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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023052844
(43)【公開日】2023-04-12
(54)【発明の名称】演奏操作装置および鍵盤楽器
(51)【国際特許分類】
   G10H 1/34 20060101AFI20230404BHJP
【FI】
G10H1/34
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023014466
(22)【出願日】2023-02-02
(62)【分割の表示】P 2021558277の分割
【原出願日】2020-11-05
(31)【優先権主張番号】P 2019209535
(32)【優先日】2019-11-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000004075
【氏名又は名称】ヤマハ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003177
【氏名又は名称】弁理士法人旺知国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】石井 潤
(57)【要約】
【課題】鍵等の可動部材の変位を検出するためのシステムに関するEMI対策を実現する。
【解決手段】鍵盤楽器100は、演奏動作に応じて変位する複数の鍵12と、検出システム20と、検出システム20から放射される電磁波を遮蔽するための電磁シールド70とを具備する。検出システム20は、複数の鍵12の各々について、当該鍵12に設置された第1コイル51と、第1コイル52に対向する第2コイル61とを含み、第1コイル51と第2コイル61との距離に応じたレベルの検出信号Dを生成する。電磁シールド70は、複数の鍵12にわたり連続する第2シールド部72を含み、第2コイル61は、第1コイル51と第2シールド部72との間に位置する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
演奏動作に応じて変位する複数の可動部材と、
前記複数の可動部材の各々について、当該可動部材に設置された磁性体と、前記磁性体に対向するコイルとを含み、前記磁性体と前記コイルとの距離に応じたレベルの検出信号を生成する検出システムと、
前記検出システムから放射される電磁波を遮蔽するための電磁シールドと
を具備し、
前記電磁シールドは、前記複数の可動部材にわたり連続するシールド部を含み、
前記コイルは、前記磁性体と前記シールド部との間に位置する
演奏操作装置。
【請求項2】
前記複数の可動部材を支持する支持体をさらに具備し、
前記シールド部は、前記支持体に設置される
請求項1の演奏操作装置。
【請求項3】
前記シールド部は、
前記コイルからみて前記磁性体とは反対側に位置する基体部と、
前記基体部から前記可動部材に向けて突出する側壁部とを含む
請求項1または請求項2の演奏操作装置。
【請求項4】
前記磁性体は、第1コイルを含む
請求項1から請求項3の何れかの演奏操作装置。
【請求項5】
前記複数の可動部材にそれぞれ設置された複数の容量素子をさらに具備し、
前記複数の可動部材の各々において、前記容量素子と前記第1コイルとを含む共振回路が構成される
請求項4の演奏操作装置。
【請求項6】
前記電磁シールドは、前記複数の可動部材の各々に設置された第1シールド部を含む
請求項1から請求項5の何れかの演奏操作装置。
【請求項7】
前記磁性体は、前記コイルと前記第1シールド部との間に位置する
請求項6の演奏操作装置。
【請求項8】
前記第1シールド部は、
前記磁性体からみて前記コイルとは反対側に位置する第1基体部と、
前記第1基体部から前記コイルに向けて突出する第1側壁部とを含む
請求項6または請求項7の演奏操作装置。
【請求項9】
前記第1シールド部の少なくとも一部は、前記可動部材に埋設される
請求項6から請求項8の何れかの演奏操作装置。
【請求項10】
前記コイルが設置された基材と、
前記基材と前記シールド部との間の距離を調整する調整部材と
を具備する請求項1から請求項9の何れかの演奏操作装置。
【請求項11】
演奏動作に応じて変位する複数の鍵と、
前記複数の鍵の各々について、当該鍵に設置された磁性体と、前記磁性体に対向するコイルとを含み、前記磁性体と前記コイルとの距離に応じたレベルの検出信号を生成する検出システムと、
前記検出システムから放射される電磁波を遮蔽するための電磁シールドと、
前記検出信号に応じた音を生成する音生成部と
を具備し、
前記電磁シールドは、前記複数の鍵にわたり連続するシールド部を含み、
前記コイルは、前記磁性体と前記シールド部との間に位置する
鍵盤楽器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、演奏に利用される演奏操作装置および鍵盤楽器に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば鍵盤楽器における鍵等の可動部材の変位を検出するための各種の技術が従来から提案されている。特許文献1には、鍵盤楽器のフレームに設置された第1コイルと、各鍵に設置された第2コイルとを利用して、各鍵の位置を検出する構成が開示されている。以上の構成において、押鍵により第2コイルが変位すると、第1コイルに流れる電流が変化する。第1コイルに流れる電流を検出することで、押鍵の有無を表す検出信号が生成される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許第4580478号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1の技術においては、各コイルに供給される電流に起因した電磁波が、鍵盤楽器の周囲に位置する他の電子機器に影響するという課題がある。以上の事情を考慮して、本開示のひとつの態様は、鍵等の可動部材の位置を検出するためのシステムにおけるEMI(Electromagnetic Interference)対策の実現を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
以上の課題を解決するために、本開示のひとつの態様に係る演奏操作装置は、演奏動作に応じて変位する複数の可動部材と、前記複数の可動部材の各々について、当該可動部材に設置された磁性体と、前記磁性体に対向するコイルとを含み、前記磁性体と前記コイルとの距離に応じたレベルの検出信号を生成する検出システムと、前記検出システムから放射される電磁波を遮蔽するための電磁シールドとを具備し、前記電磁シールドは、前記複数の可動部材にわたり連続するシールド部を含み、前記コイルは、前記磁性体と前記シールド部との間に位置する。
【0006】
本開示のひとつの態様に係る鍵盤楽器は、演奏動作に応じて変位する複数の鍵と、前記複数の鍵の各々について、当該鍵に設置された磁性体と、前記磁性体に対向するコイルとを含み、前記磁性体と前記コイルとの距離に応じたレベルの検出信号を生成する検出システムと、前記検出システムから放射される電磁波を遮蔽するための電磁シールドと、前記検出信号に応じた音を生成する音生成部とを具備し、前記電磁シールドは、前記複数の鍵にわたり連続するシールド部を含み、前記コイルは、前記磁性体と前記シールド部との間に位置する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】第1実施形態における鍵盤楽器の構成を例示するブロック図である。
図2】鍵盤楽器の構成を例示するブロック図である。
