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特開2023-523984-アミノ-3-ブタン酸類縁体含有固形製剤
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023052398
(43)【公開日】2023-04-11
(54)【発明の名称】4-アミノ-3-ブタン酸類縁体含有固形製剤
(51)【国際特許分類】
   A61K 31/197 20060101AFI20230404BHJP
   A61P 25/08 20060101ALI20230404BHJP
   A61P 25/14 20060101ALI20230404BHJP
   A61P 25/22 20060101ALI20230404BHJP
   A61P 25/24 20060101ALI20230404BHJP
   A61P 25/04 20060101ALI20230404BHJP
   A61P 13/06 20060101ALI20230404BHJP
   A61K 9/20 20060101ALI20230404BHJP
   A61K 47/26 20060101ALI20230404BHJP
   A61K 47/38 20060101ALI20230404BHJP
   A61K 47/10 20170101ALI20230404BHJP
   A61K 47/12 20060101ALI20230404BHJP
【FI】
A61K31/197
A61P25/08
A61P25/14
A61P25/22
A61P25/24
A61P25/04
A61P13/06
A61K9/20
A61K47/26
A61K47/38
A61K47/10
A61K47/12
【審査請求】有
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023004037
(22)【出願日】2023-01-13
(62)【分割の表示】P 2016238698の分割
【原出願日】2016-12-08
(71)【出願人】
【識別番号】000228590
【氏名又は名称】日本ケミファ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100124822
【弁理士】
【氏名又は名称】千草 新一
(74)【代理人】
【識別番号】100217098
【弁理士】
【氏名又は名称】清 一雄
(74)【代理人】
【識別番号】100185856
【弁理士】
【氏名又は名称】朝倉 栄二
(72)【発明者】
【氏名】谷河 佑城
(72)【発明者】
【氏名】井出 政志
(72)【発明者】
【氏名】柳本 剛
(72)【発明者】
【氏名】矢野 真由佳
(72)【発明者】
【氏名】田坂 由子
(72)【発明者】
【氏名】湯本 愛子
(72)【発明者】
【氏名】山崎 一
(72)【発明者】
【氏名】望月 孝浩
(72)【発明者】
【氏名】熊谷 英治
(57)【要約】      (修正有)
【課題】4-アミノ-3-ブタン酸類縁体を含有する練合物、造粒物及びこれらを含有する固形製剤において、薬物の安定性が維持され、かつ打錠障害の抑制された固形製剤を提供すること。
【解決手段】本発明の4-アミノ-3-ブタン酸類縁体に糖アルコールを配合することにより安定性の改善された練合物、造粒物及びこれらを含有する打錠障害の抑制された固形製剤が得られる。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記医薬組成物を含有した錠剤である固形製剤。
次の一般式(I):
【化1】
(I)
(式中、Rは炭素原子3~6個の分枝状アルキル基であり、Rは水素原子またはメチル基であるか、またはRとRが結合して5又は6員環の環状飽和炭化水素基を示し、Rは水素原子またはメチル基である。)
で表される化合物、ジアステレオマー、もしくはエナンチオマーまたはその医薬的に許容される塩、賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤及びショ糖脂肪酸エステルを含む医薬組成物(ただし、プロピレングリコールを含む医薬組成物を除く。)。
【請求項2】
下記医薬組成物を含有した錠剤である固形製剤。
次の一般式(I):
【化1】
(I)
(式中、Rは炭素原子3~6個の分枝状アルキル基であり、Rは水素原子またはメチル基であるか、またはRとRが結合して5又は6員環の環状飽和炭化水素基を示し、Rは水素原子またはメチル基である。)
で表される化合物、ジアステレオマー、もしくはエナンチオマーまたはその医薬的に許容される塩、賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤及びショ糖脂肪酸エステルを含む医薬組成物(ただし、プロピレングリコールを含む医薬組成物を除く。)であって、
一般式(I)で表される化合物、ジアステレオマー、もしくはエナンチオマーまたはその医薬的に許容される塩、賦形剤、結合剤及びショ糖脂肪酸エステルからなる顆粒と、
後末として賦形剤、結合剤、崩壊剤及び滑沢剤と、
