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▶ ジョンソン、マッセイ、パブリック、リミテッド、カンパニーの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023052456
(43)【公開日】2023-04-11
(54)【発明の名称】相互接続装置
(51)【国際特許分類】
   H01M 10/6554 20140101AFI20230404BHJP
   H01M 10/613 20140101ALI20230404BHJP
   H01M 10/615 20140101ALI20230404BHJP
   H01M 10/647 20140101ALI20230404BHJP
   H01M 50/507 20210101ALI20230404BHJP
【FI】
H01M10/6554
H01M10/613
H01M10/615
H01M10/647
H01M50/507
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023005559
(22)【出願日】2023-01-18
(62)【分割の表示】P 2019522230の分割
【原出願日】2017-10-24
(31)【優先権主張番号】1618022.6
(32)【優先日】2016-10-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(71)【出願人】
【識別番号】590004718
【氏名又は名称】ジョンソン、マッセイ、パブリック、リミテッド、カンパニー
【氏名又は名称原語表記】JOHNSON MATTHEY PUBLIC LIMITED COMPANY
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100132263
【弁理士】
【氏名又は名称】江間 晴彦
(74)【代理人】
【識別番号】100187584
【弁理士】
【氏名又は名称】村石 桂一
(72)【発明者】
【氏名】クリストファー ホール
(57)【要約】      (修正有)
【課題】バッテリー用の相互接続(配線)装置並びにバッテリーの温度を制御する方法を提供する。
【解決手段】複数個のセルを有するバッテリー用の相互接続装置1は、第1表面及び第2表面を有する電気絶縁基板3と、電気絶縁基板の第1表面におけるヒートシンク2と、電気絶縁基板の第2表面3bにおいて、複数個のセルに接続するための1つ又はそれ以上のセル収容領域をもたらす該導電性材料層4と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数個のセルを有するバッテリー用の相互接続装置において、
第1表面及び第2表面を有する電気絶縁性の基板と、
前記基板の第1表面におけるヒートシンクと、及び
前記基板の第2表面における導電性材料の層であって、前記複数個のセルに接続するための1つ又はそれ以上のセル収容領域をもたらす、該導電性材料層と、
を備える、相互接続装置。
【請求項2】
請求項1記載の相互接続装置において、前記電気絶縁性の基板は少なくとも0.1W・m-1・K-1の熱伝導率を有する、相互接続装置。
【請求項3】
請求項1又は2記載の相互接続装置において、前記電気絶縁性の基板は3mm未満の厚さを有する、相互接続装置。
【請求項4】
請求項1~3のうちいずれか1項記載の相互接続装置において、前記複数個のセルにおける1つ又はそれ以上のセルの充電状態を制御する電気回路を備える、相互接続装置。
【請求項5】
請求項1~4のうちいずれか1項記載の相互接続装置において、前記複数個のセルにおける1つ又はそれ以上のセルの温度を制御する電気回路を備える、相互接続装置。
【請求項6】
請求項4又は5記載の相互接続装置において、前記複数個のセルにおける1つ又はそれ以上のセルの充電状態を制御する電気回路は、前記電気絶縁性の基板の前記第2表面上に備え付けた1つ又はそれ以上の抵抗を有する、相互接続装置。
【請求項7】
請求項4~6のうちいずれか1項記載の相互接続装置において、前記複数個のセルにおける1つ又はそれ以上のセルの温度を制御する電気回路は、前記電気絶縁性の基板の前記第2表面上に備え付けた1つ又はそれ以上の抵抗を有する、相互接続装置。
【請求項8】
請求項7記載の相互接続装置において、前記複数個のセルにおける1つ又はそれ以上のセルの温度を制御する電気回路は、前記電気絶縁性の基板の前記第2表面上に備え付けた複数個の抵抗を有し、前記抵抗の各々は、前記1つ又はそれ以上のセル収容領域の近傍場所に位置決めされている、相互接続装置。
【請求項9】
請求項6~8のうちいずれか1項記載の相互接続装置において、前記複数個のセルにおける1つ又はそれ以上のセルの充電状態を制御するのに使用される抵抗は、前記複数個のセルにおける1つ又はそれ以上のセルの温度を制御するのに使用される抵抗と同一の抵抗である、相互接続装置。
【請求項10】
請求項7記載の相互接続装置において、前記抵抗は、外部回路によって制御されかつ外部電源によって給電される、相互接続装置。
【請求項11】
請求項1~10のうちいずれか1項記載の相互接続装置において、前記電気絶縁性の基板の前記第2表面上に備え付けた1つ又はそれ以上の温度ゲージを備える、相互接続装置。
【請求項12】
請求項11項記載の相互接続装置において、複数個の温度ゲージを備え、前記温度ゲージの各々は、前記1つ又はそれ以上のセル収容領域の近傍場所に位置決めされている、相互接続装置。
【請求項13】
請求項1~12のうちいずれか1項記載の相互接続装置において、前記導電性材料層は、前記基板の前記第2表面における離散したセル収容領域であって、前記導電性材料の導電性トラックによって互いに接続された該セル収容領域上に堆積される、相互接続装置。
【請求項14】
請求項1~13のうちいずれか1項記載の相互接続装置において、前記導電性材料層は銅である、相互接続装置。
【請求項15】
請求項1~14のうちいずれか1項記載の相互接続装置において、前記ヒートシンクは前記基板の第1表面に配置した金属層を有する、相互接続装置。
【請求項16】
請求項1~15のうちいずれか1項記載の相互接続装置において、前記ヒートシンクはアルミニウムで形成されている、相互接続装置。
【請求項17】
請求項1~16のうちいずれか1項記載の相互接続装置において、金属クラッドプリント回路板を備える、相互接続装置。
【請求項18】
バッテリーであって、
請求項1~17のうちいずれか1項記載の相互接続装置と、
前記相互接続装置の1つ又はそれ以上のセル収容領域に電気的に接続した複数個のセルと
を備える、バッテリー。
【請求項19】
請求項18記載のバッテリーにおいて、前記セルはリチウム-硫黄電池である、バッテリー。
【請求項20】
請求項18又は19記載のバッテリーにおいて、前記セルは、前記相互接続装置の前記セル収容領域に接続される接点タブを有する、バッテリー。
【請求項21】
請求項18~20のうちいずれか1項記載のバッテリーの温度を制御する方法であって、前記セルで発生するいかなる熱をも、前記基板の前記第2表面の前記セル収容領域に、また前記基板経由で前記ヒートシンクに伝導し、これによりバッテリーから熱を放散するステップを含む、方法。
【請求項22】
請求項21項記載の方法において、前記基板の前記第2表面に備え付けた1つ又はそれ以上の抵抗に電流を導通させるステップであって、前記抵抗で発生した熱を使用して前記セルのうち1つ又はそれ以上のセルの温度を上昇させるステップを含む、方法。
【請求項23】
