(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023052362
(43)【公開日】2023-04-11
(54)【発明の名称】機械的導波路用コネクタ
(51)【国際特許分類】
A61B 17/22 20060101AFI20230404BHJP
【FI】
A61B17/22 510
【審査請求】有
【請求項の数】24
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023003251
(22)【出願日】2023-01-12
(62)【分割の表示】P 2019524915の分割
【原出願日】2017-11-14
(31)【優先権主張番号】62/421,428
(32)【優先日】2016-11-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/437,287
(32)【優先日】2016-12-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】517370906
【氏名又は名称】レ ソルシオン メディカール サウンドバイト インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ミルシェカリ,ゴラムレザ
(72)【発明者】
【氏名】ブルイエット,マルタン
(72)【発明者】
【氏名】ディオン,スティーブン
(72)【発明者】
【氏名】リエル,ルイ-フィリップ
(72)【発明者】
【氏名】カーシャフィアン,クリス
(72)【発明者】
【氏名】マ,アーロン
(57)【要約】 (修正有)
【課題】第1の機械的導波路と第2の機械的導波路とを互いに接続するためのコネクタを提供する。
【解決手段】第1の機械的導波路と第2の機械的導波路とを互いに接続するためのコネクタ18であって、第1の機械的導波路を中に受けるための第1の開口部を設けられる第1の顎部を含む第1のコネクタ本体と、第2の機械的導波路を中に受けるための第2の開口部を設けられる第2の顎部を含む第2のコネクタ本体とを備え、第1および第2のコネクタ本体は互いに取り外し可能に固定可能であり、コネクタはさらに、第1の機械的導波路の音響インピーダンスよりも低い音響インピーダンスを有する第1の仲介体を備え、第1の仲介体は、第1の顎部と第1の機械的導波路との間に位置決めされるよう、第1の開口部内に挿入される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の機械的導波路と第2の機械的導波路とを互いに接続するためのコネクタアセンブリであって、
前記第1の機械的導波路に固定可能な第1のコネクタ本体を備え、前記第1のコネクタ本体は、前記第1の機械的導波路を中に受けるための第1の開口部を設けられる第1の顎部を含み、前記コネクタアセンブリはさらに、
前記第2の機械的導波路に固定可能な第2のコネクタ本体を備え、前記第2のコネクタ本体は、前記第2の機械的導波路を中に受けるための第2の開口部を設けられる第2の顎部を含み、前記第1および第2のコネクタ本体は互いに取り外し可能に固定可能であり、前記コネクタアセンブリはさらに、
前記第1の機械的導波路のインピーダンスよりも低い音響インピーダンスを有する第1の仲介体を備え、前記第1の仲介体は、前記第1の顎部と前記第1の機械的導波路との間に位置決めされるよう、前記第1の顎部の前記第1の開口部内に挿入され、前記コネクタアセンブリはさらに、
前記第2の機械的導波路のインピーダンスよりも低い音響インピーダンスを有する第2の仲介体を備え、前記第2の仲介体は、前記第2の顎部と前記第2の機械的導波路との間に位置決めされるよう、前記第2の顎部の前記第2の開口部内に挿入される、コネクタアセンブリ。
【請求項2】
前記第1および第2の仲介体は各々、前記第1および第2の機械的導波路のうちのそれぞれ1つを中に受け入れるためのそれぞれの穴を有する、請求項1に記載のコネクタアセンブリ。
【請求項3】
前記第1および第2の顎部は各々管状形状を有する、請求項2に記載のコネクタアセンブリ。
【請求項4】
前記第1および第2の仲介体は各々管状形状を有する、請求項3に記載のコネクタアセンブリ。
【請求項5】
前記第1および第2の仲介体は各々、前記第1および第2の機械的導波路のそれぞれの1つの断面の周囲の少なくとも一部分に沿って延びる、請求項1に記載のコネクタアセンブリ。
【請求項6】
前記第1および第2の顎部は各々、前記第1および第2の仲介体のそれぞれの1つの断面の周囲の少なくとも一部分に沿って延びる、請求項1に記載のコネクタアセンブリ。
【請求項7】
前記第1および第2のコネクタ本体の一方は雌型コネクタに対応し、前記第1および第2のコネクタ本体の他方は前記雌型コネクタ内に固定可能な雄型コネクタに対応する、請求項1~請求項6のいずれか1項に記載のコネクタアセンブリ。
【請求項8】
前記雄型および雌型コネクタは各々ねじが切られており、前記雄型コネクタは前記雌型コネクタ内にねじ込み式に挿入可能である、請求項7に記載のコネクタアセンブリ。
【請求項9】
前記雌型コネクタおよび前記雄型コネクタの一方に、突起が設けられ、前記雌型コネクタおよび前記雄型コネクタの他方に、前記突起と嵌合する、前記雄型コネクタと前記雌型コネクタとを互いに固定するための凹部が設けられる、請求項7に記載のコネクタアセンブリ。
【請求項10】
前記第2のコネクタ本体が前記雄型コネクタに対応し、前記第1のコネクタ本体が前記雌型コネクタに対応するように、前記第2の顎部は前記第1の顎部の前記第1の開口部に挿入可能であり、前記コネクタアセンブリは、前記第2の機械的導波路を中に受けるための第3の開口部が設けられた第3の顎部をさらに備え、前記第3の顎部は前記第2の顎部の前記第2の開口部に挿入可能である、請求項7~9のいずれか1項に記載のコネクタアセンブリ。
【請求項11】
前記第2の顎部の内側面が傾斜しており、前記第3の顎部の外側面が前記第2の顎部の前記内側面と嵌合するように傾斜している、請求項10に記載のコネクタアセンブリ。
【請求項12】
前記第1の顎部は、その遠位端から長手方向に延びる少なくとも1つのスロットを設けられる、請求項10または11に記載のコネクタアセンブリ。
【請求項13】
前記第3の顎部は、少なくとも1つの長手方向に延びるスロットを設けられる、請求項10または11に記載のコネクタアセンブリ。
【請求項14】
前記第1および第2の仲介体は、生体適合性および滅菌性のうちの少なくとも一方を有する材料から形成される、請求項1~13のいずれか1項に記載のコネクタアセンブリ。
【請求項15】
前記第1および第2の仲介体は各々ゴムおよびシリコンポリマーのうちの1つから形成される、請求項1~14のいずれか1項に記載のコネクタアセンブリ。
【請求項16】
前記第1および第2の仲介体は各々弾性材料から形成される、請求項1~14のいずれか1項に記載のコネクタアセンブリ。
【請求項17】
前記第1の機械的導波路の遠位端と前記第2の機械的導波路の近位端とを互いに横方向に整列させるための機械的手段をさらに備える、請求項1に記載のコネクタアセンブリ。
【請求項18】
前記機械的手段は、開口部と、前記開口部の周りに延びる傾斜面とを含む整列プレートを含み、前記開口部は、前記第1の機械的導波路の遠位端と前記第2の機械的導波路の近位端とを中に受けるためのものである、請求項17に記載のコネクタアセンブリ。
【請求項19】
前記機械的手段は、前記第1および第2の顎部上に挿入可能なスリーブを含む、請求項17に記載のコネクタアセンブリ。
【請求項20】
前記第1の機械的導波路の遠位端と前記第2の機械的導波路の近位端とを互いに角度的に整列させるための機械的手段をさらに備える、請求項1に記載のコネクタアセンブリ。
【請求項21】
前記第1の機械的導波路と前記第2の機械的導波路との間に軸方向の加圧力を及ぼすための機械的手段をさらに備える、請求項1に記載のコネクタアセンブリ。
【請求項22】
前記機械的手段は、前記第1および第2の機械的導波路のうちの少なくとも1つを前記第1および第2の機械的導波路のうちの他の1つに向かって押すように構成される、請求項21に記載のコネクタアセンブリ。
【請求項23】
前記機械的手段は、ねじ、レバー、傾斜面、磁石、およびばねのうちの少なくとも1つを含む、請求項21または22に記載のコネクタアセンブリ。
【請求項24】
前記顎部に横方向の力を加えるための機械的手段をさらに備える、請求項1に記載のコネクタアセンブリ。
【請求項25】
前記機械的手段は、ねじ、レバー、傾斜面、磁石およびばねのうちの少なくとも1つを含む、請求項24に記載のコネクタアセンブリ。
【請求項26】
前記第1および第2の仲介体は各々、前記第1および第2の機械的導波路にそれぞれ、ならびに前記第1および第2の顎部にそれぞれ、しっかりと固定される、請求項1に記載のコネクタアセンブリ。
【請求項27】
