(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023052350
(43)【公開日】2023-04-11
(54)【発明の名称】HfN膜
(51)【国際特許分類】
H01L 21/31 20060101AFI20230404BHJP
H01L 21/318 20060101ALI20230404BHJP
C23C 16/34 20060101ALI20230404BHJP
【FI】
H01L21/31 B
H01L21/318 B
C23C16/34
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023002902
(22)【出願日】2023-01-12
(62)【分割の表示】P 2020126879の分割
【原出願日】2016-04-14
(71)【出願人】
【識別番号】591277382
【氏名又は名称】株式会社渡辺商行
(74)【代理人】
【識別番号】100088096
【弁理士】
【氏名又は名称】福森 久夫
(72)【発明者】
【氏名】都田 昌之
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 善和
(72)【発明者】
【氏名】梅田 優
(72)【発明者】
【氏名】楠原 昌樹
(57)【要約】 (修正有)
【課題】原料ガスと薄膜生成原料が反応容器で反応し、安定的な原料供給が可能であり、かつ、長期使用が可能なHfN膜の製造方法及びHfN膜を提供する。
【解決手段】気化器11で気化したキャリアガスを配管14を経由して供給すると共にキャリアガスをノズル表面15bに対向配置された被成膜基板Pへと噴射するシャワーノズル15を備え、シャワーノズルを配管の導入口14aを中心として拡開する外壁15aと、外壁の拡開端部から立ち上がる周壁15cと、周壁の端部を覆うノズル表面とを含む成膜装置を用いるHfN膜の製造方法であって、反応ガスNH
3を直接反応容器13に供給するように反応ガス供給口16を設け、サセプタの上にウエハを搭載し、原料ガスTEMAHの流量が0.2CCM、反応容器の圧力4Torrにおいてサセプタの温度が250℃以上270℃以下の範囲であり、反応ガスの流量を9.0CCM以上15.0CCM以下の範囲とする。
【選択図】
図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
気化器で気化された原料ガスが配管を経由して供給されると共にその原料ガスをノズル
表面に対向配置された被成膜基板へと噴射するシャワーノズルを備え、
前記シャワーノズルを、前記配管の導入口を中心として拡開する外壁と、該外壁の拡開端
部から立ち上がる周壁と、該周壁の端部を覆うノズル表面とで構成した成膜装置を用いるHfN膜の製造方法であって、
反応ガスを直接、反応チャンバーに供給するようにガス供給口を設け、
サセプタの上に、ウエハが搭載され、
原料ガスTEMAHの流量が、0.2CCM、
反応チャンバーの圧力4Torrにおいて、
サセプタの温度が、250℃以上、270℃以下の範囲であり、
反応ガスNH3の流量が、9.0CCM以上、15.0CCM以下の範囲とすることを
特徴とするHfN膜の製造方法。
【請求項2】
N/Hfが、0.734以上から、0.757以下の範囲であり、
酸素濃度が、2,5atomic%以下であることを特徴とするHfN膜。
【請求項3】
前記HfN膜は、膜中酸素濃度が、経過日数10日後にて、変動幅が0.01atomic%以下であることを特徴とする請求項2記載のHfN膜。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、HfN膜の製造方法およびHfN膜に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、電子デバイスの分野においては、回路の高密度化と共に電子デバイスの一層の小型化および高性能化が望まれており、電子部品に用いられる誘電体材料などの薄膜化が望まれている。このような材料を薄膜化する一つの方法として、CVD法がある。