請求項22項記載の方法において、前記セル間におけるいかなる温度差をも低減するよう、1つ又はそれ以上の抵抗に電流を導通させる、方法。
【請求項24】
請求項21~23のうちいずれか1項記載の方法において、前記セルの充電状態の差を低減するよう、前記セルのうち1つ又はそれ以上のセルから電流を前記基板の前記第2表面に備え付けた1つ又はそれ以上の抵抗に引き込むステップを含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数個のセル(電池)を有するバッテリー用の相互接続装置に関する。本発明は、さらに、このような相互接続(配線)装置を備えるバッテリー、並びにバッテリーの温度を制御する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
典型的な電気化学セルは、負極(アノード)、正極(カソード)及び負極と正極との間に配置した電解質を備える。これら負極、正極及び電解質は、ハウジング内、例えば、パウチ内に収納することができる。電気的接続部、例えば、接続タブをハウジングに結合して、セルの負極及び正極に対して電気的接続を行うことができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
典型的バッテリーは複数個の電気化学セルを備える。これらセルは、例えば、電気的接続部を電気コネクタに接続することによって、直列的又は並列的に接続することができる。
【0004】
バッテリーが充電又は放電するとき、電気化学セルの温度は上昇し得る。場合によっては、バッテリーは最適な温度で確実に動作していることが望ましい。バッテリー温度は、例えば、セルハウジングに結合されているセル及び/又は電気的接続部の周りに空気が循環できるようにすることによって減少することができる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の詳細な実施例を説明する前に、本開示は、本明細書に記載した特定の相互接続装置、バッテリー又は方法に限定するものでないことを理解されたい。さらに、本明細書で使用する用語は、単に詳細な実施例を記述するのに使用されるものであり、範囲として限定的であることは意図しないと理解されたい。
【0006】
相互接続装置、バッテリー及び方法に対して記載及び特許請求する際に、以下の用語「a」、「an」、「the」は、文脈がそうでないと明示しない限り、複数形式を含むものとして使用する。したがって、例えば、「an anode」は、このような素子が1つ又はそれ以上存在することの言及をも含む。
【0007】
本開示によれば、複数個のセルを有するバッテリー用の相互接続装置を提供し、この相互接続装置は、第1表面及び第2表面を有する電気絶縁性の基板と、前記基板の第1表面におけるヒートシンクと、及び前記基板の第2表面における導電性材料の層であって、前記複数個のセルに接続するための1つ又はそれ以上のセル収容領域をもたらす、該導電性材料層と、を備える。
【0008】
さらに、本開示は、バッテリーであって、本明細書記載の相互接続装置と、前記相互接続装置の1つ又はそれ以上のセル収容領域に電気的に接続した複数個のセルとを備える、バッテリーに関する。
【0009】
さらにまた、本開示は、本明細書記載のバッテリーの温度を制御する方法に関する。この方法は、前記セルで発生するいかなる熱をも、前記基板の前記第2表面の前記セル収容領域に、また前記基板経由で前記ヒートシンクに伝導し、これによりバッテリーから熱を放散するステップを含む。
【0010】
上述したように、本開示の相互接続装置は、第1表面及び第2表面を有する電気絶縁性の基板を備える。第1表面には、例えば、基板の第1表面に配置した金属プレートの形態としてのヒートシンクを設ける。導電性材料層は前記基板の第2表面に配置して、複数個のセルに接続するための1つ又はそれ以上のセル収容領域をもたらす。セルを電気的インタフェースに接続するとき、セルで発生する熱エネルギーは、セルから電気絶縁性基板の第2表面におけるセル収容領域に伝導することができる。電気絶縁性基板の第2表面にヒートシンクを設けることによって、熱はセル収容領域からヒートシンクに効果的に伝達され、熱を相互接続装置から放散できるようになる。有利には、電気絶縁性基板は熱伝導性のものとし、基板の一方の表面から他方の表面に有効的に熱を伝導できるようにする。電気絶縁基板の厚さは、基板の一方の表面から他方の表面への伝熱速度が所望のものとなるよう選択することもできる。
【0011】
電気絶縁性基板
電気絶縁性の基板は、少なくとも0.1W・m-1・K-1の熱伝導率を有するものとすることができる。この熱伝導率は少なくとも0.2W・m-1・K-1とし、好適には、少なくとも0.5W・m-1・K-1とすることができる。この熱伝導率は最大でも6.5W・m-1・K-1とし、好適には、最大でも10W・m-1・K-1とすることができる。幾つかの実施例において、熱伝導率は0.6~4.8W・m-1・K-1とすることができ、好適には1~3W・m-1・K-1、より好適には1.5~4W・m-1・K-1とすることができる。好適な実施例においては、熱伝導率は2W・m-1・K-1である。
【0012】
電気絶縁性基板は任意の適当な材料で形成することができる。この例としては、例えば、FR-4のようなガラス繊維強化エポキシ樹脂材料がある。
【0013】
電気絶縁性基板は、3mm未満、好適には2mm未満、より好適には1mm未満の厚さを有することができる。一実施例においては、電気絶縁性基板は、10ミクロン(μm)~2mm、好適には30μm~1mm、より好適には50μm~0.5mmの厚さを有することができる。好適な実施例においては、基板は、70~300μm、例えば、100~200μmの厚さを有する。
【0014】
電気絶縁性基板は、ほぼ平面状とすることができる。
【0015】
ヒートシンクは電気絶縁性基板の第1表面に配置する。ヒートシンクは、受動的熱交換器として作用することができ、熱をバッテリーから放散することができる。例えば、1つ又はそれ以上のセルを基板の第2表面のセル収容領域に結合するとき、セルから発生した熱はセル収容領域に伝導され、また基板の本体を経由してヒートシンクに伝導され得る。有利には、ヒートシンクは高熱伝導率の材料で作製し、伝導によって周囲、例えば、周囲空気に放熱することができるようにする。ヒートシンクは、電気絶縁性基板の第1表面と直接接触することができる。
【0016】
ヒートシンクは、少なくとも20W・m-1・K-1、好適には少なくとも50W・m-1・K-1の熱伝導率を有する材料で形成することができる。この熱伝導率は最大でも500W・m-1・K-1とし、好適には、最大でも300W・m-1・K-1とすることができる。幾つかの実施例において、熱伝導率は20~500W・m-1・K-1とすることができ、好適には50~400W・m-1・K-1、より好適には80~300W・m-1・K-1とすることができる。好適な実施例においては、熱伝導率は100~250W・m-1・K-1である。
【0017】
ヒートシンクは、電気絶縁性基板の第1表面に直接接触することができる。例えば、ヒートシンクは電気絶縁性基板に隣接かつ接触するよう位置決めされる金属層の形態をとることができる。金属層は任意の適当な金属で形成することができる。この例としては、スチール、ステンレス鋼、ニッケル、銅、アルミニウムがある。好適には、金属はアルミニウムである。金属層は任意の適当な厚さを有することができる。例えば、金属層は、0.1~10mmの厚さ、好適には0.5~5mmの厚さ、例えば、1~3mmの厚さを有することができる。好適な実施例においては、金属層は、1~2mmの厚さ、例えば、1.5mmの厚さである。金属層は、電気絶縁性基板及び導電性材料層の各々よりも厚いものとすることができる。金属層は、電気絶縁性基板よりも少なくとも5倍、例えば、10倍厚い厚さとすることができる。