前記第1および第2の仲介体を、前記第1および第2の機械的導波路にそれぞれ、ならびに前記第1および第2の顎部にそれぞれ、しっかりと固定するための、ねじおよびリベットの少なくとも一方をさらに備える、請求項26に記載のコネクタアセンブリ。
【請求項28】
前記第1および第2の仲介体は、前記第1および第2の機械的導波路にそれぞれ、ならびに前記第1および第2の顎部にそれぞれ、接合される、請求項26に記載のコネクタアセンブリ。
【請求項29】
前記第1および第2の仲介体は、各々、前記第1および第2の機械的導波路にそれぞれ、ならびに前記第1および第2の顎部にそれぞれ、オーバーモールドされる、請求項26に記載のコネクタアセンブリ。
【請求項30】
前記第1の機械的導波路と前記第2の機械的導波路との間に位置決めされるべき連結媒体をさらに備える、請求項1~29のいずれか1項に記載のコネクタアセンブリ。
【請求項31】
前記第1のコネクタ本体と前記第2のコネクタ本体との間および前記第1の機械的導波路と前記第2の機械的導波路との間の物理的接触を防ぐための無菌バリアをさらに備える、請求項1~29のいずれか1項に記載のコネクタアセンブリ。
【請求項32】
滅菌可能な材料で形成され、前記雌型コネクタと前記雄型コネクタとの間に挿入可能な無菌バリアをさらに備え、前記無菌バリアは、外側管状体と、前記外側管状体に挿入される内側管状体と、前記外側管状体の遠位端から前記内側管状体の遠位端まで延びる環状壁と、前記内側管状体の遠位端を閉じる円板状壁とを含み、前記外側管状体は前記第1の顎部の外側面上に位置決めされ、前記内側管状体は前記第1の顎部の前記第1の開口部に挿入可能であり、前記第2の顎部は前記内側管状体に挿入可能である、請求項10~13のいずれか1項に記載のコネクタアセンブリ。
【請求項33】
前記外側管状体、前記内側管状体、前記環状壁および前記円板状壁は一体である、請求項32に記載のコネクタアセンブリ。
【請求項34】
前記無菌バリアは可撓性材料で形成される、請求項32または33に記載のコネクタアセンブリ。
【請求項35】
前記無菌バリアは剛性材料で形成される、請求項32または33に記載のコネクタアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は機械的コネクタの分野に関し、より詳細には機械的導波路を互いに接続するためのコネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、腎臓結石および前立腺がんなどの様々な病状を治療するために、超音波または衝撃波を用いた非侵襲治療が一般に用いられている。機械的波動源が治療される患者の体の外側に設けられるので処置が非侵襲であるとして定義されるため、これらの治療は魅力的である。機械エネルギー源の設計によって、通常、このようなエネルギーは体内の治療されるべき対象に集中される。しかしながら、この技術には限界がある。一つには、使用される撮像方法の限界のため、対象の正確な位置を得ることが困難な場合がある。また、収束する波そのもの物理的な限界、ならびに、その波が伝わる様々な組織および臓器内の異質性のため、正確な所望の位置にエネルギーが集中されない場合がある。さらに、対象におけるエネルギー密度が所望の処置を遂行するために十分でない場合がある。
【0003】
したがって、体外の機械的エネルギー源によって生成された機械的エネルギーをより適切に方向付け、集中させて、治療中により良い臨床結果を達成するための、改良された方法および装置が必要とされている。これは、機械的導波路を使用して、身体開口部または血管を介して挿入され、治療されるべき病変に向けられることができる最小侵襲性装置を使用することにより、体外の機械的エネルギー源から体内へ機械的エネルギーを伝達することによって達成され得る。
【0004】
機械的導波路を組み込んだこの最小侵襲性装置は、コネクタを介して体外の機械的エネルギー源に接続される必要があり、理想的にはこのコネクタは、動作中において最小侵襲性装置のコネクタの内部でエネルギー損失を最小限に抑えることを保証する設計および構造特徴を組み込むべきである。少なくともいくつかの実施形態では、コネクタが機械的導波路とエネルギー源との間の無菌接続を確実にすることが必要とされ得る。
【0005】
したがって、機械的導波路を接続するための改良された機械的コネクタが必要とされている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
概要
第1の広い局面によれば、第1の機械的導波路と第2の機械的導波路とを互いに接続するためのコネクタであって、第1の機械的導波路に固定可能な第1のコネクタ本体を備え、第1のコネクタ本体は、第1の機械的導波路を中に受けるための第1の開口部を設けられる第1の顎部を含み、コネクタはさらに、第2の機械的導波路に固定可能な第2のコネクタ本体を備え、第2のコネクタ本体は、第2の機械的導波路を中に受けるための第2の開口部を設けられる第2の顎部を含み、第1および第2のコネクタ本体は互いに取り外し可能に固定可能であり、コネクタはさらに、第1の機械的導波路のインピーダンスよりも低い音響インピーダンスを有する第1の仲介体を備え、第1の仲介体は、第1の顎部と第1の機械的導波路との間に位置決めされるよう、第1の顎部の第1の開口部内に挿入され、コネクタはさらに、第2の機械的導波路のインピーダンスよりも低い音響インピーダンスを有する第2の仲介体を備え、第2の仲介体は、第2の顎部と第2の機械的導波路との間に位置決めされるよう、第2の顎部の第2の開口部内に挿入される、コネクタが提供される。
【0007】
一実施形態において、第1および第2の仲介体は各々、第1および第2の機械的導波路のうちのそれぞれ1つを中に受け入れるためのそれぞれの穴を有する。
【0008】
一実施形態において、第1および第2の顎部は各々管状形状を有する。
一実施形態において、第1および第2の仲介体は各々管状形状を有する。
【0009】
一実施形態において、第1および第2の仲介体は各々、第1および第2の機械的導波路のそれぞれの1つの断面の周囲の少なくとも一部分に沿って延びる。
【0010】
一実施形態において、第1および第2の顎部は各々、第1および第2の仲介体のそれぞれの1つの断面の周囲の少なくとも一部分に沿って延びる。
【0011】
一実施形態において、第1および第2のコネクタ本体の一方は雌型コネクタに対応し、第1および第2のコネクタ本体の他方は雌型コネクタ内に固定可能な雄型コネクタに対応する。
【0012】
一実施形態において、雄型および雌型コネクタは各々ねじが切られており、雄型コネクタは雌型コネクタ内にねじ込み式に挿入可能である。
【0013】
一実施形態において、雌型コネクタおよび雄型コネクタの一方に、突起が設けられ、雌型コネクタおよび雄型コネクタの他方に、突起と嵌合する、雄型コネクタと雌型コネクタとを互いに固定するための凹部が設けられる。
【0014】
一実施形態において、第2のコネクタ本体が雄型コネクタに対応し、第1のコネクタ本体が雌型コネクタに対応するように、第2の顎部は第1の顎部の第1の開口部に挿入可能であり、コネクタアセンブリは、第2の機械的導波路を中に受けるための第3の開口部が設けられた第3の顎部をさらに備え、第3の顎部は第2の顎部の第2の開口部に挿入可能である。
【0015】
一実施形態において、第2の顎部の内側面が傾斜しており、第3の顎部の外側面が第2の顎部の内側面と嵌合するように傾斜している。
【0016】
一実施形態において、第1の顎部は、その遠位端から長手方向に延びる少なくとも1つのスロットを設けられる。
【0017】
一実施形態において、第3の顎部は、少なくとも1つの長手方向に延びるスロットを設けられる。
【0018】
一実施形態において、第1および第2の仲介体は、生体適合性および滅菌性のうちの少なくとも一方を有する材料から形成される。
【0019】
一実施形態において、第1および第2の仲介体は各々ゴムおよびシリコンポリマーのうちの1つから形成される。
【0020】
一実施形態において、第1および第2の仲介体は各々弾性材料から形成される。
一実施形態において、コネクタアセンブリは、第1の機械的導波路の遠位端と第2の機械的導波路の近位端とを互いに横方向に整列させるための機械的手段をさらに備える。
【0021】
一実施形態において、機械的手段は、開口部と、開口部の周りに延びる傾斜面とを含む整列プレートを含み、開口部は、第1の機械的導波路の遠位端と第2の機械的導波路の近位端とを中に受けるためのものである。
【0022】
一実施形態において、機械的手段は、第1および第2の顎部上に挿入可能なスリーブを含む。
【0023】
一実施形態において、コネクタアセンブリは、第1の機械的導波路の遠位端と第2の機械的導波路の近位端とを互いに角度的に整列させるための機械的手段をさらに備える。
【0024】
一実施形態において、コネクタアセンブリは、第1の機械的導波路と第2の機械的導波路との間に軸方向の加圧力を及ぼすための機械的手段をさらに備える。
【0025】
一実施形態において、機械的手段は、第1および第2の機械的導波路のうちの少なくとも1つを第1および第2の機械的導波路のうちの他の1つに向かって押すように構成される。
