IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ リシプロカル・ラボズ・コーポレイション(ディービーエー・プロペラ・ヘルス)の特許一覧

<>
  • 特開-単回投与吸入器監視アタッチメント 図1
  • 特開-単回投与吸入器監視アタッチメント 図2
  • 特開-単回投与吸入器監視アタッチメント 図3
  • 特開-単回投与吸入器監視アタッチメント 図4A
  • 特開-単回投与吸入器監視アタッチメント 図4B
  • 特開-単回投与吸入器監視アタッチメント 図4C
  • 特開-単回投与吸入器監視アタッチメント 図4D
  • 特開-単回投与吸入器監視アタッチメント 図4E
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023052657
(43)【公開日】2023-04-11
(54)【発明の名称】単回投与吸入器監視アタッチメント
(51)【国際特許分類】
   A61M 13/00 20060101AFI20230404BHJP
【FI】
A61M13/00
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023010297
(22)【出願日】2023-01-26
(62)【分割の表示】P 2021182557の分割
【原出願日】2021-11-09
(31)【優先権主張番号】15/940,952
(32)【優先日】2018-03-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Linux
2.JAVASCRIPT
(71)【出願人】
【識別番号】520119552
【氏名又は名称】リシプロカル・ラボズ・コーポレイション(ディービーエー・プロペラ・ヘルス)
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】サミュエル・エー・コブレンスキ
(72)【発明者】
【氏名】グレゴリー・エフ・トレイシー
(72)【発明者】
【氏名】デイヴィッド・ヒューバンクス
(72)【発明者】
【氏名】アンバー・ミッシェル・マーキー
(72)【発明者】
【氏名】ベンジャミン・ジェイ・コップ
(72)【発明者】
【氏名】ジャスティン・コンラッド・クロッシェル
(72)【発明者】
【氏名】リア・ジェイ・モレル
(57)【要約】
【課題】薬剤デバイスセンサ、詳細には単回投与吸入器監視アタッチメントに関する。
【解決手段】薬剤デバイスセンサ(センサ)が、本体と、前壁と、後壁と、オーディオセンサと、複数の圧力センサとを備える。本体は、様々なセンサが結合された底面を含む。前壁および後壁は、最大で1つの平面において鏡面対称を備え、それによって、センサが薬剤デバイスに付く単一の向きを定める。前壁は、薬剤デバイス上のレッジに付く固定クリップを含む。薬剤デバイスへのセンサの確実な取付けを検出するために、センサが薬剤デバイスに固定されるとき、1つの圧力センサが、圧力を検出する。別の1つまたは複数の圧力センサが、1つまたは複数の投与ボタンの押下を検出し、薬剤デバイスのプライミングを確認する。オーディオセンサは、吸入を検出し、薬剤デバイスの投与を確認する。事実上、センサは、投与イベントが発生したと決定する。
【選択図】図4A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
明細書及び添付図面に関連付けて実質的に説明された薬剤デバイスセンサ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に、薬剤吸入デバイス監視アタッチメントに関する。
【背景技術】
【0002】
喘息は、依然として重大でコストの大きい公衆衛生問題である。世界的に、世界保健機関は、喘息患者数は3億人であると推定し、2025までに4億人に増加するであろうと予測する。米国では、喘息は、米国の12人に1人に影響を及ぼし、罹患率は上昇しつつあり、医療利用費は毎年560億ドル以上となっている。
【0003】
新しい薬剤の開発にかかわらず、入院および救急外来受診率は減っていない。米国では毎年、この病気により約200万人が救急来院し、500,000人が入院し、5,000人が死亡する。さらに、喘息は、推定1,500万日の学校欠席、1,200万日の欠勤の原因となっている。米国の保険会社および雇用者にかかる総年間コストは、180億ドルを超える。
【0004】
これらの悪化の大半は、現在利用可能な治療で防ぐことができるが、喘息患者の5人に1人しか、病気をコントロールしていない。新たに改訂された国のガイドラインは、治療が日々の症状をコントロールし、生活の質を向上させているかどうかをより綿密に監視するよう医者に促している。しかしながら医師には、患者が日々いかによくなっているかを評価するために利用できるツールがほとんどない。ますます多くの医師が、患者を監視し、患者のコントロールレベルを決定するために、定期的な、書面による質問表(喘息管理テストなど)を使用し始めた。これらの手段は患者に、ある期間(通常2~4週間)にわたる症状の頻度、吸入器の使用、ならびに活動レベルおよび制限を、正確に思い出して報告することを要求する。結果として、これらの質問表は、バイアス(記憶力)、症状の異なる解釈、および行動(ノンアドヒアランス(non-adherence))によって導入される誤差の影響を受け、それらが使用される時点の情報を提供するにすぎない。
【0005】
より一般的には、吸入器などの薬剤デバイスは、患者が気流の妨げなどの呼吸器症状を管理することを可能にするコルチコステロイドを投与する。患者が薬剤デバイスを使用するとき、投薬イベントのインスタンスを正確に記録し、記録されたインスタンスを医師に送ることができると、医師によって患者をより良く監視することが可能になる。吸入器などの、そのような薬剤デバイスに取り付けられた薬剤デバイスセンサが、薬剤投与のインスタンスを記録し、記録されたインスタンスをサーバに送信するのに役立つことができるが、そのようなイベントは一般に、報告されるとしても、それらの発生時間よりもかなり後に行われる。場合によっては、そのようなイベントは、数日とまではいかなくても、数時間も後に報告され、これは問題である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許出願第12/348,424号
【特許文献2】国際出願第PCT/US2014/039014号
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示は、薬剤デバイスセンサを説明し、詳細には単回投与吸入器監視アタッチメントを説明する。単回投与吸入器は、薬剤投与量のプライミング、次いでユーザによる吸入を通して、一度に単回薬剤投与量を与えるために使用される。監視アタッチメントは、監視アタッチメントを単回投与吸入器に固定することを目的とする多くの特徴を有する。これらの特徴は、固定クリップ、非対称性を有する2つの壁を含む本体、および単回投与吸入器上の投与ボタンに対応する溝を含む。固定クリップは、単回投与吸入器上のレッジにはまる。本体は、監視アタッチメントを単回投与吸入器に固定するための1つの向きが存在するように、少なくとも2つの直交する平面で非対称に成形される。本体はまた、単回投与吸入器に張力を与える、固定クリップの壁の反対側の壁を備える。監視アタッチメントの両側に沿った溝は、単回投与吸入器の投与ボタンが溝にはまることを可能にする。監視アタッチメントが単回投与吸入器に固定されたかどうかを検出するために、監視アタッチメントは、リミットスイッチを使用し、リミットスイッチは、監視アタッチメントが単回投与吸入器にしっかりと固定されているとき、押し下げられる。監視アタッチメントが固定されると、監視アタッチメントは、薬剤使用イベントを記録するために他のセンサを作動させることができる。
【0008】
