IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 東光東芝メーターシステムズ株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-電力量計 図1
  • 特開-電力量計 図2
  • 特開-電力量計 図3
  • 特開-電力量計 図4
  • 特開-電力量計 図5
  • 特開-電力量計 図6
  • 特開-電力量計 図7
  • 特開-電力量計 図8
  • 特開-電力量計 図9
  • 特開-電力量計 図10
  • 特開-電力量計 図11
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023005237
(43)【公開日】2023-01-18
(54)【発明の名称】電力量計
(51)【国際特許分類】
   G01R 22/06 20060101AFI20230111BHJP
   G01R 11/00 20060101ALI20230111BHJP
   G01R 11/04 20060101ALI20230111BHJP
【FI】
G01R22/06 130D
G01R11/00 H
G01R22/06 130H
G01R11/04 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021107021
(22)【出願日】2021-06-28
(71)【出願人】
【識別番号】309042071
【氏名又は名称】東光東芝メーターシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100101247
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 俊一
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 正和
(74)【代理人】
【識別番号】100098327
【弁理士】
【氏名又は名称】高松 俊雄
(72)【発明者】
【氏名】良知 慎一
(57)【要約】
【課題】カバー取外し時及び取付時の作業時間を短縮する。
【解決手段】ケースとカバーを備える計量装置、通信装置、端子ブロックを有し、ケースの左右両側面に、円筒形の回転軸用穴部、閉用凸部と開用凸部とカバーの閉状態および開状態を解除するための解除部とを有するスナップフィット構造の固定部を設け、カバーの正面側に回転軸、回転軸の左右両側面外側に円筒形の回転軸用凸部、回転軸の下方に固定用凹部、解除用凹部、回転軸の上方にカバー防水用リブを設け、カバーのカバー防水用リブの上面を開用凸部の上面に当接しカバーの開状態を保持した状態で計量装置を端子ブロックに取り付け、解除部を左右に広げて回転軸用凸部を軸としてカバーを下方に回転させて降ろし、閉用凸部が固定用凹部に篏合してカバーを閉状態を保持する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケースとカバーを備える計量装置と、前記計量装置に取り付けられ且つ前記計量装置で計量された電力量を外部に送信する通信装置と、前記計量装置に取り付けられ且つ電線と接続する端子ブロックを有し、
前記ケースの左右両側面に、円筒形の回転軸用穴部、閉用凸部と開用凸部と前記カバーの閉状態および開状態を解除するための解除部とを有するスナップフィット構造の固定部を設け、前記カバーの正面側に回転軸、前記回転軸の左右両側面外側に円筒形の回転軸用凸部、前記回転軸の下方に前記閉用凸部に篏合して前記カバーを閉状態に保持するための固定用凹部、前記カバーが閉状態のときに前記解除部と前記カバーの間に指を挿入して解除部を操作するために設けられた空間として解除用凹部、前記回転軸の上方にカバー防水用リブを設け、
