(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023052345
(43)【公開日】2023-04-11
(54)【発明の名称】竜舌蘭ベースのスピリッツ由来のエネルギー飲料及び他の栄養補助材料
(51)【国際特許分類】
C12H 3/00 20190101AFI20230404BHJP
C12Q 1/32 20060101ALI20230404BHJP
A61K 36/88 20060101ALI20230404BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20230404BHJP
A61P 25/24 20060101ALI20230404BHJP
A61P 25/16 20060101ALI20230404BHJP
A23L 33/10 20160101ALI20230404BHJP
A23L 2/52 20060101ALI20230404BHJP
A23L 2/38 20210101ALI20230404BHJP
C12G 3/02 20190101ALI20230404BHJP
C12N 9/06 20060101ALN20230404BHJP
C12P 1/02 20060101ALN20230404BHJP
【FI】
C12H3/00
C12Q1/32
A61K36/88
A61P43/00 111
A61P25/24
A61P25/16
A23L33/10
A23L2/00 F
A23L2/38 S
C12G3/02
C12N9/06
C12P1/02 Z
【審査請求】有
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023002861
(22)【出願日】2023-01-12
(62)【分割の表示】P 2020066796の分割
【原出願日】2015-09-16
(31)【優先権主張番号】62/071,179
(32)【優先日】2014-09-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/231,592
(32)【優先日】2015-07-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】504378331
【氏名又は名称】ロアー ホールディング エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100080816
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 朝道
(74)【代理人】
【識別番号】100098648
【弁理士】
【氏名又は名称】内田 潔人
(72)【発明者】
【氏名】ブロシア、ロバート
(57)【要約】
【課題】モノアミンオキシダーゼ(MAO)阻害性化合物を含む組成物を提供する。
【解決手段】モノアミンオキシダーゼ阻害性化合物を含む組成物は、エタノール以外の揮発性化合物を保持する処理によって竜舌蘭に由来するアルコール飲料からエタノールを除去して調製される。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エタノール以外の揮発性化合物を保持する処理によって竜舌蘭に由来するアルコール飲料からエタノールを除去して調製されるモノアミンオキシダーゼ(MAO)阻害性化合物を含む組成物。
【請求項2】
前記処理が逆浸透処理であることを特徴とする請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
アルコール飲料が、以下のステップによって調製された蒸留物であることを特徴とする請求項1に記載の組成物:
a)ロイヒテンベルギア・プリンキピスの幹を加熱して複合糖を加水分解するステップ;
b)加熱した幹をシュレッド及びクラッシュしてシロップを放出させるステップ;
c)前記シロップを水で12-14BRIXレベルまで希釈して、酵母を植菌するステップ;
d)植菌した希釈シロップを発酵させて発酵産物を取得するステップ;及び
e)発酵産物を蒸留して蒸留物を取得するステップ。
【請求項4】
ステップa)がオートクレーブ処理によって実行されることを特徴とする請求項3に記載の組成物。
【請求項5】
ステップb)がシュレッドミル及びクラッシャにおいて実行されることを特徴とする請求項3に記載の組成物。
【請求項6】
ステップd)のプロセスが、サッカロミセス・セレビシエ及びクロエケラ・アフリカーナの存在下において、室温と30℃の間での発酵を含むことを特徴とする請求項3に記載の組成物。
【請求項7】
蒸留物が少なくとも38-40%v/vのエタノール濃度に到達するまで、ステップe)が実行されることを特徴とする請求項3に記載の組成物。
【請求項8】
請求項1に記載の組成物を含む食品又は飲料。
【請求項9】
モノアミンオキシダーゼ(MAO)の過剰活性によって特徴付けられる状態を処置する方法であって、
そのような処置の必要がある被験者に対して、有効量の請求項1に記載の組成物を投与することを含む方法。
【請求項10】
前記状態が、鬱病又はパーキンソン病であることを特徴とする請求項9に記載の方法。
【請求項11】
モノアミンオキシダーゼ(MAO)の過剰活性によって特徴付けられる状態を処置する方法であって、
そのような処置の必要がある被験者に対して、有効量の請求項8に記載の食品又は飲料を投与することを含む方法。
【請求項12】
エタノール存在下でのMAO阻害剤についてアッセイする方法であって、
