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特開2023-52411エピカテキン及び関連したポリフェノールの新規な類縁体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023052411
(43)【公開日】2023-04-11
(54)【発明の名称】エピカテキン及び関連したポリフェノールの新規な類縁体
(51)【国際特許分類】
   C07D 311/60 20060101AFI20230404BHJP
   C07D 311/62 20060101ALI20230404BHJP
   C07D 405/12 20060101ALI20230404BHJP
   A61K 31/353 20060101ALI20230404BHJP
   A61K 31/4433 20060101ALI20230404BHJP
   A61P 3/00 20060101ALI20230404BHJP
   A61P 21/00 20060101ALI20230404BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20230404BHJP
【FI】
C07D311/60 CSP
C07D311/62
C07D405/12
A61K31/353
A61K31/4433
A61P3/00
A61P21/00
A61P43/00 107
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023004376
(22)【出願日】2023-01-16
(62)【分割の表示】P 2020187811の分割
【原出願日】2014-04-04
(31)【優先権主張番号】3104/DEL/2012
(32)【優先日】2013-04-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IN
(71)【出願人】
【識別番号】515198522
【氏名又は名称】スファエラ ファーマ プライベート リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100119013
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 一夫
(74)【代理人】
【識別番号】100123777
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 さつき
(74)【代理人】
【識別番号】100156982
【弁理士】
【氏名又は名称】秋澤 慈
(72)【発明者】
【氏名】デュガー サンディープ
(72)【発明者】
【氏名】マハジャン ディネシュ
(72)【発明者】
【氏名】ライ クマー サントシュ
(72)【発明者】
【氏名】シング サルブジット
(72)【発明者】
【氏名】パティル イシュワー ラケシュ
(57)【要約】
【課題】ポリフェノールの新規な類縁体及びその調製方法を提供することを課題とする。
【解決手段】本発明は、エピカテキン及び関連したポリフェノールの新規な類縁体、その種々に官能基化された誘導体、その調製方法、これらの化合物を含む組成物及びその使用方法を提供する。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)のエピカテキンポリフェノールの新規な類縁体
【化1】

[式中、
Aは、独立して、重水素、水素、アルキル、F、Clであり;
Bは、独立して、A又はヒドロキシル; OR11、NR11R12であり;
R1~R10は、独立して、水素; 重水素、NH2、F、Cl、ヒドロキシル、アルコキシ、非環式又は環式の低級アルキル、非環式又は環式の低級アシル、-CO-OR11、-OCO-OR11、-CO-NR11R12、-COR11、-CR11R12、-O-CO-R11、-CR11R12、-O-CO-NR11R12、OCONHCHR11R12、-OCR11R12、-O-CO-R11R12、-CO-アミノ酸; 又は-CO-ヒドロキシ酸であり; これらは低級アルキル、アシル、アルコキシ、OR11、NR11R12、COOR11、CONR11R12、OCOR11R12、OCONR11R12、OSO3R11、OSO2NR11R12、NR11SO2NR12、NR11SO3R12で置換されていてもよく;
2つの隣接するR1~R10がOH又はNHR11である場合には、更にCR11R12、-(C=O)n、-CO(CH2)n-、-C=S、C=NR12又は-OSO3-によって結合されていてもよく; ここで、n=1~2であり、 R11及びR12は、独立して、水素、OH、ハロ、C1-6アルキル、アリール、アルカリル、アリールアルキル、置換アルキル(これは直鎖、分枝鎖又は環状であってもよい)、C1-6アルコキシ(これは直鎖、分枝鎖又は環状であってもよい)、COOR13、CH2COOR13、C(R13)2OCOR13、C(R13)2OCOOR13、C(R13)2OCON(R13)2、C(R13)2N(R13)COOR13又はハロアルキル、アリール、置換アリールであるか、又はR11とR12が、これらが結合し得る原子と一緒に、N、O又はSから選択される1又は2つの環ヘテロ原子を組み込んでいてもよい5~7員環を形成し、これは更なる置換基で置換されていてもよく、又は
AとR6がオキシムを形成していてもよく;
R13は、独立して、水素、直鎖又は分枝鎖の低級アルキル、置換された又は置換されていないアリール又はベンジルであり、2つのR13基が同じ原子に存在する場合にはこれらが結合して、3~6員環を形成していてもよく;
ピラン環のC2とC3の置換は、常に、シス(+)又はシス(-)又はこれらの2つの混合物であり、言い換えれば、ピラン環のC2とC3の絶対配置は、RR又はSS立体化学又はRR及とSSのラセミ混合物であってもよい]。
【請求項2】
式(II)で表される請求項1に記載の類縁体
【化2】

[式中、
Aは、独立して、重水素、水素、アルキル、F、Clであり;
Bは、独立して、A又はヒドロキシル; OR11、NR11R12であり;
R1~R7及びR9は、独立して、H、D、NH2、F、Cl、ヒドロキシル、-CO-OR11、-CO-NR11R12、OCONHCHR11R12、-COR11、-CR11R12、-O-CO-R11、-CR11R12、-O-CO-NR11-R12、-OCR11R12、-O-CO-R11R12であり;
R11及びR12は、独立して、水素、OH、ハロ、C1-6アルキル、アリール、アルカリル、アリールアルキル、置換アルキル(これは直鎖、分枝鎖又は環状であってもよい)、C1-6アルコキシ(これは直鎖、分枝鎖又は環状であってもよい)、COOR13、CH2COOR13、C(R13)2OCOR13、C(R13)2OCOOR13、C(R13)2OCON(R13)2、C(R13)2N(R13)COOR13又はハロアルキル、アリール、置換アリールであるか、又はR11とR12が、これらが結合し得る原子と一緒に、N、O又はSから選択される1又は2つの環ヘテロ原子を組み込んでいてもよい5~7員環を形成し、これは更なる置換基で置換されていてもよく、又は
AとR6がオキシムを形成していてもよく;
R13は、独立して、水素、直鎖又は分枝鎖の低級アルキル、置換された又は置換されていないアリール又はベンジルであり、2つのR13基が同じ原子に存在する場合にはこれらが結合して、3~6員環を形成していてもよく;
ピラン環のC2とC3の置換は、常に、シス(+)又はシス(-)又はこれらの2つの混合物であり、言い換えれば、ピラン環のC2とC3の絶対配置は、RR又はSS立体化学又はRR及とSSのラセミ混合物であってもよい]。
【請求項3】
化合物が下記のいずれでもである、請求項1に記載の化合物
I. (R,E)-2-(3,4-ジヒドロキシフェニル)-5,7-ジヒドロキシクロマン-3-オンオキシム;
II. シス(±) 3-ヒドロキシクロマン-2-イル)ベンゼン-1,2-ジオール;
III. シス(±) 2-(3,4-ジヒドロキシフェニル)クロマン-3,7-ジオール;
IV. シス(±) 2-(4-ヒドロキシフェニル)クロマン-3,7-ジオール;
V. シス(±) 2-(3-ヒドロキシフェニル)クロマン-3,5-ジオール;
VI. シス(±) 2-(4-ヒドロキシフェニル)クロマン-3,5-ジオール;
VII. シス(±) 2-(3-ヒドロキシフェニル)クロマン-3,7-ジオール;
VIII. シス(±) 2-(4-ヒドロキシフェニル)クロマン-3,5,7-トリオール;
IX. (2R,3S)-2-(3,4-ジヒドロキシフェニル)-3-アミノクロマン-5,7-ジオール;
X. (2R,3R)-2-(3,4-ジヒドロキシフェニル)-3-フルオロクロマン-5,7-ジオール;
XI. シス(±) 2-(3-ヒドロキシフェニル)クロマン-3-オール;
XII. シス(±) 2-(4-ヒドロキシフェニル)クロマン-3-オール;
XIII. シス(±) 2-(3,4-ジヒドロキシフェニル)クロマン-3,5-ジオール;
XIV. シス(±) 2-(3-ヒドロキシフェニル)クロマン-3,5,7-トリオール;
XV. シス(±) 2-フェニルクロマン-3,5,7-トリオール;
XVI. シス(±) 2-(4-ヒドロキシフェニル)-3-メトキシクロマン-7-オール;
XVII. シス(±) 2-(3-メトキシフェニル)クロマン-3,7-ジオール;
XVIII. シス(±) 2-(3-ヒドロキシフェニル)-7-メトキシクロマン-3-オール;
XIX. シス(±) 7-メトキシ-2-(3-メトキシフェニル)クロマン-3-オール;
XX. シス(±) 3,7-ジメトキシ-2-(4-メトキシフェニル)クロミック;
XXI. シス(±) 7-ヒドロキシ-2-(4-ヒドロキシフェニル)クロマン-3-イルアセテート;
XXII. シス(±)4-(3,7-ジヒドロキシクロマン-2-イル)フェニルアセテート;
XXIII. シス(±) 3-ヒドロキシ-2-(3-ヒドロキシフェニル)クロマン-7-イルアセテート;XXIV. シス(±)4-(7-アセトキシ-3-ヒドロキシクロマン-2-イル)フェニルアセテート;
XXV. シス(±) 2-(4-アセトキシフェニル)クロマン-3,7-ジイルジアセテート;
XXVI. 2-(3-メトキシ-4-メチルフェニル)クロマン-3,7-ジオール;
XXVII. 2-(3-ヒドロキシ-4-メチルフェニル)クロマン-3,7-ジオール;
XXVIII. 2-(4-フルオロ-3-メトキシフェニル)クロマン-3,7-ジオール;
XXIX. 2-(4-フルオロ-3-ヒドロキシフェニル)クロマン-3,7-ジオール;
XXX. 2-(3-ヒドロキシフェニル)-3-プロポキシクロマン-7-オール;
XXXI. シス(±) 2-(3,4-ジヒドロキシ-2-メチルフェニル)クロマン-3,5,7-トリオール;
XXXII. シス(±) 2-(2-フルオロ-3,4-ジヒドロキシフェニル)クロマン-3,5,7-トリオール;
XXXIII. シス(±) 2-(2-フルオロ-4,5-ジヒドロキシフェニル)クロマン-3,5,7-トリオール;
XXXIV. シス(±) 2-(3-フルオロ-4-ヒドロキシフェニル)クロマン-3,5,7-トリオール;
XXXV. シス(±)(2-(3,4-ジヒドロキシ-5-メチルフェニル)クロマン-3,5,7-トリオール;
XXXVI. (2R,3R)-2-(3,4-ジヒドロキシフェニル)クロマン-4,4-d2-3,5,7-トリオール;
XXXVII. (2R,3R)-2-(3,4-ジヒドロキシフェニル)クロマン-2-d-3,5,7-トリオール;
XXXVIII. (2R,3R)-2-(3,4-ジヒドロキシフェニル)クロマン-2,4-d2-3,5,7-トリオール;
XXXIX. (2R,3R)-2-(3,4-ジヒドロキシフェニル)-5,7-ジヒドロキシクロマン-3-イルイソブチルカーボネート;
XL. tert-ブチルネオペンチル(4-((2R,3R)-3,5,7-トリヒドロキシクロマン-2-イル)-1,2-フェニレン)ビスカーボネート;
XLI. 3-((((2R,3R)-2-(3,4-ジヒドロキシフェニル)-5,7-ジヒドロキシクロマン-3-イル)オキシ)カルボニル)-1-メチルピリジン-1-イウム;
XLII. 2-ヒドロキシ-5-((2R,3R)-3,5,7-トリヒドロキシクロマン-2-イル)フェニルネオペンチルカーボネート;
XLIII. 2-ヒドロキシ-4-((2R,3R)-3,5,7-トリヒドロキシクロマン-2-イル)フェニルオクタノエート;
XLIV. 4-((2R,3R)-3,5,7-トリヒドロキシクロマン-2-イル)-1,2-フェニレンビス(イソプロピルカルバメート);
XLV. (2R,3R)-2-(3,4-ジヒドロキシフェニル)-5,7-ジヒドロキシクロマン-3-イルネオペンチルカーボネート;
XLVI. (2R,3R)-2-(3,4-ジヒドロキシフェニル)-5,7-ジヒドロキシクロマン-3-イル-イソプロピルカルバメート;
XLVII. (2R,3R)-2-(3,4-ジヒドロキシフェニル)-5,7-ジヒドロキシクロマン-3-イル-ジメチルカルバメート;
XLVIII. ジベンジル(4-((2R,3R)-3,5,7-トリヒドロキシクロマン-2-イル)-1,2-フェニレン)ビス(カーボネート);
XLIX. ジメチル(4-((2R,3R)-3,5,7-トリヒドロキシクロマン-2-イル)-1,2-フェニレン)ビス(カーボネート);
L. (2R,3R)-2-(3,4-ジヒドロキシフェニル)-3-ヒドロキシクロマン-5,7-ジイルジイソブチルビス(カーボネート);
LI. 4-((2R,3R)-5,7-ビス((ベンジルカルバモイル)オキシ)-3-ヒドロキシクロマン-2-イル)-1,2-フェニレンビス(ベンジルカルバメート);
LII. ジベンジル(4-((2R,3R)-5,7-ビス(((ベンジルオキシ)カルボニル)オキシ)-3-ヒドロキシクロマン-2-イル)-1,2-フェニレン)ビス(カーボネート);
LIII. (2R,3R)-2-(3,4-ジヒドロキシフェニル)-5,7-ジヒドロキシクロマン-3-イルエチルカーボネート;
LIV. (2R,3R)-2-(3,4-ジヒドロキシフェニル)-3-ヒドロキシクロマン-5,7-ジイルジイソブチルビス(カーボネート);
LV. (2R,3R)-2-(3,4-ジヒドロキシフェニル)-5,7-ジヒドロキシクロマン-3-イルイソプロピルカーボネート;
LVI. メチル((((2R,3R)-2-(3,4-ジヒドロキシフェニル)-5,7-ジヒドロキシクロマン-3-イル)オキシ)カルボニル)グリシネート;
LVII. (2R,3R)-2-(3,4-ジヒドロキシフェニル)-3-ヒドロキシクロマン-5,7-ジイルジエチルビス(カーボネート);
LVIII. (2R,3R)-2-(3,4-ジヒドロキシフェニル)-3-ヒドロキシクロマン-5,7-ジイルジメチルビス(カーボネート);
LIX. 4-((2R,3R)-3,5,7-トリヒドロキシクロマン-2-イル)-1,2-フェニレンビス(ベンジルカルバメート);
LX. ジベンジル(4-((2R,3R)-3-ヒドロキシ-5,7-ビス((イソブトキシカルボニル)オキシ)クロマン-2-イル)-1,2-フェニレン)ビス(カーボネート);
LXI. (2R,3R)-2-(3,4-ジヒドロキシフェニル)-3,7-ジヒドロキシクロマン-5-イルヘプタノエート;
LXII. (2R,3R)-2-(3,4-ジヒドロキシフェニル)-3,5-ジヒドロキシクロマン-7-イルヘプタノエート;
LXIII. (2R,3R)-2-(3,4-ジヒドロキシフェニル)-3-ヒドロキシクロマン-5,7-ジイルジヘプタノエート;
LXIV. (2R,3R)-2-(3,4-ジヒドロキシフェニル)-3,7-ジヒドロキシクロマン-5-イルオクタノエート;
LXV. (2R,3R)-2-(3,4-ジヒドロキシフェニル)-3,5-ジヒドロキシクロマン-7-イルオクタノエート;
LXVI. ジベンジル(4-((2R,3R)-3-ヒドロキシ-5,7-ビス((メトキシカルボニル)オキシ)クロマン-2-イル)-1,2-フェニレン)ビス(カーボネート);
LXVII. (2R,3R)-7-メトキシ-2-(3-メトキシフェニル)-3-プロポキシクロマン;
LXVIII. (2R,3R)-2-(3-メトキシフェニル)-3-プロポキシクロマン-7-オール;
LXIX. (2R,3R)-2-(3-ヒドロキシ-4-メチルフェニル)クロマン-3,7-ジオール;
LXX. (2R,3R)-7-メトキシ-2-(4-メトキシフェニル)クロマン-3-オール;
LXXI. (2R,3R)-2-(3,4-ジヒドロキシフェニル)-5,7-ジヒドロキシクロマン-3-イルニコチネート;
LXXII. ジネオペンチル(4-((2R,3R)-3,5,7-トリヒドロキシクロマン-2-イル)-1,2-フェニレン)ビス(カーボネート);
LXXIII. tert-ブチル((2R,3R)-2-(3,4-ジヒドロキシフェニル)-5,7-ジヒドロキシクロマン-3-イル)カーボネート;
LXXIV. (2R,3R)-2-(3,4-ジヒドロキシフェニル)-5,7-ジヒドロキシクロマン-3-イル(R)-3-ヒドロキシブタノエート;
LXXV. ジイソプロピル(4-((2R,3R)-3,5,7-トリヒドロキシクロマン-2-イル)-1,2-フェニレン)ビス(カーボネート);
LXXVI. ジネオペンチル(4-((2R,3R)-3,5,7-トリヒドロキシクロマン-2-イル)-1,2-フェニレン)ビス(カーボネート)。
【請求項4】
存在する場合はその立体異性体又はその医薬的に許容され得る塩としての、請求項1に記載の化合物。
【請求項5】
請求項1に記載のポリフェノールの新規な類縁体の調製方法であって、
I. 塩基及び溶媒の存在下に式1のアセトフェノンのヒドロキシル基を保護剤で保護する工程;
【化3】