【0026】
一実施形態において、機械的手段は、ねじ、レバー、傾斜面、磁石、およびばねのうちの少なくとも1つを含む。
【0027】
一実施形態において、コネクタアセンブリは、顎部に横方向の力を加えるための機械的手段をさらに備える。
【0028】
一実施形態において、機械的手段は、ねじ、レバー、傾斜面、磁石およびばねのうちの少なくとも1つを含む。
【0029】
一実施形態において、第1および第2の仲介体は各々、第1および第2の機械的導波路にそれぞれ、ならびに第1および第2の顎部にそれぞれ、しっかりと固定される。
【0030】
一実施形態において、コネクタアセンブリは、第1および第2の仲介体を、第1および第2の機械的導波路にそれぞれ、ならびに第1および第2の顎部にそれぞれ、しっかりと固定するための、ねじおよびリベットの少なくとも一方をさらに備える。
【0031】
一実施形態において、第1および第2の仲介体は、第1および第2の機械的導波路にそれぞれ、ならびに第1および第2の顎部にそれぞれ、接合される。
【0032】
一実施形態において、第1および第2の仲介体は、各々、第1および第2の機械的導波路にそれぞれ、ならびに第1および第2の顎部にそれぞれ、オーバーモールドされる。
【0033】
一実施形態において、コネクタアセンブリは、第1の機械的導波路と第2の機械的導波路との間に位置決めされるべき連結媒体をさらに備える。
【0034】
一実施形態において、コネクタアセンブリは、第1のコネクタ本体と第2のコネクタ本体との間および第1の機械的導波路と第2の機械的導波路との間の物理的接触を防ぐための無菌バリアをさらに備える。
【0035】
一実施形態において、コネクタアセンブリは、滅菌可能な材料で形成され、雌型コネクタと雄型コネクタとの間に挿入可能な無菌バリアをさらに備え、無菌バリアは、外側管状体と、外側管状体に挿入される内側管状体と、外側管状体の遠位端から内側管状体の遠位端まで延びる環状壁と、内側管状体の遠位端を閉じる円板状壁とを含み、外側管状体は第1の顎部の外側面上に位置決めされ、内側管状体は第1の顎部の第1の開口部に挿入可能であり、第2の顎部は内側管状体に挿入可能である。
【0036】
一実施形態において、外側管状体、内側管状体、環状壁および円板状壁は一体である。
一実施形態において、無菌バリアは可撓性材料で形成される。
【0037】
一実施形態において、無菌バリアは剛性材料で形成される。
本記載の目的に関して、機械的波動は、任意の振幅、持続時間、波形、周波数などを有する信号であると理解するべきである。例えば、機械的波動は、長い/短い振幅、短い/長い持続時間、異なる波形、および任意の周波数成分を有し得る。
【0038】
本記載の目的に関して、機械的パルスは、短い持続時間の機械的波動として理解されるべきである。機械的パルスの持続時間は、約1/fcであり、fcは機械的パルスの中心周波数である。
【0039】
一実施形態では、機械的パルスは、約20kH~約10MHzの間に含まれる中心周波数fcを有する。一実施形態では、カテーテル装置の遠位端に到達するときの機械的パルスの振幅は約10MPa~約1000MPaの間に含まれる。一実施形態では、カテーテル装置の遠位端に到達するときの機械的パルスの持続時間は、約1/fcである。
【0040】
本発明のさらなる特徴および利点は、添付の図面と組み合わせて以下の詳細な説明から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【
図1】先行技術による、パルス発生器がコネクタを介して伝達部材に接続される、機械的波動またはパルスを生成および送達するためのシステムを示す。
【
図2】先行技術による、2つの伝達部材がコネクタを介して接続される、機械的波動またはパルスを生成および送達するためのシステムを示す。
【
図3】第1の実施形態による、2つの機械的導波路を接続するためのコネクタを概略的に示す。
【
図4】一実施形態による、機械的導波路を整列させるための整列プレートを示す。
【
図5】一実施形態による、2つの機械的導波路を互いに連結するために、雌型コネクタ本体と、雌型コネクタ本体内に挿入可能な雄型コネクタ本体とを備えるコネクタアセンブリの断面図である。
【
図6】一実施形態による、傾斜した内壁を設けられた外側顎部分と、外側の傾斜した壁を設けられた内側顎部分と、仲介体とを備える雄型コネクタ本体の断面図である。
【
図7】一実施形態による、4つのスロットを設けられた雌型コネクタ本体と、傾斜した内壁を設けられた外側顎部分、外側傾斜壁を設けられた内側顎部分、および仲介体を含む雄型コネクタ本体とを備えるコネクタアセンブリの分解斜視図である。
【
図8】一実施形態による、2つの伝達部材が無菌コネクタを介して接続される、機械的波動またはパルスを生成および送達するためのシステムを概略的に示す。
【
図9】一実施形態による、無菌バリアを介して互いに連結される2つの機械的導波路を概略的に示す。
【
図10】一実施形態による、雌型コネクタ本体と、雄型コネクタ本体と、雌型コネクタ本体と雄型コネクタ本体との間に挿入可能な無菌バリアとを備えるコネクタアセンブリを示す。
【
図11】一実施形態による、管状形状を有する無菌バリアを示す。
【発明を実施するための形態】
【0042】
添付の図面を通して、同様の特徴は同様の参照番号によって識別されることに留意されたい。
【0043】
詳細な説明
図1は、本コネクタが使用され得る特定の状況を説明するために、対象の血管内にある病変12を処置するためのシステム10の一実施形態を示す。システム10は、パルス発生器14と、コネクタ18と、機械的波動および/またはパルスを伝播するように適合された機械的導波路などの伝達部材16とを含む。
【0044】
パルス発生器14は、振幅が大きく持続時間の短いパルスなどのような機械的波動を生成するように適合されている。パルス発生器14は、少なくとも1つの広帯域源および/または少なくとも1つの狭帯域源を含み得る。狭帯域源または広帯域源は、電気機械変換器であり得る。パルス発生器14は、中で生成されたパルスを結合するように伝達部材16の近位端が位置する焦点区間に向けて少なくとも1つの源の出力を集中させるために、空間コンセントレータを含み得る。
【0045】
機械的導波路などの伝達部材16は、コネクタ18を介してパルス発生器14の出力に動作可能に接続される第1のまたは近位端と第2のまたは遠位端との間で延在する。伝達部材16は、その近位端で機械的パルスを受け、それらの機械的パルスをその遠位端まで伝播するように適合されている。機械的パルスは遠位端に到達すると、少なくとも部分的に伝達され、伝達部材16の外部に伝播する、伝達されるパルスを生成する。パルスは遠位端で反射され伝達部材16内を近位端に向かって戻るように伝播可能であることも理解されたい。伝達される機械的パルスは、伝達部材16の遠位端を取り囲む媒体内を病変12まで伝播する機械的パルスに対応する。伝達されたパルスはさらに、病変12内に伝播し、これによって病変12内に亀裂が形成され得、最終的に病変12を裂開または粉砕する。
【0046】
伝達部材16の遠位端が病変12に当接するようにされる実施形態では、伝達部材16はさらに、病変12を壊す、および/または、病変12に穴をあけるために使用され得る。伝達部材16の遠位端における機械的パルスの伝達によって、伝達部材16の遠位端が運動する。この運動は、伝達部材16の長手方向軸に沿った運動であり得る。代替的に、この運動は、長手方向軸に垂直な運動であり得るか、または、伝達部材の長手方向軸に沿った運動と長手方向軸に垂直な運動との組合せであり得る。この運動の間、伝達部材16の遠位端は名目上は最初に病変12に向かって運動し、その後初期位置内に戻る。伝達部材16の遠位端に到達する機械的パルスの極性によって、運動は逆でもよい(すなわち、遠位端は、最初に病変12から離れその後病変12に向かって運動し得る)ことを理解されたい。複数の別個の機械的パルスが連続して伝達部材16の遠位端において伝達されると、遠位端の運動は病変12を治療するために利用可能なジャックハンマー運動として理解可能である。
【0047】
コネクタ18は、伝達部材16の近位端をパルス発生器14に取り外し可能または非永久的に接続することを可能にし、所望に応じて、伝達部材16のパルス発生器14からの切断を可能にしながら、パルス発生器14によって生成された機械的パルスが伝達部材16内に効率的に伝達されることを保証するよう使用される。
【0048】
図2は、本コネクタが使用されるべき異なる状況を説明する、病変12を治療するためのシステム20の別の実施形態を示す。システム20は、パルス発生器24、各々が機械的波動またはパルスを伝播するように適合された伝達部材または機械的導波路26および27、ならびにコネクタ28を備える。コネクタ28は、機械的導波路26から来る機械的パルスまたは波を機械的導波路27内に伝播させるために、機械的導波路26の遠位端を伝達部材27の近位端に取り外し可能または非永久的に接続するために使用される。その結果、コネクタ28が機械的導波路26と27との間に設置されると、パルス発生器24によって発生され、機械的導波路26内を伝播する機械的波動またはパルスを機械的導波路27に結合することができる。コネクタ28はさらに、必要に応じて第1の伝達部材26を第2の伝達部材27から切り離すことを可能にする。システム20は、パルス発生器24と伝達部材26とを互いに接続するためのさらなるコネクタを備え得ることを理解されたい。
