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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023052673
(43)【公開日】2023-04-11
(54)【発明の名称】ランプ
(51)【国際特許分類】
   F21S 2/00 20160101AFI20230404BHJP
   F21V 29/503 20150101ALI20230404BHJP
   F21V 29/51 20150101ALI20230404BHJP
   F21V 29/70 20150101ALI20230404BHJP
   F21V 23/00 20150101ALI20230404BHJP
   F21V 19/00 20060101ALI20230404BHJP
   F21V 21/116 20060101ALI20230404BHJP
   F21V 21/30 20060101ALI20230404BHJP
   F21S 8/08 20060101ALI20230404BHJP
   F21V 7/04 20060101ALI20230404BHJP
   F21W 111/06 20060101ALN20230404BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20230404BHJP
【FI】
F21S2/00 664
F21V29/503 100
F21V29/51
F21V29/70
F21V23/00 160
F21V19/00 150
F21V19/00 170
F21V21/116 100
F21V21/30 310
F21S2/00 340
F21S2/00 375
F21S8/08 121
F21V23/00 140
F21V7/04 300
F21W111:06
F21Y115:10
【審査請求】有
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023010657
(22)【出願日】2023-01-27
(62)【分割の表示】P 2021142074の分割
【原出願日】2017-11-17
(31)【優先権主張番号】P 2017003940
(32)【優先日】2017-01-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】519147348
【氏名又は名称】株式会社ホタルクス
(74)【代理人】
【識別番号】100115255
【弁理士】
【氏名又は名称】辻丸 光一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100201732
【弁理士】
【氏名又は名称】松縄 正登
(74)【代理人】
【識別番号】100154081
【弁理士】
【氏名又は名称】伊佐治 創
(72)【発明者】
【氏名】溝邊 憲政
(57)【要約】      (修正有)
【課題】重量増を抑制でき、且つLEDモジュールの放熱が可能なランプを提供する。
【解決手段】本発明のランプは、光源であるLEDモジュール11と、熱移送手段12と、配光手段と、開口部を有する筐体14と、光透過性カバー15とを含み、LEDモジュール11は、複数のLEDと、前記複数のLEDを実装する実装面を有するLED基板とを含み、前記配光手段は、LEDモジュール11の光照射側に配置され、筐体14の内部に、LEDモジュール11および前記配光手段が配置され、筐体14の開口に、光透過性カバー15が配置され、LEDモジュール11は、筐体14内において、筐体14と離れて配置され、熱移送手段12は、LEDモジュール11の熱を筐体14に放熱できるように配置されていることを特徴とする。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体、光透過性カバー、配光手段、光源であるLEDモジュール、熱移送手段、及びヒートスプレッダを備え、
前記筐体は開口を有し、前記開口に、前記光透過性カバーが配置され、
前記配光手段及び前記LEDモジュールは、前記筐体の内部に配置され、
前記配光手段は、前記LEDモジュールの光照射側に配置され、
前記LEDモジュールは、前記ヒートスプレッダの前記光透過性カバー側に配置され、
前記熱移送手段は、前記LEDモジュールの熱を前記筐体に放熱できるように配置され、
前記熱移送手段の一端は、前記LEDモジュールと熱的に接続され、他端は前記筐体と熱的に接続されている、ことを特徴とするランプ。
【請求項2】