II. 工程(i)で得られた式2の化合物を式3の化合物と塩基及び溶媒の存在下で反応させて、式4のカルコンを得る工程;
【化4】

III. エポキシ化剤又は塩基の存在下に式4のカルコンを化合物5に変換する工程;
【化5】

IV. 工程IIIで得られた化合物のヒドロキシル基(1つ以上)を保護してもよい工程;
V. 工程III又は工程IVの化合物をキラル/アキラル還元剤の存在下に還元して、
式6と7の4H-クロメン化合物と2H-クロメン化合物の混合物を得る工程;
【化6】
VI. 工程Vで得られた4H-クロメンと2H-クロメンの化合物を脱保護して、本発明のポリフェノール類縁体を得る工程
を含む、前記方法。
【請求項6】
請求項1に記載のポリフェノールの新規な類縁体の調製方法であって、
I. 式8のフラバン-3-オールのヒドロキシル基を保護剤で保護する工程;
II. 工程Iの保護されたフラバン-3-オールを酸化剤で処理して、式9の化合物を得る工程;
【化7】

III. 化合物9のオキソ基を官能基化して、式10の化合物を得る工程;
【化8】
IV. 工程IIIで得られた化合物を脱保護して、本発明のポリフェノール類縁体を得る工程
を含む、前記方法。
【請求項7】
請求項1に記載のポリフェノールの新規な類縁体の調製方法であって、
i. 式11のフラバン-3-オールのヒドロキシル基を保護剤で保護してもよい工程;
ii. 化合物11の保護された/保護されていないヒドロキシル基を官能基化して、式12の化合物を得る工程;
【化9】

iii. 工程iiで得られた化合物を脱保護して、本発明のポリフェノール類縁体を得る工程
を含む、前記方法。
【請求項8】
請求項1に記載のポリフェノールの新規な類縁体の調製方法であって、
i. 溶媒の存在下に式4のカルコンを還元剤で周囲温度から還流までの範囲にある温度で処理して、式13の化合物を得る工程;
【化10】

ii. キラル助触媒の有無にかかわらずヒドロキシル化剤及び適切な溶媒の存在下に式13の化合物を式14の化合物に周囲から還流までの範囲にある温度で変換する工程;
【化11】

iii. 適切な溶媒の存在下に式14の化合物のヒドロキシル基を適切な試薬で官能基化して、式15の化合物を得る工程;
【化12】

iv. 式14の化合物を酸化剤で処理して、式16の化合物を得る工程;
【化13】

iv. 工程ivで得られた化合物をキラル還元剤の存在下に-78℃から室温までの範囲にある温度で適切な溶媒の存在下で還元して、ポリフェノール類縁体を得る工程
を含む、前記方法。
【請求項9】
請求項1~3のいずれか1項に記載されている化合物を医薬的に又は栄養補助的に許容され得る賦形剤と共に含んでいる医薬組成物。
【請求項10】
ミトコンドリア機能不全に関連した疾患の治療におけるその使用のための、請求項1に記載の化合物。
【請求項11】
スポーツマンによる筋力要求/エネルギー需要増加を満たすために運動した筋肉を満足させる際にサプリメントや薬剤としての使用のための、請求項1に記載の化合物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エピカテキン及び関連したポリフェノールの新規な類縁体、その種々の官能基化誘導体、その調製方法、その化合物を含む組成物及びその使用方法を提供する。
【背景技術】
【0002】
ポリフェノール天然産物は、その種々の生物活性、食料品におけるその出現、それ故、ヒト健康に対するその関連性のために現在関心がもたれている。ポリフェノール天然産物は、その芳香環上に2つ以上のヒドロキシル基を有する。
代表例としては、(-)-エピアフゼレキン、(+)-カテキン、(-)-エピカテキン、(-)-ガロカテキン、(-)-エピガロカテキン、これらのそれぞれの3-ガレートエステルだけでなく、2つの3-(30-メチル)-ガレートエステルが挙げられ、本明細書において集合的に「カテキン」と呼ばれる。(+)-カテキン、(-)-カテキン、(+)-エピカテキン及び(-)-エピカテキンは、フラボン-3-オールである。
これらのフラボノールは、チョコレート、果実、野菜及びワインのヒトの食べ物に存在し、心筋梗塞及び狭心症が含まれるがこれらに限定されない急性冠症候群; 他の器官及び組織における急性虚血イベント、腎外傷、腎虚血並びに大動脈及びその枝の疾患; 冠状動脈バイパス手術(CABG)の処置及び動脈瘤修復が含まれるがこれらに限定されない医学的介入から生じる損傷; がん; 並びに代謝疾患、糖尿病及びこのような他の障害の治療に使用が見出されている。
カテキン及びエピカテキンが含まれるこのようなポリフェノールは、広く用いられているが、ある種の欠点があり、例えば効力が低く、薬力学的及び薬物動態学的プロファイルが望ましくない。それ故、ポリフェノールの効力、薬力学的及び薬物動態学的プロファイルを改善することが求められている。
このような効果を達成する手段の1つがエピカテキンの新規な類縁体をもつことである。ポリフェノールの類縁体を用いて、代謝産物を減少又は除去し、親薬剤の半減期を増加させ、望ましい効果を達成させるために必要な投与回数を減少させ、且つ/又はより効果的な及び/又はより安全な薬剤を開発することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の目的は、ポリフェノールの新規な類縁体及びその調製方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、式(I)のポリフェノールの新規な類縁体に関する
【0005】
【化1】
【0006】
[式中、
Aは、独立して、重水素、水素、アルキル、F、Clであり、
Bは、独立して、A又はヒドロキシル; OR11、NR11R12であり、
R1~R10は、独立して、水素; 重水素、NH2、F、Cl、ヒドロキシル、アルコキシ、非環式又は環式の低級アルキル、非環式又は環式の低級アシル、-CO-OR11、-OCO-OR11、-CO-NR11R12、-COR11、-CR11R12、-O-CO-R11、-CR11R12、-O-CO-NR11R12、OCONHCHR11R12、-OCR11R12、-O-CO-R11R12、-CO-アミノ酸; 又は-CO-ヒドロキシ酸であり; これらは低級アルキル、アシル、アルコキシ、OR11、NR11R12、COOR11、CONR11R12、OCOR11R12、OCONR11R12、OSO3R11、OSO2NR11R12、NR11SO2NR12、NR11SO3R12で置換されていてもよく;
2つの隣接するR1~R10がOH又はNHR11である場合には、更にCR11R12、-(C=O)n、-CO(CH2)n-、-C=S、C=NR12又は-OSO3-によって結合されていてもよく; ここで、n=1~2であり、 R11及びR12は、独立して、水素、OH、ハロ、C1-6アルキル、アリール、アルカリル、アリールアルキル、置換アルキル(これは直鎖、分枝鎖又は環状であってもよい)、C1-6アルコキシ(これは直鎖、分枝鎖又は環状であってもよい)、COOR13、CH2COOR13、C(R13)2OCOR13、C(R13)2OCOOR13、C(R13)2OCON(R13)2、C(R13)2N(R13)COOR13又はハロアルキル、アリール、置換アリールであるか、又はR11とR12が、これらが結合し得る原子と一緒に、N、O又はSから選択される1又は2つの環ヘテロ原子を組み込んでいてもよい5~7員環を形成し、これは更なる置換基で置換されていてもよく、又は
AとR6がオキシムを形成していてもよく;
R13は、独立して、水素、直鎖又は分枝鎖の低級アルキル、置換された又は置換されていないアリール又はベンジルであり、2つのR13基が同じ原子に存在する場合にはこれらが結合して、3~6員環を形成していてもよく;
ピラン環のC2とC3の置換は、常に、シス(+)又はシス(-)又はこれらの2つの混合物であり、言い換えれば、ピラン環のC2とC3の絶対配置は、RR又はSS立体化学又はRR及とSSのラセミ混合物であってもよい]。
【発明を実施するための形態】
【0007】
従って、本発明は、式(I)のポリフェノールの新規な類縁体に関する
【0008】
【化2】
【0009】
式I
[式中、
Aは、独立して、重水素、水素、アルキル、F、Clであり、
Bは、独立して、A又はヒドロキシル; OR11、NR11R12であり、
R1~R10は、独立して、水素; 重水素、NH2、F、Cl、ヒドロキシル、アルコキシ、非環式又は環式の低級アルキル、非環式又は環式の低級アシル、-CO-OR11、-OCO-OR11、-CO-NR11R12、-COR11、-CR11R12、-O-CO-R11、-CR11R12、-O-CO-NR11R12、OCONHCHR11R12、-OCR11R12、-O-CO-R11R12、-CO-アミノ酸; 又は-CO-ヒドロキシ酸であり; これらは低級アルキル、アシル、アルコキシ、OR11、NR11R12、COOR11、CONR11R12、OCOR11R12、OCONR11R12、OSO3R11、OSO2NR11R12、NR11SO2NR12、NR11SO3R12で置換されていてもよく;
2つの隣接するR1~R6がOH又はNHR11である場合には、更にCR11R12、-(C=O)n、-CO(CH2)n-、-C=S、C=NR12又は-OSO3-によって結合されていてもよく; ここで、n=1~2であり、
R11及びR12は、独立して、水素、OH、ハロ、C1-6アルキル、アリール、アルカリル、アリールアルキル、置換アルキル(これは直鎖、分枝鎖又は環状であってもよい)、C1-6アルコキシ(これは直鎖、分枝鎖又は環状であってもよい)、COOR13、CH2COOR13、C(R13)2OCOR13、C(R13)2OCOOR13、C(R13)2OCON(R13)2、C(R13)2N(R13)COOR13又はハロアルキル、アリール、置換アリールであるか、又はR11とR12が、これらが結合し得る原子と一緒に、N、O又はSから選択される1又は2つの環ヘテロ原子を組み込んでいてもよい5~7員環を形成し、これは更なる置換基で置換されていてもよく、又は
AとR6がオキシムを形成していてもよく;
R13は、独立して、水素、直鎖又は分枝鎖の低級アルキル、置換された又は置換されていないアリール又はベンジルであり、2つのR13基が同じ原子に存在する場合にはこれらが結合して、3~6員環を形成していてもよく;
ピラン環のC2とC3の置換は、常に、シス(+)又はシス(-)又はこれらの2つの混合物であり、言い換えれば、ピラン環のC2とC3の絶対配置は、RR又はSS立体化学又はRR及とSSのラセミ混合物であってもよい]。
式Iの本発明のポリフェノールの新規な類縁体は、式IIの化合物によって表されてもよい
【0010】
【化3】
【0011】
式II
[式中、
Aは、独立して、重水素、水素、アルキル、F、Clであり;
Bは、独立して、A又はヒドロキシル; OR11、NR11R12であり;
R1~R7及びR9は、独立して、H、D、NH2、F、Cl、ヒドロキシル、-CO-OR11、-CO-NR11R12、OCONHCHR11R12、-COR11、-CR11R12、-O-CO-R11、-CR11R12、-O-CO-NR11-R12、-OCR11R12、-O-CO-R11R12であり;
R11及びR12は、独立して、水素、OH、ハロ、C1-6アルキル、アリール、アルカリル、アリールアルキル、置換アルキル(これは直鎖、分枝鎖又は環状であってもよい)、C1-6アルコキシ(これは直鎖、分枝鎖又は環状であってもよい)、COOR13、CH2COOR13、C(R13)2OCOR13、C(R13)2OCOOR13、C(R13)2OCON(R13)2、C(R13)2N(R13)COOR13又はハロアルキル、アリール、置換アリールであるか、又はR11とR12が、これらが結合し得る原子と一緒に、N、O又はSから選択される1又は2つの環ヘテロ原子を組み込んでいてもよい5~7員環を形成し、これは更なる置換基で置換されていてもよく、又は
AとR6がオキシムを形成していてもよく;
R13は、独立して、水素、直鎖又は分枝鎖の低級アルキル、置換された又は置換されていないアリール又はベンジルであり、2つのR13基が同じ原子に存在する場合にはこれらが結合して、3~6員環を形成していてもよく;
ピラン環のC2とC3の置換は、常に、シス(+)又はシス(-)又はこれらの2つの混合物であり、言い換えれば、ピラン環のC2とC3の絶対配置は、RR又はSS立体化学又はRR及とSSのラセミ混合物であってもよい)。
【0012】
本発明の化合物:
本発明の化合物は、表1に示される例によって示されるが、これらに限定されない。
【0013】
表1: 本発明の例示化合物












