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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023052700
(43)【公開日】2023-04-11
(54)【発明の名称】創薬プラットフォーム
(51)【国際特許分類】
   G16H 50/70 20180101AFI20230404BHJP
【FI】
G16H50/70
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023011102
(22)【出願日】2023-01-27
(62)【分割の表示】P 2019548333の分割
【原出願日】2018-03-06
(31)【優先権主張番号】62/467,972
(32)【優先日】2017-03-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】519316760
【氏名又は名称】アニヴァイヴ ライフサイエンシーズ インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100120891
【弁理士】
【氏名又は名称】林 一好
(74)【代理人】
【識別番号】100165157
【弁理士】
【氏名又は名称】芝 哲央
(74)【代理人】
【識別番号】100205659
【弁理士】
【氏名又は名称】齋藤 拓也
(74)【代理人】
【識別番号】100126000
【弁理士】
【氏名又は名称】岩池 満
(74)【代理人】
【識別番号】100185269
【弁理士】
【氏名又は名称】小菅 一弘
(72)【発明者】
【氏名】バルス ディラン
(72)【発明者】
【氏名】アーバックル コディ ロイド
(72)【発明者】
【氏名】ブルイエット デイヴィッド
(72)【発明者】
【氏名】シラゴ ニコラス
(57)【要約】      (修正有)
【課題】獣医学において使用するための薬物を発見するシステム及び方法を提供する。
【解決手段】有望な動物薬を発見するためのシステムであって、転用のための候補であるヒト用医薬において使用される化合物を特定し、ソフトウェアアプリケーションを使用して、動物疾患を処置するための候補となりうる化合物を検索し、研究データ、例えば臨床試験データを検索して、獣医学において使用するための有望な化合物を特定し、ソースをランク付けし、検索結果を補強証拠とともに報告する。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
有望な動物薬を発見し評価するための電子システムであって、
インデックス付けされたヒト医療情報の第1データベースと、
プロセッサであって、
薬物データ又は医学的適応データを含むユーザから検索語を受け取る工程、
前記検索語から第1検索クエリを生成する工程、
前記第1データベースに問い合わせ、前記第1検索クエリに基づき候補ヒト薬物情報を特定する工程、
前記候補ヒト薬物情報を分析して、前記ヒト薬物情報に関連する動物データを特定する工程、及び
特定された前記動物データの少なくとも1つのソースを前記ユーザに表示する工程
を備える方法を実施する命令を実行するように構成されているプロセッサと
を備えるシステム。
【請求項2】
前記第1データベースに問い合わせ、候補ヒト薬物情報を特定することが、ヒト遺伝子情報及び動物遺伝子情報のデータベースに問い合わせることを含む請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記候補ヒト薬物情報を検討して、前記ヒト薬物情報に関連する動物データを特定することが、前記ヒト遺伝子情報を前記動物遺伝子情報と比較することを含む請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記プロセッサが、注目する遺伝子配列を基準ヒト遺伝子配列と比較するようにさらに構成されている請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記プロセッサが、前記少なくとも1つのソースについてのメタデータを読み出すようにさらに構成されており、前記少なくとも1つのソースを表示することが、メタデータの注釈付きのソースを表示することを含む請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記メタデータが、候補名、薬物名、分子式、分子構造図、作用機序、前記医学的適応に関与する生体分子、治療標的、前記動物についての医学的適応、ヒトについての医学的適応、形状因子、投与方法、薬物動態、毒性学、副作用、特許情報、知的財産の所有権データ、研究者、著者、特許権者又は実施権者の接触情報、臨床試験報告書、規制当局の承認のフェーズ、薬物の種類又は部類、前記薬物に関連づけられた遺伝的データ、薬物関連データの概要、所感報告書、有効性データ、補強刊行物、事業資金調達、事業支出、実験計画法、臨床試験の結果、官公庁への提出書類、官庁届出書類、及び薬物販売会社からなる群から選択される1以上の情報を含む請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記プロセッサが、薬物候補選択を受け取り、前記薬物候補と関連づけられたメタデータを表示するようにさらに構成されている請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記動物データがイヌデータ又はネコデータである請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
前記プロセッサが、ソースの第1ページランキングを生成し、前記第1ページランキングを表示するようにさらに構成されている請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
前記プロセッサが、第1ソースについてのメタデータ及び第2ソースについてのメタデータからメタアナリシスを用意し、前記メタアナリシスの結果を表示するようにさらに構成されている請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
前記少なくとも1つのソースが、特許ソース、ニュースソース、ビジネス情報ソース、臨床試験ソース、規制ソース、辞書ソース、及び研究発表ソースからなる群から選択される請求項1に記載のシステム。
【請求項12】
前記第1データベース中のソースについてのキーワードを保存するインデックスをさらに含み、前記第1データベースに問い合わせることが、前記少なくとも1つのキーワードを前記インデックスの中で捜し出すことを備える請求項1に記載のシステム。
【請求項13】
有望な動物薬を発見し評価する方法であって、
薬物データ又は医学的適応データを含むユーザから検索語を受け取る工程と、
前記検索語から第1検索クエリを生成する工程と、
第1データベースに問い合わせ、前記第1検索クエリに基づき候補ヒト薬物情報を特定する工程と、
前記候補ヒト薬物情報を分析して、前記ヒト薬物情報に関連する動物データを特定する工程と、
特定された前記動物データの少なくとも1つのソースを前記ユーザに表示する工程と
を備える方法。
【請求項14】
前記第1データベースに問い合わせ、候補ヒト薬物情報を特定することが、ヒト遺伝子情報及び動物遺伝子情報のデータベースに問い合わせることを含む請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記候補ヒト薬物情報を検討して、前記ヒト薬物情報に関連する動物データを特定することが、前記ヒト遺伝子情報を前記動物遺伝子情報と比較して、動物遺伝子データとヒト遺伝子データとの間の遺伝子相同性を判定することを含む請求項14に記載の方法。
【請求項16】
第1データベースに問い合わせることが、前記第1データベースと関連づけられたインデックスに問い合わせることを含む請求項13に記載の方法。
【請求項17】
前記候補ヒト薬物情報を分析することが、前記ヒト薬物情報に関連する読み出された前記動物データからデータのページをランク付けすることを含む請求項13に記載の方法。
【請求項18】
前記候補ヒト薬物情報を分析することが、前記候補ヒト用薬物データに関連するメタデータを読み出し、次いでそのメタデータを前記ユーザに対して表示することを含む請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記メタデータが、薬物候補名、薬物名、分子式、分子構造図、作用機序、前記医学的適応に関与する生体分子、治療標的、前記動物についての医学的適応、ヒトについての医学的適応、形状因子、投与方法、薬物動態、毒性学、副作用、特許情報、知的財産の所有権データ、研究者、著者、特許権者又は実施権者の接触情報、臨床試験報告書、規制当局の承認のフェーズ、薬物の種類又は部類、前記薬物に関連づけられた遺伝的データ、薬物関連データの概要、所感報告書、有効性データ、補強刊行物、事業資金調達、事業支出、実験計画法、臨床試験の結果、官公庁への提出書類、官庁届出書類、及び薬物販売会社からなる群から選択される請求項18に記載の方法。
【請求項20】
特定された前記動物データの前記少なくとも1つのソースを表示することが、特定された前記動物データの順序付きリストを表示することを含む請求項13に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
あらゆる優先権主張出願の参照による援用
外国又は国内の優先権主張が本願の出願時の出願データシートの中で特定されているいずれの及びすべての出願は、米国特許施行規則(37 CFR)1.57に基づき、参照により本願明細書に援用する。
【0002】
本開示は、創薬のためのシステム及び方法、特に、獣医学において使用するための薬物を発見するためのシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0003】
高い割合の獣医学疾患には有効な医薬品による処置がない。その結果、毎年、何百万という防ぐことができた可能性がある動物死が起こっている。これらの死を防ぐために利用可能な薬物はほとんどない。なぜなら、医薬品開発が獣医学市場の成長及び医薬品需要に追いついていないからである。その結果、ヒト医学のために開発された薬物を獣医学において使用するために転用する機会が多くある。既存のヒト用薬物を転用することで、動物に対するリスクを下げ、コストを下げ、非常に必要とされる動物用医薬品を市場に出すために必要とされる時間を短縮することができる。
【0004】
しかしながら、これまでの選択及び転用のプロセスに関連する課題がある。転用に良好な候補である薬物を見つけることは、困難であり、費用がかかり、そして時間がかかる可能性がある(転用のためのただ1つの実行可能な候補を特定するために数百時間を必要とすることが多い)。ある場合には、薬物を転用すること無効にする、ヒトと動物との間の生物学的差異が存在する。これは、その薬物が転用のための良好な候補であるように当初は思われた場合であっても起こりうる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示は、創薬のためのシステム及び方法、特に、獣医学用途での使用に好適である可能性があるヒト用医薬を発見するための統合システムに関する。
【0006】
