、カスレの評価を行った。ここでカスレとは、用紙Pに画像を形成した際に、現像剤Dが転写されるべき箇所に該現像剤Dが定着していないことを意味する。
【0123】
具体的に本評価では、画像形成装置1により、かぶりの評価と同様の連続印刷を行った後、印刷画素密度を100[%]とした画像パターン、すなわち全ての画素に現像剤Dを使用する画像(いわゆるベタ画像)の印刷処理を行い、画像が形成された(すなわち印刷処理が行われた)用紙Pを目視確認することにより、カスレの有無を評価した。
【0124】
このとき本評価では、用紙Pの進行方向に平行な縦スジや、第1供給ローラ32及び第2供給ローラ33(
図2)の外周長さと同等の周期で濃度が変化する部分、すなわち横帯状の縞模様の発生を目視で判断し、評価結果を
図5に示した。本評価では、印刷領域のうち1/10以上でカスレが発生している場合に低評価として記号「×」を記し、該印刷領域のうち1/10の未満で該カスレが発生している場合に高評価として記号「○」を記した。
【0125】
[3-7.光輝性の評価]
本評価では、画像形成装置1(
図1)において特色に対応する画像形成ユニット10Sの現像剤収容器12(
図2)に各現像剤D(現像剤Da~Dfの何れか)を収容した上で、印刷処理を行い、それぞれ光輝性の評価を行った。
【0126】
具体的に本評価では、用紙Pとしてコート紙(OSコート紙W127/m
2:富士ゼロックス株式会社製)を用いて、画像形成装置1により、印刷画素密度を100[%]とした画像パターン(いわゆるベタ画像)の印刷処理を行った。この場合、画像形成装置1では、印刷条件を設定する所定の操作が行われることにより、画像形成ユニット10S(
図2)の感光体ドラム36において現像剤Dの付着量が1.0[mg/cm
2]となるように調整された状態で、印刷処理を行った。
【0127】
続いて本評価では、変角光度計(GC-5000L:日本電色工業株式会社製)を使用して光輝性を測定した。具体的には、
図8に示すように、変角光度計により、用紙Pの表面に対して45[°]の方向から光線Cを放射して用紙Pを照射し、垂直方向に対して0[°]、30[°]及び-65[°]の方向において反射光をそれぞれ受光し、得られた受光結果を基に明度指数L*
0、明度指数L*
30及び明度指数L*
-65をそれぞれ算出した。次に本評価では、算出した各明度指数を次の(3)式に代入することにより、フロップインデックスFIを算出し、画像の光輝性を測定した。
【0128】
【0129】
このフロップインデックスFIは、値が大きいと光輝性が高いことを意味し、値が小さいと光輝性が低いことを意味する。本評価では、フロップインデックスFIが10以上である場合、印刷物に金属光沢が生じるので、画像の光輝性が高いものと評価し、該フロップインデックスFIが10未満である場合、印刷物に金属光沢が生じないので、光輝性が低いものと評価した。
【0130】
そのうえで、本評価では、算出されたフロップインデックスFIの値と、評価結果とを
図5に表した。評価結果は、フロップインデックスFIが10以上であり高評価である場合に記号「○」を記し、該フロップインデックスFIが10未満であり低評価である場合に記号「×」を記した。
【0131】
[3-8.測定及び評価に基づく微粉割合の決定]
次に、各種測定結果及び各種評価結果(
図6)を基に、現像剤Dにおける微粉割合の条件を決定した。
【0132】
具体的に本実施形態では、かぶりに関して低評価であった比較例1の現像剤De、及びカスレに関して低評価であった比較例2の現像剤Dfを除外し、かぶり及びカスレの何れも高評価であり、光輝性においても高評価であった実施例1~実施例4、すなわち現像剤Da~Ddを採用した。
【0133】
これに伴い、現像剤Dに求められる微粉割合の条件、すなわち体積分布における10[μm]以下のトナー粒子の割合の条件は、現像剤Da~Ddにおける微粉割合の値を包含し、また現像剤De及びDfにおける微粉割合の値を除外するような範囲に定められる。具体的に、現像剤Dに求められる微粉割合の条件は、
図5の値から、4.6[%]以上且つ9.6[%]以下となった。
【0134】
また、これらの現像剤Da~Ddに関し、外添剤を除去した後の微粉割合の条件は、同様に
図5の値から、3.1[%]以上且つ9.6[%]以下となった。さらに、これらの現像剤Da~Ddにおける体積中位粒径は、
図5の値から、15.4[μm]以上且つ16.9[μm]以下となった。
【0135】
[4.効果等]
以上の構成において、本実施の形態による画像形成装置1(
図1)では、画像形成ユニット10Sの現像剤収容器12(