前記ケースの前記回転軸用穴部に前記カバーの回転軸用凸部が篏合させて前記カバーを回転可能とし、前記カバー防水用リブの上面を前記開用凸部の上面に当接して前記カバーを開状態に保持した状態で、前記計量装置を前記端子ブロックに取り付け、前記通信装置を取付けた後、前記解除部を左右に広げることで前記カバー防水用リブの上面を前記開用凸部の上面から外し、前記回転軸用凸部を軸として前記カバーを下方に回転させて降ろし、前記閉用凸部が前記固定用凹部に篏合して前記カバーを閉状態に保持して、前記計量装置を前記端子ブロックに取付けることを特徴とする電力量計。
【請求項2】
前記カバーの左右両側面外側に凹部からなるカバー側摺動部、閉用凹部、開用凹部を設け、凸部からなる固定カバー側摺動部と、固定凸部を有するスナップフィット構造の固定部とを有する固定カバーを設け、
前記カバー側摺動部に前記固定カバー側摺動部を篏合させて前記固定カバーを上下に摺動可能とし、前記カバーの閉状態において、前記固定カバーを下方に摺動して、前記固定凸部を前記開用凹部に篏合することで、前記解除用凹部および前記解除部を露出させて、前記解除部を操作可能として、前記カバーを開状態にすることが可能であるとともに、前記固定カバーを上方に摺動して、前記固定凸部を前記閉用凹部に篏合することで、前記解除用凹部および前記解除部を前記固定カバーで覆い、前記解除部を操作できないようにして、前記カバーを開状態にできないように制限可能であることを特徴とする請求項1記載の電力量計。
【請求項3】
前記カバーに前記通信装置を取付けるための通信装置取付部、固定凸部を有するスナップフィット構造の固定部を設け、前記通信装置を前記通信装置取付部に取付け、前記カバーの前記固定凸部で前記通信装置を固定することを特徴とする請求項1又は請求項2記載の電力量計。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電力量計に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電力量計は、計量装置と、計量装置に取り付けられ且つ計量装置で計量された電力量を外部に送信する通信装置と、端子ブロック、カバーを有している。図9(a)~図9(d)は、従来の電力量計において、計量装置、端子ブロック、通信装置、カバーを組立てる手順を示した工程図である。図9(a)は、計量装置を端子ブロックに取付ける方向を示し、図9(b)は、計量装置に端子ブロックを取り付けた状態を示し、図9(c)は、計量装置に通信装置を取り付けた状態を示し、図9(d)は、端子ブロックにカバーを取り付けて完成した電力量計を示す。図10(a)、(b)は、従来の電力量計の分解図を示す。図11(a)は、従来の電力量計用通信装置の外観を示し、図11(b)は、通信装置に設けられた計量装置取付部24aを示す。
【0003】
計量装置は、図10(a)~図10(b)に示すように、電力量を表示する表示部1aと通信装置接続部1bと開閉検出部1cと導体接続部1dとセンサ接続部1eとベース取付部1fを有する回路部1、回路部1のセンサ接続部1eに接続するセンサ側回路接続部2aを有し電流を測定するセンサ部2、回路部1の導体接続部1dに接続して電源供給する導体側回路接続部3aと端子ブロックの端子9の端子側導体接続部9bと接続する導体側端子接続部3bを備えている導体3、通信装置接続部通し穴4aと通信装置取付部4bとブロック取付部4cと開閉検出部通し穴4dとケース取付部4eと導体通し穴4fと回路取付部4gを備えるベース4、それらを収納し、表示窓5aとケース側ベース取付部5bとケース防水用リブ収納部5cとケース防水用リブ5dとケース側固定ねじ取付部5eを備えているケース5で構成されている。
【0004】
通信装置は、図11(a)~図11(b)に示すように、計量装置接続部21a、計量装置取付部24aを有している。端子ブロックは、図10(a)~図10(b)に示すように、ブロック取付ねじ6、導体接続ねじ7、電線取付ねじ8、電線収納部9aと端子側導体接続部9bを備える端子9、ブロック側ベース取付部10aとカバー取付用雌ねじ部10bと電線通し穴10cと端子取付部10dとブロック側固定ねじ取付部10eとブロック防水用リブ収納部10fを備えるブロック10で構成されている。カバーは、図10(a)~図10(b)に示すように、検出用凸部11aとカバー防水用リブ11bを備えるカバー11とカバー取付ねじ12で構成されている。