1つの実施形態は、有望な動物薬を特定するためのシステムである。当該システムは、ソフトウェアアプリケーションを使用して様々な利用可能なデータソースを検索し、動物薬候補となりうる化合物を特定する。当該システムは、動物薬としての使用に転用するための候補として何らかの有望性を示したヒト医学において使用される候補を特定することができる。1つの実施形態では、当該システムは、ヒト又は動物での治験において有効性を示し、かつ獣医学において有用である可能性がある有望な候補を特定するために、獣医学治験データ、又は他の研究データを検索してもよい。いくつかの実施形態では、当該システムは、特定された候補をランク付けし、補強証拠を検索結果とともに提供する。本開示のさらなる実施形態は後述される。
【0007】
第1の態様では、有望な動物薬を発見し評価するための電子システムが提供され、この電子システムは、インデックス付けされたヒト医療情報の第1データベースと、薬物データ又は医学的適応データを含むユーザから検索語を受け取る工程、上記検索語から第1検索クエリを生成する工程、上記第1データベースに問い合わせ、上記第1検索クエリに基づき候補ヒト薬物情報を特定する工程、上記候補ヒト薬物情報を分析して、上記ヒト薬物情報に関連する動物データを特定する工程、及び特定された上記動物データの少なくとも1つのソースを上記ユーザに表示する工程を備える方法を実施する命令を実行するように構成されているプロセッサとを備える。
【0008】
第1の態様の一実施形態では、上記第1データベースに問い合わせ、候補ヒト薬物情報を特定することは、ヒト遺伝子情報及び動物遺伝子情報のデータベースに問い合わせることを含む。
【0009】
第1の態様の一実施形態では、上記候補ヒト薬物情報を検討して、上記ヒト薬物情報に関連する動物データを特定することは、上記ヒト遺伝子情報を上記動物遺伝子情報と比較することを含む。
【0010】
第1の態様の一実施形態では、上記プロセッサは、注目する遺伝子配列を基準ヒト遺伝子配列と比較するようにさらに構成されている。
【0011】
第1の態様の一実施形態では、上記プロセッサは、上記少なくとも1つのソースについてのメタデータを読み出すようにさらに構成されており、上記少なくとも1つのソースを表示することは、メタデータ注釈付きの(つまり、メタデータで注釈が付けられた)ソースを表示することを含む。
【0012】
第1の態様の一実施形態では、上記メタデータは、候補名、薬物名、分子式、分子構造図、作用機序、上記医学的適応に関与する生体分子、治療標的、上記動物についての医学的適応、ヒトについての医学的適応、形状因子(フォームファクター)、投与方法、薬物動態、毒性学、副作用、特許情報、知的財産の所有権データ、研究者、著者、特許権者又は実施権者の接触情報、臨床試験報告書、規制当局の承認のフェーズ(相)、薬物の種類又は部類、上記薬物に関連づけられた遺伝的データ、薬物関連データの概要、所感報告書(sentiment report)、有効性データ、補強刊行物、事業資金調達、事業支出(設備投資)、実験計画法、臨床試験の結果、官公庁への提出書類、官庁届出書類、及び薬物販売会社から選択される1以上の情報を含む。
【0013】
第1の態様の一実施形態では、上記プロセッサは、薬物候補選択を受け取り、上記薬物候補と関連づけられたメタデータを表示するようにさらに構成されている。
【0014】
第1の態様の一実施形態では、上記動物データはイヌデータ又はネコデータである。
【0015】
第1の態様の一実施形態では、上記プロセッサは、ソースの第1ページランキングを生成し、この第1ページランキングを表示するようにさらに構成されている。
【0016】
第1の態様の一実施形態では、上記プロセッサは、第1ソースについてのメタデータ及び第2ソースについてのメタデータからメタアナリシスを用意し、このメタアナリシスの結果を表示するようにさらに構成されている。
【0017】
第1の態様の一実施形態では、上記少なくとも1つのソースは、特許ソース、ニュースソース、ビジネス情報ソース、臨床試験ソース、規制ソース、辞書ソース、及び研究発表ソースからなる群から選択される。
【0018】
第1の態様の一実施形態では、当該システムは、上記第1データベース中のソースについてのキーワードを保存するインデックスをさらに備え、上記第1データベースに問い合わせることは、上記少なくとも1つのキーワードを上記インデックスの中で捜し出すこと(locating)を含む。
【0019】
第2の態様では、有望な動物薬を発見し評価する方法が提供され、当該方法は、薬物データ又は医学的適応データを含むユーザから検索語を受け取る工程と、上記検索語から第1検索クエリを生成する工程と、第1データベースに問い合わせ、上記第1検索クエリに基づき候補ヒト薬物情報を特定する工程と、上記候補ヒト薬物情報を分析して、上記ヒト薬物情報に関連する動物データを特定する工程と、特定された上記動物データの少なくとも1つのソースを上記ユーザに表示する工程とを備える。
【0020】
第2の態様の一実施形態では、上記第1データベースに問い合わせ、候補ヒト薬物情報を特定することは、ヒト遺伝子情報及び動物遺伝子情報のデータベースに問い合わせることを含む。
【0021】
第2の態様の一実施形態では、上記候補ヒト薬物情報を検討して、上記ヒト薬物情報に関連する動物データを特定することは、上記ヒト遺伝子情報を上記動物遺伝子情報と比較して、動物遺伝子データとヒト遺伝子データとの間の遺伝子相同性を判定することを含む。
【0022】
第2の態様の一実施形態では、第1データベースに問い合わせることは、上記第1データベースと関連づけられたインデックスに問い合わせることを含む。
【0023】
第2の態様の一実施形態では、上記候補ヒト薬物情報を分析することは、上記ヒト薬物情報に関連する読み出された上記動物データからデータのページをランク付けすることを含む。
【0024】
第2の態様の一実施形態では、上記候補ヒト薬物情報を分析することは、上記候補ヒト用薬物データに関連するメタデータを読み出し、次いでそのメタデータを上記ユーザに対して表示することを含む。
【0025】
第2の態様の一実施形態では、上記メタデータは、薬物候補名、薬物名、分子式、分子構造図、作用機序、上記医学的適応に関与する生体分子、治療標的、上記動物についての医学的適応、ヒトについての医学的適応、形状因子、投与方法、薬物動態、毒性学、副作用、特許情報、知的財産の所有権データ、研究者、著者、特許権者又は実施権者の接触情報、臨床試験報告書、規制当局の承認のフェーズ、薬物の種類又は部類、上記薬物に関連づけられた遺伝的データ、薬物関連データの概要、所感報告書、有効性データ、補強刊行物、事業資金調達、事業支出、実験計画法、臨床試験の結果、官公庁への提出書類、官庁届出書類、及び薬物販売会社から選択される。
【0026】
第2の態様の一実施形態では、特定された上記動物データの上記少なくとも1つのソースを表示することは、特定された上記動物データの順序付きリストを表示することを含む。
【0027】
本発明、及び先行技術に勝って成し遂げられる優位点の概要を示すために、特定の目的及び優位点が本願明細書に記載される。もちろん、すべてのそのような目的又は優位点が、どの特定の実施形態に従っても成し遂げられる必要があるというわけでは必ずしもないということを理解されたい。従って、例えば、必ずしも他の目的又は優位点を成し遂げずに1つの優位点又は一群の優位点を成し遂げ又は最適化することができるようにして、本発明が具現化又は実施されてもよいということを当業者は認識するであろう。
【0028】
これらの実施形態のすべては、本願明細書に開示される本発明の範囲のうちにあることが意図されている。これら及び他の実施形態は、添付の図面を参照する以下の詳細な説明から当業者には容易に明らかになるであろう。本発明は、いずれの特定の開示された実施形態にも限定されない。
【図面の簡単な説明】
【0029】
開示された態様は、開示された態様を説明するが限定はしないために提供される添付の図面と合わせて本明細書中で後述される。図面では、同じ符号は同じ要素を表す。
図1図1は、有望な動物薬製品を特定するための複数のデータ及び情報ソースにリンクされた創薬システムの1つの実施形態のブロック図である。
図2図2は、図1の創薬システムのブロック図であり、例示の構成要素及びそれらに備えられるモジュールを含む。
図3図3は、動物薬候補を発見する方法の1つの実施形態の流れ図である。
図4図4は、動物薬候補を特定することの一部として遺伝子配列を分析する方法の1つの実施形態の流れ図である。
図5図5は、メタデータを含めた注釈付きのソースのディスプレイを図示する。
図6-1】図6は、当該医薬品開発システムの実施形態によって生成される検索結果のスクリーンキャプチャである。
図6-2】図6は、当該医薬品開発システムの実施形態によって生成される検索結果のスクリーンキャプチャである。
【発明を実施するための形態】
【0030】
1つの実施形態は、有望な動物薬を特定するための創薬(DD)システムである。当該DDシステムは、1以上のソフトウェアアプリケーションを使用して、動物疾患を処置するための候補となりうる化合物についての情報が保存されたデータベースを検索することができる。当該DDシステムは、獣医学において使用するためのヒト薬物を特定するように設計されている。当該システムは、ヒト用薬物に関する既存の情報を活用して、動物薬候補を示しうる情報を集めて分析することができる。例えば、当該システムは、公開された臨床試験、安全性/毒性学データ、化学データ、製造及び品質管理(CMC)データ、薬物動態情報、及び報道機関における候補化合物の公の言及、並びにその候補化合物に関連づけられる実体(個人であってもよく組織であってもよい)から、特許及び特許存続期間、規制データ、治療標的データ、遺伝的データ、臨床的有効性データを入力及び分析してもよい。これらの実体としては、臨床研究者及び医薬研究者、法人の特許権者、譲受人、実施権者、並びにソーシャルネットワークを介したそれらの相互接続体を挙げてもよい。候補化合物と関連づけられたデータのこの全面的検討は、候補動物薬を発見するために必要とされる時間量を顕著に短縮する可能性がある。
【0031】
候補化合物は、小分子薬物又は生物学的産物であってもよい。この候補化合物は、例えば、化合物又は1以上の他の化合物の配合物であってもよい。本開示は医薬を特定するためのシステムに主に関するものであるが、当該システムは、医薬製品の種々のカテゴリにおいて候補を特定してもよい。このカテゴリとしては、例えば、小分子薬物、生物剤、複数の薬物の配合物、特定の処置方法、医療装置、又は上述のカテゴリのうちの複数のものの側面を有する候補製品を挙げてもよい。
【0032】
1つの実施形態では、当該DDシステムは、以降により十分に論じられるモバイルアプリケーションの一部として実装されてもよい。当該システムは、特定の候補に関する、又は一群の候補に関する鍵となる研究実体、所有権実体、又は潜在的許諾実体を特定してもよい。この実体は、例えば、自然人、企業組織、政府機関、又は教育機関であってもよい。
【0033】