図2)に、光輝性を有するシルバー(銀色)の現像剤Dを収容することにより、用紙Pに印刷される画像において、光輝性を有するシルバー(銀色)を表現することができる。
【0136】
本実施の形態では、アルミニウム(Al)の微小な薄片を含有する光輝性顔料を使用して現像剤Dを作成した。この現像剤Dには、体積粒径における最頻粒子径である10[μm]以下のトナー粒子、すなわち微粉が含まれる。
【0137】
現像剤Dに含まれる微粉は、
図6に示したように、アルミニウム(Al)の含有量が0.925[%]と極めて少なく、また樹脂に対する該アルミニウム(Al)の比率が約0.01と極めて小さいため、その殆どが結着樹脂の微細な粒子であるといえる。すなわち微粉は、金属であるアルミニウム(Al)を殆ど含有せず、その殆どが樹脂であるため、帯電性が比較的高く、現像剤Dにおいて帯電剤と同様に帯電性を増加させる作用が期待できる。
【0138】
比較例2の評価結果から、微粉割合が2.0[%]のように比較的小さい値であった場合、カスレは発生しないものの、かぶりが発生することが確認された。また比較例1の評価結果から、微粉割合が10.3[%]のように比較的大きい値になった場合、かぶりの発生を抑制し得る一方、カスレが発生することが確認された。その一方で、実施例1~実施例4の評価結果から、微粉割合が4.6[%]以上且つ9.6[%]以下の範囲であれば、かぶり、カスレ及び光輝性の何れにおいても高評価が得られた。
【0139】
これらを基に、本実施の形態では、現像剤Dに関して、かぶり及びカスレの何れにおいても高評価が得られた現像剤Da~Ddを含み、且つ現像剤De及び現像剤Dfを除外するような条件を設定するものとした。具体的には、微粉割合が4.6[%]以上且つ9.6[%]以下の範囲に含まれることを条件(以下これを微粉割合条件と呼ぶ)として、現像剤Dを生成するようにした。
【0140】
このため画像形成装置1では、この微粉割合条件を満たす現像剤Dを用いることにより、かぶりを発生させることが無く、すなわち該用紙Pに対して不要な箇所に該現像剤Dを付着させることが無く、またカスレを発生させることも無く、且つ十分な光輝性を表現した、高品質な画像を形成できる。
【0141】
これを換言すれば、本実施の形態では、現像剤Dにおいてトナー粒子に含まれるアルミニウム(Al)が金属であるために、該トナー粒子の帯電性が不十分となる可能性があるところ、適切な割合で含まれている微粉により帯電性を適切に増加させることができ、画像形成装置1において良好な印刷結果を得ることができる。
【0142】
また本実施の形態では、現像剤Dに含まれる微粉が、上述したように、金属顔料(すなわちアルミニウム)と結着樹脂とによりトナー粒子を作成する際に、該金属顔料が取り込まれずにほぼ結着樹脂のみが粒子化したものであると推測される。すなわち、現像剤Dに含まれるトナー粒子が主に金属顔料及び結着樹脂により構成されるところ、この結着樹脂と、微粉を構成する結着樹脂とが、本来的に同一種類の材料であり、互いに同等の特性を有するものとなっている。
【0143】
このため本実施の形態では、画像形成装置1により現像剤Dを用いて用紙Pに画像を形成する場合、用紙Pに転写された現像剤像に対し定着部70(
図1)により熱及び圧力を加えた際に、トナー粒子と微粉との間における相溶性が良く、他の外添剤を加える場合と比較して、グロス(光沢性)を良化させることが期待できる。
【0144】
さらに本実施の形態では、現像剤Dを生成する際に使用する光輝性顔料に含まれるアルミニウム(Al)を、微小な薄片、すなわち平面状の部分を有する形状とした。これにより、画像形成装置1において現像剤Dを用いて用紙Pに画像を形成した際に、該現像剤Dに含まれるアルミニウム(Al)の薄片に形成された平面状の部分により、高い光輝性を得ることができる。
【0145】
以上の構成によれば、本実施の形態による画像形成装置1では、画像形成ユニット10Sの現像剤収容器12に、光輝性を有する現像剤Dを収容した。この現像剤Dについては、アルミニウム(Al)の微小な薄片を含有する光輝性顔料を使用して作成し、且つ体積粒径における最頻粒子径である10[μm]以下のトナー粒子(すなわち微粉)の割合である微粉割合が、4.6[%]以上且つ9.6[%]以下の範囲となるようにした。これにより画像形成装置1は、この現像剤Dを使用することにより、用紙P上にかぶりを発生させることが無く、カスレを発生させることも無く、高品質な画像を形成できる。
【0146】
[5.他の実施の形態]