前記アッセイにおいてアルコールデヒドロゲナーゼ及びNADを含む方法。
【請求項13】
以下のステップを含むことを特徴とする請求項12に記載の方法:
a)解析されるサンプルに対して、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド及びアルコールデヒドロゲナーゼと共に、基質有効量のキヌラミンジヒドロブロミドを添加するステップ;
b)MAO A及び/又はMAO Bを添加するステップ;
c)37℃でインキュベートするステップ;
d)強塩基で反応を停止するステップ;及び
e)310nmの励起波長及び405nmの発光波長で結果を評価するステップ。
【請求項14】
竜舌蘭由来のアルコール飲料に関するレーティングシステムであって、
各飲料が、そのMAO A阻害剤又はMAO B阻害剤、あるいはその両方の含有量に基づいて、品質のスケール上の位置に位置付けられるシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願]
本出願は、2014年9月16日に出願された米国仮出願62/071,179号、及び2015年7月10日に出願された米国仮出願62/231,592の利益を主張する。これらの出願の内容は、それらの全体が引用によって本願に組み込まれる。
【0002】
本発明は、竜舌蘭ベースのスピリッツ、特に種々のテキーラのノンアルコールバージョンに関連し、これらの飲料に含まれるモノアミンオキシダーゼ(MAO)阻害剤によって多種多様な状態を処置することに有用なものに関連する。
【背景技術】
【0003】
竜舌蘭(agave)由来の蒸留スピリッツの調製に関連する広範囲にわたる文献が存在する。例えば、ロイヒテンベルギア・プリンキピス(agave cactus)からのテキーラの調製についての詳細な記載は、引用文献1(Tequila Processing and Flavor, Pedro A. Vazquez-Landaverde and Miriam G. Rodriguez-Olvera, Centro de Investigacion en Ciencia Aplicada y Tecnologfa Avanzada del Instituto Politecnico Nacional Unidad Querretaro, Cerro Blanco 141 Colinas del Cimatario, Queretaro, Qro., Mexico 76090; 2012 American Chemical Society; on the World Wide Web at //pubs.acs.org, 発行日 (ウェブ): 2012年7月16日 doi: 10.1021/bk-2012-1104.ch015)、引用文献2(Flavor Chemistry of Wine and Other Alcoholic Beverages; Qian, M., et al.; ACS Symposium Series; American Chemical Society: Washington, DC, 2012)において提供される。これら文献の記載は、その竜舌蘭を出発材料とした処理、発酵、蒸留及び熟成の記載に関して引用によって本願に組み込まれる。手短に言うと、ロイヒテンベルギア・プリンキピスの幹を加熱して複合糖(complex sugars)を加水分解し、そしてシュレッド(寸断)及びクラッシュ(圧壊)してシロップを放出させる。次に、酵母の植菌に適した希釈率をもたらすようにシロップを水で希釈する。発酵の後に、発酵培養液を蒸留して蒸留物を取得する。蒸留物は、テキーラの種々のブランド(銘柄)として販売され、多種のものが存在する。しかしながら、蒸留物はパッケージ及び販売の前に熟成させることができる。
【0004】
上記の引用文献の特徴的な記載は以下のようである。
【0005】
106~116℃でのオーブン(48時間)又はオートクレーブ(12時間)ベーキング(焼き処理)を容易にするために、外皮を剥いだ(stripped)成熟した竜舌蘭の葉(「ピフィア:pifia」と称される)を、半分に、1/4に又はより細かくカットする。この加熱処理は、イヌリン及びデンプンのような複合糖を加水分解して、発酵が容易なグルコース及びフルクトースを取得するためのものである。糖は、主にエタノール生成をもたらし、多くの他の化合物がこの基質の発酵から生じる。ピフィアの加熱処理の結果として、主に、フラン類、ピラン類、アルデヒド類、窒素及び硫黄化合物などのメイラード関連化合物が生成される。最も豊富なメイラード化合物は、メチル-2-フロアート(methyl-2-furoate)、2,3-ジヒドロキシ-3,5-ジヒドロ-6-メチル-4(H)-ピラン-4-オン、及び5-ヒドロキシメチルフルフラールである。ピラジンもメイラード反応に由来する化学化合物の重要な基である。最も豊富に見出されるピラジンは、2,5-ジメチルピラジン及びトリメチルピラジンである。
【0006】
他の熱関連ブレイクダウン生成物はベーキング(焼き処理)ステップの間に生じる。短い及び長い炭素鎖の遊離脂肪酸が焼き処理したピフィアにおいて見出されており、おそらくアシルグリセロールの加水分解に起因する。β-シクロシトラール及びβ-ダマセノンはカロテノイドのデグラデーション生成物であると思われるが、その一方で4-メチル-5-(2-ヒドロキシエチル)-チアゾールは、アミノ酸チアミンのブレイクダウン生成物である。p-クレゾール及び4-エチルフェノールなどのフェノール類は、フェノール酸のブレイクダウン生成物である。
