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特開2023-52613重力を運動エネルギーに転換するシステム及び方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023052613
(43)【公開日】2023-04-11
(54)【発明の名称】重力を運動エネルギーに転換するシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
   F03G 3/00 20060101AFI20230404BHJP
【FI】
F03G3/00 A
【審査請求】有
【請求項の数】19
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023009270
(22)【出願日】2023-01-25
(62)【分割の表示】P 2021099677の分割
【原出願日】2011-12-23
(31)【優先権主張番号】3952/CHE/2010
(32)【優先日】2010-12-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IN
(71)【出願人】
【識別番号】513157730
【氏名又は名称】ジー パワー プランツ ディーエムシーシー
【氏名又は名称原語表記】G POWER PLANTS DMCC
(74)【代理人】
【識別番号】110000800
【氏名又は名称】弁理士法人創成国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】キュライシャイ,シャフィ
(57)【要約】      (修正有)
【課題】効率的に重力を利用し、また重力によって行われた仕事を他のエネルギーの形態、特に電気エネルギーに転換すること。
【解決手段】重力方向あるいは重力方向と反対に、落下した対象物を元の位置に持ち上げ、周期を繰り返すために、2つの質量の正味の質量差のみが入力パワー機構によって機能させられるように、一方で、重い質量の対象物の自由落下を可能にさせることにより、重力によって行われる仕事を最大化し、他方で、他の同様の質量によって重い質量をつり合わせることにより効率を最大化する装置、システム、及び方法を提供する。複数のユニットはタンデムに同期して使用され、高出力発電機14に接続するギア/フライホイール/シャフトの一定のRPMを維持する。さらに、システムの効率を向上させる補助エネルギー生成機構が開示される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
重力を介して生成された運動エネルギーを電気エネルギーに転換するシステムであって、
直列に配置され、タンデム同期可能な複数のパワー生成ユニットを備え、
前記複数のパワー生成ユニットの各ユニットは、メインギアと、メインウエイトヘッド部と前記メインウエイトヘッド部から下方に延在し、かつ、縦軸と前記縦軸に沿った側壁を有する垂直シャフトとを含むメインウエイトと、自身の上部から自身の下部までの前記メインウエイトヘッド部の落下方向に沿った落下運動において前記メインウエイトヘッド部が通過可能な大きさに形成された、中空の垂直チャネルと、を含み、
前記メインウエイトの落下中に、前記垂直シャフトの下降運動によって、前記垂直シャフトの前記側壁が前記メインギアと係合し、かつ、前記メインギアが前記落下方向と垂直な回転軸に従って回転し、
前記複数のパワー生成ユニットの各ユニットは、前記メインウエイトよりも重いカウンタウエイトを含み、前記カウンタウエイトはカウンタウエイトヘッド部を含み、前記カウンタウエイトヘッド部は、1又は複数の接続部材の第1端部に結合され、前記メインウエイトヘッド部は、前記1又は複数の接続部材の第2端部に結合され、
前記複数のパワー生成ユニットの各ユニットは、前記1又は複数の接続部材を受けることにより、前記メインウエイトヘッド部及びカウンタウエイトヘッド部が自身の反対側から吊り下げられるプーリーアセンブリを含み、
前記1又は複数の接続部材は、少なくとも前記メインウエイトヘッド部及び前記カウンタウエイトヘッド部の一方が前記下部に位置し、前記メインウエイトヘッド部及び前記カウンタウエイトヘッド部の他方が前記上部に位置する場合に前記メインウエイト及び前記カウンタウエイトの間の緊張した接続を可能にする寸法に形成され、
リフト手段は、外部動力源から動力が供給され、前記複数のパワー生成ユニットの各ユニットの前記メインウエイト及び前記カウンタウエイトを前記上部に保持し、また、作動することにより前記メインウエイトヘッド部の前記上部から前記下部への前記落下方向に沿った下降運動を誘発し、
前記1又は複数の接続部材が緊張した接続状態でない場合は、前記メインウエイトヘッド部の前記下降運動は対応する前記カウンタウエイトの上昇運動とは独立であり、前記1又は複数の接続部材が緊張した接続状態である場合は、前記メインウエイトの上昇運動は前記カウンタウエイトの下降運動に直接的に関連し、
前記複数のパワー生成ユニットの各ユニットは、前記複数のパワー生成ユニットの各ユニットの前記メインギアに接続作動可能、かつ、前記メインウエイトヘッド部の前記下降運動及び前記メインギアの回転に応じて回転可能な水平シャフトを含む発電機とを含み、
前記水平シャフトの回転は、前記発電機の電気生成を駆動し、
前記複数のパワー生成ユニットの各ユニットは、前記外部動力源から動力が供給され、前記複数のパワー生成ユニットの各ユニットの前記垂直シャフトの下部の付近にて、前記メインウエイト及び前記カウンタウエイトの位置をセンシングするように前記下部に配置された複数のセンサを含み、