前記熱移送手段は、熱伝導部と放熱部とを有し、
前記熱伝導部は、前記LEDモジュールの熱が伝導されるように配置され、
前記放熱部は、前記筐体に前記LEDモジュールの熱を放熱できるように配置され、前記筐体と熱的に接続されている、請求項1に記載のランプ。
【請求項3】
前記熱移送手段は、ヒートパイプを含む、請求項1に記載のランプ。
【請求項4】
前記LEDモジュールは、複数のLEDと、前記複数のLEDを実装する実装面を有するLED基板とを含む、請求項1に記載のランプ。
【請求項5】
前記光源は、1分間に120回の点滅が可能であり、明るさが3段階に切り替えられるように構成されている、請求項1に記載のランプ。
【請求項6】
さらに脚部を有し、前記脚部は前記筐体を支持するアームと前記脚部と結合するポールを有する、請求項1に記載のランプ。
【請求項7】
前記筐体内において、前記LEDモジュールと、前記筐体と、前記熱移送手段とに囲まれた空間が、前記LEDモジュールに接続する配線を収容する配線収容部である、請求項1に記載のランプ。
【請求項8】
前記筐体は、前記ランプ外の前記配線と接続可能な防水性のコネクタからなる接続部を有し、前記配線収容部に収容された前記配線は、前記接続部と接続している、請求項7に記載のランプ。
【請求項9】
前記筐体は、前記筐体外から前記筐体内に、前記配線を導入可能な貫通孔を含む、請求項7または8に記載のランプ。
【請求項10】
前記配光手段は、リフレクタおよびレンズの少なくとも一方を含む、請求項1に記載のランプ。
【請求項11】
前記リフレクタは、円筒状であり、
前記LEDモジュールは、前記実装面を前記リフレクタの開口側に向けて配置されている、請求項10に記載のランプ。
【請求項12】
航空機着陸誘導閃光装置に用いられる、請求項1から11のいずれか一項に記載のランプ。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ランプに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、空港等において、着陸する航空機の滑走路への誘導に、キセノンランプを用いた閃光装置が用いられている(非特許文献1)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】U.S. Department of Transportation, “SPECIFICATION FOR DISCHARGE-TYPE FLASHING LIGHT EQUIPMENT”, [online], September 08, 2010, Federal Aviation of Transportation, [平成29年1月13日検索], インターネット <URL: https://www.faa.gov/documentLibrary/media/Advisory_Circular/150_5345_51b.pdf>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前述のキセノンランプを、発光ダイオード(LED)ランプに置き換えられれば、寿命を大幅に伸ばし、消費電力を削減することも可能である。しかしながら、前記LEDランプを用いる場合、前記LEDランプに搭載するLEDモジュールの放熱が必要となる。
【0005】
前記LEDモジュールの放熱を促進するため、放熱用のフィンを前記LEDランプ内に設置することが考えられる。しかしながら、前記閃光装置に用いる閃光灯(ランプ)の重量には、全体で5.5kg以下との規格がある(非特許文献1)。このため、放熱用のフィン設置等による重量増は、好ましくない。
【0006】
そこで、本発明は、重量増を抑制でき、且つLEDモジュールの放熱が可能なランプの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的を達成するために、本発明のランプは、筐体、光透過性カバー、配光手段、光源であるLEDモジュール、熱移送手段、及びヒートスプレッダを備え、
前記筐体は開口を有し、前記開口に、前記光透過性カバーが配置され、
前記配光手段及び前記LEDモジュールは、前記筐体の内部に配置され、
前記配光手段は、前記LEDモジュールの光照射側に配置され、
前記LEDモジュールは、前記ヒートスプレッダの前記光透過性カバー側に配置され、
前記熱移送手段は、前記LEDモジュールの熱を前記筐体に放熱できるように配置され、
