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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023052649
(43)【公開日】2023-04-11
(54)【発明の名称】薬剤包装装置
(51)【国際特許分類】
   A61J 3/00 20060101AFI20230404BHJP
   B65B 1/30 20060101ALI20230404BHJP
【FI】
A61J3/00 310F
A61J3/00 310E
B65B1/30 B
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023010155
(22)【出願日】2023-01-26
(62)【分割の表示】P 2018230044の分割
【原出願日】2018-12-07
(71)【出願人】
【識別番号】593129342
【氏名又は名称】株式会社タカゾノ
(74)【代理人】
【識別番号】110002734
【氏名又は名称】弁理士法人藤本パートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】田村 昌史
(72)【発明者】
【氏名】弘永 雅之
(72)【発明者】
【氏名】長村 佳則
(72)【発明者】
【氏名】大賀 優希
(57)【要約】
【課題】散剤を収容した薬剤容器から落下させた散剤を包材に直接投入する薬剤包装装置の提供。
【解決手段】供給口を介して散剤を供給可能である複数の薬剤容器21と、前記薬剤容器21を、散剤を供給する供給位置P1に選択的に移動する移動部と、前記供給位置P1に移動した前記薬剤容器21を操作して、前記薬剤容器21から散剤を供給させる供給操作機構と、包材Sにより散剤を包装する包装部3と、を備え、前記供給位置P1では、前記薬剤容器21から供給する散剤が前記包材Sに直接投入されるよう、前記供給口が前記包材Sの開口部の上方又は前記包材Sの内部に位置する、薬剤包装装置1である。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
供給口を介して散剤を供給可能である複数の薬剤容器と、
前記薬剤容器を、散剤を供給する供給位置に選択的に移動する移動部と、
前記供給位置に移動した前記薬剤容器を操作して、前記薬剤容器から散剤を供給させる供給操作機構と、
包材により散剤を包装する包装部と、を備え、
前記供給位置では、前記薬剤容器から供給する散剤が前記包材に直接投入されるよう、前記供給口が前記包材の開口部の上方又は前記包材の内部に位置する、薬剤包装装置。
【請求項2】
重量検出部を備え、
前記重量検出部は、前記移動部により前記供給位置に移動された前記薬剤容器の重量を検出することにより、前記薬剤容器から供給された薬剤の重量を検出する、請求項1に記載の薬剤包装装置。
【請求項3】
複数の前記薬剤容器は、前記包装部の上方で水平方向に並べて待機される、請求項1または2のいずれかに記載の薬剤包装装置。
【請求項4】
前記薬剤容器から散剤を供給した後、前記供給位置に移動した別の前記薬剤容器から散剤を供給し、異なる種類の散剤を同一の前記包材により包装する、請求項1~3のいずれかに記載の薬剤包装装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、粉粒状の薬剤を分包する際に用いられる薬剤包装装置に関する。
【背景技術】
【0002】
薬剤包装装置における薬剤供給装置の一例として、特許文献1に記載された装置がある。この装置は、振動フィーダから円盤上に排出された薬剤を、円盤を回転させつつ径外方向に掻き出すことにより、1服用分の薬剤を供給可能なように構成されている。また、特許文献1には記載がないが、側方断面が略V字形状の投入枡からこの投入枡の下方に列設された分配枡に薬剤を移して小分けにすることにより、1服用分の薬剤を供給可能なように構成された薬剤供給装置も存在する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007-97667号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような装置に対して本発明は、散剤を収容した薬剤容器から落下させた散剤を包材に直接投入する薬剤包装装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、供給口を介して散剤を供給可能である複数の薬剤容器と、前記薬剤容器を、散剤を供給する供給位置に選択的に移動する移動部と、前記供給位置に移動した前記薬剤容器を操作して、前記薬剤容器から散剤を供給させる供給操作機構と、包材により散剤を包装する包装部と、を備え、前記供給位置では、前記薬剤容器から供給する散剤が前記包材に直接投入されるよう、前記供給口が前記包材の開口部の上方又は前記包材の内部に位置する、薬剤包装装置である。
【0006】
また、重量検出部を備え、前記重量検出部は、前記移動部により前記供給位置に移動された前記薬剤容器の重量を検出することにより、前記薬剤容器から供給された薬剤の重量を検出するものとできる。
【0007】
また、複数の前記薬剤容器は、前記包装部の上方で水平方向に並べて待機されるものとできる。
【0008】
また、前記薬剤容器から散剤を供給した後、前記供給位置に移動した別の前記薬剤容器から散剤を供給し、異なる種類の散剤を同一の前記包材により包装するものとできる。
【発明の効果】
【0009】
以上より、本発明によれば、散剤を収容した薬剤容器から落下させた散剤を包材に直接投入する薬剤供給装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の一実施形態に係る薬剤供給装置を含む薬剤包装装置の、説明に必要な部分的な構成を示す斜視図である。
図2】前記薬剤供給装置に用いる薬剤容器の、包材開放部(仕切部)を備えた側を示す斜視図である。
図3】前記薬剤供給装置に用いる薬剤容器(包材開放部(仕切部)を除く)を示す正面及び平面側の斜視図である。
図4】前記薬剤容器(包材開放部(仕切部)を除く)を示す背面及び底面側の斜視図である。
図5】前記薬剤容器の分解斜視図である。
図6】同実施形態に係る薬剤供給装置において、供給位置に薬剤容器が位置した状態を説明するための断面図である。
図7】同実施形態に係る薬剤供給装置において、第1供給口、第2供給口と下側移送体との関係につき、各構成を抜き出して示した、平面視の概略図である。
図8】同実施形態に係る薬剤供給装置において、仕切体と下側移送体との関係につき、各構成を抜き出して示した、底面側の斜視図(立てた状態で示す)である。
図9】同実施形態に係る薬剤供給装置において、第1供給口、第2供給口と開閉体との関係を示した底面視の概略図であって、(a)は第1供給口、第2供給口が共に開放された第1開放状態を示し、(b)は第2供給口のみが開放された第2開放状態を示し、(c)は第1供給口、第2供給口が共に閉鎖された全閉状態を示す。
図10】同実施形態に係る薬剤供給装置の制御に係る構成を示したブロック図である。
図11】同実施形態に係る薬剤供給装置の薬剤供給にかかわる制御の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の一実施形態に係る薬剤供給装置1A及びこれを備えた薬剤包装装置1について、図面を参照しつつ説明する。以下説明における方向の表示は、図1に示した方向に対応している。