【0014】
本発明の化合物としては、下記が挙げられる
I. (R,E)-2-(3,4-ジヒドロキシフェニル)-5,7-ジヒドロキシクロマン-3-オンオキシム;
II. シス(±) 3-ヒドロキシクロマン-2-イル)ベンゼン-1,2-ジオール;
III. シス(±) 2-(3,4-ジヒドロキシフェニル)クロマン-3,7-ジオール;
IV. シス(±) 2-(4-ヒドロキシフェニル)クロマン-3,7-ジオール;
V. シス(±) 2-(3-ヒドロキシフェニル)クロマン-3,5-ジオール;
VI. シス(±) 2-(4-ヒドロキシフェニル)クロマン-3,5-ジオール;
VII. シス(±) 2-(3-ヒドロキシフェニル)クロマン-3,7-ジオール;
VIII. シス(±) 2-(4-ヒドロキシフェニル)クロマン-3,5,7-トリオール;
IX. (2R,3S)-2-(3,4-ジヒドロキシフェニル)-3-アミノクロマン-5,7-ジオール;
X. (2R,3R)-2-(2,3-ジヒドロキシフェニル)-3-フルオロクロマン-5,7-ジオール;
XI. シス(±) 2-(3-ヒドロキシフェニル)クロマン-3-オール;
XII. シス(±) 2-(4-ヒドロキシフェニル)クロマン-3-オール;
XIII. シス(±) 2-(3,4-ジヒドロキシフェニル)クロマン-3,5-ジオール;
XIV. シス(±) 2-(3-ヒドロキシフェニル)クロマン-3,5,7-トリオール;
XV. シス(±) 2-フェニルクロマン-3,5,7-トリオール;
XVI. シス(±) 2-(4-ヒドロキシフェニル)-3-メトキシクロマン-7-オール;
XVII. シス(±) 2-(3-メトキシフェニル)クロマン-3,7-ジオール;
XVIII. シス(±) 2-(4-ヒドロキシフェニル)-7-メトキシクロマン-3-オール;
XIX. シス(±) 7-メトキシ-2-(4-メトキシフェニル)クロマン-3-オール;
XX. シス(±) 3,7-ジメトキシ-2-(4-メトキシフェニル)クロミック;
XXI. シス(±) 7-ヒドロキシ-2-(4-ヒドロキシフェニル)クロマン-3-イルアセテート;
XXII. シス(±)4-(3,7-ジヒドロキシクロマン-2-イル)フェニルアセテート;
XXIII. シス(±) 3-ヒドロキシ-2-(3-ヒドロキシフェニル)クロマン-7-イルアセテート;XXIV. シス(±)4-(7-アセトキシ-3-ヒドロキシクロマン-2-イル)フェニルアセテート;
XXV. シス(±) 2-(4-アセトキシフェニル)クロマン-3,7-ジイルジアセテート;
XXVI. 2-(3-メトキシ-4-メチルフェニル)クロマン-3,7-ジオール;
XXVII. 2-(3-ヒドロキシ-4-メチルフェニル)クロマン-3,7-ジオール;
XXVIII. 2-(4-フルオロ-3-メトキシフェニル)クロマン-3,7-ジオール;
XXIX. 2-(4-フルオロ-3-ヒドロキシフェニル)クロマン-3,7-ジオール;
XXX. 2-(3-ヒドロキシフェニル)-3-プロポキシクロマン-7-オール;
XXXI. シス(±) 2-(3,4-ジヒドロキシ-2-メチルフェニル)クロマン-3,5,7-トリオール;
XXXII. シス(±) 2-(2-フルオロ-3,4-ジヒドロキシフェニル)クロマン-3,5,7-トリオール;
XXXIII. シス(±) 2-(2-フルオロ-4,5-ジヒドロキシフェニル)クロマン-3,5,7-トリオール;
XXXIV. シス(±) 2-(3-フルオロ-4-ヒドロキシフェニル)クロマン-3,5,7-トリオール;
XXXV. シス(±)(2-(3,4-ジヒドロキシ-5-メチルフェニル)クロマン-3,5,7-トリオール;
XXXVI. (2R,3R)-2-(3,4-ジヒドロキシフェニル)クロマン-4,4-d2-3,5,7-トリオール;
XXXVII. (2R,3R)-2-(3,4-ジヒドロキシフェニル)クロマン-2-d-3,5,7-トリオール;
XXXVIII. (2R,3R)-2-(3,4-ジヒドロキシフェニル)クロマン-2,4-d2-3,5,7-トリオール;
XXXIX. (2R,3R)-2-(3,4-ジヒドロキシフェニル)-5,7-ジヒドロキシクロマン-3-イルイソブチルカーボネート;
XL. tert-ブチルネオペンチル(4-((2R,3R)-3,5,7-トリヒドロキシクロマン-2-イル)-1,2-フェニレン)ビスカーボネート;
XLI. 3-((((2R,3R)-2-(3,4-ジヒドロキシフェニル)-5,7-ジヒドロキシクロマン-3-イル)オキシ)カルボニル)-1-メチルピリジン-1-イウム;
XLII. 2-ヒドロキシ-5-((2R,3R)-3,5,7-トリヒドロキシクロマン-2-イル)フェニルネオペンチルカーボネート;
XLIII. 2-ヒドロキシ-4-((2R,3R)-3,5,7-トリヒドロキシクロマン-2-イル)フェニルオクタノエート;
XLIV. 4-((2R,3R)-3,5,7-トリヒドロキシクロマン-2-イル)-1,2-フェニレンビス(イソプロピルカルバメート);
XLV. (2R,3R)-2-(3,4-ジヒドロキシフェニル)-5,7-ジヒドロキシクロマン-3-イルネオペンチルカーボネート;
XLVI. (2R,3R)-2-(3,4-ジヒドロキシフェニル)-5,7-ジヒドロキシクロマン-3-イル-イソプロピルカーボネート;
XLVII. (2R,3R)-2-(3,4-ジヒドロキシフェニル)-5,7-ジヒドロキシクロマン-3-イル-ジメチルカーボネート;
XLVIII. ジベンジル(4-((2R,3R)-3,5,7-トリヒドロキシクロマン-2-イル)-1,2-フェニレン)ビス(カーボネート);
XLIX. ジメチル(4-((2R,3R)-3,5,7-トリヒドロキシクロマン-2-イル)-1,2-フェニレン)ビス(カーボネート);
L. (2R,3R)-2-(3,4-ジヒドロキシフェニル)-3-ヒドロキシクロマン-5,7-ジイルジイソブチルビス(カーボネート);
LI. 4-((2R,3R)-5,7-ビス((ベンジルカルバモイル)オキシ)-3-ヒドロキシクロマン-2-イル)-1,2-フェニレンビス(ベンジルカルバメート);
LII. ジベンジル(4-((2R,3R)-5,7-ビス(((ベンジルオキシ)カルボニル)オキシ)-3-ヒドロキシクロマン-2-イル)-1,2-フェニレン)ビス(カーボネート);
LIII. (2R,3R)-2-(3,4-ジヒドロキシフェニル)-5,7-ジヒドロキシクロマン-3-イルエチルカーボネート;
LIV. (2R,3R)-2-(3,4-ジヒドロキシフェニル)-3-ヒドロキシクロマン-5,7-ジイルジイソブチルビス(カーボネート);
LV. (2R,3R)-2-(3,4-ジヒドロキシフェニル)-5,7-ジヒドロキシクロマン-3-イルイソプロピルカーボネート;
LVI. メチル((((2R,3R)-2-(3,4-ジヒドロキシフェニル)-5,7-ジヒドロキシクロマン-3-イル)オキシ)カルボニル)グリシネート;
LVII. (2R,3R)-2-(3,4-ジヒドロキシフェニル)-3-ヒドロキシクロマン-5,7-ジイルジエチルビス(カーボネート);
LVIII. (2R,3R)-2-(3,4-ジヒドロキシフェニル)-3-ヒドロキシクロマン-5,7-ジイルジメチルビス(カーボネート);
LIX. 4-((2R,3R)-3,5,7-トリヒドロキシクロマン-2-イル)-1,2-フェニレンビス(ベンジルカルバメート);
LX. ジベンジル(4-((2R,3R)-3-ヒドロキシ-5,7-ビス((イソブトキシカルボニル)オキシ)クロマン-2-イル)-1,2-フェニレン)ビス(カーボネート);
LXI. (2R,3R)-2-(3,4-ジヒドロキシフェニル)-3,7-ジヒドロキシクロマン-5-イルヘプタノエート;
LXII. (2R,3R)-2-(3,4-ジヒドロキシフェニル)-3,5-ジヒドロキシクロマン-7-イルヘプタノエート;
LXIII. (2R,3R)-2-(3,4-ジヒドロキシフェニル)-3-ヒドロキシクロマン-5,7-ジイルジヘプタノエート;
LXIV. (2R,3R)-2-(3,4-ジヒドロキシフェニル)-3,7-ジヒドロキシクロマン-5-イルオクタノエート;
LXV. (2R,3R)-2-(3,4-ジヒドロキシフェニル)-3,5-ジヒドロキシクロマン-7-イルオクタノエート;
LXVI. ジベンジル(4-((2R,3R)-3-ヒドロキシ-5,7-ビス((メトキシカルボニル)オキシ)クロマン-2-イル)-1,2-フェニレン)ビス(カーボネート).
LXVII. (2R,3R)-7-メトキシ-2-(3-メトキシフェニル)-3-プロポキシクロマン;
LXVIII. (2R,3R)-2-(3-メトキシフェニル)-3-プロポキシクロマン-7-オール;
LXIX. (2R,3R)-2-(3-ヒドロキシ-4-メチルフェニル)クロマン-3,7-ジオール;
LXX. (2R,3R)-7-メトキシ-2-(4-メトキシフェニル)クロマン-3-オール;
LXXI. (2R,3R)-2-(3,4-ジヒドロキシフェニル)-5,7-ジヒドロキシクロマン-3-イルニコチネート;
LXXII. ジネオペンチル(4-((2R,3R)-3,5,7-トリヒドロキシクロマン-2-イル)-1,2-フェニレン)ビス(カーボネート);
LXXIII. tert-ブチル((2R,3R)-2-(3,4-ジヒドロキシフェニル)-5,7-ジヒドロキシクロマン-3-イル)カーボネート;
LXXIV. (2R,3R)-2-(3,4-ジヒドロキシフェニル)-5,7-ジヒドロキシクロマン-3-イル(R)-3-ヒドロキシブタノエート;
LXXV. ジイソプロピル(4-((2R,3R)-3,5,7-トリヒドロキシクロマン-2-イル)-1,2-フェニレン)ビス(カーボネート);
LXXVI. ジネオペンチル(4-((2R,3R)-3,5,7-トリヒドロキシクロマン-2-イル)-1,2-フェニレン)ビス(カーボネート)。
【0015】
他の実施態様において、本発明は、また、下記のように式(I)と式(II)の化合物の調製方法を開示する。
【0016】
合成スキーム1:
【0017】
【化4】
【0018】
スキーム1は下記の工程を含んでいる:
工程1: 式1のアセトフェノンのヒドロキシル基は、塩基及び溶媒の存在下に保護剤で保護されてもよい;
【0019】
【化5】
【0020】
保護剤、好ましくはベンジル化剤、例えば臭化ベンジルは、適切な塩基、例えば炭酸カリウムの存在下で適切な溶媒、例えばジメチルホルムアミド又はアセトンの存在下に周囲温度で、保護されたヒドロキシル基を有する化合物に変換することができる。保護された化合物は、更に、適切な塩基、例えばNaOH、KOH、又はピペリジンの存在下で適切な溶媒、例えばMeOH、EtOH、THFの存在下に周囲温度で式[3]のカルコンに変換される;
工程2: 式[3]のカルコンは、適切な塩基、例えばNaOHの存在下に、適切なエポキシ化剤、例えば過酸化水素の存在下に及び適切な溶媒、例えばMEOH又はEtOHの存在下に化合物[4]に変換することができる。
工程3: 式[4]の化合物は、あるとすればヒドロキシル基(1つ以上)を保護する保護剤で、好ましくはベンジル化剤、例えば臭化ベンジルで適切な塩基、例えば炭酸カリウムの存在下で適切な溶媒、例えばジメチルホルムアミド又はアセトンの存在下に周囲温度で処理することができ、保護されたヒドロキシル基を有する化合物[5]に変換することができる; 工程4: 化合物[5]は、キラル/アキラル還元剤、例えば水素化/重水素化リチウムアルミニウムの存在下に溶媒、例えばTHF又はエーテル中で周囲温度から還流の範囲にある温度で化合物[6]と[7]の混合物に変換することができる。
工程5: 化合物[6]と[7]は、脱保護により化合物[8]と[9]に変換することができる。工程4で得られた4H-クロメンと2H-クロメンの化合物は、炭素上のパラジウムの存在下で水素雰囲気又は水酸化パラジウムの存在下に周囲温度から60℃までの範囲にある温度で水素化に供したときに本発明のポリフェノール類縁体に変換される。
【0021】
合成スキーム2:
スキーム2は下記の工程を含んでいる:
【0022】
【化6】
【0023】
工程1: 合成スキーム1に記載されるように合成され得るカルコン3は、還元剤、例えばNaBH4で処理することにより、適切な溶媒、例えばEtOH又はMeOHの存在下に周囲温度から還流までの範囲にある温度で10に変換することができる。
工程2: 化合物10は、適切な試薬、例えばOsO4の存在下で、キラル助触媒、例えばAD-mix-α又はAD-mix-βの有無にかかわらず、適切な溶媒、例えばTHFの存在下に周囲温度から還流までの範囲にある温度で一般式11の化合物に変換することができる。
工程3: 化合物11は、適切な還元剤、例えばNaCNBH3で適切な溶媒、例えばAcOH又はTHFの存在下に周囲温度で処理されると12に変換することができる。
工程4: 化合物12は、適切な酸化剤、例えばデス・マーチンペリヨージナンの存在下で適切な溶媒、例えばTHF又はDCMの存在下に化合物13に変換することができる。
工程5: 化合物[13]は、適切な還元剤、例えばl-selectrideの存在下で-78℃から室温までの範囲にある温度で適切な溶媒、例えばTHFの存在下に化合物8に変換することができる。
【0024】
合成スキーム3:
【0025】
【化7】
【0026】
任意のフラバン-3-オール(12)、例えばカテキンは、適切な保護基、例えばフェノールOHについてのベンジルの有無にかかわらず、適切な酸化剤、例えばデス・マーチンペリヨージナンの存在下で適切な溶媒、例えばTHF又はDCMの存在下に化合物[13]に変換することができる。化合物[13]は、更に、シアノヒドリン、オキシム合成又はハロゲン化に限定されないような文献において既知のケトン基の種々の転換を利用すると、又は種々のグリニャール試薬で処理して、第三級アルコールを得ると、ジアステレオ選択性の有無にかかわらず化合物14に官能基化することができる。
【0027】
合成スキーム4:
【0028】
【化8】
【0029】
任意のフラバン-3-オール(15)、例えばエピカテキンは、適切な保護基、例えばフェノールOHについてのベンジルの有無にかかわらず、適切な求核試薬、例えばアルキルヨーダイド又はブロミドのようなアルキル化剤又はアシル化剤、例えばアセチルクロリド又はアルキルクロロホーメート試薬の存在下に、適切な塩基、例えばNaH、ピリジンの存在下に、適切な溶媒、例えばTHF、DCMの存在下に一般式[16]の化合物に官能基化することができる。保護基が存在する場合には除去するか又は保持して、最終化合物を得ることができる。
【0030】
合成スキーム5:
【0031】
【化9】
【0032】
任意のフラバン-3-オール中間体、例えばシアニジン[17]は、適切な保護基、例えばフェノールOHについてのベンジルの有無にかかわらず、適切な還元剤、例えばNaCNBD4の存在下に適切な溶媒、例えばTHF又はDCMの存在下で化合物[18A]と[18B]に変換することができる。化合物[18A]及び[18B]は、更に、水素雰囲気中Pd(OH)2で処理すると単一工程で還元だけでなく脱保護されて、ジアステレオ選択性の有無にかかわらず最終生成物を得ることができる。
本明細書に開示される合成スキームは本発明の範囲を制限することを意味せず、本発明のすべての類縁体を合成する代表的な一般合成スキームを意味するものである。
【0033】
塩及び異性体及び対イオン
本発明は、その範囲内に塩及び異性体を包含する。本発明の化合物が新規であった後に、場合によっては、本発明の範囲内である塩を形成することができる。本化合物のすべての立体異性体、例えば化合物のR置換基についての不斉炭素のために存在し得る、エナンチオマー及びジアステレオマーの形態が含まれるものは、本発明の範囲内で企図される。
【0034】
本発明の新規な物質を含有する組成物
本発明は、また、本発明の化合物を含む組成物又は製剤を企図する。組成物又は製剤は、化粧品又は栄養補助食品又は医薬品の用途に用い得る。更に、本発明の化合物は、他の医薬品又は栄養補助食品と組み合わせて使用し得る。
他の態様において、本発明は、また、エピカテキン及び他のポリフェノールが有効であることが見い出だされている適応症のための化合物の使用に関する。本発明の化合物は、ミトコンドリア発生を誘導するために用い得る。本発明の化合物は、スポーツマンによる筋力要求/エネルギー需要増加を満たすために運動した筋肉を満足させる際にサプリメントや薬剤として有効であり得る。本発明の化合物は、ミトコンドリア機能不全と関連した疾患を治療するために用い得る。
理論によって制限されることなく、本発明の新規な類縁体は、他のポリフェノールと比較して、実質的に種々の薬物動態学的、薬力学的、並びに急性及び長期の毒性プロファイルを示すものである。更に、本発明の新規な類縁体は、急速な酸化を示し、一般に、化合物の薬物動態学的、薬理学的、及び/又は毒物学的プロファイルに影響する検出可能な反応速度同位体効果を生じる。
【実施例0035】
下記の実施例は、開示内容を代表するものであり、中間体化合物の調製を含めて、開示内容の化合物を調製する詳細な方法を示すものである。実施態様の具体的な化合物の調製を下記の実施例で詳述するが、当業者は記載されている化学反応が種々の実施態様の多くの他の薬剤を調製するのに容易に適応され得ることを認めるであろう。例えば、例示されていない化合物の合成は、当業者に明らかな変更によって、例えば、妨害する基を適切に保護することによって、当該技術において既知の他の適切な試薬に変えることによって、又は反応条件の日常的な変更を行うことによって、うまく行うことができる。
下記の実施例のすべてに対して、当業者に既知の処理及び精製の標準法が使われてもよい。特に明記しない限り、すべての温度は℃(摂氏度)で表される。すべての反応は、特に明記しない限り室温で行った。本明細書に例示される合成方法は、個々の実施例の使用によって適用できる化学を例示することを意図し、開示内容の範囲を表すものではない。
【0036】
実施例1: (R,E)-2-(3,4-ジヒドロキシフェニル)-5,7-ジヒドロキシクロマン-3-オンオキシム[1001]の合成
工程1: カテキン[19]からテトラベンジル化カテキン[20]の合成
【0037】
【化10】
DMF中の[19](1.0g、3.4mmol)の撹拌溶液に無水K2CO3(2.3g、17.0mmol)を窒素雰囲気下に0℃で添加した。この時に同じ温度で15分間更に撹拌した後、臭化ベンジル(2.0ml、17.0mmol)を滴下した。反応温度を25℃まで上げ、撹拌を一晩続けた。[19]の消費をTLCによって監視した。[19]が完全に消費された後、水(50ml)を添加し、有機層を酢酸エチル(3×100ml)で抽出した。合わせた有機層を水、食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した。
有機層を濃縮して、薄茶色の粘着性物質を得、これを更に溶離剤としてヘキサン中の8%酢酸エチルを用いたシリカゲルカラムクロマトグラフィを用いて精製して、[20]を白色の粉末(1.5g、68%)として得た; ESIMS: 651[M++1]
工程2: テトラベンジル化カテキン[20]から[21]の合成
【0038】
【化11】
【0039】
乾燥DCM中の[20](1.0g、1.53mmol)の撹拌溶液に、デス・マーチンペリヨージナン(0.98g、2.3mmol)を室温で一度に添加した。6~7時間更に撹拌した後、飽和NaH2CO3(20ml)を添加し、DCM(3×100ml)で抽出した。合わせた有機層を水洗し、硫酸ナトリウムで乾燥した。有機層を濃縮して、薄いピンク色の粘着性物質を得、これを更に溶離剤としてDCMを用いたシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィを用いて精製して、[21]をオフホワイト~ピンクがかった固体粉末(0.65g、71%)として得た; ESIMS: 649[M++1]
工程3: [21]から[22]の合成
【0040】
【化12】
【0041】
アセトニトリル(2ml)とメタノール(5ml)の混合物中の[21](0.20g、0.30mmol)の撹拌溶液に酢酸アンモニウム(0.03g、0.36mmol)は室温で一度に添加した。この温度で10分間更に撹拌した後、ヒドロキシルアミン塩酸塩(0.02g、0.36mmol)を添加した。[21]の消費をTLCによって監視した。[21]が完全に消費された後、反応混合物を濃縮し、水(50ml)を添加した。次に有機層を酢酸エチル(2×100ml)で抽出した。合わせた有機層を水、食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した。有機層を濃縮して、[22]をオフホワイトの粘着性固形物として得、これをこのまま次の工程に用いた(0.12g、68%); ESIMS: 664[M++1]
工程4: [22]から1001の合成
【0042】
【化13】
【0043】
酢酸エチルとメタノールの混合物(1;1、5ml)中の[22](0.15g、0.22mmol)の撹拌溶液に10% Pd/C(0.02g)のスラリーを室温で添加した。水素バルーン圧を加え、反応混合物を室温で1時間撹拌し、続いて50℃~55℃で一晩更に撹拌した。TLCを用いて反応を監視した。反応塊をセライトで濾過し、過剰の溶媒を真空中で除去して、薄茶色の粘着性質を得、更にシリカゲルカラム及び溶離剤としてジクロロメタン中の6%メタノールを用いて精製して、[1001]をオフホワイトの粘着性物質(0.02g、25%)として得た; ESIMS: 304[M++1]。
【0044】
実施例2: (2R,3R)-2-(2,3-ジヒドロキシフェニル)-3-フルオロクロマン-5,7-ジオール[1010]の合成
工程1: カテキン[19]から[1010]の合成
【0045】
【化14】
【0046】
-10℃において乾燥DCM中の[19](0.10g、0.34mmol)の撹拌溶液にDCMに溶解したDAST(0.20ml、1.0mmol)を添加して、溶液を形成した。撹拌を2時間続けた後、飽和NaHCO3を添加し、続いてDCM(2×50ml)で抽出した。合わせた有機層を食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮して、薄茶色の粘着性物質を得た。粗反応混合物をフラッシュシリカゲルカラム及び溶離剤としてDCM中の1% MeOHを用いて精製して、1014(0.01g、10%)を淡黄色がかった粘着性物質として得た; ESIMS: 293[M++1]。
【0047】
実施例3: (2R,3S)-2-(3,4-ジヒドロキシフェニル)-3-アミノクロマン-5,7-ジオール[1009]の合成
工程1: [21]から[23(A+B)]の合成
【0048】
【化15】
【0049】
乾燥THF中の[21](0.50g、0.77mmol)の撹拌溶液にベンジルアミン(0.18ml、1.5mmol)を窒素雰囲気下に室温で添加した。この時に同じ温度で15分間更に撹拌した後、酢酸(3~4滴)を滴下した。この温度で1時間更に撹拌して、NaCNBH3(0.09g、1.5mmol)を添加した。[21]の消費をTLCによって監視した。出発材料が完全に消費された後、水(50ml)を添加し、有機層を酢酸エチル(3×100ml)で抽出した。合わせた有機層を水、食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した。有機層を濃縮して、薄茶色の粘着性物質を得、これを溶離剤としてヘキサン中の5%酢酸エチルを用いたシリカゲルカラムクロマトグラフィを用いて更に精製して、[23](0.21g、36%)及び15(0.07g、13%)を淡黄色の粘着性物質として得た。ESIMS: 740[M++1]
工程2: [23A]から1009の合成
【0050】
【化16】

