IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ アンタレス・ファーマ・インコーポレーテッドの特許一覧

特開2023-52550テストステロン組成物の針に補助されるジェット注射投与
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023052550
(43)【公開日】2023-04-11
(54)【発明の名称】テストステロン組成物の針に補助されるジェット注射投与
(51)【国際特許分類】
   A61K 31/568 20060101AFI20230404BHJP
   A61P 5/26 20060101ALI20230404BHJP
   A61M 5/20 20060101ALI20230404BHJP
【FI】
A61K31/568
A61P5/26
A61M5/20 530
【審査請求】有
【請求項の数】11
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023007294
(22)【出願日】2023-01-20
(62)【分割の表示】P 2019237675の分割
【原出願日】2015-02-19
(31)【優先権主張番号】61/941,875
(32)【優先日】2014-02-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.テフロン
(71)【出願人】
【識別番号】502142703
【氏名又は名称】アンタレス・ファーマ・インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100122644
【弁理士】
【氏名又は名称】寺地 拓己
(72)【発明者】
【氏名】ウォットン,ポール・ケイ
(72)【発明者】
【氏名】ヨーステ,ヘルマヌス・エル
(72)【発明者】
【氏名】デーブ,カウシィク・ジェイ
(72)【発明者】
【氏名】ジャフェ,ジョン
(57)【要約】      (修正有)
【課題】皮下注射のような痛みや、赤血球増加症のリスクを伴わず、また、経皮クリーム、ゲル、パッチのような高価で、投与部位において発赤や皮膚刺激を引き起こすことのない、テストステロンを定常的な平均血中濃度にするための方法を提供する。
【解決手段】テストステロンを、針に補助されるジェット注射デバイスから皮下、皮内、または筋内に導入することを含む、テストステロンによる処置を必要とする対象を処置するための方法を提供する。テストステロンの定常的な血漿レベルが3回以上の用量後に得られるように、任意の量のテストステロンを所定の期間にわたって繰り返し投与する方法である。多数回投与後に維持される定常的な平均血中濃度が、約500ng/dl~約800ng/dlであることが好ましい。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
テストステロンの定常状態血漿レベルが3以上の用量後に得られるように、ある量のテストステロンを所定の期間にわたって繰り返し投与する工程を含む、テストステロンの定常状態平均血中濃度を得る方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法であって、該用量が、50mg、75mg、および100mgから選択される方法。
【請求項3】
請求項2に記載の方法であって、該投与される用量の濃度が、100mg/ml、150mg/mlまたは200mg/mlである方法。
【請求項4】
請求項1に記載の方法であって、該用量が、50mg~100mgである方法。
【請求項5】
請求項1に記載の方法であって、該所定期間が、1週間の投与である方法。
【請求項6】
請求項1に記載の方法であって、4回目の用量の後に定常状態に達する方法。
【請求項7】
請求項1に記載の方法であって、5回目の用量の後に定常状態に達する方法。
【請求項8】
請求項1に記載の方法であって、該用量が、定常状態に達した後に継続される方法。
【請求項9】
請求項8に記載の方法であって、定常状態に達した後に投与される用量が、定常状態に達する前に投与される用量と同じまたは異なる方法。
【請求項10】
請求項5に記載の方法であって、一度定常状態に達したら、その後の用量(単数または複数)の投与後に得られる平均血漿濃度が、直前の週の間に得られる平均血漿濃度の+または-30%未満である方法。
【請求項11】
請求項1に記載の方法であって、多数回投与後に定常状態で維持される定常状態療法的血中レベルが、約800ng/dl~約1100ng/dlである方法。
【請求項12】
請求項1に記載の方法であって、多数回投与後に定常状態で維持される定常状態療法的血中レベルが、約500ng/dl~約800ng/dlである方法。
【請求項13】
請求項1に記載の方法であって、多数回投与後に定常状態で維持される定常状態療法的血中レベルが、約350ng/dl~約500ng/dlである方法。
【請求項14】
患者を所望の血漿中濃度を得る最低のテストステロンの用量に用量設定する方法であって、テストステロンの複数の用量を皮下投与し、2以上の用量から同じ所望のテストステロンの血漿中濃度を提供する筋内用量と比較して所望のテストステロンの血漿中濃度を提供する最低の用量を選択することを含む方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願への相互参照
[0001] この出願は、2014年2月19日に出願された“テストステロン組成物の針に補助されるジェット注射投与”と題された米国仮特許出願第61/941,875号の利益を主張し、その全部が参照により本明細書にそのまま援用される。
【背景技術】
【0002】
[0002] テストステロンは、アンドロゲン群からのステロイドホルモンである。一般に、アンドロゲン類は、タンパク質生合成およびアンドロゲン受容体を有する組織の成長を促進する。テストステロンは、タンパク同化性であり、これは、それが骨量および筋量を増強することを意味する。テストステロンは、次の構造式を有する:
【0003】
【化1】
【0004】
[0003] テストステロンの本来の、そして主な使用は、少なすぎる天然の内因性テストステロン産生を有する、または天然の内因性テストステロン産生を有しない男性-性腺機能低下を有する男性の処置のための使用である。しかし、長年にわたって、テストステロンは、多くの他の状態、例えば不妊の低減、性欲の不足または勃起機能不全の修正、骨粗鬆症の修正、陰茎の拡大の支援(encouraging)、身長の成長の支援、骨髄刺激の支援、貧血の作用の逆転および食欲刺激のためにも与えられてきた。
【0005】
[0004] テストステロンに関して、皮下注射および経皮クリーム、ゲルおよびパッチを含むいくつかの適用法が存在する。しかし、皮下注射は、痛く、不便である傾向があり、赤血球増加症のリスクを増大させる。経皮クリーム、ゲルおよびパッチはしばしば高価であり、投与の部位においてアクネおよび皮膚刺激を引き起こし、毎日の投与に関するコンプライアンスの不足を有し、そして一部の患者に十分なテストステロンレベルを提供することができない。
【0006】
[0005] 従って、テストステロンを患者に投与する従来法、例えば皮下注射および経皮クリーム、ゲルおよびパッチを越える利益および向上を提供するテストステロンを投与する方法に関する切迫した必要性が存在する。
【発明の概要】
【0007】
[0006] 一態様において、テストステロンの定常状態平均血中濃度を得る方法であって、テストステロンの定常状態血漿レベルが3以上の用量後に得られるように、ある用量のテストステロンを所定期間にわたって繰り返し投与する工程を含む方法が、記載される。
【0008】
[0007] 別の態様において、患者を所望の血漿中濃度を得る最低のテストステロンの用量に用量設定する方法であって、テストステロンの複数の用量を皮下投与し、2以上の用量から同じ所望のテストステロンの血漿中濃度を提供する筋内用量と比較して所望のテストステロンの血漿中濃度を提供する最低の用量を選択することを含む方法が、記載される。
【0009】
[0008] 本開示のこれらのおよび他の目的、特徴および利点は、図面と合わせて考慮される以下の限定的でない詳細な記載の考察から明らかであると考えられ、ここで:
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】[0009] 図1は、本開示の一態様に従う注射デバイスの側面図である;
図2】[0010] 図2は、線A-Aに沿って得られた安全な状態の図1の注射デバイスの横断面図である;
図3】[0011] 図3は、図2において示されている横断面の一部の拡大図である;
図4】[0012] 図4Aおよび4Bは、図1の注射デバイスと関連して用いられる安全要素の透視図である;
図5】[0013] 図5は、安全な状態の図1のデバイスの部分的な横断面透視図である;
図6A】[0014] 図6Aは、準備完了状態の図1の注射デバイスの横断面図である;
図6B】[0015] 図6Bは、注射状態の開始時の図1の注射デバイスの横断面図である;
図6C】[0016] 図6Cは、注射状態の終了時の図1の注射デバイスの横断面図である;
図6D】[0017] 図6Dは、ロックされた状態の図1の注射デバイスの横断面図である;
図7】[0018] 図7は、図1の注射デバイスと関係するトリガー機序の一部の分解立体図である;
図8】[0019] 図8は、図1の注射装置の針ガードの透視図である;
図9】[0020] 図9は、図1の注射装置のキャップの横断面図である;
図10】[0021] 図10は、本開示に従う注射デバイスの一態様の液体チャンバー内の圧力を時間の関数として示すグラフである;
図11】[0022] 図11は、針なしジェット注射ノズルの横断面図である;
図12】[0023] 図12は、本開示の一態様を図説するグラフであり、ここで、血清テストステロンは注射の際にピークを示し、続いて療法上有効レベルまで低下している。
図13】[0024] 図13は、ミニブタ血清中のテストステロンの平均濃度を図説する表である;
図14】[0025] 図14は、図13の群1のミニブタにおけるテストステロンの血清中濃度を図説するグラフである;
図15】[0026] 図15は、図13の群2のミニブタにおけるテストステロンの血清中濃度を図説するグラフである;
図16】[0027] 図16は、ゴマ油中200mg/mlエナント酸テストステロンの0.5mlの自動注射装置での注射に関するテストステロンの血清中濃度を図説するグラフである;
図17】[0028] 図17は、ゴマ油中200mg/mlエナント酸テストステロンの0.5mlの針およびシリンジでの注射に関するテストステロンの血清中濃度を図説するグラフである;
図18】[0029] 図18は、ゴマ油中100mg/mlエナント酸テストステロンの0.5mlの自動注射装置での注射に関するテストステロンの血清中濃度を図説するグラフである;
図19】[0030] 図19は、ゴマ油中100mg/mlエナント酸テストステロンの0.5mlの針およびシリンジでの注射に関するテストステロンの血清中濃度を図説するグラフである;
図20】[0031] 図20は、100mg/mlおよび200mg/mlの0.5mlの自動注射装置での注射に関するテストステロンの血清中濃度を図説するグラフである;
図21】[0032] 図21は、針およびシリンジにより筋内投与された200mgのテストステロンと比較した、100mg/mlおよび200mg/mlの0.5mlの自動注射装置での注射に関するテストステロンの血清中濃度を図説するグラフである;
図22】[0033] 図22は、自動注射装置での注射による一連の投与にわたって達せられたテストステロンレベルの定常状態を図説するグラフである;そして
図23】[0034] 図23は、定常状態に達した際のテストステロンに関する平均されたデータを図説するグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
[0035] 添付の図面への参照により、本発明の様々な態様が、以下でより完全に記載されている。本発明の一部であるが全部ではない態様が、明確に示されている。実際、本発明の様々な態様は、多くの異なる形態で具体化されることができ、明白に記載された態様に限定されるものと解釈されるべきではない。同じ番号は全体を通して同じ要素を指す。単数形“a”、“an”、および“the”は、文脈が別途明確に指示しない限り、単数および複数を含む。
【0012】
[0036] A.定義
[0037] “漏れ戻り(Leak back)”は、その用語が本明細書で用いられる際、医薬品の注射の間および/または後の医薬品の注射部位からの漏れを指す。
【0013】
[0038] “実質的に漏れ戻りがない”は、本明細書で用いられる際、注射からの漏れ戻りの量を指し、その量は、医薬品の総体積の約6%未満(例えば0.05ml未満)または重量の約6%未満である。一態様において、“実質的に漏れ戻りがない”は、注射が完了された直後に注射の部位にわたって指を滑らせる(swiping)ことにより容易に検出されることができない量の、またはそれ未満の漏れ戻りの量である。一態様において、“実質的に漏れ戻りがない”は、注射により投与されたテストステロンの療法作用が実質的に変化しないような漏れ戻りの量である。限定的でない例として、漏れ戻りの量は、テストステロンの特定の濃度を有する流体組成物の液体体積で参照されることができ、または漏れ戻りの量は、総漏れ戻り体積中に存在するテストステロンの量(例えばmgテストステロン)の点で言及されることができる。
【0014】
[0039] “漏れ戻りを最小限にする”は、その用語が本明細書で用いられる際、医薬品の注射と関係する漏れ戻りを妨げる、または防ぐことである。
[0040] “保存料”は、その用語が本明細書で用いられる際、医薬組成物、例えば医薬品を保存する目的のために用いられることが当該技術において知られている化合物を指す。本明細書で用いられる際、保存料は、抗微生物的安定性を助けるために、従って抗微生物活性を有するために意図的に用いられる。典型的には保存料と考えられていない、または典型的には他の組成物を保存するために用いられない物質は、この定義に包含されない。
【0015】
[0041] “AUC”は、患者の血液または血漿または血清中の化合物、例えばテストステロン、またはその代謝産物の濃度を患者への化合物の投与後の時間の関数として表す曲線の下の面積である。例えば、本明細書で記載されるようなテストステロンの投与後に、
テストステロンのAUCは、血液中のそれまたはその代謝産物の濃度を、液体クロマトグラフィー-タンデム質量分析(LC-MS/MS)のような方法を用いて様々な時間間隔で測定し、血液、血漿または血清中濃度対時間曲線の下の面積を計算することにより、決定されることができる。濃度対時間曲線は、時々薬物動態プロフィールと呼ばれる。薬物濃度対時間曲線からAUCを計算するための適切な方法は、当該技術で周知である。従って、テストステロンに関するAUCは、テストステロンの患者への投与後に患者の血液中のテストステロンの濃度を測定することにより決定され得る。
【0016】
[0042] “生物学的利用能”は、化合物の患者への投与後に患者の体循環に達する化合物、例えばテストステロンの量を指し、例えばその化合物に関する血中または血漿中濃度を評価することにより決定されることができる。
【0017】
[0043] “生物学的同等性”は、その用語が本明細書で用いられる際、以下の信頼区間:(a)ある用量の医薬品の注射装置による患者への投与後の患者の血漿中の医薬品(例えばテストステロン)の最大濃度(“Cmax”)、(b)ある用量の医薬品の注射装置による患者への投与後の患者の血漿中の医薬品の最大濃度に達するまでの時間(“Tmax”)、および(c)ある用量の医薬品の注射装置による患者への投与後の患者の血漿中の医薬品の濃度の曲線下面積(“AUC”)の1以上が、代替経路により送達された同じ医薬品の測定された信頼区間の約80%~約125%に入ることを指す。
【0018】
[0044] “患者”および“対象”は、両方とも独立して例えばヒトのような哺乳類を含む。
[0045] “約”は、参照された値の+および-10%の範囲を意味するように理解される。しかし、ある値に関する“約”の使用は、参照された値単独の可能性を除外しない。例えば、“約400”は、“400”ならびに“360~440”の両方を完全に支持するように理解される。
【0019】
[0046] B.本発明の組成物、方法、および態様
[0047] 本開示は、注射装置の態様ならびに単独で、または注射装置の態様との組み合わせでの使用に適した組成物および方法を包含する。
【0020】
[0048] I.注射装置
[0049] 典型的な皮下シリンジは、注射を送達するために使用者の指の1本以上で押す力を利用する。ある態様において、本開示の動力付き注射装置は、対象がそれぞれの注射においてそのような押す力を利用する必要なく繰り返しかつ正確にかつ迅速にテストステロン配合物を予め設定された深さまで投与するのを助けるように設計されている。
【0021】
[0050] ある態様において、動力付き注射装置は、自動注射装置、針なしジェット注射装置、または針に補助されるジェット注射装置(まとめて“注射装置”と呼ばれる)を含む。
【0022】
[0051] 動力付き注射装置の既知の自動注射装置の態様は、指で駆動されるシリンジからの圧力および速度に類似して、医薬品チャンバー中に収容された医薬品が低速で発射されるように、医薬品チャンバーにおいて中程度~低い圧力を生成するエネルギー源を用いる。対照的に、本開示の動力付き注射装置の自動注射装置の態様は、医薬品チャンバー中に収容された医薬品が高速で発射されて約10秒未満で対象中に完全に注射されるように、医薬品チャンバーにおいて中程度~高い圧力を生成するエネルギー源を用いる。動力付き注射装置の他の態様は、ジェット注射装置であり、それは針に補助される、または針なし注射装置であることができる。ジェット注射装置の態様は、医薬品を注射装置を流体ジェットとして出るために十分な圧力、力および速度で排出するために医薬品チャンバー中
で高圧を生成するように選択されたエネルギー源を有するように設計されることができる。下記でより詳細に記載されるように、自動注射装置または皮下シリンジを介して対象中に注射された医薬品は、漏れ戻りが起こり得るように針の先端付近でボーラスで送達されるが、ジェット注射装置から送達された医薬品は、典型的には漏れ戻りが最小限になるように針の先端から離れて組織中に急速に噴霧され、典型的には医薬品を針の先端に局所的にボーラスで置かない。針なしジェット注射装置は、流体ジェットが皮膚の外層を突破して医薬品をその下に置くように十分な圧力および注射速度を用いる。針に補助されるジェット注射装置は、それらが皮膚の外側部分を突破するために針を用いるため、針なしジェット注射装置よりも低い圧力を用いることができるが、医薬品が針の先端を流体ジェットとして出るように十分に高い圧力および速度を有する。