【0007】
一度、ピフィアが焼き処理されると、それらはシュレッドミル及びクラッシャに供され、そこで高い濃度の糖及び大多数の化合物を含む全てのシロップを放出する。結果として生じる竜舌蘭の汁液(mash)は、しばしば糖抽出を改善するために洗浄される。
【0008】
竜舌蘭の処理において、発酵が最も重要であり、かつ複雑な段階であることに疑いはない。100%竜舌蘭又は混合シロップ(mixto syrups)は、12~14°BRIX(糖の80~100g/L)に到着するまで水で希釈される。いくつかのプロセスは室温で実行されるが、発酵は、30℃に温度調節されたタンク(thermostatized tanks)内で実行される。室温はその年のシーズンに依存して変化し得る。発酵は、全体的に酵母の代謝に依存し、乳酸菌及び酢酸菌の代謝は少ない。多くの酵母のストレインは、竜舌蘭のマスト(発酵前/中の汁)内で見出されており、サッカロミセス・セレビシエ及びクロエケラ・アフリカーナが最も重要なものである。酵母は、炭水化物、アミノ酸、脂肪酸及び他の有機化合物を代謝して、それらをエタノール、グリセロール、二酸化炭素、そして「発酵バイプロダクト」、「コンジナー」と称される少量のアルデヒド、ケトン、高級アルコール、有機酸及びエステルに変換する。高級アルコールは、それらの麦芽の入ったような(malty)そして焦げた(burnt)風味に起因して「フーゼルアルコール」とも称され、ケト酸(2-オキソ酸)を介したアミノ酸の分解によって生成される。最も重要なものは、1-プロパノール、2-メチル-1-プロパノール、2-メチル-ブタノール、3-メチル-ブタノール及び2-フェニルエタノールであり、後者はバラに似た芳香を有する。酵母細胞内での脂肪酸の合成は、主に、4~18の偶数個の炭素原子を有する飽和直鎖脂肪酸を生じ、低いレベルでの奇数の炭素数を有する脂肪酸及び不飽和脂肪酸の出現は発酵条件に依存する。脂肪酸は、アルコールとエステルを形成するように結合させることができる。
【0009】
発酵は、30~35℃で18~24時間進行する。35℃の温度での処理は、30℃よりもより多い揮発性化合物を生成する。また、窒素源の添加は、使用される窒素源に依存して効果が異なるが、酵母による発酵の間の化合物の生成を変化させることが観察されている。20種のアミノ酸の混合物の添加によって、クロエケラ・アフリカーナのストレインであるKlは、より高いエタノール濃度をもたらすることができるし、その濃度に対する耐性を有するが、その一方で、いくつかのエステル、アルコール、アセトアルデヒド及びα-テルピネオールの生成が増加する。硫酸ナトリウム及びアミノ酸を添加したマスト内でサッカロミセス・セレビシエを使用した時には、アミルアルコール及びイソブタノールの濃度が減少する一方でプロパノール及びアセトアルデヒドが増加する。
【0010】
一度発酵が完了し、アルコール含有量が約15%v/vに到達すると、蒸留のための時になる。発酵した汁液(マッシュ)は、銅製又はステンレス鋼製のやかんの中で、アルコールが蒸発するように78~80℃で加熱される。蒸気は冷却したコイルの中で凝縮され、蒸留物が収集される。第1の蒸留物は、~25%v/vのアルコール濃度に到達し、~55%v/vのエタノールに到達するために精溜と称される第2の蒸留を必要とする。次に液体は、38~40%v/vのアルコールに水で調節される。大多数の化合物は揮発性であるため、それらは蒸留の間にエタノールと一緒に蒸発する。蒸留の間に、揮発物の異なるフラクションを分離するないしは「カット」することが可能である。初期カット(head cut)は、アセトアルデヒド及び酢酸エチルのような高い揮発性の化合物を含むが、その一方で終期カット(tail cut)は、長鎖脂肪酸のエチルエステルなどのより高い沸点の化学物を有する。これら両方の分画は望ましくないため、それらは中期カット(heart cut)から除去することができる。メタノールは、その低い沸点にもかかわらず終期分画において取得される。乳酸エチル、酢酸及びフルフラールも終期分画において蒸留される。イソブチル及びイソミルアルコールは、初期産物としての挙動を示し、n-プロピルアルコールはハート(カット)において見出され、フェニルエチルアルコールは終期産物としての挙動を示す。
【0011】
熱は、蒸留の間に化合物を生成する上で重要な役割を果たす。これによって、いくつかのブレイクダウン反応が行われて、アルデヒド、ケトン、フラン、硫黄化合物、ピラジン、及びフェノールの生成が行われる。
【0012】
エタノール含有量が水で40%に調節された精留蒸留物は、オーク樽の中で2ヶ月間~3年間熟成させることができる。アルデヒドは蒸発する、そして/又は、アセタールを生成する。木製樽の中での熟成によって、バニリン、グアヤコール、オイゲノール、クレゾール及び他のフェノール類などの揮発性化合物は、木材から蒸留物へ移動し、風味をまろやかにする。エチルエステルは発酵の間のみならず、熟成の間においても生成される。脂肪酸と高い濃度のエタノールのエステル化によって、エステルが後に熟成プロセスの間に生成され得ることが報告されている。
【0013】
上述の記載は、上述の引用文献において見出される。竜舌蘭抽出物及び/又はそれらから調製されたスピリッツの構成要素である広範囲にわたりかつ多様な化合物が同定されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0014】