単一のユニット内において、前記下部において前記メインウエイト及び前記カウンタウエイトの一方の前記複数のセンサの検出に基づいて前記カウンタウエイトの運動に関係するメインウエイトの運動が同期されるとともに、前記単一のユニット内において、前記複数のセンサは、前記メインウエイトがその下降運動に沿って下部に到達したことを検知した場合には、前記単一のユニット内における前記カウンタウエイトの前記上部から前記下部への落下が可能となるように信号を前記リフト手段に送信し、前記カウンタウエイトが前記単一のユニット内の前記メインウエイトを前記リフト手段によって保持される前記メインウエイトの前記上部に再設定し、
前記複数のセンサは、さらに、次のユニットの前記メインウエイトが前記下部の付近に位置していることを前記複数のセンサが検出した場合に、前記複数のパワー生成ユニットのうちの第1ユニットの前記メインウエイトを前記上部から前記下部まで落下させることにより、前記第1ユニットの前記メインウエイトの運動を前記第1ユニットと直列に配列された前記複数のパワー生成ユニットの前記次のユニットの前記メインウエイトの運動に関して同期させ、
前記複数のパワー生成ユニットの最後のユニットの前記メインウエイトが前記下部に一度到達すると、前記複数のセンサは前記パワー生成ユニットの前記最後のユニットの前記メインウエイトを検出し、前記リフト手段に信号を送信することで前記第1ユニットの前記メインウエイトを再び落下させて、最初の繰り返しを完了し、次の繰り返しを開始し、
各前記繰り返しの完了前に、前記カウンタウエイトが前記下部の付近に位置することを前記複数のセンサが検知したとき、前記リフト手段は、前記複数のセンサから受け取った信号に基づいて前記複数のパワー生成ユニットの各ユニットの前記カウンタウエイトを前記下部から前記上部までタンデム同期で持ち上げるように作動し、前記1又は複数の接続部材が緊張した接続状態でない場合は、次の前記繰り返しの開始前に、少なくとも前記第1ユニットの前記カウンタウエイトを前記上部まで持ち上げて、前記上部にロックされ、
前記複数のパワー生成ユニットから生成されたエネルギーは、前記システムの作動の維持と前記複数のセンサ及び前記リフト手段の作動のために、前記外部動力源から与えられる動力の補助に使用されるシステム。
【請求項2】
請求項1記載のシステムであって、
前記上部及び前記下部は自由落下の高さを規定し、前記メインウエイトヘッド部から延在している前記垂直シャフトは前記自由落下の高さと等しい又は前記高さより大きい長さを有することを特徴とするシステム。
【請求項3】
請求項2記載のシステムであって、
前記垂直シャフトは、前記メインウエイトの自由落下の間常に、前記メインギアと係合して回転させることを特徴とするシステム。
【請求項4】
請求項3記載のシステムであって、
前記垂直シャフトの側壁はシャフト歯を備え
前記シャフト歯と前記メインギアは、前記メインウエイトヘッド部が前記上部と前記下部との間で落下するとき、前記自由落下方向に垂直な回転軸に従って前記メインギアを回転させるように互いに係合作動可能であることを特徴とするシステム。
【請求項5】
請求項1記載のシステムであって、
各ユニットは前記下部近傍に前記メインウエイトヘッド部の動作を減速及び停止する減速停止部をさらに備えることを特徴とするシステム。
【請求項6】
請求項5記載のシステムであって、
前記減速停止部は、エアーチャンバ、エアプッシャー、スプリング、ブレーキ、電磁石、及びカウンタウエイトの中の少なくとも1つを備えることを特徴とするシステム。
【請求項7】
請求項5記載のシステムであって、
前記減速停止部は、前記下部近傍に位置付けられていることを特徴とするシステム。
【請求項8】
請求項1記載のシステムであって、
前記垂直チャネルは、前記垂直チャネル内部に、前記上部と前記下部との間で、前記メインウエイトヘッド部をスライドさせられるように構成されたガイドレール及びローラを備えることを特徴とするシステム。
【請求項9】
請求項1記載のシステムであって、
前記水平シャフトは、前記メインギアの回転軸に沿って延在し、そして、前記垂直シャフトが前記メインウエイトの前記落下の間に下方に移動して、前記メインギアと係合して回転するとき、回転方向に回転可能に構成され、
前記メインギアは、前記垂直シャフトが上方に移動する間、前記メインギアと係合するとき、前記回転方向と反対の方向に前記水平シャフトが回転することを防止するように構成されることを特徴とするシステム。
【請求項10】
請求項1記載のシステムであって、
各ユニットは、前記メインウエイトが前記上部から前記下部に落下するときに前記垂直シャフトを通過させるように構成され、かつ、前記落下運動方向に従って前記垂直チャネルの下に位置付けられる地下中空チューブをさらに備えることを特徴とするシステム。
【請求項11】
請求項1~10のいずれか一項に記載のシステムであって、
少なくとも3つのユニットを含む前記複数のパワー生成ユニットは、直列に配置され、かつ、前記複数のパワー生成ユニットのうちの少なくとも1つのユニットが常に前記メインギアと係合し回転させるために動作中であるように、前記メインギアの連続回転を維持するタンデム同期を作動可能であることを特徴とするシステム。
【請求項12】
請求項1~11のいずれか一項に記載のシステムであって、
前記カウンタウエイトは前記上部で静止保持され、前記1又は複数の接続部材が緊張した接続状態である場合、前記カウンタウエイトは、前記メインウエイトの落下の間、前記下部近傍において前記メインウエイトを減速するために、前記メインウエイトとつり合って連携するように構成されていることを特徴とするシステム。
【請求項13】
請求項12記載のシステムであって、
前記プーリーアセンブリ及び前記1又は複数の接続部材は、前記メインウエイトと前記
カウンタウエイトとの間でつり合って連携することを提供するように構成されていること