【0023】
[0052] 本明細書で開示される注射装置のある態様は、1回の発射で注射装置のチャンバー内または注射装置内に収容されたカートリッジ内に収容された薬剤(単数または複数)の全量を送達するように設計された1回使用または単一用量注射装置である。他の態様において、注射装置は、注射装置または注射装置内のカートリッジの内容物の一部のみを注射するように設計されており、1回の発射で送達されるべき注射の体積の選択を可能にするための投与量設定機序または調節可能な投与量を提供するための他の機序を用いることができる。前記の態様のそれぞれにおいて、注射装置は、予め充填されている、または医薬品の投与量を有するカートリッジを受けるように設計されていることができる。代替の態様は、当該技術で既知であるように充填可能であるように設計されている。
【0024】
[0053] 本開示により提供される注射装置は、患者によりテストステロン配合物を自己注射するために利用されることができる。本開示の様々な側面は、健康管理提供者の助けなしでの対象によるテストステロン配合物の自己注射に関する。特定の態様において、注射装置は、自動注射装置または針に補助されるジェット注射装置の態様のように、対象の標的組織中にテストステロン配合物を注射するために針を使用し、一方で他の態様は、針なし注射装置であり、従って、対象の標的組織中にテストステロン配合物を注射するために針を必要としない。特定の態様において、注射装置は、テストステロン配合物を完全かつ迅速に送達するために十分な圧力を利用することができる。特定の態様において、注射装置は、1以上のテストステロン配合物を完全かつ迅速に流体ジェットで送達するために十分に高い圧力を利用することができる。
【0025】
[0054] 一部の態様において、本開示により提供される動力付き注射装置は、それらを注射を送達する条件下に置くための始動(priming)または準備工程を一切必要とせず、それによりテストステロン配合物の空気への曝露および/またはテストステロン配合物の送達発射前の注射装置の針からの早すぎる圧出(expulsion)を低減または排除する。従って、対象による、または注射装置の非使用者による注射装置中に収容されているテストステロン配合物との接触のリスクは、低減または排除される。
【0026】
[0055] 本発明による使用に関する適切な注射装置は、“低減したトリガー力を有する針に補助されるジェット注射装置”と題された同時係属出願一連番号61/763,395において示されている注射装置を含み、その内容は参照により本明細書にそのまま援用される。
【0027】
[0056] 図1~5を参照すると、本開示の一態様に従う注射装置の一態様が示されている。これらの図において示されている態様は、針式注射装置であり、用いられるばねならびに針および注射出口を含む送達管に応じて、自動注射装置または針に補助されるジェット注射装置として設計されることができる。描かれている注射装置12は、使用者が注射装置12を扱うことを可能にするために設計された外部ハウジング要素14を有し、それは図2において示されている構成要素のほとんどを実質的に収納する。ある態様において
、外部ハウジング14は、2つの嵌合部14a、14bから形成されており、それは、スナップフィットもしくはプレスフィットにより、または接着剤、溶接等により互いに結合するように設計されていることができる。ハウジング14は、その中に流体チャンバー22を含み、それは、例えばテストステロン配合物のような1以上の液体医薬品を保管および分配するために設計されている。図2において示されている態様において、流体チャンバー22が、ハウジング14内にはまっているプレフィルドシリンジ18中で形成されているが、医薬品(単数または複数)を予め充填することができる、再充填可能である、等の既知のタイプのカートリッジを含む他のタイプの流体チャンバーが用いられることもできる。加えて、流体チャンバー22は、ハウジング14内で一体的に形成されていることができる。
【0028】
[0057] 一態様において、プレフィルドシリンジのストッパー部分、またはプレフィルドシリンジ内に収容された医薬品の収容を補助するように設計されたプレフィルドシリンジの他の部分は、プレフィルドシリンジに収容された1以上の構成要素に化学的に耐性である材料で作製されている。一態様において、適切なストッパーは、最小限にされたかもしくは低減された溶出可能または抽出可能な材料を有し、および/または酸、塩基、炭化水素、油、脂質、炭水化物、もしくは酸素の1以上に耐性である。適切なストッパーの限定的でない例は、物理的に修飾されたゴム、化学修飾されたゴム、テフロン、およびテフロンでコートされた材料を含む。一態様において、ストッパーは、油ベースの組成物の収容に関するストッパーの安定性および/またはその機能を、特に同じ油ベースの組成物を収容するために用いられる標準的なゴムストッパーの機能と比較した場合に高めるあらゆる材料で構成されている。
【0029】
[0058] 示された態様において、安全要素80は、外部ハウジング14の近位端に位置しており、安全要素80および外部ハウジング14の間でプレスフィットを形成するために外部ハウジング14において形成されているぴったり合う開口部を通して伸びる複数のタブによりそれに取り外し可能であるように取り付けられている。安全要素80は、例えば注射装置12の輸送または取り扱いの間の注射デバイスの意図されない発射の可能性を防ぐ、または低減するために設計されている。安全要素80は、注射装置12の制限されない使用を可能にするために注射装置12の使用者により取り外されることができる。注射装置の代替の態様は、安全要素80を用いずに構成されることができる。
【0030】
[0059] さらなる態様において、スリーブ16が、ハウジング14内に収容され、それに据え付けられており、シリンジ支持要素の役目を果たす。ある態様において、スリーブ16は、例えばBD Hypak(商標)プレフィルドシリンジ(Becton,Dickinson and Company)のようなプレフィルドシリンジ18、カプセルまたは当該技術で既知のタイプの他の容器を保持し、位置付けるように設計されている。描かれた態様における使用のための適切なプレフィルドシリンジの一例は、様々な大きさおよび体積で利用可能であり、医薬品を予め充填されて売られているプレフィルドシリンジ、例えばBecton Dickinson Hypak(商標)である。ある態様において、シリンジ本体のガラスは、針に接着されていることができる。プレフィルドシリンジの使用は、注射装置が組み立てられる際の医薬品の取り扱いを容易にし、そしてどのように医薬品がプレフィルドシリンジ中で保ち、挙動するかの広範な知識が存在する。一部の態様において、スリーブ16は、ハウジング12に、例えばスナップ、接着剤、溶接、または別の既知の取り付けにより実質的に固定されている。プレフィルドシリンジ18は、その内側に流体チャンバー22を定める容器部分20を有することができ、それは、例えばテストステロン配合物のような注射可能な医薬品を予め充填されている。他の態様において、医薬品容器およびチャンバーは、他の構造、例えばハウジング、針ハブ32、または例えば注射装置の他の注射出口部分と一体である、またはその中に保持されていることができるチャンバーにより提供される。プレフィルドシリンジ18の遠位端に、注射
を補助する針24がある。針24は、患者の組織(ある態様において皮膚である)を貫通するために当該技術で既知であるように設計された注射先端26を有する。針の内腔は、当該技術で既知であるように、針24を通って伸びている。針の内腔は、流体チャンバー22中の医薬品と流体連通しており、医薬品を注射するために針の先端26において開いている。
【0031】
[0060] 針24とは反対側の流体チャンバー22の近位端において、流体チャンバー22中に医薬品を密封するプランジャー28がある。ある態様において、シリンジの壁は、管状部分を含み、それは、ある態様において、流体チャンバー22を定めるために、遠位端において閉じており、近位端において開いている。プランジャー28は、管状部分においてスライドできるように受けられている。プレフィルドシリンジ18は、プランジャー28が遠位方向に移動した際に流体チャンバー22の容積が減少し、医薬品をチャンバー22から針24の内腔を通して押し出すように設計されている。流体チャンバー22の遠位端には針ハブ部分32があり、それに針が据え付けられている。シリンジフランジ35は、シリンジの壁の近位端から放射状に伸びている。カートリッジ、カプセルまたは医薬品を収容するためのチャンバーを定める他の容器を用いる注射装置の態様において、針は、異なる様式で、例えばカートリッジ、カプセル、もしくは他の容器に直接接続することにより、または注射装置の別の部分、例えばそのハウジングに別個の針ハブにより接続することにより、チャンバーと流体接続していることができる。
【0032】
[0061] 図2において描かれている態様において、プレフィルドシリンジ18は、シリンジ本体36を有し、ここでフランジ35、シリンジの壁、およびハブ部分32が単体構造になっている。ある態様において、シリンジ本体36を含む材料は、ガラスであるが、例えばプラスチックまたは金属のような他の材料が、他の態様において用いられることができる。プレフィルドシリンジ18の遠位端を放射状に配置するため、ある態様において、スリーブ16は、狭くなった内腔部分51を有し、それは、シリンジの壁の外側に隣接するように設計されていることができる。これは、針が患者の皮膚中に挿入される場合に特に有利である。狭くなった内腔部分51は、弾力性のある材料、例えばエラストマーで作製されていることができ、またはそれは、スリーブ16の残りの部分と、例えば一連の放射状に整列した弾力的に柔軟な指状のものにより、一体式に作製されていることができる。加えて、シリンジ18の近位端は、ショック吸収デバイス33により適切な位置に保持されていることができ、それは、ある態様において、シリンジ本体36の近位側に放射状に位置し、例えば流体チャンバー22または容器20中で高められた圧力を生成するジェット注射装置の態様において、ラム(ram)60の突然の発射の衝撃からのショックを吸収する。
【0033】
[0062] トリガー機序も、ハウジング14内に収納されていることができる。ある態様において、トリガー機序は、内部ハウジング54を含み、それは外部ハウジング14に、例えばスナップ、接着剤、溶接、または他の既知の取り付けにより取り付けられていることができる。トリガー突起56は、内部ハウジング54の近位端から内向きに伸びており、弾力的に外向きに片寄る。トリガー突起56は、デバイスの発射前のラム60の遠位方向の動きを防ぐために、ラム60の陥凹58においてそれとブロックする関係(blocking association)で受けられている。ラム60は、エネルギー源により注射装置10の遠位端に向かって動き、それは、ある態様において、圧縮ばね52であるが、他の態様において、他の適切なエネルギー源、例えばエラストマーもしくは圧縮ガスばね、またはガス生成装置が用いられることができる。本開示の注射装置と共に使用するのに適した圧縮ばね52の一例は、コイルばねである。代替の態様は、当該技術で既知であるような他の適切なトリガー機序を用いることもできる。
【0034】
[0063] 一態様において、本発明は、本明細書に参照によりそのまま援用される米国特
許出願第13,184,229号において記載されているようなカム付きラムアセンブリー(assembly)を含む。
【0035】
[0064] ラッチハウジング64が、発射が作動するまでラム60を近位の位置に留めるために陥凹58中でブロックする関係にあるトリガー突起56を保持するために内部ハウジング54に対して外側に提供されていることができる。ラッチ64は、内部ハウジング54に関して外部ハウジング14の内側に、ある態様において軸方向にスライドすることができ、ある態様において、ラッチ64は、内部ハウジング54を取り囲んでいる。ある態様において、ラッチ64は、外部ハウジング14に関して自由に動き、安全要素80の取り外し後にのみトリガー突起56によりそれに及ぼされる圧力により適切な位置に固定される。いくつかの側面において、ラッチハウジング54を外部ハウジング14の近位端から離れる方に片寄らせるものは、ばね等を含めて存在しない。代替の態様は、デバイスが作動して針で皮膚を突き刺す際に前方へ動かされる医薬品容器を用いることができ、ある態様は、例えば当該技術で既知であるようなハウジングの近位端にある、または側面上にある注射装置の別の部分上のボタンにより作動するトリガー機序を用いる。
【0036】
[0065] ハウジング14は、外部ハウジング14に関して動くことができる針ガード66を有することができる。図2において示されている針ガード66の態様において、針ガード66は、保護する位置にあり、ここで、針24は、ガード66内に配置されている。隆起65(図8)は、針ガード66が保護する位置へと完全に伸びている際に針ガード66をハウジング14内に維持するように、外部ハウジング14の内側表面に隣接している。針ガード66は、ある態様において、外部ハウジング14中に、注射する位置に対して近位方向に引っ込められることができ、ここで、針の先端26および針24の末端部分は、図6Bおよび6Cにおいて示されているように、患者中への挿入のために露出している。ある態様において、ガード66の近位への動きは、注射する位置で妨げられる。
【0037】
[0066] 針ガード66は、ガード66が近位へと移動する際にそれがラッチ64を近位方向にスライドさせてトリガー突起56を陥凹58から解放するように、ラッチ64と関係していることができる。ある態様において、ラッチ64は、注射装置12の発射前にラム60とブロックする関係で位置するトリガー突起58を片寄らせて維持するような関係で内部ハウジング54に隣接するラッチ部分68を有する。ある態様において、ラッチ64が、ガード66を注射する位置に引っ込めることにより近位にスライドする際、ラッチ部分68は、内部ハウジング54のそれが接触する部分を過ぎてスライドし、トリガー突起56をラム60の陥凹58から離れるように曲げ、トリガー突起56が放射状に陥凹58から、従ってブロックする関係から外向きに動くことを可能にする。これが起きる場合、ばね52は、ラム60をプランジャー28に対して片寄らせ、注射装置12を発射する。
【0038】
[0067] ある態様において、キャップ110が、注射装置12の遠位端上に、針ガード66を覆い、輸送の間または注射前の取り扱いの間にそれが偶発的に移動するのを防ぐために、取り付け可能であることができる。キャップ110は、外部ハウジング14の遠位端に、プレスフィット、スクリューフィット等により取り付けられることができる。特定の態様において、キャップ110は、内向きに伸びている一対の突起112(図9)を含むことができ、それは、遠位に向いている隆起114を形成する。そのような態様において、針ガード66は、一対の放射状に伸びているフランジ67(図8)により形成されることができ、それは、キャップ110を注射装置12に固定するために突起112の遠位の隆起114に隣接するように設計されている。ある態様において、キャップ110の上縁116(図9)は、外部ハウジング14の遠位端に、突起112の遠位隆起114がフランジ67に対して保持されるように隣接することができる。キャップ110のこの配置は、キャップ110はガード66およびハウジングの間に並置されているため、針ガード
66の近位へのハウジング中への圧縮を防ぎ、針ガード66を保護する位置に固定して注射機序の偶発的な発射の防止を助ける。
【0039】
[0068] ある態様において、キャップ110は、突起112がフランジ67と一直線にならずに動かされるように、ハウジング14に関してキャップ110をひねることにより、注射装置12から取り外されることができ、それは、キャップ110が針ガード66から離れて遠位へと動かされることを可能にする。キャップ110の故意ではないひねりによるキャップ110の注射装置12からの偶発的な取り外しを防ぐため、ある態様において、キャップ110は、最初に高められた力を必要とするようにハウジング14および/または針ガード66を捕らえており(engages)、例えばキャップ110を取り外すための回転を完了する前にキャップ110がその閉じられた位置からカチッと音を立てて外れる(snap away)ことを必要とする。例えば、キャップ110の上縁116は、図9において示されているように傾斜していることができる。傾斜は、示されているように曲線部を含むことが出来るが、一般に、縁116は、他の縁120よりも高い1つの縁118を有することができる。ある態様において、外部ハウジング14の遠位端は、キャップ110の上縁118のプロフィールと合うプロフィールを有することができる。この配置は、そのひねりを可能にし、キャップ110を針ガード66に関してひねらせるために必要な力を増大させるために、キャップ110のたわみを必要とする。代替の態様において、キャップ110は、フランジ67とねじ式の、もしくはカム式の関係を有することができ、または、キャップ110が回転により取り外されるようなそれとの別の配置を有することができる。
【0040】
[0069] キャップ110は、注射装置12に、その組み立ての間に取り付けられることができる。これは、キャップ110を針ガード66に関して適切に整列させ、突起112がフリンジ67の後ろに動くようにそれに近位方向への力をかけながらそれをひねることにより行われることができる。あるいは、フランジ67は、それらを針ガード66の上に形成された対応するタブ69上に配置することにより内向きにたわむことができるように構成されることができる。そのような態様において、キャップ110は、ばね72はフランジ67の内向きのたわみに干渉し得るため、ばね72のその中への組み立ての前に、針ガード66上に組み立てられることができる。あるいは、キャップ110は、突起112がフランジ67の上を通過するようにキャップ110が針ガード66上に押しつけられることを可能にするために、弾力的に変形可能であることができる。
【0041】
[0070] ある態様において、針ガード66は、圧縮コイルばね72により保護する位置に向かって遠位へと弾力的に片寄らせることができる。また、針ガード66は、針24がそれを通過することを可能にするための軸開口部74を有することができ、それは、所望の注射装置のタイプに応じた大きさであることができる。ある態様において、注射装置12の構造は、使用者が注射装置の遠位端を患者の皮膚に対して押し付け、注射装置が皮膚中に押し込まれる速度と実質的に同じ速度で針24を挿入位置において皮膚中に押し込むことを可能にする。一度針24が完全に挿入点に所望の貫通深度で挿入されたら、トリガー機序が発射し、注射装置12に医薬品を注射部位中に注射させる。