【0012】
本発明に係る薬剤供給装置1Aの被供給対象物である薬剤は粉粒状の薬剤である。この薬剤は、集合した状態で不定形の薬剤であって、例えば、粉状や顆粒状の薬剤、つまり散剤Mである。
【0013】
[概要]
本実施形態の薬剤包装装置1は、薬剤を包材で包む際に用いられる装置である。具体的には、本実施形態の薬剤包装装置1は処方に応じて調剤を行う現場(調剤薬局等)に設置され、粉粒状の薬剤である散剤Mを、包材としての包装シートSで分包する際に用いられる。
【0014】
図1に示すように、本実施形態の薬剤包装装置1は主に、散剤Mを種類ごとに収容する複数の薬剤容器21から包装シートSに散剤Mを供給する薬剤供給部2aと、包装シートSに散剤Mを包むための包装部3と、散剤Mを収容する薬剤容器21を移動させる移動部4と、薬剤容器21から供給された散剤Mの重量を検出する重量検出部5と、薬剤包装装置1の各部を制御する制御部6と、を備える。薬剤供給装置1Aは、前述の構成から包装部3の一部を除いた部分を指す。また、以下、各部について主な構成を説明する。
【0015】
[薬剤容器]
薬剤容器21は散剤Mを貯留する。複数の薬剤容器21は、例えば図1に示すように水平方向に設けられ、散剤Mを供給するために図示した待機位置P0で待機される。複数の薬剤容器21…21の待機位置P0は、例えば、図示のように包装部3の上方とすることができるが、これに限定されない。薬剤容器21は、移動部4に設けられた移動機構41により、散剤Mを包装シートSに対して供給するための供給位置P1に移動させられる。薬剤供給部2aにより供給される散剤は、図6に示すように、薬剤容器21から落下して、包装シートS内に収容される。本実施形態の各薬剤容器21には、通常では、散剤Mが種類別に収容されている。即ち、1つの薬剤容器21に1種類の散剤Mが収容されている。ただし、例えば使用量の多い散剤Mに関しては、1種類の散剤Mを2つ以上の薬剤容器21に分けて収容することもできる。
【0016】
図3図5に示すように、薬剤容器21は、筒状の胴部211と、該胴部211の一端(下端)である底部に設けられた底部部材212と、胴部211の他端(上端)に設けられた蓋部213とを有する。底部部材212は底部上部材212aと底部下部材212bとから構成されている。薬剤容器21は、胴部211及び底部部材212によって散剤Mを収容する空間を画定し、蓋部213で胴部211の他端を閉じることで、収容された散剤Mを薬剤容器21内に格納する。そして、後述の重量検出部5における検出重量値に基づき、包装シートSに一定量の散剤Mが取り出されるように構成されている。以下、胴部211の軸方向を上下方向とする。本実施形態の薬剤容器21は、前記軸方向が鉛直方向と略一致し、水平面上に起立するように配置されている。
【0017】
胴部211は、略円筒状に形成されている。本実施形態の胴部211は、例えば透明材料で形成されている。そのため、胴部211内に収容された散剤Mは、胴部211の外側から視認可能となっている。これにより、薬剤容器21内の散剤Mの量を外部から把握することができる。透明材料は、胴部211の全体を占めていてもよいし、視認窓とする一部だけを占めていてもよい。また、胴部211の背面側には、ケースに収納された状態でRFIDタグ214が設けられている。このRFIDタグ214には、後述する固有情報等、散剤Mを取り出すために必要な情報が書き込まれている。
【0018】
底部部材212には、散剤Mを落下させることにより取り出すための供給口が形成されている。この供給口は外部に開放されており、ここから落下させた散剤Mを包装シートSに供給できる。この供給口は、図5に示すように底部上部材212aに形成され、薬剤容器21の底部において別々に開口した第1供給口2121と第2供給口2122とを有している。各供給口2121,2122が2箇所に分かれて存在することにより、散剤Mを包装シートSに対して分散して落下させられる。底部下部材212bにおいて、第1供給口2121と第2供給口2122の更に下方には、1つの通路である底部通路2123が形成されている。このため、散剤Mが包装シートSの外部に散る可能性を低減して、安定した散剤Mの供給が可能である。図4に示すように、この底部通路2123は薬剤容器21の底面に開口している。なお、薬剤容器21において散剤Mを包装シートSに供給する供給口には、この底部通路2123も含まれる。供給位置P1にある薬剤容器21において、この底部通路2123は包装シートSの開口部Saの上方において、図6に示すように落下した散剤Mが二つ折りされた包装シートの内部に入るように位置する。このようにすることで、各薬剤容器21に貯留された散剤Mを包装シートSに直接投入できるため有利である。更に、底部通路2123を、例えば図4に示したものよりも下方に延長した筒状とし(図示しない)、二つ折りされた包装シートの内部に挿入されるように位置させることもできる。このようにすることで、散剤Mを包装シートSに対し、より確実に投入できる。底部通路2123を筒状とする場合、直管状であってもよいし、例えば上広がりまたは下広がりのテーパ管状であってもよい。
【0019】
第1供給口2121は後述する仕切体218の外周孔2181に連通しており、この外周孔2181から散剤Mを落下させられるよう開口している。第1供給口2121は外周孔2181の下に位置している。本実施形態の第1供給口2121は外周孔2181の直下に位置している。このため、薬剤容器21に貯留された散剤Mは直接的に落下する。
【0020】
第2供給口2122は、後述する仕切体218の内周孔2182と周方向にずれた位置に設けられている。本実施形態では約180°ずれている。また、第2供給口2122は、第1供給口2121とは周方向にずれた位置であり、かつ、径方向に重なる位置に設けられている。第2供給口2122を第1供給口2121とは周方向にずれた位置(重なり合わない位置)とすることで、径方向に重ねた分、第2供給口2122の開口面積を拡大できる。このため、図7に示すように、後述する下側移送体219の各移送片2191間の移送領域219aに対し、第2供給口2122の径方向外縁部を径方向外方に離すことができる。さらに、仕切体218の外周仕切部2183(図8参照)を、第2供給口2122と周方向に同じ位置において、下側移送体219の各移送片2191間の移送領域219aに対し、径方向外方に離すことができる。このため、第2供給口2122を径方向に余裕を持って開口させられる。よって、下側移送体219により移送される散剤Mを第2供給口2122から落下させ、包装シートSに対して確実に供給できる。この第2供給口2122は、仕切体218の内周孔2182から落下し、その上で下側移送体219により移送された(本実施形態では略180°分移送された)散剤Mを落下させる。第1供給口2121と第2供給口2122の両方、または、第2供給口2122のみ(この際第1供給口2121は閉鎖される)から散剤Mを落下させることで、包装シートSに対して散剤Mが供給される。
【0021】
第1供給口2121と第2供給口2122とは、薬剤容器21の底部において近接した位置に設けられている。具体的には、第1供給口2121と第2供給口2122とは、周方向に隣接して設けられている。この位置関係により、各供給口2121,2122から落下する散剤Mの流れが一部重なり合うか、少なくとも隣り合うようにできる。このため、各供給口2121,2122から散剤Mが落下する位置を近くできる。
【0022】