【非特許文献1】Pedro A. Vazquez-Landaverde and Miriam G. Rodriguez-Olvera, ACS Symposium Series, Vol. 1104, Chapter 15, pp. 237-276
【非特許文献2】M. C. Qian and T. H. Shellhammer, ACS Symposium Series, Vol. 1104
【発明の概要】
【0015】
しかしながら、出願人の知るところでは、テキーラとして一般的に販売されている飲料又は竜舌蘭に由来するその他の飲料がMAO阻害活性を有することは、認識されていない。MAO阻害剤は、気分高揚剤、抗うつ剤、パーキンソン病を含む種々の他の病気の処方剤として使用することができることは既知であるので、これらの飲料のアルコールフリーの構成要素(複数)を含むノンアルコール性の「エネルギー飲料」は、これらの文脈において有用である。
上述のように、本発明は、竜舌蘭抽出物から調製されたスピリッツにおけるMAO阻害剤の存在の利点を採用する。MAO阻害剤は、初めから抽出物に存在するか、又は発酵の間に生成されるか、又は蒸留あるいは熟成の間に生成されるし、それらの組み合わせであり得る。特に、出願人は、これらの商業的に入手可能なスピリッツからアルコールを真空(バキューム)を施すことによって除去することはMAO阻害活性の少なくともいくらかを破壊することを示している。従って、本発明の組成物は、これらのスピリッツからこれらの揮発性の構成要素(components)を保存するプロセスによって調製されなければならない。これらのプロセスは、逆浸透処理、スピニングコーンカラム処理及び揮発性化合物を喪失させない他の方法を含む。
【0016】
従って、1つの視点において、本発明は、竜舌蘭由来のアルコール飲料を逆浸透処理又は他の揮発性の構成要素を保存するプロセスに供することによって調製される組成物に向けられる。1つの実施形態において、竜舌蘭由来のアルコール飲料は、ロイヒテンベルギア・プリンキピス(agave cactus)の幹を加熱して複合糖を加水分解すること;加熱した幹をシュレッド及びクラッシュしてシロップを放出させること;該シロップを水で12~14BRIXレベルまで希釈して、酵母を植菌すること;植菌した希釈シロップを発酵させて発酵産物を取得すること;及び発酵産物を蒸留して蒸留物(distillate)を取得すること;によって調製されている。
【0017】
また、本発明は、MAOの過剰活性によって特徴付けられる状態を処置する方法であって、そのような処置の必要がある被験者に対して有効量の本発明の組成物を投与する方法にも向けられる。これは、特に鬱病又はパーキンソン病の場合に適する。
【0018】
更に、本発明は、エタノールの存在下におけるMAO阻害活性をアッセイする方法に向けられる。有意な量のエタノールは、アッセイを妨げる。従って、アルコールの存在に関して考慮していない通常のアッセイは、誤解を生じさせる結果をもたらすだろう。
【0019】
つまり、他の視点において、本発明は、エタノールの存在下におけるMAO阻害剤に関してアッセイする方法に向けられ、該方法はニコチンアミドアデニンジヌクレオチド及びアルコールデヒドロゲナーゼをアッセイに加えることを含む。より詳細には、アッセイは、分析されるサンプルに、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド及びアルコールデヒドロゲナーゼと共に、基質-有効量(substrate-effective)のキヌラミンジヒドロブロミドを添加すること;MAO A又はMAO Bを添加すること;37℃でインキュベートすること;強塩基で反応を停止すること;及び310nmの励起波長及び405nmの発光波長で結果を評価することを含む。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】
図1は、通常の市販のアッセイキットによって評価した場合の、様々な熟成度合いにおけるテキーラ内のMAO阻害活性の評価の結果を示す。
【0021】
【
図2】
図2は、キヌラミンを基質として使用した、種々のテキーラのブランド及び熟成度のMAO阻害活性の評価の結果を示す。
【0022】
【
図3】
図3は、種々のフラクションへのテキーラの分画の後の、キヌラミンを基質として用いたMAO阻害アッセイの結果を示す。
【0023】
【
図4】
図4は、キヌラミンアッセイに基づく種々のカラムフラクションのMAO阻害活性を示すグラフである。
【0024】
【
図5】
図5は、逆浸透処理に供したテキーラのサンプルにおけるMAO阻害アッセイの結果を示し、濃縮物における活性とろ過液における活性とを比較する。
【発明を実施するための形態】
【0025】
竜舌蘭植物の抽出物から作られたアルコール飲料のノンアルコール形態は、本発明の主題である。これらのアルコール飲料は、プルケ、テキーラ、メスカル、ソトル(sotol)、バカノラ又は竜舌蘭植物由来の糖から作られた他の発酵物を含む。本発明において、アルコールは、他の揮発性化合物が保持される条件下で除去されている。
【0026】