を特徴とするシステム。
【請求項14】
請求項1記載のシステムであって、
各ユニットは、上下運動中の前記カウンタウエイトヘッド部を受けてガイドする大きさに形成され、かつ、中空の第2垂直チャネルをさらに備えることを特徴とするシステム。
【請求項15】
請求項1記載のシステムであって、
前記外部動力源は、前記プーリーアセンブリにパワーを提供するように構成されるモーターを備えることを特徴とするシステム。
【請求項16】
請求項1記載のシステムであって、
前記複数のセンサは、磁気センサ、光ビーム/レーザセンサ、パッシブ型赤外線センサ、ノックセンサ、圧力センサ、近接センサ、電気センサの中の少なくとも1つであることを特徴とするシステム。
【請求項17】
重力エネルギーによって引き起こされた運動エネルギーを用いて電気を生成する方法であって、
前記方法は、直列に配列され、タンデム同期可能な複数のパワー生成ユニットを備えるシステムを提供するステップを含み、
前記複数のパワー生成ユニットの各ユニットは、メインウエイトヘッド部と、前記メインウエイトヘッド部から下方に延在する垂直シャフトとを有するメインウエイトと、カウンタヘッド部を有し、前記メインウエイトよりも重いカウンタウエイトとを備え、
前記方法は、前記カウンタウエイトと前記メインウエイトとを1又は複数の接続部材で結合するステップを含み、
前記カウンタウエイトヘッド部は、前記1又は複数の接続部材の第1端部に結合され、 前記メインウエイトヘッド部は、前記1又は複数の接続部材の第2端部に結合され、前記1又は複数の接続部材は、プーリーアセンブリによって保持されることにより、前記メインウエイトヘッド部と前記カウンタヘッド部が前記プーリーアセンブリの反対側から吊り下げられ、且つ、少なくとも前記メインウエイト及び前記カウンタウエイトの一方が下部位置に位置し、前記メインウエイト及び前記カウンタウエイトの他方が上部位置に位置している場合に、前記1又は複数の接続部材が前記メインウエイトと前記カウンタウエイトとの間の緊張した接続を可能にする寸法に形成され、
前記方法は、前記パワー生成ユニットを繰り返し作動させるステップを含み、
各繰り返しは、
a)外部動力源により作動されるリフト手段を用いて各ユニットの前記メインウエイトヘッド部及び前記カウンタウエイトを前記上部位置に保持し、
b)前記複数のパワー生成ユニットの第1ユニットの前記メインウエイトを、前記メインウエイトの下降運動が対応する前記カウンタウエイトの上昇運動と独立となるように、前記上部位置から前記下部位置まで落下方向に従って落下させ、
c)前記メインウエイトが前記上部位置から前記下部位置まで落ちるときに、前記下部位置に近接するメインギアを前記第1ユニットの前記垂直シャフトにより起動し、前記メインウエイトの落下中に、前記垂直シャフトの下降運動が、前記垂直シャフトと前記メインギアとを係合させ、かつ、前記メインギアを前記落下方向と垂直な回転軸に従って回転させ、
d)前記メインギアと水平シャフトの係合により発電機の前記水平シャフトを回転させて電気を生成し、
e)前記下部位置に配置された複数のセンサを用いて、前記メインウエイトが下部位置に到達したときに前記メインウエイトを検出し、かつ、前記リフト手段に信号を送信することにより、前記第1ユニットの前記カウンタウエイトを前記上部位置から前記下部位置まで落下させ、前記カウンタウエイトの当該落下により、前記リフト手段により前記メインウエイトが保持される前記上部位置まで前記メインウエイトを再設定し、
f)直列に配置された前記複数のパワー生成ユニットの次のユニットに対し、b)からe)までを繰り返し、前記複数のセンサが、さらに、前記第1ユニットと直列に配置された前記複数のパワー生成ユニットの前記次のユニットの前記メインウエイトの運動に関係して前記複数のパワー生成ユニットの前記第1ユニットの前記メインウエイトの同期運動をさせることにより前記複数のセンサが前記下部位置の付近の前記第1ユニットの前記メインウエイトを検出した場合に、前記次のユニットの前記メインウエイトが前記上部位置から前記下部位置まで落下可能となり、前記複数のパワー生成ユニットの最後のユニットの前記メインウエイトが前記下部位置に一度到達すると、前記複数のセンサを用いて前記メインウエイトを検出し、前記リフト手段に信号を送信することで前記第1ユニットの前記メインウエイトを再び落下させて、最初の繰り返しを完了し、次の繰り返しを開始し、 g)前記繰り返しの完了前に、前記リフト手段を用いて前記複数のパワー生成ユニットの各ユニットの前記カウンタウエイトをタンデム同期で持ち上げ、前記次の繰り返しの開始前に、少なくとも前記第1ユニットの前記カウンタウエイトが前記上部位置まで持ち上げられて、前記上部位置にロックされ、
h)前記複数のセンサ及び前記リフト手段の作動と前記システムの作動の維持との前記外部動力源の使用を補うために前記電気を用いる
方法。
【請求項18】
請求項17記載の方法において、
前記上部位置と前記下部位置との間にその内部を前記メインウエイトヘッド部が通行可能な大きさに形成された中空の垂直チャネルを提供するステップと、
前記垂直チャネル内をスライドさせることにより、前記上部位置から前記下部位置までの前記メインウエイトの落下をガイドするステップとを含む方法。
【請求項19】
請求項17記載の方法において、
減速停止部を用いることにより、前記下部位置近傍で前記メインウエイトヘッド部の運動を減速及び停止させるステップとを含む方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、重力を利用する技術分野、並びに、重力によって行われる仕事を、他のエネルギー及び/又は仕事の形態に変換することに関する。より詳細には、本発明は、資源経済、最小限の汚染、及び外観を重視して、単独で又は他の(再生可能又は非再生可能)エネルギーの形態と組み合わせて重力を利用することによって電気エネルギーを発生させることに関する。