【0049】
図3は、第1の要素32、例えばパルス発生器の出力または第1の機械的導波路を、第2の機械的導波路33に接続するためのコネクタ18または28として使用できるコネクタ30を概略的に示す。パルス発生器の出力は機械的導波路と見なすことができることを理解されたい。
【0050】
コネクタ30は、第1の要素32に設置される第1のコネクタ本体31aと、機械的導波路33に設置される第2のコネクタ本体31bとを備えている。第1および第2のコネクタ本体31aおよび31bは、要素32を機械的導波路33に接続するために互いに取り外し可能に固定可能な形状およびサイズである。コネクタ本体31aおよび31bは、それらが互いに取り外し可能に固定可能であることを可能にする任意の適切な設計を与えられてもよいことを理解されたい。例えば、コネクタ本体31aを雌型コネクタとし、コネクタ本体31bをコネクタ本体31aに螺合する雄型コネクタとすることができる。別の例では、コネクタ本体31bをコネクタ本体31aに挿入してもよく、コネクタ本体31aはコネクタ本体31bを覆った状態で締め付けられてもよい。別の例では、コネクタ本体31aおよび31bは、両者間の取り外し可能な接続を確実にするために、永久磁石、電磁石および/または強磁性体であり得る。
【0051】
第1のコネクタ本体31aは、機械的導波路の遠位部分などの第1の要素32が受けられる開口部を画定する顎部分36を備え、第2のコネクタ本体31bは、機械的導波路33の近位部分が受けられる開口部を画定する顎部分37を備える。顎部分36は、要素32の断面の周囲の少なくとも一部分に沿って延び、一方顎部分37は、機械的導波路33の断面の周囲の少なくとも一部分に沿って延びる。
【0052】
コネクタ30はさらに、第1の仲介体34および第2の仲介体35をさらに備え、第1の仲介体34および第2の仲介体35は、各々、密度と音速との積として定義される低音響インピーダンス、すなわち、それぞれ、機械的導波路32,33の音響インピーダンスよりも低い音響インピーダンスを有する材料から、および/または機械的導波路32、33とコネクタ30との間の結合損失を最小にするかもしくは少なくとも低減するように弾性材料から形成される。同じまたは別の実施形態では、第1の仲介体34および第2の仲介体35は各々、機械的導波路32、33とコネクタ30との間の結合損失を最小限に抑えるかまたは少なくとも低減するよう、弾性材料から形成される。第1および第2の仲介体34および35は各々、それぞれの機械的導波路32、33をその中に受けるために、それを通って延びる長手方向の開口部を含む。第1の仲介体34は、要素32が顎部36内に受けられたときに顎部36と要素32との間に位置するように顎部36の開口部内に挿入される。第2の仲介体35は、機械的導波路33が顎部37内に受けられたときに、顎部37と機械的導波路33との間に位置するように、顎部37の開口部に挿入される。
【0053】
仲介体34、35は、要素32または機械的導波路33を顎部36、37から隔離することを可能にするか、または少なくとも要素32または機械的導波路33と顎部36、37との間の接触の表面積を低減させ、それにより、要素32から顎部36への、および機械的導波路33から顎部37への機械的波動の結合を低減させる。その結果、結合損失が低減される。
【0054】
一実施形態では、仲介体34および35は、それらをそれぞれの顎部36、37およびそれらのそれぞれの機械的導波路32、33の表面に接合して軸方向の接続力を高めることを可能にする接着特性を有してもよい。
【0055】
顎部36、37は任意の適切な形状を有し得ることを理解されたい。例えば、顎部36、37は管状であり得る。別の例では、顎部36、37は長方形または正方形の外側断面を有してもよく、その内側開口部もまた長方形または正方形であってもよい。一実施形態では、顎部36、37は、仲介体34、35または機械的導波路32、33の全周に沿って延び得る。別の実施形態では、顎部36、37は、仲介体34、35または機械的導波路32、33の円周の一部分に沿ってのみ延び得る。
【0056】
同様に、仲介体34および35は、任意の適切な形状およびサイズを有し得る。例えば、仲介体34、35は管状であり得る。別の例では、仲介体34、35の外面は、顎部36、37の開口部の形状と一致する形状を有し、仲介体34、35の内面は、機械的導波路32、33の形状と一致する形状を有することができる。一実施形態では、仲介体34、35は、機械的導波路32、33の全周に沿って延び得る。別の実施形態では、仲介体34、35は、機械的導波路32、33の円周の一部に沿ってのみ延び得る。
【0057】
第1および第2のコネクタ本体31aおよび31bが互いに固定されている間に、要素32の遠位端38は同時に機械的導波路33の近位端39と物理的に接触するようにされ、それによって2つの機械的導波路32、33間の機械的波動の伝播を可能にする。第1および第2のコネクタ本体31aおよび31bが互いに接続されると、両方の導波路32および33の長手方向軸の方向の軸方向の力が、要素32の遠位端38および機械的導波路33の近位端39に連続的に加えられ、遠位端38と近位端39とが互いに当接し、コネクタ30の使用中は常に軸方向加圧状態に維持されることを確実にする。この軸方向の力は、コネクタ30の顎部36、37を通して加えられる。
【0058】
互いに接続されるべき要素32および33の端部38および39の軸方向の力を発生させながら、第1および第2のコネクタ本体をしっかりとかつ取り外し可能に固定するために、任意の適切な手段が使用され得ることが理解されるべきである。例えば、第1のコネクタ本体31aは、雄ねじコネクタであり、第2のコネクタ本体31bは、雌ねじコネクタであり得る。雄型コネクタを雌型コネクタにねじ込むことによって、2つの要素32および33が互いに接続され、軸方向の力がそれらの2つの端部38および39に加えられ、端部38および39が互いに対してしっかりと当接する。
【0059】
一実施形態では、コネクタ30またはその構成要素の少なくともいくつかは、滅菌可能な材料で形成される。
【0060】
一実施形態では、仲介体34および35は、顎部36および37からの機械的導波路32および33の電気的絶縁を可能にする電気的絶縁材料で形成されてもよい。
【0061】
一実施形態では、典型的な機械的導波路32、33は鋼、アルミニウム、チタンまたはチタン合金のような金属材料から形成されるので、仲介体34、35は、例えば、ゴム、シリコンポリマーおよび他の柔軟で可撓性のある材料から形成されてもよい。一実施形態では、仲介体34、35は弾性材料から形成される。一実施形態では、仲介体34、35は弾性材料から形成される。一実施形態では、仲介体34、35は電気絶縁体である。一実施形態では、仲介体34、35は生体適合性があり、および滅菌可能である。
【0062】
一実施形態では、良好なエネルギー伝達を提供することに加えて、コネクタ30は他の機能を組み込んでもよい。第一に、それは、機械的導波路32の遠位端38の長手方向軸と機械的導波路33の近位端39の長手方向軸との間の良好な整列を確実にする機械的特徴を含み得る。第二に、それは、要素32の遠位端38の面と機械的導波路33の近位端39の面との間の良好な角度整列を確実にする機械的特徴を含み得る。さらに、それは、第1の要素32の遠位端38の面と機械的導波路33の近位端39の面との間に十分な軸方向加圧力を提供する機械的特徴を含み得る。
【0063】
遠位端38および近位端39における前述の加圧力要件は、例えば可動近位端39を静止遠位端38内に押し込むことによって満たすことができる。押圧力は、ねじ、レバー、顎部37と接触する傾斜面、またはそれらの組み合わせなどの任意の適切な手段を使用することによって達成することができる。この押圧力はまた、顎部36、37に取り付けられ、互いに向き合うばねまたは静的な電気的に作動されるかもしくは永久的な磁石を使用することによっても達成され得る。
【0064】
加圧力要件はまた、例えば、可動遠位端38および可動近位端39を互いに向かって押すことによっても満たすことができる。この押し込みは、機構が両方の両顎部36、37と接触している状態で、上記と同じ方法で達成することができる。
【0065】