前記熱移送手段の一端は、前記LEDモジュールと熱的に接続され、他端は前記筐体と熱的に接続されている、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、重量増を抑制でき、且つLEDモジュールの放熱が可能なランプを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、実施形態1のランプの構成の一例を示す断面図である。
図2図2は、実施形態1のランプの別の構成の一例を示す断面図である。
図3図3は、実施形態2のランプの構成の一例を示す断面図である。
図4図4は、実施形態1のランプの設置の一例を示す斜視図である。
図5図5は、実施形態1のランプの設置の別の例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明のランプにおいて、例えば、前記熱移送手段は、熱伝導部と放熱部とを有し、
前記熱伝導部は、前記LEDモジュールの熱が伝導されるように配置され、
前記放熱部は、前記筐体に前記LEDモジュールの熱を放熱できるように配置されている。
【0011】
本発明のランプにおいて、例えば、前記放熱部は、前記熱移送手段の一端に形成されており、
前記熱移送手段の他端は、前記LEDモジュールと熱的に接続されている。
【0012】
本発明のランプにおいて、例えば、前記放熱部は、前記筐体と熱的に接続されている。
【0013】
本発明のランプにおいて、例えば、前記熱移送手段は、ヒートパイプを含む。
【0014】
本発明のランプは、例えば、さらに、ヒートスプレッダを有し、
前記ヒートスプレッダは、前記LED基板に対し、前記実装面の反対側に配置され、
前記熱移送手段は、前記ヒートスプレッダと熱的に接続されている。
【0015】
本発明のランプは、例えば、前記筐体内において、前記LEDモジュールと、前記筐体と、前記熱移送手段とに囲まれた空間が、前記LEDモジュールに接続する配線を収容する配線収容部である。
【0016】
本発明のランプにおいて、例えば、前記筐体は、前記ランプ外の配線と接続可能な接続部を有し、
前記配線収容部に収容された配線は、前記接続部と接続している。
【0017】
本発明のランプにおいて、例えば、前記筐体は、前記筐体外から前記筐体内に、配線を導入可能な貫通孔を含む。
【0018】
本発明のランプにおいて、例えば、前記配光手段は、リフレクタおよびレンズの少なくとも一方を含む。
【0019】
本発明のランプにおいて、例えば、前記リフレクタは、筒状であり、
前記LEDモジュールは、前記リフレクタの光源側開口に、前記実装面を前記リフレクタの光照射側の開口側に向けて配置されている。
【0020】
本発明のランプは、例えば、航空機着陸誘導閃光装置に用いられる。
【0021】
以下、本発明のランプについて、図面を参照して詳細に説明する。ただし、本発明は、以下の説明に限定されない。なお、以下の図1から図5において、同一部分には、同一符号を付し、その説明を省略する場合がある。また、図面においては、説明の便宜上、各部の構造は適宜簡略化して示す場合があり、各部の寸法比等は、実際とは異なり、模式的に示す場合がある。
【0022】
[実施形態1]
本実施形態は、航空機着陸誘導閃光装置に用いられるランプの一例である。図1に、本実施形態のランプの構成の一例を示す。図1に示すように、本実施形態のランプ10は、光源であるLEDモジュール11と、熱移送手段12と、配光手段13aと、開口部を有する筐体14と、光透過性カバー15とを含む。図示していないが、LEDモジュール11は、複数のLEDと、前記複数のLEDを実装する実装面(図1においては、左側の面)を有するLED基板とを含む。図1に示すように、LEDモジュール11は、筐体14から離れて配置されている。また、熱移送手段12は、前記LED基板に対し、前記実装面の反対側(図1においては、LEDモジュール11の右側)に配置されており、その一端が、LEDモジュール11と熱的に接続し、他端が、筐体14と熱的に接続している。これにより、熱移送手段12は、LEDモジュール11の熱を筐体14に放熱するように配置されている。配光手段であるリフレクタ13aは、LEDモジュール11の光照射側(図1においては、前記実装面が位置する左側)に配置されている。LEDモジュール11、熱移送手段12およびリフレクタ13aは、筐体14の内部に配置されている。光透過性カバー15は、筐体14の開口に配置されている。
【0023】