酢酸エチルとメタノールの混合物(1;1、5ml)中の[23A](0.10g、0.13mmol)の撹拌溶液に10% Pd/C(0.02g)のスラリーを室温で添加した。水素バルーン圧を加え、反応混合物を室温で一晩撹拌した。TLCを用いて反応を監視した。反応塊をセライトで濾過し、過剰の溶媒を真空中低温で除去して、薄茶色の粘着性物質を得、更に分取用HPLCを用いて精製して、[1009]を薄茶色の粘着性物質(0.01g、27%)として得た。ESIMS: 290[M++1]
【0051】
実施例4: シス(±) 2-(4-ヒドロキシフェニル)クロマン-3,7-ジオール[1004]の合成
工程1: 1-(2,4-ジヒドロキシフェニル)エタノンから1-(4-ベンジルオキシ)-2-ヒドロキシフェニル)エタノンの合成.
【0052】
【化17】
【0053】
DMF(60ml)中の[24](10.0g、65.78mmol)の撹拌溶液にK2CO3(27.2g、197mmol)を窒素雰囲気下に0℃で添加した。この温度で15分間撹拌した後、臭化ベンジルを滴下した(7.2ml、65.7mmol)。反応混合物の温度を室温に上げ、一晩撹拌した。TLCは[24]の完全な消費を示した。反応混合物を水(500ml)で急冷し、酢酸エチル(2×500ml)で抽出した。合わせた有機層を水、食塩水で洗浄して、硫酸ナトリウムで乾燥した。有機層を回転蒸発させて、薄茶色の粘着性物質を得た。この粗生成物をシリカゲルカラムに装填し、8%酢酸エチル/ヘキサンで溶離して、褐色粉末[25](12g、75 %)を得た; ESIMS: 242[M++1]。
工程2: 1-(4-ベンジルオキシ)-2-ヒドロキシフェニル)エタノン及び[26]から[27]の合成.
【0054】
【化18】
【0055】
EtOH(30ml)中の[25](3.0g、12.3mmol)の撹拌溶液に[26](3.1g、14.8mmol)を添加し、反応混合物を50℃に加熱し、次に50% NaOH水溶液(9.0ml)を反応混合物に50℃で絶えず撹拌しながら滴下し、室温で一晩撹拌した。TLCを調べることによって反応の完了を監視した。TLCは[25]の完全な消費を示した。反応混合物を砕いた氷に注入し、5% HCl溶液で中和し、粗生成物を黄色沈殿として得、これをブフナー漏斗で濾過し、粗生成物をEtOH水溶液で再結晶して、純粋な生成物[27]を黄色の粉末として得た。この純粋な生成物[27](3.5g、64%)を次の工程に用いた。ESIMS: 436[M++1]
工程3: [27]から[28]の合成.
【0056】
【化19】
【0057】
メタノール(40ml)中の[27](3.0g、6.88mmol)の撹拌溶液に20% NaOH水溶液(7.0ml)を添加した。この反応混合物を0℃氷浴中に保持し、30% H2O2(3.2ml)を絶えず撹拌しながら滴下し、次に、反応温度を室温に上げ、この温度で一晩撹拌した。TLCを調べることによって反応の完了を調べた。TLCは[27]の完全な消費を示した。反応混合物を冷たい5%HCl溶液で酸性にした。形成される黄色沈殿をブフナー漏斗で濾別し、粗生成物をEtOH水溶液で再結晶して、純粋な生成物[28]を黄色の粉末として得た。この純粋な生成物[28](1.7g、56%)を次の工程に用いた; ESIMS: 450[M++1]
工程4: [28]から[29]の合成.
【0058】
【化20】
【0059】
DMF中の[28](1.6g、3.55mmol)の撹拌溶液にK2CO3(0.588g、4.26mmol)を窒素雰囲気下に0℃で添加した。この温度で15分間撹拌した後、臭化ベンジルを滴下した(0.42ml、3.55mmol)。反応混合物の温度を室温に上げ、一晩撹拌した。TLCは[28]の完全な消費を示した。
反応混合物を水(500ml)で急冷し、酢酸エチル(2×200ml)で抽出した。合わせた有機層を水、食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した。有機層を回転蒸発させて、黄色固形物を得た。この粗生成物をジエチルエーテルで洗浄して、淡黄色の粉末[29](1.5g、78%)を得た。ESIMS: 540[M++1]
工程5: [29]から[30]及び[31]の合成.
【0060】
【化21】
【0061】
MTBE(20ml)中の[29](1.5g、2.77mmol)の撹拌溶液にLAH(0.422g、11.1mmol)を窒素雰囲気下に40℃で添加した。この温度で5分間撹拌した後、反応混合物の温度を80℃に2時間上げた。TLCで監視したように反応完了は、[29]の完全な消費を示した。反応混合物を水(50ml)で急冷し、酢酸エチル(2×100ml)で抽出した。合わせた有機層を水、食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した。有機層を回転蒸発させて、暗褐色の粘着性物質を得た。この粗生成物をシリカゲルカラムに装填し、100% DCMで溶離して、薄茶色の粘着性物質を[30]及び[31]の混合物(0.90g、61%)として得た。[30]及び[31]の混合物を次の工程に用いた; ESIMS: 526[M++1]。
工程6: [30]及び[31]から[1004]の合成.
【0062】
【化22】
【0063】
酢酸エチルとメタノール(10ml)の1:1の混合物中の[30]と[31]の撹拌溶液(0.750g、1.42mmol)に10% Pd/C(0.075g)のスラリーを室温で添加した。水素バルーン圧を加え、この反応混合物をこの温度で1時間撹拌し、次に、反応温度を50℃~55℃に上げ、この温度で一晩撹拌する。反応塊をセライトで濾過し、溶媒を回転蒸発器で除去して、薄茶色の粘着性物質を得た。この粗生成物を分取用HPLCによって精製して、シスラセミ体[1004]をオフホワイトの粉末(0.035g、10%)として及びそのトランス異性体[32]をオフホワイトの粉末(0.013g、4%)として得た; ESIMS: 258[M++1]。
【0064】
実施例5: 出発材料として[25]と3,4-ビス(ベンジルオキシ)ベンズアルデヒドにより[1004]として記載されている手順によってシス(±) 2-(3,4-ジヒドロキシフェニル)クロマン-3,7-ジオール[1003]の合成を行った。
【0065】
実施例6: 出発材料として[25]と3-(ベンジルオキシ)ベンズアルデヒドにより[1004]として記載されている手順によってシス(±) 2-(3-ヒドロキシフェニル)クロマン-3,7-ジオール[1007]の合成を行った。
【0066】
実施例7: シス(±) 3-ヒドロキシクロマン-2-イル)ベンゼン-1,2-ジオールの合成
【0067】
【化23】
【0068】
工程1: (E)-3-(3,4-ビス-(ベンジルオキシ)フェニル)-1-(2-ヒドロキシフェニル)プロパ-2-エン-1-オン[35]の合成:
【0069】
【化24】
【0070】
EtOH(20ml)中の化合物[33](2.0g、14.68mmol)と化合物[34](1.75g、8.28mmol)の撹拌溶液にNaOH水溶液(2gを10mlの水に溶解する)を添加した。反応混合物を50℃で30分間撹拌し、次に室温で一晩撹拌した。TLCによって[33]と[34]の消費を監視した。反応混合物を2N HClでpH 4の酸性にし、水(50ml)を添加し、有機層を酢酸エチル(2×100ml)で抽出した。
合わせた有機層を水、食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムをで乾燥した。有機層を濃縮して、淡黄色の粘着性物質を得、EtOHを用いることによる再結晶を用いて更に精製して、[35]を淡黄色の固形物(3.04g、55%)として得た。ESIMS: 437[M++1]
工程2: 2-(3,4-ビス(ベンジルオキシ)フェニル)-3-ヒドロキシ-4H-クロメン-4-オン(36)の合成:
【0071】
【化25】
【0072】
化合物[35](2.5g、5.77mmol)をEtOH(20ml)中で0℃において10分間撹拌した。次に、反応混合物に20% NaOH(8ml)溶液を添加し、続いて30% H2O2(10ml)を添加し、0℃で4~5時間撹拌した。次に、反応混合物を4℃で一晩冷蔵した。TLCによって[35]の消費を監視した。
反応混合物を2N HClでpH 3の酸性にし、有機層を酢酸エチル(2×100 ml)で抽出した。合わせた有機層を水、食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した。有機層を濃縮して、淡黄色の粘着性物質を得、EtOHを用いることによる再結晶を用いてこれを更に精製して、[36]を淡黄色の固形物(1.56g、62%)として得た。ESIMS: 451[M++1]
工程3: 3-(ベンジルオキシ)-2-(3,4-ビス(ベンジルオキシ)フェニル)-4H-クロメン-4-オン[37]の合成:
【0073】
【化26】
【0074】
DMF中の[36](1.40g、3.11mmol)の撹拌溶液に無水K2CO3(0.865g、6.22mmol)を窒素雰囲気下に室温で添加した。この時に同じ温度で15分間更に撹拌した後、臭化ベンジル(0.57ml、4.66mmol)を反応混合物に滴下した。反応混合物を室温で2~3時間撹拌を続けた。TLCによって[36]の消費を監視した。[36]が完全に消費した後、水(20ml)を添加し、有機層を酢酸エチル(2×50ml)で抽出した。合わせた有機層を水、食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した。有機層を濃縮して、薄茶色の粘着性物質を得、EtOHを用いた結晶化によってこれを更に精製して、[37]を淡黄色の固形物(1.70g、90%)として得た。ESIMS: 541[M++1]
工程4: 化合物[38]と[39]の合成
【0075】
【化27】
【0076】
MTBE(30ml)中の[37](1.30g、2.41mmol)の撹拌溶液にLAH(0.366g、9.647mmol)を窒素雰囲気下に室温で添加した。反応混合物の温度を70℃に上げ、この温度で1時間撹拌した。TLCによって[37]の消費を監視した。[37]が完全に消費された後、反応混合物を0℃に冷却し、次にNH4Cl(25ml)で急冷した。水(20ml)を添加し、有機層を酢酸エチル(2×50ml)で抽出した。合わせた有機層を水、食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した。有機層を濃縮して、化合物[38]及び化合物[39]のオフホワイトの粘着性物質(1.20g、80%)を得、これを直接次の工程に用いた。ESIMS: 527[M++1]
工程5: 1002の合成
【0077】
【化28】
【0078】
酢酸エチルとメタノールの混合物(1:1、20ml)中の[38]と[39](0.500g、9.53mmol)の撹拌溶液に10% Pd/C(0.05g)のスラリーを窒素雰囲気下に室温で添加した。水素バルーン圧を加え、この反応混合物を室温で1時間撹拌し、続いて50℃~55℃で一晩更に撹拌した。TLCを用いることによって反応を監視した。反応塊をセライト床で濾過し、過剰の溶媒を真空中で除去して、薄茶色の粘着性物質を得、これをシリカゲルカラム及び溶離剤としてジクロロメタン中の2%メタノールを用いて更に精製して、シスラセミ体1002(0.090g、40%)をオフホワイトの固形物として及び1002A(0.010g、10%)を得た。ESIMS: 259[M++1]
【0079】
実施例8: 出発材料として[33]と3-(ベンジルオキシ)ベンズアルデヒドにより1002として記載されている手順によってシス(±) 2-(3-ヒドロキシフェニル)クロマン-3-オール[1011]の合成を行った。
【0080】
実施例9: 出発材料として[33]と4-(ベンジルオキシ)ベンズアルデヒドにより1002として記載されている手順によってシス(±) 2-(4-ヒドロキシフェニル)クロマン-3-オール[1012]の合成を行った。
【0081】
実施例10: シス(±) 2-(4-ヒドロキシフェニル)クロマン-3,5-ジオール[1006]の合成
工程1: 1-(2-(ベンジルオキシ)-6-ヒドロキシフェニル)-エタノン[41]の合成
【0082】
【化29】
【0083】
DMF中の[40](2.0g、1.34mmol)の撹拌溶液に無水K2CO3(2.17g、15.77mmol)を窒素雰囲気下に室温で添加した。この時に同じ温度で15分間更に撹拌した後、臭化ベンジル(1.92ml、15.77mmol)を滴下した。反応混合物を室温で一晩連続して撹拌した。TLCによって[40]の消費を監視した。[40]を完全に消費した後、水(50ml)を添加し、有機層を酢酸エチル(2×100ml)で抽出した。合わせた有機層を水、食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した。有機層を濃縮して、薄茶色の粘着性物質を得、これを溶離剤としてヘキサン中の5%酢酸エチルを用いたシリカゲルカラムクロマトグラフィを用いて更に精製して、[41]を白色の粉末(2.1g、80%)として得た。ESIMS: 243[M++1]
工程2: (E)-1-(2-(ベンジルオキシ)-6-ヒドロキシフェニル)-3-(4-(ベンジルオキシ)-フェニル)-プロパ-2-エン-1-オン (43)の合成:
【0084】
【化30】
【0085】
EtOH(20ml)中の化合物[41](2.0g、8.28mmol)と化合物[42](1.75g、8.28mmol)の撹拌溶液にNaOH水溶液(1gが6mlの水に溶解している)を添加した。反応混合物を50℃で30分間撹拌し、次に室温で一晩撹拌した。TLCによって[41]と[42]の消費を監視した。反応混合物を2N HClでpH 4の酸性にし、水(50ml)を添加し、有機層を酢酸エチル(2×100ml)で抽出した。合わせた有機層を水、食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した。有機層を濃縮して、淡黄色の粘着性物質を得、EtOHを用いることによる再結晶を用いてこれを更に精製して、[43]を淡黄色の固形物(2.0g、50%)として得た。ESIMS: 437[M++1]
工程3: 5-(ベンジルオキシ)-2-(4-(ベンジルオキシ)-フェニル)-3-ヒドロキシ-4H-クロメン-4-オン (44)の合成:
【0086】
【化31】
【0087】
化合物[43](1.5g、3.44mmol)をEtOH(20ml)中で0℃において10分間撹拌した。次に、20% NaOH(10ml)溶液を反応混合物に添加し、続いて30% H2O2(10ml)を添加し、0℃で4~5時間撹拌した。次に、反応混合物を4℃で一晩冷蔵した。TLCによって[43]の消費を監視した。
反応混合物を2N HClでpH 3の酸性にし、有機層を酢酸エチル(2×100ml)で抽出した。合わせた有機層を水、食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した。有機層を濃縮して、淡黄色の粘着性物質を得、EtOHを用いることによる再結晶を用いてこれを更に精製して、[44]及び[45]を淡黄色の固形物(890mg、50%)として得た。ESIMS: 451[M++1]