【0042】
[0071] 例えば針に補助されるジェット注射装置を用いる皮下注射に関するある態様において、針ガード66は、針24の皮膚中の貫通深度までの挿入を可能にするように設計されていることができ、それは、皮膚表面下約5mmまでである。ある態様において、貫通深度は、約0.5mm、約1.0mm、約1.5mm、約2.0mm、約2.5mm、約3.0mm、約3.5mm、約4.0mm、約4.5mm、約5.0mm、約5.5mm、約6mm、約6.5mmまたは前記の深度から決定することができるあらゆる範囲(例えば、約0.5mm~約2.0mm、または約3.5mm~約5.5mm)である。別の態様において、針の先端26が針ガード66または皮膚に接している針ガード66の遠
位表面を過ぎて伸びる距離は、約5mmまでである。ある態様において、針の先端26が針ガード66または皮膚に接している針ガード66の遠位表面を過ぎて伸びる距離は、約0.5mm、約1.0mm、約1.5mm、約2.0mm、約2.5mm、約3.0mm、約3.5mm、約4.0mm、約4.5mm、約5.0mm、約5.5mm、約6mmまたは前記の深度から決定することができるあらゆる範囲(例えば、約0.5mm~約2.0mm、または約3.5mm~約5.5mm)である。
【0043】
[0072] 例えば針に補助されるジェット注射装置を用いる筋内注射に関する別の態様において、注射装置12は、針24が患者中に皮膚中の貫通深度まで、あるいは針ガード66の遠位表面を過ぎて、約20mmまでの距離だけ挿入されることを可能にするように設計されていることができる。ある態様において、注射装置12は、針24が患者中に皮膚中の貫通深度まで、あるいは針ガード66の遠位表面を過ぎて、約0.5mm、約1.0mm、約1.5mm、約2.0mm、約2.5mm、約3.0mm、約3.5mm、約4.0mm、約4.5mm、約5.0mm、約5.5mm、約6mm、約6.5mm、約7.0mm、約7.5mm、約8.0mm、約8.5mm、約9.0mm、約9.5mm、約10.0mm、約10.5mm、約11.0mm、約11.5mm、約12.0mm、約12.5mm、約13.0mm、約13.5mm、約14.0mm、約14.5mm、約15.0mm、約15.5mm、約16.0mm、約16.5mm、約17.0mm、約17.5mm、約18.0mm、約18.5mm、約19.0mm、約19.5mm、約20.0mm、または前記の深さから決定することができるあらゆる範囲(例えば、約0.5mm~約20.0mmまたは約3.5mm~約15.5mm)の距離だけ挿入されることを可能にするように設計されていることができる。他の露出した針24の長さが、約0.5mm~約20mmの全体の貫通長での皮膚の下の異なる深度までのジェット注射に関して選択されることができる。これらの態様において、針ガード66は、保護する位置(ある態様において針全体を覆っている)から注射する位置まで引っ込むように設計されていることができ、ここで、針24の先端26の所望の長さが露出する。
【0044】
[0073] 一態様において、注射装置は、針を取り囲み、カラー空洞を定めるカラーを含むことができ、それを取り囲む周囲および前方の皮膚に接触する表面を有するカラーは、不連続であり、患者の皮膚がカラー空洞中へと動いて針を物質の注射部位への皮内送達のために患者を突き刺して注射された物質の皮膚の下での拡散を可能にする一方で皮膚内の背圧が物質を注射部位を通して押し出すのを妨げる、または防ぐように適切に配置することを可能にするために十分に大きい領域により、針および注射部位から放射状に間隔が置かれている。そのような態様の例は、本明細書に参照により援用される米国特許第8,162,886号において見付けられることができる。
【0045】
[0074] 安全要素80は、外部ハウジング14の遠位端に取り外し可能であるように取り付けられていることができ、本体部分84およびそれから伸びている一対の弾力的に柔軟な脚を含むことができる(図4Aおよび4B)。脚82は、外部ハウジング14の近位表面において形成されている対応する穴またはスロット15中に伸びており、安全要素80をハウジング14上に保持するためにスロット15内で圧入を提供するように形作られていることができる。脚82は、外向きに片寄っていることができ、さらに、外部ハウジング14の内側をスロット15の位置で捕らえて安全要素80の外部ハウジング14上への保持を促進するためのその外部表面上に配置されたタブ86を含むことができる。ある態様において、脚82は、使用者が、注射が望まれる際に安全要素80を外部ハウジング14から取り外すことを可能にするように形作られている。しかし、ある態様において、脚82は、安全要素80がその外部ハウジング14への取り付けから偶発的にまたは意図せず取り除かれた状態になるのを防ぐ。
【0046】
[0075] 脚82は、注射機序を発射させるであろうラッチ部位64の近位方向での押し
のけ(jostling)または他の動きを妨げる、または防ぐために、外部ハウジング14に適切に取り付けられた際に、ラッチ部位64の最も近位の表面に隣接している(図3)。ある態様において、脚82は、ハウジング14および注射装置12のトリガー機序に関連して、ラッチ部分64が脚82を動かしてスロット15から出すために必要な力が、ラッチ部分64が輸送の間の、または注射装置12の落下により引き起こされる輸送もしくは取り扱いの間の急性のショックからの振動により押しのけて所定の位置から出るのを防ぐために十分であるように設計されている。代替の安全要素は、注射装置12の故意ではない発射を防ぐために用いられることができる。
【0047】
[0076] 注射装置12が針に補助されるジェット注射装置として設計されている一態様において、ばね72およびプレフィルドシリンジ18は、医薬品、例えばテストステロン配合物をジェット注射するために設計されていることができる。従って、ばね72は、プランジャー28に、流体チャンバー22内の圧力を医薬品を針24から流体ジェットとして排出するために十分に高いレベルまで高めるために十分であることができる力をかける。いくつかの態様において、ジェット注射は、医薬品を針の先端26から離れた位置へと駆動するために十分な速度および力による、注射装置12の針の先端26からの医薬品の注射である。
【0048】
[0077] いくつかのジェット注射装置の態様は、針に補助されるものであれ針なしであれ、医薬品チャンバー22中で高い圧力を生成して医薬品をそれから注射装置12を流体ジェットとして出るために十分な力および速度で排出するために選択されたエネルギー源を有する。ジェット注射装置は、本質的に医薬品を対象中に皮下に“噴霧し”、それにより対象の標的組織のより大きい表面領域を医薬品に急速に曝露することにより、医薬品をより広い表面領域にわたって対象の皮膚の下に急速に送達すると信じられている。
【0049】
[0078] 自動注射装置により送達される場合、医薬品は、典型的には、それが注射出口から遠くへの発射ではなく、従って自動注射装置の針の先端付近でボーラスで送達されるため、自動注射装置を離れて局所的に置かれる。これは、自動注射装置が、空気中への送達とは対照的に、注射を抵抗性媒体、例えば組織中に送達するために追加の注射時間を必要とするためである。対照的に、本明細書で開示される動力付き注射装置の態様、特に開示されるジェット注射装置の態様は、空気に対して抵抗性媒体中に注射する場合に注射時間における差を示さない。ジェット注射装置により送達される医薬品は、本質的に針の先端から遠く離れて対象の組織中に急速に噴霧されるため、医薬品は、ジェット注射装置を単一の液滴またはボーラスとして離れず、従って針の先端に対して局所的なボーラスとして対象に送達されない。従って、本明細書で開示されるジェット注射装置を用いることにより、医薬品は、対象の組織中により効率的に分散することができる。加えて、ジェット注射装置は医薬品を高い圧力および速度により送達するため、送達された医薬品は、針または注射路の周囲で注射部位から漏れ戻りするはるかに低い傾向を有する。従って、医薬品が送達された深度から注射部位に向かって戻る、および/または対象の皮膚の表面へと戻る漏れ戻りは、ジェット注射装置の使用により有意に低減することができる。従って、例えばテストステロン配合物のような本開示に従う1以上の医薬品を送達するために用いられる場合、ジェット注射装置は、全用量を所望の深度まで確実に送達するのに加えて、注射部位の外側での医薬品への曝露のリスクを有意に低減し、それにより、非使用者に対する、そして対象自身に対する医薬品への曝露のリスクを低減する。漏れ戻りの予防または低減は、医薬品が注射部位において所望の深度で留まることを確実にすることにより、コンプライアンスの向上において有利である。これは、送達の有効性を向上させるだけでなく、注射部位から他の組織、組織の層、および/または注射部位の外側への医薬品の移動も回避する。漏れ戻りの予防または低減は、医薬品が単一の領域に含有された状態を保ち、それにより皮膚の表面への漏れ戻りからの対象への、および/または彼の近くの他の人への故意ではない曝露を防ぐためにも有利であり得る。そのような曝露は、例えば、対
象の皮膚上の、または噴霧された医薬品からの医薬品との直接的な接触を含むことができ、それは、対象または近くの人に空気を通して、または別の媒体を通して達する可能性がある。加えて、多くの場合で、手動の皮下シリンジまたは自動注射装置の遅い注射を用いる患者は、手動の注射装置を注射部位から発射が完了する前に早まって取り外すリスクがあり、これは患者の組織の外側の医薬品の曝露につながる。
【0050】
[0079] ある態様において、注射装置12は、漏れ戻りならびに医薬品の空気への、または患者の皮膚の外側表面への過度の曝露のリスクおよび発生率を防ぐ、または有意に低減する方法で医薬品を送達するように設計されており、そのように注射が行われる。
【0051】
[0080] 針に補助されるジェット注射装置のある態様において、皮膚の異なる部分に、ある態様において皮下に漏れ戻り一切なしで医薬品を注射するために、短い針が用いられることができる。針ガード66の遠位表面を過ぎて約2.5mm伸びる針24、27ゲージ針24、および約300p.s.i.においてピークに達しおよそ100p.s.i.において終了し、結果として約0.5mL/秒の流速をもたらす流体チャンバー22中の圧力を用いて、1mLの医薬品が、例えば表3において示されているような試験注射の約100%において有意な漏れ戻りなくうまく注射されることができ、ここで、ごくわずかな、または測定可能であるがなおわずかな注射部位における湿り気が観察された。従って、本開示の針に補助されるジェット注射装置は、患者の皮膚の厚さ、年齢、体重または他の要因にかかわらず、1以上の医薬品を非常に短い針を用いて確実にジェット注射することを可能にする。
【0052】
[0081] ある態様において、動力源としてのばねのタイプの選択、ばねにより送達される力の調節、および/または組み立てられた注射装置内にばねが詰められる様式は、対象中に完全な注射を送達するために必要な時間の長さにおける有意な低減、注射を送達するために必要なばね力における有意な低減、およびより長い貯蔵寿命をもたらし得る。例えば、多くの既知の自動注射装置中に存在するばねは、約0.8~1.5mlの体積範囲での典型的な注射が対象中に10~15秒で完全に送達されるように設計されている。本開示の注射装置の態様は、約0.8~約1.0mlの体積の約1~約5秒間での、ある態様において約2~約4秒間での、ある態様において約3秒間での完全な注射を送達するように設計されたそれらのばねを有することができる。この時間における短縮は、完全な注射を送達するためにより短い時間が必要とされ、従って患者はより少ない痛みを経験するであろうため、本発明の自動注射装置の態様が用いられた場合に患者のコンプライアンスを増大させるであろうと信じられる。
【0053】
[0082] 加えて、ある態様において、ばね材料は、示されているような注射のストローク長にわたるばね力における低下のみを可能にするように選択されることができる。多くの既知の自動注射装置が、おおよそ20%未満の1回の注射の過程にわたるばね力における低下を示す。対照的に、本開示の注射装置の態様は、それらのばね力が、1回の注射の過程にわたって少なくとも約25%、ある態様において1回の注射の過程にわたって約25%~約50%、ある態様において1回の注射の過程にわたって約30%~約50%、そしてある態様において1回の注射の過程にわたって約50%低下するように設計されることができる。
【0054】
[0083] ばねの材料は、ばねの詰め込みおよび最終使用者または患者への輸送の間にばねを過度に圧縮された状態にしないように選択されることもでき、および/またはばねはそのように注射装置中にセットされることができる。これは、長期間の間過度に圧縮されているばねは、過剰応力の状態になり、時間の経過と共に力の喪失を示すため、有利である。例えば、多くの既知の自動注射装置は、それらがそれらの貯蔵寿命のほとんどをそれらのばねが圧縮された状態で費やすように包装されている。この様式で包装された場合、
そのような既知の自動注射装置は、自動注射装置は棚の上に置かれて使用を待つため、時間の経過と共にばね力における低下を経験する。対照的に、本開示の注射装置の態様は、それが圧縮されているために時間の経過と共に失う力がより少ないように十分に弾力性である材料で作製されているばねを有することができ、および/または完全に組み立てられた注射装置においてそれが注射の時点まで完全に圧縮された状態にないように設計されたばねを有することができる。この様式では、本開示の注射装置の態様は、典型的な貯蔵寿命にわたってそれらのばね力の約0%~約15%を失う。ある態様において、本開示の注射装置は、3年の貯蔵寿命にわたってそれらのばね力の約10%~約12%を失う。
【0055】
[0084] 単発注射装置のある態様において、注射装置12は、無力化機序、例えばロック要素を含み、それは、注射機序と関係するロックリング70として提供されることができる。図6A~6Dにおいて示されているように、ロックリング70は、スリーブ16および針ガード66の間に配置されることができ、ロックリング70が針ガード66が1回の注射サイクルを通して外部ハウジング14に関して動くことのみを可能にするように、スリーブ16および針ガード66と相互作用することができる。これは、圧縮ばね72の力の下で保護する位置(図6A)から注射する位置(図6B、6C)へ、次いで保護する位置(図6D)へと戻る動きを含む。針ガード16が注射サイクルの終了時に保護する位置に戻る際、ロックリングは、スリーブ16および針ガード66に関して、その間のさらなる動きが制限され、従って注射装置がさらに注射を行うことをできなくし、そして針24を注射装置12のハウジング14内に安全に保持するように、配置されている。
【0056】
[0085] 図6A~6Dにおいて示されているように、針ガード66の1つのロックサイクルを通した動きは、ロックリング70をスリーブ16に関して注射する位置からロックする位置へと動かさせる。注射する位置において、ロックリング70は、ロックリング70の上アーム71が、デバイスの医薬品チャンバー22と関係している部分、例えばスリーブ16の外部表面中に形成されている近位ノッチ92を捕らえるように配置される。近位ノッチ92内の上アーム71のはめ合い(engagement)は、ロックリング70を注射する位置において解放可能に維持する。図7において示されるように、ロックリング70は、一般に、例えば周囲のスリーブ16により直接または間接的に(どちらでもよい)医薬品チャンバー22を取り囲むように、形状が環状であることができる。ロックリング70は、さらに一対の下アーム73を含み、それぞれがその末端上に形成されたタブ74を有する。ロックリング70が注射する位置にある場合、タブ74は、針ガード66中に形成されたスロット95において、針ガード66がロックリング70を越えて予め決められた距離を通ってスライド可能であるように受けられている。針ガード66が外部ハウジング14に関して注射する位置へと動く際、針ガード66は、タブ74がスロット95の終点に達し、内向きに圧迫され(depressed)、針ガード66が注射する位置へと動き続けることを可能にするように、ロックリング70を越えてスライドする。注射する位置に達した際、タブ74は、針ガード66の穴96と整列し、下アーム73がそれらの自然な位置に戻るのを可能にし、ここで、タブ74の上側表面は、穴96の縁を捕らえ、それによりロックリング70を針ガード66に結合させる。
【0057】
[0086] 針ガード66が保護する位置に戻る際、針ガード66はロックリング70上で遠位に引っ張り、上アーム71を近位ノッチ92から解放させる。一部の態様において、上アーム71および近位ノッチ92は、上アーム71の傾斜した表面が医薬品チャンバー22と関係している注射装置12の別の部分を、例えば近位ノッチ92中に伸びることにより捕らえるように、傾斜した表面にかみ合う(mating)ことで形成されるが、それに関する遠位方向の動きにより外向きに押される。この設計は、針ガード66が動かないままであるスリーブ16を越えて保護する位置に向かって遠位に動く際に、針ガード66がロックリング70をそれと共に動かして注射する位置から外すことを可能にする。
【0058】
[0087] 針ガード66が保護する位置に達した際、上アーム71は、上アーム71の上側表面が遠位ノッチ93の上側表面94を捕らえるように、スリーブ16中に形成された遠位ノッチ93を越えて動く。さらに、そのような位置において、ロックリング70のフランジ77は、針ガードの表面67に隣接して針ガード66のロックリング70に関する遠位の動きを妨害する。このはめ合いは、ロックリング70がスリーブ16に関して近位へと動くのを防ぐ。ロックリング70は、この設計において針ガード66に結合しているため、そしてスリーブ16は、外部ハウジング14に取り付けられているため、針ガード66は、外部ハウジング14に関してロックされ、動いて注射する位置に戻るのを防がれる。これは、針24が偶発的に注射装置12の使用後に露出するのを防ぐ。代替の態様は、注射装置またはその一部の再利用を防ぐための他の機序を用いることができる。ある態様は、注射装置が再利用されることができるように、そのような機序を用いない。ある態様において、医薬品の注射後に、その後の注射が自動的に防がれることができ、注射後に注射装置の一部の上に、例えば針の先端またはジェット注射ノズル上に残っている可能性のある医薬品の残余物に対する曝露またはそれとの接触も、注射装置12の構造により防がれる、または回避されることができる。
【0059】