いくつかの実施形態では、当該DDシステムは、その分析を実施するために必要なデータのオンラインソースを探す。1つの実施形態では、当該DDシステムは、インターネットをクロールし、ウェブページを見つけ出し検索し、様々なソースからデータを収集するための少なくとも1つのインターネット「スパイダー(spider)」を使用する。当該DDシステムのスパイダーによって検索されるソースは、ワールドワイドウェブ等のコンピュータネットワーク、又は公共機関ネットワーク等のローカルネットワーク上でパブリック又はプライベートのリポジトリとして利用可能な種々のリポジトリを備えてもよい。公知のように、「ウェブクローラ」とも呼ばれることもあるスパイダーは、ウェブページ、文書、及び上記ウェブページにリンクされた他のファイルを取り出すソフトウェアプログラムである。当該DDシステムは、次に、当該DDシステムのスパイダーによって返されるウェブページ、文書、及び他のファイルの内容を収集し、スキャンして、読み出された情報の大量のデータ蓄積及びデータベースを生成する。当該DDシステムのスパイダーによって返されたこれらのデータは、次に、当該DDシステムによって、後の情報の検索及び読み出しのために、目録にされ、インデックス付けされ(indexed)、ローカルに保存されることができる。このデータベースは、このデータベースが何らの特定のクエリを参照することなく集められ(編集され)うるという意味で、独立の(agnostic)データベースでありうる。
【0034】
いくつかの実施形態では、スパイダーは、その対象データソースからテキストベースのデータ、音声データ、画像データ、又は動画データをスキャンする。データがローカルのDDシステムに返されると、基礎的情報を抽出して特徴づけし、各データソースからのデータのキーワードインデックスを作成するために、自然言語処理が利用されてもよい。いくつかの実施形態では、スパイダーは、臨床試験データ、基礎科学データ、遺伝的データ、又は他の研究データのパブリックリポジトリ又はオープンソースリポジトリにアクセスする。いくつかの実施形態では、スパイダーは、承認されたプライベートの、クローズソースの、又はサブスクリプションベースの(登録課金方式の)データリポジトリにアクセスする。
【0035】
データが当該DDシステムに保存されると、当該システムは、人工知能(AI)ソフトウェア又は他のプログラム及びプロセスを使用して、そのデータを分析して、候補化合物と成功裏の許諾契約を支援することができうる人との間の関係を特定してもよい。例えば、当該システムは、特許権者と、実施権者と譲受人とのつながりを特定するために、社会的及び専門的なネットワーク構築サイトからのデータを備えてもよい。当該システムは、ソースに関連づけられた実体とユーザ等の検索を実施する実体とのつながりを特定してもよい。
【0036】
当該システムは、ユーザが検索クエリを入力する際に利用することができるインターフェースを備えてもよい。例えば、当該システムにアクセスしたいユーザは、検索するべき用語を入力してもよい。入力され検索されるべき用語は、治療されるべき疾患又は状態、処置されるべき症候、探される化合物の種類、形状因子、作用機序、及び投与方法又は投与経路を記述することができる。用語は、注目する動物を含んでもよい。注目する動物に関連する用語は、一般名、種、属、又はより包括的な分類子であってもよい。注目する動物はイヌ(タイリクオオカミ(canis lupus))であってもよい。注目する動物は、哺乳動物と分類されてもよい。注目する動物は、さらに、ネコ、ニワトリ、乳牛、ヤギ、ヒツジ、ラット、ラマ、ブタ、モルモット、ハムスター、又はウサギから選択されてもよい。上記用語は、適応症も含んでよい。上記用語は、治療標的、症候、又は作用機序も含んでよい。上記用語は、適応症に関与するタンパク質又は酵素等の生体分子も含んでよい。
【0037】
いくつかの実施形態では、ユーザは、一次標的種、以下、二次標的種、三次標的種等を選択してもよい。種々の実施形態では、入力段階の間、ユーザは、そのユーザが関連づけられるグループ又は組織を入力することになろう。
【0038】
当該システムは、検索するべき用語から検索クエリを誘導してもよい。この検索クエリは、上記検索語から誘導される、又は上記検索語に関連するキーワードを含んでもよい。上記データベースは、検索語をキーワードと相関するために、辞書情報を含んでもよい。その後、当該システムは、このデータベースに問い合わせてもよい。データベースに問い合わせることは、上記キーワードについてデータベースソースインデックスを検索することを含んでもよい。
【0039】
種々の実施形態では、当該システムは、ユーザが開始した検索に応答して、上記ソースからデータを抽出及び構造化し、抽出されたデータを第1報告工程で表示する。この第1報告工程は、メタデータを含む注釈付きのソースを表示することを含んでもよい。第1報告工程では、検索結果データは、データをさらに精緻化するための基準及び/又はフィルタをユーザが実行することを補助する視覚的要素を有するように処理されてもよい。この検索結果データは、ユーザと双方向性であるグラフィカルユーザインターフェース(GUI)又はダッシュボードにおいてユーザに示されてもよい。このGUI又はダッシュボードは、入力工程の間にユーザよって提供された用語等の情報に基づいて、検索で見つかったソース及び/又は薬物の主要属性を表示してもよい。
【0040】
当該システムは、ひとまとまりのランク付けされたソースを含む検索結果データを提供してもよい。このソースは、例えば、文書ファイル等の電子刊行物、又はウェブページであってもよい。このソースは、特許情報、規制状況情報、臨床試験情報、例えば適応症情報若しくは治療効果情報等の科学情報、財務情報、又は本願明細書に記載される他の情報を含んでもよい。このソースは、例えば、治療有効性、規制当局の承認状況、又は特許存続期間に関連するいくつかの基準に基づいて、ランク付けされていてもよい。
【0041】
いくつかの実施形態では、ユーザは、検索で返されたソースを選択してもよい。当該システムは、次いで、そのソースについてのメタデータを読み出し、及び/又は生成してもよい。表示されるべきメタデータとしては、薬物名等の候補名、分子化合物又は分子式、分子構造図、作用機序、上記適応症に関与するタンパク質又は酵素等の生体分子、治療標的、動物及び/又はヒトについての適応症、形状因子、投与方法、薬物動態、毒性学、副作用、特許情報、知的財産の所有権データ、研究者、著者、特許権者又は実施権者の接触情報、臨床試験のフェーズ又は規制当局の承認、薬物の種類又は部類、その薬物に関連づけられた遺伝的データ、薬物関連データの概要、一般的な懸念事項、有効性、補強刊行物、事業資金調達、事業支出、実験計画法、臨床試験の結果、官公庁への提出書類、官庁届出書類、及び薬物販売会社を挙げることができる。
【0042】
種々の実施形態では、当該システムは、個々の候補の概説を生成及び表示することになる。候補の概説は、例えば、画像要素又はテキスト要素を選択することによる、薬物の名称の入力に応答して表示されてもよい。表示されるべきデータとしては、薬物名、分子化合物、分子構造図、作用機序、動物及びヒトについての適応症、形状因子、投与方法、薬物動態、毒性学、副作用、特許情報、知的財産の所有権データ、特許権者又は実施権者の接触情報、臨床試験のフェーズ又は規制当局の承認、薬物の種類又は部類、その薬物に関連づけられた遺伝的データ、薬物関連データの概要、一般的な懸念事項、有効性、補強刊行物、事業資金調達、事業支出、実験計画法、臨床試験の結果、官公庁への提出書類、官庁届出書類、及び薬物販売会社を挙げることができる。
【0043】
上記データベースは、ソースについてのインデックスを中に含むソースの独立のデータベースであってもよい。当該システムは、獣医学において使用するための転用の候補である人間医学で使用される医薬を特定することができる。当該システムは、候補を開示するソースを特定してページランキングすることができる。当該システムは、特許データ及びヒト又は獣医学の臨床試験データ、並びに他の研究データを検索して、獣医学において使用するための有望な化合物についての臨床成績を特定することもできる。いくつかの実施形態では、当該システムは、ソースをランク付けして、そのソースのメタデータ注釈を生成する。いくつかの実施形態では、当該システムは、注目する動物の遺伝子を対応するヒト遺伝子と比較するための遺伝子データベースを備える。本開示のさらなる実施形態は後述される。
【0044】
一例として、当該DDシステムは、ユーザから用語「イヌ科の動物」及び「糖尿病」によって入力クエリを受け取ってよい。リアルタイムネットワーク検索が着手されてもよいが、当該システムは、通常、検索タスクを実施するために必要なデータのローカルの記憶場所を検索することによって動作してもよい。このようにして、当該DDシステムは、すべての米国特許及び国際特許の自然言語解析によって作成されるインデックスを最初に検索してもよい。このデータベースは、すべての特許からの全テキストを含むことになろう。「イヌ科の動物」及び「糖尿病」についての特許情報を検索すると、これらの用語を含む一連の特許が、これらの用語が特許の全体の文脈にとってどれほど重要かに応じたページランクによって順序付けされて、返されてもよい。例えば、トップにランク付けされた特許は、イヌ科の動物において糖尿病を処置するために特定の化合物を使用する成功裏の動物治験からのデータを含んでもよい。
【0045】
これらの用語を有してトップにランク付けされた特許を当該DDシステムが特定すると、次に、当該DDシステムは、その特許に掲載された発明者ら及び譲受人らの名称を検討してもよい。そのデータから、当該DDシステムは、次に、同じ発明者らの名前がある関連データを特定するために、さらなる検索を実行してもよい。例えば、その動物研究を論じたその発明者らからの研究論文。その発明者らの名前がある臨床試験データ、ニュースメディアでの公の声明、若しくは修士論文又は他のデータがスキャンされてもよい。加えて、譲受人が大学である場合には、当該システムは、技術移転担当者及び許諾する個人の名前を決定するために、譲受人データを検討してもよい。多くの大学がその利用可能な技術を公開しているので、当該DDシステムは、大学技術移転ウェブサイトも検討して、その技術が許諾(ライセンス)のために利用可能であるか否かを判定してもよい。
【0046】
当該システムは、第1レベルの検索で発見されたデータに基づいてさらなる広範な検索を実施してもよい。例えば、発明者らから返された研究論文があればそれが検討されてもよく、同様にイヌ科の動物の糖尿病について研究している追加の著者が特定されてもよい。当該DDシステムは、次に、これらの他の著者を掲載している特許又は臨床研究データを検索してもよい。追加の著者が企業又は他の大学で雇用されていると特定されれば、次に、それらの組織がイヌ科の動物の糖尿病に関連するさらなる刊行物を有しているかを判定するために、それらの組織が検索されてもよい。
【0047】
当該システムは、これらの追加の拡張可能な検索を予め設定した時間量のあいだ継続してもよいし、又は予め設定したデータ量が当該DDシステムのユーザに返された結果、獣医学のために使用できるであろう有望な候補化合物に関連する多量の情報が利用可能となるまで、上記追加の拡張可能な検索を継続してもよい。もちろん、当該DDシステムが上述の特許データベース等のただ1つのデータソースでスタートする必要はないということは理解されたい。当該システムは、複数のソース由来のダウンロードされたデータにアクセスする。そして、当該システムは、検索の目的及び検討されるべきデータの量に応じて、それらのデータのインデックスを同時に、又は順々に検索してもよい。
【0048】
システム概説