工程4: 3,5-ビス-(ベンジルオキシ)-2-(4-(ベンジルオキシ)-フェニル)-4H-クロメン-4-オン (46)の合成:
【0088】
【化32】
【0089】
DMF中の[44](0.6g、1.33mmol)の撹拌溶液に無水K2CO3(0.36g、2.66mmol)を窒素雰囲気下に室温で添加した。この時に同じ温度で15分間更に撹拌した後、臭化ベンジル(0.325ml、2.66mmol)を反応混合物に滴下した。反応混合物を室温で2~3時間続けて撹拌した。TLCによって[44]の消費を監視した。[44]を完全に消費した後、水(20ml)を添加し、有機層を酢酸エチル(2×50ml)で抽出した。合わせた有機層を水、食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した。有機層を濃縮して、薄茶色の粘着性物質を得、EtOHを用いた結晶化によってこれを更に精製して、[46]を淡黄色の固形物(0.3g、52%)として得た。ESIMS: 541[M++1]
工程5: [61]から62(A) + 62(B)の合成
【0090】
【化33】
【0091】
MTBE(20ml)中の[46](0.5g、9.25mmol)の撹拌溶液にLAH(0.140g、37.03mmol)を窒素雰囲気下に室温で添加した。反応混合物温度を70℃に上げ、この温度で1時間撹拌した。TLCによって[46]の消費を監視した。[46]が完全に消費された後、反応混合物を0℃に冷却し、次にNH4Cl(25ml)で急冷した。水(20ml)を添加し、有機層を酢酸エチル(2×50ml)で抽出した。合わせた有機層を水、食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した。有機層を濃縮して、化合物47(A + B)(0.4g、80%)のオフホワイトの粘着性物質を得、これを直接次の工程に用いた。ESIMS: 527[M++1]
工程6: 2-(4-ヒドロキシフェニル)-クロマン-3,5-ジオール(1006)の合成:
【0092】
【化34】
【0093】
酢酸エチルとメタノールの混合物(1:1、20ml)中の47(A+B)(0.400g、0.76mmol)の撹拌溶液に10% Pd/C(0.04g)のスラリーを窒素雰囲気下に室温で添加した。水素バルーン圧を加え、この反応混合物を室温で1時間撹拌し、続けて50℃~55℃で一晩更に撹拌した。TLCを用いることにより反応を監視した。反応塊をセライト床で濾過し、過剰の溶媒を真空中で除去して、薄茶色の粘着性物質を得、これをシリカゲルカラム及び溶離剤としてジクロロメタン中の2%メタノールを用いて更に精製して、シスラセミ体1006(0.028g、30%)をオフホワイトの固形物として得た。ESIMS: 259[M++1]
【0094】
実施例11: 出発材料として[41]及び3-(ベンジルオキシ)ベンズアルデヒドにより1006として記載されている手順によってシス(±) 2-(3-ヒドロキシフェニル)クロマン-3,5-ジオール[1005]の合成を行った。
【0095】
実施例12: 出発材料として[41]及び3,4-ビス(ベンジルオキシ)ベンズアルデヒドにより1006として記載されている手順によってシス(±) 2-(3,4-ジヒドロキシフェニル)クロマン-3,5-ジオール[1013]の合成を行った。
【0096】
実施例13: 出発材料として[25]及び3-メトキシ-4-メチルベンズアルデヒドにより1004として記載されている手順によって2-(3-メトキシ-4-メチルフェニル)クロマン-3,7-ジオール[1026]及び2-(3-ヒドロキシ-4-メチルフェニル)クロマン-3,7-ジオール[1027]の合成を行った。[1026] ESIMS: 287[M++1] [1027] ESIMS: 272[M++1]
【0097】
実施例14: 出発材料として[25]及び4-フルオロ-3-メトキシベンズアルデヒドにより1004として記載されている手順によって2-(4-フルオロ-3-メトキシフェニル)クロマン-3,7-ジオール[1028]及び2-(4-フルオロ-3-ヒドロキシフェニル)クロマン-3,7-ジオール[1029]の合成を行った。[1028] ESIMS: 290[M++1] [1029] ESIMS: 276[M++1]
【0098】
実施例15: シス(±) 2-(3-メトキシフェニル)クロマン-3,7-ジオール、シス(±) 2-(3-ヒドロキシフェニル)-7-メトキシクロマン-3-オール、シス(±)7-メトキシ-2-(3-メトキシフェニル)クロマン-3-オール[1017、1018及び1019]の合成
工程1: [1007]から[1017]、[1018]及び[1019]の合成
【0099】
【化35】
【0100】
DMF中の[1007](0.12g、0.46mmol)の撹拌溶液に無水K2CO3(0.12g、0.93mmol)を窒素雰囲気下に0℃で添加した。同じ温度で15分間更に撹拌した後、ヨウ化メチル(0.05ml、0.93mmol)を滴下した。反応温度を25℃まで上げ、撹拌を4時間続けた。TLCによって[1007]の消費を監視した。[1007]を完全に消費させた後、水(50ml)を添加し、有機層を酢酸エチル(2×50ml)で抽出した。合わせた有機層を水、食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した。有機層を濃縮して、薄茶色の粘着性物質を得、これを溶離剤として5%酢酸エチル/ヘキサンを用いたシリカゲルカラムクロマトグラフィを用いて更に精製して、[1017]を薄緑色の粘着性物質(0.05g、37%)、[1018]及び[1019]を淡黄色の粘着性物質(0.02g、16%)として得た。[1019] ESIMS: 287[M++1] [1017]及び[1018] ESIMS: 272[M++1]
【0101】
実施例16: シス(±)4-(3,7-ジヒドロキシクロマン-2-イル)フェニルアセテート[1022]、シス(±) 3-ヒドロキシ-2-(4-ヒドロキシフェニル)クロマン-7-イルアセテート[1023]及びシス(±)4-(7-アセトキシ-3-ヒドロキシクロマン-2-イル)フェニルアセテート[1024]の合成
工程1: [1007]から[1022]、[1023]及び[1024]の合成
【0102】
【化36】
【0103】
DMF中の[1007](0.2g、0.77mmol)の撹拌溶液にピリジン(0.12ml、1.5mmol)を窒素雰囲気下に0℃で添加した。同じ温度で5分間更に撹拌した後、酢酸無水物(0.15ml、1.5mmol)を滴下した。この反応温度を25℃まで上げ、撹拌を1時間続けた。TLCによって[1007]の消費を監視した。[1007]を完全に消費させた後、水(50ml)を添加し、有機層を酢酸エチル(2×50ml)で抽出した。合わせた有機層を水、食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した。
有機層を濃縮して、薄茶色の粘着性物質を得、これを溶離剤として5%酢酸エチル/ヘキサンを用いたシリカゲルカラムクロマトグラフィを用いて更に精製して、[1024]を淡黄色の粘着性物質(0.08g、30%)として、[1022]と[1023]を黄色の粘着性物質(0.04g、17%)として得た。[1024] ESIMS: 343[M++1] [1022]と[1023] ESIMS: 301[M++1]
【0104】
実施例17: 2-(3-ヒドロキシフェニル)-3-プロポキシクロマン-7-オール[1030]の合成
工程1: [1007]から[48]の合成
【0105】
【化37】
【0106】
DMF中の[1007](0.15g、0.58mmol)の撹拌溶液に、無水K2CO3(0.24g、1.14mmol)を窒素雰囲気下に室温で添加した。同じ温度で15分間更に撹拌した後、臭化ベンジル(0.13ml、1.16mmol)を反応混合物に滴下した。この反応混合物を室温で一晩撹拌を続けた。TLCによって[1007]の消費を監視した。[1007]を完全に消費させた後、水(20ml)を添加し、有機層を酢酸エチル(2×50ml)で抽出した。合わせた有機層を水、食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した。有機層を濃縮して、薄茶色の粘着性物質を得、これを溶離剤として5%酢酸エチル/ヘキサンを用いたシリカゲルカラムクロマトグラフィを用いて更に精製して、[48]をオフホワイトの粘着性物質(0.17g、67%)として得た。[81] ESIMS: 439[M++1]
工程2: [48]から[49]の合成
【0107】
【化38】
【0108】
DMF中の[48](0.25g、0.57mmol)の撹拌溶液に水素化ナトリウム(0.45g、1.1mmol)を窒素雰囲気下に室温で添加した。同じ温度で15分間の更に撹拌した後、臭化プロピル(0.13ml、1.1mmol)を反応混合物に滴下した。この反応混合物を室温で一晩撹拌を続けた。TLCによって[48]の消費を監視した。[48]を完全に消費させた後、水(20ml)を添加し、有機層を酢酸エチル(2×50ml)で抽出した。合わせた有機層を水、食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した。有機層を濃縮して、薄茶色の粘着性物質を得て、これを溶離剤として7%酢酸エチル/ヘキサンを用いたシリカゲルカラムクロマトグラフィを用いて更に精製して、[49]をオフホワイトの粘着性物質(0.20g、73%)として得た。[49] ESIMS: 481[M++1]
工程3: [49]から[1030]の合成
【0109】
【化39】
【0110】
酢酸エチルとメタノールの混合物(1:1、20ml)中の[49](0.20g、0.4mmol)の撹拌溶液に10% Pd/C(0.02g)のスラリーを窒素雰囲気下に室温で添加した。水素バルーン圧を加え、この反応混合物を室温で1時間撹拌し、続いて50℃~55℃で一晩更に撹拌した。TLCを用いることによって反応を監視した。反応塊をセライト床で濾過し、過剰の溶媒を真空中で除去して、薄茶色の粘着性物質を得、これをシリカゲルカラム及び溶離剤としてジクロロメタン中の2%メタノールを用いて更に精製して、[1030](0.90g、72%)をオフホワイトの固形物として得た。ESIMS: 301[M++1]
【0111】
実施例18: シス(±) 2-(4-ヒドロキシフェニル)クロマン-3,5,7-トリオール[1008]の合成工程1: 1-(2,4-ビス(ベンジルオキシ)-6-ヒドロキシフェニル)-エタノンの合成:
【0112】
【化40】
【0113】
DMF中の[50](3.0g、16.19mmol)の撹拌溶液に無水K2CO3(5.56g、40.32mmol)を窒素雰囲気下に0℃で添加した。この時に同じ温度の15分間更に撹拌した後、臭化ベンジル(4.92ml、40.32mmol)を滴下した。この反応温度を25℃まで上げ、撹拌を一晩続けた。TLCによって[50]の消費を監視した。[50]を完全に消費させた後、水(50ml)を添加し、有機層を酢酸エチル(2×100ml)で抽出した。合わせた有機層を水、食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した。有機層を濃縮して、薄茶色の粘着性物質を得、これを溶離剤として5%酢酸エチル/ヘキサンを用いたシリカゲルカラムクロマトグラフィを用いて更に精製して、[51]を白色の粉末(3.2g、70%)として得た。ESIMS: 349[M++1]
工程2: (E)-3-(4-(ベンジルオキシ)フェニル)-1-(2,4-ビス(ベンジルオキシ)-6-ヒドロキシフェニル)-プロパ-2-エン-1-オンの合成:
【0114】
【化41】
【0115】
EtOH(20ml)中の化合物[51](2.0g、5.74mmol)と化合物[26](1.21g、5.74mmol)の撹拌溶液にNaOH水溶液(2gが10mlの水に溶解している)を添加した。反応混合物を50℃で30分間撹拌し、次に室温で一晩撹拌した。TLCによって[51]と[26]の消費を監視した。反応混合物を2N HClでpH 4の酸性にし、水(50ml)を添加し、有機層を酢酸エチル(2×100ml)で抽出した。合わせた有機層を水、食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した。有機層を濃縮して、淡黄色の粘着性物質を得、EtOHを用いることによる再結晶を用いてこれを更に精製して、[52]を淡黄色の固形物(2.0g、65%)として得た。ESIMS: 543[M++1]
工程3: 5,7-ビス(ベンジルオキシ)-2-(4-(ベンジルオキシ)フェニル)-3-ヒドロキシ-4H-クロメン-4-オンの合成:
【0116】
【化42】
【0117】
化合物[52](1.8g、3.32mmol)を0℃で10分間EtOH(20ml)中で撹拌した。次に、20% NaOH(8ml)の溶液を反応混合物に添加し、続いて30% H2O2(20ml)を添加し、0℃で4~5時間撹拌した。次に、反応混合物を4℃で一晩冷蔵した。TLCによって[52]の消費を監視した。反応混合物を2N HClでpH 3の酸性にし、有機層を酢酸エチル(2×100ml)で抽出した。合わせた有機層を水、食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した。有機層を濃縮して、淡黄色の粘着性物質を得、EtOHを用いることによる再結晶を用いて更に精製して、[53]を淡黄色の固形物(1.3g、60%)として得た。ESIMS: 557[M++1]
工程4: 3,5,7-トリス(ベンジルオキシ)-2-(4-(ベンジルオキシ)フェニル)-4H-クロメン-4-オンの合成:
【0118】
【化43】
【0119】
DMF中の[53](1.25g、2.24mmol)の撹拌溶液に無水K2CO3(0.370g、2.69mmol)を窒素雰囲気下に室温で添加した。この時に同じ温度で15分間更に撹拌した後、臭化ベンジル(0.330ml、2.69mmol)を反応混合物に滴下した。反応混合物を室温で2~3時間連続して撹拌した。TLCによって[53]の消費を監視した。[53]を完全に消費させた後、水(20ml)を添加し、有機層を酢酸エチル(2×50ml)で抽出した。合わせた有機層を水、食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した。有機層を濃縮して、薄茶色の粘着性物質を得、EtOHを用いた結晶化によってこれを更に精製して、[54]を淡黄色の固形物(0.900g、60%)として得た。ESIMS: 646[M++1]
工程5: 化合物55(A) + 55(B)の合成:
【0120】
【化44】
【0121】