図3】信号生成部の回路図である。
図4】被検出部の回路図である。
図5】信号処理回路の構成を例示するブロック図である。
図6】信号生成部側からみた鍵の平面図である
図7】被検出部の具体的な構成を例示する平面図である。
図8図7におけるa-a線の断面図である。
図9】被検出部の第1コイルに発生する磁界の説明図である。
図10】鍵側からみた信号生成部の平面図である。
図11】信号生成部の具体的な構成を例示する平面図である。
図12図10におけるb-b線の断面図である。
図13】信号生成部の第2コイルに発生する磁界の説明図である。
図14】第2実施形態における信号生成部の平面図である。
図15図14におけるc-c線の断面図である。
図16】第2実施形態における第2シールド部の平面図である。
図17】第2実施形態の変形例における第2シールド部の平面図である。
図18】第3実施形態における被検出部の平面図である。
図19図18におけるd-d線の断面図である。
図20】第3実施形態における第1シールド部の平面図である。
図21】第4実施形態における信号生成部の断面図である。
図22】第5実施形態における被検出部の断面図である。
図23】第6実施形態に係る検出システムの模式図である。
図24】第7実施形態に係る検出システムの模式図である。
図25】第8実施形態に係る検出システムの模式図である。
図26】変形例に係る第1シールド部の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
A:第1実施形態
図1は、本開示の第1実施形態に係る鍵盤楽器100の構成を例示するブロック図である。鍵盤楽器100(「演奏操作装置」の例示)は、鍵盤10と検出システム20と情報処理装置30と放音装置40とを具備する電子楽器である。鍵盤10は、複数の白鍵と複数の黒鍵とを含む複数の鍵12(「可動部材」の例示)で構成される。複数の鍵12の各々は、利用者による演奏動作に応じて変位する可動部材である。検出システム20は、各鍵12の位置を検出する。情報処理装置30は、検出システム20による検出の結果に応じた音響信号Vを生成する。音響信号Vは、利用者が操作した鍵12に対応する音高の楽音を表す信号である。放音装置40は、音響信号Vが表す音響を放音する。例えばスピーカまたはヘッドホンが放音装置40として利用される。
【0009】
図2は、鍵盤10の1個の鍵12に着目して鍵盤楽器100の具体的な構成を例示するブロック図である。X軸とY軸とを想定する。複数の鍵12は、X軸に沿って配列する。Y軸は、X軸に対して直交する。X-Y平面は、水平面である。各鍵12は、長手方向がY軸に沿うように配置される。すなわち、Y軸は、各鍵12の長辺に沿う軸線である。X-Y平面に垂直な方向から観察することを以下では「平面視」と表記する。
【0010】
鍵盤10の各鍵12は、支点部(バランスピン)13を支点として支持体14に支持される。支持体14は、鍵盤楽器100の各要素を支持する構造体(フレーム)である。各鍵12の端部121は、利用者による押鍵および離鍵により鉛直方向に変位する。検出システム20は、複数の鍵12の各々について、鉛直方向における端部121の位置Zに応じたレベルの検出信号Dを生成する。位置Zは、鍵12に荷重が作用しない解放状態における端部121の位置を基準とした当該端部121の変位量で表現される。
【0011】
検出システム20は、被検出部50と信号生成部60と基材65と信号処理回路21とを具備する。被検出部50および信号生成部60は、鍵12毎に設置される。信号生成部60は、支持体14に設置される。被検出部50は、鍵12に設置される。具体的には、被検出部50は、鍵12の底面(以下「設置面」という)122に設置される。被検出部50は第1コイル51(「磁性体」の例示)を含む。信号生成部60は第2コイル61(「コイル」の例示)を含む。第1コイル51と第2コイル61とは、鉛直方向に相互に間隔をあけて対向する。信号生成部60と被検出部50との距離(第1コイル51と第2コイル61との距離)は、鍵12における端部121の位置Zに応じて変化する。
【0012】
図3は、信号生成部60の電気的な構成を例示する回路図である。信号生成部60は、入力端子T1と出力端子T2と第2コイル61と容量素子62と容量素子63とを含む共振回路を具備する。第2コイル61は、入力端子T1と出力端子T2との間に接続される。容量素子62は、入力端子T1と接地線との間に接続され、容量素子63は、出力端子T2と接地線との間に接続される。信号生成部60は、入力端子T1に供給される信号における低域成分を抑圧する低域除去フィルタとして機能する。
【0013】
図4は、被検出部50の電気的な構成を例示する回路図である。被検出部50は、第1コイル51と容量素子52とを含む共振回路を具備する。第1コイル51の両端と容量素子52の両端とが相互に接続される。被検出部50の共振周波数と信号生成部60の共振周波数とは共通する。ただし、被検出部50の共振周波数と信号生成部60の共振周波数とは相違してもよい。
【0014】
図2の信号処理回路21は、第1コイル51と第2コイル61との距離に応じたレベルの検出信号Dを生成する。図5は、信号処理回路21の具体的な機能的な構成を例示するブロック図である。信号処理回路21は、供給回路22と出力回路23とを具備する。供給回路22は、複数の信号生成部60の各々に基準信号Rを供給する。基準信号Rは、周期的にレベルが変動する電流信号または電圧信号である。例えば正弦波等の任意の波形の周期信号が基準信号Rとして利用される。供給回路22は、各信号生成部60に対して基準信号Rを時分割で供給する。具体的には、供給回路22は、複数の信号生成部60の各々を順次に選択し、選択状態の信号生成部60に対して基準信号Rを供給するデマルチプレクサである。すなわち、複数の信号生成部60の各々に対して時分割で基準信号Rが供給される。なお、基準信号Rの周期は、供給回路22が1個の信号生成部60を選択する期間の時間長よりも充分に短い。また、基準信号Rの周波数は、信号生成部60および被検出部50の共振周波数と略同等である。ただし、基準信号Rの周波数と信号生成部60および被検出部50の共振周波数とは相違してもよい。
【0015】
図3に例示される通り、基準信号Rは、信号生成部60の入力端子T1に供給される。基準信号Rに応じた電流が第2コイル61に供給されることで第2コイル61に磁界が発生する。第2コイル61に発生した磁界による電磁誘導で第1コイル51には誘導電流が発生する。したがって、第2コイル61の磁界の変化を相殺する方向の磁界が第1コイル51に発生する。第1コイル51に発生する磁界は、第1コイル51と第2コイル61との距離に応じて変化する。したがって、第1コイル51と第2コイル61との距離に応じた振幅レベルδの検出信号dが信号生成部60の出力端子T2から出力される。検出信号dは、基準信号Rと同じ周期でレベルが変動する周期信号である。
【0016】
図5の出力回路23は、複数の信号生成部60の各々から順次に出力される検出信号dを時間軸上に配列することで検出信号Dを生成する。すなわち、検出信号Dは、各鍵12における第1コイル51と第2コイル61との距離に応じた振幅レベルδの電圧信号である。前述の通り第1コイル51と第2コイル61との距離は各鍵12の位置Zに連動するから、検出信号Dは、複数の鍵12の各々の位置Zに応じた信号と表現される。出力回路23が生成した検出信号Dは、情報処理装置30に供給される。
【0017】
図2の情報処理装置30は、信号処理回路21から供給される検出信号Dを解析することで各鍵12の位置Zを解析する。情報処理装置30は、制御装置31と記憶装置32とA/D変換器33と音源回路34とを具備するコンピュータシステムで実現される。A/D変換器33は、信号処理回路21から供給される検出信号Dをアナログからデジタルに変換する。