を含む錠剤。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、4-アミノ-3-ブタン酸類縁体を含有する練合物、造粒物及びこれらを含有する固形製剤において、薬物の安定性が維持され、かつ打錠障害の抑制された固形製剤に関する。
【背景技術】
【0002】
下記の一般式で示されるγ-アミノ酪酸(GABA)の類縁体には、神経因性疾患における疼痛や不快感の治療に有効であることが知られており、これらの類縁体のうち、抗痙攣薬、抗うつ薬、抗不安薬や、カルシウムチャネルα2δリガンドであるプレガバリン、ガバペンチン等の抗てんかん薬が神経障害性疼痛の治療薬として使用されている。
【化1】
(式中、Rは炭素原子1~6個の直鎖状または分枝状アルキル基であり、Rは水素原子またはメチル基であるか、またはRとRが結合して5又は6員環の環状飽和炭化水素基を示し、Rは水素原子、メチル基またはカルボキシル基である) で表される化合物、ジアステレオマー、もしくはエナンチオマーまたはその医薬的に許容される塩
【0003】
プレガバリン、ガバペンチン等は医薬品として有用であるが、一方、医薬品製剤の一形態である錠剤化において、圧縮成型性および流動性等の問題があった。より具体的には、これらの薬剤の圧縮成型時に薬学的に通常用いることができる助剤を配合するが、これらの助剤はγ-アミノ酪酸類縁体の分子内に存在するアミノ基とカルボキシル基との間の脱水環化反応を促進しもとの化合物と異なるラクタム体を形成させるため、薬物が本来有する薬効を十分に発揮できないことになる。この脱水環化反応は、圧縮成型時において圧力をかけることによりさらに加速され、またこれらの薬物において助剤により誘発される脱水環化反応は、製剤調製時における水等の使用により加速されることが知られている。
また、薬物の安定性の他、固形製剤の製造のため打錠工程に供すると、バインディング等の打錠障害が発生するという問題を発見した。
従って、このようなラクタム体の生成及び打錠障害が抑制された、安定な固形製剤の開発が望まれる。
【0004】
例えば特許文献1には、プレガバリン、ガバペンチン等のγ-アミノ酪酸類縁体がα-アミノ酸の添加により安定化された製剤について開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2000-34226号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、プレガバリン、ガバペンチン等のγ-アミノ酪酸類縁体を含有する安定な医薬組成物及び当該組成物を含有する練合物又は造粒物、さらにこれらを含有する固形製剤を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、プレガバリン、ガバペンチン等のγ-アミノ酪酸類縁体を含有する練合物、造粒物及び固形製剤中における安定性について種々検討を行った結果、糖アルコールを配合することにより、これらの類縁体の安定性が改善されることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
すなわち本発明は、プレガバリン、ガバペンチン等のγ-アミノ酪酸類縁体及び糖アルコールを含む安定な医薬組成物を提供するものである。
また本発明は、前記医薬組成物を含有する練合物又は造粒物を提供するものである。
また本発明は、前記練合物又は造粒物を含有する固形製剤を提供するものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明のプレガバリン、ガバペンチン等のγ-アミノ酪酸類縁体及び糖アルコールを含む医薬組成物は、これらを含有する練合物、造粒物及び固形製剤への適用が可能であり、医薬品に有用である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明について更に詳細に説明する。
本発明の医薬組成物に用いられる糖アルコールは、アルドースやケトースのカルボニル基が還元され生成する糖の一種であるが、例えば、D-ソルビトール、D-マンニトール、マルチトール、ラクチトール、キシリトール、エリスリトール、D-トレイトール、L-トレイトール、D-アラビニトール、L-アラビニトール、D-イジトール、ガラクチトール、ボレミトール、ペルセイトール、D-エリトロ-D-ガラクトオクチトール、イノシトール、クエルシトール、グリセリン、及び脂肪酸とのエステル等が挙げられるが、例えば室温で固体状態のものが好ましく、このような糖アルコールにおいては、好ましくはD-ソルビトール、エリスリトール、グリセリン、脂肪酸とのエステルが挙げられ、特に好ましくはD-ソルビトール、エリスリトールが挙げられる。これらの糖アルコールはγ-アミノ酪酸類縁体に対し1%~50%、好ましくは1%~30%、より好ましくは5%~25%配合することができる。
【0011】
本発明で用いられる滑沢剤は、ステアリン酸、フマル酸ステアリルナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ショ糖脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール、軽質無水ケイ酸、硬化油、グリセリン脂肪酸エステル、タルク等が挙げられる。好ましくは、フマル酸ステアリルナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ショ糖脂肪酸エステルであり、より好ましくはステアリン酸カルシウムである。これらは単独であってもよいし、2種以上の混合物であってもよく、好ましくは錠剤中0.1~5質量%、より好ましくは0.1~2質量%、さらに好ましくは0.5~2質量%配合することができる。