図4に示すように、軸方向および面の整列要件は、例えば、対向する傾斜面46と、第1の機械的導波路32の遠位端38および第2の機械的導波路33の近位端39と同じ断面形状ならびに寸法を有するオリフィス44とを設けられた整列プレート42を使用することによって満たすことができる。傾斜面は、開口部44の両側で開口部44の周りに延在し、開口部44の中心に向かって内方向に向けられている。整列プレート42は、コネクタ30内において、第1のコネクタ本体と第2のコネクタ本体との間に収容され、コネクタ本体30aおよび30bの少なくとも一方は、整列プレート42に対して可動であり得る。要素32の遠位端38および機械的導波路33の遠位端39は、第1および第2のコネクタ本体30aおよび30bが互いに固定されることによって、互いに向かって移動すると、各々、それぞれの傾斜面46に当接し、それらのそれぞれの傾斜面46に沿って開口部44に向かって滑ったのち、開口部44を貫通して互いに当接する。傾斜面46は、端部38および39を開口部44に向かって案内するための案内要素として作用する。
【0066】
開口部44は任意の適切な長さを有し得る。一実施形態では、開口部44の長さは、開口部44内の機械的導波路32および33と整列プレート42との接触による機械的エネルギー損失を防ぐよう、長すぎない。
【0067】
一実施形態では、整列プレート42は、結合損失を低減するために低い音響インピーダンスを有する材料で形成されてもよい。同じまたは別の実施形態では、整列プレート42は導波路32および33を電気的に絶縁するために電気的絶縁材料から形成されてもよい。
【0068】
一実施形態では、軸方向および面整列要件は、例えば、顎部36が雌型部材であり顎部37が雄型部材であるかまたはその逆である雄型/雌型構成を使用することによっても満たすことができる。
【0069】
別の実施形態では、顎部36、37が同じ外側寸法d1を有する場合、外側寸法d1と本質的に同じ内側寸法d2を有する外部スリーブを使用することによって適切な整列を確実にすることができる。
【0070】
顎部36、37と機械的導波路32、33との間にそれぞれ柔軟で可撓性のある仲介体34、35を介在させ、軸方向の力を加えて接続が常に軸方向加圧状態にあることを確実にすると、顎部36、37、仲介体34、35および機械的導波路32、33の間の滑りが生じる可能性があり得る。この滑りを防止するために、仲介体34および35がそれらのそれぞれの顎部36、37に対して軸方向に移動するのを防がなければならず、さらに、仲介体34および35がそれらのそれぞれの機械的導波路32に対して軸方向に移動するのも防がなければならない。一実施形態では、これは、仲介体34および35をそれらのそれぞれの顎部36、37およびそれらのそれぞれの機械的導波路32、33にしっかりと取り付けることによって達成することができる。これは、例えば、仲介体34、35をそれらのそれぞれの顎部36、37およびそれらのそれぞれの機械的導波路32、33に接着、ねじ止めまたはリベット締めすることによって行うことができる。別の例では、これは、仲介層34、35をそれらのそれぞれの顎部36、37およびそれらのそれぞれの機械的導波路32、33上にオーバーモールドすることによっても行うことができる。仲介体34および35をそれらのそれぞれの顎部36、37にしっかりと取り付けるための上述の方法のうちの少なくとも2つの組み合わせを使用することができることが理解されるべきである。
【0071】
別の実施形態では、摩擦力が構成要素間の法線力に比例することが知られている場合、構成要素間の静摩擦に依存することによって滑りを防止することができる。摩擦力を増大させるために、したがって、機械的導波路32および33がそれらの対応する仲介体34および35の間でそれらの対応する顎部36および37によって横方向に圧迫されるように、顎部36および37に横方向の力を加えることが考えられる。この横方向の力は、ねじ、レバー、傾斜面またはそれらの任意の組み合わせによって与えることができる。この横方向の力は磁石またはばねによっても与えられ得る。
【0072】
滑りは上記の方法の任意の組み合わせを使用することによって防止できることを理解すべきである。例えば、機械的導波路32および33とそれらの対応する仲介体34および35との間の摩擦にも依存するように、仲介体34および35をそれらの対応する顎部36および37にしっかりと固定し、横方向の力を顎部36および37に加えることができる。
【0073】
導波路32、33、仲介体34、35および/または顎部36、37の間の滑りを防止するために摩擦に依存する実施形態では、横方向の力を変動させることによってこれらの構成要素間の摩擦力を調節することが可能であり得る。一実施形態では、横方向の力は、使用中に機械的導波路32、33間の接続を確実にするために加えられる一方、横方向の力は、摩擦を除去するために取り除かれ、それによって、非使用時に機械的導波路32、33の一方または両方をコネクタ30から取り外すことができてもよい。
【0074】
図5は、第1の要素52、例えばパルス発生器の出力または第1の機械的導波路を第2の機械的導波路54に接続するようコネクタ18または28として使用できるコネクタアセンブリ50の一実施形態を概略的に示す。パルス発生器の出力は機械的導波路と見なすことができることを理解されたい。
【0075】
コネクタアセンブリ50は、第1の要素52上に設置される第1のコネクタ本体51aと、機械的導波路54上に設置される第2のコネクタ本体51bとを備える。第1および第2のコネクタ本体51aおよび51bは、要素52を機械的導波路54に非永久的に接続し、要素52と機械的導波路54との間の機械的波動またはパルスの伝播を可能にするために、互いに取り外し可能に固定可能である。第1のコネクタ本体51aは、第1の要素52が受けられる第1の開口部を画定する第1の顎部62を備え、第2のコネクタ本体51bは、機械的導波路54が受けられる第2の開口部を画定する第2の顎部64を備える。顎部62は要素52の断面の周囲の少なくとも一部に沿って延び、一方顎部64は機械的導波路54の断面の周囲の少なくとも一部に沿って延びる。
【0076】
コネクタアセンブリ50はさらに、機械的導波路52、53とコネクタアセンブリ50との間の結合損失を最小限に抑えるかまたは少なくとも低減するよう、それぞれの機械的導波路52、54の音響インピーダンスよりも音響インピーダンスが低い材料で各々形成される第1の仲介体60と第2の仲介体58とを備える。第1および第2の仲介体60および58は各々、それぞれの機械的導波路52、54をその中に受けるために、それを通って延びる長手方向の開口部を含む。第1の仲介体60は、要素52が顎部62内に受けられたときに顎部62と要素52との間に位置するように顎部62の開口部内に挿入される。第2の仲介体58は、機械的導波路54が顎部64内に受けられたときに、顎部64と機械的導波路54との間に位置するように、顎部64の開口部に挿入される。
【0077】
一実施形態では、仲介体60および58は、結合損失を低減するよう、弾性材料で形成されてもよい。同じまたは別の実施形態では、仲介体60および58は電気的絶縁材料で形成されてもよい。
【0078】
仲介体58および60は、要素52および機械的導波路54それぞれを顎部62および64それぞれから隔離することを可能にするか、または少なくとも要素52および機械的導波路54それぞれと顎部62および64それぞれとの間の接触の表面積を低減させ、それにより、要素52から顎部62への、および機械的導波路54から顎部64への機械的波動の結合を低減させる。その結果、結合損失が低減される。
【0079】
この実施形態では、顎部62および64は、雄-雌配置で互いに嵌合する。顎部62、64は、この嵌合を可能にするために任意の適切な形状を有し得ることを理解されたい。例えば、顎部62、64は管状であり得る。別の例では、顎部62、64は、長方形の外部断面を有し得、そしてその開口部もまた長方形であり得る。一実施形態では、顎部62、64は、仲介体58、60または機械的導波路52、54の全周に沿って延びることができる。別の実施形態では、顎部62、64は、仲介体58、60または機械的導波路52、54の円周のセクションに沿ってのみ延びることができる。
【0080】
同様に、仲介体58および60は、任意の適切な形状およびサイズを有し得る。例えば、仲介体58、60は管状であり得る。別の例では、仲介体58、60の外面は、顎部62、64の開口部の形状と一致する形状を有し、仲介体58、60の内面は、機械的導波路52、54の形状と一致する形状を有することができる。一実施形態では、仲介体58、60は、機械的導波路52、54の全周に沿って延びることができる。別の実施形態では、仲介体58、60は、機械的導波路52、54の円周のセクションに沿ってのみ延びることができる。
【0081】
第1および第2のコネクタ本体51aおよび51bが互いに固定されている間に、要素52の遠位端53は同時に機械的導波路54の近位端55と物理的に接触するようにされ、それによって要素52と機械的導波路54との間の機械的波動の伝播を可能にする。
【0082】