[0088] 図11を参照すると、針なしジェット注射装置の一態様の遠位端が示されている。描かれている注射装置は、上記で針式注射装置の態様に関して記載されたような注射を発射するために本明細書で開示されたシステムを用いることができるが、針の代わりに、ジェットノズル202が、医薬品を対象に注射するために用いられる。ノズル202は、医薬品200をノズル202から、外皮層を突き抜けて所望の注射深度まで続くために十分に強い流体ジェットとして出させるために選択された直径を有するジェット出口204を定める。
【0060】
[0089] ある態様において、注射装置は、医薬品の注射が完了しているという1以上のインジケーターを有することができる。一態様において、注射装置は、医薬品の注射が進行中であるという1以上のインジケーターを有することができる。一態様において、注射が進行中であることおよび注射が完了していることを独立にかつ区別して示す1以上のインジケーター。一態様において、第1インジケーターは、第2インジケーターと異なる。インジケーターは、聞き取れるインジケーター、触知できるインジケーター(例えばつめ(click)または振動)、視覚的インジケーター、物理的インジケーター、電子インジケーター、または化学インジケーターを含むことができるが、それらに限定されない。
【0061】
[0090] 表1は、注射後に対象の皮膚の表面に達した医薬品の漏れ戻りを比較する試験の結果を示し;手で駆動される皮下シリンジと比較した針に補助されるジェット注射装置に関するデータが示されている。試験におけるそれぞれの群に関する注射の総回数は、126であり、全てが熟練した健康管理専門職により施された。
【0062】
【表1】
【0063】
[0091] ジェット注射装置は、医薬品を急速に、ある態様において約2秒未満で送達するため、患者が注射装置を彼らの組織にあてておかなければならない時間の長さは、典型的なシリンジまたは自動注射装置により送達される注射と比較して劇的に短くなる。従って、本開示に従うジェット注射装置の利用は、結果として増大した患者のコンプライアンスおよび指示への固守をもたらすと考えられ、従って結果として正しく投与される注射される用量における増大をもたらすであろうと信じられる。加えて、ジェット注射装置が医薬品を送達する速度は、医薬品を自己注射する患者により経験される痛みの量が最小限になると考えられ、多くの場合において存在しない可能性があるため、規則的な注射に関する患者のコンプライアンスをさらに高めることができる。
【0064】
[0092] 一態様において、粘性の医薬配合物を対象に投与するためのデバイスおよび方法が、本明細書に包含される。一態様において、粘性の医薬配合物を対象に投与するための方法は、約25~2500cpsの粘度を有する溶液または懸濁液の形態の医薬配合物を配合すること、その配合物を、約10mm未満の長さを有する針を含む、または針なしである注射デバイスにおいて提供すること;およびその配合物をその注射デバイスから少なくとも約0.2mmの直径を有する開口部を通してジェット注射により対象中に投与することを含む。特定の態様において、本明細書で参照される粘度は、ブルックフィールド粘度計により測定されることができる力学的粘度であることができる。他の態様において、本明細書で参照される粘度は、毛細管粘度計を用いることにより決定される動粘度であることができ、ここで、一定量の流体が、小さい開口部を制御された温度において重力の影響下で通過する。特定の態様において、粘度は、20℃で測定される。他の態様において、粘度は、25℃で測定される。
【0065】
[0093] 他の態様において、その中に懸濁された、または溶解したある量のテストステロンを含む注射可能なキャリヤーは、室温(例えば20~25℃)において25~300cpsの粘度を有する。特定の態様において、粘度は、90~120cpsであり、他の態様において、粘度は、約110cpsである。他の態様において、粘度は、約70cpsより大きいか、またはそれに等しい。
【0066】
[0094] 特定の態様において、キャリヤーは、ココナッツ油、ダイズ油、ゴマ油、ヒマシ油である。他の油は、以下の油を含む:ラッカセイ(ピーナッツ)油、ヒマシ油、綿実油、オレイン酸エチル、ポリオキシエチル化ヒマシ油(HCO-60、ポリオキシル60硬化ヒマシ油、Cremophor(登録商標)EL)、ベニバナ油、およびダイズ油。
【0067】
[0095] 一態様において、配合物は、医薬的に適切な油を含み、注射デバイスから約50psiより大きい圧力で投与される。一態様において、油は、ゴマ油である。
[0096] 一態様において、注射デバイスは、約0.3mmまたは約0.5mmの口径を有する注射針を有する。
【0068】
[0097] 図10において示されているグラフを参照して、数字132は、注射装置12の一態様が発射される時点を表し、数字134は、注射の完了の時点を表す。ある態様において、注射は、プランジャー28が医薬品容器20の遠位の壁に当たった際に完了する。数字136は、注射の間の初期かつピーク圧力を表し、数字130は、注射の間の最終圧力を現す。ある態様において、ばね72は、線形ばね定数を有し、注射を補助する針24は、注射を開始する前に皮膚に穴をあけるために用いられる。従って、注射の圧力は、注射の開始132から注射が完了する134まで実質的に線形に低下する。注射の終了時134における最終圧力130は、ラム60の発射ストロークの終了時においてさえも医薬品がなおジェット注射されており、非常に少量の医薬品が針の先端26の周囲にボーラスで置かれるか、または全く医薬品がボーラスで置かれないように、十分に高められている。
【0069】
[0098] 針に補助されるジェット注射装置のある態様において、注射の間のピーク圧力136は、約1,000p.s.i.未満、ある態様において950p.s.i.未満、ある態様において900p.s.i.未満、ある態様において850p.s.i.未満、ある態様において800p.s.i.未満、ある態様において750p.s.i.未満、ある態様において700p.s.i.未満、ある態様において650p.s.i.未満、ある態様において600p.s.i.未満、ある態様において550p.s.i.未満、ある態様において500p.s.i.未満、ある態様において450p.s.i.未満、ある態様において400p.s.i.、そしてある態様において約350p.s.i.未満である。ある態様において、注射の終了時1080において、流体チャンバー22中で医薬品にかけられる圧力130は、少なくとも約80p.s.i.、ある態様において少なくとも約90p.s.i.、ある態様において少なくとも約100p.s.i.、ある態様において少なくとも約150p.s.i.、ある態様において少なくとも約200p.s.i.、ある態様において少なくとも約250p.s.i.、ある態様において少なくとも約300p.s.i.、ある態様において少なくとも約350p.s.i.、ある態様において少なくとも約400p.s.i.、ある態様において少なくとも約450p.s.i.、そしてある態様において少なくとも約500p.s.i.であることができる。ある態様において、初期圧力136は、約330p.s.i.であることができ、最終圧力130は、約180p.s.i.である。ある態様において、初期圧力136は、約300p.s.i.であり、注射の終了時134においておよそ60p.s.i.まで低下する。他の注射速度が、本明細書で論じられる他の態様に関して用いられる。例えば、針なしジェット注射装置は、約4,000p.s.i.以上の範囲の注射圧力を働かせることができる。ジェット注射装置の他の態様は、より低い注射圧力、例えば少なくとも約80p.s.i.または少なくとも約60p.s.i.を利用する。対照的に、既知の自動注射装置は、典型的には60p.s.i.より低い圧力を用いる。
【0070】
[0099] 自動注射装置および針に補助されるジェット注射装置の両方のある態様において用いられる針は、26~28ゲージであり、ある態様において、およそ27ゲージである。例えばミニ針を含む他の構成要素が、所望の注射をもたらすために協同的に設計されている場合、他の針のゲージが用いられることもできる。ある態様において、注射装置12の構成要素は、1以上の医薬品を皮下注射部位にジェット注射するために設計されていることができる。
【0071】
[00100] およそ室温において、本明細書で針に補助されるジェット注射装置の態様に
おいて記載されたようなゲージ針を有するデバイスにおいて、注射速度は、約0.75mL/秒未満、ある態様において約0.6mL/秒未満、ある態様において少なくとも約0.2mL/秒、ある態様において少なくとも約0.3mL/秒、そしてある態様において少なくとも約0.4mL/秒である。ある態様において、注射速度は、約0.75mL/秒未満、約0.7mL/秒未満、約0.65mL/秒未満、約0.6mL/秒未満、約0.55mL/秒未満、約0.5mL/秒未満、約0.45mL/秒未満、約0.4mL/秒未満、約0.35mL/秒未満、約0.3mL/秒、および約0.25mL/秒未満から選択される。ある態様において、注射速度は、約0.05mL/秒、約0.1mL/秒、約0.15mL/秒、約0.20mL/秒、約0.25mL/秒、約0.30mL/秒、約0.35mL/秒、約0.40mL/秒、約0.45mL/秒、約0.50mL/秒、約0.55mL/秒、約0.60mL/秒、約0.65mL/秒、約0.70mL/秒、約0.75mL/秒、約0.80mL/秒、約0.85mL/秒、約0.90mL/秒、または前記の注射速度から決定することができるあらゆる範囲(例えば、約0.05mL/秒~約1.5mL/秒または約0.70mL/秒~約.75mL/秒)である。針に補助されるジェット注射装置の態様において、注射速度は、少なくとも約0.2mL/秒、少なくとも約0.25mL/秒、少なくとも約0.3mL/秒、少なくとも約0.35
mL/秒、少なくとも約0.4mL/秒、少なくとも約0.45mL/秒、少なくとも約0.5mL/秒、少なくとも約0.55mL/秒、少なくとも約0.6mL/秒、少なくとも約0.65mL/秒、および少なくとも約0.7mL/秒から選択される。
【0072】
[00101] ある態様において、医薬品の全量の注射は、約15秒未満で、ある態様にお
いて約12秒未満で、ある態様において約11.5秒未満で、ある態様において約11.0秒未満で、ある態様において約10.5秒未満で、ある態様において約10.0秒未満で、ある態様において約9.5秒未満で、ある態様において約9.0秒未満で、ある態様において約8.5秒未満で、ある態様において約8.0秒未満で、ある態様において約7.5秒未満で、ある態様において約7.0秒未満で、ある態様において約6.5秒未満で、ある態様において約6.0秒未満で、ある態様において約5.5秒未満で、ある態様において約5.0秒未満で、ある態様において約4.5秒未満で、ある態様において約4秒未満で、ある態様において約3.5秒未満で、ある態様において約3秒未満で、ある態様において約2.5秒未満で、ある態様において約2秒未満で、そしてある態様において約1.5秒未満で完了する。ある態様において、医薬品の注射は、少なくとも約1.0秒、約1.5秒、約2.0秒、約2.5秒、約3.0秒、約3.5秒、約4.0秒、約4.5秒、約5.0秒、約5.5秒、約6.0秒、約6.5秒、約7.0秒、約7.5秒、約8.0秒、約8.5秒、約9.0秒、約9.5秒、約10.0秒、約10.5秒、約11.0秒、約11.5秒、約12.0秒、または前記の時間から決定することができるあらゆる範囲(例えば、約3.0秒~約8秒または約10秒~約12秒)の時間がかかる。
【0073】
[00102] ある態様において、医薬品の注射は、約0.1mL/秒で行われ、1mLの
注射を約10秒で完了する。しかし、他の注射速度が、本明細書で開示された注射装置12の代替の態様に関して可能である。例えば、ある態様において、注射装置12は、針なしジェット注射に関する典型的な流速を送達するように設計されていることができ、それは、約1.5mL/秒であることができ、ある態様において、注射装置12は、自動注射装置に関する典型的な流速を送達するように設計されていることができ、それは、0.3秒間で約0.5mLであることができる。
【0074】
[00103] 注射速度は、例えば医薬品を注射するために用いられる針のゲージ、医薬品
自体の粘度、シリンジの外筒中のプランジャー28の滑る力、注射されるべき医薬品の温度、および注射が施される部屋の温度(温度は粘度に直接的な影響を有し得るため)により影響を受ける可能性がある。様々な態様において、組織抵抗は、本開示の注射装置の態様が達成することができる注射の速度に影響を及ぼさない。様々な側面において、これらのパラメーターは、ある量の注射を所望の方法で送達するために選択および最適化されていることができる。そのような選択および最適化は、当業者により過度の実験操作なしで容易に実施されることができる。
【0075】
[00104] 一態様において、注射装置は、その中に収容されているテストステロン組成
物を加熱し、それにより粘度を低減し、それによりその中に収容されている組成物の注射時間を短縮する能力を有することができる。一態様において、加熱デバイスは、注射装置の必須部分である。一態様において、加熱デバイスは、注射装置の外部にある。一態様において、加熱デバイスは、最適温度を感知する制御装置を有する。一態様において、注射装置は、1個の加熱デバイスを有する。一態様において、注射装置は、1個より多くの加熱デバイスを有する。加熱法および/またはデバイスの限定的でない例は、電気的、化学的、および発熱性の源を含む。
【0076】
[00105] 一態様において、加熱機序は、注射装置内に収容されている医薬品を、室温
より上の温度まで加熱する。一態様において、加熱デバイスは、注射装置内に収容されている医薬品を、室温より約5℃上、または室温(例えば20~25℃)より約10、約1
5、約20、約25、約30、約35、約40、約45、もしくは約50℃上の温度まで加熱する。一態様において、加熱機序は、電気的、化学的または機械的加熱機序である。別の態様において、機序または使用の方法は、デバイスを熱源に対して近位(例えばヒトの腕の下)に配置することを含む。
【0077】
[00106] 一態様において、加熱デバイスまたは機序は、さらに、加熱デバイスが作動
状態である、非作動状態である、および/または所望の温度にあるという少なくとも1つの印(indicia)を含む。一態様において、加熱デバイスは、使用者にデバイスがデバイスからの医薬品の分配に適した温度に達していることを示す1以上の印を有する。一態様において、インジケーターは、視覚的インジケーターである。一態様において、インジケーターは、聴き取れる、または触知できるインジケーターである。
【0078】
[00107] ある態様において、他の方法ではより長い注射時間を必要とするであろう粘
性の医薬品は、針のゲージを変更することにより、なお上記で述べられた速度で対象中に注射されることができる。例えば、ある態様において、26ゲージ針が、本開示の針に補助される注射装置と共に、様々な物質を注射するために利用されることができ、ある態様において、27ゲージ針が、本開示の針に補助される注射装置と共に、様々な物質を注射するために利用されることができ、ある態様において、28ゲージ針が、本開示の針に補助される注射装置と共に、様々な物質を注射するために利用されることができる。前記の態様のそれぞれにおいて、注射の速度は、上記で開示された速度と同じである。従って、注射されるべき医薬品の粘度に従って針のゲージを変更することにより、注射の速度が維持されることができる。ある態様において、27ゲージ針が、本開示の注射装置の1以上の態様と共に、1.0mlの水溶液を空気中に約1.0~約2.0秒間の期間で、ある態様において約1.5~約2.0秒間の期間で、そしてある態様において約1.7秒間で送達するために利用されることができる。ある態様において、27ゲージ針が、本開示の注射装置の1以上の態様と共に、1.0mlの水溶液を組織中に約1.0~約2.0秒間の期間で、ある態様において約1.3~約2.0秒間の期間で、ある態様において約1.5秒間で、そしてある態様において約1.3秒間で送達するために利用されることができる。ある態様において、27ゲージ針が、本開示の注射装置の1以上の態様と共に、水中10%w/wポリエチレングリコール20,000と同等の粘度を有する1.0mlの粘性の溶液を空気中に約1.0~約5.0秒間の期間で、ある態様において約2.5~約5.0秒間の期間で、ある態様において約4.3秒間で、そしてある態様において約4.0秒間で送達するために利用されることができる。ある態様において、27ゲージ針が、本開示の注射装置の1以上の態様と共に、水中20%w/wポリエチレングリコール20,000と同等の粘度を有する1.0mlの粘性の溶液を空気中に約10~約15秒間の期間で、ある態様において約12~約15秒間の期間で、そしてある態様において約14秒間で送達するために利用されることができる。
【0079】
[00108] 力学的粘度に関するcgs物理単位は、ポアズ(P)であり、それはより一
般的にはASTM規格においてセンチポアズ(cP)として表されている。典型的には、20℃における水溶液は、おおよそ1cPの粘度を有する。いくつかの態様において、本開示の注射装置は、1.0の、またはそれに近いcPを有する水溶液に関して0.5ml/秒の27ゲージ針を通した流速または注射の速度をもたらすように設計されることができる。いくつかの態様において、本開示の注射装置は、1.0の、またはそれに近いcPを有する水溶液に関して0.5ml/秒の27ゲージ針を通した皮膚中への流速または注射の速度をもたらすように設計されることができる。
【0080】
[00109] 米国特許第6,391,003号は、26および27ゲージ針を用いたガラ
スカートリッジ中の医薬品にうまくかけられることができる圧力の実験結果を開示している。表2は、針に補助されるジェット注射装置(特にガラスのプレフィルドシリンジを用
いた場合)と共に用いられることができる異なるピーク圧力を有する典型的な注射を説明している:
【0081】
【表2】
【0082】
[00110] 代替の態様は、より高い、またはより低い注射圧力を用いることができる。
例えば、針なし注射装置は、針なしで皮膚を貫通するためにより高い圧力を用いることができ、自動注射装置は、典型的には手動のシリンジ注射を模するためにより低い圧力を用いるであろう。
【0083】
[00111] II.他の注射装置
[00112] 1以上の代替の態様において、本開示は、テストステロンを含む医薬品(例