LEDモジュール11は、従来の航空機着陸誘導閃光装置用のキセノンランプと同程度の輝度を有するように、前記LED基板の実装面に、複数のLEDが実装されたものであればよく、前記LED基板の大きさおよび材質、前記LEDの数等は、特に制限されない。本実施形態のランプ10において、LEDモジュール11は、熱移送手段12により、筐体14から離れて配置されているが、LEDモジュール11は、筐体14と直接的に接触しないように配置されていればよい。LEDモジュール11は、例えば、離隔部材等により、筐体14から離れて配置されてもよい。本実施形態のランプ10において、LEDモジュール11は、リフレクタ13aの光源側開口に、前記実装面をリフレクタ13aの光照射側の開口側に向けて配置されているが、LEDモジュール11とリフレクタ13aとの位置関係は、これに限定されず、リフレクタ13aは、LEDモジュール11の光照射側に配置されていればよい。
【0024】
本実施形態のランプ10において、熱移送手段12は、ヒートパイプであるが、熱移送手段12は、熱を移送可能であればよく、公知の熱移送手段を用いることができる。具体例として、熱移送手段12は、例えば、熱伝導素材で形成された部材(熱伝導部材)、ヒートパイプ、これらの組合せ等があげられる。前記熱伝導素材は、特に制限されず、公知の熱伝導素材があげられ、具体例として、金属、セラミックス、セラミックスと金属との複合材料、ダイヤモンド等があげられる。前記金属は、例えば、アルミニウムおよびその合金、マグネシウムおよびその合金、鉄およびその合金、銅およびその合金、チタンおよびその合金、モリブデンおよびその合金、タングステンおよびその合金等があげられる。前記ヒートパイプは、特に制限されず、例えば、自励振動式ヒートパイプ等があげられ、市販品を用いてもよい。本実施形態のランプ10において、熱移送手段12は、2つであるが、熱移送手段12の数は、特に制限されず、1つでもよいし、2つ以上でもよい。
【0025】
熱移送手段12は、LEDモジュール11の熱を筐体14に放熱できるように配置されていればよく、例えば、図1に示すように、熱移送手段12の一端が、LEDモジュール11に熱的に接続されおり、熱移送手段12の他端が、筐体14に熱的に接続されていてもよい。本実施形態のランプ10において、熱移送手段12は、その一端がLEDモジュール11に直接的に接しているが、間接的に接していてもよい。後者の場合、LEDモジュール11と、熱移送手段12との間には、例えば、熱拡散部材が介在しており、前記熱拡散部材が、LEDモジュール11と熱移送手段12とに熱的に接続している。前記熱拡散部材は、例えば、前述の熱伝導素材を形成材料とするヒートスプレッダ(integrated heat spreader)等があげられる。
【0026】
本実施形態のランプ10において、前記配光手段は、リフレクタ13aであるが、前記配光手段は、LEDモジュール11が発した光を、例えば、反射、集光、拡散等により、光透過性カバー15側へと送ることが可能な手段であればよい。前記配光手段は、例えば、図1に示すランプ10のようにリフレクタであってもよいし、図2に示すように、レンズ13bであってもよい。また、本発明のランプは、前記配光手段として、リフレクタとレンズとを併用してもよい。
【0027】
リフレクタ13aの形成材料としては、例えば、アルミニウムおよびその合金、マグネシウムおよびその合金等の金属;PC、PBT等の樹脂;等があげられる。リフレクタ13aとしては、例えば、反射面にメッキ、高反射塗料の塗布等の高反射加工を施すことで、反射効率を向上させたものを用いてもよい。例えば、ランプ10において、リフレクタ13aが、図1に示すような筒状であり、LEDモジュール11は、リフレクタ13aの一方(図1においては、右側)の開口(光源側開口)に、LEDモジュール11の前記実装面がリフレクタ13aの筒内、すなわち、リフレクタ13aの光照射側の開口側を向くように配置されていてもよい。図1には、一方の開口面積が、他方の開口面積よりも狭い筒状(例えば、傘状)のリフレクタ13aを例示しているが、リフレクタ13aの2つの開口面積は、同じであってもよい。また、リフレクタ13aの断面形状は、図1に例示するような円弧状であってもよいし、直線状であってもよい。リフレクタ13aは、支持部材等により、LEDモジュール11の光照射側に配置されてもよい。
【0028】
筐体14の形成材料としては、例えば、アルミニウム、樹脂等があげられる。筐体14は、その全体が、一体として形成されてもよいし、複数の部材から形成されてもよい。後者の場合、筐体14は、例えば、筒状の部材と、円盤状の部材とを含み、前記筒状の部材における光透過性カバー15の配置側とは反対側の開口に、前記円盤状部材を配置することで形成されてもよい。
【0029】
光透過性カバー15の形成材料としては、LEDモジュール11から照射された光の大部分を透過可能であればいかなるものを用いてもよいが、例えば、ガラス等があげられる。