【0005】
このように構成された計量装置、通信装置、端子ブロック、カバーを電力量計に組立てる手順を以下に記す。まず、図9(a)に示すように、計量装置を端子ブロックの上方に配置して下方に移動させると、図9(b)に示すように、計量装置を端子ブロックに篏合させた後、計量装置の導体側端子接続部3bを、端子ブロックの導体接続ねじ7で端子9の端子側導体接続部9bに固定し、計量装置のブロック取付部4cを、ブロック取付ねじ6で端子ブロックのブロック側ベース取付部10aに固定することで、計量装置を端子ブロックに取り付けることができる。
【0006】
このとき、ケース5のケース防水用リブ5dは、ブロック10のブロック防水用リブ収納部10fに収納される。その後、図10(c)に示すように、通信装置の計量装置取付部24aを、計量装置のベース4の通信装置取付部4bに嵌合させ、通信装置の計量装置接続部21aを、計量装置のベース4の通信装置接続部通し穴4aを通して、回路部1の通信装置接続部1bに接続することで、通信装置を計量装置に取付ける。
【0007】
その後、図10(d)に示すように、カバー11のカバー防水用リブ11bをケース5のケース防水用リブ収納部5cに挿入し、カバー11に備えてあるカバー取付ねじ12を、ブロック10のカバー取付用雌ねじ部10bに取り付けることで、電力量計が組み立てられることになる。設置された端子ブロックを流用して計量装置を交換する場合、上記電力量計の組立手順を逆にして行う。
【0008】
まず、古い電力量計と新しい電力量計において、カバー取付ねじ12を緩めてカバー11を取外して近場に搬送して保管し、計量装置取付部24aを通信装置接続部1bから取外して通信装置を取外して近場に搬送して保管し、端子ブロックのブロック取付ねじ6と導体接続ねじ7を緩めて計量装置を取外して近場に搬送して保管する。次に、古い端子ブロックに新しい電力量計、新しい通信装置、新しいカバーを取り付けることで電力量計の交換が完了する。
【0009】
このように、電力量計交換時においては、カバーの取外し時のねじ緩め作業と搬送作業が2回、カバーの取付け時の搬送作業とねじ絞め作業が1回発生する。また、通信装置の取外し作業と搬送作業が2回、通信装置の搬送作業と取付け作業が1回発生する。
【0010】
参考として、端子台に接続されている電源側給電用導線および負荷側給電用導線を取り外す必要がなく、給電制御装置の着脱作業を容易かつ安全に行うことができる電力量計が挙げられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特許第4991340号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
電力量計の交換時において、カバーのカバー取付ねじを緩める作業、カバーを搬送して保管する作業、カバー取付時に搬送する作業、カバー取付ねじを締め付ける作業が発生して作業時間が長くなり、作業費が高くなる要因となっていた。また、通信装置の取外し作業、通信装置を搬送して保管する作業、通信装置取付時に搬送する作業、通信装置を取付ける作業が発生して作業時間が長くなり、作業費が高くなる要因となっていた。
【0013】
本発明は、カバー取外し時及びカバー取付時の作業時間を短縮し、設置作業費をコストダウンできる電力量計を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記課題を解決するために、本発明の請求項1は、ケースとカバーを備える計量装置と、前記計量装置に取り付けられ且つ前記計量装置で計量された電力量を外部に送信する通信装置と、前記計量装置に取り付けられ且つ電線と接続する端子ブロックを有し、前記ケースの左右両側面に、円筒形の回転軸用穴部、閉用凸部と開用凸部と前記カバーの閉状態および開状態を解除するための解除部とを有するスナップフィット構造の固定部を設け、前記カバーの