薬剤投与量のプライミングおよびユーザによる吸入を正確に記録するために、監視アタッチメントは、投与ボタンおよびオーディオセンサに結合された2つのリミットスイッチを備える。2つのリミットスイッチは、単回投与吸入器上の2つの投与ボタンが押されるとき、押し下げられる。薬剤投与量を有するカプセルが単回投与吸入器に装填される場合、2つの投与ボタンを押すと、カプセルに穴が開く。カプセルに穴が開いた後、カプセルは、ユーザによる薬剤の吸入の前に回転する(spin)。オーディオセンサは、カプセルの回転とユーザによる吸入の両方についてのオーディオ信号を検出する。投薬イベントのインスタンスを記録するために、監視アタッチメントは、リミットスイッチからおよびオーディオセンサからの確認を待つ。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】一実施形態による、正確な、リアルタイムの薬剤デバイス使用を監視し、そのデータに関して分析を行い、薬剤デバイスイベントに基づいて通知を提供するための分析システムを示す図である。
図2】一実施形態による、クライアントデバイス、アプリケーションサーバ、および/またはデータベースサーバとして使用される例示的なコンピューティングデバイスを示すハイレベルブロック図である。
図3】一実施形態による、ユーザから喘息分析システムへ入力および/または出力を提供するクライアントアプリケーションのグラフィカルユーザインターフェースの図である。
図4A】一実施形態による、薬剤デバイスセンサの斜視図である。
図4B】一実施形態による、単回投与吸入器に取り付けられる薬剤デバイスセンサの斜視図である。
図4C】一実施形態による、薬剤デバイスセンサの上面図である。
図4D】一実施形態による、固定クリップを有する薬剤デバイスセンサの一部分の斜視図である。
図4E】一実施形態による、単回投与吸入器に隣接した固定クリップの一部分の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図は、単に例示のために本発明の様々な実施形態を示す。以下の説明から、本明細書で説明する構造および方法の代替実施形態が、本明細書で説明する原理から逸脱することなく使用され得ることを、当業者には容易に認識されよう。
【0011】
I.システム環境
図1は、一実施形態による、正確な、リアルタイムの薬剤デバイス使用を監視し、そのデータに関して分析を行い、それらのイベントについて情報を提供するための分析システム100を示す。
【0012】
分析システムは、クライアントコンピューティングデバイス110(本明細書では単に「クライアント110」と呼ぶ)と、薬剤デバイスセンサ120(本明細書では単に「センサ120」と呼ぶ)と、薬剤デバイス160と、アプリケーションサーバ130と、データベースサーバ140と、ネットワーク150とを含む。図1は、分析システム100の構成要素の大部分の単一の事例しか示していないが、実際には各構成要素の2つ以上が存在する場合があり、図示した構成要素とともに、追加の構成要素またはより少ない構成要素が使用される場合がある。
【0013】
I.A.クライアントおよびアプリケーション
クライアント110は、それらのユーザの強い要請により、ネットワーク150を介して分析システム100と対話する。説明および明快のために、少なくとも2つの異なるタイプのユーザを識別することが有用である。患者111は、センサ120によるレコードに基づいてサーバ130によって提供される個別のリスク通知を取得するために少なくとも部分的に分析システム100を利用する、医学的問題を抱えているユーザである。センサ120によって記録されたレコードは、1つまたは複数の薬剤デバイス160(たとえば、薬剤のタイプごとに1つ)による、レスキューおよびコントローラ薬剤投与をそれぞれ含む、レスキューおよびコントローライベントを含んでもよい。そのような通知は、分析システム100が患者111の薬剤デバイス160使用を監視することを可能にするユーザの許可と引き換えに行うことができる。以下で説明するように、投薬イベントは、薬剤デバイス160およびユーザのクライアント110と関連付けられたセンサ120によって検出され、クライアント110は次にアプリケーションサーバ130に報告し、アプリケーションサーバ130は次に、分析システム100によって決定されたユーザの医学的状態に関して通知を生成するプロセスを開始することができ、通知は、クライアント110を介してユーザに提供され得る。
【0014】
別のタイプのユーザは、医療提供者112であり、医療提供者112は、この場合もやはり患者111の特別な許可を有し、同じく患者の薬剤管理に関する通知を受信する。いくつかの事例では、薬剤デバイスは、薬剤を与えるための医療用服用量吸入器であり、喘息、慢性閉塞性肺疾患、慢性副鼻腔炎、アレルギー、別の呼吸の問題などをコントロールするためにいくつかの薬剤が使用される。患者111は、薬剤使用イベントデータおよび薬剤投与に関連するレスキューイベントに関する派生統計および他の関連データを巡って、通知がコミュニティと共有されるための許可を表明してもよい。患者111の親/保護者など、自身のクライアント110が子供のものとは異なる場合に、同様に通知を受け取ることを希望することがある、他のタイプのユーザもまた考えられる。
【0015】
クライアント110は、コンピュータシステムである。例示的な物理的実装については、図2に関して以下でより十分に説明する。クライアント110は、ネットワーク150を介して分析システム100とワイヤレスに通信するように構成される。ネットワーク150アクセスがあると、クライアント110は、ユーザの地理的位置およびレスキュー投薬イベントの時間、ならびに関連センサ120から受信したイベントを説明する情報を、分析システム100に送信する。
【0016】
ユーザの位置およびイベント時間に関して、クライアント110は、それが接続されるセルラーまたはワイヤレスネットワーク150についての情報を使用することにより、地理的位置およびレスキューイベントの時間を決定してもよい。たとえば、クライアント110の現在の地理的位置は、ネットワーク150接続を提供しているソフトウェアスタックに直接問い合わせることによって決定されてもよい。代替的に、地理的位置情報は、ネットワーク150を介してアクセス可能にされる外部ウェブサービス(図1には示していない)にpingを実行することによって取得されてもよい。イベントの時間は、センサ120によってイベントデータの一部として提供されるか、クライアント110のネイティブオペレーティングシステムの一部として利用可能な適切なソフトウェアルーチンに問い合わせることによってイベントデータに追加されることがある。
【0017】
アプリケーションサーバ130と通信することに加えて、分析システム100にワイヤレスに接続されたクライアント110が、他の接続されたクライアント110と情報を交換する場合もある。たとえば、クライアントソフトウェアアプリケーション115を介して、医療提供者112が、患者111について最近のレスキューイベントを説明する通知を受信し、次いでそれに応答して、レスキューイベント治療後に関して患者111に助言を送ってもよい。同様に、アプリケーション115を介して、患者111は、患者の医療提供者112および他の患者111と通信してもよい。
【0018】
アプリケーション115は、患者110の画面上に表示され、ユーザがアプリケーション115の動作を制御するためにコマンドを入力することを可能にするユーザインターフェース(本明細書では「ダッシュボード」と呼ぶ)を提供する。ダッシュボードは、医療提供者112および患者111が分析システム100にアクセスする機構である。たとえば、ダッシュボードは、患者111および提供者112が、互いに対話すること、レスキューイベントリスク通知を受信すること、治療についてメッセージを交換すること、追加のイベントおよび非イベントデータを提供および受信することなどを行うことを可能にする。アプリケーション115は、ウェブページ、一連のウェブページ、またはインターネットブラウザ内でレンダリングされるように他の方法でコーディングされたコンテンツとしてコーディングされてもよい。アプリケーション115はまた、クライアント110のネイティブオペレーティングシステム上で動作するように構成された知的所有権のあるソフトウェアプログラムとしてコーディングされてもよい。ダッシュボードについては、図3とともに以下でより十分に説明する。
【0019】