なお上述した実施の形態においては、現像剤Dを生成する際に使用する光輝性顔料に含まれるアルミニウム(Al)を、平面状の部分を有する微小な薄片とする場合について述べた。しかしながら本発明はこれに限らず、例えば球状や棒状等、種々の形状の小片としても良い。
【0147】
また上述した実施の形態においては、現像剤Dを生成する際に使用する光輝性顔料に含まれる金属をアルミニウム(Al)とする場合について述べた。しかしながら本発明はこれに限らず、例えば真鍮や酸化鉄等、種々の金属としても良い。この場合、用紙Pに定着された際に現像剤が示す色は、この金属に応じた色となる。
【0148】
さらに上述した実施の形態においては、現像剤Dにおける微粉割合の範囲を、外添剤も含んだ状態で測定した値を用いて、4.6[%]以上且つ9.6[%]以下と規定する場合について述べた。しかしながら本発明はこれに限らず、例えば外添剤を除去した状態で測定した値を用いて、
図5を基に、3.1[%]以上9.6「%」以下と規定しても良い。
【0149】
さらに上述した実施の形態においては、現像剤Dに含まれる粒子のうち、アルミニウム含有量が0.925[%]以下であるものを微粉とする場合について述べた。しかしながら本発明はこれに限らず、アルミニウム含有量が0.925[%]よりも多い粒子を微粉としても良い。この場合、現像剤Dに含まれることによりトナー粒子の帯電性を高めることができれば良い。
【0150】
さらに上述した実施の形態においては、現像剤Dを有機溶媒に溶解させて抽出した残滓物を基に、該現像剤Dに含まれる粒子の体積粒度分布を作成して最頻粒子径(最頻径)を算出する場合について述べた。しかしながら本発明はこれに限らず、他の種々の手法により最頻粒子径を算出しても良い。
【0151】
さらに上述した実施の形態においては、一成分現像方式に用いる現像剤の場合について述べた。しかしながら本発明はこれに限らず、例えばキャリアを用いた二成分現像方式の現像剤に適用しても良い。
【0152】
さらに上述した実施の形態においては、画像形成装置1(
図1)に5個の画像形成ユニット10を設ける場合について述べた。しかしながら本発明はこれに限らず、画像形成装置1に4個以下又は6個以上の画像形成ユニット10を設けても良い。
【0153】
さらに上述した実施の形態においては、本発明を単機能のプリンタである画像形成装置1に適用する場合について述べた。しかしながら本発明はこれに限らず、例えば複写機やファクシミリ装置の機能を有するMFP(Multi Function Peripheral)等、他の種々の機能を有する画像形成装置に適用しても良い。
【0154】
さらに上述した実施の形態においては、本発明を画像形成装置1に適用する場合について述べた。しかしながら本発明はこれに限らず、例えば複写機等、電子写真方式により現像剤Dを用いて用紙P等の媒体に画像を形成する種々の電子機器に適用しても良い。
【0155】
さらに本発明は、上述した実施の形態及び他の実施の形態に限定されるものではない。すなわち本発明は、上述した実施の形態と上述した他の実施の形態の一部又は全部を任意に組み合わせた実施の形態や、一部を抽出した実施の形態にもその適用範囲が及ぶものである。
【0156】
さらに上述した実施の形態においては、感光体としての感光体ドラム36と、露光部としてのLEDヘッド14と、現像体としての現像ローラ34とによって画像形成ユニットとしての画像形成ユニット10を構成する場合について述べた。しかしながら本発明はこれに限らず、その他種々の構成でなる感光体と、露光部と、現像体とによって画像形成ユニットを構成しても良い。
【産業上の利用可能性】
【0157】
本発明は、電子写真方式により金属顔料を含む現像剤を用いて媒体に画像を形成する場合に利用できる。
【符号の説明】
【0158】
1……画像形成装置、10、10S……画像形成ユニット、12……現像剤収容器、14……LEDヘッド、34……現像ローラ、36……感光体ドラム、37……帯電ローラ、44……中間転写ベルト、45……1次転写ローラ、46……2次転写ローラ、49……2次転写部、70……定着部、100……分級機、200……振とう機、D、Da、Db、Dc、Dd、De、Df……現像剤、P……用紙。
【手続補正書】
【提出日】2023-03-15
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0002
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0002】
従来、画像形成装置(プリンタとも呼ばれる)として、コンピュータ装置等から供給される画像に基づき、現像剤を用いて画像形成ユニットにより現像剤像を形成して紙等の媒体に転写し、これに熱及び圧力を加えて定着させることにより、印刷処理を行うものが広く普及している。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0006】