図1は、いくつかの実施形態に係る創薬(「DD」)システム100を含むブロック図である。当該システムは、いくつかのリポジトリから情報を取得することができる。図1の説明される実施形態では、これらのリポジトリは、ネットワーク化されたソースを含む。例えば、図1では、当該DDシステム100は、特許リポジトリ10、ニュースリポジトリ12、ビジネス情報リポジトリ14、臨床試験リポジトリ16、辞書リポジトリ18、研究発表リポジトリ20、遺伝子データリポジトリ22、及び規制情報リポジトリ24を含むデータリポジトリと通信する。さらなるリポジトリが企図される。
【0049】
特許リポジトリ10は、エスパスネット(Espacenet)、U.S.P.T.O.PAIR(米国特許商標庁特許審査経過情報(United States Patent and Trademark Office Patent Application Information Retrieval))、WIPO資源(世界知的所有権機関(World Intellectual Property Organization))、中国国家知識産権局(China SIPO(State Intellectual Property Office))、グーグルパテントサーチ(Google Patent Search)、並びに他の政府系及び非政府系の特許資源を含んでもよい。このリポジトリから、当該DDシステムは、公開された情報の一部又はすべてを検討し、それを後の検索のために当該DDシステムのデータベースにダウンロードしてもよい。
【0050】
ニュースリポジトリ12は、新聞、オンライン新聞、及びニュースアグリゲータ由来のローカルデータを含んでもよい。ビジネス情報リポジトリ14は、米国証券取引委員会(Securities and Exchange Commission:SEC)文書、各州のビジネスデータベース、及び検索することができ当該DDシステムにダウンロードすることができる他のビジネス情報資源を含んでもよい。臨床試験リポジトリ16は、食品医薬品局(Food and Drug Administration:FDA)資源並びに他の政府系及び非政府系の資源を含んでもよい。辞書リポジトリ18は、ウェブスター辞典(Webster’s Dictionary)、オックスフォード医学辞典(the Oxford Medical Dictionary)、メドラインプラス(MedlinePlus)、及びメルクインデックス(the Merck Index)等の一般的辞書及び専門家用辞書を含んでもよい。研究発表リポジトリ20は、パブメド(PubMed)、大学図書館、並びに他の政府系及び非政府系の資源を含んでもよい。遺伝子リポジトリ22は、遺伝子発現情報データベース(Gene Expression Omnibus:GEO)データベース、パブメド(PUBMed)データベース、並びに遺伝子情報の他の政府系及び非政府系の資源を含んでもよい。規制情報リポジトリ24は、FDA(食品医薬品局)資源、欧州医薬品庁(European Medicines Agency:EMA)資源、並びに他の政府系及び非政府系の資源を含んでもよい。一般に、これらのリポジトリは、ヒト用医薬並びにその使用及び研究に関連する情報を含むことになろう。これらのリポジトリは、動物医薬並びにその使用及び研究に関連する情報も含んでよい。
【0051】
上記リポジトリは、いずれの典型様式で情報を提供してもよい。例えば、上記リポジトリはソースを提供してもよく、このソースは、一般にウェブページ、電子文書、データベース、スプレッドシート、数値情報、画像情報、動画情報、又は音声情報を含んでもよい。それぞれの個別のページ又は文書がソースであってもよい。いくつかの実施形態では、ソースが、ファイル又はリンクされた一群のファイル(例えば、ウェブサイトを構成するリンクされたひとまとまりのウェブページ、又はリンクされた画像を有するテキスト文書)に対応してもよい。
【0052】
ソースが刊行物であってもよい。この刊行物としては、特許、科学論文、学位論文、技術的刊行物、監視団体、例えば政府機関等の組織への提出物、政府報告書、販売促進資料、広く公表された情報などを挙げてもよい。上記リポジトリは、インターネットを介して公に利用可能であってもよい。上記リポジトリは、プライベートネットワークを介して利用可能であってもよい。上記リポジトリは、政府機関、購読サービス、又は教育機関のネットワークを含んでもよい。一般に、当該システムは、自動化されたプロセス、例えばウェブクローラ又はスパイダーを介してリポジトリにアクセスすることになる。当該システムは、リポジトリにアクセスするように手入力で指示されてもよい。当該システムは、当該システムが新しい情報で更新されてもよいように、1以上のリポジトリに時々アクセスしてもよい。
【0053】
創薬システム
図2は、当該DDシステム100の追加の構成要素を詳細に示す概略図である。示されるように、当該DDシステム100は、図1に示される外部ソース及びリポジトリのすべてから集められるデータを保有するように構成されている主データベース110を備える。このデータベースは、ソースデータベース112及び遺伝子データベース114を含む。これらの2つのデータベースは別々に示されているが、当該システムは、2つのデータベースを1つのデータベースに実装してもよいし、又は別々に実装してもよく、それらも依然として本発明の実施形態の範囲内に包含されると理解されたい。
【0054】
データベース110は、生データのデータベース等の情報のデータベースであってもよい。データベース110は、1つのデータベース又は複数のデータベースを含んでもよい。例示的な実施形態では、当該DDシステム100は、ソースデータベース112及び遺伝子データベース114を含めた1以上のデータベースを含むことができる。いくつかの実施形態では、データベース110は生データを保存することができる。いくつかの実施形態では、データベース110は、標準のフォーマット形式を与えるようにソフトウェアなどによって処理された後のデータを保存することができる。いくつかの実施形態では、データベース110は、エラーを除くようにソフトウェアなどによって処理された後のデータを保存することができる。データベース110は、経時的に追加のデータを含むように実装されていてもよい。データベース110は、3ヶ月前まで、6ヶ月前まで、9ヶ月前まで、1年前まで、3年前まで、5年前まで、10年前まで、20年前まで、30年前まで、60年前まで、100年前まで、500年前まで、又はこれらの値のいずれか2つのいずれの範囲前まで遡るデータを含むことができる。
【0055】
データベース110は、当該DDシステム100の機能性に関連する情報等の追加の情報を保存することができる。データベース110は、当該DDシステム100によって生成される1以上の報告を保存することができる。データベース110は、過去、現在、又は将来のあらゆる計算についての、当該DDシステム100に関係するあらゆる情報を保存することができる。データベース110は、ユーザの以前の当該DDシステム100との双方向利用の際に生成されたデータを保存することができる。これは、ユーザによって入力された検索、ソースのページランク付けされたリスト、資産報告、及びユーザによってなされたあらゆる入力を含みうる。当該DDシステム100は、自動的に、又はユーザの指示によって、ユーザの当該DDシステム100との双方向利用(インタラクション)に関連するデータを保存することができる。いくつかの実施形態では、当該DDシステム100は、当該DDシステム100とユーザとの間の将来の双方向利用を、過去の双方向利用に基づいてカスタマイズすることができる。例えば、当該DDシステム100は、ユーザの当該システムとの過去の双方向利用に応じてソースをページランク付けすることができる。
【0056】
ソースデータベース112は、インデックス付けされたソースをインデックス120に保存する。ソースが全文ソースであってもよく、この全文ソースは、そのソースがソースの本体部において当初伝達されたすべての情報の訳文であることを意味する。一般に、ソースデータベース112は、少なくともいくつかの全文ソースを保存する。いくつかの実施形態では、ソースデータベース112に保存されているソースのすべて又は実質的にすべてが全文ソースであってもよい。ソースデータベース112は、リポジトリをクロールしている間に発見されたソースを保存する。このソースは、コンピュータシステム130等のコンピュータシステムによって処理されるソースデータベースの中に集められてもよい。コンピュータシステム130は、このソースをソースデータベース112での保存のために圧縮又はアーカイブ化してもよい。
【0057】
インデックス120は、ソースデータベース112及び遺伝子データベース114を参照するデータを含んでもよい。インデックス120は、ソースデータベース112に保存されているソースについてのキーワードを保存する。一般に、インデックス120は、ソースデータベース112に保存されているソースへの参照情報を含むことになろう。インデックス120は、自然言語処理モジュール122を備えてもよい。自然言語処理モジュール122は、全文ソースをスキャンして、その中のテキストを分析してもよい。自然言語処理モジュール122は、例えば、さらなる処理及び/又は保存のためにオーディオクリップをテキストへと変換するために音声テキスト変換機能も実施してよい。自然言語処理モジュール122は、当該技術分野で公知のように動作してよい。
【0058】
一般に、ソースが集められソースデータベース112に保存されるとき、そのソースは自然言語処理モジュール122によってスキャンされる。自然言語処理モジュール122は、そのソースをスキャンし、そのソースからキーワードを抽出してもよい。抽出されたキーワードは、インデックス120に保存されてもよい。この自然言語処理モジュールは、当該技術分野のアルゴリズムに従って動作してもよい。この自然言語処理モジュールは、自然言語テキストを構文解析するためのいずれかの機能(1又は複数)を作動させてもよい。例えば、この自然言語処理モジュールは、読み出されたデータソース内で適切なキーワードを判定する機能を実施してもよい。上記自然言語プロセッサは、例えば、Stanford’s Core NLP Suite、Natural Language Toolkit(NLTK)、Apache Lucene、Apache Solr、Apache OpenNLP、GATE、又はApache UIMAのうちの1以上を含むパッケージソフトであってもよい。
【0059】
自然言語処理モジュール122は、全文ソースに対して感情分析を実施してもよい。感情分析は、本明細書中の別の箇所に記載するとおり、一部は、ユーザ検索に応答してソースのページランキングを開発するために、使用されてもよい。
【0060】
データベース110は、遺伝子データベース114を含む。この遺伝子データベースは遺伝情報を保存する。特に、遺伝子データベース114は、ヒトの遺伝情報及び1以上の動物についての注釈付きの遺伝情報を保存してもよい。いくつかの実施形態では、遺伝子データベース114は全ヒトゲノムを保存する。さらなる実施形態では、遺伝子データベース114は全動物ゲノムを保存する。特定の実施形態では、遺伝子データベース114は全ヒトゲノム及び全イヌゲノムを保存する。一般に、この遺伝子データベースは、DNAにおいて見つかった塩基対の配列に対応する情報を保存する。この遺伝子データベースは、各遺伝子についてのコード情報及び注釈をもデータベースに保存してよい。従って、この遺伝子データベースは、タンパク質についてのコード配列を記述する情報を保存してもよい。この遺伝子データベースは変異情報をも保存してよく、この際、この変異情報は特定の変異から生じる適応症又は障害に関連づけられている。