えば保存料無含有)の予め決定された投与量を分配するための自動注射装置に関し、その自動注射装置は、好ましくはそれがより人間工学的であるように卵形または楕円形の形状であるハウジングを含む。これらの代替の態様において、米国特許第7,449,012号および第7,794,432号は、本明細書に参照によりそのまま援用される。卵形の形状は、自動注射装置が机または平らな表面から転がり出るのを防ぎ、一方で使用者への指示を印刷するためのより大きい表面積を提供する。カートリッジ容器は、ハウジング内に配置されている。カートリッジは、カートリッジ容器内で受けられている。カートリッジは、その中に少なくとも1つの開口部を有し、医薬品を収容する。医薬品は、プランジャーにより後方に閉じ込められている。カートリッジは、それを通して医薬品を分配するための針アセンブリーを含む。カートリッジは、カートリッジ容器内で、保管される位置から作動位置へと進められ、そこで針が、医薬品の用量が投与されることができるようにカートリッジ容器から伸びる。動作アセンブリーまたはパワーパックが、保管されたエネルギー源を提供し、それは、解放されてカートリッジ内のプランジャーを駆動して医薬品を針アセンブリーを通して使用者中に分配し、針を起動の際にアクセス可能にすることができる。
【0084】
[00113] 代替の態様の自動注射装置の別の側面は、ハウジング内で受けられる針カバ
ーの提供である。針カバーは、使用者を自動注射装置の使用後の針への故意ではない曝露から守り、鋭利なものの保護(sharps protection)を提供する。理論上、針カバーの作動は、カバーは針が使用者を突き刺した後まで展開しないであろうため、安全装置である。作動の間、カートリッジの針は、針カバー中の開口部を通して伸びてある用量の医薬品の分配を可能にする。自動注射装置の使用後、針カバーは、カバーが引っ込んで針を露出させるのを防ぐため、ロックされた位置で保持される。代替の態様の別の側面によれば、針カバーは、自動注射装置の起動前にロックされた引っ込んだ位置を有し、従って、使用前のデバイスのコンパクトな形状を維持する。代替の態様の別の側面によれば、自動注射装置と関係する動作力は、針カバーには伝わらない。
【0085】
[00114] 代替の態様の別の側面によれば、自動注射装置は、針カバーを第1ロック位
置で保持する第1ロックアセンブリーを有する。第1ロックアセンブリーは、カートリッジ容器上に配置されることができる。第1ロックアセンブリーは、カートリッジ容器または針カバーに旋回的に(pivotally)接続された少なくとも1個のロック歯(locking tooth)を含むことができる。それぞれのロック歯は、針カバーを解放可能に捕らえており、針カバーまたはカートリッジ容器上の表面と接触するように構成および配置されたロック表面を含む。それぞれのロック歯は、容器またはカバーに接続されている別々の構成要素として形成されることができる。ロック歯は、針カバーまたはカートリッジの必須部分として形成されることができることが、意図されている。ロック歯のばね力は、ロック表面を片寄らせて針カバーと接触させる。ばね力は、ロック歯のばね部分により提供されることができる。ばね力は、ロック表面を片寄らせて針カバーと接触させる別々のばねアセンブリーにより提供されることもできる。それぞれのロック歯は、好ましくはカートリッジ容器に旋回的に接続されている。それぞれのロック歯は、カートリッジ容器内のカートリッジの動きに反応して旋回する。ロック歯は、コレットまたはパワーパックの動きに反応して旋回することができることも、意図されている。典型的には、ロック表面は、ロック歯がカートリッジの動きに反応して旋回する際、針カバーと接触しなくなるように旋回する。カートリッジに対するばね力およびロック歯により及ぼされる力は、カートリッジ内の隔膜の早すぎる破裂および医薬品の早すぎる投与の一切を回避するために、それらが注射操作の間カートリッジの動きを無視できる程度にまたは最小限に妨げるように制御される。
【0086】
[00115] 代替の態様の一側面において、針カバーは、カバーが、第1ロックアセンブ
リーが解放された後に露出した針を覆うようにハウジングから外向きに片寄るように、ばねで片寄る。代替の態様の別の側面によれば、自動注射装置は、針カバーを第2ロック位置で保持する第2ロックアセンブリーを有する。第2ロックアセンブリーは、カートリッジ容器、外側本体またはカバー要素上に配置されることができる。第2ロックアセンブリーは、好ましくはカートリッジ容器に接続された少なくとも1個のロックアームまたはウイングを含むことができる。それぞれのロックアームは、針カバーが第1ロック位置から第2ロック位置へと動く際にロックアームがカートリッジ容器に対して一時的に圧縮され得るように、カートリッジ容器から間隔が空けられている。それぞれのロックアームは、針カバーがロックされた伸びた位置にある際に針カバーを捕らえるためのロック表面を有する。それぞれのロックアームは、太い支柱部分および細い支柱部分を有し、ここで、太い支柱部分は外向きに曲がっており、細い支柱部分は内向きに曲がっている。この構造は、カートリッジ容器への応力を低減するためにロックアームを通常の圧縮されていない状態で維持する。これは、カバー要素の円滑な展開も可能にする。さらに、この配置は、太い支柱部分がゆがんで安定な状態になるであろうことを確実にする。これは、カバー要素が引っ込んだ位置へと後方に動くのを防ぐためのより強いロックを作り出す。細い支柱部分の内向きに曲がった性質は、太い部分が制御された様式でゆがんで安定な状態になることを可能にする。加えて、太い支柱部分の外向きに曲がった形状は、カバー要素の伸びた位置での安全装置的なロックを提供する。細い支柱が壊れた場合、太い支柱部分は、なおカバー要素を捕らえてそれを伸びたロックされた位置で維持するであろう。
【0087】
[00116] 代替の態様のカートリッジ容器は、さらにそれから外向きに伸びている少な
くとも1個の出っ張りを含むことができる。それぞれの出っ張りは、針カバーが伸びた位置にある際に針カバー中の開口部の縁を捕らえて針カバーのカートリッジ容器に関する移動を制限するように構成および配置されている。カートリッジ容器上の出っ張りが開口部の縁を捕らえた際、針カバーの外向きの移動が制限される。第2ロックアセンブリーは、針カバーの内向きの移動を制限する。針カバーおよびカートリッジ容器は、その中に形成された開口部を含む。開口部が自動注射装置の起動前に整列した際、使用者は、ハウジングおよび開口部を通してカートリッジの内容物を見ることができる。ハウジングは、透明
または不透明であることができる。不透明である場合、ハウジングは、医薬品が注射に適しているか否かを決定するために医薬品の色がチェックされることができるように、針カバーおよびカートリッジ容器における開口部と整列することができる開口部を含むことができる。医薬品が変色している場合、使用者は、その医薬品を投与すべきでないことを知るであろう。開口部が自動注射装置の作動後に整列しない場合、使用者は、もはや開口部を通してカートリッジの内容物をみることができず、これは使用者へのその自動注射装置が使用されていることの視覚的な表示を提供する。
【0088】
[00117] 代替の態様の別の側面は、動作アセンブリーまたはパワーパックの構造およ
び配置であり、それは、ハウジング内に開放端に隣接して据え付けられている。解放ピンまたは安全ピンが、解放ピンが適切な位置にある際に自動注射装置の故意ではない動作を防ぐために、動作アセンブリーに取り外し可能に取り付けられている。解放ピン上のピンまたはステム(stem)は、自動注射装置の動作を防ぐために、動作アセンブリー中の開口部内で受けられている。パワーパック中のこの開口部は、開口部が薬物の投与前に使用者に見えにくいように、ハウジングの開放端から間隔が空けられている。この配置は、使用者が自動注射装置の間違った末端を使用者の注射表面に対して向けないように提供されている。パワーパックは、ハウジングの末端から引っ込んでおり、または間隔が空けられており、それは、使用者に、パワーパックを押しても自動注射装置は作動しないであろうという表示を提供する。パワーパックの引っ込んだ性質は、使用者が解放ピンの穴を医薬品を投与するために針が通る開口部と間違えないように、使用者が外側本体上の指示を見ている際にパワーパック中の解放ピンの穴を隠す役目を果たす。解放ピンは、それから伸びている少なくとも1個のタブを含む。タブは、解放ピンの故意ではない取り外しを防ぐために、動作アセンブリー中に形成された相補的な凹所の中に圧縮されてはまっている。タブは、使用者がその解放ピンが取り外されるために引っ張られなければならないことを容易に認識するように、解放ピンの回転も防ぐ。
【0089】
[00118] 代替の態様の動作アセンブリーは、外側本体を含み、それは解放ピンを捕ら
えるように設計されている。外側本体は、ハウジングに接続するように構成されている。内側本体は、外側本体に作動的に結合している。内側本体上の少なくとも1個の保持タブは、内側本体を外側本体に固定する。内側本体は、外側本体に関して制限された動きが可能である。コレットは、内側本体に作動的に結合している。エネルギー源は、内側本体およびコレットに作動的に接続されている。従来のコレットとは異なり、本発明におけるコレットは単一の部品として成型されている。スペーサーまたは他の構成要素は、カートリッジ中のコレットおよびプランジャーの間には提供されていない。この配置は、代替の態様の構造を単純化する。異なる大きさのカートリッジが用いられる、または異なる大きさの医薬品の投与量が投与されるべきである場合に、コレットを変更しさえすればよいように、異なる大きさのコレットが製造され、動作アセンブリー中に取り付けられることができる。
【0090】
[00119] III.医薬品組成物
[00120] 特定の態様において、本発明の医薬品は、テストステロンを含むあらゆる薬
物であることができ、それは、単独で、または本明細書に包含される他の態様および/またはデバイスとの組み合わせで有用であることができる。一態様において、薬物はテストステロンである。
【0091】
[00121] 一態様において、本明細書に包含されるテストステロン配合物は、少なくと
も1種類の保存料、特に医薬的に許容できる保存料、より詳細には筋内、真皮下、および皮下投与の1以上に適した保存料を含む。適切な保存料は、抗微生物剤、ハロゲン化アルコール類、パラベン類、およびフェニル第二水銀塩類を含むが、それらに限定されない。保存料の限定的でない例は、フェノール、メタ-クレゾール、ベンジルアルコール、メチ
ルパラベン、プロピルパラベン、ブチルパラベン、塩化ベンザルコニウム、クロロブタノール、チメロサール、酢酸フェニル第二水銀、ホウ酸フェニル第二水銀、および硝酸フェニル第二水銀を含む。
【0092】
[00122] 一態様において、本明細書に包含されるテストステロン配合物は、保存料を
含まず、または保存料無含有であり、特に上記の保存料を無含有である。一態様において、本明細書に包含される保存料無含有のテストステロン配合物は、エナント酸テストステロンを含む。一態様において、保存料無含有のテストステロン配合物は、医薬的に許容できるキャリヤー中のテストステロンまたはその医薬的に許容できるエステルもしくは塩の単位用量である。一態様において、保存料無含有のテストステロン配合物は、医薬的に許容できるキャリヤー中のテストステロンまたはその医薬的に許容できるエステルもしくは塩の少なくとも2単位用量の倍数である。さらに別の態様において、組成物は、沈殿物(例えばエナント酸テストステロンまたはシピオン酸テストステロンの沈殿物)を無含有であるか、または実質的に無含有である。
【0093】
[00123] 一態様において、テストステロン配合物(例えば保存料無含有)は、少なく
とも1種類の粘性のキャリヤーを含む。さらに別の態様において、テストステロン配合物(例えば保存料無含有)は、油中テストステロンを含む。一態様において、テストステロン配合物(例えば保存料無含有)は、ゴマ油中テストステロンを含む。
【0094】
[00124] 一態様において、本明細書に包含される組成物中のテストステロンは、以下
から選択される量で存在する:約5mg、約10mg、約15、約20mg、約25mg、約30mg、約35mg、約40mg、約45mg、約50mg、約55mg、約60mg、約65mg、約70mg、約75mg、約80mg、約85mg、約90mg、約95mg、約99mg、99mg未満、約100mg、100mg未満、約105mg、約110mg、約115mg、約120mg、約125mg、約130mg、約135mg、約140mg、約145mg、約150mg、約155mg、約160mg、約165mg、約170mg、約175mg、約180mg、約185mg、約190mg、約195mg、約200mg、約205mg、約210mg、約215mg、約220mg、約225mg、約230mg、約235mg、約240mg、約245mg、約250mg、約255mg、約260mg、約265mg、約270mg、約275mg、約280mg、約285mg、約290mg、約295mg、約300mg、約305mg、約310mg、約315mg、約320mg、約325mg、約330mg、約335mg、約340mg、約345mg、約350mg、約355mg、約360mg、約365mg、約370mg、約375mg、約380mg、約385mg、約390mg、約395mg、約400mgの医薬品または前記の投与量から決定することができるあらゆる範囲(例えば、約75mg~約150mgまたは約100mg~約200mg)。別の態様において、テストステロンは、約5mgより大きい量で存在する。
【0095】
[00125] 当業者には理解されるであろうように、本明細書に包含されるテストステロ
ンの量は、取り分け投与の方法および/または投与のために用いられるデバイス、所望のテストステロン濃度等に基づいて、適切な体積の流体(例えば適切なキャリヤーまたは油)内に含有されることができる。一態様において、流体チャンバー22中に収容され、それから注射される医薬品の量は、約0.02mL~約4mL、ある態様において約3mL未満であることができる。他の態様において、流体チャンバー22中に収容され、それから注射される医薬品の量は、約0.02mL、約0.04mL、約0.06mL、約0.08mL、約0.5mL、約1.00mL、約1.02mL、約1.04mL、約1.06mL、約1.08mL、約2.00mL、約2.02mL、約2.04mL、約2.06mL、約2.08mL、約3.00mL、約3.02mL、約3.04mL、約3.06mL、約3.08mL、約4.00mL、約4.02mL、約4.04mL、約4.0
6mL、約4.08mL、約5.00mL、または前記の体積から決定することができるあらゆる範囲(例えば、約0.04mL~約5.00mLまたは約1.04mL~約3.02mL)であることができる。より大きい体積も、利用される個々の医薬品(単数または複数)および必要とされる投与量に応じて選択されることができる。ある態様において、例えば参照図6Aにおいて、所望の量の医薬品を収容するプレフィルドシリンジ18は、注射装置12の残りの部分中に組み立てられる。ある態様において、プレフィルドシリンジ18は、約0.02mL~約4.00mLの医薬品を含有する流体を収容する。ある態様において、プレフィルドシリンジ18は、約0.02mL、約0.04mL、約0.06mL、約0.08mL、約1.00mL、約1.02mL、約1.04mL、約1.06mL、約1.08mL、約2.00mL、約2.02mL、約2.04mL、約2.06mL、約2.08mL、約3.00mL、約3.02mL、約3.04mL、約3.06mL、約3.08mL、約4.00mL、約4.02mL、約4.04mL、約4.06mL、約4.08mL、約5.00mL、または前記の体積から決定することができるあらゆる範囲(例えば、約0.04mL~約5.00mLまたは約1.04mL~約3.02mL)の1以上の医薬品を収容する。
【0096】
[00126] ある態様において、(キャリヤーデバイス、例えばアンプルまたはプレフィ
ルドシリンジ中の)テストステロンの濃度は、約50mg/ml、約75mg/ml、約100mg/ml、約125mg/ml、約150mg/ml、約175mg/ml、約200mg/ml、約225mg/ml、約250mg/ml、または前記の濃度から決定することができるあらゆる範囲(例えば、約50mg/ml~約100mg/mlまたは約75mg/ml~約225mg/ml)であることができる。
【0097】
[00127] 一態様において、テストステロンのエステル形態が用いられる。一態様にお
いて、本明細書に包含されるテストステロン配合物は、エナント酸テストステロンおよび/またはシピオン酸テストステロンを含み、それらは本明細書においてまとめて“テストステロン”と呼ばれる。テストステロン部分を含む代替化合物は、テストステロンの活性代謝産物を含め、用語“テストステロン”の範囲内であることは、理解されている。
【0098】
[00128] 一態様において、本明細書に包含されるテストステロン配合物は、それが、
細いゲージの針、本明細書に包含される、および/または本明細書の他の箇所で詳細に記載された投与の方法および投与のためのデバイスを通して投与されることができるようなものである。細いゲージの針の限定的でない例は、27ゲージ針である。しかし、細いゲージの針の他の例が、本明細書の他の箇所において詳細に記載されている。一態様において、本明細書に包含されるテストステロン配合物は、本明細書に包含されるデバイスとの組み合わせで投与された場合、ある用量が、抵抗を円滑に克服してシリンジの本体または針を通って流れるために十分な力を用いて投与されることができる。医薬品の注射の流速を決定および最適化する方法も、本明細書の他の箇所で詳細に記載されている。
【0099】
[00129] IV.処置の方法
[00130] 本開示は、部分的に、性腺機能低下、低減した不妊、性欲の不足または勃起
機能不全、骨粗鬆症および貧血を処置するための方法、デバイス、および組成物、陰茎の拡大および身長の成長を支援するための方法、ならびに骨髄および食欲を刺激する方法を提供する。
【0100】
[00131] 対象の血流中のテストステロンの濃度は、対象に投与される組成物中のテス
トステロンの量ならびに投与の経路および用いられる特定の配合物に依存するであろう。
[00132] 一態様において、対象は、本明細書に包含される組成物の1回量により処置
される。一態様において、対象は、本明細書に包含される組成物の2以上の用量により処置される。一態様において、対象は、本明細書に包含される組成物の多数回用量により処
置される。一態様において、多数回用量により処置される対象は、少なくとも1日処置される。一態様において、多数回用量により処置される対象は、少なくとも1週間処置される。一態様において、多数回用量により処置される対象は、少なくとも1ヶ月間処置される。ある態様において、患者は、毎週または隔週で1以上のテストステロンの用量を注射される。患者は、好ましくは、腹部または大腿において注射されるが、それに限定されない。
【0101】
[00133] V.薬物動態
[00134] 一態様において、本明細書に包含される対象に投与されるテストステロンを