【0018】
ヒートシンクは、ヒートシンクにわたり空気又は他の流体(例えば、ガス状)冷却剤の流れを支援する表面形体を有することができる。これら表面形体はフィンを含むことができる。
【0019】
導電性材料層は基板の第2表面に堆積する。一実施例において、基板の第2表面は基板の第1表面とは反対側にある。導電性材料層は複数個のセルに接続するための1つ又はそれ以上のセル収容領域をもたらす。例えば、このセル収容領域は、セルが結合され得る電気的インタフェースを提供する。一実施例において、複数個のセル収容領域を設け、これらセル収容領域は、基板上において互いに離間させて配置する。したがって、セルをセル収容領域に接続するとき、セルは互いに隣接して、例えば、積層体(スタック)として位置決めすることができる。セルは、このスタックにおいて互いに接触する、又は接触しないものとすることができる。幾つかの実施例において、セル間、及び/又はセルをセル収容領域に接続するのに使用する接点タブ又は接続タブ間に空気が流れることができるよう、セル間にギャップを存在させることができる。
【0020】
セル収容領域は、基板の第2表面上における導電性ストリップの形態とすることができる。このストリップは複数個のセルとの接続を行うことができる。代案として、セル収容領域又はインタフェースは、導電性材料の導電性トラックによって互いに接続される離散したセル収容領域又はパッドとすることができる。これらセル収容領域又はパッドの各々は、セルの少なくとも1つの接続タブとの接続を可能にするサイズとすることができる。セルは、1つ又はそれ以上のセル収容パッドを介して相互接続装置に接続することができる。一実施例において、セルの負極(アノード)は1つのセル収容パッドに結合された接点タブを介して相互接続装置に接続されるとともに、セルの正極(カソード)は異なるセル収容パッドに結合された接点タブを介して相互接続装置に接続される。セルのアノードに取り付けられるセル収容パッド(アノードパッド)とセルのカソードに取り付けられるセル収容パッド(カソードパッド)との間の間隔は、セルにおけるアノードの接点タブとカソードの接点タブとの間の間隔に基づいて選択することができる。一実施例において、アノードの接点タブとカソードの接点タブとの間の間隔は、5~30mm、例えば、約10mmとすることができる。したがって、アノードパッドとカソードパッドとの間の間隔は、5~30mm、例えば、約10mmとすることができる。
【0021】
導電性材料層は金属で形成することができる。適当な金属は銅である。一実施例において、連続的な導電性材料層を基板の第2表面上に堆積する。この後、所望のセル収容領域及び領域を接続するすべての導電性トラックが残るように、層の区域を、例えば、酸処理によってエッチング除去する。
【0022】
導電性材料層は、1mm未満の厚さを有することができる。一実施例において、この層は、1μm~1mm、好適には5μm~0.5mm、より好適には10μm~200μmの厚さを有することができる。好適な実施例においては、基板は、15μm~100μm、例えば20μm~50μm(例えば、30μm~40μm)の厚さを有する。一実施例において、導電性材料層は電気絶縁性基板の厚さより小さい厚さを有する。例えば、導電性材料層は、電気絶縁性基板の厚さの50%の厚さ、又は電気絶縁性基板の厚さより小さい厚さを有する。
【0023】
一実施例において、相互接続装置は、金属クラッドプリント回路板(PCB)とすることができる。例えば、プリント回路板は、一方の表面に導電性材料層(例えば、銅)を設
けた電気絶縁性基板を有することができる。金属層(例えば、アルミニウム)を基板の反対側表面に配置し(例えば、「クラッディング(金属被覆材)」として)、ヒートシンクとすることができる。
【0024】
幾つかの実施例において、導電性材料層は、導電性材料の導電性トラックによって互いに接続される離散したセル収容領域又はパッドとして電気絶縁性基板の第2表面に設ける。
【0025】
電気絶縁性基板、導電性材料層及びヒートシンクの厚さは、全体構成の剛性と重量との間のバランスを最適化するよう選択することもできる。有利にも、本開示の相互接続装置は軽量かつ剛性がある。このことは、広範囲な用途に使用することができる軽量バッテリー、例えば、乗り物(例えば、自動車及び航空機)用のバッテリーを構成するのを容易にする。
【0026】
充電状態及び温度の制御
幾つかの場合において、複数個のセルのうち1つ又はそれ以上のセルの充電状態を制御するのが望ましいことがあり得る。このことは、1つ又はそれ以上のセルを放電させる必要があり得る。幾つかの実施例において、バッテリーのセルにおける充電状態のいかなる差をも小さくするのが望ましい場合がある。
【0027】
充電状態を制御するため、相互接続装置は、複数個のセルにおける1つ又はそれ以上のセルの充電状態を制御する電気回路を備えることができる。例えば、電気回路は、電気絶縁性基板の第2表面上に備え付けた1つ又はそれ以上の抵抗を有することができる。抵抗は、電気絶縁性基板の第2表面上に配置又は刷り込んだ導電性トラックで形成した電気回路によってセル収容領域に接続することができる。セルがセル収容領域に接続されたとき、電流はセルからこれら抵抗に引き込まれ、セルの充電状態を減少させることができる。
【0028】
電気回路は、さらに、1つ又はそれ以上のスイッチを有することができ、このスイッチは、開閉して1つ又はそれ以上の抵抗における電流フローを制御することができる。1つ又はそれ以上のスイッチは、スイッチの状態を制御するコントローラに結合することができ、これによりセルから抵抗への電流フローを制御する。この回路は、さらに、セルに加わる電圧を測定するよう構成された1つ又はそれ以上の電圧ゲージを有することができる。コントローラは、電圧ゲージが行った測定結果に基づいてセルからの電流フローを制御するよう構成することができる。例えば、最低電圧よりも高い電圧を有するセルは、セルの充電状態を減少するよう抵抗に接続することができる。充電状態は、最低電圧セルに揃うよう減少し、これによりセルの充電状態を均衡化することができる。
【0029】
一実施例において、抵抗又は抵抗集合体はセル毎に設け、各セルを必要に応じて放電させることができる。この放電中に抵抗で発生したいかなる熱エネルギーもヒートシンクに伝導され、都合よく放散することができる。
【0030】
幾つかの場合、セルにおける1つ又はそれ以上のセルの温度を制御するのが望ましいことがあり得る。このことは、1つ又はそれ以上のセルを加熱又は冷却する必要があり得る。幾つかの実施例において、バッテリーにおけるセルのいかなる温度差も低減するのが望ましい。したがって、バッテリーにおけるセルにわたる温度勾配を低減させるのが望ましい。例えば、1つ又はそれ以上のセルを選択的に加熱して、バッテリーにおける温度勾配を低減することができる。
【0031】
セルの温度を制御するため、相互接続装置には、複数個のセルのうち1つ又はそれ以上のセルの温度を制御する電気回路を設けることができる。例えば、相互接続装置はバッテリーにおける1つ又はそれ以上のセルの温度を上昇させるよう動作するヒーターを備えることができる。一実施例において、相互接続装置は、電気絶縁性基板の前記第2表面上に備え付けた1つ又はそれ以上の抵抗を備えることができる。電流は抵抗に導通して熱を発生することができる。好適には、抵抗はセル収容領域の近傍場所に又はセル収容領域に隣接した位置にでさえ位置決めし、抵抗からの熱エネルギーがセル収容領域に伝導され、また例えば、セルを基板のセル収容領域に接続するのに使用される何らかのコネクタを介してセルに伝導することができる。一実施例において、複数個の抵抗を設け、この場合、各抵抗はセル収容領域の近傍場所に又はセル収容領域に隣接した位置にでさえ位置決めし、また各セルには対応する抵抗又は抵抗集合体を設ける。