【0061】
ソースデータベース112、遺伝子データベース114及び/又はインデックス120は、ハードディスク、光ディスク、又は固体状態記憶ディスク等の物理的記憶媒体の一部であってもよい。ソースデータベース112、遺伝子データベース114及び/又はインデックス120は、クラウドベースであってもよく、コンピュータシステム130から物理的に離れていてもよい。
【0062】
インデックス120に接続されていることに加えて、データベース110は、コンピュータシステム130にもリンクされている。いくつかの実施形態では、これらの構成要素のうちの1以上は省略されもよい。いくつかの実施形態では、当該DDシステム100は、図2に示されていない追加の構成要素を含有する。当該DDシステム100は、1つのデバイス(例えば、1つのコンピュータ又はサーバー)の中にまとめられてもよいし、又は複数のデバイス(例えば、複数のコンピュータ又はサーバー)にわたって割り振られてもよい。
【0063】
当該DDシステム100は、後述するモジュールの各々を作動させるための工程又は方法を実施するように構成されているコンピュータシステム130の全体構造を含む。図2に描かれているコンピュータシステム130の全体構造は、コンピュータハードウェア及びソフトウェア構成要素の配置を含む。コンピュータシステム130は、図2に示されるものよりも多い(又は少ない)要素を備えていてもよい。しかしながら、実施可能な開示を提供するためにこれらの一般に従来的な要素のすべてが示されているということは必要ではない。
【0064】
示されているように、コンピュータシステム130は、ユーザインターフェース170にリンクされたプロセッサ160を備える。ユーザインターフェース170は、読み出された情報をユーザに表示するためのグラフィカルディスプレイ172を備える。読み出された情報は、情報の順序付きリストとしてユーザに提示されてもよい。プロセッサ160は、当該DDシステム100を走らせるための種々の計算モジュール、プログラム及びソフトウェアを保存するエンジン180を有するメモリ150にリンクされている。これらの構成要素の各々は、これらの種々の構成要素及びモジュールの間を走る通信バスによって互いにリンクされ通信してもよい。このように、プロセッサ160は、ネットワークを介して他のコンピュータシステム又はサービスから情報及び命令を受け取ってもよい。プロセッサ160は、メモリ150へ及びメモリ150から通信してもよく、出力情報をグラフィカルディスプレイ172にさらに提供してもよい。ユーザインターフェース170は、ユーザインターフェースを適正に動作させるために、キーボード、マウス、デジタルペン、マイクロホン、タッチスクリーン、ジェスチャ認識システム、音声認識システム、ゲームパッド、加速度計、ジャイロスコープ、又は他の入力装置等のデバイスからの入力を受け入れてもよい。
【0065】
メモリ150は、RAM、ROM及び/又は他の永続性の、補助的な又は非一過性のコンピュータ可読媒体を含めた様々な記憶媒体を備えてよい。メモリ150は、コンピュータシステム130の全体的な管理及び動作における処理装置160による使用のためのコンピュータプログラム命令を提供するオペレーティングシステムを保存してもよい。メモリ150は、モジュール等のコンピュータプログラム命令、及び本開示の態様を実行するための他の情報をさらに含んでもよい。
【0066】
これらのモジュールは、1以上のメモリに保存され1以上のプロセッサによって実行される命令を含んでもよい。各メモリは、RAMメモリ、フラッシュメモリ、ROMメモリ、EPROMメモリ、EEPROMメモリ、レジスタ、ハードディスク、リムーバブルディスク、CD-ROM、又は当該技術分野で公知のいずれの他の形態の記憶媒体であってもよい。各プロセッサは、中央処理装置(CPU)又は他の型のハードウェアプロセッサ、例えば本願明細書に記載される機能を実施するように設計されている汎用プロセッサ、デジタル信号処理専用プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(field programmable gate array:FPGA)若しくは他のプログラム可能論理回路、個別のゲート若しくはトランジスタ論理、個別のハードウェアコンポーネント、又はこれらのいずれかの組み合わせであってもよい。プロセッサ160は、汎用プロセッサ、マイクロプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、又は状態機械であってもよい。プロセッサが、計算装置の組み合わせ、例えば、DSPとマイクロプロセッサとの組み合わせ、複数のマイクロプロセッサの組み合わせ、DSPコアと合わせた1以上のマイクロプロセッサの組み合わせ、又はいずれかの他のそのような構成として実装されてもよい。例示的なメモリは、プロセッサがメモリから情報を読み取りメモリへ情報を書き込むことができるように、プロセッサに結合されている。いくつかの実施形態では、メモリは、プロセッサに不可欠であってもよい。メモリは、当該DDシステム100の全体的な管理及び動作における、当該システムに備えられるプロセッサ又は他の要素による使用のためのコンピュータプログラム命令を提供するオペレーティングシステムを保存することができる。
【0067】
データベース110及びプロセッサ160にリンクされたコンピュータシステム130はエンジン180を備える。エンジン180は、ソースデータ抽出モジュール182、ページランキングモジュール184、及び実体分析モジュール186、感情分析モジュール188、資産分析モジュール190、及び遺伝子相同性モジュール192を備えることができる。いくつかの実施形態では、エンジン120は追加のモジュールを含有することができる。いくつかの実施形態では、エンジン180は、モジュール182、184、186、188、190及び192の機能と類似又は同一の機能を実施する複数のモジュールを含むことができる。いくつかの実施形態では、上記モジュールのうちの1以上が省略されてもよいし、別のモジュールと組み合わされてもよい。エンジン180は、データベース110からの情報にアクセスし処理することができる。例えば、エンジン180は、ソースデータベース112及び/又は遺伝子データベース114からデータを読み出すことができる。エンジン180は、本願明細書に記載されるとおり、プロセッサ160及びユーザインターフェース170へ1以上の出力を提供することができ、1以上の入力をプロセッサ160及びユーザインターフェース170から受け取ることができる。
【0068】
エンジン180は、命令及びプロセスの従来のソフトウェアパッケージであってもよい。1つの実施形態では、エンジン180はソースデータ抽出モジュール182を備える。ソースデータ抽出モジュール182は、ソースデータベース112に保存されているソースからソースデータを抽出することができる。抽出されたソースデータは、例えば、メタデータであってもよい。このメタデータは、例えば、薬物名等の候補名、分子化合物又は分子式、分子構造図、作用機序、適応症に関与するタンパク質又は酵素等の生体分子、治療標的、動物及び/又はヒトについての適応症、形状因子、投与方法、薬物動態情報、毒性学情報、副作用、特許存続期間等の特許情報、知的財産の所有権、研究者、著者、特許権者又は実施権者の接触情報、臨床試験のフェーズ又は規制当局の承認、薬物の種類又は部類、この薬物に関連づけられた遺伝的データ、薬物関連データの概要、一般的な懸念事項、有効性、補強刊行物、事業資金調達、事業支出、実験計画法、臨床試験の結果、官公庁への提出書類、官庁届出書類、及び薬物販売会社を含んでもよい。ソースデータ抽出モジュール182によって読み出されたメタデータは、ページランキングモジュール184及び感情分析モジュール188等の他のモジュールに利用可能であるようにされてもよい。
【0069】
エンジン180は、ページランキングモジュール184を備える。ページランキングモジュール184は、ユーザ検索から返されたソース、例えば、ソースデータベース112に保存されているソースをランク付けすることができる。ページランキングモジュール184は、ソースデータ抽出モジュール182によって読み出されたメタデータ等の情報を処理することができる。ページはアルゴリズムによってランク付けされる。ページランキングアルゴリズムは、アルゴリズムの重みづけされた組み合わせであってもよい。例えば、ページランクは、ソースコンテンツとユーザの以前の検索との類似性を判定するためのアルゴリズムによって重みづけされた全体のページランキングの組み合わせによって決定されてもよい。全体のページランキングは、例えば、もともとグーグル(Google)(登録商標)によって開発されたページランク(PageRank)によって決定されてもよい。検索コンテンツとユーザの以前の検索との類似性は、例えば、ダイクストラ法(Djikstra’s algorithm)によって重みづけされてもよい。例えば、ユーザの以前の検索から新しい検索における要素までの平均距離が算出されてもよく、全体のページランキングにおけるページランク付けされたソースは、以前の検索の類似性に従って重みづけされてもよい。例えば、ページランキングモジュール184は、特許発明者ら又は科学刊行物の著者等の研究者を、その研究者が著者である被引用例の数について分析することができる。被引用例の数は、ソースに添えられページランキングアルゴリズムに含まれてもよい。例えば、より大きい数ののべ被引用数を有する研究者によって書かれたソースは、ページランキングがより高くランク付けされてもよい。
【0070】
エンジン180は実体分析モジュール186を備える。実体分析モジュール186は、実体間のつながりを探すことができる。例えば、ユーザによる検索の後、刊行物の著者を、ソースデータベース112に保存されたソーシャルネットワーク構築ウェブサイト情報を通して分析して、その著者がそのユーザとつながっているかを判定することができる。この実体分析モジュールは、次に、ユーザからの分離度を決定して、そのユーザがその著者とつながっている理由となる接触を特定してもよい。この実体分析モジュールは、知的財産の特許権者等の関係実体についての情報、例えば事業体情報を読み出してもよい。1つの具体例では、特許に譲受人として名前が挙がっている企業が、公的に入手可能である収益等の財務情報について分析されてもよい。この実体分析モジュールは、関係企業実体の子会社又は所有者も判定してよい。
【0071】
エンジン180は感情分析モジュール188も備える。感情分析モジュール188は、ソースデータベース112に保存されたソースの感情分析を実施することができる。従って、感情分析モジュール188は、自然言語処理を使用して全文ソースを分析して、上記著者が臨床の試み又は研究の試みの好ましい成果を報告しているかを判定することができる。感情は、本願明細書に記載される自然言語処理アルゴリズム又はモジュールを使用して実行されてもよい。
【0072】