【0030】
本実施形態のランプ10によれば、熱移送手段12が、LEDモジュール11の熱を筐体14に放熱できるように配置されていることにより、前記放熱ファン等を用いずに、LEDモジュール11の熱を筐体14に放熱できる。このため、本実施形態のランプ10によれば、前記放熱ファン等の設置による重量増を抑制できる。さらに、本実施形態のランプ10によれば、筐体14内の熱の伝導に、故障が懸念されるファン等を用いる必要がないため、例えば、前記LEDの耐用年数である20~30年程度の期間、筐体14内のメンテナンスを行う必要がない。
【0031】
本実施形態のランプ10は、熱移送手段12は、熱伝導部と放熱部とを有してもよい。この場合、前記熱伝導部は、LEDモジュール11の熱が伝導されるように配置され、前記放熱部は、筐体14に前記LEDモジュールの熱を放熱できるように配置されていることが好ましい。具体例として、前記熱伝導部は、LEDモジュール11と熱的に接続されている。また、前記放熱部は、例えば、筐体14と熱的に接続されている。前記熱伝導部と前記放熱部とは、例えば、熱的に接続されており、より具体的には、一体的に形成されている。前記熱伝導部は、例えば、LEDモジュール11の熱を前記放熱部に伝導できる部材であればよく、具体例として、前記ヒートパイプ等があげられる。前記放熱部は、例えば、前記熱伝導部が伝導してきた熱を筐体14に放熱できる部材であればよく、具体例として、前記熱伝導部材等があげられる。
【0032】
熱移送手段12が、前記熱伝導部および前記放熱部を有する場合、熱移送手段12における前記熱伝導部と前記放熱部との位置は、特に制限されない。前記放熱部は、例えば、熱移送手段12の一端に形成されている。この場合、熱移送手段12の他端から前記放熱部までの領域を、前記熱伝導部ということもできる。また、熱移送手段12の他端は、LEDモジュール11と熱的に接続されていることが好ましい。
【0033】
このように、熱移送手段12が、前記熱伝導部および前記放熱部を有することにより、例えば、LEDモジュール11の熱を、前記熱伝導部から前記放熱部へ、さらに、前記放熱部から筐体14へ効率良く伝導できるため、放熱効率がさらに向上する。また、熱移送手段12が、前記熱伝導部および前記放熱部を有する場合、前記放熱部と筐体14との接触面積を調整することにより、LEDモジュールの11の発熱量に応じて、放熱効率を最適に調整することができるため、重量増をより抑制できる。
【0034】
本実施形態のランプ10は、例えば、さらに、ヒートスプレッダを有してもよい。この場合、前記ヒートスプレッダは、前記LED基板に対し、前記実装面の反対側に配置され、熱移送手段12は、前記ヒートスプレッダと熱的に接続されていることが好ましい。前記ヒートスプレッダは、例えば、市販品を用いてもよい。前記ヒートスプレッダは、熱移送手段12と一体的に形成されてもよい。この場合、前記ヒートスプレッダは、熱移送手段12の吸熱部ということもできる。このように、前記ヒートスプレッダを有することにより、例えば、LEDモジュール11の熱を効率良く吸熱および分散でき、且つ熱移送手段12に効率良く伝導できるため、放熱効率がさらに向上する。
【0035】
本実施形態のランプ10は、例えば、前記筐体内において、LEDモジュール11と、筐体14と、熱移送手段12とに囲まれた空間が、LEDモジュール11に接続する配線を収容する配線収容部としてもよい。前記配線収容部に収容される配線は、例えば、LEDモジュール11に電力を供給する配線があげられる。前記配線収容部には、例えば、ランプ10内の全てまたは一部の配線が収容される。また、1本の配線において、例えば、その全体または一部が、前記配線収容部に収容される。前記配線の本数は、特に制限されず、例えば、LEDモジュール11の使用する電力量等に応じて適宜設定でき、1本でもよいし、2本以上でもよい。ランプ10が前記ヒートスプレッダを有する場合、前記ヒートスプレッダと、筐体14と、熱移送手段12とに囲まれた空間を、前記配線収容部としてもよい。このように、前記配線収容部を有することにより、例えば、ランプ10内の配線を1箇所に集約できるため、配線のためのスペースを低減できる。このため、例えば、筐体14の大きさを低減できるため、重量増をより抑制できる。
【0036】