底部下部材212bには、薬剤容器21の内部において回転する部材(撹拌体215、上側移送体217、下側移送体219)を回転させるための回転軸21B、及び、駆動力を供給操作機構24から受けるための駆動入力軸21C、また、開閉体21Aを移動させるための機構等が設けられている。
【0023】
蓋部213は、胴部211の一端を塞ぐ部分である。蓋部213は、胴部211の径方向に平行な軸まわりに、胴部211に対して回動可能に取り付けられている。なお、薬剤容器21において1服用分の散剤Mを供給するための構造に関しては後で説明する。
【0024】
図2に示すように、各薬剤容器21の外部には包材開放部7が設けられている。つまり、薬剤容器21と包材開放部7とは一対一対応していて、各薬剤容器21が専用の包材開放部7を有している。この包材開放部7は、薬剤容器21の胴部211の径外位置に設けられた容器対応部71と、容器対応部71の端部から下方に延びる開放操作部72とを備える。本実施形態の容器対応部71は、水平方向に延びる板状体であって、胴部211が貫通する貫通孔711を備える。貫通孔711の径寸法は胴部211の外径寸法よりも大きい。これにより、胴部211に対して包材開放部7を上下動させることができる。包材開放部7の上下動は、図示しない移動機構によってなされる。胴部211に対して包材開放部7を上下動させるための構成は、種々の構成が採用でき、例えば、駆動するギア、ベルト、アーム、フック等を用いた構成とできる。開放操作部72は上下方向に延びる板状の部分である。先端部721は、一般的に「三角板」と呼ばれるものと同様、略三角形状とされている。開放操作部72は、各薬剤容器21が供給位置P1にある場合、各薬剤容器21の供給口に対して包装シートSの搬送方向の上流側であって、幅方向に二つ折りされた状態である包装シートSの内部に先端部721が位置する。
【0025】
各薬剤容器21は、該薬剤容器21の供給位置P1にあるときに、その薬剤容器21に設けられている包材開放部7が包装シートSの上端縁側を開放する。具体的には、薬剤容器21が供給位置P1にあるとき、その薬剤容器21に設けられている包材開放部7(詳しくは開放操作部72における先端部721)が、長手方向に搬送される包装シートSに対して散剤Mが供給される位置よりも包装シートSの搬送方向の上流側において、包装シートS内に挿入され、包材開放部7の端縁が二つ折りされた包装シートSの内面に当接する。このため、長手方向に搬送される包装シートSは、包材開放部7によって二つ折りの折り線を境とした幅方向の一方と他方とが引き離されることで、搬送方向の下流側で開放され開口部Saが形成される(図1図6参照)。なお、薬剤容器21を供給位置P1に移動させるときには、包材開放部7の搬送方向下流側にて、二つ折りされた包装シートSの外面を吸引することで、開口部Saが開いたままにすることが好ましい。
【0026】
各薬剤容器21が専用の包材開放部7を備えることから、包材開放部7も散剤Mの種類に対応して設けられることになる。このため、供給する散剤Mの種類を変更すると、供給位置P1にある薬剤容器21の包材開放部7は変更後の散剤Mに対応した別のものに変更される。従って、包材開放部7に付着する散剤Mがクロスコンタミネーションの原因になることを避けられる。
【0027】
また、各薬剤容器21には、包装シートSをその長手方向に仕切る仕切部が設けられている。本実施形態の仕切部は前記包材開放部7における開放操作部72が兼用している。つまり、本実施形態では、仕切部は開放操作部72と同じものである。薬剤容器21が供給位置P1にあるとき、その薬剤容器21に設けられている仕切部(詳しくは仕切部が兼用する開放操作部72の先端部721)が、包装シートSに対して散剤Mが供給される位置よりも包装シートSの搬送方向の上流側において、開口部Saを通して包装シートS内に挿入されている。これにより、各薬剤容器21の散剤Mが正しく供給すべき位置を越え、仕切部よりも上流側に供給されてしまうことを防止できる。
【0028】
開放操作部72と同じく(本実施形態では兼用)、各薬剤容器21が専用の仕切部を備えることから、仕切部も散剤Mの種類に対応して設けられることになる。このため、供給する散剤Mの種類を変更すると、供給位置P1にある薬剤容器21の仕切部は変更後の散剤Mに対応した別のものに変更される。従って、仕切部に付着する散剤Mがクロスコンタミネーションの原因になることを避けられる。
【0029】
[包装部]
包装部3は、本実施形態で用いられる包材としての長尺状の包装シートSを長手方向に搬送し、供給位置P1で包装シートSを保持して、散剤Mが供給された状態の包装シートSをシールして分包する部分である。本実施形態の包装部3は、主に、包材搬送部31とシール部32とを備える。
【0030】
(包材搬送部)
包材搬送部31は長尺状の包装シートSをその長手方向に搬送する部分であって、包材供給部311とガイドバー312と図示しない搬送ローラとを備える。本実施形態では、図1に示すように、幅方向の中央部で二つ折りされた包装シートSが巻かれたロールがあらかじめ包材供給部311にセットされている。そして、このロールから引き出された包装シートSが、回転する搬送ローラ等の包材搬送部31により供給位置P1まで搬送される。包材搬送部31は、包装シートSを、その幅方向の中央で二つ折りにした状態で搬送する。また包材搬送部31は、少なくとも供給位置P1において、開口部Saを上方に向けた状態とする。図1に示したように、本実施形態では、開口部Saが斜め上方に向いた状態となっている。なお、本実施形態の包材搬送部31は、供給位置P1において包装シートSを所定位置に保持する包材保持部の機能を含んでいる。
【0031】
(シール部)
シール部32は、包装シートSに供給された散剤Mを包装するために、包装シートSをシールする部分である。本実施形態では、供給位置P1において包装シートSに対しヒートシールを行うことで、1服用分ずつの分包を行う。
【0032】
(その他)
包装部3にはこれらの他、例えば、包装シートSを切断するカッター、包装シートSにミシン目を形成するミシン目形成機構、包装シートSの表面に処方情報や包装結果に関する情報を印刷するプリンター等を設けることができる。
【0033】
[移動部]
移動部4は、薬剤容器21から包装シートSに散剤Mを供給する供給位置P1に、複数の薬剤容器21を選択的に移動させる。つまり、供給対象の散剤Mが収容された薬剤容器21は、複数の中から一つが選択されて、移動部4により供給位置P1に移動される。移動部4は、薬剤容器21を実際に移動させる移動機構41(図10参照)を備える。移動機構41の具体的構成は図示しないが、例えば、アーム、搬送ベルト、可動載置台等を用いることができる。移動部4は、薬剤容器21が供給位置P1にあるとき、その薬剤容器21における供給口(本実施形態では底部通路2123)を包装シートSの開口部Saの上方に位置させる。これにより、薬剤容器21から落下させた散剤Mを包装シートSに直接投入できる。なお、供給口を包装シートSの内部に位置させることもできる。この場合も、各薬剤容器21に貯留された散剤Mを包装シートSに直接投入できる。更に、供給される薬剤の噴き上がりを抑制できる。
【0034】
[重量検出部]
重量検出部5は、供給位置P1にある薬剤容器21に収容されている散剤Mの重量を、その薬剤容器21の重量とともに検出する。重量検出部5は、散剤の供給中の各薬剤容器21の重量(詳しくは重量の減少値)を検出する。これにより、薬剤容器21から供給された散剤Mの重量を検出できる。重量検出部5を用いて供給された散剤Mの重量を検出しながら、薬剤供給部2aが薬剤容器21から包装シートSに散剤Mを供給する。