このCVD法は、PVD法、ゾルゲル法、その他の成膜法に比べて成膜速度が大きく、多層薄膜の製造が容易であるなどの特徴を有している。また、MOCVD法は、有機物を含む化合物を原料として用いるCVD法であり、安全性が高く、膜中のハロゲン化物の混入がないなどの利点を有する。
【0003】
MOCVD法に用いられる原料は、一般的に固体粉末あるいは液体であり、これらの原料を容器に入れ、一般的に減圧中で加熱して原料を気化させ、キャリアガスによって成膜チャンバー内に送り込んでいる。
【0004】
図12は、このようなMOCVD法に用いられる薄膜成膜装置の概略の説明図である。
図12において、31は気化器、32は燃焼室、33は反応容器、34は配管、35は略円錐状のシャワーノズルである。
【0005】
気化器1は、例えば、Heガスで加圧された複数種類(Ba、Sr、Ti)の液体原料を所望の
比率で混合した混合原料が一定速度で輸送されてその流量制御された原料を気化する。その気化条件は、設定温度が250℃、気化圧力が2kPaとした。気化器1で気化された原料ガスはキャリアガスのArと混合され、250~260℃に加熱された配管を経由して燃焼室32に導入される。
【0006】
燃焼室32では、酸素と原料ガスとが混合され、所望の温度に設定された細管を通りながら加熱される構造になっている。燃焼室32を出た原料ガスは260~270℃に加熱された配管34及びシャワーノズル5を通って、反応容器33内に導入される。燃焼室32内では、原料ガス中の有機溶媒の少なくとも一部が燃焼する温度に設定する。
【0007】
シャワーノズル35は、必要に応じてその内部で原料ガスに酸素を混合することが可能である。シャワーノズル35に所定間隔を存して対向配置された誘電体膜を成膜する被成膜基板Pは窒化アルミニウム製のサセプタ36上に置かれ、ヒータ37によって加熱される。サセプタ36には熱電対が取り付けられており、熱電対指示値による帰還制御及び、ヒータ37への投入電力による温度制御が可能である。
【0008】
気化器31で気化された原料ガスは、燃焼室32内で混合され、シャワーノズル35を通して反応容器33内に導入され、被成膜基板Pに誘電体膜が成膜される。
【0009】
上記のMOCVD装置で窒化膜、例えばHfN膜等の薄膜を形成するには、反応チャンバー(リアクター)上流の気化管から原料ガスとしてアンモニア(NH3)等を添加する成膜方法をとっていた。しかし、原料ガスであるアンモニア(NH3)と薄膜生成原料が反応チャンバーとなる反応容器でうまく反応せず、成膜できないことが問題となっていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2000-216150
【特許文献2】特開2005-072196
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
このような状況で、HfN膜等を成膜する技術は確立されていないのが現状であり、HfN膜等が製品として成膜できる製造方法及びHfN膜の出現が望まれていた。
【0012】
本発明は、HfN膜を成膜することができるように、原料ガスと薄膜生成原料が反応チャンバーとなる反応容器で反応し、反応部への安定的な原料供給が可能であり、また長期使用が可能であるHfN膜の製造方法およびHfN膜を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の請求項1に係るHfN膜の製造方法は、気化器で気化された原料ガスが配管を経由して供給されると共にその原料ガスをノズル表面に対向配置された被成膜基板へと噴射するシャワーノズルを備え、前記シャワーノズルを、前記配管の導入口を中心として拡開する外壁と、該外壁の拡開端部から立ち上がる周壁と、該周壁の端部を覆うノズル表面とで構成した成膜装置であって、反応ガスを直接、反応チャンバーに供給するようにガス供給口を設け、サセプタの上に、ウエハが搭載され、サセプタの温度が、250℃以上から、270℃以下の範囲であり、原料ガスTEMAHの流量が、0.2CCM、
反応チャンバーの圧力4Torr,反応ガスNH3流量が、9.0CCM以上、15.0CCM以下の範囲とすることを特徴とするHfN膜の製造方法である。
【0014】