さらに、本実施形態のランプ10において、例えば、筐体14は、ランプ10外の配線と接続可能な接続部を有してもよい。この場合、前記配線収容部に収容された配線は、前記接続部と接続していることが好ましい。前記接続部は、特に制限されず、例えば、電源コネクタ等の公知のコネクタを用いることができる。前記接続部は、野外に設置した際の故障を低減できることから、防水性であることが好ましい。前記接続部は、例えば、前記配線収容部に隣接するように配置されることが好ましい。このように、前記接続部を有することにより、例えば、前記航空機着陸誘導閃光装置に設置し使用している際に故障が生じても、故障したランプ10を新たなランプ10に交換することで、前記航空機着陸誘導閃光装置がすぐに使用可能となる。このため、前記接続部を有することにより、例えば、航空機着陸誘導閃光装置のメンテナンスが容易になる。
【0037】
本実施形態のランプ10において、例えば、筐体14は、筐体14外から筐体14内に、配線を導入可能な貫通孔を含む。前記貫通孔の大きさは、前記配線が導入可能な大きさであればよい。
【0038】
つぎに、図4および図5を用いて、本実施形態のランプ10の設置例について説明する。本実施形態のランプ10は、例えば、さらに、アーム23および脚部21を含み、脚部21により、地面に設置されてもよい。また、本実施形態のランプ10は、例えば、LEDモジュール11に電力を供給するためのケーブル(配線)22を含んでもよい。さらに、図4に示すランプ10は、図5に示すように、地面に設置されたポール31上に設置されてもよい。
【0039】
本実施形態のランプ10は、例えば、1分間に120回の点滅が可能なように構成される。本実施形態のランプ10は、例えば、複数の滑走路を有する大型空港に設置される場合には、航空機の進入する方向から滑走路末端に向かって、約30mおきに、8~29灯程度設置される。また、本実施形態のランプ10は、例えば、航空機の発着が少なく、短い滑走路が1つのみの小型の空港に設置される場合には、滑走路末端の短手方向両側に1灯ずつ、2灯が同時に閃光(点滅)するように設置される。さらに、本実施形態のランプ10は、例えば、航空機が真っ直ぐに滑走路に進入できない空港に設置される場合には、滑走路への進入路上の要所要所に、例えば、数kmごとに設置される。さらに、本実施形態のランプ10は、例えば、国土交通省の基準仕様に準じて、明るさが3段階に切り替えられるように構成される。この3段階の明るさのうち、最も明るいHighは、例えば、霧、雨等で視界不良の昼間に、最も暗いLowは、例えば、夜間に、中間のMiddleは、例えば、夕方等に用いられる。
【0040】
[実施形態2]
本実施形態は、航空機着陸誘導閃光装置に用いられるランプの別の例である。図3は、本実施形態のランプの構成の一例を示す断面図である。図3に示すように、本実施形態のランプ20は、前記実施形態1のランプ10の構成に加えて、ヒートスプレッダ16、離隔部材17、支持部材18、および配線19を有する。本実施形態のランプ20において、ヒートスプレッダ16と、筐体14と、熱移送手段12とに囲まれた空間が、配線収容部である。LEDモジュール11は、一端が筐体14に、他端がヒートスプレッダ16に接続した離隔部材17により、筐体14と離れて配置されている。LEDモジュール11は、リフレクタ13aの光源側の開口側において、前記実装面をリフレクタ13aの光照射側の開口側に向けて配置されている。熱移送手段12は、一体形成された熱伝導部12aおよび放熱部12bを含み、熱伝導部12aは、放熱部12bとは反対端において、ヒートスプレッダ16と熱的に接続し、放熱部12bは、筐体14と熱的に接続している。これにより、LEDモジュール11の熱は、ヒートスプレッダ16、熱伝導部12a、および放熱部12bを介して、筐体14に放熱される。さらに、リフレクタ13aは、LEDモジュール11側の端部が、LEDモジュール11に接続しておらず、代わりに、一端が筐体14に、他端がリフレクタ13aに接続した支持部材18により支持されている。筐体14は、前記配線収容部に隣接するように接続部である電源コネクタ14aを有する。ヒートスプレッダ16は、LEDモジュール11の前記LED基板に対し、前記実装面の反対側に配置され、熱的に接続している。そして、配線19は、筐体14の接続部14aから、前記配線収容部を介してLEDモジュール11に接続している。この点を除き、本実施形態のランプ20は、前記実施形態1のランプ10と同様の構成を有し、その説明を援用できる。
【0041】
離隔部材17の形成材料としては、例えば、アルミニウム、樹脂等があげられる。離隔部材17は、LEDモジュール11を、直接または間接的に筐体14から離して配置できる部材であればよい。また、支持部材18の形成材料としては、例えば、アルミニウム、樹脂等があげられる。支持部材18は、リフレクタ13aをLEDモジュール11の光照射側に配置できるような部材であればよい。