正面側に回転軸、前記回転軸の左右両側面外側に円筒形の回転軸用凸部、前記回転軸の下方に前記閉用凸部に篏合して前記カバーを閉状態に保持するための固定用凹部、前記カバーが閉状態のときに前記解除部と前記カバーの間に指を挿入して解除部を操作するために設けられた空間として解除用凹部、前記回転軸の上方にカバー防水用リブを設け、前記ケースの前記回転軸用穴部に前記カバーの回転軸用凸部が篏合させて前記カバーを回転可能とし、前記カバー防水用リブの上面を前記開用凸部の上面に当接して前記カバーを開状態に保持した状態で、前記計量装置を前記端子ブロックに取り付け、前記通信装置を取付けた後、前記解除部を左右に広げることで前記カバー防水用リブの上面を前記開用凸部の上面から外し、前記回転軸用凸部を軸として前記カバーを下方に回転させて降ろし、前記閉用凸部が前記固定用凹部に篏合して前記カバーを閉状態に保持して、前記計量装置を前記端子ブロックに取付けることを特徴とする。
【0015】
請求項2の発明は、前記カバーの左右両側面外側に凹部からなるカバー側摺動部、閉用凹部、開用凹部を設け、凸部からなる固定カバー側摺動部と、固定凸部を有するスナップフィット構造の固定部とを有する固定カバーを設け、前記カバー側摺動部に前記固定カバー側摺動部を篏合させて前記固定カバーを上下に摺動可能とし、前記カバーの閉状態において、前記固定カバーを下方に摺動して、前記固定凸部を前記開用凹部に篏合することで、前記解除用凹部および前記解除部を露出させて、前記解除部を操作可能として、前記カバーを開状態にすることが可能であるとともに、前記固定カバーを上方に摺動して、前記固定凸部を前記閉用凹部に篏合することで、前記解除用凹部および前記解除部を前記固定カバーで覆い、前記解除部を操作できないようにして、前記カバーを開状態にできないように制限可能であることを特徴とする。
【0016】
請求項3の発明は、前記カバーに前記通信装置を取付けるための通信装置取付部、固定凸部を有するスナップフィット構造の固定部を設け、前記通信装置を前記通信装置取付部に取付け、前記カバーの前記固定凸部で前記通信装置を固定することを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
請求項1の発明によれば、現行品に比べ、カバーとケースが蝶番構造で一体化するとともに、ケースの固定部の開用凸部でカバーを開状態に保持することができるため、カバー取外し時に搬送して保管する作業、カバー取付時に搬送する作業が不要となり、作業時間を短縮することができる。また、ケースの固定部の閉用凸部でカバーを閉状態に保持することができるため、カバー取付ねじを緩める作業と締め付ける作業が不要となり、作業時間を短縮することができる。
【0018】
請求項2の発明によれば、請求項1に比べ、ケースの固定部の解除部を固定カバーで覆うことで、簡単にカバーを開くことができなくなるため、イタズラ防止をすることができる。
【0019】
請求項3の発明によれば、現行品に比べ、通信装置をカバーに取付けることができるため、通信装置の取外し作業、通信装置を搬送して保管する作業、通信装置取付時に搬送する作業、通信装置を取付ける作業が不要となり、作業時間を短縮することができる。また、現行品に比べ、計量装置と通信装置とカバーで組立てられて持ち運ぶことができるため、計量装置交換用として余計な部品を追加することがない。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明の第1の実施形態に係る電力量計の組立斜視図である。
図2】本発明の第1の実施形態に係る電力量計の組立斜視図と部分断面図である。
図3】本発明の第1の実施形態に係る電力量計のケースとカバーの斜視図である。
図4】本発明の第2の実施形態に係る電力量計の組立斜視図である。
図5】本発明の第2の実施形態に係る電力量計の組立斜視図と部分断面図である。
図6】本発明の第2の実施形態に係る電力量計のケースとカバーと固定カバーの斜視図である。
図7】本発明の第3の実施形態に係る電力量計の組立斜視図とカバーの斜視図である。