これらの組成物は、モノアミンオキシダーゼ(MAO)阻害性の特性を有し、気分高揚剤、抗うつ剤としての使用に関して有用であり、又は、パーキンソン病などのある種の病気(複数)の処置に有用である。本発明は、異なる抽出物を等級(グレード)付け及び調製、又は混合して、アルコールの存在下におけるMAO活性を評価することによって、エネルギー飲料及び/又は気分高揚剤として使用するための、所望の生理学的刺激物又は抗うつ剤の効果を選択する方法にも関連する。本発明の等級付け/評価ツールとしての視点において、異なる竜舌蘭ベースの飲料が、MAO、A+Bの各形態に関して、モノアミンオキシダーゼ(MAO)阻害のレーティング(rating)を受け、それは、阻害剤が存在しないコントロールに対する相対的なパーセント阻害として表現される。メスカル、テキーラ、バカノラ、ソトル及びプルケに関するレーティングの例は、実施例6に示される。実施例7は、逆浸透処理によって取得したフラクションを解析した場合の同様の結果を示す。
【0027】
本願に示すように、種々の竜舌蘭由来の飲料を、それらのMAO A及びMAO B阻害剤の含有量に関して直接的に解析することができる。これは、特定の飲料に関する結果をラベル表記に含ませ得るような、レーティングシステムを可能にする。例えば、種々の飲料は、同一の飲料の他のブランドとの比較においてそれらの含有量に基づくスケールの上でランク付けすることができるだろう。MAO A及びMAO Bの両方の阻害剤の組み合わせに関するもの、又は各々の個々に関するものであり得る。従って、1~10のスケール(10が最良のレーティングであり、そして1が最悪のレーティングである)に関して、同一のアッセイにおいてライバルブランドによって示される40%阻害と比較したMAO Aの80%阻害を示す飲料には、9vs5(より低い活性の飲料について)が与えられ得る。特定のスケールでの阻害の相関関係は、消費者に有益な情報をもたらすように設定され得る。もちろん、使用されるスケール又は選択されるレーティングは、1~10である必要は無く、A~Fなどの恣意的に選択され得るいずれかの他のスケールであり得る。
【0028】
パーセント阻害を測定するために使用されるMAOアッセイにおいては、高い濃度のエタノールを有するサンプルが容認される。本発明のアッセイ方法は、MAO活性の阻害を正確に測定することが必要であり、等級付けされる目的のサンプルの主要な構成要素である40%を上回るエタノールを有するサンプルが許容(tolerate)されなければならない。蒸留した竜舌蘭スピリッツが典型的に有するアルコールの範囲は、プルケの6%からいくつかのテキーラ及びメスカルの約60%までであるが、より一般的に出くわすサンプルは40%アルコール(80プルーフ)を有するであろう。竜舌蘭ベースの飲料に由来するMAO阻害剤のいくつか(ただし、全てでは無い)の揮発性に起因して、減圧下において又は大気圧における蒸留によってサンプルからエタノールを蒸発させないことが特に重要である。
【0029】
本発明の組成物は、食品補助・添加物(supplement)として使用すること及び/又は食品あるいは医薬品に含ませること、又は鬱病、パーキンソン病又は全身倦怠感を処置することに使用することができる。組成物は、コーヒー又は脱カフェイン製品の付属物又は置換物としても使用することができる。組成物は、医薬的に又は栄養学的に許容可能な2以上の担体、賦形剤及び/又は希釈液と混合することもできる。従って、一般的には、本発明の組成物は、コーラ又はフルーツフレーバーのソーダなど、ジュース又は他のソフトドリンクに含まれ得るし、又は直接的に消費することができる。組成物は、例えばサラダドレッシングのような調理されていない液状物などの食品にも含ませることができ、サラダの固体の構成要素と一緒に消費されることができる。消費される又は被験者に対して投与される組成物の量は、処置される状態の性質、並びに組成物それ自身において決定されたMAO阻害剤の濃度に高く依存する。種々の医療上の指示に関する有用なMAO阻害剤のレベルは、本発明の技術分野において知られているし、そしてこれらのガイドラインに従うことができる。食品補助・添加物としての使用に関しては、これは栄養士又は他の医師の判断次第である。
【0030】
従って、本発明は、所望の生理学的な効果を有するのに有効な量の本発明の組成物を含む食品及び飲料を含む。
【0031】
飲料出発材料からエタノールを除去する1つの成功裏の方法は、逆浸透処理(reverse osmosis:RO)である。100ダルトンの分子量カットオフを有するROメンブレンは、微生物によって生成されるか又は蒸留の間に生成されるMAOの阻害剤、又は出発材料において自然に生じ得る阻害剤からエタノールを分離する。MAO阻害剤の単離は、減圧又は蒸留を使用しないで達成される。従って、本発明の組成物は、最終の所望のエタノール濃度に依存して、例えば、0.75リットルのテキーラ(又は他の蒸留した竜舌蘭飲料)を7.5~75リットルの体積まで蒸留水で希釈することによって調製することができる。例えば、80プルーフ(体積で40%アルコール)の0.75リットルのテキーラは、7.5リットルまで希釈され、その点において希釈した材料は体積で4%アルコールである。希釈したテキーラは、~100ダルトンの分子量カットオフを有するメンブレン(Tangent Membranes, Inc., RO MINI)を装着した逆浸透ユニットの中を循環させられ、ここで希釈した材料は0.75リットルの体積まで濃縮して戻される。更なるエタノールの減少は、材料を再度7.5リットルに又はより大きく希釈し、そしてROユニットを介した循環を継続することによって達成される。本発明のエネルギー飲料などの組成物の生成のために、希釈及びその後の循環は、産物がノンアルコール性であると認められるまで継続することができる。その際に活性なMAO阻害剤は、ノンアルコール性の部分である濃縮物に含まれ、そして所望であればビタミン、無機質、アミノ酸、タンパク質又はカフェインを添加することができ、そして上記のように他の食品又は飲料調製物に含ませることができる。