ダッシュボードを提供することに加えて、アプリケーション115はまた、クライアント110の資源を使用してローカルで、レスキューイベントデータにいくつかのデータ処理を行った後、ネットワーク150を介して処理されたデータを送ってもよい。ネットワーク110を介して送られたイベントデータは、アプリケーションサーバ130によって受信され、そこで分析され、データベースサーバ140とともに記憶および検索されるように処理される。アプリケーションサーバ130は、クライアントアプリケーション115の必要に応じてデータベースシステム130に検索および記憶要求を宛ててもよい。
【0020】
クライアント110は、ネットワークアダプタおよび有線またはワイヤレス通信プロトコルのどちらかを使用してセンサ120と通信する。無線通信プロトコルの一例は、ブルートゥース(登録商標)・ロー・エナジー(BTLE)プロトコルである。BTLEは、短距離ワイヤレスネットワークで無線リンクを通じてワイヤレスにデータを送信する、短距離、低出力のプロトコル規格である。センサ120およびクライアント110は、BTLEパスキー(passkey)を使用して互いとペアリングされた後、センサ120は、自動的に同期し、薬剤デバイス160使用に関係する情報をクライアント110に通信する。センサ120が、レスキュー投薬イベントより前にクライアント110とペアリングされていない場合、情報は、そのようなペアリングが行われるまでローカルに記憶される。ペアリングすると、センサ120は、記憶されたいずれかのイベントレコードをクライアント110に通信する。他の実装形態では、他のタイプのワイヤレス接続が使用される(たとえば、赤外線または802.11)。
【0021】
クライアント110および薬剤デバイス160を別個の物理デバイス(それぞれスマートフォンおよび吸入器など)として上記で説明しているが、将来は、薬剤デバイス160は、デバイス160と単一ハウジングに統合されたセンサ120だけでなく、クライアント110の態様もまた含む場合があると考えられる。たとえば、薬剤デバイス160が、視聴覚情報を提示するために、ディスプレイまたは他の照明要素ならびにスピーカを含むオーディオヴィジュアルインターフェースを含んでもよい。そのような実装形態では、薬剤デバイス160自体が、サーバ130によって提供された通知の内容を、クライアント110を介してそれらを提示する代わりに、またはそれに加えて、直接提示してもよい。
【0022】
I.B.薬剤デバイスおよびセンサ
薬剤デバイス160は、呼吸気流の妨げを感じているユーザの肺に薬剤を届けるために使用される医療デバイスである。薬剤デバイス(たとえば、吸入器)は、一般に持ち運びでき、呼吸発作の治療時に利用しやすいように手で運べるほど小さい。一実施形態では、薬は、定量吸入器などの薬剤デバイス160を通して、エアロゾルの形態で届けられる。定量吸入器は、エアロゾル薬剤の圧縮高圧ガスキャニスタ(pressured propellant canister)と、調整された適用量を届けるための絞り弁と、加圧キャニスタを収納し、また薬を届けるためのマウスピースを形成するプラスチックホルダとを含む。別の実施形態では、薬は、乾燥粉末吸入器などの薬剤デバイス160を通して、乾燥粉末の形態で届けられる。乾燥粉末吸入器は、ユーザが乾燥粉末薬剤のストリップにより割出しすることを可能にする、ホイールおよび歯車機構を収納するデカルトの卵形の本体を有してもよい。乾燥粉末吸入器の本体はまた、乾燥粉末をユーザに届けるために、多岐管と、マウスピースとを含む。コントローラ薬剤デバイス160によって投与されるコントローラ薬剤の例には、ベクロメタゾン、ブデソニド、およびフルチカゾン、ならびにそれらの薬剤と、サルメテロールまたはホルモテロールなどの長時間作用型気管支拡張薬の組合せが含まれる。レスキュー薬剤デバイス160によって投与されるレスキュー薬剤の例には、アルブテロール、サルブタモール、レブアルブテロール、メタプロテレノール、およびテルブタリンが含まれる。
【0023】
各患者は、2つ以上の薬剤デバイス160と関連付けられてもよい。たとえば、患者は、レスキュー薬剤を投与するレスキュー薬剤デバイス160と、コントローラ薬剤を投与するコントローラ薬剤デバイス160とを有してもよい。同様に、各患者は、2つ以上のセンサ120と関連付けられてもよく、各センサは、患者の薬剤デバイス160の1つとともに動作するように選ばれる。
【0024】
一般に、センサ120は、薬剤デバイス160の使用を監視する物理デバイスである。センサ120は、薬剤ディスペンサの動作を妨げることなく薬剤デバイスに取り外し可能に取り付けることができるか、センサ120は、薬剤デバイス160の製造業者によって利用可能にされる、薬剤デバイス160のネイティブパーツである内蔵構成要素である。
【0025】
センサ120は、有線接続によって、またはより一般的にワイヤレス無線周波数接続によってクライアント110と通信する、センサ自体のネットワークアダプタ(図示せず)を含む。一実施形態では、ネットワークアダプタは、ブルートゥース (登録商標)・ロー・エナジー (BTLE)ワイヤレス送信機であるが、他の実施形態では、他のタイプのワイヤレス通信が使用されてもよい(たとえば、赤外線、802.11)。
【0026】
センサ120はまた、アプリケーションサーバ130とより直接的に通信するように構成されてもよい。たとえば、センサ120のネットワークアダプタが、802.11またはLTEなどのワイヤレス規格により通信するように構成される場合、アダプタは、ワイヤレスルータなどのワイヤレスアクセスポイントとデータを交換してもよく、ワイヤレスルータは、必ずしもデータのすべての交換にクライアント110を含めることなく、アプリケーションサーバ130と通信してもよい。通信のこれらの2つの方法は、相互排他的ではなく、センサ120は、イベントデータがアプリケーションサーバ130に届くことを確実にするために、たとえば冗長送信を使用して、クライアント110とアプリケーションサーバ130の両方と通信すること、またはアプリケーションサーバ130がイベントに応じてどの通知を提供するかを決定している間、クライアント110に直接情報を提供することを行うように構成されてもよい。
【0027】
上記で紹介したように、センサ120は、薬剤デバイス160の使用についてのデータを取り込む。詳細には、各センサ120は、レスキュー投薬イベント、すなわち、患者111によるレスキュー薬剤デバイス160の使用の時間および地理的位置を取り込む。各センサ120は、リアルタイムで、またはワイヤレス接続が実現されるとすぐに、患者111または医療提供者112からの入力なしに自動的にイベントデータを送信する。投薬イベント情報は、分析、レスキューイベント通知の生成に使用するために、および複数の患者にわたるイベントデータの集計分析に使用するために、アプリケーションサーバ130に送られる。
【0028】
この目的を果たすために、センサ120が構成されるいくつかの異なる方法があり、部分的に構成は、薬剤デバイス160の構成によって決まる。一般的に、すべてのセンサ120は、クライアント110および/またはサーバ130への投薬イベント情報を記録し、保存し、報告するために一緒に機能する、上述のオンボードプロセッサ、永続メモリ、およびネットワークアダプタを含む。センサ120はまた、イベントの日時を記録するためのクロック、および/またはセンサ120の全地球測位システム(GPS)座標を記録するためのGPS受信機を含んでもよい。
【0029】
特定のセンサ120構成について、機械的投与量計数器などの従来の吸入器は、センサ120を念頭に置いて設計されず、したがってセンサ120は、適宜に構成されてもよい。このようにしていくつかの実装形態は、デバイス160の移動、デバイスのプライミング、デバイスの作動、ユーザによる吸入などを検出するために、機械センサ、電気センサ、または光学センサを含む。対照的に、屈曲可能な膜の(deflectable membrane)投与量計数器など、最新の吸入器は電気回路を含み、電気回路は、センサ120が受信し、解釈するように設計された電気データ信号としてイベント情報を報告してもよく、たとえば、薬剤デバイス160自体が、移動、プライミング、および作動をセンサ120に報告してもよい。