【背景技術】
【0002】
産業革命は根本的に、人間生活のほとんどすべての面に影響を及ぼし、洗練と前進を求めて人の依存性が変化しただけでなく、飛躍的に増加した。今日、人間によって作成された機械は、人間の生活-家庭、ビジネス、輸送、農業生産、食品加工、戦争、経済-に影響を及ぼし、そして、人間の将来の質に影響を及ぼす。すべての機械が入力を処理するための動力(エネルギー)を必要とし、動力需要もまた飛躍的に増加し、今日、十分な動力発生能力が国際経済及び政治の領域における国家の地位を決定するキーファクタの一つである。最近の数十年間以前は、焦点は、動力需要を満たすために、従来の非再生可能資源(石炭、石油、及び天然ガス等の化石燃料と、後には、放射性ウラン由来の原子力及び特定の帯水層の形態)であった。しかし、今日、発電所、及び、加熱-冷却-料理-燃焼の業務は、安定した気候を維持するために許容できるよりも多くの温室効果ガスを発生している。国際的な気象科学コミュニティは、炭酸ガス放出を徹底的に削減することを、人類に注意喚起している。さらに、現在、最大のオイル及びガスの製造量に近づきつつあり、公知の世界的供給総量の半分が既に使用されており、着実にその価格は増加傾向にあり、また、「精炭(clean coal)」、「地球にやさしいバイオマス」、「安全な原子力」及び決まり文句のような他のものは単に思い込みと思われる。エネルギーの未来のために国際的な科学コミュニティによって引用された、数少ない残された選択は、「再生可能エネルギー(Renewables)」-水力電力、地熱、バイオマス、太陽熱、太陽発電、風、潮、波、海洋-熱-勾配、そして、真空(ゼロ-ポイント)エネルギー、低温の非放射性の核反応(常温核融合(cold fusion))、及び高度な水素水化学等の新規かつ斬新なテクノロジーである。
【0003】
既存の再生不可能なエネルギー、及び再生可能なエネルギーの生成テクノロジーと、地球規模のエネルギーへのそれらの寄与は、略、次の通りである;再生不可能なエネルギー(93%)-1.石油燃料の燃焼(39%)、2.天然ガスの燃焼(24%)、3.石炭及びその誘導体の燃焼(24%)、4.石油、天然ガス又は石炭から生じた水素の燃焼、5.高放射能である、ウランとプルトニウムの核分裂原子炉(5%)、6.高温核融合:再生可能エネルギー(7%)-7.風力発電システム(0.2%)、8.太陽熱利用及び発電システム(0.1%)、9.地熱利用及び地熱発電システム(0.4%)、10.バイオ燃料(エタノール及びバイオディーゼル)(1%)、11.バイオマス燃焼(ほとんど木材チップ)(2%)、12.燃料電池、13.廃棄物のバイオガスへの嫌気性消化、14.従来の水力発電機(3%)。
【0004】
大部分が未利用のままである他の再生可能資源は重力であり、重力はクリーンで、無料で、どこにでもある。重力を使用するいくつかの実験及び発明は、発電部門に関する文献の一部を形成する。しかしながら、多くの発明者によって得られたある共通のアプローチは、重力を使用して自立運転する機械を作製し、発電することである。しかし、それは、理論的に実施可能に思われるかもしれないが、特に、他の機械/アプリケーションを実行するために利用可能な程度に実質的な電力量を生産するという意味では実施されていない。これは主として、所定の(自立運転)機械上の重力によって行われた仕事が自立運転するのに十分ではなく、従って発電の可能性が非現実的であるということに起因する。例えば、特許文献1(a gravity power generation mechanism)は、単一方向スイングアームが発電ユニットを周回すると、発電ユニットの連続回転運動を推進して維持する(意図的に片側の外側に延びるアームに起因する)大きな正のトルクを生むように、片側だけで外側に延びる、一連の単一方向スイングアームの作動によって発電ユニットを実行することを提案する。
【0005】
しかしながら、この点は、倒れた多くのアームが反対側で収集され、外側に延びる少数のアームによって作られる正のトルクを相殺するので、実際には真実ではない。特許文献2では、請求された装置は、ロープとプーリーによって吊り下げられた落下対象物に与える重力を利用し、フライホイールを回転させて回転運動エネルギーを蓄え、順に(落下した)対象物を上方にリフトすることを提案する。そして、交互に起きるウエイトの上下運動のサイクルを使用してダイナモのシャフトを回転し、電気を生成することが請求されている。この点はかさねて、システム中の幾つかのエネルギーが常に(伝達期間も含む)損失することを示す第2の熱力学の法則と矛盾するので、効率的な発電のための継続維持できるデザインではなく、従って、機械は自身が使用するよりもより多くのエネルギーを作ることができず、あるいは機械を無制限に稼働させ続けるための十分なエネルギーを作ることができない。
【0006】
従って、機械によって行われる追加の仕事、特に重力を使用する仕事を維持するために、外部の力が使用されることは不可欠である。従って、特許文献3では、高い位置の貯水池(water reservoir)が水の重力で下方に流れる複数のコンテナを満たし、「制御され