図8】本発明の第4の実施形態に係る電力量計の組立斜視図とカバーの斜視図である。
図9】従来の電力量計の斜視図である。
図10】従来の電力量計の分解図である。
図11】従来の電力量計用通信装置の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施の形態に係る電力量計について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0022】
(第1の実施形態)
図1図2図3は、本発明の第1の実施形態に係る電力量計の斜視図と断面図である。
【0023】
図1(a)~図1(d)、図2(a)~図2(b)は、計量装置と端子ブロックと通信装置を組立てる手順を示した組立斜視図である。
【0024】
図2(c)は、図1(c)に示す電力量計の右側面から見た垂直断面図を示し、図2(d)は、図2(b)に示す電力量計の右側面から見た垂直断面図を示す。
【0025】
図3(a)は、ケースの斜視図を示し、図3(b)は、カバーの斜視図を示す。
【0026】
電力量計は、ケース5Aとカバー11Aを備える計量装置と、計量装置に取り付けられ且つ計量装置で計量された電力量を外部に送信する通信装置(図1に示す上ケース23と下ケース24)と、計量装置に取り付けられ且つ電線と接続する端子ブロックとを有している。
【0027】
図3(a)に示すように、計量装置のケース5Aの左右両側面には、円筒形の回転軸用穴部5A1、閉用凸部5A2と開用凸部5A3とカバー11Aの閉状態および開状態を解除するための解除部5A4とを有するスナップフィット構造の固定部5A5が設けられている。
【0028】
図3(b)に示すように、カバ-11Aの正面側には、回転軸11A1、回転軸11A1の左右両側面外側に円筒形の回転軸用凸部11A2、回転軸11A1の下方に閉用凸部5A2に篏合してカバー11Aを閉状態に保持するための固定用凹部11A3、前記カバーが閉状態のときに前記解除部とカバーの間に指を挿入して解除部を操作するために設けられた空間として解除用凹部11A4、回転軸11A1の上方にカバー防水用リブ11Abが設けられている。
【0029】
次に、このように構成された第1の実施形態の計量装置の組立手順を説明する。まず、現行品同様に、回路部1、センサ部2、導体3、ベース4、ケース5Aを組立てた状態において、図3(a)に示すケース5Aの回転軸用穴部5A1に、図3(b)に示すカバー11Aの回転軸用凸部11A2を篏合させて、カバー11Aをケース5Aに組立てるとともに、カバー11Aを回転可能とする。
【0030】
次に、カバー11Aのカバー防水用リブ11Abの上面をケース5Aの固定部5A5の開用凸部5A3の上面に当接させて、カバー11Aを開状態に保持した状態にする。
【0031】
次に、計量装置、通信装置、端子ブロックを電力量計に組立てる手順を説明する。
【0032】
まず、図1(a)に示すように、上方から計量装置を端子ブロックに下す。
【0033】
次に、図1(b)に示すように、ドライバーで導体接続ねじ7を締め付けて導体側端子接続部3bを端子側導体接続部9bに固定し、ドライバーでブロック取付ねじ6を締め付けてブロック取付部4cをブロック側ベース取付部10aに固定することで、計量装置を端子ブロックに取り付ける。
【0034】
次に、図1(c)、図2(c)に示すように、計量装置に通信装置を取付ける。
【0035】
次に、図1(d)に示すように、ケース5Aの固定部5A5の解除部5A4を左右に広げて、カバー11Aのカバー防水用リブ11Abの上面をケース5Aの固定部5A5の開用凸部5A3の上面から外す。
【0036】
次に、図2(a)に示すように、カバー11Aの回転軸用凸部11A2を軸としてカバー11Aを下方に回転させて降ろす。
【0037】
次に、図2(b)、図2(d)に示すように、ケース5Aの固定部5A5が復元力により戻り、ケース5Aの固定部5A5の閉用凸部5A2が、カバー11Aの固定用凹部11A3に篏合してカバー11Aの閉状態を保持することで、電力量計にして組立てることができる。