ところで現像剤の中には、光輝性を持たせる等の目的で、金属顔料を含有するものがある。このような金属顔料は、通常色の顔料と比較して、その粒径が十分に大きくなっている。このため、この金属顔料を含有する現像剤の粒径も、通常色における現像剤の粒径よりも十分に大きくなっている。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0008】
仮に、金属顔料を含有する現像剤において外添剤の増加により帯電性を高める場合、多量の外添剤が必要となる。しかしながら、このように多量の外添剤が添加された現像剤を用いた場合、画像形成装置では、外添剤の一部が遊離して画像形成ユニット内の感光ドラムや現像ブレード等の部品を汚染してしまい、最終的に用紙に印刷される画像の画質、すなわち印刷品質を低下させてしまう。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0017
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0017】
本発明では、金属顔料の体積粒度分布における最頻値よりも小さいために、金属顔料が殆ど含まれない微粉を、外添剤が添加された現像剤に対し、4.6[%]以上9.6[%]以下の割合で含有している。このため本発明では、金属顔料が含まれることにより十分な帯電性を得るのが困難な現像剤において、金属顔料を殆ど含まないために十分な帯電性を有する微粉の存在により、当該現像剤の帯電性を高めることができる。これにより本発明では、画像形成装置の画像形成ユニットにおいて当該現像剤を用いることにより、かぶりを発生させることなく、媒体に高品質な画像を形成すること、すなわち印刷することができる。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0046
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0046】
中間転写部40は、図示しないベルトモータから供給される駆動力により駆動ローラ41を矢印R1方向へ回転させ、これにより中間転写ベルト44を矢印E1に沿った方向に走行させる。また各1次転写ローラ45は、所定のバイアス電圧が印加された状態で、矢印R1方向に回転する。これにより各画像形成ユニット10は、感光体ドラム36(
図2)の周側面における下端近傍に到達させていた現像剤像を、中間転写ベルト44にそれぞれ転写し、且つ各色の現像剤像を順次重ねることができる。このとき中間転写ベルト44の表面には、上流側のシルバー(S)から順次、各色の現像剤像が重ねられることになる。中間転写部40は、この中間転写ベルト44を走行させることにより、各画像形成ユニット10から転写された
現像剤像を、バックアップローラ43の近傍に到達させる。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0074
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0074】
また実施例1では、Fエッジ距離及びMエッジ距離をそれぞれ適宜変更することにより、トナーの体積分布における10[μm]以下のトナー粒子の割合を調整した。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0075
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0075】
さらに実施例1では、トナーに対して外添工程を行う。具体的には、トナー母粒子に対し小シリカ(RY200:日本アエロジル株式会社製)を1.0[重量%]、コロイダルシリカ(X24-9163A:信越化学工業株式会社製)を1.5[重量%]投入して混合する。この結果、実施例1では、体積中位径が15.4[μm]であり、且つ体積分布における10[μm]以下の粒子(すなわち微粉)の割合(以下これを微粉割合と呼ぶ)が9.6[%]である現像剤Daが得られた。なお、体積中位径の測定及び微粉割合の測定については後述する。」
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0081
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0081】
[3.現像剤の測定及び比較]