MTBE(20ml)中の[54](0.950g、1.47mmol)の撹拌溶液にLAH(0.223g、5.82mmol)を窒素雰囲気下に室温で添加した。反応混合物温度を70℃に上げ、この温度で1時間撹拌した。TLCによって[54]の消費を監視した。[54]を完全に消費させた後、反応混合物を0℃に冷却し、次にNH4Cl(25ml)で急冷した。水(20ml)を添加し、有機層を酢酸エチル(2×50ml)で抽出した。合わせた有機層を水、食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した。有機層を濃縮して、化合物[55(A + B)](0.590g、70%)のオフホワイトの粘着性物質を得、これを直接次の工程に用いた。ESIMS: 633[M++1]
工程6: 55(A)及び55(B)から1011の合成
【0122】
【化45】
【0123】
酢酸エチルとメタノールの混合物(1:1、20ml)中の55(A+B)(0.300g、4.7mmol)の撹拌溶液に10% Pd/C(0.05g)のスラリーを窒素雰囲気下に室温で添加した。水素バルーン圧を加え、この反応混合物を室温で1時間撹拌し、続いて50℃~55℃で一晩更に撹拌した。TLCを用いることによって反応を監視した。反応塊をセライト床で濾過し、過剰の溶媒を真空中で除去して、薄茶色の粘着性物質を得、これをシリカゲルカラム及び溶離剤としてジクロロメタン中の2%メタノールを用いて更に精製して、シスラセミ体1008(0.040g、35%)をオフホワイトの固形物として得た。ESIMS: 275[M++1]
【0124】
実施例19: 出発材料として[51]及び3-(ベンジルオキシ)ベンズアルデヒドにより1008として記載されている手順によってシス(±) 2-(3-ヒドロキシフェニル)クロマン-3,5,7-トリオール[1014]の合成を行った。
【0125】
実施例20: 出発材料として[51]及びベンズアルデヒドにより1008として記載されている手順によってシス(±) 2-フェニルクロマン-3,5,7-トリオール[1015]の合成を行った。
【0126】
実施例21: シス(±) 2-(3,4-ジヒドロキシ-2-メチルフェニル)クロマン-3,5,7-トリオール[1035]の合成
工程1: 50から51の合成
【0127】
【化46】
【0128】
DMF(50ml)中の[50](5.0g、26.8mmol)の撹拌溶液にK2CO3(11.1g、80.6mmol)を窒素雰囲気下に0℃で添加した。この温度で15分間撹拌した後、臭化ベンジルを滴下した(6.42ml、53.7mmol)。反応混合物の温度を室温に上げ、一晩撹拌した。TLCは[50]の完全な消費を示した。反応混合物を水(500ml)で急冷し、酢酸エチル(2×400ml)で抽出した。合わせた有機層を水、食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した。有機層を回転蒸発させて、薄茶色の固形物を得た。この粗生成物をシリカゲルカラムに装填し、10%酢酸エチル/ヘキサンで溶離して、オフホワイトの粉末[51](3.3g、35%)を得た。この純粋な生成物[51]を更なる工程に用いた。ESIMS: 348[M++1]
工程2: [51]及び[56]から[53]の合成.
【0129】
【化47】
【0130】
EtOH(35.0ml)中の[51](3.3.g、9.48mmol)の撹拌溶液に[56](3.6g、11.3mmol)を添加し、反応混合物を50℃に加熱し、次に50% NaOH水溶液(10.0ml)を反応混合物に絶えず撹拌しながら50℃で滴下し、室温で一晩撹拌した。TLCによって反応の完了を監視した。TLCは[56]の完全な消費を示した。反応混合物を砕いた氷に注入し、5% HCl溶液で中和し、粗生成物を黄色沈殿として得、これをブフナー漏斗で濾過し、粗生成物をEtOH水溶液で再結晶して、純粋な生成物[57]を黄色粉末として得た。この純粋な生成物[57](4.2g、68%)を更なる工程に用いた。ESIMS: 663[M++1]
工程3: [57]から[58]の合成.
【0131】
【化48】
【0132】
メタノール(35ml)中の[57](3.0g、5.53mmol)の撹拌溶液に20% NaOH水溶液(5.0ml)を添加した。この反応混合物を0℃で氷浴中に保持し、30% H2O2(2.5ml)を絶えず撹拌しながら添加し、次に反応温度を室温に上げ、この温度で一晩撹拌した。TLCを調べることによって反応の完了を監視した。反応混合物を冷たい5%HCl溶液で酸性にした。生じた黄色沈殿をブフナー漏斗で濾別し、粗生成物をEtOH水溶液で再結晶して、純粋な生成物[58]を黄色の粉末として得た。この純粋な生成物[58](0.4g、10%)を更なる工程に用いた。ESIMS: 677[M++1]
工程4: [58]から[59]の合成.
【0133】
【化49】
【0134】
DMF中の[58](0.4g、0.59mmol)の撹拌溶液にK2CO3(0.12g、0.86mmol)を窒素雰囲気下に0℃で添加した。この温度で15分間撹拌した後、臭化ベンジルを滴下した(0.10ml、0.88mmol)。反応混合物の温度を室温に上げ、一晩撹拌した。TLCは[58]の完全な消費を示した。
反応混合物を水(500ml)で急冷し、酢酸エチル(2×200ml)で抽出した。合わせた有機層を水、食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した。有機層を回転蒸発させて、黄色固形物を得た。この粗生成物をジエチルエーテルで洗浄して、淡黄色の粉末[59](0.4g、88%)を得た。ESIMS: 767[M++1]
工程5: [59]から[60]及び[61]の合成.
【0135】
【化50】
【0136】
MTBE(10ml)中の[59](0.4g、0.52mmol)の撹拌溶液にLAH(0.05g、1.56mmol)を窒素雰囲気下に40℃で添加した。この温度で5分間撹拌した後、反応混合物の温度を80℃に2時間上げた。TLCを調べることによって反応の完了を監視した。TLCは[59]の完全な消費を示した。
反応混合物を水(50ml)で急冷し、酢酸エチル(2×100ml)で抽出した。合わせた有機層を水、食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した。有機層を回転蒸発させて、暗褐色の粘着性物質を得た。この粗生成物をシリカゲルカラムに装填し、100% DCMで溶離して、[60]と[61]の混合物(0.25g、67%)としてライトブラウンの粘着性物質を得た。[60]と[61]の混合物を更なる工程に用いた。ESIMS: 727[M++1]
工程6: [60]及び[61]から1031の合成.
【0137】
【化51】
【0138】
酢酸エチルとメタノールの1:1の混合物(10ml)中の[60]と[61](0.25g、0.34mmol)の撹拌溶液に10% Pd/C(0.03g)のスラリーを窒素雰囲気下に室温で添加した。水素バルーン圧を加え、この反応混合物をこの温度で1時間撹拌し、次に反応温度を50℃~55℃に上げ、この温度で一晩撹拌する。反応塊をセライトで濾過し、溶媒を回転蒸発器で除去して、薄茶色の粘着性物質を得た。この粗生成物を分取用HPLCによって精製して、シスラセミ体[1031A]をオフホワイトの粉末(0.02g、20%)として及びトランスラセミ体[1031B]をオフホワイトの粉末(0.01g、9%)として得た。
【0139】
実施例22: 出発材料として[51]及び3,4-ビス(ベンジルオキシ)-2-フルオロベンズアルデヒドにより1031として記載されている手順によってシス(±) 2-(2-フルオロ-3,4-ジヒドロキシフェニル)クロマン-3,5,7-トリオール[1032]の合成を行った。ESIMS: 309[M++1]
【0140】
実施例23: 出発材料として[51]及び4,5-ビス(ベンジルオキシ)-2-フルオロベンズアルデヒドにより1031として記載されている手順によってシス(±) 2-(2-フルオロ-4,5-ジヒドロキシフェニル)クロマン-3,5,7-トリオール[1033]の合成を行った。ESIMS: 309[M++1]
【0141】
実施例24: シス(±) 2-(3-フルオロ-4-ヒドロキシフェニル)クロマン-3,5,7-トリオール[1034]の合成
工程1: [51]及び[62]から[63]の合成.
【0142】
【化52】
【0143】
EtOH(35.0ml)中の[51](2.2g、6.32mmol)の撹拌溶液に[62](1.7g、7.58mmol)を添加し、反応混合物を50℃に加熱し、次に50% NaOH水溶液(10.0ml)を反応混合物に絶えず撹拌しながら50℃で滴下し、室温で一晩撹拌した。TLCによって反応の完了を監視した。TLCは[62]の完全な消費を示した。反応混合物を砕いた氷に注入し、5% HCl溶液で中和し、粗生成物を黄色沈殿として得、これをブフナー漏斗で濾過し、粗生成物をEtOH水溶液で再結晶して、純粋な生成物[63]を黄色の粉末として得た。この純粋な生成物[63](2.0g、55%)を更なる工程に用いた。ESIMS: 560[M++1]
工程2: [63]から[64]の合成.
【0144】
【化53】
【0145】
EtOH(20.0ml)とTHF(10ml)の混合物中の[63](2.0g、3.57mmol)の撹拌溶液にNaBH4(0.3g、7.14mmol)を添加し、反応混合物を80℃に2時間加熱し、反応混合物を回転蒸発乾固し、AcOHと水(20ml)の1:2の混合物を0℃で添加した。この反応混合物を室温で一晩撹拌した。
反応混合物をまた回転蒸発乾固し、Na2CO3飽和溶液を注入し、DCM(200ml)で抽出した。合わせた有機層を水、食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した。有機層を回転蒸発させて、薄茶色の粘着性物質を得た。この粗生成物をシリカゲルフラッシュカラムに装填し、100% DCMで溶離して、淡黄色の粘着性物質[64](1.0g、51%)を得た。ESIMS: 545[M++1]
工程3: [64]から[65]の合成.
【0146】
【化54】
【0147】
乾燥THF中の[64](1.0g、1.8mmol)の撹拌溶液にN-メチルモルホリンオキシド(0.2g、2.29mmol)、t-BuOH中のOsO4(3%、2ml)及び水(3ml)を室温で添加し、得られた溶液をこの温度で6時間撹拌した。TLCによって反応を監視した。[64]を完全に消費させた後、チオ硫酸ナトリウム飽和溶液を添加し、DCMで抽出した。合わせた有機層を食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、蒸発させて、望ましい物質[65](0.9g、86%)を得、これをこのまま更なる反応に用いた。ESIMS: 579[M++1]
工程4: [65]から[66]の合成
【0148】
【化55】
【0149】
0℃においてAcOH中の[65](0.9g、1.55mmol)の撹拌溶液にNaCNBH3(1.4g 23.3mmol)を絶えず撹拌しながら少しずつ添加した。得られた溶液を0℃で1時間撹拌し、次に反応混合物の温度を室温にした。TLCによって反応を監視した。[65]を完全に消費させた後、飽和NaHCO3を添加し、DCMで抽出した。合わせた有機層を食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、蒸発させて、望ましい物質トランス[66](0.60g、68%)を得、これをこのまま更なる反応に用いた。ESIMS: 563[M++1]
工程5: [66]から[67]の合成
【0150】
【化56】
【0151】
乾燥DCM中の[66](0.6g、1.0mmol)の撹拌溶液にデス・マーチンペリヨージナン(1.2g、3.0mmol)を室温で一度に添加した。6~7時間更に撹拌した後、飽和NaHCO3(20ml)を添加し、DCM(3×100ml)で抽出した。合わせた有機層を水洗し、硫酸ナトリウムで乾燥した。有機層を濃縮して、薄いピンク色の粘着性物質を得、溶離剤としてDCMを用いたシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィを用いて更に精製して、[67]をオフホワイト~ピンクがかった固体粉末(0.40g、71%)として得た ESIMS: 561[M++1]
工程6:[67]から[68]の合成
【0152】
【化57】
【0153】
-78℃において乾燥THF中の[67](0.2g、0.35mmol)の撹拌溶液にL-selectride(1.78ml)を窒素雰囲気下に滴下した。得られた溶液を-78℃で5時間撹拌し、次に反応混合物の温度を室温にした。TLCによって反応を監視した。[67]を完全に消費させた後、飽和NaHCO3を添加し、酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層を食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、蒸発させて、望ましい物質シス[68](0.10g、51%)を得た。ESIMS: 563[M++1]
工程7: [68]から[1034]の合成
【0154】
【化58】
【0155】
酢酸エチルとメタノールの1:1の混合物(10ml)中の[68](0.10g、0.17mmol)の撹拌溶液に10% Pd/C(0.010g)のスラリーを室温で添加した。水素バルーン圧を加え、この反応混合物をこの温度で1時間撹拌し、次に反応温度を50℃~55℃に上げ、この温度で一晩撹拌した。反応塊をセライトで濾過し、溶媒を回転蒸発器で除去して、薄茶色の粘着性物質を得た。この粗生成物をシリカゲルカラムに装填し、4%メタノール/ジクロロメタンで溶離して、オフホワイトの粉末[1034](0.028、57%)を得た。ESIMS: 293[M++1]
【0156】
実施例25: 出発材料として[51]及び3,4-ビス(ベンジルオキシ)-5-メチルベンズアルデヒドにより1031として記載されている手順によってシス(±) 2-(3,4-ジヒドロキシ-5-メチルフェニル)クロマン-3,5,7-トリオール[1035]の合成を行った。ESIMS: 305[M++1]
【0157】
実施例26: (2R,3R)-2-(3,4-ジヒドロキシフェニル)クロマン-4,4-d2-3,5,7-トリオール[1036]の合成
工程1: [86]から[84及び85]の合成
【0158】
【化59】
【0159】
メチルターシャリーブチルエーテル(75.0ml、30容積)中の[69](2.5g)の撹拌懸濁液に重水素化リチウムアルミニウム(0.251mg、3.6当量)を窒素雰囲気下に室温で少しずつ添加した。この温度で10分間撹拌した後、この反応物の温度を65℃から70℃に上げた。同じ温度で1時間撹拌した後、反応塊を0~-5℃において1N HCl(10ml)で急冷し、次に、この反応物の温度を室温に上げた。酢酸エチル(10ml)をこの反応物に添加し、30分間撹拌した。有機層を傾瀉し、除去した。酢酸エチルを水層に添加した。この混合物をセライト床で濾過し、水層と有機層を分離した。有機層を合わせ、減圧下で濃縮して、オフホワイトの固形物(2.5g)を得た。粗化合物を酢酸エチル(10ml)で室温において4時間摩砕し、次に濾過し、酢酸エチルで洗浄し、真空中で乾燥して、オフホワイトの固形物(1.0g、40%収率) [70]を得た。