【0038】
また、カバー11Aを開くとき、カバー11Aの解除用凹部11A4に指を入れ、その指でケース5Aの固定部5A5の解除部5A4を左右に広げ、ケース5Aの固定部5A5の閉用凸部5A2をカバー11Aの固定用凹部11A3から外す。
【0039】
次に、カバー11Aの回転軸用凸部11A2を軸としてカバー11Aを上方に回転させて開き、ケース5Aの固定部5A5が復元力により戻り、ケース5Aの固定部5A5の開用凸部5A3の上面がカバー11Aのカバー防水用リブ11Abの上面に当接することで、カバー11Aの開状態を保持できる。
【0040】
このように第1の実施形態に係る電力量計によれば、現行品に比べ、カバー11Aとケース5Aが蝶番構造で一体化するとともに、ケース5Aの固定部5A5の開用凸部5A3でカバー11Aを開状態に保持することができるため、カバー取外し時に搬送して保管する作業、カバー取付時に搬送する作業が不要となり、作業時間を短縮することができる。また、ケース5Aの固定部5A5の閉用凸部5A2でカバー11Aを閉状態に保持することができるため、カバー取付ねじを緩める作業と締め付ける作業が不要となり、作業時間を短縮することができる。
【0041】
(第2の実施形態)
図4図5図6は、本発明の第2の実施形態に係る電力量計の斜視図と断面図である。図4(a)~図4(d)、図5(a)~図5(c)は、本発明の第2の実施形態に係る電力量計の計量装置と端子ブロックと通信装置を組立てる手順を示した組立斜視図である。図5(d)は、図5(b)に示す電力量計の右側面における固定カバー篏合部の水平断面図を示し、図5(e)は、図5(c)に示す電力量計の右側面における固定カバー篏合部の水平断面図を示す。
【0042】
図6(a)は、ケースの斜視図を示し、図6(b)は、カバーの斜視図を示し、図6(c)は、固定カバーの斜視図を示す。
【0043】
第2の実施形態に係る電力量計は、第1の実施形態に係る電力量計に対して、図6(c)に示すように、凸部からなる固定カバー側摺動部201a、固定凸部201bを有するスナップフィット構造の固定部201cを有する固定カバー201が追加され、図6(a)に示すように、ケース5Bの左右両側面には、円筒形の回転軸用穴部5B1、閉用凸部5B2と開用凸部5B3とカバー11Bの閉状態および開状態を解除するための解除部5B4とを有するスナップフィット構造の固定部5B5を設け、図6(b)に示すように、カバ-11Bの正面側には、回転軸11B1、回転軸11B1の左右両側面外側に円筒形の回転軸用凸部11B2、回転軸11B1の下方に閉用凸部5B2に篏合してカバー11Bを閉状態に保持するための固定用凹部11B3、前記カバーが閉状態のときに前記解除部とカバーの間に指を挿入して解除部を操作するために設けられた空間として解除用凹部11B4、固定カバー201の固定カバー側摺動部201aに篏合して固定カバー201を上下に摺動するために設けられた凹部からなるカバー側摺動部11B5、固定カバー201の固定部201cの固定凸部201bに篏合して固定カバー201を固定するために設けられた閉用凹部11B6と開用凹部11B7、回転軸11B1の上方にカバー防水用リブ11Bbが設けられている。その他の構成は、第1の実施形態に係る電力量計と同じである。
【0044】
次に、このように構成された第2の実施形態の計量装置の組立手順を説明する。まず、現行品同様に、回路部1、センサ部2、導体3、ベース4、ケース5Aを組立てた状態において、図6(b)に示すカバー11Bのカバー側摺動部11B5に、図6(c)に示す固定カバー201の固定カバー側摺動部201aを篏合させて、固定カバー201をカバー11Bに組立てるとともに、固定カバー201を上下に摺動可能とする。
【0045】
次に、固定カバー201を下方に押し下げて、固定カバー201の固定部201cの固定凸部201bを、カバー11Bの開用凹部11B7に篏合させて、固定カバー201を下端に固定し、カバー11Bの解除用凹部11B4を露出させた状態にする。
【0046】