含む組成物(例えば保存料無含有のテストステロン組成物)は、全身生物学的利用能を含む薬物動態を提供し、それは、同じ用量のテストステロンが前記の対象に針およびシリンジを用いて筋内または皮下投与される場合と実質的に同じ(または類似の)テストステロンの全身生物学的利用能を含む薬物動態を有する。別の態様において、本明細書に包含される性腺機能低下を処置する方法は、対象の皮下、皮内、または筋内組織中に、針に補助されるジェット注射デバイスから、約5mg~約400mgの範囲の用量のテストステロンを含む組成物(例えば保存料無含有)を導入することを含み、ここで、前記の針に補助されるジェット注射デバイスにより投与される前記のテストステロンの薬物動態プロフィールは、前記の対象に針およびシリンジにより筋内または皮下投与される場合の前記のテストステロンの同じ用量の薬物動態プロフィールと実質的に同じである。
【0102】
[00135] 本明細書で用いられる際、測定されたテストステロンに関して得られた、ま
たは計算された値は、総テストステロン、遊離テストステロン、生物学的に利用可能なテストステロン、または血清中テストステロンに関するものであることができる。
【0103】
[00136] 一態様において、本明細書に包含される開示に従って投与されるテストステ
ロンは、同じ用量のテストステロンが針およびシリンジを介して筋内に、皮内に、または皮下に送達される場合と比較して、同じ期間に関してCmaxおよびTmaxを生成することにより、比較可能な例えば生物学的同等性、薬物動態プロフィールを達成する。一態様において、本発明に包含される開示に従って投与されるテストステロンは、同じ用量のテストステロンが針およびシリンジを介して筋内に、皮内に、または皮下に送達される場合と比較して、同じ期間に関してCmaxおよびTmaxを生成することにより得られる薬物動態プロフィールよりも優れた薬物動態プロフィールを達成する。
【0104】
[00137] 一態様において、本明細書で開示された方法に従って対象に投与されるテス
トステロンを含む組成物(例えば保存料無含有の組成物)は、同じ用量のテストステロンが前記の対象に経皮クリーム、ゲルまたはパッチまたは針およびシリンジの1つを用いて筋内、皮内、または皮下投与される場合に高められたテストステロンの全身生物学的利用能を含む薬物動態を提供する。一態様において、本明細書に包含される開示に従ってテストステロンを投与する方法は、対象の皮下、皮内、または筋内組織中に、本明細書に包含される、および本明細書の他の箇所で記載された注射装置デバイスから、約5mg~約400mgの範囲の用量のテストステロンを含む組成物(例えば保存料無含有)を導入することを含み、ここで、注射装置デバイスにより送達されるテストステロンの薬物動態プロフィールは、前記の対象に経皮クリーム、ゲルまたはパッチまたは針およびシリンジの1つにより筋内、皮内、または皮下投与される場合の同じ用量の前記のテストステロンの薬物動態プロフィールと比較して高められている。一態様において、本発明に包含される開示に従ってテストステロンを投与する方法は、対象の皮下、皮内、または筋内組織中に、本明細書に包含される、および本明細書の他の箇所で記載された針に補助されるジェット注射デバイスから、約5mg~約400mgの範囲の用量のテストステロンを含む組成物(例えば保存料無含有)を導入することを含み、ここで、針に補助されるジェット注射デバイスにより送達されるテストステロンの薬物動態プロフィールは、針およびシリンジに
より筋内、皮内、または皮下投与された場合の参考文献にリストされた薬物と生物学的に同等である。別の態様において、針に補助されるジェット注射デバイスにより送達されるテストステロンの生物学的に同等な薬物動態プロフィールは、針およびシリンジにより筋内、皮内、または皮下投与された場合の参考文献にリストされた薬物と比較して高められている。
【0105】
[00138] 本開示の5mg~400mg用量の態様において、薬物動態プロフィールは
、投与されるテストステロンの用量における増大により、テストステロン曝露における線形の増大を提供する。一態様において、薬物動態プロフィールは、テストステロン曝露(AUCおよび/またはCmax)における用量に比例する増加を提供する。別の態様において、薬物動態プロフィールは、AUC(ngh/ml)の値がデカルト平面において対応する用量の値に対してプロットされた際に、テストステロンのAUC(ngh/ml)およびテストステロンの用量の間の線形または非線形の関係を提供する。別の態様において、薬物動態プロフィールは、Cmax値がデカルト平面において対応する用量の値に対してプロットされた際に、テストステロンのCmaxおよびテストステロンの用量の間の線形または非線形の関係を提供する。テストステロンおよび針に補助されるジェット注射装置に関する薬物動態情報は、同時係属仮出願一連番号61/621298においても見付けられ、その内容は、参照により本明細書にそのまま援用される。
【0106】
[00139] 従って、本発明の一態様は、処置を必要とする対象において性腺機能低下を
処置する方法を提供し、前記の方法は、テストステロンを必要とする患者の皮下または筋内組織中に、針に補助されるジェット注射デバイスから、約5mg~約400mgの範囲の用量のテストステロンを含む組成物(例えば保存料無含有)を導入することを含み、ここで、前記の方法は、それによりテストステロン曝露がテストステロンの用量強度(またはレベル)における増大に比例して線形に増大する薬物動態プロフィールを提供する。一態様において、薬物動態プロフィールは、投与されるテストステロンの用量強度(またはレベル)における増大に比例して線形に増大するAUCを提供する。別の態様において、薬物動態プロフィールは、投与されるテストステロンの用量レベルにおける増大に比例して線形に増大するCmaxを提供する。
【0107】
[00140] 比較目的のため、Androgel 1%(NDA No.021015)
、Androgel 1.62%(NDA No.022309)、Testim(NDA No.021454)およびAxiron(NDA No.022504)の商業的に入手可能なテストステロンならびに関係する薬物療法ガイドおよび添付文書ラベルが、用いられることができ、前記のそれぞれの添付文書ラベルは、参照により本明細書にそのまま援用される。
【0108】
[00141] A.テストステロンの有効な血漿レベル
[00142] 一態様において、テストステロンを投与する方法は、単位用量のテストステ
ロンまたはその医薬的に許容できるエステルもしくは塩を医薬的に許容できるキャリヤー中に含む組成物(例えば保存料無含有)を哺乳類に皮下投与することを含み、ここで、投与後に、テストステロンの血漿レベルは、ある期間の間療法上有効レベルで維持される。一態様において、Z1期間は、テストステロンの血漿レベルが療法上有効レベルで維持される期間である。
【0109】
[00143] 別の態様において、本明細書に包含される組成物は、本明細書に包含される
方法およびデバイスに従って投与された場合、テストステロンの血漿レベルを療法上有効レベルで維持し、それは投与後約1分の時点で開始し、投与後約1ヶ月の時点で終了する。そのような態様において、本明細書に包含される組成物は、本明細書に包含される方法およびデバイスに従って投与された場合、テストステロンの血漿レベルを療法上有効レベ
ルで維持し、それは投与後約2分の時点で、または投与後約3分、約4分、約5分、約10分、約20分、約30分、約45分、約60分、約2時間、約3時間、約4時間、約5時間、約6時間、約7時間、約8時間、約9時間、約10時間、約11時間、もしくは約12時間、投与後約1ヶ月までの時点で開始する。一態様において、本明細書に包含される組成物は、本明細書に包含される方法およびデバイスに従って投与された場合、テストステロンの血漿レベルを療法上有効レベルで維持し、それは投与後約1分の時点で開始し、投与後約25日、投与後約20日、投与後約15日、投与後約14日、投与後約13日、投与後約12日、投与後約11日、投与後約10日、投与後約9日、投与後約8日、投与後約7日、投与後約6日、投与後約5日、投与後約4日、投与後約3日、投与後約2日、投与後約1日、または投与後約0.5日の時点で終了する。
【0110】
[00144] 一態様において、第1用量は、第1プロフィールを有し、その後の用量(第
1用量と同じでも異なっていてもよい)は、異なるプロフィールを与える。その後の投与の患者の応答、用量、用量体積およびタイミングに応じて、患者の薬物動態プロフィールは、図20において示されている1回量のプロフィールにより示されるように、本発明の使用により個々の患者の必要性を満たすようにカスタマイズされることができる。ある態様において、本発明は、処方された投与サイクル(例えば2週間、3週間、4週間、5週間、6週間、2ヶ月間、5ヶ月間、1年間、またはより長い期間の間週1回投与)の間、および/またはそれにわたってテストステロンの療法レベルを維持するために用いられることができる。
【0111】
[00145] 一態様において、テストステロンを投与する方法は、単位用量のテストステ
ロンまたはその医薬的に許容できるエステルもしくは塩を医薬的に許容できるキャリヤー中に含む組成物(例えば保存料無含有)を哺乳類に皮下投与することを含み、ここで、投与後に、テストステロンの血漿レベルは、期間“Z1”の間、約300ng/ml~約1100ng/mlで維持される。
【0112】
[00146] 一態様において、本明細書に包含される組成物は、本明細書に包含される方
法およびデバイスに従って投与された場合、テストステロンの血漿レベルを、例えば約300ng/ml~約1100ng/mlの血漿レベルで維持し、それは投与後約1分の時点で開始し、投与後約1ヶ月の時点で終了する。さらに別の態様において、本明細書に包含される組成物は、本明細書に包含される方法およびデバイスに従って投与された場合、テストステロンの血漿レベルを、例えば約300ng/ml~約1100ng/mlで維持し、それは投与後約2分、または約3分、約4分、約5分、約10分、約20分、約30分、約45分、約60分、約2時間、約3時間、約4時間、約5時間、約6時間、約7時間、約8時間、約9時間、約10時間、約11時間の時点で開始し、または投与後約12時間、投与後約1ヶ月までの時点で開始する。ある態様において、本明細書に包含される組成物は、本明細書に包含される方法およびデバイスに従って投与された場合、テストステロンの血漿レベルを、例えば約300ng/ml~約1100ng/mlで維持し、それは投与後約1分の時点で開始し、投与後約25日、投与後約20日、投与後約15日、投与後約14日、投与後約13日、投与後約12日、投与後約11日、投与後約10日、投与後約9日、投与後約8日、投与後約7日、投与後約6日、投与後約5日、投与後約4日、投与後約3日、投与後約2日、投与後約1日の時点で終了し、または投与後約0.5日の時点で終了する。
【0113】
[00147] 一態様において、テストステロンの血漿レベルは、約300ng/ml~約
1100ng/ml、約350ng/ml~約1050ng/ml、約400ng/ml~約1000ng/ml、約450ng/ml~約950ng/ml、約500ng/ml~約900ng/ml、約550ng/ml~約850ng/ml、約600ng/ml~約800ng/ml、約650ng/ml~約750ng/ml、および約675n
g/ml~約725ng/mlからなる群から選択される値で維持される。一態様において、テストステロンの血漿レベルは、約300ng/ml、約350ng/ml、約400ng/ml、約450ng/ml、約500ng/ml、約550ng/ml、約600ng/ml、約650ng/ml、約700ng/ml、約750ng/ml、約800ng/ml、約850ng/ml、約900ng/ml、約950ng/ml、約1000ng/ml、約1050ng/ml、および約1100ng/mlからなる群から選択される値で維持される。一態様において、テストステロンの血漿レベルは、少なくとも約300ng/ml、少なくとも約350ng/ml、少なくとも約400ng/ml、少なくとも約450ng/ml、少なくとも約500ng/ml、少なくとも約550ng/ml、少なくとも約600ng/ml、少なくとも約650ng/ml、少なくとも約700ng/ml、少なくとも約750ng/ml、少なくとも約800ng/ml、少なくとも約850ng/ml、少なくとも約900ng/ml、少なくとも約950ng/ml、少なくとも約1000ng/ml、少なくとも約1050ng/ml、および少なくとも約1100ng/mlからなる群から選択される値で維持される。一態様において、テストステロンの血漿レベルは、約300ng/ml以下、約350ng/ml以下、約400ng/ml以下、約450ng/ml以下、約500ng/ml以下、約550ng/ml以下、約600ng/ml以下、約650ng/ml以下、約700ng/ml以下、約750ng/ml以下、約800ng/ml以下、約850ng/ml以下、約900ng/ml以下、約950ng/ml以下、約1000ng/ml以下、約1050ng/ml以下、および約1100ng/ml以下からなる群から選択される値で維持される。
【0114】
[00148] ある態様において、テストステロンのレベルは、図12において図説されて
いるように維持される。ある態様において、図12において図説されているように維持されるテストステロンのレベルは、哺乳類におけるものである。ある態様において、図12において図説されているように維持されるテストステロンのレベルは、哺乳類の血清中におけるものである。ある態様において、哺乳類はヒトである。
【0115】
[00149] B.血漿テストステロンの高められたレベルにおける、または有効レベル内
での維持
[00150] 別の態様において、それを必要とする哺乳類において高められたテストステ
ロンの血漿レベルを維持するための方法が、本明細書において提供される。特定の態様において、これは、皮下用量からの血漿レベルを延長された期間の間療法レベル(例えば、約400ng/ml、約500ng/ml、約600ng/ml、約700ng/ml、約800ng/ml、約900ng/ml)で、またはその上で維持することを伴う。ある態様において、そのレベルは、同じ体積および濃度の筋内用量よりも長い期間の間維持される。一態様において、その方法は、単位用量のテストステロンまたはその医薬的に許容できるエステルもしくは塩を医薬的に許容できるキャリヤー中に含む組成物(例えば保存料無含有)を哺乳類に皮下投与することを含み、ここで、投与後に、テストステロンの血漿レベルは、ある期間の間約1800ng/mlまでの高められたレベルで維持される。一態様において、テストステロンの血漿レベルが高められたレベルで維持される期間は、“Z2期間”と呼ばれる。
【0116】
[00151] ある態様において、テストステロンの血漿レベルは、約300ng/ml~
約1800ng/ml、約400ng/ml~約1800ng/ml、約500ng/ml~約1800ng/ml、約600ng/ml~約1800ng/ml、約700ng/ml~約1800ng/ml、約800ng/ml~約1800ng/ml、約900ng/ml~約1800ng/ml、約1000ng/ml~約1800ng/ml、約300ng/ml~約1100ng/ml、約400ng/ml~約1100ng/ml、約500ng/ml~約1100ng/ml、約600ng/ml~約1100ng/
ml、約700ng/ml~約1100ng/ml、約800ng/ml~約1100ng/ml、約300ng/ml~約1800ng/ml、約300ng/ml~約1700ng/ml、約300ng/ml~約1600ng/ml、約300ng/ml~約1500ng/ml、約300ng/ml~約1400ng/ml、約300ng/ml~約1300ng/ml、約300ng/ml~約1200ng/ml、約300ng/ml~約1100ng/ml、約300ng/ml~約1000ng/ml、約300ng/ml~約900ng/ml、約300ng/ml~約800ng/ml、約300ng/ml~約700ng/ml、約300ng/ml~約600ng/ml、約300ng/ml~約500ng/ml、または約300ng/ml~約400ng/mlからなる群から選択される高められた値で維持される。
【0117】
[00152] 特定の態様において、テストステロンの血漿レベルは、処置計画の過程の間
、主に400~1100ng/ml、より典型的には400~900ng/mlで維持される。特定の態様において、約400~約1000ng/mlの値における血漿レベルは、特に処置計画の間のテストステロンレベルの定常状態維持に関して、“療法上有効”であると考えられる。
【0118】
[00153] 一態様において、本明細書に包含される組成物は、本発明に包含される方法
およびデバイスに従って投与された場合、テストステロンの血漿レベルを高められたレベルで維持し、それは投与後約1分の時点で開始し、投与後約1ヶ月の時点で終了する。一態様において、本明細書に包含される組成物は、本発明に包含される方法およびデバイスに従って投与された場合、テストステロンの血漿レベルを高められたレベルで維持し、それは投与後約2分の時点で、または投与後約3分、約4分、約5分、約10分、約20分、約30分、約45分、約60分、約2時間、約3時間、約4時間、約5時間、約6時間、約7時間、約8時間、約9時間、約10時間、約11時間、もしくは約12時間、投与後約1ヶ月までの時点で開始する。一態様において、本明細書に包含される組成物は、本発明に包含される方法およびデバイスに従って投与された場合、テストステロンの血漿レベルを高められたレベルで維持し、それは投与後約1分の時点で開始し、投与後約25日、投与後約20日、投与後約15日、投与後約14日、投与後約13日、投与後約12日、投与後約11日、投与後約10日、投与後約9日、投与後約8日、投与後約7日、投与後約6日、投与後約5日、投与後約4日、投与後約3日、投与後約2日、投与後約1日、または投与後約0.5日の時点で終了する。
【0119】
[00154] C.ピーク血漿濃度
[00155] 別の態様において、それを必要とする哺乳類においてテストステロンのピー
ク血漿レベルを得るための方法が、本明細書において提供される。一態様において、本明細書に包含される組成物およびデバイスを用いてテストステロンのピーク血漿濃度を得て、その後テストステロンの血漿濃度がある期間の間療法上有効レベルまで低下する方法が、本明細書において提供される。別の態様において、本明細書に包含される組成物およびデバイスを用いてテストステロンのピーク血漿濃度を得て、その後テストステロンの血漿濃度がある期間の間高められたレベルまで低下する方法が、本明細書において提供される。
【0120】
[00156] ある態様において、テストステロンのピークレベルは、約400ng/ml