【0032】
セルのアノードがセル収容領域に結合され、またセルのカソードが他の(例えば、近傍の)セル収容領域に結合される場合、1つ又はそれ以上の抵抗は、セル収容領域相互間に位置決めすることができる。これら抵抗を使用して、セルの温度を制御する及び/又はセルの充電状態を変化させることができる。
【0033】
電気回路は、さらに、1つ又はそれ以上のスイッチを有することができ、このスイッチは開閉して1つ又はそれ以上の抵抗への電流フローを制御することができる。1つ又はそれ以上のスイッチはスイッチ状態を制御するコントローラに結合し、これにより抵抗への電流フローを制御することができる。
【0034】
電流を供給する任意な電気エネルギー源を使用することができる。しかし、以下に説明するように、セル自体が電流源をなすことができる。例えば、抵抗は、電気絶縁性基板の第2表面上に配置又は刷り込んだ導電性トラックで形成した電気回路によってセル収容領域に接続することができる。セルがセル収容領域に接続されたとき、電流はセルからこれら抵抗に引き込むことができる。この電流フローは抵抗の温度を上昇させることができる。上述したように、発生した熱エネルギーは、セルに伝導され、とくに、抵抗がセル収容領域の近傍場所に配置されている場合にはセルの温度を上昇させることができる。
【0035】
一実施例において、セルの充電状態を制御するのに使用される電気回路は、セルの温度を制御するのに使用される電気回路と同一である。例えば、セルの充電状態を制御するのに使用される抵抗は、セルの温度を制御するのに使用される抵抗と同一である。
【0036】
セルの充電状態を制御するのに使用される電気回路及び/又はセルの温度を制御するのに使用される電気回路は、バッテリーに結合することができるバッテリー管理システムによって制御することができる。
【0037】
相互接続装置は、電気絶縁性の基板の前記第2表面上に備え付けた1つ又はそれ以上の温度ゲージを備えることができる。この温度ゲージは、1つ又はそれ以上のセルの温度を表している温度示度値を提示するよう電気絶縁性基板に沿って位置決めすることができる。温度ゲージは、基板に沿う異なるセル収容領域に接続されるセル間のいかなる温度差をも表示するよう電気絶縁性基板に沿って位置決めすることができる。一実施例において、複数個の温度ゲージを設け、この場合、各温度ゲージは、セル収容領域の近傍場所に又はセル収容領域に隣接した位置にでさえ位置決めし、また各セルには対応するゲージ又はゲージ集合体を設ける。温度差が検出される場合、電気回路は、生じているいかなる温度差をも低減するよう選択したセルを加熱するよう作動することができる。
【0038】
任意の適当な温度ゲージを用いることができる。例えば、温度計、バイメタル板又は温度変換器を採用することができる。導電層におけるコネクタ又は電気回路に至る導電性トラックを使用し、制御回路によって温度を測定することができる。
【0039】
セルとは異なる他のコンポーネントとの接続用の1つ又はそれ以上の電気コネクタを基板上に備え付けることができる。例えば、電圧(例えば、セル電圧)を測定する、温度を測定する、給電する(例えば、1つ又はそれ以上の熱源に電力を供給する)及び/又は基板に備え付けたスイッチのような1つ又はそれ以上のコンポーネントを制御する上で好適なコンポーネントを、基板上に備え付けた1つ又はそれ以上のコネクタに接続することができる。適当なコネクタは、例えば、PCBとの電気的接続を確立するのに共通して使用されるような電気回路板コネクタの形態をとることができる。基板に備え付けたコネクタは、基板上の回路(例えば、基板上の導電性トラックの形態)と電気的接続を確立することができる。例えば、電気的接続は、基板上の回路をモニタリング及び/又は制御する目的のために確立することができる。
【0040】
バッテリー
バッテリーは任意の適当なバッテリーとすることができる。バッテリーは複数個の電気化学セルを備えることができる。各電気化学セルは、アノード及びカソード、並びにアノードとカソードとの間に配置される電解質を含むセル積層体(スタック)を備えることができる。セル積層体は、ハウジング、例えば、円筒形のハウジング又はパウチ内に収納することができる。
【0041】
セルのアノード及びカソードとの電気的接続を行うよう、電気的接続部、例えば制御タブをハウジングに結合することができる。この接続タブは、ハウジング内の電極又は電極の電流コレクタに対して溶接、はんだ付け、又は他の接続を行うことができる。
【0042】
電気接続部はハウジングの一方の側面又は表面から突出することができる。例えば、パウチセルの場合、電気接続部又は接続タブはパウチの一方の側面から突出することができる。一実施例において、ハウジング(例えば、パウチ)は、ハウジング(例えば、パウチ)内でアノードに接続されるアノード接続タブと、パウチ内でカソードに接続されるカソード接続タブとを有することができる。このアノード接続タブは1つのセル収容領域に結合することができるとともに、カソード接続タブは他の(例えば、近傍の)セル収容領域に結合することができる。
【0043】
電気接続部は、任意の適当な方法を用いて相互接続装置のセル収容領域に結合することができる。例えば、電気接続部は、導電性接着剤又ははんだ付けを用いて相互接続装置のセル収容領域に結合することができる。代案として、電気接続部は、セル収容領域によって設けられる電気的インタフェースに溶接(例えば、超音波溶接又はレーザー溶接)することができる。一実施例において、電気接続部は、金属フォイルで形成した接点タブの形態をとることができる。適当な金属フォイルとしては、アルミニウム又はニッケル製のフォイルがある。これら電気接続部は、相互接続装置のセル収容領域に溶接することができる。セル収容領域は、例えば、銅から形成することができる。幾つかの実施例において、セル収容領域はパッドの形態をとることができる。
【0044】
本開示の一実施例において、電気化学セルはパウチセルである。パウチセルには、金属フォイルで形成した接点タブの形態である電気接続部を設ける。
【0045】
任意の適当な電気化学セルを使用することができる。本開示の幾つかの実施例において、電気化学セルはリチウム電池である。適当なリチウム電池としては、リチウム-イオン電池、リチウム-空気電池、リチウム-ポリマー電池、及びリチウム-硫黄電池がある。
【0046】
本開示の一実施例において、電気化学セルはリチウム-硫黄電池である。リチウム-硫黄電池は、リチウムアノードと、電気活性硫黄材料を含むカソードを有することができる。アノードは、リチウム金属又はリチウム金属合金で形成することができる。好適には、アノードは、リチウムフォイル電極のような金属フォイル電極である。リチウムフォイルは、リチウム金属又はリチウム金属合金で形成することができる。
【0047】
カソードは、電気活性硫黄材料及び導電性材料を含む母材を有することができる。この母材は、電流コレクタと接触するように配置される電気活性層を形成することができる。電流コレクタは、例えば、アルミニウムフォイルで形成することができる。
【0048】
電気活性硫黄材料は、元素硫黄、硫黄ベースの有機化合物、硫黄ベースの無機化合物、及び硫黄含有ポリマーを有することができる。好適には、元素硫黄を使用する。