【0032】
本発明の組成物の生成において、いくつかのMAO阻害剤が揮発性化合物であり、そして、例えば、加熱蒸留によって又は減圧下で組成物がエタノールの蒸発によって生成される場合には、必要不可欠なMAO阻害剤のロスが生じることは重要な視点である。
【0033】
以下の実施例は、例示のために提供され、本発明を限定するものではない。
【0034】
実施例1
商業的に利用可能なアッセイを使用した種々のテキーラのアッセイ
異なる商業的に利用可能なテキーラ又はメスカルのテストサンプルであるS1、S1DW、S2及びS3に対して、市販のMAO活性キットを採用した。キットは、シグマ-アルドリッチから購入した(Cat. No. MAK136 Monoamine oxidase activity kit)。該キットは既知のMAO阻害剤化合物であるクロルジリン及びパージリンをコントロールとして、そしてチラミンを酵素基質として含む。ホースラディッシュペルオキシダーゼもこのキットに含まれ、包含ラベルであるAmplex(登録商標) redと反応するためにチラミンの酸化から生成される過酸化水素と相互作用する。MAO A及び/又はBの作用は蛍光発光として結果的に生じるイベントのカスケードをもたらす。S1及びS3はテキーラであり、S1はS3の熟成バージョンであり、S1DWはアルゴンの流れの下での乾燥後に蒸留水で再構成させたS1のサンプルである。S2はメスカルのサンプルであり、青色竜舌蘭以外の竜舌蘭のバージョンから生成されたものである。DWは蒸留水である。蛍光データは、バッファコントロール(阻害剤無し)に対して相対的なパーセント阻害に関して計算される。既知のMAO Aの阻害剤であるクロルジリン及び既知のMAO Bの阻害剤であるパージリンはコントロールとして含まれる。
図1に示すようにMAO A又はBの選択的な阻害がサンプルに依存して達成される。
【0035】
実施例2
キヌラミンのみのアッセイを使用しての種々のテキーラのテスト
この実施例においては、キヌラミンのみが基質かつアッセイラベルである異なるアッセイが使用される。このアッセイは、キヌラミンをMAO基質として使用し、そしてそれは、MAO A及びBの両方の基質である。つまり、ペルオキシダーゼに対する影響及びスペクトル干渉が除かれているので、より望ましい方法である。キヌラミンの酸化は、360nm及び320nmにおけるOD変化を生じる。産物も蛍光物質であり、320nmの励起波長での400nmの発光輝度の増加によって検出することができる。
【0036】
アッセイは、クリアなポリスチレン96-ウェルプレートにおいて、以下のプロトコルに従ってセットアップした:ウェルにリン酸バッファ(205μl/100mM/pH7.2)、次に、20μlの各抽出サンプル、そして10μMのコントロール阻害剤であるクロルジリン(MAO Aに関して)及びパージリン(MAO Bに関して)を加えた。組み換えヒトMAO A及びMAO B(0.5mg/mlのタンパク質)をコーニング(登録商標)から購入し、そして各アッセイに3μgのこのタンパク質を供給した。いくつかのアッセイを、同様にコ―ニング(登録商標)から供給されるコントロールとしてのヌル(null)タンパク質で実行した。阻害剤(単数又は複数)、バッファ及びタンパク質は、37℃にセットしたパワーウェーブ(商標)光学密度読取プレートリーダーにおいて10分間プレインキュベートできるようにした。次にキヌラミン基質を、各ウェルに加え、そしてプレートを37℃で30分間更にインキュベートした。プレートをOD360nmで読み、0分から30分までの吸光度における変化を計算して、%阻害に変換した。サンプルS40、S41、S42は、それぞれブランコ(blanco)、レポサド(reposado)、アネホ(anejo)であり、熟成の0、1及び2ステージにおける同一の製造者由来のテキーラである。S1、S3は、実施例1と同様にテキーラであり及びS2はメスカルである。パーセント阻害は、0分~30分の360nmにおける光学密度の変化から計算される。
【0037】
結果は、
図2に示される。
(40%エタノールを含むサンプル(DJ1942)として使用した1つのテキーラは、アルコールデヒドロゲナーゼ及びNAD無しでアッセイに対する干渉効果に関してテストし、干渉を示した。)
【0038】
実施例3
熟成の影響
キヌラミンアッセイを、3つの異なる熟成度(0、1、2ステージ)のテキーラ、S40、S41、S42をテストすることに使用し、これらのサンプルの水抽出物及びメチレンクロリド抽出物を比較した。熟成したテキーラは、
図3に示すように、より若い蒸留物に対して増加したMAO阻害性活性を示す。
【0039】
実施例4
MAO阻害活性の分画化
テキーラ(1750ml)を脱イオン水で5000mlまで希釈して、3つのポーションに分画し、そして各ポーションをジクロロメタン(4×100ml)で抽出した。抽出物を、組み合わせて脱イオン水(2×100ml)で洗浄し、そして無水硫酸ナトリウム上で乾燥させた。サンプルは回転蒸発器を使用する溶媒の蒸発乾燥によって10mlの体積まで減量させ、次に乾燥シリカを加えて溶媒を室温で除去した。サンプル-吸着シリカを50mlのベッド量のシリカカラムに乾式でロードし、ヘキサン:酢酸エチルのステップ勾配(100%ヘキサン、90:10、80:20、70:30、60:40、50:50、40:60、30:70、20:80、10:90、100%酢酸エチル)を実行した。カラムから7ml流出する毎にフラクションを収集した。サンプルは、以下のようにアッセイした。