た」重力によって影響を受けた動きが発電機を駆動する一方、下に到達した後、コンテナは空になり、特別な動力源を有する機構により元に戻される。特許文献4においても、同様の概念が用いられ、高い位置の槽から水又は他の流体が制御された下方への経路に沿って重力の影響下で動き、そして、別の階の槽に注がれる補助タンクにフィードされることを特徴とする。動きを誘導するこのような下方重力が利用され、ギアを用いて発電機のシャフトを回転する。補助タンクにより放出された水は、特別な動力源を有するポンプによって高い位置のタンクに送り込まれる。しかしながら、このようなシステムでは、下方動作が、「制御」されて自由落下ではないので、負荷側で重力によって行われた仕事全体が利用するために用いられず、直接システムの効率に影響を与える。その上、各コンテナ/タンクに水を満たすために掛かる時間、水/流体が槽にフィードバックされる割合、及び各コンテナ/タンク等の最大許容サイズを含む要因は、設置の拡張性を制限し、そして、商業地域あるいは合理的に大きな産業施設に電力を供給する要求のような、非常に高い発電要求にとって理想的ではない。特許文献5~7において、重力は、体積/重量(重力)により液体媒体の下方に下降する、チェーン又はベルトに固定された一連のバケツに作用する。バケツが底部に到達すると、バケツはガス又は他の軽い液体/媒体で満たされ、バケツを浮き上げる状態にすることにより、上昇(上方)を引き起こし、頂部に到達するとガスがバケツの外に放出される。このような周期的な上下運動が発電機のシャフトを動かすのに用いられ、電気を生む。ここで再び、下降速度、ガスがバケツに補充される速度、バケツの最大許容サイズ、及び、そのように作成され得るトルク等は、大きな発電要求に対して利用され得ない本発明の拡張性を制限する。
【0007】
従って、重力に基づくモデルが大規模又は中規模な出力要求にまったく応じられなかったということは、従来技術(発明)から明らかである。無料で、永続的で、どこにでもあり、生態学的に安全で、そして何よりも-問題となっている対象物の質量の成果に直接比例し(顕著な効果を約束する)、そして、気候、季節、天候、風、日光、潮、雨、地形又は他の資源等と無関係である重力は、安全で、持続可能であり、かつ、効率的に重力を利用し、重力によって行われた仕事を他のエネルギー形態、特に電気エネルギー、とりわけ非常に大規模に転換する、緊急かつ長年に渡り切望される実行可能な解決策を手段に提供する。
【0008】
発明者らは、効率的に重力を利用し、また重力によって行われた仕事を他のエネルギーの形態、特に電気エネルギーに転換し、そして、多目的に使用でき、その拡張性にほとんど制限がない、装置、システム及び方法を開発した。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】米国特許出願公開第2009/0115195号明細書
【特許文献2】インド共和国特許第207600号
【特許文献3】米国特許第6445078号明細書
【特許文献4】米国特許第5905312号明細書
【特許文献5】米国特許第8011182号明細書
【特許文献6】米国特許出願公開第2011/0179784号明細書
【特許文献7】米国特許出願公開第2011/0162356号明細書
【発明の概要】
【0010】
従って、効率的に重力によって行われた仕事を利用して、効率的に当該仕事を他のエネルギーの形態及び/又は仕事に、特に電気エネルギーに、経済的で、環境にやさしく、安全な方法で転換することが、本発明の主な目的である。
【0011】
大規模、中規模そして小規模な電力を発生できるように重力を利用して変換する装置、システム、及び方法をデザインして実行することが、本発明の他の主な目的である。それにより、拡張性の点で、ほとんど制限なく、どこでも一年中利用可能である。
【0012】
重力を利用する効率性を高めることが、本発明の他の主な目的である。
【0013】
他のエネルギーの形態、特に電気エネルギーへの重力の転換効率を高めることが、本発明の他の主な目的である。
【0014】
重力の影響下で大きな質量を自由落下させて行われる総仕事量を増加し、利用及び変換すること;持ち上げられる正味の重さが2つの質量間の差異であるカウンターバランス手段によって、その落下を制御することと、大きな質量のものを元に持ち上げることを提供し、それによってシステムの効率を高めることが、本発明の他の主な目的である。
【0015】
大きな質量の対象物の自由落下の距離及び速度により、最小パワー入力と最高効率とを達成するように、使用されるユニットの数を最適化することが、本発明の他の主な目的である。
【0016】
さらに、重力パワー生成システムに補助パワー生成機構を備え、発生させたパワー(電力)の全アウトプットを高め、それによりシステムの効率を高めることが、本発明の他の主な目的である。
【0017】
従って、本発明によれば、2つの質量の正味の質量差のみが、重力の方向あるいはその反対の方向に落下した対象物を元の位置に戻すように持ち上げ、その周期を繰り返すために、入力パワー機構によって作用されるように、一方で、重い質量の対象物の自由落下によってエネルギー及びその出力を利用することができることにより、重力によって行われる仕事を最大化し、他方で、他の同様の質量によって重い質量と釣り合いをとる(counterbalancing)ことにより、効率を最大化する、装置、システム、及び方法が提供される。このような複数のユニットは、タンデムに同期して使用され、高出力発電機と接続するギア/フライホイール/シャフトの連続動作を維持する。さらに、本発明はまた、公知技術の補助エネルギー生成機構を想定し、さらにシステムの効率を増加させる。各ユニットは、以下のものを備える。
(i)地表レベル上に設置され、内壁に沿って少なくとも2つのガイドレールを備えた中空垂直チャネルと、