【0018】
制御装置31は、鍵盤楽器100の各要素を制御する単数または複数のプロセッサで構成される。例えば、制御装置31は、CPU(Central Processing Unit)、SPU(Sound Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、FPGA(Field Programmable Gate Array)、またはASIC(Application Specific Integrated Circuit)等の1種類以上のプロセッサで構成される。
【0019】
記憶装置32は、制御装置31が実行するプログラムと制御装置31が使用するデータとを記憶する単数または複数のメモリである。記憶装置32は、例えば磁気記録媒体または半導体記録媒体等の公知の記録媒体で構成される。なお、複数種の記録媒体の組合せにより記憶装置32を構成してもよい。また、鍵盤楽器100に着脱可能な可搬型の記録媒体、または、鍵盤楽器100が通信可能な外部記録媒体(例えばオンラインストレージ)を、記憶装置32として利用してもよい。
【0020】
制御装置31は、A/D変換器33による変換後の検出信号Dを解析することで各鍵12の位置Zを解析する。また、制御装置31は、各鍵12の位置Zに応じた楽音の発音を音源回路34に対して指示する。音源回路34は、制御装置31から指示された楽音を表す音響信号Vを生成する。すなわち、音源回路34は、検出信号Dの振幅レベルδに応じた音響信号Vを生成する。例えば振幅レベルδに応じて音響信号Vの音量が制御される。音響信号Vが音源回路34から放音装置40に供給されることで、利用者による演奏動作(各鍵12の押鍵または離鍵)に応じた楽音が放音装置40から放音される。なお、記憶装置32に記憶されたプログラムを実行することで制御装置31が音源回路34の機能を実現してもよい。
【0021】
検出システム20は、第1コイル51から発生する磁界と第2コイル61から発生する磁界とにより電磁波を放射する。図2の電磁シールド70は、検出システム20から放射される電磁波が周囲に位置する他の電子機器に影響するEMI(Electromagnetic Interference)の対策に利用される。具体的には、電磁シールド70は、検出システム20から放射される電磁波を遮断するための障壁である。電磁シールド70は、磁性材料または導電材料で形成される。例えば金属で電磁シールド70が形成される。
【0022】
具体的には、電磁シールド70は、検出システム20を包囲するように形成される。第1実施形態の電磁シールド70は、第1シールド部71と第2シールド部72とを含む。第1シールド部71は、被検出部50から放射される電磁波を遮断するための障壁である。他方、第2シールド部72は、信号生成部60から放射される電磁波を遮断するための障壁である。第1シールド部71は鍵12に設置され、第2シールド部72は支持体14に設置される。第1シールド部71および第2シールド部72の具体的な構成は後述する。
【0023】
図6は、信号生成部60側からみた鍵12の平面図である。被検出部50は、鍵12毎に設置される。第1シールド部71は、被検出部50(第1コイル51)毎に設置される。図7は、被検出部50の具体的な構成を例示する平面図である。被検出部50を信号生成部60側からみた平面図が図7には図示されている。また、図8は、図7におけるa-a線の断面図である。
【0024】
第1実施形態の被検出部50は、第1コイル51と基材55とを含む配線基板で構成される。基材55は、表面F1と表面F2とを含む矩形状の板状部材である。表面F2は、鍵12の設置面122に対向する表面である。表面F1は、表面F2とは反対側の表面である。したがって、表面F1は信号生成部60に対向する。基材55の横幅は1個の鍵12の横幅を下回る。
【0025】
第1コイル51は、基材55の表面(表面F1および表面F2)に形成された導電膜である。具体的には、基材55の全面を被覆する導電膜を選択的に除去するパターニングにより、第1コイル51が形成される。第1コイル51は、第1区間511と第2区間512とを含む。第1区間511と第2区間512とは表面F1に形成される。第1区間511と第2区間512とは、表面F1に垂直な方向からの平面視で相異なる領域に形成される。具体的には、第1区間511と第2区間512とは、鍵12の長手方向(Y軸)に沿って相互に隣合う。
【0026】
第1区間511は、内周側の端部Ea1から外周側の端部Ea2にかけて時計回りに回旋する渦巻状の部分である。他方、第2区間512は、内周側の端部Eb1から外周側の端部Eb2にかけて時計回りに回旋する渦巻状の部分である
【0027】
第1コイル51は、基材55の表面F2に形成された連結配線514を含む。端部Ea1と端部Eb1とは、連結配線514を介して相互に接続される。また、端部Ea2と端部Eb2との間には、表面F1に実装された容量素子52が介在する。
【0028】
以上の説明から理解される通り、第1区間511に流れる電流の方向と第2区間512に流れる電流の方向とは逆方向である。具体的には、第1区間511に方向Q1の電流が流れる状態においては、方向Q1とは反対の方向Q2の電流が第2区間512には流れる。したがって、図9に例示される通り、第1区間511と第2区間512とには逆方向の磁界が発生する。すなわち、第1区間511および第2区間512の一方から他方に向かう磁界が形成される。
【0029】
図8に例示される通り、第1実施形態の第1シールド部71は、鍵12に埋設される。第1シールド部71は、平面視において第1コイル51と重なるように形成される。具体的には、第1シールド部71は、第1基体部71aと第1側壁部71b1と第1側壁部71b2とを含む。第1基体部71aは、第1コイル51からみて第2コイル61とは反対側に位置する部分である。すなわち、第1コイル51は、第2コイル61と第1基体部71aとの間に位置する。具体的には、第1基体部71aは、基材55に平行な板状部材である。図6に例示される通り、平面視において第1基体部71aの内側に第1コイル51が位置する。第1基体部71aは、例えば鍵12の短手方向(X軸の方向)の全体にわたり形成される。
【0030】
図8に例示される通り、第1側壁部71b1および第1側壁部71b2は、第1基体部71aから支持体14に向けて突出する部分である。すなわち、第1基体部71aの表面から設置面122に向かって形成される。第1基体部71aのうちX軸に沿う周縁に第1側壁部71b1および第1側壁部71b2が形成される。第1側壁部71b1は、第1基体部71aのうちY軸の負方向においてX軸に沿う周縁に形成される。第1側壁部71b2は、第1基体部71aのうちY軸の正方向においてX軸に沿う周縁に形成される。図6に例示される通り、第1側壁部71b1と第1側壁部71b2との間に第1コイル51が位置する。なお、第1側壁部71b1および第1側壁部71b2の一方または双方は省略されてもよい。
【0031】
第1コイル51から放射される電磁波は第1シールド部71により遮蔽される。第1実施形態では、第1シールド部71が第1基体部71aを含むから、図9に例示される通り、コイルとは反対側に磁性体から放射される電磁波を第1シールド部71により効果的に遮蔽できる。また、第1シールド部71が第1側壁部71b1および第1側壁部71b2を含むから、第1コイル51から周囲に放射される電磁波を効果的に遮蔽できるという利点がある。
【0032】