第1および第2のコネクタ本体51aおよび51bは、各々顎部62の内面から内方に突出し、各々顎部64の外面上のそれぞれの凹部70と嵌合する、少なくとも1つのタブまたは突起68を介して互いに保持される。第1および第2のコネクタ本体51aおよび51bが互いに接続されると、顎部64は少なくとも部分的に顎部62内に挿入され、突起68は各々それぞれの凹部70内に受けられる。顎部62上の突起68の位置および顎部64上のそれらのそれぞれの凹部70の位置は、第1のコネクタ本体51aと第2のコネクタ本体51bとが互いに固定されたときに要素52の遠位端53が機械的導波路54の近位端に当接するように選択されることを理解されたい。この結果、要素52の遠位端53および機械的導波路54の近位端53に、両方の導波路52および54の長手方向軸の方向に、軸方向の力が連続的に加えられ、遠位端53および近位端55は、コネクタアセンブリ50の使用中、常に軸方向加圧の状態に維持されることが保証される。
【0083】
突起68が顎部62の内面から突出し、凹部70が顎部64上に位置しているが、顎部62に凹部70を設け、突起が顎部64から突出してもよいことを理解されたい。突起68の位置および/または凹部70の位置は変動し得ることもまた理解されるべきである。
【0084】
第1および第2のコネクタ本体51aおよび51bを互いにしっかりとかつ取り外し可能に固定するために他の手段が使用されてもよいことを理解されたい。例えば、顎部62の止めねじが、顎部64の外面に径方向内向きの力を加えてもよい。これらの止めねじは、顎部64上において顎部64の外面上の70のような凹部に径方向の力を加えてもよい。
【0085】
要素52の遠位端53と機械的導波路54の近位端55と間の機械的波動の伝播を可能にするために、要素52の遠位端53および機械的導波路54の近位端55に軸方向の加圧力を発生させながら、第1および第2のコネクタ本体51aおよび51bを固定的および取り外し可能に固定するために、任意の適切な手段が使用され得ることが理解されるべきである。例えば、第1の顎部62は雌ねじコネクタとすることができ、第2の顎部64は顎部62とねじ係合可能な雄ねじコネクタとすることができる。雄型コネクタを雌型コネクタにねじ込むことによって、要素52と機械的導波路54とが互いに接続され、軸方向の力がそれらの端部53および55にそれぞれ加えられる。別の例では、2つのコネクタ本体51aおよび51bは、顎部62が雌型/ロック構成要素と見なされ、顎部64が雄型/キー構成要素と見なされ得るように、例えばBNC電気コネクタ、プッシュ・トゥ・コネクト空気圧/油圧コネクタ、およびクイックターンチュービング連結におけるように、クイックリリースコネクタにおいて一般的なばね荷重式のロックアンドキー構成におけるように嵌合することができる。
【0086】
一実施形態では、
図5に示すように、コネクタアセンブリ50は、要素52の遠位端53と機械的導波路54の近位端55との間に挿入可能な連結媒体56をさらに備えることができる。連結媒体56は、最小の損失で要素52と機械的導波路54との間の機械的波動の伝達を促進するために使用される。連結媒体は、超音波ゲルもしくはグリセリンなどの流体、または銅もしくはPTFE(テフロン(登録商標))のような金属もしくはポリマーなどの固体であり得る。連結媒体は、要素52または機械的導波路54のいずれかにしっかりと取り付けられてもよい。例えば、PTFEの薄い円板を要素52の遠位端53に接着することができる。
【0087】
図6は、コネクタアセンブリ50の第2のコネクタ本体51bの代わりになり得るコネクタ本体80の一実施形態を示す。コネクタ本体80は機械的導波路54に固定されることになる。コネクタ本体80は、外側顎部86、内側顎部84、および仲介体85を備える。外側顎部86は、円錐台形状を有する内部開口部を含み、内部開口部の遠位端の直径は、内部開口部の近位端の直径、すなわち機械的導波路54の近位端を他の要素に固定するために他のコネクタに接続されるべきコネクタ本体80の端部の直径よりも大きい。内側顎部84は、内側顎部84が外側顎部86の内部開口部に挿入可能であり且つ一旦中に挿入されると外側顎部86の内壁と物理的に接触するように、外側顎部86の内部開口部のサイズおよび形状と一致する外形およびサイズを有する。一実施形態では、
図6に示すように、内側顎部84の長手方向の長さは、外側顎部86のそれよりも大きい。
【0088】
内側顎部84も、その長さに沿って延在しかつ円筒形状を有する内部開口部を設けられる。内側顎部84の内部開口部は、仲介体85を受けるようにサイズおよび形状が決められる。
【0089】
仲介体85は円筒形の外側形状を有し、その外径は内側顎部84の内部開口部に挿入可能であるように内側顎部84の内部開口部のそれと実質的に等しい。仲介体85も、内部に機械的導波路54を受けるようなサイズおよび形状の内部開口部を含む。仲介体85の内部開口部は円筒形状を有し、その直径は機械的導波路54の直径と実質的に等しい。仲介体85の遠位端の内壁は、その遠位端に皿穴90を形成するように面取りされているので、機械的導波路54を仲介体85の内部開口部に挿入するのが容易になる。
【0090】
コネクタ本体80の組み立て中、仲介体85は内側顎要素84の内側表面に挿入されて固定される。次に、機械的導波路54の近位端55を仲介体85の皿穴90に挿入し、機械的導波路54の近位端55と仲介体58の遠位端92との間の所望の距離「L」が達成されるまで、機械的導波路54を仲介体85の内部開口部に押し込む。次に、外側顎部86を内側顎部84の上にスライドさせて、内側顎部84を外側顎部86の内部開口部に挿入する。内側顎部84の円錐形の外壁上での外側顎部86の動きは、内側顎部84を加圧する径方向内向きの力を加え、続いて仲介体85を機械的導波路54に加圧し、それによって機械的導波路54をコネクタ本体80内の所定の位置に固定する。上述のように、一旦組み立てられると、コネクタ本体80は、コネクタアセンブリ50内においてコネクタ本体51bの代わりに使用することができる。
【0091】
図7は、コネクタアセンブリ50のコネクタ本体51aと
図6に示すコネクタ本体80とを備えるコネクタアセンブリ100の一実施形態を示す。コネクタ本体80は、雌型コネクタ本体に相当し、雌型のコネクタ本体に相当するコネクタ本体51aに挿入可能なサイズおよび形状に形成されている。
【0092】
この実施形態では、顎部62はさらに、各々が顎部62の厚みを通って径方向にかつ顎部62の遠位端から所与の長さに沿ってその近位端に向かって長手方向に延びる4つのスロット106を設けられる。スロット106の顎部62の円周周りにおける位置、数および/またはサイズは変動し得ることを理解されたい。4つのスロット106の結果として、顎部62の遠位セクションは、各々径方向に移動することができる4つの四半分円筒形部分に分割され、顎部62の遠位端における内部開口部の直径は、4つの四半分円筒形部分の相対的位置に従って変化し得る。言い換えれば、顎部62の遠位端に存在する開口の直径は、顎部62の内部開口部内にコネクタ本体80を挿入することを可能にするように変化し得る。
【0093】
この実施形態では、コネクタ本体80は、位置決めまたは基準マーカーとして作用するように機械的導波路54の上に位置決めされる管状体102をさらに設けられる。管状体102は、直径が機械的導波路54の直径と実質的に等しい、内部の円筒形の、長手方向の開口部を設けられる。機械的導波路54は管状体102の内部開口部に挿入され、管状体102はその近位端、すなわち機械的導波路54の近位端に面する管状体102の端部が機械的導波路54の近位端から距離Lのところに位置決めされるように、機械的導波路54の長さに沿って位置決めされる。機械的導波路54の近位端と管状体102の近位端との間の距離Lは、
図6に示す仲介体85の遠位端92と機械的導波路54の近位端との間の距離Lと実質的に同一であることを理解されたい。管状体102は、任意の適切な固定方法を用いて機械的導波路54にしっかりと固定されることが理解されるべきである。
【0094】
図示の実施形態では、管状体102は機械的導波路54の全周に沿って延びているが、管状体102は機械的導波路54の円周の一部分のみに沿って延びるように形状化されてもよいことが理解されるべきである。
【0095】
図7に示す実施形態では、内側顎部84には、各々が、内側顎部84の厚みを通って径方向に、かつ内側顎部84の遠位端から内側顎部84の長さの所与の部分に沿って長手方向に延びる、4つのスロット104が設けられる。スロット104の内側顎部84の円周周りにおける位置、数および/またはサイズは、変動してもよいことが理解されるべきである。4つのスロット104の結果として、内側顎部84の遠位セクションは、各々径方向に移動することができる4つの四半分円筒形部分に分割され、内側顎部84の遠位端における内部開口部の直径は、4つの四半分円筒形部分の相対的位置に従って変化し得る。言い換えれば、内側顎部84の遠位端に存在する開口のサイズは、内側顎部84の内部開口部への仲介体85の挿入を可能にするよう四半分円筒形部分を互いから広げることによって、増大され得る。