【0035】
ここで、散剤Mの重量を検出するに当たり、薬剤容器21が供給位置P1にあるとき、その薬剤容器21に設けられている包材開放部(または仕切部)7が、薬剤容器21の胴部211等に対して相対的に上方に移動することにより、その薬剤容器21から離間された状態となる。この状態では、前記移動した包材開放部(仕切部)7の重量が薬剤容器21にはかからず、薬剤容器21外部の装置側にかかる。この状態において、重量検出部5が散剤Mの重量を検出しながら、薬剤供給部2aにより薬剤容器21から包装シートSに散剤Mを供給する。つまり、包材開放部(仕切部)7は、待機位置P0にあるときに比べ、供給位置P1にあって重量検出部5が重量の検出を行うときの方が、薬剤容器21の胴部211等に対して上方に位置するよう構成されている。このように、包材開放部(仕切部)7が薬剤容器21から離間する。前記構成により、重量検出部5を用いた重量の検出を、包材開放部(仕切部)7の重量が重量検出部5にかからないようにして行うことができる。このため、散剤Mの重量の正しい検出が可能である。
【0036】
[薬剤供給部(薬剤容器の内部構造)]
以下、薬剤容器21の説明に戻って、1服用分の散剤Mを供給するための薬剤容器21の内部構造について説明する。図5に示すように、薬剤容器21の内部のうち下方には、上から順に、撹拌体215、遮蔽体216、移送体(上側移送体)217、仕切体218、移送体(下側移送体)219、開閉体21Aが配置されている。これらのうち、上側移送体217、下側移送体219を少なくとも有するように、薬剤供給部2aが構成される。薬剤供給部2aは、薬剤容器21から包装シートSに対して散剤Mを供給するよう機能する。薬剤供給部2aは供給操作機構24により駆動される。供給操作機構24の駆動力が回転軸21Bに伝達されることにより、撹拌体215、上側移送体217、下側移送体219は同軸で一体に回転する。この回転は、薬剤容器21の底部に交差する中心軸(本実施形態では鉛直軸)まわりの回転である。また、下側移送体219による散剤の移送が間欠的になされるようにするため、前記回転は間欠的な回転となる場合がある。
【0037】
回転軸21Bは駆動入力軸21Cから、回転のための駆動力が伝達される。図4に示すように、駆動入力軸21Cは背面側端部に入力嵌合部21C1を備えている。入力嵌合部21C1は、例えば、図6に示すように、供給位置P1に設けられた駆動出力軸241に凹凸嵌合できる形状を有している。
【0038】
撹拌体215は、径方向に延びた後上方に立ち上がった形状の立ち上げブレード2151と、径方向に延びる水平ブレード2152とを有する。撹拌体215の回転に伴い、立ち上げブレード2151は胴部211の内面に付着した散剤Mに触れることで、散剤Mを落下させられる。水平ブレード2152は、遮蔽体216の上方に存在する散剤Mを移動させることができる。よって、立ち上げブレード2151が回転することにより、薬剤容器21に収容された散剤Mがファンネルフロー状に排出されること(胴部211の内面に近い部分の散剤Mが残留したままになり、胴部211の内面から離れた部分の散剤Mだけが落下するような状態)を抑制し、マスフロー状(胴部211内部の散剤Mが均一に落下するような状態)に取り出すことができる。また、水平ブレード2152が回転することにより、遮蔽体216の上方に散剤Mが残留しないようにすることができる。
【0039】
遮蔽体216は、薬剤容器21内部に固定され、外周孔遮蔽体2161、内周孔遮蔽体2162、連結輪2163を一体に備えている。外周孔遮蔽体2161は仕切体218の外周孔2181の上方に位置し、外周孔2181を上方から遮蔽する。本実施形態において前記「遮蔽」とは、上側移送体217の回転による外周孔2181からの散剤Mの落下を阻害しない程度に、上側移送体217の上方において外周孔2181を覆うことを意味している。この外周孔遮蔽体2161により、薬剤容器21に貯留された散剤Mの圧力が、上側移送体217により外周孔2181に移送された散剤Mにかからないようにできる。同じく、内周孔遮蔽体2162は仕切体218の内周孔2182の上方に位置しており、当該内周孔2182を上方から遮蔽する。この内周孔遮蔽体2162により、薬剤容器21に貯留された散剤Mの圧力が下側移送体219に移送された散剤Mにかからないようにできる。連結輪2163は、外周孔遮蔽体2161と内周孔遮蔽体2162とを連結する。
【0040】
上側移送体217には、径外方向に延びる複数の移送片2171が周方向に均等な間隔をあけて配されている。本実施形態の移送片2171は径方向に対して周方向にずれるように延びた形状であるが、移送片2171の形状は特に限定されない。上側移送体217は、回転することにより各移送片2171間の移送領域217aに位置する散剤Mを、回転方向に移送する。これにより、上側移送体217は、仕切体218に載置される散剤Mを移送することができる。上側移送体217の外縁(移送片2171の径方向端縁)は、仕切体218の外周孔2181及び内周孔2182よりも径方向外方を回転する。このため、移送される散剤Mは、外周孔2181と内周孔2182とから落下する。また、複数の移送片2171が周方向に均等な間隔をあけて配されているため、各移送片2171間の移送領域217aに位置する散剤Mがほぼ同量となり、上側移送体217の単位回転量あたりの散剤Mの移送量が均一となる。これにより、外周孔2181を介して第1供給口2121から流出する散剤Mの流量が安定する。また、内周孔2182から落下する散剤Mの流量も安定する。
【0041】
仕切体218は、薬剤容器21内を上下に仕切る。この仕切体218は、上下に貫通した外周孔2181及び内周孔2182、また、外周仕切部2183を備える。外周孔2181と内周孔2182とは仕切体218の中心を挟み略対向して位置している。外周孔2181は径方向の外側に位置し、内周孔2182は径方向の内側に位置している。外周仕切部2183は、図8に示すように、下側移送体219の外縁(移送片2191の径方向端縁)を径外方向に囲うように配され、下側移送体219が回転する領域を、当該領域の径外領域に対して仕切るものである。この外周仕切部2183により、下側移送体219により移送される散剤Mが径外側に逃げないようにガイドできる。なお外周仕切部2183は、第1供給口2121と周方向に同じ位置及び第2供給口2122と周方向に同じ位置においては、各供給口2121、2122の径外側に位置する。本実施形態の外周仕切部2183は、仕切体218に一体に設けられ、仕切体218の下面から下方に延びている。
【0042】
下側移送体219は上側移送体217よりも小径に形成されている。下側移送体219の移送領域219aは、上側移送体217の移送領域217aよりも内径側に位置されている。この下側移送体219には、径外方向に延びる複数の移送片2191が周方向に均等な間隔をあけて配されている。各移送片2191間には、例えば半円形状の移送領域219aが形成される。移送領域219aは複数の移送片2191により形成され、径外方向が開放された領域であることが望ましい。下側移送体219は、回転することにより各移送片2191間の移送領域219aに位置する散剤Mを、回転方向に移送する。これにより、下側移送体219は、上側移送体217によって仕切体218の内周孔2182から落下した散剤Mを移送することができる。図5に示すように、下側移送体219の移送領域219aは、上側移送体217の移送領域217aよりも、移送できる散剤Mの体積が小さくなるよう構成されている。このため上側移送体217に比べ、下側移送体219では散剤Mの相対的に少量な供給が可能である。また、複数の移送片2191が周方向に均等な間隔をあけて配されているため、各移送片2191間の移送領域219aに位置する散剤Mがほぼ同量となり、上側移送体217の単位回転量あたりの散剤Mの移送量が均一となる。これにより、第2供給口2122から流出する散剤Mの流量が安定する。