次に、図6(a)に示すケース5Bの回転軸用穴部5B1に、カバー11Bの回転軸用凸部11B2を篏合させて、カバー11Bをケース5Bに組立てるとともに、カバー11Bを回転可能とする。
【0047】
次に、カバー11Bのカバー防水用リブ11Bbの上面をケース5Bの固定部5B5の開用凸部5B3の上面に当接させて、カバー11Bを開状態に保持した状態にする。
【0048】
次に、計量装置、通信装置、端子ブロックを電力量計に組立てる手順を説明する。
【0049】
まず、図4(a)に示すように、上方から計量装置を端子ブロックに下す。
【0050】
次に、図4(b)に示すように、ドライバーで導体接続ねじ7を締め付けて導体側端子接続部3bを端子側導体接続部9bに固定し、ドライバーでブロック取付ねじ6を締め付けてブロック取付部4cをブロック側ベース取付部10aに固定することで、計量装置を端子ブロックに取り付ける。
【0051】
次に、図4(c)に示すように、計量装置に通信装置を取付ける。
【0052】
次に、図4(d)に示すように、ケース5Bの固定部5B5の解除部5B4を左右に広げて、カバー11Bのカバー防水用リブ11Bbの上面をケース5Aの固定部5A5の開用凸部5A3の上面から外す。
【0053】
次に、図5(a)に示すように、カバー11Bの回転軸用凸部11B2を軸としてカバー11Bを下方に回転させて降ろす。
【0054】
次に、図5(b)、図5(d)に示すように、ケース5Bの固定部5B5が復元力により戻り、ケース5Bの固定部5B5の閉用凸部5B2が、カバー11Bの固定用凹部11B3に篏合してカバー11Bを閉状態にする。
【0055】
次に、図5(c)、図5(e)に示すように、指で固定カバー201を押し上げると、カバー11Bの開用凹部11B7が固定カバー201の固定部201cの固定凸部201bを押して固定部201cが外側に撓み、固定カバー201の固定部201cの固定凸部201bがカバー11Bの開用凹部11B7から外れ、固定カバー201の固定部201cの固定凸部201bがカバー11Bの閉用凹部11B6に篏合させて、固定カバー201を上端に固定すると同時に、カバー11Bの解除用凹部11B4とケース5Bの固定部5B5の解除部5B4を固定カバー201で覆う。
【0056】
これにより、ケース5Bの固定部5B5を左右に開く操作ができないように制限することで、カバー11Bが容易に開状態にできない状態にした電力量計に組立てることができる。
【0057】
なお、カバー11Bを開く場合は、上記手順を逆にして実施することが可能である。つまり、固定カバー201を下方に押し下げて、固定カバー201の固定部201cの固定凸部201bを、カバー11Bの開用凹部11B7に篏合させて、固定カバー201を下端に固定し、カバー11Bの解除用凹部11B4を露出させた状態にした以降は、第1の実施形態に係る電力量計と同様に操作することが可能である。
【0058】
このように第2の実施形態に係る電力量計によれば、第1の実施形態に比べ、ケース5Bの固定部の解除部5B4を固定カバー201で覆うことで、簡単にカバー11Bを開くことができなくなるため、イタズラ防止をすることができる。
【0059】
(第3の実施形態)
図7は、本発明の第3の実施形態に係る電力量計の斜視図である。図7(a)は、通信装置が取り付けられた計量装置を端子ブロックに取り付ける方向を示し、図7(b)は、端子ブロックがない場合に計量装置と通信装置とカバーとを備える電力量計を示し、図7(c)は、カバーの斜視図を示す。
【0060】
第3の実施形態に係る電力量計は、第1の実施形態に係る電力量計に対して、カバー11Cに通信装置を取付けるための通信装置取付部11C8、固定凸部11C9を有するスナップフィット構造の固定部11C10を設けている。その他の構成は、第1の実施形態に係る電力量計と同じである。
【0061】
通信装置を図7(c)に示す通信装置取付部11C8に取付け、図7(a)に示すように、固定部11C10の固定凸部11C9で通信装置を固定することができる。
【0062】