【0049】
導電性材料は任意の適当な固体導電性材料とすることができる。好適には、この固体導電性材料は炭素で形成することができる。例としては、カーボンブラック、炭素繊維、グラフェン及びカーボン・ナノチューブがある。他の適当な材料としては、金属(例えば、薄片、やすり屑、粉体)及び導電性ポリマーがある。好適には、カーボンブラックを採用する。
【0050】
電気活性硫黄材料は、電流コレクタ上に堆積される母材内に60~90重量%、好適には65~85重量%、より好適には70~80重量%の量で存在させることができる。
【0051】
導電性材料は、電流コレクタ上に堆積される母材内に10~45重量%、好適には15~35重量%、より好適には20~25重量%の量で存在させることができる。
【0052】
電気活性硫黄材料対導電性材料の重量比は、0.01~10:10~50、好適には0.1~5:15~45、より好適には1~5:20~35とし得る。
【0053】
任意の適当な電解質を使用することができる。電解質は有機溶媒及びリチウム塩を含むことができる。適当な有機溶媒としては、エーテル、エステル、アミド、アミン、スルホキシド、スルファミド、有機リン酸エステル、スルホンがある。この例としては、テトラヒドロフラン、2-メチルテトラヒドロフラン、メチルプロピルプロピオネート、エチルプロピルプロピオネート、酢酸メチル、1,2-ジメトキシエタン、1,3-ジオキソラン、ジグリム(2-メトキシエチルエーテル)、トリグリム、テトラグリム、ブチロラクトン、1,4-ジオキサン、1,3-ジオキサン、ヘキサメチル・ホスホアミド、ピリジン、ジメチル・スルホキシド、リン酸トリブチル、リン酸トリメチル、N, N, N, N-テトラエチル・ルファミド、及びスルホン、並びにこれらの混合物がある。
【0054】
適当な電解質塩はリチウム塩を含む。適当なリチウム塩としては、六フッ化リン酸リチウム、六フッ化ヒ酸リチウム、硝酸リチウム、過塩素酸リチウム、リチウム・トリフルオロメタンスルホンイミド、リチウム・ビス(オキサレート)ボレート、及びトリフルオロメタンスルホン酸リチウムがある。好適には、リチウム塩はトリフルオロメタンスルホン酸リチウム(リチウム・トリフレートとしても知られている)である。塩の組合せを採用することができる。例えば、リチウム・トリフレートを硝酸リチウムと組み合わせて使用することができる。リチウム塩は、0.1~5M、好適には、0.5~3Mの濃度で電解質内に存在させることができる。
【0055】
アノードとカソードとの間にセパレータを配置することができる。セパレータが存在させる場合、このセパレータは、イオンがセルの電極間で移動できる任意の適当な多孔質基板を有することができる。セパレータは、電極間の直接接触を阻止するよう電極間に位置決めすべきである。基板の多孔率は、少なくとも30%、好適には少なくとも50%、例えば、約60%とすべきである。適当なセパレータとしては、ポリマー材料で形成したメッシュがある。適当なポリマーとしては、ポリプロピレン、ナイロン、及びポリエチレンがある。不織布ポリプロピレンがとくに好適である。多層セパレータを採用することができる。
【0056】
本発明の態様を以下に図面につき説明する。
【0057】
本発明の1つ又はそれ以上の実施形態を単なる例として添付図面に概略的に示す。
【図面の簡単な説明】
【0058】
図1】本発明の実施形態による相互接続装置の等角投影図である。
図2A図1の相互接続装置の頂面図である。
図2B図1の相互接続装置の側面図である。
図2C図1の相互接続装置の端面図である。
図3A図1の相互接続装置の頂面図である。
図3B図3Aに示すH-H上における相互接続装置の断面図である。
図3C図3Aに示す相互接続装置のセクションJにおける頂面図である。
【発明を実施するための形態】
【0059】
図1~3は、異なる方向から見た透視図によって本発明の実施形態によるバッテリーのための相互接続装置1を概略的に示す。さらに、これら図面には全体にわたり一貫して使用されるデカルト座標系を示す。図3B及び3Cは相互接続装置1の断面をより詳細に示す。図3Aに示す図解は、相互接続装置1のセクションJの境界を含む。相互接続装置1のセクションJを図3Cにより詳細に示す。さらに、図3AにはH-H線も示す。図3Bは、相互接続装置1のH-H線上の断面を示す。
【0060】
相互接続装置1は、複数個の電気化学セル(図示せず)を含むバッテリーに使用するのに適している。相互接続装置1は、複数個のセル間に電気的接続を生ずることができ、またセルとバッテリー端子との間における電気的接続を生ずることができる。バッテリーは、端子及び相互接続装置を介して充電及び/又は放電することができる。例えば、負荷を端子に接続し、またバッテリーを負荷に放電させることができる。付加的又は代替的に、電源を端子に接続し、またバッテリーを電源から充電することができる。
【0061】
相互接続装置1は、セルのうちの少なくとも幾つかを互いに直列接続するよう複数個のセル間に電気的接続を生ぜしめることができる。付加的又は代替的に、相互接続装置1は、セルのうちの少なくとも幾つかを互いに並列接続するよう複数個のセル間に電気的接続を生ぜしめることができる。
【0062】
相互接続装置1は、電気絶縁基板3、ヒートシンク2、及び導電性材料層4を備える。基板3は、第1表面3a及び第2表面3bを有する。ヒートシンク2は第1表面3aに配置し、導電性材料層4は第2表面3bに配置する。図面に示す実施形態において、第2表面3bは第1表面3aとは背反する。図面に示す相互接続装置は、第1表面3aが第2表面3bにほぼ平行である平坦基板3を有するが、第1及び第2の表面が平行でない他の構成も考えられ得る。
【0063】
導電性材料層4は、複数個のセルと電気的接続を生ずるための複数個のセル収容領域4を生ずるよう配列される。本明細書の記載にわたりセル収容領域4は、1つ又はそれ以上のセルに対する接続のためのインタフェースと称することができる。複数個の接続タブ5は、インタフェース4に対して電気的接続されているように図示される。この記載の目的として、タブ5は、セル(図示せず)の一部を形成すると見なされ、また相互接続装置1の一部を形成するものとは見なされない。タブ5は、例えば、セルの負及び正の端子を形成することができる。タブ5は任意の適当な手段によってインタフェース4に接続することができる。例えば、タブ5は、超音波溶接又はレーザー溶接のような溶着によってインタフェース4に接続することができる、導電性接着剤によって及び/又はタブ5にはんだ付けすることによってインタフェース4に接続することができる。
【0064】
インタフェース4とセルとの間の接続は接続タブ5によって示すが、他の実施形態において、他形態の接続を使用することができる。例えば、1つ又はそれ以上の導電性のワイヤ、バー又はロッドをインタフェース4に接続することができる。接続タブ5は、とくに、電気化学セルをパウチ内に収容する実施形態において使用することができる。しかし、セル及び接続部における任意な互換的組合せも使用することができる。
【0065】
図示の実施形態において、セル収容領域4(それ以外にインタフェースとも称される)は、導電性材料のほぼ平坦なパッドから形成する。しかし、他の実施形態において、インタフェース4は、セルに対して電気的接続を確立することができる任意の適当な形状の導電性材料領域を有することができる。インタフェース4は、セルをインタフェース4に接続し易くするよう、基板3上に配列することができる。例えば、隣接するインタフェース4間における離間量は、セルにおける接続タブ5間の離間量にほぼ対応する。インタフェースの1つ又はそれ以上の寸法は、セルとの接続寸法にほぼ合致するよう構成することができる。例えば、図示の実施形態において、インタフェース4のy方向における延在範囲は、接続タブ5のy方向における延在範囲にほぼ対応させ、タブ5をインタフェース4に接続するのを容易にする。