【0043】
開閉体21Aは、周方向に開放された開口部21A1と、開口部21A1に周方向で隣り合う閉鎖部21A2とを有する。この開閉体21Aは回転により、薬剤容器21の底部における第1供給口2121と第2供給口2122とを共に開放した第1開放状態とできる(図9(a)参照)。また開閉体21Aは、第1供給口2121を閉鎖して第2供給口2122のみを開放した第2開放状態とできる(図9(b)参照)。また開閉体21Aは、第1供給口2121と第2供給口2122とを共に閉鎖した全閉状態とできる(図9(c)参照)。
【0044】
(供給操作機構)
供給操作機構24は、供給位置P1に移動した薬剤容器21から散剤Mを供給する薬剤供給部2aを駆動するための機構である。供給操作機構24の駆動により、所定量の散剤Mを供給口(第1供給口2121及び/または第2供給口2122)に供給できるように構成されている。
【0045】
以上のように、薬剤供給部2aは、個々の薬剤容器21から包装シートSに散剤Mを供給する。つまり、本実施形態では、複数の薬剤容器21…21の各々に共通する通路を介することなく、供給位置P1にある薬剤容器21から包装シートSに散剤Mを供給する。前記移動部4により供給位置P1に移動させた薬剤容器21の散剤Mを、薬剤供給部2aにより包装シートSに供給することによって、複数の散剤Mが共用する分割機構等の薬剤通路の一部または全部を設ける必要がない。よって、クロスコンタミネーションの発生を防止できる。
【0046】
[制御部]
制御部6は、薬剤包装装置1の全体の動作を制御する部分である。制御部6に接続される主な部分を図10に示す。制御部6は、接続されている指示入力部6aを介して入力された供給指示に係る散剤量(具体的には患者における1服用分の量)の目標値に応じて、重量検出部5で薬剤の重量を検出しながら薬剤供給部2aにより散剤Mを供給する。供給指示には、例えば、薬剤供給部2aにより供給する散剤Mの種類、各散剤の供給量や供給の目標値等が含まれる。指示入力部6aは、一例として、調剤薬局等に設置されたホストシステムから処方情報を受ける入力部や、バーコードリーダー、RFIDリーダー、キーボード、タッチパネルが挙げられ、種々の態様を取り得る。
【0047】
記憶部6bは、制御部6による制御に必要な情報を記憶しておく部分である。本実施形態の記憶部6bは、図10に示すように、物理的に制御部6とは別に設けられ、制御部6に対して接続されている。しかし、例えば記憶部6bが物理的に制御部6の一部として構成されることもでき、薬剤包装装置1内での配置は特に限定されない。
【0048】
制御部6は、薬剤容器21を待機位置P0(図1参照)から供給位置P1に移動させる。そして制御部6は、供給操作機構24を駆動させて、薬剤容器21から散剤の供給を行う。制御部6は、重量検出部5から入力される検出重量値に応じて供給操作機構24の駆動を制御し、供給指示に係る散剤量の供給を行う。
【0049】
[使用方法の説明]
以上のように構成された本実施形態に係る薬剤包装装置1及び薬剤供給装置1Aの使用方法の概略を説明する。なお、以下の使用方法は一例に過ぎずこれに限定される訳ではない。使用に先立ち、作業者(薬剤師等)は、複数の薬剤容器21の各々に散剤Mを収容する。この際、各薬剤容器21に異種の散剤Mを収容することもできるし、2つ以上の薬剤容器21に同種の散剤Mを収容することもできる。次に作業者は、散剤Mが収容された薬剤容器21を待機位置P0に配置する。
【0050】
次に、指示入力部6aを経由して薬剤包装装置1に処方情報が入力される。すると、制御部6は、移動機構41を作動させて薬剤容器21を移動させる。供給対象の散剤Mが収容された薬剤容器21が供給位置P1に来ると、制御部6は移動機構41を停止させる。
【0051】
次に制御部6は、供給操作機構24を作動させて散剤の供給を開始する。制御部6は、重量検出部5から送られた検出重量値を基に供給操作機構24を制御し、処方情報に対応した量(具体的には患者の1服用分の量)の散剤Mが包装シートSに供給されると、供給操作機構24の駆動を停止させる。
【0052】
次に、制御部6は包装部3を制御して、散剤Mの供給された包装シートSを長手方向に搬送させてヒートシールを行う。そして、同じ種類の散剤Mを続けて包装シートに供給する場合は、薬剤容器21から散剤Mを包装シートSに供給した後に包装シートSを長手方向に搬送させてヒートシールを行う動作を繰り返す。制御部6は、これらの動作を処方情報に応じて必要な回数だけ行う。これにより、散剤Mの分包が完了する。使用後の薬剤容器21は、供給位置P1から待機位置P0に移動する。なお、例えば、供給位置P1から待機位置P0に移動するまでの間に、図示しない清掃部により、開放操作部(仕切部)72に付着した散剤Mを除去することができる。これにより、待機位置P0における薬剤容器21の開放操作部(仕切部)72から不意に散剤Mが落下することによるクロスコンタミネーション発生を抑制できる。清掃部による散剤Mの除去は、吸引やブラシ掛けによって行うことができる。
【0053】
また、異なる種類の散剤Mを同一の包装シートSに供給してヒートシールする場合は、薬剤容器21から散剤Mを包装シートSに供給した後に包装シートSを長手方向に搬送させずに待機しておく。そして、移動機構41は、供給後の薬剤容器21を供給位置P1から待機位置P0に移動させ、別の供給対象である散剤Mが収容された薬剤容器21を供給位置に移動させる。そして、供給位置に移動してきた薬剤容器21から散剤Mを包装シートSに供給した後に包装シートSを長手方向に搬送させてヒートシールを行う。
【0054】
[供給制御の内容]
次に、散剤の供給に関する制御に関して、観点を3つに分けて制御A~制御Cを例示して以下に説明する。これらの制御A~Cは別個に行うこともできるし同時に行うこともできる。
【0055】
(制御A)
制御Aは、短時間に小さい誤差で散剤Mを供給することを目的とし、散剤Mの供給量を途中で減少させる制御である。制御部6は供給動作を行う。供給動作は、供給口(詳しくは第1供給口2121、第2供給口2122)が開放された状態で移送体(上側移送体217、下側移送体219)を回転させる。本実施形態の供給動作には、第1供給動作としての前供給動作と第2供給動作としての後供給動作とが含まれる。制御部6は、第1供給動作としての前供給動作を行った後、第2供給動作としての後供給動作を行う。
【0056】
前供給動作は、第1供給口2121と第2供給口2122とが開放された状態で、上側移送体217と下側移送体219とを回転させる動作である。この動作により、上側移送体217により散剤Mを移送して、外周孔2181から散剤Mを落下させて第1供給口2121から散剤Mを供給するとともに、内周孔2182から散剤Mを落下させて下側移送体219により散剤Mを搬送して、第2供給口2122から散剤Mを供給する。両供給口2121,2122から同時に散剤Mを供給できるので、各移送体217,219の単位回転量あたりの供給量を多くできる。
【0057】