~2400ng/ml、500ng/ml~2400ng/ml、600ng/ml~2400ng/ml、700ng/ml~2400ng/ml、800ng/ml~2400ng/ml、900ng/ml~2400ng/ml、1000ng/ml~2400ng/ml、1100ng/ml~2400ng/ml、1200ng/ml~2400ng/ml、1300ng/ml~2400ng/ml、1400ng/ml~2400ng/ml、1500ng/ml~2400ng/ml、1600ng/ml~2400
ng/ml、1700ng/ml~2400ng/ml、1800ng/ml~2400ng/ml、1900ng/ml~2400ng/ml、2000ng/ml~2400ng/ml、2100ng/ml~2400ng/ml、2200ng/ml~2400ng/ml、または約2300ng/ml~2400ng/mlの範囲である。
【0121】
[00157] 別の態様において、本明細書に包含される組成物およびデバイスを用いてテ
ストステロンのピーク血漿濃度を得て、その後テストステロンの血漿濃度がある期間の間ピークより低いレベルまで低下し、そのピークより低いレベルが、約300ng/ml~約1800ng/ml、約400ng/ml~約1800ng/ml、約500ng/ml~約1800ng/ml、約600ng/ml~約1800ng/ml、約700ng/ml~約1800ng/ml、約800ng/ml~約1800ng/ml、約900ng/ml~約1800ng/ml、約1000ng/ml~約1800ng/ml、約300ng/ml~約1100ng/ml、約400ng/ml~約1100ng/ml、約500ng/ml~約1100ng/ml、約600ng/ml~約1100ng/ml、約700ng/ml~約1100ng/ml、約800ng/ml~約1100ng/ml、約300ng/ml~約1800ng/ml、約300ng/ml~約1700ng/ml、約300ng/ml~約1600ng/ml、約300ng/ml~約1500ng/ml、約300ng/ml~約1400ng/ml、約300ng/ml~約1300ng/ml、約300ng/ml~約1200ng/ml、約300ng/ml~約1100ng/ml、約300ng/ml~約1000ng/ml、約300ng/ml~約900ng/ml、約300ng/ml~約800ng/ml、約300ng/ml~約700ng/ml、約300ng/ml~約600ng/ml、約300ng/ml~約500ng/ml、または約300ng/ml~約400ng/mlから選択される方法が、本明細書において提供される。
【0122】
[00158] 一態様において、本明細書に包含される組成物およびデバイスを用いてテス
トステロンのピーク血漿濃度を得て、ここでテストステロンのピーク血漿濃度が約48時間、約36時間、約24時間、約18時間、約12時間、約11時間、約10時間、約9時間、約8時間、約7時間、約6時間、約5時間、約4時間、約3時間、約2時間、約1時間、または約0.5時間で達成される方法が、本明細書において提供される。一態様において、テストステロンのピーク血漿濃度は、48時間未満、36時間未満、24時間未満、18時間未満、12時間未満、11時間未満、10時間未満、9時間未満、8時間未満、7時間未満、6時間未満、5時間未満、4時間未満、3時間未満、2時間未満、1時間、または0.5時間未満で達成される。
【0123】
[00159] D.有効レベル未満への比較的用量低下後のテストステロンの有効レベルの
維持
[00160] 一態様において、驚くべきことに、本明細書に包含されるテストステロン組
成物の投与は、同じ対象に経皮クリーム、ゲルまたはパッチまたは針およびシリンジの1つにより筋内、皮内、または皮下投与された場合のテストステロンの同等の用量よりも長い期間の間療法上有効レベルで維持されるテストステロンの血漿レベルを提供する。一態様において、注射後の時点において、本明細書に包含されるテストステロン組成物(例えば保存料無含有)は、同じ対象に経皮クリーム、ゲルまたはパッチまたは針およびシリンジによる筋内注射により同じ期間をかけて投与された同等のテストステロンが維持するであろうよりも高いテストステロンの血漿濃度を維持する。
【0124】
[00161] 図、特に図12を参照して、一態様において、テストステロンを投与する方
法は、単位用量のテストステロンを医薬的に許容できるキャリヤー中に含む組成物を哺乳類に皮下投与することを含み、ここで、投与後に、テストステロンの血漿レベルは、期間“Z2”の間約700ng/ml~約1800ng/mlで維持され、ここで、テストス
テロンの血漿レベルはまた、期間“Z3”の間約300ng/ml~約1100ng/mlで維持され、それは、同等の筋内投与された用量の血漿レベルが投与後の同じ時点における皮下投与された用量の血漿レベル未満に低下した後の時間である。
【0125】
[00162] 一態様において、同等の筋内投与された用量の血漿レベルは、投与後約1日
の時点で、投与後約2日の時点で、投与後約3日の時点で、投与後約4日の時点で、投与後約5日の時点で、投与後約6日の時点で、投与後約7日の時点で、投与後約8日の時点で、投与後約9日の時点で、投与後約10日の時点で、投与後約11日の時点で、投与後約12日の時点で、投与後約13日の時点で、または投与後約14日の時点で、皮下投与された用量の血漿レベル未満まで低下する。
【0126】
[00163] 一態様において、図12を参照して、投与後に、テストステロンの血漿レベ
ルは、Z2期間の間、約700ng/ml~約1800ng/ml、約750ng/ml~約1750ng/ml、約800ng/ml~約1700ng/ml、約850ng/ml~約1650ng/ml、約900ng/ml~約1600ng/ml、約950ng/ml~約1550ng/ml、約1000ng/ml~約1500ng/ml、約1050ng/ml~約1450ng/ml、約1100ng/ml~約1400ng/ml、約1150ng/ml~約1350ng/ml、および約1200ng/ml~約1300ng/mlから選択されるレベルで、またはその間で維持される。
【0127】
[00164] 一態様において、投与後に、テストステロンの血漿レベルは、Z2期間の間
、約700ng/ml、約750ng/ml、約800ng/ml、約850ng/ml、約900ng/ml、約950ng/ml、約1000ng/ml、約1050ng/ml、約1100ng/ml、約1150ng/ml、約1200ng/ml、約1250ng/ml、約1300ng/ml、約1350ng/ml、約1400ng/ml、約1450ng/ml、約1500ng/ml、約1550ng/ml、約1600ng/ml、約1650ng/ml、約1700ng/ml、約1750ng/ml、および約1800ng/mlからなる群から選択されるレベルで維持される。
【0128】
[00165] 一態様において、Z2期間は、少なくとも1時間、少なくとも2時間、少な
くとも3時間、少なくとも4時間、少なくとも5時間、少なくとも6時間、少なくとも12時間、少なくとも18時間、少なくとも24時間、少なくとも36時間、少なくとも48時間、または少なくとも72時間である。
【0129】
[00166] 一態様において、テストステロンの血漿レベルは、同じ時点において同等の
筋内投与された用量により投与されたテストステロンに関する血漿レベルより上でZ3期間の間維持される。別の態様において、テストステロンの血漿レベルは、テストステロンの療法レベルより上でZ3期間の間維持される。
【0130】
[00167] さらに別の態様において、そして図12を参照して、投与後に、テストステ
ロンの血漿レベルは、同等の筋内投与された用量の血漿レベルが皮下投与された用量の投与後の同じ時点における血漿レベル未満に低下した後に、Z3期間の間、約300ng/ml~約1100ng/ml、約350ng/ml~約1050ng/ml、約400ng/ml~約1000ng/ml、約450ng/ml~約950ng/ml、約500ng/ml~約900ng/ml、約550ng/ml~約850ng/ml、約600ng/ml~約800ng/ml、約650ng/ml~約750ng/ml、約675ng/ml~約725ng/mlおよび約300ng/mlより上の濃度からなる群から選択される値で維持される。
【0131】
[00168] 一態様において、投与後に、テストステロンの血漿レベルは、同等の筋内投
与された用量の血漿レベルが皮下投与された用量の投与後の同じ時点における血漿レベル未満に低下した後に、Z3期間の間、約300ng/ml、約350ng/ml、約400ng/ml、約450ng/ml、約500ng/ml、約550ng/ml、約600ng/ml、約650ng/ml、約700ng/ml、約750ng/ml、約800ng/ml、約850ng/ml、約900ng/ml、約950ng/ml、約1000ng/ml、約1050ng/ml、および約1100ng/mlからなる群から選択される値で維持される。
【0132】
[00169] ある態様において、Z3期間は、少なくとも1時間、少なくとも2時間、少
なくとも3時間、少なくとも4時間、少なくとも5時間、少なくとも6時間、少なくとも12時間、少なくとも18時間、少なくとも24時間、少なくとも36時間、少なくとも48時間、または少なくとも72時間である。
【0133】
[00170] E.多数回処置にわたる有効レベルの維持
[00171] 多数回処置は、本明細書に包含される組成物、デバイス、および方法の組み
合わせに従うテストステロン(例えば保存料無含有)の2以上の用量の投与を含むことができる。一態様において、Z3期間におけるテストステロンの血漿レベルは、療法上有効レベル(例えば、300ng/mlにおける、もしくはそれより上の、または約400ng/mlにおける、もしくはそれより上の、または本明細書で上記で記載された他の可能性のある値の定常状態)で維持される。一態様において、Z3期間におけるテストステロンの血漿レベルは、第2用量が投与される間、療法上有効レベルにおいて、またはそれより上で維持される。一態様において、Z3期間におけるテストステロンの血漿レベルは、第2用量が投与されるまで、療法上有効レベルより上で維持される。一態様において、Z3期間におけるテストステロンの血漿レベルは、高められたレベルで維持される。一態様において、Z3期間におけるテストステロンの血漿レベルは、第2用量が投与されるまで300ng/ml~700ng/ml、300ng/ml~1100ng/ml、300ng/ml~1800ng/ml、700ng/ml~1100ng/ml、700ng/ml~1800ng/ml、または1100ng/ml~1800ng/ml、および/または約300ng/mlより上のレベルで維持され、その後、テストステロンの血中レベルは、おそらく十分に理解されている薬物動態に従って再度増大するであろう。
【0134】
[00172] 一態様において、本明細書で記載された方法に従う継続処置は、結果として
、維持可能な定常状態またはプラトー型のプロフィールをもたらし、ここで、その後の所定の投与により引き起こされるテストステロンの血漿濃度におけるバリエーションはほとんどない。より詳細には、所与の時間間隔(例えば1週間)にわたって観察される平均血中濃度は、より早い用量後の先行する時間間隔(例えば毎週の投与の間の1週間)の間に測定される血中濃度と比較して実質的に増大も低下もしない。より詳細には、本明細書で記載される投与法に従うことにより、定常状態に達した際に、テストステロンの血漿濃度は、用量の濃度を増大させる、用量の濃度を低下させる、または処置を止める必要なしに、本明細書で記載された狭い範囲内で維持されることができる。ある態様において、一度定常状態に達したら、その後の用量(単数または複数)の投与後に得られるピーク血漿濃度は、直前の用量(例えば週1回の投与の間の前の週)の間に観察されるピーク血漿濃度よりも5%、10%、20%、または30%高い濃度未満である。ある態様において、テストステロンのピーク血漿濃度は、直前の投与期間の間に観察されたピーク血漿濃度より低い可能性がある。ある態様において、一度定常状態に達したら、その後の用量(単数または複数)の投与後に得られる平均血漿濃度は、図21および図23において示されているように、直前の用量(例えば週1回の投与の間の前の週)の間に観察される平均血漿濃度よりも+または-約5%、約10%、約20%、または約30%未満である。さらに、時間の経過にわたる総テストステロンレベルも、図22において図説されているように、低減した変動の下にある。
【0135】
[00173] あるそのような態様において、定常状態は、3週間の投与計画において、ま
たはその後に達せられることができ、ここで、ある用量がその時間枠の間週1回与えられる。あるそのような態様において、定常状態は、4週間の毎週の投与において、またはその後に達せられることができる。あるそのような態様において、定常状態は、5週間の時点で、またはその後に達せられることができる。あるそのような態様において、定常状態は、6週間の時点で、またはその後に達せられることができる。他の態様において、定常状態は、所与の回数の用量の後に達せられることができる。ある態様において、定常状態は、3用量において、またはその後に達せられることができる。ある態様において、定常状態は、4用量後に達せられることができる。ある態様において、定常状態は、5用量において、またはその後に達せられることができる。ある態様において、定常状態は、6用量において、またはその後に達せられることができる。典型的には、その用量は、定常状態に達した後、規則的な間隔で継続される。ある態様において、定常状態に達した後に対象に投与される用量は、定常状態に達する前に投与される用量(単数または複数)と同じ用量または異なる用量である。
【0136】
[00174] 多数回投与後(例えば4~6週間の毎週の投与後)に定常状態で維持されて
いる定常状態の療法的血中レベルは、約800ng/dl~約1100ng/dl、約500ng/dl~約800ng/dl、または約350ng/dl~約500ng/dlであることができる。他の態様において、血漿レベルは、図23において示されているように、本明細書で記載されたレベルのいずれかに従う範囲において、またはその中で維持されることができる。
【0137】
[00175] 本発明の方法は、薬物(例えばテストステロン)の正確かつ反復可能な投与
を可能にする。ある態様において、本発明は、従来のIM処置によっては達成されることができないであろう患者を用量設定する方法を可能にする。特に、本発明に関して、所与の皮下用量からの観察された血漿濃度の実質的に低減した変動性を考慮すると、テストステロンの所望の血漿濃度を提供するためにより大きい数の投与濃度が利用可能である。従って、本明細書で記載された方法に従って、患者は、類似の、または同じ所望のテストステロンの血漿濃度を提供する筋内用量よりも濃度が低い1回、2回、または3回以上の皮下用量のいずれかに用量設定されることができる。さらに、本発明に関して、本明細書で記載された皮下の方法および組成物を含め、図21において図説されているように、1ヶ月あたり1~2回のスケジュールで(例えば筋内)投与されたテストステロンのより高い用量により見られるピーク・トラフ変動と比較して弱められたピーク・トラフ変動が提供される。
【0138】
[00176] 一態様において、本明細書に包含されるテストステロン組成物の投与は、注
射直後に、テストステロンの血漿レベルがある期間の間テストステロンの血漿療法的レベルより上であるが、対象に対して毒性であるほど高くはないような刺激作用を提供する。一態様において、血漿テストステロンの刺激レベルは、テストステロンの血漿レベルを測定することにより検出されることができる。別の態様において、テストステロンの刺激レベルは、血漿テストステロンレベルに関する代用物、例えば(それに限定されないが)テストステロンが投与された対象の1以上の内分泌学プロフィールを測定することにより検出されることができる。一態様において、内分泌学マーカーは、赤血球増殖および/またはホルモン機能を示す他のマーカーを含むが、それらに限定されない。
【0139】
[00177] F.刺激作用
[00178] 別の態様において、本明細書に包含されるテストステロン組成物の投与は、
注射直後に、テストステロンの血漿レベルがある期間の間テストステロンの血漿療法的レベルより上であるが、対象に対して毒性であるほど高くはないような刺激作用を提供する
。テストステロンの血漿レベルが刺激レベルから下がった後、テストステロンの血漿レベルは、本明細書で論じられた療法上有効レベル内である。一態様において、本明細書に包含されるテストステロン組成物の投与は、注射直後に、テストステロンの血漿レベルがある期間の間テストステロンの血漿療法的レベルより上であるが、対象に対して毒性であるほど高くはないような最小限の刺激作用を提供し、その後、テストステロンの血漿レベルは、本明細書で論じられた療法上有効レベル内である。一態様において、本明細書に包含されるテストステロン組成物の投与は、注射直後に刺激作用を提供せず、テストステロンの血漿レベルは、本明細書で論じられた療法上有効レベルで維持される。
【0140】
[00179] 一態様において、本発明の方法に従って対象に投与されたテストステロンは
、全身生物学的利用能を含む薬物動態を提供し、それは、同じ用量のテストステロンが前記の対象に針およびシリンジを用いて筋内または皮下投与された場合の、減少したテストステロンの全身生物学的利用能を含む薬物動態を有する。
【0141】
[00180]
【実施例0142】
[00181] 実施例1:粘性流体組成物の注射。
[00182] ラッカセイ油および10%ベンジルアルコールおよびテストステロンベース
の有効医薬成分を含む配合物が、調製された。この配合物は、1000cpsの粘度を有していた。Antares Pharmaにより作製されたMJ-7針なし注射デバイスが、0.5mlの配合物を投与するために用いられた。その研究は、ラッカセイ油-10%ベンジルアルコール溶液の針なし注射を達成するために、以下のデバイスパワーおよび針なしシリンジの開口部設定を用いた。
【0143】
[00183] 筋内注射を達成するために、注射デバイスは、100lbsのばね力を有す
るばねにより動力を供給され、直径0.36mm(0.014”)の開口部を有する針なしシリンジを備えていた。
【0144】
[00184] 皮下注射を達成するために、注射デバイスは、85lbsのばね力を有する
ばねにより動力を供給され、直径0.28mm(0.011”)の開口部を有する針なしシリンジを備えていた。
【0145】
[00185] 結果は以下の通りであった:
[00186]
【0146】
【表3】
【0147】
【表4】
【0148】
[00187] 一態様において、ミニ針デバイスが針なし注射デバイスの代わりに用いられ
る場合、針の内腔は、針なしデバイスの開口部と同じ等級(order)におけるであろうことは、理解されるであろう。
【0149】