エンジン180は資産分析モジュール190を備える。資産分析モジュール190は、薬物等の特定の資産に関連する情報を読み出して分析することができる。資産分析モジュール190は、例えば全文ソースとしてソースデータベース112に保存されている情報にアクセスしてもよい。例えば、資産分析モジュール190は、薬物についての売上高情報、例えば薬物が販売された各年についてのその薬物からの収益を読み出すことができる。資産分析モジュール190は、規制当局の承認等の規制情報を抽出することができる。資産分析モジュール190は、その薬物が投与された患者の数、又は臨床試験において薬物と関連した有害事象の数等の臨床試験情報を抽出することができる。資産分析モジュール190は、残りの特許存続期間、又はクレームにその資産の名が挙がっている特許の数等の特許情報を抽出することができる。資産分析モジュール190は、化合物の配合物の性状、数及び製造業者を抽出することができる。この資産分析モジュールは、遺伝子相同性モジュール192から遺伝子関連情報を受け取ってもよい。この遺伝子関連情報は、注目する遺伝子と基準遺伝子との間のマッチレベルを含んでもよい。資産分析モジュール190は、情報をページランキングモジュール184に提供することができ、この情報は、ページランキングモジュール184で一部はソースのページランキングを判定するために使用される。
【0073】
エンジン180は遺伝子相同性モジュール192も備える。遺伝子相同性モジュール192は、遺伝子データベース114から遺伝子情報を読み出し分析することができる。例えば、遺伝子相同性モジュール192は、作用機序、又は適応症に関与するタンパク質又は酵素等の生体分子を、注目する遺伝子にマッチさせ、遺伝子データベース114から注目する遺伝子及び基準遺伝子を読み出し、遺伝子配列を比較することができる。この比較から、遺伝子相同性モジュール192は遺伝子マッチ情報を生成することができる。加えて、遺伝子相同性モジュール192は、遺伝子データベース114に含まれるコード情報を分析して、適応症に関係する資産を発見することができる。例えば、遺伝子相同性モジュール192は、ソースデータ抽出モジュール182によって抽出されたタンパク質を、遺伝子データベース114に保存されたそのタンパク質についてのコード配列と比較することができる。遺伝子相同性モジュール192は、コードされたタンパク質についての遺伝子マッチ情報を判定することができる。遺伝子相同性モジュール192は、遺伝子マッチ情報をページランキングモジュール184及び資産分析モジュール190に提供することができる。この遺伝子マッチ情報は、例えば、遺伝子配列相同性百分率であってもよい。
【0074】
いくつかの実施形態では、当該DDシステム100は、ユーザが、データベース110又はインデックス120に保存されているページランク付けされたソースの一覧表(リスト)、ソース、メタデータ注釈付きのソース、資産情報、実体情報、又は生データ等の情報と双方向利用するための手段を提供するユーザインターフェース170を備える。情報は、グラフとして提示されてもよい。このユーザインターフェースは、ユーザによる視覚的表示及び双方向利用を可能にするいずれのデバイスであってもよく、その例としては、タッチスクリーン、スマートフォン、タブレット、ラップトップ、コンピュータ、又は他のタイプのデバイスが挙げられる。このユーザインターフェースは、インターネット又はクラウド等のより大きいネットワークに接続されてもよく、このクラウドは、本願明細書に記載される当該DDシステムの1以上の構成要素、例えばデータベース又はモジュールを提供することができる。ユーザインターフェースは、データの視覚的表示、例えば1以上のグラフを提供することができるグラフィカルディスプレイ172を備えることができる。グラフィカルディスプレイ172は、リアルタイムで例えばユーザ入力に応答して変化することができる。入力は、例えばユーザインターフェース170にタイピングすることにより、触れることにより、又はクリックすることにより、ユーザによって行うことができる。
【0075】
エンジン180は、グラフィカルディスプレイ172上での提示のために、注釈付きのソース、例えば、メタデータの注釈付きのソースを提供してもよい。エンジン180は、グラフィカルディスプレイ172上での提示のために、本願明細書に提示されるソースのページランキングを提供してもよい。エンジン180は、グラフィカルディスプレイ172上での提示のために、本願明細書に提示される資産分析を提供してもよい。エンジン180は、グラフィカルディスプレイ172上での提示のために、本願明細書に提示される第1報告を提供してもよい。
【0076】
プロセス概説
図3は、例えば当該DDシステム100のエンジン180によって実施される例示のプロセス200を説明する流れ図である。プロセス200は、開始工程で始まり、次いで工程202に移り、この工程でソースデータベース112が準備される。工程204で、当該DDシステムは、例えばユーザインターフェース170を介して検索語を受け取る。いくつかの実施形態では、工程204で受け取られた検索語は、少なくとも注目する動物を記述してもよい。この注目する動物は、例えば一般名により、又は分類学的な識別子、例えば種によって特定されてもよい。いくつかの実施形態では、工程204で受け取られた検索語は、少なくとも適応症及び注目する動物を記述してもよい。この適応症は、ユーザによって、注目する動物における病状、症候、作用機序、又は病態を示す他のパラメータとして提示されてもよい。この適応症は、病状又は病態についての一般名であってもよい。上記検索語は、上記適応症に関与するタンパク質又は酵素等の生体分子をも含んでよい。いくつかの実施形態では、工程204で受け取られた検索語は、クエリに現れるキーワードを含んでもよい。
【0077】
工程206で、エンジン180は、受け取られた検索語を使用して検索クエリを生成する。この検索クエリは、キーワードを含んでもよい。このキーワードは、工程204で受け取られた検索語と同じであってもよい。このキーワードは、検索語と他の関連語との辞書相関(dictionary correlations)に基づいてもよい。例えば、キーワードが、ソースデータ抽出モジュール182によって参照された辞書ソースから抽出されてもよい。このキーワードは、単なる言語的なバリエーション(ばらつき)によって検索語に関連していてもよい。このキーワードは、科学的関係又は科学的等価性によって検索語に関連していてもよい。いくつかの実施形態では、ある種の動物を示す検索語が受け取られると、エンジン180は、その種をキーワードとして返すことになる。例えば、検索語「イヌ」は、キーワード「タイリクオオカミ」を返してもよい。さらなる実施形態では、エンジン180は、適応症に対応するひとまとまりのキーワードを返してもよい。具体例では、用語「白血病」についての検索は、キーワード「癌!」及び「腫瘍!」及び「悪性!」を返してもよい。キーワードが、検索語に対して一般化したものであってもよいし、又はより具体的なものでもよい。キーワードは、例えば薬物についての代替名、例えば総称又は商標名であってもよい。
【0078】
工程206で実施される命令は、代替の検索モードを決定することを含んでもよい。例えば、もしユーザが工程204で薬物名を入力すると、工程206で形成される検索クエリは、その薬物名に対応する化学構造、又は化学構造の断片を読み出すことを含んでもよい。あるいは、もしユーザが遺伝子突然変異に起因して発生する障害等の遺伝子的構成要素を有する適応症を入力すると、工程206で実施される検索は、検索されるべき注目する遺伝子配列を決定することを含んでもよい。
【0079】
工程206で検索クエリを形成した後、プロセス200は工程208に移り、この工程でエンジン180は、上記キーワードに基づいてインデックス120に問い合わせる。1以上のキーワードを含んでいるソースデータベース112に保存されているソースは、インデックス120への参照によって発見されてもよい。工程208で、エンジン180は、インデックス120中に、1以上のキーワードに関連する遺伝子データベース114に保存されている注目する遺伝子を発見してもよい。例えば、工程206の間にキーワードとしてタンパク質が生成される場合、そのタンパク質は、インデックス120の中で、そのタンパク質をコードする注目する遺伝子にリンクされてもよい。さらなる例として、キーワードが遺伝子変異から発生する遺伝的障害に対応する場合、注目する遺伝子は、インデックス120への参照によって発見されてもよい。
【0080】
プロセス200は、次に判断工程210に移り、遺伝子データが上記クエリで参照されたか否かを判定する。注目する遺伝子が発見された場合、プロセス200は処理工程300に移り、この工程で、遺伝子相同性モジュール192は、注目する遺伝子と基準遺伝子との比較を実施することになる。これについては、図4を参照すると、より多くの情報が見つけられる。注目する遺伝子が判断工程210で発見されない場合、遺伝子比較は実施されず、プロセス200は工程212に移る。工程212で、エンジン180は、工程208でインデックス210への参照により発見された1以上のキーワードを含むソースを選択する。選択されたソース、例えば全文ソースは、ソースデータベース112から読み出されてもよい。
【0081】
プロセス200は、次に工程214に移り、この工程でエンジン180は、ページランキングモジュール184を通して、上記選択されたソースをページランク付けする。ページランク付けされたソースは、グラフィカルディスプレイ172を通してユーザに表示されてもよい。ページランキングは、エンジン180によって処理される情報に対応する何らかのファクターに従って優先順位が付けられてもよい。例えば、ページが、特許的な、規制的な、又は社会的な分離度のファクターに基づいてランク付けされてもよい。特定のデータソース又はページと結びつけられたメタデータが、ページランクがソートされる根拠となるファクターであってもよい。このファクターは、重み付けされてもよく、この重み付けは学習済みモデルに従って実施されてもよい。この重み付けはユーザ入力に基づいてもよい。例えば、ユーザが、特許期限切れの資産を記述するソース、又は最も短い特許存続期間に従って重み付けされたソース、を優先するべきとリクエストしてもよい。このような実施形態では、ページランキングモジュール184は、特許の長さをより重く重み付けを行ってもよい。
【0082】
プロセス200は、次に判断工程216に移り、工程212で選択されたか又は読み出されたソースについてメタデータが利用可能であるか否かを判定する。メタデータが利用可能であれば、プロセス200は工程220に移り、注釈付きのソースを表示する。この注釈付きのソースは、図5に図示する注釈付きのソース400であってもよい。判断工程216で、メタデータが利用可能ではないとの判定がなされた場合、プロセス200は工程218に移り、注釈が付かないソースをユーザに表示する。
【0083】
ソースが表示された後、当該プロセスは工程222に移り、この工程で、工程212で選択されたページランク付けされたソースがソートされるか又はフィルタ処理されてもよい。例えば、監督官庁によって承認されていない医薬等の資産を記述するソースがフィルタ処理され(絞り込まれ)てもよい。さらに、上記ページランキングは、ユーザ入力において受け取られた判断基準に応答して改変されてもよい。例えば、この判断基準は、ユーザとそのソースの著者との間の最小の分離度であってもよい。このような実施形態では、ページランキングモジュール184は、そのソースをこの判断基準に従って再度ランク付けする。更新後のページランキングは、グラフィカルディスプレイ172に表示されてもよい。フィルタパラメータは、当該DDシステム100によって設定されてもよいし、又は検索プロセスの間、ユーザが選択可能であってもよい。
【0084】