サセプタの温度が、250℃未満であると、成膜時に、熱分解が行われないので、膜質が悪くなる不具合が発生し、サセプタの温度が、270℃を超えると、成膜レートが低下する不具合が発生する。また、反応ガスNH3流量が、9.0CCM未満であると、HfN膜中での酸素濃度が上昇する事、およびHfN膜中の酸素濃度の経過日数によって酸素濃度が上昇する不具合が発生し、反応ガスNH3流量が、15.0CCMを超えると、HfN膜中の酸素濃度の経過日数によって酸素濃度が上昇する不具合が発生する。
【0015】
本発明の請求項2に係るHfN膜は、N/Hfが、0.734以上から、0.757以下の範囲であり、酸素濃度が、2,5atomic%以下であることを特徴とするHfN膜である。
【0016】
本発明の請求項3に係るHfN膜は、前記HfN膜が、膜中酸素濃度が、経過日数10日後にて、変動幅が0.01atomic%以下であることを特徴とする請求項2記載のHfN膜である。
【発明の効果】
【0017】
本発明の請求項1によるHfN膜の製造方法によれば、HfN膜中の酸素濃度を減少させた、また、酸素濃度の経過日数による増加を抑えた、HfN膜の製造方法を提供できる。
【0018】
本発明の請求項2,3によるHfN膜によれば、HfN膜中の酸素濃度を減少させた、また、酸素濃度の経過日数による増加を抑えたHfN膜を提供できる。
【0019】
本発明によれば、HfN膜を成膜することができるように、原料ガスと薄膜生成原料が反応チャンバーとなる反応容器で反応し、反応部への安定的な原料供給が可能であり、また長期使用が可能であるHfN膜の製造方法およびHfN膜を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】実施例のHfN膜の製造における、仮想成膜レートと、NH
3流量との関係の図。
【
図2】実施例のHfN膜の製造における、HfN膜中の酸素量と、経過日数との関係の図。
【
図3】実施例のHfN膜の製造における、XRF分析強度と、NH
3流量との関係の図。
【
図4】実施例のHfN膜の製造における、仮想成膜レートと、NH
3流量との関係の図。
【
図5】実施例のHfN膜の製造における、サセプタ温度260℃における、XRF分析強度と、NH
3流量との関係の図。
【
図6】実施例のHfN膜の製造における、サセプタ温度260℃における、HfN膜中の酸素量と、経過日数との関係の図。
【
図7】実施例のHfN膜の製造における、仮想成膜レートと、サセプタ温度との関係の図。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明の実施の形態によるHfN膜の製造方法は、気化器で気化された原料ガスが配管を経由して供給されると共にその原料ガスをノズル表面に対向配置された被成膜基板へと噴射するシャワーノズルを備え、前記シャワーノズルを、前記配管の導入口を中心として拡開する外壁と、該外壁の拡開端部から立ち上がる周壁と、該周壁の端部を覆うノズル表面とで構成した成膜装置を用いるHfN膜の製造方法であって、反応ガスを直接、反応チャンバーに供給するようにガス供給口を設け、サセプタの上に、ウエハが搭載され、原料ガスTEMAHの流量が、0.2CCM、反応チャンバーの圧力4Torrにおいて、
サセプタの温度が、250℃以上、270℃以下の範囲であり、反応ガスNH3の流量が、9.0CCM以上、15.0CCM以下の範囲とすることを特徴とするHfN膜の製造方法である。
【0022】
本発明の実施の形態によるHfN膜は、N/Hfが、0.734以上から、0.757以下の範囲であり、酸素濃度が、2,5atomic%以下であることを特徴とするHfN膜である。前記HfN膜は、膜中酸素濃度が、経過日数10日後にて、変動幅が0.01atomic%以下であることを特徴とする。
【実施例0023】
(実施例1)
(成膜装置)
図8に、本実施例のMOCVD法に用いられる薄膜成膜装置を示す。
図8(A)において、11は気化器、12はヒータ、13は反応容器、14は配管、15は略円錐状のシャワーノズル、16は反応ガスを直接、反応容器(反応チャンバー)に供給するためのガス供給口、17はヒータである。
【0024】