【0030】
センサ120は、薬剤デバイス160による薬剤投与イベントの記録で使用するために組み込まれるパラメータを記憶してもよい。パラメータは、薬剤デバイス160のコンピューティングアーキテクチャによって実行される設定または特定の命令セットを制御するソフトウェア、ファームウェア、またはハードウェアデータである。例示的なパラメータは、限定はしないが、(i)薬剤投与リマインダ時間、遅延時間、または他の同様の設定、(ii)場合によっては特定のデバイス機能と関連して、薬剤デバイスのオーディオスピーカ上で再生するための個別のオーディオ着信音、(iii)センサ120機能の動作を制御するためのソフトウェア命令、(iv)検知および出力コンポーネント用の較正および構成値、(v)一意のデバイス識別子、認証キー、および暗号化キーを含む。センサ120のパラメータの一部または全部が、クライアント110に記憶されてもよい。クライアント110は、パラメータが更新されると、センサ120と通信し、クライアント110は、センサ120内に記憶し、センサ120で使用するために、更新されたパラメータを送信することができる。
【0031】
センサ120および薬剤デバイス160のためのハードウェアおよびソフトウェアコンポーネント、ならびにレスキュー投薬イベントを記録するためのそれらの間の対話に関するさらなる情報は、2009年1月1日に出願された特許文献1、および2014年5月21日に出願された特許文献2に見つけることができ、それらの両方が全体として本明細書に参照により組み込まれる。
【0032】
I.C.アプリケーションサーバ
アプリケーションサーバ130は、コンピュータまたはコンピュータのネットワークである。図2に簡略化した例を示しているが、一般にアプリケーションサーバは、たとえばクライアント110として使用される一般的なコンピューティングシステムと比較して、強力なプロセッサ、大容量メモリ、およびより速いネットワーク構成要素を使用するサーバクラスシステムとなる。サーバは、一般に、たとえば、RAID(redundant array of independent disks:独立ディスク冗長配列)アレイを使用して、および/または、上記で考えた喘息通知などのデータの記憶、交換、および送信を契約した独立したコンテンツ配信ネットワーク(CDN)と関係を確立することによって、大規模二次記憶装置を所有する。さらに、コンピューティングシステムは、オペレーティングシステム、たとえば、UNIX(登録商標)オペレーティングシステム、LINUXオペレーティングシステム、またはWINDOWS(登録商標)オペレーティングシステムを含む。オペレーティングシステムは、アプリケーションサーバ130のハードウェアおよびソフトウェアリソースを管理し、また様々なサービス、たとえば、プロセス管理、データの入出力、周辺デバイスの管理なども提供する。オペレーティングシステムは、デバイス上に記憶されたファイルを管理するための様々な機能、たとえば、新しいファイルの作成、ファイルの移動またはコピー、リモートシステムへのファイルの転送などを提供する。
【0033】
アプリケーションサーバ130は、ネットワーク150を介した多くの異なるクライアント110による分析システム100のアクセスおよび使用をサポートするためのソフトウェアアーキテクチャを含み、したがってハイレベルでは、一般的にクラウドベースのシステムと特徴付けることができる。アプリケーションサーバ130は、一般的に、患者111および医療提供者112が、レスキュー薬剤とコントローラ薬剤の両方を含む彼らの薬剤デバイス160と関連付けられたセンサ120によって記録されたデータを報告し、薬剤治療計画を共同で行い、彼らの状態および地理的位置に関係する情報を閲覧および取得し、様々な他の機能を利用するためのプラットフォームを提供する。
【0034】
一般的に、アプリケーションサーバ130は、多種多様なデータに対処するように設計される。アプリケーションサーバ130は、入ってくるデータの有効性をチェックすること、必要ならばデータをパースし、フォーマットすること、処理されたデータを記憶するためにデータベースサーバ140に渡すこと、およびデータベースサーバ140が更新されたことを確認することを含む、様々な機能を行う論理ルーチンを含む。
【0035】
アプリケーションサーバ130は、データを少なくとも部分的に患者ごとに記憶し、管理する。この目的で、アプリケーションサーバ130は、各ユーザに対して患者プロファイルを作成する。患者プロファイルは、分析システム100の患者111を特徴付けるデータのセットである。患者プロファイルは、年齢、性別、現在のレスキュー薬剤、現在のコントローラ薬剤、通知の基本設定(notification preferences)、コントローラ服薬アドヒアランス計画、患者の関連病歴など、患者についての識別情報と、患者プロファイルにアクセスする権限を与えられた非患者ユーザのリストとを含んでもよい。プロファイルは、さらに、患者のためにデータ(コントローラおよびレスキュー投薬イベントなど)をサブミットする権限を与えられた1つまたは複数のクライアント110またはセンサ120を識別する一意のメディアアクセス制御(MAC)アドレスなどのデバイス識別子を明記する。
【0036】
プロファイルは、患者111および患者の個人的医療提供者112にどの異なるタイプの通知が提供されるか、ならびに通知が提供される頻度を明記してもよい。たとえば、患者111は、医療提供者112にレスキューイベントを示す通知を受信する権限を与えてもよい。患者111はまた、患者の医療提供者112が患者のプロファイルおよびレスキューイベント履歴にアクセスできるよう権限を与えてもよい。医療提供者112が患者111の患者プロファイルへのアクセスを与えられる場合、医療提供者は、コントローラアドヒアランスまたはレスキュー投薬計画を明記してもよい。投薬計画は、コントローラ薬剤の一日当たりの規定の投与回数を含んでもよい。
【0037】
アプリケーションサーバ130はまた、医療提供者112のプロファイルを作成する。医療提供者プロファイルは、診療所の位置、資格、および免許など、医療提供者112についての識別情報を含んでもよい。医療提供者プロファイルはまた、医療提供者の患者集団についての情報を含む。提供者プロファイルは、その提供者の患者のプロファイルの全部、ならびに集計人口統計学的情報、レスキューおよびコントローラ投薬イベントパターンなど、それらのプロファイルからの派生データへのアクセスを含んでもよい。このデータは、地理的エリア(たとえば、近隣、都市)によって、または時間期間(たとえば、週単位、月単位、年単位)によってなど、患者プロファイルに記憶されたデータの任意のタイプに従ってさらに再分割されてもよい。
【0038】
アプリケーションサーバ130は、クライアント110またはセンサ120から、レスキュー投薬イベント情報を受信し、アプリケーションサーバ130上の様々なルーチンをトリガする。上記で説明した例示的な実装形態では、データ分析モジュール131は、喘息イベントデータならびに患者のプロファイルを含む他のデータにアクセスし、データを分析し、その分析の結果を患者111と医療提供者112の両方に出力するためのルーチンを実行する。このプロセスは、一般的に喘息リスク分析と呼ばれる。喘息リスク分析は、レスキューイベントに応答して、患者の環境における関連する変化に起因して、および以下でさらに説明するいくつかのトリガ条件のうちのいずれか1つに応答して、どの時点でも行われ得る。
【0039】
他の分析もまた可能である。たとえば、個人的、地理的、臨床的、疫学的、人口統計学的、または空間もしくは時間的ベースライン、または予測値もしくは期待値からの歴史的に重要な変更に基づき、薬剤使用の空間的/時間的クラスタ(またはアウトブレイク)に基づいて識別するために、複数の患者に対するレスキューおよびコントローラ薬剤使用について、リスク分析が行われてもよい。他のタイプの分析は、日/週ごとのアドヒアランス傾向、時間にわたるアドヒアランス変化、他の適切な母集団(たとえば、全患者、特定のレスキュー薬剤またはコントローラ薬剤またはそれらの組合せに関する患者)とのアドヒアランス比較、トリガ(空間的、時間的、環境的)の識別、時間にわたるレスキュー使用傾向、および他の適切な母集団とのレスキュー使用比較を含んでもよい。