プロセス200は、次に工程224に移り、この工程で、仮候補がユーザによって選択されてもよい。例えば、ユーザが、エンジン180によって発見されたソースの中に記述されている候補、例えば資産、を選択してもよい。この候補は、獣医学で使用されることが所望される現行のヒト用途の医薬であってもよい。エンジン180は、候補を自動的に選択する学習済みモデルを備えていてもよい。
【0085】
候補が選択された後、プロセス200は工程226に移り、この工程で、選択された候補についての報告が、グラフィカルディスプレイ172に表示されてもよい。この報告は、本願明細書に記載される第1報告であってもよい。エンジン180はソースデータベース112からソースデータを収集する。エンジン180は、データベース110からソースデータ112を読み出すことができる。
【0086】
特定の実行形態では、プロセス200は、カスタムデータベースを集める(又は編集する)工程をさらに備えてもよい。カスタムデータベースが、スパイダー又はウェブクローラによって集められてもよい。このカスタムデータベースは、主題及び/又は時間において制約されていてもよい。このカスタムデータベースは、例えば特定の分野から又は特定の機関からソースを開示するリポジトリを標的にしてもよい。例えば、カスタムデータベースは、特定の分野からの定期刊行物、規制情報、SEC提出書類及び/又は特許のリポジトリを標的にしてもよい。このリポジトリは、図1に関して記載されている1以上のリポジトリ10、12、14、16、18、20又は22であってもよい。さらなる実行形態では、プロセス200は、カスタム遺伝子データベースを集める工程をさらに備えてもよい。例えば、このカスタム遺伝子データベースは、注目する動物についてのゲノムを含んでもよい。
【0087】
図4は、例えば当該DDシステム100のエンジン180によって実施される例示のプロセス300を説明する流れ図である。工程302で、遺伝子データベース114等の遺伝子データベースが準備される。データベースが準備されると、プロセス300は工程304に移り、当該DDシステムは、例えば、ユーザインターフェース170を介して検索語を受け取る。いくつかの実施形態では、この検索語は、例えば方法200の工程206に関して論じられたように、クエリに現れるキーワードを含んでもよい。
【0088】
プロセス200は、次に工程306に移り、この工程で、エンジン180は、関係する注目する遺伝子配列を発見する。エンジン180は、遺伝子データベース114を参照してもよい。例えば、工程306で、遺伝子配列に関連するキーワードについてソースメタデータが検索されてもよい。例えば、キーワード「股関節形成不全」は、遺伝子データベース114に保存されている特定の動物遺伝子上の変異に対応してもよい。従って、変異が起こっている動物遺伝子が、注目する遺伝子として発見されることになろう。工程308で、基準ヒト遺伝子配列が特定される。一般に、遺伝子データベース114は、注目する動物の遺伝子をヒトの遺伝子とリンクさせる情報を含むことになる。工程310で、動物遺伝子及びヒト遺伝子が、例えば遺伝子相同性モジュール192において比較される。例えば注目する動物遺伝子と基準ヒト遺伝子との間の遺伝子相同性の百分率としての結果が判定される。工程312で、その結果がグラフィカルディスプレイ172に表示されてもよい。
【0089】
注釈システム
図5は、注釈付きのソース400を描いたものである。注釈付きのソース400は、メタデータ410及びソース420を表示してもよい。例えば、ソース420は全文ソースであってもよい。ソース420は、科学刊行物、特許刊行物、官公庁への提出書類又は報告書、又は臨床試験報告書であってもよい。メタデータ410は、本願明細書に記載されるいずれのメタデータを含んでもよく、このメタデータとしては、薬物名等の候補名、分子化合物又は分子式、分子構造図、作用機序、適応症に関与するタンパク質又は酵素等の生体分子、治療標的、動物及び/又はヒトについての適応症、形状因子、投与方法、薬物動態、毒性学、副作用、特許情報、知的財産の所有権データ、研究者、著者、特許権者又は実施権者の接触情報、臨床試験のフェーズ又は規制当局の承認、薬物の種類又は部類、この薬物に関連づけられた遺伝的データ、薬物関連データの概要、一般的な懸念事項、有効性、補強刊行物、事業資金調達、事業支出、実験計画法、臨床試験の結果、官公庁への提出書類、官庁届出書類、及び薬物販売会社が挙げられる。特許情報メタデータが、動物用途に適合されるべきヒト用医薬についての特許存続期間を含んでもよい。
【0090】
図6は、報告ページの一例である。図6の実施形態では、臨床試験データを報告するソースが提示されている。図6では、結果は、フェーズ2の臨床試験を報告するソースだけを含むようにフィルタ処理されており、終了した治験だけを含むようにさらにフィルタ処理される。データ要素は、ソースをフィルタ処理するためのユーザの選択肢を表示する。
【0091】
当該DDシステムは、多くのタイプのデータを利用することができ、このデータとしては、限定されないが、特許及び特許存続期間、規制状況、治療標的、臨床的有効性、安全性/毒性学、化学、製造及び品質管理(CMC)、薬物動態、世論、及び研究者、特許権者、譲受人、実施権者を含めた実体、及びソーシャルネットワークを介したそのような実体の相互連結が挙げられる。当該DDシステムデータベースは、1以上のタイプのデータを含むソースを保存することができる。一般に、各データベースはインデックス付けされている。各ソースについてのキーワードは、インデックスに保存されてもよい。いくつかの実施形態では、すべてのタイプのデータが、与えられたソースに対して利用可能であるというわけではない。例えば、限定を意図しない一例として、特許権者データは、ソースについては利用可能ではなくてもよい。一般に、上記データベースは、ヒト用医薬並びにその使用及び研究に関連する情報のソースを保存することになる。このデータベースは、動物医薬並びにその使用及び研究に関連する情報をも保存してよい。いくつかの実施形態では、当該DDは、ユーザが、ヒト用医薬の使用に関連する情報の編集物にアクセスして、そのヒト用医薬を特定の動物における有望な獣医学的使用について評価することを許容する。
【0092】
当該DDシステムは、遺伝子データベースも含んでよい。この遺伝子データベースは、DNAのストランドについての塩基の配列を保存してもよい。この遺伝子データベースは、その塩基配列の下流の関連物に関連する情報をさらに保存してもよい。例えば、この遺伝子データベースは、タンパク質をコードする塩基配列に関連する情報を保存してもよい。さらなる例として、上記遺伝子データベースは、1つの障害又はひとまとまりの障害の全体又は一部を引き起こす変異に関連する情報を保存してもよい。この障害は、医学的適応又は禁忌と関連づけられてもよい。説明のしやすさから、本開示はデータ又は情報を参照して当該DDシステムを説明する。「データ」又は「情報」への言及は、すべてのタイプのデータを包含することが意図されている。
【0093】
当該DDシステムは、多くのタイプのユーザによって使用することができる。ユーザは、いずれの人(1人又は複数人)であってもよく、いずれの実体(1又は複数)であってもよい。当該DDシステムは、医薬等の資産と関連づけられる情報を理解するために、ユーザが利用することができる。特に、当該DDシステムは、動物用途に適合されるべきヒト用医薬と関連づけられる情報を発見するために使用することができる。
【0094】
本願明細書に記載されるとおり、当該DDシステムは、ユーザが、ソースに関連づけられるメタデータを、そしていくつかの実施形態ではソース及びメタデータを一緒に、可視化することを可能にでき、このソース及びメタデータは注釈付きのソースであってもよい。例えば、当該DDシステムは、例えばソースについての所有権、潜在的販売額、特許存続期間、及び規制情報を説明するディスプレイを、もとのソースのディスプレイと並置して、提供することができる。いくつかの実施形態では、当該DDシステムは、ユーザが、医薬等の資産と関連づけられるデータを可視化することを許容する。例えば、当該DDシステムは、資産についての所有権、潜在的販売額、特許存続期間、及び規制情報を説明するディスプレイを提供することができる。双方向性のグラフィカルディスプレイは、このようなデータディスプレイについての直感的な、理解しやすいフォーマットを提供してもよい。
【0095】
当該DDシステムは、ユーザに、個々のソースのより十分な理解を得る能力を与えることができる。いくつかの実施形態では、例えばソースの上にポインタを重ねるか又はソースをクリックすることによりソースを選択することで、そのソースに関連する追加の情報が提供されうる。このソースの追加の情報は、ユーザインターフェースの双方向性のグラフィカルディスプレイ上で閲覧することができる。ソースに関連する追加の情報によって、ユーザがそのソースを理解することが可能にできる。当該DDシステムは、ユーザに、相互に関係があるソースのグループのより十分な理解を得る能力を与えることができる。当該DDシステムは、ユーザに、関連するソースのファミリー、例えば特定の薬物に向けられたか又は著者を共有する刊行物の1以上のファミリーの理解を得る能力を与えることができる。いくつかの実施形態では、当該DDシステムは、ソースのファミリーについての概説報告を提供することができる。
【0096】
当該DDシステムは、ソース及びその提示順、例えばそのページランキングの操作を許容することができる。当該DDシステムは、ユーザに、検索クエリ後に返されるリストから1以上のソースを除くことも許容することができる。いくつかの実施形態では、ユーザは、ランキングのための判断基準を入力することにより、ページランキングを変えることができる。一例として、判断基準が最短の特許存続期間であることができる。別の例として、判断基準が、もっとも広範な規制当局の承認、例えば最大数の管轄区域(jurisdictions)におけるヒト用途についての承認であることができる。さらに別の例として、判断基準が、医薬等の資産の販売の最大単位であることができる。いくつかの実施形態では、1以上のソース又は資産は、ソース又は資産を除くように選択するユーザ入力によって、検索結果から除かれてもよい。例えば、特許取得済みの資産がソース又は資産のリストから除かれてもよいであろう。いくつかの実施形態では、1以上のソース又は資産が、自動除去機能を適用することにより除かれてもよい。
【0097】
当該DDシステムは、データの言葉による説明、数的説明及び/又は図式的な説明を提供することができる。いくつかの実施形態では、当該DDシステムは、散布図を生成することができる。例えば、当該DDシステムはグラフ又は表を生成することができる。
【0098】
当該DDシステムは、資産提案を出力するように設計することもできる。資産提案は、種々のソースから誘導され、集められ、学習済みモデルによって分析された資産データに基づくことができる。いくつかの実施形態では、資産提案は、1以上のソースから抽出された、本願明細書に提示される1以上のタイプのデータに基づくことができる。
【0099】
当該DDシステムは、ユーザが資産のよりよい理解を得ることを可能にすることができる。当該DDシステムは、注釈付きのソースについてのメタデータを提示してもよい。例えば、このメタデータは、鍵となる研究者、経営破綻した事業体、又は特許存続期間が失効した資産を明らかにしてもよい。いくつかの実施形態では、ユーザは、追加の情報が与えられるべきメタデータを選択することができる。当該DDシステムは、メタデータに関連する概説報告、例えば特定の研究者又は譲受人に帰属される刊行物の報告を提供することができる。