【0012】
本発明の医薬組成物、練合物、造粒物及び固形製剤には、必要により結合剤、崩壊剤、賦形剤等の製剤化における助剤、矯味剤、着色剤、香料等を適宜組み合わせて必要量配合することができる。
【0013】
本発明で用いることができる結合剤としては、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒプロメロース、ポリビニルピロリドン、ゼラチン、寒天、アルギン酸、アルギン酸ナトリウム、部分けん化ポリビニルアルコール、プルラン、部分α化デンプン、デキストリン、キタンサンガム、アラビアゴム末等が挙げられる。好ましくは、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒプロメロース、ポリビニルピロリドンである。これらは単独であってもよいし、2種以上の混合物であってもよい。
【0014】
本発明で用いることができる崩壊剤としては、例えば、結晶セルロース、カルボキシメチルセルロース(カルメロース)、クロスカルメロースナトリウム、カルボキシメチルセルロースカルシウム、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、クロスポビドン、ヒドロキシプロピルスターチ、デンプン、部分α化デンプン、デンプングリコール酸ナトリウム等が挙げられ、好ましくはクロスカルメロースナトリウム、デンプングリコール酸ナトリウム、クロスポビドンであり、さらに好ましくはクロスポビドンである。さらに本発明に用いられるクロスポビドンとしては、ポリプラスドン(登録商標)XL、 ポリプラスドン(登録商標)XL-10、ポリプラスドン(登録商標)INF-10(以上、Ashland社製)、コリドン(登録商標)CL、コリドン(登録商標)CL-F、コリドン(登録商標)CL-SF、コリドン(登録商標)CL-M等が挙げられ、好ましくはコリドンCL、コリドンCL-F、コリドンCL-SF、コリドンCL-M(以上、BASFジャパン社製)であり、特に好ましくはコリドンCL-Fである。用いられる崩壊剤の配合量は、核粒子中5~30質量%が好ましく、さらに好ましくは5~15質量%である。また、錠剤に配合する場合には、打錠用顆粒中1~10質量%が好ましく、さらに好ましくは2~6質量%である。
【0015】
本発明で用いることができる賦形剤は、練合物、造粒物及び後末に配合することができ、例えば結晶セルロース、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(ヒプロメロース等)等のセルロース類、トウモロコシデンプン、バレイショデンプン、コムギデンプン、コメデンプン、部分α化デンプン、ヒドロキシプロピルスターチなどのデンプン類、ブドウ糖、乳糖、白糖、精製白糖、粉糖、トレハロース、デキストラン、デキストリンなどの糖類、(D-マンニトール、キシリトール、ソルビトール、エリスリトールなどの糖アルコール類、グリセリン脂肪酸エステル、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、合成ヒドロタルサイト、無水リン酸カルシウム、沈降炭酸カルシウム、ケイ酸カルシウム、リン酸水素カルシウム水和物、炭酸水素ナトリウムなどの無機塩が挙げられ、好ましくは結晶セルロースが挙げられる。該賦形剤の含有量は、練合物又は造粒物中1~50質量%が好ましく、さらに好ましくは10~40質量%である。また、打錠用顆粒中に配合する場合には、10~80質量%が好ましく、さらに好ましくは30~70質量%である。
【0016】
本発明で用いることができる矯味剤としては、糖アルコール、アスパルテーム、ステビア、サッカリンナトリウム、グリチルリチン二カリウム、ソーマチン、アセスルファムカリウム、スクラロース等が挙げられる。これらは単独であってもよいし、2種以上の混合物であってもよい。
【0017】
本発明で用いることができる着色剤としては、食用青色1号、食用青色2号、食用黄色4号、食用黄色5号、食用赤色2号、食用赤色3号、食用赤色102号、食用青色1号アルミニウムレーキ、食用青色2号アルミニウムレーキ、食用黄色4号アルミニウムレーキ、食用黄色5号アルミニウムレーキ、食用赤色2号アルミニウムレーキ、食用赤色3号アルミニウムレーキ、食用赤色102号アルミニウムレーキ、三二酸化鉄(赤色)、酸化チタン、黄色三二酸化鉄、オレンジエッセンス、カラメル、タルク、緑茶末等が挙げられる。これらは単独であってもよいし、2種以上の混合物であってもよい。
【0018】
本発明で用いることができる香料としては、ミント、レモン香料、オレンジコートン、パイナップルフレーバー、l-メントール、ブラックティーミクロン等が挙げられる。これらは単独であってもよいし、2種以上の混合物であってもよい。
【0019】