[70]の単離後、母液を減圧下で濃縮して、淡黄色の残留物を得た。得られた半固形物を50%酢酸エチル: ヘキサン(250ml)で室温において30分間摩砕したので、固形物を得た。固形物を濾過し、50%酢酸エチル: ヘキサン(200ml)で洗浄した。得られた固形物を真空中で乾燥して、オフホワイトの固形物(0.250g、10%収率) [71]を得た。ESIMS: 741[M+ + 1]
工程2: [71]から[1036]の合成
【0160】
【化60】
【0161】
酢酸エチルとメタノールの1:1混合物(10ml)中の[71](0.3g、0.404mmol)の撹拌溶液にPd(OH)2(0.030g)のスラリーを室温で添加した。この反応混合物を室温で1時間撹拌し、この反応温度を50~55℃に上げ、この温度で一晩撹拌した。この反応物をセライトで濾過した。収集した溶媒を回転蒸発器で除去して、薄茶色の粘着性物質を得た。この粗生成物をシリカゲルカラムに装填し、4%メタノール/ジクロロメタンで溶離して、薄いピンク色の粉末(0.055g、46%収率)[1036]を得た。ESIMS: 293[M+ + 1]
工程3: [70]から[1038]
【0162】
【化61】
【0163】
酢酸エチルとメタノールの1:1の混合物(8ml)中の[70](0.18g、0.24mmol)の撹拌溶液にPd(OH)2(0.020g)のスラリーを室温で添加した。この反応混合物をこの温度で1時間撹拌し、次に反応温度を50~55℃に上げ、この温度で一晩撹拌した。この反応物をセライトで濾過した。収集した溶媒を回転蒸発器で除去して、薄茶色の粘着性物質を得た。この粗生成物をシリカゲルカラムに装填し、4%メタノール/ジクロロメタンで溶離して、オフホワイトの粉末を得、次に分取用HPLCに分離して、[1038](0.045g、64%収率)を得た。ESIMS: 293[M+ + 1]
【0164】
実施例27 (2R,3R)-2-(3,4-ジヒドロキシフェニル)クロマン-2-d-3,5,7-トリオール[1037]の合成
工程1: [72]から[73及び74]の合成
【0165】
【化62】
【0166】
窒素雰囲気下に乾燥ジクロロメタン中の[72](0.2g、0.25mmol)の撹拌溶液にNaCNBD3(0.02g、0.25mmol)を室温で一度に添加した。反応混合物をこの温度で15分間撹拌した。反応の完了後、この反応混合物を冷却下に水で急冷した。反応混合物をジクロロメタンで更に希釈し、有機層を分離し、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で蒸発させて、[73]及び[74]を薄いピンク色の粘着性物質(0.16g、85%)として得た。ESIMS: 740[M++1]
工程2: [73]から[1037]の合成
【0167】
【化63】
【0168】
酢酸エチルとメタノールの1:1の混合物(8ml)中の[73](0.150g、0.20mmol)の撹拌溶液にPd(OH)2(0.020g)のスラリーを室温で添加した。水素バルーン圧を加え、この反応混合物をこの温度で1時間撹拌し、次にこの反応温度を50~55℃に上げ、この温度で一晩撹拌した。この反応物をセライトで濾過した。収集した溶媒を回転蒸発器で除去して、薄茶色の粘着性物質を得た。この粗生成物をシリカゲルカラムに装填し、4%メタノール/ジクロロメタンで溶離して、オフホワイトの粉末を得、次に分取用HPLCで分離して、少量のトランス異性体と共にシスラセミ体[1037]を得た: ESIMS: 292[M+ + 1]
【0169】
実施例28:-ジベンジル(4-(3,5,7-トリヒドロキシクロマン-2-イル)-1,2-フェニレン)ビス(カーボネート)[1048]の合成
【0170】
【化64】
【0171】
0℃において10mlのアセトニトリル中の[75](1.0当量、0.15gm、0.5mmol)の懸濁液にトリエチルアミン(2.0当量、0.14ml、1.0mol)を滴下し、10分間撹拌した。この懸濁液にベンジルクロロホーメート(2.0当量、0.16ml、1.0モル)を5分間かけて滴下した。得られた溶液を0℃で更に10分間撹拌した。TLCによってこの反応の進行を監視した。この反応混合物を酢酸エチルで希釈し、水洗した。酢酸エチル層を分離し、Na2SO4で乾燥し、濾過し、蒸発して、無色のゲルを得、これをシリカゲル上のカラムクロマトグラフィに供し、2% MeOH/ジクロロメタンで溶離して、[1048]を無色固形物[0.135gm、46%]として得た。ESIMS: 740[M++1]
同様にして、化合物[1043]、[1044]及び[1049]を合成した。
【0172】
実施例29:- 4-(3,5,7-トリヒドロキシクロマン-2-イル)-1,2-フェニレンビス(ベンジルカルバメート)[1059]の合成
【0173】
【化65】
【0174】
0℃において10mlのアセトニトリル中の[75](1.0eq、0.2gm、0.68mmol)の懸濁液にトリエチルアミン(2.0当量、0.14ml、1.4モル)を滴下し、10分間撹拌した。この懸濁液にベンジルイソシアネート[2.0当量、0.17ml、1.4モル]を5分間かけて滴下した。得られた溶液を0℃で10分間撹拌した。TLCによってこの反応の進行を撹拌した。この反応混合物を酢酸エチルで希釈し、水洗した。酢酸エチル層を分離し、Na2SO4で乾燥し、濾過し、蒸発させて、無色のゲルを得、いずれが、シリカゲル[100~200メッシュ]上のカラムクロマトグラフィに供し、化合物を2% MeOH/ジクロロメタンで溶離して、[1059]を無色の固形物[0.08gm、20%]として得た。ESIMS: 556[M++1]
【0175】
実施例30:- (2R,3R)-2-(3,4-ジヒドロキシフェニル)-5,7-ジヒドロキシクロマン-3-イルイソプロピルカルバメート[1046]の合成
工程1: ラセミ体エピカテキン[75]からテトラベンジル化ラセミ体エピカテキン[76]の合成
【0176】
【化66】
【0177】
DMF中の[75](1.0gm、3.4mmol)の撹拌溶液にK2CO3(2.3gm、17.0mmol)を窒素雰囲気下に0℃で添加した。この温度で15分間撹拌した後、臭化ベンジルを滴下した。反応混合物の温度を室温に上げ、一晩撹拌した。TLCは[75]の完全な消費を示した。反応混合物を水(50ml)で急冷し、酢酸エチル(2×100ml)で抽出した。合わせた有機層を水、食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した。有機層を回転蒸発させて、薄茶色の粘着性物質を得た。この粗生成物をシリカゲルカラムに装填し、8%酢酸エチル/ヘキサンで溶離して、白色の粉末[76](1.5gm、68%)を得た。ESIMS: 651[M++1]
工程2: [76]から[77]の合成
【0178】
【化67】
【0179】
DMF中の[76](0.20gm、0.30mmol)の撹拌溶液にNaH(0.017gm、0.46mmol)を窒素雰囲気下に0℃少しずつ添加した。この温度で1時間撹拌した後、4-ニトロフェニルイソプロピルカルバメート(0.10gm、0.46mmol)を少しずつ添加した。反応混合物の温度を室温に上げ、2時間撹拌した。TLCは[76]の完全な消費を示した。反応混合物を水(50ml)で急冷し、酢酸エチル(2×100ml)で抽出した。合わせた有機層を水、食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した。有機層を回転蒸発させて、薄茶色の粘着性物質を得、これを溶離剤として8% EtoAc/ヘキサンを有するシリカゲルカラムにより精製して、[77](0.07gm、35%)を淡黄色の粉末として得た。ESIMS: 736[M++1]
工程3: [77]から[1046]の合成
【0180】
【化68】
【0181】
酢酸エチルとメタノールの1:1の混合物(10ml)中の[77](0.070g、0.09mmol)の撹拌溶液に10% Pd/C(0.070g)のスラリーを室温で添加した。水素バルーン圧を加え、この反応混合物をこの温度で4時間撹拌した。反応塊をセライトで濾過し、溶媒を回転蒸発器で除去して、薄茶色の粘着性物質を得た。この粗生成物を溶離剤として4%MeOH/ジクロロメタンを有するシリカゲルカラムに精製して、[1046](0.02g、10%)をオフホワイトの粉末(0.005g、74%)として得た。ESIMS: 376[M++1]
同様にして、化合物[1045]、[1047]、[1053]、[1055]及び[1056]を合成した。
【0182】
実施例31:-ジベンジル(4-((2R,3R)-5,7-ビス(((ベンジルオキシ)カルボニル)オキシ)-3-ヒドロキシクロマン-2-イル)-1,2-フェニレン)ビス(カーボネート)[1052]の合成
【0183】
【化69】
【0184】
0℃において10mlのアセトニトリル中の[75](1.0当量、1.0gm、3.5mmol)の懸濁液にトリエチルアミン(2.9ml、21.0モル)を滴下し、10分間撹拌した。この懸濁液にベンジルクロロホーメート(3.61ml、21.0mmol)を5分間かけて滴下した。得られた溶液を0℃で更に10分間撹拌した。TLCによって反応の進行を監視した。この反応混合物を酢酸エチルで希釈し、水洗した。酢酸エチル層を分離し、Na2SO4で乾燥し、濾過し、蒸発させて、[1052]を透明な粘着性物質(2.70g、94%)として得た。ESIMS: 827[M++1]
同様にして、[1051]を合成した。
【0185】
実施例32:-ジベンジル(4-((2R,3R)-5,7-ビス(((ベンジルオキシ)カルボニル)オキシ)-3-ヒドロキシクロマン-2-イル)-1,2-フェニレン)ビス(カーボネート)[1066]の合成
工程1: [1048]から[1066]の合成
【0186】
【化70】
【0187】
0℃において10mlのアセトニトリル中の[1048](0.1gm、0.17mmol)の懸濁液にトリエチルアミン(0.02ml、0.17mmol)を滴下し、10分間撹拌した。この懸濁液にメチルクロロホーメート(0.01ml、0.17mmol)を5分間かけて滴下した。得られた溶液を0℃で更に30分間撹拌した。TLCによってこの反応の進行を監視した。この反応混合物を酢酸エチルで希釈し、水洗した。酢酸エチル層を分離し、Na2SO4で乾燥し、濾過し、蒸発させて、無色のゲルを得、これをシリカゲルによるカラムクロマトグラフィに供し、20%酢酸エチル/ヘキサンで溶離して、[1066]をオフホワイトの固形物[0.04gm,35%]として得た。ESIMS: 675[M++1]
同様にして、[1060]を合成した。
工程2: [1066]から[1058]の合成
【0188】
【化71】
【0189】
酢酸エチルとメタノールの1:1の混合物(10ml)中の[1066](0.10g、0.14mmol)の撹拌溶液に10% Pd/C(0.01g)のスラリーを室温で添加した。水素バルーン圧を加え、この反応混合物をこの温度で1時間撹拌した。反応塊をセライトで濾過し、溶媒を回転蒸発器で除去して、薄茶色の粘着性物質を得た。この粗生成物を溶離剤として4% MeOH/ジクロロメタンを有するシリカゲルカラムにより精製して、[1058](0.05g、83%)を薄茶色の粉末(0.05g、74%)として得た。ESIMS: 407[M++1]
同様にして、[1050]、[1054]及び[1057]を合成した。
【0190】
実施例33: [1061]、[1062]及び[1063]の合成
工程1: [1048]から[78]、[79]及び[80]の合成
【0191】
【化72】
【0192】
0℃において20mlのアセトニトリル中の[1048](0.5gm、0.89mmol)の懸濁液にトリエチルアミン(0.12ml、0.89mmol)を添加し、10分間撹拌した。この懸濁液にヘプタン酸クロリド(0.13g、0.89mmol)を5分間かけて滴下した。得られた溶液を0℃において更に30分間撹拌した。TLCによってこの反応の進行を監視した。この反応混合物を酢酸エチルで希釈し、水洗した。酢酸エチル層を分離し、Na2SO4で乾燥し、濾過し、蒸発させて、無色のゲルを得、これをシリカゲルによるカラムクロマトグラフィに供し、2% MeOH/ジクロロメタンで溶離して、[78](0.07g、11%)をオフホワイトの固形物として、[79](0.05、9%)及び[80](0.18g、25%)を薄緑色の粘着性物質として得た。[78]及び[79]: ESIMS: 671[M++1]
[80]: ESIMS: 783[M++1]
工程2:
[78]、[79]及び[80]から[1058]として記載されているように[1061]、[1062]及び[1063]の合成を行った。
同様にして、[1064]及び[1065]を合成した。
【0193】
実施例34: 化合物についてそのAMPK活性化電位の試験:
化合物のAMPK活性化電位を細胞ベースのELISAを用いて評価した。肝がん(Hep G2)肝細胞をT 75培養フラスコ含有25mM DMEM+10%ウシ胎児血清に維持した。細胞をT 75培養フラスコ含有培地(DMEM+10%ウシ胎児血清)に維持した。70~80%の集密の到達時に、細胞を96ウェルプレートに25mM DMEM+10% FCS培地中1ウェル当たり40,000細胞の密度で植え込んだ。次にプレートを37℃で5% CO2と共に24時間インキュベートした。種々の濃度の薬剤をDMSO中で調製し、必要な濃度に培地で希釈し、37℃で5% CO2と共にエピカテキン類縁体及び11-BHP類縁体に対してそれぞれ30分間及び1時間インキュベートした。メトホルミンを正の対照として用いた。細胞を4%ホルムアルデヒドで室温において30分間固定し、0.1%トリトンX-100を含有するPBSで3回洗浄した。内因性ペルオキシダーゼをPBS-T(0.1%ツイーン20)中の1% H2O2で30分間急冷し、PBS-Tで3回洗浄した。細胞をPBS-T中の1% BSAで1時間遮断した。細胞を5% BSAを含有するPBS-T中の1:1000希釈一次抗体(Phospho-AMPKα(Thr172)ウサギmAb、Cell Signaling)と4℃で一晩インキュベートした。次に細胞をPBS-Tで3回5分間洗浄し、1% BSAを有するPBS-T中の1:1000希釈二次抗体(抗ウサギIgG、HRP結合抗体、Cell Signaling)と室温で1時間インキュベートした。細胞をPBS-Tで3回5分間洗浄した。細胞を100μlのTMB基質溶液と30分間インキュベートし、この反応を100μlの2N H2SO4で停止した。次にELISAプレートリーダを用いてプレートを450nMで読み込み、吸光度を記録した。DMSO対照を100%として用いて活性%を算出した。例示され包含されている本発明のすべての化合物が活性であることがわかる。例示のために、10nm濃度における化合物の活性化電位を表2に示す。
【0194】
表2:化合物の活性化電位.