【0100】
メタデータ及び第1報告工程
種々の実施形態では、第1報告工程は特許等のソース、及びメタデータ等の関連データを表示することになる。このメタデータは、例えば、上記ソースで見つかった医薬又はそのソースに関連づけられる実体に関連していてもよい。ソースから抽出され、かつ/又は第1報告工程に含まれたメタデータは、本願明細書に提示される任意のタイプの情報を含んでもよい。
【0101】
メタデータは特許関連データであってもよい。特許関連データは、各薬物に関連するあらゆる係属中の米国特許出願及び国際特許出願、各薬物に関連するあらゆる発行済み特許、各特許についての残存年数、薬物がジェネリックであるか否か、特許の失効、又はパブリックドメイン、各薬物のジェネリック配合物があるか否か、各薬物の特許がいつ失効するか、及び世界中のどこで各薬物に関連する特許が発行され又は係属しているかを含んでもよい。
【0102】
種々の実施形態では、メタデータは、検索において捜し出された(located)薬物に関連する地理的データを視覚的に表示する。表示される地理的データは、その薬物に関連する知的財産の所有者の地理的所在地、その薬物の実施権者の所在地、その薬物が製造される場所、その薬物が規制当局の承認を受けようとしている場所、その薬物が規制当局の承認を受けた場所、及びその薬物が臨床試験を受けているか又はすでに受けた場所を含む。
【0103】
種々の実施形態では、メタデータは、薬物の所有権に関連するデータを含んでもよい。例えば、表示されるデータは、その薬物が法人、大学、又は財団法人によって所有されているかを含んでもよい。
【0104】
種々の実施形態では、メタデータは、各薬物の臨床試験のフェーズについての情報、例えばその薬物が前臨床試験にあるか、臨床試験のフェーズI(第1相)にあるか、それが特定の用途に対して承認されているか、又は臨床研究が終了したかを含んでもよい。
【0105】
種々の実施形態では、メタデータは、検索結果にある各薬物の薬物タイプを含んでもよい。例えば、メタデータは、その薬物が小分子であるか、大分子若しくは生物剤(biologic)であるか、栄養補助食品であるか、又はプロバイオティック若しくはプレバイオティックであるかを示してもよい。
【0106】
種々の実施形態では、メタデータは、検索結果にある各候補薬物についての動物関連データを含んでもよい。例えば、報告が、臨床データの何パーセントがイヌ、ネコ、齧歯動物又は他の種における実験から導かれるのかを示してもよい。
【0107】
種々の実施形態では、メタデータは、動物安全性データ、毒性学データ、投薬量データ、薬物動態、薬物相互作用、副作用、及び関連情報を含んでもよい。
【0108】
いくつかの実施形態では、メタデータは、検索の際に特定された薬物の何パーセントがその薬物に関連づけられる有効性データを有しているか、及びどの動物に対して有効性データが利用可能か等の有効性データを含んでもよい。
【0109】
いくつかの実施形態では、メタデータは、薬物の形状因子、例えば、その薬物が錠剤、カプセル剤、注射剤、点眼薬、クリーム、軟膏剤又は液剤として利用可能であるかを含んでもよい。結果は、その薬物が通常放出性、急速放出性、又は徐放性の配合物として利用可能であるかも表示することができる。
【0110】
いくつかの実施形態では、メタデータは、存在するならば、ユーザが所属するグループ又は組織と検索結果で特定された薬物の特許権者、実施権者又は譲受人と関連づけられる人々又は被雇用者との間の関係を表す百分率又は分離度等の値を含んでもよい。この特徴によって、ユーザは、ユーザの組織と、検索結果の中の薬物を所有し、製造し、流通させ、又は許諾(ライセンス)する会社との間に存在する関係を判定することができる。
【0111】
いくつかの実施形態では、メタデータは、初期検索の際に特定された薬物の新規性の整数値、百分率又はグラフ表示等の値を含んでもよい。新規性の値は、個々に各薬物について、又は全体として検索結果に割り当てられ表示されてもよい。
【0112】
いくつかの実施形態では、メタデータは、各薬物が希少薬又は定期薬として指定されているか否か、各薬物があまり使用されない薬物であるか否か、各薬物がマイナー種(少数種)で使用することを意図されているか否か、及び薬物が米国食品医薬品局の動物薬センター(Center for Veterinary Medicine:CVM)に登録されたことがあるか否かを含んでもよい。あまり使用されない薬物は、主要種(ウマ、イヌ、ウシ、ブタ、シチメンチョウ、及びニワトリ等)において、頻繁には起こらないか又は限られた地理的範囲でしか起こらず、かつ毎年少数の動物でしか起こらない疾患に対して使用されることを意図されている。マイナー種は、主要種に含まれないすべてのヒト以外の動物である。マイナー種の例としては、ケナガイタチ、モルモット、動物園の動物、オウム、及び魚類が挙げられる。ヒツジ、ヤギ、及びミツバチ等のいくつかの農業動物はマイナー種と考えられる。
【0113】
いくつかの実施形態では、メタデータは事業体の財務情報を含んでもよい。例えば、抽出され、又はソースとともに提示されるメタデータは、事業資金調達又は事業支出を含んでもよい。特に、事業体の財務情報は、米国証券取引委員会(SEC)から読み出されて、分析され、またはメタデータとしてソースに添えられてもよい。
【0114】
いくつかの実施形態では、メタデータは、臨床試験の遂行に関する情報を含んでもよい。例えば、抽出され、又はソースとともに提示されるメタデータは、実験計画法、又は臨床試験の結果を含んでもよい。ある実施形態では、メタデータは、試験された被験者の数、研究の長さ、治験の地理的場所、有害事象の数、治験を終了した被験者の数、又は被験者死亡率のような情報を含んでもよい。
【0115】
いくつかの実施形態では、メタデータは、官公庁への提出書類又は官庁届出書類を含んでもよい。例えば、抽出され、又はソースとともに提示されるメタデータは、薬理学、薬物動態、遺伝毒性、生殖毒性及び発生毒性、局所刺激性、インビトロ-インビボ相関研究報告及び関連情報、ヒト生体材料を使用する薬物動態に関係する研究の報告書、母集団PK研究報告書、及び関連情報を含んでもよい。
【0116】
いくつかの実施形態では、メタデータは、例えば、薬物候補についての推定上の販売会社を含んでもよい。例えば、推定上の化学物質製造業者が、Chemical Abstracts CHEMCATS(登録商標)プログラムを介して発見されてもよい。
【0117】
いくつかの実施形態では、初期結果が第1報告工程でダッシュボード又はGUIに表示され、ユーザがこれらのデータと双方向的に接触して検索結果をフィルタ処理した後、ユーザ入力に基づいて新しいひとまとまりの検索結果を示す中間結果が生成される。いくつかの実施形態では、ソフトウェアプラットフォームは、トップ5又はトップ10の転用用の薬物候補を、第1報告工程の間に提供されたユーザ入力に基づいてソートしランク付けすることになる。このプラットフォームは、第1報告工程の後にユーザ入力が与えられなかったかのように、トップ5又はトップ10の薬物をランク付けすることもできる。各薬物候補は、「クリック可能」であってもよく、この場合、薬物の名称の上でクリックすると、ユーザは、その薬物候補についての候補概要ページへ導かれることになる。
【0118】
本願明細書に開示される実行形態に関連して記載された種々の説明のための論理ブロック、モジュール、電気回路、及び処理工程は電子ハードウェア(電子機器)、コンピュータソフトウェア、又は両者の組み合わせとして実行されてもよいということを当業者はさらに理解するだろう。ハードウェア及びソフトウェアのこの互換性を明瞭に説明するために、種々の説明のための構成要素、ブロック、モジュール、電気回路、及び工程が、それらの機能性に関して全体的にこれまで記載されてきた。そのような機能性がハードウェアとして又はソフトウェアとして実行されるかは、特定の応用例及びシステム全体に課される設計の制約に依存する。当業者は、記載された機能性を、各特定の応用例について様々なやり方で実施する可能性があるが、そのような実行の決定は、本発明の範囲からの逸脱を引き起こすと解釈されるべきではない。一部分又は一部は、全体よりも小さいもの又は全体に等しいものを含んでもよいということを当業者は認識するであろう。例えば、画素のコレクション(まとまり)の一部分は、それらの画素のサブコレクションを指しうる。
【0119】
本願明細書に開示される実行に関連して記載された種々の説明のための論理ブロック、モジュール、及び電気回路は、本願明細書に記載される機能を実施するように設計されている汎用プロセッサ、デジタル信号処理専用プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)又は他のプログラム可能論理回路、個別のゲート又はトランジスタ論理、個別のハードウェアコンポーネント、又はこれらのいずれかの組み合わせを用いて実装又は実施されてもよい。汎用プロセッサはマイクロプロセッサであってよいが、代替形態として、上記プロセッサはいずれの従来のプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、又は状態機械であってもよい。プロセッサは、計算装置の組み合わせ、例えば、DSPとマイクロプロセッサとの組み合わせ、複数のマイクロプロセッサの組み合わせ、DSPコアと合わせた1以上のマイクロプロセッサの組み合わせ、又はいずれかの他のそのような構成として実装されてもよい。
【0120】
本願明細書に開示される実行形態に関連して記載された方法又はプロセスの工程は、ハードウェアに、プロセッサによって実行されるソフトウェアモジュールに、又はこの2つの組み合わせに直接まとめられてもよい。ソフトウェアモジュールは、RAMメモリ、フラッシュメモリ、ROMメモリ、EPROMメモリ、EEPROMメモリ、レジスタ、ハードディスク、リムーバブルディスク、CD-ROM、又はいずれかの他の形態の当該技術分野で公知の非一過性の記憶媒体に置かれてもよい。例示のコンピュータ可読記憶媒体は、プロセッサがコンピュータ可読記憶媒体から情報を読み取りコンピュータ可読記憶媒体へ情報を書き込むことができるように、プロセッサに結合されている。代替形態として、記憶媒体は、プロセッサに不可欠であってもよい。プロセッサ及び記憶媒体はASICに置かれていてもよい。ASICは、ユーザ端末、カメラ、又は他のデバイスに置かれていてもよい。代替形態として、プロセッサ及び記憶媒体は、ユーザ端末、カメラ、又は他のデバイスの中に個別の構成要素として置かれてもよい。
【0121】
見出しは、本明細書では、参考のために、及び種々のセクションを置く際の助けになるために備えられている。これらの見出しは、見出しに関して記載される概念の範囲を限定することは意図されていない。そのような概念は、明細書全体にわたって適用されうる。
【0122】
開示された実行形態のこれまでの説明は、どの当業者でも本発明を製造又は使用することができるようにするために提供されている。これらの実行形態への種々の改変は当業者にはすぐに明らかとなり、本明細書中に規定される一般的な原則は、本発明の趣旨又は範囲から逸脱せずに他の実行形態に適用されてもよい。従って、本発明は、本願明細書に示される実行形態に限定されることは意図されておらず、本願明細書に開示される原理及び新規な特徴と整合する最も広い範囲と一致されるべきである。

図1
図2
図3
図4
図5
図6-1】
図6-2】
【外国語明細書】