図10は、鍵12側からみた信号生成部60の平面図である。第2コイル61は、第1コイル51毎に設置される。第1実施形態の第2シールド部72は、複数の鍵12にわたり連続して設置される。すなわち、X軸に沿って長尺状に第2シールド部72が形成される。図11は、信号生成部60の具体的な構成を例示する平面図である。信号生成部60を被検出部50側からみた平面図が図11には図示されている。また、図12は、図11におけるb-b線の断面図である。
【0033】
図11に例示される通り、信号生成部60は、第2コイル61を含む配線基板で構成される。基材65に信号生成部60が形成される。基材65は、複数の鍵12にわたり連続する長尺状の板状部材である。図12に例示される通り、基材65は、表面F3と表面F4とを含む板状部材である。表面F4は、第2基体部72aに対向する。表面F3は、表面F4とは反対側の表面である。したがって、表面F3は被検出部50に対向する。なお、基材65を鍵12毎に個別に設置してもよい。
【0034】
図11に例示される通り、第2コイル61は、基材65の表面(表面F3および表面F4)に形成された導電膜である。具体的には、基材65の全面を被覆する導電膜を選択的に除去するパターニングにより、複数の第2コイル61が一括的に形成される。相異なる鍵12に対応する複数の第2コイル61が基材65に形成される。具体的には、第2コイル61は、第3区間611と第4区間612とを含む。第3区間611と第4区間612とは表面F3に形成される。第3区間611と第4区間612とは、表面F3に垂直な方向からの平面視で相異なる領域に形成される。具体的には、第3区間611と第4区間612とは、鍵12の長手方向に沿って相互に隣合う。
【0035】
第3区間611は、内周側の端部Ec1から外周側の端部Ec2にかけて反時計回りに回旋する渦巻状の部分である。他方、第4区間612は、内周側の端部Ed1から外周側の端部Ed2にかけて回旋する渦巻状の部分である。第2コイル61の中心軸の方向(すなわち表面F3に垂直な方向)における第1コイル51と第2コイル61との距離が、鍵12の位置Zに応じて変化する。
【0036】
第2コイル61は、基材65の表面F4に形成された連結配線614を含む。端部Ec1と端部Ed1とは、連結配線614を介して相互に接続される。また、表面F3には入力端子T1と出力端子T2とが形成される。入力端子T1と第3区間611の端部Ec2との間には容量素子62が接続される。出力端子T2と第4区間612の端部Ed2との間には容量素子63が接続される。容量素子62と容量素子63とを相互に接続する配線は、接地電位に設定される接地点Gに接続される。
【0037】
以上の説明から理解される通り、第3区間611に流れる電流の方向と第4区間612に流れる電流の方向とは逆方向である。具体的には、第3区間611に方向Q3の電流が流れる状態においては、方向Q3とは反対の方向Q4の電流が第4区間612には流れる。したがって、図13に例示される通り、第3区間611と第4区間612とには逆方向の磁界が発生する。すなわち、第3区間611および第4区間612の一方から他方に向かう磁界が形成される。
【0038】
図12に例示される通り、第2シールド部72は、支持体14の表面に設置される。具体的には、平面視において複数の第2コイル61に重なる位置に第2シールド部72が設置される。第1実施形態の第2シールド部72は、第2基体部72aと第2側壁部72b1と第2側壁部72b2とを含む。第2基体部72aは、第2コイル61からみて第1コイル51とは反対側に位置する部分である。すなわち、第2コイル61は、第1コイル51と第2基体部72aとの間に位置する。図10に例示される通り、第1実施形態の第2基体部72aは、X軸に沿って長尺な板状部材である。例えば、鍵盤10の一端から他端にかけて第2基体部72aが延在する。支持体14の表面に第2基体部72aが設置される。
【0039】
図10に例示される通り、第2側壁部72bは、第2基体部72aから鍵12に向けて突出する部分である。第2基体部72aのうちX軸に沿う周縁に第2側壁部72b1および第2側壁部72b2が形成される。第2側壁部72b1は、第2基体部72aのうちY軸の負方向においてX軸に沿う周縁に形成される。第2側壁部72b2は、第1基体部71aのうちY軸の正方向においてX軸に沿う周縁に形成される。図10に例示される通り、第2側壁部72b1と第2側壁部72b2との間に信号生成部60(複数の第2コイル61)が位置する。なお、第2側壁部72b1および第2側壁部72b2の一方または双方は省略されてもよい。
【0040】
図12に例示される通り、信号生成部60が形成された基材65は、第2基体部72aと第2側壁部72b1と第2側壁部72b2とで囲まれる空間内に設置される。第1実施形態の基材65は、第2シールド部72に支持される。具体的には、基材65は、第2基体部72aの表面に設置された固定部材81に支持される。固定部材81は、例えば絶縁材料で形成され、第2基体部72aに対して間隔をあけた位置に基材65を保持するスペーサである。すなわち、基材65と第2シールド部72とは直接的には接触しない。
【0041】
第2コイル61から放射される電磁波は第2シールド部72により遮蔽される。第1実施形態では、第1コイル51とは反対側に第2コイル61から放射される電磁波を第2シールド部72により効果的に遮蔽できる。また、第2シールド部72が第2側壁部72b1および第2側壁部72b2を含むから、第2コイル61から周囲に放射される電磁波を効果的に遮蔽できるという利点がある。例えば、第2コイル61からY軸の方向に放射される電磁波が第2側壁部72b1および第2側壁部72b2により遮蔽される。
【0042】
以上の説明から理解される通り、第1実施形態では、第1コイル51と第2コイル61とを含む検出システム20から放射される電磁波を遮蔽するための電磁シールド70によりEMI対策が実現される。したがって、検出システム20から放射される電磁波が周囲の電子機器に与える影響を低減できる。第1実施形態では特に、鍵12に設置された第1シールド部71と支持体14に設置された第2シールド部72とを電磁シールド70が含むから、支持体14および鍵12の一方のみに電磁シールド70が設置された構成と比較して効果的なEMI対策が実現される。
【0043】
B:第2実施形態
第2実施形態を以下に説明する。なお、以下に例示する各構成において機能が第1実施形態と同様である要素については、第1実施形態の説明で使用した符号を流用して各々の詳細な説明を適宜に省略する。
【0044】
図14は、第2実施形態における信号生成部60の平面図である。図15は、図14におけるc-c線の断面図である。また、図16は、第2実施形態における第2シールド部72の平面図である。基材65を図14から除去した状態が図16に図示されている。
【0045】
第2シールド部72の第2基体部72aは、平面視で領域A20と領域A21と領域A22とを含む。領域A21は、第2側壁部72b1に沿ってX軸の方向に延在する帯状の領域である。領域A22は、第2側壁部72b2に沿ってX軸の方向に延在する帯状の領域である。領域A20は、領域A21と領域A22との間においてX軸の方向に延在する帯状の領域である。図14および図15から理解される通り、複数の第2コイル61は、基材65の表面F3のうち領域A20に平面視で重なる帯状の領域内においてX軸の方向に配列する。基材65のうち領域A21および領域A22に重なる領域には第2コイル61は形成されない。
【0046】
図14から図16に例示される通り、第2実施形態の第2基体部72aには、複数の開口O2(O21,O22)が形成される。各開口O2は、第2基体部72aを貫通する略矩形状の貫通孔である。
【0047】