シャワーノズル15は、必要に応じてその内部で原料ガスに酸素を混合することが可能である。シャワーノズル15には、反応容器13内に配置された誘電体膜を成膜するための被成膜基板Pが所定間隔を存して対向されている。また、シャワーノズル15には、その中心から拡開する外壁15aとノズル表面15bとの間に周壁15cが一体に設けられている。
【0025】
この周壁15cは、外壁15aとノズル表面15bとの距離を確保するためのもので、ノズル表面15bの中央付近と端部付近との原料ガスの流速差を小さくすることができる。なお、周壁15cの高さhは、シャワーノズル15の最大高さ、即ち、配管14の導入口14aからノズル表面15bの中心までの高さHの半分以上(h>H/2)とすることが好ましい。
【0026】
これにより、気化器11で気化されたキャリアガスがシャワーノズル15を通して反応容器13内に導入する際、ノズル表面15bの中央付近と端部付近との原料ガスの流速差が緩和され、ノズル表面15bから反応容器13内に導入される際の圧力差を緩和し(図の矢印の長さで示す)、略均一な誘電体膜を被成膜基板Pに成膜することができる。
【0027】
ところで、上記実施例では、配管14にシャワーノズル15が一体に連続するようなものを開示したが、例えば、
図3(B)に示すように、配管14の先端よりも上方でシャワーノズル15が接続されたものでも良い。
【0028】
(原料ガス、反応ガス)
窒化ハフニウム(HfN)薄膜を作成には、TEMAH(Hf[NCH3C2H5]4、テトラキスメチルエチルアミノハフニウム)とECH(エピクロロヒドリン(C3H5ClO))を原料溶液とする。
薄膜原料のTEMHA,ECHとECHについて、キャリアガスはAr、N2等とする。
反応ガスは、アンモニア(NH3)の他に、例えば、O3、H2+N2、O2、H2S、CO、N2等である。
反応ガスは、キャリアガスAr又はN2で希釈して供給する。
膜の化学量論比を満たすような割合で反応性ガス(アンモニアガス等)と原料溶液を調整する。
窒化ハフニウム(HfN)の他、窒化アルミニウム(AlN)、酸化ハフニウム(HfO)、窒化ニオブ(Nb3N5)の薄膜を作成する場合は、原料溶液を適宜変更する。
【0029】
(シャワーヘッド)
図11に本例に係る薄膜成膜装置で用いるシャワーヘッドを示す。
反応容器13(反応チャンバー)に設けられたシャワーヘッド41は、シャワーノズル42とシャワープレート43から構成されている。
反応ガスを直接、反応容器13(反応チャンバー)に供給するガス供給口16は、シャワーヘッド41に設けられている。
シャワープレート43に、原料ガスの流路とアンモニアガス等の流路が別々に形成されている。
この構成は、基板到達前に、原料ガスが反応ガスであるアンモニアガスなどとシャワープレートの上流では両者が混合しないようにする手段である。
また、シャワーヘッド41内に原料ガス及び反応ガスの供給通路を冷却するための手段を有している。
【0030】
(気化器)
図8、
図9に、本例に係る気化器を示す。
本例の気化器では、分散部を構成する分散部本体1の内部に形成されたガス通路2と、ガス通路2に加圧されたキャリアガス3を導入するためのガス導入口4と、ガス通路2を通過するキャリアガスに原料溶液5を供給するための手段(原料供給孔)6と、分散された原料溶液5を含むキャリアガスを気化部22に送るためのガス出口7と、ガス通路2内を流れるキャリアガスを冷却するための手段(冷却水)18と、を有する分散部8と、一端がMOCVD装置の反応管に接続され、他端が分散部8のガス出口7に接続された気化管20と、気化管20を加熱するための加熱手段(ヒータ)21と、を有し、前記分散部8から送られてきた、原料溶液が分散されたキャリアガスを加熱して気化させるための気化部22と、を有する。
【0031】
(実施例2)
図1は、実施例のHfN膜の製造における、仮想成膜レートと、NH
3流量との関係の図である。サセプタ温度を400℃、300℃、260℃、200℃、100℃とした条件での仮想成膜レートと、NH
3流量との関係の図である。
【0032】
図1によって、以下の事項が判明した。
260℃以下では、ほぼ熱分解しない。NH
3流量が、1CCM以下では、極端に、仮想成膜レートが低下していることからである。