【0040】
A及びBに関するMAOアッセイは、黒いThermo Scientific(商標)96-ウェルプレート(#7205)にセットアップし、各アッセイはDMSO中に溶解した1μlのサンプル、87μlの100mMリン酸カリウムバッファ(pH7.4)、3μlの0.75mMキヌラミンのストック溶液を含む。DMSO単独を有するコントロールのセット(0阻害剤)、1μlの50μMクロルジリンDMSO溶液(MAO A阻害コントロールとして)、そして1μlの50μMパージリンDMSO溶液(MAO B阻害コントロールとして)、を各プレートに加えた。アッセイを最適化するときに、タンパク質無しのセットをしばしばプレートに含ませた。
【0041】
各アッセイそれぞれに関して、9μlのバッファに溶解した750ngのタンパク質の量で、組み換えヒトMAO A及びMAO B(コーニング(登録商標)、SUPERSOMES(商標))を、ウェルに加えた。
【0042】
プレートを37℃で30分間インキュベートして、次に、100μlの2N NaOHを各ウェルに加えた。プレートは、励起波長310nm及び発光波長405nmで蛍光分光光度計において読んだ。
【0043】
カラムフラクションにおける阻害活性を同定するために、25μlの各フラクションを1.5mlのマイクロ遠心チューブの中に注ぎ、Savant(商標)SpeedVac(商標)において乾燥状態まで蒸発させた。DMSO(5μl)を各チューブに加え、1μlを上記の方法に従ってMAO A及びBの阻害活性に関してアッセイした。
図4は、収集したフラクションにわたるMAO A及びB阻害活性を示す。
【0044】
顕著なMAO阻害がフラクション6~13において見出される。
【0045】
実施例5
MAO阻害剤を含む油の調製
テキーラ(100ml)を脱イオン水で200mlに希釈し、そしてジクロロメタン(3×50ml)で抽出した。抽出物を組み合わせて、無水硫酸ナトリウムのカラムを通過させた。溶媒を回転蒸発器を使用して蒸発させて、30mgの油分を取得した。この油分のサンプルは、MAO Aを75%まで、MAO Bを87%まで阻害した。
【0046】
テキーラ(100ml)を脱イオン水で200mlに希釈し、ジクロロメタン(3×50ml)で抽出した。抽出物を組み合わせて、無水硫酸ナトリウムのカラムを通過させた。70℃の水浴で温めたKuderna Danish装置において蒸発乾燥によって溶媒を除去して、結果的に17mgの油を生じさせた。油のサンプルは、55%MAO A阻害及び88%MAO B阻害を示した。
【0047】
実施例6
種々のテキーラ サンプルそれ自体のアッセイ
上述のように、MAO阻害活性を有するサンプルは減圧下において蒸発させてはならず、さもなくば化合物はエタノールと一緒に蒸発するだろう。つまり、MAO阻害化合物の損失を減少させるため、及び、解析される生成物のMAO阻害活性を正確に等級付けするために、サンプルはエタノールの蒸発乾燥なしでアッセイするべきである。アッセイは、黒いThermo Scientific(商標)96-ウェルプレート(#7205)において以下のようにセットアップした。
【0048】
各アッセイは、5μlのサンプル、0.975μgのキヌラミンジヒドロブロミド、0.75μモルのニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD)を、93μlの総体積中に、100mMリン酸緩衝生理食塩水(pH7.4)と共に含んだ。
【0049】
アルコールデヒドロゲナーゼを0.25ユニット/mlに希釈して、3μlをウェルに加えた。プレートを25~37℃で15分間インキュベートした。
【0050】
5mg/mlで供給されるヒト組み換えMAO A及びB(コ―ニング)を、20μlずつにバイアル中に分注し、アッセイのために246μlのバッファで希釈し、次に4μlの各MAOをそのウェルの各々に加えた。
【0051】
プレートを37℃で30分間インキュベートして、2N NaOH(100μl)を加え、プレートを励起波長310nm及び発光波長405nmで読んだ。
【0052】
このアッセイを使用して、種々のテキーラサンプルをテストした。結果は表1に示される。
表1
種々の竜舌蘭由来の飲料の評価
【0053】
実施例7
逆浸透処理(RO)の影響
~100mwcoフィルタに張り付けたTangent Membranes, Inc.社のROミニを使用して、MAO阻害化合物を保持しつつテキーラからのエタノールを分離した。ここでは、1.5リットルのアネホテキーラ(DJA)を蒸留水で15リットルに希釈して、体積が1.5リットルに減量して戻るまでROミニの中を循環させた。10、20、30及び40μlの濃縮したサンプル及びろ過液のMAO阻害活性を評価した(
図5)。
【0054】
図5に示すように、濃縮物はMAO A及びB阻害剤を保持したが、その一方で、MAO阻害剤はろ過液には存在せず、希釈したサンプルからのエタノール及び水のみを含んだ。
【0055】
表2は、種々の飲料、並びに、希釈したテキーラ出発材料(希釈したROコントロールとしてラベルされる)、第1RO濃縮物、第2RO濃縮物、第1ROろ過液及び第2ROろ過液に関する結果を示す。MAO阻害アッセイにおいて、ろ過液はほとんど阻害活性を有さないことを示し、その一方でほとんどの活性が濃縮物に残る。
表2
なお本発明は、以下の好ましい形態のようにも記載される。
(形態1)