【0096】
図7に示すコネクタアセンブリ100を組み立てるために、仲介体85を内側顎要素84の内側表面に挿入して固定する。次に、機械的導波路54の近位端55を仲介体85の皿穴90に挿入し、位置決めマーカー102の近位端が仲介体85の遠位端92に当接するまで機械的導波路54を仲介体85に押し込み、それによって、機械的導波路54の近位端55と仲介体85の遠位端92との間の所定の距離Lが達成されることを確実にする。次に、外側顎部86を内側顎部84の上にスライドさせて、内側顎部84を外側顎部86の内部開口部に挿入する。内側顎部84の円錐形の外壁上での外側顎部86の動きは、内側顎部84を加圧する径方向内向きの力を加え、続いて仲介体85を機械的導波路54に加圧し、それによって機械的導波路54をコネクタ本体80内の所定の位置に固定する。これは、内側顎要素54の径方向コンプライアンスを増大させ得る、内側顎要素54の厚みを貫通する長手方向スロット104の存在によって促進され得る。組み立てが完了すると、コネクタ本体80は、顎部62のタブ68が外側顎要素86の外側表面上の凹部70内にスナップ嵌合するまで、第1のコネクタ本体51aの顎部62内に挿入される。この組み立ては、顎部62の径方向コンプライアンスを増大させ得る、顎部62の厚さを貫通する長手方向スロット106の存在によって容易にされ得る。
【0097】
図8は、対象の動脈などの血管内に存在する病変208を治療するためのシステム200の一実施形態を示す。システム200は、パルス発生器202と、後述する無菌コネクタなどの無菌コネクタ204と、機械的導波路206とを備える。システム200は、パルス発生器202に直接接続されるさらなる機械的導波路を備え得ることを理解されたい。この場合、無菌コネクタは、機械的導波路206とそのさらなる機械的導波路とを互いに接続するために使用されてもよい。
【0098】
無菌コネクタ204は、第1の要素202、例えばパルス発生器の出力またはさらなる機械的導波路から入来する機械的パルスを機械的導波路206に効率的に結合し、第1の要素202から機械的導波路206への生物学的汚染を防止しながら、第1の要素202を機械的導波路206に接続するように構成される。
【0099】
図9は、パルス発生器の出力または機械的導波路などの第1の導波要素302の遠位端304を機械的導波路308の近位端306に接続するために使用される無菌コネクタ300の一実施形態を概略的に示す。無菌コネクタ300は、第1の部材302の遠位端304を機械的導波路308の近位端306から分離する無菌バリア310を備える。
【0100】
無菌バリア310は、第1の部材302の遠位端304からの生物学的汚染が機械的導波路308の近位端306に移動するのを防ぐように適合されている。このようにして、機械的導波路308が無菌である場合、第1の部材302の遠位端304からの汚染は不可能であり、機械的導波路308の無菌性を維持することができる。無菌バリア310の他の機能は、第1の部材302の遠位端304から機械的導波路308の近位端306に伝達されるべき機械的パルスの効率的な伝達を確実にすることである。無菌バリア310はまた、2つの機械的導波路302と308との間の電気的絶縁も確実にし得る。
【0101】
一実施形態では、無菌バリア310は、滅菌することができ、および第1の部材302の遠位端304の材料と機械的導波路308の近位端306の材料との間に良好な音響結合を与えもする、少なくとも1つの材料から形成される。一実施形態では、音響インピーダンスZ(Z=密度×音速として定義される)の値が第1の部材302の遠位端304の音響インピーダンスおよび機械的導波路308の近位端306の音響インピーダンスにできるだけ近い材料を無菌バリア310に用いることによって、良好な音響結合を得ることができる。例えば、第1の部材302の遠位端304および機械的導波路308の近位端306の両方がチタン製である場合、無菌バリア310も滅菌可能材料であるチタン製とすることができる。この場合、無菌バリアは、第1の部材302の遠位端304および機械的導波路308の近位端306と同じ音響インピーダンスを有し、それによって第1の部材302の遠位端304と機械的導波路308の近位端306との間の効率的な機械的エネルギー伝達を確実にする。一実施形態では、無菌バリア310は、機械的導波路間の機械的波動の伝達を促進するために、機械的導波路の音響インピーダンスに近い音響インピーダンスを有する材料で形成することができる。
【0102】
無菌バリア310の音響インピーダンスが第1の部材302の遠位端304および機械的導波路308の近位端306の音響インピーダンスと異なる実施形態では、コネクタ内の伝送損失を防止または制限するために、無菌バリア310はできるだけ薄くされてもよい。例えば、無菌バリア310は、ポリカーボネートまたはPTFEのような滅菌可能な薄いポリマー膜から形成することができる。
【0103】
図10は、雌型部分350、雄型部分352、および雄型/雌型構成に適合する形状を有する無菌バリア354を備える無菌接続システムの一実施形態を示す。雌型部分350は、雄型部分352をその中に受け入れるための凹部356を含み、無菌バリア354は、雌型部分350と雄型部分352との間において雌型部分の凹部356内に挿入され、雌型部分350と雄型部分352との間の物理的接触を防ぐ。次いで、無菌バリア354は、雄型部分352の近位端358の周りに位置決めされるスリーブとして作用して、雌型部分350と雄型部分352との間のいかなる物理的接触も防止し得る。
【0104】
一実施形態では、無菌バリア354は、雌型部分350と雄型部分352との間の物理的接触を防止するよう、雌型部分350の凹部356に挿入され、雌型部分352の凹部356に挿入可能である雄型部分352の部分358を覆うように、可撓性がありかつ変形可能である。別の実施形態では、無菌バリア354は、雌型部分と雄型部分との間のいかなる接触もさらに防ぐために、雌型部分の外側表面上を覆っている。
【0105】
他の実施形態では、無菌バリア354は剛性である。この場合、無菌バリア354は、無菌バリア354を雌型部分350の内部凹部356内に挿入することができるように、内部凹部356の形状と一致する内側部分360を有する。同時に、無菌バリア354は、雄型部分352の近位端358をその中に受けるために、雄型部分352の近位端358の形状と一致する形状を設けられた内側部分360を設けられる。無菌バリア354はまた、雌型部分350の外側表面上を滑ることができる別の部分362も有する。
【0106】
一実施形態では、雌型部分350および雄型部分352は、機械的波動を発生および/または伝播するように構成された構成要素の一部である。例えば、雌型部分350は、パルス発生器または第1の機械的導波路の一部であるかもしくはそれと一体であり得る一方、雄型部分352は、第2の機械的導波路の一部であるかもしくはそれと一体であり得、またはその逆であってもよい。
【0107】
図10の無菌接続アセンブリは、雌型部分350の軸と雄型部分352の軸との間において適切な整列を与え、雌型部分350の遠位面364と雄型部分352の近位面366との間において適切な角度整列も与えて、それらの間の界面での損失を防止または制限する。
【0108】
図11は、コネクタアセンブリ50または100と共に使用することができる無菌バリア400の一実施形態を示す。無菌バリア400は、コネクタ本体51aをコネクタ本体51bまたはコネクタ本体80から隔離するために、コネクタ本体51aを覆うためのスリーブとして機能する。無菌バリア400は、直径が顎部62の外径に実質的に対応する内部空洞を画定する外側管状体404を含む。無菌バリア400はさらに、内側管状体402を含み、内側管状体402は、内側管状体402および外側管状体404の遠位端が同一平面上にあるように、外側管状体404内に挿入される。環状壁403が、外側管状体404の遠位端と内側管状体402の遠位端との間に延びる。結果として、外側管状体404の近位端は開いており、その遠位端は閉じている。
【0109】
内側管状体402は、直径が外側顎部86の直径と実質的に等しい内部空洞を画定し、内側管状体402の長さは少なくとも外側顎部86のそれと等しい。無菌バリア400は、内側管状体402の近位端を閉じるように内側管状体402の近位端に延びる円板状の壁406をさらに設けられる。
【0110】
コネクタ100を組み立てるために、コネクタ本体80は、
図7に関して上述した方法に従って組み立てられる。次に、無菌バリア400が顎部62の上に設置され、無菌バリア400の外側管状体404は顎部62の外側面を覆ってその周りに位置決めされ、環状壁403は顎部62の遠位端に当接し、内側管状体402は、壁406と共に顎部分62の内部開口部に挿入される。無菌バリア400が顎部62上に設置されると、コネクタ本体80は、外側顎部86を内側管状体402内に挿入することによって、顎部62に固定される。その結果、コネクタ本体80と顎部62とが物理的に接触しないようにコネクタ本体80が顎部62から隔離され、機械的導波路も隔離される。コネクタ400が組み付けられると、内側管状体402は顎部62の内側面と外側顎部86の外側面との間に位置し、それによってコネクタ本体51aとコネクタ本体80との間のいかなる物理的接触も防止される。さらに、壁406は、互いに接続されるべき2つの機械的導波路の端部間に位置し、それによって2つの機械的導波路間のいかなる物理的接触も防止する。