複数の開口O21は、第2基体部72aの領域A21に形成される。具体的には、複数の開口O21は、平面視で領域A21内において相互に間隔をあけてX軸の方向に配列する。また、複数の開口O22は、第2基体部72aの領域A22に形成される。具体的には、複数の開口O22は、平面視で領域A22内において相互に間隔をあけてX軸の方向に配列する。他方、領域A20には開口O2は形成されない。すなわち、第2実施形態における各開口O2は、複数の第2コイル61の何れにも平面視で重複しない。
【0048】
第2実施形態においても第1実施形態と同様の効果が実現される。なお、第2実施形態のように第2シールド部72に開口O2が形成された構成においては、第2コイル61に発生した磁界を阻害する第2シールド部72の作用が開口O2により緩和される。したがって、第2シールド部72によるEMI対策の効果を適度に維持しながら、第2コイル61の周囲の広範囲に磁界を発生させることが可能である。第2コイル61の磁界の範囲が拡大されることで、磁界を変化させる鍵12の位置Zの範囲が拡大する。すなわち、鍵12の位置Zを検出できる範囲を確保し易い。
【0049】
なお、第2シールド部72における開口O2の形態(例えば平面形状または個数)は任意である。例えば、図16においては複数の開口O21がX軸の方向に配列する構成を例示したが、X軸の方向に延在する1個の開口O21が領域A21内に形成されてもよい。同様に、X軸の方向に配列する複数の開口O22に代えて、X軸の方向に延在する1個の開口O22が領域A22内に形成されてもよい。
【0050】
また、以上の説明においては、第2基体部72aの領域A21および領域A22の各々に開口O2を形成したが、図17に例示される通り、第2基体部72aの領域A20内に開口O2を形成してもよい。すなわち、X軸の方向に延在する1個の開口O2が領域A20内に形成される。開口O2は、複数の第2コイル61に平面視で重なる。すなわち、平面視で開口O2の内側に複数の第2コイル61が位置する。なお、相互に間隔をあけてX軸の方向に配列する複数の開口O2が領域A20内に形成されてもよい。
【0051】
C:第3実施形態
図18は、信号生成部60側からみた鍵12の平面図である。図19は、図18におけるd-d線の断面図である。また、図20は、第3実施形態における第1シールド部71の平面図である。複数の被検出部50を図18から除去した状態が図20に図示されている。
【0052】
第1シールド部71の第1基体部71aは、平面視で領域A10と領域A11と領域A12とを含む。領域A11は、第1側壁部71b1に隣合う領域である。領域A12は、第1側壁部71b2に隣合う領域である。領域A10は、領域A11と領域A12との間の領域である。図18および図19から理解される通り、第1コイル51は、基材55の表面F1のうち領域A10に平面視で重なる領域内に形成される。基材55のうち領域A11および領域A12に重なる領域には第1コイル51は形成されない。
【0053】
図18から図20に例示される通り、第3実施形態の第1基体部71aには、複数の開口O1(O11,O12)が形成される。各開口O1は、第1基体部71aを貫通する略矩形状の貫通孔である。
【0054】
開口O11は、第1基体部71aの領域A11に形成される。開口O12は、第1基体部71aの領域A12に形成される。他方、領域A10には開口O1は形成されない。すなわち、第2実施形態における各開口O1は、平面視で第1コイル51に重複しない。
【0055】
第3実施形態においても第1実施形態と同様の効果が実現される。なお、第3実施形態のように第1シールド部71に開口O1が形成された構成においては、第1コイル51に発生した磁界を阻害する第1シールド部71の作用が開口O1により緩和される。したがって、第1シールド部71によるEMI対策の効果を適度に維持しながら、第1コイル51に充分な磁界を発生させることが可能である。第1コイル51の磁界の範囲が拡大されることで、磁界を変化させる鍵12の位置Zの範囲が拡大する。すなわち、鍵12の位置Zを検出できる範囲を確保し易い。
【0056】
なお、領域A11および領域A12の各々に複数の開口O1が形成されてもよい。また、平面視で第1コイル51に重複する1個以上の開口O1が領域A10に形成されてもよい。領域A11または領域A12における開口O1は省略されてもよい。
【0057】
D:第4実施形態
図21は、第4実施形態における信号生成部60の断面図である。図21におけるネジ821は、基材65および第2シールド部72を支持体14に固定するためのネジである。すなわち、ネジ821は、基材65に形成された貫通孔と第2シールド部72に形成された貫通孔とを通過して支持体14に挿入される。基材65と第2シールド部72(第2基体部72a)との間にはバネ822が介在する。バネ822は、ネジ821を包囲するコイルバネである。バネ822は、支持体14から離間する方向に基材65を付勢する。
【0058】
以上の構成において、基材65と第2シールド部72との距離(間隔)は、ネジ821の締付の度合に応じて変化する。すなわち、ネジ821およびバネ822は、基材65と第2シールド部72との距離を調整するための調整部材として機能する。第2コイル61により発生する磁界は、基材65と第2シールド部72との距離に応じて変化する。なお、基材65と第2シールド部72との距離を調整することで、第1コイル51と第2コイル61と距離も変化する。すなわち、ネジ821およびバネ822で実現される調整部材は、第1コイル51と第2コイル61との距離を調整する要素としても機能する。
【0059】
第4実施形態においても第1実施形態と同様の効果が実現される。また、第4実施形態においては、調整部材(ネジ821およびバネ822)により基材65と第2シールド部72との距離を調整することで、第2コイル61に発生する磁界を調整できる。
【0060】
なお、基材65と第2シールド部72との距離を調整するための形態は、以上の例示に限定されない。例えば、全長が相違する複数の固定部材81の何れかを選択的に基材65と第2シールド部72との間に介在させることで、両者間の距離を調整してもよい。すなわち、固定部材81は調整部材として利用される。
【0061】
E:第5実施形態
図22は、第5実施形態における被検出部50の断面図である。被検出部50は、ネジ831により鍵12の設置面122に設置される。被検出部50における基材55の表面F2と設置面122との間にはバネ832が介在する。バネ832は、例えばネジ831を包囲するコイルバネである。バネ832は、設置面122から離間する方向に基材55を付勢する。
【0062】
以上の構成において、基材55と第1シールド部71との距離は、ネジ831の締付の度合に応じて変化する。すなわち、ネジ831およびバネ832は、基材55と第1シールド部71との距離を調整するための調整部材として機能する。第1コイル51により発生する磁界は、基材55と第1シールド部71との距離に応じて変化する。なお、基材55と第1シールド部71との距離を調整することで、第1コイル51と第2コイル61との距離も変化する。すなわち、ネジ831およびバネ832で実現される調整部材は、第1コイル51と第2コイル61との距離を調整する要素としても機能する。
【0063】
第5実施形態においても第1実施形態と同様の効果が実現される。また、第5実施形態においては、調整部材(ネジ831およびバネ832)により基材55と第1シールド部71との距離を調整することで、第1コイル51に発生する磁界を調整できる。
【0064】
なお、基材55と第1シールド部71との距離を調整するための形態は、以上の例示に限定されない。例えば、全長が相違する複数の固定部材の何れかを選択的に基材55と第1シールド部71との間に介在させることで、両者間の距離を調整してもよい。