このように構成された第3の実施形態の電力量計によれば、現行品に比べ、通信装置をカバー11Cに取付けることができるため、通信装置の取外し作業、通信装置を搬送して保管する作業、通信装置取付時に搬送する作業、通信装置を取付ける作業が不要となり、作業時間を短縮することができる。また、現行品に比べ、計量装置と通信装置とカバー11Cで組立てられて持ち運ぶことができるため、計量装置交換用として余計な部品を追加することがない。
【0063】
(第4の実施形態)
図8は、本発明の第4の実施形態に係る電力量計の斜視図である。図8(a)は、通信装置が取り付けられた計量装置を端子ブロックに取り付ける方向を示し、図8(b)は、端子ブロックがない場合に計量装置と通信装置とカバーと固定カバーを備える電力量計を示し、図8(c)は、カバーの斜視図を示す。
【0064】
第4の実施形態に係る電力量計は、第2の実施形態に係る電力量計に対して、さらに、カバー11Dに通信装置を取付けるための通信装置取付部11D8、固定凸部11D9を有するスナップフィット構造の固定部11D10を設けている。その他の構成は、第2の実施形態に係る電力量計と同じである。
【0065】
通信装置を図8(c)に示す通信装置取付部11D8に取付け、固定部11D10の固定凸部11D9で通信装置を固定することができる。
【0066】
このように構成された第4の実施形態の電力量計によれば、現行品に比べ、通信装置をカバー11Dに取付けることができるため、通信装置の取外し作業、通信装置を搬送して保管する作業、通信装置取付時に搬送する作業、通信装置を取付ける作業が不要となり、作業時間を短縮することができる。また、現行品に比べ、計量装置と通信装置とカバー11Dで組立てられて持ち運ぶことができるため、計量装置交換用として余計な部品を追加することがない。
【符号の説明】
【0067】
1 回路部
1a 表示部
1b 通信装置接続部
1c 開閉検出部
1d 導体接続部
1e センサ接続部
1f ベース取付部
2 センサ部
2a センサ側回路接続部
3 導体
3a 導体側回路接続部
3b 導体側端子接続部
4 ベース
4a 通信装置接続部通し穴
4b 通信装置取付部
4c ブロック取付部
4d 開閉検出部通し穴
4e ケース取付部
4f 導体通し穴
4g 回路取付部
5,5A,5B ケース
5a,5Aa,5Ba 表示窓
5b,5Ab,5Bb ケース側ベース取付部
5c,5Ac,5Bc ケース防水用リブ収納部
5d,5Ad,5Bd ケース防水用リブ
5e,5Ae,5Be ケース側固定ねじ取付部
5A1,5B1 回転軸用穴部
5A2,5B2 閉用凸部
5A3,5B3 開用凸部
5A4,5B4 解除部
5A5,5B5 固定部
6 ブロック取付ねじ
7 導体接続ねじ
8 電線取付ねじ
9 端子
9a 電線収納部
9b 端子側導体接続部
10 ブロック
10a ブロック側ベース取付部
10b カバー取付用雌ねじ部
10c 電線通し穴
10d 端子取付部
10e ブロック側固定ねじ取付部
10f ブロック防水用リブ収納部
11,11A,11B,11C,11D カバー
11a,11Aa,11Ba,11Ca,11Da 検出用凸部
11b,11Ab,11Bb,11Cb,11Db カバー防水用リブ
11A1,11B1,11C1,11D1 回転軸
11A2,11B2,11C2,11D2 回転軸用凸部
11A3,11B3,11C3,11D3 固定用凹部
11A4,11B4,11C4,11D4 解除用凹部
11B5,11D5 カバー側摺動部
11B6,11D6 閉用凹部
11B7,11D7 開用凹部
11C8,11D8 通信装置取付部
11C9,11D9 固定凸部
11C10,11D10 固定部
12 カバー取付ねじ
21 ケーブル
21a 計量装置接続部
22 LED導光部
23 上ケース
24 下ケース
24a 計量装置取付部
201 固定カバー
201a 固定カバー側摺動部
201b 固定凸部
201c 固定部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11