【0066】
図面に明示しないが、相互接続装置1は、さらに、インタフェース4及び/又は他のコンポーネントの少なくとも幾つかの間における電気的接続部を備えることができる。例えば、導電性材料層は、さらに、1つ又はそれ以上のインタフェース4に電気的接続される導電性トラック(図示せず)を有することができる。導電性トラックは、1つ又はそれ以上のインタフェース4及び/又は1つ又はそれ以上の他のコンポーネント間で電気的接続を形成することができる。
【0067】
導電性材料層は、例えば、銅のような金属で形成することができる。製造中、連続的な導電性材料層を基板の第2表面3b上に堆積することができる(任意の適当な技術を用いて)。例えば、連続的な導電性材料層は、第2表面3b全体にわたり又は第2表面3bの離散領域に堆積することができる。導電性材料の1つ又はそれ以上の区域を順次にエッチングし、インタフェース4、インタフェース4間に延在する所望導電性トラック及び/又は他の電気的コンポーネントが残るようにすることができる。基板3上での電気回路及び/又はインタフェース4の製造方法は、プリント回路板(PCB)を製造するのに共通して使用されるとの類似又は同一のものとすることができる。幾つかの実施形態において、相互接続装置の少なくとも幾つかは、PCBにおける実施例(例えば、金属クラッドPCB)と見なすことができる。
【0068】
図示しないが、相互接続装置1にはバッテリーの端子を電気的に接続する1つ又はそれ以上のコネクタことができる。このコネクタは、基板の第2表面3bにおける導電性トラックを介してインタフェース4に電気的に接続することができる。バッテリーは、したがって、相互接続装置1及び端子経由で充電及び/又は放電することができる。
【0069】
バッテリーの動作(例えば、バッテリーの充電及び/又は放電)中、電流は接続タブ5、インタフェース4及び任意な他の電気回路(例えば、相互接続装置に配置した導電性トラック)に流れる。その結果として、相互接続装置1、接続タブ5及び/又はセルにおける1つ又はそれ以上の領域は、例えば、ジュール加熱に起因して発熱し得る。相互接続装置1に流れる電流により相互接続装置1を直接ジュール加熱することに加えて、例えば、セルから接続タブ5経由で相互接続装置1に熱を伝導することができる。例えば、熱エネルギーは、セル自体内で発生し、また例えば、接続タブ5を経てインタフェース5への熱伝導により相互接続装置の加熱を引き起こすことがあり得る。
【0070】
バッテリーの相互接続装置1、セル及び/又は他のコンポーネントにおける熱管理を行うことが望ましい場合があり得る。有利には、熱を伝導することができるヒートシンク2を、基板2の第1表面3a上で相互接続装置1に設ける。ヒートシンク2は、例えば、金属のような熱伝導材料の層を有することができる。幾つかの実施形態において、ヒートシンク2は、アルミニウムから形成することができるが、他の材料を使用することもできる。ヒートシンク2は、熱をバッテリーから放散することができる受動的熱交換器として機能する。例えば、ヒートシンク2は、バッテリーのどこか(例えば、セル及び/又は相互接続装置1内)で発生した熱を吸収し、また周囲に熱を放散することができる。
【0071】
ヒートシンク2は、熱が放散される空気のような流体媒体に接触することができる。幾つかの実施形態において、ヒートシンク上に流体フローを発生させ、これによりヒートシンクからの熱放散を支援できるようにする。例えば、空気フローをヒートシンク上に発生させることができる。付加的又は代替的に、液体冷却剤をヒートシンク2に近接して(例えば、1つ又はそれ以上の導管内)配置し、ヒートシンク2から冷却剤への熱伝達を可能にすることができる。ヒートシンク2には比較的大きい表面積を設け、流体(空気及び/又は液体冷却剤のような)と接触する表面積を増大させ、これにより熱を交換し得る表面積を増大することができる。図面には示さないが、幾つかの実施形態において、ヒートシンク2には、ヒートシンク2の表面積を増大させる、及び/又はヒートシンク2上での流体フローを促進するよう作用するフィンのような1つ又はそれ以上の形体を設けることができる。
【0072】
相互接続装置1は、基板3の第2表面3bに配置されたインタフェース4及び/又は他のコンポーネントからのヒートシンク2への熱伝達を促進するよう構成される。基板3は、基板3の第2表面3bから第1表面3aに熱を伝導することができる熱伝導材料から形成する。例えば、基板3は、ヒートシンク2への熱伝導を容易にする少なくとも約0.2W・m-1・K-1の熱伝導率を有することができる。基板3に対する適切な材料選択としては、FR-4のようなガラス繊維強化エポキシ樹脂材料がある。
【0073】
基板3は、比較的薄く、また例えば、約3mm未満の厚さを有することができ、多くの実施形態においては、3mmよりも相当小さいものとすることができる。比較的薄い基板3にすることは、有利にも、基板3の第1及び第2の表面間における熱伝導を容易にし、またさらに相互接続装置1をコンパクトかつ軽量な構造にすることができる。
【0074】
図に示すように、ヒートシンク2は第1表面3aのほぼ全体にわたり存在させることができる。有利にも、このことは、熱をヒートシンク2から放散させることができる比較的大きな表面積を付与し、また第2表面3bにおける異なる場所からヒートシンク2への熱伝導を容易にする。
【0075】
幾つかの動作条件において、ヒートシンク2は、さらに、バッテリーで、また相互接続装置1にわたり大きな温度勾配が生起するのを防止するよう作用することができる。例えば、動作中、バッテリーの複数セルにおける1つ又はそれ以上のセルは、他のセルよりも熱くなることがあり得る。このことは、セルの動作条件の差異(例えば、異なるセルに対して流入/流出する電流量の差異)に起因するものであり得る、又はセルの周囲条件の相違から生じ得る。例えば、バッテリーは、互いに隣接して配置されたセルの集合体(グループ)を有することができる。このようなセルの集合体は、集合体の端縁近傍に位置するセルと、及びセル集合体の中間に位置する他のセルとを有することができる。セルの集合体の端縁近傍に位置するセルは、セルから発生する熱の幾分かをそれらの周囲に放散することができ、またひいては集合体における他のセルよりも冷たいものとなり得る。セルの集合体の中間に位置するセルは、他のセルによって包囲され、したがって、周囲に熱を効率的に放散することができない。この結果として、集合体の中間近傍に位置するセルは、集合体の端縁近傍に位置するセルよりも熱くなり得る。結果として、より熱いセルに接続されているインタフェース4は、より冷たいセルに接続されているインタフェース4よりも熱くなることがあり、また温度勾配が相互接続装置1にわたり生起することがあり得る。
【0076】
動作中、バッテリーにおける複数セルの各々はほぼ同一温度に保持し、また異なるセル間に大きな温度差がしょうずるのを回避するのが望ましいことがよくある。ヒートシンク2は、高熱伝導性の材料で形成することができる。この結果として、熱は、ヒートシンク2にわたり相互接続装置1の1つの領域から他の領域に伝導され、これにより相互接続装置1にわたり生起することがあり得るいかなる温度勾配をも低減することができる。例えば、1つ又はそれ以上のインタフェース4が他のインタフェース4よりも高い温度に加熱されるようになる場合、熱は、比較的熱いインタフェース4から比較的冷たいインタフェース4へと、基板3及びヒートシンク2を経て効率的に伝導することができる。ヒートシンク2は、したがって、インタフェース4にわたるいかなる温度勾配をも低減するよう作用し、またバッテリーにおける異なるセル間の温度差を低減することができる。