【0065】
F:第6実施形態
図23は、第6実施形態に係る検出システム20の模式図である。検出システム20は、第1実施形態と同様に、複数の鍵12の各々について、鉛直方向における端部121の位置Zに応じたレベルの検出信号Dを生成する。
【0066】
各鍵12は、支点部G1を支点として支持体14に支持される。支点部G1は、支持体14に設置された支持支点部141を介して支持体14に設置される。すなわち、鍵12は、支点部G1および支持支点部141を介して、支持体14に支持される。鍵12は、支点部G1を中心に回転する。
【0067】
第6実施形態の鍵12は、突出部124を具備する。突出部124は、端部121において設置面122から突出する部分である。突出部124は、利用者による押鍵および離鍵により鉛直方向に変位する。突出部124の先端は曲面である。
【0068】
第6実施形態の鍵盤楽器100は、筐体200および付勢体90を具備する。筐体200は、中空の構造体であり、支持体14に設置される。突出部124は、筐体200に形成された開口を貫通する。付勢体90は、押鍵による操作感を利用者に付与するための構造体である。複数の鍵12の各々について付勢体90が設置される。筐体200の内部に複数の付勢体90が収容される。具体的には、付勢体90は、支点部G2を支点として支持体14に支持される。支点部G2は、筐体200の内部空間に設置された支点支持部142を介して筐体200に設置される。すなわち、付勢体90は、支点部G2と支点支持部142と筐体200とを介して、支持体14に支持される。
【0069】
付勢体90が押圧されていない状態では、付勢体90は筐体200の内部空間に設置されたストッパ19に突き当たる。押鍵により突出部124の先端が付勢体90を押圧すると、付勢体90はストッパ19から離間して支点部G2を中心に回転する。なお、付勢体90のうち被検出部50とは反対側の端部の内部には、当該端部を加重するための錘部Nが設置される。したがって、付勢体90が突出部124により押圧されると、適度な抵抗感が利用者に付与される。すなわち、演奏者に対して良好な操作感を与えることができる。
【0070】
被検出部50は、付勢体90に設置される。例えば、付勢体90のうち突出部124とは反対側の面に設置される。第6実施形態では、平面視において突出部124と重なる位置に被検出部50が設置される。なお、付勢体90において被検出部50が設置される位置は任意である。例えば付勢体90のうち突出部124側の面に被検出部50を設置してもよい。他方、信号生成部60は、筐体200の内壁面Waに設置される。信号生成部60の第2コイル61は、平面視において被検出部50の第1コイル51に重なるように設置される。
【0071】
第1コイル51が設置された付勢体90は押鍵により変位する。したがって、第1実施形態と同様に、第1コイル51と第2コイル61との距離に応じたレベルの検出信号Dが検出システム20により生成される。
【0072】
筐体200の内壁面Waは磁性材料または導電材料で形成される。筐体200の内壁面Waは、第1コイル51および第2コイル61を包囲する。すなわち、筐体200の内壁面Waは、検出システム20から放射される電磁波を遮蔽する電磁シールドとして機能する。第6実施形態の内壁面Wa(すなわち電磁シールド)は、第1部分Wa1と第2部分Wa2と第3部分Wa3と第4部分Wa4とを含む。
【0073】
第1部分Wa1は、第1コイル51および第2コイル61に対してY軸の負方向(「第1方向」の例示)に位置する部分である。第2部分Wa2は、第1コイル51および第2コイル61に対してY軸の正方向(以下「第2方向」の例示)に位置する部分である。第3部分Wa3は、第1コイル51および第2コイル61の上方に位置する部分である。第4部分Wa4は、第1コイル51および第2コイル61の下方に位置する部分である。なお、鍵12の突出部124のうち筐体200の開口に対応する位置に電磁シールドとして機能する遮蔽部126を埋設してもよい。遮蔽部126は、磁性材料または導電材料で形成される。遮蔽部126(「第3部分」の例示)は、第1コイル51および第2コイル61の上方に位置する。
【0074】
第6実施形態では、電磁シールドとして機能する内壁面Waが第1コイル51および第2コイル61を包囲するから、効果的なEMI対策が実現される。
【0075】
G:第7実施形態
図24は、第7実施形態に係る検出システム20の模式図である。第7実施形態では、被検出部50および信号生成部60の位置が第6実施形態とは相違する。
【0076】
第7実施形態の鍵盤楽器100は、筐体200に変えて筐体300を具備する。筐体300は、中空の構造体であり、支持体14に設置される。複数の鍵12について1つの筐体200が設置される。各鍵12における端部121とは反対側(支持体14に支持されている側)の端部128が筐体300の内部空間に収容される。各鍵12は筐体の貫通孔を貫通する。
【0077】
第7実施形態の被検出部50は、筐体300の内部空間において鍵12の設置面122に設置される。信号生成部60は、筐体300の内壁面Wbにおいて信号生成部60と対向する位置に設置される。すなわち、筐体300の内壁面Wbは、第1コイル51および第2コイル61を包囲する。
【0078】
筐体300の内壁面Wbは磁性材料または導電材料で形成される。筐体300の内壁面Wbは、第1コイル51および第2コイル61を包囲する。すなわち、筐体300の内壁面Wbは、検出システム20から放射される電磁波を遮蔽する電磁シールドとして機能する。第7実施形態の内壁面Wb(すなわち電磁シールド)は、第1部分Wb1と第2部分Wb2と第3部分Wb3と第4部分Wb4とを含む。
【0079】
第1部分Wb1は、第1コイル51および第2コイル61に対してY軸の負方向に位置する部分である。第2部分Wb2は、第1コイル51および第2コイル61に対してY軸の正方向に位置する部分である。第3部分Wb3は、第1コイル51および第2コイル61の上方に位置する部分である。第4部分Wb4は、第1コイル51および第2コイル61の下方に位置する部分である。なお、鍵12のうち筐体300の開口に対応する位置に電磁シールドとして機能する遮蔽部127を埋設してもよい。例えば、磁性材料または導電材料で遮蔽部127が形成される。遮蔽部127(「第2部分」の例示)は、第1コイル51および第2コイル61に対してY軸の正方向に位置する。
【0080】
第7実施形態においても第6実施形態と同様に、電磁シールドとして機能する内壁面Wbが第1コイル51および第2コイル61を包囲するから、効果的なEMI対策が実現される。なお、例えば図24における筐体300を省略した構成では、例えば金属等の磁性体で形成される錘部Nが鍵12に連動して上下に移動することで、被検出部50または信号生成部60の周囲の磁界に影響する。第7実施形態においては、錘部Nと検出システム20(被検出部50および信号生成部60)との間に筐体300の一部が介在するから、検出システム20に対する錘部Nの影響が低減される。すなわち、検出システム20の近傍に位置する要素(例えば錘部N)が、位置Zの検出のための磁界に影響することを抑制できる。したがって、各鍵12の位置Zを高精度に検出できるという利点もある。なお、第7実施形態において付勢体90は省略してもよい。
【0081】
H:第8実施形態