[00188] 実施例2:様々なテストステロン配合物および送達の方法に関するCavg
およびCmaxの比較
[00189]
【0150】
【表5】
【0151】
[00190]
【0152】
【表6】
【0153】
[00191] 実施例3:去勢されたミニブタにおける注射によるテストステロンの薬物動
態研究
[00192] この研究の目的は、去勢されたミニブタに注射により投与された際の、1日
目および15日目におけるテストステロンの薬物動態(10mmの注射深度を有するAntares QS自動注射装置デバイス)を評価することであった。
【0154】
[00193] 試験システムは、ユカタン系統のミニブタを含んでいた。去勢されたオスの
ミニブタを、Sinclair Research Center,Inc.、メイン州ウィンダムから得た。ミニブタは、15~20週齢であり、投与の開始における標的体重は、20~25kgであった。ユカタンのミニブタは、それが規制当局による前臨床毒性試験に関する好ましい非げっ歯類の種であるため、この研究に関する動物モデルとして選ばれた。収容およびケアは、USDA動物福祉法(9CFR、第1、2、および3部)において明記されている通り、そして国家研究会議からの実験動物の管理と使用に関する指針において記載されている通りであった。動物は、ブタ用の囲い/檻に個々に収容された。
【0155】
[00194] 実験は、以下のように設計された:
【0156】
【表7】
【0157】
[00195] 動物の注射のために用いられた試験物は、以下のものを含んでいた:試験物
1、プレフィルドシリンジにおいて100mg/mlのエナント酸テストステロン;試験物2、プレフィルドシリンジにおいて200mg/mlのエナント酸テストステロン;試験物3、バイアルにおいて100mg/mlのエナント酸テストステロン;そして試験物4、バイアルにおいて200mg/mlのエナント酸テストステロン。
【0158】
[00196] 1日目に、投与物質を、予め装填されたAntares QS自動注射装置
デバイスにより送達した(例えば参照により援用される同時係属出願一連番号61/763,395を参照)。15日目に、投与物質を、針およびシリンジにより送達した。試験物1および2を、1日目に、適切な動物に、ミニ針自動注射装置を用いた注射により、肩甲骨領域中に、試験部位1に投与した。第1用量の前に、試験部位の明確な可視化を可能にするために、動物の背面領域を、小さい動物用バリカンにより毛がなくなるように刈り、その後必要に応じた頻度で刈った。刈る手順の間、皮膚の擦過を避けるように注意した。注射部位(おおよそ2cm×2cm)を、消えないマーカーで輪郭を描き、その後必要に応じて再度目印を付けた(remarked)。試験物3および4を、15日目に、適切な動物に、27ゲージ×1インチ針を有する1mLシリンジを用いた筋内注射により、後肢の近位部分中に、おおよそ3/4インチの深さまで、試験部位2に投与した。第1用量の前に、試験部位の明確な可視化を可能にするために、動物の近位後肢を、小さい動物用バリカンにより毛がなくなるように刈り、その後必要に応じた頻度で刈った。刈る手順の間、皮膚の擦過を避けるように注意した。注射部位(おおよそ2cm×2cm)を、消えないマーカーで輪郭を描き、その後必要に応じて再度目印を付けた。全ての22日目の研究観察および生物分析試料採取の後、動物(代替のオスのブタを含む)を、この研究の探索的試験相に割り当てた。第1用量の前に、試験部位の明確な可視化を可能にするために、動物の背面領域を、小さい動物用バリカンにより毛がなくなるように刈り、その後必要に応じた頻度で刈った。QS自動注射装置デバイスを用いて、0.5mL用量の色素を注射により未処置の肩甲骨領域中に送達した。後肢の未処置の近位部分に、0.5mL用量の色素を、27ゲージ×1インチの針およびシリンジを用いた筋内注射により注射した
。注射部位(おおよそ2cm×2cm)を、消えないマーカーで輪郭を描いた。用量の投与後、動物(代替の動物を含む)に安楽死を施し、実験を行った。最初の投与の日を、試験1日目として示した。
【0159】
[00197] 注射可能な曝露経路が、これは意図されるヒトの曝露経路であるため、選択
された。10mmの注射深度が、この研究の一部として調べられた。100mgおよび200mgの用量レベルが、毒物動態学的目的に関する自動注射装置ならびに針およびシリンジを介した筋内投与経路の比較を提供するために決定された。筋内経路が、この経路は巨視的観察に基づいて結果として注射後に皮下投与よりも少ない物質の喪失をもたらしたため、さらなる調査のために選択された。100mgより少ない用量は、必要な循環濃度を提供しなかった可能性があり、一方で200mgより多い用量は必要とされなかった。用量レベルおよび毎週の投与計画は、以下の供給された参考文献“Daily Testosterone and Gonadotropin Levels Are Similar in Azoospermic and Nonazoospermic Normal Men Administered Weekly Testosterone: Implications for Male contraceptive Development”Journal of Andrology Vol. 22, No. 6 November/December 2001に基づいた。
【0160】
[00198] それぞれの動物の注射部位を、ランダム化の日および1日目から22日目ま
で毎日(投与の日において投与のおおよそ1および4時間後に、そして投与しない日において1日1回)観察した。紅斑、浮腫、およびあらゆる他の追加の有害な発見に関して、注射部位に注意を払った。
【0161】
[00199] 大静脈の静脈穿刺により血液を採取した。試料を以下の表に従って採取した
【0162】
【表8】
【0163】
[00200] 大静脈の静脈穿刺により血液を採取した。試料を以下の表に従って採取した
:試料を室温で少なくとも30分間凝固させた後、遠心分離した。
[00201] 試料を周囲温度において1800×gで遠心分離した。結果として得られた
血清を、分析のためにそれぞれおおよそ0.5mLの3つの分割量(aliquots)に分けた。1つの分割量は、テストステロンおよびDHT分析のために指定され、1つの分割量は性ホルモン結合グロブリン(SHBG)の分析のために指定され、そして1つの分割量は総血清アルブミンの決定のために指定された。血清試料を、独特のラベルを貼ったポリプロピレンチューブ中に移し、-70℃を維持するように設定された冷凍庫中で凍結させて保管した。分析されるべき試料を、ドライアイス上で一夜、分析のための生物分析実験室へと輸送した。
【0164】
[00202] 1セットの血清試料を、検証された分析手順を用いて総テストステロンの濃
度に関して分析した。性ホルモン結合グロブリン(SHBG)および血清アルブミンのために採取された試料は、この時点では分析されないであろう。DHTは、この研究に関しては分析されなかった。テストステロン分析は、Charles River Study 20027106の下で検証された方法を用いてLCMSにより実施された。データ収集を、MDS SciexからのAnalystを用いて実施した。回帰分析を含む統計分析、ならびに算術平均および標準偏差、正確度および精確度を含む記述統計を、ワトソン研究所情報管理システム(LIMS)およびMicrosoft Excelを用いて実施した。
【0165】
[00203] 毒物動態学的パラメーターを、ワトソン研究所情報管理システム(LIMS
)およびMicrosoft Excelを用いて推定した。皮下および筋内投与経路と一致するノンコンパートメントアプローチを、パラメーターの推定のために用いた。個々の、および平均PKパラメーターが報告され、それはCmax、Tmax、およびAUC0-lastを含んでいた。データが許容した場合、それぞれの濃度対時間曲線の最終消失相の傾きを、対数線形回帰により決定し、以下の追加のパラメーターも推定した:AUC0-inf、最終消失半減期。全てのパラメーターは、別途記載しない限り、1日目および15日目からの血清中のテストステロン(総)濃度から生成された。パラメーターを、それぞれの用量の投与の開始と比較した試料採取時間を用いて推定した。
【0166】
[00204] 図13~19は、部分的に、自動注射装置または伝統的な針およびシリンジ
の方法のどちらかにより送達された様々なエナント酸テストステロン濃度に関する、実施例3において記載された研究の結果を図説している。
【0167】
[00205] 研究の過程の間に死亡した動物はいなかった。試験の間に試験物に関連する
臨床徴候は存在しなかった。瘡蓋、赤くなった領域、または機械的損傷の散発性の発生が、研究の間に気付かれた。これらは、動物が檻に対してこすりつけたことまたは動物がスリング中にいた際に投与手順の間に刺激された領域と関係する背景的発見であると考えられた。1匹の動物は、15日目の投与の間にもがいているのが気付かれた;しかし、これは用量投与に影響を及ぼすようではなかった。
【0168】
[00206] 一度デバイスまたは針が取り外されると、少量のそれぞれの試験部位におい
て注射された物質が、注射部位から漏れた。漏れの量は、部位および動物にわたって比較可能であった。加えて、発赤が、試験部位にわたって注射後に注射部位において気付かれた。研究期間の間に気付かれた追加の皮膚の変化はなかった。
【0169】
研究の間に、試験物に関連する体重への作用は生じなかった。全ての動物は、研究の間にそれらの開始時の体重からの体重における増加を示した。ゴマ油中の色素の注射を用いた試験の結果は、結果としてQS自動注射装置デバイスからある用量を与えられた全ての動物における皮下送達の検証をもたらした。針およびシリンジでの投与による従来の投与は、結果として、筋肉中に暗い領域を有する皮下送達を有した1匹の動物を除いて、色素の筋内送達をもたらした。
【0170】
[00207] 実施例4
[00208] 20人の成人(31~69歳)(2回のスクリーニング訪問において300
ng/dL未満のテストステロン、文書で裏付けられた臨床症状を有する)に、健康管理専門職により投与される50mg(n=10)または100mg(n=10)のJTを、診療所において6週間の間毎週与えた。平均ベースラインテストステロンは、50mg群中の患者に関して301ng/dLおよび100mg群中の患者に関して214ng/dLであった。1周目において、両方の用量は、投与の24時間後に正常な平均総テストス
テロン濃度(50mg群において433ng/dL[範囲197~821ng/dL]および100mg群において545ng/dL[範囲388~833ng/dL])をもたらした。投与前および投与後のテストステロンレベルは、連続する用量により上昇し、5週目にプラトーに達した。6週目に、投与の24時間後の平均テストステロンは、50mg群において421ng/dL(範囲263~640)および100mg群において1042ng/dL(範囲526~1420)であった。50mg群において、テストステロンのCminは一般に変化しなかった。100mg群において、テストステロンのCminは5週を通して増大した。6週目における定常状態のCavg[0~168h]テストステロンレベルは、100mg群において、50mg群に対してより高かった(927対420ng/dL;2.21倍高い)。50mg群では、6週目において、Cmaxは624ng/dL(範囲388~825ng/dL)であり、Tmaxは46.2hであり;Cminは286ng/dL(範囲211~372ng/dL)であった。100mg用量では、6週目において、Cmaxは1427ng/dL(範囲662~2120ng/dL)であり、テストステロンの最大は33.9hであり;Cminは584ng/dL(範囲236~860ng/dL)であった。6週目における平均AUC(0~168h)は、50および100mg用量に関してそれぞれ704.96および1556.94ng*h/mlであった。血清中エストラジオールおよびジヒドロテストステロンは、テストステロンレベルと比例して上昇した。針に補助されるジェット注射は、患者あたり3~4秒かかり、一貫して正確な用量を提供し、月ごとに1~2回のスケジュールで投与されたテストステロンのより高い用量で見られるピーク・トラフ変動と比較して弱められたピーク・トラフ変動を有するテストステロンの定常生理学的Cavg[0~168h]レベルを急速に回復させ、維持した。これは、IMテストステロンにより観察された処置に関連する気分動揺の回避において臨床的に重要である可能性がある。これらのPKデータは、JTが、自己投与の選択肢によるテストステロン置換(replacement)を毎週送達する間の二次曝露と関係するリスクを低下させる毎日の局所テストステロンへの代替案に相当する可能性があることを示唆している。
【0171】
[00209] 本明細書におけるそれぞれおよび全ての参考文献は、参照によりそのまま援
用される。米国特許第8,021,335号、第7,776,015号、および第6,391,003号ならびにPCT出願公開WO 2010/108116の開示全体も、それへの参照によりあたかも本明細書において完全に述べられたかのように本明細書に援用される。
【0172】
[00210] 上記の典型的な態様に対してその広い発明概念から逸脱することなく変更が
なされることができるであろうことは、当業者には理解されるであろう。従って、本発明は、記載された典型的な態様に限定されるのではなく、それは特許請求の範囲により定義される本発明の精神および範囲内の修正をカバーすることが意図されていることは、理解されている。例えば、典型的な態様の特定の特徴は、特許請求される発明の一部であってもそうでなくてもよく、開示される態様の特徴は、組み合わせられることができる。
【0173】
[00211] 本発明の図および記載の少なくとも一部は、本発明の明確な理解のために関
連している要素に焦点を合わせるように単純化されており、一方で明確さの目的のために、やはり本発明の一部を含み得ることを当業者が理解しているであろう他の要素を排除していることは、理解されるべきである。しかし、そのような要素は当該技術で周知であるため、そしてそれらは必ずしも本発明のよりよい理解を促進しないため、そのような要素の記載は、本明細書では提供されていない。
【0174】
[00212] さらに、方法が本明細書で述べられた工程の特定の順序に頼らない限り、工
程の特定の順序は、特許請求の範囲への制限として解釈されるべきではない。本発明の方法に向けられた特許請求の範囲は、記載された順序でのそれらの工程の性能に限定される
べきではなく、当業者は、工程は変更されることができ、なお本発明の精神および範囲内に留まることを容易に理解することができる。
【符号の説明】
【0175】
12 注入装置
14 外部ハウジング要素
14a 嵌合部
14b 嵌合部
15 穴またはスロット
16 スリーブ
18 予め充填された注射器
20 容器部分
22 流体チャンバー22
24 針
26 先端
28 プランジャー
32 針ハブ
33 ショック吸収デバイス
35 シリンジフランジ
36 シリンジ本体
51 内腔部分
52 圧縮ばね
54 内部ハウジング
56 トリガー突起
58 陥凹
60 ラム
64 ラッチハウジング
65 隆起
66 針ガード
67 一対の放射状に伸びているフランジ
68 ラッチ部分
70 ロックリング
71 上アーム
72 ばね
73 下アーム
74 軸開口部
77 フランジ
80 安全要素
82 脚
84 本体部分
86 タブ
92 近位ノッチ
93 遠位ノッチ
94 上側表面
95 スロット
96 穴
110 キャップ
112 一対の突起
114 遠位に向いている隆起
116 上縁
118 縁
130 注射の間の最終圧力
132 注射装置12の一態様が発射される時点
134 注射の完了の時点
136 注射の間の初期かつピーク圧力
200 医薬品
202 ジェットノズル
204 ジェット出口
図1
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B
図6C
図6D
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
【手続補正書】
【提出日】2023-02-20
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所望の血漿濃度を得る最低のテストステロンの用量に用量設定する方法であって、テストステロンの複数の用量の皮下投与後、所望のテストステロンの血漿濃度を提供する2以上の用量から、同じ所望のテストステロンの血漿濃度を提供する筋内用量と比較して、最低の用量を選択することを含む、前記方法。
【請求項2】
最低用量が、50mg~100mg、50mg~75mg、または75mg~100mgである、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
皮下投与される用量の濃度が、100mg/ml、150mg/ml、または200mg/mlである、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
最低用量が、50mg~100mgである、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
テストステロンの用量が、所定の期間にわたって週1回投与される、請求項1~4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
一度所望の血漿濃度に達したら、その後の用量の投与後に得られる平均血漿濃度が、直前の週のあいだに得られる平均血漿濃度より30%未満高いかまたは低い、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
皮下投与される用量が、所望の血漿濃度に達した後も継続される、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
所望の血漿濃度に達した後に皮下投与される用量が、所望の血漿濃度に達する前に皮下投与される用量と同じかまたは異なる、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
所望の血漿濃度にて維持される所望の治療的血中レベルが、約800ng/dl~約1100ng/dlである、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
所望の血漿濃度にて維持される所望の治療的血中レベルが、約500ng/dl~約800ng/dlである、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
所望の血漿濃度にて維持される所望の治療的血中レベルが、約350ng/dl~約500ng/dlである、請求項1に記載の方法。
【外国語明細書】