本発明の医薬組成物は、γ-アミノ酪酸類縁体及び糖アルコールを含むものであるが、例えばγ-アミノ酪酸類縁体、糖アルコール、結合剤を乳鉢や攪拌・混合機能を有する機器(例えば、転動流動層造粒機等)で攪拌・混合することにより得ることができる。また本医薬組成物には、γ-アミノ酪酸類縁体を糖アルコールでコーティングしたものも含まれる。コーティングは一般公知の方法により行われ、例えば精製水に糖アルコール及びセルロース誘導体を溶解してコーティング液を調製し、γ-アミノ酪酸類縁体を転動流動層造粒機に投入後、コーティング液を噴霧し、乾燥させることにより得ることができる
【0020】
本発明の練合物は、γ-アミノ酪酸類縁体、糖アルコール及び必要に応じて製剤化における助剤を含むものであり、一般公知の方法により製造することができるが、例えばγ-アミノ酪酸類縁体と糖アルコール及び助剤を含む粉体混合物と水やエタノール及びその混液等の溶媒の存在下、品川式練合機、攪拌造粒機等により練合することで製造することができる。
【0021】
本発明の造粒物は、γ-アミノ酪酸類縁体、糖アルコール及び必要に応じて製剤化における助剤を含むものであり、流動層造粒法、高速攪拌造粒法及び溶融造粒法等の一般公知の方法により製造することができるが、好ましくは流動層造粒法及び高速撹拌造粒法であり、流動層造粒機、高速撹拌造粒機等を用いて、γ-アミノ酪酸類縁体と糖アルコール及び助剤を含む粉体混合物に、溶媒(例えば、水、エタノール、エタノール/水混液)を、あるいはγ-アミノ酪酸類縁体と糖アルコールの粉体混合物に、必要に応じ製剤化に用いられる助剤を含む水溶液もしくは水性分散液を、例えば噴霧等の手段により添加しつつ、造粒後、得られた造粒物を乾燥することにより、その後の圧縮成形に適した、所望の顆粒を得ることができる。また、前記練合物を用いる場合には、前押し出し式造粒機、ディスクペレッター式造粒機,リングダイ式造粒機、バスケット式造粒機、オシレーティング式造粒機、シリンダー式造粒機等の造粒機を用いて造粒物を得ることができる。
【0022】
本発明における固形製剤は、前記練合物、造粒物を含むものであり、例えば錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤、トローチ剤等を挙げることができるが、本発明は打錠障害の抑制効果をも有することから、特に固形製剤が錠剤の場合が好ましい。またこれらの固形製剤は、必要に応じてコーティングを施すことができる。
【0023】
本発明の練合物、造粒物及び固形製剤の製造は、例えば以下の工程により行うことができる。
(工程1:練合工程)
プレガバリン、結晶セルロース、ヒドロキシプロピルセルロースを乳鉢にて混合する。次いで、安定化剤を水に溶解させた水溶液、あるいは水に分散させた液20gを加えて造粒する。
(工程2:整粒工程)
第1工程で製造した造粒品を16Mで篩過する。
(工程3:乾燥工程)
第2工程で製造した整粒品を箱型乾燥機に入れ、給気温度50℃で18時間以上乾燥を行う。
(工程4:整粒工程)
第3工程で製造した乾燥品を16Mで篩過する。
(工程5:混合工程)
第4工程で製造した整粒品に、D-マンニトール、結晶セルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、低置換度ヒドロキシプロピルセルロースを入れ、混合する。その後ステアリン酸カルシウムを入れ混合する。
(工程6:打錠工程)
第5工程で製造した顆粒を、ロータリー打錠機を用い打錠する。
【実施例0024】
以下に実施例、比較例および試験例により本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0025】
(実施例1-1)~(実施例1-4)及び(比較例1-1)~(比較例1-2)
表1記載の(実施例1-1)~(実施例1-4)及び(比較例1-1)~(比較例1-2)の配合を基に、工程1~工程6に従い、それぞれ1錠あたり質量が100mg、直径6.5mm、錠厚約3mm、硬度30~50N程度の錠剤を得た。
【表1】
【0026】
(実施例2-1)~(実施例2-4)及び(比較例2)
表2記載の(実施例2-1)~(実施例2-4)及び(比較例2)の配合を基に、工程1~工程6に従い、1錠あたり質量が360mg、直径10mm、錠厚約5mm、硬度60~70N程度の錠剤を得た。
【表2】
【0027】
(試験例1)
(実施例1-1)~(実施例1-4)及び(比較例1-1)~(比較例1-2)の錠剤について、次の表3に示された条件下に保存し、各試料中のラクタム体含量をHPLCで測定した。
【表3】
(実施例1-1)~(実施例1-4)は(比較例1-1)~(比較例1~2)と比べラクタム体の生成が抑制された。
【0028】
(試験例2)
(実施例2-3)~(実施例2-4)及び(比較例2)の錠剤について、次の表4に示された条件下に保存し、各試料中のラクタム体含量をHPLCで測定した。また、打錠時抜圧を測定した。
【表4】
打錠時抜圧とは、錠剤を臼から出すときに、下杵を押し上げるのに必要な圧力をいい、この値が小さいと錠剤が杵や臼から離れやすいため、打錠障害が起きにくくなる。従って、実施例2-2及び2-3は糖アルコールを含まない比較例2と比べ打錠時抜圧が低いことから、打錠障害が起きにくいものと考えられる。また、ラクタム体の生成量も比較例と比べ抑制された結果が得られた。