後供給動作は、前供給動作の後、第1供給口2121を閉じるとともに、上側移送体217により散剤Mを移送して、内周孔2182から散剤Mを落下させて下側移送体219により散剤Mを搬送して、第2供給口2122から散剤Mを供給する後供給動作を行う動作である。第1供給口2121を閉じて、第2供給口2122から散剤Mを供給するので、各移送体217,219の単位回転量あたりの供給量を前供給動作に比べて少なくできる。更に本実施形態では、前供給動作に比べて各移送体217,219の単位時間あたりの回転数を小さくしている。このため、前供給動作と同一時間回転した場合に比べ、供給量が少なくなっている。この前供給動作と後供給動作との組み合わせにより、1服用分の薬剤を供給できる。
【0058】
この制御Aにおいて、制御部6は、供給すべき散剤Mの重量に係る目標重量値(あらかじめ設定された値)と、重量検出部5から得た検出重量値(刻々変化する値)と、に基づき薬剤供給部2aを制御する。この制御は、制御部6が、重量検出部5から得た検出重量値が目標重量値に到達するまでの間、移送体(具体的には下側移送体219)を間欠的に回転させる制御である。つまり、制御部6は、前供給動作中に、目標重量値より小さく設定された中間重量値に到達すると、後供給動作に移行する。制御部6は、後供給動作では、重量検出部5から得た検出重量値が目標重量値に到達するまでの間、下側移送体219を間欠的に回転させる。下側移送体219の前記間欠的な回転は、下側移送体219における各移送片2191間の移送領域219aに相当する角度分なされる。
【0059】
後供給動作を行うに当たり、記憶部6bには、移送体、具体的には下側移送体219の各移送片2191間の移送領域219aに対応する散剤Mの重量値が記憶されている。そして制御部6は、重量検出部5から得た検出重量値の目標重量値に対する不足重量値に対応した各移送片2191間の移送領域219aに相当する角度分(つまり、移送領域219aひとつが移送する散剤Mの重量値で不足重量値を割った値に各移送片2191間の角度を掛けた角度分)だけ下側移送体219を間欠的に回転させる。これにより、目標重量値に到達するように散剤Mを供給できる。
【0060】
(制御B)
制御Bは、散剤Mの性状(例えば飛散しやすい(飛び散り易い)性質の散剤M)に応じて適切な供給を行うことを目的とする制御である。
【0061】
制御Bを行うに当たり、薬剤容器21には、貯留された散剤Mの種類ごとの薬剤供給部2aの駆動条件に関連付けられた固有情報が付与されている。具体的には、前記固有情報がRFIDタグ214に書き込まれている。
【0062】
情報読取部(例えばRFIDリーダライタ(図示しない))は、前記固有情報を薬剤容器21のRFIDタグ214から取得する。制御部6は、情報読取部により取得した前記固有情報に基づいて薬剤供給部2aの駆動条件を設定し、薬剤供給部2aを当該駆動条件に対応するよう制御して散剤Mを供給する。
【0063】
前記固有情報は、供給停止の指示がされてから実際に供給される散剤Mの供給量に係る余剰供給重量値の情報を含む。余剰供給は、供給停止の指示がされてから散剤Mが実際に落下し終わる(落下し切る)までのタイムラグにより生じる。具体的には、開閉体21Aが各供給口2121,2122を閉じるまでに時間を要すること、また、開閉体21Aの下方に落下中の散剤Mが存在することによる。制御部6は、供給すべき散剤Mの重量に係る目標重量値と余剰供給重量値とに基づき薬剤供給部2aを制御して散剤Mを供給する。
【0064】
固有情報には、各移送体217,219の回転速度の情報を含むようにできる。この情報を利用して、例えば飛散しやすい(飛び散り易い)散剤Mに関しては、制御部6が各移送体217,219の回転速度を遅くする制御を行うことができる。これにより、供給時の散剤Mの飛散(飛び散り)を抑制でき、確実に包装シートSに供給できる。前記回転速度は、周速度、角速度のいずれであってもよい。
【0065】
また、固有情報には、各移送体217,219の回転量に対応する散剤Mの供給量の情報を含むようにできる。この情報を利用して、各移送体217,219の回転量と散剤Mの供給量との関係に応じて各移送体217,219を制御できる。ここで、下側移送体219の移送領域219aは、上側移送体217の移送領域217aよりも、移送できる散剤Mの体積が小さくなるよう構成されているので、散剤Mのこまめな供給が可能である。よって、前記固有情報において、特に下側移送体219の回転量に対応する散剤Mの供給量の情報を含むようにすることで、供給すべき散剤Mの重量に係る目標重量値と余剰供給重量値との差を埋めるための散剤Mの供給に関し、供給精度を高めることができる。
【0066】
また、固有情報には、包材(本実施形態では包装シートSにおいて分包可能な1区画分の範囲)に供給できる散剤Mの最大量の情報を含む。この情報を利用して、包装シートSから散剤Mをあふれさせないように制御できる。
【0067】
(制御C)
制御Cは、散剤Mを迅速に供給完了することを目的とし、単位時間あたりの供給量、及び、供給精度を異なるように設定した複数の供給動作を順次切り替える制御である。
【0068】
前記複数の供給動作は、本実施形態では、第1の供給動作としての大供給動作、第2の供給動作としての中供給動作、第3の供給動作としての小供給動作が設定されている。制御部6は、薬剤供給部2aによる供給動作の制御につき、大供給動作、中供給動作、小供給動作の順で実行する。中供給動作は、大供給動作よりも、単位時間あたりの散剤Mの供給量が小さく、かつ、供給精度が高い動作である。小供給動作は、中供給動作よりも、単位時間あたりの散剤Mの供給量が小さく、かつ、供給精度が高い動作である。本実施形態では、大供給動作は、第1供給口2121及び第2供給口2122を開放した状態で連続回転する上側移送体217及び下側移送体219により供給を行う動作である。中供給動作は、第2供給口2122のみを開放した状態で連続回転する下側移送体219により供給を行う動作である。なお、中供給動作の単位時間あたりの回転量は、大供給動作の単位時間あたりの回転量よりも小さく設定されている。小供給動作は、第2供給口2122のみを開放した状態で間欠回転する下側移送体219により供給を行う動作である。なお、中供給動作及び小供給動作の際、上側移送体217も回転はしているが、第1供給口2121が閉鎖されていることから、この際の上側移送体217は、仕切体218の下方への散剤Mの送り込みのために機能し、散剤Mの供給のために直接的に機能するものは下側移送体219となる(つまり、上側移送体217は散剤Mの供給のために間接的に機能する)。
【0069】
なお、前記「供給精度」とは、言い換えると、散剤Mの供給量の目標値に向かって実際の供給量(累積量)を近づけていく際の近づき度合のことである。本実施形態において、中供給動作は、上側移送体217により移送される散剤Mは第1供給口2121から供給されず、かつ、上側移送体217の各移送片2171間の領域217aよりも狭い下側移送体219の各移送片2191間の領域219aにより移送される散剤Mが供給されるため、上側移送体217により移送される散剤Mが第1供給口2121から供給される大供給動作に比べて供給精度を高めている。また、小供給動作は、下側移送体219を間欠回転させ、下側移送体219の個々の移送領域219aでの供給をさせることで、連続回転時(中供給動作)に比べて供給精度を高めている。つまり小供給動作は、下側移送体219の回転態様を変化させることで、供給精度を高めている。
【0070】