【0040】
分析の実行に応答して、アプリケーションサーバ130は、患者111、許可を受けた医療提供者112、および/または患者のプロファイルへのアクセスを与えられた他のユーザに送るプッシュ通知を準備し、配信する。通知は、投薬レスキューイベントに含まれるタイミング、位置、および罹患患者111について詳細を提供することができる。通知は、緊急支援提供者112に配信される、緊急支援を要求する遭難または緊急信号をさらに含んでもよい。通知はまた、データ分析モジュール131によって行われた喘息リスク分析の結果を含んでもよい。送られ得る通知のタイプおよび通知が含み得る内容に関するさらなる情報について、以下でさらに説明する。
【0041】
喘息リスク分析に応答してプッシュ通知を提供することに加えて、通知は、特定の時間間隔で、プル通知として提供される場合もある。さらに、(プッシュであろうと、プルであろうと)いくつかの通知は、レスキュー投薬イベントに応答して行われる喘息リスク分析に応答してではなく、代わりに、通知の更新が保証されるように、喘息リスク分析おける根本的要因のうちの1つが変化したことに応答して行われるリスク分析に応答してトリガされてもよい。たとえば、気象条件が、大気汚染の増加が発生している、または発生しそうであることを示す場合、これは、汚染が発生している特定の地理的エリアに位置している全患者に対して喘息リスク分析の実行をトリガしてもよい。
【0042】
通知は、ネットワーク150を介してクライアントアプリケーション115に、クライアントアプリケーションで使用するために特に設計されたデータフォーマットで提供され、追加または代替として、ショートメッセージサービス(SMS)メッセージ、電子メール、電話通話として、または他の通信媒体を使用して通信される他のデータフォーマットで、提供されてもよい。
【0043】
I.D.データベースサーバ
データベースサーバ140は、プロファイル、投薬イベント、患者の病歴(たとえば、電子医療記録)など、患者および提供者関連データを記憶する。患者および提供者データは、セキュリティのために暗号化され、少なくともパスワード保護され、医療保険の相互運用性と説明責任に関する法律(Health Insurance Portability and Accountability Act (HIPAA))の要件をすべて満たすために、他の方法で保護される。複数の患者からのデータを組み込み(たとえば、レスキュー投薬イベントデータを集計し)、ユーザに提供されるどんな分析(たとえば、喘息リスク分析)も、患者のプライバシーを保護するために、個人識別情報が除去されるように非識別化される。
【0044】
データベースサーバ140はまた、喘息リスク分析で使用される非患者データを記憶する。このデータは、患者が物理的に位置し、汚染物質に露出される可能性がある住宅地区または商業地区の公共空間などのいくつかの地理的領域について地域データを含む。このデータは、詳細には、緑地(木および植物が集中したエリア)への患者の近接度を含んでもよく、または取得するよう処理されてもよい。地域データの一例は、気温、風のパターン、湿度、空気質指数(air quality index)など、ジオリファレンスされた気象データを含む。別の例は、時間のインスタンスの、または経験的に測定された、様々な汚染物質の微粒子カウントを含む、ジオリファレンスされた汚染データである。地域データは、気温、湿度、および空気質指数など、レスキューイベントの時間および場所に関する現在の気象状態についての情報を含む。上記のデータの項目のすべては、時間とともに変化する可能性があり、そのためデータ自体は、時間によってインデックス付けされてもよく、たとえば、時刻によって(分単位もしく時間単位を含む)、または日、週、月、もしくはシーズン単位などより長い期間にわたって、別個のデータポイントが利用可能であってもよい。データベースサーバ140が、アプリケーションサーバ130とは別個のエンティティであるように図1に示しているが、データベースサーバ140は、代替的に、サーバ130などの別のサーバの一部であるハードウェアコンポーネントであってもよく、データベースサーバ140は、1つまたは複数の永続ストレージデバイスとして実装され、その別のサーバ130の一部である、データベース内の記憶されたデータとインターフェースをとるためのソフトウェアアプリケーション層を有する。
【0045】
データベースサーバ140は、定義されたデータベーススキーマに従ってデータを記憶する。一般に、異なるデータソースにわたるデータストレージスキーマは、基礎となるデータベース構造の実装の違いにより、クラウドアプリケーションイベントログおよびログメトリクスを含む同じタイプのデータを記憶するときでも大きく変化する。データベースサーバ140は、構造化データ、非構造化データ、または半構造化データなど、異なるタイプのデータを記憶する場合もある。データベースサーバ140内のデータは、ユーザ、ユーザのグループ、および/またはエンティティと関連付けられてもよい。データベースサーバ140は、データベースサーバ140によって表されるデータベースオブジェクトを管理し、データベースサーバ140からの情報を読み取り、またはデータベースサーバ140に書き込むために命令を指定するための問い合わせ言語(たとえば、リレーショナルデータベース、JSON NoSQLデータベースなどへのSQL)でデータベースクエリへのサポートを行う。
【0046】
I.E.ネットワーク
ネットワーク150は、クライアント110デバイス、センサ120、アプリケーションサーバ130、およびデータベースサーバ140の間の様々な有線およびワイヤレス通信経路を表す。ネットワーク150は、標準的なインターネット通信技術および/またはプロトコルを使用する。したがって、ネットワーク150は、イーサネット、IEEE 802.11、サービス総合デジタル網(ISDN)、非同期転送モード(ATM)などの技術を使用するリンクを含むことができる。同様に、ネットワーク150で使用されるネットワーキングプロトコルは、伝送制御プロトコル/インターネットプロトコル(TCP/IP)、ハイパーテキスト転送プロトコル(HTTP)、簡易メール転送プロトコル(SMTP)、ファイル転送プロトコル(FTP)などを含むことができる。ネットワーク150を通じて交換されるデータは、ハイパーテキストマークアップ言語(HTML)、拡張マークアップ言語(XML)、JavaScript Object Notation (JSON)などを含む技術および/またはフォーマットを使用して表すことができる。さらに、リンクの全部または一部は、セキュアソケットレイヤ(SSL)、セキュアHTTP(HTTPS)、および/またはバーチャルプライベートネットワーク(VPN)などの従来の暗号化技術を使用して暗号化することができる。別の実施形態では、エンティティは、上述の技術の代わりにまたはそれに加えて、カスタムおよび/または専用のデータ通信技術を使用することができる。
【0047】
II.例示的なコンピューティングデバイス
図2は、一実施形態による、図1からのクライアント110、アプリケーションサーバ130、および/またはデータベースサーバ140の一部として使用される場合がある例示的なコンピュータ200の物理的構成要素を示すハイレベルブロック図である。少なくとも1つのプロセッサ205に結合されたチップセット210を示す。チップセット210に、揮発性メモリ215、ネットワークアダプタ220、入力/出力(I/O)デバイス225、不揮発性メモリを表すストレージデバイス230、およびディスプレイ235が結合される。一実施形態では、チップセット210の機能は、メモリコントローラ211、およびI/Oコントローラ212によって提供される。別の実施形態では、メモリ215は、チップセット210ではなくプロセッサ205に直接結合される。いくつかの実施形態では、メモリ215は、DRAM、SRAM、DDR RAM、または他のランダムアクセスソリッドステートメモリデバイスなど、高速ランダムアクセスメモリ(RAM)を含む。
【0048】