【0077】
幾つかの実施形態において、能動的な温度管理をバッテリーに設けることができる。すなわち、相互接続装置1は、複数セルのうち1つ又はそれ以上のセルの温度を制御する電気回路を設けることができる。図示の実施形態において、複数セルの温度を制御する電気回路は基板3の第2表面3bに備え付けた抵抗6の形態として設ける。各抵抗6は、1つ又はそれ以上のインタフェース4の近傍場所に位置決めする。抵抗6で発生した熱は、したがって、1つ又はそれ以上のインタフェース4を加熱する(例えば、基板及び/又はヒートシンク2を経由して抵抗6からインタフェース4への熱伝導によって)ことになり得る。加熱されたインタフェース4に接続されたセルは、インタフェース4及びこのインタフェース4に接続された接続タブ5を経由する伝導によって熱を受け取ることができる。したがって、抵抗6は、相互接続装置1に接続された1つ又はそれ以上のセルを加熱するよう相互接続装置1に局所的加熱を付与するのに使用することができる。
【0078】
図に示すように、抵抗6は、異なる抵抗6が相互接続装置1の異なる領域を加熱するよう、基板3上で異なる場所に設ける。したがって、異なる抵抗6は、異なるインタフェース4及びひいてはインタフェース4に接続した異なるセルを加熱することができる。このようにして、抵抗は、相互接続装置1に対して制御可能で局所的な加熱を行う。図示の実施形態において、抵抗6は、図に示すx軸線上の異なる位置に直線状に配列する。しかし、抵抗6の他の適当な配列も考えられる。
【0079】
抵抗6の近傍に配置された1つ又はそれ以上のセルを加熱することは、抵抗6を流れる電流を制御することによって制御することができる。例えば、1つのセルを加熱することが望ましい場合、このセルの近傍に配置された抵抗6に電位差を加えて、抵抗6に電流を発生させ、これにより抵抗6を加熱させるようにすることができる。幾つかの実施形態において、抵抗6は、例えば、基板3の第2表面3bにおける導電性トラックの形態とした電気回路によってインタフェース4間に接続することができる。インタフェース4間における抵抗6の接続は、インタフェース4に接続した1つ又はそれ以上のセルから抵抗6に電流を引き込むことを可能にする。したがって、1つ又はそれ以上の接続されたセルは抵抗6の電源として機能する。接続されたセルは、抵抗6に電流を流し込んで相互接続装置1に局所的加熱を付与するのに使用することができる都合のよい電源をもたらすとともに、任意な電源を使用して、抵抗に電流を流し込むこともできる。例えば、相互接続装置1を局所的に加熱する目的で設けた別個の電源(図示せず)をはさむよう、1つ又はそれ以上の抵抗6を接続することができる。
【0080】
抵抗6は、開閉することができる1つ又はそれ以上のスイッチに直列接続し、抵抗6を流れる電流フローを制御し、またこれにより相互接続装置1に対して供給される加熱を制御することができるようにする。電流フローは任意の適当な制御回路によって制御することができる。例えば、相互接続装置1は、1つ又はそれ以上の抵抗6における電流フローを制御するよう構成されたコントローラ(例えば、マイクロプロセッサ)を備えることができる。このコントローラ(図示せず)は、相互接続装置1に備え付ける、又は基板3から分離して配置することができる。コントローラは、基板に配置した回路(例えば、1つ又はそれ以上の抵抗6及び/又は1つ又はそれ以上のスイッチの形態として)に対して、基板3に設けた接続部8を介して接続することができる。接続部8は、コントローラのような1つ又はそれ以上の外部コンポーネントと接続するための任意の適当なインタフェース(例えば、ソケット)を有することができる。接続部8は、基板3の第2表面3bにわたり延在する1つ又はそれ以上の導電性トラック(図示せず)を介して、基板上の回路に接続することができる。図示の実施形態においては2個の接続部8を示すが、任意な個数の接続部8を設けることができる。異なる接続部8は、異なるコンポーネントとの接続用に設けることができ、又は同一コンポーネントに対して多重接続を行うものとすることができる。
【0081】
幾つかの実施形態において、相互接続装置1の加熱は、1つ又はそれ以上の温度測定に基づいて制御する。図示の実施形態において、相互接続装置には、基板3の第2表面3bに備え付けた複数の温度ゲージ7を設ける。温度ゲージ7は、インタフェース4の近傍に位置決めし、インタフェース4の温度、及びひいてはセルの温度(セルは、熱伝導接続タブ5を介してインタフェース4に熱的に結合されているため)を表している温度示度値を提示する。とくに、温度ゲージ7は、温度ゲージによって行う測定が異なるインタフェース4に接続されるセル間のいかなる温度差をも表示するよう、配列することができる。図示の実施形態において、温度ゲージ7は、図に示すx軸線上の異なる位置に直線状に配列する。しかし、温度ゲージ7の他の適当な配列も考えられる。
【0082】
温度ゲージ7は、抵抗における電流フローを制御するよう構成されたコントローラに接続することができる。例えば、温度ゲージ7は、コントローラに接続した1つ又はそれ以上の接続部8に通信可能に接続することができる(例えば、基板3上に形成した導電性トラックを介して)。このコントローラは、温度ゲージ7から温度測定値を受信し、また受信した測定値に基づいて抵抗における電流フローを制御することができる。例えば、温度ゲージ7からの測定値は、異なるセルが異なる温度であることを示している場合、温度測定値が他のセルに比べると比較的冷たいことを示している1つ又はそれ以上のセルの近傍における1つ又はそれ以上の抵抗6に電流を流す(例えば、スイッチを開くことによって)ことができる。したがって、比較的冷たいセルは1つ又はそれ以上の近接した抵抗によって加熱され、異なるセル間の温度差が減少する。
【0083】
上述したように、バッテリーの端縁(例えば、図で示すx軸線上の極限位置)近傍に配置されたセルは、バッテリーの中心近傍に配置されたセルよりも冷たいことがあり得る。温度ゲージ7が取得した測定値は、バッテリーにおけるいかなるこのような温度勾配表示をもコントローラに供給する。このコントローラは、バッテリー端縁近傍に位置するセルの近傍に位置する抵抗6に電流を流し(例えば、1つ又はそれ以上のスイッチを開くことによって)、それらセルを加熱するよう応答することができる。例えば、電流は、図に示す最も外側の抵抗6(すなわち、図2Aにおける最も左側及び右側の抵抗6)に流れさせることができる。比較的冷たいセル近傍に位置する抵抗を加熱することによっていかなる温度勾配をも低減させることができる。
【0084】
温度ゲージ7は、温度を測定できる任意の適当なコンポーネントを有することができる。抵抗6の形態とした電源を記載したが、幾つかの実施形態において、他の形態の電源を使用して相互接続装置1に対する加熱を行うことができる。概して、任意の適当な熱源を使用することができる。
【0085】