しかし、260℃以下の条件であっても、NH
3流量によって、HfN膜の成膜が可能となる。
サセプタ温度を400℃、300℃、260℃、200℃、100℃のいずれの条件において、NH
3流量の影響が大きい。
【0033】
図2は、実施例のHfN膜の製造における、HfN膜中の酸素量と、経過日数との関係の図である。
【0034】
図2によって、以下の事項が判明した。
熱分解で成膜したHfN膜(400℃、300℃にて、NH
3流量を0とした条件)は、酸素量が、0.06~0.21と数値が高く、経過日数にて、酸素量が増加傾向があり、膜質が悪いことが判明した。
NH
3流量が、1CCMの条件では、酸素量が、0.05~0.14と数値が高く、膜質がまだ、悪い。
NH
3流量が5CCMの条件のHfN膜は、酸素量が、0.04以下であり、大気中での経過日数でも、酸素量は変化していない。
【0035】
図3は、実施例のHfN膜の製造における、XRF分析強度と、NH
3流量との関係の図である。サセプタ温度は、300℃である。
NH
3流量が3CC以下の条件では、XRF分析強度(O/Hf,N/Hf,C/Hf)
の数値が、変化しており、膜質が悪い。
一方、NH
3流量が5CC以下の条件では、XRF分析強度(O/Hf,N/Hf,C/Hf)の数値が、安定しており、膜質が良好である。
【0036】
図4は、実施例のHfN膜の製造における、サセプタ温度260℃の条件での、仮想成膜レートと、NH
3流量との関係の図である。
NH
3流量が、9CCMにて、仮想成膜レートが、0.33にて、最大になることが判明した。NH
3流量が、9CCM~15CCMの間が、成膜レートが、安定する条件となる。
【0037】
図5は、実施例のHfN膜の製造における、サセプタ温度260℃における、XRF分析強度のO/Hf,N/Hf,C/Hfと、NH
3流量との関係の図である。
O/Hf,N/Hf,C/Hfの特性図より、NH
3流量が、5CCMでは、XRF分析強度O/Hfは、安定しておらず、一方NH
3流量が、9CCMで、安定の傾向にある。
【0038】
図6は、実施例のHfN膜の製造における、サセプタ温度260℃における、HfN膜中の酸素量(atomic%)と、経過日数との関係の図である。
NH
3流量が、9CCM~15CCMの条件にて、HfN膜中の酸素量(atomic%)
が経過日数に対して、安定化していることが判明した。
NH
3流量が、9CCM未満、あるいは15CCMを超えた場合には、HfN膜中の酸素量(atomic%)は、経過日数に対して、増加傾向にあり、好ましくない。
【0039】
図7は、実施例のHfN膜の製造における、仮想成膜レートと、サセプタ温度との関係の図である。サセプタ温度が、260℃から400℃にかけて、サセプタ温度が高くなるほど、成膜レートが低下している。また、NH
3流量が、9CCMと、20CCMを比較すると、NH
3流量が増加すると、成膜レートが、低下することが判明した。
【0040】
前記の一連のデータより、HfN膜の製造に関して、成膜温度が、260℃、NH3流量が9CCM以上、15CCM以下の成膜条件が最適であることが判明した。
表1に発明品1,2,3,4,5,6の、XPS分析(atomic%)、N/Hfの
測定結果を示す。
また、表2に、比較品1,2,3,4,5,6,7,8のXPS分析(atomic%)、N/Hfの測定結果を示す。
【0041】
【0042】
本発明のHfN膜の製造方法およびHfN膜によれば、HfN膜を成膜することができるように、原料ガスと薄膜生成原料が反応チャンバーとなる反応容器で反応し、反応部への安定的な原料供給が可能であり、また長期使用が可能であるHfN膜の製造方法およびHfN膜を提供することができ、半導体産業の発展の寄与する。
本発明の請求項3に係るHfN膜は、前記HfN膜が、膜中酸素濃度が、経過日数10日後にて、変動幅が0.01atomic%以下であることを特徴とする請求項2記載のHfN膜である。
本発明の請求項1に係るHfN膜は、N/Hf(atomic比)が0.734以上0.757以下であり、膜中酸素濃度が、大気中における製造からの経過日数10日後にて、変動幅が0.01atomic%以下であることを特徴とするHfN膜である。