ストレージデバイス230は、ハードドライブ、コンパクトディスク読取り専用メモリ(CD-ROM)、DVD、またはソリッドステートメモリデバイスなど、任意の非一時的コンピュータ可読記憶媒体である。メモリ215は、プロセッサ205によって使用される命令およびデータを保持する。I/Oデバイス225は、タッチ入力面(静電容量式または他の方式)、マウス、トラックボール、または他のタイプのポインティングデバイス、キーボード、または別の形態の入力デバイスであってもよい。ディスプレイ235は、コンピュータ200からの画像および他の情報を表示する。ネットワークアダプタ220は、コンピュータ200をネットワーク150に結合する。
【0049】
当技術分野で知られているように、コンピュータ200は、図2に示した構成要素とは異なるおよび/または他の構成要素を有することがある。さらに、コンピュータ200は、いくつかの図示した構成要素がないことがある。一実施形態では、サーバ140として働くコンピュータ200には、専用のI/Oデバイス225、および/またはディスプレイ218がない場合がある。さらに、ストレージデバイス230は、コンピュータ200からローカルおよび/またはリモートにあることがあり(ストレージエリアネットワーク(SAN)内に統合されるなど)、一実施形態では、ストレージデバイス230は、CD-ROMデバイスまたはDVDデバイスではない。
【0050】
一般的に、クライアント110で使用される正確な物理的構成要素は、アプリケーションサーバ130およびデータベースサーバ140で使用されるものとは、サイズ、電力要件、および性能が異なる。たとえば、しばしばホームコンピュータ、タブレットコンピュータ、ラップトップコンピュータ、またはスマートフォンであるクライアント110は、比較的小さい記憶容量および処理能力を含むが、入力デバイスおよびディスプレイを含む。これらの構成要素は、データのユーザ入力、ならびに受信、表示、およびアプリケーションサーバ130によって提供される通知との対話に好適である。対照的に、アプリケーションサーバ130は、多くの物理的に分離し、ローカルにネットワーク化されたコンピュータを含んでもよく、各コンピュータが、上記で紹介した喘息リスク分析を実行するためにかなりの量の処理能力を有する。一実施形態では、アプリケーションサーバ130の処理能力は、アマゾンウェブサービス(Amazon Web Services)(商標)などのサービスによってもたらされる。また対照的に、データベースサーバ140は、多くの、物理的に分離したコンピュータを含んでもよく、各コンピュータが、アプリケーションサーバと関連するデータを記憶するためのかなりの量の永続記憶容量を有する。
【0051】
当技術分野で知られているように、コンピュータ200は、本明細書で説明する機能を提供するためのコンピュータプログラムモジュールを実行するように構成される。モジュールは、ハードウェア、ファームウェア、および/またはソフトウェアに実装され得る。一実施形態では、プログラムモジュールは、ストレージデバイス230に記憶され、メモリ215にロードされ、プロセッサ205によって実行される。
【0052】
III.ダッシュボード
ダッシュボード、たとえば図3に示すダッシュボード300は、ユーザが分析システム100と対話することを可能にする。ダッシュボード300は、ユーザ間(たとえば、患者111から医療提供者112)またはユーザからシステム/システムからユーザに基づいて、情報を転送する手段を提供する。ダッシュボード300は、クライアント110上のクライアントアプリケーション115によりアクセスされ、患者と医療提供者の両方が、投薬レスキューイベントを監視し、個別の患者医療情報を交換し、レスキューイベントリスク通知などの通知を受信するための機構を提供する。患者111は、たとえば、呼吸問題、薬剤の使用、または呼吸問題管理に関する情報を検討し、共有するために、ダッシュボード300を介して他の医療提供者112および他の患者111と通信してもよい。医療情報を共有することができると、同様の問題を経験している患者または医療提供者に、個々の見解を共有する方法が与えられ得る。
【0053】
ダッシュボード300はまた、権限が与えられた医療提供者112が、患者についての情報、およびコミュニティデータ、および様々な人口統計または地理的セグメントの統計値を閲覧し、注釈を付け、更新し、相互に作用し、エクスポートするために、患者のリストにアクセスすることを可能にする。ダッシュボード300を使用すると、医療提供者は、医療提供者の関連する患者集団が呼吸問題管理ガイダンスにどのように反応しているかについてフィードバックを受信し、提供するために、患者111を個々にまたは全体として監視することができる。個々のまたは複数の患者111にアクセスできる医療提供者112は、通知しきい値を確立し、通知のためのパラメータを設定し、患者111のイベント履歴がいくつかの条件(たとえば、レスキューイベント)に一致するとき、通知を受信する能力を有する。さらに、ダッシュボード300は、分析システム100によって生成された特定の人口統計に対するイベントパターンの定期報告を受信し、表示することができる。
【0054】
ダッシュボード300は、ディスプレイ「カード」310を介して、表形式データ、グラフによる可視化、および分析を含む様々な情報をユーザに提示する。ディスプレイカード310は、携帯型クライアント110、たとえば携帯電話またはタブレットに特有のより小さいディスプレイに適合しており、ベースボールカードに見られる単純化した構成スタイルによく似ている「一口サイズ(bite size)」の情報を含む。ダッシュボード300はまた、ユーザが異なるカテゴリの医療情報を検索することを可能にするシステムメニュー305を含んでもよい。
【0055】
アプリケーションサーバ130によって提供される通知は、ディスプレイカード310に関係している。一般的に、通知は、アプリケーション115によりユーザに提示される情報だけでなく、通知の内容を表示するためにどのディスプレイカード310が使用されるべきかを指定するためのパラメータも含む。アプリケーションサーバ130からプッシュ/プルされるどの情報も、1つまたは複数のカードと関連付けられてもよい。たとえば、通知が、リスク分析の結果に基づいて患者にプッシュされることがある。ダッシュボード300は、通知を処理し、通知内の情報を提示するためにどのカードを使用するかを決定する。この例を続けると、通知を受信すると、アプリケーションサーバ130からデータを引き出す要求が行われてもよい。アプリケーションサーバ130は、要求されたデータを別の通知で提供し、次いでダッシュボード300は、どのディスプレイカード310が要求された情報を表示するかを決定する。
【0056】
ダッシュボード300は、様々な異なるディスプレイカード310を提供してもよく、ディスプレイカード310は、カテゴリに整理されてもよい。情報カードタイプは、データを表示するカードを含む。情報カードは、たとえば、投薬レスキューイベント、統計値、および患者データとコミュニティデータの両方を含むマップを表示してもよい。情報カードは、さらにイベントカード、トレンドカード、教育カード、およびアラート表示カードに下位分類される。
【0057】
イベントカードは、特定の患者についての履歴投薬レスキューイベントのリスト、または特定の提供者についての地理的マップ上に重ね合わせられた患者レスキューイベントデータなど、レスキュー投薬イベントに関係するデータを含む。
【0058】
IV.薬剤デバイスセンサ
図4Aは、一実施形態による、薬剤デバイスセンサ400の斜視図である。薬剤デバイスセンサ400は、単回投与の乾燥粉末吸入器(DPI)用の監視アタッチメントであり、センサ400は、DPIによる薬剤投与のインスタンスを正確に記録するための様々なセンサを含む。薬剤デバイスセンサ400は、本体405と、2つの壁、すなわち前壁415と後壁420とを備える。本体405は、監視アタッチメントのための様々なコンピューティング構成要素を格納することができる内部ハウジングと、様々なセンサがDPIの使用を監視するために結合される底面410とを有する。様々な他の実施形態では、薬剤デバイスセンサ400は、DPIだけでなく、他のタイプの吸入器に結合される場合がある。これらの他の実施形態では、本開示内で開示する同じ原理が、他のタイプの吸入器に結合する薬剤デバイスセンサの実施形態において適用され得る。図4Bは、一実施形態による、DPI450に取り付けられる薬剤デバイスセンサ400の斜視図である。