相互接続装置1に制御した加熱を付与することに関して付加的又は代替的に、相互接続装置1の冷却を、温度ゲージ7が行うような温度測定値に応答して制御することができる。上述したように、相互接続装置1は、ヒートシンク2の近傍に流体(例えば、空気及び/又は液体冷却剤)のフローを供給することによって冷却することができる。幾つかの実施形態において、温度ゲージ7が取得した測定値に基づいて流体の流量を制御することができる。例えば、冷却流体フローを発生するのに用いるファン又はポンプを温度測定値に基づいて制御し、相互接続装置1に供給される冷却量を制御することができる。セル温度がバッテリーの所望動作温度を超えていることを、温度ゲージ7によって取得した温度示度値が表示している場合、冷却流体のフローを増加させることができる。セル温度がバッテリーの所望動作温度より低いことを、温度ゲージ7によって取得した温度示度値が表示している場合、冷却流体のフローを減少させることができる。
【0086】
バッテリーの異なるセルにとっては、各セルにおける充電状態がほぼ同一となるよう、ほぼ同一の割合で充電及び/又は放電することが望ましいものであり得る。しかし、時間の経過とともに、充電-放電サイクル中のバッテリーにおける異なるセルの健常性及び性能の状態は、使用を経ることによって逸脱し始める。この結果として、充電/放電動作の或る時点で、異なるセルは異なる充電状態をとることになり得る。したがって、バッテリーにおけるセルの充電状態を管理する、例えば、異なるセル間における充電状態のいかなる相違も低減するよう管理するのが望ましいことがあり得る。
【0087】
幾つかの実施形態において、バッテリーにおけるセルの充電状態を制御する電気回路を相互接続装置1に設ける。この回路は、セルの充電状態の受動的及び/又は能動的制御を行うよう構成することができる。セルの充電状態の受動的制御は、1つ又はそれ以上のセルに対して1つ又はそれ以上のバイパス抵抗を接続し、抵抗を経由してセルを放電し、これによりセルの充電状態を減少させるものであり得る。例えば、充電状態を制御する電気回路は、各セルにかかる電圧を測定する電圧ゲージを有することができる。最低電圧セルよりも大きい電圧を有するすべてのセルをバイパス抵抗に接続して、そのセルの充電状態を最低電圧セルに揃うようにすることができる。したがって、この回路は、さらに、1つ又はそれ以上の抵抗及び1つ又はそれ以上のセルに対して抵抗を接続するためのスイッチを有することができる。セルが接続されている1つ又はそれ以上のインタフェース4に抵抗を電気的に接続する(例えば、基板上の導電性トラックを介して)ことによって、抵抗を1つ又はそれ以上のセルに接続することができる。
【0088】
セルの充電状態を制御する電気回路の一部を形成する抵抗は、基板の第2表面3b上に備え付けることができる。電流が抵抗に引き込まれるとき、抵抗に熱が発生する。上述したように、基板3の第2表面3bで発生した熱は、基板3を経てヒートシンク2に伝導される。したがって、ヒートシンクは、セルの充電状態を制御する回路によって生ずる望ましくないいかなる局所的発熱をも低減するよう作用する。
【0089】
幾つかの実施形態において、セルの充電状態を制御するのに使用される抵抗は、セルの温度を制御するために設けた抵抗6と同一のものとすることができる。したがって、同一の電気回路を用いて、セルの充電状態を制御すること、及びセルの温度を制御することの双方を行うことができ、したがって、必要なコンポーネントの数を減らすことができる。他の実施形態において、セルの充電状態を制御する電気回路は、セルの温度を制御する電気回路とは異なるものとし、したがって、充電状態及び温度を独立制御できるようにする。
【0090】
幾つかの実施形態において、セルの充電状態を制御する回路は、付加的又は代替的に、充電状態を能動的に制御するよう構成することができる。充電状態の能動的制御は、1つのセルから他のセルに電荷を転送するものであり得る。例えば、比較的高い電圧を有すると測定されたセルから比較的低い電圧を有すると測定されたセルに電荷を転送して、セルの充電状態を均衡化するようにすることができる。能動的制御を行う回路は、例えば、1つ又はそれ以上のDCコンバータ及び/又はスイッチドキャパシタを有することができる。このようなコンポーネント(図示せず)は、基板3の第2表面3b上に備え付け、またインタフェース4に電気的接続をする(例えば、第2表面3bにおける導電性トラックを介して)ことができる。
【0091】
幾つかの実施形態において、セルの充電状態を制御する回路としては、コントローラ(例えば、マイクロプロセッサの形態として)があり得る。このコントローラ(図示せず)は、基板3上に備え付けることができる、又は基板3とは分離して配置することができる。コントローラは、基板3に配置した回路(例えば、1つ又はそれ以上の抵抗、スイッチ、DCコンバータ、スイッチドキャパシタ及び/又は1つ又はそれ以上の他のコンポーネントの形態として)に対して、基板3に設けた1つ又はそれ以上の接続部8を介して接続することができる。
【0092】
セルの充電状態を制御するコントローラは、セルの温度を制御するコントローラと同一又は異なるものとすることができる。幾つかの実施形態において、バッテリー管理システムは、セルの充電状態及び/又はセルの温度のような、バッテリーにおける1つ又はそれ以上の特性を管理するために設けることができる。バッテリー管理システムは、例えば、1つ又はそれ以上の接続部8との接続によって相互接続装置1に接続することができる。
【0093】
相互接続装置1の特定実施形態を図面に示し、また先に説明したが、当然のことながら、本発明の他の実施形態も考えられる。例えば、本発明の実施形態による相互接続装置は、発明の範囲から逸脱することなく図に示したコンポーネントとは異なる構成としたコンポーネントを有することができる。付加的又は代替的に、本発明の実施形態による相互接続装置は、図に示したものより多い又は少ない数のコンポーネントを有することができる。例えば、幾つかの実施形態において、相互接続装置は、図に示した5個のセル収容領域4より多い又は少ない数のインタフェースを有することができる。
【0094】
本発明の特定の態様、実施形態又は実施例に関連して説明した特徴、完全体、特性、化合物、化学的部分又は基は、両立不可でない限り、任意な他の態様、実施形態又は実施例に適用することができると理解されたい。本明細書(任意な添付の特許請求の範囲、要約書、及び図面を含む)に記載のすべての特徴、及び/又は記載された任意の方法若しくはプロセスにおけるすべてのステップは、このような特徴及び/又はステップのうち少なくとも幾つかが互いに排他的である組合せを除いて任意な組合せで組み合わせることができる。本発明は、任意な上述した実施形態の詳細に限定されない。本発明は、本明細書(任意な添付の特許請求の範囲、要約書、及び図面を含む)に記載の特徴のうち任意な1つの新規なもの又は任意の新規な組合せに拡張される、又は記載された任意の方法若しくはプロセスにおけるステップの任意な1つの新規なもの又は任意の新規な組合せに拡張される。
【0095】
読者の注意は本件出願に関連して本明細書と同時に又は先に出願された、及び本明細書が公衆縦覧に公開されているすべての文書及び文献に向けられ、またこのようなすべての文書及び文献の内容は参照により本明細書に組み入れられるものとする。
図1
図2A
図2B
図2C
図3A
図3B
図3C
【手続補正書】
【提出日】2023-02-07
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数個のセルを有するバッテリー用の相互接続装置において、
第1表面及び第2表面を有する電気絶縁性の基板と、
前記基板の第1表面におけるヒートシンクと、及び
前記基板の第2表面における導電性材料の層であって、前記複数個のセルに接続するための1つ又はそれ以上のセル収容領域をもたらす、該導電性材料層と、
を備える、相互接続装置。
【外国語明細書】