(ii)上部コンポーネントと下部コンポーネントとを備えるメインウエイトであって、(ii)(a)チャネルの断面に対応して加工され、適切な質量及び密度の物質、好ましくはチタンで作成されたヘッドと呼ばれる上部コンポーネントであって、外縁に前記垂直チャネルのガイドレールと一致して、ガイドレールを介してそして従ってスライドする手段を備える上部コンポーネントと、(ii)(b)適切な質量及び密度の物質、好ましくはチタンで作成された垂直シャフトである下部コンポーネントであって、順に直接、又はフライホイール及び/又はセカンダリーギアを介して(iii)メインギアと係合する少なくとも片側の全長で歯を有し、垂直シャフトが重力により降下するメインウエイトとともに下方に移動すると、発電機の(iv)水平シャフトを回転させる下部コンポーネントとを備えるメインウエイトとを備える。メインギアは、垂直シャフトが下方に移動するとき、双方向の係合と、発電機の水平シャフトの単一方向の回転とを可能にするように、フリーホイールのように構成される。
(a)メインウエイトの(ii)(a)上部コンポーネントは好ましくは、(制限されないが)円筒状、又は円筒-楕円状、正四角柱、又は、中空垂直チャネルに対応してプロジェクトの特定の要求により決定する他の形状である。例えば、プロジェクトが非常に重くかつ大きなウエイトを利用することを特徴とする大規模発電に応じる場合、ウエイトを吊り下げる非常に多くのロープを収容するために、円筒状、楕円状、又は正四角柱を用いることが好ましい。メインウエイトを重力の影響下で下方に自由落下させると、上部コンポーネント又はヘッドは、中空垂直チャネルのボトムに到達し、そこで、エアーチャンバ、エアープッシャー、スプリング、ブレーキ、電磁石、レンツの力を発揮する手段、及び、他方の側で反対動作のカウンタウエイトの中の1又は複数(これに制限されないが)を含む(v)減速停止手段によって次第に停止する。そして、メインウエイトの下部コンポーネントである垂直シャフトは、(vi)垂直地下中空チューブに入る。
【0018】
ウエイトはロープの他端が(ix)カウンタウエイトに取り付けられることを特徴とするプーリーのシステムのロープによって頑丈に吊り下げられ、カウンタウエイトは(x)リフトに取り付けられ、(カウンタウエイトとともに)リフトが吊り下げられ、中空垂直チャネルに平行に設置された(xi)垂直フレームにおいて上下にスライドするように、そして、メインウエイトの移動方向が、メインウエイトより重いカウンタウエイトと反対の移動方向であることを特徴とする。
【0019】
メインウエイトとつり合うカウンタウエイトは、動力リフトシステムに取り付けられ、上方にウエイトは所定速度で運ばれ、発電機の水平シャフトの回転が連続するように降下するメインウエイトを同期させる。各ユニットのロープはプーリーのシステムに従って動き;各システムは、複数列のプーリーを備え、コイル/磁石を取り付けることを可能にして電力を提供するように、補助パワー生成(発電)を提供するようにデザインされている。
【0020】
メインウエイト及びカウンタウエイトの上下運動の同期は、センサ及び信号伝達手段を用いて実行され、発電機のシャフトの連続動作を維持するように、1又は複数のユニットのカウンタウエイトの運動と、それ故、メインウエイトの運動とを同期させ制御する。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】タンデムに同期される、一のユニットのメインウエイトが自由落下/降下フェーズである一方、他のユニットのメインウエイトが持ち上げられた位置にある、2つのユニット及びそれらの構成要素を概略的に表す図。
図2】3つのユニットの一般的なレイアウトと、それらの各々の構成要素パーツとを、遠近法で表した図。
図3】制動停止手段(retarding and halting means)がメインウエイトに作用する間、中空垂直チャネルのボトムに落下するときのメインウエイトに焦点を定めた拡大図。
図4】リフトと共に(図示されていないメインウエイトと)カウンタウエイトを吊り下げるプーリー及びロープのシステムを遠近法で表した図。
【0022】
明細書の記述は、記述されたパーツ、構成要素、及び方法の明らかな変更、改良、及び適応に関して制限することなく、本発明が実施され得るデザイン、構成、及び方法を、特に、(これに限定されないが)高い能力の発電プラントに適用する形で、説明することを意図しており;明細書のダイアグラム/図面は、スケールが記載されていないが、本発明の構成及び作動概念を概略的に説明し、かつ、互換性あるいは他の明らかな改良及び/又は適応を制限することなく、広い寸法、形状、空間的配置及びパーツの内部関係を表すのに役立つことを言及するのに適当である。
【0023】
本発明は、実施例、それらの様々な形態、適応及びバージョンを説明するために具体的に記載された材料以外の材料も包含し、様々な他の金属合金、及び発電装置の製造のために従来技術で一般的に使用される他の組合せについても包含する。
【0024】
具体的な言及を必要としない、当業者に公知であり自明な詳細は言及及び/又は説明及び/又は図示されないが、このような詳細は本発明の一部である。
【0025】
従って、明細書の記述は、本発明の意図した範囲、本質及び広がりを過度に制限することを構成するものではない。
【0026】
[実施形態1]
好ましい実施形態によれば、大規模発電を行うように、重力/重力エネルギーを効率的に利用して効率的に転換する装置、システムは、(制限することなく、特に単純化した実施例及び説明を提供するために)3つの同一のユニットを備え、各単一ユニットは、以下のものを備える。