次に、現像剤D(すなわち現像剤Da、Db、Dc、Dd、De及びDf、以下ではまとめて現像剤Da~Dfとも表記する)の測定及び評価について説明する。このうち現像剤Dの測定に関しては、最頻径、体積中位径(D50)、微粉割合(すなわち体積分布における10[μm]以下の
粒子の割合)、アルミニウム含有量、及び帯電量について、それぞれ測定を行った。また現像剤Dの評価に関しては、画像形成装置1(
図1)により該現像剤Dを用いて所定の画像を用紙Pに印刷し、かぶり、カスレ及び光輝性について、それぞれ評価を行った。
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0084
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0084】
これらの手順を現像剤Da~Dfそれぞれについて行ったところ、体積粒径における最頻粒子径は10[μm]であった。これを換言すると、残滓物として主に構成している銀トナー顔料の最頻粒子径が10[μm]であった。そこで、本実施の形態では、現像剤Dに含まれる粒子のうち、最頻粒子径である10[μm]以下のものを「微粉」と定義した。
【手続補正10】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0088
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0088】
さらに本測定では、この試料分散液を前述の電解液100[mL]に加え、前述の精密粒度分布測定装置により、3万個の粒子を測定して分布(すなわち体積粒度分布)を求めた。続いて本測定では、この体積粒度分布を基に、体積中位径(D50)、及び微粉割合(すなわち体積分布における10[μm]以下の粒子の割合)をそれぞれ求めた。
【手続補正11】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0133
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0133】
これに伴い、現像剤Dに求められる微粉割合の条件、すなわち体積分布における10[μm]以下の
粒子の割合の条件は、現像剤Da~Ddにおける微粉割合の値を包含し、また現像剤De及びDfにおける微粉割合の値を除外するような範囲に定められる。具体的に、現像剤Dに求められる微粉割合の条件は、
図5の値から、4.6[%]以上且つ9.6[%]以下となった。
【手続補正12】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0136
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0136】
本実施の形態では、アルミニウム(Al)の微小な薄片を含有する光輝性顔料を使用して現像剤Dを作成した。この現像剤Dには、体積粒径における最頻粒子径である10[μm]以下の粒子、すなわち微粉が含まれる。
【手続補正13】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0145
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0145】
以上の構成によれば、本実施の形態による画像形成装置1では、画像形成ユニット10Sの現像剤収容器12に、光輝性を有する現像剤Dを収容した。この現像剤Dについては、アルミニウム(Al)の微小な薄片を含有する光輝性顔料を使用して作成し、且つ体積粒径における最頻粒子径である10[μm]以下の粒子(すなわち微粉)の割合である微粉割合が、4.6[%]以上且つ9.6[%]以下の範囲となるようにした。これにより画像形成装置1は、この現像剤Dを使用することにより、用紙P上にかぶりを発生させることが無く、カスレを発生させることも無く、高品質な画像を形成できる。
【手続補正14】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0149
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0149】
さらに上述した実施の形態においては、現像剤Dに含まれる粒子のうち、アルミニウム含有量が0.925[%]以下であるものを微粉とする場合について述べた。しかしながら本発明はこれに限らず、アルミニウム含有量が0.925[%]よりも多い粒子を微粉としても良い。この場合、現像剤Dに含まれることにより帯電性を高めることができれば良い。