第8実施形態では、鍵盤楽器100の打弦機構91に検出システム20を適用する構成を例示する。図25は、第8実施形態に係る検出システム20の構成を例示する模式図である。打弦機構91は、自然楽器のピアノと同様に、鍵盤10の各鍵12の変位に連動して弦(図示略)を打撃するアクション機構である。具体的には、打弦機構91は、回動により打弦可能なハンマ911と、鍵12の変位に連動してハンマ911を回動させる伝達機構912(例えばウィペン,ジャック,レペティションレバー等)とを、鍵12毎に具備する。以上の構成において、検出システム20は、ハンマ911(「可動部材」の例示)の変位を検出する。
【0082】
第8実施形態の被検出部50は、ハンマ911(例えばハンマシャンク)に設置される。第8実施形態の第1シールド部71は、ハンマ911に埋設される。第1シールド部71は、第1実施形態と同様に、第1基体部71aと第1側壁部71b1と第1側壁部71b2とを含み、平面視において第1コイル51に重なる位置に設置される。
【0083】
信号生成部60は、第1実施形態と同様に、支持体14に設置される。第8実施形態の支持体14は、例えば打弦機構91を支持する構造体である。また、打弦機構91におけるハンマ911以外の部材に被検出部50を設置してもよい。第2シールド部72は、第1実施形態と同様に、第2基体部72aと第2側壁部72b1と第2側壁部72b2とを含む。第1実施形態と同様に、支持体14の表面に設置された第2シールド部72(第2基体部72a)に固定部材81を介して信号生成部60が支持される。第8実施形態においても第1実施形態と同様の効果が実現される。なお、第2実施形態から第6実施形態の構成は、第8実施形態にも同様に適用される。
【0084】
I:変形例
以上に例示した各態様に付加される具体的な変形の態様を以下に例示する。以下の例示から任意に選択された2以上の態様を、相互に矛盾しない範囲で適宜に併合してもよい。
【0085】
(1)前述の各形態においては、鍵12、付勢体90およびハンマ911を可動部材として例示したが、可動部材は以上の例示に限定されない。可動部材は演奏に応じて変位する部材であれば任意である。例えば、鍵盤楽器100のペダル機構に検出システム20を適用してもよい。ペダル機構は、利用者が足で操作するペダルと、ペダルを支持する支持体14とを具備する。以上の構成において、検出システム20はペダルの変位を検出する。例えば、被検出部50がペダルに設置され、信号生成部60が被検出部50に対向するように支持体14に設置される。ペダルは可動部材の例示である。
【0086】
以上の例示から理解される通り、検出システム20による検出の対象は、演奏動作に応じて変位する可動部材として包括的に表現される。可動部材は、利用者が直接的に操作する鍵12またはペダル等の演奏操作子のほか、演奏操作子に対する操作に連動して変位するハンマ911等の構造体を含む。ただし、本開示における可動部材は、演奏動作に応じて変位する部材に限定されない。すなわち、可動部材は、変位を発生させる契機に関わらず、変位可能な部材として包括的に表現される。
【0087】
(2)前述の各形態において、被検出部50は可動部材に設置され、信号生成部60は当該被検出部50と対向するように設置されれば、被検出部50と信号生成部60とが設置される位置は任意である。
【0088】
(3)第1実施形態および第8実施形態では、第1シールド部71が第1基体部71aと第1側壁部71b1と第1側壁部71b2とを含んだが、第1シールド部71の構成は以上の例示に限定されない。例えば、第1基体部71aおよび第1側壁部71b(71b1,71b2)の何れか一方のみを第1シールド部71が具備する構成、または、第1基体部71aおよび第1側壁部71b(71b1,71b2)とは異なる部分を第1シールド部71が具備する構成も採用される。また、第1基体部71aのうちX軸の周縁から支持体14に向けて突出する第1側壁部を第1シールド部71が具備してもよい。以上の説明から理解される通り、第1シールド部71の形状は任意である。
【0089】
(4)第1実施形態および第8実施形態では、第2シールド部72が第2基体部72aと第2側壁部72b1と第2側壁部72b2とを含んだが、第2シールド部72の構成は以上の例示に限定されない。例えば、第2基体部72aおよび第2側壁部72b(72b1,72b2)の何れか一方のみを第2シールド部72が具備する構成、または、第2基体部72aおよび第2側壁部72b(72b1,72b2)とは異なる部分を第2シールド部72が具備する構成も採用される。また、第2基体部72aのうちX軸の周縁から可動部材に向けて突出する第2側壁部を第2シールド部72が具備してもよい。以上の説明から理解される通り、第2シールド部72の形状は任意である。
【0090】
(5)第1実施形態および第8実施形態では、電磁シールド70が第1シールド部71と第2シールド部72とを含んだが、電磁シールド70の構成は以上の例示に限定されない。例えば、第1シールド部71および第2シールド部72の何れか一方のみを電磁シールド70が含む構成、または、第1シールド部71および第2シールド部72とは異なる部分を電磁シールド70が含む構成も採用される。
【0091】
(6)第1実施形態では、第1シールド部71の全体を鍵12に埋設したが、第1シールド部71の少なくとも一部が可動部材に埋設されればよい。また、第1シールド部71を鍵12に埋設することは必須ではない。図26に例示される通り、例えば、鍵12の表面に第1シールド部71を設置して、当該第1シールド部71の表面に絶縁材料で形成された固定部材81を介して被検出部50を設置してもよい。なお、第8実施形態においても同様に、第1シールド部71の全体をハンマ911に埋設しなくてもよい。
【0092】
(7)第1実施形態では、第2シールド部72を支持体14の表面に設置したが、第2シールド部72を支持体14に埋設させてもよい。以上の構成では、例えば、支持体14の表面において第2シールド部72と平面視において重なる位置に、信号生成部60を設置する。
【0093】
(8)第1実施形態および第8実施形態において、鍵12毎に第2シールド部72を設けてもよい。
【0094】
(9)第6実施形態において、筐体200の全体を磁性材料または導電材料で形成してもよい。すなわち、筐体200の全体が、検出システム20から放射される電磁波を遮蔽するための電磁シールドとして機能する。第7実施形態においても同様に、筐体300の全体を磁性材料または導電材料で形成してもよい。
【0095】
(10)第6実施形態および第7実施形態において、筐体(200または300)内壁面(WaまたはWb)を電磁シールドとして利用したが、当該筐体を電磁シールドとして利用しなくてもよい。すなわち、筐体とは異なる部材を電磁シールドとして利用してもよい。電磁シールドのうち、第1コイル51および第2コイル61に対してY軸の負方向に位置する部分が第1部分として包括的に表現され、電磁シールドのうち、第1コイル51および第2コイル61に対してY軸の正方向に位置する部分が第2部分として包括的に表現される。また、電磁シールドのうち、第1コイル51および第2コイル61の上方に位置する部分が第3部分として包括的に表現され、電磁シールドのうち、第1コイル51および第2コイル61の下方に位置する部分が第4部分として包括的に表現される。なお、第1シールド部71は第3部分の例示であり、第2シールド部72は、第4部分の例示であるともいえる。電磁シールドは、第1部分と第2部分と第3部分と第4部分とのうち一部のみを含んでもよいし、第1部分と第2部分と第3部分と第4部分とは異なる部分を含んでもよい。
【0096】
(11)第6実施形態において、付勢体90毎に筐体200を設けてもよい。同様に、第7実施形態において鍵12毎に筐体300を設けてもよい。
【0097】