更に、制御部6は、散剤Mの供給量に関して、薬剤包装装置1の使用者等による指示入力部6aを介した入力により指定される目標値に基づいて、第1中間重量値と第2中間重量値とを設定する。第1中間重量値は目標値よりも小さい値である。そして第1中間重量値は、大供給動作によって余分の散剤Mが供給されたとしても、重量検出部5による検出値が第2中間重量値を超えない値に設定されている。第2中間重量値は、目標値よりも小さく、かつ、第1中間重量値よりも大きい値である。そして第2中間重量値は、中供給動作によって余分の散剤Mが供給されたとしても、重量検出部5による検出値が目標値を超えない値に設定されている。前記「余分の散剤M」とは、供給停止の指示がされてから実際に供給される散剤Mのことである。余分の散剤Mの量は、散剤の比重や流動性によって異なるので、散剤Mごとに定められる。前記設定により、第2中間重量値に達するまでに中供給動作が省略されずに必ず行われる。中供給動作が必ず行われることで、例えば大供給動作からいきなり供給量の少ない小供給動作に移行することに比べ、目標値に近づいた状態で小供給を開始することができるため、短時間で目標値に到達させることが可能である。
【0071】
次に、フローチャートである図11を参照しつつ、制御Cの流れを説明する。まず、駆動出力軸241と駆動入力軸21Cとの連結の際における、供給操作機構24の動作について説明する。供給位置P1に移動した薬剤容器21に対して連結を行うべく、駆動出力軸241が前進する(図11のS1)この場合、駆動入力軸21Cの入力嵌合部21C1に対して、駆動出力軸241がうまく凹凸嵌合できれば、駆動出力軸241と駆動入力軸21Cとの連結は完了する(図11のS9、S10)。
【0072】
しかし、例えば駆動入力軸21Cの入力嵌合部21C1における凸部と、駆動出力軸241における凸部とが当接することにより、凹凸嵌合ができないことがある。この場合、駆動出力軸241の前進が途中で止まって、例えば後方に押し返されるような挙動が生じるので、この挙動をリミットセンサー等により検出することで(図11のS2)、再度の連結のための動作を行うことができる。再度の連結のための動作としては、まず、駆動出力軸241が前記前進を止めて(図11のS3)、一旦後退する(図11のS4)。これにより、駆動入力軸21Cに対して駆動出力軸241が離反するので、前記凸部同士の当接が解除される。この後退は、前記リミットセンサー等の検出が非検出となるまでなされる(図11のS5、S6)その後、駆動出力軸241を所定角度回転させる(図11のS7、S8)。具体的には、駆動出力軸241の嵌合部分における凹凸の位置関係が交代する程度の角度分回転させる。その後、駆動出力軸241が前進する(図11のS1)。これにより、駆動出力軸241と駆動入力軸21Cとの連結は完了する。連結の完了は、正しい連結状態の位置を検出する別のセンサー(図示しない)により検出されて(図11のS9)、駆動出力軸241の前進が停止する(図11のS10)。もしも、連結が再び失敗した場合には、前述の動作を再度行う(図11のS1に戻る)。
【0073】
図11に示すように、この制御Cにおいて、制御部6はまず、供給操作機構24を連続的に駆動させて大供給動作を実行する(図11のS11)。これと共に、制御部6は開閉体21Aを開き方向に回転させる(図11のS12)。第1供給口2121と第2供給口2122とが開放された状態(第1開放状態)がセンサー(図示しない)により検出されると(図11のS13)、開閉体21Aの回転が停止する(図11のS14)。
【0074】
重量検出部5による検出値が第1中間重量値を超えると、制御部6は大供給動作を終了させて中供給動作を供給操作機構24に指示する(図11のS15)。中供給動作では、大供給動作と同様に、供給操作機構24が連続的に駆動する(図11のS16)。これと共に、制御部6は開閉体21Aを回転させる(図11のS17)。第1供給口2121が閉鎖し、第2供給口2122が開放された状態(第2開放状態)がセンサー(図示しない)により検出されると(図11のS18)、開閉体21Aの回転が停止する(図11のS19)。
【0075】
次に、重量検出部5による検出値が第2中間重量値を超えると、制御部6は中供給動作を終了させて小供給動作を供給操作機構24に指示する(図11のS20)。小供給動作では、供給操作機構24の連続的な駆動が停止し(図11のS21)、間欠的に駆動するようになる(図11のS22)。この間欠的な駆動は、重量検出部5による検出値が目標値に到達するまで(図11のS23)繰り返される。重量検出部5による検出値が目標値に到達すると、制御部6は開閉体21Aを回転させる(図11のS24)。第1供給口2121と第2供給口2122とが閉鎖された状態(全閉状態)がセンサー(図示しない)により検出されると(図11のS25)、開閉体21Aの回転が停止する(図11のS26)。制御Cはここで終了する。
【0076】
なお制御Cの後、使用済みの薬剤容器21を供給位置P1から外すことができるように、供給操作機構24の駆動出力軸241が薬剤容器21の駆動入力軸21Cから離れる方向に移動(例えば後退)する(図11のS27)。センサー(図示しない)により供給操作機構24の駆動出力軸241が薬剤容器21の駆動入力軸21Cから離れたことが検出されると(図11のS28)、供給操作機構24の移動が停止する(図11のS29)
【0077】
本実施形態の制御部6は、小供給動作中に、薬剤供給部2aによる散剤Mの供給動作を一旦停止させ、その状態で、重量検出部5は、薬剤供給部2aから供給された散剤Mの重量を検出することが可能である(図11のS21~S23)。供給動作を一旦停止した状態で重量検出を行うことができるため、散剤Mの供給状況の現状把握が正確にできる。この際、制御部6は、重量検出部5による検出値が目標値に満たない場合には、供給動作を再開させ(図11のS22)、重量検出部5による検出値が目標値に到達した場合(図11のS23)には、供給動作を終了させる(図11のS24に移行)。
【0078】
[実施形態の変更可能性]
なお、本発明の薬剤包装装置1(薬剤供給装置1Aを含む)は、前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。つまり、前記実施形態において明示していない構成についても、明示した構成と同一の作用を奏する構成については本発明の範囲内で変更が可能であって、該構成を明示していないことをもって意識的に除外している訳ではない。
【0079】
例えば、本発明の薬剤包装装置1または薬剤供給装置1Aにおける被供給対象物である薬剤は散剤に限定されず、錠剤やカプセル剤であってもよい。
【0080】
また、包材は前記実施形態のような包装シートSに限定されず、例えば、バイアル瓶等の蓋付きの瓶であってもよい。この場合の瓶は、ガラス製であっても樹脂製であってもよい。包材が瓶である場合、瓶は包材保持部で保持される。また、包材開放部は蓋を瓶の本体から外す(例えばスクリュー式の蓋では、蓋を瓶の本体に対して回転させる)ように構成できる。
【0081】
また、包材が包装シートSのようなシート状体である場合、前記実施形態のようにあらかじめ二つ折りされてロール状に巻かれたものに限定されず、平たい状態でロール状に巻かれ、ロールから引き出された後、搬送中に二つ折りされるよう構成されていてもよい。
【0082】
また、包材のシールは、前記実施形態のようなヒートシールに限定されず、種々のシールであってよい。
【0083】