【0042】
本実施形態のランプ20によれば、ヒートスプレッダ16を含み、且つ熱移送手段12が、熱伝導部12aおよび放熱部12bを有することにより、LEDモジュール11の熱を非常に効率良く筐体14に放熱することが可能である。また、筐体14が接続部14aを有することにより、ランプ20の交換が容易となり、航空機着陸誘導閃光装置のメンテナンスが容易になる。さらに、前記配線収容部を有することにより、例えば、ランプ20内の配線19を1箇所に集約できるため、配線のためのスペースを低減でき、筐体14の大きさを低減できるため、重量増をより抑制できる。このため、本実施形態のランプ20は、航空機着陸誘導閃光装置に用いられるランプとして、より好適に用いることができる。
【0043】
以上、実施形態を参照して本発明を説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。本発明の構成や詳細には、本発明のスコープ内で当業者が理解しうる様々な変更をすることができる。
【0044】
<付記>
上記の実施形態および実施例の一部または全部は、以下の付記のように記載されうるが、以下には限られない。
(付記1)
光源であるLEDモジュールと、
熱移送手段と、
配光手段と、
開口部を有する筐体と、
光透過性カバーとを含み、
前記LEDモジュールは、複数のLEDと、前記複数のLEDを実装する実装面を有するLED基板とを含み、
前記配光手段は、前記LEDモジュールの光照射側に配置され、
前記筐体の内部に、前記LEDモジュールおよび前記配光手段が配置され、
前記筐体の開口に、前記光透過性カバーが配置され、
前記LEDモジュールは、前記筐体内において、前記筐体と離れて配置され、
前記熱移送手段は、前記LEDモジュールの熱を前記筐体に放熱できるように配置されていることを特徴とする、ランプ。
(付記2)
前記熱移送手段は、熱伝導部と放熱部とを有し、
前記熱伝導部は、前記LEDモジュールの熱が伝導されるように配置され、
前記放熱部は、前記筐体に前記LEDモジュールの熱を放熱できるように配置されている、付記1記載のランプ。
(付記3)
前記放熱部は、前記熱移送手段の一端に形成されており、
前記熱移送手段の他端は、前記LEDジュールと熱的に接続されている、付記2記載のランプ。
(付記4)
前記放熱部は、前記筐体と熱的に接続されている、付記2または3記載のランプ。
(付記5)
前記熱移送手段は、ヒートパイプを含む、付記1から4のいずれかに記載のランプ。
(付記6)
さらに、ヒートスプレッダを有し、
前記ヒートスプレッダは、前記LED基板に対し、前記実装面の反対側に配置され、
前記熱移送手段は、前記ヒートスプレッダと熱的に接続されている、付記1から5のいずれかに記載のランプ。
(付記7)
前記筐体内において、前記LEDモジュールと、前記筐体と、前記熱移送手段とに囲まれた空間が、前記LEDモジュールに接続する配線を収容する配線収容部である、付記1から6のいずれかに記載のランプ。
(付記8)
前記筐体は、前記ランプ外の配線と接続可能な接続部を有し、
前記配線収容部に収容された配線は、前記接続部と接続している、付記7記載のランプ。
(付記9)
前記筐体は、前記筐体外から前記筐体内に、配線を導入可能な貫通孔を含む、付記1から8のいずれかに記載のランプ。
(付記10)
前記配光手段は、リフレクタおよびレンズの少なくとも一方を含む、付記1から9のいずれかに記載のランプ。
(付記11)
前記リフレクタは、筒状であり、
前記LEDモジュールは、前記リフレクタの光源側開口に、前記実装面を前記リフレクタの光照射側の開口側に向けて配置されている、付記10記載のランプ。
(付記12)
航空機着陸誘導閃光装置に用いられる、付記1から11のいずれかに記載のランプ。
【0045】
この出願は、2017年1月13日に出願された日本出願特願2017-003940を基礎とする優先権を主張し、その開示のすべてをここに取り込む。
【産業上の利用可能性】
【0046】
本発明によれば、重量増を抑制でき、且つLEDモジュールの放熱が可能なランプを提供することができる。本発明のランプは、例えば、航空機着陸誘導閃光装置等の用途に利用可能である。
【符号の説明】
【0047】
10、20 ランプ
11 LEDモジュール
12 熱移送手段
12a 熱伝導部
12b 放熱部
13a 配光手段(リフレクタ)
13b 配光手段(レンズ)
14 筐体
14a 接続部(電源コネクタ)
15 光透過性カバー
16 ヒートスプレッダ
17 離隔部材
18 支持部材
19、22 配線
21 脚部
23 アーム
31 ポール

図1
図2
図3
図4
図5