【0059】
本体405は、前壁415、および後壁420は、軽量の、頑丈な材料で構成されている。例示的な材料には、熱可塑性物質、熱硬化性物質、ポリマー、複合物、またはそれらの何らかの組合せが含まれる。前壁415および後壁420を有する本体405の形状は、一次元では鏡面対称であり、他の2次元では非対称である。少なくとも2次元での非対称は、薬剤デバイスセンサ400が薬剤デバイス160に付く単一の向きを与える。前壁415はまた、固定クリップ440を含み、これについては、図4Dおよび図5とともにさらに説明する。
【0060】
鏡面対称面の両側に、前壁415および後壁420が上に向かって延び、鏡面対称面の両側に対称的なスロットを残す。両側のスロット426は、薬剤デバイス160の底面の一部分で対応する突出部を受けるように成形され、向きを定められる。突出部を有する薬剤デバイス160の一部分は、アタッチメントのそれへの適合する対称性を有する。本体405の底面、前壁415、および後壁420を含む、アタッチメント側壁の相補的形状は、薬剤デバイスセンサ400が薬剤デバイス160の一部分にしっかりと付くように、単一の向きを与える。
【0061】
いくつかの実施形態では、後壁420は、薬剤デバイスセンサ400が薬剤デバイス160に取り付けられるとき、薬剤デバイス160を所定の位置に保持する突出部424を含む。図4Aでは、後壁420は、スリット422を含み、スリット422の上の後壁420の突出部424がより容易に曲がることを可能にする。薬剤デバイス160が薬剤デバイスセンサ400に結合されると、後壁420の突出部424は、薬剤デバイス160に触れて、薬剤デバイス160を所定の位置に保持する。ユーザが薬剤デバイスセンサ400に対して薬剤デバイス160に分離する力を加えると、後壁420の突出部424は、外側に曲がって薬剤デバイス160から離れ、薬剤デバイス160が薬剤デバイスセンサ400から容易に取り外されることを可能にする。後壁420の突出部424が薬剤デバイスセンサ400を薬剤デバイス160に固定するために使用されることについては、図4Dおよび図5の固定クリップの説明とともにさらに説明する。
【0062】
図4Cは、一実施形態による、薬剤デバイスセンサ400の上面図である。薬剤デバイスセンサ400は、I.B.薬剤デバイスおよびセンサに関して上記で説明したようにそれが取り付けられた医療用吸入器による薬剤投与イベントを記録し、報告するように構成される。薬剤デバイスセンサ400は、オーディオセンサ425と、複数の圧力センサ430とを含む。図示していないが、薬剤デバイスセンサ400はまた、バッテリと、ワイヤレス送信機および受信機(たとえば、ブルートゥース(登録商標)トランシーバ)と、非一時的コンピュータ可読記憶媒体と、コンピュータプロセッサとを含む。これらの様々な構成要素は、本体405の内部ハウジングに配置される。この説明および例示的な実施形態は、上記に列挙した構成要素を有する薬剤デバイスセンサ400を説明するが、他の実施形態は、本明細書で説明する原理を維持しながら追加の構成要素またはより少ない構成要素を含む場合がある。たとえば、ブルートゥース(登録商標)送信機および受信機の代わりに、薬剤デバイスセンサ400は、より一般的に、リモートコンピューティングデバイスとのワイヤレス通信の他の媒体および/またはフォーマットを使用するワイヤレス送信機および受信機を含むことがある。
【0063】
上記で紹介したように、薬剤デバイスセンサ400は、底面410および内部ハウジングを有する本体405を備える。図4Cでは、底面410のみが見える。底面410に沿いに、薬剤デバイスセンサ400は、本体405の底面410に配置された少なくとも1つのオーディオセンサ425を有し、オーディオセンサ425は、薬剤デバイス160の底部から薬剤デバイス160の様々な機能に対応するオーディオ信号を検出するように構成される。本体405の底面410に配置された複数の圧力センサ430は、オーディオセンサ425と協力して、または順番に、薬剤デバイス160の他の機能と関連する圧力を検出するように構成される。
【0064】
オーディオセンサ425は、吸入の前の薬剤デバイス160による薬剤を含んでいるカプセルの回転に対応する音と、薬剤投与イベント中の吸入に対応する音とを検出する。ユーザが薬剤デバイス160上の一方または両方の投与ボタンを押すと、薬剤デバイス160は、乾燥粉末薬剤の単回投与カプセルに穴を開ける。吸入の前に、単回投与カプセルは、薬剤デバイス160のチャンバ内で回される。オーディオセンサ425は、チャンバ内で回転する単回投与カプセルの音響強度を記録する。単回投与カプセルの回転の検出は、薬剤デバイス160内に単回投与カプセルがあることを示している。薬剤を含むカプセルの回転を記録することに加えて、またはそれとは切り離して、オーディオセンサ425は、薬剤投与を示す吸入を薬剤投与イベントとして記録する。
【0065】
吸入は、薬剤デバイス160による薬剤投与の成功の確証を表す。オーディオセンサ425は、薬剤投与イベントと一致する吸入のオーディオファイルをプロセッサに送ることができる。プロセッサは、リモートコンピューティングシステム上での分析のために、ワイヤレス送信によりオーディオファイルをリモートコンピューティングデバイスに送ることができる。他の実施形態では、オーディオセンサ425は、薬剤デバイスセンサ400の他の機能に対応するオーディオを検出するようにさらに構成されることがある。
【0066】
複数の圧力センサ430は、薬剤投与を引き起こす薬剤デバイス160投与ボタンの押圧の検出によって、薬剤デバイスセンサ400の固定、および薬剤デバイス160による薬剤投与の作動を検出する。いくつかの実施形態では、複数の圧力センサ430は、リミットスイッチを備える。リミットスイッチは、押されたとき、圧力を検出するように動作するが、リミットスイッチは、リミットスイッチの押圧の程度に関して最大限度を有する。押下が検知されると、リミットスイッチは、押下の検出をシグナリングする。
【0067】
複数の圧力センサ430のうちには、薬剤デバイスセンサ400の本体405の底面410に配置された中央圧力センサがあって、薬剤デバイス160の底面が中央圧力センサを押すようにする。薬剤デバイス160が中央圧力センサを押すと、中央圧力センサは、薬剤デバイスへの薬剤デバイスセンサ400の取付けを検出する。中央圧力センサの押下は、次いで、確実な取付けの確認としてプロセッサに報告することができる。
【0068】
薬剤デバイス160上の投与ボタンに結合され、薬剤デバイス160の薬剤投与ボタンの下に位置合わせされた、複数の圧力センサ430のうちの2つの圧力センサもある。各圧力センサが、1つの投与ボタンに対応して、そのボタンの押下を検出する。投与ボタンの一方または両方が患者によって押し下げられるとき、薬剤デバイス160は、単回投与カプセルに穴を開けて、薬剤デバイス160によって投与するための薬剤をプライミングする。2つの圧力センサは、投与ボタンの押圧を確認し、それによって薬剤のプライミングを示す。
【0069】
プロセッサは、オーディオセンサ425および複数の圧力センサ430の記録および作動を調整する。1つの圧力センサが、薬剤デバイス160への薬剤デバイスセンサ400の取付けを検出すると、プロセッサは、オーディオセンサ425、複数の圧力センサ430のうちの残りの圧力センサ、GPS受信機、ブルートゥース(登録商標)送信機および受信機、またはそれらの何らかの組合せを作動させることができる。プロセッサは、中央圧力センサによって検出された、薬剤デバイス160への薬剤デバイスセンサ400の確実な取付けの確認をクライアント110に通知してもよい。プロセッサは、薬剤デバイス160投与ボタンの押下を検出するように構成された2つ以上の圧力センサから確認を受信することができる。次いでプロセッサは、薬剤デバイス160による薬剤の投与と関連する吸入のオーディオ確認のためにオーディオセンサ425を作動させることができる。代替的に、1つまたは複数の圧力センサが、リミットスイッチの押下を示し、オーディオセンサ425によって吸入が確認される場合、プロセッサは、薬剤投与イベントを記録することができる。