また、薬剤容器21から包材に一度に供給される薬剤は、前記実施形態では1服用分であったが、これに限定されず、例えば複数回の服用分が一度に供給されてもよい。また、1服用分の薬剤が複数回に分けて供給されてもよい。
【0084】
また、前記実施形態では、薬剤供給部2aは薬剤容器21の内部に(薬剤容器21と一体的に)設けられていた。しかしこれに限定されず、薬剤供給部2aが薬剤容器21の外部に設けられることもでき、薬剤容器21と一体的に設けられることは必須ではない。
【0085】
ところで、従来の薬剤供給装置を使用するにあたり、作業者は、投与総量分の薬剤を振動フィーダ(または投入枡)に投入する。前記薬剤供給装置には、処方に応じて異なる種類の薬剤が投入される。前記薬剤供給装置では、円盤(または分配枡)に薬剤を移して薬剤を分配し、1服用分の薬剤を包装装置に供給するように構成されていた。つまり、従来の薬剤供給装置では、供給に先立ち分配というプロセスが介在する。投与総量分の薬剤は、分配機構によって1服用分に分配されて供給される。従って、分配機構に付着する薬剤によりクロスコンタミネーションが生じないよう、1処方分の薬剤を供給する度に分配機構をはじめとする薬剤通路を清掃する必要があった。このため、各々の薬剤容器から1服用分の薬剤を供給する構成が望まれていた。
【0086】
以下の実施形態では、振動フィーダや円盤(または投入枡や分配枡)等の分配機構を用いることを要さずに、各々の薬剤容器から1服用分の薬剤を供給する薬剤供給装置を提供することを課題とする。
【0087】
この実施形態の薬剤供給装置は、粉粒状の薬剤を分包する際に用いられる薬剤供給装置であって、薬剤を貯留し、底部には、薬剤を落下させる供給口が形成される薬剤容器と、前記薬剤容器から薬剤を供給する薬剤供給部と、前記薬剤供給部を制御する制御部と、を備え、前記薬剤供給部は、前記薬剤容器の底部に交差する中心軸周りに回転し、径外方向に延びる複数の移送片が周方向に均等な間隔をあけて配され、回転することにより各移送片間の領域に位置する薬剤を移送する移送体を有し、前記制御部は、前記移送体を回転させ、前記移送体により薬剤を移送して、前記供給口から薬剤を供給することにより1服用分の薬剤を供給する。
【0088】
前記構成によれば、径外方向に延びる複数の移送片が周方向に均等な間隔をあけて配された移送体を用い、移送体が回転することにより各移送片間の領域に位置する薬剤を移送することで、薬剤の供給量が安定する。このため、回転量に応じて薬剤の供給量を調整することができ、精度よく1服用分の薬剤を供給できる。
【0089】
また、前記薬剤容器から供給された薬剤の重量を検出する重量検出部をさらに備え、前記制御部は、供給すべき薬剤の重量に係る目標重量値と、前記重量検出部から得た検出重量値と、に基づき前記薬剤供給部を制御するものであって、前記制御部は、前記重量検出部から得た検出重量値が前記目標重量値に到達するまでの間、前記移送体を間欠的に回転させてもよい。
【0090】
前記構成によれば、重量検出部から得た検出重量値が1服用分の薬剤に係る目標重量値に到達するまでの間、移送体を間欠的に回転させることで薬剤の供給量を調整できる。このため、精度よく1服用分の薬剤を供給できる。
【0091】
また、前記間欠的な回転は、前記移送体における前記各移送片間の領域に相当する角度分なされるものであってもよい。
【0092】
前記構成によれば、移送体の間欠的な回転により、徐々に1服用分の薬剤に係る目標重量値に近づけながら薬剤を供給できる。また、間欠的な回転ごとの供給量が、移送体における各移送片間の領域に位置する薬剤の量に一致するので、目標重量値に近づける制御を行いやすい。
【0093】
また、前記移送体の前記各移送片間の領域に対応する薬剤の重量値を記憶する記憶部を備え、前記制御部は、前記重量検出部から得た検出重量値の前記目標重量値に対する不足重量値に対応した前記各移送片間の領域に相当する角度分だけ前記移送体を回転させてもよい。
【0094】
前記構成によれば、不足重量値に対する移送体の回転量を定めやすい。
【0095】
また、前記薬剤供給部は、前記供給口を開閉する開閉体と、前記薬剤容器内を上下に仕切り、上下に貫通した外周孔と内周孔とを有する仕切体とを有し、前記移送体は、前記仕切体の上方に配置されて前記仕切体に載置される薬剤を移送する上側移送体であって、移送される薬剤を前記外周孔と前記内周孔とから落下させる上側移送体と、前記仕切体の下方に配置されて前記上側移送体と同軸に回転し、前記内周孔から落下された薬剤を移送する下側移送体であって、前記上側移送体よりも各移送片間の領域が狭い下側移送体と、を有し、前記供給口は、第1供給口と第2供給口とを有し、前記第1供給口は、前記外周孔に連通しており、前記外周孔からの薬剤を落下させ、前記第2供給口は、前記内周孔と周方向にずれた位置に設けられており、前記内周孔から落下して前記下側移送体により移送された薬剤を落下させ、前記開閉体は、前記第1供給口と前記第2供給口とを共に開放すること、または、前記第1供給口を閉鎖して前記第2供給口のみを開放することができ、前記制御部は、前記第1供給口と前記第2供給口とが開放された状態で、前記上側移送体と前記下側移送体とを回転させ、前記上側移送体により薬剤を移送して、前記外周孔から薬剤を落下させて前記第1供給口から薬剤を供給するとともに、前記内周孔から薬剤を落下させて前記下側移送体により薬剤を搬送して、前記第2供給口から薬剤を供給する第1供給動作を行い、その後、前記第1供給口を閉じるとともに、前記上側移送体により薬剤を移送して、前記内周孔から薬剤を落下させて前記下側移送体により薬剤を搬送して、前記第2供給口から薬剤を供給する第2供給動作を行うものであってもよい。
【0096】
前記構成によれば、薬剤を供給開始した時点では第1供給動作により単位回転量あたりの供給量を多くし、目標量に近づくと第2供給動作により単位回転量あたりの供給量を少なくできる。このため、短時間で精度よく目標量である1服用分の薬剤量に到達する供給をできる。
【0097】
以上の実施形態によれば、振動フィーダや円盤(投入枡や分配枡)等の分配機構を用いることを要さずに、1服用分の薬剤を供給する薬剤供給装置を提供できる。
【符号の説明】
【0098】
1…薬剤包装装置、1A…薬剤供給装置、2a…薬剤供給部、21…薬剤容器、21A…開閉体、21A1…開口部、21A2…閉鎖部、21B…回転軸、21C…駆動入力軸、21C1…入力嵌合部、211…胴部、212…底部部材、212a…底部上部材、212b…底部下部材、2121…供給口(第1供給口)、2122…供給口(第2供給口)、2123…底部通路、213…蓋部、214…タグ、215…撹拌体、2151…立ち上げブレード、2152…水平ブレード、216…遮蔽体、2161…外周孔遮蔽体、2162…内周孔遮蔽体、2163…連結輪、217…上側移送体、217a…移送領域、2171…移送片、218…仕切体、2181…外周孔、2182…内周孔、2183…外周仕切部、219…下側移送体、219a…移送領域、2191…移送片、24…供給操作機構、241…駆動出力軸、3…包装部、31…包材搬送部、311…包材供給部、312…ガイドバー、32…シール部、4…移動部、41…移動機構、5…重量検出部、6…制御部、6a…指示入力部、6b…記憶部、7…包材開放部(仕切部)、71…容器対応部、711…貫通孔、72…開放操作部、721…先端部、P0…待機位置、P1…供給位置、M…薬剤(散剤)、S…包材(包装シート)、Sa…(包装シートの)開口部
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