地表レベル上に設置され、内壁に沿って少なくとも2つのガイドレールを備えた、高さ48m、内径1m30cm、及び壁の厚さ50cmの、第1中空垂直円筒状チャネルと、(ii)上部コンポーネントと下部コンポーネントとを備えるメインウエイトであって、(a)チャネルの断面に対応し、外縁でローラーを備える、高さ30cm、重さ500kg、径1m、円筒状の、(制限されないが)好ましくはチタンで作成されたヘッドと呼ばれる上部コンポーネントであって、前記垂直チャネルのガイドレールと一致して、ガイドレールを介してそして従ってスライドする上部コンポーネントと、(ii)(b)長さ45m、高さ1m当り重さ100kg、重さ4500kgの、(制限されないが)好ましくはチタンで作成された垂直シャフトである下部コンポーネントであって、40m、すなわち、メインギアを周囲1mと係合するトップ5番目からボトム44番目の長さのメートルの間に片側に歯を有し、3mtrs/秒=40mの降下に対して13.3秒の速度で重力により、垂直シャフトが降下するメインウエイトと共に下方に移動すると、すなわち、大気の空気抵抗、及び歯がかみ合い回転させる水平シャフト上のギアによって提供されるインピーダンスを考慮して、発電機の半径0.96mの水平シャフトを順に直接回転させる下部コンポーネントとを備えるメインウエイトとを備える。メインウエイトの(ii)(a)上部コンポーネント又はヘッドは好ましくは、(制限されないが)円筒状、又は円筒-楕円状、正四角柱、又は、第1中空垂直チャネルに対応してプロジェクトの特定の要求により決定する他の形状である。例えば、プロジェクトが非常に重くかつ大きなウエイトを利用することを特徴とする大規模発電に応じる場合、ウエイトを吊り下げる非常に多くのロープを収容するために、円筒状、楕円状、又は正四角柱を用いることが好ましい。メインギアは、双方向係合と一方向回転を許容するように、すなわち、垂直シャフ
トが下方に移動するとき、フリーホイールとして機能する。
【0027】
(a)メインウエイトが重力の影響下で下方に自由落下すると、上部コンポーネント又はヘッドは、中空垂直チャネルのボトムに到達し、そこで、エアーチャンバ、エアープッシャー、スプリング、ブレーキ、電磁石を用いて、そして、他方の側で反対動作のカウンタウエイトによって次第に停止する。そして、メインウエイトの下部コンポーネントである垂直シャフトは、深さ45mの垂直地下中空チューブに入る。
【0028】
ウエイトはプーリーのシステムから頑丈に吊り下げられている。24mm牽引ロープは(制限されないが)自己潤滑合成繊維牽引ロープから形成され、ロープの他端が、(iii)カウンタウエイトに取り付けられカウンタウエイトはリフトに搭載され、(カウンタウエイトとともに)リフトが吊り下げられ、中空垂直チャネルに平行に設置された垂直フレームにおいて上下にスライドし、メインウエイトの移動方向が本実施形態によればわずかにメインウエイトより重い(すなわち、5100kg)カウンタウエイトと反対の移動方向であることを特徴とする。
【0029】
メインウエイトと多かれ少なかれバランスするカウンタウエイトは、動力リフトスステムに取り付けられ、上方及び下方にウエイトを所定速度で運び、発電機の水平シャフトの回転が連続するように降下するウエイトを同期させる。リフトは、15秒で45m、カウンタウエイトを持ち上げる20HPモータによって動力を供給され、これによって、要求される電力は15秒で12KWである。従って、3つのユニットを備える本実施形態では、3つのリフトのそれぞれによって消費される総電力は一日に69MW(12KW×4×60×24)である。各ユニットのメインウエイト及びカウンタウエイトは、9本の頑丈な24mm牽引ロープのセットによって吊り下げられている。
【0030】
各ユニットのロープは、プーリーのシステムに従って動き、各システムは12列のプーリーを備え、従って、36個のプーリー全てが3つのユニットを備える本実施形態に用いられる。各プーリーはマンガン青銅(manganese bronze)で形成され、直径50cmである。プーリーの各システムは、コイル/磁石を取り付けることを可能にして電力を提供するように、補助発電を提供するようにデザインされている。
【0031】
メインウエイト及びカウンタウエイトの上下運動の同期は、第1垂直チャネルの先端から40メートルの距離に配置された磁石センサを用いて実行され、カウンタウエイトの運動と、それ故、部分的に、メインウエイトの運動とを制御する。
【0032】
メインウエイトのヘッドが第1中空垂直チャネルのボトム40メートルの深さに到達すると、ユニットIの磁石センサはユニットIのリフトに電気信号を作動させ、ブレーキを用いて必要な減速効果、又はユニットIのメインウエイトと同じ方向の運動を働かせる。それによって、まず、メインウエイトの降下を制御/減速し、続いて反対方向の運動にメインウエイトを設定し、元の位置へ上方に戻す。
【0033】
また、ユニットIのセンサは、ユニットIIのリフトにおいて電気信号を作動し、ユニットIIのメインウエイトの自由落下フェーズを開始する。このような周期は、ユニットIIIのリフトを作動してユニットIIIのメインウエイトの自由落下フェーズを開始する信号を送るために、相前後して、ユニットIIの磁石センサによって繰り返され、そして同様に、周期は、ユニットIのリフトを作動してユニットIのメインウエイトの自由落下フェーズを開始する信号を送るために、相前後して、ユニットIIIの磁石センサに対して繰り返される。これによって、3つのユニットのうちの少なくとも1つの垂直シャフトが所定期間で降下/落下フェーズにあることを保証する。
【0034】
パワー/電力の生成のプロセス/方法は、次の通りである。
【0035】
[スタートアップ]
(a)本実施形態によれば、カウンタウエイトはメインウエイトよりも重いので、スタートアップ前の初期位置は、メインウエイトが第1垂直中空チャネルの45.5mの高さに持ち上げられ、(リフトとともに)カウンタウエイトが垂直フレームのボトムに配置される。従って、スタートアップオペレーションは、特に、上方の方向にリフトを操作することを含み、メインウエイトの落下を可能にする。このようなプロセスステップは、特に本ステップの初めでより高いインプットパワー/電力を消費し、(カウンタウエイトとともに)リフトの運動方向が重力に反するが、一度カウンタウエイトが垂直フレームの頂部に到達すると、メインウエイトが落下可能となる。降下するウエイトが重力の影響下で勢いが増すと、着実に加速し、それによって、速度が線形的に増加する傾向にあり、また単位時間当たりの距離が二次的に増加する傾向にある。このフェーズの間、メインウエイトの垂直シャフトを、発電機の水平シャフトに噛み合わせて回転させることによって重力の利用により最大仕事が行われる。しかしながら、メインウエイトが落下してボトムに到達すると、メインウエイトは、(制限されないが)ブレーキと、他方の側の(カウンタウエイトとともに)反対動作のリフトとを備える減速停止機構によって徐々に減速及び停止させられる。