(12)前述の各形態においては、鍵盤楽器100が音源回路34を具備する構成を例示したが、例えば鍵盤楽器100が打弦機構91等の発音機構を具備する構成においては、音源回路34を省略してもよい。検出システム20は、鍵盤楽器100の演奏内容を記録するために利用される。発音機構および音源回路34は、検出システム20による検出の結果に応じて音を生成する音生成部として包括的に表現される。
【0098】
以上の説明から理解される通り、本開示は、音源回路34または発音機構に対して演奏動作に応じた操作信号を供給することで楽音を制御する装置(演奏操作装置)として特定される。前述の各形態の例示のように音源回路34または発音機構を具備する楽器(鍵盤楽器100)のほか、音源回路34または発音機構を具備しない機器(例えばMIDIコントローラまたは前述のペダル機構)が、演奏操作装置(instrument playing apparatus)の概念に包含される。すなわち、本開示における演奏操作装置は、演奏者(操作者)が演奏のために操作する装置である。
【0099】
(13)前述の各形態においては、第1コイル51が第1区間511と第2区間512とを含む構成を例示したが、第1コイル51が2個のコイルで形成される構成は必須ではない。第1コイル51を1個のコイル(例えば第1区間511および第2区間512の一方のみ)で形成してもよい。第2コイル61についても同様に、2個のコイル(第3区間611および第4区間612)で形成される構成は必須ではない。
【0100】
(14)前述の各形態において、被検出部50は、第1コイル51に代えて、例えば金属板等を含んでもよい。被検出部50は、第2コイル61に発生した磁界による電磁誘導で誘導電流が発生する磁性体を具備すればよい。第1コイル51は磁性体の例示である。
【0101】
J:付記
以上に例示した形態から、例えば以下の構成が把握される。
【0102】
本開示のひとつの態様(態様1)に係る演奏操作装置は、演奏動作に応じて変位する可動部材と、前記可動部材に設置された磁性体と、前記磁性体に対向し、電流の供給により磁界を発生するコイルとを含み、前記磁性体と前記コイルとの距離に応じたレベルの検出信号を生成する検出システムと、前記検出システムから放射される電磁波を遮蔽するための電磁シールドとを具備する。以上の態様においては、磁性体とコイルとを含む検出システムから放射される電磁波を遮蔽するための電磁シールドによりEMI対策が実現される。したがって、検出システムから放射される電磁波が周囲の電子機器に与える影響を低減できる。また、検出システムの近傍に位置する要素がコイルの周囲の磁界に与える影響も低減できる。
【0103】
態様1の具体例(態様2)において、前記可動部材を支持する支持体をさらに具備し、前記電磁シールドは、前記可動部材に設置された第1シールド部と、前記支持体に設置された第2シールド部とを含む。以上の態様においては、可動部材に設置された第1シールド部と支持体に設置された第2シールド部とを電磁シールドが含むから、支持体および可動部材の一方のみに電磁シールドが設置された構成と比較して効果的なEMI対策が実現される。
【0104】
態様2の具体例(態様3)において、前記第1シールド部は、第1基体部を含み、前記コイルは、前記磁性体と前記第1基体部との間に位置する。以上の態様によれば、磁性体と第1基体部との間にコイルが位置するから、コイルとは反対側に磁性体から放射される電磁波を第1シールド部により効果的に遮蔽できる。
【0105】
態様3の具体例(態様4)において、前記可動部材は、前記支持体に対向し、前記第1シールド部は、前記第1基体部から前記支持体に向けて突出する第1側壁部を含む。以上の態様によれば、第1シールド部が第1側壁部を含むから、磁性体から周囲に放射される電磁波を効果的に遮蔽できる。
【0106】
態様2から態様4の何れかの具体例(態様5)において、前記第1シールド部の少なくとも一部は、前記可動部材に埋設される。以上の態様によれば、第1シールド部の少なくとも一部が可動部材に埋設されるから、可動部材の本来の概形を大幅に変更することなくEMI対策が実現される。
【0107】
態様2の具体例(態様6)において、前記第2シールド部は、第2基体部を含み、前記コイルは、前記磁性体と前記第2基体部との間に位置する。以上の態様によれば、磁性体と第2基体部との間にコイルが位置するから、磁性体とは反対側にコイルから放射される電磁波を第2シールド部により効果的に遮蔽できる。
【0108】
態様6の具体例(態様7)において、前記可動部材は、前記支持体に対向し、前記第2シールド部は、前記第2基体部から前記可動部材に向けて突出する第2側壁部を含む。以上の態様によれば、第2シールド部が第2側壁部を含むから、コイルから周囲に放射される電磁波を効果的に遮蔽できる。
【0109】
態様2から態様7の具体例(態様8)に係る演奏操作装置は、前記コイルが設置された基材と、前記基材と前記第2シールド部との間の距離を調整する調整部材とを具備する。以上の態様によれば、第2シールド部と基材との間の距離の調整により、コイルに発生する磁界を変化させることが可能である。
【0110】
態様1の具体例(態様9)において、前記電磁シールドは、前記磁性体および前記コイルを包囲する。以上の態様によれば、電磁シールドが磁性体およびコイルを包囲するから、効果的なEMI対策が実現される。
【0111】
態様9の具体例(態様10)において、前記可動部材は、鍵盤楽器の鍵盤を構成する長尺状の鍵であり、前記電磁シールドは、前記磁性体および前記コイルに対して前記鍵の長辺に沿う第1方向に位置する第1部分と、前記磁性体および前記コイルに対して前記第1方向とは反対の第2方向に位置する第2部分と、前記磁性体および前記コイルの上方に位置する第3部分と、前記磁性体および前記コイルの下方に位置する第4部分とを含む。以上の態様によれば、電磁シールドが磁性体およびコイルを包囲するから、効果的なEMI対策が実現される。
【0112】
本開示のひとつの態様(態様11)に係る鍵盤楽器は、演奏動作に応じて変位する鍵と、前記鍵に設置された磁性体と、前記磁性体に対向し、電流の供給により磁界を発生するコイルとを含み、前記磁性体と前記コイルとの距離に応じたレベルの検出信号を生成する検出システムと、前記検出システムから放射される電磁波を遮蔽するための電磁シールドと、前記検出信号に応じた音を生成する音生成部とを具備する。
【符号の説明】
【0113】
100…鍵盤楽器(演奏操作装置)、10…鍵盤、12…鍵、122…設置面、124…突出部、126,127…遮蔽部、14…支持体、19…ストッパ、20…検出システム、200…筐体、21…信号処理回、22…供給回路、23…出力回路、30…情報処理装置、300…筐体、31…制御装置、32…記憶装置、33…変換器、34…音源回路、40…放音装置、50…被検出部、51…第1コイル、511…第1区間、512…第2区間、514…連結配線、52…容量素子、55…基材、60…信号生成部、61…第2コイル、611…第3区間、612…第4区間、614…連結配線、62,63…容量素子、65…基材、70…電磁シールド、71…第1シールド部、71a…第1基体部、71b1,71b2…第1側壁部、72…第2シールド部、72a…第2基体部、72b1,72b2…第2側壁部、81…固定部材、90…付勢体、91…打弦機構、911…ハンマ、912…伝達機構、T1…入力端子、T2…出力端子、Wa…内壁面、Wa1…第1部分、Wa2…第2部分、Wa3…第3部分、Wa4…第4部分、Wb…内壁面、Wb1…第1部分、Wb2…第2部分、Wb3…第3部分、Wb4…第4部分、G1,G2…支点部、141,142…支点支持部。
図1
図2
図3
図4
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