【0111】
一実施形態では、無菌バリア400は、可撓性のあるおよび/または変形可能な材料で形成される。この場合、外側および内側管状体404および402ならびに壁406は一体的であり得る。
【0112】
別の実施形態では、無菌バリア400は剛性材料で形成される。
一実施形態では、無菌バリアは、コネクタアセンブリ100を使用して互いに接続される2つの機械的導波路間の機械的波動の伝達を促進するために、連結媒体56などの連結媒体としてさらに機能し得る。この場合、無菌バリアは、チタン、チタン合金、ポリカーボネートまたはPTFE(テフロン(登録商標))などの滅菌可能な材料で形成されてもよい。
【0113】
適切な材料および形状を有する上述の無菌バリアを使用することによって、低侵襲医療用処置装置内で使用される無菌の機械的導波路の近位端の無菌性が、処置全体を通して維持され得る。
【0114】
一実施形態では、仲介体は、Dow CorningTM734 RTVシリコーンゴム製であり得る。別の実施形態では、仲介体はネオプレンゴムストリップで形成されてもよい。
【0115】
上記の発明の実施形態は例示的なものにすぎないことが意図される。したがって、本発明の範囲は、特許請求の範囲によってのみ限定されることが意図される。
【手続補正書】
【提出日】2023-02-09
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の機械的導波路と第2の機械的導波路とを互いに接続するためのコネクタアセンブリであって、
前記第1の機械的導波路に固定可能な第1のコネクタ本体を備え、前記第1のコネクタ本体は、前記第1の機械的導波路を中に受けるための第1の開口部を設けられる第1の顎部を含み、前記コネクタアセンブリはさらに、
前記第2の機械的導波路に固定可能な第2のコネクタ本体を備え、前記第2のコネクタ本体は、前記第2の機械的導波路を中に受けるための第2の開口部を設けられる第2の顎部を含み、前記第1のコネクタ本体および前記第2のコネクタ本体は互いに取り外し可能に固定可能であり、前記コネクタアセンブリはさらに、
前記第1の機械的導波路のインピーダンスよりも低い音響インピーダンスを有する第1の仲介体を備え、前記第1の仲介体は、前記第1の顎部と前記第1の機械的導波路との間に位置決めされるよう、前記第1の顎部の前記第1の開口部内に挿入され、前記第1の仲介体は前記第1の顎部と前記第1の機械的導波路の各々の周囲の少なくとも一部分に沿って延び、前記第1の機械的導波路は第1の直径を有し、前記コネクタアセンブリはさらに、
前記第2の機械的導波路のインピーダンスよりも低い音響インピーダンスを有する第2の仲介体を備え、前記第2の仲介体は、前記第2の顎部と前記第2の機械的導波路との間に位置決めされるよう、前記第2の顎部の前記第2の開口部内に挿入され、前記第2の仲介体は前記第2の顎部と前記第2の機械的導波路の各々の周囲の少なくとも一部分に沿って延び、前記第2の機械的導波路は前記第1の直径と等しい第2の直径を有する、コネクタアセンブリ。
【請求項2】
前記第1のコネクタ本体および前記第2のコネクタ本体の一方は雌型コネクタに対応し、前記第1のコネクタ本体および前記第2のコネクタ本体の他方は前記雌型コネクタ内に固定可能な雄型コネクタに対応する、請求項1に記載のコネクタアセンブリ。
【請求項3】
前記第2のコネクタ本体が前記雄型コネクタに対応し、前記第1のコネクタ本体が前記雌型コネクタに対応するように、前記第2の顎部は前記第1の顎部の前記第1の開口部に挿入可能であり、前記コネクタアセンブリは、前記第2の機械的導波路を中に受けるための第3の開口部が設けられた第3の顎部をさらに備え、前記第3の顎部は前記第2の顎部の前記第2の開口部に挿入可能である、請求項2に記載のコネクタアセンブリ。
【請求項4】
前記第2の顎部の内側面が傾斜しており、前記第3の顎部の外側面が前記第2の顎部の前記内側面と嵌合するように傾斜している、請求項3に記載のコネクタアセンブリ。
【請求項5】
前記第1の顎部および前記第3の顎部の1つは、その遠位端から長手方向に延びる少なくとも1つのスロットを設けられる、請求項3または4に記載のコネクタアセンブリ。
【請求項6】
前記第1の仲介体および前記第2の仲介体は、生体適合性および滅菌性のうちの少なくとも一方を有する材料から形成される、請求項1~5のいずれか1項に記載のコネクタアセンブリ。
【請求項7】
前記第1の仲介体および前記第2の仲介体は各々ゴムおよびシリコンポリマーのうちの1つから形成される、請求項1~6のいずれか1項に記載のコネクタアセンブリ。
【請求項8】
前記第1の仲介体および前記第2の仲介体は各々弾性材料から形成される、請求項1~6のいずれか1項に記載のコネクタアセンブリ。
【請求項9】
前記第1の機械的導波路の遠位端と前記第2の機械的導波路の近位端とを互いに横方向に整列させるための機械的手段をさらに備える、請求項1に記載のコネクタアセンブリ。
【請求項10】
前記機械的手段は、開口部と、前記開口部の周りに延びる傾斜面とを含む整列プレートを含み、前記開口部は、前記第1の機械的導波路の遠位端と前記第2の機械的導波路の近位端とを中に受けるためのものである、請求項9に記載のコネクタアセンブリ。
【請求項11】
前記第1の機械的導波路の遠位端と前記第2の機械的導波路の近位端とを互いに角度的に整列させるための機械的手段をさらに備える、請求項1に記載のコネクタアセンブリ。
【請求項12】
前記第1の機械的導波路と前記第2の機械的導波路との間に軸方向の加圧力を及ぼすための機械的手段をさらに備える、請求項1に記載のコネクタアセンブリ。
【請求項13】
前記機械的手段は、前記第1の機械的導波路および前記第2の機械的導波路のうちの少なくとも1つを前記第1の機械的導波路および前記第2の機械的導波路のうちの他の1つに向かって押すように構成される、請求項12に記載のコネクタアセンブリ。
【請求項14】
前記機械的手段は、ねじ、レバー、傾斜面、磁石、およびばねのうちの少なくとも1つを含む、請求項12または13に記載のコネクタアセンブリ。
【請求項15】
前記顎部に横方向の力を加えるための機械的手段をさらに備える、請求項1に記載のコネクタアセンブリ。
【請求項16】
前記第1の仲介体および前記第2の仲介体は各々、前記第1の機械的導波路および前記第2の機械的導波路にそれぞれ、ならびに前記第1の顎部および前記第2の顎部にそれぞれ、しっかりと固定される、請求項1に記載のコネクタアセンブリ。
【請求項17】
前記第1の仲介体および前記第2の仲介体は、前記第1の機械的導波路および前記第2の機械的導波路にそれぞれ、ならびに前記第1の顎部および前記第2の顎部にそれぞれ、接合される、請求項16に記載のコネクタアセンブリ。
【請求項18】
前記第1の仲介体および前記第2の仲介体は、各々、前記第1の機械的導波路および前記第2の機械的導波路にそれぞれ、ならびに前記第1の顎部および前記第2の顎部にそれぞれ、オーバーモールドされる、請求項16に記載のコネクタアセンブリ。
【請求項19】
前記第1の機械的導波路と前記第2の機械的導波路との間に位置決めされるべき連結媒体をさらに備える、請求項1~18のいずれか1項に記載のコネクタアセンブリ。
【請求項20】
前記第1のコネクタ本体と前記第2のコネクタ本体との間および前記第1の機械的導波路と前記第2の機械的導波路との間の物理的接触を防ぐための無菌バリアをさらに備える、請求項1~18のいずれか1項に記載のコネクタアセンブリ。
【請求項21】
滅菌可能な材料で形成され、前記雌型コネクタと前記雄型コネクタとの間に挿入可能な無菌バリアをさらに備え、前記無菌バリアは、外側管状体と、前記外側管状体に挿入される内側管状体と、前記外側管状体の遠位端から前記内側管状体の遠位端まで延びる環状壁と、前記内側管状体の近位端を閉じる円板状壁とを含み、前記外側管状体は前記第1の顎部の外側面上に位置決めされ、前記内側管状体は前記第1の顎部の前記第1の開口部に挿入可能であり、前記第2の顎部は前記内側管状体に挿入可能である、請求項3~5のいずれか1項に記載のコネクタアセンブリ。
【請求項22】
前記無菌バリアは可撓性材料で形成される、請求項21に記載のコネクタアセンブリ。
【請求項23】
前記無菌バリアは剛性材料で形成される、請求項21に記載のコネクタアセンブリ。
【請求項24】
前記第1の仲介体は前記第1の顎部と前記第1の機械的導波路の各々の周囲全体に沿って延び、前記第2の仲介体は前記第2の顎部と前記第2の機械的導波路の各々の周囲全体に沿って延びる、請求項1に記載のコネクタアセンブリ。
【外国語明細書】