【0036】
[ルーティンオペレーション]
(b)次のステップ(すなわち、メインウエイトが落下した後)では、垂直フレームの上端で(カウンタウエイトとともに)持ち上げられて動かないでいるリフトが、上述のセンサと信号伝達機構によって始動させられ、下方運動を開始する。この下方運動が、(i)(リフトとともに)カウンタウエイトの総重量が他方の側のメインウエイトの総重量よりも大きく、(ii)下方運動が重力の方向に従っている(従って、さらに促進される)という2つの理由により、最小のパワー/電力を消費する。多数のこのようなユニットを備える実施形態では、このステップは、重いカウンタウエイトが自動的にメインウエイトより重く、メインウエイトを元に持ち上げて戻すので、動力源を用いてリフトを動かすことなく実行され得る。
【0037】
(c)センサと信号伝達機構はカウンタウエイトとともにリフトの運動及び方向に同期し、(3つのユニットの中の垂直シャフトの)少なくとも1つの垂直シャフトが任意の時点で降下/降下フェーズにあり、発電機の水平シャフトの連続動作を維持することを保証する。
【0038】
(d)従って、本実施形態は、メインウエイト及びカウンタウエイトの上下運動を維持するために消費されるパワー入力の30%を考慮して、一日当たり少なくとも562MWの範囲内の正味のパワー出力を発生することができる。
【0039】
(e)従って、プラントの理想的構成は、電力要求量に基づくものであり、大きな質量の対象物の自由落下の距離及び速度とともに、最小パワー入力と最高の効率を達成するように、使用されるユニットの数を最適化する。
【0040】
[実施形態II]
他の実施形態において、さらに、インプット電力要求は最小化され、他のすべての状態、パラメータは既に詳述した好ましい実施形態Iのものと同じである。異なる態様は次の通りである。
【0041】
(i)垂直チャンバ及び垂直フレームの上で水平に位置付けられたプーリーのシステムは、場合によっては、さらに、上記実施形態1で言及したリフトを加えて、あるいはいずれのリフトの使用をすることなく、時計まわり及び/又は反時計まわりの方向に回転させ、メインウエイト又はカウンタウエイトを持ち上げ又は降下するように、外部の動力源、あるいは本発明によって生成された出力エネルギーの一部のいずれかにより動力源とされる1又は複数のモータに接続される。
【0042】
(ii)本実施形態では、プーリーの上を転がり、ウエイトを吊り下げる手段は、スリップすることを阻止するように、十分な摩擦を働かせ、プーリーの上を掴むことが必要である。好ましい実施形態Iで言及したようなロープの優れた代替案は、ベルトのギアに対応する歯を有するギアのように適切に変更されたプーリーの歯とかみ合う歯を備えた(制限されないが)公知の適当な物質のベルトである。
【0043】
[実施形態III]
他の実施形態では、さらに、入力パワー要求が最小化され、他のすべての状態、パラメータは既に詳述した好ましい実施形態Iのものと同じである。唯一異なる態様は次の通りである。
【0044】
(i)各々のメインウエイトとカウンタウエイトはさらに、個々のウエイト(すなわち、メインウエイト又はカウンタウエイト)の上に配置された上部リフトと、個々のウエイト(すなわち、メインウエイト又はカウンタウエイト)の下に配置された下部リフトとに取り付けられ、上部リフト及び下部リフトの各々が個々のウエイトから取り外し可能であることを特徴とする。
【0045】
(ii)距離、速度、及びシステム中のユニット数を有理化して最適化する計算に基づき、センサ及び信号伝達機構は、個々のカウンタウエイトからリフトのプログラム化された取り付け及び取り外しを管理する。
【0046】
(iii)リフトの各々は、所定ユニットのリフトにわたって一定である、自身の質量及びウエイトを有する。
【0047】
(iv)所定のリフトが対応するウエイトに取り付けられる一方、他のリフトが対応するウエイトから取り外されると、不均衡又はアンバランスがもたらされ、順に1又は両方のリフトが取り外されたウエイトは、対応するリストが取り付けられた他方の側のウエイトが、重力の影響下で自由に、あるいは個々のリフトを動力源とした運動によって落下することにより重くなるため、自動的に持ち上げられる。
【0048】
(v)このような上下運動は、重力を最大限に利用し、それによってシステムの最高発電効率を達成するように入力パワーの要求を最小化する。
【符号の説明】
【0049】
1.中空垂直チャネル
2.ロープ
3.プーリーのシステム
4.メインウエイトのヘッド
5.メインウエイトの垂直シャフト
6.中空垂直チャネル内の停止及び制動システム
6-A.制動システムのパーツとしてのエアープッシャー
6-S.制動システムのパーツとしてのスプリング
7.センサ及び信号伝達手段
7-(1).センサ-1
7-(2).センサ-1
8.メインギア
9.垂直地下中空チューブ
10.垂直なフレーム
11.カウンタウエイト
12.リフト
13.水平シャフト
13-A.プーリーのシステム内の補助パワー生成ユニット
13-H.水平シャフトホルダ
14.発電機
15.補助パワー生成ユニット
15-P.プーリーのシステム内の補助パワー生成ユニット
図1
図2
図3
図4