【手続補正書】
【提出日】2023-02-13
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)のエピカテキンポリフェノールの新規な類縁体
【化1】

[式中、
Aは、独立して、重水素、水素、アルキル、F、Clであり;
Bは、独立して、A又はヒドロキシル; OR11、NR11R12であり;
R1~R10は、独立して、水素; 重水素、NH2、F、Cl、ヒドロキシル、アルコキシ、非環式又は環式の低級アルキル、非環式又は環式の低級アシル、-CO-OR11、-OCO-OR11、-CO-NR11R12、-COR11、-CR11R12、-O-CO-R11、-CR11R12、-O-CO-NR11R12、OCONHCHR11R12、-OCR11R12、-O-CO-R11R12、-CO-アミノ酸; 又は-CO-ヒドロキシ酸であり; これらは低級アルキル、アシル、アルコキシ、OR11、NR11R12、COOR11、CONR11R12、OCOR11R12、OCONR11R12、OSO3R11、OSO2NR11R12、NR11SO2NR12、NR11SO3R12で置換されていてもよく;
2つの隣接するR1~R10がOH又はNHR11である場合には、更にCR11R12、-(C=O)n、-CO(CH2)n-、-C=S、C=NR12又は-OSO3-によって結合されていてもよく; ここで、n=1~2であり、 R11及びR12は、独立して、水素、OH、ハロ、C1-6アルキル、アリール、アルカリル、アリールアルキル、置換アルキル(これは直鎖、分枝鎖又は環状であってもよい)、C1-6アルコキシ(これは直鎖、分枝鎖又は環状であってもよい)、COOR13、CH2COOR13、C(R13)2OCOR13、C(R13)2OCOOR13、C(R13)2OCON(R13)2、C(R13)2N(R13)COOR13又はハロアルキル、アリール、置換アリールであるか、又はR11とR12が、これらが結合し得る原子と一緒に、N、O又はSから選択される1又は2つの環ヘテロ原子を組み込んでいてもよい5~7員環を形成し、これは更なる置換基で置換されていてもよく、又は
AとR6がオキシムを形成していてもよく;
R13は、独立して、水素、直鎖又は分枝鎖の低級アルキル、置換された又は置換されていないアリール又はベンジルであり、2つのR13基が同じ原子に存在する場合にはこれらが結合して、3~6員環を形成していてもよく;
ピラン環のC2とC3の置換は、常に、シス(+)又はシス(-)又はこれらの2つの混合物であり、言い換えれば、ピラン環のC2とC3の絶対配置は、RR又はSS立体化学又はRR及とSSのラセミ混合物であってもよい]。
【外国語明細書】