エタノール以外の揮発性化合物を保持する処理によって竜舌蘭に由来するアルコール飲料からエタノールを除去して調製されるモノアミンオキシダーゼ(MAO)阻害性化合物を含む組成物。
(形態2)
アルコール飲料が蒸留物であることを特徴とする形態1に記載の組成物。
(形態3)
前記処理が逆浸透処理であることを特徴とする形態1に記載の組成物。
(形態4)
アルコール飲料が、以下のステップによって調製された蒸留物であることを特徴とする形態1に記載の組成物:
a)ロイヒテンベルギア・プリンキピスの幹を加熱して複合糖を加水分解するステップ;b)加熱した幹をシュレッド及びクラッシュしてシロップを放出させるステップ;
c)前記シロップを水で12-14BRIXレベルまで希釈して、酵母を植菌するステップ;
d)植菌した希釈シロップを発酵させて発酵産物を取得するステップ;及び
e)発酵産物を蒸留して蒸留物を取得するステップ。
(形態5)
ステップa)がオートクレーブ処理によって実行されることを特徴とする形態4に記載の組成物。
(形態6)
ステップb)がシュレッドミル及びクラッシャにおいて実行されることを特徴とする形態4に記載の組成物。
(形態7)
ステップd)のプロセスが、サッカロミセス・セレビシエ及びクロエケラ・アフリカーナの存在下において、室温と30℃の間での発酵を含むことを特徴とする形態4に記載の組成物。
(形態8)
蒸留物が少なくとも38-40%v/vのエタノール濃度に到達するまで、ステップe)が実行されることを特徴とする形態4に記載の組成物。
(形態9)
形態1に記載の組成物を含む食品又は飲料。
(形態10)
形態2に記載の組成物を含む食品又は飲料。
(形態11)
モノアミンオキシダーゼ(MAO)の過剰活性によって特徴付けられる状態を処置する方法であって、
そのような処置の必要がある被験者に対して、有効量の形態1に記載の組成物を投与することを含む方法。
(形態12)
前記状態が、鬱病又はパーキンソン病であることを特徴とする形態11に記載の方法。
(形態13)
モノアミンオキシダーゼ(MAO)の過剰活性によって特徴付けられる状態を処置する方法であって、
そのような処置の必要がある被験者に対して、有効量の形態9に記載の食品又は飲料を投与することを含む方法。
(形態14)
エタノール存在下でのMAO阻害剤についてアッセイする方法であって、
前記アッセイにおいてアルコールデヒドロゲナーゼ及びNADを含む方法。
(形態15)
以下のステップを含むことを特徴とする形態14に記載の方法:
a)解析されるサンプルに対して、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド及びアルコールデヒドロゲナーゼと共に、基質有効量のキヌラミンジヒドロブロミドを添加するステップ;
b)MAO A及び/又はMAO Bを添加するステップ;
c)37℃でインキュベートするステップ;
d)強塩基で反応を停止するステップ;及び
e)310nmの励起波長及び405nmの発光波長で結果を評価するステップ。
(形態16)
竜舌蘭由来のアルコール飲料に関するレーティングシステムであって、
各飲料が、そのMAO A阻害剤又はMAO B阻害剤、あるいはその両方の含有量に基づいて、品質のスケール上の位置に位置付けられるシステム。
【手続補正書】
【提出日】2023-02-08
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
竜舌蘭由来のアルコール飲料に関するレーティング方法であって、
各飲料を、そのモノアミンオキシダーゼ(MAO)A阻害剤又はMAO B阻害剤、あるいはその両方の含有量に基づいて、品質のスケール上の位置に位置付けるステップを含み、
エタノールを含む飲料に適用されるレーティング方法。
【請求項2】
チラミンを含むMAO阻害剤に関するアッセイを使用して、MAO阻害剤に関してエタノールを含む飲料をアッセイする、
請求項1に記載のレーティング方法。
【請求項3】
MAO阻害剤に関するアッセイが、ホースラディッシュペルオキシダーゼ及びAmplex(登録商標) redを更に含む、請求項2に記載のレーティング方法。
【請求項4】
キヌラミンを含むMAO阻害剤に関するアッセイを使用して、MAO阻害剤に関してエタノールを含む飲料をアッセイするステップを含む、請求項1に記載のレーティング方法。
【請求項5】
MAO阻害剤に関するアッセイが、アルコールデヒドロゲナーゼ及びニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD)を更に含む、請求項4に記載のレーティング方法。
【請求項6】
MAO阻害剤に関するアッセイが、以下のステップを含む請求項5に記載のレーティング方法、
a)解析されるサンプルに対して、アルコールデヒドロゲナーゼ及びNADと共に基質有効量のキヌラミンジヒドロブロミドを添加すること、
b)MAO A及び/又はMAO Bを添加すること
c)37℃でインキュベートすること、
d)強塩基で反応を停止すること、及び
e)310nmの励起波長及び405nmの発光波長で結果を評価すること。
【請求項7】
各飲料の品質がMAO A阻害剤の単独の含有量に基づいて位置付けられる、請求項1~6のいずれか1項に記載のレーティング方法。
【請求項8】
各飲料の品質がMAO B阻害剤の単独の含有量に基づいて位置づけられる、請求項1~6のいずれか1項に記載のレーティング方法
【請求項9】
各飲料の品質がMAO A及びMAO B阻害剤の両方の含有量に基づいて 位置づけられる、請求項1~6のいずれか1項に記載のレーティング方法。