【0070】
プロセッサは、各薬剤投与イベントとともに、イベントの時間をさらに記録してもよく、またGPS受信機または(ソフトウェア、ハードウェア、またはファームウェアに実装される)他の同様の構成要素によって受信される地理的位置座標を記録してもよい。プロセッサは、これらの薬剤投与イベントをイベントレコードとしてコンピュータ可読記憶媒体に記憶する。次いでプロセッサは、コンピュータ可読記憶媒体からクライアント110にイベントレコードを通信するために、ブルートゥース(登録商標)送信機および受信機を作動させる。
【0071】
図4Dは、固定クリップ440を有する薬剤デバイスセンサ400の一部分の斜視図である。図4Eは、固定クリップ440の断面図である。固定クリップ440は、薬剤デバイスセンサ400の前壁415に配置され、図4Eに示す薬剤デバイス160上のレッジ450に留まる。薬剤デバイスセンサ400が、前壁415および後壁420による制約のために1つの向きで薬剤デバイス160の上にスライドすると、固定クリップ440は、薬剤デバイス160のレッジ450に留まるまで、薬剤デバイス160の周りで湾曲する。固定クリップ440が薬剤デバイス160のレッジ450に留められると、薬剤デバイスセンサ400は、薬剤デバイス160にしっかりと取り付けられる。さらに、レッジ450が固定クリップ440で後壁415に押しつけられることを確実にするために、図4Aに示す後壁420の突出部は、薬剤デバイス160と接触している。
【0072】
薬剤デバイスセンサ400を外すために、固定クリップ440を湾曲させて薬剤デバイス160のレッジ450から離すのに役立つクリップ解除タブ445がある。固定クリップ解除タブ445に解除力460が加えられると、図4Eに破線の楕円で示す枢動点475を中心にして固定クリップ440の回転470が起こる。薬剤デバイスセンサ400が薬剤デバイス160からスライドして出ることができるように、回転470は、固定クリップ440を湾曲させて薬剤デバイス160のレッジ450から離す。図4Eの説明では、固定クリップが湾曲してレッジ450から離れると、薬剤デバイス160は、薬剤デバイスセンサ400に対して垂直方向にスライドすることができる。1つの固定クリップ440および薬剤デバイス160上の1つの対応するレッジを用いて、固定クリップ440は、適切な向きでの薬剤デバイスセンサ400の取付けを保証する。
【0073】
追加の実施形態では、固定クリップ440の位置決めは、前壁415に沿って変動することがある。同様に、代替実施形態では、固定クリップ440の寸法は、薬剤デバイス160のレッジ450に留めるためのより長いクリップを実現するために変動することがある。いくつかの実施形態では、固定クリップ440は、耐久性および柔軟性のある材料で構成される。固定クリップ440の柔軟性は、レッジ450の周りで湾曲する固定クリップ440の能力を与える。固定クリップ440の耐久性は、解除力460が固定クリップ解除タブ445に加えられるとき、固定クリップ440が変形しないことを保証する。
【0074】
V.追加の考慮事項
上記の説明は、特に喘息に焦点を合わせているが、本明細書で説明するすべてのシステムおよびプロセスは、慢性閉塞性肺疾患(COPD)および慢性呼吸器疾患(CRD)に広く適用可能であり、結果としてCOPDおよびCRD、ならびに喘息の治療に役立つように使用することもできる。
【0075】
本開示の図および説明は、本開示の明確な理解を目指して、関連のある要素を説明するために簡略化されており、明快のために、典型的なシステムにおいて見られる多くの他の要素を省いていることを理解されたい。本開示を実施する際に、他の要素および/またはステップが望ましいおよび/または必要とされることを、当業者には認識されよう。しかしながら、そのような要素およびステップは当技術分野でよく知られているので、またそれらは本開示のより良い理解の助けとならないので、そのような要素およびステップの説明は、本明細書では行わない。本明細書の開示は、当業者に知られている要素および方法に対する変形形態および変更形態すべてを対象とする。
【0076】
上記の説明のいくつかの部分は、情報に関する動作のアルゴリズムおよび記号表現に関して実施形態を説明している。これらのアルゴリズムの記述または表現は、データ処理技術における当業者によって、その作業の実体を他の当業者に効果的に伝えるために一般的に使用される。これらの動作は、機能的、計算的、または論理的に説明しているが、コンピュータプログラムまたは等価電気回路、マイクロコードなどによって実装されると理解される。さらにまた、一般性を失わずに、モジュールとして動作のこれらの構成に言及することが、時には好都合であるとわかっている。説明する動作およびそれらの関連するモジュールは、ソフトウェア、ファームウェア、ハードウェア、またはそれらの任意の組合せで具体化されてもよい。
【0077】
本明細書で使用する「1つの実施形態」または「一実施形態」への言及は、その実施形態に関連して説明する特定の要素、機能、構造、または特徴が、少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。本明細書の様々な箇所での「一実施形態では」という語句の出現は、必ずしもすべて同じ実施形態を指しているとは限らない。
【0078】
本明細書で使用する「備える」、「備えている」、「含む」、「含んでいる」、「有する」、「有している」、またはそれらの他の様々な変形は、非排他的含有を含めるよう意図されている。たとえば、要素のリストを含むプロセス、方法、物品、または装置は、必ずしもそれらの要素のみに限定されるとは限らず、明示的に列記されない、またはそのようなプロセス、方法、物品、もしくは装置に固有の、他の要素を含む場合がある。さらに、それとは反対に明示的に記述がない限り、「または」は包含的またはを指し、排他的またはではない。たとえば、条件AまたはBは、以下のうちのいずれか1つによって満たされる。Aは真であり(または存在し)、かつBは偽である(または存在しない)、Aは偽であり(または存在せず)、かつBは真である、およびAとBの両方が真である(または存在する)。
【0079】
さらに、「a」または「an」の使用は、本明細書の実施形態の要素および構成要素を説明するために用いられる。これは、単に便宜のために、および本発明の一般的な意味を与えるために行われる。この記述は、1つまたは少なくとも1つを含むように読まれるべきであり、単数形は、そうでないことが明らかでない限り、複数形もまた含む。
【0080】
特定の実施形態および適用例を図示し、説明したが、開示する実施形態は、本明細書に開示する詳細な構成および構成要素に限定されないことを理解されたい。当業者には明らかとなる様々な変更形態、変化形態、および変形形態が、添付の特許請求の範囲に定義する趣旨および範囲から逸脱することなく、本明細書で開示する方法および装置の構成、動作、および詳細で作成され得る。
【符号の説明】
【0081】
100 分析システム
110 クライアント、クライアントコンピューティングデバイス
111 患者
112 医療提供者
115 クライアントソフトウェアアプリケーション
120 薬剤デバイスセンサ
130 アプリケーションサーバ
131 データ分析モジュール
140 データベースサーバ
150 ネットワーク
160 薬剤デバイス
200 コンピュータ
205 プロセッサ
210 チップセット
211 メモリコントローラ
212 I/Oコントローラ
215 揮発性メモリ
220 ネットワークアダプタ
225 入力/出力(I/O)デバイス
230 ストレージデバイス
235 ディスプレイ
300 ダッシュボード
305 システムメニュー
310 ディスプレイカード
400 薬剤デバイスセンサ
405 本体
410 底面
415 前壁
420 後壁
422 スリット
424 突出部
425 オーディオセンサ
430 圧力センサ
440 固定クリップ
445 クリップ解除タブ
450 レッジ
460 解除力
470 回転
475 枢動点
図1
図2
図3
図4A
図4B
図4C
図4D
図4E
【外国語明細書】